JP2024060977A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐偏摩耗性能とウェット性能とを両立させたタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部2を有するタイヤ1である。トレッド部2は、周方向溝3と、クラウン陸部7とを含んでいる。クラウン陸部7は、第1縦エッジ9及び第2縦エッジ10と、第1縦エッジ9と第2縦エッジ10との間の踏面22とを含んでいる。クラウン陸部7には、複数のサイプが設けられ、複数のサイプは、複数の第1サイプ11のみである。複数の第1サイプ11のそれぞれは、第1縦エッジ9から第2縦エッジ10まで延びており、かつ、第1縦エッジ9からタイヤ軸方向に対して一方向に傾斜する第1傾斜部13と、第2縦エッジ10からタイヤ軸方向に対して第1傾斜部13とは逆向きに傾斜する第2傾斜部14とを含むV字状である。第1傾斜部13及び第2傾斜部14のそれぞれは、第1サイプ11の長手方向と直交する横断面においてタイヤ半径方向に波状に延びている部分を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤに関する。
下記特許文献1には、トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる主溝と、前記主溝で区分された陸部と、前記陸部を横切る横サイプとを具えた空気入りタイヤが提案されている。前記横サイプは、トレッド平面視において、Z字状に折れ曲がる第1横サイプと、滑らかに湾曲する第2横サイプとを含んでいる。前記第1横サイプは、中央部と、前記中央部の両端部に、前記中央部に対して鋭角で連なり、互いに逆向きにのびる一対の外側部とを含んでいる。前記外側部の少なくとも一部は、第1サイプ深さを有し、前記中央部は、前記第1サイプ深さよりも大きい第2サイプ深さを有している。
前記空気入りタイヤにおいては、前記第1横サイプと前記第2横サイプとの剛性の違いにより、偏摩耗が生じうるため、耐偏摩耗性能について改善が求められていた。一方、タイヤには、ウェット性能も要求される。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、耐偏摩耗性能とウェット性能とを両立させたタイヤの提供を主たる目的としている。
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝によって区分された少なくとも1つのクラウン陸部とを含み、前記クラウン陸部は、タイヤ周方向に延びる第1縦エッジ及び第2縦エッジと、前記第1縦エッジと前記第2縦エッジとの間の踏面とを含み、前記クラウン陸部には、複数のサイプが設けられており、前記クラウン陸部に設けられた前記複数のサイプは、複数の第1サイプのみであり、前記複数の第1サイプのそれぞれは、前記第1縦エッジから前記第2縦エッジまで延びており、かつ、前記第1縦エッジからタイヤ軸方向に対して一方向に傾斜する第1傾斜部と、前記第2縦エッジからタイヤ軸方向に対して前記第1傾斜部とは逆向きに傾斜する第2傾斜部とを含むV字状であり、前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部のそれぞれは、前記第1サイプの長手方向と直交する横断面においてタイヤ半径方向に波状に延びている部分を含む、タイヤである。
本発明のタイヤは、上記の構成を採用したことによって、耐偏摩耗性能とウェット性能とを両立させることができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のタイヤ1の正規状態におけるトレッド部2の展開図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、重荷重用の空気入りタイヤとして好適に使用される。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、乗用車用のタイヤとして使用されても良い。
図1は、本実施形態のタイヤ1の正規状態におけるトレッド部2の展開図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、重荷重用の空気入りタイヤとして好適に使用される。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、乗用車用のタイヤとして使用されても良い。
「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって車両に未装着かつ無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
図1に示されるように、トレッド部2は、2つのトレッド端Te、Teの間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝3と、複数の周方向溝3によって区分された複数の陸部4とを含んでいる。
「トレッド端Te」は、前記正規状態のタイヤに、正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。
「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。各種の規格が定められていないタイヤの場合、「正規荷重」は、上述の規格に準じ、タイヤを使用する上で適用可能な最大の荷重を指す。
各周方向溝3の溝幅GWは、5.0mm以上であり、例えば、トレッド幅TWの1.5%~5.0%である。なお、トレッド幅TWは、前記正規状態における一方のトレッド端Teから他方のトレッド端Teまでのタイヤ軸方向の距離に相当する。各周方向溝3の溝深さ(図示省略)は、例えば、10~25mmである。これにより、ウェット性能とドライ路面での操縦安定性とがバランス良く向上する。
本実施形態のトレッド部2には、3本の周方向溝3が設けられている。本実施形態の周方向溝3は、例えば、2本のショルダー周方向溝5と、1本のクラウン周方向溝6とで構成されている。2本のショルダー周方向溝5は、例えば、タイヤ赤道Cを挟む様に配置されている。1本のクラウン周方向溝6は、2本のショルダー周方向溝5の間に配置されており、本実施形態ではタイヤ赤道C上に配置されている。但し、本発明はこのような配置に限定されるものではなく、トレッド部2には、例えば、4本の周方向溝3が配置されても良い。
タイヤ赤道Cからショルダー周方向溝5の溝中心線までの距離SLは、例えば、トレッド幅TWの20~40%であるのが好ましい
クラウン周方向溝6は、例えば、ショルダー周方向溝5の内側に設けられている。本実施形態のクラウン周方向溝6は、タイヤ赤道C上に1本設けられている。クラウン周方向溝6は、例えば、タイヤ赤道Cの両側に1本ずつ設けられていても良い。
本実施形態では、各周方向溝3は、タイヤ周方向にジグザグに延びている。このような周方向溝3は、そのエッジによって、タイヤ周方向の摩擦力も高めることができ、ひいてはウェット走行時に優れたトラクション性能を発揮する。各周方向溝3は、例えば、タイヤ周方向に直線状に延びるものでも良い。
陸部4は、少なくとも1つのクラウン陸部7を含む。本実施形態の陸部4は、例えば、2つのクラウン陸部7と2つのショルダー陸部8とで構成されている。クラウン陸部7は、クラウン周方向溝6とショルダー周方向溝5との間に区分されている。ショルダー陸部8 は、クラウン陸部7のタイヤ軸方向外側に配されており、トレッド端Teを含んでいる。
図2には、2つのクラウン陸部7の拡大図が示されている。図1及び図2に示されるように、クラウン陸部7は、タイヤ周方向に延びる第1縦エッジ9及び第2縦エッジ10とこれらのエッジに囲まれた踏面22とを含む。
第1縦エッジ9は、クラウン周方向溝6によって区画されたタイヤ周方向に延びるエッジである。第2縦エッジ10は、ショルダー周方向溝5によって区画されたタイヤ周方向に延びるエッジである。
クラウン陸部7には、複数のサイプが設けられており、クラウン陸部7に設けられた複数のサイプは、複数の第1サイプ11のみである。クラウン陸部7において、サイプとしては単一の種類の第1サイプ11のみが設けられていることにより、クラウン陸部7の剛性が均一に確保されうるので、耐偏摩耗性能の向上が期待できる。
複数の第1サイプ11のそれぞれは、第1縦エッジ9から第2縦エッジ10まで延びている。これにより、クラウン陸部7は、複数の第1サイプ11で区分された複数のクラウンブロック12を含んでいる。第1サイプ11は、例えば、タイヤ軸方向に沿って延び、クラウン陸部7を横切っている。換言すれば、クラウン陸部7に設けられた第1サイプ11は、クラウン周方向溝6とショルダー周方向溝5との間を連通している。このような第1サイプ11は、ウェット路面においてタイヤ周方向に大きな摩擦力を提供し、ウェット性能の向上が期待できる。
「サイプ」とは、幅が比較的小さい切れ込みであって、互いに向き合う内壁間の幅が1.5mm以下のものを指す。本実施形態のように、サイプの開口部には、後述する浅横溝15が配されても良い。また、サイプの底部には、部分的に幅が拡大した拡幅部が配されても良い。
複数の第1サイプ11のそれぞれは、第1縦エッジ9からタイヤ軸方向に対して一方向に傾斜する第1傾斜部13と、第2縦エッジ10からタイヤ軸方向に対して第1傾斜部13とは逆向きに傾斜する第2傾斜部14とを含むV字状である。
V字状の第1サイプ11とは、少なくとも、第1傾斜部13と第2傾斜部14とが直接連なってV字を構成している態様を含む。V字状の第1サイプ11として、第1傾斜部13と第2傾斜部14との間に、長さが比較的小さい直線状または湾曲した短サイプ片が含まれても良い。この場合、前記短サイプ片のタイヤ軸方向の長さは、クラウン陸部7の踏面22の最大の幅CWの10%以下であるのが望ましい。
第1傾斜部13は、例えば、第1縦エッジ9からクラウン陸部7のタイヤ軸方向の中央部に向かって延びている。第2傾斜部14は、例えば、第2縦エッジ10からクラウン陸部7のタイヤ軸方向の中央部に向かって延びている。
図3には、図2のA-A線断面図が示されている。図3に示されるように、第1傾斜部 13及び第2傾斜部14のそれぞれは、第1サイプ11の長手方向と直交する横断面においてタイヤ半径方向に波状に延びている部分を含んでいる。本実施形態では、第1傾斜部 13及び第2傾斜部14のそれぞれ全体が、第1サイプ11の長手方向と直交する横断面においてタイヤ半径方向に波状に延びている。
「波状」は、本明細書では、ジグザグ状で波の起伏する形は勿論、波の頂点が丸みを持っている形状を含む。このため、第1サイプ11は、例えば、タイヤ半径方向に正弦波状や三角波状、又は、矩形波状に延びるものでも良い。
従来の横サイプ(図示省略)は、タイヤ軸方向に対して一方向に傾斜して延び陸部を横切る場合が多い。このような従来の横サイプでは、タイヤと地面との間の摩擦力が一方向となり、ウェット性能について改善の余地があった。
これに対し、本発明では、第1サイプ11の第1傾斜部13と第2傾斜部14とがV字状である。このような第1サイプ11は、ウェット走行時、第1傾斜部13及び第2傾斜部14が異なる方向に摩擦力を提供し、優れたウェット性能を発揮することができる。
また、上述のような従来の横サイプを有するタイヤは、サイプが設けられた陸部のタイヤ軸方向のせん断変形が大きい傾向がある。
これに対し、本発明の第1サイプ11は、第1傾斜部13と第2傾斜部14とがV字状であるため、各傾斜部の隣り合うクラウンブロック12同士が支え合う効果を発揮する。これにより、クラウンブロック12の剛性が大きくなる。特に旋回時、つまりタイヤ1に軸方向の力が加わった際、V字部分の両側のクラウンブロック12同士が支え合う効果が大きい。これにより、陸部4のタイヤ軸方向のせん断変形が抑制され、ひいては耐偏摩耗性能が向上する。
本発明では、第1サイプ11の第1傾斜部13及び第2傾斜部14のそれぞれが、第1サイプ11の長手方向と直交する横断面においてタイヤ半径方向に波状に延びている部分を含んでいる。これにより、タイヤ1に接地圧が負荷して第1サイプ11の両側のサイプ壁が接触した状態では、第1サイプ11周辺の陸部分においてタイヤ半径方向のせん断変形が抑制され、前記陸部分の剛性が向上する。したがって、第1サイプ11周辺での偏摩耗が抑制され、耐偏摩耗性能の向上が期待できる。
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤ1に、以下で説明される各構成のいずれかを1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
図2及び図3に示されるように、クラウン陸部7には、第1縦エッジ9から第2縦エッジ10まで延びる複数の浅横溝15が設けられており、かつ、第1サイプ11は、浅横溝 15の底面で開口しているのが望ましい。このような浅横溝15は、タイヤの使用開始時において、排水性能を向上させ、ウェット性能を高めるのに役立つ。
図3に示されるように、浅横溝15の溝幅W2は、例えば、2.0~5.0mmが好ましい。浅横溝15の最大の深さd2は、例えば、1.5~4.0mmが好ましい。
図2に示されるように、第1サイプ11の第1傾斜部13と第2傾斜部14との間の角度θが小さいと、V字状につながる部分で欠けの起点となる場合がある。このため、前記角度θは、少なくとも60°以上が望ましく、本実施形態では前記角度θが鈍角とされる。一方、角度θが過度に大きいと、タイヤ軸方向に加わる力に対してクラウンブロック12が支え合う効果が小さくなり、耐偏摩耗性を損ねるおそれがある。このような観点から、第1サイプ11の第1傾斜部13と第2傾斜部14との間の角度θは、望ましくは150°以下であり、より望ましくは140°以下である。
第1傾斜部13は、直線状でトレッド部に開口しているのが望ましい。また、第2傾斜部14は、直線状でトレッド部に開口しているのが望ましい。換言すれば、第1傾斜部13及び第2傾斜部14の開口部のエッジが、直線状に構成されている。本実施形態では、浅横溝15の底面において、第1傾斜部13及び第2傾斜部14の開口部のエッジが直線状に延びている。これにより、第1サイプ11のV字部分以外においても欠けの起点が生成されるのを抑制し、耐偏摩耗性能が向上する。但し、第1傾斜部13及び第2傾斜部14の開口部のエッジの態様は、これらに限定されるものではなく、例えば、いずれかが曲線状やジグザグ状であってもよく、両方が曲線状又はジグザグ状であっても良い。
図4には、第1サイプ11のサイプ壁23を示す拡大斜視図が示されている。図4に示されるように、第1サイプ11は、サイプ壁23が凹凸を含んで構成された所謂3-Dとして構成されている。
このため、第1傾斜部13及び第2傾斜部14のそれぞれは、少なくとも、第1サイプ11の深さ方向の中心を通り、かつ、踏面22に沿って延びる断面において、波状に延びているのが望ましい。望ましい態様では、第1サイプ11は、その深さ方向のいずれの位置(但し、開口部は除く)においても、踏面22に沿って延びる断面において波状に延びている。このような第1傾斜部13及び第2傾斜部14は、互いに向き合うサイプ壁が接触したときにこれらが強固に噛み合い、その周辺のせん断変形を抑制でき、ひいてはクラウン陸部7の耐偏摩耗性能が向上する。
図3に示されるように、第1サイプ11の最大の深さd1は、周方向溝3の最大の深さより小さいのが望ましい。第1サイプ11の最大の深さd1は、周方向溝3の最大の深さの望ましくは50%以上、より望ましくは60%以上であり、望ましくは90%以下、より望ましくは80%以下である。このような第1サイプ11は、排水性を維持しつつ剛性が確保されるので、ウェット性能と耐偏摩耗性能とをバランス良く向上させる。
第1サイプ11のサイプ幅W1は、例えば、0.8~1.2mmであるのが好ましい。第1サイプ11のサイプ幅W1が0.8~1.2mmであれば、第1サイプ11を成形するナイフブレード(図示省略)の折れや曲がりが発生しにくくなり、生産性が向上する。
第1サイプ11の長手と直交する断面における第1サイプ11の振幅量A1(ピークトゥピークの振幅量であり、以下、同様である。)は、例えば、0.5~1.0mmが望ましい。第1サイプ11の振幅量A1が0.5mm未満だとクラウンブロック12の変形を抑制する効果が発揮しにくいおそれがある。第1サイプ11の振幅量A1が1.0mm以上だと、加硫時のナイフブレード゛が引き抜きにくく、ナイフブレードが折れたり、トレッド部2のゴムがちぎれたりして生産性が低下するおそれがある。
図2に示されるように、複数の第1サイプ11の1ピッチ長さPは、例えば、クラウン陸部7の踏面の最大の幅CWよりも小さいのが望ましい。具体的には、前記長さPは、前記最大の幅CWの好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下であり、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上である。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウェット性能とが、バランス良く高められる。なお、前記1ピッチ長さPは、タイヤ周方向で隣接する2つの第1サイプ11の第2縦エッジ10側の端(サイプ中心線の端である。)におけるタイヤ周方向の距離を意味する。
一方のクラウン陸部7の第1サイプ11は、例えば、タイヤ周方向の一方側に凸となる向きに折れ曲がっている。他方のクラウン陸部7の第1サイプ11は、例えば、タイヤ周方向の他方側に凸となる向きに折れ曲がっているのが好ましい。すなわち、一方のクラウン陸部7の第1サイプ11と、他方のクラウン陸部7の第1サイプ11とは、タイヤ周方向で凸となる方向が逆向きである。これにより、一方のクラウン陸部7と他方のクラウン陸部7とにタイヤ軸方向で加わる力がつり合い、クラウン陸部7の剛性が高く維持できることで、耐摩耗性能を確保できる。
上述のように、例えば、一方のクラウン陸部7の第1サイプ11と、他方のクラウン陸部7の第1サイプ11とが、折れ曲がりの向きが逆向きであるとき、一方のクラウン陸部7の第1サイプ11と、他方のクラウン陸部7の第1サイプ11との頂点のタイヤ周方向の距離L1が、第1サイプ11の1ピッチの長さPの50%以下であることが望ましい。これにより、隣接する2つの第1サイプ11が協働して大きな摩擦力を提供し、ウェット性能がより一層向上する。
本実施形態では、第1縦エッジ9は、第2縦エッジ10側に凹む凹部9aを含む。また、第2縦エッジ10は、第1縦エッジ9側に凹む凹部10aを含む。より望ましい態様として、本実施形態の各第1サイプ11は、第1縦エッジ9の凹部9aから第2縦エッジ10の凹部10aまで延びている。
本実施形態では、第1縦エッジ9と第2縦エッジ10のジグザグ位相が約半ピッチずれている。これにより、クラウン陸部7は、タイヤ軸方向の幅がタイヤ周方向に増減を繰り返している。即ち、クラウン陸部7は、タイヤ軸方向幅が比較的大きい第1部分24と、タイヤ軸方向の幅が第1部分24よりも小さい第2部分25とを有し、これらがタイヤ周方向に交互に設けられている。本実施形態では、第1部分24がクラウン陸部7の最大幅部を構成しており、第2部分25が最小幅部を構成している。このようなクラウン陸部7は、最大幅部がタイヤ周方向に交互に設けられているために、クラウン陸部7のタイヤ軸方向の剛性が確保され、耐摩耗性能が向上する。
タイヤ周方向で隣接する2本の第1サイプ11の間には、例えば、溝が設けられていない。これにより、クラウン陸部7の剛性が確保され、耐摩耗性能が向上する。
図1に示されるように、ショルダー陸部8は、ショルダー周方向溝5のタイヤ軸方向外側に設けられている。
図5には、図1の左側のショルダー陸部8の拡大図が示されている。図5に示されるように、ショルダー陸部8は、例えば、タイヤ周方向に連続するリブである。
ショルダー陸部8には、例えば、ショルダー横溝16と、ショルダーサイプ17とが設けられている。
ショルダー横溝16は、例えば、トレッド端Teからタイヤ軸方向内側にのび、ショルダー陸部8内で終端している。このようなショルダー横溝16は、操縦安定性とウェット性能とをバランス良く高めることができる。
ショルダー横溝16は、例えば、外側溝部18と内側溝部19とを含んでいる。
外側溝部18は、例えば、トレッド端Teから一定の溝幅でタイヤ軸方向にのびている。このような外側溝部18は、トレッド端Te付近の耐久性を維持しつつ、優れたワンダリング性能を発揮しうる。
内側溝部19は、例えば、外側溝部18のタイヤ軸方向内側に設けられている。内側溝部19は、例えば、タイヤ軸方向内側に向かって溝幅が漸減している。このような内側溝部19は、ショルダー横溝16の内端部付近の偏摩耗を抑制するのに役立つ。
望ましい態様として、内側溝部19は、例えば、外側溝部18のタイヤ軸方向内側に連なる第1内側溝部20と、第1内側溝部20のタイヤ軸方向内側に連なる第2内側溝部 21とを含んでいる。
第1内側溝部20は、例えば、両方の溝縁20a、20bがタイヤ軸方向に逆向きに傾斜している。第2内側溝部21は、例えば、一方の溝縁21aがタイヤ軸方向にのび、他方の溝縁21bが第1内側溝部20の一方の溝縁20bと同じ向きに傾斜している。このような内側溝部19は、溝幅が不規則に変化するため、ショルダー横溝16の内端部での石噛みを抑制することができる。
外側溝部18の溝深さは、例えば、内側溝部19の溝深さより大きいのが好ましい。第1内側溝部20の溝深さは、例えば、第2内側溝部21の溝深さよりも大きいのが好ましい。このようなショルダー横溝16は、排水性能を高く維持できるため、優れたウェット性能を発揮する。
第1内側溝部20の溝深さは、例えば、外側溝部18の溝深さの5~30%であるのが好ましい。第2内側溝部21の溝深さは、例えば、第1内側溝部20の溝深さの20~50%であるのが好ましい。このようなショルダー横溝16は、排水性能をより高く維持できるため、より優れたウェット性能を発揮する。
ショルダーサイプ17は、例えば、トレッド端Teからタイヤ軸方向内側にのび、ショルダー陸部8内で終端している。
ショルダーサイプ17のタイヤ軸方向の長さL3は、例えば、ショルダー横溝16の外側溝部18のタイヤ軸方向の長さL2よりも小さいのが望ましい。具体的には、ショルダーサイプ17の前記長さL3は、好ましくは外側溝部18の前記長さL2の0.20倍以上、より好ましくは0.25倍以上であり、好ましくは0.40倍以下、より好ましくは0.35倍以下である。このようなショルダーサイプ17は、トレッド端Te付近の偏摩耗を抑制しつつ、優れたワンダリング性能を発揮しうる。
上述の効果をさらに発揮させるために、ショルダーサイプ17は、例えば、タイヤ周方向で隣り合うショルダー横溝16、16の間に、2~5本設けられているのが望ましい。
以上、本発明の一実施形態が詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
本発明は以下の態様を含む。
[本発明1]
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝によって区分された少なくとも1つのクラウン陸部とを含み、
前記クラウン陸部は、タイヤ周方向に延びる第1縦エッジ及び第2縦エッジと、前記第1縦エッジと前記第2縦エッジとの間の踏面とを含み、
前記クラウン陸部には、複数のサイプが設けられており、
前記クラウン陸部に設けられた前記複数のサイプは、複数の第1サイプのみであり、
前記複数の第1サイプのそれぞれは、前記第1縦エッジから前記第2縦エッジまで延びており、かつ、前記第1縦エッジからタイヤ軸方向に対して一方向に傾斜する第1傾斜部と、前記第2縦エッジからタイヤ軸方向に対して前記第1傾斜部とは逆向きに傾斜する第2傾斜部とを含むV字状であり、
前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部のそれぞれは、前記第1サイプの長手方向と直交する横断面においてタイヤ半径方向に波状に延びている部分を含む、
タイヤ。
[本発明2]
前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との間の角度は、鈍角である、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記第1傾斜部は、直線状で前記トレッド部に開口している、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記第2傾斜部は、直線状で前記トレッド部に開口している、本発明1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との間の角度は、150°以下である、本発明1ないし4のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明6]
前記第1サイプの最大の深さは、前記周方向溝の最大の深さの50%~90%である、本発明1ないし5のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明7]
前記クラウン陸部には、前記第1縦エッジから前記第2縦エッジまで延びる複数の浅横溝が設けられており、
前記第1サイプは、前記浅横溝の底面で開口している、本発明1ないし6のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明8]
前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部のそれぞれは、少なくとも、前記第1サイプの深さ方向の中心を通り、かつ、前記踏面に沿って延びる断面において、波状に延びている、本発明1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明9]
タイヤ周方向で隣接する2本の前記第1サイプの間には、溝が設けられていない、本発明1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝によって区分された少なくとも1つのクラウン陸部とを含み、
前記クラウン陸部は、タイヤ周方向に延びる第1縦エッジ及び第2縦エッジと、前記第1縦エッジと前記第2縦エッジとの間の踏面とを含み、
前記クラウン陸部には、複数のサイプが設けられており、
前記クラウン陸部に設けられた前記複数のサイプは、複数の第1サイプのみであり、
前記複数の第1サイプのそれぞれは、前記第1縦エッジから前記第2縦エッジまで延びており、かつ、前記第1縦エッジからタイヤ軸方向に対して一方向に傾斜する第1傾斜部と、前記第2縦エッジからタイヤ軸方向に対して前記第1傾斜部とは逆向きに傾斜する第2傾斜部とを含むV字状であり、
前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部のそれぞれは、前記第1サイプの長手方向と直交する横断面においてタイヤ半径方向に波状に延びている部分を含む、
タイヤ。
[本発明2]
前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との間の角度は、鈍角である、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記第1傾斜部は、直線状で前記トレッド部に開口している、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記第2傾斜部は、直線状で前記トレッド部に開口している、本発明1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との間の角度は、150°以下である、本発明1ないし4のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明6]
前記第1サイプの最大の深さは、前記周方向溝の最大の深さの50%~90%である、本発明1ないし5のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明7]
前記クラウン陸部には、前記第1縦エッジから前記第2縦エッジまで延びる複数の浅横溝が設けられており、
前記第1サイプは、前記浅横溝の底面で開口している、本発明1ないし6のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明8]
前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部のそれぞれは、少なくとも、前記第1サイプの深さ方向の中心を通り、かつ、前記踏面に沿って延びる断面において、波状に延びている、本発明1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明9]
タイヤ周方向で隣接する2本の前記第1サイプの間には、溝が設けられていない、本発明1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。
1 タイヤ
2 トレッド部
3 周方向溝
7 クラウン陸部
9 第1縦エッジ
10 第2エッジ
11 第1サイプ
13 第1傾斜部
14 第2傾斜部
22 踏面
2 トレッド部
3 周方向溝
7 クラウン陸部
9 第1縦エッジ
10 第2エッジ
11 第1サイプ
13 第1傾斜部
14 第2傾斜部
22 踏面
Claims (9)
- トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝によって区分された少なくとも1つのクラウン陸部とを含み、
前記クラウン陸部は、タイヤ周方向に延びる第1縦エッジ及び第2縦エッジと、前記第1縦エッジと前記第2縦エッジとの間の踏面とを含み、
前記クラウン陸部には、複数のサイプが設けられており、
前記クラウン陸部に設けられた前記複数のサイプは、複数の第1サイプのみであり、
前記複数の第1サイプのそれぞれは、前記第1縦エッジから前記第2縦エッジまで延びており、かつ、前記第1縦エッジからタイヤ軸方向に対して一方向に傾斜する第1傾斜部と、前記第2縦エッジからタイヤ軸方向に対して前記第1傾斜部とは逆向きに傾斜する第2傾斜部とを含むV字状であり、
前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部のそれぞれは、前記第1サイプの長手方向と直交する横断面においてタイヤ半径方向に波状に延びている部分を含む、
タイヤ。 - 前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との間の角度は、鈍角である、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記第1傾斜部は、直線状で前記トレッド部に開口している、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記第2傾斜部は、直線状で前記トレッド部に開口している、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との間の角度は、150°以下である、請求項2に記載のタイヤ。
- 前記第1サイプの最大の深さは、前記周方向溝の最大の深さの50%~90%である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記クラウン陸部には、前記第1縦エッジから前記第2縦エッジまで延びる複数の浅横溝が設けられており、
前記第1サイプは、前記浅横溝の底面で開口している、請求項1又は2に記載のタイヤ。 - 前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部のそれぞれは、少なくとも、前記第1サイプの深さ方向の中心を通り、かつ、前記踏面に沿って延びる断面において、波状に延びている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- タイヤ周方向で隣接する2本の前記第1サイプの間には、溝が設けられていない、請求項1又は2に記載のタイヤ。
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JP2022168592A Pending JP2024060977A (ja) | 2022-10-20 | 2022-10-20 | タイヤ |
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- 2022-10-20 JP JP2022168592A patent/JP2024060977A/ja active Pending
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