JP2024065538A - 車高調整システム - Google Patents

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亮 神田
Akira Kanda
和行 村田
Kazuyuki Murata
修史 長谷川
Shuji Hasegawa
浩太郎 沖村
Kotaro Okimura
渉悟 田中
Shogo Tanaka
征司 神田
Masashi Kanda
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Abstract

【課題】 実用性の高い車高調整システムを提供する。【解決手段】 車輪と車体との上下方向の離間距離を変更するための離間距離変更装置を備えた車高調整システムにおいて、車高を、設定された車高である標準車高HNから、標準車高より低い低車高HLに変更する際に、標準車高への復帰が円滑に行えない復帰困難状態であるときには、その車高の変更を制限する。例えば、環境温度が低いときや、液圧シリンダ型車高調整システムにおいて、アキュムレータ圧が低いときや、ポンプを駆動する電動モータが過熱状態となる虞があるときに、低車高への変更を禁止したり、標準車高と低車高との差ΔHを小さくする。低車高への変更を制限することで、復帰困難状態であっても、その後の標準車高での走行を充分に担保することが可能となる。【選択図】 図2

Description

本発明は、車両に搭載されてその車両の高さを調整するための車高調整システムに関する。
車高調整システムは、状況に応じて、車高(車両の高さ、言い換えれば、車体の路面からの距離)を変更するシステムであるが、その車高の変更を制限する技術が存在する。例えば、下記特許文献に記載されている技術では、車両の周囲の設定領域内に物体が存在するときには、その物体若しくは車両自体の損傷をさけるべく、車高の変更を中止するようにしている。
特開2006-188088号公報
一般的に、車高調整システムは、車輪と車体との間に配設されて、車輪と車体との上下方向の離間距離を変更するための離間距離変更装置を有しており、コントローラが、その離間距離を変更することで車高を調整するようにされている。そのような車高調整システムでは、車高を高くする場合は、車高を低くする場合に比較して、離間距離変更装置の負担は大きく、その負担に配慮することにより、車高調整システムの実用性を向上させることが可能である。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い車高調整システムを提供するこを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車高調整システムは、車両に搭載され、車輪と車体との上下方向の離間距離を変更するための離間距離変更装置と、その離間距離変更装置を制御することで車両の高さである車高を調整するコントローラとを備えた車高調整システムであって、コントローラが、車高を、設定された車高である標準車高から、標準車高より低い低車高に変更する際に、標準車高への復帰が円滑に行えない復帰困難状態であるときには、その車高の変更を制限するように構成される。
本発明の車高調整システムによれば、上記復帰困難状態において、車高を下げることが制限されるため、例えば、復帰困難状態であっても、その後の標準車高での走行を充分に担保することが可能である。
発明の態様
本発明の車高調整システム(以下、当該〔発明の態様〕において、「本システム」と略す場合がある。)の「離間距離変更装置」は、具体的な構成が特に限定されない。例えば、サスペンションスプリングの上端と車体のマウントとの間に配設されて、その上端とマウントとの距離を変更するようなアクチュエータを含む装置、いわゆる、ジャッキ型の装置であってもよい。また、例えば、(a)一端が車輪に他端が車体にそれぞれ接続され、作動液の流入出によって伸縮する液圧シリンダと、(b)作動液を貯留するリザーバと、電動モータによって駆動されてリザーバの作動液を汲み上げて吐出するポンプと、そのポンプからの作動液を貯留するアキュムレータとを有して、作動液を液圧シリンダに供給する高圧源装置とを含む装置、いわゆる液圧シリンダ型装置であってもよい。本システムにおける「コントローラ」は、例えば、コンピュータや、離間距離変更装置のいくつかの要素を駆動するためのドライバを含んで構成されるものであればよい。
本システムは、車高調整機能として、車両が走行する路面状態,車両の走行速度等に応じて、何段階かに車高を変更したりする機能(以下、「車高変更機能」という場合がある)や、乗降による乗員数の変化,荷物の積載量の変化等によっても車高を一定に維持する機能(以下、「オートレベリング機能」という場合がある)等を有することができる。本システムにおける上記「車高を、設定された車高である標準車高から、標準車高より低い低車高に変更する際」とは、主に、車高変更機能による低車高への変更を意味する。具体的には、例えば、「標準車高」が、通常走行のために設定された車高であり、「低車高」が、当該車両に対する乗員の乗り降りのために設定された車高である場合の低車高への変更である。標準車高と低車高との差が比較的大きく、低車高から標準車高への復帰に、離間距離変更装置の負担の大きい場合において、低車高への変更を制限することの意義は大きい。ちなみに、車高変更機能による低車高への変更に対して制限を加える一方で、他の機能を維持することも可能である。具体的に言えば、オートレベリング機能に対しては制限を加えないようにすることも可能なのである。
「復帰困難状態」であると判定されるための条件を「特定条件」とすれば、その特定条件として、例えば、環境温度が設定温度より低いことを採用することができる。例えば、-0°C,-20°Cといった低温環境化では、離間距離変更装置の動作に相当の抵抗が生じることから、低車高から標準車高への復帰に対して相当の負荷がかかることになる。また、離間距離変更装置が、上述の液圧シリンダ型装置である場合には、特定条件として、例えば、上記アキュムレータ内の作動液の圧力であるアキュムレータ圧が設定圧より低いことと、上記電動モータが過熱状態となる虞があることとの少なくとも一方を採用することができる。アキュムレータ圧が低い状態では、標準車高への復帰が迅速に行うことができないため、低車高への変更を制限することに意義がある。また、電動モータが過熱状態となると、過熱保護のために電動モータの動作が制限されて標準車高への復帰が満足には行えないため、やはり、低車高への変更を制限することに意義がある。ちなみに、電動モータが過熱状態になる虞があるか否かは、例えば、標準車高への復帰に必要な電動モータの作動時間をtUPと、過熱保護に至るまでの電動モータの作動時間をtPROと、現時点までの電動モータの作動時間をtとして、tUP>(tPRO-t)となっているか否かによって判定すればよい。ちなみに、(tPRO-t)は、余裕時間と考えることができる。なお、t,tPROは、連続した作動時間であってもよく、現時点から設定時間遡った時点から現時点までの累積の作動時間であってもよい。
上記には、特定条件として、複数の条件を掲げたが、それら複数の条件のうちのいずれか1つを充足した場合に、低車高への変更を制限してもよく、また、複数の条件のうちの複数を充足した場合に、低車高への変更を制限してもよい。つまり、端的に言えば、それら複数の条件は、AND条件であってもOR条件であってもよいのである。
「車高の変更の制限」、つまり、低車高への変更の制限は、低車高への変更を禁止することと、制限されてない場合に比較して標準車高と低車高との差を小さくすることとの少なくとも一方を行えばよい。後者について補足すれば、後者は、低車高の位置を、制限されていない場合に比較して、高く設定することを意味する。その場合、例えば、低車高の位置を、上記特定条件の充足を判定するためのパラメータ(例えば、上記アキュムレータ圧,環境温度,ポンプ駆動時間等)の高さ若しくは大きさに応じて、連続若しくは段階的に設定変更するようにしてもよい。
実施例の車高調整システムにおける前輪側,後輪側の一方のシステムのハード構成を示す図である。 本車高調整システムにおける車高変更機能を説明するための模式図である。 低車高への変更の制限として、低車高の位置を高くする場合に参照されるテーブルデータである。 本車高調整システムにおいて実行される低車高変更制御プログラムのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例である車高調整システムを、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
[A]車高調整システムの構成
実施例の車高調整システムは、車両の高さである車高を調整するためのシステムである。本車高調整システムは、比較的大型の車両、詳しく言えば、バスに搭載され、前輪側,後輪側のそれぞれに設けられた2つのシステムからなる。それら2つのシステムの各々は、図1に示すように、いわゆる液圧シリンダ型装置である離間距離変更装置10と、その離間距離変更装置10を制御することで車高を調整するコントローラである車高調整電子制御ユニット(以下、「車高調整ECU」若しくは単に「ECU」という場合がある)12とを含んで構成されている。
離間距離変更装置10は、左右の車輪14に対応して、車輪14と車体16との間に、詳しく言えば、車輪14を上下に揺動可能に保持するサスペンションアーム18と車体16との間に配設された1対の液圧シリンダ20と、それら液圧シリンダ20に作動液を供給するための高圧源装置22とを含んで構成されている。ちなみに、各液圧シリンダ20は、図示しないサスペンションスプリングと並列に配設されている。
各液圧シリンダ20は、ハウジング30と、ハウジング30の内部を2つの液室32である上室32U,下室32Lに区分けするピストン34と、上端がピストン34に連結されるとともにハウジング30の下端部から延び出すピストンロッド36とを含んで構成されている。ちなみに、ピストン34には、上室32Uと下室32Lとを連通させるとともに、通過する作動液に対してオリフィスとして機能する連通路38が設けられている。各液圧シリンダ20は、一端が車輪14に他端が車体16にそれぞれ接続されている。詳しく言えば、ピストンロッド36の下端がサスペンションアーム18に、ハウジング30の上端が車体16に、それぞれ連結されている。
高圧源装置22は、作動液を大気圧で貯留するリザーバ40と、電動モータ42によって駆動されてリザーバ40の作動液を汲み上げて吐出するポンプ44と、ポンプ44からの作動液を貯留するアキュムレータ46とを含んで構成されている。ポンプ44から吐出される作動液は、逆止弁48,ポンプ連通弁50を介して、各液圧シリンダ20に供給され、さらに、アキュムレータ連通弁52を介して、アキュムレータ46に貯留される。また、高圧源装置22には、リターンバルブ54が設けられており、各液圧シリンダ20から排出された作動液は、このリターンバルブ54を介してリザーバ40に帰還するようにされている。ポンプ連通弁50,アキュムレータ連通弁52は、どちらも、常閉型の電磁式開閉弁であり、励磁によって開弁する。リターンバルブ54は、ポンプ44の吐出側の圧力をパイロット圧として、その圧より高い圧力の作動液がリザーバ40に帰還するようにされている。なお、高圧源装置22には、ポンプ連通弁50のポンプ44とは反対側であって、アキュムレータ連通弁52のアキュムレータ46とは反対側に、作動液の圧力を検出するための圧力センサ56が設けられている。
高圧源装置22からの作動液は、共通路70を介して、1対の液圧シリンダ20に、詳しくは、それの上室32Uに供給される。1対の液圧シリンダ20の各々に対して、主路72,バイパス路74がそれぞれ設けられており、各液圧シリンダ20には、それら主路72,バイパス路74のいずれを介しても作動液が供給可能とされている。主路72,バイパス路74には、それぞれ、主路開通弁76,バイパス路開通弁78が配設されている。それら主路開通弁76,バイパス路開通弁78は、どちらも、常閉型の電磁式開閉弁であり、励磁によって開弁する。
1対の液圧シリンダ20の各々に対応して、バイパス路74には、2つのアキュムレータ80,82が接続されている。それらアキュムレータ80,82は、液圧シリンダ20の伸縮に伴って、作動液が流出入するようにされており、液圧シリンダ20をもう1つのサスペンションスプリングとして機能させるためのものである。サスペンションスプリングとしての液圧シリンダ20のばね定数は、液圧シリンダ20に近い側のアキュムレータ80だけが液圧シリンダ20に連通させられた状態では、高く(大きく)、2つのアキュムレータ80,82の両方が液圧シリンダ20に連通させられた状態では、低い(小さい)。そこで、以下、便宜的に、アキュムレータ80を、高ばねアキュムレータ80と、アキュムレータ82を、低ばねアキュムレータ82と呼ぶこととする。液圧シリンダ20のばね定数の切換えのために、バイパス路74には、ばね切換弁84が、高ばねアキュムレータ80と低ばねアキュムレータ82との間であって、バイパス路連通弁78と高ばねアキュムレータ80との間に配設されている。ちなみに、ばね切換弁84は、常開型の電磁式開閉弁であり、励磁されることによって閉弁する。なお、液圧シリンダ20からの作動液の流出入に対して抵抗を付与するために、オリフィス86が設けられている。このオリフィス86と、液圧シリンダ20のピストン34に設けられた連通路38のオリフィスとによって、液圧シリンダ20は、ダンパ(ショックアブソーバ)としても機能するようにされている。
車高調整ECU12は、コンピュータや、電動モータ42,各種電磁弁の駆動回路(ドライバ)等を含んで構成されている。先に説明したように、本車高調整システムは、前輪側,後輪側のそれぞれに設けられた2つのシステムからなっており、各システムの車高調整ECU12は、通信線88を介して、互いに信号をやりとりしつつ、それぞれのシステムが協調するように、それぞれの離間距離変更装置10を制御する。詳しい説明は省略するが、前輪側のシステムの車高調整ECU12は、後輪側のシステムの車高調整ECU12をも統括するようにされている。なお、各車輪14に対応して、車輪14と車体16との上下方向の離間距離(以下、「ストローク距離」という場合がある)を検出するためのストロークセンサ90が設けられており、さらに、本車両が置かれている環境の温度を検出すべく、高圧源装置22のリザーバ40に貯留されている作動液の温度を検出する温度センサ92が設けられている。
[B]車高調整システムにおける離間距離変更装置の動作
上記構成の車高調整システムでは、車両が通常走行する場合には、主路開通弁76,バイパス路開通弁78が閉弁状態と、ばね切換弁84が開弁状態とされ、各液圧シリンダ20のばね定数は比較的小さくされている。そして、本車高調整システムにおいて、離間距離変更装置10は、車高の調整、つまり、車体16の昇降に関して、以下のように動作する。言い換えれば、車高調整ECU12は、以下の動作を行うように離間距離変更装置10を制御する。なお、先に述べたように、本車高調整システムは、前輪側,後輪側のシステムのそれぞれの車高調整ECU12が協調して制御を行うが、以下の説明では,特に断りのない場合を除き、あたかも、1つの車高調整ECU12が、1つの高圧源装置22を制御して、4つの液圧シリンダ20を統括して制御するものとして扱うこととする。
i)車体上昇時動作
車高を上げる場合、すなわち、車体16を上昇させる場合、ポンプ連通弁50,アキュムレータ連通弁52,各主路開通弁76を開弁状態とし、各バイパス路開通弁78を閉弁状態としたままで各ばね切換弁84を閉弁状態として、電動モータ42によってポンプ44を駆動する。つまり、各液圧シリンダ20に、アキュムレータ46に蓄圧状態で貯留する作動液と、ポンプ44から吐出される作動液とが、それぞれの主路72を介して供給される。このとき、迅速に車体16を上昇させるために、低ばねアキュムレータ82が配設されているバイパス路74を介した作動液の供給は行われない。ストロークセンサ90によって検出されるストローク距離Sが、実現させたい距離となった時点で、各主路開通弁76が、閉弁状態とされ、各液圧シリンダ20への作動液の供給が停止される。
各液圧シリンダ20はサスペンションスプリングと並列に配設されているため、ストローク距離Sの変化、すなわち、車高の変化によって、各液圧シリンダ20の作動液の液圧(以下、単に、「作動液圧」という場合がある)Pは変化する。そこで、各液圧シリンダ20への作動液の供給が停止された後、各バイパス路開通弁78を開弁状態とし、圧力センサ56によって検出される作動液圧Pが、主路72を介した作動液の供給が停止された時点の作動液圧Pと同じとなるように、各低ばねアキュムレータ82の作動液圧Pを上昇させる。そして、各低ばねアキュムレータ82の作動液圧Pを上昇させた後、各バイパス路開通弁78を閉弁状態とし、各ばね切換弁84を開弁状態とし、ポンプ44の駆動を停止させる。
ii)車体下降時動作
車高を下げる場合、すなわち、車体16を下降させる場合、ポンプ44を駆動させずに、アキュムレータ連通弁52を閉弁状態としたままの状態で、ポンプ連通弁50,各主路開通弁76,各バイパス路開通弁78を開弁状態とする。それによって、各液圧シリンダ20内の作動液が、リターンバルブ54を介して、リザーバ40に戻される。ストロークセンサ90によって検出されるストローク距離Sが、実現させたい距離となった時点で、各主路開通弁76,各バイパス路開通弁78が、閉弁状態とされ、各液圧シリンダ20からの作動液の排出が停止させられる。
iii)アキュムレータ蓄圧動作
先に説明したように、車高を上げる場合には、アキュムレータ46に蓄圧された作動液も各液圧シリンダ20に供給されるため、アキュムレータ46の作動液が減少し、アキュムレータ46内の作動液の圧力(以下、「アキュムレータ圧」という場合がある)Paは、低下する。ある程度アキュムレータ圧Paが高くなければ、迅速な車高の上昇が期待できないため、本車高調整システムでは、アキュムレータ圧Paを、設定圧Pa0以上に維持するための動作として、アキュムレータ蓄圧動作が行われる。
アキュムレータ蓄圧動作は、上述の車体上昇時動作も車体下降時動作も行われていないときに行われる。ポンプ連通弁50,各主路開通弁76,各バイパス路開通弁78が閉弁状態にあるときに、アキュムレータ連通弁52を開弁すれば、アキュムレータ圧Paは検出可能である。アキュムレータ圧Paが設定圧Pa0未満である場合に、ポンプ連通弁50を開弁して電動モータ42によってポンプ44を駆動させ、アキュムレータ圧Paが設定圧Pa0となったときに、ポンプ連通弁50を閉弁してポンプ44の駆動を停止させる。
[C]車高調整システムにおいて行われる制御
i)オートレベリング制御
本車高調整システムでは、乗員数,荷物の増減等、何らかの理由で車高が設定車高から変化した場合には、走行中であっても、上記車体上昇時動作,車体下降時動作を行って、自動的に、車高調整を行う制御、すなわち、オートレベリング制御が行われる。オートレベリング制御は、既によく知られた制御であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
ii)乗客昇降時の車高変更制御
本車高調整システムが搭載されている車両(以下、「本車両」という場合がある)は、先に述べたように、バスであり、例えば、停留所等において停車した際に、ある程度の数の乗客が乗り降りする。そのため、図2(a)に示すように、設定された標準車高HNで車両が走行していても、車両が停車した際には、図2(b)に示すように、車高が、標準車高HNより低い低車高HLに変更される。そして、車両が発車する際には、車高が、その低車高HLから標準車高HNに復帰させられる。
iii)低車高への変更の制限
車高を上昇させるには、ポンプ44の駆動等が必要とされるため、ある程度の時間が必要とされる。特に、本車両は、比較的大型の車両であり、重量も比較的重く、また、標準車高HNと低車高HLとの差(以下、「車高差」という場合がある)ΔHも比較的大きいため、比較的長い時間を必要とする。つまり、比較的迅速な、言い換えれば、比較的円滑な車高の上昇が望まれるのである。ちなみに、通常、低車高HLは、標準車高HNよりも標準車高差ΔH0(例えば、100mm)だけ低い高さに設定されている。
本車高調整システムでは、上記車高変更制御において、車高を標準車高HNから低車高HLに変更する際に、標準車高HNへの復帰が円滑に行えない復帰困難状態であるときには、標準車高HNから低車高HLへの車高の変更を制限するようにされている。言い換えれば、車高を低車高HLから標準車高HNに変更するのに必要な時間が設定時間よりも長いと予想される状況下で、標準車高HNから低車高HLへの変更を制限するようにされているのである。
復帰困難状態について、詳しく説明すれば、車高を上昇させるときには、前述のように、ポンプ44とアキュムレータ46との両方から作動液が液圧シリンダ20に供給される。そのことを考慮して、アキュムレータ46内の作動液の圧力であるアキュムレータ圧Paが、設定圧Pa0未満であることを特定条件として、その条件が充足された場合に、復帰困難状態であると判定される。
また、ポンプ44は電動モータ42によって駆動されるが、この電動モータ42に対して、過熱保護のために、ある程度のマージンを持たせて作動停止時間tPROが設定されている。現時点までに電動モータ42が作動した作動累積時間tが、この作動停止時間tPROに至ったときに、電動モータ42は作動が停止させられる。そのことに考慮し、標準車高差ΔH0だけ低い低車高HLから標準車高HNまでの復帰に必要な電動モータ42の標準的な作動時間を、上昇時必要時間tUPと、作動停止時間tPROから作動累積時間tを減じたものを余裕時間tMと、それぞれ設定し、余裕時間tMが上昇時必要時間tUP未満であることを特定条件として、その条件が充足された場合に、電動モータ42が過熱状態となる虞があると、すなわち、復帰困難状態であると判定される。ちなみに、作動停止時間tPRO,作動累積時間tは、現時点までの連続した作動時間であるが、現時点から設定時間遡った時点から現時点までの間の累積の作動時間であってもよい。
さらに、低温時には、グリス等の潤滑剤等が硬化する等の影響により、離間距離変更装置10の動作に比較的大きな負荷がかかり、ひいては、電動モータ42の負担も大きい。このことに考慮して、例えば、本車両が置かれている環境の温度、すなわち、環境温度Tが、設定温度T0(例えば、0~-20°C)未満であることを特定条件として、その条件を充足した場合に、復帰困難状態であると判定される。なお、環境温度Tには、リザーバ44の作動液の液温を検出する温度センサ92によって検出された値が採用される。
本車高調整システムでは、上記3つの特定条件のいずれかが充足された場合に、標準車高HNから低車高HLへの車高の変更が制限される。その制限には、低車高HLへの変更を禁止することと、標準車高HNと低車高HLとの差である車高差ΔHを、制限されていない場合の標準車高差ΔH0よりも小さくすることとが含まれている。
具体的に説明すれば、環境温度Tが、設定温度T0未満である場合には、低車高HLへの変更が禁止される。一方で、環境温度Tが、設定温度T0以上であっても、アキュムレータ圧Paが設定圧Pa0未満であるとき,電動モータ42についての余裕時間tMが上昇時必要時間tUP未満であるときには、アキュムレータ圧Pa,余裕時間tMをパラメータとし、図3に示すようなテーブルデータ、つまり、アキュムレータ圧Paの設定圧Pa0に対する比率であるアキュムレータ圧比(Pa/Pa0),余裕時間tMの上昇時必要時間tUPに対する比率である余裕時間比(tM/tUP)に基づくテーブルデータを参照して、低車高HLの高さ、すなわち、車高差ΔHが決定される。図3のテーブルデータに従えば、車高差ΔHは、ΔH0(例えば100mm)>ΔH1(例えば75mm)>ΔH2(例えば50mm)>ΔH3(例えば40mm)>ΔH4(例えば30mm)とされており、アキュムレータ圧Paが低い程、また、余裕時間tMが小さい程、車高差ΔHが小さく、すなわち、低車高HLにおける車高が高く設定される。
本車高調整システムは、上記3つの特定条件の少なくとも1つを充足した場合に、低車高HLへの車高の変更が制限されるが、複数の特定条件のうちの2以上を充足した場合に、制限するようにしてもよい。また、環境温度Tが、設定温度T0未満である場合において、環境温度Tをパラメータとして、環境温度Tが設定温度T0よりどの程度下回っているかによって、車高差ΔHを決定するようにしてもよい。
iv)制御フロー
上記制限を含む低車高への変更制御については、車高調整ECU12が、図4にフローチャートを示す低車高変更制御プログラムを実行することによって行われる。このプログラムの実行は、運転席に設けられた車高変更スイッチを運転者が操作したときに、開始される。以下、繰り返しになるが、このプログラムに従った処理の流れを、フローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。
低車高変更制御プログラムに従う処理では、まず、ステップ1(以下。「S1」と略す。他のステップも同様である。)において、リザーバ40に設けられた温度センサ92によって、環境温度Tが検出される。続くS2において、その環境温度Tが設定温度T0未満であるか否かが判定される。環境温度Tが設定温度T0未満である場合には、車体を下降させることなく、本プログラムに従う処理が終了させられる。
S2において環境温度Tが設定温度T0以上であると判定された場合には、S3において、アキュムレータ圧Paが検出され、そのアキュムレータ圧Paと上述の設定圧Pa0とに基づいて、アキュムレータ圧比(Pa/Pa0)が算出される。次のS4において、電動モータ42の累積作動時間tが特定され、上述の作動停止時間tPROからその累積作動時間tが減じられて余裕時間tMが算出され、その余裕時間tMと上述の上昇必要時間tUPとに基づいて、余裕時間比(tM/tUP)が算出される。
続くS5において、図3の車高差決定テーブルを参照しつつ、算出されたアキュムレータ圧比(Pa/Pa0)と余裕時間比(tM/tUP)とに基づいて、車高差ΔHが決定される。次のS6において、車高差決定テーブルを参照した結果、車高差ΔHが0に決定されたか否か、つまり、低車高への変更が禁止されるか否かが判定される。低車高への変更が禁止される場合には、本プログラムに従う処理が終了させられる。車高差ΔHが0以外である場合には、S7において、その決定された車高差ΔHに基づいて、上述の車体下降時動作が行われる。
10:離間距離変更装置 12:車高調整電子制御ユニット(車高調整ECU)〔コントローラ〕 14:車輪 16:車体 20:液圧シリンダ 22:高圧源装置 40:リザーバ 42:電動モータ 44:ポンプ 46:アキュムレータ 56:圧力センサ 90:ストロークセンサ 92:温度センサ Pa:アキュムレータ圧 Pa0:設定圧 (Pa/Pa0):アキュムレータ圧比 HN:標準車高 HL:低車高 ΔH:車高差 ΔH0:標準車高差 ΔH1,ΔH2,ΔH3,ΔH4:低車高の車高差 t:電動モータの作動累積時間 tPRO:作動停止時間 tUP:上昇必要時間 tM:余裕時間 (tM/tUP):余裕時間比 T:環境温度 T0:設定温度

Claims (5)

  1. 車両に搭載され、
    車輪と車体との上下方向の離間距離を変更するための離間距離変更装置と、
    その離間距離変更装置を制御することで車両の高さである車高を調整するコントローラと
    を備えた車高調整システムであって、
    前記コントローラが、車高を、設定された車高である標準車高から、標準車高より低い低車高に変更する際に、標準車高への復帰が円滑に行えない復帰困難状態であるときには、その車高の変更を制限するように構成された車高調整システム。
  2. 前記離間距離変更装置が、
    一端が車輪に他端が車体にそれぞれ接続され、作動液の流入出によって伸縮する液圧シリンダと、
    作動液を貯留するリザーバと、電動モータによって駆動されて前記リザーバの作動液を汲み上げて吐出するポンプと、そのポンプからの作動液を貯留するアキュムレータとを有して、作動液を前記液圧シリンダに供給する高圧源装置と
    を含んで構成され、
    前記コントローラが、特定条件を充足する場合に前記復帰困難状態であると判定するように構成され、
    その特定条件として、前記アキュムレータ内の作動液の圧力であるアキュムレータ圧が設定圧より低いことと、前記電動モータが過熱状態となる虞があることとの少なくとも一方が採用された請求項1に記載の車高調整システム。
  3. 前記コントローラが、特定条件を充足する場合に前記復帰困難状態であると判定するように構成され、
    その特定条件として、環境温度が設定温度より低いことが採用された請求項1に記載の車高調整システム。
  4. 前記コントローラが、車高の変更の制限として、前記低車高への変更を禁止することと、制限されてない場合に比較して前記標準車高と前記低車高との差を小さくすることとの少なくとも一方を行う請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車高調整システム。
  5. 前記標準車高が、通常走行のために設定された車高であり、前記低車高が、当該車両に対する乗員の乗り降りのために設定された車高である請求項1に記載の車高調整システム。
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