JP2024058914A - 検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】励起光の照射に対する内容液の蛍光発光を利用して内容液中の対象物を精度よく検出する。【解決手段】励起光の照射に対して蛍光発光する内容液が充填され、かつ励起光及び蛍光の波長域に対して透明性を有するボトル2等の容器の検査範囲を励起光にて照明し、照明された検査範囲を蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で励起光の波長域が撮像対象の波長域からは除かれるようにして撮像し、撮像された画像中の蛍光強度に基づいて検査範囲における内容液中の対象物を検出する。【選択図】図12

Description

本発明は、紫外光等の励起光の照射に対する内容液の蛍光発光を利用して液中の対象物に関する検査を行うための検査方法等に関する。
容器に対して実施される各種の検査の一種として、内容液中の対象物に関する検査が行われることがある。例えば、内容液中に意図しない異物が混入しているか否か、あるいは内容液に意図的に加えられる物体の適否等が検査されることがある。この種の検査は、可視光や赤外光等を検査光として容器に照射し、容器を透過した検査光の明暗差を利用して対象物を検出する透過光検査によって行なわれている。容器に照射された検査光の反射光の明暗差を利用して対象物を検出する場合もある。一方、樹脂製の容器に紫外光を照射したときの蛍光発光現象を利用して容器に付属するラベルや印字部等の検査対象の適否を検査する手法も知られている。例えば、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)製のボトルを紫外光で照明してボトルを蛍光発光させることにより、ボトルに巻かれたラベルやボトルに施された印字部等の検査対象とボトルとの間に明暗差を生じさせ、その明暗差を手掛かりとして検査対象の良否を判別する手法が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
特開2008-281477号公報 特開2022-37644号公報
透過光を用いる手法では、容器に付されたリブ等の凹凸部によって影が生じ、その影と対象物との識別が困難となって対象物の検出精度が低下するおそれがある。反射光を用いた検査でも凹凸部によって局部的に反射光強度が高まる照り返しが生じ、対象物の検出精度が低下するおそれがある。容器の内容液の液種によっては、紫外光等を励起光として照射したときに蛍光発光が生じる場合があるが、その内容液の蛍光発光現象を対象物の検出に利用することはこれまで提案されていない。上述した特許文献の検査方法は、樹脂製の容器とその外側に設けられたラベルや印字部等の検査対象との間における蛍光強度の相違を利用して検査対象の良否を判別するものであって、液中の対象物に関する検査を目的とするものではない。
そこで、本発明は、励起光の照射に対する内容液の蛍光発光を利用して、容器に充填された内容液中の対象物を精度よく検出することが可能な検査方法等を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る検査方法は、励起光の照射に対して蛍光発光する内容液が充填され、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する容器内の対象物に関する検査を行うための検査方法であって、前記容器の検査範囲を前記励起光にて照明する手順と、前記励起光にて照明された検査範囲を、前記蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で前記励起光の波長域が前記撮像対象の波長域からは除かれるようにして撮像する手順と、撮像された画像中の蛍光強度に基づいて、前記検査範囲における前記内容液中の前記対象物を検出する手順と、を含んだものである。
本発明の一態様に係る検査装置は、励起光の照射に対して蛍光発光する内容液が充填され、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する容器内の対象物に関する検査を行うための検査装置であって、前記容器の検査範囲を前記励起光にて照明する照明手段と、前記励起光にて照明された検査範囲を、前記蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で前記励起光の波長域が前記撮像対象の波長域からは除かれるようにして撮像する撮像手段と、撮像された画像中の蛍光強度に基づいて、前記検査範囲における前記内容液中の前記対象物を検出する検出手段と、を含んだものである。
本発明の一形態に係る検査方法にて用いられる検査装置の一例を示す平面図。 検査装置の側面図。 内容液中に対象物の一例としての異物が混入したボトルを撮像した画像の一例を示す図。 搬送コンベアに沿って複数組の画像撮像部を設ける例を示す図。 食用油が充填されたボトルに励起光を照射したときの三次元蛍光スペクトルの一例を示す図。 ボトルを照明する励起光としての紫外光の分光強度と、内容液で生じる蛍光の分光強度と、フィルタの分光感度との関係の一例を示す図。 サンプルとして用いたボトルを軸線方向上方から撮影した画像を示す図。 サンプルのボトルの紫外光による画像を示す図。 サンプルのボトルの反射光による画像を示す図。 サンプルのボトルの透過光による画像を示す図。 異物が混入したボトルの蛍光、反射光及び透過光による画像を示す図。 異物が混入したボトルの蛍光による画像を、食用油を充填した場合と水を充填した場合とで比較して示す図。 励起光と蛍光との間におけるストークスシフトの目安を検討するために用意したサンプル1~7のうち、サンプル1の三次元蛍光スペクトル、及び代表的な励起波長に対する蛍光スペクトルを測定した結果を示す図。 サンプル2の三次元蛍光スペクトル、及び代表的な励起波長に対する蛍光スペクトルを測定した結果を示す図。 サンプル3の三次元蛍光スペクトル、及び代表的な励起波長に対する蛍光スペクトルを測定した結果を示す図。 サンプル4の三次元蛍光スペクトル、及び代表的な励起波長に対する蛍光スペクトルを測定した結果を示す図。 サンプル5の三次元蛍光スペクトル、及び代表的な励起波長に対する蛍光スペクトルを測定した結果を示す図。 サンプル6の三次元蛍光スペクトル、及び代表的な励起波長に対する蛍光スペクトルを測定した結果を示す図。 サンプル7の三次元蛍光スペクトル、及び代表的な励起波長に対する蛍光スペクトルを測定した結果を示す図。
以下、添付図面を参照して本発明の一形態を説明する。図1及び図2は、本発明の一形態に係る検査方法にて用いられる検査装置の一例を示している。本形態の検査方法では、内容液が充填された容器に対して所定の波長域の励起光を照射したときに、内容液に含まれた成分が励起されて蛍光発光する性質を利用して内容液中の異物の有無が検査される。ただし、異物は内容液に存在する対象物の一例であり、異物の有無の検査は、対象物に関して実施される検査の一例である。対象物は、異物のように内容液中に意図せずに混入する物体に限らず、内容液中に意図的に加えられる物体であってもよく、対象物に関する検査も対象物の有無に限らない。それらの例については後述し、以下では対象物が異物であって、その異物の有無を検査する場合を例として説明を続ける。
図1の検査装置1は、容器の一例としてのボトル2の内容液中の異物の有無を検査する。検査装置1は、内容液が蛍光発光した状態にあるボトル2の画像を取得する画像取得部10と、取得された画像を処理して内容液中の異物の有無を検査する処理部20とを備えている。
ボトル2は、励起光及びその照射に対して生じる蛍光のそれぞれの波長域に対して透明性を有する。一例として、ボトル2は、中空で円筒形状又は多面体形状のPET樹脂製である。図ではボトル2を概略円筒形の形状で代表して描く場合がある。容器はPET樹脂製のボトル2に限らない。励起光及び内容液にて生じる蛍光のそれぞれが透過可能な透明性を有する限りにおいて、各種の素材で容器が形成されてよい。例えば、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂等の他の樹脂素材、ガラス等にて形成された容器を対象として、その内容液中の異物の有無が検査されてよい。
ボトル2の内容液は、励起光の照射に対して蛍光発光する性質を有するものであれば対象に含み得る。例えば、油脂成分を含んだ液体は、紫外光を励起光として照射した場合に、油脂成分が励起されて蛍光発光する。その種の液体としては、例えば、植物油、醸造酢、醸造酒、ビール、ワイン、各種の化粧品液等がある。その他にも、蛍光発光する性質を含む限り、乳性飲料等の各種の液体が内容液とされてよい。ゾル状又はゲル状の物質であっても、液体としての性質を含み、かつ蛍光発光する性質を帯びていれば内容液の範囲に含まれてよい。例えば、細胞の培養等で使用される培地には、たんぱく質やビタミン等の蛍光発光成分を含むものがあり、その種の培地も内容液の一種に含まれてよい。
内容液は、励起光が入射し、かつその入射に対応して発生した蛍光がボトル2外へと放出されることが異物の検査に必要であることから、その限度において励起光及び蛍光のそれぞれの波長域に対して透明性を有することが望ましい。ただし、検出対象となる異物及びその近傍まで励起光が到達し、かつ異物の周囲の内容液にて生じた蛍光がボトル2外に放出される状態であれば異物の検出は可能である。したがって、内容液に求められる透明性の程度は、ボトル2を照明する励起光の強度、及び異物が存在すると想定される位置に応じて異なっていてよい。ボトル2の背面側まで励起光が透過するような透明性が必ずしも必要とされるものではない。
図3は、異物が混入したボトルを可視光の波長域で撮像した画像の一例である。図3の例では樹脂製のボトルに植物油が充填され、ボトルの肩部と胴部との境界付近の領域Xに黒味を帯びた異物が混入している。励起光として紫外光を照射した場合、内容液としての植物油は蛍光発光し、異物は蛍光発光しない。そのため、蛍光の波長域を撮像対象の波長域に設定してボトルを撮像すれば、得られる画像中にて異物は暗部として出現し、異物の周囲の内容液は蛍光強度に応じた明部として出現する。そのような明暗差を手がかりとして液中の異物の有無を検査することが可能である。
図1及び図2に戻って説明を続ける。ボトル2は、一例として、口部を上にしてその軸線AXを鉛直方向に一致させた正立状態で所定の設置面FS上に置かれる。画像取得部10は、設置面FSに置かれたボトル2の少なくとも検査範囲を、所定の波長域の励起光にて照明する照明手段の一例としての照明装置11と、ボトル2を撮像する撮像手段の一例としての撮像装置12とを備えている。照明装置11が照射する励起光は一例として紫外光である。検査装置1をボトル2の軸線AXに沿って上方から観察した場合(図1)、照明装置11は、撮像装置12によるボトル2の撮像光軸Lpを挟んで左右に配置された一対の照明器11A、11Bを備えている。撮像装置12は、カメラ13と、カメラ13への入射光の波長域を検査に適した範囲に制限するフィルタ14と、カメラ13から見てボトル2の背後に配置される反射板15とを備えている。カメラ13の光軸が撮像装置12の撮像光軸Lpに相当する。
図1において、照明器11A、11Bは、それらの光軸(光線束の中心線)La、Lbが撮像光軸Lpに対して左右対称であって、かつ撮像光軸Lp、及び光軸La、Lbがボトル2の外周上の所定位置にて互いに交わるように設定される。図2から明らかなように、一方の照明器11Aは、上下一対の照明部11a、11bを組み合わせた構成を有し、ボトル2を側方から照明するように設けられている。他方の照明器11Bも同様である。照明装置11が照射する励起光の波長域は、ボトル2の内容液を蛍光発光させることが可能な波長域に設定される。
ボトル2の検査範囲はボトル2の全体であってもよいし、一部であってもよい。すなわち、検査範囲は適宜に変更されてよく、照明装置11の構成及び照明方向もボトル2の検査範囲に合わせて適宜に変更されてよい。例えば、ボトル2の首部や肩部を中心として異物の有無を検査する場合には、それらの位置に合わせて照明装置11及び撮像装置12が配置されてよい。ボトル2の底部に存在する異物、例えば底部に沈殿した異物の有無を検査する場合には、撮像装置12のカメラ13をボトル2の下方に配置してその撮像光軸Lpを軸線AXと一致させ、かつ照明装置11もボトル2の底部を斜め方向から照明するように配置されてもよい。照明装置11は常時点灯でもよいし、撮像装置12のカメラ13の撮像動作に同期して点灯するように制御されてもよい。なお、ボトル2の外周上に検査範囲が設定される場合、その検査範囲はボトル2の全周に設定されることを必ずしも要しない。
カメラ13は、例えば、CCD、CMOS等の撮像素子を用いてボトル2の光学像を電気的な画像信号に変換する。カメラ13は、照明装置11によって照明されたボトル2の検査範囲を撮像する。撮像方向は、一例として、照明装置11による照明方向と同一の側からボトル2を撮像するように設定される。図1及び図2の例では、カメラ13の撮像光軸Lpが水平方向に向けられている。なお、照明方向と撮像方向との関係は、ボトル2の内容液にて生じる蛍光の強度分布を反映した画像を撮像できる限りにおいて、図1とは異なる関係に設定されてもよい。
カメラ13の撮像範囲は、少なくともボトル2の検査範囲の画像を撮像できるように設定されていればよい。なお、検査時において、ボトル2は静止していてもよいし、移動していてもよい。例えば、飲料の充填ラインにカメラ13を設置し、カメラ13の撮像範囲にボトル2が達したタイミングでカメラ13に撮像動作を実行させることにより、移動中のボトル2が逐次撮像されてもよい。ボトル2の全周を検査範囲として撮像するといったように、一台のカメラ13による一回の撮像動作では検査範囲の一部しか撮像できない場合には、ボトル2を自転させ、ボトル2の全周が複数回に分けて撮像されるようにカメラ13の撮像動作を制御することにより検査範囲の全体の画像が撮像されてもよい。ボトル2を固定し、照明装置11及び撮像装置12をボトル2の回りに移動させて検査範囲の全体の画像が撮像されてもよい。
ボトル2を異なる方向から撮像する複数のカメラ13を設け、ボトル2の検査範囲をそれらのカメラ13で周方向に分担して撮像してもよい。図4は複数のカメラ13によってボトル2を周方向に分担して撮像する例を示している。図4の例では、搬送コンベアCVの搬送面が図2の設置面FSに相当する。搬送コンベアCV上に置かれたボトル2が所定の搬送方向FDに搬送されつつ、ボトル2の全周が四台のカメラ13にて分担して撮像される。同図(a)に示すように、搬送コンベアCVの一方の側には搬送方向FDに対して斜め後方からボトル2を撮像するように一台のカメラ13が、同図(b)に示すように搬送方向FDに対して斜め前方からボトル2を撮像するように他の一台のカメラ13が設置される。いずれのカメラ13の撮像光軸Lpも、搬送方向FDに対して45°傾けられている。また、図示を省略したが、搬送コンベアCVの他方の側にも、図4(a)、(b)と同様に二台のカメラ13が配置される。各カメラ13に対応して、照明装置11及び撮像装置12のフィルタ14及び反射板15も設置される。図4の例では、照明装置11及び撮像装置12の組ごとに、ボトル2の撮像位置が搬送方向FDにずらして設定される。
図1及び図2に戻って、フィルタ14は、カメラ13による撮像対象となる波長域に関し、ボトル2の内容液にて生じる蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で、ボトル2を照明する励起光の波長域が撮像対象の波長域からは除かれるようにしてカメラ13への入射光の波長域を調整する。ただし、フィルタ14の分光特性は励起光の波長域のカメラ13への入射を完全に遮断するように設定されることを必ずしも要しない。カメラ13にて撮像される画像が、蛍光強度の分布を反映した明暗分布を示し、かつ励起光の波長域が明暗分布に与える影響が画像中から実質的に除かれる程度に励起光の波長域の通過をフィルタ14にて制限できればよい。換言すれば、カメラ13に入射する光の波長域に関して、ボトル2にて生じる蛍光の波長域と比較してボトル2を照明する励起光の波長域が制限されるようにフィルタ14の分光特性が設定されていればよい。その限りにおいて、フィルタ14は励起光の波長域の入射を完全に阻止する例に限定されず、励起光の波長域の入射光量を蛍光の波長域のそれに比して相対的に減少させるものであってもよい。
一方、蛍光の波長域に関しては、検査に必要な光量の蛍光がカメラ13に入射すれば足りる。蛍光の全波長域がフィルタ14を通過してカメラ13に入射するようにフィルタ14の分光特性が設定されてもよいし、蛍光の一部の波長域はフィルタ14によりカメラ13への入射が制限されてもよい。例えば、蛍光の波長域のうち、照明光としての励起光の波長域に比較的近い短波長側の一部の波長域については、フィルタ14にてその通過を制限し、その制限される波長域よりも長波長側の蛍光についてはフィルタ14を通過してカメラ13に入射させるようにフィルタ14の分光特性が設定されてもよい。
フィルタ14を用いて撮像対象の波長域を制限する理由は次の通りである。ボトル2からカメラ13に向かう光には、ボトル2の内容液にて生じた蛍光のみならずボトル2上での反射光も含まれる。反射光がカメラ13に入射すると、得られる画像に励起光の影響が出現し、蛍光強度に基づく検査に支障をきたすおそれがある。一方、内容液にて生じる蛍光の波長域は、照射された励起光の波長域と一致せず、両者の波長域にはずれが生じる。したがって、蛍光の波長域がカメラ13の撮像対象の波長域に含まれる一方で、励起光の波長域が撮像対象の波長域から除かれるようにフィルタ14の分光特性を設定すれば、ボトル2上での反射光の影響を抑えて蛍光の強度分布を正しく反映した画像を撮像することができる。なお、撮像対象の波長域を選別する手段としては、カメラ13とは別部品としてのフィルタ14を用いることを必ずしも要しない。例えば、カメラ13の撮像素子が感度を示す波長域を選択可能な機能をカメラ13が備えている場合には、その機能を利用して撮像対象の波長域が調整されてもよい。なお、ボトル2からの反射光に、励起光の波長に対して2倍の波長をもつ二次光等の高次光成分が含まれる等、励起光の波長域及び検出対象とすべき蛍光の波長域のいずれとも異なる波長域の光が外乱成分として含まれ、かつその外乱成分が画像中の明暗差に影響を与える場合には、外乱成分も撮像対象の波長域から除かれるようにフィルタ14の分光特性やカメラ13の感度が設定されてよい。
反射板15は、ボトル2を通過した励起光をボトル2に向けて反射させることにより、内容液における蛍光の発光効率を高めるために設けられている。反射板15は、一例として白色のアクリル板である。反射板15の色は白色以外に設定されてもよい。例えば、対象物が白色の場合には、反射板15を黒色として対象物をより目立たせるようにしてもよい。反射板15の反射面に蛍光剤含有層を設けて内容液の蛍光強度をさらに高めるようにしてもよい。ただし、検査に必要な光量の蛍光をカメラ13に入射させることが可能である限り、反射板15は省略されてもよい。
画像取得部10が設置された環境におけるボトル2の照明光は、主として照明装置11による照明光にてボトル2が照明され、かつボトル2の内容液にて生じる蛍光の強度分布を反映した画像がカメラ13にて撮像される限りにおいて、可視域の環境光、例えば自然光が含まれてもよい。すなわち、環境光を遮光し、照明装置11からの照明光によってのみボトル2が照明されてもよいし、蛍光の強度分布を反映した画像に実質的な影響を与えない限りにおいて幾らかの環境光がボトル2に入射してもよい。あるいは、フィルタ14等を利用して、蛍光強度を反映した画像の撮像に対して不要となる可視域の光の影響をカメラ13にて撮像される画像から除いてもよい。
次に、図5~図7を参照して、照明装置11の励起光の波長域等の選定に関する具体的な検討の例を説明する。図5は、油脂成分を含んだ液種の一例としての食用油が充填されたボトルをサンプルとして、これに励起光を照射したときの三次元蛍光スペクトルを測定した結果の一例を示している。縦軸は食用油に照射した励起光の波長であり、横軸は励起光の照射に対応してサンプルから放出される光(放出光)の波長である。放出光には、食用油で生じる蛍光の他に、ボトル上での反射光も含まれる。図中の等高線の粗密は放出光の強度を示し、密であるほど強度が高い。図2によれば、励起光が330~340nm付近の紫外光である場合に400nm付近の波長域にて比較的強度が高い蛍光が生じることが確認できる。励起光の波長域が420nm付近である場合、680nm付近の波長域にて比較的強度が高い放出光が生じているが、これはボトルからの反射光の二次光成分によるものと推察される。
図5における330~340nm付近の波長域の励起光(紫外光)の分光強度と、これに対応して食用油で生じた蛍光の波長域の分光強度との対応関係を図6に例示する。また、その対応関係に基づくフィルタ14の分光感度の設定の一例も図6に示している。図6の横軸は波長を、縦軸は励起光及び蛍光の分光強度及びフィルタ14の分光感度をそれぞれ示す。図6から理解されるように、励起光の分光強度は波長EXを極大値(最大値)として漸次減少するように分布し、蛍光の分光強度は波長EMを極大値として漸次減少するように分布する。励起光の分光強度の分布と、蛍光の分光強度の分布とは一部重複するが、励起光の強度が最大となる波長(以下、ピーク波長)EXに対して、蛍光の強度のピーク波長EMは長波長側にずれている。したがって、フィルタ14の分光特性を、蛍光のピーク波長EM付近から長波長側における波長域の光を通過させ、それよりも短波長側の波長域の通過を制限するように設定すれば、励起光のカメラ13への入射を抑えつつ、内容液にて発生した蛍光を効率よくカメラ13に入射させることができる。なお、カメラ13は、少なくともフィルタ14を通過する波長域に対して感度を持っていればよい。
図6に示したピーク波長EX、EMの差ESはストークスシフトと呼ばれる。ストークスシフトESが大きいほど、蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で励起光の波長域が撮像対象の波長域から除かれるように、励起光の波長域と蛍光の波長域とを分離し易いことになる。ストークスシフトESは内容液の液種に応じて異なり、かつ同一の液種でも、照射する励起光の波長域によってストークスシフトESは異なる。したがって、ストークスシフトESが相対的に大きくなるように、内容液の液種に応じて励起光の波長域を最適化することが好ましい。ストークスシフトESの目安については後述する。
次に、本形態の検査装置1の画像取得部10を利用して撮像される画像の例を説明する。図7は、撮像対象のボトルをその軸線方向上方から可視光の波長域にて撮像した画像である。同図に示すように、撮像に用いたボトルは概ね八面体形状であって、互いに対向する一対の側面(図7において上下の側面)間の距離が、それらの側面と直交する方向に対向する他の一対の側面間の距離よりも小さく設定されることにより、幾らか扁平な角筒状の形状である。ボトルの撮像方向(図1の撮像光軸Lpの方向)は、ボトルの側面と概略直交する正面方向であるD1、正面方向D1に対して左右対称的に45°傾けられた斜め方向であるD2、D3の三方向が設定されている。
図8は、食用油が充填されたボトルを、励起光としての紫外光にて照明された状態で撮像した画像であって、同図(a)は撮像方向D2からの画像、同図(b)は撮像方向D1からの画像、同図(c)は撮像方向D3からの画像である。比較のため、図1の照明装置11の照明器11A、11Bに代えて、可視域の白色光を照射する照明器を照明器11A、11Bと同様に配置し、ボトルからの反射光をカメラ13に導いてボトルを撮像した画像を図9に、図1の照明装置11に代えて反射板15の位置に照明装置を設置し、ボトルをカメラ13に対する反対側から可視域の白色光で照明し、その透過光をカメラ13に導いてボトルを撮像した画像を図10にそれぞれ示す。図9及び図10において、(a)は撮像方向D2、(b)は撮像方向D1、(c)は撮像方向D3にそれぞれ対応する画像である。図9及び図10の例においては、図1のフィルタ14は省略されている。
図9及び図10の比較例から明らかなように、可視域の反射光による画像、及び透過光による画像では、実線の長円又は円で囲まれた領域にてリブの影が生じている。また、図9から明らかなように、反射光による画像では破線の長円で囲まれた領域にて照明光の照り返しによる明部も生じている。これに対して、図8に示したように、本形態の画像取得部10の構成を用いてボトルを撮像した場合には、撮像方向を問わず、リブの影も照り返しによる明部も生じない。これにより、ボトルの凹凸形状や照明に対する反射光の影響を排除して異物の有無を検査できることが解る。
次に、内容液に異物が混入したボトルを図1の画像取得部10によって撮像した画像の例、及び、その比較例として照明装置11を図9の場合と同様の可視域の反射光照明、図10の場合と同様の可視域の透過光照明に変更してボトルを撮像した画像の例を図11に示す。図11(a)は紫外光の照明に対応して発生した蛍光による画像、同図(b)は可視域の反射光照明による画像、同図(c)は可視域の透過光照明による画像である。図11(a)~(c)のいずれの場合も撮像方向は図7の撮像方向D2である。また、ボトル内の領域Xに異物が存在する。異物は黒色不透明である。
図11(a)から明らかなように、図1の画像取得部10を用いた場合には、ボトルの凹凸形状による影や紫外光の照り返しによる明部の出現が抑えられている。そのため、異物が暗部、その周囲の内容液が蛍光発光した明部として画像中に出現している。したがって、異物を明確に検出することが可能である。一方、図11(b)及び(c)から明らかなように、可視域の反射光による画像、及び透過光による画像では、ボトルの凹凸形状に起因する影に異物が紛れ込み、その検出が困難か又は不可能である。それらの画像の対比から、紫外光等を励起光として用い、かつ励起光に対する反射光をフィルタにて遮断しつつ蛍光の波長域の画像を取得すれば、ボトルの凹凸形状や照明に対する反射光の影響を排除して異物を精度よく検出できることが解る。
図12は、内容液の相違が異物の検出に与える影響を確認するため、ボトル内の内容液の液種を食用油及び水にそれぞれ設定して、図1の画像取得部10によりボトルを撮像した画像の一例を示している。図12(a)は食用油が充填された場合の画像の例、同図(b)は水が充填された場合の画像の例である。いずれの画像も異物の周囲を拡大したものである。各画像は、領域Xに、緑色のスポンジ片である第1の異物M1と、黒色不透明の第2の異物M2の2種類の異物が混入しているボトルを撮像して得られたものである。
図12(a)から明らかなように、食用油が充填されたボトルの場合には、内容液の蛍光発光により異物M1、M2とその周囲との間で明度(輝度)が明確に相違し、その明暗差を手掛かりとすれば異物M1、M2を検出することが可能である。一方、図12(b)のように内容液が水で蛍光発光が生じない場合には、異物M1、M2とその周囲との明暗差が小さく、特に異物M1はその周囲と見分けることが困難である。これらの画像の比較から、紫外光等を励起光としてボトルに照射してその内容液を蛍光発光させることにより、液中の異物を高精度に検出できることが解る。
次に、図6のストークスシフトESの目安についての具体的な検討の例を説明する。ストークスシフトESの目安を探るため、成分が異なる食用油が充填された複数のボトルをサンプル1~7として用意し、励起光(照明光)のピーク波長EXと、その励起光の照射に対応してサンプルから放出される蛍光のピーク波長EMとの関係を調査した。サンプル1~7のピーク波長EX、EMの関係は表1の通りであった。表1において励起波長は照明に用いた励起光のピーク波長EXを、蛍光波長は、励起光の照射に対応して生じた蛍光のピーク波長EMをそれぞれ示す。励起波長410nmは紫外光の波長域外であるが、励起光としての利用の可能性を確認するために設定されている。
Figure 2024058914000002
また、各サンプルに関して三次元蛍光スペクトルを測定した結果、及び表1に示した励起波長と蛍光波長との組み合わせに関して蛍光スペクトルを測定した結果を、サンプル順に従って図13~図19に示す。各図とサンプルとの対応関係は図中に示した通りである。各図の(a)は三次元蛍光スペクトルを示し、縦軸はサンプルに照射した励起の波長を、横軸は励起光の照射に対応するサンプルからの放出光の波長をそれぞれ示している。また、各図の(b)以下は、図中に示した励起波長に対応する蛍光スペクトルであって、横軸はサンプルからの放出光の波長を、縦軸は分光強度をそれぞれ示している。例えば、図13(b)はサンプル1に関して表1に示された励起波長300nmの場合の蛍光スペクトルを、同図(c)はサンプル1に関して表1に示された励起波長320nmの場合の蛍光スペクトルをそれぞれ示す。図14以下も同様に表1の励起波長と対応し、各図の励起波長は図中に示した通りである。
図13(b)に示すように、サンプル1にて励起波長300nmの励起光を照射した場合には、波長300nm付近及び600nm付近で分光強度が増加しているが、前者はサンプル1からの励起光と同波長域の反射光によるもの、後者はサンプル1からの二次光によるものである。また、図13(b)において、波長330nm付近に分光強度のピークが出現しているが、そのピークが蛍光によるものである。したがって、図13(b)において、ストークスシフトは30nm程度である。一方、図13(c)では、波長320nm付近及び640nm付近の分光強度のピークが反射光及びその二次光によるものであって、405nm付近のピークが蛍光によるものである。したがって、図13(c)では、ストークスシフトが85nmであって、図13(b)の場合よりもストークスシフトが拡大していることが解る。
図14以下でも同様であって、分光強度には反射光(二次光を含む。)の波長におけるピークとは異なる波長にて蛍光のピークが出現することが確認できる。そして、ストークスシフトが25nmで最も小さい図19(b)の例でも反射光と蛍光との間で蛍光強度が明確に低下して反射光の分布と蛍光の分布とが区別可能であること、ストークスシフトが拡大する他の例では反射光の分布と蛍光の分布とがより明確に区別可能であること、フィルタ特性からみて、ストークスシフトが20nm程度あれば反射光と蛍光とを分離可能と推定できること、いずれの液種でも励起波長を適切に選択すればストークスシフトとして20nm以上は確保可能であることに鑑みると、反射光の影響を排除して蛍光強度の高低を十分に反映した明暗差を持つ画像を撮像するためには、ストークスシフトの目安を20nmに設定することができる。図13~図19からも明らかなように、ストークスシフトは同一の液種でも励起光の波長域によって変化する。そのため、20nm以上のストークスシフトが得られるように、液種に応じて励起光の波長域を設定することが好適である。
図1に戻って、検査装置1の処理部20を説明する。処理部20は、画像取得部10によって撮像された画像中における蛍光強度に基づいて、ボトル2の検査範囲における異物の有無を検査する。処理部20は、一例として、CPU及びその動作に必要な内部記憶装置等を含んだコンピュータユニットを用いて構成される。処理部20には、画像調整部21と検査部22とが設けられている。画像調整部21及び検査部22は、例えば処理部20のコンピュータハードウエアと、ソフトウエアとしてのコンピュータプログラムの一例である検査プログラムPGとの組み合わせによって実現される論理的装置として設けられる。ただし、処理部20の少なくとも一部は、LSI等の論理回路を組み合わせた物理的装置として構成されてもよい。なお、処理部20には、検査装置1のオペレータが適宜の指示を入力するためのキーボード、ポインティングデバイスといった各種の入力手段が接続されてよい。図1では、入力手段の図示が省略されている。
画像調整部21は、カメラ13から出力される画像信号を受け取り、検査部22の検査に適した画像処理を施すことにより、カメラ13で撮像された画像を検査部22の検査に適した画像に調整する。例えば、画像調整部21は、画像の明度、コントラスト等の補正処理等を実施してよい。検査部22は、画像調整部21にて処理された画像信号を受け取り、ボトル2の検査範囲における内容液中の異物の有無を検査する。その検査の過程において、検査部22は、異物に対応する暗部が画像中に存在するか否かを判別することにより、検出手段の一例として機能し、その処理が対象物を検出する手順の一例に相当する。
検査部22の処理は、検査範囲における蛍光の強度に基づいて異物を検出する処理を含む限りにおいて、適宜に構成されてよい。例えば、検査部22は、カメラ13が撮像した画像中の明暗差を利用して、蛍光強度が所定の判定値を超える範囲を明部、それ以外の範囲を暗部として画像を二値化し、正常なボトルの画像では、内容液からの蛍光で明部となるべき箇所に暗部が出現している場合、その箇所に異物が存在すると判別してもよい。そのような判別の一手法としては、例えば、異物が存在しない正常なボトルの画像を基準画像として用意し、実際に撮像された検査範囲の画像と基準画像との差分を取ってもよい。その場合、基準画像では明部、実際の画像では異物に起因して暗部となっている箇所の明暗差が他の箇所よりも拡大するため、異物の有無、及び異物が存在する場合にはその位置を割り出すことが可能である。検査部22は、異物が存在する判断された場合に、異物が検出された旨、及び異物の個所を検査結果としてモニタ23に表示させ、あるいは記憶装置24に記憶させてもよい。検査結果の出力手段はモニタ23、及び記憶装置24に限らず、プリンタが出力手段として接続されてもよい。
以上に説明したように、本形態の検査装置1によれば、内容液が充填され、かつ異物が混入したボトル2の検査範囲を照明装置11からの励起光によって照明し、照明された検査範囲を撮像装置12にて撮像することにより、蛍光発光した内容液とその内容液に混在する異物との間で明暗差が生じた画像を取得し、得られた画像中における蛍光強度、言い換えれば画像中における明暗度に基づいて異物を検出することが可能である。内容液それ自体を蛍光発光させるとともに撮像対象の波長域から励起光の波長域を除くようにして画像を撮像することにより、ボトル2の凹凸形状やボトル2における励起光の照り返しの影響を抑えて、異物の有無を高精度に検査することができる。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。検査対象の容器及び内容液は上記形態の組み合わせに限定されず、励起光の照射に対応した内容液の蛍光発光により、内容液と液中の対象物との間で対象物の検出に必要な程度に蛍光強度の差が生じる限りにおいて、容器及び内容液は適宜に変更されてよい。内容液に関しては、上述した通り、励起光の照射に対して波長域が異なる蛍光を発する性質を帯びていれば適宜の変更が可能であり、上記で例示したような培地その他のゾル状又はゲル状の物質であっても内容液の概念に含み得る。対象物についても、上述したように、意図せずに混入した異物に限らず、何らかの目的で内容液中に意図的に加えられる物体であっても、内容液との比較において、蛍光強度に有意な差が生じる物体であれば、蛍光強度に基づく検出が可能である。例えば、内容液の性状を変更するためにガスその他の成分を添加する目的で内容液中に加えられるウィジェット等の物体が対象物とされてもよい。培地中の種子といった培養対象物が検出の対象物とされてもよい。
対象物に関する検査は、異物等の対象物の有無に限らず、対象物の形状、個数、寸法等の対象物の適否を判別するものであってもよい。対象物が異物のように意図しない物体である場合、対象物に関する検査は、その対象物が検出されたことをもって不適、あるいは不良と判断し、対象物が検出されなかったときには適正、あるいは正常と判断するものであってもよいし、対象物が検出された場合にその位置、形状、個数、寸法等といった詳細を併せて判断するものであってもよい。対象物が意図的に加えられる物体である場合、対象物に関する検査は、対象物が検出されたときに適正又は正常と判断し、対象物が検出されないときには不適又は不良と判断するものであってもよいし、対象物が検出された場合にその位置、形状、個数、寸法等といった対象物の状態を特定し、特定された結果を所定の基準状態と比較して対象物が適正に加えられているか否かを判別するものであってもよい。いずれにしても、本発明において、対象物に関する検査は、対象物の種類に応じて適宜に設定されてよく、その検査の過程で蛍光強度の差を利用して対象物を検出する処理が含まれる限りにおいて、不検出の結果が生じる場合があるか否かを問わず、その検査手順は対象物を検出する手順を含み、かつ検査装置は、対象物の検出手段を含むものである。つまり、本発明は、内容液中の対象物を検出する手順又は手段を含み、不検出の結果が生じる場合も排除されず、検出結果を利用する限りにおいて、対象物に関する検査の内容を問わないものである。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係る検査方法は、励起光の照射に対して蛍光発光する内容液が充填され、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する容器(2)内の対象物に関する検査を行うための検査方法であって、前記容器の検査範囲を前記励起光にて照明する手順と、前記励起光にて照明された検査範囲を、前記蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で前記励起光の波長域が前記撮像対象の波長域からは除かれるようにして撮像する手順と、撮像された画像中の蛍光強度に基づいて、前記検査範囲における前記内容液中の前記対象物を検出する手順と、を含んだものである。
本発明の一態様に係る検査装置(1)は、励起光の照射に対して蛍光発光する内容液が充填され、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する容器(2)内の対象物に関する検査を行うための検査装置であって、前記容器の検査範囲を前記励起光にて照明する照明手段(11)と、前記励起光にて照明された検査範囲を、前記蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で前記励起光の波長域が前記撮像対象の波長域からは除かれるようにして撮像する撮像手段(12)と、撮像された画像中の蛍光強度に基づいて、前記検査範囲における前記内容液中の前記対象物を検出する検出手段(22)と、を含んだものである。
上記の態様によれば、内容液が充填された容器の検査範囲を励起光によって照明し、照明された検査範囲を、撮像対象の波長域が上記の通り選択されるようにして撮像することにより、蛍光発光した内容液が明部として出現する画像を取得することができる。内容液中に対象物が存在していると、対象物の範囲では内容液の蛍光発光が生じない一方で対象物の周囲の内容液は蛍光発光し、それらの蛍光強度の差が画像中には明暗差として現れる。したがって、その明暗差を手掛かりとして対象物を検出することが可能である。内容液それ自体を蛍光発光させるとともに撮像対象の波長域から励起光の波長域を除くようにして画像を撮像することにより、容器の凹凸形状や容器上での励起光の照り返しの影響を抑えて、対象物を高精度に検出することができる。
上記態様の検査方法において、前記照明する手順では、前記励起光の強度が最大となる波長と前記蛍光の強度が最大となる波長との差であるストークスシフトが20nm以上となるように前記励起光の波長域を設定してもよい。検査装置においても同様である。ストークスシフトを20nm以上確保することにより、励起光と蛍光とをそれらの波長域の差に基づいて明確に分離し、蛍光強度を明確に反映した画像を取得して対象物の検出精度を高く維持することができる。
上記態様の検査方法において、前記内容液が、油脂成分を含有し、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する液体であってもよい。検査装置においても同様である。油脂成分は紫外光等の励起光の照射に対して明確な蛍光を放出するため、蛍光強度に基づいて内容液中の対象物を高精度に検出することが可能である。
1 検査装置
2 ボトル(容器)
10 画像取得部
11 照明装置(照明手段)
12 撮像装置(撮像手段)
13 カメラ
14 フィルタ
22 検査部(検出手段)
M1、M2 異物

Claims (6)

  1. 励起光の照射に対して蛍光発光する内容液が充填され、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する容器内の対象物に関する検査を行うための検査方法であって、
    前記容器の検査範囲を前記励起光にて照明する手順と、
    前記励起光にて照明された検査範囲を、前記蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で前記励起光の波長域が前記撮像対象の波長域からは除かれるようにして撮像する手順と、
    撮像された画像中の蛍光強度に基づいて、前記検査範囲における前記内容液中の前記対象物を検出する手順と、
    を含んだ検査方法。
  2. 前記照明する手順では、前記励起光の強度が最大となる波長と前記蛍光の強度が最大となる波長との差であるストークスシフトが20nm以上となるように前記励起光の波長域を設定する請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記内容液が、油脂成分を含有し、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する液体である請求項1に記載の検査方法。
  4. 励起光の照射に対して蛍光発光する内容液が充填され、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する容器内の対象物に関する検査を行うための検査装置であって、
    前記容器の検査範囲を前記励起光にて照明する照明手段と、
    前記励起光にて照明された検査範囲を、前記蛍光の波長域が撮像対象の波長域に含まれる一方で前記励起光の波長域が前記撮像対象の波長域からは除かれるようにして撮像する撮像手段と、
    撮像された画像中の蛍光強度に基づいて、前記検査範囲における前記内容液中の前記対象物を検出する検出手段と、
    を含んだ検査装置。
  5. 前記照明手段は、前記励起光の強度が最大となる波長と前記蛍光の強度が最大となる波長との差であるストークスシフトが20nm以上となるように設定された波長域の励起光にて前記検査範囲を照明する請求項4に記載の検査装置。
  6. 前記内容液が、油脂成分を含有し、かつ前記励起光及び前記蛍光の波長域に対して透明性を有する液体である請求項4に記載の検査装置。
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