JP2024065127A - 油圧制御弁および内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

油圧制御弁および内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バルブボディに対するスプール弁の作動を向上させる。【解決手段】制御弁は、進角ポート35および遅角ポート34を有した筒状のバルブボディ13と、バルブボディ13の内周に摺動可能に配置され、8つの一端側スプール孔50が周方向に設けられた筒状のスプール弁31と、スプール弁31の内周に配置された概ね筒状の枠体部58と、枠体部58と一体に形成された第1舌片部57aおよび第2舌片部57bとを有した第2逆止弁56とを備える。第1および第2舌片部57a,57bは、スプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置に設けられている。第1および第2舌片部57a,57bは、対応する一端側スプール孔50からの作動油圧を受けると、スプール弁31の径方向内側に変形する。このとき、第1および第2作動油圧は、スプール弁31を挟んで対向しており、スプール弁31に対して第2逆止弁56の位置を維持する。【選択図】図5

Description

本発明は、油圧制御弁および内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
従来の油圧制御弁としては、以下の特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載の油圧制御弁は、進角ポートおよび遅角ポートを有したバルブボディと、バルブボディの内周に摺動可能に配置されたスプール弁とを有している。スプール弁の内周には、周方向両端部が互いに重なるように丸められた板状の逆止弁が配置されている。また、スプール弁には、逆止弁と径方向に対向する位置に、遅角ポートからの作動油を導入可能なスプール孔が貫通形成されている。
国際公開第2020/152965号
特許文献1に記載の油圧制御弁では、例えばカムシャフトの交番トルクによってバルブタイミング制御装置の各遅角油圧室の内圧が高くなったときに、作動油圧がスプール孔を通して逆止弁の外周面に作用することにより、逆止弁が縮径変形する。この縮径変形の際には、逆止弁の周方向両端部の重なり等の要因により、逆止弁が偏心した状態で縮径変形することがある。これにより逆止弁の外周面に作用する作動油圧に偏りが生じ、逆止弁がスプール弁の内周部に局所的に径方向の荷重を作用させる虞がある。そして、この荷重により、スプール弁の外周部の一部の領域がバルブボディの内周部の一部の領域に当接し、両者の間に摩擦が生じ、バルブボディに対するスプール弁の作動が制限されるおそれがあった。
本発明は、従来の実情に鑑みて案出されたもので、バルブボディに対するスプール弁の作動を向上させることが可能な油圧制御弁および内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを一つの目的としている。
本発明の好ましい態様の一つとしては、逆止弁が、板状の部材を丸めた枠体部と、枠体部と一体に形成され、周方向において等間隔に配置された複数の舌片部とを有し、この舌片部は、径方向内側に変形することで複数のスプール孔からスプール弁の内部への作動油の流れを許容する。
本発明の好ましい態様によれば、バルブボディに対するスプール弁の作動を向上させることができる。
内燃機関の吸気側に適用した第1の実施形態のバルブタイミング制御装置の断面図である。 第1の実施形態のバルブタイミング制御装置をフロントプレートを外した状態で示した正面図である。 制御弁の分解斜視図である。 第1の実施形態の制御弁の縦断面図である。 図4の線A-Aに沿って切断した制御弁の断面図である。 展開した状態の平らな板状の第2逆止弁を示す平面図である。 第1の実施形態の制御弁におけるスプール弁の第1移動位置を示す縦断面図である。 第1の実施形態の制御弁におけるスプール弁の第2移動位置を示す縦断面図である。 第1の実施形態の制御弁におけるスプール弁の第3移動位置を示す縦断面図である。 第1の実施形態の制御弁におけるスプール弁の第4移動位置を示す縦断面図である。 第2の実施形態の制御弁の断面図である。 第3の実施形態の制御弁の断面図である。 第4の実施形態の制御弁の断面図である。 展開した状態の第5の実施形態の第2逆止弁を示す平面図である。 展開した状態の第6の実施形態の第2逆止弁を示す平面図である。 展開した状態の第7の実施形態の第2逆止弁を示す平面図である。
以下、本発明に係る油圧制御弁および内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は内燃機関の吸気側に適用した第1の実施形態のバルブタイミング制御装置の断面図、図2は第1の実施形態のバルブタイミング制御装置をフロントプレート11を外した状態で示した正面図、図3は制御弁26の分解斜視図、図4は第1の実施形態の制御弁26の縦断面図である。図5は図4の線A-Aに沿って切断した制御弁26の断面図である。なお、図4には、説明の便宜上、制御弁26に設けられた第2逆止弁56が作動している状態を示してある。図6は展開した状態の平らな板状の第2逆止弁56を示す平面図である。
バルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、機関のクランクシャフトにより図外のタイミングチェーンを介して回転駆動される駆動回転体であるタイミングスプロケット1と、該タイミングスプロケット1に対して相対回転可能に設けられた吸気側のカムシャフト2と、タイミングスプロケット1とカムシャフト2との相対回転位相を変換する位相変更機構3と、該位相変更機構3を最遅角位相位置でロックさせるロック機構4と、位相変更機構3とロック機構4を作動させる油圧回路5と、を備えている。なお、駆動回転体としては、タイミングベルトによって回転力が伝達されるタイミングプーリであっても良い。
タイミングスプロケット1は、円盤状に形成されて、外周にタイミングチェーンが巻回される歯車部1aが設けられている。また、タイミングスプロケット1は、後述するハウジング本体6aと一体に設けられている。タイミングスプロケット1は、駆動回転体の一部を構成している。
カムシャフト2は、図外のシリンダヘッド上に複数のカム軸受を介して回転可能に支持され、外周面には図外の機関弁である吸気弁を開作動させる複数の卵型の回転カムが軸方向の位置に一体的に固定されている。また、カムシャフト2の回転軸方向の一端部2aの内部軸心方向には、後述するバルブボディ(カムボルト)13がねじ留めされる雌ねじ孔2bが形成されている。
位相変更機構3は、図1及び図2に示すように、タイミングスプロケット1に軸方向から一体的に設けられたハウジング6と、該ハウジング6内に相対回転可能に収容された従動回転体であるベーンロータ7と、を備えている。ハウジング6の後述するハウジング本体6aの内周面に一体に形成された4つのシュー8a~8dとベーンロータ7によって、ハウジング本体6aとベーンロータ7との間の空間が、複数(本実施形態では4つ)の遅角作動室である遅角油圧室9および複数(本実施形態では4つ)の進角作動室である進角油圧室10に仕切られている。
ハウジング6は、円筒状のハウジング本体6aと、ハウジング本体6aの前端開口を閉塞するフロントプレート11と、後端開口を閉塞するリアプレート12と、から構成されている。
ハウジング本体6aは、圧粉金属を焼結して成形されたいわゆる焼結金属材によってほぼ円筒状に形成されている。ハウジング本体6aの内周面には4つのシュー8a~8dが突出形成されており、該各シュー8a~8dの内部軸方向に4つのボルト挿入孔6bがそれぞれ貫通形成されている。
フロントプレート11は、プレス成形によって、リアプレート12よりも小さな肉厚に形成されて、中央に大径な挿入孔11aが貫通形成されている。また、フロントプレート11は、挿入孔11aを除く内周面とベーンロータ7の対向一側面との間で各遅角油圧室9内及び各進角油圧室10内をシールするようになっている。また、フロントプレート11の外周部の周方向4箇所に、それぞれ固定部材、例えばボルトBが挿入される4つのボルト挿入孔11bが貫通形成されている。
リアプレート12は、フロントプレート11と同径の鉄系金属によって円盤状に形成され、その肉厚はフロントプレート11よりも僅かに大きく形成されている。このリアプレート12は、中央にカムシャフト2の一端部2aが軸方向から摺動可能に挿入される挿入孔12aが貫通形成されている。また、リアプレート12は、挿入孔12aを除く内周面とベーンロータ7の対向する他側面との間のサイドクリアランスで各遅角油圧室9内および各進角油圧室10内をシールするようになっている。また、リアプレート12は、外周部の周方向のほぼ等間隔位置にボルトBがねじ留めされる4つの雌ねじ孔12bが貫通形成されている。なお、リアプレート12は、ハウジング本体6a側の内側面の所定位置に、後述するロック穴21が設けられている。
そして、リアプレート12とハウジング本体6a及びフロントプレート11は、それぞれのボルト挿入孔11bを挿入してタイミングスプロケット1の各雌ねじ孔12bにねじ留めされる4本のボルトBによって軸方向から結合されている。
ベーンロータ7は、同じく焼結金属材によって一体に形成され、カムシャフト2の一端部2aにバルブボディ13によって固定されたロータ部7aと、該ロータ部7aの外周面に周方向のほぼ90°等間隔位置に放射状に突出形成された4つのベーン14a~14dと、から構成されている。
ロータ部7aは、比較的大径な円筒状に形成され、中央の内部軸方向にカムシャフト2の雌ねじ孔2bと連続するボルト挿入孔15が貫通形成されている。ロータ部7aの後端面に形成された円形状の嵌合溝16には、カムシャフト2の一端部2aの先端部が回転軸方向から嵌合している。
各ベーン14a~14dは、その径方向の突出長さが比較的短く形成されて、それぞれ各シュー8a~8dの間に配置されている。また、1つのベーン14a以外の3つのベーン14b~14dは、周方向の幅がほぼ同一に設定されて比較的薄肉なプレート状に形成されている。上記1つのベーン14aは、周方向の幅が大きく形成されて、内部にロック機構4の一部が設けられている。
各ベーン14a~14dの外周面の先端には、ハウジング本体6aの内周面とロータ部7aの外周面との間をシールするシール部材17が設けられている。
また、ベーンロータ7は、図2に示すように、遅角側へ相対回転すると、ベーン14aの一側面が対向する1つのシュー8aの対向側面に当接して最遅角側の回転位置が規制されるようになっている。また、図2に一点鎖線で示すように進角側へ相対回転すると、同じくベーン14aの他端面が対向する他のシュー8bの対向側面に当接して最進角側の回転位置が規制されるようになっている。
このとき、他のベーン14b~14dは、両側面が周方向から対向する各シュー8c,8d,8aの対向面に当接せずに離間状態にある。したがって、ベーンロータ7とシュー8aとの当接精度が向上すると共に、各遅角油圧室9及び各進角油圧室10への油圧の供給速度が速くなってベーンロータ7の正逆回転応答性が良好になる。
各ベーン14a~14dの正逆回転方向の両側面と各シュー8a~8dの両側面との間に、前述したそれぞれ4つの遅角油圧室9と進角油圧室10が設けられている。各遅角油圧室9と各進角油圧室10は、ロータ部7aの内周面から内部径方向に沿って形成されたそれぞれ4つの遅角通路孔18と進角通路孔19に連通している。各遅角通路孔18及び各進角通路孔19は、後述する制御弁26を介して油圧回路5に連通している。
ロック機構4は、ハウジング6に対してベーンロータ7を最遅角側の回転位置(図2の位置)に保持するものである。
このロック機構4は、図1及び図2に示すように、リアプレート12側に対して進退可能に設けられたロックピン20と、ロックピン20の先端部20aが挿入されてベーンロータ7をロックするロック穴21と、機関の始動状態に応じてロックピン20の先端部20aをロック穴21に挿入あるいは挿通を解除する挿脱機構と、から構成されている。
ロックピン20は、ベーン14aの内部軸方向に貫通形成された摺動用孔22に摺動可能に収容されている。ロックピン20は、先端部20aを含めた全体がほぼ円柱状に形成されて、ロック穴21内に軸方向から挿入し易い形状になっている。ロックピン20は、後端側から内部軸方向に形成された凹溝底面とフロントプレート11の内端面との間に弾装されて、ロックピン20を進出方向(挿入する方向)へ付勢するコイルスプリング23が設けられている。ロックピン20は、ロック穴21内の受圧室21aに油圧が供給されていないときに、コイルスプリング23のばね力によって先端部20aがロック穴21内部に挿入されて、ベーンロータ7のハウジング6に対する相対回転を規制するようになっている。
ロック穴21は、リアプレート12の径方向のほぼ中央所定位置に形成されている。ロック穴21は、環状スリーブ21bを介してロックピン20の先端部20aの外径よりも十分に大径な円形状に形成されていると共に、リアプレート12の内側面のベーンロータ7の最遅角側の回転位置に対応した位置に形成されている。
上記挿脱機構は、ロックピン20を進出方向へ付勢するコイルスプリング23と、ロック穴21内の受圧室21aに油圧を供給してロックピン20を後退させる図外の解除用油圧回路とから構成されている。この解除用油圧回路は、遅角油圧室9と進角油圧室10にそれぞれ選択的に供給された油圧が所定の油孔を介して受圧室21aに供給されてロックピン20に後退方向へ作用するようになっている。
油圧回路5は、図1に示すように、供給部24と、吐出通路25aから供給部24に作動油圧を吐出するオイルポンプ25と、機関運転状態に応じて供給部24に対して各遅角通路孔18と各進角通路孔19の流路を切り換える制御弁(油圧制御弁)26と、各油圧室9,10からの作動油を、制御弁26を介してオイルパン27に排出する排出通路28と、を備えている。
供給部24は、カムシャフト2の軸受部やカムシャフト2の内部軸方向に形成されている。供給部24の下流側端部は、オイルポンプ25の吐出通路25aと連通している。また、供給部24の上流側端部は、カムシャフト2の雌ねじ孔2bの底部2cに連通していると共に、該底部2cを介して、後述するバルブボディ13に設けられた供給通路29に臨んでいる。
オイルポンプ25は、例えばベーンタイプあるいはトロコイドタイプのものが用いられている。
制御弁26は、ロータ部7aの内部軸方向に設けられている。制御弁26は、図1及び図3に示すように、円筒状のバルブボディ13と、このバルブボディ13内に配置される円筒状のスリーブ30と、該スリーブ30とバルブボディ13との間に配置される円筒状のスプール弁31と、該スプール弁31を図1及び図3の左方向に付勢する圧縮コイルばね32と、該圧縮コイルばね32の付勢力に抗してスプール弁31を押圧可能な電磁アクチュエータ33と、から主に構成されている。
ここで、以下の説明の便宜上、円筒状のバルブボディ13の長手方向に沿った方向を「軸方向」と定義し、該軸方向と直交する方向を「径方向」と定義し、さらに、軸方向周りの方向を「周方向」と定義する。また、バルブボディ13の軸方向の両端部のうち後述の第2ストッパ部材55が配置される側を「軸方向の一方側」とし、後述の第1ストッパ部材48が配置される側を「軸方向の他方側」とする。
バルブボディ13は、鉄系金属材からなり、ベーンロータ7をカムシャフト2の一端部2aに軸方向から固定するカムボルトとして機能する。バルブボディ13は、軸方向に貫通形成されたバルブ孔13aによって内部中空状の円筒状に形成されている。バルブボディ13は、外周面が六角面に形成された頭部13bと、ベーンロータ7のロータ部7aのボルト挿入孔15に挿入する軸部13cと、該軸部13cの先端部外周に形成されて、カムシャフト2の雌ねじ孔2bにねじ留めされる雄ねじ部13dとを有している。
頭部13bは、バルブボディ13がカムシャフト2に締結された状態では、頭部13bの付け根側のフランジ部13eがフロントプレート11の挿入孔11a内に配置されて、フランジ部13eの着座面13fがロータ部7aのボルト挿入孔15の開口縁側の周面に着座している(図1参照)。
軸部13cは、図1及び図3に示すように、軸方向の頭部13b寄りの位置に、第1ポートである4つの遅角ポート34が周壁の周方向の90°等間隔位置に貫通形成されている。また、軸部13cの各遅角ポート34から雄ねじ部13d寄りの位置には、第2ポートである4つの進角ポート35が周壁の周方向の90°等間隔位置に貫通形成されている。なお、各遅角ポート34と各進角ポート35は、それぞれの内径が同じ大きさに形成されている。
各遅角ポート34と各進角ポート35は、それぞれの内側開口がバルブ孔13aに臨み、外側開口が各遅角通路孔18(図1参照)と各進角通路孔19(図1参照)に径方向から連通している。
スリーブ30は、例えば、合成樹脂材あるいは金属材によって円筒状に形成されて、スリーブ本体36と、該スリーブ本体36の軸方向の他方側の端部に形成されたフランジ部37と、から構成されている。
スリーブ本体36は、軸方向一端側に位置する小径筒部36aと、該小径筒部36aと一体に形成され、小径筒部36aから軸方向他端側へ向かって拡径する傾斜筒壁部36bと、該傾斜筒壁部36bと一体に形成され、小径筒部36aよりも大径に形成された大径筒部36cとを有している。小径筒部36aは、内部に一体に形成された仕切壁36dによって第1スリーブ油通路38と第2スリーブ油通路39が軸方向に沿って仕切られている。小径筒部36aは、内部にバルブ収容凹部40が形成されている。
仕切壁36dは、図3に示すように、径方向に沿った断面が十字形状に形成されている。第1スリーブ油通路38の軸方向の他方側の開口部は、バルブ収容凹部40と連通している。仕切壁36dのうち遅角ポート34と径方向にオーバーラップする位置には、第1スリーブ油通路38のバルブ収容凹部40とは反対側の軸方向端部を閉塞する第1端壁36eが一体に形成されている。
また、仕切壁36dのバルブ収容凹部40側の軸方向端部には、第2スリーブ油通路39のフランジ部37側の軸方向端部を閉塞する第2端壁36fが一体に形成されている。また、第2スリーブ油通路39の軸方向の一方側の開口部は、後述する円筒部材52の内部に形成されたドレイン通路54と連通している。
第1スリーブ油通路38及び第2スリーブ油通路39は、バルブボディ13の軸方向に沿って並行に形成されて、上記十字状の仕切壁36dを介して互いに径方向の対称位置、つまり180°の対称位置に2つずつ形成されている。また、第1スリーブ油通路38及び第2スリーブ油通路39は、仕切壁36dによってそれぞれが径方向断面扇状に形成されており、これによって、大きな通路断面積を確保している。
スリーブ本体36は、第1スリーブ油通路38側の軸方向端部にバルブ収容凹部40に臨む導入口38aが形成されている。スリーブ本体36のうち第1端壁36e近傍の位置には、第1スリーブ油通路38に開口した長方形の第1開口孔36gが径方向に貫通形成されている。この第1開口孔36gは、スプール弁31の後述する一端側スプール孔50及び他端側スプール孔51を介して各遅角ポート34あるいは各進角ポート35に適宜連通するようになっている。
また、スリーブ本体36のうち第2端壁36fの近傍の位置には、第2スリーブ油通路39に臨む矩形の第2開口孔36hが径方向に貫通形成されている。この第2開口孔36hは、スプール弁31の移動位置に応じて進角ポート35と第2スリーブ油通路39とを連通するようになっている。また、第2スリーブ油通路39の軸方向一端部には、排出口36iが形成され、この排出口36iが後述する円筒部材52のドレイン通路66及び排出通路28を介してオイルパン27に連通している。
また、第1端壁36eは、遅角ポート34または進角ポート35からスプール弁31を介して第1スリーブ油通路38の方向へと作動油を案内する第1傾斜面を有している。一方、第2端壁36fは、進角ポート35からスプール弁31を介して第2スリーブ油通路39の方向へと作動油を案内する第2傾斜面を有している。
フランジ部37は、図4に示すように、軸部13cの先端部の内周面に形成された環状溝13gの内部に配置されている。フランジ部37は、圧縮コイルばね32の軸方向一端部が弾性的に接触するスプリングリテーナ41と後述するバルブシート44との間に軸方向から挟み込まれるように配置されている。
すなわち、スプリングリテーナ41は、金属プレートで円環状に形成されており、中央に大径な挿入孔41aが軸方向に沿って貫通形成されている。スプリングリテーナ41の外周部は、外周面が環状溝13gの内周面に圧入されていると共に、環状の前端壁がOリング49を介して環状溝13gの段差面13hに軸方向から当接している。
バルブ収容凹部40には、供給通路29から第1スリーブ油通路38へ向かう方向のみの作動油の流入を許容する第1逆止弁42が収容されている。この第1逆止弁42は、弁部材43と、該弁部材43が離着座するバルブシート44と、弁部材43をバルブシート44側に付勢するチェックスプリング45と、から構成されている。
弁部材43は、硬度の比較的高い例えば鉄系金属材をプレス成形によってほぼカップ状に形成されているとともに、外径がバルブ収容凹部40の内径よりも十分小さく形成されて、両者間に比較的大きな隙間が形成されている。
弁部材43は、図4に示すように、バルブシート44に離着座する凸状の弁部46と、該弁部46の一端外周から軸方向に延びて外面がバルブ収容凹部40の内壁面に微小クリアランスをもって摺動案内されるガイド部47と、を備えている。
弁部46は、その先端部に球面状に形成された第1球面部46aを有している。第1球面部46aは、供給通路29から第1スリーブ油通路38へ向かう方向の作動油の油圧を受けるようになっている。また、第1球面部46aは、バルブシート44の通路孔44aの軸方向の一方側の内周縁部に軸方向から当接あるいは離間する、つまり離着座するようになっている。また、弁部46は、第1球面部46aとは反対側に形成された第2球面部46bを有しており、この第2球面部46bは、チェックスプリング45によって軸方向の他方側に付勢されるようになっている。
ガイド部47は、図1に示すように、弁部46との付け根部において弁部材43の周方向等間隔位置に、概ね矩形の4つの連通穴47aを有している。ガイド部47は、第1球面部46aに作用する油圧によって、弁部材43がチェックスプリング45の付勢力に抗して軸方向の一方側へ移動したときに、先端部47bがスリーブ本体36の傾斜筒壁部36bに当接するようになっている。
バルブシート44は、円板プレート状に形成されて、弁部材43側に膨出変形した中央部位に通路孔44aが軸方向に沿って貫通形成されている。また、バルブシート44は、外周部が環状溝13gの内周側に軸方向から挿入配置されている。そして、バルブシート44は、概ねC字状の第1ストッパ部材48によりバルブボディ13の外部への脱落が抑制された状態で、外周部の前端面がスプリングリテーナ41の外周部の軸方向端縁に当接するようになっている。
弁部材43は、通路孔44aの孔縁に離着座して通路孔44aを開閉するようになっている。
チェックスプリング45は、そのばね力が通路孔44aから弁部材43の第1球面部46aに作用する所定の作動油圧によって圧縮変形して弁部材43を軸方向の一方側へ後退移動させて通路孔44aを開く程度の大きさに設定されている。
第1ストッパ部材48は、金属材によって概ねC字状に形成されている。第1ストッパ部材48は、外周部が環状溝13gの内周面に形成された溝部13i内に嵌め込まれることで、バルブシート44等が軸方向の他方側に移動してバルブボディ13の外部へと脱落することを抑制している。第1ストッパ部材48の中央には、供給通路29と通路孔44aとを連通する通孔48aが形成されている。
Oリング49は、ゴムから構成され、環状溝13gの段差面13hとスプリングリテーナ41との間に配置されている。Oリング49は、その弾性力により、スプリングリテーナ41およびバルブシート44を介して第1ストッパ部材48を溝部13iの軸方向の他方側の壁面に押し付けることで、スプリングリテーナ41等の軸方向のがたつきを抑制している。また、Oリング49は、スプリングリテーナ41と環状溝13gとの間を液密にシールしている。
スプール弁31は、図3に示すように概ね円筒状に形成されており、内周面がスリーブ本体36の外周面と軸方向へ摺動可能となるように設けられている。また、スプール弁31は、軸方向一端部、軸方向中央部および軸方向他端部の外周面に第1~第3ランド部31a~31cを有している。バルブボディ13の軸方向に沿った第1ランド部31aの幅は、バルブボディ13の軸方向に沿った第2、第3ランド部31b,31cの幅よりも短く形成されている。
第1ランド部31aと第2ランド部31bとの間には、遅角ポート34と第1スリーブ油通路38または後述するドレイン通路54とを適宜連通する一端側スプール孔50が径方向に貫通形成されている。
一端側スプール孔50は、図4に示すように、スプール弁31の外周面に形成された第1外側環状凹部31dの底部とスプール弁31の内周面に形成された第1内側環状凹部31fの底部との間に径方向に貫通形成されている。一端側スプール孔50は、図5に示すように周方向等間隔位置に複数(本実施形態では8つ)形成されている。
また、第2ランド部31bと第3ランド部31cとの間には、遅角ポート34または進角ポート35と第1スリーブ油通路38とを適宜連通する他端側スプール孔51が径方向に貫通形成されている。
他端側スプール孔51は、図4に示すように、スプール弁31の外周面に形成された第2外側環状凹部31eの底部とスプール弁31の内周面に形成された第2内側環状凹部31gの底部との間に径方向に貫通形成されている。他端側スプール孔51は、周方向等間隔位置に複数(本実施形態では8つ)形成されている。
また、スプール弁31の内周面には、第1外側環状凹部31dに概ね対応する位置に、第1内側環状凹部31fが形成されている。第1内側環状凹部31fには、後述する第2逆止弁56が設けられている。
さらに、スプール弁31の内周面には、第2外側環状凹部31eに概ね対応する位置に、第2内側環状凹部31gが形成されている。
付勢部材である圧縮コイルばね32は、その軸方向一端部がスプール弁31の軸方向他端面に弾性的に接触し、かつ軸方向他端部がスプリングリテーナ41の軸方向一端面に弾性的に接触するように、スプール弁31とスプリングリテーナ41との間に配置されている。これにより、圧縮コイルばね32は、スプール弁31を軸方向の一方側へ付勢するようになっている。
スプール弁31の軸方向一端面には、電磁アクチュエータ33によってスリーブ30側への押圧力を受けてスプール弁31に伝達する円筒部材52が設けられている。
この円筒部材52は、金属材によって一体に形成され、図1に示すように、外径が環状突起部52aを挟んで軸方向で大小径状に形成されている。円筒部材52は、スプール弁31側の大径筒状部52bと、電磁アクチュエータ33のプッシュロッド62側の小径筒状部52cと、大径筒状部52bと小径筒状部52cとの間に一体に設けられた環状突起部52aを有している。
大径筒状部52bは、開口端面がスプール弁31の軸方向一端面に軸方向から当接している。大径筒状部52bには、該大径筒状部52bの外周側を通った作動油を内部に供給する複数(本実施形態では4つ)の供給孔部52dが径方向に沿って貫通形成されている。この各供給孔部52dは、径方向から見たときの形状が円形状に形成されて、円筒部材52の周方向の90°等間隔位置に配置されている。
小径筒状部52cは、有底状に形成されて、先端面に電磁アクチュエータ33のプッシュロッド62の押圧部62aが軸方向から当接している。電磁アクチュエータ33が最大の通電量で通電している場合は、小径筒状部52cは、スプール弁31を、圧縮コイルばね32のばね力と協働して軸方向の所定位置に保持している。さらに、小径筒状部52cには、第2スリーブ油通路39内を通った作動油を外部に排出する複数(本実施形態では4つ)の排出用孔52eが径方向に沿って貫通形成されている。この各排出用孔52eは、径方向から見たときの形状が円形状に形成されて、円筒部材52の周方向の90°等間隔位置に配置されている。
環状突起部52aは、大径筒状部52bの軸方向一端部の外周部から径方向外側に突出形成された環状をなしている。図3に示すように、環状突起部52aは、円筒部材52の周方向の90°等間隔位置に形成された4つの切り欠き部52fを有している。円筒部材52の周方向に隣接した2つの切り欠き部52fの間には、扇形状に形成された扇状部52gが設けられており、該扇状部52gの外側面は、バルブボディ13の内周面と摺動可能となっている。
円筒部材52とバルブボディ13の内周面との間の空間は、圧縮コイルばね32の付勢力によりスプール弁31が軸方向の一方側へ移動したときに第1外側環状凹部31dを介して遅角ポート34と連通可能なドレイン通路54となっている。このドレイン通路54には、各遅角油圧室9からの作動油圧が、遅角ポート34及び第1外側環状凹部31dを介して供給される。そして、ドレイン通路54に供給された作動油圧は、後述する第2ストッパ部材55の通孔55aと小径筒状部52cの外周面との間の隙間を通って排出通路28へ排出される。
バルブボディ13の頭部13b側の一端部には、第2ストッパ部材55が設けられている。第2ストッパ部材55は、金属材によって概ねC字状に形成されており、外周部がバルブボディ13の内周面に形成された環状の溝部内に嵌め込まれることで、円筒部材52等が軸方向の一方側に移動してバルブボディ13の外部へと脱落することを抑制している。第2ストッパ部材55は、軸方向に貫通する概ね円形の通孔55aを有している。この通孔55aの内径は、小径筒状部52cの外径よりも大きく形成されている。これにより、小径筒状部52cが、通孔55aを通して軸方向に移動可能となっている。
第2逆止弁56は、金属薄板、例えば板ばね鋼(板状の部材)を円形に丸めた状態で、例えばレーザーを用いて第2逆止弁56の周方向ほぼ等間隔位置に配置された板状の複数(本実施形態では2つ)の舌片部57を枠体部58内に形成することにより構成されている。舌片部57は、図6に示すように、枠体部58の幅方向中央位置に設けられている。第2逆止弁56は、図5に示すように周方向両端部を互いに重ね合わせた状態でスプール弁31内に配置される。第2逆止弁56は、スプール弁31に対して周方向に回転可能となるように配置されている。なお、第2逆止弁56は、スプール弁31の内周面に枠体部58の外側面を接着等により固定することで、スプール弁31に対して周方向に回転不能に配置されても良い。
第2逆止弁56がスプール弁31内に配置された状態では、第2逆止弁56は、スプール弁31の内周に配置された概ね円筒状の枠体部58と、一端側スプール孔50からの作動油圧を受けて径方向内側に変形可能であり、径方向に互いに対向する円弧状の2つの舌片部57と、を有している。また、丸めた状態の第2逆止弁56の舌片部57の周方向長さは、舌片部57の外側面がスプール弁31の内周に当接した状態で周方向に連続する少なくとも2つの一端側スプール孔50を内側から閉塞することができる程度に設定されている。
ここで、以下の説明の便宜上、図5に示すようにスプール弁31の周方向に等間隔に配置された8つの一端側スプール孔50のうちの1つの一端側スプール孔50を「一端側スプール孔50a」と定義し、該一端側スプール孔50aとスプール弁31の径方向に対向する一端側スプール孔50を「一端側スプール孔50b」と定義する。また、一端側スプール孔50aとスプール弁31の径方向に対向する舌片部57を「第1舌片部57a」と定義し、一端側スプール孔50bとスプール弁31の径方向に対向する舌片部57を「第2舌片部57b」と定義する。
第1舌片部57aは、一端側スプール孔50aからの作動油圧に基づいて一端側スプール孔50aとスプール弁31の内部との連通および非連通を切り替え可能となっている。つまり、第1舌片部57aは、一端側スプール孔50aからの作動油圧を受けて径方向内側に変形することでこの変形後に形成された開口部65を介して一端側スプール孔50aからスプール弁31の内部への作動油の流れを許容し、スプール弁31の内周に当接することでスプール弁31の内部から一端側スプール孔50aへの作動油の流れを抑制するように構成されている。
さらに、第1舌片部57aは、一端側スプール孔50aとスプール弁31の内部との連通および非連通に加えて、周方向において一端側スプール孔50aと第1舌片部57aの根元部側に隣接する一端側スプール孔50cとスプール弁31の内部との連通および非連通も切り替え可能となっている。つまり、第1舌片部57aは、一端側スプール孔50cからの作動油圧を受けて径方向内側に変形することでこの変形後に形成された開口部65を介して一端側スプール孔50cからスプール弁31の内部への作動油の流れを許容し、スプール弁31の内周に当接することでスプール弁31の内部から一端側スプール孔50cへの作動油の流れを抑制するように構成されている。
同様に、第2舌片部57bは、一端側スプール孔50bからの作動油圧に基づいて一端側スプール孔50bとスプール弁31の内部との連通および非連通を切り替え可能となっている。つまり、第2舌片部57bは、一端側スプール孔50bからの作動油圧を受けて径方向内側に変形することでこの変形後に形成された開口部65を介して一端側スプール孔50bからスプール弁31の内部への作動油の流れを許容し、スプール弁31の内周に当接することでスプール弁31の内部から一端側スプール孔50bへの作動油の流れを抑制するように構成されている。
さらに、第2舌片部57bは、一端側スプール孔50bとスプール弁31の内部との連通および非連通に加えて、周方向において一端側スプール孔50bと第2舌片部57bの根元部側に隣接する一端側スプール孔50dとスプール弁31の内部との連通および非連通も切り替え可能となっている。つまり、第2舌片部57bは、一端側スプール孔50dからの作動油圧を受けて径方向内側に変形することでこの変形後に形成された開口部65を介して一端側スプール孔50dからスプール弁31の内部への作動油の流れを許容し、スプール弁31の内周に当接することでスプール弁31の内部から一端側スプール孔50dへの作動油の流れを抑制するように構成されている。
このように第1および第2舌片部57a,57bにより周方向に隣接する一端側スプール孔50a,50cや一端側スプール孔50b,50dの連通および非連通を切り替え可能な構成は、第2逆止弁56がスプール弁31に対して回転したとしても、回転後に第1および第2舌片部57a,57bと対向する隣接した2つの一端側スプール孔50,50に適用される。
また、舌片部57の数は、一端側スプール孔50の数によって設定される。より詳細には、舌片部57の数と一端側スプール孔50の数とは、互いに同数となるように設定されるか、またはいずれかの倍数となるように設定される。本実施形態では、一端側スプール孔50の数である8つが、舌片部57の数である2つの4倍となるように設定されている。また、上記「周方向ほぼ等間隔位置」の「ほぼ」には、±5度の誤差、例えば製造誤差が含まれる。
電磁アクチュエータ33は、図1に示すように、ケーシング59と、ソレノイド60と、可動鉄心61と、プッシュロッド62と、から主に構成されている。
ケーシング59は、合成樹脂材からなり、上端部にECUであるコントロールユニット63に電気的に接続されるコネクタ部59aが設けられている。このコネクタ部59aは、ほぼ全体がケーシング59内に埋め込まれた一対の端子片59bの各一端部がソレノイド60に接続されている。一方、外部に露出した各他端部がコントロールユニット63側の雄コネクタの端子に接続されている。
可動鉄心61は、円柱状をなしており、ボビン64の内部に軸方向へ摺動可能に設けられている。可動鉄心61は、ソレノイド60への非通電時には、圧縮コイルばね32のばね力によってスプール弁31、円筒部材52およびプッシュロッド62を介して軸方向一方側に後退移動するようになっている。
ソレノイド60は、ケーシング59の内部に磁性材のボビン64を介して収容されている。ソレノイド60は、コントロールユニット63から通電されることによって励磁されて可動鉄心61を進出移動、つまりスプール弁31を圧縮コイルばね32のばね力に抗して軸方向の他方側へ移動させる。
プッシュロッド62は、可動鉄心61の先端部に一体的に結合されて、先端部の押圧部62aが円筒部材52の小径筒部36aの先端部に軸方向から当接する。
スプール弁31は、ソレノイド60への非通電と通電中の通電量に応じて軸方向の最大他方側の位置から最大一方側の位置の間で連続的に移動制御される。
すなわち、ソレノイド60に対するコントロールユニット63から非通電あるいは通電量に応じて可動鉄心61及び押圧部62aを圧縮コイルばね32のばね力に抗して軸方向の他方側へ押圧してスプール弁31の位置を連続的に移動させるようになっている。
コントロールユニット63は、内部のコンピュータが図外のクランク角センサ(機関回転数検出)やエアーフローメータ、機関水温センサ、機関温度センサ、スロットルバルブ開度センサおよびカムシャフト2の現在の回転位相を検出するカム角センサなどの各種センサ類からの情報信号を入力している。これによって、現在の機関運転状態を検出するようになっている。また、コントロールユニット63は、電磁アクチュエータ33のソレノイド60への通電を遮断してスプール弁31を第1移動位置に制御するか、ソレノイド60へパルス信号を出力して通電量(デューティ比)を制御してスプール弁31を第2~第4移動位置へ連続的に可変制御するようになっている。
図7は第1の実施形態の制御弁26におけるスプール弁31の第1移動位置を示す縦断面図である。図8は第1の実施形態の制御弁26におけるスプール弁31の第2移動位置を示す縦断面図である。図9は第1の実施形態の制御弁26におけるスプール弁31の第3移動位置を示す縦断面図である。図10は第1の実施形態の制御弁26におけるスプール弁31の第4移動位置を示す縦断面図である。
機関停止状態になると、オイルポンプ25も停止されて吐出通路25aからの作動油が供給されないとともに、コントロールユニット63からソレノイド60への通電が遮断される。このため、スプール弁31は、図7に示すように、圧縮コイルばね32の付勢力によって軸方向の最大一方側の位置に保持される(第1移動位置)。この第1移動位置では、円筒部材52の環状突起部52aが第2ストッパ部材55の通孔55aの孔縁に当接した状態となっている。
そして、この状態では、遅角ポート34が、第2外側環状凹部31e、他端側スプール孔51、第2内側環状凹部31g及び第1開口孔36gを介して第1スリーブ油通路38に連通している。同時に、進角ポート35が、スリーブ30の外周面とバルブボディ13の内周面との間に配置された圧縮コイルばね32の隙間と、スリーブ本体36の第2開口孔36hとを介して、第2スリーブ油通路39と連通している。このため、各進角油圧室10内の作動油は、図7に矢印Aで示すように、各進角ポート35から上記圧縮コイルばね32の隙間及び第2開口孔36hを通って第2スリーブ油通路39に流入し、この第2スリーブ油通路39から円筒部材52内のドレイン通路66を通って各排出用孔52eからバルブボディ13の外部へ排出される。
次に、イグニッションスイッチをオン操作して機関を始動させると、これに伴いオイルポンプ25も駆動して吐出通路25aに吐出された作動油圧は、供給通路29および第1ストッパ部材48の通孔48aを通って弁部材43の弁部46の第1球面部46aに作用する。これにより、弁部材43は、チェックスプリング45の付勢力に抗してバルブボディ13の軸方向の一方側へ移動し、スリーブ本体36の傾斜筒壁部36bに当接する。この弁部材43の移動に伴い、弁部46は、バルブシート44から離間し、作動油圧が、図7に矢印Bで示すように、弁部46とバルブシート44との隙間及び弁部材43の連通穴47aを通って第1スリーブ油通路38に流入する。そして、この第1スリーブ油通路38から、作動油圧は、第1開口孔36g、第2内側環状凹部31g、他端側スプール孔51、第2外側環状凹部31e及び遅角ポート34を介して各遅角油圧室9に供給される。このため、各遅角油圧室9内が高圧になる。
次に、機関運転状態の変化に伴って、コントロールユニット63からソレノイド60への通電量が大きくなると、スプール弁31は、図8に示す第2移動位置まで僅かに軸方向他端側へ移動する。これにより、遅角ポート34が、第2外側環状凹部31e、他端側スプール孔51、第2内側環状凹部31gおよび第1開口孔36gを介して第1スリーブ油通路38に連通し、同時に、進角ポート35が、第2外側環状凹部31e、他端側スプール孔51、第2内側環状凹部31gおよび第1開口孔36gを介して第1スリーブ油通路38に連通する。
弁部46とバルブシート44との隙間等を通って第1スリーブ油通路38に流入した作動油圧は、図8に矢印Cで示すように、第1スリーブ油通路38に流入する。そして、第1スリーブ油通路38から、作動油圧は、図8に矢印Cで示すように、第1開口孔36g、第2内側環状凹部31g、他端側スプール孔51を介して第2外側環状凹部31eに流入し、各遅角ポート34及び各進角ポート35へと流れ、各遅角油圧室9及び各進角油圧室10に供給される。このため、各遅角油圧室9及び各進角油圧室10が高圧になり、ベーンロータ7が保持される。
続いて、コントロールユニット63からソレノイド60への通電量がさらに大きくなると、スプール弁31は、第3移動位置まで軸方向他端側へ移動する。これにより、遅角ポート34が第1外側環状凹部31dを介してドレイン通路54に連通し、さらに、進角ポート35が、第2外側環状凹部31e、他端側スプール孔51、第2内側環状凹部31gおよび第1開口孔36gを介して第1スリーブ油通路38に連通する。各遅角油圧室9内の作動油圧は、図9に矢印Dで示すように、各遅角ポート34及び第1外側環状凹部31dを通ってドレイン通路54へと流れ、このドレイン通路54から、大径筒状部52bの供給孔部52dと、小径筒状部52cの排出用孔52eと、第2ストッパ部材55の通孔55aと小径筒状部52cとの間の隙間とを通ってバルブボディ13の外部に排出される。このため、各遅角油圧室9内が低圧になる。
また、オイルポンプ25から吐出通路25aへ吐出された作動油圧は、供給通路29および第1ストッパ部材48の通孔55aを通って弁部材43の弁部46の第1球面部46aに作用する。これにより、弁部材43は、チェックスプリング45の付勢力に抗してバルブボディ13の軸方向の一方側へ移動し、スリーブ本体36の傾斜筒壁部36bに当接する。この弁部材43の移動に伴い、弁部46は、バルブシート44から離間し、作動油圧が、図9に矢印Eで示すように、弁部46とバルブシート44との隙間および弁部材43の連通穴47aを通って第1スリーブ油通路38に流入する。そして、この第1スリーブ油通路38から、作動油圧は、第1開口孔36g、第2内側環状凹部31g、他端側スプール孔51、第2外側環状凹部31eおよび進角ポート35を介して各進角油圧室10に供給される。このため、各進角油圧室10内が高圧になる。
続いて、例えば車両の急加速時などにアクセルペダルを急激に踏み込んだ場合などは、コントロールユニット63からのソレノイド60への通電量(デューティ比)を最大付近まで上昇している。このとき、スプール弁31は、図10に示すように、可動鉄心61と押圧部62aによって圧縮コイルばね32のばね力に抗して押圧されることにより軸方向の最大他方側に位置である第4移動位置へ移動する。このため、このスプール弁31は、第1ランド部31aがドレイン通路54を閉じて第1外側環状凹部31d及び遅角ポート34との連通を遮断することから、各遅角油圧室9内の作動油圧の排出が停止されている。同時に、遅角ポート34が第1外側環状凹部31dを介して一端側スプール孔50と連通している。
各遅角油圧室9内の作動油圧は、遅角ポート34から第1外側環状凹部31d及び一端側スプール孔50を通って第2逆止弁56の外周面に作用する。そして、カムシャフト2の交番トルクによって各遅角油圧室9の内圧が高くなったときに、作動油圧によって第2内側環状凹部31gの底面に弾性的に接触していた第2逆止弁56の各舌片部57がスプール弁31の径方向内側に変形し、これにより、変形前に舌片部57があった箇所に開口部65が形成される。そして、各遅角油圧室9内の作動油圧が、図10に矢印Fで示すように、第1外側環状凹部31dおよび一端側スプール孔50を通って開口部65へと流入する。次に、この開口部65から、作動油圧は、第2内側環状凹部31g、他端側スプール孔51および第2外側環状凹部31eを通って各進角油圧室10に速やかに供給される。したがって、各進角油圧室10の内圧を速やかに立ち上げ、ベーンロータ7を最進角側へ速やかに相対回転させることができる。
上記のように、第1の実施形態では、8つの一端側スプール孔50が円筒状のスプール弁31の周方向に設けられており、該スプール弁31の内周に、スプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置に配置された2つの舌片部57を有する第2逆止弁56が設けられている。そして、各舌片部57は、スプール弁31の径方向内側に変形することで各一端側スプール孔50からスプール弁31の内部への作動油の流れを許容する。このため、2つの舌片部57が径方向から均等に作動油圧を受けるので、第2逆止弁56の概ね円筒状の枠体部58が均一に縮径する。つまり、枠体部58は、スプール弁31内における偏心が抑制された状態で均一に縮径し、スプール弁31の内部において安定した位置に保持される。よって、枠体部58の外側面の一部の領域がスプール弁31の内周部の一部の領域に局所的に荷重を作用させ難くなり、該荷重によりスプール弁31の外周部の一部の領域がバルブボディ13の内周部の一部の領域に当接し、両者の間に摩擦が生じることが抑制される。従って、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を向上させることができる。
また、第1の実施形態では、第1舌片部57aが、径方向内側に変形することで複数の一端側スプール孔50のうちの一端側スプール孔50aからスプール弁31の内部への作動油の流れを許容し、一方、第2舌片部57bが、径方向内側に変形することで複数の一端側スプール孔50のうちの一端側スプール孔50bからスプール弁31の内部への作動油の流れを許容する。そして、第1舌片部57aおよび第2舌片部57bは、スプール弁31の径方向において互いに対向するように配置されている。このため、第1舌片部57aの変形に伴い枠体部58を移動させようとする力が、第2舌片部57bの変形に伴い枠体部58を移動させようとする力によって相殺され、スプール弁31の内部における枠体部58の位置がさらに安定化する。従って、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を効率的に向上させることができる。
さらに、第1の実施形態では、第1舌片部57aは、一端側スプール孔50aとスプール弁31の内部との連通および非連通に加えて、周方向において一端側スプール孔50aと第1舌片部57aの根元部側に隣接する一端側スプール孔50cとスプール弁31の内部との連通および非連通も切り替え可能となっている。同様に、第2舌片部57bは、一端側スプール孔50bとスプール弁31の内部との連通および非連通に加えて、周方向において一端側スプール孔50bと第2舌片部57bの根元部側に隣接する一端側スプール孔50dとスプール弁31の内部との連通および非連通も切り替え可能となっている。このように、第1舌片部57aや第2舌片部57bの数と、該第1舌片部57aや第2舌片部57bによって連通および非連通が切り替えられる一端側スプール孔50の数とが一対一で対応していなくても、第1舌片部57aおよび第2舌片部57bが周方向ほぼ等間隔位置に配置され、さらに、一端側スプール孔50が周方向等間隔位置に配置されていさえすれば、第2逆止弁56の第1舌片部57aおよび第2舌片部57bを機能させることができる。
また、第1の実施形態では、第2逆止弁56は、スプール弁31に対して回転可能に配置されている。上述のように、8つの一端側スプール孔50がスプール弁31の周方向等間隔位置に配置されており、さらに、2つの舌片部57がスプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置に配置されていることから、第2逆止弁56が回転した場合にも、第1舌片部57aおよび第2舌片部57bは、回転後の位置で対応する一端側スプール孔50から作動油圧を受ける。従って、第2逆止弁56が回転した場合にも、枠体部58が均一に縮径することでスプール弁31の内部における枠体部58の位置を保持し、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を向上させることができる。
[第2の実施形態]
図11は第2の実施形態の制御弁26の断面図である。
第2の実施形態では、舌片部57の数が一端側スプール孔50の数と同数となっている。即ち、第2の実施形態では、舌片部57の数は2つであり、一端側スプール孔50の数も2つである。換言すれば、2つの舌片部57は、同様の形状を有する第1舌片部57aおよび第2舌片部57bであり、2つの一端側スプール孔50は、同様の形状を有する一端側スプール孔50a,50bである。
図11に示すように、2つの一端側スプール孔50a,50bは、スプール弁31の径方向に互いに対向するように配置されており、スプール弁31の周方向の約160°の角度範囲にわたって延びている。つまり、一端側スプール孔50a,50bは、スプール弁31の周方向等間隔位置、つまり180°反対側の位置に配置されており、スプール弁31の周方向の約160°の角度範囲にわたって延びている。
同じく図11に示すように、第1および第2舌片部57a,57bは、スプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置、つまり180°反対側の位置に設けられている。
第1舌片部57aは、一端側スプール孔50aとスプール弁31の径方向に対向する位置に設けられている。スプール弁31の周方向に沿った第1舌片部57aの長さは、スプール弁31の周方向に沿った一端側スプール孔50a,50bの長さよりも小さくなっている。
同様に、第2舌片部57bは、一端側スプール孔50bとスプール弁31の径方向に対向する位置に設けられている。スプール弁31の周方向に沿った第2舌片部57bの長さは、スプール弁31の周方向に沿った一端側スプール孔50a,50bの長さよりも小さくなっている。
上記のように、第2の実施形態では、一端側スプール孔50a,50bは、スプール弁31の径方向に互いに対向するように配置されており、さらに、第1および第2舌片部57a,57bは、スプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置、つまり180°反対側の位置に設けられている。このような第2の実施形態によっても、枠体部58が均一に縮径することでスプール弁31の内部における枠体部58の位置を保持し、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を向上させることができる。
[第3の実施形態]
図12は第3の実施形態の制御弁26の断面図である。
第3の実施形態では、舌片部57の数が一端側スプール孔50の数と同数となっている。即ち、第3の実施形態では、舌片部57の数は3つであり、一端側スプール孔50の数も3つである。換言すれば、3つの舌片部57は、同様の形状を有する第1舌片部57a、第2舌片部57bおよび第3舌片部57cであり、3つの一端側スプール孔50は、同様の形状を有する一端側スプール孔50a,50e,50fである。
図12に示すように、3つの一端側スプール孔50a,50e,50fは、スプール弁31の周方向等間隔位置に、つまり120°ずつずれた位置に配置されており、スプール弁31の周方向の約80°の角度範囲にわたって延びている。
同じく図12に示すように、第1、第2および第3舌片部57a,57b,57cは、スプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置、つまり120°ずつずれた位置に設けられている。
第1舌片部57aは、一端側スプール孔50aとスプール弁31の径方向に対向する位置に設けられている。スプール弁31の周方向に沿った第1舌片部57aの長さは、スプール弁31の周方向に沿った一端側スプール孔50a,50e,50fの長さに概ね等しくなっている。
同様に、第2舌片部57bは、一端側スプール孔50eとスプール弁31の径方向に対向する位置に設けられている。スプール弁31の周方向に沿った第2舌片部57bの長さは、スプール弁31の周方向に沿った一端側スプール孔50a,50e,50fの長さに概ね等しくなっている。
同じく、第3舌片部57cは、一端側スプール孔50fとスプール弁31の径方向に対向する位置に設けられている。スプール弁31の周方向に沿った第3舌片部57cの長さは、スプール弁31の周方向に沿った一端側スプール孔50a,50e,50fの長さに概ね等しくなっている。
上記のように、第3の実施形態では、一端側スプール孔50a,50e,50fは、スプール弁31の周方向等間隔位置に、つまり120°ずつずれた位置に配置されており、さらに、第1、第2および第3舌片部57a,57b,57cは、スプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置、つまり120°ずつずれた位置に設けられている。第3の実施形態では、第1、第2および第3舌片部57a,57b,57cがスプール弁31の径方向に対向していないが、120°ずつずれた位置から第1、第2および第3舌片部57a,57b,57cの外側面に作動油圧が均等に作用し、やはり、枠体部58が均等に縮径し、スプール弁31の内部における枠体部58の位置が保持される。従って、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を向上させることができる。
[第4の実施形態]
図13は第4の実施形態の制御弁26の断面図である。
第4の実施形態では、舌片部57の数が一端側スプール孔50の数の2倍となっている。即ち、第4の実施形態では、舌片部57の数が6つであり、一端側スプール孔50の数が3つである。換言すれば、6つの舌片部57は、同様の形状を有する第1~第6舌片部57a~57fであり、3つの一端側スプール孔50は、同様の形状を有する一端側スプール孔50a,50e,50fである。
図13に示すように、3つの一端側スプール孔50a,50e,50fは、スプール弁31の周方向等間隔位置、つまり120°ずつずれた位置に配置されており、スプール弁31の周方向の約80°の角度範囲にわたって延びている。
同じく図13に示すように、第1~第6舌片部57a~57fは、スプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置、つまり60°ずつずれた位置に設けられている。第1舌片部57aおよび第2舌片部57bは、一端側スプール孔50aとスプール弁31の径方向に対向する位置に設けられている。また、第3舌片部57cおよび第4舌片部57dは、一端側スプール孔50eとスプール弁31の径方向に対向する位置に設けられている。さらに、第5舌片部57eおよび第6舌片部57fは、一端側スプール孔50fとスプール弁31の径方向に対向する位置に設けられている。
スプール弁31の周方向に沿った第1~第6舌片部57a~57fの長さは、スプール弁31の周方向に沿った一端側スプール孔50a,50e,50fの長さよりも短くなっている。
上記のように、第4の実施形態では、一端側スプール孔50a,50e,50fは、スプール弁31の周方向等間隔位置、つまり120°ずつずれた位置に配置されており、さらに、第1~第6舌片部57a~57fは、スプール弁31の周方向ほぼ等間隔位置、つまり60°ずつずれた位置に設けられている。このような第4の実施形態においても、第1~第6舌片部57a~57fの外側面に作動油圧が均等に作用し、やはり、枠体部58が均等に縮径し、スプール弁31の内部における枠体部58の位置が保持される。従って、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を向上させることができる。
[第5の実施形態]
図14は展開した状態の第5の実施形態の第2逆止弁56を示す平面図である。
第5の実施形態では、舌片部57が、全体として長方形に形成されているのではなく、根本部側に位置する長方形部57gと、この長方形部57gと一体に形成された円形をなす円形部57hとを組み合わせた形状を有している。なお、図14には、一例として、4つの舌片部57が設けられているが、舌片部57の数は、一端側スプール孔50の数に応じて、2つ以上の任意の数とすることができる。
このような第5の実施形態においても、枠体部58が均等に縮径することでスプール弁31の内部における枠体部58の位置を保持し、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を向上させることができる。
[第6の実施形態]
図15は展開した状態の第6の実施形態の第2逆止弁56を示す平面図である。
第6の実施形態では、舌片部57が長方形をなしているが、枠体部58の幅方向一端側に寄った位置に設けられている。つまり、舌片部57は、図15に示すように、1つの長辺部57iと先端に位置する短辺部57jが枠体部58に隣接するように形成されている。なお、図15には、一例として、4つの舌片部57が設けられているが、舌片部57の数は、一端側スプール孔50の数に応じて、2つ以上の任意の数とすることができる。
このような第6の実施形態においても、枠体部58が均等に縮径することでスプール弁31の内部における枠体部58の位置を保持し、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を向上させることができる。
[第7の実施形態]
図16は展開した状態の第7の実施形態の第2逆止弁56を示す平面図である。
第7の実施形態では、長方形の舌片部57が、枠体部58の幅方向において2段で、かつ枠体部58の長手方向に4列で合計8つ設けられている。なお、舌片部57は、2段以上で、2列以上であれば、任意の段数および列数で構成されても良い。
このような第7の実施形態においても、枠体部58が均等に縮径することでスプール弁31の内部における枠体部58の位置を保持し、バルブボディ13に対するスプール弁31の作動を向上させることができる。
以上説明した実施形態に基づく油圧制御弁に用いられる制御弁としては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
油圧制御弁は、その一態様として、第1ポートおよび第2ポートが径方向に貫通形成された筒状のバルブボディと、前記バルブボディの内周に前記バルブボディの軸方向へ摺動可能に配置され、複数のスプール孔が周方向に設けられた筒状のスプール弁と、前記スプール弁の内周に配置され、板状の部材を丸めた枠体部と、前記枠体部と一体に形成され、周方向において等間隔に配置された複数の舌片部とを有し、該舌片部は、径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記複数のスプール孔への作動油の流れを抑制する、逆止弁と、を備える。
前記油圧制御弁の好ましい態様において、前記複数の舌片部は、径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔のうちの第1スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第1スプール孔への作動油の流れを抑制する第1舌片部と、径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔のうちの第2スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第2スプール孔への作動油の流れを抑制する第2舌片部と、を有する。
別の好ましい態様では、前記油圧制御弁の態様のいずれかにおいて、前記第1スプール孔および前記第2スプール孔は、前記スプール弁の径方向において互いに対向するように配置され、前記第1舌片部および前記第2舌片部は、前記スプール弁の径方向において互いに対向するように配置されている。
別の好ましい態様では、前記油圧制御弁の態様のいずれかにおいて、前記複数の舌片部は、前記複数のスプール孔のうちの第3スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第3スプール孔への作動油の流れを抑制する第3舌片部をさらに有し、前記第1スプール孔、前記第2スプール孔および前記第3スプール孔は、前記スプール弁の周方向において等間隔に配置され、前記第1舌片部、前記第2舌片部および第3舌片部は、前記スプール弁の周方向において等間隔に配置されている。
別の好ましい態様では、前記油圧制御弁の態様のいずれかにおいて、前記第1舌片部は、前記第1スプール孔と前記スプール弁の周方向に隣接するスプール孔の連通および非連通を切り替え可能であり、前記第2舌片部は、前記第2スプール孔と前記スプール弁の周方向に隣接するスプール孔の連通および非連通を切り替え可能である。
別の好ましい態様では、前記油圧制御弁の態様のいずれかにおいて、前記逆止弁は、前記スプール弁に対して回転可能に配置されている。
別の好ましい態様では、前記油圧制御弁の態様のいずれかにおいて、前記逆止弁は、前記スプール弁に対して回転不能に配置されている。
別の好ましい態様では、前記油圧制御弁の態様のいずれかにおいて、前記油圧制御弁は、内燃機関のバルブタイミング制御装置に用いられ、前記バルブタイミング制御装置は、クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトと一体に回転する従動回転体と、前記駆動回転体と前記従動回転体との間に設けられた複数の油圧室と、を有し、前記油圧制御弁は、前記従動回転体の内部に配置されて前記複数の油圧室への作動油の供給および排出を行う。
以上説明した実施形態に基づく他の油圧制御弁に用いられる制御弁としては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
油圧制御弁は、その一態様として、第1ポートおよび第2ポートが径方向に貫通形成された筒状のバルブボディと、前記バルブボディの内周に前記バルブボディの軸方向へ摺動可能に配置され、径方向に対向する複数のスプール孔が形成されたスプール弁と、前記スプール弁の内周に配置され、板状の部材を丸めた枠体部と、前記枠体部と一体に形成され、前記スプール弁の径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔のうちの第1スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第1スプール孔への作動油の流れを抑制する第1舌片部と、前記枠体部と一体に形成され、前記スプール弁の径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔のうちの第2スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第2スプール孔への作動油の流れを抑制する第2舌片部と、を有した逆止弁と、を備える。
9・・・遅角油圧室、10・・・進角油圧室、13・・・バルブボディ、26・・・制御弁、30・・・スリーブ、31・・・スプール弁、31f・・・第1内側環状凹部、32・・・圧縮コイルばね、34・・・遅角ポート、35・・・進角ポート、38・・・第1スリーブ油通路、39・・・第2スリーブ油通路、50・・・一端側スプール孔、51・・・他端側スプール孔、56・・・第2逆止弁、57・・・舌片部、57a・・・第1舌片部、57b・・・第2舌片部、57c・・・第3舌片部、57g・・・長方形部、57h・・・円形部、58・・・枠体部

Claims (9)

  1. 第1ポートおよび第2ポートが径方向に貫通形成された筒状のバルブボディと、
    前記バルブボディの内周に前記バルブボディの軸方向へ摺動可能に配置され、複数のスプール孔が周方向に設けられた筒状のスプール弁と、
    前記スプール弁の内周に配置され、板状の部材を丸めた枠体部と、前記枠体部と一体に形成され、周方向において等間隔に配置された複数の舌片部とを有し、該舌片部は、径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記複数のスプール孔への作動油の流れを抑制する、逆止弁と、
    を備えることを特徴とする油圧制御弁。
  2. 請求項1に記載の油圧制御弁において、
    前記複数の舌片部は、径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔のうちの第1スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第1スプール孔への作動油の流れを抑制する第1舌片部と、径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔のうちの第2スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第2スプール孔への作動油の流れを抑制する第2舌片部と、を有することを特徴とする油圧制御弁。
  3. 請求項2に記載の油圧制御弁において、
    前記第1スプール孔および前記第2スプール孔は、前記スプール弁の径方向において互いに対向するように配置され、
    前記第1舌片部および前記第2舌片部は、前記スプール弁の径方向において互いに対向するように配置されていることを特徴とする油圧制御弁。
  4. 請求項2に記載の油圧制御弁において、
    前記複数の舌片部は、前記複数のスプール孔のうちの第3スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第3スプール孔への作動油の流れを抑制する第3舌片部をさらに有し、
    前記第1スプール孔、前記第2スプール孔および前記第3スプール孔は、前記スプール弁の周方向において等間隔に配置され、
    前記第1舌片部、前記第2舌片部および第3舌片部は、前記スプール弁の周方向において等間隔に配置されていることを特徴とする油圧制御弁。
  5. 請求項3に記載の油圧制御弁において、
    前記第1舌片部は、前記第1スプール孔と前記スプール弁の周方向に隣接するスプール孔の連通および非連通を切り替え可能であり、
    前記第2舌片部は、前記第2スプール孔と前記スプール弁の周方向に隣接するスプール孔の連通および非連通を切り替え可能であることを特徴とする油圧制御弁。
  6. 請求項1に記載の油圧制御弁において、
    前記逆止弁は、前記スプール弁に対して回転可能に配置されていることを特徴とする油圧制御弁。
  7. 請求項1に記載の油圧制御弁において、
    前記逆止弁は、前記スプール弁に対して回転不能に配置されていることを特徴とする油圧制御弁。
  8. 請求項1に記載の油圧制御弁において、
    前記油圧制御弁は、内燃機関のバルブタイミング制御装置に用いられ、
    前記バルブタイミング制御装置は、クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトと一体に回転する従動回転体と、前記駆動回転体と前記従動回転体との間に設けられた複数の油圧室と、を有し、
    前記油圧制御弁は、前記従動回転体の内部に配置されて前記複数の油圧室への作動油の供給および排出を行うことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  9. 第1ポートおよび第2ポートが径方向に貫通形成された筒状のバルブボディと、
    前記バルブボディの内周に前記バルブボディの軸方向へ摺動可能に配置され、径方向に対向する複数のスプール孔が形成されたスプール弁と、
    前記スプール弁の内周に配置され、板状の部材を丸めた枠体部と、前記枠体部と一体に形成され、前記スプール弁の径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔のうちの第1スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第1スプール孔への作動油の流れを抑制する第1舌片部と、前記枠体部と一体に形成され、前記スプール弁の径方向内側に変形することで前記複数のスプール孔のうちの第2スプール孔から前記スプール弁の内部への作動油の流れを許容し、前記スプール弁の内周に当接することで前記スプール弁の内部から前記第2スプール孔への作動油の流れを抑制する第2舌片部と、を有した逆止弁と、
    を備えることを特徴とする油圧制御弁。
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