JP2024059475A - 情報表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車などの各種車両においては車外に向けて円滑なコミュニケーションを取ったり、細かい情報を車外に伝達したりすることが可能な情報表示装置を提供する。【解決手段】情報表示装置19は、フロントガラス11と、フロントガラス11に対して光を照射する光源13と、光源13からの光によって、フロントガラス11に車外向け及び車内向けの少なくともいずれかの情報を表示する。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車などの車両用窓ガラスを利用した情報表示装置に関する。
一般的に、自動車などの車両の運転手と車外の歩行者とのコミュニケーションは、アイコンタクト、ジェスチャーなどにより行われていることが多い。また、従来、歩行者とのコミュニケーション手段としてはフロントグリルなどのボディー部分にLEDやOLED等の不透明なディスプレイ装置を配置しコミュニケーションをとる技術も知られている(例えば特許文献1参照)。さらに、後方車両に情報を伝達する手段としてブレーキランプなども広く使用されている。
国際公開第2017/056995号
ところで、近年、車両の自動運転化が進んでおり、自動運転では運転手が運転をしないため、自動車の運転動作の意図を、運転手自身が把握できないことが多く、歩行者にアイコンタクトなどにより伝達できないことが多い。そのため、車両が自動で歩行者を検知して停止するなどの行動をとったとしても、歩行者は自らの為に自動車が停止したのか否かを判断ができない場合がある。
そこで、特許文献1に示すディスプレイ装置を用いて、自動運転の意図を歩行者に伝達することも考えられる。しかし、歩行者は、現状、運転手とのコミュニケーションによって状況を確認することが多く、特許文献1のように、運転手の目線位置であるフロントガラス以外の部位に情報を表示しても、円滑なコミュニケーションを十分にとることができないことが多い。
また、現状、後方車両に情報を伝達する手段は、ブレーキランプなどに限られており、十分とはいえず、車両にアクシデントが発生した場合に、そのアクシデントの詳細を後方に正確に伝えられず、事故などにつながる可能性がある。
さらに、近年、消費者のニーズが細分化し、各個人の好みに応じたカスタマイズ化が求められており、自動車などのオプションも多様化している。一方で、車両用窓ガラスに対するオプションは他のパーツに比べて限られており、現状の技術では、車両用窓ガラスに対するカスタマイズ化への要求を十分に満たすことができていない。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、自動車などの各種車両において車外に向けて円滑なコミュニケーションを取ったり、細かい情報を車外に伝達したりすることが可能な情報表示装置を提供することを課題とする。また、本発明は、カスタマイズ化などに応じて、各種の情報を車内や車外に向けて表示することが可能な情報表示装置を提供することも課題とする。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]車両用フロントガラスと、前記車両用フロントガラスに対して光を照射する光源と、前記光源からの光によって、前記車両用フロントガラスに車外向け及び車内向けの少なくともいずれかの情報を表示する、情報表示装置。
[2]車外向けの情報を表示する、上記[1]に記載の情報表示装置。
[3]車両用サイドガラスと、前記車両用サイドガラスに対して光を照射する光源と、前記光源からの光によって、前記車両用サイドガラスに車外向け及び車内向けの少なくともいずれかの情報を表示する、情報表示装置。
[4]車両用リアガラスと、前記車両用リアガラスに対して光を照射する光源と、前記光源からの光によって、前記車両用リアガラスに車外向け及び車内向けの少なくともいずれかの情報を表示する、情報表示装置。
本発明によれば、自動車などの各種車両においては車外に向けて円滑なコミュニケーションを取ったり、細かい情報を車外に伝達したりすることが可能な情報表示装置を提供することができる。また、カスタマイズ化などに応じて、各種の情報を車内や車外に向けて表示することもできるようになる。
第1の実施形態に係る情報表示装置が適用される自動車を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る情報表示装置を示す模式図である。 第1の実施形態に係る情報表示装置がフロントガラスに示す情報の一例を示す模式図である。 第1の実施形態に係る情報表示装置のブロック図である。 第1の実施形態において、自動車が自動運転の場合の動作の一例を示す模式図である。 第4の実施形態に係る情報表示装置が適用される自動車を示す斜視図である。 第4の実施形態に係る情報表示装置を示す模式図である。 第4の実施形態に係る情報表示装置がサイドガラスに示す情報の一例を示す模式図である。 第5の実施形態に係る情報表示装置が適用される自動車を示す斜視図である。 第5の実施形態に係る情報表示装置を示す模式図である。 第5の実施形態において、情報が表示されたリアガラスを示すための自動車の背面図である。 第6の実施形態に係る情報表示装置が適用される自動車を示す斜視図である。 第6の実施形態に係る情報表示装置を示す模式図である。 第7の実施形態に係る情報表示装置を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の上方表示装置の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報表示装置が適用される自動車を示す。図1に示すように、自動車10は、車両用窓ガラスとして、フロントガラス11を有する。フロントガラス11は、自動車前面に設けられる窓ガラスである。
本実施形態では、フロントガラス11に情報を表示する情報表示領域15が設けられる。情報表示領域15は、後述する光源からの光が照射され、光源からの光によって、フロントガラス11に情報を表示する領域である。本実施形態では、情報表示領域15がフロントガラス11に設けられることで、運転手の目線位置に違い部位に情報が表示されるので、歩行者などの車外の人との円滑なコミュニケーションを図ることができる。
なお、図1では、情報表示領域15が1つのみ設けられる態様が示されるが、情報表示領域15は、フロントガラス11に2つ以上設けられてもよい。2つ以上の情報表示領域が設けられる場合、情報表示領域の数に対応して、2つ以上の光源が設けられ、各光源からの光が各情報表示領域に照射されてもよいが、1つの光源の出射端が、揺動するなど、変位することで、1つの光源によって2つの情報表示領域に光が照射されてもよい。以下の各実施形態でも同様である。
図2は、本実施形態に係る情報表示装置19を示す模式図である。図2に示すとおり、情報表示装置19は、フロントガラス11と、光源13とを備える。フロントガラス11は、車外側の外側ガラス板11Aと、車内側の内側ガラス板11Bと、2枚のガラス板11A、11Bの間に配置された中間膜11Cを備え、中間膜11Cによりガラス板11A,11Bが接着された合わせガラスである。中間膜11Cは、樹脂層からなるとよく、単層の樹脂層からなる単層構造であってもよいし、複数の樹脂層からなる多層構造であってもよい。
中間膜の各樹脂層に使用される樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。また、樹脂層に使用する熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂、アクリル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂及びポリスチレン樹脂などが挙げられる。これら樹脂を使用することで、合わせガラス部材との接着性を確保しやすくなる。各樹脂層において熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの中では、樹脂層に可塑剤を含有させた場合に、無機ガラスに対して優れた接着性を発揮する点から、ポリビニルアセタール樹脂が特に好適である。
樹脂層が熱可塑性樹脂を含有する場合、樹脂層にはさらに可塑剤を含有させてもよい。樹脂層に可塑剤を含有させることにより、中間膜が柔軟となり、その結果、合わせガラスが柔軟になる。さらには、ガラス板、特にガラス板が無機ガラスである場合に、ガラス板との接着性を高くすることも可能になる。可塑剤は、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を使用する場合に、その層に含有させると特に効果的である。
可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましく、特にトリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)が好適である。
各樹脂層における可塑剤の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、例えば20~100質量部、好ましくは30~70質量部である。また、各樹脂層は、熱可塑性樹脂を含有する場合、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂及び可塑剤が主成分となるものであり、各樹脂層において熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量が、樹脂層全量基準で、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
中間膜11Cの厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1~3mm、好ましくは0.2~2mm、より好ましくは0.3~1mmである。
ガラス板11A,11Bとしては、無機ガラス、有機ガラスのいずれも使用できる。無機ガラスとしては、特に限定されないが、クリアガラス、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、グリーンガラス等が挙げられる。また、有機ガラスとしては、一般的に樹脂ガラスと呼ばれるものが使用され、特に限定されないが、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル共重合体樹脂、ポリエステルなどの樹脂から構成される透明有機ガラスが挙げられる。
ガラス板11A,11Bは、互いに同種の材質から構成されてもよいし、別の材質から構成されてもよく、例えば、一方が無機ガラスで、他方が有機ガラスであってもよい。ただし、ガラス板を複数有する場合、複数のガラス板は全て無機ガラスであるか、又はすべて有機ガラスであることが好ましい。
各ガラス板の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1~15mm程度、好ましくは0.5~5mmである。各ガラス板の厚さは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
フロントガラス11には、図2に示すとおり、情報表示領域15に対応した部分に光拡散部11Dが設けられる。光拡散部11Dには、光源13からの光が入射され、入射された光を拡散させ、それにより、入射された光に応じた画像を情報として表示できる。本実施形態において、光拡散部11Dは、いわゆる後方光拡散性を有するとよく、車内側の光源13から入射された光を拡散させて、後方側、すなわち、車外側に出射させるとよく、これにより、光源13からの光に応じた情報を車外に向けて表示させることができる。
ただし、光拡散部11Dは、例えば後述する光拡散粒子を使用することで、前方光拡散性も合わせて有することも可能であり、車内側の光源13から入射された光を、拡散させて、車内側にも出射することができる。したがって、フロントガラス11に表示された情報は、車内側及び車外側の両方から視認することができる。そのため、車外の歩行者などに向けて表示される情報は、車内の運転手等に向けても合わせて表示され、運転手は、車外の歩行者などに向けて表示される情報を確認することができる。
フロントガラス11では、例えば、図2に示すとおり、ガラス板11A,11Bの間において、中間膜11Cが設けられない領域が設けられ、その中間膜11Cが設けられない領域に光拡散部11Dが配置されるとよい。これにより、光拡散部11Dは、中間膜11Cの内部に配置されるとよい。
光拡散部11Dは、樹脂に光拡散粒子が分散された光拡散層を備える。光拡散部11Dは、図2に示すとおり、光拡散層単層からなるものでもよいし、光拡散層をガラス板に接着させるための接着層など、光拡散層以外の層を備える多層構造を有してもよい。ただし、光拡散部11Dは、中間膜11Cが設けられない領域が設けられる必要はなく、中間膜11Cの内部に埋め込まれたり、中間膜11Cの表面に接着されたりして、中間膜11Cに保持されてもよい。
光拡散部11Dに使用される光拡散粒子は、入射された光を散乱させる粒子である。光拡散粒子としてはシリカなどの酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルミナなどの酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウムなどの半金属又は金属酸化物粒子、アルミニウム、銀、プラチナ、金、チタン、ニッケル、スズ、インジウム、スズ-コバルト合金などの金属粒子、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、マイカ、ダイヤモンド粒子などが挙げられる。光拡散粒子は、例えば、1nm以上50μm以下の平均粒径を有するとよい。なお、光拡散粒子は、平均粒径が1μm以上の粒子であってもよいが、酸化チタンナノ粒子、銀ナノ粒子、ダイヤモンドナノ粒子などの平均粒径が1μm未満のナノ粒子であってもよい。光拡散粒子としてナノ粒子を使用することで光拡散領域の透明性を大きく損なうことを防止することができる。なお、光拡散粒子の平均粒子径は、レーザー回折/散乱法により測定できる。
光拡散層に使用される樹脂としては熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂などの熱可塑性樹脂以外の樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては上記した中間膜に使用できる樹脂として列挙されたものを使用できるが、その他の熱可塑性樹脂であってもよい。
フロントガラス11における、上記した光拡散部11D(すなわち、情報表示部材)が設けられた部分以外の領域は、高い透明性を確保する観点から、可視光線透過率が高く、具体的には、70%以上であるとよく、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。なお、透過率は、可視光線透過率を意味し、JIS R3212(2015)に準拠して、測定することで求めることができる。
一方で、光拡散部11D(すなわち、情報表示部材)が設けられた部分の可塑光線透過率は、低くてもよく70%未満であってもよいが、70%以上であってもよい。光拡散部11Dが設けられた部分の可塑光線透過率は、後方光拡散性を有するために、一定以上であったほうがよく、例えば、1%以上、好ましくは10%以上である。
光拡散部11D(すなわち、情報表示領域15)は、運転手の前方の視界を妨げない領域に配置されるとよく、図1に示すとおり、例えばフロントガラス11の下側部分のいずれかに配置されることが好ましい。
なお、下側部分とは、フロントガラス11の下端部11Uから、ガラス縦寸法に対して40%以下の長さとなる領域であり、好ましくは30%以下の長さとなる領域、より好ましくは20%以下の長さとなる領域、更に好ましくは15%以下の長さとなる領域である。このような領域のいずれかの位置に光拡散部11D、すなわち、情報表示領域15が配置されることで、表示された情報や光拡散部11Dによって運転手の前方の視界を妨げることが防止できる。
また、上記長さは、情報を車外の人に容易に認識できるようにするために、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。なお、下端部11Uとは、フロントガラス11の車外側のガラス面の露出している部分の下側の最外部を意味する。後述するフロントガラスの上端部やリアガラスの上端部、下端部も同様である。また、ガラス縦寸法とは、車外側のガラス面の露出している部分の鉛直方向における最大長さをいう。
光拡散部11D(又は情報表示領域15)は、図1に示すとおり、フロントガラス11の下側部分において、フロントガラス11の左右いずれかの片側のみ(図1では、左側の片側のみ)に配置されてもよいが、図5に示すとおりに、フロントガラスの左側から右側にわたって設けられてもよい。
光拡散部11D(又は情報表示領域15)は、片側のみに配置される際、特に限定されないが、運転席が設けられる側とは反対側に配置されるとよく、運転席が左側に設けられる場合、光拡散部11D(又は情報表示領域15)は、図1に示すとおりに、フロントガラスの右側に配置されるとよい。また、運転席が右側に設けられる場合には、光拡散部11D(又は情報表示領域15)は、フロントガラスの左側に配置されるとよい(図示しない)。このように、配置されることで、光拡散部11D(すなわち、情報表示領域15)が運転手の視界を妨げることを防止しやすくなる。
なお、フロントガラス11の右側とは、車内側から見てフロントガラス11の中央よりも右側の部分を言い、フロントガラス11の左側とは、フロントガラス11の中央よりも左側の部分を言う。
光源13は、車両内部に設けられる。光源13は、例えば図2に示すとおり、ダッシュボード14の内部に設けられてもよいし、ダッシュボード14の上部に設けられてもよい。光源13は、例えば、各種画像を映し出すことが可能なプロジェクターを使用することができ、フルカラー(RGB)のプロジェクターでもよいし、LEDプロジェクターなどの単色光を照射するプロジェクターでもよい。また、超短焦点(UST:Ultra-Short-Throw)プロジェクターなどであってもよい。また、いわゆるDLP(登録商標)プロジェクターとして知られる、デジタルミラーデバイスを用いた映像表示システムなどを使用してもよい。
また、固定アイコン、固定メッセージなど、映し出す画像を変化させずに表示させる場合には、プロジェクターを使用する必要はなく、画像に応じた一定の光を合わせガラスに照射する光源を使用してもよい。
フロントガラス11の情報表示領域15には、光源13からの光に応じた画像が表示されるとよく、例えば、光源13からの光が単色光であれば、フロントガラス11には単色の画像が表示される。また、光源13からの光がフルカラーであれば、フロントガラス11にはフルカラーの画像が表示される。
本実施形態において、情報表示領域15には、車外向けの情報が表示される。表示される情報は、車外に向けた各種のメッセージであることが好ましく、周囲の歩行者、或いは、自転車などの軽車両の運転手などの歩行者に準ずる者(以下、これらを纏めて「歩行者等」ということがある)向けのメッセージであることがより好ましい。
好ましいメッセージとしては、車両の運転動作に関するメッセージが挙げられる。具体的には、図3に示す通り、車両が継続して停止して、道路の横断を促すことを示すメッセージ16でもよい。また、図示しないが、車両がこれから発進することを示すメッセージ、車両が進行を続けることを示すメッセージ、車両が減速することを示すメッセージ、車両が加速することを示すメッセージ、車両が左折することを示すメッセージ、車両が右折することを示すメッセージ、車両がバックすることを示すメッセージ、車両がUターンすることを示すメッセージなどでもよい。
メッセージは、上記の通り、図3に示す通り図柄だけでもよいし、文字だけでもよいし、文字と図柄の組み合わせであってもよい。なお、文字又は図柄は、記号、アイコン、図形、図画などであってもよい。文字である場合には、例えば、「お先にどうぞ」など車両が停止を継続することを間接的に示すメッセージでもよいし、「停止しております」、「発進します」、「減速します」などの車両の運転動作を直接的に示すメッセージでもよい。
もちろん、表示される情報は、車両の運転動作に関するメッセージに限定されず、「おはようございます」、「ありがとうございます。」などの単なる挨拶でもよいし、商品ロゴ、単なる模様などでもよい。
情報表示領域15に表示される運転動作に関する情報は、車両が自動運転の場合には、自動運転の動作に合わせて、自動的に表示させるとよい。また、情報表示装置19は、車外の状況を把握して、車外の状況に応じてフロントガラス11に情報を表示してもよく、例えば、図5に示すように、歩行者等を検知した場合、検知した歩行者等に向けて情報を表示してもよいし、歩行者等の状態に合わせた情報を歩行者等に向けて表示されてもよい。なお、歩行者等に向けて表示される情報は、上記の通り自動運転の運転動作に関するメッセージなどであることが好ましい。
図4は、情報表示装置19の制御システムを示すブロック図である。図4に示すとおり、情報表示装置19は、フロントガラス11、光源13に加えて、制御手段17、及び検知手段18を備えるとよい。制御手段17は、情報表示装置19の全体を制御するものであり、自動車に設けられるCPUなどにより構成されるが、特に限定されない。
制御手段17は、光源13のオンオフ、及び情報表示領域15に表示されるべき情報に合わせて光源13の動作を制御する。また、制御手段17は、自動車全体の動作も合わせて制御するものであってもよい。制御手段17は、具体的には、車両が自動運転の場合には、車両の運転動作も制御するとよく、検知手段18で検知された検知情報に基づいて、車両の運転動作を制御するとよい。
検知手段18は、本実施形態では、自動車の車外の状況を把握するための手段である。検知手段18としては、公知の車載センサーが挙げられ、具体的には車載カメラ、3D-LiDARなどの光学式レーダー、超音波センサー、ミリ波レーダーなどが挙げられる。検知手段18は、歩行者等を検知する手段を含むとよく、例えば車載カメラで撮影された映像に基づいて、歩行者等を検知するとよい。
図5は、本実施形態において、自動車が自動運転の場合の動作の一例を示す。図5に示すとおりに、例えば、検知手段18によって、自動車の路側、歩道、横断歩道の待機場所などに歩行者Pが待機していることが検知されると、自動車10は、制御手段17によってブレーキが作動されるなどして、停止するとともに、光源13をオンにして情報表示領域15に歩行者Pに向けて、図3に示すメッセージ16を表示する。メッセージ16は、上記の通り、車両が継続して停止して、歩行者Pに対して道路の横断を促すことを示すメッセージである。自動車10は、以上の一連の動作により、運転状況に応じた情報を歩行者Pに対してメッセージとして発することができ、自動運転でありながらも、歩行者等と円滑なコミュニケーションをとることができる。
なお、以上の図5に示す例では、歩行者Pに対して、コミュニケーションを取る一例を示したが、自転車等の軽車両の運転手に対して、同様にコミュニケーションを取ってもよい。また、別の自動車の運転手などに対して、コミュニケーションをとってもよい。
また、図5に示す態様は、本実施形態における情報表示の動作の一例を示すものであって、情報表示の動作は、上記に限定されない。例えば、検知手段18が周囲に歩行者等が居ることを検知すると、適宜、歩行者等に対して、情報表示領域15に自動車の運転動作に関するメッセージを表示してもよい。より具体的には、自動車が自動運転により発進する場合、歩行者等が自動車の前方に居ることを検知すると、発進前に自動車10が発進することを示すメッセージを、歩行者等に向けて情報表示領域15に表示してもよいし、他のいかなる運転動作に関するメッセージを情報表示領域15に表示するとよい。
ここで、情報表示領域15に表示される情報の位置は、検知される歩行者等の位置に応じて適宜変更されてもよく、図5に示すとおりに、例えば、自動車10の右側に歩行者等が居ることが検知されると、フロントガラス11の右側に情報(例えば、メッセージ16)を表示するとよい。また、自動車10の左側に歩行者等が居ることが検知されると、フロントガラス11の左側に情報(例えば、メッセージ16)を表示するとよい。さらに、歩行者等が移動し、或いは自動車10が移動することで、歩行者等の位置が、自動車10に対して変位する場合には、情報が表示される領域も、その変位に合わせて、移動させてもよい。例えば、歩行者等が、自動車10に対して、右側から左側に移動する場合には、情報が表示される領域も情報表示装置15の右側から左側に移動するとよい。
なお、以上の説明では、光拡散部11Dは、中間膜11Cと別部材として設けられる態様を示したが、中間膜11C自体を光拡散部としてもよい。例えば、中間膜11Cが単層構造の場合には、単層の樹脂層を光拡散層とするとよい。また、中間膜11Cが多層構造の場合には、複数の樹脂層のうち、1つの樹脂層を光拡散層とするとよい。
また、以上の説明では、光拡散部11Dは、フロントガラス11の一部に設けられるが、フロントガラス11の全領域に設けられてもよい。光拡散部が、フロントガラス11の全領域に設けられる場合、光拡散部11Dとしては、比較的透明性を高いものを使用するとよく、例えば、フロントガラス11(合わせガラス)の可視光線透過率が、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上となるように適宜選択して使用するとよい。また、光拡散部をフロントガラスの全領域に設ける場合、光拡散部を簡単な構成でフロントガラスの全領域に設けられる観点から、中間膜11C自体を光拡散部とすることが好ましい。
<第2の実施形態>
以上の第1の実施形態では、フロントガラス11の情報表示領域15に対応する位置に、光拡散部11Dが設けられたが、情報表示領域15には、光源13からの光によって、情報表示できる限り、光拡散部11Dが設けられる必要はない。
例えば、光拡散部11Dが設けられる代わりに調光体が設けられてもよい。光拡散部11Dが設けられる代わりに調光体が設けられる態様を、以下、第2の実施形態として説明する。なお、以下の説明において、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。
調光体は、電圧の印加及び無印加を切り替えることで、可視光線透過率が変化するものであり、具体的には、電圧の印加及び無印加により可視光線透過率が高いモードと、可視光線透過率が低いモードに切り替えられるとよい。
調光体は、調光層を備えるとよい。調光層は、ポリマー分散型液晶(PDLC)などの液晶層で構成されるとよい。液晶層は、電圧が印加されると、液晶が一方向に配向して、調光体の厚さ方向に光が透過される。したがって、調光体が液晶層を有する場合、調光体は、一般的に電圧を印加したときに、光透過率が高くなり透明となる。一方で、電圧が印加されないと、調光体は、光透過率が低くなる。
また、調光層は、樹脂マトリックスと樹脂マトリックス中に分散した光調整懸濁液とを含むSPD(Suspended Particle Device)層であってもよいし、エレクトロクロミック層であってもよい。エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック性を有するエレクトロクロミック材料により構成される層である。また、調光層は、電気泳動粒子と、電気泳動粒子を分散させる分散剤とを備える電気泳動層などであってもよい。
調光体としては、液晶層を備えるものが好ましく、PDLCを備えるものがより好ましい。PDLCなどの液晶層を備える調光体は、応答速度が速く、可視光線透過率が低い状態と、高い状態が素早く切り替えることができる。また、光拡散性も良好であり、光源からの光を適切に拡散させて、高いコントラストを有する情報を表示しやすくなる。
調光体は、例えば、2枚の樹脂フィルムと、2枚の樹脂フィルムの間に配置される調光層とを備える調光フィルムからなるとよい。調光体が備える樹脂フィルムとしては、PETフィルム、PENフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、(メタ)アクリル樹脂フィルム、TACフィルム、PES樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルムなどが挙げられる。これらの中では、取扱い性などの観点から、ポリエステル樹脂フィルムが好ましく、中でもPETフィルムがより好ましい。また、2枚の樹脂フィルムそれぞれには調光層側の面に電極を構成する導電層が設けられ、導電層を介して調光層には電圧が印加されるとよい。
第2の実施形態において、調光体は、可視光線透過率が低いモードに切替えられた状態で、光源13からの光が照射され、情報が表示されるとよい。調光体は、可視光線透過率が低いモードでは、液晶層などの調光層で光源からの光が散乱して、後方光散乱性を有し、車外に向けて情報表示が可能となる。また、一般的に、光源からの光によりフロントガラスに表示された情報は、前方光散乱性を有し、車内からも視認可能となる。
調光体が可視光線透過率が高いモードに切り替えられたとき、合わせガラス(フロントガラス11)の調光体が設けられた部分における可視光線透過率は、光拡散部11Dが設けられた部分と同様に、70%以上となってもよいし、70%未満となってもよい。
一方で、調光体が可視光線透過率が低いモードに切り替えられたとき、合わせガラスの調光体が設けられた部分における可視光線透過率は、70%未満となるとよく、50%以下となってもよいし、30%以下となってもよいし、10%以下となってもよく、また、例えば0.1%以上となるとよいが、1%以上となってもよい。
調光体は、光拡散部11Dと同様に、ガラス板11B,11Cの間に、中間膜11Cが設けられない領域が部分的に設けられ、その中間膜11Cが設けられない領域に配置されてもよいし、中間膜11Cの内部に埋め込まれてもよいし、中間膜11Cの表面に接着していてもよい。
また、以上の第2の実施形態の説明において、調光体は、フロントガラス11の一部の領域に設けられることを前提に説明したが、フロントガラス11の全領域に設けられてもよい。また、調光体が、フロントガラス11の全領域に設けられる場合、中間膜が2つ以上の樹脂層が設けられる多層構造を有するとともに、調光体が2つの樹脂層の間に配置されていているとよい。
<第3の実施形態>
画像表示領域には、光拡散部及び調光体以外が設けられてもよく、上記第1の実施形態において、光拡散部の代わりに発光部が設けられてもよい。以下、第1の実施形態において、画像表示領域15に光拡散部11Dが設けられる代わりに発光部が設けられる態様を、第3の実施形態として説明する。なお、以下の説明において、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。
発光部は、光源からの光が照射されることで、発光部自体が発光するものであり、具体的には、蛍光材料を含有するとよい。第3の実施形態において、光源からの光は、蛍光材料を励起する励起光であるとよい。励起光としては、可視光線であってもよいし、紫外線であってもよいが、紫外線であることが好ましい。発光部は、光源からの励起光が照射されることで、蛍光材料に応じた色の可視光線を出射し、それにより、車外に向けて情報を表示する。
また、発光部からの光は、車外に向けて放射されるとともに、車内に向けても放射されてもよく、それにより、フロントガラスに表示された情報は、車内側及び車外側の両方から視認することができる。
蛍光材料は、励起光の入射によって可視光を放射するものであり、より具体的には上記光源から出射される励起光を吸収して、励起光より長波長である可視光を発光するものである。また、蛍光材料は、励起光が照射されることでいわゆるリン光を発する材料であってもよい。
蛍光材料としては、具体的には、高い発光性を発揮できることから、ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体が挙げられる。ランタノイド錯体のなかでも、ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体は光線を照射することにより高い発光強度で発光する。上記ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体としては、ハロゲン原子を含む単座配位子を有するランタノイド錯体や、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む四座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む五座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む六座配位子を有するランタノイド錯体等のハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体が挙げられる。
なかでも、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、300~410nmの波長の光を照射することにより、可視光線を高い発光強度で発光することが可能である。
本明細書においてランタノイドとは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム又はルテチウムを含む。より一層高い発光強度が得られることから、ランタノイドは、ネオジム、ユーロピウム又はテルビウムが好ましく、ユーロピウム又はテルビウムがより好ましく、ユーロピウムが更に好ましい。
上記蛍光材料としては、テレフタル酸エステル構造を有する蛍光材料も用いることができる。テレフタル酸エステル構造を有する蛍光材料としては、ジエチル-2,5-ジヒドロキシテレフタレート、ジメチル-2,5-ジヒドロキシテレフタレート等のジアルキルジヒドロキシテレフタレートなどが挙げられる。
発光部は、第1の実施形態の光拡散部11Dと同様に、ガラス板11B,11Cの間に、中間膜11Cが設けられない領域が部分的に設けられ、その中間膜11Cが設けられない領域に配置されるとよい。発光部は、蛍光材料を含む発光層を備える。発光層は、典型的には、樹脂に蛍光材料が分散されてなるものである。発光層に使用される樹脂としては熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂などの熱可塑性樹脂以外の樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては上記した中間膜に使用できる樹脂として列挙されたものを使用できるが、その他の熱可塑性樹脂であってもよい。
発光部は、発光層単層からなるものでもよいし、発光層をガラス板に接着させるための接着層など、発光層以外の層を備える多層構造を有してもよい。
ただし、発光部は、中間膜11Cが設けられない領域に設けられる必要はなく、中間膜11Cの内部に埋め込まれた形態であってもよい。
また、発光部は、中間膜11Cと別部材として設けられる必要はなく、中間膜11C自体を発光部としてもよい。例えば、中間膜11Cが単層構造の場合には、単層の樹脂層を発光層とするとよい。また、中間膜11Cが多層構造の場合には、複数の樹脂層のうち、1つの樹脂層を発光層とするとよい。また、発光部も、光拡散部と同様にフロントガラス11の全領域に設けられるとよい。なお、発光部をフロントガラスの全領域に設ける場合、発光部を簡単な構成でフロントガラスの全領域に設けられる観点から、中間膜11C自体を発光部とすることが好ましい。
なお、以上の第1~第3の実施形態において、光拡散部、調光体、及び発光部が設けられる位置及び態様は上記に限定されず、様々な態様が可能であり、例えば、合わせガラス11のガラス板11A、11Bの何れかに接着されることで設けられてもよい。具体的には、外側ガラス板11Aの内面又は外面のいずれか、または、内側ガラス板11Bの内面又は外面などに光拡散部、調光体、又は発光部のいずれかが接着されて設けられてもよい。
また、光拡散部、調光体、及び発光部は、ガラス板の少なくとも一部を構成してもよく、例えば、ガラス板11A、11Bの少なくともいずれかに光拡散粒子を混合させることで、ガラス板11A、11Bの少なくともいずれかを光拡散部としてもよい。また、ガラス板11A、11Bの少なくともいずれかに蛍光粒子を混合させることで、ガラス板11A、11Bの少なくともいずれかを発光部としてもよい。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上記第1~第3の実施形態は、フロントガラスに情報が表示される形態であったが、第4の実施形態では、自動車のサイドガラスに情報が表示される。以下、第4の実施形態について、詳細に説明する。なお、以下の説明において、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。
図6に示すとおり、自動車30は、車両用窓ガラスとして、サイドガラス31を有する。サイドガラス31は、自動車側面に設けられる窓ガラスである。サイドガラス31は、フロントサイドドア32Xに設けられるフロントサイドガラス31X、リアサイドドア32Yに設けられるリアサイドガラス31Yが一般的であるが、例えばリアサイドガラス31Yのさらに後方に設けられるリアクオーターガラス31Zや、フロントサイドガラス31Xの前方に設けられるフロントクオーターガラス(本明細書では、図示しない)などもある。
本実施形態では、サイドガラス31に情報表示領域35が設けられる。なお、図6では、情報表示領域35は、フロントサイドガラス31X、リアサイドガラス31Y、リアクオーターガラス31Zのいずれにも設けられる態様が示されるが、情報表示領域35は、フロントサイドガラス31X、リアサイドガラス31Y、リアクオーターガラス31Z、フロントクオーターガラス(図示しない)のいずれか少なくとも1つに設けられるとよい。また、図6では、フロントサイドガラス31Xに2つの情報表示領域35が設けられるが、1つのガラスに対して1以上の情報表示領域が設けられる限りその数は限定されない。
図7は、本実施形態に係る情報表示装置39を示す模式図である。なお、図7では、説明の便宜上、情報表示領域35が設けられたフロントサイドガラス31Xを例に説明するが、他のサイドガラスも同様であるので、その説明は省略する。図7に示すとおり、情報表示装置30は、サイドガラス31(フロントサイドガラス31X)と、光源33とを備える。サイドガラス31Xは、フロントガラス11と同様に、外側ガラス板31A、内側ガラス板31B、及び中間膜31Cを備える合わせガラスである。
サイドガラス31Xには、図7に示すとおり、情報表示領域35に対応した部分に光拡散部31Dが設けられる。光拡散部31Dには、光源33からの光が入射され、入射された光を拡散させ、それにより、入射された光に応じた画像を情報として表示できる。本実施形態において、光拡散部31Dは、後方光拡散性又は前方光拡散性のいずれかを有するとよいが、第1の実施形態で説明したとおり、通常は両方を有する。光拡散部31Dは、後方光拡散性を有することで、車内側の光源33から入射された光を、車外側に出射させるとよく、これにより、光源33からの光に応じた情報を車外に向けて表示させることができる。また、光拡散部31Dは、前方光拡散性を有することで、車内側の光源13から入射された光を、拡散させて、車内側に出射することができる。
光拡散部31Dの構成は、第1の実施形態と同様であり、図7に示すとおり、サイドガラス31Xの一部の領域に部分的に設けられてもよいし、図示しないがサイドガラス31Xの全領域に設けられてもよい。
光源33は、車両内部に設けられれば特に限定されないが、例えばサイドドアに設けられるとよく、図7に示すとおりに、例えば、フロントサイドガラス31Xに光を照射するためには、フロントサイドドア32Xに設けられるとよい。また、光源33は、より詳細にはサイドドアトリム34の内部などに設けられるとよい。光源33の詳細は、第1の実施形態で説明したとおりである。光源33は、上記の通り、プロジェクターなどにより構成され、様々な画像を情報表示領域35に表示させることができる。そのため、本実施形態では、自動車30の乗員などのニーズに合わせて、カスタマイズ化された情報などを車内や車外に向けて表示することが可能になる。
サイドガラス31Xに表示される情報は、アイコンなどの図柄、文字、またはこれらの組み合わせで構成される。サイドガラス31Xに表示される情報は、車外向けの情報であってもよいし、車内向けの情報であってもよい。
車外向けの情報としては、例えば自動車に乗り込む前、又は自動車から降車した運転手などの乗員に向けたメッセージなどであるとよい。具体的には、乗員向けの挨拶、自動車の状態を示す情報、警告メッセージ、時計、天気情報、自動車のメーカー名や自動車の商品名などを示す商標やロゴなどが挙げられる。車内向けの情報としては、自動車に乗り込んだ乗員に向けたメッセージなどであるとよく、具体的な内容としては、上記車外向けの情報と同様である。
ただし、車外向けの情報は、必ずしも自動車30の乗員に向けたメッセージである必要はなく他の車両の乗員や歩行者に向けたメッセージでもよい。
乗員向けの挨拶としては、「こんにちは」、「ようこそ」などの文字による挨拶でもよいし、アイコンなどの図柄を使用した挨拶でもよい。また、自動車の状態を示す情報としては、充電率などのバッテリーの状態、タイヤ圧などのタイヤの状態、航続距離、燃料残量、サイドドアやバックドアのロック状態、サイドドア、バックドアの開閉状態を示すメッセージなどが挙げられる。また、警告メッセージとしては、自動車に異常がある場合には、異常があることを示すメッセージなどが挙げられる。
さらに、カーシェアリングに使用される場合などには、予約情報、予約者の名前などがメッセージとして表示されてもよい。
サイドガラス31Xに表示される車外又は車内向けの情報としては、入力操作ガイドであってもよい。入力操作ガイドとしては、入力操作キー、テンキー、キーボードなどを示すタッチスイッチアイコンなどが挙げられる。すなわち、サイドガラス31Xは、タッチ入力される部材(タッチパネル)として使用されてもよい。サイドガラスをタッチパネルとして使用されると、そのタッチ入力により、様々な情報をサイドガラス31Xに表示させることができる。なお、タッチ入力とは、サイドガラスに指などを直接接触する動作のみならず、サイドガラスに直接接触しなくても、後述する各種検知手段により検知されるタッチ動作によりなされる入力操作である。
また、サイドガラス31Xは、情報表示領域に表示される画像を利用して、マルチタッチディスプレイとして使用されてもよい。サイドガラス31Xは、マルチタッチディスプレイとして使用されると、マルチグリッドタッチコンテンツを表示したり、情報表示端末として使用したりすることができる。マルチタッチディスプレイは、上記したタッチセンサーと組み合わせて使用されるとよい。サイドガラス31Xがマルチタッチディスプレイに使用される場合、情報表示領域35には、マルチタッチディスプレイに対応したディスプレイ画像が表示されるとよい。
ディスプレイ画像には、自動車に設けられたメモリなどに格納された情報が表示されてもよいし、インターネットを介して取得された情報が表示されてもよい。マルチタッチディスプレイは、車外又は車内に向けて各種情報を表示するとよい。
サイドガラス31Xがマルチタッチディスプレイとして使用されると、自動車のユーザビリティやエンターテイメント性を高めることができる。
サイドガラス31Xに表示される情報は、適宜、乗員などにより予めカスタマイズされて設定されていればよく、設定に応じてサイドガラス31Xに情報が表示されるとよい。また、マルチタッチディスプレイに表示される情報なども予めカスタマイズされて設定されていてもよく、設定に応じてマルチタッチディスプレイを示すディスプレイ画像が表示されるとよい。
本実施形態に係る情報表示装置39は、第1の実施形態と同様に、検知手段、制御手段(図示しない)などを備えるとよい。本実施形態において、検知手段は、自動車の車内又は車外の状況を把握したり、サイドガラスに対するタッチ入力の有無を検知したりするための手段である。
検知手段としては、サイドガラスへのタッチ入力を検知するタッチセンサーが挙げられる。タッチセンサーが検知するタッチ入力は、表示用ガラスに指などを必ずしも接触させる必要はない。すなわち、タッチセンサーは指などを表示用ガラスの所定位置に近づけたことを検知するものでもよい。タッチセンサーの方式は、静電容量方式、抵抗膜方式などでもよいが、いわゆるモーショーセンサーでもよい。モーショーセンサーは、カメラ、IRセンサー、超音波センサーなどにより、サイドガラスにタッチする動作を検知するセンサーであり、サイドガラス31Xに導電層などを設けることなく、タッチ動作を検知することでできる。
また、モーションセンサーは、タッチ入力以外の動作を検知するセンサーであってもよく、サイドガラスに人が近付いたこと、車内に乗員が乗り込んだこと、車外の人や車内の乗員が特定の動作をしたことなどを検知できるセンサーなどであってもよい。さらに、検知手段は、モーションセンサーや、タッチセンサーに限定されずに、他のセンサーであってもよく、例えば自動車のキー(スマートキーなど)が車両に近づいたことや、車内に持ち込まれたことを検知するセンサーであってもよい。さらに、検知手段としては、指紋認証センサー、虹彩認証センサー、静脈認証センサーなどの各種生体認証センサーなどでもよい。生体認証センサーは、例えばサイドドアに設けられるとよい。なお、検知手段は、1つ又はそれ以上が自動車に設けられるとよい。
制御手段は、自動車に設けられるCPUなどにより構成されるとよい。制御手段は、光源33の動作を制御すればよく、例えば、検知手段により検知された検知情報、その他の入力情報(スイッチ入力に関する情報など)により、サイドガラスに表示される情報をオンオフしたり、表示を適宜変更したりするとよい。
車外向けの情報は、車外から特定の操作が行われたり、車外の状況が変化したりしたことが、検知手段により検知された場合に表示され、或いは、表示される情報が変更されたり、表示がオフにされたりするとよい。具体的には、タッチセンサーにより車外からタッチ入力があったことや、モーションセンサーやその他のセンサーにより、人や自動車のキーが自動車に近付いたことを検知したり、生体認証により特定の人であることが認証されたりすると、車外向けの情報がサイドガラス31Xに表示され、或いは、表示される情報が変更されたり、表示がオフにされたりするとよい。また、検知手段により検知された場合以外でも、車外から特定の操作が行われた場合(例えば、ロック解除された場合)に、情報表示領域に情報が表示され、或いは表示される情報が変更されたり、表示がオフにされたりするとよい。
同様に、車内向けの情報は、車内から特定の操作が行われたり、車内の状況が変化したりしたことが、検知手段より検知された場合に表示され、或いは、表示される情報が変更されたり、表示がオフにされたりするとよい。具体的には、タッチセンサーにより車内側からタッチ入力があったことや、モーションセンサーやその他のセンサーにより、人が乗り込んだり、自動車のキーが車内に持ち込まれたりしたことを検知手段により検知されると、車内向けの情報が表示され、或いは、表示される情報が変更されたりするとよい。
また、検知手段により検知された場合以外でも、車内から特定の操作(例えば、インストルメントパネルなどにおけるスイッチ入力)が行われた場合にも情報表示領域に情報が表示され、或いは、表示される情報が変更されたり、表示がオフにされたりするとよい。
図8は、サイドガラスにおける情報の表示態様の一例を示す。図8は、ドアのロック状態を示すアイコン36が情報として示される例である。本例では、アイコン36は、例えば、検知手段により自動車30のキーが近付いてきたことが検知されると、情報表示領域35に例えば車外向けの情報として表示され、乗員に対して、ドア(例えば、フロントサイドドア31X)のロック状態を認識させることができる。
そして、自動車30のキーなどにより、ドアがロックされ、あるいは、ロックが解除されると、図8に示すとおりに、アイコン36の表示が変更されて、ドアがロックされたか、或いは、ロックが解除されたかを、乗員は視覚的に容易に確認することができる。
ただし、図8に示すアイコン36は、別の検知情報に基づいて、表示されてもよく、例えば、サイドガラス31Xにタッチ入力があったことや、サイドガラスに人が近付いてきたことを検知した場合に表示されてもよい。
もちろん、サイドガラス31Xの情報表示領域35には、ロック状態以外も表示されてもよく、例えばサイドドアのロックが解除されたり、人が近付いてきたり、タッチ入力などがあることなどが検知されると、サイドガラス31Xには、様々な情報が表示され、或いは、表示が変更されたり、表示がオフにされたりしてもよい。何らかの入力があったり、又は車外又は車内の状況が変化したりした場合に、サイドガラスに様々な情報が表示されたりすることで、ユーザビリティの高い自動車を提供できる。
また、第4の実施形態では、情報表示領域35に、光拡散部31Dが設けられる態様が示されたが、上記した第2及び第3の実施形態に示したように、情報表示領域35には、光拡散部31Dの代わりに、調光体や発光部が設けられる態様としてもよい。調光体や発光部は、第2及び第3の実施形態で示した通り、サイドガラス31Yの一部の領域に設けられてもよいし、サイドガラス31Yの全領域に設けられてもよい。
また、第4の実施形態では、サイドガラスは、合わせガラスである態様が示されるが、必ずしも合わせガラスである必要はなく、ガラス板が1枚からなる単ガラス板であってもよい。単ガラス板の場合には、光拡散部は、単ガラス板の外面又は内面に接着されて設けられてもよいし、単ガラス板に光拡散粒子が混合されることで、単ガラス板自体が光拡散部として使用されてもよい。
また、単ガラス板の場合も、光拡散部の代わりに調光体や発光部が設けられてもよく、調光体や発光部は、単ガラス板の外面又は内面に接着されて設けられてもよいし、単ガラス板自体が発光部として使用されてもよい。
なお、以上の第4の実施形態において、サイドガラス31の可視光線透過率は、フロントサイドガラス31やフロントクオーターガラスの場合には、フロントガラスと同様である。一方で、リアサイドガラスやリアクオーターガラスの場合には、光拡散部、調光体、発光部が設けられる部分の可視光線透過率は上記の通りであるが、光拡散部、調光体、発光部が設けられない部分の可視光線透過率は、70%以上としてもよいが、70%未満としてもよい。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。上記第1~第4の実施形態では、フロントガラス、サイドガラスに情報が表示される形態であったが、第5の実施形態では、自動車のリアガラスに情報が表示される。以下、第5の実施形態について、詳細に説明する。なお、以下の説明において、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。
図9に示すとおり、自動車40は、車両用窓ガラスとして、リアガラス41を有する。リアガラス41は、自動車背面に設けられる窓ガラスである。本実施形態では、リアガラス41に情報表示領域45が設けられる。なお、本実施形態では、情報表示領域45がリアガラス41に1つのみ設けられる態様が示されるが、情報表示領域は、第1の実施形態などと同様に2つ以上が設けられてもよい。
図10に示すとおり、本実施形態において、情報表示領域45には、調光体41Dが設けられるとよい。調光体41Dや情報表示領域45は、リアガラス41の一部の領域に設けられることが好ましく、図9に示すとおりにリアガラス41の上側部分に設けられることが好ましい。情報表示領域45は、リアガラス41の上側部分のいずれかの位置に配置されることで、後方の車両から容易に視認できるようになる。
なお、リアガラス41の上側部分とは、リアガラス41の上端部41Tから、ガラス縦寸法に対して40%以下の長さとなる領域であり、好ましくは30%以下の長さとなる領域、より好ましくは20%以下の長さとなる領域であり、更に好ましくは15%以下の長さとなる領域である。このような領域に調光体41D、すなわち、情報表示領域45が配置されることで、表示された情報によって後方の視界を妨げることが防止できる。
また、上記長さは、情報を後方の車両に容易に認識できるようにするために、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。なお、上端部41Tとは、リアガラス41の車外側のガラス面の露出している部分の上側の最外部を意味する。
光源43は、車両内部に設けられればよく、例えば車両の天井に設けられるとよい。本実施形態においても、調光体41D(すなわち、情報表示領域45)には、光源43からの光が照射され、調光体41Dにおいて光源43からの光が拡散され、入射された光に応じた画像を情報として表示できる。本実施形態において、調光体41Dは、車外に適切に情報を表示するために後方光拡散性を有するとよいが、第1の実施形態と同様に、前方光拡散性も合わせて有してもよい。前方光拡散性も有すると、情報表示領域45に表示された情報を車内から容易に確認することができる。
なお、光源43及び調光体41Dの詳細はそれぞれ、第1及び第2の実施形態で説明したとおりであるので、その詳細は省略する。
なお、以上では、調光体41Dが、リアガラス41の一部の領域に部分的に設けられる例を説明したが、リアガラス41の全領域に設けられてもよい(図示しない)。
また、調光体41Dは、第2の実施形態で説明したとおり、可視光線透過率が低いモードに切り替えたうえで、光源43からの光を照射させて、情報を表示するとよい。したがって、調光体41Dは、PDLCなどの液晶層を有する場合、電圧を印加しない状態にして、情報表示領域45に光源43からの光を照射するとよい。
リアガラス41の情報表示領域45に表示される情報は、車外、特に後方車両に向けたメッセージであるとよく、文字、図柄、またはこれらの組み合わせで構成される。リアガラス41に表示される情報は、図11に示すとおりに、故障情報、急ブレーキ、急停止などの自動車40の運転状況や今後の動きに関するメッセージ46でもよいし、前方で発生した事故情報などの交通情報に関するメッセージでもよいし、警告メッセージなどの緊急情報に関するメッセージなどでもよい。また、「お先にどうぞ」などの挨拶文などでもよい。
リアガラス41に表示される情報は、運転手などの乗員のスイッチ入力などの特定の操作に応じて、表示され、或いは、表示される情報が変更されたり、表示がオフにされたりするとよい。また、運転動作に合わせて適宜表示され、或いは、表示される情報が変更されたり、表示がオフにされたりするとよい。。例えば、急ブレーキが掛けられると、その急ブレーキに合わせて急ブレーキにより減速又は停止したことを示すメッセージが表示されるとよい。
また、自動車には、一般的にバックライト(図示しない)が設けられるが、バックライトと適宜連動して、情報を表示してもよい。例えば、急ブレーキ、急停止などした際には、バックライトの点灯とともに、メッセージ46を表示するとよい。
以上の本実施形態によれば、情報表示領域45には、光源43からの光により、リアガラス41に様々な情報が表示できるので、細かい情報を車外、特に後方車両に詳細に伝達することができる。
なお、第5の実施形態では、情報表示領域45に、調光体41Dが設けられる態様が示されたが、上記した第1及び第3の実施形態に示したように、情報表示領域45には、調光体41Dの代わりに、光拡散部や発光部が設けれる態様としてもよい。
さらに、本実施形態では、リアガラスには、他の車両向けの車外向けの情報が表示される態様が示されるが、第4の実施形態と同様に、車内向けの情報が表示されてもよいし、自動車40の乗員向けの車外向けの情報が表示されてもよい。
また、本実施形態において、リアガラス41は、合わせガラスである態様が示されるが、必ずしも合わせガラスである必要はなく、ガラス板が1枚からなる単ガラス板であってもよい。単ガラス板の場合には、調光体は、単ガラス板の外面又は内面に接着されて設けられてもよい。また、単ガラス板の場合も、調光体の代わりに、光拡散部や発光部が設けられてもよく、調光体や発光部は、単ガラス板の外面又は内面に接着されて設けられてもよいし、単ガラス板自体が発光部又は光拡散部として使用されてもよい。
また、第5の実施形態において、光拡散部、調光体、発光部が設けられる部分の可視光線透過率は上記の通りであるが、光拡散部、調光体、発光部が設けられない部分の可視光線透過率は、上記の通り70%以上としてもよいし、70%未満としてもよい。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、フロントガラスに情報が表示されるが、表示される情報は、主に車内向けの情報である。以下、第6の実施形態について、詳細に説明する。なお、以下の説明において、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態においては、図12に示すとおり、第1の実施形態と同様に、フロントガラス51に情報表示領域55が設けられる。本実施形態において、情報表示領域55は、複数設けられるが、1つ以上設けられれば特に限定されない。
フロントガラス51には、図13に示すとおり、情報表示領域55に対応した部分に光拡散部51Dが設けられる。光拡散部51Dには、光源13からの光が入射され、入射された光を拡散させ、それにより、入射された光に応じた画像を情報として表示できる。
本実施形態において情報表示領域55は、第1の実施形態と同様に、運転手の前方の視界を妨げない領域に配置されるとよく、フロントガラス51の下側部分のいずれかの位置に配置されてもよいし、上側部分のいずれかの位置に配置されてもよいし、図12に示すとおりに両方に配置されてもよい。
なお、フロントガラス51の下側部分は上記第1の実施形態で説明したとおりである。また、フロントガラス51の上側部分とは、リアガラス41がフロントガラスに置き換えられる以外は、第5の実施形態における上側部分の説明と同様であるので、その説明は省略する。
光拡散部51D(又は情報表示領域55)は、図12に示すとおり、フロントガラス11の左右いずれかの片側のみ(図12では、左側の片側のみ)に配置されてもよいが、フロントガラスの左側から右側にわたって設けられてもよい(図示しない)。
光拡散部51D(又は情報表示領域55)は、片側のみに配置される際、特に限定されないが、運転席が設けられる側とは同じ側に配置されるとよく、運転席が左側に設けられる場合、光拡散部51D(又は情報表示領域55)は、図12に示すとおりに、フロントガラスの左側に配置されるとよい。また、運転席が右側に設けられる場合には、光拡散部51D(又は情報表示領域55)は、フロントガラスの右側に配置されるとよい(図示しない)。このように、配置されることで、情報表示領域55に表示される情報が運転手によって視認されやすくなる。
図13は、本実施形態に係る情報表示装置59を示す模式図である。図13に示すとおり、情報表示装置59は、フロントガラス51と、光源53を備える。フロントガラス51は、第1の実施形態と同様に、外側ガラス板51Aと、内側ガラス板51Bと、中間膜51Cを備える合わせガラスである。また、光源53の詳細は、第1の実施形態と同様であり、その説明は省略する。なお、光源53は、本実施形態では、複数の情報表示領域55に対応して複数設けられるが、1つであってもよい。
また、光源53は、特に限定されないが、フロントガラス51の下側部分に配置される情報表示領域55を照射するものは、第1の実施形態と同様に、ダッシュボード54の内部や上部に配置されるとよい。また、光源53は、特に限定されないが、フロントガラス51の上側部分の情報表示領域55を照射するものは、天井などに設けられるとよい。
フロントガラス51には、図12に示すとおり、一部の領域に着色部57が設けられたり、黒セラと呼ばれる遮蔽部56が設けられたりすることがあるが、本実施形態の情報表示領域55(すなわち、光拡散部51D)は、着色部57や遮蔽部56が設けられる領域においては、着色部57や遮蔽部56よりも車内側に配置されるとよい。このような態様により、光源53からの光は、着色部57や遮蔽部56により妨げられることなく、光拡散部51Dに入射されるので、情報表示領域55にコントラストの高い画像を表示させやすくなる。また、光拡散部51Dは、車外から見ると、遮蔽部56や着色部57により遮蔽されることになる。そのため、情報表示領域55に表示された情報は、車外から見えなく、又は見えにくくすることができるため、プライバシー性を高めることができる。
図13に示す例を用いてより詳細に説明すると、本例では、フロントガラス51の下縁に遮蔽部56が設けられ、その遮蔽部56に対応する位置に光拡散部51Dが設けられるとよい。遮蔽部56は、黒セラと呼ばれるものであり、例えば黒色セラミックからなるものである。遮蔽部56は、一般的に遮光性を確保するためや、合わせガラスの周縁部を保護するために設けられる。図13の例では、遮蔽部56は、外側ガラス板51Aの内面に設けられるが、特に限定されず、ガラス板51A,51Bの内面又は外面の何れかに設けられればよい。
また、図13の例では、フロントガラス51の上縁に着色部57が設けられ、その着色部57に対応する位置にも光拡散部51D(情報表示領域55)が設けられる。ここで、着色部57は、いわゆるシェードバンドと呼ばれるものであり、フロントガラス51の上側部分の遮光性を高め、防眩性などを高めることができる。
着色部57は、いかなる態様でもよいが、図13の例に示すように、中間膜51Cに設けられた着色層57Aにより構成されるとよい。着色層57Aを備える中間膜51Cは、複数の樹脂層を備える領域が少なくとも設けられており、そのうちの少なくとも1つの樹脂層を着色層57Aとするとよい。着色層57Aは、樹脂に顔料、染料などの着色剤を混合したものであり、合わせガラスの着色部57が設けられない領域より、可視光線透過率が低くなる。ただし、着色部57は、中間膜51C中の着色層57A以外により構成されてもよく、例えば、外側ガラス板51Aの内面又は外面に設けられた着色層でもよい。
着色部57が設けられる領域における可視光線透過率は、特に限定されないが、例えば60%未満であればよく、好ましくは40%以下、より好ましくは20%以下である。また、着色部57が設けられる領域における可視光線透過率は、例えば0.1%以上であればよく、1%以上であることが好ましい。着色部57が設けられる領域は、少なくとも一部の可視光線透過率が上記下限値以上、上限値以下となればよいが、通常は可視光線透過率が最も低い領域が上記下限値以上、上限値以下となればよい。一方で、光拡散部(すなわち、情報表示部材)、着色部、及び遮蔽部が設けられた部分以外の領域は、高い透明性を確保する観点から、可視光線透過率が高く、具体的には、70%以上であるとよく、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
なお、図13の例では、光拡散部51Dは、内側ガラス板51Bに接着するように設けられるが、第1の実施形態と同様に中間膜51Cが設けられない部分に配置されて、中間膜51C中に保持される形態であってもよいし、中間膜51C内部に埋め込まれた形態であってもよいし、中間膜51Cの少なくとも一部が光拡散部(光拡散層)を構成する形態であってもよい。
また、図13の例では、着色部や遮蔽部が設けられない領域にも光拡散部51Dが設けれるが、着色部や遮蔽部が設けられない領域には光拡散部51Dが設けられなくてもよい。
さらに、以上の説明では、光拡散部51Dは、着色部57よりも車内側に配置されたが、着色部57の透明性が高い場合などには、着色部57よりも車外側に配置されてもよい。
本実施形態において、情報表示領域55には、運転手などの自動車の乗員が必要な情報を表示するとよい。具体的には、自動車の状態を示す情報や、自動運転の場合には運転動作に関する情報など挙げられる。これら情報の詳細は、上記の通りである。
フロントガラス51に表示される情報は、予め設定された条件に従って表示されればよく、例えば、運転中に常時表示されてもよいし、特定の運転動作があった場合に表示されてもよい。また、乗員のニーズに合わせてカスタマイズ化して表示させてもよい。
以上のように、本実施形態では、車内の乗員向けに様々な情報を乗員のニーズに合わせてフロントガラス51に表示できるので、ユーザビリティの高い自動車を提供できる。
なお、以上の第6の実施形態では、情報表示領域に光拡散部が設けられる態様が示されるが、第2及び第3の実施形態と同様に、光拡散部の代わりに、発光部や調光体が設けられてもよい。
さらに、光遮蔽部や着色部が、フロントガラス以外のサイドガラス、リアガラスに設けられてもよい。そのような場合には、本実施形態と同様に情報表示部材は、光遮蔽部や着色部が設けられた位置に設けられてもよい。この場合、情報表示領域に表示される領域は、車内向けであることが好ましい。
<第7の実施形態>
以上の第1~第6の実施形態では、フロントガラス、サイドガラス、又はリアガラスの情報表示領域に、光拡散部、調光体、及び発光部などの情報を表示するための部材(情報表示部材)が設けられることで、車外、又は車外及び車内の両方に情報を表示する態様を示した。ただし、フロントガラス、サイドガラス、又はリアガラスの情報表示領域には、必ずしも情報表示部材が設けられる必要はない。
例えば、フロントガラスの形状を調整することで、光源からフロントガラスを透過した光が、車外から見ると、フロントガラスに情報が表示されるように視認されるようにしてもよい。具体的には、フロントガラスの合わせガラスを楔形状の合わせガラスとするとよい。以下、情報表示部材が設けられる代わりに、フロントガラスの合わせガラスを楔形状の合わせガラスとする態様を第7の実施形態として説明する。
フロントガラス21を構成する合わせガラスは、第1の実施形態と同様に、ガラス板21A,21Bと中間21Cとを備える。本実施形態に係る情報表示装置29では、図14に示すとおり、中間膜21Cを断面が楔形状である中間膜とすることで、フロントガラス21(合わせガラス)を楔形状とすることができる。楔形状の中間膜21Cは、図14に示すとおり、一端21Uから他端21T側に至るに至って厚みが変化する断面楔形状の中間膜であるとよい。なお、一端21Uは、フロントガラス21の下端側の端部であり、他端21Tはフロントガラス21の上端側の端部であるとよい。中間膜21の厚みは、一端21Uから他端21Tに向けて大きくなるように変化するとよい。また、断面楔形状の中間膜21Cは、一端21Uから他端21Tの全体にわたって、厚みが変化してもよいが、光源23からの光が照射される情報表示領域25に対応する部分が少なくとも厚みが変化する楔形状を有していればよい。
楔形状の合わせガラスは、車内側に情報を表示する際に用いることができる。具体的には、光源23からの光は、フロントガラス21において反射するので、その反射光によって車内側からも情報を視認でき、フロントガラス21の車内側の面に情報を表示できる。また、以上の説明においては、フロントガラス21に情報が表示される態様を説明したが、リアガラス、サイドガラスなどのフロントガラス以外に情報が表示される態様も同様である。
本実施形態に係る楔形状の合わせガラスは、上記各実施形態において説明した車内向けの情報を表示する態様において好適に使用できる。各実施形態で情報が表示される態様など、第7の実施形態で説明しない部分は、上記各実施形態で説明したとおりである。
また、以上の説明では、車両用フロントガラス、車両用サイドガラス、車両用リアガラスが自動車に使用される場合について説明したが、本発明の車両用フロントガラス、車両用サイドガラス、車両用リアガラスが適用される車両は、自動車に限定されず、他の車両であってもよい。具体的には、電車、汽車、列車等の鉄道車両、フォークリフト、ショベルカーなどの土木用重機、カート、遊園地車両などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
10、30、40、50 自動車
11、21、51 フロントガラス
11A、21A、31A,41A,51A 外側ガラス板
11B、21B、31B,41B,51B 内側ガラス板
11C、21C、31C,41C,51C 中間膜
11D、31D、51D 光拡散部
13、23、33、43、53 光源
15、25、35、45、55 情報表示領域
16、46 メッセージ
17 制御手段
18 検知手段
19,29、39、49、59 情報表示装置
31 サイドガラス
36 アイコン
41 リアガラス
41D 調光体
56 遮蔽部
57 着色部

Claims (4)

  1. 車両用フロントガラスと、前記車両用フロントガラスに対して光を照射する光源と、前記光源からの光によって、前記車両用フロントガラスに車外向け及び車内向けの少なくともいずれかの情報を表示する、情報表示装置。
  2. 車外向けの情報を表示する、請求項1に記載の情報表示装置。
  3. 車両用サイドガラスと、前記車両用サイドガラスに対して光を照射する光源と、前記光源からの光によって、前記車両用サイドガラスに車外向け及び車内向けの少なくともいずれかの情報を表示する、情報表示装置。
  4. 車両用リアガラスと、前記車両用リアガラスに対して光を照射する光源と、前記光源からの光によって、前記車両用リアガラスに車外向け及び車内向けの少なくともいずれかの情報を表示する、情報表示装置。


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