JP2024062383A - 成形加工用包装材、包装ケース及び蓄電デバイス - Google Patents

成形加工用包装材、包装ケース及び蓄電デバイス Download PDF

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圭太郎 川北
Keitaro Kawakita
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Abstract

【課題】高い突き刺し強度を有する成形加工用包装材及び包装ケース、並びに当該包装材を用いた蓄電デバイスを提供すること。【解決手段】成形加工用包装材1Aは、金属箔層2と、金属箔層2の外面側に配置された耐熱性樹脂層3と、金属箔層2の内面側に配置された熱融着性樹脂層4とを備えるとともに、金属箔層2と耐熱性樹脂層3の間に外側接着剤層5が設けられ、且つ金属箔層2と熱融着性樹脂層4の間に内側接着剤層6Rが設けられている。内側接着剤層6Rは内側補強剤を含有している。内側補強剤として以下の要件1及び2を満たす内側補強粒子が用いられている。要件1:内側補強粒子の個数平均径が0.01μm~3μmの範囲である。要件2:内側補強粒子の比表面積が1m2/g以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、成形加工用包装材、包装ケース及び蓄電デバイスに関する。なお、この包装材は、例えば、非定置型(ノートパソコン、携帯電話機、車載用など)や定置型の蓄電デバイス(リチウムイオン電池など)の包装材として用いられ、また食品や医薬品の包装材として用いられる。
ここで本明細書及び特許請求の範囲では、説明の便宜上、内側接着剤層に含有される補強剤及び補強粒子を内側補強剤及び内側補強粒子といい、外側接着剤層に含有される補強剤及び補強粒子を外側補強剤及び外側補強粒子という。
さらに、本明細書及び特許請求の範囲において、各種物性値(比表面積、引張破断強度、引張破断伸びなど)は、文中に特に明示する場合を除き、室温での値である。
様々な蓄電デバイスのうち、例えば、モバイル機器(例:スマートフォン、タブレット、ノートパソコン)に使用されるリチウムイオン電池において、その電池本体は包装材で包装されている。この包装材として、例えば、金属箔の内面及び外面にそれぞれ樹脂フィルムが積層された金属-樹脂ラミネート材からなる包装材が使用されている。この包装材には電池本体を収容するための空間を形成するため絞り加工(例:深絞り成形加工、張出し成形加工)等の所定の成形加工が施される。
この種の電池には一般に薄型化及び軽量化が要求されている。この要求に応えるために包装材において金属箔及び各樹脂フィルムを薄くすると、包装材の成形加工時にピンホールの発生確率が高くなり、一方、ピンホールの発生を抑制するために成形加工深さを浅くすると、電池の大容量化に対応することが困難になる。しかも、樹脂フィルムが薄くなると、包装材の突き刺し強度の低下を招き、外部からの衝撃による電池の破袋が起きやすくなる。
上述したモバイル機器用リチウムイオン電池をはじめとする非定置型(移動型、持ち運び型など)の蓄電デバイスに用いられる包装材は、定置型の蓄電デバイスに用いられるものと比べて、衝撃、振動、外圧等の外力によって破損する可能性が高い。そのため、金属-樹脂ラミネート材からなる包装材にも外力に耐えうる機械強度、特に耐突き刺し性に優れたものが求められる。
包装材の突き刺し強度を高めるため、特許文献1は、包装材の外側層として二軸延伸ポリエステルや二軸延伸ポリアミドフィルムを用いることを開示している。また、特許文献2は、包装材の内側層として、ブロック共重合ポリプロピレンを含有した中間層の内外両面にそれぞれランダム共重合ポリプロピレンを含有した被覆層が積層一体化されてなる熱融着性樹脂フィルムを用いることを開示している。その他に、包装材の突き刺し強度を高めることを開示した文献として例えば特許文献3がある。
特開2022-50325号公報(段落[0022]等) 特開2015-143107号公報(段落[0028]等) 特開2020-161326号公報
近年、リチウムイオン電池等の蓄電デバイスの大容量化に伴い、蓄電デバイスの安全性が益々重要視されており、そのため、包装材にはより一層の高い突き刺し強度が要求されつつある。
本発明は上述した技術背景に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、高い突き刺し強度を有する成形加工用包装材及び包装ケース、並びに当該包装材を用いた蓄電デバイスを提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
1) 金属箔層と、前記金属箔層の外面側に配置された耐熱性樹脂層と、前記金属箔層の内面側に配置された熱融着性樹脂層とを備えるとともに、前記金属箔層と前記耐熱性樹脂層の間に外側接着剤層が設けられ、且つ前記金属箔層と前記熱融着性樹脂層の間に内側接着剤層が設けられた成形加工用包装材であって、
前記内側接着剤層は内側補強剤を含有しており、
前記内側補強剤として以下の要件1及び2を満たす内側補強粒子が用いられている成形加工用包装材。
要件1:前記内側補強粒子の個数平均径が0.01μm~3μmの範囲である。
要件2:前記内側補強粒子の比表面積が1m/g以上である。
2) 前記内側接着剤層は、内側接着剤と前記内側補強剤を含有する内側接着剤組成物の硬化膜からなり、
前記内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL1とし、
前記内側接着剤を含有し前記内側補強剤を含有しない内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL1とするとき、
前記L1は次の関係式1を満たしている前項1記載の成形加工用包装材。
15%≦{(L1-L1)/L1}×100%≦250% …(式1)。
3) 前記内側接着剤層は、前記金属箔層と前記熱融着性樹脂層の間に2g/m~10g/mの範囲の塗布量で設けられており、
前記内側接着剤層における前記内側補強剤の含有量が0.2g/m~1.0g/mの範囲である前項1又は2記載の成形加工用包装材。
4) 前記外側接着剤層は外側補強剤を含有しており、
前記外側補強剤として以下の要件3及び4を満たす外側補強粒子が用いられている前項1~3のいずれかに記載の成形加工用包装材。
要件3:前記外側補強粒子の個数平均径が0.01μm~3μmの範囲である。
要件4:前記外側補強粒子の比表面積が1m/g以上である。
5) 前記外側接着剤層は、外側接着剤と前記外側補強剤を含有する外側接着剤組成物の硬化膜からなり、
前記外側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL2とし、
前記外側接着剤を含有し前記外側補強剤を含有しない外側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL2とするとき、
前記L2は次の関係式2を満たしている前項4記載の成形加工用包装材。
15%≦{(L2-L2)/L2}×100%≦250% …(式2)。
6) 前項1~5のいずれかに記載の成形加工用包装材が深絞り成形加工又は張出し成形加工されて形成された包装ケース。
7) 蓄電デバイス本体と前記蓄電デバイス本体を包装した包装ケースとを具備する蓄電デバイスであって、
前記包装ケースとして、前項6記載の包装ケースを備えている蓄電デバイス。
本発明は以下の効果を奏する。
前項1では、内側補強粒子が上記要件1を満たすことにより、内側接着剤層における破断パスが長くなり、内側接着剤層の破断強度(引張破断強度など)及び破断伸び(引張破断伸びなど)が向上する。さらに、内側補強粒子が上記要件2を満たすことにより、内側補強粒子と内側接着剤分子との相互作用が大きくなり、内側接着剤層の破断強度が更に向上する。そのため、包装材の突き刺し強度を高めることができる。
前項2では、内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びL1が上記関係式1を満足することにより、包装材において内側接着剤層は金属箔層の変形に対して高い追随性を有する。そのため、包装材の突き刺し強度を確実に高めることができる。
前項3では、内側接着剤層が耐熱性樹脂層と金属箔層の間に2g/m~10g/mの範囲の塗布量で設けられており、内側接着層における内側補強剤の含有量が0.2g/m~1.0g/mの範囲であることにより、内側接着剤層の破断強度及び破断伸びが確実に向上する。そのため、包装材の突き刺し強度を確実に高めることができる。
前項4では、外側補強粒子が上記要件3を満たすことにより、外側接着剤層における破断パスが長くなり、外側接着剤層の破断強度(引張破断強度など)及び破断伸び(引張破断伸びなど)が向上する。さらに、外側補強粒子が上記要件4を満たすことにより、外側補強粒子と外側接着剤分子との相互作用が大きくなり、外側接着剤層の破断強度が更に向上する。そのため、包装材の突き刺し強度を更に高めることができる。
前項5では、外側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びL2が上記関係式2を満足することにより、包装材において外側接着剤層は金属箔層の変形に対して高い追随性を有する。そのため、包装材の突き刺し強度を確実に高めることができる。
前項6では、高い突き刺し強度を有する包装ケースを提供できる。
前項7では、蓄電デバイスは前項6記載の包装ケースを備えているので、衝撃、振動、外圧等の外力に対して高い耐久性を有している。
図1は本発明の第1実施形態に係る成形加工用包装材の概略断面図である。 図2は本発明の第2実施形態に係る成形加工用包装材の概略断面図である。 図3は本発明の第3実施形態に係る成形加工用包装材の概略断面図である。 図4は本発明の第4実施形態に係る成形加工用包装材の概略断面図である。 図5は本発明の第5実施形態に係る成形加工用包装材の概略断面図である。 図6は本発明の一実施形態に係る蓄電デバイスの概略断面図である。 図7は同蓄電デバイスを分解して示す概略斜視図である。
本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る成形加工用包装材1Aは内面1a及び外面1bを有するものである。
この包装材1Aは、基本的には、金属箔層2と、金属箔層2の外面側に配置された耐熱性樹脂層3と、金属箔層2の内面側に配置された熱融着性樹脂層4とを積層状に備えるとともに、金属箔層2と耐熱性樹脂層3の間に外側接着剤層5が設けられ、且つ金属箔層2と熱融着性樹脂層4の間に内側接着剤層6Rが設けられた積層体からなる。これらの層は積層状態で接合(接着)一体化されている。
熱融着性樹脂層4は包装材1Aの内面1aに配置されており、したがって包装材1Aの内面1aは熱融着性樹脂層4の内面からなる。耐熱性樹脂層3は包装材1Aの基材層とも呼ばれており、包装材1Aの金属箔層2よりも外面1b側に配置されている。
金属箔層2の内面及び外面のうち少なくとも一方の面には金属箔層2の耐食性を高めるための化成皮膜2aが形成されている。本第1実施形態では金属箔層2の内面及び外面にそれぞれ化成皮膜2a、2aが形成されている。各化成皮膜2aは、金属箔の表面に化成処理が施されて形成されたものである。
包装材1Aは、図6及び7に示すように例えば、電池デバイス等の蓄電デバイスの包装に用いられるものである。蓄電デバイスは具体的には例えばリチウムイオン電池30である。
蓄電デバイスとしてのリチウムイオン電池30は、図7に示すように、蓄電デバイス本体としてのリチウムイオン電池本体31と、電池本体31を包囲した状態に収容する包装ケース20とを具備する。包装ケース20は、上方に開口した容器状の包装ケース本体21と、包装ケース本体21の開口を閉塞する平板状の蓋体22とを、包装ケース20の構成部材として備えている。
包装ケース本体21は、包装材1Aがその内面1aが内側に向くように深絞り成形加工又は張出し成形加工されて容器状に形成されたものである。すなわち、包装ケース本体21は包装材1Aの深絞り成形加工品又は張出し成形加工品からなる。
包装ケース本体21の内面1aにおける中央部には電池本体31を収容する凹所21bが設けられている。包装ケース本体21の外周部に配置された側壁21cの上端には外側に突出したフランジ部21aが接合予定部として設けられている。
蓋体22は、包装材1Aが成形加工されないで平坦な状態で用いられたものであり、蓋体22の外周部22aが蓋体22の接合予定部である。
電池30では、包装ケース本体21の凹所21bに電池本体31が収容配置された状態で蓋体22がその内面1aを電池本体31側(下側)に向けて包装ケース本体21上に配置されており、そして包装ケース本体21のフランジ部21aの熱融着性樹脂層4と蓋体22の外周部22aの熱融着性樹脂層4とがヒートシールにより密封状態に熱融着(接合)されており、これにより図6に示すように電池本体31が包装ケース20内に収容された状態の電池30が構成されている。
なお図6中の符号「23」は、包装ケース本体21のフランジ部21aの熱融着性樹脂層4と蓋体22の外周部22aの熱融着性樹脂層4とのヒートシール部(熱融着部)である。
電池本体31に接続されたタブリード(図示せず)は一般に電池本体31からヒートシール部23を通って包装ケース20の外側に導出される。
次に、本第1実施形態の包装材1Aの構成及び包装材1Aの製造方法について以下に詳しく説明する。
(耐熱性樹脂層)
耐熱性樹脂層3は例えば耐熱性樹脂フィルムからなる。耐熱性樹脂層(耐熱性樹脂フィルム)3の種類は限定されるものではなく、耐熱性樹脂層3として、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が用いられ、好ましくはこれらの延伸フィルムが用いられる。中でも、耐熱性樹脂層3としては、成形加工性および強度に優れている点で、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたは二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いることが好ましい。
さらに、耐熱性樹脂層3として、突き刺し強度と成形加工性に優れている点で、二軸延伸ポリアミドフィルムを用いることが特に好ましい。ポリアミドフィルムの種類は限定されるものではなく、ポリアミドフィルムとして、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。
耐熱性樹脂層3の厚さは限定されるものではないが、9μm~50μmの範囲であることが好適である。耐熱性樹脂層3としてポリエステルフィルムを用いる場合にはその厚さは9μm~50μmの範囲であることが好適であり、ポリアミドフィルムを用いる場合にはその厚さは10μm~50μmの範囲であることが好適である。厚さが上記の好適な範囲の下限以上であることにより包装材1Aとして十分な強度を確実に確保できるとともに、厚さが上記の好適な範囲の上限以下であることにより深絞り成形加工及び張出し成形加工の際に包装材1Aに作用する加工応力を確実に小さくすることができて包装材1Aの成形加工性を確実に向上させることができる。
(熱融着性樹脂層)
熱融着性樹脂層4は、リチウムイオン電池等の蓄電デバイス30で用いられる腐食性の強い電解液などに対して優れた耐薬品性を包装材1Aに具備させるとともに、包装材1Aにヒートシール性を付与する役割を担う層である。
熱融着性樹脂層4は例えば熱融着性樹脂フィルムからなる。熱融着性樹脂層(熱融着性樹脂フィルム)4の種類は限定されるものではなく、熱融着性樹脂層4として好ましくは熱融着性樹脂未延伸フィルムを用いることがよい。熱融着性樹脂未延伸フィルムとしては、耐薬品性及びヒートシール性に優れている点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマーからなる群より選択される少なくとも1種の熱融着性樹脂からなる未延伸フィルムを用いることが好ましい。特に、突き刺し強度に優れている点で、ブロック共重合ポリプロピレンを含有してなる中間層の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化された三層共押しポリプロピレンフィルムを用いることが好適である。なお、未延伸三層共押しポリプロピレンフィルムの層厚比は限定されるものではないが、エチレン-プロピレンランダム共重合体(rPP):エチレン-プロピレンブロック共重合体(bPP):エチレン-プロピレンランダム共重合体(rPP)=1~1.5:7~8:1~1.5の範囲であることが好ましい。
熱融着性樹脂層4の厚さは限定されるものではないが、20μm~80μmの範囲であることが好ましい。厚さが20μm以上であることにより成形加工品にピンホールが発生するのを確実に抑制することができる。厚さが80μm以下であることにより樹脂使用量を確実に低減できて包装材1Aの製造コストの低減を確実に図りうる。中でも、熱融着性樹脂層4の厚さは30μm~50μmの範囲であることが特に好ましい。
(金属箔層)
金属箔層2は、包装材1Aに酸素及び水分の侵入を抑制するガスバリア性を付与する役割を担う層である。
金属箔層2は例えば金属箔からなる。金属箔層2の種類は限定されるものではなく、金属箔層2として、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔等が用いられ、一般的にアルミニウム箔が用いられる。アルミニウム箔として特に0.7質量%~1.7質量%のFeを含有するAl-Fe系合金箔は、優れた強度と展延性を有し、良好な成形加工性を得られる。
金属箔層2の厚さは限定されるものではなく、好ましくは20μm~100μmの範囲であることがよい。厚さが20μm以上であることにより金属箔を製造する際の圧延時においてピンホールの発生を確実に抑制することができる。厚さが100μm以下であることにより深絞り成形加工及び張出し成形加工の際に包装材1Aに作用する加工応力を確実に小さくすることができて包装材1Aの成形加工性を確実に向上させることができる。
(金属箔層の化成皮膜)
化成皮膜2aは、金属箔層2の耐食性を向上させるための膜(層)であり、例えば、金属箔層2を構成する金属箔の表面にクロメート処理、ジルコニウム化合物などを用いたノンクロム型化成処理を施すことによって形成することができる。例えば、クロメート処理の場合は、脱脂処理を行った金属箔の表面に下記1)~3)のいずれかの混合物の水溶液を金属箔の表面に塗工した後乾燥させる。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂のうちのいずれかと、クロム酸およびクロム(III)塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂のうちのいずれかと、クロム酸およびクロム(III)塩のうちの少なくとも一方と、フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩のうちの少なくとも一方と、の混合物。
化成皮膜2aのクロム付着量は限定されるものではないが、金属箔の片面で0.1mg/m~50mg/mの範囲であることが好ましく、特に2mg/m~20mg/mの範囲であることが好ましい。化成皮膜2aの厚さは限定されるものではなく、好ましくは0.001μm~0.1μmの範囲であることがよい。このようなクロム付着量又は厚さの化成皮膜2aであることにより金属箔層2の耐食性を確実に高めることができる。
本第1実施形態では上述したように化成皮膜2aは金属箔層2の内面及び外面にそれぞれ形成されているが、本発明ではその他に化成皮膜2aは金属箔層2の内面及び外面のいずれか一方だけに形成されていてもよい。
(外側接着剤層)
外側接着剤層5は、金属箔層2と金属箔層2の外面側に配置された層との接合を担う層であり、本第1実施形態では金属箔層2(詳述すると金属箔層2の外面化成皮膜2a)と耐熱性樹脂層3との接合を担う層である。
外側接着剤層5は、外側接着剤を含有する外側接着剤組成物の硬化膜からなる。本第1実施形態ではこの外側接着剤組成物は外側補強剤を含有していない。
以下では、外側接着剤と外側補強剤を含有する外側接着剤組成物と、外側接着剤を含有し外側補強剤を含有しない上述のような外側接着剤組成物とを区別するため、前者を「外側補強剤含有外側接着剤組成物」、後者を「外側補強剤非含有外側接着剤組成物」ともいう。したがって、本第1実施形態では外側接着剤層5は外側補強剤非含有外側接着剤組成物の硬化膜からなる。
外側接着剤の種類は限定されるものではなく、外側接着剤として、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などが用いられる。
さらに、外側接着剤は、ドライラミネート用接着剤(例:ウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤)として用いられるものであることが好ましい。具体的には、そのような外側接着剤として、例えば、外側接着剤の主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂を含む接着剤が用いられる。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸およびジアルコールを原料とする共重合体であり、好ましい材料および組成は以下のとおりである。
ジカルボン酸として、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸との両方を用いることが好ましい。また、脂肪族ジカルボン酸のメチレン鎖のメチレン数の奇偶は樹脂の結晶性に影響を及ぼす因子であり、偶数のメチレンを有するジカルボン酸は結晶性の高い硬い樹脂を生成するので、ジカルボン酸として偶数のメチレンを有する脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。メチレン数が偶数の脂肪族ジカルボン酸として、コハク酸(メチレン数2)、アジピン酸(メチレン数4)、スベリン酸(メチレン数6)及びセバシン酸(メチレン数8)を例示できる。
芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及び無水フタル酸を例示できる。
また、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸との合計量に対する芳香族ジカルボン酸の含有率を40モル%~80モル%の範囲とすること、換言すると、脂肪族ジカルボン酸の含有率を20モル%~60モル%の範囲にとどめることが好ましい。この場合、接着強度が高く且つ成形加工性の良い樹脂を生成し、成形加工性が良く側壁の高い包装ケースへの成形加工が可能であり、且つ金属箔層2と耐熱性樹脂層3との層間剥離を確実に抑制しうる包装材となし得る。また、芳香族ジカルボン酸の含有率が40モル%以上であることにより、膜物性の低下による凝集剥離を確実に抑制でき、ひいては層間剥離を確実に抑制できる。芳香族ジカルボン酸の含有率が80%以下であることにより、樹脂の硬化による密着性能の低下を確実に抑制できる。特に好ましい芳香族ジカルボン酸の含有率は50モル%~70モル%の範囲である。
ジアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、及び2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールを例示できる。
ポリエステル樹脂の分子量は限定されるものではなく、好ましくは、数平均分子量(Mn)を8,000~25,000の範囲、重量平均分子量(Mw)を15,000~50,000の範囲にそれぞれ規定し、さらにこれらの比率(Mw/Mn)を1.3~2.5の範囲とすることがよい。数平均分子量(Mn)が8,000以上であり、重量平均分子量(Mw)が15,000以上であることにより、適性な塗膜強度と耐熱性が確実に得られる。数平均分子量(Mn)が25,000以下であり、重量平均分子量(Mw)が50,000以下であることにより、硬くなり過ぎずに適性な塗膜伸びが確実に得られる。また、これらの比率(Mw/Mn)が1.3~2.5の範囲であることにより、適性な分子量分布となり接着剤塗布適性(分布が広い)と性能(分布が狭い)のバランスを確実に保つことができる。ポリエステル樹脂において特に好ましい数平均分子量(Mn)は10,000~23,000の範囲であり、特に好ましい重量平均分子量(Mw)は20,000~40,000の範囲であり、特に好ましい比率(Mw/Mn)は1.5~2.3の範囲である。
ポリエステル樹脂の分子量は、多官能性であるイソシアネートで鎖伸長することで調整することができる。即ち、主剤中のポリエステル成分をNCOで連結すると末端が水酸基のポリマーが生成され、イソシアネート基とポリエステルの水酸基との当量比の調整によりポリエステル樹脂の分子量を調整することができる。これらの当量比(OH/NCO)が1.01~10の範囲となるように連結したものを用いることが好ましい。また、他の分子量調整方法として、ジカルボン酸とジアルコールとの縮重合反応の反応条件(ジカルボン酸とジアルコールの配合モル比の調整)の変更を挙げることができる。さらに、接着剤の主剤に添加剤としてエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂を添加しても良い。
硬化剤としての多官能イソシアネート化合物の種類は限定されるものではく、多官能イソシアネート化合物として、芳香族系、脂肪族系、脂環族系などの各種イソシアネート化合物を使用できる。具体例としては、脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のジイソシアネートの1種類又は2種類以上からの多官能イソシアネート変性体が挙げられる。変性手段は限定されるものではなく、変性手段として、水、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多官能活性水素化合物とのアダクト体の他に、イソシアヌレート化、カルボジイミド化、ポリメリック化等の多量化反応による多官能イソシアネート変性体が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることもできる。さらに、硬化後の接着強度を増大させて耐熱性樹脂層3の剥離抑制効果を得るために、芳香族系イソシアネート化合物を50モル%以上含有していることが好ましい。特に好ましい芳香族系イソシアネート化合物の含有率は70モル%以上である。
二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂において、主剤と硬化剤との配合割合は限定されるものではなく、好ましくはポリオール水酸基(-OH)1モルに対してイソシアネート官能基(-NCO)2~25モルの割合でこれらが配合されていることがよい。これらのモル比(-NCO)/(-OH)が2以上であることにより、硬化反応が確実に十分に行われて適性な塗膜強度及び耐熱性を確実に得ることができる。(-NCO)/(-OH)が25以下であることにより、ポリオール以外の官能基との反応が進み過ぎることによる塗膜の硬化を確実に抑制し得て適性な伸びを確実に得ることができる。特に好ましいポリオール水酸基とイソシアネート官能基のモル比(-NCO)/(-OH)は5~20の範囲である。
(内側接着剤層)
内側接着剤層6Rは、金属箔層2と金属箔層2の内面側に配置された層との接合を担う層であり、本第1実施形態では金属箔層2(詳述すると金属箔層2の内面化成皮膜2a)と熱融着性樹脂層4との接合を担う層である。
内側接着剤層6Rは、内側接着剤と内側補強剤を含有する内側接着剤組成物の硬化膜からなる。
以下では、内側接着剤と内側補強剤を含有する上述のような内側接着剤組成物と、内側接着剤を含有し内側補強剤を含有しない内側接着剤組成物とを区別するため、前者を「内側補強剤含有内側接着剤組成物」、後者を「内側補強剤非含有内側接着剤組成物」ともいう。したがって、本第1実施形態では内側接着剤層6Rは内側補強剤含有内側接着剤組成物の硬化膜からなる。
内側接着剤の種類は限定されるものではなく、内側接着剤として、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリオレフィン系接着剤(例:酸変性ポリプロピレン接着剤)、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤などが用いられる。中でも、アクリル系接着剤及びポリオレフィン系接着剤を用いることが好ましく、この場合、包装材1Aの耐電解液性及び水蒸気バリア性を向上させることができる。
内側補強剤として内側補強粒子が用いられる。この内側補強粒子としては無機粒子及び有機粒子のうち少なくとも一種が用いられる。
無機粒子としては、例えば、白木義一著「補強(その1) 無機補強剤」、日本ゴム協会誌、1980年、第53巻、第1号、第17-33頁における「表1 充てん剤の種類と性質」に挙げられている充填剤及びカーボンブラックが用いられる。すなわち具体的には、無機粒子として、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、ケイ酸塩、シリカ(ケイ酸:SiO)、アルミニウム水和物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム及びカーボンブラック(CB)からなる群より選択される少なくとも一種の粒子が好適に用いられる。
有機粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の粒子(ビーズ)が好適に用いられる。
したがって、内側補強粒子としては、上述の無機粒子と上述の有機粒子とからなる群より選択される少なくとも一種が好適に用いられる。また、無機粒子と有機粒子は混合して用いられてもよい。
さらに、内側補強粒子は以下の要件1及び2を満たしている必要がある。
要件1:内側補強粒子の個数平均径が0.01μm~3μmの範囲である。
要件2:内側補強粒子の比表面積が1m/g以上である。
内側補強粒子が上記要件1を満たすことにより、内側接着剤層6Rにおける破断パスが長くなり、内側接着剤層6Rの破断強度(引張破断強度など)及び破断伸び(引張破断伸びなど)が向上する。さらに、内側補強粒子が上記要件2を満たすことにより、内側補強粒子と内側接着剤分子との相互作用が大きくなり、内側接着剤層6Rの破断強度が更に向上する。そのため、包装材1Aの突き刺し強度を高めることができる。
さらに、一般に包装材の突き刺し強度が高くなると包装材の成形加工性も高くなる傾向にあることから、包装材1Aの突き刺し強度が高くなることにより包装材1Aの成形加工性も高めることができる。
上記要件1において、内側補強粒子の個数平均径が0.01μm以上であることにより、内側補強粒子の含有により内側接着剤層6Rが硬くなるのを抑制することができる。内側補強粒子の個数平均径が3μm以下であることにより、内側補強粒子の含有による内側接着剤層6Rの補強効果を確実に得ることができる。さらに、内側補強粒子の個数平均径が0.01μm未満であると、内側補強粒子を内側接着剤に分散させる際に内側補強粒子が凝集しやすく内側補強粒子を内側接着剤に均一に分散することが困難である。内側補強粒子の個数平均径の好ましい下限は0.03μmであり、好ましい上限は1.0μmであり、より好ましい上限は0.5μmである。
上記要件2において、内側補強粒子の比表面積の好ましい下限は10m/gであり、好ましい上限は500m/gである。この比表面積が500m/gを超えると、内側補強粒子と内側接着剤分子との相互作用が飽和し、内側接着剤層6Rの破断強度の向上はあまり認められないため、比表面積は500m/g以下であることが好ましい。より好ましい上限は450m/gである。
さらに、内側補強粒子は絶縁性を有するものであることが好ましい。この場合、包装材1Aの金属箔層3よりも内面1a側の部分の電気絶縁性を高めることができる。そのため例えば、包装材1Aで包装された蓄電デバイス本体31等の被包装物が包装材1Aの内面1aに頻繁に又は強く接触することで包装材1Aの内面1aが亀裂、傷付き等の損傷を受けた場合でも、この損傷による包装材1Aの電気絶縁性の低下を抑制することができる。このような効果を確実に奏しうるようにするため、絶縁性を有する内側補強粒子の体積抵抗率は室温で1×1012Ωcm以上であることが好ましい。
そのような絶縁性を有する内側補強粒子として次のような絶縁性無機粒子と有機粒子とからなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。また、絶縁性無機粒子と有機粒子は混合して用いられてもよい。
絶縁性無機粒子としては、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、ケイ酸塩、シリカ(ケイ酸:SiO)、アルミニウム水和物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム及び亜硫酸カルシウムの粒子が挙げられる。
有機粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂及びフッ素樹脂の粒子(ビーズ)が挙げられる。なお、一般に有機粒子は絶縁性を有している。
また、内側補強剤含有内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL1とし、内側補強剤非含有内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL1とするとき、L1は次の関係式1を満たしていることが好ましい。
15%≦{(L1-L1)/L1}×100%≦250% …(式1)。
L1が上記関係式1を満足することにより、包装材1Aにおいて内側接着剤層6Rは金属箔層2の変形に対して高い追随性を有する。そのため、包装材1Aの突き刺し強度を確実に高めることができるし、包装材1Aの成形加工性も確実に高めることができる。
上記関係式1において、その中間辺である{(L1-L1)/L1}×100%は内側補強剤の含有による内側接着剤組成物(内側接着剤層6R)の硬化膜の引張破断伸びの向上率ΔL1を意味している(即ち、ΔL1={(L1-L1)/L1}×100%)。この向上率ΔL1は20%~230%の範囲であることが特に好ましく、更にΔL1は50%~230%の範囲であることが非常に好ましい。
内側補強剤(内側補強粒子)には、シラン系やチタン系のカップリング剤処理、又は合成高分子等による表面処理が内側補強剤に施されることによって官能基が付加されていてもよく、この場合、内側補強剤の表面活性を高めて内側補強剤の内側接着剤との界面接着力を向上させることができる。
内側補強剤を内側接着剤に含有させるために内側補強剤を内側接着剤に分散させる際には分散機を用いて分散を行うことが好ましく、またこの分散の際に界面活性剤等の分散剤を使用してもよい。
内側補強剤を内側接着剤に分散させる方法は限定されるものではないが、好ましくは次の方法であることがよい。
すなわち、予め内側補強剤を高濃度に含有させたインキ(これを「内側補強剤高濃度含有インキ」ともいう)を調製しておく。そして、このインキを内側接着剤(好ましくは内側接着剤の主剤)に内側補強剤の含有率が所定率になるように添加及び混合することにより、内側補強剤を内側接着剤に分散させる。
このインキの調製は例えば次のように行われる。
すなわち、ビヒクル(樹脂と溶剤との混合物)に内側補強剤を添加及び混合してインキのベースを調製し、これに助剤(界面活性剤、粘性調整剤、帯電防止剤、酸化防止剤、分散剤、レベリング剤、沈降防止剤、消泡剤など)を添加し、分散機を用いて混練及び分散することにより、ビヒクルに内側補強剤を均一に分散させて上述した内側補強剤高濃度含有インキを調製する。
ビヒクル用樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、塩素化ゴム、塩素化ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びニトロセルロースからなる群より選択される1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、この樹脂として、内側接着剤の主剤と同じ種類(より好ましくは同じ組成)の樹脂を用いるのが好ましく、これによりインキと内側接着剤の主剤とが相溶(混合)し易くなる。
ビヒクル用溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサン、酢酸エチル及びイソプロピルアルコールからなる群より選択される1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、この溶剤として、内側接着剤用溶剤としても用いられる酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサン等を用いるのが好ましい。また必要に応じて助溶剤としてトルエン、メチルエチルケトン等を用いることができる。
インキは、ビヒクル用樹脂、ビヒクル用溶剤、内側補強剤及び助剤を次のような配合比率で調製されることが好ましい。
樹脂 :15質量%~25質量%
溶剤 :40質量%~70質量%
内側補強剤:5質量%~50質量%
助剤 :1質量%~5質量%。
さらに、インキにおいて内側補強剤が高濃度で且つ均一に分散されていることが好ましい。このようなインキを調製するため、上述の分散機として、ペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、ダイノミル、ロールミル、超音波ミル、高圧衝突分散機などを用いることができるし、また1種類の分散機を用いて一回又は複数回分散処理をしてもよいし、2種類以上の分散機を併用して複数回分散処理をしてもよい。
このように、内側補強剤が高濃度に含有したインキを内側接着剤(好ましくはその主剤)に内側補強剤の含有率が所定率になるように添加し、均一に混合及び分散することにより、内側補強剤同士が2次凝集粒子を生成することを確実に抑制し、内側接着剤(その主剤)に内側補強剤を確実に均一に分散させることができる。これにより、内側接着剤(その主剤)への内側補強剤の添加後、数ヶ月放置しても内側補強剤の沈降が発生しないといった、内側補強剤が良好に分散している内側接着剤(その主剤)を確実に得ることができる。
内側補強剤が例えば内側接着剤の主剤に添加される場合、上述のようにして得られた、内側補強剤が良好に分散している内側接着剤の主剤と、硬化剤(例:イソシアネート硬化剤)とを反応させることで、内側補強剤の2次凝集粒子による塗膜欠陥が非常に少ない内側接着剤組成物の硬化膜(即ち内側接着剤層6R)を確実に形成することができる。これにより、この硬化膜は、内側補強剤を含有しない内側接着剤組成物の硬化膜と比較して、引張破断伸びL1が確実に向上し、成形加工時の変形や突き刺し変形に対して内側接着剤組成物の硬化膜が確実に追随できる。そのため内側接着剤層6Rは良好な接着性を確実に維持することができる。
内側接着剤として例えばポリオレフィン系接着剤を用いる場合は、その主剤として酸変性ポリプロピレン樹脂(酸変性PP樹脂)を用いることが好ましい。また、主剤として酸変性ポリプロピレン樹脂を用いる場合、ビヒクル用樹脂として酸変性ポリプロピレン樹脂とビヒクル用溶剤としてメチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン又はこれらの混合溶剤とを用いることが好ましい。
内側補強剤と内側接着剤の主剤(例:酸変性ポリプロピレン樹脂)との合計量に対する内側補強剤の含有率は2質量%~10質量%の範囲であることが好ましい。なお、この含有率は詳述すると固形分含有率を意味しており、即ちこの含有率は溶剤の質量を含んでいない。以下同じである。
内側接着剤層6Rは、金属箔層2と熱融着性樹脂層4の間に2g/m~10g/mの範囲の塗布量で設けられていることが好ましい。さらに、内側接着剤層6Rにおける内側補強剤の含有量は0.2g/m~1.0g/mの範囲であることが好ましい。内側接着剤層6Rの塗布量が上記の範囲であり且つ内側補強剤の含有量が上記の範囲であることにより、内側接着剤層6Rの破断強度及び破断伸びが確実に向上する。そのため、包装材1Aの突き刺し強度を確実に高めることができるし、包装材1Aの成形加工性も確実に高めることができる。なお、上述した内側接着剤層6Rの塗布量は詳述すると固形分塗布量を意味し、上述した内側補強剤の含有量は詳述すると固形分含有量を意味する。以下同じである。
上述した内側接着剤層6Rの塗布量のより好ましい下限は4g/mであり、より好ましい上限は9g/mである。上述した内側補強剤の含有量のより好ましい下限は0.2g/mであり、より好ましい上限は0.7g/mである。
金属箔層2と熱融着性樹脂層4との貼り合わせ方法(接合方法)は限定されるものではなく、好ましくはドライラミネート方法であることがよい。
(包装材の製造方法)
包装材1Aの好ましい製造方法の一例は次のとおりである。
内面及び外面にそれぞれ化成皮膜2aが形成された金属箔層2を準備する。次いで、金属箔層2の外面に外側接着剤組成物を所定の塗布方法で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、金属箔層2の外面と耐熱性樹脂層3の内面とを貼り合わせ、組成物の硬化条件に従って所定温度でエージングすることで組成物を硬化させる。
次いで、金属箔層2の内面に内側接着剤組成物を所定の塗布方法で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、金属箔層2の内面と熱融着性樹脂層4の外面とを貼り合わせ、組成物の硬化条件に従って所定温度でエージングすることで組成物を硬化させる。
これにより、金属箔層2の外面に外側接着剤層5を介して耐熱性樹脂層3が接合されるとともに金属箔層2の内面に内側接着剤層6Rを介して熱融着性樹脂層4が接合されて、包装材1Aが得られる。
上述した塗布方法は限定されるものではなく、具体的には、グラビアコート法、リバースロールコート法、リップロールコート法などが挙げられる。
ただし、本発明に係る包装材は上述した包装材1Aの製造方法により製造されたものに限定されるものではく、その他の方法により製造されたものであってもよい。
本発明に係る成形加工用包装材は、上記第1実施形態の包装材1Aに限定されるものではなく、その他に例えば、図2~5にそれぞれ示した第2~第5実施形態の包装材1B~1Eであってもよい。これらの包装材1B~1Eは上記第1実施形態の包装材1Aと同じく例えば蓄電デバイス30(図6及び7参照)の包装に用いられる。
これらの図において、上記第1実施形態の包装材1Aの要素と同じ作用を奏する要素には同じ符号が付されている。また、「5」の符号が付された外側接着剤層は上記第1実施形態の包装材1Aの外側接着剤層と同じく外側補強剤を含有しないものであり、「5R」の符号が付された外側接着剤層は外側補強剤を含有しているものである。以下、第2~第5実施形態について上記第1実施形態との相異点を中心に説明する。
図2に示した第2実施形態では、包装材1Bの外側接着剤層5Rは外側補強剤を含有しており、詳述すると、外側接着剤と外側補強剤を含有する外側接着剤組成物の硬化膜、即ち外側補強剤含有外側接着剤組成物の硬化膜からなる。
外側補強剤として外側補強粒子が用いられる。この外側補強粒子としては無機粒子及び有機粒子のうち少なくとも一種が用いられる。
無機粒子としては、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、ケイ酸塩、シリカ(ケイ酸:SiO)、アルミニウム水和物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム及びカーボンブラック(CB)からなる群より選択される少なくとも一種の粒子が好適に用いられる。
有機粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の粒子が好適に用いられる。
したがって、外側補強粒子としては、上述の無機粒子と上述の有機粒子とからなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。また、無機粒子と有機粒子は混合して用いられてもよい。
さらに、外側補強粒子は以下の要件3及び4を満たしていることが好ましい。
要件3:外側補強粒子の個数平均径が0.01μm~3μmの範囲である。
要件4:外側補強粒子の比表面積が1m/g以上である。
外側補強粒子が上記要件3を満たすことにより、外側接着剤層5Rにおける破断パスが長くなり、外側接着剤層5Rの破断強度(引張破断強度など)及び破断伸び(引張破断伸びなど)が向上する。さらに、外側補強粒子が上記要件4を満たすことにより、外側補強粒子と外側接着剤分子との相互作用が大きくなり、外側接着剤層5Rの破断強度が更に向上する。そのため、包装材1Bの突き刺し強度を更に高めることができる。
さらに、一般に包装材の突き刺し強度が高くなると包装材の成形加工性も高くなる傾向にあることから、包装材1Bの突き刺し強度が更に高くなることにより包装材1Bの成形加工性も更に高めることができる。
上記要件3において、外側補強粒子の個数平均径が0.01μm以上であることにより、外側補強粒子の含有により外側接着剤層5Rが硬くなるのを確実に抑制することができて、外側接着剤層5Rの破断伸びを確実に向上できる。外側補強粒子の個数平均径が3μm以下であることにより、外側補強粒子の含有による外側接着剤層5Rの補強効果を確実に得ることができる。外側補強粒子の個数平均径の好ましい下限は0.03μmであり、好ましい上限は0.5μmである。
上記要件4において、外側補強粒子の比表面積のより好ましい下限は10m/gであり、より好ましい上限は500m/gである。この比表面積が500m/gを超えると、外側補強粒子と外側接着剤分子との相互作用が飽和し、外側接着剤層5Rの破断強度の向上はあまり認められないため、比表面積は500m/g以下であることが好ましい。更に好ましい上限は450m/gである。
また、外側補強剤含有外側接着剤組成物(即ち、外側接着剤と外側補強剤を含有する外側接着剤組成物)の硬化膜の引張破断伸びをL2とし、外側補強剤非含有外側接着剤組成物(即ち、外側接着剤を含有し外側補強剤を含有しない外側接着剤組成物)の硬化膜の引張破断伸びをL2とするとき、L2は次の関係式2を満たしていることが好ましい。
15%≦{(L2-L2)/L2}×100%≦250% …(式2)。
L2が上記関係式2を満足することにより、包装材1Bにおいて外側接着剤層5Rは金属箔層2の変形に対して高い追随性を有する。そのため、包装材1Bの突き刺し強度を更に確実に高めることができるし、包装材1Bの成形加工性も更に確実に高めることができる。
上記関係式2において、その中間辺である{(L2-L2)/L2}×100%は外側補強剤の含有による外側接着剤組成物(外側接着剤層5R)の硬化膜の引張破断伸びの向上率ΔL2を意味している(即ち、ΔL2={(L2-L2)/L2}×100%)。この向上率ΔL2は20%~230%の範囲であることが特に好ましく、更にΔL2は50%~230%の範囲であることが非常に好ましい。
外側補強剤(外側補強粒子)には、シラン系やチタン系のカップリング剤処理、又は合成高分子等による表面処理が外側接着剤に施されることによって官能基が付与されていてもよく、この場合、外側補強剤の表面活性を高めて外側補強剤と外側接着剤との界面接着力を向上させることができる。
外側補強剤を外側接着剤に含有させるために外側補強剤を外側接着剤に分散させる際には分散機を用いて分散を行うことが好ましく、またこの分散の際に界面活性剤等の分散剤を使用してもよい。
外側補強剤を外側接着剤に分散させる方法は限定されるものではないが、好ましくは上述した内側補強剤の内側接着剤への分散方法と同じ方法であることがよい。
例えば、外側接着剤として二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂による外側接着剤を用いる場合は、この外側接着剤の主剤と同じ種類のポリエステル樹脂(ビヒクル用樹脂)と酢酸エチル(ビヒクル用溶剤)とを含有するビヒクルを準備し、このビヒクルに外側補強剤及び助剤を添加し、分散機を用いて混練及び分散することにより、ビヒクルに外側補強剤を均一に分散させて、外側補強剤を高濃度に含有させたインキ(これを「外側補強剤高濃度含有インキ」ともいう)を調製する。
次いで、このインキを外側接着剤の主剤に外側補強剤の含有率が所定率になるように添加し、均一に混合及び分散することにより、外側補強剤同士が2次凝集粒子を生成することを確実に抑制し、外側接着剤の主剤中に外側補強剤を確実に均一に分散させることができる。これにより、主剤中への外側補強剤の添加後、数ヶ月放置しても外側補強剤の沈降が発生しないといった、外側補強剤の分散性が良好な外側接着剤の主剤を得ることができる。
このインキにおいて、ビヒクル用樹脂、ビヒクル用溶剤、外側補強剤及び助剤についての好ましい配合比率は上述した内側補強剤高濃度含有インキのそれと同じである。
外側補強剤と外側接着剤の主剤との合計量に対する外側補強剤の含有率は2質量%~10質量%の範囲であることが好ましい。なお、この含有率は詳述すると固形分含有率を意味する。以下同じである。
外側接着剤層5Rは、金属箔層2と耐熱性樹脂層3の間に2g/m~10g/mの範囲の塗布量で設けられていることが好ましい。さらに、外側接着剤層5Rにおける外側補強剤の含有量は0.2g/m~1.0g/mの範囲であることが好ましい。外側接着剤層5Rの塗布量が上記の範囲であり且つ外側補強剤の含有量が上記の範囲であることにより、外側接着剤層5Rの破断強度及び破断伸びが確実に向上する。そのため、包装材1Bの突き刺し強度を確実に高めることができるし、包装材1Bの成形加工性も確実に高めることができる。なお、上述した外側接着剤層5Rの塗布量は詳述すると固形分塗布量を意味し、上述した外側補強剤の含有量は詳述すると固形分含有量を意味する。以下同じである。
上述した外側接着剤層5Rの塗布量のより好ましい下限は4g/mであり、より好ましい上限は9g/mである。上述した外側補強剤の含有量のより好ましい下限は0.2g/mであり、より好ましい上限は0.7g/mである。
図3に示した第3実施形態では、包装材1Cの外側接着剤層5Rは外側補強剤を含有しており、詳述すると、外側接着剤と外側補強剤を含有する外側接着剤組成物の硬化膜、即ち外側補強剤含有外側接着剤組成物の硬化膜からなる。
さらに、包装材1Cは、耐熱性樹脂層3の外面に積層状に形成されたマットコート層7を備えている。
(マットコート層)
マットコート層7は、包装材1Cの外面1bに良好な滑り性を付与して包装材1Cの成形加工性を向上させるための層である。
マットコート層7の種類は限定されるものではなく、例えば、マットコート層7は耐熱性樹脂成分中に無機粒子と有機粒子が分散含有された樹脂組成物の硬化膜からなる。中でも、マットコート層7は、二液硬化型の耐熱性樹脂に、個数平均径1μm~10μmの無機粒子が20質量%~40質量%含有され且つ個数平均径5μm~15μmの有機粒子が5質量%~15質量%含有された樹脂組成物の硬化膜からなるものであることが好ましい。
上述した耐熱性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びフッ素系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。特に、耐熱性樹脂として、耐熱性及び耐薬品性に優れている点で、テトラフルオロエチレン又はフルオロエチレンビニルエーテルをベースにしたフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
マットコート層7において、無機粒子の種類は限定されるものではないが、無機粒子として、例えば、シリカ、アルミナ、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及びケイ酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種の粒子が用いられ、中でもシリカ粒子を用いることが好ましい。
マットコート層7において、有機粒子の種類は限定されるものではないが、有機粒子(有機ビーズ)として、例えば、ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子及びポリスチレン樹脂粒子からなる群より選択される少なくとも一種が用いられる。中でも、ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス及びポリエチレン樹脂粒子を用いることが好ましい。
マットコート層7の形成は、例えば、上述した無機粒子又は/及び有機粒子と耐熱性樹脂とを含むマットコート組成物を耐熱性樹脂層3の外面に層状に塗布して硬化させることにより行われる。
マットコート層7の硬化(乾燥)後の厚さは0.5μm~5μmの範囲であることが好ましい。この厚さが0.5μm以上であることにより、包装材1Cの外面1bの滑り性が確実に向上する。この厚さが5μm以下であることにより、包装材1Cの製造コストを確実に低減することができる。特に好ましい厚さは1μm~3μmの範囲である。
マットコート層7の表面(外面)のグロス値は、JIS(日本産業規格) Z8741に基づく60°反射角測定値で1%~15%の範囲に設定されることが好ましい。このグロス値は、例えばBYK社製のグロス測定器「micro-TRI-gloss-s」により60°反射角で測定して得られる。
マットコート層7を形成する工程の時期は限定されないが、このマットコート層形成工程は金属箔層2に外側接着剤層5Rを介して耐熱性樹脂層3を貼り合わせる工程に続いて行うことが好ましい。
図4に示した第4実施形態では、包装材1Dの外側接着剤層5は外側補強剤を含有しておらず、したがって外側補強剤非含有外側接着剤組成物の硬化膜からなる。
さらに、包装材1Dは、耐熱性樹脂層3の外面に積層状に形成されたマットコート層7を備えている。このマットコート層7の構成は例えば上記第3実施形態(図3)のマットコート層7と同じである。
さらに、包装材1Dは、耐熱性樹脂層3の内面に積層状に形成された黒色着色層8を備えており、詳述すると、黒色着色層8は外側接着剤層5と耐熱性樹脂層3の間に設けられている。
(黒色着色層)
黒色着色層8は包装材1Dの外面1bにおける金属箔層2の色及び光沢を隠蔽するための層である。
黒色着色層8の構成は限定されるものではないが、黒色着色層8はカーボンブラック(CB)、ジアミン、ポリオール及び硬化剤を含有していることが好ましい。ただし本発明は、黒色着色層8がこのような構成であることに限定されるものではない。
黒色着色層8におけるカーボンブラックの含有率は限定されるものではなく、好ましくは15質量%~60質量%の範囲であることがよい。また、黒色着色層8におけるジアミン、ポリオール及び硬化剤の合計量の含有率は限定されるものではなく、好ましくは40質量%~85質量%の範囲であることがよい。中でも、カーボンブラックの含有率は20質量%~50質量%の範囲であることがよい。なお、これらの含有率はいずれも詳述すると固形分含有率を意味する。以下同じである。
黒色着色層8の厚さは限定されるものではなく、好ましくは1μm~4μmの範囲であることがよい。この厚さが1μm以上であることにより、金属箔層2の色及び光沢を確実に隠蔽することができる。
黒色着色層8の形成方法は限定されるものではなく、例えば、グラビア印刷法、リバースロールコート法及びリップロールコート法が挙げられる。
カーボンブラックの粒径は限定されるものではないが、カーンブラックとして、個数平均径が0.01μm~3μmの範囲であるものを用いることが好ましい。
ジアミンの種類は限定されるものではないが、ジアミンとして、例えば、エチレンジアミン、ダイマージアミン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン及び2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミンからなる群より選択される一種又は二種以上が用いられる。
ポリオールの種類は限定されるものではないが、ポリオールとして、ポリウレタン系ポリオール、ポリエステル系ポリオール及びポリエーテル系ポリオールからなる群より選択される一種又は二種以上を用いることが好ましい。
黒色着色層8において硬化剤の種類は限定されるものではなく、例えばイソシアネート化合物が挙げられる。イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族系、脂肪族系、脂環族系の各種イソシアネート化合物を使用できる。その具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネートが挙げられる。
図5に示した第5実施形態では、包装材1Eの外側接着剤層5Rは外側補強剤を含有しており、詳述すると、外側接着剤と外側補強剤を含有する外側接着剤組成物の硬化膜、即ち外側補強剤含有外側接着剤組成物の硬化膜からなる。
さらに、包装材1Eは、耐熱性樹脂層3の外面に積層状に形成されたマットコート層7を備えている。このマットコート層7の構成は例えば上記第3実施形態(図3)のマットコート層7と同じである。
さらに、包装材1Eは、耐熱性樹脂層3の内面に積層状に形成された黒色着色層8を備えており、詳述すると、黒色着色層8は外側接着剤層5Rと耐熱性樹脂層3の間に設けられている。この黒色着色層8の構成は例えば上記第4実施形態(図4)の黒色着色層8と同じである。
以上で本発明の幾つかの実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能であることは言うまでもない。
本発明の具体的な実施例及び比較例を以下に示す。だたし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
ここで、下記実施例1~10及び下記比較例1~4では、金属箔層2として、全て同じ材質のアルミニウム箔を用いた。その材質はJIS H4160で規定されたアルミニウム合金記号A8079である。全てのアルミニウム箔の厚さは35μmである。さらに、全てのアルミニウム箔の内面及び外面にはそれぞれ実施例1と同じ化成処理による化成皮膜2aが形成されている。
さらに、下記実施例1~10及び下記比較例1~4では、耐熱性樹脂層3として、全て同じ単層の二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムを用いた。全てのフィルムの厚さは15μmである。また全てのフィルムの内面(即ちフィルムにおける金属箔層2との貼り合わせ面)には外側接着剤組成物との濡れ性を向上させるため予めコロナ処理が施されている。さらに、実施例7~10及び比較例3~4ではフィルムの外面に同じ組成のマットコート層7が形成されており、実施例8~10及び比較例3~4ではフィルムの内面に同じ組成の黒色着色層8が形成されている。
さらに、下記実施例1~10及び下記比較例1~4では、熱融着性樹脂層4として、全て同じ未延伸三層共押しポリプロピレン(CPP)フィルムを用いた。全てのフィルムの厚さは30μmであり、その層厚比はrPP:bPP:rPP=1:8:1である。また全てのフィルムの外面(即ちフィルムにおける金属箔層2との貼り合わせ面)には内側接着剤組成物との濡れ性を向上させるため予めコロナ処理が施されている。
<実施例1>
金属箔層2としての上記のアルミニウム箔の内面及び外面にそれぞれ化成皮膜2aを形成した。この化成皮膜2aの形成は、ポリアクリル酸、三価クロム化合物、水及びアルコールからなる化成処理液をアルミニウム箔の内面及び外面に塗布した後、150℃で乾燥することにより行った。化成皮膜2aのクロム付着量はアルミニウム箔の片面で10mg/mであり、各化成皮膜2aの厚さは0.01μmであった。
耐熱性樹脂層3として上記の二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムを準備した。このフィルムは、TD熱水収縮率が2.7%、MD熱水収縮率が2.0%、TDおよびMD間の熱水収縮率の差(TD-MD)が0.7%であり、TD弾性率が1.7GPa、MD弾性率が2.7GPaであり、TD破断強度が361MPa、MD破断強度が280MPaであり、ポリアミドの数平均分子量が25,000であった。
外側接着剤層5を構成する外側接着剤組成物として、外側接着剤を含有し外側補強剤を含有しない外側接着剤組成物、即ち外側補強剤非含有外側接着剤組成物を準備した。この外側接着剤組成物では、外側接着剤として二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂を用いた。この外側接着剤組成物の作製方法は次のとおりであった。
まず、二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂の主剤であるポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)を次の方法で作製した。すなわち、ネオペンチルグリコール30モル部、エチレングリコール30モル部、及び1,6-ヘキサンジオール40モル部を80℃で溶融し、撹拌しながらこの溶融物と脂肪族ジカルボン酸であるアジピン酸(メチレン数4)30モル部及び芳香族ジカルボン酸であるイソフタル酸70モル部とを210℃で20時間縮重合反応させることにより、主剤であるポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオールは、数平均分子量(Mn)12,000、重量平均分子量(Mw)20,500、及びこれらの比率(Mw/Mn)1.7であった。さらに、このポリエステルポリオール40質量部に酢酸エチル60質量部を添加することにより流動状のポリエステルポリオール樹脂溶液を調製した。その水酸基価は2.2mgKOH/g(溶液値)であった。
次いで、上記の主剤であるポリエステルポリオール樹脂溶液100質量部に対して、硬化剤として芳香族イソシアネート化合物であるトリレンジイソシアネート(TDI)(芳香族系)とトリメチロールプロパン(TMP)とのアダクト体(NCO13.0質量%、固形分75質量%)7.1質量部を添加し、さらに酢酸エチル34.1質量部を添加して撹拌及び混合することによって、外側補強剤非含有外側接着剤組成物(即ち二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂)を作製した。この外側接着剤組成物において、イソシアネート官能基(-NCO)とポリエステルポリオール水酸基(-OH)のモル比(-NCO)/(-OH)は10であった。
次いで、この外側接着剤組成物の硬化膜をその物性を評価するため次の方法により作製した。
すなわち、この外側接着剤組成物を非接着性の未処理ポリプロピレンフィルム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、残存イソシアネートが5質量%以下になるまで組成物を60℃でエージングすることで硬化させた。その後、当該硬化物を未処理ポリプロピレンフィルムから剥離することにより、外側接着剤組成物の硬化膜(厚さ10μm)を作製した。
この硬化膜を15mm幅に切断することにより試験片を採取した。そして、この試験片について引張試験を行い、試験片の引張破断強度及び引張破断伸びを測定したところ、引張破断強度が30MPa及び引張破断伸びが18%であった。
なお、上記の引張試験はJIS K7161-1:2014に準拠して標点距離50mm及び引張速度100mm/minの条件で行った。以下同じである。
次いで、アルミニウム箔の外面に上記の外側接着剤組成物を5.0g/mの塗布量(詳述すると固形分塗布量。以下同じ)で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の外面と耐熱性樹脂層3としての上記の二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムの内面とを貼り合わせ、60℃でエージングすることで組成物を硬化させた。
次いで、内側接着剤層6Rを構成する内側接着剤組成物として、内側補強剤としてのシリカ粒子(SiO粒子:個数平均径0.4μm、比表面積10m/g)と内側接着剤としての酸変性ポリプロピレン(PP)接着剤とを含有する内側接着剤組成物、即ちシリカ粒子含有内側接着剤組成物を準備した。この組成物の作製方法は次のとおりであった。
まず、ビヒクル用樹脂として内側接着剤の主剤と同じ組成の酸変性ポリプロピレン(酸変性PP)20質量部と、ビヒクル用溶剤としてメチルシクロヘキサン:メチルエチルケトン=8質量部:2質量部の混合有機溶剤40質量部と、内側補強剤として上記のシリカ粒子35質量部と、助剤(分散剤及び沈降防止剤)5質量部とを混合し、この混合物を分散機を用いて混練及び分散することにより、シリカ粒子を高濃度に含有したインキ(シリカ粒子の含有濃度:35質量%)を調製した。
次いで、酸変性ポリプロピレン樹脂溶液15質量部と、メチルシクロヘキサン:メチルエチルケトン=8質量部:2質量部の混合有機溶剤85質量部とに、上記インキを所定量添加し、分散機を用いて混合及び分散することにより、シリカ粒子含有内側接着剤の主剤を作製した。
この主剤100質量部に対して、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のポリマー体(多官能イソシアネート化合物)を当量比(NCO/OH)が1.8になるように0.9質量部添加して撹拌及び混合することによって、シリカ粒子含有内側接着剤組成物(即ちシリカ粒子含有酸変性ポリプロピレン接着剤)を作製した。この内側接着剤組成物におけるシリカ粒子の含有率(詳述すると固形分含有率。以下同じ)は4.5質量%であった。
次いで、この内側接着剤組成物の硬化膜をその物性を評価するため次の方法により作製した。
すなわち、この内側接着剤組成物を非接着性の未処理ポリプロピレンフィルム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、残存イソシアネートが5質量%以下になるまで組成物を40℃でエージングすることで硬化させた。その後、当該硬化物を未処理ポリプロピレンフィルムから剥離することにより、内側接着剤組成物の硬化膜(厚さ10μm)を作製した。
この硬化膜を15mm幅に切断することにより試験片を採取した。そして、この試験片について引張試験を行い、試験片の引張破断強度及び引張破断伸びL1を測定したところ、引張破断強度が25MPa及び引張破断伸びL1が172%であった。
また、内側接着剤を含有しシリカ粒子を含有しない内側接着剤組成物、即ちシリカ粒子非含有内側接着剤組成物を、シリカ粒子高濃度含有インキを用いないで上述した内側接着剤組成物と同じ方法で作製した。次いで、この内側接着剤組成物の硬化膜を、上述したシリカ粒子含有内側接着剤組成物の硬化膜と同じ方法により作製した。
この硬化膜を15mm幅に切断することにより試験片を採取した。そして、この試験片について引張試験を行い、試験片の引張破断強度及び引張破断伸びL1を測定し、シリカ粒子の含有による内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びの向上率ΔL1(={(L1-L1)/L1}×100%)を算出したところ、ΔL1は64%であった。
次いで、アルミニウム箔の内面に上記のシリカ粒子含有内側接着剤組成物を5.5g/mの塗布量(詳述すると固形分塗布量。以下同じ)で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の内面と熱融着性樹脂層4としての上記の未延伸三層共押しポリプロピレン(CPP)フィルムの外面とを貼り合わせ、40℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、内側接着剤層6Rにおけるシリカ粒子の含有量は0.25g/mであった。
以上の方法により包装材を製造した。
<実施例2>
実施例1の外側接着剤として用いた二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂と、外側補強剤としてシリカ粒子(SiO粒子:個数平均径0.4μm、比表面積10m/g)とを含有する外側接着剤組成物、即ちシリカ粒子含有外側接着剤組成物を以下の方法で作製した。
まず、ビヒクル用樹脂として実施例1のポリエステルポリオール20質量部と、ビヒクル用溶剤として酢酸エチル40質量部と、外側補強剤として上記のシリカ粒子35質量部と、助剤(分散剤及び沈降防止剤)5質量部とを混合し、この混合物を分散機を用いて混練及び分散することにより、シリカ粒子を高濃度に含有したインキ(シリカ粒子の含有濃度:35質量%)を調製した。
次いで、実施例1のポリエステルポリオール樹脂溶液100質量部と、酢酸エチル64.4質量部とに、上記インキを所定量添加し、分散機を用いて混合及び分散することにより、シリカ粒子含有外側接着剤の主剤を作製した。
この主剤100質量部に対して、硬化剤として芳香族イソシアネート化合物であるトリレンジイソシアネート(TDI)(芳香族系)とトリメチロールプロパン(TMP)とのアダクト体(NCO13.0質量%、固形分75質量%)7.1質量部を添加し、さらに酢酸エチル34.1質量部を添加して撹拌及び混合することによって、シリカ粒子含有外側接着剤組成物を作製した。この外側接着剤組成物において、イソシアネート官能基(-NCO)とポリエステルポリオール水酸基(-OH)とのモル比(-NCO)/(-OH)は10であった。さらに、この外側接着剤組成物におけるシリカ粒子の含有率は4.9質量%であった。
次いで、この外側接着剤組成物の硬化膜をその物性を評価するため次の方法により作製した。
すなわち、この外側接着剤組成物を非接着性の未処理ポリプロピレンフィルム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、残存イソシアネートが5質量%以下になるまで組成物を60℃でエージングすることで硬化させた。その後、当該硬化物を未処理ポリプロピレンフィルムから剥離することにより、外側接着剤組成物の硬化膜(厚さ10μm)を作製した。
この硬化膜を15mm幅に切断することにより試験片を採取した。そして、この試験片について引張試験を行い、試験片の引張破断強度及び引張破断伸びL2を測定したところ、引張破断強度が35MPa及び引張破断伸びL2が42%であった。
また、外側接着剤を含有しシリカ粒子を含有しない外側接着剤組成物、即ちシリカ粒子非含有外側接着剤組成物を、シリカ粒子高濃度含有インキを用いないで上述した外側接着剤組成物と同じ方法で作製した。次いで、この外側接着剤組成物の硬化膜を、上述したシリカ粒子含有外側接着剤組成物の硬化膜と同じ方法により作製した。
この硬化膜を15mm幅に切断することにより試験片を採取した。そして、この試験片について引張試験を行い、試験片の引張破断強度及び引張破断伸びL2を測定し、シリカ粒子の含有による外側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びの向上率ΔL2(={(L2-L2)/L2}×100%)を算出したところ、ΔL2は133%であった。
次いで、アルミニウム箔の外面に上記のシリカ粒子含有外側接着剤組成物を5.5g/mの塗布量で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の外面と耐熱性樹脂層3としての上記の二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムの内面とを貼り合わせ、60℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、外側接着剤層5Rにおけるシリカ粒子の含有量は0.27g/mであった。
次いで、内側接着剤層6Rを構成する内側接着剤組成物として、内側補強剤としてのシリカ粒子(SiO粒子:個数平均径0.4μm、比表面積10m/g)と内側接着剤としての酸変性ポリプロピレン(PP)接着剤とを含有する内側接着剤組成物、即ちシリカ粒子含有内側接着剤組成物を準備した。この組成物の作製方法は次のとおりであった。
まず、ビヒクル用樹脂として内側接着剤の主剤と同じ組成の酸変性ポリプロピレン20質量部と、ビヒクル用溶剤としてメチルシクロヘキサン:メチルエチルケトン=8質量部:2質量部の混合有機溶剤40質量部と、内側補強剤として上記のシリカ粒子35質量部と、助剤(分散剤及び沈降防止剤)5質量部とを混合し、この混合物を分散機を用いて混練及び分散することにより、シリカ粒子を高濃度に含有したインキ(シリカ粒子の含有濃度:35質量%)を調製した。
次いで、酸変性ポリプロピレン樹脂溶液15質量部と、メチルシクロヘキサン:メチルエチルケトン=8質量部:2質量部の混合有機溶剤85質量部とに、上記インキを所定量添加し、分散機を用いて混合及び分散することにより、シリカ粒子含有内側接着剤の主剤を作製した。
この主剤100質量部に対して、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のポリマー体(多官能イソシアネート化合物)を当量比(NCO/OH)が1.8になるように0.9質量部添加して混合及び撹拌することによって、シリカ粒子含有内側接着剤組成物(即ちシリカ粒子含有酸変性ポリプロピレン接着剤)を作製した。この内側接着剤組成物におけるシリカ粒子の含有率は3.5質量%であった。
次いで、シリカ粒子含有内側接着剤組成物の硬化膜をその物性を評価するため次の方法により作製した。
すなわち、この内側接着剤組成物を非接着性の未処理ポリプロピレンフィルム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、残存イソシアネートが5質量%以下になるまで組成物を40℃でエージングすることで硬化させた。その後、当該硬化物を未処理ポリプロピレンフィルムから剥離することにより、内側接着剤組成物の硬化膜(厚さ10μm)を作製した。
この硬化膜を15mm幅に切断することにより試験片を採取した。そして、この試験片について引張試験を行い、試験片の引張破断強度及び引張破断伸びL1を測定したところ、引張破断強度が23MPa及び引張破断伸びL1が165%であった。
また、内側接着剤を含有しシリカ粒子を含有しない内側接着剤組成物、即ちシリカ粒子非含有内側接着剤組成物を、シリカ粒子高濃度含有インキを用いないで上述した内側接着剤組成物と同じ方法で作製した。次いで、この内側接着剤組成物の硬化膜を、上述したシリカ粒子含有内側接着剤組成物の硬化膜と同じ方法により作製した。
この硬化膜を15mm幅に切断することにより試験片を採取した。そして、この試験片について引張試験を行い、試験片の引張破断強度及び引張破断伸びL1を測定し、シリカ粒子の含有による内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びの向上率ΔL1を算出したところ、ΔL1は57%であった。
次いで、アルミニウム箔の内面に上記のシリカ粒子含有内側接着剤組成物を6.5g/mの塗布量で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の内面と熱融着性樹脂層4としての上記の未延伸三層共押しポリプロピレン(CPP)フィルムの外面とを貼り合わせ、40℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、内側接着剤層6Rにおけるシリカ粒子の含有量は0.23g/mであった。
以上の方法により包装材を製造した。
<実施例3>
実施例1において、内側補強剤としてのシリカ粒子の含有率を9.0質量%とし且つ内側接着剤組成物の塗布量を12.5g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして各接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、包装材を製造した。この場合、内側接着剤層6Rにおけるシリカ粒子の含有量は1.13g/mであった。
また、外側接着剤組成物の硬化膜の引張試験で測定及び算出された引張破断伸び及びその向上率ΔL2の値を表1中の「外側接着剤層」の「硬化膜」欄に記載するとともに、内側接着剤組成物の硬化膜の引張試験で測定及び算出された引張破断伸び及びその向上率ΔL1の値を表1中の「内側接着剤層」の「硬化膜」欄に記載した。下記実施例4~10及び下記比較例1~4でも同じである。
<実施例4>
実施例2において、外側補強剤を炭酸カルシウム粒子(CaCO粒子:個数平均径0.03μm、比表面積130m/g)とし且つ外側接着剤組成物における炭酸カルシウム粒子の含有率を4.5質量%とし且つ外側接着剤組成物の塗布量を5.5g/mとしたこと、並びに、内側補強剤を炭酸カルシウム粒子(CaCo粒子:個数平均径0.03μm、比表面積130m/g)とし且つ内側接着剤組成物における炭酸カルシウム粒子の含有率を5.0質量%とし且つ内側接着剤組成物の塗布量を5.0g/mとしたこと以外は、実施例2と同様にして各接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、包装材を製造した。この場合、外側接着剤層5Rにおける炭酸カルシウム粒子の含有量は0.25g/mであり、内側接着剤層6Rにおける炭酸カルシウム粒子の含有量は0.25g/mであった。
<実施例5>
実施例1において、内側補強剤を炭酸カルシウム粒子(CaCO粒子:個数平均径1.0μm、比表面積3.0m/g)とし且つ内側接着剤組成物における炭酸カルシウム粒子の含有率を2.5質量%とし且つ内側接着剤組成物の塗布量を8.5g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして内側接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、包装材を製造した。この場合、内側接着剤層6Rにおける炭酸カルシウム粒子の含有量は0.21g/mであった。
<実施例6>
実施例1において、内側補強剤をアクリル樹脂粒子(個数平均径2.0μm、比表面積2.5m/g)とし且つ内側接着剤組成物におけるアクリル樹脂粒子の含有率を4.0質量%とし且つ内側接着剤組成物の塗布量を5.5g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして内側接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、包装材を製造した。この場合、内側接着剤層6Rにおけるアクリル樹脂粒子の含有量は0.22g/mであった。
<実施例7>
実施例1において、外側補強剤をカーボンブラック(CB:個数平均径0.05μm、比表面積45m/g)とし且つ外側接着剤組成物におけるカーボンブラックの含有率を4.8質量%とし且つ外側接着剤組成物の塗布量を6.5g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして外側接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、アルミニウム箔の外面と二軸延伸ナイロンフィルム(耐熱性樹脂層3)の内面とを貼り合わせ、60℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、外側接着剤層5Rにおけるカーボンブラックの含有量は0.31g/mであった。
次いで、内側接着剤(主剤)をアクリル系接着剤(主剤)の一種であるアクリルポリオールとし且つ内側補強剤をシリカ粒子(SiO粒子:個数平均径0.2μm、比表面積25m/g)とし且つ内側接着剤組成物におけるシリカ粒子の含有率を7.5質量%としたシリカ粒子含有内側接着剤組成物を作製した。そして、この内側接着剤組成物をアルミニウム箔の内面に5.5g/mの塗布量で塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の内面と未延伸三層共押しポリプロピレンフィルム(熱融着性樹脂層4)の外面とを貼り合わせ、40℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、内側接着剤層6Rにおけるシリカ粒子の含有量は0.41g/mであった。また、内側接着組成物の硬化膜の引張試験を実施例1と同様にして行った。
次いで、二軸延伸ナイロンフィルム(耐熱性樹脂層3)の外面にマットコート層7を以下の方法で形成した。
すなわち、耐熱性樹脂としてフルオロエチレンビニルエステル70質量部と、無機粒子として硫酸バリウム粒子(個数平均径2.0μm)10質量部及びシリカ粒子(個数平均径1.0μm)10質量部と、ワックスとしてポリテトラフルオロエチレンワックス(個数平均径10.0μm)5質量部と、有機粒子(有機ビーズ)としてポリエチレン樹脂粒子(個数平均径5.0μm)5質量部とを混合することによりマットコート組成物を作製した。そして、マットコート組成物を二軸延伸ナイロンフィルムの外面に乾燥後の厚さが2μmとなるように層状に塗布し、40℃環境下で5日間放置エージングすることにより、二軸延伸ナイロンフィルムの外面にマットコート層7(厚さ2μm)を形成した。
以上の方法により包装材を製造した。
<実施例8>
二軸延伸ナイロンフィルム(耐熱性樹脂層3)の内面に黒色着色層8を以下の方法で形成した。
すなわち、エチレンジアミン、ポリエステルポリオール及びトリレンジイソシアネート硬化剤の合計の含有率75質量%の樹脂組成物に、個数平均径0.4μmのカーボンブラック(CB)をカーボンブラックの含有率が25質量%となるように添加し、均一に混合及び分散させることで黒インキを調製した。そして、この黒インキを二軸延伸ナイロンフィルムの内面にグラビアロールで層状に塗布し、乾燥させた。さらに40℃環境下で1日間放置することにより乾燥とともに架橋反応を進行させた。これにより、黒色着色層8(厚さ3μm)を二軸延伸ナイロンフィルムの内面に形成した。
次いで、アルミニウム箔の外面に実施例1と同じ外側接着剤組成物を5.0g/mの塗布量で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の外面と二軸延伸ナイロンフィルムの内面(即ち黒色着色層8)とを貼り合わせ、60℃でエージングすることで組成物を硬化させた。
次いで、アルミニウム箔の内面に、実施例7と同じアクリル系接着剤と内側補強剤としてのカーボンブラック(CB:個数平均径0.01μm、比表面積420m/g)とをカーボンブラックの含有率が8.0質量%となるように含有したアクリル樹脂接着剤組成物(即ちカーボンブラック含有内側接着剤組成物)を6.0g/mの塗布量で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の内面と未延伸三層共押しポリプロピレンフィルム(熱融着性樹脂層4)の外面とを貼り合わせ、40℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、内側接着剤層6Rにおけるカーボンブラックの含有量は0.48g/mであった。また、内側接着組成物の硬化膜の引張試験を実施例1と同様にして行った。
次いで、二軸延伸ナイロンフィルムの外面にマットコート層7を実施例7と同じ方法で形成することによって、包装材を製造した。
<実施例9>
実施例8と同じ黒インキを用い、二軸延伸ナイロンフィルム(耐熱性樹脂層3)の内面に黒色着色層8(厚さ3mm)を実施例8と同じ方法で形成した。
次いで、アルミニウム箔の外面に、外側接着剤として実施例1と同じニ液硬化型ポリエステルウレタン樹脂と外側補強剤としてのシリカ粒子(SiO粒子:個数平均径0.4μm、比表面積10m/g)とをシリカ粒子の含有率が4.3質量%となるように含有したポリエステルウレタン樹脂接着剤組成物(即ちシリカ粒子含有外側接着剤組成物)を6.5g/mの塗布量で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の外面と二軸延伸ナイロンフィルムの内面(即ち黒色着色層8)とを貼り合わせ、60℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、外側接着剤層5Rにおけるシリカ粒子の含有量は0.28g/mであった。また、外側接着組成物の硬化膜の引張試験を実施例1と同様にして行った。
次いで、アルミニウム箔の内面に、実施例7と同じアクリル系接着剤と内側補強剤としてのカーボンブラック(CB:個数平均径0.01μm、比表面積420m/g)とをカーボンブラックの含有率が3.0質量%となるように含有したアクリル樹脂接着剤組成物(即ちカーボンブラック含有内側接着剤組成物)を6.5g/mの塗布量で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の内面と未延伸三層共押しポリプロピレンフィルム(熱融着性樹脂層4)の外面とを貼り合わせ、40℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、内側接着剤層6Rにおけるカーボンブラックの含有量は0.20g/mであった。また、内側接着剤組成物の硬化膜の引張試験を実施例1と同様にして行った。
次いで、二軸延伸ナイロンフィルムの外面にマットコート層7を実施例7と同じ方法で形成することによって、包装材を製造した。
<実施例10>
実施例8と同じ黒インキを用い、二軸延伸ナイロンフィルム(耐熱性樹脂層3)の内面に黒色着色層8(厚さ3mm)を実施例8と同じ方法で形成した。
次いで、アルミニウム箔の外面に、実施例1と同じ外側接着剤組成物を5.0g/mの塗布量で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の外面と二軸延伸ナイロンフィルムの内面(即ち黒色着色層8)とを貼り合わせ、60℃でエージングすることで組成物を硬化させた。
次いで、アルミニウム箔の内面に、実施例7と同じアクリル系接着剤と内側補強剤としての炭酸カルシウム粒子(CaCO粒子:個数平均径0.02μm、比表面積210m/g)とを炭酸カルシウム粒子の含有率が9.0質量%となるように含有したアクリル樹脂接着剤組成物(即ち炭酸カルシウム粒子含有内側接着剤組成物)を7.5g/mの塗布量で層状に塗布し、組成物中の溶剤を乾燥蒸発させ、そして、アルミニウム箔の内面と未延伸三層共押しポリプロピレンフィルム(熱融着性樹脂層4)の外面とを貼り合わせ、40℃でエージングすることで組成物を硬化させた。この場合、内側接着剤層6Rにおける炭酸カルシウム粒子の含有量は0.68g/mであった。また、内側接着剤組成物の硬化膜の引張試験を実施例1と同様にして行った。
次いで、二軸延伸ナイロンフィルムの外面にマットコート層7を実施例7と同じ方法で形成することによって、包装材を製造した。
<比較例1>
実施例1において内側接着剤層に内側補強剤を含有させないこと以外は、実施例1と同様にして各接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、包装材を製造した。
<比較例2>
実施例1において、内側補強剤をシリカ粒子(SiO粒子:個数平均径4.0μm、比表面積1.0m/g)とし且つシリカ粒子含有内側接着剤組成物におけるシリカ粒子の含有率を3.5質量%とし且つ内側接着剤組成物の塗布量を6.5g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして内側接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、包装材を製造した。この場合、内側接着剤層6Rにおけるシリカ粒子の含有量は0.23g/mであった。
<比較例3>
実施例8において、内側接着剤層に内側補強剤を含有させず且つ内側接着剤層の塗布量を6.5g/mとしたこと以外は、実施例8と同様にして内側接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、包装材を製造した。
<比較例4>
実施例8において、内側補強剤を炭酸カルシウム粒子(CaCO粒子:個数平均径3.0μm、比表面積0.8m/g)とし且つ炭酸カルシウム粒子含有内側接着剤組成物における炭酸カルシウム粒子の含有率を4.5質量%とし且つ内側接着剤組成物の塗布量を4.5g/mとしたこと以外は、実施例8と同様にして内側接着剤組成物の硬化膜の引張試験を行うとともに、包装材を製造した。この場合、内側接着剤層6Rにおける炭酸カルシウム粒子の含有量は0.20g/mであった。
(比表面積の測定方法)
ここで、上記実施例1~10及び上記比較例1~4において、内側補強剤(内側補強粒子)及び外側補強剤(外側補強粒子)の比表面積はJIS Z8330:2013に準拠して次の方法により測定した。
すなわち、補強剤を秤量し、秤量した補強剤をガス吸着式細孔分布測定器(NOVA4200e:株式会社セイシン企業)を用いてNガスパージ法(ガス流量20cm/min、ガス圧力20kPa、加熱温度200℃、処理時間2時間)にて前処理した後、BET多点法により補強剤の比表面積を測定した。
(個数平均径の求め方)
内側補強粒子及び外側補強粒子の個数平均径は次の方法により求めた。
内側補強粒子の懸濁液を調製し、懸濁液に対してレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(Partica LA-960V2:株式会社堀場製作所)を用いて内側補強粒子の粒度分布を測定し、内側補強粒子の個数平均径を求めた。外側補強粒子の個数平均径についてもこれと同じようにして求めた。
(包装材の評価)
上記実施例1~10及び上記比較例1~4のそれぞれの包装材について突き刺し強度の測定及び成形加工性試験を行った。その結果を次の表1及び2に示す。
Figure 2024062383000002
Figure 2024062383000003
<突き刺し強度>
包装材の突き刺し強度はJIS Z1707:2019に準拠して測定した。その際の突き刺し強度試験は次の手順1~2に従って行った。
手順1:包装材から採取した試験片をジグで固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を試験速度50±5mm/minで耐熱性樹脂層側から突き刺し、針が貫通するまでの最大力(N)を測定する。
手順2:包装材から採取する試験片の数は5個以上とし、包装材の全幅にわたって平均するように試験片を採取する。
表1及び2中の「突き刺し強度」欄において符号の意味は次のとおりである。なお、◎及び○を突き刺し強度試験の合格とした。
◎:突き刺し強度が19N超
〇:突き刺し強度が16N超19N以下
×:突き刺し強度が16N以下。
<成形加工性試験>
パンチ形状:33mm×54mm、パンチのコーナーR:2mm、パンチ肩R:1.3mm、ダイス形状のダイス肩R:1mmの金型が設置された株式会社アマダ製プレス機を準備した。
そして、包装材から縦100mm×横125mmの長方形状の試験素板を採取し、上記プレス機を用いて試験素板を深絞り成形加工することにより成形加工品を形成した。
この成形加工品におけるコーナー部のピンホール及び割れの有無を暗室にて透過光法により確認し、ピンホール及び割れが発生しない「最大成形加工深さ(mm)」を調べ、包装材の成形加工性を評価した。その評価基準は以下のとおりである。なお、◎及び○を成形加工性試験の合格とした。
◎:最大成形加工深さが7mm以上でクラック及びピンホール無し
〇:最大成形加工深さが6mm以上7mm未満でクラック及びピンホール無し
×:最大成形加工深さが6mm未満でクラック又は/及びピンホール有り。
上記表1及び2から分かるように、上記要件1及び2を満たした内側補強粒子が用いられている実施例1~10の包装材は高い突き刺し強度を有していることを確認し得た。
さらに、実施例1、2、4~10のように、内側接着剤層6Rの塗布量が2g/m~10g/mの範囲であり且つ内側接着剤層6Rにおける内側補強剤の含有量が0.2g/m~1.0g/mの範囲である場合、引張破断伸びの向上率ΔL1が大きく、そのため包装材の成形加工性が高いことを確認し得た。
本発明は、成形加工用包装材、包装ケース及び蓄電デバイスに利用可能である。
1A~1E:包装材
2:金属箔層
3:耐熱性樹脂層
4:熱融着性樹脂層
5、5R:外側接着剤層
6R:内側接着剤層
7:マットコート層
8:黒色着色層
30:リチウムイオン電池(蓄電デバイス)
31:リチウムイオン電池本体(蓄電デバイス本体)

Claims (7)

  1. 金属箔層と、前記金属箔層の外面側に配置された耐熱性樹脂層と、前記金属箔層の内面側に配置された熱融着性樹脂層とを備えるとともに、前記金属箔層と前記耐熱性樹脂層の間に外側接着剤層が設けられ、且つ前記金属箔層と前記熱融着性樹脂層の間に内側接着剤層が設けられた成形加工用包装材であって、
    前記内側接着剤層は内側補強剤を含有しており、
    前記内側補強剤として以下の要件1及び2を満たす内側補強粒子が用いられている成形加工用包装材。
    要件1:前記内側補強粒子の個数平均径が0.01μm~3μmの範囲である。
    要件2:前記内側補強粒子の比表面積が1m/g以上である。
  2. 前記内側接着剤層は、内側接着剤と前記内側補強剤を含有する内側接着剤組成物の硬化膜からなり、
    前記内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL1とし、
    前記内側接着剤を含有し前記内側補強剤を含有しない内側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL1とするとき、
    前記L1は次の関係式1を満たしている請求項1記載の成形加工用包装材。
    15%≦{(L1-L1)/L1}×100%≦250% …(式1)。
  3. 前記内側接着剤層は、前記金属箔層と前記熱融着性樹脂層の間に2g/m~10g/mの範囲の塗布量で設けられており、
    前記内側接着剤層における前記内側補強剤の含有量が0.2g/m~1.0g/mの範囲である請求項1又は2記載の成形加工用包装材。
  4. 前記外側接着剤層は外側補強剤を含有しており、
    前記外側補強剤として以下の要件3及び4を満たす外側補強粒子が用いられている請求項1又は2記載の成形加工用包装材。
    要件3:前記外側補強粒子の個数平均径が0.01μm~3μmの範囲である。
    要件4:前記外側補強粒子の比表面積が1m/g以上である。
  5. 前記外側接着剤層は、外側接着剤と前記外側補強剤を含有する外側接着剤組成物の硬化膜からなり、
    前記外側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL2とし、
    前記外側接着剤を含有し前記外側補強剤を含有しない外側接着剤組成物の硬化膜の引張破断伸びをL2とするとき、
    前記L2は次の関係式2を満たしている請求項4記載の成形加工用包装材。
    15%≦{(L2-L2)/L2}×100%≦250% …(式2)。
  6. 請求項1又は2記載の成形加工用包装材が深絞り成形加工又は張出し成形加工されて形成された包装ケース。
  7. 蓄電デバイス本体と前記蓄電デバイス本体を包装した包装ケースとを具備する蓄電デバイスであって、
    前記包装ケースとして、請求項6記載の包装ケースを備えている蓄電デバイス。
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