JP2024067219A - バルブユニットおよびその洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄時の検査用インクから洗浄液への置換率を上げる。【解決手段】バルブユニット30は、圧力室32と、圧力室32に液体を供給するように構成され、かつ、開口部45aを備える供給室45と、圧力室32と供給室45との連通を制御するように構成された弁部材51と、開口部45aを塞ぐように設けられ、弁部材51を支持する支持部材40と、供給室45と連通する液体流路42と、支持部材40が設けられた開口部45aを含む領域を覆う可撓性フィルム34Bと、支持部材40の外面40cと可撓性フィルム34Bとの間に形成され、液体流路42に連通する隙間領域47と、隙間領域47と供給室45とを連通させる内部流路52と、を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、インク等の液体を供給するためのバルブユニットに関する。
液体吐出ヘッドに用いられるバルブユニットの一例として、特許文献1には、液体噴射ヘッドに対して液体を供給するバルブユニットが記載されている。このバルブユニットは、圧力室と、圧力室に液体を供給する供給室と、供給室と圧力室との間に位置する供給孔を開閉するためのバルブと、圧力室内の液体の減少に伴って発生する負圧に基づいて変位する可撓性フィルムと、を有する。可撓性フィルムの変位をバルブに直接伝達することによって、バルブが開閉される。供給室の側壁には、バルブを駆動させるためのバネを支持するバネ受け座が嵌め込まれている。バネ受け座が嵌め込まれた部分を含む領域をフィルム部材で覆いことで、供給室を閉空間としている。
国際公開第2003/041964号公報
一般に、液体吐出ヘッドの製造工程において、液体吐出ヘッドの吐出動作等の検査を行う。この検査では、印刷用インクとは異なる検査用インクを使用する。検査が終わると、バルブユニットを含めて液体吐出ヘッド内を純水で洗浄する。この洗浄工程において、検査用インクがバルブユニット内に残っていると、液体吐出ヘッドの吐出性能低下の要因となる。したがって、吐出性能低下を防止するためには、洗浄時の検査用インクから純水への置換率を上げることが重要である。
特許文献1に記載のバルブユニットにおいては、供給室に液体を導入する流路の一部が行き止まりになっており、液体を循環させることが困難である。このため、液体吐出ヘッドの検査時に、検査用インクが流路に侵入すると、洗浄後も、検査用インクが流路の一部に残ってしまう。その結果、液体吐出ヘッドの吐出性能が低下する場合がある。
本発明の目的は、洗浄時の検査用インクから洗浄液への置換率を上げることができるバルブユニットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によるバルブユニットは、圧力室と、前記圧力室に液体を供給するように構成され、かつ、開口部を備える供給室と、前記圧力室と前記供給室との連通を制御するように構成された弁部材と、前記開口部を塞ぐように設けられ、前記弁部材を支持する支持部材と、前記供給室と連通する液体流路と、前記支持部材が設けられた前記開口部を含む領域を覆う可撓性フィルムと、前記支持部材の外面と前記可撓性フィルムとの間に形成され、前記液体流路に連通する隙間領域と、前記隙間領域と前記供給室とを連通させる内部流路と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、バルブユニットの洗浄時の検査用インクから洗浄液への置換率を上げることができる。
本発明を適用可能なインクジェット記録装置の部分概略図である。 図1に示すインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの斜視図である。 本発明の第1の実施形態によるバルブユニットの平面図である。 図3に示すバルブユニットの可撓性フィルムを取り除いた状態を示す平面図である。 図3に示すバルブユニットの斜視図である。 図3に示すバルブユニットの分解斜視図である。 図3に示すバルブユニットの部分断面図である。 可撓性フィルムを熱溶着する方法を説明するための模式図である。 インク充填システムの一例を示す概略図である。 洗浄システムの一例を示す概略図である。 比較例であるバルブユニットの平面図である。 図11に示すバルブユニットの部分断面図である。 本発明の第2の実施形態によるバルブユニットの平面図である。 本発明の第3の実施形態によるバルブユニットの平面図である。 本発明の第4の実施形態によるバルブユニットの平面図である。 可撓性フィルムを熱溶着する方法を説明するための模式図である。 可撓性フィルムを熱溶着する別の方法を説明するための模式図である。 本発明の第5の実施形態によるバルブユニットの平面図である。 図18に示すバルブユニットの部分断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
まず、本発明を適用可能なインクジェット記録装置について説明する。
図1は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置10の要部の概略図である。図2は、インクジェット記録装置10に搭載される記録ヘッド20の斜視図である。
図1を参照すると、インクジェット記録装置10は、装置本体に4つのインクタンク11を備える。4つのインクタンク11はそれぞれ、液体の一例である、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを収容する。これらインクタンク11はそれぞれ、ジョイント部13を介して4つの供給チューブ14に接続されている。各インクタンク11と各供給チューブ14とは一対一で対応する。加圧ポンプ12は、各インクタンク11に収容したインクを対応する供給チューブ14に向けて圧送する。
キャリッジ15は、不図示の駆動モータの駆動力により矢印Xの方向(以下、主走査方向と呼ぶ)に往復移動する。記録媒体P1は、不図示の搬送機構によって、主走査方向と交差(例えば、直交)する矢印Yの方向(以下、副走査方向と呼ぶ)に搬送される。キャリッジ15は、図2に示す記録ヘッド20を搭載する。記録ヘッド20は、着脱可能である。
記録ヘッド20は、インクを吐出可能な液体吐出部21と、6つのバルブユニット30を装着可能な装着部22を有する。これらバルブユニット30は、インクの色に対応して設けられている。1つのバルブユニット30に対して、2つのインクタンク11から別々にインクを導入可能な2つのインク室が設けられており、インク室毎に、インクの導入口23が形成されている。各導入口23は、供給チューブ14を介して対応するインクの色のインクタンク11と接続されている。インクタンク11から圧送されたインクは、導入口23からバルブユニット30に導入される。バルブユニット30は、導入したインクに所定の負圧を付与して液体吐出部21に供給する。
図2には示されていないが、液体吐出部21は、インクの色に対応して設けられた複数の吐出口列を有する。吐出口列は、インクを吐出可能な複数の吐出口が一列に配置されている。各吐出口列は、主走査方向と交差(例えば、直交)する方向に延在する。各吐出口には、インクを吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が組み合わされている。エネルギー発生素子は、例えば、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などである。
キャリッジ15を主走査方向に移動しつつ記録ヘッド20がインクを吐出する動作(スキャン)と、記録媒体P1を副走査方向に搬送する動作と、を交互に繰り返すことにより、記録媒体P1上に画像が記録される。この記録動作は、いわゆるシリアルスキャン方式と呼ばれる。
記録ヘッド20のメンテナンス時は、キャリッジ15が吸引キャップ16の上方位置まで移動する。吸引キャップ16は、駆動源(不図示)により昇降可能である。吸引キャップ16が液体吐出部21の吐出口形成面をキャッピングする。吸引ポンプ17によって吸引キャップ16内を減圧することにより、液体吐出部21の吐出口から吸引キャップ16内にインクを吸引排出することができる。
(第1の実施形態)
図3から図7は、本発明の第1の実施形態によるバルブユニット30の構成を説明するための図である。図3はバルブユニット30の構成を示す図であって、図3(a)は平面図、図3(b)は部分拡大図である。図4は可撓性フィルムを取り除いた状態のバルブユニット30の示す図であって、図(a)は平面図、図4(b)は部分拡大図である。図5(a)および図5(b)は、バルブユニット30の斜視図である。図5(b)には、図5(a)に示したバルブユニット30を矢印Iの方向から見た状態が示されている。図5(a)において、矢印Yは主走査方向を示し、矢印Xは副走査方向を示し、矢印Aは図2に示した装着部22への装着方向を示す。図6は、図5(a)に示したバルブユニット30の分解斜視図である。図7は、図3に示したバルブユニット30のA-A線における断面の構造を示す部分断面図である。
図3から図6を参照すると、バルブユニット30は、それぞれが圧力調整機構を構成する2つの圧力室32が設けられたユニットケース31を有する。図5(a)および図5(b)に示すように、2つの圧力室32は、A方向と交差(例えば、直交)するY方向に並ぶように配置されている。
一方の圧力室32はユニットケース31の一方の側面31aに開口し、他方の圧力室32はユニットケース31の他方の側面31bに開口している。これら圧力室32は、開口している向きが異なる以外は、同じ構造である。以下では、一方の圧力室32に関連する構造について説明し、他方の圧力室32についての説明は省略する。
圧力室32の開口部には、可撓性フィルム34Aを取り付けるためのフィルム固定面33が設けられている。可撓性フィルム34Aをフィルム固定面33に取り付けることで、圧力室32の開口を塞ぐ。可撓性フィルム34Aは、圧力室32の壁の少なくとも一部を構成する。圧力室32の容積を大きくするために、可撓性フィルム34Aの開口を塞ぐ部分は、外側に向かって突出する凸状であることが好ましい。可撓性フィルム34Aの凸状部分は、例えば、円錐台形状であることが好ましい。
図6および図7に示すように、可撓性フィルム34Aの内面には、受圧板35が取り付けられている。受圧板35は、熱溶着により可撓性フィルム34Aに固定されている。圧力室32の内壁には、コイルバネ36が取り付けられている。コイルバネ36は、受圧板35を介して可撓性フィルム34Aを圧力室32の外側に向かって付勢する。以下では、受圧板35を備えた可撓性フィルム34Aを可撓性部材50と呼ぶ。
ユニットケース31には、X方向において圧力室32と対向する位置に供給室45が形成されている。供給孔38は圧力室32に連通しており、供給室45は供給孔38を介して圧力室32にインクを供給する。供給室45は、供給孔38と対向する位置に開口部45aを備える。開口部45aには、可撓性部材50の可撓性フィルム34Aとは別の可撓性フィルム34Bを取り付けるためのフィルム固定面43が設けられている。供給室45の内側には、可撓性部材50の変位に応じて供給孔38を開閉する弁部材51が設けられており、弁部材51を支持する支持部材40が、開口部45aを塞ぐように設けられている。
弁部材51は、圧力室32と供給室45との連通を制御する。弁部材51は、供給孔38を塞ぐことが可能な弁体37と、弁体37を供給孔38に向けて付勢する弁バネ39とを有する。弁バネ39は、例えば、コイルバネである。弁体37は、弁バネ39を介して支持部材40に固定される。支持部材40は、開口部45aに圧入可能な支持板40aを有する。支持板40aの内面の中央部には、弁バネ39を嵌め込むための突起部40bが設けられている。突起部40bの外径は、弁バネ39の内径よりも小さい。
ユニットケース31の側面31bの一部は、供給室45の外壁面を構成する。別の可撓性フィルム34Bは、供給室45の外壁面の、少なくとも支持部材40が設けられた開口部45aを含む領域を覆うようにフィルム固定面43に取り付けられている。供給室45は、液体流路42に連通している。液体流路42は、図2に示した導入口23に連通している。インクタンク11から圧送されたインクは、導入口23を介して液体流路42に供給される。液体流路42の流路壁の一部は開口しており、この開口部は、別の可撓性フィルム34Bによって覆われている。すなわち、別の可撓性フィルム34Bは液体流路42の流路壁の一部を構成する。
別の可撓性フィルム34Bは、他方の圧力室32における可撓性部材50の可撓性フィルムである。すなわち、1枚の可撓性フィルム34A(又は34B)が、一方の圧力室32の開口部を塞ぐとともに、他方の圧力室32と連通する供給室45の開口部45aおよび液体流路42の開口部を塞ぐ。
支持部材40の外面40cと別の可撓性フィルム34Bとの間には、液体流路42に連通する隙間領域47が形成されている。支持板40aには、厚さ方向に貫通する貫通孔46が設けられている。貫通孔46は、隙間領域47と供給室45とを連通させる内部流路52の一例である。本実施形態では、貫通孔46は、支持板40aの中央部分を貫通する第1の貫通孔である。より具体的には、第1の貫通孔46は、支持板40aの外面から突起部40bを貫通する。なお、支持板40aの外面は、支持部材40の外面40cであることから、以下では、支持板40aの外面を外面40cと呼ぶ。
図3および図4に示すように、支持板40aの外面40cには、別の可撓性フィルム34Bが熱溶着により固定された2つの溶着リブ41が設けられている。各溶着リブ41は、支持板40aの外面40cから突き出すように形成されている。各溶着リブ41は、貫通孔47を囲むように円弧状に延在する。なお、溶着リブ41の数および形状は適宜に変更することが可能である。
図8は、可撓性フィルム34Bを熱溶着して固定する熱溶着方法を説明するための図である。図8(a)は熱溶着前の状態を示し、図8(b)は熱溶着後の状態を示す。図8(a)において、フィルム固定面43aおよびリブ41aは熱溶着前のものであり、それぞれフィルム固定面43および溶着リブ41に対応する。図8(a)および図8(b)には、図3に示したバルブユニット30のB-B線における断面に対応する構造が示されている。なお、熱溶着は、可撓性フィルム34Bを上にした状態で行われるため、図8(a)および図8(b)では、可撓性フィルム34Bを上にした状態が示されている。
図8(a)に示すように、2つのリブ41aが支持板40aの外面40cに第1の貫通孔46を囲むように設けられている。リブ41aを外面40cの全面や全周に設けると、圧入時に支持板40aが変形し難くなり、その結果、圧入時の部品公差を吸収することが困難になる。このため、本実施形態では、2つのリブ41aが第1の貫通孔46を囲むように円弧状に形成されている。支持板40aを開口部45aに圧入した状態において、各リブ41aの外面40cからの高さh1は、フィルム固定面43aの外面40cからの高さh2以上であることが好ましい。
可撓性フィルム34Bをフィルム固定面43aおよびリブ41aと接触させて高温で加熱することで、可撓性フィルム34Bを熱溶着により固定する。熱溶着時にフィルム固定面43aおよびリブ41aの上部が溶けて、図8(b)に示すようにフィルム固定面43および溶着リブ41が形成される。リブ41aの高さや幅および配置は、熱溶着によって溶けた樹脂が第1の貫通孔46や溶着リブ41の周り形成される隙間領域47を塞がないように設定されている。
なお、図5(a)に示したように、フィルム固定面33とフィルム固定面43は同一の側面31aに設けられており、可撓性フィルム33Aは、これらフィルム固定面33、43に熱溶着される。ここで、フィルム固定面33、43の熱溶着前のものをフィルム固定面33a、43aとする。フィルム固定面33a、43aは同じ高さであり、リブ41aはフィルム固定面33a、43aよりも外側に突き出ていることが好ましい。この場合、熱溶着時は、まず、可撓性フィルム34Aとリブ41aが固定され、次いで、可撓性フィルム34Aとフィルム固定面33a、43aが固定される。この熱溶着工程によれば、リブ41aは、熱溶着時にフィルム固定面33a、43aの溶けた樹脂が第1の貫通孔46に向かって流れるのを堰き止めるように作用する。図5(b)に示したもう一方の側面31bについても同様の熱溶着工程を適用可能である。
なお、上記熱溶着工程において、最初に可撓性フィルム34Aをフィルム固定面33a、43aに固定すると、溶着治具の熱が奪われてしまい、リブ41aの溶着が不十分になる。その結果、可撓性フィルム34Aが伸びてシワができる場合がある。このシワの発生を抑制する観点からも、上記熱溶着工程は有効である。
次に、図1~図7を参照して、本実施形態のバルブユニット30の動作を説明する。ここでは、バルブユニット30が記録ヘッド20に装着された状態における動作を説明する。
バルブユニット30において、各圧力室32は、装着部22とユニットケース31に形成された不図示のインク導出路を介して、対応する液体吐出部21の吐出口に連通している。また、各供給室45は、装着部22とユニットケース31に形成された不図示のインク導入路を介して、対応する導入口に連通している。
弁部材51が供給孔38を塞いだ状態において、記録ヘッド20によるインクの消費に伴って圧力室32内のインクが減少する。インクの減少に伴って圧力室32内の負圧が高まると、可撓性フィルム34が内側に向かって変形して、受圧板35が弁部材51の弁体37に接触する。
圧力室32内の負圧が所定の値以上に高まると、弁体37を閉動方向に付勢している弁バネ39の付勢力に抗して、受圧板35が弁体37を押して開動させる。これにより、弁体37の段差部とユニットケース31との間に流路ができ、弁体37の細い先端部と供給孔38の内壁面との間の隙間と上記流路をインクが通って圧力室32内に流入する。インクの流入により、圧力室32のインク収容容積が増加して、圧力室32内の負圧が低くなる。負圧の低下に伴って可撓性フィルム34Aが外側に向かって変形し、受圧板35が弁部材51の弁体37から離れる。その結果、弁体37が供給孔38を再び塞ぐ。
上記の動作によって、バルブユニット30は、記録ヘッド20に対して、所定の負圧が付与されたインクを安定的に供給することができる。
次に、バルブユニット30を装着した記録ヘッド20の吐出性能検査について説明する。
バルブユニット30を装着した記録ヘッド20を吐出性能検査機に搭載し、実際に全ての吐出口から高品位専用紙に向けてインクを吐出させる。高品位専用紙に着弾したインク滴の位置に基づいて、予め決められた精度内でインク滴が着弾しているかを評価する。記録ヘッド20をパッケージングした後のインクの揮発の影響や、インクのコスト削減を考慮して、印刷用インクとは異なる検査用インクが使用される。検査用インクの粘度などの特性は、印刷用インクと同等であることが好ましい。検査用インクの色は、目視による検査に適した色が好ましい。
吐出性能検査では、まず、検査用インクを記録ヘッド20に充填する。図9は、インク充填システムの概略図である。タンク61aは、検査用インクを貯留する。タンク61aは、ジョイント56を介して導入口23に検査用インクを供給する。検査用インクは、導入口23からバルブユニット30を介して記録ヘッド20内に供給される。検査用インクを迅速に充填するために、タンク61a側から検査用インクを圧送しつつ、吐出口形成面をキャッピングしたキャップ55の内部を真空ポンプ62aにより減圧する。吐出口から排出された検査用インクは、キャップ55と真空ポンプ62aの間に設けられたタンク63aに貯留される。タンク63aに貯留された検査用インクは、不図示のフィルタを通過した後、再利用される。
検査用インクを充填した記録ヘッド20の吐出口から検査用インクを吐出させて、吐出性能を検査する。検査後、バルブユニット30を含めて記録ヘッド20を洗浄する。本実施形態では、洗浄時の検査用インクから洗浄液への置換率を上げるために、洗浄液として純水を用いる。
図10は、洗浄システムの概略図である。タンク61bは、純水を貯留する。タンク61bは、ジョイント56を介して導入口23に接続されている。タンク61bとジョイント56の間には、三方弁54が設けられている。三方弁54は、純水とCDA(クリーンドライエア)を交互に切り替える。
この洗浄システムでは、まず、三方弁54がタンク61bとジョイント56との間を開通させる。タンク61bは、ジョイント56を介して導入口23に純水を供給する。純水は、導入口23からバルブユニット30を介して記録ヘッド20内に供給される。タンク61b側から純水を圧送しつつ、吐出口形成面をキャッピングしたキャップ55の内部を真空ポンプ62bにより減圧する。純水がバルブユニット30および記録ヘッド20を通過する際に、残留する検査用インクと純水が混ざる。検査用インクと純水の混合水は、吐出口より排出され、タンク63bに貯留される。これにより、バルブユニット30および記録ヘッド20のそれぞれにおける検査用インクの残留量が減少し、残留する検査用インクの濃度も薄くなる。
純水による洗浄を数秒ほど行った後、三方弁54がジョイント56への供給を純水からエアに切り替える。エアは、導入口23からバルブユニット30を介して記録ヘッド20内に供給される。エアを数秒ほど流した後、三方弁54がジョイント56への供給をエアから純水に切り替える。
上記のように純水とエアを交互に流す間欠動作を数回繰り返すことで、バルブユニット30および記録ヘッド20の内部を通過する純水が乱流状態になり、その結果、洗浄効果が増大する。
本実施形態のバルブユニット30によれば、バルブユニット30の洗浄時の検査用インクから洗浄液(ここでは、純水)への置換率を上げることができる。以下に、この効果について詳細に説明する。
まず、比較例として、隙間領域47と供給室45とが連通していないバルブユニット30Aを挙げ、このバルブユニット30Aで生じる問題を具体的に説明する。
(比較例)
図11は、比較例であるバルブユニット30Aの平面図である。図12は、図11に示したバルブユニット30AのA-A線における断面の構造を示す部分断面図である。
本比較例のバルブユニット30Aは、隙間領域47と供給室45を連通させる第1の貫通孔46(内部流路52)を有していない点で、上述した第1の実施形態のバルブユニット30と異なる。隙間領域47は、液体流路42と連通しており、液体流路42とは反対側である奥側が行き止まりになっている。隙間領域47の奥側に、閉空間44が形成されている。この他の構成要素は、基本的にバルブユニット30のものと同じであるため、ここでは、それら構成要素の説明は省略する。
バルブユニット30Aを記録ヘッド20に取り付け、図9に示したインク充填システムを用いて、検査用インクを記録ヘッド20に充填した。バルブユニット30Aでは、導入口23から供給された検査用インクは、液体流路42を介して供給室45および圧力室32を通過した。このとき、検査用インクは、液体流路42から隙間領域47にも流入した。隙間領域47に流入した検査用インクは、閉空間44に滞留した。
次に、図10に示した洗浄システムを用い、バルブユニット30Aを含めて記録ヘッド20を洗浄した。純水とエアを交互に流す間欠動作を数回繰り返し、バルブユニット30Aおよび記録ヘッド20をそれぞれ純水で洗浄した。バルブユニット30Aでは、導入口23から供給された純水は、液体流路42を介して供給室45および圧力室32を通過した。残留する検査用インクが純水と混ざり、その混合水が排出された。しかし、隙間領域47は液体を循環させ難い構造であるため、間欠動作を約数分間行っても、閉空間44には高濃度の検査用インクが残った。また、隙間領域47の液体流路42に近い側でも、濃度の薄い検査用インクが残った。
このようにバルブユニット30Aにおいては、検査用インクが隙間領域47に残留するため、残留した検査用インクが印刷用インクと混ざったり、反応したりすることで、記録ヘッド20の吐出性能を低下させる。例えば、検査用インクが印刷用インクと反応することで不純物が発生して、液体吐出ヘッドの吐出性能に影響を与える場合がある。また、印刷用インクと検査用インクが混ざることで吐出インクの色味が変化し、印刷品位が劣化する場合がある。
これに対して、本実施形態のバルブユニット30では、隙間領域47は、支持部材40の第1の貫通孔46を介して供給室45に連通しているため、隙間領域内の液体の循環(流出)が可能である。このため、純水とエアを交互に流す間欠動作を数回繰り返すと、隙間領域47に残留している検査用インクは、第1の貫通孔46を通って共通液室45に流入した。また、純水やエアも隙間領域47から第1の貫通孔46を通って共通液室45に流入した。この液体循環によって、隙間領域47に残留している検査用インクのほとんどを純水に置換することができるので、洗浄時の検査用インクから純水への置換率を上げることができ、記録ヘッド20の吐出性能の低下を抑制することができる。加えて、比較例のバルブユニット30Aと比べて、洗浄に要する時間を短縮することもできる。
なお、純水の温度を上げることで、表面張力が低下して洗浄効果を増大させることができ、その結果、検査用インクから純水への置換率を改善することができる。しかし、純水の温度を上げると、その熱によって可撓性フィルム34Aが伸びる。可撓性フィルム34Aが伸びると、それに伴って弁体37の移動量が増大し、規定の負圧で弁体37の開動作を行うことができなくなる。その結果、圧力室32内の負圧が高くなって、記録ヘッド20の吐出口からインクを吐出できなくなり、印字不良を引き起こす場合がある。
本実施形態のバルブユニット30において、第1の貫通孔46は、隙間領域47のうちの液体流路42から最も遠い領域(行き止まり側の部分)に配置されてもよい。これにより、隙間領域内の液体を効率的に循環させることができる。ただし、この場合は、熱溶着で溶けた樹脂が第1の貫通孔46を塞ぐことがないように、溶着リブ41を配置することが好ましい。換言すると、溶着リブ41は、第1の貫通孔46を塞ぐことがないのであれば、任意の位置に設けることができる。
(第2の実施形態)
図13は、本発明の第2の実施形態によるバルブユニット30の構成を示す図であって、図13(a)は平面図、図13(b)は部分拡大図である。図13(a)には、可撓性フィルム34Aを取り除いた状態が示されている。
図13(a)および図13(b)を参照すると、本実施形態のバルブユニット30は、第1の貫通孔46に代えて2つの第2の貫通孔46a、46bを備える点で、第1の実施形態のものと異なる。第2の貫通孔46a、46b以外の構成要素は、基本的に第1の実施形態のものと同じであるので、ここでは、それらの構成要素の説明は省略する。
第2の貫通孔46a、46bは、溶着リブ41の外側に設けられており、それぞれ支持板40aを厚さ方向に貫通する。第2の貫通孔46aは、隙間領域47の液体流路42に隣接する領域に配置されている。第2の貫通孔46bは、隙間領域47の奥側の領域に配置されている。奥側の領域は、液体流路42から最も遠い領域(行き止まり側の部分)である。
本実施形態のバルブユニット30によれば、液体流路42から隙間領域47に流入した液体は、第2の貫通孔46a、46bを通って共通液室45に流れる。このように隙間領域47は液体の循環が可能であるため、第1の実施形態と同様、洗浄時の検査用インクから純水への置換率を上げることができ、記録ヘッド20の吐出性能の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態のバルブユニット30において、3つ以上の第2の貫通孔が溶着リブ41の外側に設けられてもよい。第2の貫通孔の数が増えることで、隙間領域47の液体をより循環させ易くなる。
複数の第2の貫通孔の少なくとも一つは、隙間領域47の奥側の領域(行き止まり側の部分)に配置されていることが好ましい。これにより、隙間領域47の液体を効率的に循環させることができる。
(第3の実施形態)
図14は、本発明の第3の実施形態によるバルブユニット30の構成を示す図であって、図14(a)は平面図、図14(b)は部分拡大図である。図14(a)には、可撓性フィルム34Aを取り除いた状態が示されている。
図14(a)および図14(b)を参照すると、本実施形態のバルブユニット30は、4つの第2の貫通孔46a、46b、46c、46dを有する点で、第1の実施形態のものと異なる。第2の貫通孔46a、46b、46c、46d以外の構成要素は、基本的に第1の実施形態のものと同じであるので、ここではそれらの構成要素の説明は省略する。
4つの第2の貫通孔46a、46b、46c、46dは、溶着リブ46の外側に設けられており、それぞれ支持板40aを厚さ方向に貫通する。第2の貫通孔46a、46bは、図13に示したものと同じである。第2の貫通孔46cと第2の貫通孔46dは、溶着リブ41を挟んで互いに対向するように配置されている。本実施形態では、4つの第2の貫通孔46a、46b、46c、46dは、溶着リブ41の外周に沿って略等間隔に配置されている。
本実施形態のバルブユニット30によれば、液体流路42から隙間領域47に流入した液体は、第1の貫通孔46と4つの第2の貫通孔46a、46b、46c、46dとを通って共通液室45に流れる。第1の実施形態や第2の実施形態と比較して、隙間領域47の液体の循環経路が多いため、洗浄時の検査用インクから純水への置換率をさらに向上することができる。
なお、本実施形態のバルブユニット30において、第2の貫通孔の数は、3つであっても、5つ以上であってもよい。ただし、少なくとも1つの第2の貫通孔は隙間領域47の奥側の領域(行き止まり側の部分)に配置されていることが好ましい。これにより、隙間領域47の液体を効率的に循環させることができる。
(第4の実施形態)
図15は、本発明の第4の実施形態によるバルブユニット30の構成を示す図であって、図15(a)は平面図、図15(b)は部分拡大図である。図15(a)には、可撓性フィルム34Aを取り除いた状態が示されている。
図15(a)および図15(b)を参照すると、本実施形態のバルブユニット30は、2つの凸部48を有する点で、第1の実施形態のものと異なる。凸部48以外の構成要素は、基本的に第1の実施形態のものと同じであるので、ここでは、それらの構成要素の説明は省略する。
2つの凸部48は、2つの溶着リブ41と第1の貫通孔46との間に、支持板40aの外面40cから突き出すように設けられている。2つの凸部48は、2つの溶着リブ41にそれぞれ対応して設けられ、第1の貫通孔46を囲むように円弧状に延在する。凸部48の外面40cからの高さは、溶着リブ41の外面40cからの高さよりも低い。なお、溶着リブ41の数は2つに限定されない。3つ以上の溶着リブ41が第1の貫通孔46を囲むように形成されてもよい。同様に、凸部48の数も2つに限定されない。3つ以上の凸部48が第1の貫通孔46を囲むように形成されてもよい。
本実施形態のバルブユニット30によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することに加え、凸部48を備えることにより、以下のような効果を奏する。
図16は、可撓性フィルム34Bを熱溶着して固定する方法を説明するための図である。図16(a)は熱溶着前の状態を示し、図16(b)は熱溶着後の状態を示す。図16(a)において、フィルム固定面43aおよびリブ41aは熱溶着前のものであり、それぞれフィルム固定面43および溶着リブ41に対応する。図16(a)および図16(b)には、図15に示したバルブユニット30のA-A線における断面に対応する構造が示されている。なお、熱溶着は、可撓性フィルム34Bを上にした状態で行われるため、図16(a)および図16(b)では、可撓性フィルム34Bを上にした状態が示されている。
図16(a)に示すように、2つのリブ41aと2つの凸部48がそれぞれ第1の貫通孔46を囲むように円弧状に形成されている。支持板40aを開口部45aに圧入した状態において、リブ41aの外面40cからの高さh1は、フィルム固定面43aの外面40cからの高さh2以上であることが好ましい。凸部48の外面40cからの高さh3は、リブ41aの外面40cからの高さh1よりも低い。
可撓性フィルム34Bをフィルム固定面43aおよびリブ41aと接触させて高温で加熱することで、可撓性フィルム34Bを熱溶着により固定する。このとき、凸部48と可撓性フィルム34Bとは接触していない。熱溶着時にフィルム固定面43aおよびリブ41aの上部が溶けて、図16(b)に示すようにフィルム固定面43および溶着リブ41が形成される。リブ41aの溶けた樹脂は、リブ41aの外側の側壁および内側の側壁を伝って流れる。リブ41aの内側の側壁を伝って流れた樹脂は、凸部48によって堰き止められる。これにより、熱溶着で溶けた樹脂が第1の貫通孔46を塞ぐことを抑制することができる。
また、熱と荷重を加えてリブ41aを溶着するため、熱溶着で溶けた樹脂は、凸部48で堰き止められて可撓性フィルム34Bの面内方向に広がる。その結果、溶着リブ41と可撓性フィルム34Bとの溶着面積が増大し、溶着リブ41と可撓性フィルム34Bとの接合強度を増大させることができる。
図17は、可撓性フィルム34Bを熱溶着して固定する別の方法を説明するための図である。図17(a)は熱溶着前の状態を示し、図17(b)は熱溶着後の状態を示す。図17(a)において、フィルム固定面43aおよびリブ41bは熱溶着前のものであり、それぞれフィルム固定面43および溶着リブ41に対応する。図17(a)および図17(b)には、図15に示したバルブユニット30のA-A線における断面に対応する構造が示されている。なお、熱溶着は、可撓性フィルム34Bを上にした状態で行われるため、図17(a)および図17(b)では、可撓性フィルム34Bを上にした状態が示されている。
図17(a)に示すように、2つのリブ41bと2つの凸部48がそれぞれ第1の貫通孔46を囲むように円弧状に形成されている。リブ41b以外の構成は、図16(a)に示したものと同じである。
リブ41bは、内側の側壁が支持板40aの外面40cに対してほぼ垂直になるように形成され、外側の側壁が支持板40aの外面40cに対して傾斜するように形成されている。リブ41bは、ほぼ垂直な面と傾斜面とからなる三角形状(より好ましくは直角三角形状)の断面構造を有する。支持板40aを開口部45aに圧入した状態において、リブ41bの外面40cからの高さh1は、フィルム固定面43aの外面40cからの高さh2以上であることが好ましい。凸部48の外面40cからの高さh3は、リブ41bの外面40cからの高さh1よりも低い。
図16に示した熱溶着方法と同様、可撓性フィルム34Bをフィルム固定面43aおよびリブ41bと接触させて高温で加熱することで、可撓性フィルム34Bを熱溶着により固定する。熱溶着時にフィルム固定面43aおよびリブ41bの上部が溶けて、図17(b)に示すようにフィルム固定面43および溶着リブ41が形成される。溶着リブ41は、外側の側壁が傾斜面よりなり、内側の側壁が48凸部に向かって張出した曲面よりなる。
リブ41bの溶けた樹脂のほとんどは、リブ41bの内側の側壁を伝って流れる。リブ41bの内側の側壁を伝って流れた樹脂は、凸部48によって堰き止められる。これにより、熱溶着で溶けた樹脂が第1の貫通孔46を塞ぐことを抑制することができる。
また、熱溶着で溶けた樹脂は、凸部48で堰き止められて可撓性フィルム34Bの面内方向に広がるため、溶着リブ41と可撓性フィルム34Bとの溶着面積が増大し、溶着リブ41と可撓性フィルム34Bとの接合強度を増大させることができる。
さらに、断面形状が四角形のリブ41aと比較して、断面形状が三角形のリブ41bは、熱溶着で溶ける樹脂の量が少ないため、溶着リブ41の外側および内側に形成される空間(隙間領域47の一部)を広くすることができる。これにより、隙間領域47の液体をより循環させ易くすることができる。
加えて、熱溶着で溶けた樹脂のほとんどはリブ41bの内側の側壁を伝って流れる。このため、溶着リブ41の外側に形成される空間(隙間領域47の一部)は、図16(b)に示したものよりも広くなる。これにより、隙間領域47の液体をより循環させ易くすることができる。
(第5の実施形態)
図18は、本発明の第5の実施形態によるバルブユニット30の構成を示す図であって、図18(a)は平面図、図18(b)は部分拡大図である。図19は、図18(a)に示すバルブユニット30のA-A線における断面の構造を示す部分断面図である。
本実施形態のバルブユニット30は、第1の貫通孔46に代えて流路46Aを有する点で、第1の実施形態のものと異なる。流路46A以外の他の構成要素は、第1の実施形態のものと同じであるので、ここでは、他の構成要素についての説明は省略する。
流路46Aは、隙間領域47と供給室45とを連通させる内部流路52の一例である。流路46Aは、支持板40aの側面と開口部45aの内壁面との境界に沿って延びており、隙間領域47と供給室45とを連通させる。流路46Aは、支持板40aの側面と開口部45aの内壁面の一方または両方に設けられた溝からなる。流路46Aは、隙間領域47の奥側(行き止まり部分)に開口している。
本実施形態のバルブユニット30によれば、液体流路42から隙間領域47に流入した液体は、流路46Aを通って共通液室45に流れる。このように隙間領域47は液体の循環が可能であるため、第1の実施形態と同様、洗浄時の検査用インクから純水への置換率を上げることができ、記録ヘッド20の吐出性能の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態のバルブユニット30において、流路46Aは、2つ以上設けられてもよい。ただし、少なくとも1つの流路46Aは隙間領域47の奥側の領域(行き止まり側の部分)に配置されていることが好ましい。これにより、隙間領域47の液体を効率的に循環させることができる。
また、第1の貫通孔46を支持部材40aに設けても良い。流路46Aと第1の貫通孔46を併用することで、隙間領域47の液体を循環させ易くなる。
以上説明した第1乃至第5の実施形態は本発明の一例であり、各実施形態で説明した構成要素は適宜に組み合わせて用いることができる。例えば、第1の貫通孔46、第2の貫通孔(46a~46d)、および流路46Aの2つ以上を組み合わせてもよく、これら組み合わせに対して、さらに、溶着リブ41および凸部48を組み合わせてもよい。
本発明の実施形態の開示は、以下の構成および方法を含む。
(構成1)
圧力室と、
前記圧力室に液体を供給するように構成され、かつ、開口部を備える供給室と、
前記圧力室と前記供給室との連通を制御するように構成された弁部材と、
前記開口部を塞ぐように設けられ、前記弁部材を支持する支持部材と、
前記供給室と連通する液体流路と、
前記支持部材が設けられた前記開口部を含む領域を覆う可撓性フィルムと、
前記支持部材の外面と前記可撓性フィルムとの間に形成され、前記液体流路に連通する隙間領域と、
前記隙間領域と前記供給室とを連通させる内部流路と、を有することを特徴とするバルブユニット。
(構成2)
前記支持部材は、前記開口部に圧入可能に構成された支持板を有し、
前記内部流路は、前記支持板を厚さ方向に貫通する貫通孔を含む、構成1に記載のバルブユニット。
(構成3)
前記貫通孔は、前記支持板の中央部分を貫通する第1の貫通孔を含む、構成2に記載のバルブユニット。
(構成4)
前記支持板の内面の中央部には、前記弁部材を取り付けるための突起部が設けられており、前記第1の貫通孔は、前記突起部を貫通する、構成3に記載のバルブユニット。
(構成5)
前記支持板の外面から突き出すように設けられ、前記可撓性フィルムが溶着された複数の溶着リブを、さらに有し、
前記複数の溶着リブは、前記第1の貫通孔を囲むように延在する、請求項3または4に記載のバルブユニット。
(構成6)
前記複数の溶着リブと前記第1の貫通孔との間に前記支持板の外面から突き出すように設けられた複数の凸部を、さらに有し、
前記複数の凸部は、前記複数の溶着リブにそれぞれ対応して設けられ、前記第1の貫通孔を囲むように延在し、各凸部の前記外面からの高さは、前記複数の溶着リブの前記外面からの高さよりも低い、構成5に記載のバルブユニット。
(構成7)
前記複数の溶着リブは、外側の側壁が傾斜面よりなり、内側の側壁が前記凸部に向かって張出した曲面よりなる、構成6に記載のバルブユニット。
(構成8)
前記貫通孔は、前記複数の溶着リブの外側に設けられ、前記支持板を厚さ方向に貫通する複数の第2の貫通孔をさらに含む、構成5乃至7のいずれか一つに記載のバルブユニット。
(構成9)
前記隙間領域は行き止まりになっており、
前記複数の第2の貫通孔の少なくとも一つは、前記支持板の前記行き止まりの部分に設けられている、構成8に記載のバルブユニット。
(構成10)
前記支持板の外面から突き出すように設けられ、前記可撓性フィルムが溶着された複数の溶着リブを、さらに有し、
前記複数の溶着リブは、前記外面の中央部を囲むように延在し、
前記貫通孔は、前記複数の溶着リブの外側に設けられ、前記支持板を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔である、構成2に記載のバルブユニット。
(構成11)
前記隙間領域は行き止まりになっており、
前記複数の貫通孔の一つは、前記支持板の前記行き止まりの部分に設けられている、構成10に記載のバルブユニット。
(構成12)
前記支持部材は、前記開口部に圧入可能な支持板を有し、
前記内部流路は、前記支持板の側面と前記開口部の内壁面との境界に沿って延びる少なくとも一つの流路を含む、構成1に記載のバルブユニット。
(構成13)
前記少なくとも一つの流路は、前記支持板の側面と前記開口部の内壁面の一方または両方に設けられた溝からなる、構成12に記載のバルブユニット。
(構成14)
前記隙間領域は行き止まりになっており、
前記少なくとも一つの流路は、前記行き止まりの部分に開口している、構成12または13に記載のバルブユニット。
(構成15)
構成1乃至14のいずれか一つに記載のバルブユニットと、
前記バルブユニットが着脱可能に取り付けられる装着部と、
液体を吐出する液体吐出部と、を有し、
前記装着部に装着された前記バルブユニットを介して前記液体吐出部に液体が供給される液体吐出ヘッド。
(方法1)
構成1乃至14のいずれか一つに記載のバルブユニットの洗浄方法であって、
検査用インクが充填された前記バルブユニットに洗浄液とエアを交互に供給して、前記隙間領域内の検査用インクを前記内部流路から流出させることを特徴するバルブユニットの洗浄方法。
(方法2)
弁部材を支持する支持板を開口部に圧入し、前記支持板が圧入された前記開口部に可撓性フィルムを熱溶着する熱溶着方法であって、
前記支持板は中央部に貫通孔を備え、前記支持板の外面には、該外面から突き出すように設けられ、前記貫通孔を囲むように延在する複数のリブと、前記複数のリブと前記貫通孔との間に前記外面から突き出すように設けられ、前記貫通孔を囲むように延在する複数の凸部と、を備え、前記複数のリブは、内側の側壁が前記外面にほぼ垂直であり、外側の側壁が前記外面に対して傾斜した傾斜面よりなる三角形状の断面構造を備え、前記複数の凸部の前記外面からの高さは、前記複数のリブの前記外面からの高さより低くなるように構成されており、
前記可撓性フィルムを前記複数のリブに接触させて加熱し、各リブの上部を溶かして熱溶着することを特徴とする熱溶着方法。
30 バルブユニット
32 圧力室
34 可撓性フィルム
38 供給孔
40 支持部材
42 液体流路
45 供給室
45a 開口部
47 隙間領域
50 可撓性部材
51 弁部材
52 内部流路

Claims (17)

  1. 圧力室と、
    前記圧力室に液体を供給するように構成され、かつ、開口部を備える供給室と、
    前記圧力室と前記供給室との連通を制御するように構成された弁部材と、
    前記開口部を塞ぐように設けられ、前記弁部材を支持する支持部材と、
    前記供給室と連通する液体流路と、
    前記支持部材が設けられた前記開口部を含む領域を覆う可撓性フィルムと、
    前記支持部材の外面と前記可撓性フィルムとの間に形成され、前記液体流路に連通する隙間領域と、
    前記隙間領域と前記供給室とを連通させる内部流路と、を有することを特徴とするバルブユニット。
  2. 前記支持部材は、前記開口部に圧入可能に構成された支持板を有し、
    前記内部流路は、前記支持板を厚さ方向に貫通する貫通孔を含む、請求項1に記載のバルブユニット。
  3. 前記貫通孔は、前記支持板の中央部を貫通する第1の貫通孔を含む、請求項2に記載のバルブユニット。
  4. 前記支持板の内面の中央部には、前記弁部材を取り付けるための突起部が設けられており、前記第1の貫通孔は、前記突起部を貫通する、請求項3に記載のバルブユニット。
  5. 前記支持板の外面から突き出すように設けられ、前記可撓性フィルムが溶着された複数の溶着リブを、さらに有し、
    前記複数の溶着リブは、前記第1の貫通孔を囲むように延在する、請求項3に記載のバルブユニット。
  6. 前記複数の溶着リブと前記第1の貫通孔との間に前記支持板の外面から突き出すように設けられた複数の凸部を、さらに有し、
    前記複数の凸部は、前記複数の溶着リブにそれぞれ対応して設けられ、前記第1の貫通孔を囲むように延在し、各凸部の前記外面からの高さは、前記複数の溶着リブの前記外面からの高さよりも低い、請求項5に記載のバルブユニット。
  7. 前記複数の溶着リブは、外側の側壁が傾斜面よりなり、内側の側壁が前記凸部に向かって張出した曲面よりなる、請求項6に記載のバルブユニット。
  8. 前記貫通孔は、前記複数の溶着リブの外側に設けられ、前記支持板を厚さ方向に貫通する複数の第2の貫通孔をさらに含む、請求項5に記載のバルブユニット。
  9. 前記隙間領域は行き止まりになっており、
    前記複数の第2の貫通孔の少なくとも一つは、前記支持板の前記行き止まりの部分に設けられている、請求項8に記載のバルブユニット。
  10. 前記支持板の外面から突き出すように設けられ、前記可撓性フィルムが溶着された複数の溶着リブを、さらに有し、
    前記複数の溶着リブは、前記外面の中央部を囲むように延在し、
    前記貫通孔は、前記複数の溶着リブの外側に設けられ、前記支持板を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔である、請求項2に記載のバルブユニット。
  11. 前記隙間領域は行き止まりになっており、
    前記複数の貫通孔の一つは、前記支持板の前記行き止まりの部分に設けられている、請求項10に記載のバルブユニット。
  12. 前記支持部材は、前記開口部に圧入可能な支持板を有し、
    前記内部流路は、前記支持板の側面と前記開口部の内壁面との境界に沿って延びる少なくとも一つの流路を含む、請求項1に記載のバルブユニット。
  13. 前記少なくとも一つの流路は、前記支持板の側面と前記開口部の内壁面の一方または両方に設けられた溝からなる、請求項12に記載のバルブユニット。
  14. 前記隙間領域は行き止まりになっており、
    前記少なくとも一つの流路は、前記行き止まりの部分に開口している、請求項12に記載のバルブユニット。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載のバルブユニットと、
    前記バルブユニットが着脱可能に取り付けられる装着部と、
    液体を吐出する液体吐出部と、を有し、
    前記装着部に装着された前記バルブユニットを介して前記液体吐出部に液体が供給される液体吐出ヘッド。
  16. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載のバルブユニットの洗浄方法であって、
    検査用インクが充填された前記バルブユニットに洗浄液とエアを交互に供給して、前記隙間領域内の検査用インクを前記内部流路から流出させることを特徴するバルブユニットの洗浄方法。
  17. 弁部材を支持する支持板を開口部に圧入し、前記支持板が圧入された前記開口部に可撓性フィルムを熱溶着する熱溶着方法であって、
    前記支持板は中央部に貫通孔を備え、前記支持板の外面には、該外面から突き出すように設けられ、前記貫通孔を囲むように延在する複数のリブと、前記複数のリブと前記貫通孔との間に前記外面から突き出すように設けられ、前記貫通孔を囲むように延在する複数の凸部と、を備え、前記複数のリブは、内側の側壁が前記外面にほぼ垂直であり、外側の側壁が前記外面に対して傾斜した傾斜面よりなる三角形状の断面構造を備え、前記複数の凸部の前記外面からの高さは、前記複数のリブの前記外面からの高さより低くなるように構成されており、
    前記可撓性フィルムを前記複数のリブに接触させて加熱し、各リブの上部を溶かして熱溶着することを特徴とする熱溶着方法。
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