JP2024060271A - 抗肥満用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な抗肥満用組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る抗肥満用組成物は、モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステル又はその塩を有効成分として含有する。該エステルとしては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。TIFF2024060271000009.tif32134【選択図】図1

Description

本発明は、抗肥満用組成物に関する。
肥満は、体脂肪が過剰に蓄積した状態と定義されている。肥満の主な原因は、摂取カロリーと消費カロリーとのアンバランスにあり、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余剰カロリーが脂肪となって体内に蓄積され、やがて肥満となる。肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症等の生活習慣病の原因ともなる。このため、肥満の予防及び改善は、生活習慣病のリスクを低減する上で極めて重要であると考えられる。
従来、抗肥満作用を有する成分としてはポリフェノール類等が広く知られており、既に実用化されている。また、抗肥満作用を有する新たな成分に関する報告も数多くなされている。例えば、非特許文献1では、白色脂肪細胞をメントールで処理すると熱産生遺伝子の発現が亢進すること、マウスにメントールを投与すると高脂肪食誘導性の体重増加が抑制されること等が報告されている。
一方、本発明者らは、メントール等のモノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステルが抗炎症作用を示すことを見出している(特許文献1参照)。しかし、このエステルが抗肥満作用を有するか否かについては検討されていない。
特開2021-17432号公報
Jiang, C. et al.,Oncotarget,2017,8,pp.75114-75126
本発明は、上記に鑑みて提案されたものであり、新規な抗肥満用組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステル又はその塩を有効成分として含有する抗肥満用組成物。
<2> 前記モノテルペンアルコールがメントールである、<1>に記載の抗肥満用組成物。
<3> 前記分岐鎖アミノ酸が下記式(1)で表される化合物である、<1>に記載の抗肥満用組成物。
Figure 2024060271000002
[式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。]
<4> 前記エステルが下記式(2)で表される化合物である、<1>に記載の抗肥満用組成物。
Figure 2024060271000003
[式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。]
<5> 前記式(2)中のRがイソプロピル基又はsec-ブチル基を示す、<4>に記載の抗肥満用組成物。
<6> 飲食品の形態である、<1>~<5>のいずれか1項に記載の抗肥満用組成物。
<7> 医薬品又は医薬部外品の形態である、<1>~<5>のいずれか1項に記載の抗肥満用組成物。
本発明によれば、新規な抗肥満用組成物を提供することができる。
前駆脂肪細胞(3T3-L1細胞)を、メントール(Ment)、アミノ酸(Val又はIle)、メントールバリンエステル(MV)、又はメントールイソロイシンエステル(MI)で処理したときの脂肪滴蓄積量(相対値)を示す図である。 前駆脂肪細胞(3T3-L1細胞)をメントールバリンエステル(MV)で処理したときの細胞生存率を示す図である。 前駆脂肪細胞(3T3-L1細胞)をメントールイソロイシンエステル(MI)で処理したときの細胞生存率を示す図である。 前駆脂肪細胞(3T3-L1細胞)をメントール(Ment)で処理したときの細胞生存率を示す図である。 前駆脂肪細胞(3T3-L1細胞)をメントール(Ment)、メントールバリンエステル(MV)、又はメントールイソロイシンエステル(MI)で処理したときの、PPARγ遺伝子、C/EBPα遺伝子、及びC/EBPβ遺伝子のmRNA発現量(相対値)を示す図である。 メントール(Ment)、メントールバリンエステル(MV)、又はメントールイソロイシンエステル(MI)を投与した肥満モデルマウスにおける餌摂取量を示す図である。 メントール(Ment)、メントールバリンエステル(MV)、又はメントールイソロイシンエステル(MI)を投与した肥満モデルマウスにおける体重推移を示す図である。 メントール(Ment)、メントールバリンエステル(MV)、又はメントールイソロイシンエステル(MI)を10週間投与した肥満モデルマウスにおける精巣周囲の白色脂肪組織の重量を示す図である。 メントール(Ment)、メントールバリンエステル(MV)、又はメントールイソロイシンエステル(MI)を10週間投与した肥満モデルマウスにおける肝臓の重量を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る抗肥満用組成物は、モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステル(以下、「特定エステル」ともいう。)又はその塩を有効成分として含有する。
特定エステルを構成するモノテルペンアルコールとしては特に限定されず、例えば、メントール、チモール、カルバクロール、テルピネオール、リナロール、ヒノキチオール、ゲラニオール、ネロール、テルピネン-4-オール、シトロネロール、ラバンジュロール、ボルネオール、ペリルアルコール等が挙げられる。モノテルペンアルコールが異性体を有する場合、異性体の種類は特に限定されない。
これらのモノテルペンアルコールの中でも、抗肥満効果の観点から、メントールが好ましい。メントールには多数の異性体が存在することが知られているが、入手容易性の観点から、l-メントール又はd-メントールが好ましく、l-メントールがより好ましい。
特定エステルを構成する分岐鎖アミノ酸は、分岐アルキル基を側鎖として有するアミノ酸であれば特に限定されない。分岐鎖アミノ酸としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024060271000004
上記式(1)中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2,2-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基等が挙げられる。一実施形態では、分岐アルキル基は、イソプロピル基又はsec-ブチル基である。分岐鎖アミノ酸の異性体の種類は特に限定されず、D体、L体、及びDL体のいずれであってもよいが、経済性や入手容易性の観点から、L体であることが好ましい。
上記式(1)で表される分岐鎖アミノ酸の具体例としては、例えば、必須アミノ酸であるバリン、イソロイシン、ロイシン等が挙げられる。これらの中でも、バリン又はイソロイシンが好ましい。
特定エステルとしては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。下記式(2)中、Rは上記式(1)と同義である。特定エステルの異性体の種類は特に限定されない。
Figure 2024060271000005
特定エステルは、塩の形態であってもよい。例えば、特定エステルは、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩の形態であってもよく、酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸との塩の形態であってもよい。
後述する実施例からも理解されるように、特定エステル又はその塩は、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化や、脂肪細胞における脂肪滴の蓄積を抑制する作用を有する。したがって、本実施形態に係る抗肥満用組成物は、肥満の予防又は改善、体重増加の抑制、体脂肪又は内臓脂肪の蓄積抑制等の効果を奏する。
本実施形態に係る抗肥満用組成物は、用途に応じた担体等を用いて、常法により調製することができる。本実施形態に係る抗肥満用組成物は、飲食品、医薬品、又は医薬部外品の形態であってもよく、これらに添加される添加剤の形態であってもよい。
本実施形態に係る抗肥満用組成物が飲食品である場合、該飲食品は、飲食品素材と、特定エステル又はその塩と、必要に応じて甘味料、着色料、香料、保存料、増粘剤、安定剤等の食品添加剤とを適宜配合し、常法により製造することができる。これらの飲食品は、肥満の予防又は改善作用、体重増加の抑制作用、或いは体脂肪又は内臓脂肪の蓄積抑制作用を有する飲食品として使用される。
なお、本明細書における「飲食品」には、一般の飲食品のほか、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品、病者用食品等も包含される。また、ヒトが摂取する飲食品のみならず、動物用飼料も包含される。動物用飼料としては、例えば、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等に用いる家畜用飼料;ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料;イヌ、ネコ、小鳥等に用いるペットフード;などが挙げられる。
本実施形態に係る抗肥満用組成物が医薬品又は医薬部外品である場合、該医薬品又は医薬部外品は、特定エステル又はその塩と、薬学的に許容される担体とを適宜配合し、常法により製造することができる。薬学的に許容される担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤等が挙げられる。
医薬品又は医薬部外品の剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等の経口剤;注射剤、点滴剤等の非経口剤;などが挙げられる。これらの中でも、経口投与に適した剤形(すなわち、内服用の医薬品又は医薬部外品)が好ましい。これらの医薬品又は医薬部外品は、肥満の予防又は改善、或いは脂質異常症関連疾患の予防又は治療に使用される。すなわち、これらの医薬品又は医薬部外品を、それを必要とする対象に投与することにより、肥満を予防又は改善し、或いは脂質異常症関連疾患を予防又は治療することができる。脂質異常症関連疾患としては、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、高コレステロール血症、高リポタンパク質血症、高トリグリセリド血症、動脈硬化等が挙げられる。
飲食品、医薬品、又は医薬部外品の1日当たりの好ましい摂取量は、摂取する対象、摂取の形態等の要因に依存して変動し得るが、特定エステル又はその塩の体重1kg当たりの1日摂取量として、8.5mg/kg以上が好ましい。また、所望により、この1日量を2~4回に分割して摂取することもできる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
<合成例1:メントールアミノ酸エステルの合成>
l-メントールとL-アミノ酸とのエステル(以下、「メントールアミノ酸エステル」ともいう。)の合成は、Haradaらの論文(Harada, K. et al.,Bull. Chem. Soc. Jpn.,1964,37,pp.191-194)に記されている方法に従って行った。まず、1モル当量のL-アミノ酸(L-バリン又はL-イソロイシン)、1.3モル当量のp-トルエンスルホン酸一水和物、及び1.5モル当量のl-メントールをトルエンに懸濁し、還流冷却器が備えられたDean-Stark装置を用いて、110℃で3日間加熱した。酢酸エチルで希釈した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、濾過及び減圧濃縮を行い、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、メントールアミノ酸エステルを得た。以下、l-メントールとL-バリンとのエステル(メントールバリンエステル)を「MV」とも記し、l-メントールとL-イソロイシンとのエステル(メントールイソロイシンエステル)を「MI」とも記す。
<試験例1:メントールアミノ酸エステルで処理された前駆脂肪細胞における脂肪蓄積の定量分析>
試験例1では、メントールアミノ酸エステルで処理された前駆脂肪細胞(3T3-L1細胞)における脂肪蓄積の定量分析を行った。
3T3-L1細胞の培養には、10% FBS(フナコシ(株))、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン、及び0.85% 生理食塩水(富士フイルム和光純薬(株))を含むDMEM培地(富士フイルム和光純薬(株))を使用した。3T3-L1細胞を約75000個/ウェルの細胞密度で6ウェルプレート(TPP社)に播種し、37℃、5% COのインキュベーター内で2日間培養し、コンフルエントの状態とした。次いで、100μM メントールアミノ酸エステル(MV又はMI)、及び分化誘導剤であるDMI(1μM デキサメタゾン(SIGMA社)、0.5mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(富士フイルム和光純薬(株))、10μg/mL インスリン(富士フイルム和光純薬(株)))を添加したDMEM培地で2日間培養した。さらに、10μg/mL インスリン及び100μM メントールアミノ酸エステル(MV又はMI)を添加したDMEM培地に置換し、2日毎に培地交換を行いながら、6日間培養を継続した。なお、コントロールとしては、メントールアミノ酸エステルを添加しなかった未処理群、メントールアミノ酸エステルの代わりにメントール(Ment)を添加した処理群、メントールアミノ酸エステルの代わりにL-バリン(Val)又はL-イソロイシン(Ile)を添加した処理群をそれぞれ準備した。
培養後、10% 中性ホルマリン(富士フイルム和光純薬(株))を用いて細胞を固定し、Oil Red O(SIGMA社)を添加した1時間後に蛍光顕微鏡にて細胞を観察した。さらに、100% イソプロパノール(富士フイルム和光純薬(株))を用いて色素を溶出し、NanoDrop2000(Thermo SCIENTIFIC社)にて波長490nmの吸光度を測定することにより、脂肪蓄積の定量分析を実施した。
脂肪滴蓄量の相対値を図1に示す。図中の各データは、独立した6反復の解析による平均値±標準誤差を示す。また、図中の「**」は、未処理群に対して統計学的に有意差がある(**P<0.01)ことを示す(one-way ANOVA with Holm’s sequential Bonferroni post hoc test)。図1に示すとおり、3T3-L1細胞を100μM メントールアミノ酸エステル(MV又はMI)で処理することにより、脂肪蓄積量が有意に減少した。
<試験例2:メントールアミノ酸エステルの細胞毒性の評価>
試験例2では、メントールアミノ酸エステルの細胞毒性を評価した。
試験例1と同様に、3T3-L1細胞を約75000個/ウェルの細胞密度で6ウェルプレート(TPP社)に播種し、37℃、5% COのインキュベーター内で2日間培養し、コンフルエントの状態とした。次いで、各種濃度(10,50,100,300,500μM)のメントールアミノ酸エステル(MV又はMI)、及び分化誘導剤であるDMI(1μM デキサメタゾン(SIGMA社)、0.5mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(富士フイルム和光純薬(株))、10μg/mL インスリン(富士フイルム和光純薬(株)))を添加したDMEM培地で2日間培養した。なお、コントロールとしては、メントールアミノ酸エステルを添加しなかった未処理群、メントールアミノ酸エステルの代わりにメントール(Ment)を添加した処理群をそれぞれ準備した。
培養後、細胞をヨウ化プロピジウムで染色し、BD FACSLyricフローサイトメーター(日本ベクトン・ディッキンソン(株))を用いて死細胞を検出することにより、細胞生存率を評価した。
MVを使用したときの細胞生存率を図2Aに示し、MIを使用したときの細胞生存率を図2Bに示し、Mentを使用したときの細胞生存率を図2Cに示す。図中の各データは、独立した3反復の解析による平均値±標準誤差を示す。また、図中の「**」は、未処理群に対して統計学的に有意差がある(**P<0.01)ことを示す(one-way ANOVA with Holm’s sequential Bonferroni post hoc test)。図2A及び図2Bに示すとおり、メントールアミノ酸エステルは、試験例1において脂肪蓄積抑制作用を示した100μMまでの範囲で有意な細胞毒性を示さなかった。なお、図2Cに示すとおり、メントールは、300μMまでの範囲で有意な細胞毒性を示さなかった。
<試験例3:メントールアミノ酸エステルで処理された前駆脂肪細胞における脂肪細胞分化関連遺伝子の発現解析>
試験例3では、メントールアミノ酸エステルで処理された前駆脂肪細胞(3T3-L1細胞)における脂肪細胞分化関連遺伝子の発現解析を行った。
試験例1と同様に、3T3-L1細胞を約75000個/ウェルの細胞密度で6ウェルプレート(TPP社)に播種し、37℃、5% COのインキュベーター内で2日間培養し、コンフルエントの状態とした。次いで、各種濃度(10,50,100μM)のメントールアミノ酸エステル(MV又はMI)、及び分化誘導剤であるDMI(1μM デキサメタゾン(SIGMA社)、0.5mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(富士フイルム和光純薬(株))、10μg/mL インスリン(富士フイルム和光純薬(株)))を添加したDMEM培地で2日間培養した。培養後の細胞の一部は、mRNA発現解析のために回収した。さらに、10μg/mL インスリン及び各種濃度(10,50,100μM)のメントールアミノ酸エステル(MV又はMI)を添加したDMEM培地に置換し、2日間培養を継続した。培養後の細胞は、mRNA発現解析のために回収した。なお、コントロールとしては、メントールアミノ酸エステルの代わりにメントール(Ment)を添加した処理群を準備した。
回収した細胞から、SepazolRNA I SuperG(8% キノリノール含有)(ナカライテスク(株))を用いてトータルRNAの抽出を行った。ReverTra Ace qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(東洋紡(株))を用いてcDNAを合成した後、THUNDERBIRD SYBR qPCR Mix(東洋紡(株))を用いて、脂肪細胞分化関連遺伝子であるPPARγ遺伝子、C/EBPα遺伝子、及びC/EBPβ遺伝子、並びにコントロールであるRsp18遺伝子のmRNA発現量の定量解析を実施した。リアルタイムPCRは、CFX Connect Real-Time PCR detection system(Bio-Rad社)を用いて、95℃で60秒間の初期変性を行った後、95℃で15秒間の変性反応及び60℃で30秒間の伸長反応を40サイクル行った。PPARγ遺伝子、C/EBPα遺伝子、及びC/EBPβ遺伝子のmRNA発現量は、Rsp18遺伝子のmRNA発現量により補正した。使用したプライマーの配列は、下記表1に示すとおりである。
Figure 2024060271000006
PPARγ遺伝子、C/EBPα遺伝子、及びC/EBPβ遺伝子のmRNA発現量(相対値)を図3に示す。図中の各データは、独立した6反復の解析による平均値±標準誤差を示す。また、図中の「**」、「*」は、-MV/MI/Ment+DMI群に対して統計学的に有意差がある(**P<0.01;P<0.05)ことを示す(one-way ANOVA with Holm’s sequential Bonferroni post hoc test)。図3に示すとおり、PPARγ遺伝子の発現は、50μM又は100μMのMVによって有意に抑制され、C/EBPα遺伝子及びC/EBPβ遺伝子の発現は、100μMのMVによって有意に抑制された。また、C/EBPα遺伝子、C/EBPα遺伝子、及びC/EBPβ遺伝子の発現は、50μM又は100μMのMIによって有意に抑制された。
<試験例4:メントールアミノ酸エステルを投与した肥満モデルマウスにおける体重推移及び脂肪組織の重量変化>
試験例4では、メントールアミノ酸エステルを投与した肥満モデルマウスにおける体重推移及び脂肪組織の重量変化を確認した。
C57BL/6JJclマウス(雄、7週齢)を、温度22±2℃、相対湿度50±15%、12時間明暗サイクルの条件で10週間に亘って飼育した。飼育期間中は、高脂肪食(以下、「HFD」ともいう。)(HFD32、日本クレア(株))が恒常的に与えられ、且つ、大豆油(富士フイルム和光純薬(株))200μL中に100mg/kg(マウス体重)のメントール(Ment)又はメントールアミノ酸エステル(MV又はMI)を添加した溶液が毎日経口投与された。コントロール群では、通常食(以下、「NFD」ともいう。)(日本エスエルシー(株))が恒常的に与えられ、且つ、大豆油のみが同様に毎日経口投与された。1群あたりのマウス数は6匹であり、死亡したマウスは解析対象から外した。アッセイ中の2日毎に摂餌量が計測され、1週間毎に体重が測定された。そして、10週間後にマウスを解剖し、精巣周囲の白色脂肪組織及び肝臓を取り出し、これらの重量を計測した。
各群のマウスの餌摂取量を図4Aに示し、体重推移を図4Bに示す。図中の各データは、独立した5~6反復の解析による平均値±標準誤差を示す。また、図中に示す異なるアルファベットは、統計学的に有意差がある(P<0.05)ことを示し、「ns」は、統計学的に有意差がない(P>0.05)ことを示す(one-way ANOVA with post hoc Tukey’s HSD)。図4Bに示すとおり、高脂肪食を与えることによってマウスの体重は顕著に増加したが、メントールアミノ酸エステル(MV又はMI)を投与した場合には、体重増加が有意に抑制された。なお、図4Aに示すとおり、餌摂取量に有意な差は認められなかった。
また、各群のマウスの精巣周囲の白色脂肪組織の重量を図5Aに示し、肝臓の重量を図5Bに示す。図中の各データは、独立した5~6反復の解析による平均値±標準誤差を示す。また、図中に示す異なるアルファベットは、統計学的に有意差がある(P<0.05)ことを示し、「ns」は、統計学的に有意差がない(P>0.05)ことを示す(one-way ANOVA with post hoc Tukey’s HSD)。図5Aに示すとおり、高脂肪食を与えることによって白色脂肪組織の重量は顕著に増加したが、メントールアミノ酸エステル(MV又はMI)を投与した場合には、重量増加が有意に抑制された。なお、図5Bに示すとおり、肝臓の重量に有意な変化は認められなかった。

Claims (7)

  1. モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステル又はその塩を有効成分として含有する抗肥満用組成物。
  2. 前記モノテルペンアルコールがメントールである、請求項1に記載の抗肥満用組成物。
  3. 前記分岐鎖アミノ酸が下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の抗肥満用組成物。
    Figure 2024060271000007
    [式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。]
  4. 前記エステルが下記式(2)で表される化合物である、請求項1に記載の抗肥満用組成物。
    Figure 2024060271000008
    [式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。]
  5. 前記式(2)中のRがイソプロピル基又はsec-ブチル基を示す、請求項4に記載の抗肥満用組成物。
  6. 飲食品の形態である、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗肥満用組成物。
  7. 医薬品又は医薬部外品の形態である、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗肥満用組成物。
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