JP2024062679A - 金属皮膜の成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリーンマスクを用いた場合であっても、電解質膜による押圧時のスクリーンマスクの損傷を抑えることができる金属皮膜の成膜方法を提供する。【解決手段】基材Bを載置台40に載置する。所定のパターンの貫通部分68が形成されたスクリーンマスク62で、基材Bを覆う。電解質膜13に接触しためっき液Lの液圧によって、スクリーンマスク62を介して、電解質膜13で基材Bを押圧する。めっき液Lに接触した陽極11と、基材Bとの間に電圧を印加することにより、めっき液Lに含まれる金属イオンを電解質膜13に通過させ、金属イオンに由来した金属皮膜Fを、所定のパターンで基材Bに成膜する。基材Bには、スクリーンマスク62に対向する対向面Baと側面Bbとにより、外縁部Bcが形成されている。成膜方法では、基材Bを押圧する前に、外縁部Bcに沿って、クッション材30を配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、基材の表面に所定のパターンで金属皮膜を成膜する成膜方法に関する。
従来から、電解めっきにより、基材の表面に金属を析出させて、金属皮膜を成膜している(例えば、特許文献1)。特許文献1には、成膜装置は、めっき液を収容する収容体を備えている。収容体には、開口部が形成されており、開口部は、電解質膜で封止されている。成膜装置は、めっき液の液圧により電解質膜で基材を押圧する押圧機構をさらに備えている。
ここで、基材の表面に所定のパターンの金属製の下地層が形成されている場合には、電解質膜の液圧で基材を押圧しながら、陽極と基材との間に電圧を印加する。これにより、下地層の上に所定のパターンの金属皮膜を成膜することができる。ただし、基材に所定のパターンの下地層が形成されていない場合には、たとえば、特許文献2に示すマスキング材を利用することも想定される。
特開2016-125087号公報 特開2016-108586号公報
ここで、マスキング材として、スクリーンマスクを用いて成膜する場合、スクリーンマスクは、基材と電解質膜との間に挟み込まれる。この状態で、基材とスクリーンマスクの密着性を確保すべく、めっき液の液圧が作用した電解質膜で、スクリーンマスクが押圧される。しかしながら、基材には、スクリーンマスクに対向する対向面と側面とにより、外縁部が形成されている。これにより、基材の外縁部に、スクリーンマスクが押圧されると、スクリーンマスクが損傷することがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、スクリーンマスクを用いた場合であっても、電解質膜による押圧時のスクリーンマスクの損傷を抑えることができる金属皮膜の成膜方法を提供することを目的とする。
前記課題に鑑みて、本発明に係る金属皮膜の成膜方法は、基材を載置台に載置し、所定のパターンの貫通部分が形成されたスクリーンマスクで、前記基材を覆い、電解質膜に接触しためっき液の液圧によって、前記スクリーンマスクを介して、前記電解質膜で前記基材を押圧し、前記めっき液に接触した陽極と、前記基材との間に電圧を印加することにより、前記めっき液に含まれる金属イオンを前記電解質膜に通過させ、前記金属イオンに由来した金属皮膜を、前記所定のパターンで前記基材に成膜する金属皮膜の成膜方法であり、前記基材には、前記スクリーンマスクに対向する対向面と側面とにより、外縁部が形成されており、前記基材を押圧する前に、前記外縁部に沿って、クッション材を配置する。
本発明によれば、基材を押圧する前に、基材の外縁部に沿って、クッション材を配置する。これにより、めっき液の液圧によって、スクリーンマスクを介して、電解質膜で基材を押圧すると、基材の外縁部は、クッション材を介してスクリーンマスクに押圧される。この結果、基材の外縁部により、スクリーンマスクが損傷することを抑えることができる。
本発明の一例として、前記載置台には、前記基材を収容する凹部が形成されており、前記基材を載置する際に、前記凹部に、前記基材を収容し、前記クッション材を配置する際に、前記クッション材で、前記基材の前記側面と前記凹部の側壁面との間に形成された隙間を覆ってもよい。
基材を凹部に収容した状態で、基材と載置台との間に隙間が形成されることがある。この隙間が形成された状態で、スクリーンマスクを介して、電解質膜で基材を押圧すると、スクリーンマスクが隙間に入り込みやすい。この結果、スクリーンマスクが、凹部の開口縁に接触し、スクリーンマスクは損傷しやすい。そこで、この例では、クッション材で隙間を覆うことにより、スクリーンマスクがこの隙間に入り込むことを抑えることができる。この結果、スクリーンマスクの損傷を抑えることができる。
本発明の一例として、前記クッション材は、前記スクリーンマスクに取り付けられており、前記スクリーンマスクで、前記基材を覆う際に、前記クッション材で、前記隙間を覆ってもよい。
この例によれば、スクリーンマスクにはクッション材が予め取り付けられているので、スクリーンマスクに対する、クッション材の位置ずれを防止することができる。さらに、スクリーンマスクで、基材を覆う際に、クッション材で隙間を同時に覆うことができる。
本発明の一例として、前記基材を載置する前に、前記外縁部に沿って、前記クッション材を前記基材に取り付けてもよい。
この例によれば、クッション材を基材に取り付けた状態で、基材を載置台に載置することができる。このため、基材の載置時にクッション材を同時に配置し、基材に対するクッション材の位置ずれを防止することができる。
本発明の一例として、前記載置台には、前記基材を収容する凹部が形成されており、前記クッション材を前記基材に取り付けることにより、前記クッション材で、前記基材の前記側面を覆い、前記基材を載置する際に、前記凹部の側壁面と、前記基材の側面との間に、前記クッション材を挟み込みながら、前記凹部に前記基材を収容してもよい。
この例によれば、基材を載置台の凹部に収容する。この際に、基材の側面と、載置台の側壁面との間に、クッション材を挟み込む。これにより、これらの間に隙間が形成されることを抑えることができる。この結果、基材と載置台との隙間に起因したスクリーンマスクの破損を防止することができる。さらに、載置台に対する基材の位置ずれを防止することができる。
本発明の一例として、前記載置台には、前記基材を収容する凹部が形成されており、前記凹部の側壁面には、前記クッション材が取り付けられており、前記基材を載置する際に、前記凹部の側壁面と、前記基材の側面との間に、前記クッション材を挟み込みながら、前記基材を前記凹部に収容してもよい。
この例によれば、基材を載置台の凹部に収容する。この際に、基材の側面と、載置台の側壁面との間に、クッション材を挟み込む。これにより、これらの間に隙間が形成されることを抑えることができる。この結果、基材と載置台との隙間に起因したスクリーンマスクの破損を防止することができ、載置台に対する基材の位置ずれを防止することができる。
本発明の一例として、前記スクリーンマスクの周縁は、枠体に電解質膜側で固着されており、前記枠体内において、前記スクリーンマスクで、前記基材を覆ってもよい。
この例によれば、スクリーンマスクは、枠体に対して電解質膜側で、枠体に支持されることになる。したがって、めっき液の液圧による電解質膜の変形を抑えつつ、電解質膜でスクリーンマスクを押圧することができる。さらに、枠体内において、スクリーンマスクで基材を覆うため、電解質膜の押圧によるスクリーンマスクの変形を抑えることができる。
本発明によれば、スクリーンマスクを用いた場合であっても、電解質膜による押圧時に、スクリーンマスクの損傷を抑えることができる。
本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の一例を示す模式的断面図である。 図1に示す成膜装置のマスク構造体と、クッション材と、金属皮膜が成膜された基材と、の配置関係を示した模式的斜視図である。 図2に示すA-A線に沿った部分的な拡大断面図である。 図3AのC部の拡大断面図である。 図1に示す成膜装置による成膜を説明するための模式的断面図である。 図4の要部断面図である。 図5AのC部の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る成膜装置を用いた、金属皮膜の成膜方法の一例を説明するフローチャートである。 変形例1に係る成膜方法に用いる成膜装置の模式的断面図である。 図7Aの成膜装置を用いた成膜方法を説明するための模式的断面図である。 変形例2に係る成膜方法に用いる成膜装置の模式的断面図である。 変形例3に係る成膜方法に用いる成膜装置の模式的断面図である。 変形例4に係る成膜方法に用いるクッション材を説明するための模式的断面図である。 変形例5に係る成膜方法に用いるクッション材を説明するための模式的断面図である。 変形例6に係る成膜方法に用いるクッション材を説明するための模式的断面図である。 変形例7に係る成膜方法に用いるクッション材を説明するための模式的断面図である。
まず、本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜方法に用いられる成膜装置1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の一例を示す模式的断面図である。
図1に示すように、成膜装置1は、電解質膜13と基材Bとの間にマスク構造体60を挟み込んだ状態で、電解めっきにより、所定のパターンPの金属皮膜Fを基材Bに成膜する成膜装置である。具体的には、成膜装置1は、陽極11と、電解質膜13と、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加する電源14と、を備える。
成膜装置1は、陽極11およびめっき液Lを収容した収容体15と、基材Bを載置する載置台40と、マスク構造体60と、を備える。成膜時に、マスク構造体60は、基材Bとともに載置台40に載置される。電解質膜13は、マスク構造体60と陽極11との間に配置される。
成膜装置1は、収容体15を昇降させる直動アクチュエータ70を備えている。本実施形態では、説明の便宜上、陽極11の下方に電解質膜13を配置し、さらにその下方にマスク構造体60および基材Bを配置することを前提としている。しかしながら、基材Bの表面に金属皮膜Fを成膜することができるのであれば、この位置関係に限定されるものではない。
基材Bは陰極として機能するものである。基材Bは、板状の基材である。本実施形態では、基材Bは、矩形状の基板である。基材Bの表面のうち、電解質膜13(スクリーンマスク62)に対向する対向面Baが、陰極として機能する成膜面である。基材Bは、その外周に側面Bbが形成されている。陰極(即ち導電性を有した表面)として機能するものであれば、基材Bの材料は特に限定されるものではない。基材Bは、例えば、アルミニウムや銅等の金属材料からなってもよい。金属皮膜Fから配線パターンを形成する際には、基材Bは、樹脂等の絶縁性基板の表面に、銅などの下地層が形成された基材を用いる。この場合には、金属皮膜Fの成膜後、金属皮膜Fが成膜された部分以外の下地層をエッチング等で除去する。これにより、絶縁性基板の表面に、金属皮膜Fによる配線パターンを形成することができる。
陽極11は、一例として、金属皮膜の金属と同じ金属からなる非多孔質(たとえば無孔質)の陽極である。陽極11は、ブロック状または平板状の形状を有する。陽極11の材料としては、例えば、銅などを挙げることができる。陽極11は、電源14の電圧の印加で溶解する。ただし、めっき液Lの金属イオンのみで成膜する場合、陽極11は、めっき液Lに対して不溶性の陽極である。陽極11は、電源14の正極に電気的に接続されている。電源14の負極は、載置台40を介して基材Bに電気的に接続されている。
めっき液Lは、成膜すべき金属皮膜の金属をイオンの状態で含有している液である。その金属の一例として、銅、ニッケル、金、銀、または鉄などを挙げることができる。めっき液Lは、これらの金属を、硝酸、リン酸、コハク酸、硫酸、またはピロリン酸などの酸で溶解(イオン化)した溶液である。該溶液の溶媒としては、一例として、水やアルコールなどが挙げられる。たとえば金属が銅の場合には、めっき液Lとしては、硫酸銅、ピロリン酸銅などを含む水溶液を挙げることができる。
電解質膜13は、めっき液Lに接触させることにより、めっき液Lとともに金属イオンを内部に含浸(含有)することが可能となる膜である。電解質膜13は、可撓性を有した膜である。電源14により電圧を印加したときに、めっき液Lの金属イオンが、基材B側に移動することができるものであれば、電解質膜13の材料は特に限定されない。電解質膜13の材料としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂などのイオン交換機能を有した樹脂等を挙げることができる。電解質膜13の膜厚は、20μmから200μmの範囲にあることが好ましい。より好ましくは、その膜厚は、20μmから60μmの範囲にある。
収容体15は、めっき液Lに対して不溶性の材料からなる。収容体15には、めっき液Lを収容する収容空間15aが形成されている。収容体15の収容空間15aには、陽極11が配置されている。収容空間15aの基材Bの側には、開口部15dが形成されている。収容体15の開口部15dは、電解質膜13で覆われている。具体的には、電解質膜13の周縁は、収容体15と枠体17とで挟持されている。これにより、収容空間15a内のめっき液Lを、電解質膜13で封止することができる。
図1および図4に示すように、直動アクチュエータ70は、電解質膜13とマスク構造体60が接離自在となるように、収容体15を昇降させる。本実施形態では、載置台40が固定されており、収容体15が直動アクチュエータ70により昇降する。直動アクチュエータ70は、電動式のアクチュエータであり、ボールねじ等(図示せず)によって、モータの回転運動を直動運動に変換する。ただし、電動式のアクチュエータの代わりに、油圧式または空気式のアクチュエータを用いてもよい。
収容体15には、めっき液Lを収容空間15aに供給する供給流路15bが形成されている。さらに、収容体15には、めっき液Lを収容空間15aから排出する排出流路15cが形成されている。供給流路15bおよび排出流路15cは、収容空間15aに連通する孔である。供給流路15bと排出流路15cとは、収容空間15aを挟んで形成されている。供給流路15bは、液供給管50に接続されている。排出流路15cは、液排出管52に流体的に接続されている。
成膜装置1は、液タンク90と、液供給管50と、液排出管52と、ポンプ80と、をさらに備える。図1に示すように、液タンク90には、めっき液Lが収容されている。液供給管50は、液タンク90と収容体15とを接続している。液供給管50には、ポンプ80が設けられている。ポンプ80は、液タンク90から収容体15へめっき液Lを供給する。液排出管52は、液タンク90と収容体15とを接続している。液排出管52には、圧力調整弁54が設けられている。圧力調整弁54は、収容空間15aのめっき液Lの圧力(液圧)を所定の圧力に調整する。
本実施形態では、ポンプ80を駆動させることにより、液タンク90から液供給管50内にめっき液Lが吸引される。吸引されためっき液Lは、供給流路15bから収容空間15aに圧送される。収容空間15aのめっき液Lは、排出流路15cを介して液タンク90へ戻される。このようにして、めっき液Lは、成膜装置1内を循環される。
さらに、ポンプ80の駆動を持続することにより、収容空間15aのめっき液Lの液圧を、圧力調整弁54で、所定の圧力に維持することができる。ポンプ80は、めっき液Lの液圧が作用した電解質膜13で、マスク構造体60を押圧するものである。ただし、電解質膜13でマスク構造体60を押圧することができるのであれば、押圧機構は特に限定されるものではない。ポンプ80の代わりに、めっき液Lを射出するピストンとシリンダで構成される射出機構であってもよい。
載置台40は、一例として、導電性の材料(例えば金属)から形成されている。載置台40には、第1凹部41と、第2凹部42と、が形成されている。第1凹部41は、基材Bを収容する凹部である。第2凹部42は、第1凹部41に基材Bを収容した状態で、マスク構造体60を収容する凹部である。なお、本発明でいう「凹部」は、第1凹部41に相当する。
図2は、図1に示す成膜装置1のマスク構造体60の模式的斜視図と、クッション材30と、金属皮膜Fが成膜された基材Bの模式的斜視図である。図3Aは、図2に示すA-A線に沿った部分的な拡大断面図であり、図3Bは、図3AのC部の拡大断面図である。
マスク構造体60は、枠体61と、スクリーンマスク62と、を備えている。スクリーンマスク62は、金属皮膜Fの所定のパターンPに応じた貫通部分68が形成されている。スクリーンマスク62は、メッシュ部分64とマスク部分65を備えている。スクリーンマスク62は、50μm~400μm程度の可撓性を有したマスクである。スクリーンマスク62は、枠体61に対して基材B側で枠体61に支持されている。
メッシュ部分64は、枠体61に固着されている。メッシュ部分64は、枠体61の開口を覆うように、所定の張力で張られている。メッシュ部分64は、格子状に複数の開口部64c、64c、…が形成されている。具体的には、図3Bに示すように、メッシュ部分64は、配向された複数の線材64a、64bが交差するように織り込まれた網目状の部分である。複数の線材64a、64a同士は間隔を空けて配列されており、これらに交差する複数の線材64b、64b同士は間隔を空けて配列されている。これにより、メッシュ部分64には、格子状に複数の開口部64c、64c、…が形成される。めっき液Lに対して耐食性を有するものであれば、線材64a、64bの材料は特に限定されるものではない。線材64a、64bの材料として、たとえば、ステンレス鋼など金属材料、またはポリエステルなどの樹脂材料などを挙げることができる。
マスク部分65は、メッシュ部分64の基材B側において、メッシュ部分64に固着されている。マスク部分65には、所定のパターンPに応じた貫通部分68が形成されている。マスク部分65は、電解質膜13からの押圧により、成膜時に基材Bに密着する部分である。基材Bに密着することができるのであれば、マスク部分65の材料は特に限定されるものではない。マスク部分65は、電解質膜13からの押圧により、圧縮弾性変形することが好ましい。たとえば、マスク部分65の材料として、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリイミド樹脂、または、ポリエステル樹脂などの樹脂材料を挙げることができる。所定のパターンPを有したスクリーンマスク62は、乳剤を用いた一般的なシルクスクリーンの製造技術で、製造可能である。したがって、スクリーンマスク62の製造方法の詳細な説明は、省略する。
枠体61は、スクリーンマスク62の周縁64dを、枠体61に対して基材B側(載置台40側)で支持している。具体的には、スクリーンマスク62の周縁64dは、枠体61に固着されている。本実施形態では、スクリーンマスク62は、矩形状の外形を有している。したがって、枠体61は、矩形の額縁状の形状を有する。マスク構造体60の形状を保持できるものであれば、枠体61の材料は特に限定されるものではない。たとえば、枠体61の材料として、ステンレス鋼などの金属材料、または熱可塑性樹脂などの樹脂材料を挙げることができる。枠体61は、たとえば、金属板を打ち抜き加工により形成されたものであり、1mmから3mm程度の厚さを有する。なお、図3A等では、説明の便宜上、枠体61の厚さを、実際の厚さよりも厚く描いている。
クッション材30は、基材Bを押圧する際に、基材Bの外縁部Bcに沿って配置されるものである。外縁部Bcは、スクリーンマスク62に対向する基材Bの対向面Baと、基材Bの側面Bbとにより形成される基材Bの縁部(エッジ部)である。
ここで、本発明でいう「外縁部に沿ってクッション材を配置する」とは、以下の(1)~(3)の場合がある。具体的には、(1)は、基材Bの対向面Baから基材Bの外縁部Bcに沿って、クッション材30を配置する場合である。本実施形態と後述する変形例1~3は、(1)の場合に相当する。この他にも、(2)は、側面Bbから基材Bの外縁部Bcに沿って、クッション材30を配置する場合である。後述する変形例6および変形例7が、(2)の場合に相当する。(3)は、(1)と(2)の場合を含む場合である。後述する変形例4および5が、(3)の場合に相当する。
図2および図3Aに示すように、クッション材30は、基材Bの外縁部Bcに沿って配置される。クッション材30には、矩形状の開口部31が形成されている。開口部31の内部には、所定のパターンPに応じた貫通部分68が配置される。基材Bを載置台40に載置すると、基材Bの側面Bbと、第1凹部41の側壁面41aとの間に隙間Sが形成される。クッション材30は、隙間Sを覆う大きさである。具体的には、クッション材30は、基材Bの対向面Baと載置台40の表面(対向面)40cとをわたすように配置される。
クッション材30は、基材Bの材料よりも軟質の弾性材料からなる。スクリーンマスク62の損傷を回避することができるものあれば、クッション材30の材料は特に限定されるものではない。クッション材30は、電解質膜13からの押圧(具体的にはクッション材30の押圧)により、圧縮弾性変形することが好ましい。たとえば、クッション材30の材料として、シリコーンゴム(PMDS)またはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などのゴム材料を挙げることができる。ゴム材料の硬度は、ショアA硬度で、HS100以下であることが好ましく、HS50以下であることがさらに好ましい。なお、「軟質の弾性材料」とは、たとえば、所定の規格の硬度計で測定して、相対的に硬度が低い材料であり、引張試験により、ヤング率が低い材料である。マスク部分65と基材Bとの密着性を考慮すると、クッション材30の厚さは、スクリーンマスクの厚さよりも薄いことが好ましい。クッション材30の材料は、マスク部分65の材料よりも、軟質の材料からなることが好ましい。
図1から図6を参照して、成膜装置1を用いた成膜方法について、説明する。まず、図6に示すように配置工程S1を行う。この工程では、基材Bを載置台40に配置する。具体的には、載置台40の第1凹部41に、基材Bを収容する。この際、収容体15に取り付けられた陽極11に対して基材Bのアライメントが調整され、基材Bの温度調整が行われてもよい。
この際、図3Aに示すように、基材Bの側面Bbと第1凹部41の側壁面41aとの間に隙間Sが形成される。そこで、配置工程S1では、図1および図3Aに示すように、クッション材30を、基材Bの外縁部Bcに沿って配置する。具体的には、クッション材30で、スクリーンマスク62側(電解質膜13側)から隙間Sを覆う。
次に、載置台40の第2凹部42に、マスク構造体60を収容し、スクリーンマスク62で、基材Bを覆う。クッション材30は、スクリーンマスク62と、基材Bの対向面Baに挟み込まれた状態となる。また、クッション材30は、スクリーンマスク62と、載置台40の対向面40aにも、挟み込まれた状態となる。
次に、押圧工程S2を行う。この工程では、電解質膜13に接触しためっき液Lの液圧によって、スクリーンマスク62を介して、電解質膜13で基材Bを押圧する。まず、直動アクチュエータ70を駆動させる。これにより、図1の状態から図4に示す状態まで、マスク構造体60に向かって、収容体15を下降させる。
次に、ポンプ80を駆動させる。これにより、収容体15の収容空間15aにめっき液Lが供給される。液排出管52には圧力調整弁54が設けられているため、収容空間15aのめっき液Lの液圧は、所定の圧力に維持される。この結果、図4に示すように、めっき液Lの液圧により、電解質膜13が、枠体61の内部空間69に向かって変形し、電解質膜13と基材Bとの間にスクリーンマスク62を挟み込むことができる。さらに、めっき液Lの液圧が作用した電解質膜13で、マスク構造体60を押圧することができる。
ここで、図4および図5Aに示すように、スクリーンマスク62の周縁62aは、枠体61に対して基材B側で、枠体61に支持されている。したがって、この押圧で、スクリーンマスク62を、基材Bの表面に密着させることができる。マスク部分65がゴム材料で形成されている場合、めっき液Lの液圧によって、マスク部分65が圧縮弾性変形し、マスク部分65と基材Bと間の密着性が向上する。
さらに、電解質膜13の押圧が持続されると、図5Aおよび図5Bに示すように、スクリーンマスク62に形成された貫通部分68に、めっき液Lにより膨潤した電解質膜13から染み出した染み出し液(めっき液)Laが充填される。
本実施形態では、基材Bを押圧する前に、基材Bの外縁部Bcに沿って、クッション材30を配置している。したがって、めっき液Lの液圧によって、スクリーンマスク62を介して、電解質膜13で基材Bを押圧すると、基材Bの外縁部Bcは、クッション材30を介してスクリーンマスク62で押圧される。クッション材30は、厚さ方向に弾性変形し、スクリーンマスク62の押圧力を吸収する。この結果、基材Bの外縁部Bcにより、スクリーンマスク62に応力集中することを回避し、スクリーンマスク62が損傷することを抑えることができる。
特に、基材Bを第1凹部41に収容した状態で、基材Bと載置台40との間に隙間Sが形成されることがある。この隙間Sが形成された状態で、スクリーンマスク62を介して、電解質膜13で基材Bを押圧すると、スクリーンマスク62が隙間Sに入り込みやすい。この結果、スクリーンマスク62が、第1凹部41の開口縁に接触し、スクリーンマスク62は損傷しやすい。しかしながら、クッション材30で隙間Sを覆うことにより、スクリーンマスク62がこの隙間Sに入り込むことを抑えることができる。この結果、スクリーンマスク62の損傷を抑えることができる。
次に、成膜工程S3を行う。この工程では、押圧工程S2における電解質膜13による押圧状態を維持し、金属皮膜Fの成膜を行う。具体的には、陽極11と、基材Bとの間に電圧を印加する。これにより、めっき液Lに含まれる金属イオンを電解質膜13に通過させる。電解質膜13を通過した金属イオンが、染み出し液Laを介して、基材Bの表面に移動し、金属イオンは、基材Bの表面で還元される。貫通部分68に充填された染み出し液Laは、電解質膜13により貫通部分68の内部に密封されているので、基材Bの表面に、所定のパターンの金属皮膜Fを成膜することができる(図2参照)。金属皮膜Fは、金属イオンに由来した膜である。
さらに、電解質膜13の押圧により、染み出し液Laは、均一に加圧されているので、均質な金属皮膜Fを成膜することができる。成膜後、収容体15内のめっき液Lを取り除き、収容体15を上昇させることにより、電解質膜13を基材Bから引き離し、基材Bを載置台40から取り出す。なお、金属皮膜Fにより配線を製造する際には、絶縁性の基材(絶縁性基板)Bの表面に形成された導電性の下地層をエッチングすればよい。
<変形例>
図7Aは、変形例1に係る成膜方法に用いる成膜装置の模式的断面図である。図7Bは、図7Aの成膜装置を用いた成膜方法を説明するための模式的断面図である。変形例1が、図1および図4に示す実施形態と相違する点は、マスク構造体60の構造と、載置台40の構造である。したがって、上述した実施形態と相違する点を説明し、同様の構成は、その詳細な説明を省略する。
図7Aに示すように、スクリーンマスク62の周縁62aは、枠体61に対して電解質膜13側で、枠体61に固着されている。したがって、枠体61の内部空間69は、載置台40側に開放されている。スクリーンマスク62は、上述した実施形態のものよりも大きく、載置台40の対向面40aをも覆っている。ただし、載置台40の対向面40aと接触する部分には、貫通部分68は形成されていない。載置台40には、枠体61を収容する凹溝43が形成されている。ただし、変形例1では、載置台40には、マスク構造体60を収容する第2凹部42は形成されていない。
以下に、この成膜装置1を用いた成膜方法を説明する。まず、配置工程S1において、基材Bを載置台40に配置する。具体的には、載置台40の第1凹部41に、基材Bを収容する。次に、クッション材30を、基材Bの外縁部Bcに沿って配置する。具体的には、クッション材30で、スクリーンマスク62側(電解質膜13側)から隙間Sを覆う。次に、スクリーンマスク62で、基材Bを覆う。このとき、マスク構造体60の枠体61を、載置台40の凹溝43に収容する。さらに、図7Bに示すように、枠体61と載置台40とをクランパー93で挟み込む。その後、同様に、押圧工程S2および成膜工程S3を行う。
この変形例1でも、上述した如く、クッション材30で、スクリーンマスク62の損傷を抑えることができる。この変形例1では、スクリーンマスク62の周縁は、枠体61に対して電解質膜13側で、枠体61に支持されている。したがって、図7Bに示すように、めっき液Lの液圧による電解質膜13の変形を抑えつつ、電解質膜13でスクリーンマスク62を押圧することができる。さらに、枠体61内において、スクリーンマスク62で基材Bを覆うため、電解質膜13の押圧によるスクリーンマスク62の変形を抑えることができる。
図8Aおよび図8Bは、変形例2および変形例3に係る成膜方法に用いる成膜装置の模式的断面図である。これら変形例では、マスク構造体60のスクリーンマスク62に、クッション材30が取り付けられている。上述した実施形態と相違する点を説明し、同様の構成は、その詳細な説明を省略する。
図8Aに示すように、変形例2では、マスク構造体60が、収容体15の枠体17に取り付けられている。スクリーンマスク62の周縁62aは、枠体61に対して電解質膜13側で、枠体61に固着されている。したがって、枠体61の内部空間69は、載置台40(基材B側)に開放している。クッション材30は、スクリーンマスク62に取り付けられている。基材Bを第1凹部41に収容した状態で、基材Bの対向面Baは、載置台40の対向面40aから突出している。これにより、スクリーンマスク62を、基材Bの対向面Baに均一に接触させることができる。
図8Bに示すように、この変形例3では、マスク構造体60が、収容体15の枠体17に取り付けられている。スクリーンマスク62の周縁62aは、枠体61に対して載置台40(基材B)側で、枠体61に固着されている。この変形例では、枠体61により、電解質膜13が、収容体15に取り付けられている。具体的には、枠体61と収容体15とで、電解質膜13の周縁を挟み込んでいる。これにより、枠体61を収容体15に取り付ける際に、電解質膜13も収容体15に取り付けることができる。ただし、上述した実施形態の如く、枠体17を用いて、電解質膜13を収容体15に取り付けてもよい。クッション材30は、スクリーンマスク62に対して載置台40側で、スクリーンマスク62に取り付けられている。なお、変形例3では、めっき液Lの液圧により、電解質膜13は、枠体61の内部空間69に向かって変形する。
以下に、これらの変形例2および変形例3に係る成膜装置1を用いた成膜方法を説明する。まず、配置工程S1において、基材Bを載置台40に配置する。具体的には、載置台40の第1凹部41に、基材Bを収容する。これらの変形例では、次に、収容体15を下降させる。これにより、スクリーンマスク62で、基材Bを覆う。この際に、スクリーンマスク62には、クッション材30が取り付けられている。したがって、スクリーンマスク62で基材Bの対向面Baを覆うとともに、クッション材30で、隙間Sを覆うことができる。さらに、スクリーンマスク62にはクッション材30が予め取り付けられているので、スクリーンマスク62に対して、クッション材30の位置ずれを防止することができる。
なお、変形例2では、めっき液Lの液圧により、電解質膜13は、ほとんど変形しない。これにより、繰り返しの使用による電解質膜13の弛み等を抑えることができる。
図9Aおよび図9Bは、変形例4および変形例5に係る成膜方法に用いるクッション材を説明するための模式的断面図である。これら変形例では、基材Bに、クッション材30が取り付けられている。上述した実施形態と相違する点を説明し、同様の構成は、その詳細な説明を省略する。
図9Aに示すように、変形例4では、基材Bの外縁部Bcに、クッション材30が取り付けられている。具体的には、基材Bの対向面Baの一部と、基材Bの側面Bbの一部が、クッション材30で覆われている。
載置台40には、基材Bを収容する第1凹部41が形成されている。図1に示す実施形態と同様に、載置台40に、マスク構造体60を収容する第2凹部が形成されていてもよい。基材Bを第1凹部41に収容した状態で、クッション材30は、基材Bの側面Bbと第1凹部41の側壁面41aとの間に形成された隙間Sを覆っている。変形例4では、基材Bを第1凹部41に収容した状態で、基材Bの対向面Baは、載置台40の対向面40aから突出している。これにより、スクリーンマスク62を、基材Bの対向面Baに均一に接触させることができる。
一方、図9Bに示すように、変形例5でも、基材Bの外縁部Bcに、クッション材30が取り付けられている。具体的には、基材Bの対向面Baの一部と、基材Bの側面Bbが、クッション材30で覆われている。基材Bを第1凹部41に収容した状態で、載置台40の対向面40aが、クッション材30の一部で覆われている。さらに、クッション材30の一部は、基材Bの側面Bbと第1凹部41の側壁面41aとの間に形成された隙間に、入り込む。
以下に、これらの変形例4および変形例5に係る成膜装置1を用いた成膜方法を説明する。まず、配置工程S1において、基材Bを載置台40に載置する前に、基材Bの外縁部Bcに沿って、クッション材30を基材Bに取り付ける。図9Aに示すように、変形例4では、クッション材30を基材Bに取り付けることにより、基材Bの外縁部Bcに沿った、基材Bの対向面Baと、基材Bの側面Bbとがクッション材30で覆われる。基材Bを、載置台40の第1凹部41に収容した状態で、隙間Sを覆うように、クッション材30が配置される。
さらに、図9Bに示すように、変形例5では、クッション材30を基材Bに取り付けることにより、クッション材30で、基材Bの外縁部Bcに沿った、基材Bの対向面Baと、基材Bの側面Bbとを覆う。次に、基材Bを載置する際に、第1凹部41の側壁面41aと、基材Bの側面Bbとの間に、クッション材30を挟み込みながら、第1凹部41に基材Bを収容する。挟み込まれたクッション材30の弾性変形により、基材Bを載置台40に固定することができる。
このように、変形例4では、クッション材30で、隙間Sを覆うことができるので、スクリーンマスク62の破損を防止することができる。変形例5では、基材Bと載置台40との間に隙間が無いので、スクリーンマスク62の破損を防止することができる。
これらの変形例では、クッション材30を基材Bに取り付けた状態で、基材Bを載置台40に載置することができる。このため、基材Bの載置時にクッション材30を同時に配置し、基材Bに対するクッション材30の位置ずれを防止することができる。さらに、変形例5では、第1凹部41の側壁面41aと、基材Bの側面Bbとの間に、クッション材30を挟み込んでいる。この結果、載置台40に対する基材の位置ずれを防止することができる。
図10Aおよび図10Bは、変形例6および変形例7に係る成膜方法に用いるクッション材を説明するための模式的断面図である。これら変形例では、載置台40に、クッション材30が取り付けられている。上述した実施形態と相違する点を説明し、同様の構成は、その詳細な説明を省略する。
図10Aおよび図10Bに示すように、変形例6および変形例7では、載置台40には、基材Bを収容する第1凹部41が形成されている。図1に示す実施形態と同様に、載置台40に、マスク構造体60を収容する第2凹部が形成されていてもよい。
変形例6および変形例7では、第1凹部41の側壁面41aに、クッション材30が取り付けられている。具体的には、図10に示すように、変形例6では、第1凹部41の側壁面41aが、クッション材30で覆われている。なお、クッション材30は、基材Bを収容した状態で、基材Bの対向面Baと載置台40の対向面40aから突出してもよい。図10Bに示すように、変形例7では、第1凹部41の開口縁41bに沿って、クッション材30が取り付けられている。具体的には、第1凹部41の側壁面41aと、載置台40の対向面40aとが、クッション材30で覆われている。
以下に、これらの変形例6および変形例7に係る成膜装置1を用いた成膜方法を説明する。まず、配置工程S1において、基材Bを載置台40に載置する前に、載置台40に、クッション材30を取り付ける。これらの変形例では、基材Bを載置する際に、第1凹部41の側壁面41aと、基材Bの側面Bbとの間に、クッション材30を挟み込みながら、基材Bを第1凹部41に収容する。挟み込まれたクッション材30の弾性変形により、基材Bを載置台40に固定することができる。
さらに、これらの変形例では、載置台40の側壁面41aに、クッション材30を取り付けることにより、クッション材30で、基材Bの側面Bb側から、基材Bの外縁部Bcに沿って、基材Bを覆うことができる。さらに、基材Bの側面Bbと載置台40の側壁面41aとの間の隙間Sが無いので、スクリーンマスク62が隙間に入り込むこがない。この結果、スクリーンマスク62の破損を防止することができる。
これらの変形例では、基材Bの載置時に、基材Bにクッション材30を同時に配置することができる。さらに、基材Bに対するクッション材30の位置ずれを防止することができるとともに、載置台40に対する基材Bの位置ずれを防止することができる。
本発明を以下の実施例により説明する。
[実施例]
成膜用の基材として、ガラス繊維製の布を重ねたものにエポキシ樹脂を含侵させたガラスエポキシ基板を準備した。このガラスエポキシ基板の表面には銅箔が形成されている。次に、図7Aに示す変形例に係る成膜装置を用いて銅皮膜を成膜した。クッション材には、厚さ0.1mmのシリコーンゴム(ショアA硬度 HS50度)を用いた。めっき液には、株式会社JCU製の硫酸銅水溶液(Cu-BRITE-SED)を用い、陽極にはCu板を使用した。電解質膜に、デュポン社のナフィオン(登録商標)を用いた。電成膜条件としては、めっき液の温度を42℃として、電流密度7A/dm、累積押圧時間500秒で、銅皮膜を成膜した。めっき液の液圧が0.6MPaおよび1MPaとなる2つの条件で、成膜を行った。
[比較例]
実施例と同じように銅皮膜を成膜した。実施例と異なる点は、クッション材を用いなかった点である。
成膜後の実施例および比較例の成膜装置に係る電解質膜の状態を確認した。2つの液圧条件いずれの場合にも、実施例に係るスクリーンマスクは損傷していなかった。一方、2つの液圧条件いずれの場合にも、比較例に係るスクリーンマスクは破れていた。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に係る成膜装置に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせても良い。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的態様によって適宜変更され得る。
1:成膜装置、30:クッション材、13:電解質膜、40:載置台、41:第1凹部、60:マスク構造体、61:枠体、62:スクリーンマスク、64:メッシュ部分、65:マスク部分、68:貫通部分、B:基材、Ba:対向面、Bc:外縁部、F:金属皮膜、L:めっき液

Claims (7)

  1. 基材を載置台に載置し、
    所定のパターンの貫通部分が形成されたスクリーンマスクで、前記基材を覆い、
    電解質膜に接触しためっき液の液圧によって、前記スクリーンマスクを介して、前記電解質膜で前記基材を押圧し、
    前記めっき液に接触した陽極と、前記基材との間に電圧を印加することにより、前記めっき液に含まれる金属イオンを前記電解質膜に通過させ、前記金属イオンに由来した金属皮膜を、前記所定のパターンで前記基材に成膜する金属皮膜の成膜方法であり、
    前記基材には、前記スクリーンマスクに対向する対向面と側面とにより、外縁部が形成されており、
    前記基材を押圧する前に、前記外縁部に沿って、クッション材を配置する、金属皮膜の成膜方法。
  2. 前記載置台には、前記基材を収容する凹部が形成されており、前記基材を載置する際に、前記凹部に、前記基材を収容し、
    前記クッション材を配置する際に、前記クッション材で、前記基材の前記側面と前記凹部の側壁面との間に形成された隙間を覆う、請求項1に記載の金属皮膜の成膜方法。
  3. 前記クッション材は、前記スクリーンマスクに取り付けられており、
    前記スクリーンマスクで、前記基材を覆う際に、前記クッション材で、前記隙間を覆う、請求項2に記載の金属皮膜の成膜方法。
  4. 前記基材を載置する前に、前記外縁部に沿って、前記クッション材を前記基材に取り付ける、請求項1に記載の金属皮膜の成膜方法。
  5. 前記載置台には、前記基材を収容する凹部が形成されており、
    前記クッション材を前記基材に取り付けることにより、前記クッション材で、前記基材の前記側面を覆い、
    前記基材を載置する際に、前記凹部の側壁面と、前記基材の側面との間に、前記クッション材を挟み込みながら、前記凹部に前記基材を収容する、請求項4に記載の金属皮膜の成膜方法。
  6. 前記載置台には、前記基材を収容する凹部が形成されており、
    前記凹部の側壁面には、前記クッション材が取り付けられており、
    前記基材を載置する際に、前記凹部の側壁面と、前記基材の側面との間に、前記クッション材を挟み込みながら、前記基材を前記凹部に収容する、請求項1に記載の金属皮膜の成膜方法。
  7. 前記スクリーンマスクの周縁は、枠体に電解質膜側で固着されており、
    前記枠体内において、前記スクリーンマスクで、前記基材を覆う、請求項1に記載の金属皮膜の成膜方法。
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