JP2024064515A - 原料供給装置及び光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ原料を安定して供給することが可能な原料供給装置及び光源装置を提供すること。【解決手段】本発明の一形態に係る原料供給装置は、エネルギービームの照射によりプラズマ化して放射線を発生するプラズマ原料を減圧チャンバ内に供給する原料供給装置であって、原料タンクと、供給制御部とを具備する。前記原料タンクは、前記プラズマ原料を液体状態で保持する。前記供給制御部は、前記原料タンクと前記減圧チャンバとを接続し前記原料タンク内に保持された液体状のプラズマ原料を前記減圧チャンバ内に設けられた貯留容器に供給する供給管を有し、前記供給管を通した前記液体状のプラズマ原料の供給を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、X線や極端紫外光等を発生させるプラズマ原料を供給する原料供給装置、及び原料供給装置を備えた光源装置に関する。
従来、X線は、医療用用途、工業用用途、研究用用途に用いられてきた。
医療用分野においては、X線は、胸部X線写真撮影、歯科X線写真撮影や、CT(Computer Tomogram)といった用途に用いられる。
工業用分野においては、X線は、構造物や溶接部などの物質内部を観察する非破壊検査、断層非破壊検査といった用途に用いられる。
研究用分野においては、X線は、物質の結晶構造を解析するためのX線回折、物質の構成元素を分析するためのX線分光(蛍光X線分析)といった用途に用いられる。
X線のうち比較的波長の長い軟X線領域にある波長13.5nmの極端紫外光(以下、「EUV(Extreme Ultra Violet)光」ともいう)は、近年露光光として使用されている。
ここで、微細パターンが構成されているEUVリソグラフィ用のマスクの基材は、積層構造として、低熱膨張性ガラスから成る基板の上に、EUV光を反射させるための多層膜(例えば、モリブデンとシリコン)が設けられてなる反射ミラーである。
そして、多層膜上に波長13.5nmの放射線を吸収する材料をパターニングすることで、EUVマスクが構成される。
また、EUVマスクにおける許容できない欠陥の大きさは、従来のArFマスクの場合に比べると大幅に小さくなっており検出することが困難となっている。
そこで、EUVマスクの検査として、通常はアクティニック検査(Actinic inspection)と呼ばれる、リソグラフィの作業波長と一致する波長の放射線を用いた検査が行われる。
例えば、波長13.5nmの放射線を用いて検査を行うと、l0nmよりも良好な分解能で欠陥を検出することが可能となる。
一般にEUV光源装置としては、DPP(Discharge Produced Plasma)光源装置、LDP(Laser Assisted Discharge Produced Plasma)光源装置、及びLPP(Laser Produced Plasma)光源装置が挙げられる。
DPP光源装置は、EUV放射種を含む気体状のプラズマ原料(放電ガス)が供給された電極間に高電圧を印加して、放電により高密度高温プラズマを生成し、そこから放射される極端紫外光を利用するものである。
LDP光源装置は、DPP光源装置が改良されたものであり、例えば、放電を発生させる電極(放電電極)表面にEUV放射種を含む液体状の高温プラズマ原料(例えば、Sn(スズ)やLi(リチウム)等)を供給し、当該原料に対してエネルギービーム(例えば、電子ビームやレーザビーム等)を照射して当該原料を気化し、その後、放電によって高温プラズマを生成するものである。
LPP光源装置は、EUV放射種をレーザビーム等により励起して高温プラズマを生成するものである。この方式の光源装置としては、EUV放射用ターゲット材料である微小な液滴状に噴出されたスズ(Sn)、または、リチウム(Li)等のドロップレットに対して、レーザ光を集光することにより当該ターゲット材料を励起してプラズマを発生させるものが知られている。
また特許文献1には、X線やEUV等の放射線を発生させるための液体状のプラズマ原料を貯留する貯留槽に回転体を部分的に浸漬させ、貯留槽から回転体の表面に液体状のプラズマ原料を供給し、回転体の表面にエネルギービーム(レーザビーム)を照射して放射線を得る光源装置について記載されている。この方法は、所謂LPP方式に相当する。この光源装置では、回転体上のプラズマ原料の膜厚が、膜厚制御機構により所定の厚さに制御される。また、貯留槽を包囲するカバー状構造体の一部には、開口部が設けられる。高温プラズマ原料が塗布された回転体の表面には、開口部を通してエネルギービームが照射される。これにより回転体の表面のプラズマ原料がプラズマ化して放射線を得ることができる。
特許文献1では、貯留槽に対して、液体原料循環装置から原料流入管路と原料流出管路を介して液体状のプラズマ原料が供給される。これにより、貯留槽には一定量のプラズマ原料を貯留しておくことが可能であり、例えば液体状のプラズマ原料をドロップレットとして供給する必要がない。このため、ドロプレットにレーザビームを集光する方式等と比べて、比較的簡易な構成で、高輝度の放射線を得ることが可能となる。
特許第6241062号 特開2016-99289号公報
特許文献1に記載された液体原料循環装置は、液体状のプラズマ原料を循環させる装置本体に加え、装置本体と貯留槽とをつなぐ原料流入管路及び原料流出管路を備える。また、この構成では、貯留槽だけでなく原料流入管路及び原料流出管路の内部にもプラズマ原料を満たしておく必要がある。このため、液体原料循環装置の装置本体にはプラズマ原料を液体状態で貯留するもう一つの貯留槽が設けられる。これら2つの貯留槽や原料流入管路及び原料流出管路の間で液体状のプラズマ原料を円滑に循環させるためには、液体状のプラズマ原料が大量に必要とされる。
また、回転体上に供給される液体状のプラズマ原料は、エネルギービームの照射によりプラズマ化して消費される。また、液体状のプラズマ原料の一部は、デブリ等として飛散することでも消費される。このため、例えば液体原料循環装置の装置本体に設けられたもう一つの貯留槽には、光源装置の動作中に消費される分のプラズマ原料も貯蓄される必要がある。
このように、液体原料循環装置を用いた場合には、回転体の一部が浸漬されている貯留槽の容積よりも多くのプラズマ原料が必要となる。
また、プラズマ原料として、加熱された溶融金属を用いる場合、溶融金属の状態を保っておくためには、プラズマ原料が存在する部位をすべて加熱・保温しておく必要がある。これによりエネルギーの消費量が増大することが考えられる。
ところで特許文献2には、液体状のプラズマ原料(スズ)をコンテナに循環させる供給機構(スズ供給機構)が記載されている。この供給機構には、コンテナよりも容量が大きく液体状態のスズを収容するリザーバーが設けられる。リザーバーには、スズ充填機構から、固体状のスズ球が供給される。このように、液体状のプラズマ原料を貯留する容器に対して、固体状のプラズマ原料を直接供給する方法も考えられる。
例えば特許文献1に記載された回転体の一部が浸漬されている貯留槽に対して、液体原料循環装置を用いずに、固体状のプラズマ原料を直接供給した場合、貯留槽にすでに貯留されていた液体状のプラズマ原料の温度が低下する可能性がある。この結果、エネルギービームの照射位置に供給されるプラズマ原料の特性が変化し、発光動作が不安定になるといった事態が考えられる。また固体状のプラズマ原料が液化し、容器内のプラズマ原料の温度が安定するまでには、一定の時間がかかると考えられ、安定した原料供給が難しくなる可能性がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、プラズマ原料の貯留量を少なくし、消費エネルギーを抑えるとともに、プラズマ原料を安定して供給することが可能な原料供給装置及び光源装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る原料供給装置は、エネルギービームの照射によりプラズマ化して放射線を発生するプラズマ原料を減圧チャンバ内に供給する原料供給装置であって、原料タンクと、供給制御部とを具備する。
前記原料タンクは、前記プラズマ原料を液体状態で保持する。
前記供給制御部は、前記原料タンクと前記減圧チャンバとを接続し前記原料タンク内に保持された液体状のプラズマ原料を前記減圧チャンバ内に設けられた貯留容器に供給する供給管を有し、前記供給管を通した前記液体状のプラズマ原料の供給を制御する。
この原料供給装置では、原料タンク内に液体状態で保持されたプラズマ原料が、供給管を通して液体状態のまま減圧チャンバ内の貯留容器に供給される。また供給管を通した液体状のプラズマ原料の供給は、供給制御部により制御される。これにより、原料を循環させることなく、貯留容器に対して、液体状のプラズマ原料を必要に応じて供給することが可能となる。この結果、プラズマ原料の貯留量を少なくし、消費エネルギーを抑えるとともに、プラズマ原料を安定して供給することが可能となる。
前記原料タンクは、前記減圧チャンバの外側に設けられてもよい。この場合、前記供給管は、前記減圧チャンバの壁面を貫通して前記原料タンクと前記減圧チャンバとを接続してもよい。
前記原料タンクは、前記減圧チャンバの上方に配置されてもよい。この場合、前記供給管は、前記貯留容器の上方から前記液体状のプラズマ原料を供給してもよい。
前記供給制御部は、前記供給管に設けられ前記液体状のプラズマ原料の流れを開閉する第1のバルブ機構を有してもよい。
前記第1のバルブ機構は、前記プラズマ原料が固体状態及び液体状態のいずれの状態にも変化可能なように前記供給管の少なくとも一部の温度を調整する第1の温調機構であってもよい。
前記供給管は、流路が狭くなる狭窄部を有してもよい。この場合、前記第1の温調機構は、前記狭窄部に設けられてもよい。
前記供給管は、前記原料タンク側に接続され前記液体状のプラズマ原料の流路を下向きから上向きに曲げる第1の屈曲部と、前記減圧チャンバ側に接続され前記流路を上向きから下向きに曲げる第2の屈曲部とを有してもよい。この場合、前記第2の屈曲部に形成される前記流路の下面は、前記第1の屈曲部に形成される前記流路の上面よりも高い位置に配置されてもよい。
前記供給制御部は、前記プラズマ原料が固体状態及び液体状態のいずれの状態にも変化可能なように前記第1の屈曲部の温度を調整する第2の温調機構を有してもよい。
前記供給管は、前記原料タンクから前記液体状のプラズマ原料が流入する流入口を有し、前記流入口が前記原料タンクの内側の底面よりも高い位置となるように配置されてもよい。
前記原料タンクは、前記プラズマ原料が補給される補給口を有してもよい。この場合、前記流入口は、前記補給口とは鉛直方向において重ならない位置に配置されてもよい。
前記原料供給装置は、さらに、前記原料タンクに前記プラズマ原料を補給する原料補給部を具備してもよい。
前記原料補給部は、前記原料タンクに固体状態の前記プラズマ原料を補給してもよい。
前記原料供給装置は、さらに、前記原料タンクと所定の排気機構とを接続する排気管を具備してもよい。この場合、前記原料補給部は、前記原料タンクに補給するための前記プラズマ原料を排出する排出部と、前記排出部と前記原料タンクとを接続し前記排出部から排出された前記プラズマ原料を通過させる補給管と、前記補給管に設けられ前記原料タンクの減圧雰囲気を維持する第2のバルブ機構とを有してもよい。
前記第2のバルブ機構は、ロードロック機構として構成されてもよい。
前記貯留容器は、上方に開口し前記液体状のプラズマ原料を貯留する貯留部を有してもよい。この場合、前記供給管は、前記液体状のプラズマ原料が流出する流出口を有し、前記流出口が前記貯留容器の前記貯留部の開口端よりも低い位置となるように配置されてもよい。
前記供給制御部は、前記プラズマ原料が固体状態及び液体状態のどちらかの状態となるように前記供給管の前記減圧チャンバ内に突出した部分の温度を調整する第3の温調機構を有してもよい。
前記第3の温調機構は、前記減圧チャンバの外壁を貫通して設けられてもよい。
前記貯留容器は、上方に開口し前記液体状のプラズマ原料を貯留する貯留部を有してもよい。この場合、前記供給管は、前記液体状のプラズマ原料が流出する流出口を有してもよい。また、前記原料供給装置は、さらに、前記流出口を囲うように設けられ前記貯留容器の前記貯留部の開口端よりも低い位置まで伸びる防御管を具備してもよい。
本発明の一形態に係る光源装置は、エネルギービームの照射によりプラズマ原料をプラズマ化して放射線を発生させる光源装置であって、減圧チャンバと、貯留容器と、原料供給装置とを具備する。
前記貯留容器は、前記減圧チャンバ内に設けられ、液体状のプラズマ原料を貯留して、前記エネルギービームの照射部位に前記液体状のプラズマ原料を供給する。
前記原料供給装置は、
前記プラズマ原料を液体状態で保持する原料タンクと、
前記原料タンクと前記減圧チャンバとを接続し前記原料タンク内に保持された液体状のプラズマ原料を前記減圧チャンバ内に設けられた前記貯留容器に供給する供給管を有し、前記供給管を通した前記液体状のプラズマ原料の供給を制御する供給制御部とを有する。
前記光源装置は、さらに、前記エネルギービームが照射される回転体を具備してもよい。この場合、前記貯留容器は、前記回転体が浸漬するように設けられ、前記回転体に前記液体状のプラズマ原料を供給する原料コンテナであってもよい。
前記貯留容器は、上方に開口した貯留部を有し、前記貯留部の内側面に前記液体状のプラズマ原料を貯留する回転ドラムであってもよい。この場合、前記エネルギービームは、前記貯留部の内側面に照射されてもよい。
本発明によれば、プラズマ原料の貯留量を少なくし、消費エネルギーを抑えるとともに、プラズマ原料を安定して供給することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。 第1の実施形態に係るプラズマ生成機構及び原料供給装置の構成例を示す模式図である。 図2に示す原料供給装置の動作例を示すフローチャートである。 原料供給装置による原料補給動作の一例を示すフローチャートである。 原料供給装置による原料供給動作の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。 第3の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。 図7に示す原料供給装置の原料補給動作の一例を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。 図9に示す原料供給装置の動作例を示す模式図である。 第5の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。 第6の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。 図12に示す原料供給装置の変形例を示す模式図である。 第7の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。 他の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。 他の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[光源装置の基本構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。
光源装置100は、LPP方式の光源装置である。すなわち、光源装置100は、プラズマ原料1にエネルギービームEBを照射することで、プラズマ原料1を励起してプラズマPを発生させ、プラズマPから放出される放射線Rを取り出して光源として用いる装置である。
なお、本開示において、放射線Rには、EUV光等の軟X線領域の光や、よりエネルギーの高い硬X線等、プラズマPから放射される光(電磁波)が含まれる。
放射線RとしてEUV光が出射される場合は、プラズマ原料1としてEUV原料が用いられる。EUV光を放出するための原料としては、例えば、液体状のスズ(Sn)やリチウム(Li)が用いられる。Sn、Liは常温では固体であるが、エネルギービームEBに照射される場合には、液体の状態で用いられる。
放射線RとしてX線が出射される場合は、プラズマ原料1としてX線原料が用いられる。X線原料は例えば常温で液体状である金属であり、例えば、ガリウム(Ga)や、ガリウム合金、Sn化合物等を用いることができる。
図1は、光源装置100を設置面から所定の高さの位置で水平方向に沿って切断した場合の模式的な断面を、上方から見た場合の図である。
図1では、光源装置100の構成及び動作を理解しやすいように、断面の構成等を説明する必要のない部分については、断面の図示を省略している。
以下、X方向を左右方向(X軸の正側が右側、負側が左側)、Y方向を前後方向(Y軸の正側が前方側、負側が後方側)、Z方向を高さ方向(Z軸の正側が上方側、負側が下方側)として説明を行う。もちろん、本技術の適用について、光源装置100が使用される向き等が限定される訳ではない。
光源装置100は、筐体2と、真空チャンバ3と、エネルギービーム入射チャンバ4と、放射線出射チャンバ5と、プラズマ生成機構6と、制御部7と、原料供給装置30とを含む。なお、図1では、原料供給装置30を細かい点線の枠により模式的に図示している。原料供給装置30の構成については、図2等を参照して後に詳しく説明する。
図1に示す例では、筐体2は、おおよその外形が立方体形状となるように構成される。なお筐体2の形状は立方体形状に限定されず、任意の立体形状が用いられてよい。
筐体2は、前方面に形成される出射孔2aと、右側面に形成される入射孔2bと、後方面に形成される貫通孔2cと、左側面に形成される貫通孔2dとを有する。
筐体2の材料は限定されず、例えば金属製の筐体が用いられる。
本実施形態では、前方面の出射孔2aを通り、Y方向(前後方向)に延在するように、放射線Rの出射軸EAが設定される。X線やEUV光等の放射線Rは、出射軸EAに沿って取り出され、出射孔2aから前方側に向かって放出される。
また本実施形態では、右側面の入射孔2bから、後方側に向かって左斜めに延在するように、エネルギービームEBの入射軸IAが設定される。
図1に示すように、筐体2の外部に、エネルギービームEBを出射するビーム源8が設置される。ビーム源8は、入射軸IAに沿ってエネルギービームEBが筐体2の内部に入射するように設置される。
エネルギービームEBとしては、電子ビームやレーザビームを使用することが可能である。ビーム源8の構成としては、これらのエネルギービームEBを出射可能な任意の構成が採用されてよい。
光源装置100には、複数のチャンバを含むチャンバ部Cが設けられる。具体的には、チャンバ部Cは、真空チャンバ3、エネルギービーム入射チャンバ(以下、単に入射チャンバという)4、及び放射線出射チャンバ(以下、単に出射チャンバという)5を有する。真空チャンバ3、入射チャンバ4および出射チャンバ5は、互いに空間的に接続される。すなわち、真空チャンバ3と入射チャンバ4とは互いに連結される。同様に、真空チャンバ3と出射チャンバ5とは互いに連結される。
入射チャンバ4は、エネルギービームEBの入射軸IA上に位置するように形成され、出射チャンバ5は、放射線Rの出射軸EA上に位置するように形成される。また真空チャンバ3には、プラズマPを発生させる機構が設けられる。
本実施形態では、チャンバ本体9と、チャンバ本体9の前方面から前方側に突出する外側突出部9aと、チャンバ本体9の内周面から内部側に突出する2つの内側突出部9b及び9cとにより、チャンバ部C(真空チャンバ3、入射チャンバ4、及び出射チャンバ5)が構成される。
チャンバ部Cを構成する、チャンバ本体9、外側突出部9a、及び2つの内側突出部9b及び9cの材料としては、金属材料が用いられる。
チャンバ本体9は、おおよその外形が直方体形状となるように構成され、前後左右の各面が、筐体2の前後左右の各面とそれぞれ対向するように配置される。
また、チャンバ本体9は、前方面と右側面との間の右前角部が、エネルギービームEBの入射軸IA上に位置するように配置される。
図1に示すように、チャンバ本体9の前方面には、出射孔9dが形成される。出射孔9dは、放射線Rの出射軸EA上で、筐体2の前方面の出射孔2aと並ぶ位置に形成される。
チャンバ本体9の出射孔9dの周縁部から、前方側に突出するように外側突出部9aが構成される。外側突出部9aは、筐体2の出射孔2aに内接するように、筐体2の出射孔2aよりも前方側に大きく突出するように構成される。
また、チャンバ本体9の内部側において、出射孔9dの周縁部から内部側に突出するように、内側突出部9bが構成される。
外側突出部9a及び内側突出部9bに囲まれた空間が、出射チャンバ5として機能する。出射チャンバ5を構成する部材である外側突出部9a及び内側突出部9b自体を、出射チャンバと呼ぶことも可能である。
外側突出部9a及び内側突出部9bは、チャンバ本体9と一体的に形成されてもよいし、別個に形成されたのちにチャンバ本体9に接続されてもよい。
出射チャンバ5は、放射線Rの出射軸EAを中心軸として、コーン形状となるように構成される。出射チャンバ5は、放射線Rの出射軸EAの方向において、中央部分の断面積が大きく、前後の端部に近づくにつれて断面積が小さくなるように構成される。すなわち、出射チャンバ5は、前後の端部に近づくにつれて絞られるような形状である。また出射チャンバ5は、前後の端部に放射線Rを通す開口部(アパーチャー)が設けられる。
出射チャンバ5の前方側の端部(外側突出部9aの前方側の端部)には、マスク検査装置等の利用装置が接続される。図1に示す例では、利用装置の一部をなすチャンバとして、アプリケーションチャンバ10が接続される。アプリケーションチャンバ10内の圧力は大気圧であってもよい。また、アプリケーションチャンバ10の内部は、必要に応じてガス注入路よりガス(例えば、不活性ガス)を導入してパージしてもよい。またアプリケーションチャンバ10の内部のガスは図示を省略した排気手段により排気されていてもよい。
出射チャンバ5とアプリケーションチャンバ10との間には、プラズマPが生成される領域とアプリケーションチャンバ10とを物理的に分離するフィルタ膜11が設けられる。フィルタ膜11は、放射線を透過可能な材料で構成され、プラズマPの発生に伴って飛散するプラズマ原料1やデブリのアプリケーションチャンバ10への進入を防止する。
出射チャンバ5の内部には、出射チャンバ5の内に入射した放射線Rを利用装置内(アプリケーションチャンバ10内)に導光して集光するためのコレクタ(集光鏡)12が配置されている。図1では、出射チャンバ5に入射し集光される放射線Rの成分がハッチングにて図示されている。
また出射チャンバ5の内部には、遮蔽部材(中央掩蔽)13が配置される。遮蔽部材13は、放射線Rの出射軸EA上にて、チャンバ本体9の出射孔9d、筐体2の出射孔2a、及びフィルタ膜11と並ぶように配置される。本実施形態では、遮蔽部材13により、コレクタ12により集光されない放射線成分を遮光することが可能である。
チャンバ本体9の右前角部には、入射窓14が形成される。入射窓14は、エネルギービームEBの入射軸IA上で、筐体2の右側面の入射孔2bと並ぶ位置に形成される。
また、チャンバ本体9の右前角部の内部側において、入射窓14を囲む位置からエネルギービームEBの入射軸IAの方向に沿って突出するように、内側突出部9cが構成される。
チャンバ本体9の内部空間のうち、内側突出部9cに囲まれた空間が、入射チャンバ4として機能する。入射チャンバ4を構成する内側突出部9c及びチャンバ本体9の右前角部の部分自体を、入射チャンバと呼ぶことも可能である。
内側突出部9cは、チャンバ本体9と一体的に形成されてもよいし、別個に形成されたのちにチャンバ本体9に接続されてもよい。
入射チャンバ4は、エネルギービームEBの入射軸IAを中心軸として、コーン形状となるように構成される。入射チャンバ4は、エネルギービームEBの入射軸IAの方向において、チャンバ本体9の内部側の端部に近づくにつれて断面積が小さくなるように構成される。すなわち、入射チャンバ4は、内部側の端部に近づくにつれて絞られるような形状である。また入射チャンバ4は、内部側の端部にエネルギービームEBを通す開口部(アパーチャー)が設けられる。
入射チャンバ4の内部には、飛散したプラズマ原料1やデブリを捕捉するための捕捉機構が配置される。図1に示す例では、補足機構として、エネルギービームEBを透過し、プラズマ原料1やデブリを捕捉する板状の回転部材である回転式窓15が配置される。回転式窓15を回転させることで、回転式窓15のビーム透過領域の実質的な面積が増大し、回転式窓15の交換頻度を低減することが可能となる。
また、図1に示すように、出射チャンバ5及び入射チャンバ4には、ガス注入路16a及び16bがそれぞれ設けられ、図示を省略したガス供給装置から、出射チャンバ5及び入射チャンバ4の内部にガスが供給される。出射チャンバ5には、放射線Rに対して透過率の高いガスが供給される。また入射チャンバ4には、エネルギービームEBに対して透過率の高いガスが供給される。
出射チャンバ5及び入射チャンバ4に供給されるガスは同じ種類のガスであってもよいし、異なる種類のガスであってもよい。例えばアルゴンやヘリウムは、エネルギービームEB及び放射線Rの両方に対して透過率の高いガスとして用いることが可能である。この他、出射チャンバ5及び入射チャンバ4に供給されるガスの種類は限定されない。
ガスを供給することで、出射チャンバ5及び入射チャンバ4の内部圧力を真空チャンバ3の内部圧力よりも高い圧力に設定し、デブリ等の侵入を抑制することが可能となる。
チャンバ本体9の内部空間のうち、出射チャンバ5として機能する内側突出部9bの内部空間、及び入射チャンバ4として機能する内側突出部9cの内部空間を除く空間が、真空チャンバ3として機能する。真空チャンバ3を構成する部分自体を、真空チャンバと呼ぶことも可能である。本実施形態では、真空チャンバ3は、減圧チャンバに相当する。
図1に示すように、チャンバ本体9は、筐体2の左側面の貫通孔2dから筐体2の外部に突出する部分を有し、その先端が排気用ポンプ17に接続される。排気用ポンプ17の具体的な構成は限定されず、真空ポンプ等の任意のポンプが用いられてよい。
排気用ポンプ17により真空チャンバ3内が排気され、真空チャンバ3が減圧される。これにより、真空チャンバ3内にて生成される放射線Rの減衰が抑制される。
真空チャンバ3内は、入射チャンバ4及び出射チャンバ5に対して減圧雰囲気であればよく、必ずしも真空雰囲気でなくてもよい。また、真空チャンバ3内に不活性ガスが供給されていてもよい。
本実施形態では、入射軸IAと出射軸EAとの間の領域に向けて左右方向に延在するようにガスノズル18が設置される。ガスノズル18は、チャンバ本体9の右側面に、シール部材等を介して設置される。ガスノズル18は、図示を省略したガス供給装置に接続され、チャンバ本体9内にガスを供給する。
図1に示す例では、ガスノズル18から、入射軸IAと出射軸EAとの間の領域の右側から左右方向に沿って左側に向かってガスが吹き付けられる。これにより、プラズマPから放出されるデブリを、入射軸IA及び出射軸EAから遠ざかる方向に移動させることが可能となる。
プラズマ生成機構6は、真空チャンバ3内にてプラズマPを生成し、放射線R(X線、EUV光)を放出するための機構である。
プラズマ生成機構6は、原料供給用の円盤状の回転体20、及び液体状のプラズマ原料1を収容する原料コンテナ21を含む。回転体20及び原料コンテナ21は、真空チャンバ3の内部に配置される。
図1に示すように、円盤状の回転体20には、エネルギービームEBが入射する。回転体20は、エネルギービームEBの照射位置Iが入射軸IAと出射軸EAとの交点の位置に配置されるように、真空チャンバ3内に配置される。本実施形態では、回転体20は、エネルギービームが照射される回転体に相当する。なお、回転体の形状は円盤形状に限定されず、例えば多角形形状の回転体等が用いられてもよい。
原料コンテナ21は、回転体20が浸漬するように設けられ、回転体20に液体状のプラズマ原料1を供給する。例えば回転体20は、原料コンテナ21内の液体状のプラズマ原料1に浸漬した状態で回転可能に保持され、回転体20の表面にはプラズマ原料1が付着する。この状態で回転体20が回転することにより、回転体20の照射位置Iにプラズマ原料1が供給される。そして回転体20の照射位置IにエネルギービームEBが入射することで、プラズマPが生成される。
このように、原料コンテナ21は、真空チャンバ3内に設けられ、液体状のプラズマ原料1を貯留して、エネルギービームEBの照射位置Iに液体状のプラズマ原料1を供給する。本実施形態では、原料コンテナ21は、貯留容器の一例であり、原料コンテナに相当する。この他、プラズマ生成機構6の構成については、後に詳しく説明する。
制御部7は、光源装置100が有する各構成要素の動作を制御する。
例えば、制御部7により、ビーム源8や排気用ポンプ17の動作が制御される。また制御部7により、後に説明する各種モータ、原料供給装置30等の動作が制御される。
制御部7は、例えばCPUやメモリ(RAM、ROM)等のコンピュータに必要なハードウェア回路を有する。CPUがメモリに記憶されている制御プログラムをRAMにロードして実行することにより、種々の処理が実行される。
制御部7として、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)、その他ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスが用いられてもよい。
図1では、制御部7は機能ブロックとして模式的に図示されているが、制御部7が構成される位置等は任意に設計されてよい。
また、図1に示すように、本実施形態では、チャンバ本体9の前面側にて、真空チャンバ3と空間的に接続される領域に、放射線診断部19が構成される。放射線診断部19は、放射線Rの出射軸EAとは異なる方向に放射される放射線Rが入射する位置に構成される。
放射線診断部19は、プラズマPからの放射線Rの状態を測定する。ここで放射線Rの状態とは、放射線Rの強度、波長、スペクトルといった放射線Rの物理的状態である。例えば、放射線Rの有無を検出する検出器や、放射線の出力を測定する測定器により放射線診断部19が構成される。
放射線診断部19による測定結果は、放射線Rの診断や、以下で説明する原料供給装置30の動作制御に用いられる。
図2は、第1の実施形態に係るプラズマ生成機構及び原料供給装置の構成例を示す模式図である。図2には、図1の矢印Aの方向から回転体20を見た場合の断面構成例が模式的に図示されている。なお、図2では、筐体2、エネルギービーム入射チャンバ4、及び放射線出射チャンバ5は省略されている。
[プラズマ生成機構の基本構成]
図1及び図2に示すように、プラズマ生成機構6は、回転体20と、原料コンテナ21と、モータ26と、軸部27と、スキマー28とを含む。
回転体20は、円盤状の部材であり、回転軸Oを中心に回転することで、プラズマ生成領域にプラズマ原料1を供給する。回転体20は、典型的には回転面が鉛直方向と平行になるように、すなわち回転軸Oが水平方向と平行となるように配置される。なお、回転体20は、回転軸Oが水平方向に対して傾斜するように配置することも可能である。
回転体20は、表面20a及び裏面20bを有し、表面20aにエネルギービームEBが入射するように配置される。また表面20aの所定の位置に、エネルギービームEBが入射する照射位置Iが設定される。逆に言えば、回転体20の2つの主面のうち、エネルギービームEBの照射位置Iが設定される主面が表面20aとなる。そして反対側の主面が、裏面20bとなる。
回転体20は、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)等の高融点金属を用いて構成される。
原料コンテナ21は、底部22と、外壁部23と、貯留部24とを有する。底部22は、原料コンテナ21の底を構成する部分である。外壁部23は、底部22を囲むように上方に向けて突出した部分である。貯留部24は、底部22と外壁部23とで囲まれた領域であり、上方に開口し液体状のプラズマ原料1を貯留する。貯留部24には、後述する原料供給装置30から、液体状のプラズマ原料1が供給される。
回転体20は、下方側の一部が、貯留部24に貯留されたプラズマ原料1に浸漬されている。このとき、回転体20の位置や、貯留部24内のプラズマ原料1の貯留量は、少なくとも回転体20の表面20aの一部がプラズマ原料1に浸かるように設定される。
放射線RとしてX線が出射される場合は、プラズマ原料1としてX線原料が用いられる。X線原料は常温で液体状である金属や金属化合物であり、例えば、ガリウム(Ga)や、ガリウム合金、Sn化合物等を用いることができる。
放射線RとしてEUV光が出射される場合は、プラズマ原料1としてEUV原料が用いられる。EUV光を放出するための原料としては、例えば、液体状のスズ(Sn)やリチウム(Li)が用いられる。
Sn、Liは常温では固体であるので、原料コンテナ21には図示を省略した温調手段が設けられる。例えば、EUV原料がSnの場合は、原料コンテナ21はSnの融点以上の温度に維持される。
図1及び図2に示す例では、原料コンテナ21は、長手方向が回転体20の直径よりも長くなるように構成される。また、回転体20は、原料コンテナ21の長手方向の一端側に近接して配置される。従って原料コンテナ21の長手方向の他端側には、上方から見て貯留部24が露出した領域が形成され、当該領域の上方から液体状のプラズマ原料1が供給される。この他、原料コンテナ21の形状は限定されず、例えば原料コンテナ21の短手方向が図1に示す例よりも長く構成されてもよい。この場合、短手方向において貯留部24を比較的広く露出させることができる。このような領域の上方から液体状のプラズマ原料1が供給されてもよい。
なお回転体20及び原料コンテナ21は、貯留部24が露出しプラズマ原料1が供給される領域とエネルギービームEBの入射軸IAや放射線Rの出射軸EAとが、上方から見た平面視で重ならないように構成される。
回転体20の裏面20bの中心部には、モータ26の軸部27が接続される。制御部7によりモータ26の動作が制御され軸部27を介して回転体20が回転される。
軸部27は、回転体20の表面20aに直交する方向に延在する柱状の部材であり、その中心軸が回転体20及びモータ26の回転軸Oとなる。
軸部27は、筐体2の貫通孔2cを通り、メカニカルシール29を介して、真空チャンバ3内に導入される。このとき、軸部27は、筐体2(貫通孔2c)と接触しないように配置される。メカニカルシール29は、真空チャンバ3内の減圧雰囲気を維持しつつ、軸部27の回転を許容する。
上記したように、回転体20は、原料コンテナ21に貯留されたプラズマ原料1に浸漬するように配置される。この状態で、回転体20が軸部27(回転軸O)を中心に回転すると、表面20aになじんで、表面20aに付着したプラズマ原料1が原料コンテナ21から引き上げられる。この方式により、表面20aの全周にわたってプラズマ原料1が塗布される。また、表面20aに塗布されたプラズマ原料1は、回転体20の回転とともに、エネルギービームEBの照射位置Iに輸送される。このように、本実施形態では、原料コンテナ21、モータ26、及び軸部27により、回転体20にプラズマ原料1が供給される。
図2に示すように、本実施形態では、回転体20の表面20aの周縁部の近傍に、エネルギービームEBの照射位置Iが設定される。この照射位置Iにプラズマ原料1が供給されるように、モータ26及び軸部27の構成及び動作が適宜設計される。
スキマー28は、回転体20の表面20a上に供給されるプラズマ原料1の膜厚を所定の膜厚に調整するための膜厚調整部材として、回転体20の周縁部の所定の位置に設けられる。
スキマー28は、例えばチャネル構造を有する構造体であって、その内側に回転体20を挟むように所定の間隙をもって配置される。スキマー28は、回転体20の表面20aに塗布されたプラズマ原料1の一部を削ぎとるスクレーパーとして機能する。
回転体20の表面20aとスキマー28との間隔は、回転体20の表面20aに設定されるエネルギービームEBの照射位置Iにおけるプラズマ原料1の膜厚に対応する。そして、スキマー28は、照射位置Iにおけるプラズマ原料1の膜厚を、所定の膜厚に調整可能な位置に配置される。
回転体20の表面20aとスキマー28との間隔を適宜設定する。これにより、原料コンテナ21の原料貯留部分において回転体20に塗布された液体状のプラズマ原料1は、回転体20の回転によってスキマー28を通過する際に、回転体20上における膜厚が所定の膜厚となるように調整される。
スキマー28によって膜厚が調整された回転体20上のプラズマ原料1は、回転体20の回転とともにエネルギービームEBの照射位置Iに輸送される。すなわち、回転体20の回転方向は、回転体20上のプラズマ原料1がスキマー28を通過後、照射位置Iに輸送される方向である。そして、照射位置Iにおいて、回転体20上のプラズマ原料1にエネルギービームEBが照射され、プラズマPが発生される。
スキマー28により、照射位置Iにほぼ均一にプラズマ原料1を供給することが可能となる。照射位置Iにおけるプラズマ原料1の厚みを安定させることにより、プラズマPから放射される放射線Rの強度を安定させることが可能となる。
[原料供給装置の基本構成]
図2に示すように、原料供給装置30は、光源装置100の真空チャンバ3に接続される。原料供給装置30は、エネルギービームEBの照射によりプラズマ化して放射線Rを発生するプラズマ原料1を真空チャンバ3内に供給する装置である。
原料供給装置30は、原料排出部31と、原料補給管32と、補給用バルブ33と、原料タンク34と、原料供給管35と、供給用バルブ36とを有する。また原料供給装置30は、圧力計37と、排気管38とを有する。
原料供給装置30では、原料排出部31から補給用のプラズマ原料1が排出される。補給用のプラズマ原料1は、原料補給管32及び補給用バルブ33を介して、原料タンク34に導入される。
原料タンク34では、プラズマ原料1が液体状態で保持される。原料タンク34に保持された液体状のプラズマ原料1は、原料供給管35及び供給用バルブ36を介して、真空チャンバ3内の原料コンテナ21の貯留部24に導入される。
このように、原料供給装置30には、プラズマ原料1を液体状態で保持する原料タンク34が設けられる。また原料供給装置30は、真空チャンバ3内に設けられた原料コンテナ21の貯留部24に、プラズマ原料1を液体状態で供給が可能なように構成される。
従って、光源装置100では、原料コンテナ21と原料タンク34に液体状のプラズマ原料1が貯留されることになる。このうち、原料タンク34の貯留量は、装置の動作中に消費されたプラズマ原料を補充可能な量であればよいため、例えば原料コンテナ21の貯留量よりも少なくてよい。また、プラズマ原料21を循環させるための配管等を液体状態のプラズマ原料1で満たすといった必要もない。このため、プラズマ原料1の貯留量を少なくすることが可能である。
また、原料供給装置30では、原料タンク34内のプラズマ原料1が液体状態で維持される。ここで、原料タンク34は容量が小さく、比較的少ない電力で、プラズマ原料1を加熱・保温することが可能である。これにより、消費エネルギーを抑えることが可能である。
さらに、原料供給装置30では、原料コンテナ21に対して、液体状のプラズマ原料を必要に応じて供給することが可能である。これにより、プラズマ原料を安定して供給することが可能となる。
なお、本開示では、原料タンク34にプラズマ原料1を導入することを、補給すると記載し、原料タンク34から原料コンテナ21に液体状のプラズマ原料を導入することを、供給すると記載する。
以下、原料供給装置30の各部の構成について具体的に説明する。
原料排出部31は、原料タンク34に補給するためのプラズマ原料1(補給用のプラズマ原料)を排出する。原料排出部31は、補給用のプラズマ原料1の種類に応じて適宜構成されるが、典型的にはプラズマ原料1を収容し必要量を排出する機構として構成される。
原料補給管32は、原料排出部31と原料タンク34とを接続し原料排出部31から排出された補給用のプラズマ原料1を通過させる。
補給用バルブ33は、原料補給管32に設けられ原料タンク34の減圧雰囲気を維持する。補給用バルブ33としては、例えば補給用のプラズマ原料1が通過可能なように原料補給管32を開閉するメカニカルバルブ等が用いられる。
本実施形態では、原料排出部31は、排出部に相当し、原料補給管32は、補給管に相当し、補給用バルブ33は、第2のバルブ機構に相当する。また、原料排出部31、原料補給管32、及び補給用バルブ33は、原料タンクにプラズマ原料を補給する原料補給部として機能する。
原料タンク34に補給される補給用のプラズマ原料1は、固体状態(固相)又は液体状態(液相)のプラズマ原料1である。
上記したように、EUV光を発生させるためのプラズマ原料1は、常温で固体状の金属原料(SnやLi等)である。この場合、補給用のプラズマ原料1として、SnやLiを球体状やペレット状に加工した金属体が用いられる。また放射線Rを発生させるためのプラズマ原料1は、常温で液体状の金属原料や金属化合物(Ga、Ga合金、Sn化合物等)である。この場合、補給用のプラズマ原料1として、液体状の金属原料がそのまま用いられる。
原料排出部31、原料補給管32、及び補給用バルブ33は、固体状態又は液体状態のプラズマ原料1を原料タンク34に補給可能なようにそれぞれ構成される。
以下では、補給用のプラズマ原料1として、主に固体状の金属原料が用いられる場合について説明する。
原料タンク34は、真空チャンバ3の外側に設けられ、プラズマ原料1を液体状態で保持する。すなわち、原料タンク34は、内部の空間に液体状のプラズマ原料1を蓄えることが可能なように構成される。原料タンク34には、内部に連通するように、原料補給管32と、原料供給管35とが接続される。
また原料タンク34は、加熱機構40を有する。加熱機構40は、原料タンク34内のプラズマ原料1を加熱するため機構である。加熱機構40としては、例えば電熱線等を用いたヒータが用いられる。
加熱機構40による加熱により、原料補給管32から原料タンク34に補給されるプラズマ原料1は、補給時の状態(固体状態又は液体状態)にかかわらず、プラズマ原料1が液体状態となるように所定の温度に維持される。例えば、プラズマ原料1がSnの場合、原料タンク34内のプラズマ原料1は、Snの融点以上の温度に維持される。これにより、原料タンク34内のプラズマ原料1を液相状態で維持することが可能となる。なお加熱機構40に代えて原料タンク34の温度を調整可能な温調機構が設けられてもよい。
原料タンク34の容量は、例えば原料コンテナ21に対するプラズマ原料1の1回分の供給量を貯留可能な量に設定される。典型的には、原料タンク34は、1回分の供給量の1.5倍から3倍程度のプラズマ原料1を貯留可能なように構成される。また原料タンク34そのものを小さくすることで、加熱機構40による加熱動作時の消費エネルギーを抑えることが可能である。
図2に示すように、原料タンク34は、真空チャンバ3の上方に配置される。これにより、液体状のプラズマ原料1をその自重により真空チャンバ3内に導入することが可能となる。これにより、装置構成をシンプルにすることが可能となる。
また、原料タンク34には、原料タンク34と真空排気装置45とを接続する排気管38が接続される。真空排気装置45は、原料タンク34内を排気して減圧雰囲気にするための装置であり、真空ポンプ等を用いて構成される。本実施形態では、真空排気装置45は、所定の排気機構に相当する。
さらに、原料タンク34には、原料タンク34内の圧力を計測する圧力計37が接続される。圧力計37の計測値は、制御部7に出力される。これにより、原料タンク34内の圧力を参照しながら原料供給装置30を動作させることが可能となる。
この他、原料タンク34には、液体状のプラズマ原料1の液面レベルを検出する液面センサや、液体状のプラズマ原料1の温度を検出する温度センサ等が適宜設けられてよい。
原料供給管35は、原料タンク34と真空チャンバ3とを接続し原料タンク34内に保持された液体状のプラズマ原料1を真空チャンバ3内に設けられた原料コンテナ21に供給する。本実施形態では、原料タンク34が真空チャンバ3の外側に配置されるため、原料供給管35は、真空チャンバ3の壁面を貫通して原料タンク34と真空チャンバ3とを接続する。
原料供給管35は、原料タンク34から液体状のプラズマ原料が流入する流入口35aと、液体状のプラズマ原料1が流出する流出口35bとを有する。また流入口35aと流出口35bとの間には、後述する供給用バルブ36が設けられる。
本実施形態では、原料供給管35は、供給管に相当する。
原料供給管35は、原料タンク34の壁部及び真空チャンバ3の壁部を貫通して設けられ、原料タンク34と真空チャンバ3とを空間的につなげる。また原料供給管35と真空チャンバ3の壁部との貫通部分は、真空チャンバ内の減圧雰囲気を維持するために、適宜シールされている。
図2に示す例では、原料供給管35の流入口35aは、原料タンク34内の底面に接続される。なお、流入口35aを設ける位置は限定されず、例えば原料タンク34内の側面等に流入口35aが設けられてもよい。
原料供給管35の流出口35bは、原料コンテナ21の底部22の上面(貯留部24の底面)に対向して配置される。すなわち、原料供給管35の流出口35bは、原料コンテナ21に形成される貯留部24の上方に配置される。従って、原料供給管35は、原料コンテナ21に対して、原料コンテナ21の上方から液体状のプラズマ原料1を供給する。
図1及び図2に示す例では、原料コンテナ21の長手方向に沿って貯留部24が露出した領域が形成される。原料供給装置30は、このように貯留部24が露出した領域に、原料供給管35の流出口35bが位置するように配置される。
供給用バルブ36は、原料供給管35に設けられ液体状のプラズマ原料1の流れを開閉する。供給用バルブ36としては、例えばニードルバルブやボールバルブ等のメカニカルな開閉機構を備えたバルブが用いられる。また供給用バルブ36は、サーボモータ等により自動的に開閉が制御可能なように構成される。
供給用バルブ36の具体的な構成は限定されず、液体状のプラズマ原料1の流れを制御可能な任意の開閉機構が用いられてよい。本実施形態では、供給用バルブ36は、第1のバルブ機構の一例である。
このように、本実施形態では、原料供給管35にメカニカルな供給用バルブ36を設けることで、原料タンク34から原料コンテナ21への原料供給管35を通した液体状のプラズマ原料1の供給が制御される。供給用バルブ36を用いることで、例えば、液体状のプラズマ原料1の供給開始や供給停止の動作を比較的短時間で切替ることが可能となる。この結果、原料コンテナ21への原料供給を細やかに制御することが可能となる。本実施形態では、原料供給管35及び供給用バルブ36は、供給制御部として機能する。
原料供給装置30の動作は、例えば上記した制御部7を用いて制御される。制御部7は、原料排出部31、補給用バルブ33、原料タンク34の加熱機構40、真空排気装置45、圧力計37、供給用バルブ36等の動作を制御可能に構成されている。なお、制御部7とは別に、原料供給装置30を制御するための専用の演算ユニットが設けられてもよい。
[原料供給装置のバルブ構造]
原料排出部31から排出されたプラズマ原料1を原料タンク34に補給する動作は、一般に大気圧雰囲気で行われる。すなわち、原料排出部31は、原料タンク34が大気開放された状態で、プラズマ原料1を原料タンク34に排出する。
一方、原料タンク34内で加熱機構40(あるいは温調機構)により加熱されて液体状態となったプラズマ原料1を真空チャンバ3内の原料コンテナ21に供給する場合、原料タンク34内の雰囲気は、真空チャンバ3内の減圧雰囲気と同等である必要がある。
そのため、原料排出部31と原料タンク34の内部とをつなぐ原料補給管32には補給用バルブ33が設けられ、原料タンク34の内部と真空チャンバ3の内部とを連結する原料供給管35には供給用バルブ36が設けられている。このように、大気圧雰囲気と真空チャンバ3との間に設けられた2つのバルブ(補給用バルブ33及び供給用バルブ)により、原料供給装置30にはロードロック機構が構成される。
このような構成により、原料排出部31と、原料タンク34とを真空チャンバ3の外部に設置することが可能となる。また原料供給装置30自体にプラズマ原料1を充填する作業を、光源装置100を稼働したまま行うことが可能となる。
また、原料タンク34内は、排気管38を介して接続された真空排気装置45により排気される。これにより、補給用バルブ33が閉じた状態では、原料タンク34は減圧雰囲気となり、原料タンク34に保持される液体状のプラズマ原料1の酸化等による劣化を抑制することが可能となる。この結果、酸化したプラズマ原料1により原料供給管35が詰まるといった事態や、劣化したプラズマ原料1を原料コンテナ21に供給するといった事態を回避することが可能となる。
また、原料タンク34と真空チャンバ3とを接続する原料供給管35に気体が通るような流路が形成された場合でも、原料タンク34内を減圧雰囲気にしておくことで、真空チャンバ3内の減圧雰囲気が劣化するといった事態を回避することが可能となる。
[原料供給装置の基本動作]
図3は、図2に示す原料供給装置の動作例を示すフローチャートである。図3に示す原料供給装置30の制御は、制御部7により実行される自動制御である。
原料供給装置30では、制御部7により定常動作が実行される(ステップ101)。ここで定常動作とは、原料タンク34へプラズマ原料1を補給する原料補給動作、及び、原料タンク34から原料コンテナ21にプラズマ原料1を供給する原料供給動作を行っていない場合に行われる動作である。
定常動作中は、補給用バルブ33及び供給用バルブ36はともに閉状態であり、真空排気装置45により原料タンク34が排気され、加熱機構40により液体状のプラズマ原料1を一定の温度に維持する動作が行われる。
次に、原料タンク34にプラズマ原料1を補給するか否かが判定される(ステップ102)。この判定は、原料タンク34内のプラズマ原料1の量が予め定めておいた所定量まで減少したか否かを判定する処理である。
原料タンク34が収容するプラズマ原料1の量は、例えば原料タンク34内の液体状のプラズマ原料1の液面レベルを検出することにより決定される。具体的には、制御部7は、原料タンク34が収容する液体状のプラズマ原料1の量を所定の検知機構(図示省略)により監視する。検知機構としては、熱電対や抵抗素子等を利用したレベルセンサが用いられる。またレーザ光を用いた測距センサ等が用いられてもよい。
原料タンク34内のプラズマ原料1が所定量まで減少していた場合、原料タンク34にプラズマ原料1を補給すると判定され(ステップ102のYes)、原料補給動作が開始される(ステップ103)。
原料補給動作が完了すると、原料供給装置30全体の動作を終了するか否かが判定される(ステップ104)。例えば、光源装置100が停止される場合や、原料供給装置30のメンテナンス等をする場合には、全体の動作を終了すると判定される(ステップ104のYes)。一方、全体の動作を終了しない場合には、ステップ101にもどり定常動作が開始される。
原料タンク34内のプラズマ原料1が所定量まで減少していない場合、原料タンク34にプラズマ原料1を補給しないと判定され(ステップ102のNo)、原料コンテナ21にプラズマ原料1を供給するか否かが判定される(ステップ105)。この判定は、原料タンク34から原料コンテナ21への原料供給動作を実行するか否かの判定処理である。
例えば原料コンテナ21上のプラズマ原料1の残量を検出し、検出結果が所定の閾値よりも低い場合に、原料供給動作を行うと判定される。例えば光源装置100は、製造装置や検査装置等の他の装置の一部として利用される。そこで装置が稼働していない期間、すなわち光源装置100を利用していない期間には、レーザ変位計等の手段で原料コンテナ21に貯留されたプラズマ原料1の液面が観測される。この観測結果に従って原料供給動作を行うか否かが判定される。なお、原料供給は液体状態で行われるので、固体状態で供給するよりも短い期間で完了する。
例えば原料コンテナ21の貯留部24が露出した領域を対象としてプラズマ原料1の液面を測定可能な液面センサが設けられる。そして液面センサにより、プラズマ原料1の液面の変動が観測され、液面の変化に応じて原料供給動作のタイミングが判定される。液面センサの構成は限定されず、例えばプラズマ原料の液面レベルを検出可能な任意のセンサが用いれられてよい。また例えば、放射線R等の出射強度をモニタリングし、出射強度が低下していると判定された場合に、原料供給動作が行われてもよい。あるいは放射線Rとは別にプラズマPの光強度を観測するセンサを設け、放射線Rへの変換効率を観測してもよい。
また、発光時間やパルス数に応じたプラズマ原料1の減少量が分かっていれば、その発光時間やパルス数に応じて原料供給動作を行ってもよい。また、単純に前回の原料供給動作を行ってから所定の時間が経過した場合に、次の原料供給動作を行ってもよい。この他、原料供給動作を行うか否かの判定方法は限定されない。
原料タンク34から原料コンテナ21にプラズマ原料1を供給すると判定された場合(ステップ105のYes)、原料供給動作が開始される(ステップ106)。原料供給動作が完了すると、原料補給動作の完了時と同様に、原料供給装置30全体の動作を終了するか否かが判定される(ステップ104)。
また原料タンク34から原料コンテナ21にプラズマ原料1を供給しないと判定された場合(ステップ105のNo)、ステップ101にもどり定常動作が開始される。
[原料補給動作]
図4は、原料供給装置による原料補給動作の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理は、図3のステップ103の内部処理である。
制御部7は、原料タンク34にプラズマ原料1を補給する場合、以下のように制御する。
まず、定常動作を行っていた状態から、原料タンク34の排気が停止される(ステップ201)。例えば排気管38が閉じられる。あるいは、運転中の真空排気装置45が停止される。これにより、原料タンク34の排気が停止される。
なお、ステップ201を実行する前に、原料タンク34を冷却するステップが設けられてもよい。この場合、例えばプラズマ原料1が固体状態になるまで冷却してもよいし、液体状態が維持される範囲で温度を下げてもよい。原料タンク34を冷却することで、原料タンク34内に貯留されたスズ等のプラズマ原料1の酸化を抑制することが可能となる。
ただし、原料補給側にロードロック機構を備えた構成(図7等参照)では、原料タンク34は減圧雰囲気に維持されるため、このような原料タンク34の冷却は不要となる。
次に、補給用バルブ33が開状態となるように補給用バルブ33が制御される(ステップ202)。この時、供給用バルブ36は、閉状態を維持する。補給用バルブ33が開くことで、原料タンク34の内部は大気開放され補給用のプラズマ原料1が補給可能となる。
次に、原料排出部31が制御され、所定量のプラズマ原料1が排出される(ステップ203)。原料排出部31から排出されたプラズマ原料1は、原料補給管32、補給用バルブ33を経由して、原料タンク34に補給される。
原料排出部31から原料タンク34に供給されるプラズマ原料1は、液体状態または固体状態のいずれかの状態であってよい。例えば、固体状のプラズマ原料1を補給する場合、原料排出部31や補給用バルブ33を比較的簡単な構造にすることが可能になる。
ここでは、固体状のプラズマ原料1を補給するものとする。
次に、補給用バルブ33が閉状態となるように補給用バルブ33が制御される(ステップ204)。ステップ202を実行すると、補給用バルブ33及び供給用バルブ36がともに閉状態となり、原料タンク34の内部は、大気圧雰囲気や真空チャンバ3の減圧雰囲気とは独立した空間となる。
次に、原料タンク34の排気が開始される(ステップ205)。例えば閉じていた排気管38が開かれる、あるいは、真空排気装置45の動作が開始される。これにより、原料タンク34の排気が開始される。
次に、加熱機構40により原料タンク34を加熱して、原料タンク34内に収容されているプラズマ原料1を加熱する(ステップ206)。例えば原料タンク34に補給された固体状のプラズマ原料1が液化するように、加熱機構40により原料タンク34の内部が加熱される。例えば、加熱機構40の出力が定常動作時に一定の温度を保つための出力よりも大きくなるように、制御部7により加熱機構40が制御される。
なお、加熱機構40による加熱動作は、原料タンク34内の圧力が所定の値よりも低くなった場合に開始されてもよい。
次に、液体化が完了したか否かが判定される(ステップ207)。制御部7は、所定の検知機構(図示省略)により原料タンク34内のプラズマ原料1の状態を監視し、プラズマ原料1が全て液体状態となったことを検知する。
例えば検知機構としては、図3のステップ102を参照して説明したプラズマ原料1の液面レベルを検知するセンサが用いられる。この場合、固体状態のプラズマ原料1を所定量だけ補給して、それらのプラズマ原料1が全て液体状態になった場合の原料タンク34内の液面レベルが予め記憶される。検知機構により検知した液面レベルが、記憶している液面レベルに到達した場合に、原料タンク34内のプラズマ原料1が全て液体状態になったと判定される。
また例えば、検知機構としてプラズマ原料1の温度を測定する温度センサが用いられてもよい。この場合、原料タンク34内のプラズマ原料1の温度が所定の閾値を超えた場合、あるいは温度変化がなくなった場合等に、原料タンク34内のプラズマ原料1が全て液体状態になったと判定される。
液体化が完了していないと判定された場合(ステップ207のNo)、ステップ207の判定処理が繰り返し実行される。
液体化が完了したと判定された場合(ステップ207のYes)、原料タンク34の温度を一定に維持するように加熱機構40が制御される(ステップ208)。これにより、原料タンク34には、必要量に達するまで補給された液体状のプラズマ原料1が一定の温度で保持される。
[原料供給動作]
図5は、原料供給装置による原料供給動作の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、図3のステップ106の内部処理である。
制御部7は、原料タンク34から原料コンテナ21にプラズマ原料1を供給する場合、以下のように制御する。
まず、原料タンク34の圧力がプラズマ原料1を供給可能な圧力であるか否かが判定される(ステップ301)。制御部7は、原料タンク34と連結されている圧力計37から送出される圧力情報を受信し、原料タンク34内の圧力が真空チャンバ3内の圧力とほぼ同等であるか否かを判定する。なお、制御部7は、例えば図示を省略した真空チャンバ3内の圧力を計測する圧力計により真空チャンバ3内の圧力を読み込んでいる。
例えば、原料タンク34内の圧力が真空チャンバ3内の圧力を中心とする所定の圧力範囲に収まっている場合、プラズマ原料1が供給可能であると判定される。
また例えば、原料タンク34内の圧力と真空チャンバ3内の圧力との差が所定の閾値以下である場合に、プラズマ原料1が供給可能であると判定されてもよい。
原料タンク34内の圧力が供給可能な圧力でないと判定された場合(ステップ301のNo)、ステップ301の判定処理が繰り返し実行される。この間、原料タンク34の排気動作が継続される。
原料タンク34内の圧力が供給可能な圧力であると判定された場合(ステップ301のYes)、供給用バルブ36が開状態となるように供給用バルブ36が制御される(ステップ302)。この時、補給用バルブ33は、閉状態を維持し、排気管38を通した原料タンク34の排気は継続される。
供給用バルブ36が開かれると、原料タンク34が収容する液体状のプラズマ原料1が原料供給管35及び供給用バルブ36を通り、真空チャンバ3内に導入される。そして、原料供給管35の流出口35bから流れ出た液体状のプラズマ原料1が原料コンテナ21の貯留部24に供給される。
次に、原料タンク34から原料コンテナ21への液体状のプラズマ原料1の供給が完了したか否かが判定される(ステップ303)。
例えば、原料タンク34の液面レベルが一定量低下した場合に、供給が完了したと判定される。また例えば、供給用バルブ36を一定時間開いていた場合に、供給が完了したと判定されてもよい。この他、供給完了を判定する方法は限定されない。
プラズマ原料1の供給が完了していないと判定された場合(ステップ303のNo)、ステップ303の判定処理が繰り返し実行される。この間、原料タンク34から原料コンテナ21へは液体状のプラズマ原料1が供給される。
プラズマ原料1の供給が完了したと判定された場合(ステップ303のYes)、供給用バルブ36が閉状態となるように供給用バルブ36が制御される(ステップ304)。供給用バルブ36が閉じられるため、液体状のプラズマ原料1の供給が停止する。
その後、図2のステップ101に移行し、次の原料補給動作や原料供給動作が行われるまで、定常動作が維持される。
以上、本実施形態に係る原料供給装置30では、原料タンク34内に液体状態で保持されたプラズマ原料1が、原料供給管35を通して液体状態のまま真空チャンバ3内の原料コンテナ21に供給される。また原料供給管35を通した液体状のプラズマ原料1の供給は、原料供給管35及び供給用バルブ36(供給制御部)により制御される。これにより、原料を循環させることなく、原料コンテナ21に対して、液体状のプラズマ原料1を必要に応じて供給することが可能となる。この結果、プラズマ原料の貯留量を少なくし、消費エネルギーを抑えるとともに、プラズマ原料を安定して供給することが可能となる。
真空中に配置された原料コンテナ21に対して、液体状のプラズマ原料1を供給する方法として、液体状のプラズマ原料1を循環させる循環機構を用いる方法が考えられる。この方法では、プラズマ原料1を原料コンテナ21に対して流入・流出させるための配管や、循環路内に十分なプラズマ原料1を供給するための他の容器等が必要である。このため、液体状のプラズマ原料が大量に必要となる。また、大量のプラズマ原料を液体状態で維持するために消費エネルギーが増大することが考えられる。
このような循環機構を用いない方法としては、例えば原料コンテナ21に対して固体状のプラズマ原料1を供給する方法が考えられるが、原料コンテナ21の中で固体状のプラズマ原料1を液体化する必要があり、原料コンテナ21にもとから貯留されていたプラズマ原料1の温度が変化してしまう可能性がある。この結果、原料コンテナ21内のプラズマ原料1の粘性等が変化し、回転体20の表面20aにおけるプラズマ原料1の膜厚等が変化することが考えられる。この場合、発光動作が不安定となる可能性がある。このため、固体状のプラズマ原料1を供給する際には、例えば発光動作を停止する必要が出てくる。
本発明に係る原料供給装置30は、原料タンク34内に液体状のプラズマ原料1を保持するように構成されている。また、液体状のプラズマ原料1の流れを制御可能な機構(供給用バルブ等)が設けられる。これにより、原料コンテナ21が貯留するプラズマ原料1が減少してプラズマ原料1を新たに供給する際、液体状態のプラズマ原料1を適正に供給することが可能となる。
原料供給装置30では、基本的に原料タンク34内のプラズマ原料1を液体状態で保持すればよい。一方で原料タンク34に補給する分のプラズマ原料1は例えば固体状態であってもよい。また、原料コンテナ21へのプラズマ原料1の供給量は、原料コンテナ21の全体の容量よりも十分にちいさい。このため、原料タンク34の貯留量は、例えば原料コンテナ21よりも十分に小さくてもよい。また、大量のプラズマ原料を液体状態で維持する必要がなくなり、消費エネルギーを十分に抑制することが可能となる。
また液体状のプラズマ原料1が原料コンテナ21に直接供給されるため、原料コンテナ21内のプラズマ原料1の温度変化が抑制され、原料コンテナ21が貯留するプラズマ原料1の温度や粘性等の状態を維持することが可能である。この結果、回転体20の表面20aに設定されたエネルギービームEBの照射位置Iには、光源装置100の稼働を中断することなく、液体状態のプラズマ原料1を安定して供給することが可能となる。これにより、放射線Rを長時間にわたって安定して出力可能な光源装置等を実現することが可能となる。
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態の光源装置について説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明した光源装置100における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
図6は、第2の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。原料供給装置230には、図2を参照して説明した原料供給装置30の供給用バルブ36に代えて、温調機構50が設けられる。その他の構成は、図2に示す原料供給装置30と同様である。
温調機構50は、原料供給管35に設けられ、プラズマ原料1が固体状態及び液体状態のいずれの状態にも変化可能なように原料供給管35の少なくとも一部の温度を調整する機構である。温調機構50を用いて、原料供給管35内のプラズマ原料1を冷却して固体状態に変化させることで、原料供給管35の流路を閉じることが可能となる。逆に、温調機構50を用いて、原料供給管35内のプラズマ原料1を加熱して液体状態に変化させることで、原料供給管35の流路を開くことが可能となる。
このように、温調機構50は、プラズマ原料1に対する流体制御機能を発揮する。
温調機構50としては、例えば加熱機構と冷却機構とを組み合わせ、温度の上昇及び下降が制御可能な機構が用いられる。加熱機構としては、例えば電熱線等を用いたヒータが用いられる。また冷却機構としては、例えば空冷や水冷等を利用した放熱機構や、ペルチェ素子等を利用した機構が用いられる。なお、加熱機構だけで温調機構50が構成されてもよい。この場合、自然冷却の効果を利用して、温調が実現される。
本実施形態では、温調機構50は、第1の温調機構に相当する。また、温調機構50は、供給管に設けられ液体状のプラズマ原料の流れを開閉する第1のバルブ機構として機能する。
なお、温調機構50による冷却動作の際、温調機構50を設ける位置によっては、原料タンク34に収容されている液体状のプラズマ原料1に影響を及ぼすことが考えられる。例えば、原料タンク34内のプラズマ原料1の一部が固化するといったことが考えられる。このような事態を回避するため、温調機構50は、できるだけ原料タンク34から離れた位置に配置されることが好ましい。
また、原料供給管35には、流路が狭くなる狭窄部が設けられてもよい。狭窄部としては、例えば流路(原料供給管の内径)を部分的に狭くしたオリフィス等のしぼり機構が用いられる。狭窄部が設けられる場合、温調機構50は、狭窄部に設けられる。
これにより、温調機構50の冷却・加熱動作によって原料供給管35の内部で速やかにプラズマ原料1が固化することや液化することが可能となる。これにより、原料タンク34に収容されている液体状のプラズマ原料1への影響を小さくすることが可能となる。まら、流路の開閉をすみやかに行うことが可能となり、プラズマ原料1の供給量を精度よく制御することが可能となる。
[温調機構50の動作]
原料タンク34に収容され液体状態に維持されているプラズマ原料1は、原料供給管35を介して原料コンテナ21の貯留部24に供給される。
この際、原料供給管35の一部に設定された温調領域が温調機構50により冷却される。この場合、温調機構50により冷却された温調領域を通過しようとする液体状のプラズマ原料1は温調領域にて固化し、原料供給管35の内部を閉塞する。すなわち、温調領域で固化したプラズマ原料1により、原料供給管35の流路が閉じられる。
一方、温調領域が温調機構50により加熱されると、原料供給管35の内部を閉塞している固体状のプラズマ原料1は、再び液体状のプラズマ原料1へと変化する。これにより、原料供給管35の流路が開かれ、原料供給管35の先端(流出口35b)から原料コンテナ21の貯留部24へと液体状のプラズマ原料1が供給される。
このように、原料供給管35の途中に温調機構50を設け、原料供給管35の一部を冷却したり加熱したりすることにより、原料供給管35に対してバルブのような流体制御機能を付与することが可能となる。このように構成することにより、図1に示す供給用バルブ36のようなメカニカルなバルブ機構を省略することが可能となる。
また温調機構50による流体制御は、メカニカルなバルブと異なり故障等が少ない。これにより、装置の修理やメンテナンス等が容易になる。
なお、原料供給管35内で固化したプラズマ原料1(例えば、Sn等)が、温調機構50による加熱動作の際、完全に液化する前に原料供給管35内を移動して、場合によっては原料供給管35内で詰まることが考えられる。この場合、詰まりを解消するために温調機構50の加熱動作を継続する方法が考えられるが、詰まった箇所が温調機構50からある程度離れていると、プラズマ原料1の詰まりは必ずしも解消されるわけではない。
このような不具合に対処するため、原料供給管35には、図示しない振動機構が設けられてもよい。この振動機構を利用して原料供給管35に振動を与えることにより、原料供給管35内で詰まった固体状のプラズマ原料1を除去することが可能となる。
あるいは、原料供給管35は、図示しないガス供給管を介してガス供給装置と接続されていてもよい。例えば、上記したような不具合が発生した時に、原料供給管35内にガスを供給することで、原料供給管35内で詰まった固体状のプラズマ原料1を除去することが可能となる。
また、敢えて原料タンク34の圧力を真空チャンバ3の圧力よりもわずかに高くしてもよい。圧力にわずかに差がある場合、流体は高圧側から低圧側に移動するため、原料タンク34側から真空チャンバ3側にプラズマ原料1を流れやすくすることが可能となる。これにより、プラズマ原料1の詰まりを抑制することが可能となる。
<第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。原料供給装置330には、図6を参照して説明した温調機構50を備える原料供給装置230において、原料タンク34に原料を補給する側に、ロードロック機構55が設けられる。
ロードロック機構55は、第1の補給用バルブ33aと、第2の補給用バルブ33bと、補給用排気管56とを有する。本実施形態では、第1の補給用バルブ33a、第2の補給用バルブ33b、及び補給用排気管56により、第2のバルブ機構が構成される。
第1の補給用バルブ33a及び第2の補給用バルブ33bは、原料補給管32に設けられたメカニカルバルブである。第1の補給用バルブ33aは、原料排出部31側に配置され、第2の補給用バルブ33bは、原料タンク34側に配置される。
補給用排気管56は、第1の補給用バルブ33a及び第2の補給用バルブ33bの間の原料補給管32(ロードロック部57)を、第1の真空排気装置45aに連結する。これにより、ロードロック部の排気が可能となる。
図7に示す構成は、例えば図6に示す原料供給装置230に、第1の補給用バルブ33aと、補給用排気管56とを設けた構成であると言える。なお図7において、第2の補給用バルブ33bは、図6に示す補給用バルブ33に対応する。また、図7において、原料タンク34を配置する第2の真空排気装置45bは、図6に示す真空排気装置45に対応する。
図8は、図7に示す原料供給装置の原料補給動作の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、ロードロック機構55を備える原料供給装置330において行われる原料補給動作の動作例であり、例えば図4を参照して説明した原料補給動作に代えて実行される。
なお、ロードロック機構55が設けられている場合、定常動作中は、第1の補給用バルブ33a、第2の補給用バルブ33b、及び供給用バルブ36はいずれも閉状態であり、第1の真空排気装置45aによりロードロック部57が排気され、第2の真空排気装置45bにより原料タンク34が排気され、加熱機構40により液体状のプラズマ原料1を一定の温度に維持する動作が行われる。
まず、定常動作を行っていた状態から、ロードロック部57の排気が停止される(ステップ401)。例えば補給用排気管56が閉じられる。あるいは、運転中の第1の真空排気装置45aが停止される。これにより、ロードロック部57の排気が停止される。
次に、第1の補給用バルブ33aが開状態となるように第1の補給用バルブ33aが制御される(ステップ402)。この時、第2の補給用バルブ33bや供給用バルブ36は、閉状態を維持する。第1の補給用バルブ33aが開くことで、ロードロック部57の内部は大気開放される。
次に、原料排出部31が制御され、所定量のプラズマ原料1が排出される(ステップ403)。原料排出部31から排出されたプラズマ原料1は、原料補給管32、第1の補給用バルブ33aを経由して、一度ロードロック部57に収容される。
次に、第1の補給用バルブ33aが閉状態となるように第1の補給用バルブ33aが制御される(ステップ404)。この時、第2の補給用バルブ33bは閉じられたままであり、ロードロック部57は独立した空間となる。
次に、ロードロック部57の排気が開始される(ステップ405)。例えば閉じていた補給用排気管56が開かれる、あるいは、第1の真空排気装置45aの動作が開始される。これにより、ロードロック部57の排気が開始される。
次に、ロードロック部57内の圧力が閾値以下になったか否かが判定される(ステップ406)。例えばロードロック部57には、図示しない圧力計が設けられ、その測定値が、所定の閾値以下になったか否かが判定される。ここで、所定の閾値は、例えば、排気中の原料タンク34内の圧力に応じて設定されてもよい。例えば、ロードロック部57内の圧力と同程度の閾値が設定される。
ロードロック部57内の圧力が閾値より大きいと判定された場合(ステップ406のNo)、ステップ406の判定処理が繰り返し実行される。この間、ロードロック部57の排気動作が継続される。
ロードロック部57内の圧力が閾値以下であると判定された場合(ステップ406のYes)、第2の補給用バルブ33bが開状態となるように第2の補給用バルブ33bが制御される(ステップ407)。この時、第1の補給用バルブ33aは、閉状態を維持している。
第2の補給用バルブ33bが開くことで、ロードロック部57に収容されていた固体状のプラズマ原料1は、原料タンク34に供給される。
ステップ401~ステップ407までの過程で、原料タンク34の排気は継続して実行されており、原料タンク34内では減圧雰囲気が維持される。このように、ロードロック機構55を用いることで、原料タンク34内を大気開放せずに、プラズマ原料1を補給することが可能となる。
ロードロック部57内のプラズマ原料1がなくなると、第2の補給用バルブ33bが閉状態となるように第2の補給用バルブ33bが制御される(ステップ408)。これにより、ロードロック部57及び原料タンク34はそれぞれ独立した空間となる。
第2の補給用バルブ33bが閉じられた後は、原料タンク34内のプラズマ原料1が加熱され(ステップ409)、プラズマ原料1の液体化が完了したかが判定され(ステップ410)、液体化が完了した場合にはプラズマ原料1の温度を一定に維持する制御が実行される(ステップ411)。これらステップ409、410、411の処理は、例えば図4に示すステップ206、207、208と同様の処理である。
[原料供給管を介したリーク]
原料タンク34と真空チャンバ3とをつなぐ原料供給管35に温調機構50を設けた構成では、温調機構50により原料供給管35の一部を冷却したり加熱したりすることで、原料供給管35上の温調領域において、プラズマ原料1が固化したり液化したりする。
ここで、原料供給管35を通るプラズマ原料1は、例えばスズ等の溶融金属であるので、冷却されて固化する際、その体積が減少する。このため、原料供給管35内でプラズマ原料1が固化した場合、プラズマ原料1の体積減少によって、原料供給管35の内壁と固化したプラズマ原料1との間にすき間が生じる場合がある。
このため、温調機構50により原料供給管35内でプラズマ原料1を固化して、原料供給管35の状態を流路が閉じられた閉状態にしようとしても、原料供給管35の内径によっては、必ずしも真空チャンバ3内の減圧雰囲気を保持できるとは限らない。
仮に、ロードロック機構55を設けずに、原料タンク34を大気開放してプラズマ原料1を補給する場合について考える。この場合、原料排出部31から原料タンク34にプラズマ原料1を補給する際には、原料補給管32に設けられるバルブを開状態にして、原料タンク34を大気開放する。この時、原料タンク34と真空チャンバ3との間(原料供給管35)では、温調機構50により冷却された固体状のプラズマ原料1が栓として機能し、原料供給管35は閉塞される。この結果、原料排出部31から原料タンク34までの内部雰囲気が大気圧となる一方で、真空チャンバ3の内部では減圧雰囲気が維持される。
ここで、原料供給管35の内壁と固化したプラズマ原料1との間にすき間があると、固体状のプラズマ原料1による閉塞状態が不十分となる。この場合、上記したすき間を通して、大気圧雰囲気の原料タンク34から真空チャンバ3内に空気が混入し、真空チャンバ3内の減圧雰囲気が悪化する可能性がある。
また、原料タンク34が大気解放された場合、真空チャンバ3との差圧が大きすぎるため、原料タンク34や原料供給管35の内部に残留したプラズマ原料1が大気圧に押されて真空チャンバ3の内部に流出する可能性がある。この場合、意図しないタイミングでプラズマ原料1を供給してしまう可能性や、真空チャンバ3の内部がプラズマ原料1で汚染される可能性がある。従って、原料タンク34は常に減圧雰囲気であることが好ましい。
そこで、本実施形態では、原料タンク34にプラズマ原料1を補給する補給路(大気側)に、ロードロック機構55が設けられる。これにより、原料タンク34を大気開放することなく、原料タンク34にプラズマ原料1を導入することが可能である。すなわち、原料タンク34を常時減圧雰囲気にしておくことが可能となる。
このため、温調機構50の冷却により固化したプラズマ原料1と、原料供給管35の内壁との間にすき間が発生したとしても、原料タンク34は常に減圧雰囲気であり、すき間を通して空気等が真空チャンバ3に流れ込むことはない。これにより、真空チャンバ3内の減圧雰囲気を確実に維持することが可能となり、光源装置100の安定動作を実現することが可能となる。
<第4の実施形態>
図9は、第4の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。図10は、図9に示す原料供給装置の動作例を示す模式図である。
図9に示すように、原料供給装置430には、図6を参照して説明した原料供給装置230において、ストレート形状(直管形状)の原料供給管35に代えて、U字型に屈曲した原料供給管435が用いられる。また原料供給管435には、温調機構450が設けられる。
原料供給管435は、各々が屈曲した配管である第1の屈曲部61と、第2の屈曲部62とを有する。第1の屈曲部61は、原料タンク34側に接続され液体状のプラズマ原料1の流路を下向きから上向きに曲げる。第2の屈曲部62は、真空チャンバ3側に接続されプラズマ原料の流路を上向きから下向きに曲げる。従って、原料タンク34から下側(重力方向側)に伸びる原料供給管435が第1の屈曲部61において折り返して上側を向き、それに続く第2の屈曲部62において再度下側に伸びて、真空チャンバ3を貫通している。
また第2の屈曲部62に形成される流路の下面62bは、第1の屈曲部61に形成される流路の上面61tよりも高い位置に配置される。
図9には、第2の屈曲部62における流路の下面62bと、第1の屈曲部61における流路の上面61tが黒丸によりそれぞれ模式的に図示されている。ここでは、第1の屈曲部61及び第2の屈曲部62がそれぞれU字管として構成される。従って原料供給管435は、図9に示すように、2つのU字管を連結した形状となっている。なおU字形状に代えて、V字型の配管や、直角に曲がる配管等が用いられてもよい。
温調機構450は、第1の屈曲部61に設けられ、プラズマ原料1が固体状態及び液体状態のいずれの状態にも変化可能なように第1の屈曲部61の温度を調整する。
温調機構450は、例えば図6に示す温調機構50と同様に構成され、例えば加熱機構と冷却機構とを組み合わせ、温度の上昇及び下降が制御可能なように構成される。なお、自然冷却の効果を利用してプラズマ原料1を固体状態にすることが可能な場合には、加熱機構だけで温調機構50が構成されてもよい。本実施形態では、温調機構450は、第2の温調機構に相当する。
温調機構450は、プラズマ原料1を通過させる場合には、第1の屈曲部61を加熱し、プラズマ原料1を液体状態にする。逆に、プラズマ原料1を通過させない場合には、第1の屈曲部61を冷却し、プラズマ原料1を固体状態にする。
例えば、プラズマ原料1を固体状態とすることで、第1の屈曲部61に栓が構成される。これにより、原料タンク34を大気開放した場合でも、プラズマ原料1が大気圧に押されて真空チャンバ3側に押し出されるといった事態を回避することが可能となる。
図9には、原料供給装置430により、原料タンク34から真空チャンバ3(原料コンテナ21)に液体状のプラズマ原料1が供給されている状態が図示されている。また図10には、液体状のプラズマ原料1の供給が停止している状態が図示されている。
図9に示すように、例えば原料タンク34側から第1の屈曲部61に侵入した流体は、第1の屈曲部61に貯留する。第1の屈曲部61に貯留した流体の液面が第2の屈曲部62の流路の下面62bを超えると、流体は第2の屈曲部62を通過して真空チャンバ3側に流出する。
上記したように、原料供給管435は、第1の屈曲部61の流路の上面61tが、第2の屈曲部62の流路の下面62bよりも低くなるように構成される。これにより、流体が第2の屈曲部62を通過する際には、第1の屈曲部61の流路が完全に流体で満たされる。これにより、空気等の気体が通過する経路がなくなるため、真空チャンバ3側の減圧雰囲気を維持することが可能となる。
また、原料供給管435内に収容される液体状のプラズマ原料1の液面レベルがいかなるレベルであろうとも、原料供給管435の第1の屈曲部61には、その流路を塞ぐようにプラズマ原料1が残留する。例えば図10では、原料タンク34内に収容されていた液体状のプラズマ原料1が全て原料コンテナ21に供給されているが、このような状態でも第1の屈曲部61にはプラズマ原料1が残留する。
液体状のプラズマ原料1はスズ等の金属材料であるので、原料供給管435内に残留した液体状のプラズマ原料1が閉状態の栓として機能し、真空チャンバ3の減圧雰囲気を保持することが可能となる。
このように、原料供給装置430では、ストレート形状の原料供給管を用いる場合と異なり、原料供給管435内のプラズマ原料1を固体状態に変化させなくても、プラズマ原料1が第2の屈曲部62を通過しなくなれば、原料供給管435は自動的に閉状態になる。このため、原料供給管435には、必ずしも冷却機構等を設ける必要はない。
また、原料供給装置430では、液体状のプラズマ原料1の液面レベルが第2の屈曲部62の流路の下面62bの高さを超えると、原料コンテナ21に液体状のプラズマ原料1が供給される。ここで、図10に示すように、液面レベルが第2の屈曲部62の流路の下面62bの高さと同程度となる状態を初期状態とする。例えば、初期状態で原料タンク34にプラズマ原料1を補給する場合、原料コンテナ21へのプラズマ原料1の供給量は、原料タンク34への補給量と同じになる。これにより、液面レベル等を検出しなくても、原料コンテナ21へのプラズマ原料1の供給量を制御することが可能となり、装置構成を簡略化することが可能となる。
なお、温調機構450は、第1の屈曲部61の底部に設けられる。これにより、第1の屈曲部61の底部に残留した液体状のプラズマ原料1が固化した場合には、温調機構450による温調制御(加熱)によりプラズマ原料1を再度液化することが可能である。これにより、閉状態となった原料供給管435を再度開状態にすることが可能となる。
また原料供給管435は、上記した構造により、単独で液体状のプラズマ原料1の流れを制御することが可能である。例えば、原料タンク34の加熱機構40からの熱量により、第1の屈曲部61に残留するプラズマ原料を液化できるような場合には、温調機構450等を必ずしも設ける必要は無い。
本実施形態では、原料供給管435が単独で、又は原料供給管435と温調機構450との組み合わせにより、供給管を通した液体状のプラズマ原料の供給を制御する供給制御部が実現される。このように、2つの屈曲部を連結した原料供給管435を用いることで、真空チャンバ3内の減圧雰囲気を容易に維持することが可能となる。
<第5の実施形態>
図11は、第5の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。原料供給装置530には、図7に示す原料供給装置330において、原料タンク34の底面に流入口35aが設けられていた原料供給管35に代えて、異なる配置で原料供給管535が設けられる。また原料供給管535には、温調機構550が設けられる。
原料供給管535は、流入口35aが原料タンク34の内側の底面よりも高い位置となるように配置される。図11に示す例では、原料供給管535はストレート形状の配管である。原料供給管535は、その流入口35aが原料タンク34の底面から上方に突出するように、底面を貫通して配置される。原料タンク34の底面よりも流入口35aが高い位置にあることで、原料タンク34内の流入口35aよりも低い領域には、液体状のプラズマ原料1が常時貯留される。
また原料タンク34は、原料補給管32を介してプラズマ原料1が補給される補給口42を有する。原料供給管535の流入口35aは、補給口42とは鉛直方向において重ならない位置に配置される。これにより、原料補給管32から出てくる補給用のプラズマ原料1が、原料供給管535に直接侵入するといった事態が回避される。
原料供給装置530では、液体状のプラズマ原料1の液面レベルが流入口35aの高さを超えた場合に、液体状のプラズマ原料1が原料供給管535に流れ込む。原料供給管535に流れ込んだ液体状のプラズマ原料1は、原料供給管535の内部を通過して、流出口35bから真空チャンバ3内の原料コンテナ21の貯留部24に供給される。
一方で、液体状のプラズマ原料1の液面レベルが流入口35aの高さと同じになると、液体状のプラズマ原料1は原料供給管535に流れ込まなくなり、原料コンテナ21への原料供給が停止される。
なお、温調機構550を動作させて原料供給管535を部分的に冷却することにより、液体状のプラズマ原料1の液面レベルが流入口35aの高さを超えている状態でも、原料コンテナ21への原料供給を停止することが可能である。
例えば原料供給装置530では、液体状のプラズマ原料1の液面レベルが流入口35aの高さと同じ状態で、原料タンク34に新たなプラズマ原料1が補給される。この場合、補給されたプラズマ原料1の体積分だけ液面レベルが上昇する。この時、上昇した分のプラズマ原料1が原料供給管535に流れ込み、原料コンテナ21に供給される。
すなわち、原料供給装置530では、原料タンク34へのプラズマ原料1の補給量が、そのまま原料コンテナ21へのプラズマ原料1の供給量となる。これは供給量が液面で制限されるという意味で、図9及び図10を参照して説明した原料供給装置430と同様の構成であると言える。このような構成により、液面レベル等を検出しなくても、原料コンテナ21へのプラズマ原料1の供給量を制御することが可能となり、装置構成を簡略化することが可能となる。
なお、原料供給装置530では、例えば原料供給管535内のプラズマ原料1が流路を閉じる栓として機能しない場合(原料供給管535内にプラズマ原料1が残留していない場合等)には、原料供給管535に気体が通るような経路が形成されることが考えられる。
これに対し、原料供給装置530は、原料タンク34にプラズマ原料1を補給するためのロードロック機構55を備えるため、原料タンク34は大気開放されない。また原料タンク34は、第2の真空排気装置45bにより排気され減圧雰囲気に維持される。従って、上記したように原料供給管535内に気体が通る経路が形成される場合でも、原料タンク34内の圧力を真空チャンバ3内の圧力と同程度に下げておくことで、真空チャンバ3の減圧雰囲気が悪化することを十分に回避することが可能である。
図11では、ストレート形状の原料供給管535について説明したが、これに限定されず、例えばL字形状の原料供給管535等を用いることも可能である。この場合、原料供給管535は、原料タンク34の内側の側面に流入口35aが設けられ、流出口35bが下方を向くように配置される。なお流入口35aは、底面よりも高い位置に配置される。このような構成であっても、原料コンテナ21に対する液体状のプラズマ原料1の供給量を液面レベルで制限することが可能であり、装置構成の簡略化を図ることが可能である。
<第6の実施形態>
図12は、第6の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。原料供給装置630は、図2を参照して説明した原料供給装置30に設けられた原料供給管35よりも、流出口35bが原料コンテナ21に近づくように構成された原料供給管635を有する。また原料供給管635には、温調機構650が設けられる。その他の構成は、図2に示す原料供給装置30と同様である。
原料供給管635は、流出口35bが原料コンテナ21の貯留部24の開口端25よりも低い位置となるように配置される。図12に示す例では、貯留部24の開口端25は、貯留部24を形成する外壁部23の上側の端部である。ここでは、開口端25の高さ位置が一点鎖線により図示されている。原料供給管635の流出口35bは、開口端25の高さ(底部22の上面に対する外壁部23の高さ)よりも低い位置に配置される。すなわち、流出口35bは、外壁部23で囲まれた空間(貯留部24)に侵入するように配置される。
温調機構650は、原料供給管635の真空チャンバ3内に突出した部分に設けられ、プラズマ原料1が固体状態及び液体状態のどちらかの状態となるように原料供給管635の真空チャンバ3内に突出した部分の温度を調整する。
図12に示すように、温調機構650は、原料供給管635の真空チャンバ3内に突出した部分のほぼ全体を覆うように設けられる。本実施形態では、温調機構650は、第3の温調機構に相当する。
本発明者らは、液体状のプラズマ原料1を真空チャンバ3内に供給する際、真空チャンバ3の圧力等の条件によっては、液体状のプラズマ原料1が液滴として直線状に落下するのではなく、真空チャンバ3内部で飛散しながら落下することを見出した。この場合、真空チャンバ3内部の意図しない部分(例えば、真空チャンバ3の内壁等)にプラズマ原料1が到達し、そのまま付着してしまうことが考えられる。
このような不具合を抑制するためには、真空チャンバ3の外壁を貫通する原料供給管635が真空チャンバ3内に突出する部分の先端(すなわち、原料供給管635の排出口 )を、できるだけ原料供給領域(原料コンテナ21の底部22の上面)に近づけることが好ましい。例えば、原料供給管635の流出口35bは、原料コンテナ21の開口端25より低い位置(外壁部23の上面レベルより底部22の上面に接近した位置)に配置される。
これにより、流出口35bから排出される液体状のプラズマ原料1の少なくとも一部が飛散したとしても、プラズマ原料1が原料コンテナ21の液面に到達する割合が高くなり、真空チャンバ3の内部全体にプラズマ原料1が拡散することを抑制することが可能である。これにより、プラズマ原料1による装置の汚染が抑制される。
また本実施形態では、原料供給管635の長さ(真空チャンバ3の内部に突出する部分の長さ)が、上記した他の原料供給装置よりも長くなる。
そのため、原料タンク34に設けられた加熱機構40により液化された液体状のプラズマ原料1は、その少なくとも一部が原料供給管635を通過する際に途中で冷却されて原料供給管635内で固体化することもあり得る。
このような懸念がある場合は、図12に示すように、原料供給管635の真空チャンバ3の内部に突出する部分に温調機構650を設けてもよい。温調機構650を用いて原料供給管635の真空チャンバ3の内部に突出する部分を加熱することにより、原料供給管635内でプラズマ原料1が固体化することを回避することが可能となる。
なお図12に示す例では、メカニカルな供給用バルブ36により、原料供給管635の流路が開閉される。温調機構650は、流路の開閉に用いてもよいが、主にプラズマ原料1の固体化を回避するための加熱機構として用いられる。この場合、温調機構650には、冷却機能は無くてもよい。
図13は、図12に示す原料供給装置の変形例を示す模式図である。
図13に示す原料供給装置631では、原料供給管635に温調機構650が設けられる。この温調機構650は、真空チャンバ3の外壁を貫通して設けられる。また、原料供給装置631では、温調機構650により、原料供給管635の流路の開閉が制御される。
このように温調機構650は、原料供給管635の真空チャンバ3の内部に突出する部分のみならず、真空チャンバ3の外側に配置される部分まで、原料供給管635の全体を覆うように設けられる。なお、真空チャンバ3を貫通する原料供給管635、および温調機構650は、その貫通部分が真空チャンバ3内の減圧雰囲気を破壊しないように適宜シールされる。
これにより、温調機構650を用いて原料供給管635のほぼ全体の温度を調整することが可能となる。これにより、プラズマ原料1が詰まるといった事態を十分に回避することが可能となる。
また温調機構650には冷却機能が搭載される。これにより、原料供給管635内で、液体状のプラズマ原料1を固化することが可能となり、原料供給管635の流路の開閉が可能となる。このため、原料供給装置631には、図12に示す供給用バルブ36のようなメカニカルバルブを設ける必要は無い。これにより、メンテナンスを容易にするとともに、プラズマ原料1による装置内の汚染を抑制することが可能となる。
<第7の実施形態>
図14は、第7の実施形態に係る原料供給装置の構成例を示す模式図である。原料供給装置730には、図2を参照して説明した原料供給装置30において、新たに防御管70が設けられる。なお、防御管70を設ける本構成は、図6に示す原料供給装置230等の他の構成に適用することも可能である。
防御管70は、真空チャンバ3内に設けられた中空部材であり、原料供給管35の流出口35bを囲うように設けられ原料コンテナ21の貯留部24の開口端25よりも低い位置まで伸びるように構成される。また、防御管70の内径は、原料供給管35の内径よりも大きく設定される。
防御管70は、原料供給管35から流出し真空チャンバ3内で飛散するプラズマ原料1を抑える防御壁として機能する。
本実施形態では、防御管70は、真空チャンバ3の内壁から内側に伸長するように配置される。防御管70の長さは、原料供給管35の真空チャンバ3内に突出した部分の長さ(突出長)より長くなるように設定される。また防御管70の先端は、原料コンテナ21の開口端25より低い位置(外壁部23の上面レベルより底部22の上面に接近した位置)に配置される。
原料供給装置730では、原料供給管35の流出口35bから排出されるプラズマ原料1のうち、飛散したものについては、防御管70により真空チャンバ3内への拡散が抑制される。そして、プラズマ原料1は、防御管70の先端から外部(真空チャンバ3内部)に放出される。
防御管70の先端の位置は、液体状のプラズマ原料1が供給される原料コンテナ21の底部22の上面に接近した位置に配置される。これにより、プラズマ原料1が原料コンテナ21の液面に到達する割合が大きくなり、真空チャンバ3内部全体にプラズマ原料1が拡散することを抑制することが可能となる。
また、防御管70は流出口35bが囲える程度に内径が大きい。このため、流出口35bから流れ出る液体状のプラズマ原料1は、防御管70にはほとんど付着せず、固化したプラズマ原料1により防御管70が詰まるといった事態は発生しにくい。従って、図12及び図13を参照して説明した構成と異なり、必ずしも温調機構を設ける必要はない。これにより、装置構成を簡略化するとともに、プラズマ原料1による装置内の汚染を抑制することが可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
上記の実施形態では、エネルギービームEBによりプラズマ原料1をプラズマ化する所謂LPP方式の光源装置100について説明した。これに限定されず、他の方式の光源装置に対して本発明を適用することが可能である。
図15は、他の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。図15に示す光源装置101は、エネルギービームEBにより気化されたプラズマ原料1を放電によりプラズマ化する所謂LDP方式の光源装置である。ここでは、図2に示す原料供給装置30が用いられているが、これに限定されず、例えば上記の実施形態で説明した他の原料供給装置が用いられてもよい。
図15に示すように、光源装置101は、1対の回転電極71a及び71bと、各回転電極71に対応して設けられた1対の原料コンテナ75a及び75bと、それらを収容する真空チャンバ3とを備える。
回転電極71a及び71bは、円盤形状の電極であり、それぞれが図示しないモータの軸に接続され回転可能に支持される。回転電極71a及び71bは、互いの外縁部が所定の間隔をあけて近接するように配置され、各電極間には高電圧が印加される。また、回転電極71aの外縁部のうち、回転電極71bと近接する部分には、エネルギービームEBが照射される。
本実施形態では、回転電極71a及び71bは、回転体に相当する。
原料コンテナ75a及び75bは、液体状のプラズマ原料1を貯留する貯留容器である。
原料コンテナ75aは、回転電極71aが浸漬するように設けられ、回転電極71aに液体状のプラズマ原料1を供給する。また原料コンテナ75bは、回転電極71bが浸漬するように設けられ、回転電極71bに液体状のプラズマ原料1を供給する。また原料コンテナ75a及び75bは、互いに絶縁される。
例えば回転電極71a(回転電極71b)が回転すると、原料コンテナ75a(原料コンテナ75b)に貯留する液体状のプラズマ原料1が回転電極71a(回転電極71b)の表面に付着する。これにより、回転電極71a(回転電極71b)のうち液体状のプラズマ原料1に浸漬する部分には、液体状のプラズマ原料1が膜状に分布することになる。
このような構成により、回転電極71a及び回転電極71bが近接する部分には、液体状のプラズマ原料1が供給される。この時、回転電極71aに照射されるエネルギービームEBによりプラズマ原料1が気化する。また回転電極71a及び回転電極71bの間には高電圧が印加されるため、各電極が近接する部分では、エネルギービームEBにより気化したプラズマ原料1が励起されてプラズマPが発生する。このプラズマPから放射線Rが取り出される。
図15に示すように、光源装置101には、原料コンテナ75a及び原料コンテナ75bに液体状のプラズマ原料1をそれぞれ供給する原料供給装置30a及び原料供給装置30bが設けられる。各原料供給装置30a(原料供給装置30b)は、原料コンテナ75a(原料コンテナ75b)に貯留された液体状のプラズマ原料1が露出した部分の上方から、供給用のプラズマ原料1を液体状態で供給する。
例えば原料コンテナ75a及び原料コンテナ75bに、固体状のプラズマ原料1を供給するような構成では、各コンテナ内のプラズマ原料1の温度が低下することが考えられる。この場合、プラズマPの発生領域に供給されるプラズマ原料1の温度、膜厚、粘性等が変化し、放射線Rの発光強度等が変化する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、原料供給装置30a及び30bにより、各原料コンテナ75a及び30bに対して、液体状のプラズマ原料1が直接供給される。このため、プラズマ原料1の温度変化が抑制され、安定した発光動作を実現することが可能となる。
上記の実施形態では、主に真空チャンバ3内に設けられた原料コンテナに液体状のプラズマ原料1を供給する構成について説明した。これに限定されず、本発明にかかわる原料供給装置は、真空チャンバ3内で液体状のプラズマ原料1を貯留する任意の容器に対して、真空チャンバ3の外側から液体状のプラズマ原料1を供給することが可能である。
図16は、他の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。図16に示す光源装置102には、真空チャンバ3内に設けられ、液体状のプラズマ原料1を貯留した状態で回転する回転ドラム80が設けられる。光源装置102は、回転ドラム80に貯留されたプラズマ原料1をエネルギービームEBによりプラズマ化するLPP方式の装置である。図16に示す回転ドラム80は、貯留容器に相当する。
回転ドラム80は、上方に開口し液体状のプラズマ原料1を貯留する貯留部84を有する。貯留部84には、原料供給装置30から、液体状のプラズマ原料1が供給される。
また回転ドラム80には、貯留部84に供給されるプラズマ原料1を液体状態で維持するために、図示しない加熱機構が設けられる。加熱機構としては、電熱線等を利用して回転ドラム80を直接加熱するヒータが用いられる。また、輻射等を利用して外側から回転ドラム80を加熱するヒータ等が用いられてもよい。
図16に示す例では、回転ドラム80は、円盤状の基体81と当該基体81の一方の面に基体81の周縁に沿って形成された円環状の外壁部82とを有する。回転ドラム80では、基体81と外壁部82により囲まれた領域が液体状のプラズマ原料1を貯留する貯留部84となる。また、回転軸Oに対向する外壁部82の内周面82aは、貯留部84を囲む側面を構成し、貯留部84の内側面となる。回転ドラム80は貯留部84が上方を向くように配置される。
回転ドラム80の貯留部84が形成される面とは反対側の面には、所定の回転軸Oを中心に回転する軸部材85が、回転ドラム80の中心軸と回転軸Oとが一致するように連結される。これにより、回転ドラム80は、回転軸Oの周りに回転可能に支持される。また軸部材85は、図示を省略したモータにより回転駆動される。
回転ドラム80の回転軸Oは、典型的には鉛直方向と略一致するように設定される。なお、回転軸Oは、プラズマPによる発光動作が可能な範囲で、鉛直方向に対して傾いた角度に設定されてもよい。
回転軸Oを中心に回転ドラム80を連続的に回転すると、貯留部84に供給された液体状のプラズマ原料1は、遠心力により外壁部82の内周面82a側に移動し、内周面82aに沿って分布する。また内周面82aに分布する液体状のプラズマ原料1の膜厚は、回転体の回転速度に応じて調整される。
このように、回転ドラム80は、貯留部84の内側面である内周面82aに液体状のプラズマ原料1を貯留する。また、液体状のプラズマ原料1を励起してプラズマPを生成するエネルギービームEBは、貯留部84の内側面(内周面82a)に照射される。これにより、エネルギービームEBの照射位置Iに対して、適切な膜厚で分布するプラズマ原料1を継続して供給することが可能となる。
図16に示すように、光源装置102には、回転ドラム80に液体状のプラズマ原料1を供給する原料供給装置30が設けられる。原料供給装置30は、回転ドラム80の貯留部84の上方から、供給用のプラズマ原料1を液体状態で供給する。なお図16では、図2に示す原料供給装置30が用いられているが、他の原料供給装置が用いられてもよい。
回転ドラム80の貯留部84に供給された液体状のプラズマ原料1は、遠心力により基体表面81aに沿って外壁部82側に移動し、最終的に外壁部82の内周面82aに沿って分布する。プラズマ原料1は供給された時点ですでに液体状態であるため、内周面82aに沿って分布するまでの流れがスムーズである。また固体状態のプラズマ原料1を供給する場合と比べ、液化を行う必要がなく、回転ドラム80上のプラズマ原料1の温度の変化も十分に小さくすることが可能である。これにより、放射線Rの発光動作を阻害することなく、安定してプラズマ原料1を供給することが可能となる。
上記の実施形態では、主に原料供給装置の原料タンク34が、真空チャンバ3の上方に配置され、重力を利用して液体状のプラズマ原料1を貯留容器(原料コンテナ21、75a、75b、回転ドラム80)に供給する構成について説明した。これに限定されず、原料タンク34は、真空チャンバ3の側方や下方に配置されてもよい。
この場合、例えば原料供給管を通して液体状のプラズマ原料1を輸送する輸送ポンプが用いられる。輸送ポンプとしては、例えば磁力により液体金属(プラズマ原料1)を輸送することが可能な電磁ポンプが用いられる。もちろん、他の種類のポンプが用いられてもよい。輸送ポンプを用いることで、例えば原料タンク34を自由に配置することが可能となり、設計の自由度が向上する。
なお、真空チャンバ3の側方であっても、貯留容器よりも高い位置に原料タンク34を配置することで、重力を利用して液体状のプラズマ原料1を供給することも可能である。
いずれの構成であっても、原料供給管の原料供給側の端部(流出口)は、貯留容器の底面よりも上方に配置される。これにより、原料供給管から流出する液体状のプラズマ原料1を貯留容器に供給可能となる。
また原料タンク34は、真空チャンバ3の内側に配置されてもよい。この場合、原料供給管ではなく、原料タンク34にプラズマ原料1を補給する原料補給管が真空チャンバ3を貫通するように設けられる。従って真空チャンバ3の内側に配置された原料タンク34には、原料補給管を介して真空チャンバ3の外側から固体状又は液体状のプラズマ原料1が補給される。
このような構成であっても、原料タンク34ではプラズマ原料1が液体状態で保持されるため、貯留容器に対して、液体状のプラズマ原料1を安定して供給可能である。また、原料タンク34が真空チャンバ3内に収容することで、例えばコンパクトな光源装置を実現することが可能となる。
本開示において、説明の理解を容易とするために、「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言が適宜使用されている。一方で、これら「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言を使用する場合と使用しない場合とで、明確な差異が規定されるわけではない。
すなわち、本開示において、「中心」「中央」「均一」「等しい」「同じ」「直交」「平行」「対称」「延在」「軸方向」「円柱形状」「円筒形状」「リング形状」「円環形状」等の、形状、サイズ、位置関係、状態等を規定する概念は、「実質的に中心」「実質的に中央」「実質的に均一」「実質的に等しい」「実質的に同じ」「実質的に直交」「実質的に平行」「実質的に対称」「実質的に延在」「実質的に軸方向」「実質的に円柱形状」「実質的に円筒形状」「実質的にリング形状」「実質的に円環形状」等を含む概念とする。
例えば「完全に中心」「完全に中央」「完全に均一」「完全に等しい」「完全に同じ」「完全に直交」「完全に平行」「完全に対称」「完全に延在」「完全に軸方向」「完全に円柱形状」「完全に円筒形状」「完全にリング形状」「完全に円環形状」等を基準とした所定の範囲(例えば±10%の範囲)に含まれる状態も含まれる。
従って、「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言が付加されていない場合でも、いわゆる「略」「ほぼ」「おおよそ」等を付加して表現され得る概念が含まれ得る。反対に、「略」「ほぼ」「おおよそ」等を付加して表現された状態について、完全な状態が必ず排除されるというわけではない。
本開示において、「Aより大きい」「Aより小さい」といった「より」を使った表現は、Aと同等である場合を含む概念と、Aと同等である場合を含なまい概念の両方を包括的に含む表現である。例えば「Aより大きい」は、Aと同等は含まない場合に限定されず、「A以上」も含む。また「Aより小さい」は、「A未満」に限定されず、「A以下」も含む。
本技術を実施する際には、上記で説明した効果が発揮されるように、「Aより大きい」及び「Aより小さい」に含まれる概念から、具体的な設定等を適宜採用すればよい。
以上説明した本技術に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
EB…エネルギービーム
P…プラズマ
R…放射線
I…照射位置
1…プラズマ原料
3…真空チャンバ
21、75a、75b…原料コンテナ
24、84…貯留部
30、30a、30b、230、330、430、530、630、631、730…原料供給装置
31…原料排出部
32…原料補給管
33…補給用バルブ
34…原料タンク
35、435、535、635…原料供給管
36…供給用バルブ
50、450、550、650…温調機構
55…ロードロック機構
61…第1の屈曲部
62…第2の屈曲部
70…防御管
80…回転ドラム
100、101、102…光源装置

Claims (21)

  1. エネルギービームの照射によりプラズマ化して放射線を発生するプラズマ原料を減圧チャンバ内に供給する原料供給装置であって、
    前記プラズマ原料を液体状態で保持する原料タンクと、
    前記原料タンクと前記減圧チャンバとを接続し前記原料タンク内に保持された液体状のプラズマ原料を前記減圧チャンバ内に設けられた貯留容器に供給する供給管を有し、前記供給管を通した前記液体状のプラズマ原料の供給を制御する供給制御部と
    を具備する原料供給装置。
  2. 請求項1に記載の原料供給装置であって、
    前記原料タンクは、前記減圧チャンバの外側に設けられ、
    前記供給管は、前記減圧チャンバの壁面を貫通して前記原料タンクと前記減圧チャンバとを接続する
    原料供給装置。
  3. 請求項1に記載の原料供給装置であって、
    前記原料タンクは、前記減圧チャンバの上方に配置され、
    前記供給管は、前記貯留容器の上方から前記液体状のプラズマ原料を供給する
    原料供給装置。
  4. 請求項1に記載の原料供給装置であって、
    前記供給制御部は、前記供給管に設けられ前記液体状のプラズマ原料の流れを開閉する第1のバルブ機構を有する
    原料供給装置。
  5. 請求項4に記載の原料供給装置であって、
    前記第1のバルブ機構は、前記プラズマ原料が固体状態及び液体状態のいずれの状態にも変化可能なように前記供給管の少なくとも一部の温度を調整する第1の温調機構である
    原料供給装置。
  6. 請求項5に記載の原料供給装置であって、
    前記供給管は、流路が狭くなる狭窄部を有し、
    前記第1の温調機構は、前記狭窄部に設けられる
    原料供給装置。
  7. 請求項1に記載の原料供給装置であって、
    前記供給管は、前記原料タンク側に接続され前記液体状のプラズマ原料の流路を下向きから上向きに曲げる第1の屈曲部と、前記減圧チャンバ側に接続され前記流路を上向きから下向きに曲げる第2の屈曲部とを有し、
    前記第2の屈曲部に形成される前記流路の下面は、前記第1の屈曲部に形成される前記流路の上面よりも高い位置に配置される
    原料供給装置。
  8. 請求項7に記載の原料供給装置であって、
    前記供給制御部は、前記プラズマ原料が固体状態及び液体状態のいずれの状態にも変化可能なように前記第1の屈曲部の温度を調整する第2の温調機構を有する
    原料供給装置。
  9. 請求項1に記載の原料供給装置であって、
    前記供給管は、前記原料タンクから前記液体状のプラズマ原料が流入する流入口を有し、前記流入口が前記原料タンクの内側の底面よりも高い位置となるように配置される
    原料供給装置。
  10. 請求項9に記載の原料供給装置であって、
    前記原料タンクは、前記プラズマ原料が補給される補給口を有し、
    前記流入口は、前記補給口とは鉛直方向において重ならない位置に配置される
    原料供給装置。
  11. 請求項1から10のうちいずれか一項に記載の原料供給装置であって、さらに、
    前記原料タンクに前記プラズマ原料を補給する原料補給部を具備する
    原料供給装置。
  12. 請求項11に記載の原料供給装置であって、
    前記原料補給部は、前記原料タンクに固体状態の前記プラズマ原料を補給する
    原料供給装置。
  13. 請求項11に記載の原料供給装置であって、さらに、
    前記原料タンクと所定の排気機構とを接続する排気管を具備し、
    前記原料補給部は、
    前記原料タンクに補給するための前記プラズマ原料を排出する排出部と、
    前記排出部と前記原料タンクとを接続し前記排出部から排出された前記プラズマ原料を通過させる補給管と、
    前記補給管に設けられ前記原料タンクの減圧雰囲気を維持する第2のバルブ機構と
    を有する
    原料供給装置。
  14. 請求項13に記載の原料供給装置であって、
    前記第2のバルブ機構は、ロードロック機構として構成される
    原料供給装置。
  15. 請求項1に記載の原料供給装置であって、
    前記貯留容器は、上方に開口し前記液体状のプラズマ原料を貯留する貯留部を有し、
    前記供給管は、前記液体状のプラズマ原料が流出する流出口を有し、前記流出口が前記貯留容器の前記貯留部の開口端よりも低い位置となるように配置される
    原料供給装置。
  16. 請求項15に記載の原料供給装置であって、
    前記供給制御部は、前記プラズマ原料が固体状態及び液体状態のどちらかの状態となるように前記供給管の前記減圧チャンバ内に突出した部分の温度を調整する第3の温調機構を有する
    原料供給装置。
  17. 請求項16に記載の原料供給装置であって、
    前記第3の温調機構は、前記減圧チャンバの外壁を貫通して設けられる
    原料供給装置。
  18. 請求項1に記載の原料供給装置であって、
    前記貯留容器は、上方に開口し前記液体状のプラズマ原料を貯留する貯留部を有し、
    前記供給管は、前記液体状のプラズマ原料が流出する流出口を有し、
    さらに、前記流出口を囲うように設けられ前記貯留容器の前記貯留部の開口端よりも低い位置まで伸びる防御管を具備する
    原料供給装置。
  19. エネルギービームの照射によりプラズマ原料をプラズマ化して放射線を発生させる光源装置であって、
    減圧チャンバと、
    前記減圧チャンバ内に設けられ、液体状のプラズマ原料を貯留して、前記エネルギービームの照射部位に前記液体状のプラズマ原料を供給する貯留容器と、
    前記プラズマ原料を液体状態で保持する原料タンクと、
    前記原料タンクと前記減圧チャンバとを接続し前記原料タンク内に保持された液体状のプラズマ原料を前記減圧チャンバ内に設けられた前記貯留容器に供給する供給管を有し、前記供給管を通した前記液体状のプラズマ原料の供給を制御する供給制御部と
    を有する原料供給装置と
    を具備する光源装置。
  20. 請求項19に記載の光源装置であって、さらに、
    前記エネルギービームが照射される回転体を具備し、
    前記貯留容器は、前記回転体が浸漬するように設けられ、前記回転体に前記液体状のプラズマ原料を供給する原料コンテナである
    光源装置。
  21. 請求項19に記載の光源装置であって、
    前記貯留容器は、上方に開口した貯留部を有し、前記貯留部の内側面に前記液体状のプラズマ原料を貯留する回転ドラムであり、
    前記エネルギービームは、前記貯留部の内側面に照射される
    光源装置。
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