JP2024064387A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドを薄くしたときでも、ウェット性能および耐摩耗性に優れるようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。【解決手段】 ガラス転移温度が-45℃以下であるスチレンブタジエンゴムを85質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、シリカを50質量部以上90質量部未満、熱可塑性樹脂、任意に可塑剤成分を配合してなるゴム組成物であって、該ゴム組成物における前記ジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分からなる混合物のガラス転移温度Tgcと前記ジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとの差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下、前記ゴム組成物の23℃の引張破断強度St23が22MPa以上、かつ0℃の引張破断強度St0との比St0/St23が1.15以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、トレッドの厚さを薄くしたときでも、ウェット性能に優れかつ耐摩耗性にも優れるようにするタイヤ用ゴム組成物に関する。
近年、低燃費タイヤへの需要が益々高まり、構成部材を低発熱化にする材料開発に加え、タイヤを軽量化することにより低燃費化を達成する開発も盛んに行われている。タイヤの軽量化に伴い、キャプトレッドの厚さが薄く、タイヤ溝の深さが浅くなるため、ウェット性能を維持するのが難しくなる。さらにキャプトレッドの耐摩耗性の向上がより一層求められるようになる。しかしながら、ウェット性能と耐摩耗性は互いに背反する関係にあり両立するのが難しいことが知られている。
例えば、タイヤ用ゴム組成物にブタジエンゴムを配合して脆化温度を下げたりゴム成分のガラス転移温度を下げることにより、耐摩耗性を向上させようとすると、ウェット性能が低下する。逆に、ゴム成分のガラス転移温度を上げてウェット性能を向上させようとすると、耐摩耗性が低下する。さらに、ガラス転移温度を上げると、夏場と冬場とで耐摩耗性の差が大きくなる傾向がある。
特許文献1,2等は、タイヤ用ゴム組成物として、変性スチレンブタジエンゴムにシリカや各種樹脂成分を配合することにより、ウェット性能や低発熱性を改良することを提案する。しかし、上述した特許文献1,2等に記載された発明では、タイヤを軽量化するためにトレッドを薄くしたとき、ウェット性能および耐摩耗性を両立させるには必ずしも十分ではなかった。また、耐摩耗性の温度依存性を小さくするにも、十分ではなかった。
特許第5376008号公報 特許第6641300号公報
本発明の目的は、トレッドを薄くしたときでも、ウェット性能および耐摩耗性を両立するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が-45℃以下であるスチレンブタジエンゴムを85質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、シリカを50質量部以上90質量部未満、熱可塑性樹脂、任意に可塑剤成分を配合してなるゴム組成物であって、該ゴム組成物における前記ジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分からなる混合物のガラス転移温度Tgcと前記ジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとの差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下、前記ゴム組成物の23℃の引張破断強度St23が22MPa以上、かつ0℃の引張破断強度Stとの比St/St23が1.15以上であることを特徴とする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および任意に可塑剤成分からなる混合物のガラス転移温度Tgcとジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとの差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下になるように、熱可塑性樹脂および任意に可塑剤成分を配合するようにしたので、ゴム成分のガラス転移温度を高くしウェット性能を改良しながら耐摩耗性を維持向上することができる。また、ガラス転移温度が-45℃以下であるスチレンブタジエンゴムからなるジエン系ゴムに、特定の関係を有する熱可塑性樹脂を配合することにより、耐摩耗性の温度依存性を小さくすることができる。
タイヤ用ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に、前記熱可塑性樹脂を15質量部以上60質量部以下配合するとよい。また、前記ジエン系ゴム100質量部に、前記可塑剤成分を0質量部以上5質量部以下配合するとよい。さらに、前記ジエン系ゴムのすべてが、前記スチレンブタジエンゴムであるとよい。
上述したタイヤ用ゴム組成物からなるキャップトレッドを有するタイヤは、トレッドを薄くしたときでも、ウェット性能および耐摩耗性に優れると共に、耐摩耗性の温度依存性を小さくすることができる。このタイヤは、前記キャップトレッドの厚みGacが5.0mm以上8.0mm以下、前記キャップトレッドの径方向内側のアンダートレッドの厚みGauに対する比Gac/Gauが、2以上16以下であるとよく、トレッドを薄くタイヤを軽量化して転がり抵抗を低減しながら、優れたウェット性能および耐摩耗性が得られる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量%中、ガラス転移温度(以下、「Tg」と記載することがある。)が-45℃以下であるスチレンブタジエンゴムを85質量%以上含む。Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴムを、特定の熱可塑性樹脂と組み合わせて配合することにより、室温(23℃)の引張破断強度および低温(0℃)の引張破断強度を強くすることができ、これによりウェット性能および耐摩耗性を両立可能にし、さらに低温下での耐摩耗性の低下を抑制することができる。このスチレンブタジエンゴムは、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは85~100質量%、より好ましくは90~100質量%、さらに好ましくは95~100質量%であるとよい。さらに、ジエン系ゴムのすべてが、Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴムでもよい。Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴムが85質量%未満であると、ウェット性能および耐摩耗性を両立することができない。
スチレンブタジエンゴムは、Tgが-45℃より高いと、耐摩耗性を維持向上させるのが難しくなる。Tgは、好ましくは-80℃~-45℃、より好ましくは-75℃~-50℃であるとよい。スチレンブタジエンゴムのTgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件により得られたサーモグラムから転移域の中点の温度として測定することができる。また、ジエン系ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのTgとする。
Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴムは、溶液重合スチレンブタジエンゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴムのいずれでもよく、また未変性でも変性されていてもよい。変性されたスチレンブタジエンゴムは、好ましくは少なくとも1つの末端が官能基で変性されているとよく、シリカの分散性を良好にし、ウェット性能や低発熱性をより良好にすることができる。変性されたスチレンブタジエンゴムの官能基として、例えばエポキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シリル基、アルコキシシリル基、アミド基、オキシシリル基、シラノール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、カルボニル基、アルデヒド基等が挙げられ、なかでもポリオルガノシロキサン構造またはアミノシラン構造を有するものが好ましく挙げられる。ポリオルガノシロキサン構造またはアミノシラン構造を有する官能基を有することにより、シリカの分散性を良好にし、ウェット性能および低発熱性を優れたものにすることができる。
スチレンブタジエンゴムのスチレン含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは5~30質量%、より好ましくは8~25質量%であるとよい。スチレン含有量をこのような範囲内にすることにより、ゴム組成物を低発熱性にすることができ好ましい。スチレンブタジエンゴムのスチレン含有量は、H-NMRにより測定することができる。
スチレンブタジエンゴムのビニル含有量は、特に制限されるものではないが、好ましくは9~45モル%、より好ましくは20~45モル%、さらに好ましくは25~45モル%、特に好ましくは28~42モル%であるとよい。ビニル含有量をこのような範囲内にすることにより、シリカの分散性を良好にし、発熱性の温度依存性を小さくすることができ、また耐摩耗性を確保することができ好ましい。スチレンブタジエンゴムのビニル含有量は、H-NMRにより測定することができる。
スチレンブタジエンゴムは、油展成分を含有することができる。その油展成分の量(油展量)は、スチレンブタジエンゴム100質量部に対し、好ましくは10質量部以下であるとよい。油展量を10質量部以下にすることにより、タイヤが老化した後のグリップ性能の低下を抑制することができる。油展量は、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下であるとよい。
タイヤ用ゴム組成物は、Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを含むことができる。他のジエン系ゴムとして、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、Tgが-45℃超のスチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、およびこれらゴムに官能基を付した変性ゴム等を例示することができる。これら他のジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは15質量%以下、より好ましくは0~10質量%、さらに好ましくは0~5質量%であるとよい。
タイヤ用ゴム組成物は、他のジエン系ゴムとして、天然ゴム、イソプレンゴム、および/またはブタジエンゴムを配合することができる。これら他のジエン系ゴムの配合により、発熱性の温度依存性を小さくしたり耐摩耗性を維持向上することができる。天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムとして、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いるとよい。
タイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、シリカを50質量部以上90質量部未満配合する。シリカを配合することにより、ウェット性能および低発熱性(低転がり抵抗性)を優れたものにすることができる。シリカが50質量部未満であるとウェット性能および/または低転がり抵抗性が不足する。シリカが90質量部以上であると低転がり抵抗性が却って悪化する。シリカは、好ましくは52質量部以上88質量部以下、より好ましくは55質量部以上85質量部以下配合するとよい。シリカとして、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いるとよく、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン-シリカ(デュアル・フェイズ・フィラー)、シランカップリング剤又はポリシロキサンなどシリカとゴムの両方に反応性或いは相溶性のある化合物で表面処理したシリカなどを使用することができる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法シリカが好ましい。
また、シリカとともにシランカップリング剤を配合するとよく、シリカの分散性を向上し、ウェット性能がさらに改善されるので好ましい。シランカップリング剤の種類は、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、及びエボニック社製のVP Si363等特開2006-249069号公報に例示されているメルカプトシラン化合物等、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-プロピオニルチオプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシランなどを挙げることができる。
シランカップリング剤は、シリカの質量に対し3~20質量%、好ましくは5~15質量%配合するとよい。シランカップリング剤の配合量がシリカ質量の3質量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。また、シランカップリング剤が20質量%を超えると、ジエン系ゴム成分がゲル化し易くなる傾向があるため、所望の効果を得ることができなくなる。
タイヤ用ゴム組成物は、好ましくはシリカ以外の他の充填剤を配合することもできる。これにより、ゴム組成物の強度を高くし、タイヤ耐久性を確保することができる。他の充填剤として、例えばカーボンブラック、マイカ、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機フィラーや、セルロース、レシチン、リグニン、デンドリマー等の有機フィラーを例示することができる。
なかでもカーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物の強度を優れたものにすることができる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどのカーボンブラックを配合してもよい。これらの中でも、ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF-HS、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF、HAF-HS、HAF-LS、FEFなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのカーボンブラックを種々の酸化合物等で化学修飾を施した表面処理カーボンブラックも用いることができる。
タイヤ用ゴム組成物は、熱可塑性樹脂と任意に可塑剤成分を配合すると共に、ゴム組成物におけるジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分からなる混合物のガラス転移温度Tgcとジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとの差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下になるようにする。上述した混合物は、ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂と任意に可塑剤成分からなり、その質量割合はゴム組成物におけるジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分の質量割合と同じものとする。また、ジエン系ゴムは、タイヤ用ゴム組成物を構成するジエン系ゴムと組成(質量割合)が同じものとする。
タイヤ用ゴム組成物と同じ組成のジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分の混合物のガラス転移温度Tgcとジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとの差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下になるように、熱可塑性樹脂および任意に可塑剤成分を配合することにより、ゴム成分のガラス転移温度を高くしウェット性能を改良しながら耐摩耗性を維持向上することができる。さらに、ガラス転移温度が-45℃以下であるスチレンブタジエンゴムからなるジエン系ゴムに、ガラス転移温度の差Tgc-Tgrを20℃以上50℃以下にする熱可塑性樹脂を配合することにより、低温下での耐摩耗性を向上させて耐摩耗性の温度依存性を小さくすることができる。
ジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrは、タイヤ用ゴム組成物を構成するジエン系ゴムの平均ガラス転移温度である。ジエン系ゴムが、Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴムのみからなるとき、そのスチレンブタジエンゴムのTgがジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとなる。ジエン系ゴムが、Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴムおよび他のジエン系ゴムからなるとき、それと同じ組成のジエン系ゴムの平均ガラス転移温度がジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとなる。平均ガラス転移温度は、構成するジエン系ゴムのガラス転移温度および質量比に基づく加重平均値として求めることができる。
ジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分の混合物のガラス転移温度Tgcは、タイヤ用ゴム組成物と同じ組成のジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分からなる混合物の平均ガラス転移温度である。この平均ガラス転移温度は、タイヤ用ゴム組成物を構成するジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分のガラス転移温度および質量比に基づく加重平均値として求めることができる。なお、可塑剤成分は、任意成分であり、タイヤ用ゴム組成物がそれを含まないとき、前記混合物もそれを含まない。本明細書において、ジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分の夫々のガラス転移温度は、Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴムのTgと同様にして測定することができる。
熱可塑性樹脂とは、タイヤ用ゴム組成物へ通常配合する樹脂であり、分子量が数百から数千くらいで、ゴム組成物に粘着性を付与する作用を有する。熱可塑性樹脂として、テルペン、変性テルペン、ロジン、ロジンエステル、C5成分、C9成分から選ばれる少なくとも1つからなる樹脂が好ましい。例えば、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂などの天然樹脂、C5成分、C9成分からなる石油系樹脂、石炭系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などの合成樹脂が挙げられる。
テルペン系樹脂としては、例えばα-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、リモネン樹脂、水添リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンスチレン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジンおよびフマル化ロジン等の変性ロジン、これらのロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステルおよびトリエチレングリコールエステルなどのエステル誘導体、並びにロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
石油系樹脂としては、芳香族系炭化水素樹脂あるいは飽和または不飽和脂肪族系炭化水素樹脂が挙げられ、例えばC5系石油樹脂(イソプレン、1,3?ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルブテン、ペンテンなどの留分を重合した脂肪族系石油樹脂)、C9系石油樹脂(α-メチルスチレン、o-ビニルトルエン、m-ビニルトルエン、p-ビニルトルエンなどの留分を重合した芳香族系石油樹脂)、C5C9共重合石油樹脂などが例示される。
熱可塑性樹脂は、そのガラス転移温度が好ましくは40℃~120℃、好ましくは45℃~115℃、より好ましくは50℃~110℃であるとよい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度を40℃以上にすることにより、ウェット性能が向上し好ましい。また。120℃以下にすることにより、耐摩耗性が向上し好ましい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、上述した方法で測定することができる。
ジエン系ゴム100質量部に対する熱可塑性樹脂の配合量は、上述したガラス転移温度の差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下である限り特に限定されるものではないが、好ましくは15質量部以上60質量部以下、より好ましくは20質量部以上56質量部以下、さらに好ましくは25質量部以上52質量部以下であるとよい。熱可塑性樹脂を15質量部以上にすることにより、ウェット性能を向上することができ好ましい。熱可塑性樹脂を60質量部以下にすることにより、耐摩耗性の低下を抑制することができ好ましい。
タイヤ用ゴム組成物には、可塑剤成分を任意に配合することができる。可塑剤成分は、オイルおよび/または液状ポリマーであるものとし、上述した熱可塑性樹脂を含まないものとする。
オイルとして、例えば、やし油のような植物油;パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルのような鉱物油系炭化水素およびこれらの水素添加物等が挙げられる。より具体的に、パラフィンオイル、ポリブテンオイル、ポリイソプレンオイル、ポリブタジエンオイル、アロマオイル、ナフテンオイル、シリコーンオイル等が例示される。
液状ポリマーは、室温(23℃)で液体状のポリマーであり、例えば液状ポリブテン、液状ポリイソブテン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン等の液状ジエン系ゴム、液状ポリα-オレフィンや、液状エチレンプロピレン共重合体および液状エチレンブチレン共重合体等の液状エチレンα-オレフィン共重合体、が挙げられる。
可塑剤成分は、ジエン系ゴム100質量部に、好ましくは0質量部以上5質量部以下、より好ましくは0質量部以上3質量部以下配合するとよい。可塑剤成分を5質量部以下と少なくし代わりに熱可塑性樹脂を多くすることにより上述したガラス転移温度の差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下という関係をみたすようにすることにより、ウェット性能を改良しながら耐摩耗性を維持向上することができる。
タイヤ用ゴム組成物は、その硬化物の23℃の引張破断強度St23が22MPa以上、かつ0℃の引張破断強度Stとの比St/St23が1.15以上である。23℃の引張破断強度St23が22MPa未満であると、耐摩耗性を維持向上する効果が十分に得られない。23℃の引張破断強度St23は、好ましくは22MPa以上40MPa以下、より好ましくは22MPa以上30MPa以下であるとよい。
タイヤ用ゴム組成物は、その硬化物のその硬化物の23℃の引張破断強度St23に対する0℃の引張破断強度Stの比St/St23が1.15以上、好ましくは1.15以上1.50以下、より好ましくは1.15以上1.40以下である。引張破断強度の比St/St23が1.15未満であると、低温下での引張破断強度が小さく、耐摩耗性の温度依存性が大きくなる。低温下での引張破断強度は、ゴム成分のTgを低くすることおよび可塑剤成分の代わりに熱可塑性樹脂を配合することにより、大きくすることができる。
タイヤ用ゴム組成物には、上記成分以外に、常法に従って、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、加工助剤、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。タイヤ用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって調製することができる。
タイヤ用ゴム組成物は、タイヤのトレッド部やサイド部を形成するのに好適であり、とりわけタイヤのキャップトレッドを形成するのに好適である。これにより得られたタイヤは、トレッドを薄くしたときでも、ウェット性能および耐摩耗性に優れると共に、耐摩耗性の温度依存性を小さくすることができる。なお、タイヤは空気入りタイヤ、非空気式タイヤのいずれでもよい。
本発明のタイヤは、キャップトレッドの厚みGacが好ましくは5.0mm以上8.0mm以下、キャップトレッドの径方向内側に配置されたアンダートレッドの厚みGauに対するキャップトレッドの厚みGacの比Gac/Gauが、好ましくは2以上16以下、より好ましくは2以上12以下、さらに好ましくは2以上10以下であるとよい。キャップトレッドの厚みGacを8.0mm以下にすることにより、トレッドを薄くタイヤを軽量化して転がり抵抗を低減しながら、優れたウェット性能および耐摩耗性が得られる。また、キャップトレッドの厚みGacを5.0mm以上にすることにより、ウェット性能および耐摩耗性を確保することができる。
さらに、キャップトレッドとアンダートレッドの厚みの比Gac/Gauを2以上にすることにより、高速耐久性を確保することができるようになる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表3に示す共通の添加剤処方を有し、表1,2に示す配合からなるタイヤ用ゴム組成物(実施例1~9、標準例、比較例1~8)を調製するに当たり、それぞれ硫黄および加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチをミキサー外に放出し室温冷却した。このマスターバッチを同バンバリーミキサーに供し、硫黄および加硫促進剤を加えて混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。なお、表3の添加剤処方の配合量は、表1,2に記載したジエン系ゴム100質量部に対する質量部で記載している。また、上述した実施例1~9、標準例、比較例1~8の各タイヤ用ゴム組成物において、ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度Tgr(℃)を加重平均により算出し表1,2の「ジエン系ゴムTgr」の欄に記載し、ジエン系ゴム、熱可塑性樹脂およびオイルからなる混合物における平均ガラス転移温度Tgc(℃)を加重平均により算出し「混合物のTgc」の欄に記載し、これらガラス転移温度の差Tgc-Tgrを算出し「Tg差(Tgc-Tgr)」の欄に記載した。
上記で得られたタイヤ用ゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、160℃、20分間加硫して評価用試料を作製した。得られた評価用試料を使用し、引張破断強度およびLAT100摩耗を以下の方法で測定した。
引張破断強度
上記で得られた厚さ2mmの評価用試料を使用し、JIS 3号ダンベル形状に打ち抜き、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に規定されている測定方法に準拠し、引張速度500mm/分で、23℃および0℃における引張試験を行い、引張破断強度St23(MPa)およびSt(MPa)を測定した。23℃の引張破断強度St23(MPa)を、表1,2の「引張破断強度St23」の欄に記載し、23℃の引張破断強度St23に対する0℃の引張破断強度Stの比St/St23を「強度比(St/St23)」の欄に記載した。
耐摩耗性
上記で得られた厚さ18mmの評価用試料を使用し、ISO 23233に準拠し、LAT100摩耗試験機(VMI EPE HOLLAND BV社製)を使用して、荷重:50N、転動速度:20km/h、転動距離:80km、スリップ角度: 0°、旋回半径:175mm、スリップ率:20%の条件で、雰囲気温度30℃および10℃における単位面積当たりの摩耗量V30およびV10(cc/m)を測定した。
30℃における摩耗量V30について、標準例の値を100にする指数として表1,2の「LAT100摩耗」の欄に記載した。また、10℃における摩耗量V10に対する30℃における摩耗量V30の比V30/V10を算出し表1,2の「LAT100摩耗の比」の欄に記載した。この摩耗量の比V30/V10が小さいほど耐摩耗性の温度依存性に優れ、1.20以下であれば実用的に優れていると判断される。
上記で得られたタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用し、キャップトレッドの厚さGac(mm)が表1,2の「キャップ厚Gac」の厚さであり、キャップトレッドの厚さGac(mm)とアンダートレッドの厚さGau(mm)の比Gac/Gauが表1,2の「厚比Gac/Gau」の厚さを満たすように、タイヤサイズ(205/55R16)の空気入りタイヤを加硫成形した。
上記で得られた空気入りタイヤの質量を測定し、標準例の値を100にする指数として表1,2の「タイヤの質量」の欄に記載した。この指数が小さいほどタイヤが軽量化されていることを意味し、タイヤの低燃費化を達成するには有利になる。また、上記で得られた空気入りタイヤを使用し、以下の方法で、ウェット性能、高速耐久性および転がり抵抗を測定した。
ウェット性能
上記で得られた空気入りタイヤを標準リムに組み付け、空気圧250kPaを充填し、試験車両に装着した。この試験車両を、水膜を有するウェット路面上を走行させ、初速60km/時で制動をかけたときの制動距離を測定した。得られた結果は、それぞれの逆数を算出し、標準例の値を100にする指数としての「ウェット性能」の欄に記載した。この指数が大きいほど制動距離が短く、ウェット性能が優れることを意味する。
高速耐久性
上記で得られた空気入りタイヤを標準リムに組み付け、空気圧を250kPaとし、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)を用いて、JIS D4230に準拠し高速耐久性試験を実施した。その後、引き続き1時間毎に8km/hずつ速度を増加させ、タイヤに故障が生じるまでの走行距離を測定した。評価結果は、標準例の測定値を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど高速耐久性に優れることを意味する。
転がり抵抗
上記で得られた空気入りタイヤを標準リムに組み付け、空気圧を250kPaとし、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)を用いて、ISO 28580に準拠して荷重4.82kN、速度80km/hの条件で転がり抵抗値を測定した。評価結果は、測定された転がり抵抗値の逆数を算出し、標準例の値を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が小さく優れることを意味する。
Figure 2024064387000001
Figure 2024064387000002
表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・SBR-1:ポリオルガノシロキサン構造を有する末端変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、ZSEエラストマー社製Nipol NS616、ガラス転移温度が-24℃、スチレン含有量が22質量%、ビニル含有量が67モル%、非油展品
・SBR-2:ポリオルガノシロキサン構造を有する末端変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、ZSEエラストマー社製Nipol NS612、ガラス転移温度が-61℃、スチレン含有量が15質量%、ビニル含有量が31モル%、非油展品
・SBR-3:溶液重合スチレンブタジエンゴム、旭化成社製TUFDENE 1000、ガラス転移温度が-73℃、スチレン含有量が18質量%、ビニル含有量が13モル%、非油展品
・NR:天然ゴム、SIR、ガラス転移温度が-65℃
・BR:ブタジエンゴム、ZSエラストマー社製 Nipol BR1220、ガラス転移温度が-108℃
・カーボンブラック:カーボンブラック N234、東海カーボン社製 シースト7HM
・シリカ:Evonic社製ULTRASIL 7000GR、CTAB吸着比表面積が160m/g
・熱可塑性樹脂-1:芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製YSレジンTO-125、ガラス転移温度が74℃
・熱可塑性樹脂-2:脂肪族/芳香族共重合炭化水素系樹脂、ENEOS社製T-REZ PR802、ガラス転移温度が65℃
・熱可塑性樹脂-3:芳香族系石油樹脂、JX日鉱日石社製ネオポリマー170S、ガラス転移温度が105℃
・カップリング剤-1:シランカップリング剤、Evonik Degussa社製 Si69、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・カップリング剤-2:シランカップリング剤、Momentive社製NXT、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン
・オイル:シェルルブリカンツジャパン社製エキストラクト4号S
Figure 2024064387000003
表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・老化防止剤:EASTMAN社製6PPD
・ワックス:NIPPON SEIRO社製 OZOACE-0355
・酸化亜鉛:正同化学社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
・硫黄:四国化成工業社製ミュークロンOT-20
・加硫促進剤1:大内振興化学工業社製ノクセラーCZ-G
・加硫促進剤2:住友化学社製ソクシノールD-G
表2から明らかなように、実施例1~9のタイヤ用ゴム組成物は、キャップトレッドを薄くし転がり抵抗を低減したときでも、ウェット性能および耐摩耗性に優れることが確認された。また、実施例9のタイヤは、実施例1のタイヤに対しキャップトレッドをさらに薄くし転がり抵抗を優れたものにしながらウェット性能および耐摩耗性を確保することが確認された。
表1から明らかなように、比較例1のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR-1)のTgが-45℃より高く、熱可塑性樹脂を含まず、Tg差(Tgc-Tgr)が20℃未満であり、さらに23℃の引張破断強度St23が22MPa未満、引張破断強度の比St/St23が1.15未満なので、耐摩耗性(LAT100摩耗)が劣り、高速耐久性も劣る。
比較例2のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR-1)のTgが-45℃より高いので、耐摩耗性(LAT100摩耗)が劣り、その温度依存性も大きい。
比較例3のタイヤ用ゴム組成物は、Tgが-45℃以下のスチレンブタジエンゴム(SBR-2)が85質量%未満、Tg差(Tgc-Tgr)が20℃未満なので、ウェット性能が劣る。
比較例4のタイヤ用ゴム組成物は、シリカの配合量が50質量部未満、Tg差(Tgc-Tgr)が20℃未満、23℃の引張破断強度St23が22MPa未満、引張破断強度の比St/St23が1.15未満なので、ウェット性能が劣る。
比較例5タイヤ用ゴム組成物は、シリカの配合量が90質量部を超え、Tg差(Tgc-Tgr)が20℃未満、23℃の引張破断強度St23が22MPa未満、引張破断強度の比St/St23が1.15未満なので、耐摩耗性(LAT100摩耗)を改良する効果が得られず、ウェット性能および高速耐久性が劣る。
比較例6タイヤ用ゴム組成物は、Tg差(Tgc-Tgr)が50℃を超え、引張破断強度の比St/St23が1.15未満なので、耐摩耗性(LAT100摩耗)が劣り、高速耐久性も劣る。
比較例7タイヤ用ゴム組成物は、Tg差(Tgc-Tgr)が20℃未満なのでウェット性能が劣る。
比較例8タイヤ用ゴム組成物は、23℃の引張破断強度St23が22MPa未満なので耐摩耗性(LAT100摩耗)が劣り、高速耐久性も劣る。
本開示は、以下の発明を包含する。
発明[1] ガラス転移温度が-45℃以下であるスチレンブタジエンゴムを85質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、シリカを50質量部以上90質量部未満、熱可塑性樹脂、任意に可塑剤成分を配合してなるゴム組成物であって、該ゴム組成物における前記ジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分からなる混合物のガラス転移温度Tgcと前記ジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとの差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下、前記ゴム組成物の23℃の引張破断強度St23が22MPa以上、かつ0℃の引張破断強度Stとの比St/St23が1.15以上であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
発明[2] 前記ジエン系ゴム100質量部に、前記熱可塑性樹脂を15質量部以上60質量部以下配合してなることを特徴とする発明[1]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
発明[3] 前記ジエン系ゴム100質量部に、前記可塑剤成分を0質量部以上5質量部以下配合してなることを特徴とする発明[1]または[2]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
発明[4] 前記ジエン系ゴムのすべてが、前記スチレンブタジエンゴムであることを特徴とする発明[1]~[3]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
発明[5] 発明[1]~[3]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物からなるキャップトレッドを有するタイヤ。
発明[6] 前記キャップトレッドの厚みGacが5.0mm以上8.0mm以下、前記キャップトレッドの径方向内側のアンダートレッドの厚みGauに対する比Gac/Gauが、2以上16以下である発明[5]に記載のタイヤ。

Claims (6)

  1. ガラス転移温度が-45℃以下であるスチレンブタジエンゴムを85質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、シリカを50質量部以上90質量部未満、熱可塑性樹脂、任意に可塑剤成分を配合してなるゴム組成物であって、該ゴム組成物における前記ジエン系ゴム、熱可塑性樹脂および可塑剤成分からなる混合物のガラス転移温度Tgcと前記ジエン系ゴムのガラス転移温度Tgrとの差Tgc-Tgrが20℃以上50℃以下、前記ゴム組成物の23℃の引張破断強度St23が22MPa以上、かつ0℃の引張破断強度Stとの比St/St23が1.15以上であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴム100質量部に、前記熱可塑性樹脂を15質量部以上60質量部以下配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100質量部に、前記可塑剤成分を0質量部以上5質量部以下配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴムのすべてが、前記スチレンブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるキャップトレッドを有するタイヤ。
  6. 前記キャップトレッドの厚みGacが5.0mm以上8.0mm以下、前記キャップトレッドの径方向内側のアンダートレッドの厚みGauに対する比Gac/Gauが、2以上16以下である請求項5に記載のタイヤ。
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