JP2024008416A - 金属皮膜の成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定のパターンに安定して成膜することができる金属皮膜の成膜方法を提供する。【解決手段】基材Bの表面にマスク30を配置し、電解液Lを収容する収容体15に形成された開口部15dを覆った電解質膜13を、マスク30に接触させる。電解質膜13をマスク30に接触させた状態で、収容体15に収容された電解液Lの液圧を上昇させることにより、貫通孔35を介して電解質膜13で基材Bを押圧する。電解質膜13で基材Bを押圧した状態で、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加し、金属皮膜を成膜する。この成膜方法では、マスク30を基材Bに配置してから、電解質膜13で基材Bを押圧するまでの間に、マスク30に基材Bに向かって、磁力などの押圧力を作用させ、マスク30を基材Bに密着させる。【選択図】図2

Description

本発明は、金属皮膜の成膜方法に関する。
従来から、基材の表面に部分的に金属を析出させて、所定のパターンの金属皮膜を成膜することが行われている。たとえば、特許文献1には、金属イオンを含む溶液を収容する収容体に形成された開口を覆うマスクと、マスクと離間して収容体に配置された導電部材と、マスクと基材との間に配置された電解質膜と、導電部材を陽極とし、基材を陰極として、導電部材と基材との間に電圧を印加する電源部と、を備える表面処理装置が記載されている。
この表面処理装置では、基材の表面に電解質膜を押圧した状態で、収容体に所定の液圧で収容された電解液が、マスクの貫通孔を通じて、該貫通孔の形状に応じた電解質膜の部分に浸透する。その後、電源部を用いて、導電部材と基材との間に電圧が印加される。これにより、電解質膜に含浸された金属イオンは、電解質膜に接触した基材に移動し、該基材の表面で還元される。この結果、基材の表面に、マスクの貫通孔の形状に応じて部分的に金属が析出され、基材の表面に金属皮膜が成膜される。
特開2016-108586号公報
ところで、基材の表面に部分的に金属を析出させて、所定のパターンの金属皮膜を成膜するとき、収容体の開口を覆うように該収容体に電解質膜を取り付け、該電解質膜と基材との間に、マスクを配置することもある。電解質膜をマスクの表面に接触させた状態で、収容体に収容された電解液の液圧を上昇させると、電解質膜でマスクの表面が押圧されるため、マスクは基材に押し付けられる。このとき、電解質膜は、マスキング板の貫通孔の領域で、該貫通孔の形状に倣い、基材の表面に接触する。
しかしながら、電解液の液圧を上昇させると、電解液に由来した液体が基材の側に滲み出す。マスクの貫通孔が、上記液体によって満たされると、収容体における電解液の液圧と、マスクの貫通孔における上記液体の液圧が等しくなることがある。この場合、電解質膜からマスクに加わる力が減少するため、基材にマスクを押し付ける力も減少する。この結果、成膜時、電解質膜を通じて基材の側に移動した金属イオンが、マスキング板と基材との間に入り込み、所望のパターンの金属皮膜を安定して成膜できないことが想定される。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定のパターンの金属皮膜を安定して成膜することができる金属皮膜の成膜方法を提供することである。
前記課題に鑑みて、本発明に係る金属皮膜の成膜方法は、金属イオンを含む電解液に接触した電解質膜と基材との間に、所定のパターンに応じた貫通孔が形成され、可撓性を有したマスクを配置した状態で、陽極と、陰極となる前記基材との間に電圧を印加し、前記電解質膜の内部に含有された前記金属イオンを還元することで、前記金属イオンに由来した金属皮膜を、前記所定のパターンで前記基材の表面に成膜する成膜方法であって、前記基材の表面に前記マスクを配置するマスク配置工程と、前記電解液を収容する収容体に形成された開口部を覆った前記電解質膜を、前記マスクに接触させる接触工程と、前記電解質膜を前記マスクに接触させた状態で、前記収容体に収容された前記電解液の液圧を上昇させることにより、前記貫通孔を介して前記電解質膜で前記基材を押圧する押圧工程と、前記電解質膜で前記基材を押圧した状態で、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、前記金属皮膜を成膜する成膜工程と、を含み、前記成膜方法は、少なくとも前記押圧工程前から前記成膜工程完了までの間、前記基材に向かって、前記液圧以外の外力を前記マスクに作用させることにより、前記マスクを前記基材に押し付けて、前記マスクを前記基材に密着させた状態を保持することを特徴とする。
本発明によれば、押圧工程において、収容体の開口部を覆った電解質膜を、マスクに接触させた状態で、電解液の液圧を上昇させることにより、マスクは基材に押し付けられる。このとき、電解質膜は、マスクの貫通孔の領域で、該貫通孔の形状に倣い、これにより、電解質膜が、基材の表面に接触する。このように、電解質膜をマスクに接触させた状態、かつ、電解液の液圧を上昇させた状態で、陽極と基材との間に電圧を印加することにより、基材の表面に、所定のパターンの金属皮膜が成膜される。
ここで、電解質膜をマスクに接触させた状態で、電解液の液圧を上昇させると、電解液に由来する液体が基材の側に滲み出す。しかしながら、本発明では、少なくとも押圧工程前から成膜工程完了までの間、基材に向かって、液圧以外の外力をマスクに作用させることにより、マスクを基材に押し付けて、マスクを基材に密着させた状態を保持する。これにより、収容体に収容された電解液の液圧を上昇させたとしても、マスクを基材に密着させ続けることができる。このため、電解質膜を通じて基材の側に移動した金属イオンが、電解質膜から染み出した液とともに、マスクと基材との間に入り込むことが回避され、所望のパターンの金属皮膜を成膜することができる。
より好ましい態様として、前記外力は、磁力であり、前記マスクによる前記基材の押し付けを前記磁力により行う。この態様によれば、磁力により、マスクを基材に押し付けて、マスクを基材に密着させた状態を継続的に保持することができる。さらに、磁力を消磁させれば、吸着したマスクを簡単に基材から取り外すことができる。
ここで、マスクに強磁性材料(たとえば、永久磁石の粉末)を含む樹脂材料を用い、基材に軟磁性材料を選択してもよいが、さらに好ましい態様として、前記マスクは、軟磁性材料を含み、前記磁力は、前記基材を載置する基台に設けられた電磁石の磁力である。
この態様によれば、マスクが軟磁性材料を含むので、基台に設けた電磁石を通電し、電磁石の磁力により軟磁性材を磁化させることができる。この結果、マスクを基材に吸着させることができる。さらに、電磁石の通電を停止することにより、電磁石の磁力を消滅させ、基材からマスクを簡単に取り外すことができる。
本発明によれば、所定のパターンの金属皮膜を安定して成膜することができる。
本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜方法に用いられる成膜装置の一例を示す模式的断面図である。 本実施形態の金属皮膜の成膜方法におけるマスクの密着を説明するための模式図である。 本実施形態の金属皮膜の成膜方法に係る成膜工程を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜方法の一例を説明するフローチャートである。 本実施形態の変形例に係る金属皮膜の成膜方法に用いられる成膜装置の一例を示す模式的断面図である。
まず、本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜方法に用いられる成膜装置1について説明する。
図1に示すように、成膜装置1は、陽極11と、電解質膜13と、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加する電源部14と、陽極11と金属イオンを含む電解液Lとを収容した収容体15と、を備える。収容体15には、クランパ17が取り付けられており、クランパ17は、開口部15dを覆った電解質膜13を収容体15に挟み込むことにより、電解質膜13を固定している。本実施形態において、マスク30は、基材Bに載置されており、電解質膜13は、マスク30と陽極11との間に配置される。成膜装置1は、基材Bを載置する基台40と、直動アクチュエータ70と、をさらに備えている。
図3に示すように、成膜装置1は、電解質膜13が基材Bに接触した状態で、電源部14を用いて陽極11と基材Bとの間に電圧を印加し、電解質膜13の内部に含有された金属イオンを還元することで、金属皮膜(図示せず)を基材Bの表面に成膜する装置である。
本実施形態では、説明の便宜上、陽極11の下方に電解質膜13を配置し、さらにその下方にマスク30および基材Bを配置することを前提として、成膜装置1の構成部材の位置関係を特定する。しかしながら、基材Bの表面に金属皮膜を成膜することができるのであれば、この位置関係に限定されるものではなく、たとえば、図1の成膜装置1の上下が反転していてもよい。たとえば、図1の成膜装置1の上下が反転した場合、マスク30は、クランパ17に固定されていてもよい。
基材Bは陰極として機能するものである。基材Bの材料は、陰極(即ち導電性を有した表面)として機能するものであれば特に限定されるものではない。基材Bは、例えば、アルミニウムや銅等の非磁性材料の金属材料からなってもよく、樹脂等の表面に、銅などの金属層が被覆されていてもよい。
基台40は、基材Bが電解質膜13に対向するように、収容体15の下方において基材Bを保持する。本実施形態では、基材Bの表面に、所定のパターンの貫通孔35が形成されたマスク30が載置されている。マスク30は、基材Bの表面に、所定のパターンの金属皮膜を成膜するためのものである。マスク30の構成については、後述する。
基台40は、一例として、導電性の材料(例えば金属)から形成されているが、本実施形態では、アルミニウム、ステンレス鋼などの非磁性材料からなる。この場合、電源部14の負極は、基台40に電気的に接続され、これにより、基材Bは、基台40を介して、電源部14の負極に電気的に接続される。
陽極11は、一例として、金属皮膜の金属と同じ金属からなる非多孔質(たとえば無孔質)の陽極であり、ブロック状または平板状の陽極である。陽極11の材料としては、例えば、銅などを挙げることができる。陽極11は、電源部14を用いて電圧を印加することにより溶解してもよいが、電解液Lのみで成膜するのであれば、陽極11は溶解しなくてもよい。陽極11は、例えば絶縁性の材料から形成された収容体15に取り付けられている。陽極11は、電源部14の正極に電気的に接続されている。
電解液Lは、成膜すべき金属皮膜の金属をイオンの状態で含有している液であり、その金属としては、一例として、銅、ニッケル、金、銀、または鉄などを挙げることができる。電解液Lは、これらの金属を、硝酸、リン酸、コハク酸、硫酸、またはピロリン酸などの酸で溶解(イオン化)した溶液である。該溶液の溶媒としては、一例として、水やアルコールなどが挙げられる。たとえば金属が銅の場合には、電解液Lとしては、硫酸銅、ピロリン酸銅などを含む水溶液を挙げることができる。
電解質膜13は、電解液Lに接触させることにより、金属イオンを内部に含浸(含有)することが可能となる膜であり、可撓性を有した膜である。電解質膜13は、電源部14により電圧を印加したときに基材Bの表面において金属イオンが還元され、金属イオン由来の金属が析出することができるのであれば、特に限定されるものではない。電解質膜13の材料としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂などのイオン交換機能を有した樹脂等を挙げることができる。
図1に示すように、収容体15には、陽極11および電解質膜13が取り付けられており、収容体15、陽極11、および電解質膜13によって、電解液Lを収容する収容空間15cが形成されている。収容体15には、基材Bの側に開口した開口部15dが形成されており、開口部15dを覆うように、収容体15には、電解質膜13が取り付けられている。図2に示すように、収容体15は、収容空間15cに収容された電解液Lが陽極11および電解質膜13に直接接触する構造となっている。収容体15は、電解液Lに対して不溶性の材料からなる。
図1に示すように、直動アクチュエータ70は、電解質膜13とマスク30が接離自在となるように、収容体15および基台40の少なくともいずれか一方を昇降させる。本実施形態では、基台40が固定されており、収容体15が直動アクチュエータ70により昇降する。直動アクチュエータ70は、収容体15の上部に設けられている。直動アクチュエータ70は、たとえば、電動式のアクチェータであり、ボールねじ等(図示せず)によって、モータの回転運動を直動運動に変換するものである。この直動アクチュエータ70により、基台40に対して収容体15を昇降させて、電解質膜13を、後述するマスク30に接離させることが可能になる。なお、収容体15を昇降させる装置としては、油圧式または空気式のシリンダなどであってもよい。
収容体15には、電解液Lを収容空間15cに供給する供給流路15aと、電解液Lを収容空間15cから排出する排出流路15bとが形成されている。供給流路15aおよび排出流路15bは、収容空間15cに連通する孔であり、収容空間15cを挟んで形成されている。供給流路15aは、後述する液供給管50に流体的に接続されており、排出流路15bは、後述する液排出管52に流体的に接続されている。
成膜装置1は、タンク85と、ポンプ80と、を備えている。図1に示すように、タンク85には電解液Lが収容されている。タンク85と収容体15には、電解液Lを収容体15に供給する液供給管50と、電解液Lを収容体15から排出する液排出管52が接続されている。
液供給管50には、タンク85から収容体15へ電解液Lを供給するポンプ80が設けられている。液排出管52には圧力調整弁54が設けられている。これにより、収容空間15cに収容された電解液Lの圧力(液圧)が所定の圧力を超えることが防止される。
ポンプ80を駆動することにより、タンク85から液供給管50内に電解液Lが吸引され、その電解液Lが、供給流路15aから収容空間15cに圧送される。収容空間15cで成膜時に使用された電解液Lは、排出流路15bを介してタンク85へ戻される。このとき、ポンプ80の回転を持続することにより、収容空間15cの電解液Lの液圧を所定の圧力に維持することができる。
図1および図2に示すように、マスク30は、基材Bの表面に載置され、電解質膜13と基材Bとの間に配置されており、可撓性を有している。マスク30の材料は、軟磁性材料を含むものであり、樹脂、ゴムをさらに含んでいてもよい。
マスク30に含まれる軟磁性材料として、鉄粉などの金属粉、鉄などの金属箔などを挙げることができる。マスク30に、鉄などの金属粉を含む場合には、金属粉を樹脂またはゴムに分散させたマスクであることが好ましい。これにより、後述する電磁石60により、マスク30に均一に磁力を付与することができる。なお、樹脂またはゴムに金属粉を分散させる場合には、樹脂またはゴムにより、金属粉同士のマスク30の厚さ方向の絶縁性を確保されることが好ましい。これにより、マスク30と基材Bとの導通を回避し、マスク30の表面に、電解液Lの金属が析出することを防止することができる。
さらに、マスク30に鉄などの金属箔を含む場合には、金属箔を金属の中間層として、樹脂またはゴムの絶縁層で挟み込んだマスクであってもよい。この他にも、金属箔を、基材B側に接触する表面層とし、樹脂またはゴムの絶縁層を、電解質膜13側に接触する表面層として含む二層以上の構造であってもよい。絶縁層と表面層との間には、可撓性を高めるための絶縁層とは別の樹脂またはゴムの中間層となる絶縁層が設けられていてもよく、金属層がさらに設けられていても良い。さらに、樹脂またはゴムの絶縁層に、鉄などの金属粉を分散させてもよい。
マスク30に用いられるゴムとしては、シリコーンゴム(PMDS)やエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を挙げることができ、マスク30は、フィルム状またはシート状であるため、これらのゴムを用いることにより、マスク30に可撓性と圧縮変形性を持たせやすく、マスク30を基材Bに密着させやすくなる。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、基台40には、基材Bに向かってマスク30に押圧力を作用させ、マスク30を基材Bに密着させる装置として、電磁石60が設けられている。これにより、マスク30に磁力を作用させて、マスク30を基材Bに密着させることができる。
電磁石60は、鉄などの軟磁性材料からなる鉄心61と、鉄心61に巻かれた電磁コイル62と、電磁コイル62に電流を通電する電源63と、を備えている。さらに、電磁石60は、電源63からの電流を通電および通電を遮断するスイッチ64と、電流から電磁コイル62に流れる電流の大きさを調整するコントローラ65と、を備えている。
図2に示すように、このような電磁石60を用いることにより、スイッチ64をONにすると、電源63から電流が電磁コイル62に流れ、鉄心61とマスク30との間で磁力F1が発生する。軟磁性材料を含むマスク30は、磁力F1で、基材Bに吸着する。一方、図1に示すように、スイッチ64をOFFにすると、電源63から電磁コイル62に流れる電流が遮断され、鉄心61からの磁力F1が消滅する。これにより、マスク30に作用する磁力F1も消滅し、マスク30を基材Bから簡単に取り外すことができる。
なお、マスク30に樹脂またはゴムを含むと、電磁石60による磁力F1で、マスク30は、厚さ方向に弾性変形するため、貫通孔35の形状も大きく変化するおそれがある。したがって、このような点を想定して、本実施形態では、電源63から流れる電流の量を調整するコントローラ65を設けている。これにより、たとえば、電磁石60による磁力F1で、マスク30が、厚さ方向に想定した変形量を超えて変形する場合にはコントローラ65で、電磁コイル62に流れる電流量を減少させ、電磁石60による磁力F1を減少させる。一方、図3に示すように、後述する成膜工程前に、マスク30と基材Bとの密着が十分でないと想定される場合には、コントローラ65で、電磁コイル62に流れる電流量を増加させ、電磁石60による磁力F1を増加させる。
次いで、成膜装置1を用いた成膜方法について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜方法の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS11で、基材Bの表面にマスク30を配置した後、マスク30とともに基材Bを基台40に配置する(マスク配置工程)。なお、基材Bを基台40に配置してから、マスク30を基材Bに配置してもよい。この際、収容体15に取り付けられた陽極11に対して基材Bのアライメントが調整され、基材Bの温度調整が行われてもよい。
次に、基材Bに向かってマスク30に外力を作用させ、マスク30を基材に密着させる(密着工程)。具体的には、ステップS12において、電磁石60の通電を開始し、外力として磁力F1を発生させる。図2に示すように、スイッチ64をONにすると、電源63から電流が電磁コイル62に流れ、鉄心61から磁力が発生する。この磁力により、軟磁性材料を含むマスク30は、磁力F1で、基材Bに吸着する。これにより、電解液Lの液圧で、マスク30と基材Bとを押圧する前に、磁力F1でマスク30を基材Bに吸着させることができる。
次に、ステップS13では、直動アクチュエータ70により、基台40に対して収容体15を下降させる。これにより、電解液Lを収容する収容体15の開口部15dを覆った電解質膜13を、マスク30に接触させる(接触工程)。なお、直動アクチュエータ70のストロークが所定の値に達したとき、収容体15の下降が停止する。
次に、ステップS14では、ポンプ80を駆動させることにより、収容体15の収容空間15cに電解液Lを収容する。ポンプ80によりタンク85から吸引された電解液Lが、液供給管50を介して、収容体15に供給される。液排出管52には圧力調整弁54が設けられているので、ポンプ80の回転を持続することにより、収容空間15cの電解液Lの液圧は、所定の圧力に維持される。
このようにして、電解質膜13をマスク30に接触させた状態で、収容体15に収容された電解液Lの液圧を上昇させると、電解質膜13に液圧が作用する。この液圧で、図3に示すように、電解質膜13は、マスク30の形状に倣い、押圧力F2で貫通孔35を介して電解質膜13で基材Bを押圧する(押圧工程)。たとえば、マスク30がシリコーンゴム(PMDS)やエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含む場合、電磁石による磁力F1と、電解液Lの液圧による電解質膜13の押圧力F2により、マスク30が圧縮変形し、マスク30と基材Bと間の密着性が向上する。
ここで、電解液Lの液圧を上昇させると、電解質膜13を通じて、基材Bの側に、電解液Lに由来する液体が滲み出す。しかしながら、本実施形態では、電磁石60により、基材Bに向かってマスク30に磁力F1を作用させ、マスク30を基材Bに密着させている。したがって、収容体15に収容された電解液Lの液圧を上昇させたとしても、マスク30を基材Bに密着させ続けることができる。この結果、マスク30と基材Bとの間に、電解液Lが浸入することを防止することができる。
次に、ステップS15に進む。ここでは、磁力でマスク30を基材Bに密着させた状態、かつ、電解液Lの液圧の上昇により、電解質膜13でマスク30とともに基材Bを押圧した状態で、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加し、金属皮膜を成膜する(成膜工程)。これにより、電解質膜13に含有された金属イオンは、電解質膜13に接触した基材Bの表面に移動して、この表面で還元される。この結果、基材Bの表面に金属が析出し、基材Bの表面に、マスク30のパターンに応じた金属皮膜が成膜される。
本実施形態では、電解液Lの液圧による押圧力F2ばかりでなく、マスク30に作用する磁力F1により、マスク30を基材Bに密着させている。したがって、電解質膜13を通じて基材の側に移動した金属イオンが、電解質膜13から染み出した液とともに、マスク30と基材Bとの間に入り込むことが回避され、所望のパターンの金属皮膜を安定して成膜することができる。
次に、ステップS16では、電圧印加の経過時間が所定の時間を経過していない場合、ステップS15に戻り、電源部14による電圧印加が継続され、成膜工程が続行される。他方、電圧印加の経過時間が所定の時間を経過している場合、ステップS17では、電源部14による電圧印加は終了される。基材Bの表面に対する金属皮膜の膜厚が十分であると判断されるためである。
次に、ステップS18では、ポンプ80の駆動が停止され、液圧による基材への押圧が解除される。ステップS19では、電磁石60の通電を停止する。具体的には、スイッチ64をOFFにすると、電源63から電磁コイル62に流れる電流が遮断され、鉄心61からの磁力F1が消滅する。
次に、ステップS20に進み、直動アクチュエータ70により、基台40に対し収容体15を上昇させて、電解質膜13を基材Bから離間させる。直動アクチュエータ70のストロークが所定の値に達したとき、収容体15の上昇は停止する。最後に、ステップS21では、基台40から基材Bを取り外すとともに、マスク30を基材Bから取り外す。以上のようにして、成膜装置1を用いた一連の成膜方法が終了する。
このように、本実施形態では、押圧工程前から成膜工程完了までの間、基材Bに向かって、液圧以外の外力(磁力F1)をマスク30に作用させることにより、マスク30を基材Bに押し付けて、マスク30を基材Bに密着させた状態を保持した。これにより、押圧工程で、電解液Lの液圧を上昇させて、成膜工程で成膜を行ったとしても、電解質膜13から金属イオンの移動とともに滲み出した液が、貫通孔35に入り込み、マスク30と基材Bとの間に浸入することを防止することができる。なお、本実施形態では、ステップS12において、基材Bへのマスク30の密着を開始したが、たとえば、ステップS13(接触工程)を行った後、ステップS14(押圧工程)を行う前に、基材Bへのマスク30の密着を開始してもよい。
<変形例>
図5は、本実施形態の変形例に係る金属皮膜の成膜方法に用いられる成膜装置の一例を示す模式的断面図である。図1~4では、電磁石60により、マスク30を基材Bに密着させたが、たとえば、図5に示すように、基材Bをマスク30とともに、押さえ部材90で押さえ付けてもよい。押さえ部材90を永久磁石にし、押さえ部材90を磁力で鉄製の基台40に固定して、基材Bをマスク30とともに、押さえ部材90と基台40との間に挟み込んでもよい。
この他にも、基材Bをマスク30とともに、押さえ部材90と基台40との間に挟み込んだ状態で、ネジまたはボルトなどの締結具を用いて、押さえ部材90を、基台40に固定してもよい。この固定の状態で、押さえ部材90と基台40との間に、隙間を設けて、締結具の締め込みにより、基材Bをマスク30とともに、押さえ部材90で押さえ付けてもよい。これにより、マスク30に外力を作用させ、マスク30を基材Bに密着させることができる。
本発明を以下の実施例により説明する。
[実施例1]
成膜用の基材として、ガラス繊維製の布を重ねたものにエポキシ樹脂を含侵させて成るガラスエポキシ基板(味の素製ABF基板)を準備した。このガラスエポキシ基板の表面には銅箔が形成されている。次に、図1および図2に示す実施形態に係る成膜装置を用いて銅皮膜を成膜した。この際、基材の表面に、図3に示す実施形態に係るマスクを載置した。マスクは、鉄粉を含有したシリコーンゴムから形成されている。電解液には、株式会社JCU製の硫酸銅水溶液(Cu-BRITE-SED)を用い、陽極にはCu板を使用した。成膜条件としては、電磁石により、マスクを基材に密着させた状態で、電解液の温度を42℃として、電解液の液圧0.6MPa、電流密度7A/dm、成膜面積25cm、累積成膜時間388秒で、10μmの銅皮膜を成膜した。
[実施例2]
実施例1と同じように、銅皮膜を成膜した。実施例と相違する点は、図1に示す電磁石を用いる代わりに、図5に示す押え部材90を用いて、マスクに外力を作用させて、マスクを基材に密着させた点である。
[比較例1]
実施例と同じように銅皮膜を成膜した。実施例1および2と異なる点は、磁力等の外力により、マスクを基材に密着させなかった点である。
<成膜状態の確認>
上述のようにして成膜された基材に対し、所望のパターンの金属皮膜が形成されたか否かを確認するため、基材の表面を電子顕微鏡により観察した。実施例1および2では、金属皮膜は、マスクの貫通孔の輪郭と一致するシャープな輪郭を示した(滲みなし)。これに対し、比較例では、所望のパターンの金属皮膜が形成されていない場合、該金属皮膜は、マスクの貫通孔の輪郭と一致しなかった(滲みあり)。
(結果および考察)
実施例1、2では、マスクに外力を作用させて、マスクを基材に密着させた状態で、成膜することにより、所望のパターンの金属皮膜を成膜することができた(滲みなし)と考察される。比較例1では、マスクに外力を作用させなかったことにより、マスクと基材の間に、電解質膜の染み出し液が流れ込み、所望のパターンの金属皮膜を成膜することができなかったと考察される。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
なお、本実施形態では、電磁石を用いて磁力の発生と消滅を制御した。この他にも、たとえば、2枚の板状の永久磁石を重ね合わせ、同じ極が重なるように一方の永久磁石のみを回転させることで、磁力を発生させ、さらに、異なる極が重なるように一方の永久磁石のみを回転させることで磁力を消滅させる機構を、基台に設けてもよい。
11:陽極、13:電解質膜、15:収容体、15d:開口部、30:マスク、35:貫通孔、60:電磁石、B:基材、L:電解液

Claims (3)

  1. 金属イオンを含む電解液に接触した電解質膜と基材との間に、所定のパターンに応じた貫通孔が形成され、可撓性を有したマスクを配置した状態で、陽極と、陰極となる前記基材との間に電圧を印加し、前記電解質膜の内部に含有された前記金属イオンを還元することで、前記金属イオンに由来した金属皮膜を、前記所定のパターンで前記基材の表面に成膜する成膜方法であって、
    前記基材の表面に前記マスクを配置するマスク配置工程と、
    前記電解液を収容する収容体に形成された開口部を覆った前記電解質膜を、前記マスクに接触させる接触工程と、
    前記電解質膜を前記マスクに接触させた状態で、前記収容体に収容された前記電解液の液圧を上昇させることにより、前記貫通孔を介して前記電解質膜で前記基材を押圧する押圧工程と、
    前記電解質膜で前記基材を押圧した状態で、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、前記金属皮膜を成膜する成膜工程と、を含み、
    前記成膜方法は、少なくとも前記押圧工程前から前記成膜工程完了までの間、前記基材に向かって、前記液圧以外の外力を前記マスクに作用させることにより、前記マスクを前記基材に押し付けて、前記マスクを前記基材に密着させた状態を保持することを特徴とする金属皮膜の成膜方法。
  2. 前記外力は、磁力であり、前記マスクによる前記基材の押し付けを前記磁力により行うことを特徴とする請求項1に記載の金属皮膜の成膜方法。
  3. 前記マスクは、軟磁性材料を含み、前記磁力は、前記基材を載置する基台に設けられた電磁石の磁力であることを特徴とする請求項2に記載の金属皮膜の成膜方法。
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