JP2024063989A - 電気式連続型焼付炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気ヒータによって加熱された高温ガスでエアカーテンを形成しつつ、該エアカーテンの排気が開閉扉を備えた隔室内に流入し遮蔽空間が形成される電気式連続型焼付炉を提供する。【解決手段】ガス供給源と、加熱ヒータと、高温処理用ヒータと、大気取入口と、熱交換器と、送風口と、排ガス処理装置と、から成るガス供給部と、搬入口から搬出口へワークを搬送する搬送手段を備え、複数の噴出口と、吸入口と、吹出口と、が備えられた焼付炉と、該焼付炉の前段及び後段に設けられワークの搬入及び搬出に伴い扉の開閉を行う開閉ドアが複数備えられた隔室と、から成る手段を採る。【選択図】図1

Description

本発明は、塗装した物品を搬送しつつ連続して焼付する連続焼付装置に関する。
従来、金属製の事務機器や自動車の部品等の焼付用塗料を塗った物品(以下ワークと呼ぶ)が、焼付温度に加熱する熱源を備えた焼付装置により焼付加工されている。
しかし、焼付装置に使用する熱源として重油や灯油等を使用した油バーナや、LPGや都市ガスを使用したガスヒータ等が利用されており、燃料の燃焼によって二酸化炭素等の温室効果ガスの排出が行われるといった問題があった。
そこで、電気ヒータを使用した加熱空気によりワークへの焼付を行い、温室効果ガスの排出が低減可能である焼付炉が求められていた。
そこで本出願人は、電気ヒータにて連続焼付が可能な技術を開発し、特許番号第7078299号公報(特許文献1)に記載の技術提案を行っている。かかる技術提案によれば、膜状のガスの流れで遮蔽された出入口を潜って、焼付室内に塗装したワークを連続的に搬送させつつ、電気ヒータによって加熱された不活性ガスが均質に分散された焼付室内で噴出されることで、高品質の焼付塗装製品が得られることができる、といった優れた効果を奏するものであった。
しかしながら、特許文献1にかかる技術提案によれば、遮蔽層の形成により外気侵入を防ぐことで、焼付室の内部と外部を遮断する効果は有用であるものの、ガス供給源にて生成された常温の不活性ガスが噴出されるため、焼付が終了した高温のワークが急速に冷却されることとなり、ワークの素材や塗料によってワークや塗装の割れ等の支障が出る場合がある、といった問題があった。
本出願人は、以上のような従来における連続型焼付炉において、外気に対する遮蔽層の形成と焼付加工前後のワークに対する温度調整が困難であるといった問題に着目し、外気との遮蔽機能を維持しつつワークへの温度変化を緩やかにできる連続型焼付炉を提供できないものかという着想のもと、電気ヒータによって加熱された高温ガスを焼付炉の搬入口及び搬出口近傍から噴出させることで高温のエアカーテンを形成すると共に、該エアカーテンの排気を流入させた隔室内に備えられた開閉ドアが閉じられることで遮蔽空間を形成可能な連続型焼付炉を開発し、本発明にかかる「電気式連続型焼付炉」の提案に至るものである。
特許7078299号公報
本発明は、上記問題に鑑み、電気ヒータによって加熱された高温ガスでエアカーテンを形成しつつ、該エアカーテンの排気が開閉扉を備えた隔室内に流入し遮蔽空間が形成される電気式連続型焼付炉を提供することを課題とする。
上記問題を解決するため、本発明は、ガス供給部と、搬入口から搬出口へワークを搬送する搬送手段を備えた焼付炉と、該焼付炉の前段及び後段に設けられた隔室と、で構成された電気式連続型焼付炉であって、ガス供給部は、ガス供給源と、該ガス供給源にて生成されたガス及び排ガス処理装置から送気されるガスを焼付温度へ加熱し焼付炉内へ送気する加熱ヒータと、焼付炉から送気された排ガスを高温に加熱させる高温処理用ヒータと、大気を吸入し熱交換器へ送気する大気取入口と、高温処理用ヒータから送気された排ガスと大気との熱交換を行う熱交換器と、該熱交換器によって高温となった大気を外部へ排出する送風口と、該熱交換器から送気された排ガス中の不純物を分離除去する排ガス処理装置と、から成り、焼付炉内には、加熱ヒータにて加熱されたガスを該焼付炉内へ放出する複数の噴出口と、該焼付炉内のガスを吸引し高温処理用ヒータへ送気する吸入口と、搬入口及び搬出口近傍から加熱ヒータにて加熱されたガスを略垂直状に放出する吹出口と、が備えられ、隔室には、ワークの搬入及び搬出に伴い扉の開閉を行う開閉ドアが複数備えられて成る手段を採る。
また、本発明は、前記送風口から排出される高温となった大気が、隔室の前段に設けられる乾燥室へ送気される手段を採る。
さらに、本発明は、前記吹出口が、搬入口及び搬出口近傍の天面又は/及び床面上部に備えられている手段を採る。
またさらに、本発明は、前記開閉ドアは、夫々の隔室において常に少なくとも一の該開閉ドアが閉じている手段を採る。
さらにまた、本発明は、前記排ガス処理装置に、活性炭が充填されている手段を採る。
本発明にかかる電気式連続型焼付炉によれば、電気ヒータを利用することにより温室効果ガスの排出量を削減可能となると共に、該電気ヒータによって加熱された高温ガスを吹出口から噴出させることにより焼付炉内外を遮断する高温のエアカーテンが生成されると同時に隔室内に形成される遮蔽層も高温となり、焼付加工前後におけるワークへの急激な温度変化を抑えることが可能となる、といった優れた効果を奏するものである。
また、本発明にかかる電気式連続型焼付炉によれば、送風口から排出される高温となった大気が該電気式連続型焼付炉の前段に設けられる乾燥室へ送気されることで、焼付加工前に行われる表面塗装一次乾燥工程において高温空気として再利用することが可能となる、といった優れた効果を奏するものである。
さらに、本発明にかかる電気式連続型焼付炉によれば、吹出口が搬入口及び搬出口近傍の天面又は/及び床面上部に備えられていることにより、隔室内に貯留された空気の侵入を防ぐことが可能となり、更に、天面及び床面上部の二方向からの噴出を行うことで、複雑な形状のワークであっても表面に残留する空気の侵入を防ぐことが可能となる、といった優れた効果を奏するものである。
またさらに、本発明にかかる電気式連続型焼付炉によれば、開閉ドアが、夫々の隔室において常に少なくとも一の該開閉ドアが閉じていることにより、焼付炉とその前後段に設けられた隔室との間において遮蔽空間が形成されることで焼付炉内の温度低下を防ぐと共に、該遮蔽空間内に高温のガスが常時充填されることで外気よりも高圧となるため、開閉ドアの開閉に伴う外気の侵入を防ぐことも可能となる、といった優れた効果を奏するものである。
さらにまた、本発明にかかる電気式連続型焼付炉によれば、排ガス処理装置に活性炭が充填されていることで、高温処理用ヒータにて除去しきれなかった溶剤の分離・除去や、排ガス中に含有される悪臭成分の吸着が可能となり、焼付炉内へ送気されるガスの清浄化が可能となる、といった優れた効果を奏するものである。
本発明にかかる電気式連続型焼付炉の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかる電気式連続型焼付炉の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかる電気式連続型焼付炉の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかる電気式連続型焼付炉の実施形態を示す説明図である。
本発明にかかる電気式連続型焼付炉は、焼付炉の前後段に設けられた隔室内において、開閉ドアの開閉により遮蔽機能を備えつつワークの搬入・搬出を行う焼付炉を提供することを最大の特徴とする。また、本発明にかかる電気式連続型焼付炉に使用される焼付炉及び隔室内には、当然に、内部の熱が外部へ放出されないよう断熱加工がなされている。
以下、本発明にかかる電気式連続型焼付炉の実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、本発明にかかる電気式連続型焼付炉は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができる。
図1は、本発明にかかる電気式連続型焼付炉の実施形態を示す説明図である。図2は、本発明にかかる電気式連続型焼付炉の実施形態を示す説明図であり、具体的には、吹出口の設置態様であって、(a)は搬入口の床面上部に備えた場合の実施例、(b)は搬入口の天井及び床面上部に備えた場合の実施例を示している。図3は、本発明にかかる電気式連続型焼付炉の実施形態を示す説明図であり、具体的には、隔室内に備えられた開閉ドアをワークが通過する際の動作態様を示している。図4は、本発明にかかる電気式連続型焼付炉の他の実施形態を示す説明図であり、具体的には、吊下式ワークを焼付炉内でUターンさせる実施態様であって、(a)は全体構造を示す側面視図、(b)は焼付炉及び隔室内におけるワークの動きを説明する平面視図である。
本発明にかかる電気式連続型焼付炉1は、ガス供給部2と、焼付炉3と、隔室4とで構成されている。また、本発明で焼付対象とするワークWには特に限定はなく、例えば、焼付用の塗料が塗られた金属製の事務機器や自動車の部品、飲料缶等が考え得る。
ガス供給部2は、焼付炉3内へ高温ガスを供給しつつ該焼付炉3から排出される排ガスの清浄化を行うものである。
ガス供給部2は、ガス供給源10と、加熱ヒータ11と、高温処理用ヒータ12と、大気取入口13と、熱交換器14と、送風口15と、排ガス処理装置16にて構成されている。
なお、ガス供給部2における各装置間には、当然に配管が設けられている。該配管に使用される素材には特に限定はなく、送気されるガスの温度に耐え得る素材が適宜使用されることとなる。
ガス供給源10は、加熱ヒータ11を介して焼付炉3へ供給されるガスを生成するための装置である。
ガス供給源10にて生成されるガスについては、ワークWへ使用される焼付塗料が酸化による変色等を起すことない不活性ガスを使用する。例えば、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスが使用可能であるが、窒素ガスを使用する場合には窒素ガス製造機で製造し、これをガス供給源10とすることができる。なお、ガス供給源10として使用される装置の構造については特に限定はなく、従来公知の技術を有した装置を用いれば良い。
ガス供給源10にて生成された不活性ガスは、排ガス処理装置16より送気される清浄な排ガスと配管同士の接続により合流し加熱ヒータ11へ流入することとなる。
加熱ヒータ11は、ガス供給源10及び排ガス処理装置16から流入したガスを焼付温度まで加熱し、配管を介して焼付炉3内の噴出口20及び吹出口22へ送気するものである。加熱ヒータ11は、電気によって加熱が行われるヒータであり、ワークWの焼付加工が可能な温度まで自動もしくは手動にて加熱が行われることとなる。
ガス供給源10として使用される装置の構造については特に限定はなく、従来公知の技術を有した装置を用いれば良い。また、加熱ヒータ11に設定される温度についても、焼付塗装に使用される塗料によって決定されれば良く、例えば、アクリル系の塗料を使用する場合は140℃から180℃の間で決定される。
なお、図1に図示したように、噴出口20及び吹出口22へ送気する高温ガスのガス圧を安定させるため、ガス圧を調節するブロア40を焼付炉3内へ送気する配管の所定位置に設けても良い。
高温処理用ヒータ12は、焼付炉3から吸入口21を介して排出された排ガス中に含有される溶剤や揮発性有機化合物(VOC)を、高温にて分解するためのものである。
高温処理用ヒータ12では、焼付炉3から排出された排ガスを電気ヒータにて900℃近傍まで加熱することで、該排ガス中に含有される溶剤やVOCを高熱によって熱分解を行い、無臭化及び無害化された清浄な高温排ガスとして後段の熱交換器へ送気することとなる。
この際、図示してはいないが、有機溶剤濃度計等の有害物質を検出可能な検出器を該高温処理用ヒータ12に備えることで、高温排ガスに含有される有害物質量が検出可能となり、検出結果を基にした適切な処理に資することとなる。
大気取入口13は、大気から空気を取り入れ、熱交換器14へ送気するものである。
大気取入口13は、コンプレッサやブロアといった圧力を伴った送風が可能な装置を採用することで、効率よく熱交換器14へ空気を送気することが可能となる。
熱交換器14は、高温処理用ヒータ12から送気された高温排ガスと、大気取入口13から送気された常温空気との熱交換を行うものである。
熱交換器14は、高温処理用ヒータ12から送気された高温排ガスと、大気取入口13から送気された常温空気を夫々該熱交換器14内に流入させ、高温排ガスが有する熱エネルギーを常温空気へ移動させることにより高温排ガスの温度を低下させると共に、常温空気の温度を上昇させる装置である。
熱交換器14の構造については従来公知の技術を使用すれば良く、例えば、コイル形状やUチューブ形状等を使用した二重管方式を使用する態様等が考え得る。
なお、高温排ガスにおける熱交換器14からの排出温度は、後段に配設される排ガス処理装置16にて使用される吸着剤の耐熱温度や吸着効率をもとに決定される。
送風口15は、熱交換器14によって高温となった空気を外部又は他装置へ送気するためのものである。
送風口15は、外部へ直接放出する態様の他、電気式連続型焼付炉1の前段に配設される乾燥室内に送気し、ワークWに対して行う一次乾燥の乾燥用高温空気として使用させる態様や、吸収式冷暖房等に使用される吸収液の熱源として利用させる態様等も考え得る。
排ガス処理装置16は、熱交換器14にて温度の低下した排ガス中に残留する不純物を分離・除去するものである。
排ガス処理装置16は、焼付炉3から排出される排ガス中に含有された不純物や臭気等の有害物質のうち、高温処理用ヒータ12による高温で除去しきれなかった物質の分離・除去を行い、後段の加熱ヒータ11へ送気させることとなる。排ガス処理装置16の構造は特に限定しないが、例えば、活性炭やゼオライト等の吸着剤を中空部へ充填した筒状管内に、熱交換器14を介して高温処理用ヒータ12から送気された排ガスを通過させる態様が考え得る。この態様を摂る場合、筒状管の一部または全部が透明もしくは半透明素材で成形されることで、中空部に充填された吸着剤の状態確認が容易となる。
焼付炉3は、搬入されたワークWをガス供給部2にて生成された高温ガスを使用して焼付加工を行うものである。
焼付炉3は、焼付するワークWに適する大きさの焼付領域を有し、該焼付領域の両端部に搬入口5と、搬出口6を夫々備えると共に、該焼付炉3内には、一乃至複数の噴出口20及び吸入口21が設けられ、該搬入口5と該搬出口6近傍には、吹出口22が夫々備えられている。
そして、焼付炉3には、ワークWを並べて連続的に支持しつつ、搬入口5及び搬出口6を介して焼付炉3の焼付領域内外を搬送する搬送手段9が当然に備えられる。該搬送手段9におけるワークWの支持方法については特に限定はなく、ワークWの形状や焼付態様に応じて、ベルトコンベアや吊下げ式の移動機等を選択することとなる。
図示してはいないが、焼付炉3内の焼付領域に温度センサを設ける態様も考え得る。この態様を採ることで、検知された温度により加熱ヒータ11の加熱温度を制御し、焼付領域内の高温ガスが一定の焼付温度に維持されるよう手動又は自動で調整することも可能となる。
また、焼付領域に圧力センサを設ける態様も好適である。この態様を採ることで、検知された圧力によりガス供給源10の不活性ガス生成量を制御し、焼付領域内の高温ガスが一定の圧力に維持されるよう手動又は自動で調整することも可能となる。
さらに、焼付領域両端部近傍に酸素濃度計を設ける態様も考え得る。この態様を採ることにより、該焼付領域内への外気侵入を把握しワークWへの酸化現象を防ぐことが可能となり、一定以上の酸素濃度が検出された場合、警告灯等による報知や、焼付炉3自体の稼働を停止させ、外気侵入箇所の確定や、充填されている不活性ガスの入れ替え、といった対策を実行可能となる。
搬入口5は、ワークWを焼付炉3の焼付領域内へ搬入するための入口であり、また、搬出口6は、ワークWを焼付領域から焼付炉3外へ搬出するための出口である。
搬入口5及び搬出口6の大きさや形状は特に限定はなく、ワークWの形状や種類によって適宜決定されることとなるが、少なくともワークWよりも同径以上の大きさを有しワークWの移動・出入に支障がない程度に開口した態様となる。
噴出口20は、ガス供給部2にて生成された高温ガスを噴出することで、焼付領域内の温度を焼付加工に適した温度に保持するものである。
噴出口20は、焼付炉領域の天面近傍又は/及び底面近傍にて長手方向に延伸された配管に複数設けられ、加熱ヒータ11にて温度調整された高温ガスを夫々の噴出口20から焼付領域内へ噴出することとなる。噴出口20の形状は特に限定はしないが、焼付領域内へ分散状態にガスを噴出させる形状が好適である。また、噴出口20の数や設置態様についても特に限定しないが、図1に図示したように、天面と底面に等間隔で設けた噴出口20を交互に設置する態様を採ることで、焼付領域内において複数の渦状気流が発生するため、ワークW表面が渦状気流により覆われつつ焼付温度まで上昇させることが可能となる。
吸入口21は、焼付領域内に滞留する高温ガスを吸入し、排ガスとして高温処理用ヒータ12へ送気するものである。
焼付加工が行われる焼付領域内の高温ガスには、ワークWを連続して焼付することで該ワークW表面の塗料から発生した溶剤や、溶剤が高温で変化した溶剤由来物質等が含有されるため、図1に図示したように、不活性ガス中の溶剤の濃度が上昇する焼付領域内の所定箇所、例えば、略中央部分やワークWの焼付が終了する室内後部に、高温ガスを吸入可能な一乃至複数の吸入口21を設ける態様が望ましい。
また、吸入口21による吸入量は、噴出口20による噴出量と同量もしくは少量とすることで、焼付領域内の圧力を高めに維持することが可能となり、焼付炉3の前段及び後段に配設される隔室4からの外気侵入が防止できるといった優れた効果を奏する。
吹出口22は、搬入口5及び搬出口6の近傍に設けられ、略垂直方向にガスを膜状に吹出することで、焼付領域における開口部を遮断するものである。
吹出口22は、搬入口5及び搬出口6の天面又は/及び底面へ略垂直方向に設けられ、加熱ヒータ11によって加熱された高温ガスを膜状に吹出することで焼付領域の内外を仕切るエアカーテンを形成し、焼付炉3へのワークWの搬入・搬出時に発生し得る外気侵入を防止することが可能となる。
また、図1に図示したように、吹出口22から吹出される高温ガスの圧力を高めるために、該高温ガスが送気される配管内の所定箇所にブロア40を設ける態様も考え得る。この態様を採ることにより、ワークWの搬入・搬出時に通過するエアカーテンの圧力が増加するため、外気の侵入をさらに防止することが可能となる。
そして、図1及び図2(a)に図示したように、吹出口22は、膜状の高温ガスをエアカーテンとして垂直一方向に吹出させるが、焼付炉3内の噴出口20によって供給されている高温ガスの押圧により、搬入口5及び搬出口6の外側へやや押されることとなり、隣接して設けられた隔室内へエアカーテンを形成した高温ガスが流入される。さらに、図2(b)に図示したような、吹出口22を焼付炉3の上下に夫々配設し、上下二方向から垂直に高圧ガスが吹出される態様も好適である。この態様により、複雑な形状のワークWが搬送されたとしても、二方向からのエアカーテンにより該ワークW表面を高温ガスで覆うことで、焼付炉3内高温ガスの流出及び焼付炉3外からの外気流入を防ぐことが可能となる。
隔室4は、焼付炉3の前後段に隣接して設けられ、ワークW搬入・搬出時における該焼付炉3への外気侵入を防ぐ部屋である。
隔室4は、焼付炉3の前段に設けられ搬入口5に対向する第二搬入口31を備えた隔室4aと、該焼付炉3の後段に設けられ搬出口6に対向する第二搬出口32を備えた隔室4bから成り、さらに、夫々の隔室4内を遮断可能な開閉ドア30を備える。該隔室4内には、搬入口5及び搬出口6近傍に備えられた吹出口22からエアカーテンとして吹出した高温ガスが流入し滞留することで、第二搬入口31及び第二搬出口32からの外気侵入を防ぐ遮蔽層が形成されることとなる。
隔室4の大きさは特に限定はなく、ワークWの搬入・搬出に支障のない大きさ以上であれば良い。また、隔室4の長さについても限定はなく、ワークWの形状や、開閉ドア30の設置態様等により適宜決定される。
開閉ドア30は、隔室4内に搬送されるワークWに連動して開閉する複数のドアであり、該開閉ドアを閉めることにより該隔室4内にて焼付炉3への外気侵入を防ぐ遮蔽層を形成するものである。
開閉ドア30は、少なくとも第二搬入口31及び第二搬出口32の近傍と、搬入口5及び搬出口6の近傍に備えられると共に、必要に応じて隔室4内の所定箇所に一乃至複数枚の開閉ドア30を備え、焼付炉3への外気侵入を防ぐ遮蔽層を形成する。なお、夫々の隔室4において、常に少なくとも一の開閉ドア30が閉じている態様が好適である。この態様を摂る場合、隔室4a及び隔室4bにて閉じられた夫々の開閉ドア30間において一の遮蔽空間が形成されるため、該遮蔽空間内の温度及び圧力が焼付炉3内と同程度まで上昇する。そして、開閉ドア30の開放時には、高圧である遮蔽空間側から常圧である外気方向に該遮蔽空間内の高温ガスが流出することとなり、ワークW搬入・搬出に伴う焼付炉3内への外気流入を防ぐと共に、焼付加工の終了した該ワークWに対する温度低下を緩やかにするといった優れた効果を奏する。
以上の構成要素からなる電気式連続型焼付炉1について、その主な動作及び作用を説明する。
(ガス主体)
まず、ガス供給源10にて生成された不活性ガスは、加熱ヒータ11にて高温に加熱されて高温ガスとなり焼付炉3内の噴出口20及び吹出口22へ夫々送気される。
噴出口20に送気された高温ガスは、焼付炉3の焼付領域内へ搬送されたワークWへ吹出されることで焼付加工が行われた後、排ガスとして吸入口21から吸入されることとなる。そして、吸入された排ガスは、高温処理用ヒータ12の加熱によって溶剤等が熱分解された後に熱交換器14を介すことで温度を低下させる。その後、排ガスは、排ガス処理装置16によって不純物の分離・除去が行われ、清浄なガスとしてガス供給源10にて生成される不活性ガスと合流し、加熱ヒータ11へ流入後、再度焼付炉3へ送気されることとなる。
また、吹出口22に送気された高温ガスは、ブロア40を介して圧力を上昇させた後、焼付炉3の内外を遮断するエアカーテンを形成し、ワークWの搬入・搬出時における外気流入を防ぐこととなる。その後、エアカーテンを形成した高温ガスは隔室4へ流入し、該隔室内に備えられた開閉ドア30の開閉により形成される遮蔽空間に該高温ガスが充填されることにより、外気侵入を防ぐ遮蔽層が形成される。
(ワーク主体)
図1に示すように、搬入口2側と搬出口3側とは前後対称の構造とするので、以下搬入口2側の方を詳述し、搬出口3側は簡略に説明する。
まず、搬送手段9によるワークWの接近により、第二搬入口31を遮断している開閉ドア30が開放され、該第二搬入口31から隔室4a内への搬入が行われる。この際、高圧である隔室4a側から外気方向へ高温ガスが流出するため、ワークWは高温ガスを周囲に纏わせた状態で該隔室4a内を搬送されていくこととなる。
該ワークWの搬送によって、該隔室4a内に備えられた開閉ドア30の開放と遮断が行われた後、搬入口5に備えられた吹出口22によるエアカーテンを通過することにより、ワークWの周囲は焼付領域内に充満する高温ガスと同様の高温ガスを纏った状態で焼付炉3内の焼付領域へ搬送されていくこととなる。
焼付領域内においてワークWは、複数の噴出口20から吹出される高温ガスによって焼付加工が行われ、焼付加工が終了したワークWは搬出口6へ向けて搬送される。
搬出口6に備えられた吹出口22によるエアカーテンを通過し、隔室4b内へ搬送されたワークWは、該隔室4b内に備えられた開閉ドア30を経由し、第二搬出口32から搬出され、後段の装置へ搬送されることとなる。
以上、本発明にかかる電気式連続型焼付炉1の主要動作及び作用について説明したが、本発明は上記実施形態で示した構造態様に限定されるものではない。例えば、吹出口22から吹出される高温ガスが、エアカーテン用に配設されたヒータを使用して高熱化させた不活性ガスである態様や、該吹出口22のどちらか一方の温度を変化させる態様も考え得る。
この態様を採ることで、焼付炉3内の噴出口20から放出される高温ガスと、エアカーテンに用いられる高温ガスとの温度を自由に変更することが可能となり、例えば、吹出口22から吹出されるガスの温度を焼付炉3内よりも低下させることにより、隔室4内の温度も中温となるため、外気、隔室4、焼付炉3と段階的にワークWの温度を変化させることが可能となる。
なお、電気式連続焼付炉1には、各計器類(温度計、風圧計、風速計、風量計、窒素濃度計、ワーク搬送速度計等)が必要に応じて備えられる。例えば、温度計であれば、焼付炉3内や、熱交換器14の排ガス排出側、各隔室4内の他にも、焼付工程中や搬入・搬出時におけるワークW自体の温度計測等にも使用され、夫々の測定値によって、適正温度に向けた温度調整や温度異常検出に伴う警報発出等が行われることとなる。
また、図4(a)に図示したような吊下式ワークWを焼付する態様であって、焼付炉3内でワークWをUターンさせることで搬入口5及び搬出口6を一箇所にまとめた焼付炉においても、本発明を適用させることが可能である。この際、焼付炉3に隣接する隔室や、搬入口5及び搬出口6近傍に備えられる吹出口22も一つにまとめることが可能となる。
以上の通り、本発明にかかる電気式連続型焼付炉1によれば、ガス供給源10にて生成した不活性ガスは、加熱ヒータ11によって加熱されることで高温ガスとして焼付炉3内に備えられた噴出口20及び吹出口22から吹出され、搬入されたワークWの焼付加工を行うと共に該焼付炉3の内外を遮断するエアカーテンを形成しつつ、該焼付炉3に隣接した隔室4へエアカーテンに使用した高温ガスが流入し、該隔室4に内接された開閉ドア30が閉鎖することにより夫々の隔室4内から焼付炉3に至る遮断層が形成されることで、焼付炉3内への外気の流入を防ぐと同時に、エアカーテンによるワークWへの温度変化を緩和させる電気式連続型焼付炉1を提供することが可能となる。
本発明にかかる電気式連続型焼付炉は、電気ヒータによってワークへの加熱焼付加工を行うものであるが、加熱対象は金属製品に限らず、高温で行う陶磁器の焼付や、中温で行うクッキーや煎餅といった食品の加熱加工等、様々な対象・分野の加熱に応用することも可能である。したがって、本発明にかかる「電気式連続型焼付炉」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 電気式連続型焼付炉
2 ガス供給部
3 焼付炉
4 隔室
5 搬入口
6 搬出口
9 搬送手段
10 ガス供給源
11 加熱ヒータ
12 高温処理用ヒータ
13 大気取入口
14 熱交換器
15 送風口
16 排ガス処理装置
20 噴出口
21 吸入口
22 吹出口
30 開閉ドア
31 第二搬入口
32 第二搬出口
40 ブロア

Claims (4)

  1. ガス供給部と、搬入口から搬出口へワークを搬送する搬送手段を備えた焼付炉と、該焼付炉の前段及び後段に設けられた隔室と、で構成された電気式連続型焼付炉であって、
    ガス供給部は、ガス供給源と、該ガス供給源にて生成されたガス及び排ガス処理装置から送気されるガスを焼付温度へ加熱し焼付炉内へ送気する加熱ヒータと、焼付炉から送気された排ガスを高温に加熱させる高温処理用ヒータと、大気を吸入し熱交換器へ送気する大気取入口と、高温処理用ヒータから送気された排ガスと大気との熱交換を行う熱交換器と、該熱交換器によって高温となった大気を外部へ排出する送風口と、該熱交換器から送気された排ガス中の不純物を分離除去する排ガス処理装置と、から成り、
    焼付炉内には、加熱ヒータにて加熱されたガスを該焼付炉内へ放出する複数の噴出口と、該焼付炉内のガスを吸引し高温処理用ヒータへ送気する吸入口と、搬入口及び搬出口近傍から加熱ヒータにて加熱されたガスを略垂直状に放出する吹出口と、が備えられ、
    隔室には、ワークの搬入及び搬出に伴い扉の開閉を行う開閉ドアが複数備えられて成ることを特徴とする電気式連続型焼付炉。
  2. 前記送風口から排出される高温となった大気が、隔室の前段に設けられる乾燥室へ送気されることを特徴とする請求項1に記載の電気式連続型焼付炉。
  3. 前記吹出口が、搬入口及び搬出口近傍の天面又は/及び床面上部に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の電気式連続型焼付炉。
  4. 前記排ガス処理装置に、活性炭が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の連続焼付装置。

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