JP2024060366A - 減速逆転機 - Google Patents
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Abstract
【課題】相互に噛み合う少なくとも一対のギヤ56,32が収容されるオイルタンクとしてのハウジング9を備える減速逆転機8において、前記各ギヤの潤滑不足による歯面の焼き付きや疲労損傷の発生を抑制する。【解決手段】ハウジング9内の作動油が潤滑油として流通する潤滑油路35から延長油路66を分岐させる。延長油路66の出口側には、ギヤ56,32同士の正転方向上流側からギヤ56,32同士の噛み合い部88に向けて潤滑油としての作動油を噴出する噴出部67を設ける。【選択図】図5
Description
本発明は、相互に噛み合う少なくとも一対のギヤが収容されるオイルタンクとしてのハウジングを備えている減速逆転機に関するものである。
従来、漁船やプレジャーボートといった船舶に搭載される減速逆転機において、当該減速逆転機を構成するハウジング内の各種ギヤを潤滑油としての作動油で潤滑する場合、ギヤ回転の掻き上げによる飛沫潤滑を採用しているものが多い(例えば特許文献1及び2等参照)。
しかし、前記従来の構成では、例えば一方のギヤの直径が大きくてギヤ同士の噛み合い部が比較的高い位置にあるような場合、ギヤ回転の掻き上げによる飛沫潤滑では、潤滑油としての作動油を噛み合い部にまで十分にはねかけできず、噛み合い部の潤滑不足が生じて、各ギヤにおける歯面の焼き付きや疲労損傷の発生を招きやすいという問題があった。
本発明は、上記のような現状を検討して改善を施した減速逆転機を提供することを技術的課題としている。
本発明は、相互に噛み合う少なくとも一対のギヤが収容されるオイルタンクとしてのハウジングを備えている減速逆転機であって、前記ハウジング内の作動油が潤滑油として流通する潤滑油路から延長油路を分岐させており、前記延長油路の出口側には、前記ギヤ同士の正転方向上流側から前記ギヤ同士の噛み合い部に向けて前記潤滑油としての作動油を噴出する噴出部が設けられているというものである。
本発明の減速逆転機において、前記ハウジングには、前記潤滑油路等を含む油圧回路の一部が形成された油路ブロックが設けられており、前記延長油路が前記油路ブロックの外部に配置されており、前記延長油路の出口側は、前記ハウジングのうち前記ギヤ同士の正転方向上流側の箇所に挿通されており、前記ハウジング内に位置する前記噴出部を、前記ギヤ同士の正転方向上流側から前記ギヤ同士の噛み合い部に向けて臨ませているようにしてもよい。
本発明の減速逆転機において、前記噴出部には、前記ギヤ同士の噛み合い部に臨む複数の噴出穴が形成されているようにしてもよい。
本発明によると、例えば一方のギヤの直径が大きくてギヤ同士の噛み合い部が比較的高い位置にあるような場合でも、潤滑油としての作動油を噴出部から前記噛み合い部に向けて吹き付けでき、前記噛み合い部、ひいては前記ギヤ同士を強制的に潤滑できる。従って、ギヤ回転の掻き上げによる飛沫潤滑だけの場合と比較して、前記各ギヤにおける歯面の焼き付きや疲労損傷の発生を大幅に低減できる。
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1~図6)に基づき説明する。
図1に示すように、船舶であるプレジャーボート1は、船体2と、船体の上面中央側に配置したキャビン3と、船体2の船底後尾側に設けた舵4と、船体2の船底後尾側のうち舵4の前方に配置したプロペラ5とを備えている。キャビン3内は操縦部になっている。
キャビン3内には、船体2の進行方向を左右に変更させる操舵ハンドル(図示省略)と、船体2の進行方向を前進と後進とに切換操作する前後進レバー26(図6参照)とが設けられている。船体2の船底後尾側には、プロペラ5を回転させる推進軸6が軸支されている。推進軸6の突出端側にプロペラ5が取り付けられている。
船体2内には、プロペラ5の駆動源である主機関としてのエンジン7と、エンジン7の回転動力を推進軸6経由でプロペラ5に伝達する減速逆転機8とが設けられている。エンジン7から減速逆転機8を介して推進軸6に伝わった回転動力によって、プロペラ5が回転する。
図2~図4に示すように、減速逆転機8を構成するハウジング9には、エンジン7のフライホイル7aにダンパー継手10を介して連結される入力軸11と、カップリング12を介して推進軸6に連結される出力軸13とが、互いに逆向きに突き出すように設けられている。入力軸11は、ハウジング9の正面上部に回転可能に軸支されている。出力軸13は、ハウジング9の背面下部に回転可能に軸支されている。
ハウジング9内には、入力軸11から出力軸13への正転(前進)方向の動力伝達を継断する正転1速クラッチ14及び正転2速クラッチ15と、入力軸11から出力軸13への逆転(後進)方向の動力伝達を継断する逆転クラッチ16とが収容されている。正転1速クラッチ14、正転2速クラッチ15及び逆転クラッチ16との組合せが正逆転機構17を構成している。従って、正逆転機構17の正転(前進)出力は2速式になっている。
ハウジング9の背面側には、後述する油圧回路20を有する油路ブロック18が設けられている。実施形態の油路ブロック18は、ハウジング9の背面側のうち出力軸13よりも上方に位置している。
正転1速クラッチ14、正転2速クラッチ15及び逆転クラッチ16は湿式多板型の油圧摩擦クラッチである。作動油圧で各クラッチ14~16の摩擦板を圧接させることによって、入力軸11と出力軸13とが動力伝達可能に連結される。
図4及び図5に示すように、逆転クラッチ16は入力軸11上に配置されている。入力軸11には、中継ギヤ57が固着されるとともに、逆転減速ギヤ58が回転可能に被嵌されている。正転1速クラッチ14は、減速逆転機8を背面側から見て逆転クラッチ16の左下方で、入力軸11と平行状に延びる正転1速軸51上に配置されている。正転1速軸51には、正転1速ギヤ52が固着されるとともに、正転1速減速ギヤ53が回転可能に被嵌されている。正転2速クラッチ15は、減速逆転機8を背面側から見て逆転クラッチ16の右下方で、入力軸11と平行状に延びる正転2速軸54上に配置されている。正転2速軸54には、正転2速ギヤ55が固着されるとともに、正転2速減速ギヤ56が回転可能に被嵌されている。
なお、正転1速軸51には、各クラッチ14~16等に作動油を供給する作動油ポンプ21が取り付けられている。作動油ポンプ21は、エンジン7の動力に基づく正転1速軸51の回転で駆動するように構成されている。
逆転クラッチ16の中継ギヤ57は、正転1速ギヤ52及び正転2速ギヤ55と常時噛み合っている。正転1速減速ギヤ53、正転2速減速ギヤ56及び逆転減速ギヤ58はそれぞれ、ハウジングに回転可能に軸支された減速出力ギヤ32に常時噛み合っている。正転1速減速ギヤ53、正転2速減速ギヤ56、逆転減速ギヤ58及び減速出力ギヤ32は、固定減速比の減速ギヤ機構を構成している。入力軸11の回転動力は、各減速ギヤ53,56,58と減速出力ギヤ32との間で固定減速比に減速される。
図5に示すように、正転2速減速ギヤ56の基準円直径は、正転1速減速ギヤ53の基準円直径より小さく、正転2速減速ギヤ56の歯数は、正転1速減速ギヤ53の歯数よりも少なく構成されている。すなわち、正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32の減速比は、正転1速減速ギヤ53と減速出力ギヤ32の減速比よりも大きい。正逆転機構17の正転(前進)出力は、正転1速クラッチ14の完全嵌入時の減速比を標準速とし、正転2速クラッチ15の完全嵌入時の減速比を大減速とする前進2速式になっている。
正転1速クラッチ14又は正転2速クラッチ15を接続し逆転クラッチ16を遮断することによって、入力軸11の回転動力を正転(前進)方向の出力として出力軸13に伝達する前進状態になる。正転1速クラッチ14及び正転2速クラッチ15を遮断し逆転クラッチ16を接続することによって、入力軸11の回転動力を逆転(後進)方向の出力として出力軸13に伝達する後進状態になる。
そして、正転1速クラッチ14、正転2速クラッチ15及び逆転クラッチ16の全てを遮断することによって、出力軸13に動力伝達しない中立状態になる。作動油圧で各クラッチ14~16の摩擦板の圧接程度を加減させてスリップ係合(半クラッチ係合)させれば、入力軸11の回転動力の一部が出力軸13に伝わり、出力軸13ひいては推進軸6に設けたプロペラ5が低回転する微速走行の状態になる。
次に、従前の図に加えて図6まで参照しながら、減速逆転機8の油圧回路20構造を説明する。
減速逆転機8の油圧回路20は、エンジン7の回転動力にて駆動する作動油ポンプ21を備えている。作動油ポンプ21は、正転1速クラッチ14、正転2速クラッチ15及び逆転クラッチ16等に作動油を供給するものである。作動油ポンプ21は、ハウジング9の背面側に配置された油路ブロック18に取り付けられている。すなわち、ハウジング9の背面側に、油路ブロック18を介して作動油ポンプ21が取り付けられている。作動油ポンプ21の吸入側は、ストレーナ23を介してオイルタンク22に接続されている。油路ブロック18には、後述する作動油路71や潤滑油路35等を含む油圧回路20の一部が形成されている。
作動油ポンプ21の吐出側に接続された作動油路71は、正逆転切換弁25を介して、速比切換弁27a,27bに向かう正転油路72、逆転クラッチ16に向かう逆転油路73、又はブレーキ解除用電磁弁30に向かう中立油路74に接続される。正逆転切換弁25は、正逆転機構17の切換作動を制御する。
すなわち、正逆転切換弁25は、前後進レバー26の切換操作によって、正転1速クラッチ14又は正転2速クラッチ15に作動油を供給する正転位置と、逆転クラッチ16に作動油を供給する逆転位置と、クラッチ14~16群全てへの作動油の供給を停止する中立位置との3位置に切換可能に構成されている。
正逆転切換弁25からの正転油路72は、速比切換弁ブロック29内で2本に分岐されている。実施形態の速比切換弁27a,27bは、正転1速用速比切換弁27aと、正転2速用速比切換弁27bとで構成されている。正転油路72の分岐の一方は、正転1速用速比切換弁27aを介して、正転1速クラッチ14に向かう正転1速油路75に接続される。正転油路72の分岐の他方は、正転2速用速比切換弁27bを介して、正転2速クラッチ15に向かう正転2速油路76に接続される。各速比切換弁27a,27bは、油路ブロック18の背面側に取り付けられた速比切換弁ブロック29に収容されている。
作動油路71からは、速比切換用電磁弁28に向かう速比切換パイロット油路77を分岐させている。速比切換パイロット油路77は、速比切換用電磁弁28を介して、正転1速パイロット油路78又は正転2速パイロット油路79に接続される。正転1速パイロット油路78は2本に分岐されて、正転1速用速比切換弁27aのスプール一端及び正転2速用速比切換弁27bのスプール一端に接続される。正転2速パイロット油路79は2本に分岐されて、正転1速用速比切換弁27aのスプール他端及び正転2速用速比切換弁27bのスプール他端に接続される。
正逆転切換弁25からの中立油路74は、ブレーキ解除用電磁弁30を介して、中立ブレーキ31に向かうブレーキ油路80又は閉路81に接続される。中立ブレーキ31は、正逆転機構17の中立時に出力軸13を制動させるものである。ブレーキ解除用電磁弁30は、作動油の給排によって中立ブレーキ31の作動を制御する。中立ブレーキ31は、出力軸13に固着された減速出力ギヤ32に常時噛み合うブレーキギヤ33のブレーキ軸34に設けられている。中立ブレーキ31の制動作動によってブレーキ軸34の回転が阻止され、ブレーキギヤ33を介して減速出力ギヤ32の回転が阻止される。
従って、正逆転切換弁25と速比切換弁27a,27bと速比切換用電磁弁28の切換作動の組合せによって、正転1速クラッチ14、正転2速クラッチ15、逆転クラッチ16又はブレーキ解除用電磁弁30のいずれかに、選択的に作動油が供給される。
図6に示すように、作動油路71からは、各クラッチ14~16に作動油を潤滑油として供給する潤滑油路35を延出させている。潤滑油路35には、上流側から順に、油圧保持用のリリーフ弁である作動油圧調整弁36と、作動油(潤滑油)を冷却する潤滑油クーラ37と、ストレーナ38と、潤滑油圧調整弁39とが設けられている。作動油圧調整弁36を通過した後の作動油は、潤滑油クーラ37及びストレーナ38を通過し、潤滑油圧調整弁39で低圧にした状態で、正転1速クラッチ14、正転2速クラッチ15及び逆転クラッチ16に潤滑油として供給される。所定圧以上の不要な作動油は、潤滑油圧調整弁39からオイルタンク22に戻される。
作動油路71の油圧保持用リリーフ弁である作動油圧調整弁36には、正逆転機構17接続時のショックを緩和させる緩嵌入弁40が設けられている。緩嵌入弁40は、正逆転切換弁25から導入される背圧によって正転1速クラッチ14、正転2速クラッチ15又は逆転クラッチ16への作動油圧を徐々に上昇させ、前進又は後進切換時のクラッチ接続によるショックを緩和させるように構成されている。
作動油圧調整弁36は、正逆転切換弁25の中立時に潤滑油路35を流通する作動油圧に応じて開弁している。作動油圧調整弁36と緩嵌入弁40との間にはリリーフばね41が介設されている。正逆転切換弁25を正転又は逆転位置に切換作動させると、パイロット圧が正逆転切換弁25経由で緩嵌入弁40に供給され、緩嵌入弁40がリリーフばね41を徐々に圧縮して作動油圧調整弁36の設定リリーフ圧が漸増し、作動油圧調整弁36が徐々に閉弁状態に至る。
作動油圧調整弁36が徐々に閉弁状態に向かうに連れて、正転1速クラッチ14及び正転2速クラッチ15の作動油圧、又は逆転クラッチ16の作動油圧が徐々に上昇し、正転1速クラッチ14、正転2速クラッチ15又は逆転クラッチ16が徐々に接続状態(係合状態)になる。その結果、各クラッチ14~16接続時のショックが緩和される。
図6に示すように、減速逆転機8の油圧回路20は、作動油圧調整弁36を迂回して作動油路71と潤滑油路35とをつなぐ迂回油路42を有している。迂回油路42にはリリーフ弁43が配置されている。作動油圧調整弁36が閉弁状態になり、クラッチ14~16のいずれかが接続状態になると、作動油ポンプ21の駆動にて作動油路71の作動油圧が上昇してリリーフ弁43が開弁状態になり、作動油路71から迂回油路42を介して潤滑油路35に作動油が導入される。
図2及び図3に示すように、ハウジング9の背面下部には、出力軸13が回転可能に軸支されている。ハウジング9の背面下部のうち出力軸13の一側方に、中立ブレーキ31が取り付けられている。ハウジング9の上面側には、潤滑油クーラ37が取り付けられている。ハウジング9の背面上部には、油圧回路20を有する油路ブロック18が取り付けられている。油路ブロック18の背面側には、作動油ポンプ21が取り付けられている。
油路ブロック18背面側のうち作動油ポンプ21の上方には、速比切換弁27a,27bを組み込んだ速比切換弁ブロック29が取り付けられている。速比切換弁ブロック29の上面には、速比切換用電磁弁28とブレーキ解除用電磁弁30が左右横方向に並べて取り付けられている。油路ブロック18の上面側には、正逆転切換弁25が取り付けられている。実施形態の正逆転切換弁25は、速比切換弁ブロック29の上方に位置している。
図2、図3及び図5に示すように、潤滑油路35において潤滑油圧調整弁39の下流側には、分配油路61が分岐接続されている。分配油路61からさらに分岐した複数の枝油路62には、それぞれゲート弁63を介して、例えば圧力センサや圧力計といった油圧検知部材64が接続されている。分配油路61及び複数の枝油路62の一部は、ハウジング9背面側の油路ブロック18上に設けられた分配ブロック65内に形成されている。
分配油路61には、複数の枝油路62以外に、油路ブロック18及び分配ブロック65外に配置された管状の延長油路66の入口側が接続されている。延長油路66の出口側には、正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32との正転方向上流側から、正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32との噛み合い部88に向けて、潤滑油としての作動油を噴出する噴出部67が設けられている。
実施形態において延長油路66は、前述の通り、ハウジング9の外部(油路ブロック18及び分配ブロック65の外部)に配置されている(図2及び図3参照)。延長油路66の出口側は、ハウジング9のうち正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32との正転方向上流側の付近に挿通されている。延長油路66における出口側の挿通部分には、正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32との噛み合い部88に臨む複数の小径噴出穴68が形成されている。延長油路66における出口側の挿通部分と、噛み合い部88に臨む複数の小径噴出穴68とによって、噴出部67が構成されている。管状に構成された延長油路66の出口側最先端は塞がれている。なお、図5には、位置関係上、小径噴出穴68を1つだけ図示している。実施形態の小径噴出穴68は、延長油路66の長手方向に複数並んでいるためである。小径噴出穴68の配置態様は特に限定されない。
上記の構成によると、ハウジング9内の作動油が潤滑油として流通する潤滑油路35から延長油路66を分岐させており、延長油路66の出口側には、ギヤ56,32同士の正転方向上流側からギヤ56,32同士の噛み合い部88に向けて、潤滑油としての作動油を噴出する噴出部67が設けられているから、例えば減速出力ギヤ32の直径が大きくて噛み合い部88が比較的高い位置にあるような場合でも、潤滑油としての作動油を噴出部67から噛み合い部88に向けて吹き付けでき、噛み合い部88、ひいては正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32とを強制的に潤滑できる。従って、ギヤ回転の掻き上げによる飛沫潤滑だけの場合と比較して、正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32とにおける歯面の焼き付きや疲労損傷の発生を大幅に低減できる。
また、噛み合い部88に吹き付けられた潤滑油としての作動油は、減速出力ギヤ32の正転によって、逆転減速ギヤ58との噛み合い部90や正転1速減速ギヤ53との噛み合い部85にもまんべんなく行き渡る。このため、正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32だけでなく、各噛み合い部85,90での潤滑性確保も極めて容易である。従って、ギヤ回転の掻き上げによる飛沫潤滑の場合と比較して、正転1速減速ギヤ53と減速出力ギヤ32や、逆転減速ギヤ58と減速出力ギヤ32における歯面の焼き付きや疲労損傷の発生も大幅に低減できる。
さらに、実施形態では、管状の延長油路66がハウジング9の外部(油路ブロック18及び分配ブロック65の外部)に配置されており、延長油路66の出口側は、ハウジング9のうち正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32との正転方向上流側の付近に挿通されているから、潤滑油路35等を含む油圧回路20の一部が形成された油路ブロック18内に、延長油路66に相当する油圧系統を形成しなくて済み、油路ブロック18内の油圧回路20構造の複雑化を回避できる(油路構造の簡素化を図れる)。
しかも、ハウジング9のうち正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32との正転方向上流側の付近に挿通された延長油路66の出口側に、正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32との噛み合い部88に臨む複数の小径噴出穴68を形成して、噴出部67を構成するという極めて簡単な構成を採用したものでありながら、各ギヤ53,56,58,32に対する強制潤滑を実現でき、各ギヤ53,56,58,32における歯面の焼き付きや疲労損傷の発生を確実に抑制できる。
延長油路66出口側の噴出部67は、ギヤ同士の正転方向上流側からギヤ同士の噛み合い部に対峙する構成であればよいから、実施形態の例に限らず、正転1速減速ギヤ53と減速出力ギヤ32との正転方向上流側から正転1速減速ギヤ53と減速出力ギヤ32との噛み合い部85に対して噴出部67を対峙させたり、逆転減速ギヤ58と減速出力ギヤ32との正転方向上流側から逆転減速ギヤ58と減速出力ギヤ32との噛み合い部90に対して噴出部67を対峙させたりしてもよい(図5において、符号67を付した破線で示している)。
ただ、実施形態の構成を採用すると、正転2速減速ギヤ56と減速出力ギヤ32との噛み合い部88に吹き付けられた潤滑油としての作動油は、前述の通り、減速出力ギヤ32の正転によって、逆転減速ギヤ58との噛み合い部90や正転1速減速ギヤ53との噛み合い部85にもまんべんなく行き渡る。この点から分かるように、減速出力ギヤ32のような単一ギヤに複数ギヤを噛み合わせている構成であれば、複数ギヤのうち単一ギヤの正転方向最上流に位置するもの(実施形態では減速出力ギヤ32に対する正転2速減速ギヤ56)に着目し、最上流のギヤと単一ギヤとの正転方向上流側からこれらの噛み合い部に対して、噴出部67を対峙させるのが好ましいのである。
なお、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
1 プレジャーボート(船舶)
8 減速逆転機
9 ハウジング
18 油路ブロック
20 油圧回路
32 減速出力ギヤ
35 潤滑油路
53 正転1速減速ギヤ
56 正転2速減速ギヤ
58 逆転減速ギヤ
61 分配油路
65 分配ブロック
66 延長油路
67 噴出部
68 小径噴出穴
85,88,90 噛み合い部
8 減速逆転機
9 ハウジング
18 油路ブロック
20 油圧回路
32 減速出力ギヤ
35 潤滑油路
53 正転1速減速ギヤ
56 正転2速減速ギヤ
58 逆転減速ギヤ
61 分配油路
65 分配ブロック
66 延長油路
67 噴出部
68 小径噴出穴
85,88,90 噛み合い部
Claims (3)
- 相互に噛み合う少なくとも一対のギヤが収容されるオイルタンクとしてのハウジングを備えている減速逆転機であって、
前記ハウジング内の作動油が潤滑油として流通する潤滑油路から延長油路を分岐させており、前記延長油路の出口側には、前記ギヤ同士の正転方向上流側から前記ギヤ同士の噛み合い部に向けて前記潤滑油としての作動油を噴出する噴出部が設けられている、
減速逆転機。 - 前記ハウジングには、前記潤滑油路等を含む油圧回路の一部が形成された油路ブロックが設けられており、前記延長油路が前記油路ブロックの外部に配置されており、前記延長油路の出口側は、前記ハウジングのうち前記ギヤ同士の正転方向上流側の箇所に挿通されており、前記ハウジング内に位置する前記噴出部を、前記ギヤ同士の正転方向上流側から前記ギヤ同士の噛み合い部に向けて臨ませている、
請求項1に記載した減速逆転機。 - 前記噴出部には、前記ギヤ同士の噛み合い部に臨む複数の噴出穴が形成されている、
請求項2に記載した減速逆転機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022167692A JP2024060366A (ja) | 2022-10-19 | 2022-10-19 | 減速逆転機 |
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