JP2024058207A - 光合波器及び可視光光源モジュール - Google Patents

光合波器及び可視光光源モジュール Download PDF

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Abstract

Figure 2024058207000001
【課題】XRグラス等に適用可能な小型な光合波器を提供することである。
【解決手段】光合波器100は、波長の異なる複数の可視光の光合波器であって、ニオブ酸リチウム以外の材料からなる基板10と、基板の主面10Aに形成された光合波機能層と、を備え、光合波機能層は、2個のマルチモード干渉型光合波部50A、50Bと、マルチモード干渉型光合波部50Aに接続する光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1と、マルチモード干渉型光合波部50Bに接続する光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1と、を有し、マルチモード干渉型光合波部と、光入力側光導波路及び光出力側光導波路と、光入力側光導波路及び光出力側光導波路とはニオブ酸リチウム膜からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光合波器及び可視光光源モジュールに関する。
AR(Augmented Reality:拡張現実)グラス、VR(Virtual Reality:仮想現実)グラス等のXRグラスは小型のウェアラブルデバイスとして期待されている。ARグラス、VRグラスのようなウェアラブルデバイスにおいては通常の眼鏡型のサイズに各機能が収まるように小型化されることが普及に対するカギとなっている。
特許文献1には、マッハツェンダー型光変調器を用いた網膜投影型ディスプレイが開示されている。
特許第6728596号公報 特許第6572377号公報 特開2012-48071号公報 特開2020-27170号公報 特許第6787397号公報
特許文献1に開示されている網膜投影型ディスプレイでは、出射部において複数の光導波路が近接されているが、合波はされていないため、波長毎の光軸が異なり、出射光の制御が複雑となる。
特許文献2には、RGB(R:赤色光、G:緑色光、B:青色光)の3色の可視光の合波器として方向性結合器を含む石英系平面光波回路(Planar lightwave circuit:PLC)が開示されている。石英系PLCは石英系材料で構成されており、安定性に優れている。しかしながら、屈折率差Δnの大きなニオブ酸リチウム(LiNbO)の基板を用いる場合、結合長が長くなり小型化が困難である。
特許文献3及び特許文献4には、マルチモード干渉計(Multimode Interference:MMI)を用いたRGB3色の可視光の合波器が開示されている。この合波器も石英系材料で構成されており、屈折率差Δnの大きなニオブ酸リチウム(LiNbO)の基板を用いる場合についてはなんら開示されていない。
特許文献1にニオブ酸リチウムの単結晶または固溶体結晶を用いて,その一部をプロトン交換法やTi拡散法により改質した部分を光導波路とした様態が好ましい様態として開示されている。しかしながら、改質した導波部分(コア)領域のサイズがプロトンやTiが侵入・拡散した距離により規定されるため、光導波路の径を小さくすることが困難である。そのため光導波路自体のサイズが大きくならざるを得ず、また、光導波路の径が大きいことにより変調電圧の電界が集中しづらく、変調のためには大きな電圧をかける必要があるか、小さな電圧で動作させるためには電圧を付与する電極を長くする必要があるため、変調素子のサイズが大きくなってしまう。
さらに、光導波路の径が大きいことにより、可視光が光導波路を伝搬する際に高次モードが発生し、シングルモード化が困難になる。
また、図18(a)に示すような、バルクニオブ酸リチウムの単結晶B1の一部を改質した部分B1-aを光導波路とした変調器においては、バルクニオブ酸リチウム単結晶中にTiを少し加えて屈折率差Δnを作っているだけなので改質した導波部分(コア)と改質していない部分(クラッド)の屈折率差が小さい。そのため、光導波路を湾曲することによる曲げ損が大きく、曲率高く光導波路を湾曲することができないため。素子のサイズを小さくすることは困難である。また、ARグラス等のヘッドマウントディスプレイに搭載される変調光源には、例えば眼鏡の弦のサイズに収まるサイズが求められるが、引用文献2のようなバルク結晶型の光変調器ではかかるサイズまで小型化された光変調器を作製することは困難である。
ニオブ酸リチウム単結晶B1の一部を改質した部分B1-aを光導波路とした変調器に対して、図18(b)に示すような、サファイア等の基板上にエピタキシャル成長させた単結晶ニオブ酸リチウム膜Fを加工した凸部Fridgeを光導波路とした変調器の場合(例えば、特許文献5参照)には、そもそもこの凸型部分がTi拡散光導波路に比べてサイズが小さいこと、凸部の周りがすべてクラッドに相当するので周りの材料を適切に選択すると屈折率差Δnを大きくすることができること、光導波路を曲線状に曲げた場合の光損失がバルクニオブ酸リチウム単結晶に比べて小さいこと等の理由から、小型化に適している。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、XRグラス等に適用可能な小型な光合波器及び可視光光源モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
本発明の態様1に係る光合波器は、波長の異なる複数の可視光を合波する光合波器であって、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板と、前記基板の主面に形成された光合波機能層と、を備え、前記光合波機能層は、1段又は複数段のマルチモード干渉型光合波部と、前記1段又は複数段のマルチモード干渉型光合波部のそれぞれに接続する光入力側光導波路及び光出力側光導波路とを有し、前記マルチモード干渉型光合波部、前記光入力側光導波路及び前記光出力側光導波路はニオブ酸リチウム膜からなる。
本発明の態様2に係る可視光光源モジュールは、態様1の光合波器と、前記光合波器で合波する可視光を出射する複数の可視光レーザー光源とを備える。
本発明の態様3に係る光変調機能付き光合波器は、態様1の光合波器と、前記光合波器に接続され、複数の可視光レーザー光源から出射された複数の可視光を前記光合波器に導波するマッハツェンダー型光変調器と、を備える。
本発明の態様4に係る可視光光源モジュールは、態様3の光変調機能付き光合波器と、前記光変調機能付き光合波器で合波する可視光を出射する複数の可視光レーザー光源とを備える。
本発明の光合波器によれば、XRグラス等に適用可能な小型な光合波器を提供できる。
第1実施形態に係る光合波器の平面模式図である。 第1実施形態に係る光合波器を、図1のX-X線で切断した断面模式図である。 RGB3色の光の伝搬損失を比較したグラフであり、(a)はマルチモード干渉型光合波部の断面が矩形形状である場合であり、(b)は断面が台形形状である場合である。 (a)は図3(b)のシミュレーションで用いたモデルを示す平面模式図であり、(b)は(a)のA-A線で切った断面模式図である。 (a)は図3(a)のシミュレーションで用いたモデルを示す平面模式図であり、(b)は(a)のA-A線で切った断面模式図である。 台形形状の断面を有するマルチモード干渉型光合波部がリッジと、基板側にさらにスラブ部を有する構成である場合の断面模式図である。 サファイア基板上に形成されたニオブ酸リチウム膜からなる光導波路の断面模式図であり、(a)はスラブ部がある場合であり、(b)はスラブ部がない場合である。 図7で示した光導波路のモデルにおいて、スラブ部の厚みTslab、及び、リッジの幅Waをふったときにモード計算を行ってシングルモードの形成を調べた結果を示すマトリックスであり、(a)は赤色光(R)638nmの場合であり、(b)は緑色光(G)520nmの場合であり、(c)は青色光(B)455nmの場合である。 光導波路の一部に曲げ部を設けた場合の高次モードの抑制を調べた結果であり、(a)は赤色光(R)638nmの場合であり、(b)は青色光(B)455nmの場合である。 比較例1の光合波器の構成を示す平面模式図である。 比較例1の合波時の伝搬損失のシミュレーションの結果である。 実施例1の光合波器の構成を示す平面模式図である。 実施例1の合波時の伝搬損失のシミュレーションの結果である。 実施例2の合波時の伝搬損失のシミュレーションの結果である。 実施例1~6及び比較例1~3のシミュレーションの結果である。 第1実施形態に係る可視光光源モジュールの平面模式図である。 第2実施形態に係る可視光光源モジュールの平面模式図である。 バルクニオブ酸リチウムの単結晶の一部を改質した部分を光導波路とした変調器を説明するための概念図であり、(b)は単結晶ニオブ酸リチウム膜を加工してなる凸部を光導波路とした変調器を説明するための概念図である。
以下、実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
〔光合波器〕
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光合波器の平面模式図である。図2は、第1実施形態に係る光合波器を、図1のX-X線で切断した断面模式図である。
図1に示す光合波器100は、波長の異なる複数の可視光を合波する光合波器であって、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10と、基板10の主面10Aに形成された光合波機能層20と、を備え、光合波機能層20は、2個のマルチモード干渉型光合波部50(50A、50B)と、マルチモード干渉型光合波部50Aに接続する光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1と、マルチモード干渉型光合波部50Bに接続する光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1と、を有し、マルチモード干渉型光合波部50と、光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1と、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1とはニオブ酸リチウム膜からなる。
マルチモード干渉型光合波部50Aの光出力側光導波路50Ab1と、マルチモード干渉型光合波部50Bの光入力側光導波路50Ab1とは共通する。
光合波器100においては、Δnが大きいニオブ酸リチウムの膜を用いることで、光導波路の曲率半径を小さくすることができ、さらにマルチモード干渉型光合波部を用いることで、方向性結合器を用いた場合と比べて結合長の増大を防ぐことにより、設計の自由度の向上と小型化を両立できる。
光合波機能層20は、マルチモード干渉型光合波部50と、光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1と、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1とが形成されたニオブ酸リチウム膜からなる導波路コア膜24と、これらを被覆するように導波路コア膜24上に形成される導波路クラッド(バッファ)膜25とからなる。以下、符号24をニオブ酸リチウム膜について用いることもある。
基板10としては例えば、サファイア基板、Si基板、熱酸化シリコン基板などを挙げることができる。
マルチモード干渉型光合波部50と、光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1と、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1がニオブ酸リチウム(LiNbO)膜からなるので、ニオブ酸リチウム膜より屈折率が低いものであれば特に限定されないが、単結晶ニオブ酸リチウム膜をエピタキシャル膜として形成させることができる基板として、サファイア単結晶基板もしくはシリコン単結晶基板が好ましい。単結晶基板の結晶方位は特に限定されないが、例えば、c軸配向のニオブ酸リチウム膜は3回対称の対称性を有しているので、下地の単結晶基板も同じ対称性を有していることが望ましく、サファイア単結晶基板の場合はc面、シリコン単結晶基板の場合は(111)面の基板が好ましい。
ニオブ酸リチウム膜は例えば、c軸配向したニオブ酸リチウム膜である。ニオブ酸リチウム膜は例えば、基板10上にエピタキシャル成長したエピタキシャル膜である。エピタキシャル膜は、下地の基板によって結晶方位が揃えられた単結晶の膜のことである。エピタキシャル膜は、z方向およびxy面内方向に単一の結晶方位をもった膜であり、結晶がx軸、y軸及びz軸方向にともに揃って配向しているものである。基板10上に形成されている膜がエピタキシャル膜かどうかは、例えば、2θ-θX線回折における配向位置でのピーク強度と極点の確認を行うことで証明することができる。
具体的には、2θ-θX線回折による測定を行ったとき、目的とする面以外の全てのピーク強度が目的とする面の最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である。例えば、ニオブ酸リチウム膜がc軸配向エピタキシャル膜である場合には、(00L)面以外のピーク強度が、(00L)面の最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である。ここで、(00L)は、(001)や(002)などの等価な面を総称する表示である。
また、前述の配向位置でのピーク強度の確認の条件においては、一方向における配向性を示しているのみである。よって、前述の条件を得たとしても、面内において結晶配向がそろっていない場合には、特定角度位置でX線の強度が高まることはなく、極点は見られない。例えば、ニオブ酸リチウム膜がニオブ酸リチウム膜の場合、LiNbOは三方晶系の結晶構造であるため、単結晶におけるLiNbO(014)の極点は3つとなる。ニオブ酸リチウムの場合、c軸を中心に180°回転させた結晶が対称的に結合した、いわゆる双晶の状態にてエピタキシャル成長することが知られている。この場合、3つの極点が対称的に2つ結合した状態になるため、極点は6つとなる。また、(100)面のシリコン単結晶基板上にニオブ酸リチウム膜を形成した場合は、基板が4回対称となっているため、4x3=12個の極点が観測される。なお、本開示では、双晶の状態にてエピタキシャル成長したニオブ酸リチウム膜もエピタキシャル膜に含める。
ニオブ酸リチウムの組成は、LiNbAである。Aは、Li、Nb、O以外の元素である。xは、0.5以上1.2以下であり、好ましくは0.9以上1.05以下である。yは、0以上0.5以下である。zは1.5以上4.0以下であり、好ましくは2.5以上3.5以下である。Aの元素は、例えば、K、Na、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Sc、Ceであり、これらの元素を2種類以上の組み合わせても良い。
さらにニオブ酸リチウム膜としては、基板上に貼り合わせされたニオブ酸リチウム単結晶薄膜であってもよい。
ニオブ酸リチウム膜の膜厚は例えば、2μm以下である。ニオブ酸リチウム膜の膜厚とは、リッジ部以外の部分の膜厚のことである。ニオブ酸リチウム膜の膜厚は使用する波長やリッジ形状などに応じて適宜最適設計を行えばよい。
光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1、並びに、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1は、内部を光が伝搬する光の通路である。光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1、並びに、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1は、ニオブ酸リチウム膜24の第1面24Aから突出するリッジである。第1面24Aは、ニオブ酸リチウム膜24のリッジ部以外の部分(スラブ層)における上面である。ニオブ酸リチウム膜24は、マルチモード干渉型光合波部50、光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1、並びに、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1と、スラブ層とからなる。
図2に示す光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1、並びに、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1の断面形状定形部の断面形状は矩形であるが、光を導波できる形状であればよく、例えば、台形、三角形、半円形等であってもよい。3つのリッジのy方向の幅Waは、0.2μm以上5.0μm以下であることが好ましく、3つのリッジ部の高さ(第1面24Aからの突出高さHa)は、例えば、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1、並びに、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1のサイズをレーザー光の波長程度とすることによってシングルモードで伝搬することができる。
<マルチモード干渉型光合波部>
(1)台形断面を有するマルチモード干渉型光合波部
図1に示したマルチモード干渉型光合波部50A、50Bはいずれも、2入力1出力のマルチモード干渉型光合波部である。
マルチモード干渉型光合波部50Aは、光入力側光導波路50Aa1を伝搬する光と光入力側光導波路50Aa2を伝搬する光とを合波し、その合波した光を光出力側光導波路50Ab1に出力する合波部である。
また、マルチモード干渉型光合波部50Bは、光出力側光導波路50Ab1を伝播する合波光と光入力側光導波路50Ba1を伝搬する光とを合波し、その合波した光を光出力側光導波路50Bb1に出力する合波部である。
マルチモード干渉型光合波部は、光の進行方向に対して垂直方向に切った断面が台形形状であることが好ましい。また、この台形形状の傾斜角度は40°~85°であることが好ましい。
マルチモード干渉型光合波部の幅寸法マージンが改善し、最適なマルチモード干渉型光合波部幅が大きくなり、加工が容易となるからである。
図3に、マルチモード干渉型光合波部の光の進行方向に対して垂直方向に切った断面が台形形状である場合と、矩形形状である場合とで、シミュレーション(Photon Design社Fimmwave)によってRGB3色の光の伝搬損失を比較したグラフを示す。また、図4に、シミュレーションに用いたモデルを示す。
図4(a)に示すように、図1と同様に2入力1出力型の2段のマルチモード干渉型光合波部を有する光合波器をモデルに使った。また、図4(b)に示すように、2段のマルチモード干渉型光合波部はいずれも、光の進行方向に対して垂直方向に切った断面(図4(a)のA-A断面)が同一の台形形状であり、上面と下面の中心C-Cに対して対称とした。2段のマルチモード干渉型光合波部はいずれも、高さTを0.7μmとし、長さは1段目のマルチモード干渉型光合波部の長さL1が620μm、2段目のマルチモード干渉型光合波部の長さL2が1680μmとし、また、幅Wを6.5μmとした。また、光入力側光導波路及び光出力側光導波路はいずれも、高さTが0.7μmであり、幅Waは2μmとした。
このモデルにおいて、マルチモード干渉型光合波部(リッジ)の高さTの1/2での幅をWとし、リッジの中心C-Cを固定して両側にdW/2ずつ(従って、合わせてdW)、下面と傾斜部との間の傾斜角θを固定したまま広げるか、または、縮めて、RGB合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。図3において、横軸がdWであり、正の場合が幅を広げる場合であり、負の場合が幅を縮める場合である。縦軸は伝搬損失である。
赤色光(R)の波長としては638nm、緑色光(G)の波長としては520nm、青色光(B)の波長としては473nmを用いた。
また、θが85°、70°、50°及び40°についてもシミュレーションを行った。さらに比較として、θが90°(矩形形状)のときも同様にシミュレーションを行った。
図3(a)は、θが90°(矩形形状)のときの結果であり、図3(b)は、θが50°のときの結果である。dWは-0.5μm~0.5μmの範囲(リッジの幅を6.0μm~7.0μmに相当)でふった。
RGB3色で10dB以下になるときのdWの範囲をWのマージンとして評価した。 図3(a)、(b)から、θが90°(矩形形状)のとき及び50°のときのマージンはそれぞれ、0.2μm、0.3μmであった。また、図3(a)、(b)から、伝搬損失がRGB3色全体として最も低いときのdWすなわち、最適な幅Wはそれぞれ、6.55μm、6.8μmであった。
θが85°、70°及び40°のとき、マージンはいずれも0.3μmであり、また、最適な幅Wはそれぞれ、6.6μm、6.6μm、6.9μmであった。
以上の通り、マルチモード干渉型光合波部の断面が矩形形状である構成に比べて、台形形状である構成の方が、幅寸法マージンが改善し、加工が容易になることがわかった。
また、伝搬損失がRGB3色全体として最も低い最適幅Wは傾斜角θが小さくなるにつれて大きくなるので、最適幅Wを大きくして加工を容易にできることがわかった。
(2)スラブ部を有するマルチモード干渉型光合波部
マルチモード干渉型光合波部は基板側にスラブ部が設けられてもよい。
図5(b)に示すマルチモード干渉型光合波部51は、リッジ51-1と、基板側にさらにスラブ部51-2を有してもよい。スラブ部を有することによって、幅寸法マージンがさらに拡大し、加工がさらに容易になりえる。また、最適幅Wがさらに拡大し、加工がさらに容易になりえる。
マルチモード干渉型光合波部が図5(a)、(b)で示したモデルの構成である場合に、RGB合波時のRGB3色のそれぞれの基本モード(TM0)、高次モード(TM1、TM2)の伝搬損失(dB)のシミュレーションを行った。
スラブ部の高さTslabを0.2μmとし、マルチモード干渉型光合波部の高さTは、リッジ51-1の高さとスラブ部51-2の高さとを足したものとする。マルチモード干渉型光合波部の幅Wは6.5μmとする。その他の寸法は図4について示した寸法と同じとした。表1にその結果である伝搬損失の値(dB)を示す。比較として、スラブ部を有さない場合と、スラブ部を有する場合のそれぞれの光の伝搬損失から、スラブ部を有さない場合の対応するそれぞれの光の伝搬損失を引いた数値を示した。
Figure 2024058207000002
スラブ部を有する場合は、スラブ部を有さない場合に比べて、RGBで伝搬損失の差が減少した。また、スラブ部を有する場合からスラブ部を有さない場合の伝搬損失の差から、赤色光及び青色光はTM0モードの伝搬損失が低減すると共に、高次モードの伝搬損失が大きくなり、伝搬が抑制された結果が得られた。
従って、スラブ部を設けることがシングルモード化に有効であることがわかった。
図6に示すように、台形形状の断面を有するマルチモード干渉型光合波部52がリッジ52-1と、基板側にさらにスラブ部52-2を有してもよい。スラブ部を有することによって、幅寸法マージンがさらに拡大すると共に、最適幅Wがさらに拡大して、加工がさらに容易になりえる。また、赤色光及び青色光はTM0モードの伝搬損失が低減すると共に、高次モードの伝搬を抑制することができる。
<光入力側光導波路及び光出力側光導波路>
マルチモード干渉型光合波部に接続する光入力側光導波路及び光出力側光導波路は、シングルモード光導波路であることが好ましい。シングルモード光導波路とは、光の伝搬モードが単一の状態(基本モード)で伝搬する光導波路を指すものとし、複数のモードに分散して伝搬する状態(高次モード)の光導波路をマルチモード光導波路と称することにする。シングルモードはモード分散を起こさないため、マルチモードに比べて光の伝送損失が小さく、伝搬速度が速い。
光入力側光導波路及び光出力側光導波路の少なくとも一部に基板側にスラブ部が設けられていることが好ましい。
RGB用光導波路の幅を広げてシングルモード化が可能になるからである。
図7に、サファイア基板上に形成されたニオブ酸リチウム(LiNbO)膜からなり、光導波路の高さTは0.7μmで固定であり、スラブ部の厚みTslab、及び、リッジの幅Waの直線状の光導波路を示す。図7(a)はスラブ部がある場合であり、(b)はスラブ部がない場合である。
図8に、図7で示した光導波路のモデルにおいて、スラブ部の厚みTslab、及び、リッジの幅Waをふったときにモード計算を行ってシングルモードの形成を調べた結果を示す。
図8(a)、(b)、(c)は順に、赤色光(R)638nm、緑色光(G)520nm、青色光(B)455nmである。各マトリックス中で、Sはシングルモード、Mはマルチモード、NGはシングルモードが漏洩モード(Leaky mode)を意味する。
図8(a)に基づくと、赤色光(R)638nmは、光導波路の高さT=0.7μm、スラブ部がない場合(厚みTslab=0μm)ではリッジの幅Waを狭くしてもシングルモード化できないが、スラブ部があると、スラブ部の厚みTslab=0.10μm以上になるとリッジ幅Waによってシングルモード化が可能になり、Wa=2.0μmまでシングルモード化が可能である。
図8(b)に基づくと、緑色光(G)520nmは、光導波路の高さT=0.7μm、スラブ部がない場合(厚みTslab=0μm)ではリッジの幅Waを狭くしてもシングルモード化できないが、スラブ部があると、スラブ部の厚みTslab=0.10μm以上になるとリッジ幅Waによってシングルモード化が可能になり、Wa=2.5μmまでシングルモード化が可能である。
図8(c)に基づくと、青色光(G)455nmは、光導波路の高さT=0.7μm、スラブ部がない場合(厚みTslab=0μm)ではリッジの幅Waを狭くしてもシングルモード化できないが、スラブ部があると、スラブ部の厚みTslab=0.10μm以上になるとリッジ幅Waによってシングルモード化が可能になり、Wa=2.5μmまでシングルモード化が可能である。
光入力側光導波路及び光出力側光導波路の少なくとも一部に曲げ部が設けられていることが好ましい。高次モードを抑制できるからである。
図9は、光導波路の一部に曲げ部を設けた場合の高次モードの抑制を調べた結果であり、(a)は赤色光(R)638nmの場合であり、(b)は青色光(B)455nmの場合である。
図9(a)は、図7で示したモデルで、スラブ部の厚みTslab=0.15μmに固定した場合、赤色光(R)638nmについて、曲率半径が400μmの曲げ部を備えると、基本モードTM0は伝搬損失0dBであるが、高次モードTM1、TM2でそれぞれ、0.5dB、90.9dBの損失が発生して伝搬が抑制され、さらに曲率半径が200μmの曲げ部を備えると、基本モードTM0は伝搬損失0dBであるが、高次モードTM1、TM2でそれぞれ、3.4dB、152.1dBの損失が発生して伝搬が大幅に抑制される。
同様に、スラブ部の厚みTslab=0.15μmに固定した場合、青色光(B)455nmについて、曲率半径が400μmの曲げ部を備えると、基本モードTM0は損失0dBであるが、高次モードTM1、TM2でそれぞれ、0.1dB、12.8dBの損失が発生して伝搬が抑制され、さらに曲率半径が200μmの曲げ部を備えると、基本モードTM0は損失0dBであるが、高次モードTM1、TM2でそれぞれ、5.1dB、28.1dBの損失が発生して伝搬が大幅に抑制される。
本実施形態に係る光合波器は、1段又は複数段の、2入力1出力のマルチモード干渉型光合波部のうち、少なくとも1段の前記マルチモード干渉型光合波部に接続された、2つの光入力側光導波路及び1つの光出力側光導波路において、2つの光入力側光導波路は異なる幅を有し、かつ、1つの光出力側光導波路は2つの光入力側光導波路のうち幅が狭い方と同じ幅を有することが好ましい。
例えば、RGB合波の構成において、それぞれの光入力側光導波路の幅をシングルモードが維持できる最大幅に設定することで入射結合損失を低減でき、また、光出力側光導波路からの出射光もシングルモードを維持できる。この作用効果は、一例として例示した図8によって確認できる。
<合波する可視光の順番>
本実施形態に係る光合波器は、2段以上のマルチモード干渉型光合波部を備え、1段目のマルチモード干渉型光合波部で波長Aの可視光と波長Bの可視光とを合波し、2段目のマルチモード干渉型光合波部で波長Aの可視光及び波長Bの可視光の合波光と、波長Cの可視光とを合波する構成であることが好ましい。
この構成によって、2段でRGBの合波が可能となる。
また、この構成において3段目以降のマルチモード干渉型光合波部を追加することで、さらに異なる波長(例えば、波長B’)の光を追加して弱い光の強度を補充すること等が可能となる。この例示の場合は、波長B’は波長Bと同じ波長又は近い波長であって、その色の強度を補強できるものである。
また、構成において、波長A>波長B、かつ、波長A>波長Cとすることが好ましい。
波長Aは例えば、赤色光(610nm以上750nm以下)であり、波長B及び波長Cのいずれか一方は例えば、緑色光(500nm以上560nm以下)であり、他方は例えば、435nm以上480nm以下である。
合波する可視光をこの順番にすることによって、RGB合波による伝搬損失を小さくすることができる。また、マルチモード干渉型光合波の長さ寸法マージンを大きくすることができる。この作用効果について以下に実施例及び比較例を使って説明する。
<合波する可視光の順番に関する検証(伝搬損失及び合波部長さのマージンの観点)>
特許文献3に、可視光の3波長(3波長λ1、λ2、λ3はλ1<λ2<λ3という関係かつ|λ1-λ2|<|λ2-λ3|という関係を有する。)を合波する2段のマルチモード干渉型合波部(以下、MMI合波部ということがある。)を有し、1段目のMMI合波部(長さL1)で波長λ1の可視光と波長λ2の可視光とを合波し、2段目のMMI合波部(長さL2(<L1))でその合波された可視光と波長λ3の可視光とを合波する光合波器が開示されている(請求項1参照)。また、特許文献3では、λ1として青色光(460nmの光)、λ2として緑色光(510nmの光)、λ3として赤色光(635nmの光)が例示されており、この場合、|λ1-λ2|=50nmであり、|λ2-λ3|=125nmである。特許文献3に開示された光合波器では、3波長λ1、λ2、λ3の関係、及び、2段のMMI合波部の長さの関係を有することにより、青色光、緑色光及び赤色光ともに65%~75%の出力でシングルモードを得ることができる旨、記載されている(段落0038、図3参照)。
(比較例1)
図10に示す光合波器において、合波する可視光の順番、及び、2段のMMI合波部の長さを特許文献3に従って、合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。赤色光(R)の波長としては638nm、緑色光(G)の波長としては520nm、青色光(B)の波長としては473nmを用いた。2段のMMI合波部150A(150)、150B(150)はいずれも断面矩形のMMI合波部であって、スラブ部を有し、スラブの厚さはいずれも0.2μmとし、幅Wはいずれも6μmであり、高さTはいずれも0.7μmとし、MMI合波部150Aの長さL1は1420μm、MMI合波部150Bの長さL2は670μmとした。また、光入力側光導波路150Aa1、150Aa2及び光出力側光導波路150Ab1、並びに、光入力側光導波路150Ba1、150Ab1及び光出力側光導波路150Bb1はいずれも、高さTが0.7μmであり、幅Waは2μmとした。
図11に、合波時の伝搬損失のシミュレーションの結果を示す。
図11の上のグラフは、MMI合波部150Aの長さL1を1420μmの前後に100μm程度ふったときのGB合波時の伝搬損失を示し、また、下のグラフは、MMI合波部150Bの長さL2を670μmの前後に100μm程度ふったときのRGB合波時の伝搬損失を示す。
GB合波時のG及びBの最小の伝搬損失はL1が1420μmのとき、3.8dB程度であり、RGB合波時のR、G及びBの最小の伝搬損失はL2が670μmのとき、それぞれ、2.4dB、3.5dB、4.2dB程度であった。
伝搬損失をいずれの光についても5dB以下とすると、L2のマージンは±26μm程度と大きいものの、L1のマージンは±5μm程度と非常に狭い。
(実施例1)
次に、図12に示す光合波器において、合波する可視光の順番、及び、2段のMMI合波部の長さを変えて、合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。1段目のMMI合波部50Aで赤色光(R)及び青色光(B)を合波し、次いで、2段目のMMI合波部50Bでその合波した光と緑色光(G)とを合波したこと、MMI合波部50Aの長さL1を520μm、MMI合波部50Bの長さL2を1400μmとした以外は、比較例1と同様の構成でシミュレーションを行った。
図13に、合波時の伝搬損失のシミュレーションの結果を示す。
図13の上のグラフは、MMI合波部50Aの長さL1を520μmの前後に100μm程度ふったときのRB合波時の伝搬損失を示し、また、下のグラフは、MMI合波部50Bの長さL2を1400μmの前後に100μm程度ふったときのRGB合波時の伝搬損失を示す。
RB合波時のR及びBの最小の伝搬損失はL1が520μmのとき、それぞれ、2.2dB、1.6程度であり、RGB合波時のR、G及びBの最小の伝搬損失はL2が1400μmのとき、それぞれ、2.4dB、2.6dB、1.5dB程度であり、図10に示した光合波器に比べて、伝搬損失は低下した。
また、伝搬損失をいずれの光についても5dB以下とすると、L2のマージンは±19μm程度と比較例1に比べて若干小さくなったが、L1のマージンは±38μm程度であり、比較例1に比べて大幅に拡大した。
(実施例2)
次に、図12に示す光合波器において、合波する可視光の順番、及び、2段のMMI合波部の長さを変えて、合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。1段目のMMI合波部50Aで赤色光(R)及び緑色光(G)を合波し、次いで、2段目のMMI合波部50Bでその合波した光と青色光(B)とを合波したこと、MMI合波部50Aの長さL1を635μm、MMI合波部50Bの長さL2を1920μmとした以外は、比較例1と同様の構成でシミュレーションを行った。
図14に、合波時の伝搬損失のシミュレーションの結果を示す。
図14の上のグラフは、MMI合波部50Aの長さL1を635μmの前後に100μm程度ふったときのRG合波時の伝搬損失を示し、また、下のグラフは、MMI合波部50Bの長さL2を1920μmの前後に100μm程度ふったときのRGB合波時の伝搬損失を示す。
RG合波時のR及びGの最小の伝搬損失はL1が635μmのとき、それぞれ、2.6dB、2.7程度であり、RGB合波時のR、G及びBの最小の伝搬損失はL2が1920μmのとき、それぞれ、2.4dB、2.6dB、2.2dB程度であり、比較例1に比べて、伝搬損失は低下した。
また、伝搬損失をいずれの光についても5dB以下とすると、L2のマージンは±26μm程度と図10に示した光合波器と同じであるが、L1のマージンは±14μm程度であり、比較例1に比べて大幅に拡大した。
(比較例2、実施例3、4)
比較例2及び実施例3、4では、2段のMMI合波部の幅Wを6.5μmとした点が共通して比較例1と異なる。
さらに、比較例2は1段目のMMI合波部の長さL1を900μm、2段目のMMI合波部の長さL2を780μmとした点以外は比較例1と同様にして合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。
実施例3は1段目のMMI合波部の長さL1を620μm、2段目のMMI合波部の長さL2を1680μmとした点以外は実施例1と同様にして合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。実施例4は1段目のMMI合波部の長さL1を1518μm、2段目のMMI合波部の長さL2を600μmとした点以外は実施例2と同様にして合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。
図15に、実施例1~6及び比較例1~3のシミュレーションの結果を示す。
図15に示した伝搬損失はRGB合波時のものである。
比較例2において、GB合波時のG及びBの最小の伝搬損失はL1が900μmのとき、いずれも4.8dB程度であった。比較例2において、L2の長さマージンはマイナス側にしかなかった。
実施例3において、RB合波時のR及びBの最小の伝搬損失はL1が620μmのとき、いずれも2.2dB程度であった。
実施例4において、RG合波時のR及びGの最小の伝搬損失はL1が1518μmのとき、それぞれ、3.3dB、2.8dB程度であった。
実施例3では、比較例2に比べて伝搬損失がRGBすべてで低く、かつ、L1、L2共に比較例2に比べて長さのマージンが広かった。
実施例4では、比較例2に比べて伝搬損失がGBで低く、かつ、L1、L2共に比較例2に比べて長さのマージンが広かった。
(比較例3、実施例5、6)
比較例3及び実施例5、6では、2段のMMI合波部の幅Wを7μmとした点が共通して比較例と異なる。
さらに、比較例3は1段目のMMI合波部の長さL1を1720μm、2段目のMMI合波部の長さL2を710μmとした点以外は比較例1と同様にして合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。
実施例5は1段目のMMI合波部の長さL1を710μm、2段目のMMI合波部の長さL2を1900μmとした点以外は実施例1と同様にして合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。実施例6は1段目のMMI合波部の長さL1を690μm、2段目のMMI合波部の長さL2を1725μmとした点以外は実施例2と同様にして合波時の伝搬損失のシミュレーションを行った。
比較例3において、GB合波時のG及びBの最小の伝搬損失はL1が1720μmのとき、それぞれ、4.0dB、3.8dB程度であった。
実施例5において、RB合波時のR及びBの最小の伝搬損失はL1が710μmのとき、それぞれ、3.8dB、2.1dB程度であった。
実施例6において、RG合波時のR及びGの最小の伝搬損失はL1が690μmのとき、それぞれ、3.2dB、2.2dB程度であった。
実施例5では、比較例3に比べて伝搬損失がGBで低く、かつ、L1、L2共に比較例2に比べて長さのマージンが広かった。
実施例6では、比較例3に比べて伝搬損失がGBで低く、かつ、L1、L2共に比較例2に比べて長さのマージンが広かった。
上記、比較例と実施例において、MMI合波部にスラブ部が無い場合においても、RGB各色の伝搬損失およびL1マージンとL2マージンの比較例と実施例の関係性は、スラブ部を有する場合と同じ傾向である。
〔可視光光源モジュール〕
(第1実施形態)
図16は、第1実施形態に係る可視光光源モジュールの平面模式図である。
図16に示す可視光光源モジュール1000は、上記の光合波器100と、光合波器100で合波する可視光を出射する複数の可視光レーザー光源30(30-1、30-2、30-3)とを備える。
図16に示した構成要素について、上記と同様な構成要素については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
可視光レーザー光源30としては、各種レーザー素子が使用可能である。例えば、市販の赤色光、緑色光、青色光等のレーザーダイオード(LD)が使用可能である。赤色光は、ピーク波長が610nm以上750nm以下である光が使用可能であり、緑色光は、ピーク波長が500nm以上560nm以下である光が使用可能であり、青色光は、ピーク波長が435nm以上480nm以下である光が使用可能である。
可視光光源モジュール1000において、可視光レーザー光源30-1、30-2、30-3をそれぞれ、赤色光を発するLD、青色光を発するLD、及び緑色光を発するLDとする。LD30-1、30-2、30-3は、それぞれのLDから発せられる光の出射方向に略直交する方向において互いに間隔をあけて配置され、サブキャリア120の上面に設けられている。
可視光光源モジュール1000では、可視光レーザー光源の個数が3個の場合を例示したが、3個に限定されず、2個あるいは4個以上の複数であればよい。複数の可視光レーザー光源は発光する光の波長がすべて異なるものでもよいし、また、発光する光の波長が同じ可視光レーザー光源があっても構わない。また、発光する光は赤(R)、緑(G)、青(B)以外の光も使用可能であり、図面を用いて説明した赤(R)、緑(G)、青(B)の搭載順についても、この順である必要性はなく適宜変更可能である。
LD30は、ベアチップでサブキャリア120に実装可能である。サブキャリア120は、例えば窒化アルミニウム(AlN)や、酸化アルミニウム(Al)、シリコン(Si)等で構成されている。
サブキャリア120は、金属層を介して基板10と直接接合された構成とすることができる。この構成によって、空間結合やファイバ結合をしないことによりさらに小型化が可能となる。
LD30の光出射面31と光合波器100の光入射面101とは、所定の間隔で配置されている。光入射面101は光出射面31と対向しており、x方向において光出射面31と光入射面101との間には隙間Sがある。可視光光源モジュール1000は空気中に露出されているので、隙間Sには空気が満ちている。隙間Sが同じガス(空気)で充填された状態となるため、LD30から出射された各色光を所定の結合効率を満たした状態で入射路に入射させることが容易である。可視光光源モジュール1000がARグラス、VRグラスに用いられる場合、ARグラス、VRグラスで求められる光量等をふまえると、隙間(間隔)Sのx方向の大きさは、例えば0μmより大きく、5μm以下である。
(第2実施形態)
図17は、第2実施形態に係る可視光光源モジュールの平面模式図である。
図17に示す可視光光源モジュール2000は、光変調機能付き光合波器200と、光変調機能付き光合波器200で合波する可視光を出射する複数の可視光レーザー光源30(30-1、30-2、30-3)とを備える。
図17に示した構成要素について、上記と同様な構成要素については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
光変調機能付き光合波器200は、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10と、基板10の主面10Aに形成された、マッハツェンダー型光変調器40を含む光合波機能層20Aと、を備え、光合波機能層20Aはマッハツェンダー型光変調器40以外に、2個のマルチモード干渉型光合波部50(50A、50B)と、マルチモード干渉型光合波部50Aに接続する光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1と、マルチモード干渉型光合波部50Bに接続する光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1と、を有し、マッハツェンダー型光変調器40と、マルチモード干渉型光合波部50と、光入力側光導波路50Aa1、50Aa2及び光出力側光導波路50Ab1と、光入力側光導波路50Ba1、50Ab1及び光出力側光導波路50Bb1とはニオブ酸リチウム膜からなる。
マッハツェンダー型光変調器40としては公知のマッハツェンダー型光変調器あるいは光導波路を用いることができ、波長と位相のそろった光ビームを2本の対(ペア)となるビームに分割(分波)し、それぞれに異なる位相を与えてから合流(合波)する。位相差の違いによって、合波した光ビームの強度が変わる。
光変調出力部200には、可視光レーザー光源30-1、30-2、30-3の数と同数の3個のマッハツェンダー型光導波路40-1、40-2、40-3を有する。可視光レーザー光源30-1、30-2、30-3とマッハツェンダー型光導波路40-1、40-2、40-3とは、可視光レーザー光源から出射された光が対応するマッハツェンダー型光導波路に入射するように位置決めされている。
図17に示すマッハツェンダー型光導波路40(40-1、40-2、40-3)は、第1光導波路41と第2光導波路42と入力路43と出力路44と分岐部45と結合部46とを有する。出力路44はマルチモード干渉型光合波部の光入力側光導波路となっている。図17に示す第1光導波路41及び第2光導波路42は分岐部45の近傍及び結合部46の近傍以外は、x方向に直線状に延びる構成であるが、このような構成に限定されない。図17に示す第1光導波路41と第2光導波路42の長さは、略同一である。分岐部45は、入力路43と第1光導波路41及び第2光導波路42との間にある。入力路43は、分岐部45を介して、第1光導波路41及び第2光導波路42と繋がる。結合部46は、第1光導波路41及び第2光導波路42と出力路44との間にある。第1光導波路41と第2光導波路42とは、結合部46を介して、出力路44と繋がる。
電極21、22は、各マッハツェンダー型光導波路40-1、40-2、40-3(以下、単に「各マッハツェンダー型光導波路40」ということがある。)に変調電圧を印加する電極である。電極21は、第1電極の一例であり、電極22は、第2電極の一例である。電極21の一端は電源131に接続され、他端は終端抵抗132に接続されている。電極22の一端は電源131に接続され、他端は終端抵抗132に接続されている。電源131は、変調電圧を各マッハツェンダー型光導波路40に印加する駆動回路の一部である。電極21、22は図の簡略化のために、マッハツェンダー型光導波路40-1の部分にのみ描いている。
電極23、24は、各マッハツェンダー型光導波路40に直流バイアス電圧を印加する電極である。電極23の一端及び電極24の一端は電源133に接続されている。電源133は、直流バイアス電圧を各マッハツェンダー型光導波路40に印加する直流バイアス印加回路の一部である。
電極21、22に直流バイアス電圧を重畳する場合は、電極23、24を設けなくてもよい。また電極21、22、23、24の周囲に接地電極を設けてもよい。
光合波機能層20Aのサイズは、例えば、100mm以下である。光合波機能層20Aのサイズが100mm以下であれば、ARグラスやVRグラス用として適している。
光合波機能層20Aは、公知の方法で作製できる。例えばエピタキシャル成長、フォトリソグラフィ、エッチング、気相成長及びメタライズなどの半導体プロセスを用いて、光合波機能層20Aは製造される。
例えば、網膜投影型ディスプレイにおいて、所望の色で画像を表示するためには、可視光を表現するRGBの3色の各々の強度を独立に高速に変調する必要がある。かかる変調を可視光レーザー光源(電流変調)だけ行うと、それらの変調を制御するICの負荷が大きくなってしまうが、マッハツェンダー型光変調器40(光変調機能付き光合波器200)による変調(電圧変調)も併用することが可能となる。この場合は、粗調整を電流(可視光レーザー光源)で行い、微調整を電圧(マッハツェンダー型光変調器40)で行ってもよいし、また、粗調整を電圧(マッハツェンダー型光変調器40)で行い、微調整を電流(可視光レーザー光源)で行ってもよい。微調整を電圧で行う方が応答性がよいので、応答性を重視する場合には前者を採用し、微調整を電流で行う方が低い電流で済むため消費電力を抑制するため、消費電力の抑制を重視する場合には後者を採用することが好ましい。
10 基板
10A 基板の表面
20、20A 光合波機能層
24 導波路コア膜
25 導波路クラッド膜
30 可視光レーザー光源
50Aa1、50Aa2、50Ba1 光入力側光導波路
50Bb1 光出力側光導波路
50、51、52 マルチモード干渉型光合波部
51-1、52-1 リッジ
51-2、52-2 スラブ部
100 光合波器
200 光変調機能付き光合波器
1000、2000 可視光光源モジュール

Claims (13)

  1. 波長の異なる複数の可視光を合波する光合波器であって、
    ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板と、
    前記基板の主面に形成された光合波機能層と、を備え、
    前記光合波機能層は、1段又は複数段のマルチモード干渉型光合波部と、前記1段又は複数段のマルチモード干渉型光合波部のそれぞれに接続する光入力側光導波路及び光出力側光導波路とを有し、前記マルチモード干渉型光合波部、前記光入力側光導波路及び前記光出力側光導波路はニオブ酸リチウム膜からなる、光合波器。
  2. 前記1段又は複数段のマルチモード干渉型光合波部はいずれも、2入力1出力のマルチモード干渉型光合波部である、請求項1に記載の光合波器。
  3. 前記1段又は複数段のマルチモード干渉型光合波部のうち、少なくとも一つのマルチモード干渉型光合波部は光の進行方向に対して垂直方向に切った断面が台形形状である、請求項1に記載の光合波器。
  4. 前記台形形状の傾斜角度が40°~85°である、請求項3に記載の光合波器。
  5. 前記台形形状の断面を有するマルチモード干渉型光合波部が基板側にスラブ部を有する、請求項3に記載の光合波器。
  6. 前記光入力側光導波路及び光出力側光導波路の少なくとも一部にスラブ部が設けられている、請求項1に記載の光合波器。
  7. 前記光入力側光導波路及び光出力側光導波路の少なくとも一部に曲げ部が設けられている、請求項1に記載の光合波器。
  8. 前記1段又は複数段のマルチモード干渉型光合波部の少なくとも1段の前記マルチモード干渉型光合波部に接続された、2つの光入力側光導波路及び1つの光出力側光導波路において、前記2つの光入力側光導波路は異なる幅を有し、かつ、前記1つの光出力側光導波路は前記2つの光入力側光導波路のうち幅が狭い方と同じ幅を有する、請求項2に記載の光合波器。
  9. 2段以上のマルチモード干渉型光合波部を備え、1段目のマルチモード干渉型光合波部で波長Aの可視光と波長Bの可視光とを合波し、2段目のマルチモード干渉型光合波部で波長Aの可視光及び波長Bの可視光の合波光と、波長Cの可視光とを合波する、請求項2に記載の光合波器。
  10. 前記波長A>前記波長Bであり、かつ、前記波長A>前記波長Cである、請求項9に記載の光合波器。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の光合波器と、前記光合波器で合波する可視光を出射する複数の可視光レーザー光源とを備える、可視光光源モジュール。
  12. 請求項1~10のいずれか一項に記載の光合波器と、前記光合波器に接続され、複数の可視光レーザー光源から出射された複数の可視光を前記光合波器に導波するマッハツェンダー型光変調器と、を備える、光変調機能付き光合波器。
  13. 請求項12に記載の光変調機能付き光合波器と、前記光変調機能付き光合波器で合波する可視光を出射する複数の可視光レーザー光源とを備える、可視光光源モジュール。
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