JP2024058200A - 遊技機 - Google Patents

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雅史 後藤
隆行 石黒
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株式会社サンセイアールアンドディ
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Abstract

【課題】遊技球を適切に処理できる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ遊技機1は、第2始動口12aへの遊技球の入球を補助する補助姿勢及び補助しない通常姿勢に変化可能な普通作動部材12bと、取付板31の前面(遊技盤2の前面)に対し前方に離間して対向する前板32とを備えており、普通作動部材12bが、補助姿勢の時に、横方向に傾斜して遊技球を転動させる転動面154を取付板31の前面及び前板32の後面の間に露出し、通常姿勢では、転動面154を取付板31側(遊技盤2側)に退避させるように前後方向に移動する。普通作動部材12bは、通常姿勢から補助姿勢に変化する際の移動先端面となる前端面155に、当該普通作動部材12bの側端面157,158に近づくにつれて前板32から離間して該側端面157,158に連なる傾斜面171,172を有している。【選択図】図28

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
遊技機としては例えば、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。このパチンコ遊技機は、機内部に配置されている遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、その遊技領域を機前方から視認できるように構成されている。遊技領域には、遊技球が入球可能な複数種類の入球口が設けられている。このため、遊技者のハンドル操作等によって遊技領域に打ち出された遊技球は、遊技領域を流下する過程で何れかの入球口に入球したり、或いは入球せず遊技領域の下端まで流下してアウト口から排出されたりする。入球口に遊技球が入球すると、その遊技球は入球検出センサ(近接センサ)により検出されて、当該センサの検出信号が制御手段(CPU)へと入力される。遊技球が入球口に入球した場合、制御手段は、検出信号の入力に基づき、その検出信号の種類(入球口の種類)に応じた賞球を遊技者に付与したり、遊技者に有利な状態を生じさせるか否かの抽選(当否判定)を行ったりする制御を行う。すなわち、パチンコ遊技機で遊技を行う場合、遊技球が入球口に入球することに応じて利益を得ることができる(例えば、特許文献1)。
遊技盤には一般に、遊技球の入球し易さが変化する入球口(可変入球口)を有する可変入球手段を備えている。可変入球手段は、入球口を形成し、かつ入球検出センサを備える他、制御手段の制御により変位可能な作動部材が入球口近傍に対応的に設けられている。この可変入球手段は、常には作動部材によって入球口への遊技球の入球を阻止する状態となっている。そして、所定の契機の発生により制御手段が駆動源を制御することで、作動部材の姿勢が変化し、これにより入球口への遊技球の入球が可能になる。
特開2015-13042号公報
近年はパチンコ遊技機の遊技性が多様化しているが、何れの遊技性においても可変入球手段(入球可否が変化する入球口)が重要な役割を果たしている。この可変入球手段については様々な構造が提案されているが、未だ万全でなく、改善の余地がある。
例えば、入球口の入球可否(または入球し易さ)を迅速かつ確実に切り替えできる等、遊技球を適切に処理できる構成が望まれている。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技球を適切に処理できる遊技機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技盤の前面側に形成されて遊技球が流下可能な遊技領域と、前記遊技領域に設けられて遊技球が入球可能な入球口と、前記入球口への遊技球の入球を補助する補助姿勢及び補助しない通常姿勢に変化可能な作動部材と、前記遊技盤の前面に対し前方に離間して対向する前板とを備えた遊技機であって、前記入球口は、遊技球の勢いを低減可能な上流通路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられており、前記作動部材は、横方向に傾斜して遊技球を転動させる転動面を前記補助姿勢において前記遊技盤の前面及び前記前板の後面の間に露出し、前記通常姿勢では当該転動面を前記遊技盤側に退避させるように、前後方向に移動可能な部材であり、その転動面上に形成される球転動路の下流側に、当該球転動路側を向いて開口するよう前記入球口が設けられ、前記作動部材における前記通常姿勢から前記補助姿勢に変化する際の移動先端面となる前端面に、当該作動部材の側端面に近づくにつれて前記前板から離間して該側端面に連なる傾斜面を有していることを特徴とする。
これによれば、前後方向に移動可能な作動部材の前端面に傾斜面を有することで、作動部材が通常姿勢から補助姿勢に変化する際、その前側に位置する遊技球が傾斜面によって横方向に誘導される。これにより、作動部材・前板の間の球噛みを抑止できる。
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、遊技球を適切に処理できる。
第1実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 遊技盤の正面図である。なお、遊技球処理機構の前板は取り外してある。 図2Aにおける領域Xの拡大図である。 前板の正面図である。 前板の背面図である。 主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 当否判定テーブルの説明図である。 (a)は、第1特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図であり、(b)は、第2特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。 小当たり種別判定テーブルの説明図である。 普通図柄当否判定テーブルの説明図である。 普図当たり種別判定テーブルの説明図である。 普図変動パターン選択テーブルの説明図である。 メイン側主制御処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。 図柄用センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 普図条件確認処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図大当たり判定処理のフローチャートである。 特別図柄関連処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(1種大当たり、V当たり)のフローチャートである。 特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。 サブ側主制御処理のフローチャートである。 1msタイマ割込処理のフローチャートである。 10msタイマ割込処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 (a)は、第1実施形態における普電入賞ユニット(普通作動部材が補助姿勢、侵入防止部材が入球許容位置)の正面図であり、(b)は、(a)のA-A線で切断した普通作動部材の縦断側面である。 (a)は、第1実施形態における普電入賞ユニット(普通作動部材が補助姿勢)の左側面図であり、(b)は、(a)と同一方向視において普電入賞ユニットの遊技盤に対する取付状態を示す説明図である。 (a)は、第1実施形態における普電入賞ユニット(普通作動部材が補助姿勢、侵入防止部材が入球許容位置)の平面図であり、(b)は、(a)と同一方向視において普電入賞ユニットの遊技盤に対する取付状態を示す説明図である。 (a)は、第1実施形態における普電入賞ユニット(普通作動部材が通常姿勢、侵入防止部材が入球阻止位置)を左前上方から見た斜視図であり、(b)は、普電入賞ユニット(普通作動部材が補助姿勢、侵入防止部材が入球許容位置)を左前上方から見た斜視図である。 (a)は、普通作動部材(通常姿勢)及び侵入防止部材(入球阻止位置)の右側面図であり、(b)は、普通作動部材(補助姿勢)及び侵入防止部材(入球許容位置)の右側面図であり、(c)は、入球阻止位置の侵入防止部材における開閉部の形状に関する説明図である。 第1実施形態における普電入賞ユニットのうち上カバーを上方に離間させた分解正面図であり、中カバーのアーム受け面によって侵入防止部材のアームが受け止められる前後位置において中カバー及び侵入防止部材を切断し、その断面形状を拡大して示している。 第2実施形態における普電入賞ユニットの正面図である。 (a)は、第2実施形態における普電入賞ユニット(侵入防止部が入球阻止位置)を左前上方から見た斜視図であり、(b)は、(a)の普電入賞ユニットから上カバーを取り外した状態を示している。 (a)は、第2実施形態における普電入賞ユニット(侵入防止部が入球許容位置)を左前上方から見た斜視図であり、(b)は、(a)の普電入賞ユニットから上カバーを取り外した状態を示している。
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機として、一定サイズ(直径約11ミリメートル)の遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機を例に挙げる。なお、パチンコ遊技機の各部について方向や位置関係を説明する場合は、このパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た状態での「左」「右」及び「上」「下」を基準とする。また、遊技者から見て近い側(手前側)を「前」とし、遠い側(奥側)を「後」とする。
<第1実施形態>
[パチンコ遊技機1の主要構成]
第1実施形態のパチンコ遊技機1(図1参照)は、遊技機枠を備える。遊技機枠は、後述する遊技盤2(図2参照)を保持する内枠16と、この内枠16の前面を覆う扉状の前面枠18とを少なくとも含むように構成され、矩形枠状の外枠Wを介して遊技店内の設置島(図示せず)に設置される。前面枠18は、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、トップランプ23cとを備え、これらで囲まれる内側に窓18aが形成されている。この窓18aは、遊技盤2の盤面(前面)に形成される遊技領域3を視認可能とする開口であり、この窓18aを塞ぐように透明窓板18bが設けられている。また、前面枠18の左右の上端部(トップランプ23cを挟む左右両側)に、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する音出力手段としてのスピーカ8が夫々設けられている。
前面枠18は、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを構成する両側部が透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
また、トップランプ23cは、内部(図示せず)にLEDおよび回転リフレクタを有する回転灯を構成している。LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容や報知内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。回転リフレクタは、可動体モータ23d(図4参照)の駆動に応じてLEDの周囲で回転し、LEDの光の反射方向を変化させる。
また、前面枠18の下部には、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とが設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3参照)及び賞球払出装置400(図3参照)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3参照)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3参照)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、発射装置90(打撃槌)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち打球供給皿24の上面に、演出ボタン5が設けられている。この演出ボタン5は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で押下操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。また、演出ボタン5は、遊技者が片手のみで後述する演出レバー6と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。演出ボタン5にはバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン5に対する押下操作状態が解除された際に、この弾性部材の復元力によって演出ボタン5が押下操作前の状態に復帰するようになっている。この演出ボタン5には、演出ボタン5に対する押下操作を検出する演出ボタン検出スイッチ5aと、演出ボタン5を振動させる演出ボタン振動モータ5bと、演出ボタン5を発光させる演出ボタンランプ5cとが内蔵されている(図4参照)。演出ボタン振動モータ5bは、例えば演出ボタン5の押下操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタン振動モータ5bの作動によって演出ボタン5を振動させたり、演出ボタンランプ5c(本実施形態ではLED)の発光によって透光性材料からなる演出ボタン5の表面を点灯または点滅させたりすることで、例えば演出ボタン5の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。
演出ボタン5の押下操作が有効な期間に遊技者が演出ボタン5を押下操作すると、その操作が演出ボタン検出スイッチ5aによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出ボタン5の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方(下側の左端寄り)に、演出レバー6が設けられている。この演出レバー6は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で把持して操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4や演出ボタン5と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。具体的には、演出レバー6は、把持した手で奥側へ押し込むように操作(押込操作)できる他、左右に回転させるように操作(回転操作)することも可能に構成されている。また、演出レバー6には、演出レバー6の押込操作を検出する演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー6の右回転操作や左回転操作を検出する演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出レバー6を振動させる演出レバー振動モータ6cとが設けられている(図4参照)。本実施形態では、演出レバー振動モータ6cの作動によって演出レバー6を振動させることで、例えば演出レバー6の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。演出レバー6の操作が有効な期間に遊技者が演出レバー6を押込操作または回転操作すると、その操作が演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
[遊技盤2の構成]
図2Aに示すように、遊技盤2は、その盤面(前面)が遊技者の顔と略正対する位置となるように内枠16に保持されている。この遊技盤2は、前面枠18の前述したガラス板により前方から覆われているが、その盤面は、透明窓板18b(窓18a)を介して遊技者側(前方)から透視可能となっている。この遊技盤2の盤面の外周側には、遊技球が流下(転動)する領域である遊技領域3を内周側に区画形成する環状の遊技領域形成手段(レール部材17等)が配置されている。なお、遊技盤2の盤面左側部ではレール部材17が左右2列となっており、その内側を発射装置90による発射球が上昇移動して遊技領域3に至るようになっている。この場合に発射球は、左側(外側)のレール部材17に案内されて遊技領域3の上部領域に到達する。
また、図示省略するが、遊技盤2の盤面のうち遊技領域3の範囲には複数の遊技釘が打ち込まれている。このため、遊技領域3を流下する遊技球は遊技釘に接触してその挙動が変化する。遊技球は、遊技領域3を流下する過程で後述する入球口10a,11a,12a,14a,15aに入球するか、または入球せず遊技領域3を下端まで流下してアウト口19から遊技領域3外(内枠16側)へと排出される。アウト口19は遊技領域3に複数設けられており、その一つが遊技領域3の下端に位置している。
ここで、遊技盤2の盤面の中央側に、大型のセンター装飾体20が配置されて、レール部材17等の遊技領域形成手段から内側に離間している。このセンター装飾体20は環状あるいは枠状であり、遊技盤2の略中央に形成されている大型の開口(図示せず)の縁に沿って取り付けられている。そして、遊技盤2の背後に位置する演出表示装置7(演出表示手段)の画面(前面、例えば液晶パネル)の略全体が、センター装飾体20の内側開口を通じて盤面前側に露出し、パチンコ遊技機1の正面視では、センター装飾体20が演出表示装置7の画面の周囲を装飾するように位置している。センター装飾体20は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
なお、遊技盤2には、前述したセンター装飾体20内を含む複数箇所に発光手段(LED)が設けられており、その発光により遊技盤2を装飾するように構成されている。このように遊技盤2に設けられる装飾用の発光手段のことを、以下では「盤ランプ2a」と称することとする(図4参照)。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
センター装飾体20は、遊技盤2の盤面より前側に環状(枠状)に突出しているので、遊技領域3を流下する遊技球がセンター装飾体20の内周側(画面の前方空間)に移動することが防止される。そしてこのセンター装飾体20により、遊技領域3がその上部で左右に分岐するように区画されている。すなわち、遊技領域3は、センター装飾体20の左側を流下する遊技球の経路である左遊技領域(第1の球流下領域)3Lと、センター装飾体20の右側を流下する遊技球の経路である右遊技領域(第2の球流下領域)3Rとを含む領域である。ここで、ハンドル4を操作して比較的強い発射強度で遊技球を発射した場合、その遊技球は遊技領域3の上縁に沿って飛翔し、右遊技領域3Rの上部に設けられる緩衝部21と接触(衝突)する。緩衝部21はゴム等の弾性部材により形成されているので、緩衝部21は遊技球との接触(衝突)で破損することなく当該遊技球の衝撃を緩和するように機能し、当該遊技球を速やかに右遊技領域3Rの下流側へと流下させる。
遊技盤2には、図2Aに示すように、第1始動入賞装置10と、一般入賞部材11と、第2始動入賞装置12と、ゲート13と、第1大入賞装置14と、第2大入賞装置15とが配置されている。これらの構成は、遊技領域3を流下する遊技球が入球可能な入球口10a,11a,12a,13,14a,15aを有している。また、第2始動入賞装置12、、第1大入賞装置14及び第2大入賞装置15は、その入球口12a,14a,15aに対する遊技球の入球し易さを変化させることが可能な可変入球手段として機能する。
以下の説明では、遊技球の入球に対して賞球を付与可能な入球口として定められているものを「入賞口」と称することがある。なお、入賞口への遊技球の入球のことを「入賞」と表現してもよい。また、入球口(入賞口)の一種である「始動口」(または「契機口」)とは、遊技球の入球が後述する特別図柄の変動表示の契機となる入賞口のことである。この始動口への入球のことを「始動入球(始動入賞)」と表現することができる。
第1始動入賞装置10は、センター装飾体20の下方領域の中央部に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第1始動入賞装置10は、第1始動口10a及び第1始動口センサ10bを有する入賞装置(入賞部)である。第1始動口10aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第1始動口センサ10b(図3参照)は、第1始動口10aに入球(始動入球)した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第1始動口10aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞路(図示せず)の途中に配置されている。第1始動入賞装置10は、第1始動口10aを常に入球可能な状態に維持するように構成されており、第1始動口10aへの入球し易さや開口寸法を変化させるような部材は備えていない。
一般入賞部材11は、センター装飾体20の下方領域のうち左寄りの位置に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この一般入賞部材11は、一般入賞口11a及び一般入賞口センサ11bを有する入賞装置(入賞部)である。一般入賞口11aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。一般入賞口センサ11b(図3参照)は、一般入賞口11aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、一般入賞口11aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞路(図示せず)の途中に配置されている。一般入賞部材11は、一般入賞口11aを常に入球可能な状態に維持するように構成されており、一般入賞口11aへの入球し易さや開口寸法を変化させるような部材は備えていない。
ゲート13(作動口)は、センター装飾体20の右方領域に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。このゲート13には、通過する遊技球を検出するゲートセンサ13a(図3参照)が配置されている。なお、ゲート13は、遊技球が遊技領域3内で上下方向(上から下)に通過(入球)可能に構成されている。
第2始動入賞装置12は、センター装飾体20の右方であってゲート13のやや下側に配置されている。この第2始動入賞装置12は、第2始動口12a、普通作動部材(作動部材)12b、第2始動口センサ12c(後述、図3参照)及び普電ソレノイド12d(図3参照)を有する入賞装置(入賞部)であり、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。第2始動口12aは、遊技領域3内で左上方に向けて開口している。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入球(始動入球)した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第2始動口12aに続く入賞路38(後述、図2A参照)の途中に配置されている。普通作動部材12bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、後側の通常姿勢(第1姿勢、入球阻止姿勢)と前側の補助姿勢(第2姿勢、入球許容姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。普電ソレノイド12dは、普通作動部材12bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において普通作動部材12bを通常姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において普通作動部材12bを補助状態に維持する。そして、通常姿勢の普通作動部材12bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して上方(ゲート13側)からの遊技球を受けることなく下方へ通過させる。一方で、補助姿勢の普通作動部材12bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して上方(ゲート13側)からの遊技球を受け、上面を傾斜に沿って転動させる状態となることで第2始動口12aへの入球(始動入球)を補助する。すなわち、第2始動入賞装置12に設けられる第2始動口12aは、遊技球の入球し易さが普通作動部材12bの姿勢に応じて変動する入球口(可変入球口、可変始動口)である。
この第2始動口12aについて、実際には開口寸法が普通作動部材12bで変化するわけではないが、普通作動部材12bが通常姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現すると共に、普通作動部材12bが補助姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することも可能である。
第1大入賞装置14は、右遊技領域3Rの下部(第2始動入賞装置12に対して下方)に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第1大入賞装置14は、第1大入賞口14a(特別入賞口、特別入球口)、第1特別作動部材14b、第1大入賞口センサ14c(図3参照)及び第1特電ソレノイド14d(図3参照)を有する入賞装置(入賞部)である。第1大入賞口14aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第1大入賞口14aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞路(図示せず)の途中に配置されている。第1特別作動部材14bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、前側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と後側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。第1特電ソレノイド14dは、第1特別作動部材14bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において第1特別作動部材14bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において第1特別作動部材14bを入球許容姿勢に維持する。そして、入球阻止姿勢の第1特別作動部材14bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して第1大入賞口14aを閉鎖することで第1大入賞口14aへの遊技球の入球を阻止し、遊技球を傾斜上の上面によって下流側(左下方)へと流下させる。一方で、入球許容姿勢の第1特別作動部材14bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して第1大入賞口14aを開放し、第1大入賞口14aへの遊技球の入球を許容する。すなわち、第1大入賞装置14に設けられる第1大入賞口14aは、その開口寸法が変動する(遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する)入賞口(可変入球口)である。
この第1大入賞口14aについて、以下の説明では、第1特別作動部材14bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、第1特別作動部材14bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
第2大入賞装置15は、右遊技領域3Rの上部(第2始動入賞装置12に対して上方)に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第2大入賞装置15は、第2大入賞口15a(特別入賞口、特別入球口)、第2特別作動部材15b、第2大入賞口センサ15c(図3参照)及び第2特電ソレノイド15d(図3参照)を有する入賞装置(入賞部)である。第2大入賞口15aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第2大入賞口15aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞路(図示せず)の途中に配置されている。第2特別作動部材15bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、前側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と後側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。第2特電ソレノイド15dは、第2特別作動部材15bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において第2特別作動部材15bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において第2特別作動部材15bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の第2特別作動部材15bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して第2大入賞口15aを閉鎖することで第2大入賞口15aへの遊技球の入球を阻止し、遊技球を傾斜上の上面によって下流側(左下方)へと流下させる。一方で、入球許容姿勢の第2特別作動部材15bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して第2大入賞口15aを開放し、第2大入賞口15aへの遊技球の入球を許容する。すなわち、第2大入賞装置15に設けられる第2大入賞口15aは、その開口寸法が変動する(遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する)入賞口(可変入球口)である。
この第2大入賞口15aについて、以下の説明では、第2特別作動部材15bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、第2特別作動部材15bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
また、第2大入賞装置15の内部の入賞路には、第2大入賞口15aに入球した遊技球が通過(入球)可能な特定領域が形成されており、第2大入賞口15aに入球した遊技球は特定領域を介して遊技盤2の後面側に排出されるようになっている。そして、入賞路には、前述した大入賞口センサ15cの他に、特定領域を通過(入球)する遊技球を検出する特定領域センサ55a(図2、図3)が設けられている。本実施形態では、後述の小当たり状態中の特定領域への遊技球の通過が、後述のV当たり状態への移行(後述の2種大当たり状態への発展)の契機となっている。
ところで、パチンコ遊技機1は、前述したハンドル4の操作に応じて遊技球の発射強度を調節することが可能であるので、発射強度の調節によって遊技球を左遊技領域3Lと右遊技領域3Rとに打ち分けることができる。本実施形態では、前述の盤面構成により、左遊技領域3Lに向かって発射(以下「左打ち」という)した遊技球が、左遊技領域3Lに設けられる入球口(第1始動口10a、一般入賞口11a)に入球する可能性がある。一方、右遊技領域3Rに向かって発射(以下「右打ち」という)した遊技球は、右遊技領域3Rに設けられる入球口(ゲート13、第2始動口12a、第1大入賞口14a、第2大入賞口15a)に入球する可能性がある。
[遊技球処理機構30]
ここで、右遊技領域3Rに導かれた遊技球は、緩衝部21の位置から下方に延びる上流通路22(図2A参照)を流下する。この上流通路22は、通路幅が遊技球の直径の2倍未満の寸法となっており、かつ蛇行状に形成されている。すなわち、上流通路22は、緩衝部21側から導かれる遊技球を一列で流下させ、その勢いを低減し、整流する。上流通路22の下側には、遊技盤2の右側部を構成する遊技球処理機構30が配設されている。遊技球処理機構30は、上流通路22からの遊技球を受け入れて入球口12a,13a,14a,15aやアウト口19等に誘導し、或いは当該機構30の下流側に流出させる。
遊技球処理機構30は、右遊技領域3Rの大部分を前面で形成する取付板(取付対象)31と、この取付板31の後面に取り付けられて入賞装置(可変入球手段)を構成する複数の入賞ユニット(後述する普電入賞ユニットU等)と、取付板31の前面を覆うように位置して当該取付板31との間に球通路等を形成する複数の透明なカバー(その一つとして、後述する前板32がある)とを備えている。入賞ユニットは、具体的には取付板31の後面に、上下に離間するように3つ取り付けられており、このうち上端部の入賞ユニットによって前述した第2大入賞装置15が構成され、下端部の入賞ユニットによって前述した第1大入賞装置14が構成され、中間部の入賞ユニット(普電入賞ユニットU)によって前述した第2始動入賞装置12が構成されている。
ここで、遊技球処理機構30は、第2大入賞装置15が上端部に近接するように設けられているので、第2大入賞口15aの開放開始(後述する小当たり状態の開始)に伴って遊技者が右打ちを開始した時に遊技球を速やかに第2大入賞口15aへと導くことができる。また、遊技球処理機構30は、第1大入賞装置14が、第2大入賞装置15に対して下方に大きく離間するように設けられ、その間の球通路(後述するゲート用通路34や迂回路35、合流路37等)が曲状に設けられているので、第2大入賞口15aの閉鎖後に第1大入賞口14aを開放(後述するV当たり状態を開始)する場合、直前まで第2大入賞口15aを狙って打ち出していた遊技球がそのまま流下してタイミングよく第1大入賞口14aに到達することになり、大当たり遊技状態(後述する2種大当たり状態)の消化効率を高めることができる。
以下、遊技球処理機構30のうち、第2大入賞装置15より下側かつ第1大入賞装置14より上側の部分(遊技球処理機構30の中間部)の構成を、図2B,図2C,図2Dを参照しながら主に説明する。図2Bは、遊技球処理機構30の中間部から前板32を取り外した場合に露出される取付板31(の中間部)の正面図であり、図2Cは、前板32の正面図、図2Dは、前板32の背面図である。
図2Bに示すように、取付板31(の中間部)には、その後面に取り付けられた普電入賞ユニットU(図26~図29参照)の一部を遊技領域3(右遊技領域3R)に露出させる取付口31aが形成されている。なお、普電入賞ユニットUは、第2始動入賞装置12を構成するものであり、第2始動口12aを形成するホルダ133と、前述した普通作動部材12bとを有する。取付口31aは、ホルダ133(第2始動口12a)や普通作動部材12bを右遊技領域3Rに露出させるものである。
また、取付板31の前面には、取付口31aの周囲に複数の球通路(後述)を形成するための壁部が前方に向けて突設されている。なお、各球通路は、取付板31及び前板32を組み合わせることで全体が構成される(前板32は、各球通路の前壁を有している)が、便宜上、基本的に図2Bを参照しながら各球通路について説明することとする。
なお、普電入賞ユニットUについては、本実施形態の主な特徴的構造物であるため、具体的な構造を後段にて詳述する。一方、前述した第2大入賞装置15や第1大入賞装置14を構成する各入賞ユニットの具体的な構造については、説明を省略する。
取付板31の前面には、図2Bに示す範囲(中間部)のうち上端部に、上流側(第2大入賞装置15側)から流入する遊技球を複数の球通路に分岐させる分岐路33が設けられている。分岐路33は、遊技球をゲート13に通過させるゲート用通路34、ゲート用通路34を迂回するように遊技球を誘導する迂回路35、遊技球を遊技領域3から排出するための排出路36、の3つの球通路に分岐している。
ゲート用通路34は、分岐路33の下方に位置している。ゲート用通路34の上流部は、下方に直線状に延びており、この部分にゲート13が設けられていると共に、ゲートセンサ13aが設置されている。一方、ゲート用通路34の下流部は、図2B、図2D及び図27(b)から明らかなように、後側にC字状に曲がった曲状通路となっている。すなわち、ゲート用通路34の下流部は、取付板31の前面で形成される凹曲面と、前板32の後面で形成される凸曲面(後述する第2壁部42の下部)とを利用して形成されている。このように設けられたゲート用通路34は、分岐路33から下方に流出した遊技球を受け入れてそのままゲート13を通過させ、下流部の曲状の通路部分で減勢した後に、前述した取付口31aの前方に到達させる。
ここで、前述した第2始動入賞装置12の普通作動部材12bは、通常姿勢では普電入賞ユニットUの内部に位置し、補助姿勢では普電入賞ユニットUの前面から前方に突出する(図26~図29参照)。この普電入賞ユニットUは、取付板31の後面に、当該取付板31の取付口31aを後方から覆うように取り付けられている。そして、普通作動部材12bが、通常姿勢の時には取付板31の取付口31aよりも後退した位置を維持し、補助姿勢の時には取付口31aから前方に突出して(図27(b)及び図28(b)参照)、上面である転動面154を右遊技領域3Rに臨ませるように構成されている。従って、普通作動部材12bが通常姿勢の時にゲート用通路34を通過した遊技球は、当該普通作動部材12bに受け止められることなく取付口31aの前方空間を落下して、合流路37に至り、この合流路37に沿って下流側(第1大入賞装置14側)へと流下する。一方、普通作動部材12bが補助姿勢の時には、ゲート用通路34を通過した遊技球は取付口31aの前方空間で転動面154に受け止められ、この転動面154の傾斜に沿って右下方へと転動し、ホルダ133の左側面(入球口形成面148)に形成されている第2始動口12aへと入球する。なお、普通作動部材12bが補助姿勢の時に転動面154上に形成される球通路を「球転動路R」と称する。
取付板31から前方に離間して(取付板31と、前面枠18の透明窓板18bとの間に)、透光性を有するカバーである前板32が配置されている。この前板32には、図2Cに示すように、前方に開口する凹状の窪み部32aが形成されている。この窪み部32aは、前板32の前面側において凹状となっている分、後面側では突出し、右遊技領域3Rの前後寸法を狭めている(図2D及び図27(b)参照)。より具体的には、窪み部32aは、右遊技領域3Rのうち、ゲート用通路34の出口の位置を上端とし、普通作動部材12bのやや上側位置を下端とする領域(すなわち、普通作動部材12bが補助姿勢の時に球転動路Rが形成される領域)に対応して設けられており、球転動路Rが形成される領域の前後寸法を狭めるように機能している。この窪み部32aの下縁部には、後方に向けて突出する減勢突部39が設けられている(図2D、図27(b)及び図28(b)参照)。この減勢突部39については、普通作動部材12bとの関係で後述する。
なお、上記のようなゲート用通路34の通路構成により、遊技球がゲート13通過のタイミングから概ね1.2秒(1200ms)程度経過したタイミングで普通作動部材12bの高さ位置に到達するように設計されている。
転動面154上の球転動路Rを転動して第2始動口12aに入球した遊技球は、ホルダ133の右側から下方に延びる入賞路38を流下し、その下端の入賞球排出口38aから遊技盤2の後面側へと排出される。
分岐路33から下方(ゲート用通路34)に向かわず、左側に逸れた遊技球は、迂回路35に導かれる。迂回路35は、ゲート用通路34の左側で下方に延び、前述した合流路37の上流側端部に接続している。すなわち、合流路37では、ゲート用通路34を通過(ゲート13を通過)した遊技球と、迂回路35を通過した遊技球とが合流する。なお、合流路37の下流側(第1大入賞口14aよりも下流側)まで流下した遊技球が高確率で入球可能な所定の入賞口を設けておき、この所定の入賞口への入球に応じて所定数(例えば1個)の賞球が付与されるように構成しておけば、遊技者が持ち球を大きく減らすことなく右打ち遊技を行うことができる。
分岐路33から下方(ゲート用通路34)に向かわず、右側に逸れた遊技球は、排出路36に導かれる。排出路36は、右下方に向けて傾斜した先で真下に垂下するように設けられ、その下端部にはアウト口19が形成されている(図2A参照)。すなわち、排出路36に導かれた遊技球は、どの入球口にも入球することなく、排出路36の下端部のアウト口19から遊技盤2の後面側に排出される。
なお、排出路36及び前述の入賞路38は、遊技球処理機構30の右端部に寄せて設けられており(図2A参照)、パチンコ遊技機1を正面から見た場合に前面枠18の右サイドランプ23bの後方に隠れるようになっている。
なお、図2Dに示すように、前板32の後面には、前述した窪み部32a及び減勢突部39の他に、分岐路33の前壁となる第1壁部41と、ゲート用通路34(ゲート13を含む)の前壁となる第2壁部42と、迂回路35の前壁となる第3壁部43と、排出路36の前壁となる第4壁部44と、合流路37の前壁となる第5壁部45と、入賞路38の前壁となる第6壁部46とが設けられている。
[表示器類50の構成]
図2Aに示すように、遊技盤2の右下端部(遊技領域3の右下方)に、各種の遊技情報を表示する遊技情報表示手段である表示器類50が設けられている。この表示器類50は、図3に示すように、第1特別図柄(第1特図または特図1ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51(特別図柄表示手段)と、第2特別図柄(第2特図または特図2ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52(特別図柄表示手段)と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53(普通図柄表示手段)とを備える。更に、表示器類50は、第1特別図柄表示器51での第1特図の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52での第2特図の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特図及び第2特図に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄または特図という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
普通図柄表示器53は、例えば2個のLEDから構成されている。点灯したLED及び消灯したLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート13(ゲートセンサ13a)を通過すると、所定の入球口(本実施形態では第2始動口12a)を開放するか否かの判定(普図当たり判定)が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普図当たり判定(作動入球判定)の結果に対応する普通図柄を停止表示(確定表示)する。普通図柄表示器53が停止表示(確定表示)した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、第2始動入賞装置12の普通作動部材12bが入球許容姿勢となることで、第2始動口12aが開放して普図当たり状態(後述する補助遊技)が発生する。なお、本実施形態では、普図当たり判定が当たりの場合の普通図柄として2種類(有利当たり図柄、不利当たり図柄)が設けられており、当たりの普通図柄の種類毎に、普通作動部材12bが入球許容姿勢となる時間として異なる時間が対応付けられている。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯しているLED及び消灯しているLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯するLED及び消灯しているLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が停止表示(確定表示)されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。なお、特別図柄には、特図当たり判定(内部判定、大当たり判定、当否判定、始動入球判定等とも称する)が大当たりの判定結果となったことを示す大当たり図柄と、特図当たり判定(内部判定、小当たり判定、当否判定、始動入球判定等とも称する)が小当たりの判定結果となったことを示す小当たり図柄と、特図当たり判定がハズレの判定結果となったことを示すハズレ図柄とがある。なお、小当たりについては後述する。
遊技球が第1始動口10aに入球すると、特図当たり判定が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特図の変動表示を開始してから所定の変動時間の経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第1特図を停止表示(確定表示)する。第1特別図柄表示器51での新たな第1特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第1始動口10aに入球した場合は、その入球を契機とする第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示が保留(作動保留)され、その作動保留の数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口12aに入球すると、特図当たり判定が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特図の変動表示を開始してから所定の変動時間の経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第2特図を停止表示(確定表示)する。第2特別図柄表示器52での新たな第2特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第2始動口12aに入球した場合は、その入球を契機とする第2特別図柄表示器52での第2特図の変動表示が保留(作動保留)され、その作動保留の数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示(確定表示)するまでを1回の特図変動(または特別図柄の1回の変動)という。また、特図変動の実行によって特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留の消化という。パチンコ遊技機1では、特別図柄表示器の作動保留がその発生タイミングの時系列順に特別図柄の変動表示に用いられ、特図保留数が消化される。但し、第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される(第2特図の変動表示が第1特図の変動表示よりも優先的に実行される)。なお、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示が終了してから特図保留数の消化によって次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に、所定の変動インターバル(特別図柄の停止時間)が設けられている。
[演出表示装置7の表示領域]
次に、演出表示装置7について説明する。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像等の動画像及び静止画像を表示可能である。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を変動表示する。この演出図柄の変動表示のことを、以下の記載では「変動演出」と称して説明することがある。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の変動態様としては例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する態様、つまり、縦方向にスクロールする態様がある。なお、他の変動態様として、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される切替方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
ここで、一般に、演出図柄の変動演出は、特別図柄表示器での特別図柄の変動表示に同期させて行われる。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常の遊技状態(後述する非時短遊技状態)においては特別図柄表示器での特別図柄の変動表示に同期させて行われる一方、遊技者に有利な遊技状態(後述する時短遊技状態)においては普通図柄表示器での普通図柄の変動表示に同期させて行われるようになっている。
なお、本実施形態では、演出表示装置7の表示画面の下縁部に演出保留表示領域7Bが設けられている。この演出保留表示領域7Bは、通常の遊技状態(非時短遊技状態)には第1特図の作動保留数に応じた作動保留数が表示され、有利な遊技状態(時短遊技状態)には普通図柄の作動保留数に応じた作動保留数が表示される。
また、パチンコ遊技機1では、変動演出の結果(演出図柄の停止表示)による特図当たり判定の結果の報知に加えて、その変動演出の結果を示唆したりその結果表示までの過程を盛り上げたりする演出等を行う。このような演出は、演出表示装置7に表示される画像、スピーカ8から出力される音、遊技盤2や前面枠18のランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23c)の点灯等を複合的に用いて行われる。すなわち、パチンコ遊技機1に設けられる演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、演出を実行する演出実行手段として機能する。
なお、演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、パチンコ遊技機1に生じた異常状態を報知するための異常報知手段としても機能する。
[パチンコ遊技機1の主な電気的構成]
次に、図3及び図4を参照し、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60と、電源基板70と、払出制御基板73と、発射制御回路75と、音声制御基板78と、ランプ制御基板79と、貸球払出装置80と、発射装置90と、サブ制御基板100と、画像制御基板200とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図当たり種別乱数、普図変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入球の検出、特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定、大当たり種別判定、小当たり種別判定等を含む)、普図当たり判定(図柄の種別判定を含む)、各種乱数の更新等を実行する(入球口への遊技球の入球を契機として判定を行う判定手段として機能する)。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、当否判定テーブルT1、大当たり種別判定テーブルT2,T3、小当たり種別判定テーブルT4、普図当たり種別判定テーブルT10等の各種のテーブルが記憶されている。RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。
また、RAM64には、第1特図保留記憶部64a(第1保留記憶手段)と、第2特図保留記憶部64b(第2保留記憶手段)と、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口10aに入球したことに起因して遊技制御用マイコン61(情報取得手段)が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入球情報または始動入賞情報と称する)が記憶される。例えば第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入球すると、その入球に基づく第1特図の変動表示の実行はその時点では待機状態とされる。この場合、当該入球を契機として取得された始動入球情報が第1特図保留記憶部64aに記憶され、その後に変動開始が可能となった時に、その始動入球情報に基づく第1特図の変動表示が開始される。すなわち、第1始動口10aへの入球を契機として始動入球情報が取得されたタイミングで特図変動表示を開始できない場合、その始動入球情報に基づく第1特図の変動表示の実行は、変動開始条件(始動条件)が成立するまで保留(作動保留)される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口12aに入球したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入球情報)が記憶される。例えば第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入球すると、その入球に基づく第2特図の変動表示の実行はその時点では待機状態とされる。この場合、当該入球を契機として取得された始動入球情報が第2特図保留記憶部64bに記憶され、その後に変動開始が可能となった時に、その始動入球情報に基づく第2特図の変動表示が開始される。すなわち、第2始動口12aへの入球を契機として始動入球情報が取得されたタイミングで特図変動表示を開始できない場合、その始動入球情報に基づく第2特図の変動表示の実行は、変動開始条件(始動条件)が成立するまで保留(作動保留)される。
大当たり乱数等の始動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため例えば、第1特図保留記憶部64aにおいて始動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も古い情報である。また例えば、第2特図保留記憶部64bにおいて始動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている始動入球情報は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示の開始タイミングが到来した際(変動表示の始動条件が成立した際)に実行される。
なお、パチンコ遊技機1では、前述したように第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される。つまり、第1特図保留数と第2特図保留数とが何れも複数存在する場合、先ず第2特図保留数が順に消化され、次に第1特図保留数が順に消化される。例えば、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域と、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域とに始動入球情報が記憶されている状態で、特図の変動表示の開始タイミングが到来した場合は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が実行エリア(実行対象領域)にシフトし、この始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。一方でこの時、第1特図保留記憶部64aでは第1記憶領域の始動入球情報はシフトされず、その後に第2特図保留数が0の状態での特図の変動表示の開始タイミング到来時になると実行エリア(実行対象領域)にシフトして、この始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。
普図保留記憶部64cは、遊技球がゲート13を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)等の作動入球情報が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート13を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。普通当たり乱数等の作動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に普図保留記憶部64cの第1記憶領域から順番に記憶される。このため、作動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も古い情報である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。すなわち、RAMクリアスイッチ66は、パチンコ遊技機1の後側から押下可能となっている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120を初期化する。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。更に、主制御基板60には、中継基板74を介して、第1始動口センサ10bと、一般入賞口センサ11bと、第2始動口センサ12cと、第1大入賞口センサ14cと、第2大入賞口センサ15cと、ゲートセンサ13aと、特定領域センサ55aとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ10bは、第1始動口10aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ11bは、一般入賞口11aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に入球した(通過している)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。遊技球が前述の各センサ10b,11b,12c,14c,15c,13aのうちゲートセンサ13a以外のセンサによって検出されると、センサ毎に予め定めた個数の賞球の払出条件がそれぞれ成立する。
ここで、本実施形態では、第1始動口センサ10bによる1回の検出(第1始動口10aへの入球1個)に対する賞球が「3個」と定められており、第2始動口センサ12cによる1回の検出(第2始動口12aへの入球1個)に対する賞球が「1個」と定められており、第1大入賞口センサ14cによる1回の検出(第1大入賞口14aへの入球1個)に対する賞球が「10個」と定められており、第2大入賞口センサ15cによる1回の検出(第2大入賞口15aへの入球1個)に対する賞球が「1個」と定められており、一般入賞口センサ11bによる1回の検出(一般入賞口11aへの入球1個)に対する賞球が「10個」と定められている。
また、特定領域センサ55aは、第2大入賞装置15内部の特定領域を通過する遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。
また、主制御基板60には、中継基板74を介して、普電ソレノイド12dと、第1特電ソレノイド14dと、第2特電ソレノイド15dとが電気的に接続されている。普電ソレノイド12dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、普通作動部材12bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。第1特電ソレノイド14dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、第1特別作動部材14bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。第2特電ソレノイド15dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、第2特別作動部材15bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。
主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400(賞球付与手段)とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて、打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100(図4参照)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101(演出制御手段)は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123と、普図保留演出記憶部125とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第1始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入球したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した始動入球情報(大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数等の値)を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第2始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入球したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した始動入球情報(大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数等の値)を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
普図保留演出記憶部125は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される作動入球コマンドが示す作動入球情報(乱数値等)を記憶する。作動入球コマンドは、遊技球がゲート13を通過(入球)したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した作動入球情報(普図当たり乱数、普図当たり種別乱数、普図変動パターン乱数等の値)を含むコマンドである。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現在(現時点)の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときには、その電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときや、RAM120の記憶内容がクリアされたときでも、現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。パチンコ遊技機1では、RTC124による計時の結果に基づいて特別な演出を実行することが可能となっている。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ5c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23cおよび可動体モータ23dが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて、トップランプ23c内の回転リフレクタの動作態様を決める回転動作パターンデータを作成し、その回転動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した回転動作パターンデータに従って可動体モータ23dの駆動制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ5aと、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ5bと、演出レバー振動モータ6cとが電気的に接続されている。
演出ボタン検出スイッチ5aは、演出ボタン5が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。また、演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。更に、演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。これに対し、演出制御用マイコン101は、演出の一種であるボタン演出の期間中、演出ボタン検出スイッチ5aから入力した信号に基づいて、ボタン演出の演出内容に変化を付与する。また、演出制御用マイコン101は、演出の一種であるレバー演出(遊技者に押込操作や回転操作を促すレバー演出)の期間中、演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、レバー演出の演出内容に変化を付与する。
演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させる部材であり、演出ボタン5の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ5bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン5を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ5bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
(大当たり遊技状態、小当たり状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1は、従来において1種パチンコ機および2種パチンコ機と呼ばれていた各遊技機の遊技性を組み合わせた、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。ここで、1種パチンコ機の遊技性とは、始動口への入球を契機とする特図当たり判定の大当たり判定(大当たり抽選)で当選となった場合に大当たり遊技状態を生じさせるものであり、2種パチンコ機の遊技性は、始動口への入球を契機とする特図当たり判定の小当たり判定(小当たり抽選)で当選となった場合に大入賞口を開放し、その開放中に入球した遊技球が当該大入賞口内部の特定領域を通過したことを契機として大当たり遊技状態へと発展させるものである。1種2種混合機である本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への入球を契機とする特図当たり判定において大当りに当選した場合に大当たり遊技状態(以下「1種大当たり状態」ということがある)を生じさせる。また、始動口への入球を契機とする特図当たり判定において、大当たり判定がハズレかつ小当たり判定が当たりの結果となった場合(小当たりに当選した場合)には、大入賞口を開放する小当たり状態を生じさせ、この小当たり状態中に大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球した場合に限り、大当たり遊技状態(以下「2種大当たり状態」ということがある)へと発展させる。なお、2種大当たり状態は一般に、小当たり状態とその後のV当たり状態とによって構成される大当たり遊技状態である。これに対し、V当たり状態のみを大当り遊技状態と捉えることも可能である。
本実施形態では、特図当たり判定による大当たりの判定結果に基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態)の他、小当たり状態やV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)が生起する可能性がある。1種大当たり状態やV当たり状態では、第1大入賞口14aへの遊技球の入球を狙うことができる一方、小当たり状態では第2大入賞口15aの何れかへの遊技球の入球を狙うことができる。そして、小当たり状態中に第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域を通過した場合に、第1大入賞口14aを開放するV当たり状態を生起させる(2種大当たり状態へと発展させる)ようになっている。
大当たり遊技状態は、オープニング期間、複数回のラウンド(遊技球の入球を狙うことのできる入球可能期間)が生じる連続作動期間、エンディング期間の順に状態が変化する。ラウンド中は、第1特電ソレノイド14dを駆動することにより第1特別作動部材14bを作動させて、第1大入賞口14aを開放する。ここで、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり状態)を除いた大当たり遊技状態の各ラウンドは、第1大入賞口14aに入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するかの何れか早い方のラウンド終了条件が成立することに応じて終了する。なお、大当たり遊技状態では、ラウンドとラウンドの間にインターバル時間(ラウンドインターバル)が設定されており、少なくともこのインターバル時間には第1大入賞口14aが閉鎖状態を維持するように設定(第1特電ソレノイド14dが非作動に制御)される。第1大入賞口14aへの入球1個に対する賞球が10個と定められているので、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)中、第1大入賞口14aへの入球に対する賞球によって遊技者の持ち球が大幅に増加する。
一方で、小当たり状態は、それ以外のラウンドよりも短い時間(例えば1.8秒)だけ第2大入賞口15aが開放する(入球可能期間とする)か、第2大入賞口15aに入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数(10球以下の所定個数)に達するかの何れか早い方のラウンド終了条件(基本的には開放時間の経過)が成立することに応じて終了する。なお、第2大入賞口15aへの入球1個に対する賞球は1個と定められているので、小当たり状態中、第2大入賞口15aへの入球に対する賞球によって遊技者の持ち球が増加することはない。
ここで、本実施形態では、全ての小当たり状態を、第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域を通過できる小当たり状態(有利小当たり状態)として生起する。これに対し、遊技球が特定領域を通過する有利小当たり状態と非特定領域を通過する(特定領域を通過しない)不利小当たり状態とを生起可能としてもよい。
(時短遊技状態、非時短遊技状態)
以下、一般的な時短遊技状態の各機能(特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の変動短縮機能、第2始動口12aの開放時間延長機能、第2始動口12aの開放回数増加機能)について説明する。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1は、以下に説明する機能のうち、特別図柄の変動時間短縮機能と、普通図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能とを有し、これらの機能を作動させることによって、非時短遊技状態(通常遊技状態、入球非容易状態)とは異なる時短遊技状態(入球容易状態)を生起させる。但し、後述するように、本実施形態では、非時短遊技状態から大当たり遊技状態に移行した後、再び非時短遊技状態に復帰するまでの間における時短遊技状態の生起回数(「連続生起回数」と称する)が予め定められた上限回数に達した場合に、大当たり遊技状態から時短遊技状態への移行を禁止して強制的に非時短遊技状態へと復帰させるようになっている(時短リミッタ機能を有する)。
普通図柄表示器53での表示(普通図柄)の確率変動機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。この普通図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して普図当たり判定の当たり確率が向上する。その結果、普通図柄の確率変動機能が作動する状態では、普通作動部材12bが作動して第2始動口12aが開放する頻度を高めることが可能である。
但し、本実施形態のパチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、普通図柄の確率変動機能を有しない。これに対し、当該機能を有することとしてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52での各表示(特別図柄)についての確率変動機能(特図当たり判定の当たり確率を向上させる機能)も備わっておらず、通常(低確率状態)よりも大当たり確率が高い遊技状態(所謂「確変遊技状態」)は存在しない。これに対し、特別図柄の確率変動機能を作動させる確変遊技状態を生起可能としてもよい。なおこの場合、確変遊技状態は時短遊技状態と同時に生起させてもよい。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態では、例えば特図変動表示の結果が導出される頻度を高めることができ、大当たり遊技状態等が生起するまでの遊技時間を短縮することが可能である。また、特図保留の消化ペースが早いことで始動口への有効な入球(特図保留)が発生し易くなるため、スムーズな遊技進行を実現可能である。
また、普通図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動時間が短くなる。本実施形態のパチンコ遊技機1は当該機能を有している。これに対し、普通図柄の変動時間短縮機能を有しないようにしてもよい。
更に、第2始動口12aについての開放時間延長機能及び開放回数増加機能の少なくとも何れかが作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。普通図柄が予め定めた普通図柄で停止表示(確定表示)された場合に、現在の遊技状態に応じた作動パターンにて第2始動口12aを開閉させる補助遊技が行われる。この補助遊技における第2始動口12aの開放時間が、開放時間延長機能によって非時短遊技状態の場合よりも長くなる。また、この補助遊技における第2始動口12aの開放回数が、開放回数増加機能によって非時短遊技状態の場合よりも多くなる。従って、開放時間延長機能や開放回数増加機能が作動する状況下では、第2始動口12aへの遊技球の入球頻度が高められる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。
このように、特別図柄や普通図柄についての変動時間短縮機能と、第2始動口12aについての開放時間延長機能及び開放回数増加機能とは、第2始動口12aへの遊技球の入球頻度を高めるためのサポート機能である。これらのうち特に、普通作動部材12bの動作(普電ソレノイド12dの駆動)に関する開放時間延長機能及び開放回数増加機能について、その少なくとも1つの機能を作動させる制御のことを、「電サポ制御」ということがある。
本実施形態のパチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、上記機能のうち、特別図柄の変動時間短縮機能と、普通図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能とを作動可能であり、遊技状態として、これら3つの機能が共に作動しない非時短遊技状態と、これら3つの機能が共に作動する時短遊技状態とを生起させ得るようになっている(複数種類の状態を生起させる生起手段として機能する)。但し、時短遊技状態は、少なくとも1つの機能を作動させる状態であればよく、例えば、上記3つの機能に加えてまたは少なくとも1つの機能に替えて、普通図柄の確率変動機能を作動する遊技状態としてもよい。
なお、本実施形態における「時短遊技状態」は、(開放時間延長機能による)電サポ制御がなされる状態であり、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、「高ベース状態(有利遊技状態)」と言い換えることができる。一方で「非時短遊技状態」は、前述した高ベース状態に対して「低ベース状態(通常遊技状態)」と言い換えることができる。
ここで、パチンコ遊技機1における時短遊技状態の付与条件としては例えば、予め定められた大当たり図柄(特別図柄)を決定したことに基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態)が終了すること、予め定められた小当たり図柄(特別図柄)を決定した場合の小当たり状態で遊技球が特定領域を通過したことに基づく大当たり遊技状態(2種大当たり状態)が終了すること、予め定められた時短図柄(特別図柄)を決定した際の特図当たり判定の結果に基づく特図変動表示が終了すること、等を設定することができる。本実施形態では、大当たり図柄や小当たり状態の決定に基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態、2種大当たり状態)の終了後に時短遊技状態が付与されることがある他、時短図柄の決定に基づいて時短遊技状態が付与されることがある。
また、パチンコ遊技機1における時短遊技状態の終了条件としては例えば、予め定められた回数の特図変動表示が実行されること、予め定められた回数の普図変動表示が実行されること、予め定められた回数の特図変動表示(または予め定められた回数の普図変動表示)が実行されるまでの間に大当たりが決定されて対応する特図変動表示が終了(大当たり遊技状態が開始)すること、予め定められた回数の特図変動表示(または予め定められた回数の普図変動表示)が実行されるまでの間に予め定められた回数目の小当たりが決定されて対応する特図変動表示が終了(小当たり状態が開始)すること、予め定められた回数の特図変動表示(普図変動表示)が実行されるまでの間に予め定められた小当たり図柄(特別図柄)が決定されて対応する特図変動表示が終了(小当たり状態が開始)すること、等を設定することができる。本実施形態では、予め定められた回数の特図変動表示が実行されることに応じて時短遊技状態が終了することがある他、予め定められた回数の普図変動表示が実行されることに応じて時短遊技状態が終了することがある。
[主な判定テーブル]
次に、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン61が参照する主な判定テーブルについて説明する。
(当否判定テーブルT1)
図5に示す当否判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)を実行する際に参照するテーブルである。当否判定テーブルT1は、特図当たり判定の種類(第1特図・第2特図のどちらに対応するか)と、大当たり乱数値とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生させる値である。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数値が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の値をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数値を発生させ得る。
当否判定テーブルT1には、第1特図の特図当たり判定用の大当たり乱数値(0~65535)が、大当たり・ハズレの各判定結果に割り振られている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数値が0~327の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~327以外(328~65535)であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
また、当否判定テーブルT1には、第2特図の特図当たり判定用の大当たり乱数値(0~65535)が、大当たり・小当たりの各判定結果に割り振られている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数値が0~327の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~327以外(328~65535)であった場合は、小当たりと判定する。つまり、大当たりではない値(ハズレ)の全てが、小当たりに割り振られている。すなわち、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、大当たりではないと判定された場合、第2特図の判定では小当たりと判定されることがあり、その当選確率は大当たりに比べて高い。また、本実施形態では、第1特図の当たり判定で小当たりと判定されることがないため、第2特図の判定では、第1特図の当たり判定に比して小当たりと判定される確率が非常に高い。
(大当たり種別判定テーブルT2,T3)
図6(a)および図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2,T3は、特図当たり判定において、大当たり判定で大当たりと判定され、その大当たりの種別判定を遊技制御用マイコン61が実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生させる値である。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数値が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数値を発生させ得る。
ここで、特別図柄のうち第1特図として、大当たりしたこと(大当たり遊技状態が生起すること)を示す2種類の大当たり図柄1-1,1-2と、大当たりや小当たりではないことを示す少なくとも1種類のハズレ図柄とが設定されている。なお、第1特図については、小当たりしたこと(小当たり状態が生起すること)を示す小当たり図柄は設定されていない。第1特図の特図当たり判定で大当たりと判定した場合は、図6(a)に示す大当たり種別判定テーブルT2に基づいて、大当たり図柄(大当たり種別)が決定され、この大当たり図柄の決定により、大当たり遊技状態の種類やその後の遊技状態の種類が決定される。なお、各大当たり遊技状態では、各ラウンドでの第1大入賞口14aの開放時間の上限が30秒に設定されている。
第1特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果で、第1特図の大当たり種別を決定する際、大当たり種別乱数値が0~49の範囲内の値であれば(50パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-1」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短1とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短1)は、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が50回実行されることに応じて終了する。
一方で、第1特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果で、第1特図の大当たり種別を決定する際、大当たり種別乱数値が50~99の範囲内の値であれば(50パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-2」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短2とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短2)は、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
また、特別図柄のうち第2特図としては、大当たりしたこと(大当たり遊技状態が生起すること)を示す1種類の大当たり図柄2-1と、小当たりしたこと(小当たり状態が生起すること)を示す2種類の小当たり図柄a,bとが設定されている。なお、第2特図については、大当たりや小当たりではないハズレを示すハズレ図柄は設定されていない。すなわち、第2特図については第1特図と異なり、小当たり図柄が設定されていると共に、ハズレ図柄が設定されていない。
第2特図の特図当たり判定で大当たりと判定した場合は、図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2に基づいて、大当たり図柄(大当たり種別)が決定され、この大当たり図柄の決定により、大当たり遊技状態の種類やその後の遊技状態の種類が決定される。なお、大当たり遊技状態では、各ラウンドでの第1大入賞口14aの開放時間の上限が30秒に設定されている。本実施形態では、第2特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果である場合に、大当たり種別乱数値が0~99の範囲内のどの値でも(100パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄2-1」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短2とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短2)は、前述の通り、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
(小当たり種別判定テーブル)
図7に示す小当たり種別判定テーブルT4は、第2特図用の特図当たり判定において、小当たり判定が小当たりと判定され、その小当たりの種別判定を遊技制御用マイコン61が実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT4は、小当たり種別(小当たり図柄種別)毎に所定個数の小当たり種別乱数値を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する値である。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数値を発生させる。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の小当たり種別乱数値を発生させ得る。本実施形態では前述のように、小当たり図柄として「小当たり図柄a」及び「小当たり図柄b」の2種類が設定されている。
本実施形態では、遊技制御用マイコン61による小当たり種別(小当たり図柄)の決定により、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)のラウンド数が異なっている。具体的には、時短遊技状態中の特図当たり判定(小当たり判定)で小当たりの判定結果となり、かつ特別図柄が小当たり図柄aに決定された場合には、大当たり遊技状態(2種大当たり状態)として3ラウンド大当たりが設定されている。一方で、時短遊技状態中の特図当たり判定(小当たり判定)で小当たりの判定結果となり、かつ特別図柄が小当たり図柄bに決定された場合には、大当たり遊技状態(2種大当たり状態)として10ラウンド大当たりが設定されている。
なお、小当たり状態では、小当たり図柄の種類に関わらず、第2大入賞口15aが所定時間(1.8秒)開放されて、第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域に誘導される。遊技球が特定領域を通過すると、これを契機に小当たり状態から2種大当たり状態(大当たり遊技状態)に発展(V当たり状態に移行)する。この2種大当たり状態の各ラウンド(2ラウンド以降のV当たり状態)では、第1大入賞口14aが開放する。この開放時間の上限は、1種大当たり状態と同様に30秒に設定されている。
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかに関わらず、第2特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出された場合、小当たり種別乱数値が0~49の範囲内であれば(50パーセント)、小当たり図柄として小当たり図柄aが決定される。また、小当たり種別乱数値が50~99の範囲内であれば(50パーセント)、小当たり図柄として小当たり図柄bが決定される。
小当たり状態から大当たり遊技状態(V当たり状態)へと発展(移行)した場合に、その大当たり遊技状態(V当たり状態)の終了後に時短2が生起するが、この時短2の終了条件は前述の通りである。すなわち、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
(普通図柄当否判定テーブル)
図8に示す普通図柄当否判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン61が普図当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。普通図柄当否判定テーブルT9は、普図当たり乱数値と普図当たり判定の判定結果とを対応付けて構成されている。普図当たり乱数値は、普図当たり乱数カウンタが発生させる値である。普図当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図当たり乱数カウンタが動作して普図当たり乱数値が発生する。普図当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の普図当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の値をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の普図当たり乱数値を発生させ得る。
普通図柄当否判定テーブルT9には、普図当たり判定用の当たり乱数値として、0~891の値が設定されている。遊技制御用マイコン61は、普図当たり乱数カウンタから取得した普図当たり乱数値が0~891の範囲内の値であった場合は普図当たりと判定し、892~65535の範囲内の値であった場合は、普図当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
(普図当たり種別判定テーブル)
図9に示す普図当たり種別判定テーブルT10は、遊技制御用マイコン61が普通作動部材12bの作動パターンを決定する際に参照するテーブルである。普図当たり種別判定テーブルT10には、普通図柄の当たり図柄毎に普図当たり種別乱数値が振り分けられ、各当たり図柄には、その判定時における遊技状態(非時短遊技状態、時短1、時短2)との関係で、普通作動部材12bの作動パターン(普図作動パターン)が対応付けられている。なお、普通作動部材12bの作動パターンは、第2始動口12aの開放時間(普通作動部材12bの作動時間)の情報を含んでいる。
普図当たり種別乱数値は、普図当たり種別乱数カウンタが発生する値である。普図当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図当たり種別乱数カウンタが動作して普図当たり種別乱数値を発生させる。普図当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において普図当たり種別乱数カウンタは、0~232の計233個の値をカウントする。つまり、0~232の計233個の普図当たり種別乱数値を発生させ得る。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通作動部材12bの作動パターンとして、第1作動パターンFS1及び第2作動パターンFS2の2種類が設定されている。このうち第1作動パターンFS1は、普電ソレノイド12dを0.07秒(70ms)だけ励磁状態とする(普通作動部材12bを作動して第2始動口12aを開放する)作動パターンである。この場合に、入球許容姿勢となった普通作動部材12bの上に遊技球が乗ったとしても、直ちに入球阻止姿勢に復帰するため第2始動口12aには達しない。これに対し、第2作動パターンFS2は、普電ソレノイド12dを2.7秒(2700ms)にわたって励磁状態とする作動パターンである。従って、入球許容姿勢となった普通作動部材12bの上に乗った遊技球が第2始動口12aまで転動して入球する可能性がある。
図9に示すように、普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合に、普図当たり種別乱数値が0~154の範囲内の値であれば、普通図柄の当たり図柄として図柄hz1が決定され、普図当たり種別乱数値が155~232の範囲内の値であれば、普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定される。その普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1及び図柄hz2の何れであっても、普通作動部材12bの作動パターンとして、第1作動パターンFS1が決定される。これに対し、普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が時短1である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1であれば普通作動部材12bの作動パターンとして第1作動パターンFS1が決定され、図柄hz2であれば普通作動部材12bの作動パターンとして第2作動パターンFS2が決定される。一方、普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が時短2である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1及び図柄hz2の何れであっても、普通作動部材12bの作動パターンとして、第2作動パターンFS2が決定される。
以上のように、遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態と時短1と時短2とで異なる決定確率により普通作動部材12bの複数種類の作動パターンを決定する。ここで、遊技制御用マイコン61が時短遊技状態(時短1及び時短2)において非時短遊技状態よりも高い確率で第2始動口12aの開放時間が長い作動パターン(第2作動パターンFS2)を決定するように制御することが、前述した(開放時間延長機能による)電サポ制御に相当する。
また、遊技制御用マイコン61は、時短2において時短1よりも高い確率で第2始動口12aの開放時間が長い作動パターン(第2作動パターンFS2)を決定する。
(普図変動パターン選択テーブルT11)
図10に示す普図変動パターン選択テーブルT11は、遊技制御用マイコン61が普通図柄の変動表示に関する変動パターン(普図の変動時間)を決定する際に参照するテーブルである。
普図変動パターン乱数値は、普図変動パターン乱数カウンタが発生する値である。普図変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図変動パターン乱数カウンタが動作して普図変動パターン乱数値を発生させる。普図変動パターン乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において普図変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の普図変動パターン乱数値を発生させ得る。
遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態中の普図当たり判定が当たりの判定結果となり、普図変動パターン乱数値が0~49の範囲内である場合には、変動時間が111秒(111000ms)の普図変動パターンFP1を決定し、50~99の範囲内である場合には、変動時間が92秒(92000ms)の普図変動パターンFP2を決定する。また、遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態中の普図当たり判定がハズレの判定結果となり、普図変動パターン乱数値が0~49の範囲内である場合には、変動時間が111秒(111000ms)の普図変動パターンFP3を決定し、50~99の範囲内である場合には、変動時間が92秒(92000ms)の普図変動パターンFP4を決定する。
これに対し、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態中の普図当たり判定が当たりの判定結果となり、普図変動パターン乱数値が0~49の範囲内である場合には、変動時間が3秒(3000ms)の普図変動パターンFP5を決定し、50~99の範囲内である場合には、変動時間が1秒(1000ms)の普図変動パターンFP6を決定する。また、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態中の普図当たり判定がハズレの判定結果となり、普図変動パターン乱数値が0~49の範囲内である場合には、変動時間が3秒(3000ms)の普図変動パターンFP7を決定し、50~99の範囲内である場合には、変動時間が1秒(1000ms)の普図変動パターンFP8を決定する。
すなわち、非時短遊技状態中に選択され得る普図変動パターンは長時間となっており、時短遊技状態中に選択され得る普図変動パターンは短時間となっている。ここで、時短遊技状態中に選択され得る普図当たりの普図変動パターンとして、ゲート13を通過した遊技球が普通作動部材12bの高さ位置(補助姿勢の時に球転動路Rが形成される領域)に到達する直前のタイミングで普通作動部材12bを通常姿勢から補助姿勢に変化させる普図変動パターンFP6と、ゲート13を通過した遊技球が普通作動部材12bの高さ位置(補助姿勢の時に球転動路Rが形成される領域)を通過した後のタイミングで普通作動部材12bを通常姿勢から補助姿勢に変化させる普図変動パターンFP5とが設けられている。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図11を参照し、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、小当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普図当たり乱数値、普図当たり種別乱数値及び普図変動パターン乱数値を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4ms周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4ms周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図12を参照し、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14c、第2大入賞口センサ15c、特定領域センサ55a、一般入賞口センサ11b等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図11のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄関連処理(S18)を順に実行し、次にその他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S19)は、パチンコ遊技機1に異常状態が生じているかを判定する異常判定処理等である。例えば異常判定処理としては、不正入球を検出する不正入球検出処理、不正な磁気を検出する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検出する扉開放処理、不正な電波を検出する電波検出処理、衝撃(振動)を検出する衝撃検出処理等がある。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4ms後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(図柄用センサ検出処理)
次に、図13を参照し、図柄用センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート13を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート13を通過したことはゲートセンサ13aによって検出される。遊技球がゲート13を通過したと判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための普図当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S31の終了後、又は遊技球がゲート13を通過していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口12aに入球したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口12aに入球したことは第2始動口センサ12cによって検出される。遊技球が第2始動口12aに入球していない場合(S32:No)、S38に進むが、遊技球が第2始動口12aに入球したと判定した場合(S32:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合(S33:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入球したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口10aに入球したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口10aに入球したことは第1始動口センサ10bによって検出される。遊技球が第1始動口10aに入球していない場合(S38:No)、センサ検出処理を終了するが、第1始動口10aに入球したと判定した場合(S38:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:Yes)、センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入球したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
(普通動作処理)
次に、図14及び図15を参照し、普通動作処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、補助遊技中(普通作動部材12bの作動中)であるか否かを判定し(S50)、補助遊技中ではないと判定した場合は(S50:No)普通図柄の停止表示(確定表示)中か否かを判定する(S51)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の停止表示中ではないと判定した場合は(S51:No)、普通図柄の変動表示中か否かを判定し(S52)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合は(S52:No)、普通図柄の保留数Vが「0」であるか否かを判定する(S53)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の保留数Vが「0」であると判定した場合は(S53:Yes)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S53において普通図柄の保留数Vが「0」ではないと判定した場合は(S53:No)、普図当たり判定処理を行う(S54-1)。この普図当たり判定処理(S54-1)では、取得した普図当たり乱数値と普通図柄当否判定テーブルT9との関係に基づいて普図当たり判定を行い、普図当たりか否か判定する。そして、この普図当たり判定が当たりの判定結果の場合、普図当たり種別乱数値と普図当たり種別判定テーブルT10との関係に基づいて普図決定処理(普図当たり種別決定処理を含む)を行い、普図当たり判定の結果(決定した普通図柄)に応じた普図停止図柄データをRAM64の所定の記憶領域にセットする(S54-2)。つまり、普図決定処理(S54-2)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば、当たりの普通当たり図柄(普通図柄hz1または普通図柄hz2)を決定し、その決定した普通図柄に応じたデータをセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、取得した普図変動パターン乱数値と普図変動パターン選択テーブルT11との関係に基づいて、普図変動時間(普図変動パターン)決定処理を行う(S54-3)。普図変動時間決定処理(S54-3)では、遊技状態が非時短遊技状態及び時短遊技状態のどちらであるかと、普図当たり判定が当たりの判定結果となったか否かと、普図変動パターン乱数値の値との関係により、普図変動時間(普通図柄変動パターン)を選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄保留数Vを1減算し(S54-4)、普図保留記憶部64cにおける各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部64cにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S54-5)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン61は、S54-3において選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S54-6)。なお、これに伴い、サブ制御基板100に普通図柄の変動開始と、その変動表示の結果(停止表示する普通図柄の種類)とを知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。この普図変動開始コマンドには、S54-1、S54-2及びS54-3において決定した普図当たり判定の当否、停止図柄及び普図変動時間が含まれている。
また、遊技制御用マイコン61は、S52において、普通図柄の変動表示中であると判定した場合は(S52:Yes)、普通図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S55-1)、終了していないと判定した場合は(S55-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了したと判定した場合は(S55-1:Yes)、普通図柄の変動表示を、普図当たり判定や普図当たり種別判定の結果に応じた表示結果(普通当たり図柄または普通ハズレ図柄)で停止させる(S55-2)。そして、サブ制御基板100に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンド(普図用の変動停止コマンド)をセットするとともに(S55-3)、普通図柄の停止時間をセットし(S55-4)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S51において、普通図柄の停止表示中であると判定した場合は(S51:Yes)、S56において普通図柄の停止時間が終了したか否か判定し、終了していないと判定した場合は(S56:No)、普通動作処理を終える。一方、終了していると判定した場合は(S56:Yes)、普図条件確認処理を実行する(S57)。この普図条件確認処理は、時短遊技状態中における普図変動表示の終了タイミングで実行される処理であり、時短遊技状態中の普図変動表示の実行回数をカウントし、普図変動回数による時短遊技状態の終了条件が成立したか否かを確認する処理である。
ここで一旦、図15を参照し、普図条件確認処理(図14のS57)について説明する。遊技制御用マイコン61は、先ず、時短フラグがONであるか否かを判定し(S57-1)、時短フラグがOFF、すなわち非時短遊技状態である場合は(S57-1:No)、普通条件確認処理を終了する。これに対し、時短フラグがON、すなわち時短遊技状態中である場合は(S57-1:Yes)、大当たり遊技状態の終了時の遊技状態管理処理(図19、後述)で設定された普図変動数カウンタの値を1減算する(S57-2)。続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動数カウンタの値が0になったか否か、すなわち普図変動回数による時短遊技状態の終了条件が成立したか否かを判定する(S57-3)。そして、普図変動数カウンタの値が0と判定した場合には(S57-3:Yes)、時短フラグをOFFとし(S57-4)、S57-5に移行する。これに対し、普図変動数カウンタの値が1以上と判定した場合は(S57-3:No)、時短フラグをONに維持したまま、S57-5に移行する。
そして、遊技制御用マイコン61は、S57-5において、現在の遊技状態(非時短遊技状態、時短1または時短2)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、普図条件確認処理を終了する。
なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短遊技状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり状態、の何れかを含んでいる。S57-5(普通図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは基本的に、非時短遊技状態、時短1または時短2の何れかの遊技状態の情報を含むコマンドである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。
図14に戻り、遊技制御用マイコン61は、普図条件確認処理(S57)の終了後、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否か、つまり、当たりか否かを判定し(S58-1)、当たりではないと判定した場合は(S58-1:No)、普通動作処理を終える。一方、当たりと判定した場合は(S58-1:Yes)、時短遊技状態であるか否かを判定し(S58-2)、時短遊技状態であると判定した場合は(S58-2:Yes)、普通作動パターン決定処理(時短)を実行する(S58-3)。これに対し、当たりと判定し(S58-1:Yes)かつ非時短遊技状態であると判定した場合は(S58-2:No)、普通作動パターン決定処理(非時短)を実行する(S58-4)。
ここで、S58-3の普通作動パターン決定処理(時短)では、遊技制御用マイコン61は、普通作動部材12bの普通作動パターンを、前述した普図当たり種別判定テーブルT10(図9)における「時短1」及び「時短2」のうち現在の時短遊技状態に対応する側の項目に基づいて決定する。そして、続くS58-5において作動パターンをセットし、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を開始させる。これにより、普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合、時短1中であれば第2始動口12aが0.07秒(70ms)または2.7秒(2700ms)開放され、時短2中であれば第2始動口12aが2.7秒(2700ms)開放される。そして、普通動作処理を終了する。
これに対し、S58-4の普通作動パターン決定処理(非時短)では、普通作動部材12bの普通作動パターンを、前述した普図当たり種別判定テーブルT10(図9)における「非時短」の項目に基づいて決定する。そして、続くS58-5において作動パターンをセットし、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を開始させる。これにより、非時短遊技状態中に普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合、第2始動口12aが0.07秒(70ms)開放される。そして、普通動作処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS50において補助遊技中(普通作動部材12bの作動中)であると判定した場合は(S50:Yes)、補助遊技の終了条件(普通作動部材12bの作動終了条件)が満足されたか否かを判定する(S59-1)。ここで、作動終了条件とは、S58-3またはS58-4においてセットされた作動パターン毎の作動時間が終了したという作動時間終了条件、あるいは、第2始動口12aへの入球数が規定の入球数に達したという規定入球数条件である。
遊技制御用マイコン61は、作動終了条件が満足されていないと判定した場合は(S59-1:No)、普通動作処理を終える。一方、満足されたと判定した場合は(S59-1:Yes)、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を終了させ(S59-2)、普通動作処理を終了する。
(特別図柄待機処理)
次に、図16を参照し、特別図柄待機処理(S17)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間および停止時間の何れかを計測中であるか否かを判定し(S60)、計測中であれば(S60:Yes)、特別図柄待機処理を終了する。一方で、特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していなければ(S60:No)、S61に進む。遊技制御用マイコン61は、S61において、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」ではないと判定した場合(S61:No)、すなわち、第2特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図当たり判定処理(S62)を実行し、その後に、第2特図の変動表示の特図変動パターンを決定するための第2特図変動パターン選択処理(S63)を実行する。なお、第2特図変動パターン選択処理(S63)では、後述する時短フラグがONであるか否か(時短遊技状態であるか否か)や、大当たりフラグがONであるか否か(大当たりに当選したか否か)や、小当たりフラグがONであるか否か(小当たりに当選したか否か)に基づいて、特図変動パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、特図変動パターンを決定する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S64)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S65)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S66)。この第2特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第2特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。S66の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS61において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S61:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S67)。「0」ではないと判定した場合(S67:No)、すなわち、第1特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図当たり判定処理(S68)を実行し、その後に、第1特図の変動表示の特図変動パターンを決定するための第1特図変動パターン選択処理(S69)を実行する。なお、第1特図変動パターン選択処理(S69)では、後述する時短フラグがONであるか否か(時短遊技状態であるか否か)や、大当たりフラグがONであるか否か(大当たりに当選したか否か)や、小当たりフラグがONであるか否か(小当たりに当選したか否か)に基づいて、特図変動パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、特図変動パターンを決定する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S70)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S71)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S72)。この第1特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第1特別図柄表示器51において第1特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第1特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。S72の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S67:Yes)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S73)。待機状態は、大当たり遊技状態中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の停止表示(確定表示)後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起する状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S73:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S73:No)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S74)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間を計測し、この待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S61:Yes)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(特図当たり判定処理)
次に、図17を参照し、第2特図当たり判定処理(S61)及び第1特図当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図当たり判定処理と第1特図当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、当否判定テーブル(この例では当否判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、当否判定テーブルT1の大当たりに対応する乱数値(判定値)の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数値と同じ乱数値が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
大当たりと判定した場合(S82:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S83)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2,T3)を参照し、大当たりの種別を判定する(S84)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短遊技状態中の特図変動表示の上限回数についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S84で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、当否判定テーブルT1の小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S85)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりと判定した場合(S85:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S86)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブルT4を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域の通過による大当たり遊技状態の有無、時短遊技状態の継続、時短遊技状態の終了等についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、小当たりと判定しなかった場合(S85:No)、すなわちハズレと判定した場合には、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
(特別図柄関連処理)
次に、図18を参照し、特別図柄関連処理(S18)について説明する。
遊技制御用マイコン61は先ず、特別図柄(第1特図、第2特図)の変動時間(S98でセットした特図変動パターンに応じた時間)の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S110)。そして、変動時間の終了タイミングであると判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S88でセットした特図停止図柄データに応じた特別図柄の停止図柄を表示(特別図柄の変動表示を確定表示)する(S111-1)と共に、特図変動停止コマンド(特図用の変動停止コマンド)をRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111-2)。また、特別図柄の停止時間の計測を開始する(S111-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、S111-3の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS110において特別図柄の変動時間の終了タイミングではないと判定した場合(S110:No)、前述したS111-3において開始した特別図柄の停止時間の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S112)。停止時間の終了タイミングであると判定した場合(S112:Yes)、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114-1)、ONであると判定した場合(S114-1:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S114-2)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。
遊技制御用マイコン61は、前述したS112において特別図柄の停止時間の終了タイミングではないと判定した場合(S112:No)、遊技状態が大当たり遊技状態(1種大当たり状態またはV当たり状態)であるか否かを判定する(S115-1)。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、大当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、大当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS115-1において大当たり遊技状態であると判定した場合には(S115-1:Yes)、1種大当たり状態またはV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S115-2)。そして、S115-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS115-1において大当たり遊技状態ではないと判定した場合(S115-1:No)、前述したS115-2を経由することなくS116-1に進み、遊技状態が小当たり状態であるか否かを判定する。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、小当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、小当たり状態であると判定する。そしてこのS116-1において小当たり状態であると判定した場合には(S116-1:Yes)、小当たり状態に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S116-2)。そして、S116-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(遊技状態管理処理)
次に、図19を参照し、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S113-1)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S113-1:No)、遊技制御用マイコン61は、後述するS113-7へと移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S113-1:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態中の特図変動表示(第1特図、第2特図)の変動回数を計数するための特図変動数カウンタの値を1減算する(S113-2)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S113-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S113-3:Yes)に、時短フラグをOFFにし(S113-4)、現在の遊技状態(非時短遊技状態)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S113-5)、遊技状態管理処理を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS113-3において1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S113-3:No)、時短フラグをOFFにすることなく、現在の遊技状態(時短1または時短2)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S113-5)、遊技状態管理処理を終了する。
なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短遊技状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり状態、の何れかを含んでいる。S113-5(特別図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは、非時短遊技状態、時短1、時短2、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)、小当たり状態の何れかである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。特図変動数カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、特図変動数カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短遊技状態が終了する。なお、本実施形態では、時短遊技状態の終了条件として、特図変動回数による終了条件の他に、普図変動回数による終了条件も設定されている。すなわち、時短遊技状態中、特図変動回数が終了条件となる回数(10回)に達するか、または普図変動回数が終了条件となる回数(50回または100回)に達した場合に、時短遊技状態が終了する。
(特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態))
次に、図20を参照し、1種大当たり状態またはV当たり状態に関する特別電動役物処理(S115-2)の内容について説明する。遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示中および停止表示中の何れでもなく、かつ大当たりフラグがONとなっている期間に、図20に示す特別電動役物処理を実行する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)において、大当たりオープニング設定(S117-1)、大当たりラウンド設定(S117-2)、大当たりエンディング設定(S117-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニング設定(S117-1)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)のオープニング期間(大当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(大当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりラウンド設定(S117-2)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のラウンド期間(ラウンド演出)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(ラウンド開始コマンド(開放コマンド)、ラウンド終了コマンド(閉鎖コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディング設定(S117-3)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のエンディング期間(大当たりエンディング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(エンディングコマンド、エンディング終了コマンド(大当たり終了コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
なお、遊技制御用マイコン61は、前述した大当たりオープニング設定や大当たりエンディング設定において、大当たりオープニングや大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。また、前述の大当たりラウンド設定において遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種類に応じた作動パターンで第1大入賞口14aを開閉させる。そして、ラウンド遊技中、第1大入賞口14aに上限個数の遊技球が入球するか、あるいは所定時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は第1大入賞口14aを閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種別毎に定められたラウンド回数分、第1大入賞口14aを開閉する。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合のラウンド遊技の終了後に、大当たりエンディング設定においてエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットし、出力する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の終了タイミング(大当たりエンディングの終了タイミング)であるか否かを判定する(S117-4)。そして、大当たり遊技状態の終了タイミングではないと判定した場合(S117-4:No)、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、S117-4において大当たり遊技状態の終了タイミングであると判定した場合(S117-4:Yes)、S117-5~S117-8の処理を実行する。ここで、遊技制御用マイコン61は、S117-5において大当たりフラグをOFFにし、続くS117-6において時短フラグをONにして、更にS117-7において、時短遊技状態中の特図変動回数を計数するための特図変動数カウンタの値を10に設定すると共に、時短遊技状態中の普図変動回数を計数するための普図変動数カウンタの値を50回(時短1の場合)または100回(時短2の場合)にセットする。そしてS117-8において、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。
そして、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)の終了により、特別図柄関連処理を終了する。
(特別電動役物処理(小当たり状態))
次に、図21を参照し、小当たり状態に関する特別電動役物処理(S116-2)について説明する。遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて第2大入賞口15aを開放させるために、図21に示す特別電動役物処理(小当たり)を実行する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり状態)は第2特図に関連して実行されるため、第2特図を前提として説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(小当たり状態)において、小当たりオープニング設定(S119-1)、小当たり開放設定(S119-2)等を実行する。
遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定(S119-1)において、小当たり状態のオープニング期間(小当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(小当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
また、遊技制御用マイコン61は、小当たり開放設定(S119-2)において、既に決定されている第2特別作動部材15bの作動開始タイミング(または小当たり状態の開始タイミング)や第2特別作動部材15bの作動終了タイミング(または小当たり状態の終了タイミング)に合わせて、第2特電ソレノイド15dを駆動制御する。また、決定した作動開始タイミング・作動終了タイミングを示すコマンド(開放コマンド、閉鎖コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域を通過したか否かを判定する(S119-4)。特定領域を遊技球が通過したことは、特定領域センサ55aによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S119-3:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S119-4)。そして次に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドとして、V当たり状態とすることを示す情報を含む遊技状態指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S119-5)。なお、この遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。これにより、パチンコ遊技機1では、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合も、特図当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように小当たり遊技状態を2種大当たり状態に発展させる(V当たり状態を開始させる)ための制御が実行可能となる。
S119-3が否定判定の場合(S119-3:No)またはS119-5の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-6に移行する。このS119-6において遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件は、第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは当選した小当たりに応じた開放パターンに定められた開放時間が経過することである。そして、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立したと判定した場合(S119-6:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S119-7)、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。一方、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S119-6:No)、S119-7を経由することなく、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。
以上のように、遊技制御用マイコン61は、第1始動口10aや第2始動口12aへの遊技球の入球を契機として、大当たり遊技状態や小当たり状態(第1大入賞口14aや第2大入賞口15aの入球可能期間)を生起させるか否かを決定可能な特図当たり判定(始動入球判定、当否判定)を実行する「判定手段(始動判定手段)」として機能している。そして、遊技制御用マイコン61は、(始動判定手段による)特図当たり判定(始動入球判定、当否判定)の結果に基づいて第1特別作動部材14bや第2特別作動部材15bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢に変化させるように第1特電ソレノイド14dや第2特電ソレノイド15dを制御する「駆動制御手段」として機能している。なお、遊技制御用マイコン61(始動判定手段)は、時短遊技状態(入球容易状態)中の第2始動口12a(可変始動口)への遊技球の入球を契機として実行する特図当たり判定が必ず大当たり遊技状態や小当たり状態(入球可能期間)を生起させる結果となるように設定されている。
また、遊技制御用マイコン61は、ゲート13(作動口)への遊技球の通過(入球)を契機として、始動口の一種であって遊技球の入球可否が変化する形態の第2始動口12a(可変始動口)を遊技球が入球可能な長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)とするか否かを決定可能な普図当たり判定(作動入球判定、当否判定)を実行する「判定手段(作動判定手段)」として機能している。そして、遊技制御用マイコン61は、(作動判定手段による)普図当たり判定(作動入球判定、当否判定)の結果に基づいて普通作動部材12b(作動部材)を通常姿勢から補助姿勢に変化させるように普電ソレノイド12d(駆動源)を制御する「駆動制御手段」として機能している。
また、遊技制御用マイコン61は、第2始動口12aにおける長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)が非時短遊技状態(通常遊技状態)よりも生じ易い時短遊技状態(入球容易状態)を生起する「生起手段」として機能している。なお、遊技制御用マイコン61(生起手段)は、時短遊技状態の終了条件としての普通図柄の変動表示回数が相違する複数種類の入球容易状態(時短1及び時短2)を生起可能である。また、遊技制御用マイコン61(生起手段)は、第2始動口12aにおける長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)が生起するように普通作動部材12bを作動させること(普通図柄の有利当たりへの当選)の決定確率が相違する複数種類の入球容易状態(時短1及び時短2)を生起可能である。
[演出制御用マイコン101の主な処理]
次に、演出制御用マイコン101(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(サブ側主制御処理)
先ず、図22を参照し、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S160)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S161)、否定判定した場合(S161:No)、RAM120を初期化し(S162)、S163に進む。また、S161において肯定判定した場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS163に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S161:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S161:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS160~S162は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S163)、乱数更新処理を実行する(S164)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S165)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S166)。以降、S163~S166を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S167)、1msタイマ割込処理(S168)及び10msタイマ割込処理(S169)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S167)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S168,S169)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図23を参照し、1msタイマ割込処理(S168)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1ms周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S170)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ5aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S171)。この出力処理では、後述する変動演出制御処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S183)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体モータ23dを駆動させるために、駆動データ(可動体モータ23dを駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体モータ23dを所定の動作パターンで駆動させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S184)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、S171において変動演出開始コマンド(特図変動開始コマンドまたは普図変動開始コマンド)を出力したか否かを判定する(S172)。変動演出開始コマンドは、遊技制御用マイコン61から変動開始コマンドを入力した際に、画像制御基板200に向けて出力するコマンドである。なお、非時短遊技状態中は、特図変動開始コマンドの入力に伴って特図変動演出開始コマンドを画像制御基板200に向けて出力し、時短遊技状態中は、普図変動開始コマンドの入力に伴って普図変動演出開始コマンドを画像制御基板200に向けて出力する。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S172:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S174)。S174の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図24を参照し、10msタイマ割込処理(S169)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10ms周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図25)を実行し(S180)、スイッチ状態取得処理を実行する(S181)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S170)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S182)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S183)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S184)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S185)、本処理を終了する。その他の処理(S185)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。また、その他の処理(S185)では、遊技者に対して右打ちを促す右打ち演出を行うための右打ち演出処理や、遊技制御用マイコン61からの各種のコマンドの受信(S180)に応じて特定される遊技の状況に合わせて演出モード(後述)を設定するための演出モード設定処理等を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図25を参照し、受信コマンド解析処理(S330)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S190-1)、受信したと判定した場合(S190-1:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S190-2)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、1種大当たり状態、小当たり状態、V当たり状態の何れであるか)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、現時点で設定されている遊技状態を特定し、その遊技状態を示す遊技状態フラグを「1」にセットし、それ以外の遊技状態フラグを「0」にセットする。また、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出終了処理(S196-2、特図変動停止コマンドの受信時)において計測を開始した(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの)停止時間の計測を終了する。
演出制御用マイコン101は、S190-2の処理の終了後、または、S190-1において遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S190-1:No)、S191-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S191-1)、受信したと判定した場合は(S191-1:Yes)、S191-2に進み、第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122に、S191-1で受信した始動入賞コマンドに含まれる始動入球情報を記憶する(記憶を更新する)。
演出制御用マイコン101は、S191-2の処理の終了後、または、S191-1において始動入賞コマンドを受信していないと判定した場合に(S191-1:No)、S192-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から作動入球コマンド(普図当たり判定の判定結果道の情報)を受信したか否かを判定し(S192-1)、受信したと判定した場合は(S192-1:Yes)、S192-2に進み、普図保留演出記憶部125に、S192-1で受信した作動入球コマンドに含まれる作動入球情報を記憶する(記憶を更新する)。
演出制御用マイコン101は、S192-2の処理の終了後、または、S192-1において作動入球コマンドを受信していないと判定した場合に(S192-1:No)、S193-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S193-1)、受信したと判定した場合は(S193-1:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S193-2)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のオープニングで実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S193-2の処理の終了後、または、S193-1においてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合に(S193-1:No)、S194-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S194-1)。この処理においてラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合は(S194-1:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S194-2)。ラウンド演出選択処理では、大当たり遊技状態の各ラウンドにおいて実行するラウンド演出の種類を選択すると共に、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S194-2の処理の終了後、または、S194-1においてラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S194-1:No)、S195-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S195-1)、受信したと判定した場合は(S195-1:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S195-2)。このエンディング演出選択処理では、エンディングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のエンディングで実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出パターンが対応付けて設定されたエンディング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出パターンを選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S195-2の処理の終了後、または、S195-1においてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合に(S195-1:No)、S196-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から(特図)変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S196-1)、受信したと判定した場合は(S196-1:Yes)、S196-2に進み、第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122における記憶内容を当該変動用演出記憶部123にシフトするなどの処理を行う。
演出制御用マイコン101は、S196-2の処理の終了後、または、S196-1において変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S196-1:No)、S197-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から普図変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S197-1)、受信したと判定した場合は(S197-1:Yes)、S197-2に進み、普図保留演出記憶部125における記憶内容をシフトするなどの処理を行う。
演出制御用マイコン101は、S197-2の処理の終了後、または、S197-1において普図変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S197-1:No)、S198へ進む。
ここで、演出制御用マイコン101は、S198において、演出表示装置7の表示画面で実行される変動演出に関する変動演出制御処理を実行する。そして、演出制御用マイコン101は、上記のコマンド以外のコマンド(特図変動停止コマンド等)の受信に関する処理を行って(S199)、受信コマンド解析処理を終える。
[普電入賞ユニットUの構成]
ここで、本願発明の特徴を有する普電入賞ユニットUの具体的な構成について、主に図26~図34等を参照しながら説明する。
普電入賞ユニットUは、図26(a)、図27(a)、図29(a)及び図29(b)に示すように、ユニットベース130、中カバー131(第1部材)及び上カバー132(第2部材)からなるハウジング(収容体)の内側に、前述した普電ソレノイド12d及び普通作動部材12bや、後述する侵入防止部材180(侵入防止手段)等を収容したものである。
普電入賞ユニットUの下部を構成するユニットベース130は、上面が開口する矩形箱状であり、その内側に普電ソレノイド12dが配置されている。この普電ソレノイド12dの具体的な構造は図示省略するが、一般に、圧縮コイルバネで付勢されたプランジャをその外周側のコイルに対する通電(励磁)及び通電解除(消磁)によって進退させ、これにより直線方向の動力を発現させる構成となっている。この普電ソレノイド12dを配置したユニットベース130の上面開口を被覆するように、普電入賞ユニットUの中部を構成する中カバー131が配置されており、中カバー131の上面に、普通作動部材12bが載置されている(図31参照)。なお、ユニットベース130及び中カバー131には、普電ソレノイド12dのプランジャによる左右方向の動力を普通作動部材12bに前後方向の動力として伝達するリンク手段136が配置されている。中カバー131の左側部にリンク手段136の一部が位置しており(図31参照)、普通作動部材12bと連結している。そして、普通作動部材12bが載置された中カバー131の上面を被覆するように、普電入賞ユニットUの上部を構成する上カバー132が配置されている。
すなわち、図31に示すように、普電入賞ユニットUの中カバー131は、普通作動部材12bを載置可能な載置部138を上面に有する部材であり、上カバー132は、載置部138に載置した普通作動部材12bを上方から覆う被覆部145を有する部材である。中カバー131に対して上カバー132が上方から組み付けられることにより、中カバー131及び上カバー132の間で普通作動部材12bが移動可能に保持される。
そして、普電入賞ユニットUは、普電ソレノイド12d、リンク手段136及び普通作動部材12bの連係により、普電ソレノイド12dが消磁状態(非駆動状態)の時には、前後方向にスライド可能な普通作動部材12bを移動範囲の後端に位置させ(通常姿勢)、普電ソレノイド12dが励磁状態(駆動状態)の時には、普通作動部材12bを移動範囲の前端に位置させる(補助姿勢)ことが可能に構成されている。この普電入賞ユニットUにおける普電ソレノイド12dを遊技制御用マイコン61(駆動制御手段)が駆動制御する(消磁状態及び励磁状態の一方から他方に切り替える)ことにより、普通作動部材12bが通常姿勢及び補助姿勢の一方から他方に変化する。
なお、本実施形態の普通作動部材12bは、第2始動口12aへの遊技球の入球を補助する位置・姿勢(補助位置・補助姿勢)と補助しない位置・姿勢(通常位置・通常姿勢)とに変位するように構成されているものの、第2始動口12aを直接的に開閉する構造にはなっていない。そこで、普電入賞ユニットUは、第2始動口12aを直接的に開閉する部材として、侵入防止部材180を備えている(図29(a)及び図29(b)等を参照)。この侵入防止部材180は、普通作動部材12bと同様に、中カバー131及び上カバー132の間に配置されており、第2始動口12aに対する遊技球の入球を阻止する入球阻止位置(第2始動口12aの一部を塞ぐ閉位置)と、第2始動口12aに対する遊技球の入球を許容する入球許容位置(第2始動口12aに対してずれた開位置)とに変位可能な構成となっている。この侵入防止部材180の具体的な形状等については後述する。
また、普電入賞ユニットUは、図26(a)、図27(a)、図28(a)、図29(a)及び図29(b)に示すように、前面右側部から前方に突出するホルダ133を有している。このホルダ133は、第2始動口センサ12cを内側に保持する部位であり、普電入賞ユニットUが取付板31の後面に取り付けられた状態で、取付板31の前面(遊技盤2の前面)よりも前方に突出するように設けられている。このホルダ133のうち、普通作動部材12b側の側面(左側面)である入球口形成面148には、第2始動口12a(入球口)が形成されている。これに対し、ホルダ133に収容される第2始動口センサ12cは、薄型の直方体であり、その前部には遊技球を検出するための検出穴KHが薄肉方向に貫通形成されている。そして、第2始動口センサ12cの検出穴KHが、ホルダ133内側から第2始動口12aに面しており、当該ホルダ133の左方空間(球転動路Rが形成される領域)に露出している。
(普電入賞ユニットUの組み付けについて)
ここで、遊技盤2(取付板31)に対する普電入賞ユニットUの取り付けに関する構成と、普電入賞ユニットUの各部材を収容するハウジングの組み付け(特に、中カバー131及び上カバー132の相互の組み付け)に関する構成とについて説明する。
図27(b)及び図28(b)に示すように、普電入賞ユニットUは、遊技盤2を構成する取付板31(取付対象)の後面(取付口31a)に対し、後方から取り付けられている。この普電入賞ユニットUは、ユニットベース130及び中カバー131の相互が上下方向に組み付けられており、中カバー131及び上カバー132の相互も同様に上下方向に組み付けられている。ユニットベース130及び中カバー131の間には、普電ソレノイド12dやリンク手段136が収容され、中カバー131及び上カバー132の間には、普通作動部材12bやリンク手段136や第2始動口センサ12cや侵入防止部材180が収容されるので、ユニットベース130、中カバー131及び上カバー132を、上下方向に組み付けることで、前後方向や左右方向に組み付ける場合よりも、収容する各部材の組み付け作業効率が高められている。すなわち、ユニットベース130の上に普電ソレノイド12dやリンク手段136の一部を載せて、その上に中カバー131を被せるように組み付けることができるので、普電ソレノイド12dやリンク手段136を収容保持する作業が容易となっている。また、中カバー131の上(前述した載置部138)に普通作動部材12bやリンク手段136の一部や第2始動口センサ12cや侵入防止部材180を載せて、その上に上カバー132を被せるように組み付けたりすることができるので、普通作動部材12bやリンク手段136や第2始動口センサ12cや侵入防止部材180を挟持する作業が容易となっている。
なお、本実施形態のホルダ133は、中カバー131及び上カバー132を互いに組み付けることで構成されており、後面に形成される挿脱口(図示せず)を通じて第2始動口センサ12cを挿脱できるようになっている。但し、上カバー132を取り外すと、中カバー131から第2始動口センサ12cを上方に向けて離脱させることが可能な構成となっているので、中カバー131に対する上カバー132の着脱と同時に第2始動口センサ12cを着脱すれば、挿脱口を介して行うよりも第2始動口センサ12cの着脱を容易に行うことができる。なお、ホルダ133は、中カバー131及び上カバー132のうち一方のみで構成されるものであってもよい。
図26、図29(a)及び図29(b)に示すように、中カバー131に対して上カバー132を組み付ける際に、中カバー131の前面上縁部に形成されている凹状部分と、上カバー132の前面下縁部に形成されている凹状部分とが上下に整合することにより、普通作動部材12bが移動する進退口134が普電入賞ユニットUの前面に開口するように形成されている。この進退口134は、通常姿勢の普通作動部材12bに対する前方位置で、かつ、補助姿勢の普通作動部材12bを通過させる位置に形成されている。これにより、普通作動部材12bは、通常姿勢から補助姿勢に変化する際に、進退口134を通じて前方に進出して転動面154を右遊技領域3Rに露出し、補助姿勢から通常姿勢に変化する際に進退口134を通じて普電入賞ユニットUの内部まで後退して転動面154を右遊技領域3Rの外側に退避させるように構成されている。
進退口134の開口縁には、前方に突出する周壁部135が形成されている。この周壁部135が、前述した取付板31の取付口31aに後面側から嵌合するように構成されている。
図26(a)及び図31に示すように、ユニットベース130には、その前面左部及び右側部に下側ネジ挿通部137が夫々設けられている。下側ネジ挿通部137は、その中心部を上下方向に貫通するネジ穴(図示せず)が形成され、このネジ穴にネジを挿通可能に構成されている。図31に示すように、下側ネジ挿通部137の上面には、凹状の嵌合凹部KOが形成されている。これに対し、中カバー131には、前述した嵌合凹部KO(下側ネジ挿通部137の上面)に嵌合する下側ネジ受け部139が夫々設けられている。下側ネジ受け部139は、その下面の中心部から上方に向けてネジ螺合穴(図示せず)が凹設され、このネジ螺合穴にネジを螺合可能に構成されている。ユニットベース130及び中カバー131を組み付ける場合、下側ネジ挿通部137の嵌合凹部KOに下側ネジ受け部139が嵌合する状態(下側ネジ挿通部137と下側ネジ受け部139とが上下に対向する状態)で、ネジを下側ネジ挿通部137に下面側から挿通させて下側ネジ受け部139に螺合する。これにより、下側ネジ挿通部137及び下側ネジ受け部139がネジによって結合され、ユニットベース130及び中カバー131が互いに固定される。
図26(a)、図27(a)、図29(a)及び図31に示すように、上カバー132には、その後面右部(図示せず)及び左側部に上側ネジ挿通部147が夫々設けられている。上側ネジ挿通部147は、その中心部を上下方向に貫通するネジ穴(図示せず)が形成され、このネジ穴にネジを挿通可能に構成されている。この上側ネジ挿通部147の下面には、凹状の嵌合凹部KOが形成されている。これに対し、中カバー131には、前述した嵌合凹部KO(上側ネジ挿通部147の下面)に嵌合する上側ネジ受け部142が夫々設けられている。上側ネジ受け部142は、その上面の中心部から下方に向けてネジ螺合穴(図示せず)が凹設され、このネジ螺合穴にネジを螺合可能に構成されている。中カバー131及び上カバー132を組み付ける場合、上側ネジ挿通部147の嵌合凹部KOに上側ネジ受け部142が嵌合する状態(上側ネジ挿通部147と上側ネジ受け部142とが上下に対向する状態)で、ネジを上側ネジ挿通部147に上面側から挿通させて上側ネジ受け部142に螺合する。これにより、上側ネジ挿通部147及び上側ネジ受け部142がネジによって結合され、中カバー131及び上カバー132が互いに固定される。
また、普電入賞ユニットUは、取付板31の後面から突出するボス31b(図27(b)参照)を受けるボス受け部141(図26(a)、図27(a)、図27(b)、図28(a)、図29(a)、図29(b)及び図31参照)を備えている。ボス受け部141は、具体的には中カバー131の左側部に設けられている。なお、中カバー131の左側面(一側面)には、左方(図29の矢印Y1方向)に突出する直方体状の突部140が形成されており、この突部140の上面から上方(図29の矢印Y2方向、すなわち、中カバー131の上カバー132に対する組付け方向)に突出するように、ボス受け部141が形成されている。このボス受け部141は、前後方向に延在する半円柱状に形成され、前面が凹状に開口している。この開口に取付板31のボス31bを受ける(図27(b)参照)ことで、取付板31に普電入賞ユニットUを取り付け可能に構成されている。また、ボス受け部141には、その中心部を前後方向に貫通するネジ穴が形成されており、このネジ穴に挿通させたネジをボス31bのネジ螺合穴(図示せず)に螺合することで、ボス受け部141及びボス31bを確実に結合して普電入賞ユニットUの取付板31に対する取り付け状態を安定させ得るように構成されている。
ここで、前述のように、普電入賞ユニットU全体が遊技盤2(取付板31)に対して取り付けられる方向(前後方向)と、ハウジングを構成するユニットベース130、中カバー131及び上カバー132が相互に組み付けられる方向(上下方向)とは、交差している。そして、中カバー131は、取付板31から後方に向けて突出するボス31bを受けるボス受け部141と、上カバー132の上側ネジ挿通部147にネジで上下方向(前後方向に交差する方向)に結合される上側ネジ受け部142とを備えており、ボス受け部141は、図27(b)に示すように、上側ネジ挿通部147及び上側ネジ受け部142に対して上下方向(前後方向に交差する方向)に重なる位置をボス31bが横切る状態で、このボス31bを受けることが可能に設けられている。
上カバー132は、図29(a)、図29(b)及び図31に示すように、その左側面(一側面)を形成する側壁から下方(第1部材との組み付け方向)に向けて延出する延出部146を有しており、前述した上側ネジ挿通部147は、この延出部146の左側面側に設けられている。これにより、上側ネジ挿通部147は、上カバー132の左側面に対する隣接位置を避けた下方位置に偏倚して設けられている。そして、この上側ネジ挿通部147を下方に偏倚させることで生じたスペース(上カバー132の左側面に対する隣接位置)に、取付板31からのボス31bが横切るように位置してボス受け部141と結合されている。
なお、上カバー132の延出部146は、図29(a)や図29(b)から明らかなように、進退口134を囲む周壁部135と接続するように設けられ、補強されている。
(普通作動部材12bの形状及び前板32との関係について)
次に、普電入賞ユニットUに設けられる普通作動部材12bについて、その具体的な形状や、前板32(減勢突部39)との位置関係等を説明する。
普通作動部材12bは、基本的に水平方向に延在する板状部材であり、その各所に折曲部分や開口部分或いは突出部分等が形成されていて各形状が適宜の機能を果たしている。なお、この普通作動部材12bの外形に関して、図26(b)には、図26(a)に示すA-A線での普通作動部材12bの断面形状を示してある。また図28(a)には、平面視による形状を、実線及び破線を用いて示してある。更に、図31には、中カバー131の載置部138に載置されて上面が露出している普通作動部材12bを、正面から見た状態で示してある。
普通作動部材12bは、その後側部分が、普通作動部材12bを前後方向へと安定的に動作させるための各種形状を有しており、その前側部分が、遊技球の転動面154を形成している。普通作動部材12bの後側部分には、リンク手段136からの動力を受ける連係穴151が設けられている。また、普通作動部材12bの後側部分の上面には、上カバー132の下面に形成された前後方向の案内溝(図示せず)に係合する被案内突部152が設けられている。更に、普通作動部材12bの後側部分の下面には、中カバー131(載置部138)上で普通作動部材12bの姿勢を安定させるための摺動脚部153が設けられている。
普通作動部材12bにおける転動面154を形成する前側部分は、図26(a)に示すように、上面(転動面154)が正面視で右下がりに傾斜するように設けられている。その傾斜角度は一定ではなく、中央部分よりも左右端部の方が、右下がり方向への傾斜角度が大きくなっている。すなわち、転動面154は、図28(a)等に示すように、所定の傾斜角度で右下がりに傾斜する中転動面部162と、この中転動面部162よりも大きな傾斜角度で右下がりに傾斜して中転動面部162の上流端部(左端部)に接続する左転動面部161と、中転動面部162の下流端部(右端部)から当該中転動面部162よりも大きな傾斜角度で右下がりに傾斜する右転動面部163と、により構成されている。
なお、図26(a)から明らかなように、普通作動部材12bの中転動面部162は、その傾斜方向の延長先が、第2始動口12aにおける下縁部より上方位置(第2始動口センサ12cの検出穴KHにおける下端よりも上方位置)に到達するように、その傾斜角度が設定されている。そして、右転動面部163が、中転動面部162の下流端部と第2始動口12aの下縁部とを繋ぐように設けられている(傾斜角度が設定されている)。すなわち、遊技球が中転動面部162を勢い良く転動してその傾斜方向へと飛び出す場合、その遊技球はホルダ133における入球口形成面148の上縁部に接触して移動速度が低減された後に第2始動口12aに入球(検出穴KHを通過)することとなり、高速のまま第2始動口12aに入球(検出穴KHを通過)することは避けられる。これにより、第2始動口センサ12cによる誤検出の発生を抑制可能となっている。
また、図2B及び図28(b)の関係から明らかなように、普通作動部材12bの上面において、左転動面部161及び中転動面部162の境目部分が、ゲート用通路34の出口から排出される遊技球の移動先側に位置するように構成されている。すなわち、普通作動部材12bが補助姿勢の時に遊技球がゲート13を通過してゲート用通路34から排出される場合、その遊技球は転動面154における左転動面部161の下流端部と中転動面部162の上流端部とで受け止められることになる。この場合、左転動面部161の傾斜角度が大きいことにより、受け止められた遊技球が左側に流れるのを確実に防止可能となっている。
この他、図26(b)に示す普通作動部材12bの縦断側面から明らかなように、普通作動部材12bの前側部分は、前端に向かうほど板厚が次第に小さくなるように形成されており、普通作動部材12bの前端面155(通常姿勢から補助姿勢に変化する際の移動先端面)の上下寸法が小さくなっている。すなわち、普通作動部材12bに生じ得る問題点として、通常姿勢から補助姿勢に変化する際に、前板32の後面との間で遊技球を前後に挟み込んでしまう(所謂「球噛み」が生じる)虞が従来から存在しているところ、前端面155(前板32の後面との対向面)の面積を小さくすることでそのような球噛みが生じる可能性を低減している。
更に、図28(a)に示すように、普通作動部材12bの前端面155は、左転動面部161及び中転動面部162の境目部分の前面位置を基準として左側が、普通作動部材12bの左側端面157(上流端側の側端面)に近づくにつれて(左方に向かうにつれて)前板32から離間して左側端面157に連なる左傾斜面171となっており、右側が、普通作動部材12bの右側端面158(下流端側の側端面)に近づくにつれて(右方に向かうにつれて)前板32から離間して右側端面158に連なる右傾斜面172となっている。すなわち、普通作動部材12bの前端面155は、当該普通作動部材12bが通常姿勢から補助姿勢へと変化するタイミングで、遊技球が左傾斜面171の前方を通過しようとする場合、その遊技球を当該左傾斜面171が前板32の後面に押し付けつつ左方へと移動させることで、球噛みを防ぐように構成されている。また、普通作動部材12bの前端面155は、当該普通作動部材12bが通常姿勢から補助姿勢へと変化するタイミングで、遊技球が右傾斜面172の前方を通過しようとする場合、その遊技球を当該右傾斜面172が前板32の後面に押し付けつつ右方へと移動させることで、球噛みを防ぐように構成されている。
ここで、前板32の後面には、図2D、図27(b)及び図28(b)に示すように、後方に向けて突出する角錐形状の減勢突部39が設けられている。なお、図2Cに示す前板32の前面側では、減勢突部39の前方位置が凹状となっている。この図2C中における凹状部分(減勢突部39)及び普通作動部材12b(破線で示している)の位置関係や、図27(b)等から明らかなように、減勢突部39は、普通作動部材12bよりもやや上側(上下方向の離間寸法が遊技球の直径以下となる近接位置)に位置している。減勢突部39は、図28(b)に示すように、補助姿勢の時の普通作動部材12bの位置に対する上方位置を避け、普通作動部材12bの左傾斜面171及び前板32の間に生じる隙間に対する上方位置に設けられている。すなわち、減勢突部39を設けることにより、右遊技領域3Rを流下する遊技球を減速可能であると共に、普通作動部材12bの前端面155と前板32の後面との間に遊技球が到達する可能性を低減して、球噛みを抑止可能である。
また、図28(b)等から明らかなように、減勢突部39は、左転動面部161及び中転動面部162の境目部分の前方やや上側に位置している。前述のように減勢突部39は普通作動部材12bの近接位置にあるので、ゲート13を通過してゲート用通路34の出口から下方やや前側に向けて放出される遊技球は、普通作動部材12bの上面(転動面154)のうち左転動面部161及び中転動面部162の境目部分で受け止められるのと略同時(または直後)に、減勢突部39とも接触することになる。ここで、減勢突部39は、前板32の後面から最も突出した位置となる頂部39Tが、平面視(図28(b)参照)で左転動面部161及び中転動面部162の境目部分やゲート用通路34の中心位置よりも、僅かに左側(具体的には、ゲート用通路34の左端と略同じ左右位置)に位置している。この場合、ゲート用通路34の出口から放出される遊技球は、減勢突部39のうち頂部39Tよりも右側の傾斜部分に遊技球が接触することで進行方向を変更し、中転動面部162の下流側へと移動する。すなわち、減勢突部39は、ゲート13を通過した遊技球の移動先側に位置し、ゲート13からの遊技球を補助姿勢の普通作動部材12b(中転動面部162)の上に導く傾斜形状を有している。
(侵入防止部材180について)
次に、普電入賞ユニットUに設けられる侵入防止部材180について説明する。
普電入賞ユニットUは、第2始動口12aへの遊技球の入球を阻止する入球阻止位置(図29(a)参照)及び許容する入球許容位置(図27(a)、図29(b)参照)の間で変位可能な侵入防止部材180(侵入防止手段)を備えている。本実施形態では、侵入防止部材180は普通作動部材12bと別体であり、図31に示すように、普電入賞ユニットUの前述した中カバー131の上面に枢支されている。そして、普通作動部材12bの前後方向への移動に連動して、侵入防止部材180が上下方向に揺動するように構成されている。
侵入防止部材180の入球阻止位置は、普通作動部材12bが補助姿勢の時に球転動路Rが形成される領域(転動面154の上側領域)と、ホルダ133の入球口形成面148(第2始動口12a)との間の位置となっている。また、入球許容位置は、入球阻止位置の上方位置となっている。そして、侵入防止部材180は、普通作動部材12bが少なくとも通常姿勢である場合に、入球阻止位置に位置するように構成されている。より具体的には、侵入防止部材180は、普通作動部材12bが通常姿勢にある時に入球阻止位置に位置し、普通作動部材12bが補助姿勢にある時に入球許容位置に位置する。すなわち、侵入防止部材180は、普通作動部材12bの前後方向への動作(通常姿勢及び補助姿勢の間の変化)に連動して入球阻止位置及び入球許容位置に一方から他方に変位する。
図30(a)及び図30(b)は、普電入賞ユニットUの内部での普通作動部材12b及び侵入防止部材180の位置関係を右側から見た状態で示したものであり、ハウジングについては基本的に図示省略して、その前面HF、第2始動口12a及び検出穴KHの位置のみを二点鎖線で示してある。侵入防止部材180は、後端側の軸181を基準として上下方向に揺動するアーム182を備えており、このアーム182の先端側は、第2始動口12aを開閉する開閉部185に接続されている。また、アーム182の後端部(軸181よりも後側)には、不正防止用のアーム突片183が設けられている。
普電ソレノイド12dが消磁状態(非駆動状態)である場合には、図30(a)に示すように、普通作動部材12bが普電入賞ユニットU(ハウジング)の前面HFよりも後側に位置する(通常姿勢)。この場合に、侵入防止部材180は、普通作動部材12bに設けられる前下がりの傾斜面である押出面156から離間しているため、自重によって先端側(開閉部185側)が軸181の高さよりも下がった姿勢となり(揺動下端に位置し)、その結果、開閉部185が第2始動口12a(検出穴KH)を左側から被覆するように位置して、入球を阻止する。すなわち、侵入防止部材180の揺動下端が入球阻止位置となっている。一方で、普電ソレノイド12dが励磁状態(駆動状態)になると、図30(b)に示すように、普通作動部材12bが普電入賞ユニットUの前面HFよりも前側まで移動し、補助姿勢となる。この場合に、普通作動部材12bの押出面156が侵入防止部材180のアーム182を前方に向けて押し出すため、侵入防止部材180が揺動上端に移動する。その結果、開閉部185の大部分が第2始動口12a(検出穴KH)より上方へと退避し、入球を許容する。すなわち、侵入防止部材180の揺動上端が入球許容位置となっている。
このように、侵入防止部材180は、後端側を軸181として前端側が上下に揺動可能に構成され、その揺動上端となる入球許容位置では第2始動口12aの上側に位置する一方、揺動下端となる入球阻止位置では第2始動口12aに対向するように位置する。
侵入防止部材180は、図30(a)に示す入球阻止位置では、通常姿勢の普通作動部材12bの右端部の上面にアーム突片183の下面が対向する。この状態では、侵入防止部材180を外力で強制的に揺動下端から揺動上端側に移動させようとしした場合に、アーム突片183が下方に移動して普通作動部材12bに当接し、その結果、普通作動部材12bは下方にも前方にも移動することはなく(補助姿勢に変化せず)静止を維持し、また侵入防止部材180も入球許容位置まで揺動することはない。すなわち、不正行為者が右遊技領域3Rに不正にアクセスして侵入防止部材180を強制的に動かそうとしても、第2始動口12aに入球可能な状態を生じさせることはできず、不正行為を抑止可能となっている。
侵入防止部材180の開閉部185は、図30(a)及び図30(b)に示すように、側面視において、上下方向(揺動方向)の幅寸法が先端側ほど狭まる先細り形状(楔形)に形成されている。この開閉部185は、侵入防止部材180の揺動範囲との関係で形状が定められており、侵入防止部材180が揺動下端(入球阻止位置)にある場合には、その下面が略水平となり(図30(a)参照)、侵入防止部材180が揺動上端(入球許容位置)にある場合には、その上面が略水平となる(図30(b)参照)ように構成されている。すなわち、上下方向に所定の揺動角度で揺動する侵入防止部材180のうちで移動距離が最も大きくなる揺動端部に位置している開閉部185を先細り形状(楔形)とすることにより、侵入防止部材180における移動範囲の上下寸法を抑えている。
また、侵入防止部材180(具体的には開閉部185)は、入球許容位置から入球阻止位置に変位する時(下方への移動時)の移動先端部である下端部が、図30(c)に示す正面視での開閉部185の外形から明らかなように、下方に向けて(入球許容位置から入球阻止位置に変位する時の移動先側に向けて)先細り形状となっている。より具体的には、侵入防止部材180(具体的には開閉部185)は、その左側面(球転動路Rが形成される領域側の側面)に、下方(入球許容位置から入球阻止位置に変位する時の移動先側)に向かうにつれてホルダ133側に近づく(第2始動口12aに近づく)傾斜状の接触面部186を有している。すなわち、侵入防止部材180における開閉部185の下端部を、正面視で先細りの形状とする(開閉部185の下端部の左側面に接触面部186を設ける)ことにより、複数の遊技球が転動面154上(球転動路R)を連続的に転動するような状況で、その連続球の間に侵入防止部材180の開閉部185を入り込ませて後続側の遊技球が第2始動口12aに入球するのを阻止可能に構成されている。
更に、図31に示すように、中カバー131は、侵入防止部材180が入球許容位置(揺動上端)から入球阻止位置(揺動下端)に向けて移動する場合にアーム182の下面184が当接するアーム受け面143を備えている。アーム受け面143は、中カバー131の前縁部に設けられており、アーム182における先端部の下面184を受けるようになっている。そして、アーム182の下面184及びアーム受け面143は、右下がりに傾斜する互いに略平行な平面となっている。すなわち、アーム182の下面184及びアーム受け面143は、侵入防止部材180の揺動方向(上下方向)に対する交差方向(右下がり方向)に傾斜しているので、侵入防止部材180が揺動上端から揺動下端に向けて勢い良く回動してアーム受け面143に接触した時、右方やや上側に向けて反発することになる。すなわち、戻り方向(上方、入球許容位置側)に反発するのを抑止することで、開閉部185が第2始動口12aを開放しないように構成されている。また、図31に示すように、中カバー131には、侵入防止部材180の揺動範囲の右側に隣接するように支持壁144が設けられているので、アーム受け面143と接触したことによるアーム182(侵入防止部材180)の左右方向への振動は、支持壁144によって抑止されるようになっている。
[第1実施形態の効果]
上述した第1実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の(1-1)から(1-5)までの作用効果と、(2-1)から(2-5)までの作用効果と、(3-1)から(3-5)までの作用効果とを奏する。
(1-1)第1実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技盤2の前面側に形成されて遊技球が流下可能な右遊技領域3R(遊技領域3)と、右遊技領域3Rに設けられて遊技球が入球可能な第2始動口12a(入球口)と、この第2始動口12aへの遊技球の入球を補助する補助姿勢及び補助しない通常姿勢に変化可能な普通作動部材12b(作動部材)と、普通作動部材12bを補助姿勢及び通常姿勢の間で変位させる普電ソレノイド12d(駆動源)とを備えており、普通作動部材12b及び普電ソレノイド12dを含む複数の部材からなる普電入賞ユニットUが、遊技盤2を構成する取付板31(取付対象)の後面に対して後方から取り付けられる。普電入賞ユニットUは、上下方向(前後方向と交差する組付方向)に互いに組み付けられる中カバー131(第1部材)及び上カバー132(第2部材)を備えており、中カバー131は、取付板31から後方に向けて突出するボス31bを受けるボス受け部141と、上カバー132の上側ネジ挿通部147(ネジ挿通部)にネジで上下方向に結合される上側ネジ受け部142(ネジ受け部)とを備えている。ボス受け部141は、上側ネジ挿通部147及び上側ネジ受け部142の結合方向の延長線上(真上)をボス31bが前後方向に横切る状態で、当該ボス31bを受けることが可能に設けられている。従って、普電入賞ユニットUについて、例えば上側ネジ受け部142(上側ネジ挿通部147)よりも外側でボス受け部141がボス31bを受ける場合と比べて、取付板31に対するの取り付け状態を安定させることができる。また、普電入賞ユニットUをコンパクトに構成することができる。
(1-2)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、中カバー131の左側面(一側面)に突部140が設けられており、ボス受け部141が、突部140から上方(組付方向の第2部材側)に向けて突出し、上カバー132の左側面(一側面)との隣接位置で前方からのボス31bを受ける。すなわち、ボス受け部141が、上カバー132の左側面との隣接位置で取付板31のボス31bを受けるように構成することで、取付板31に対する普電入賞ユニットUの取り付け状態を安定させることができる。また、普電入賞ユニットUをコンパクトに構成できる。
(1-3)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、上カバー132の左側面を形成する側壁から下方(組付方向の第1部材側)に向けて延出する延出部146を有しており、この延出部に上側ネジ挿通部147が設けられているので、この延出部146によって上側ネジ挿通部147を中カバー131に近い側に寄せて設けることができ、ボス受け部141でボス31bを受けるために必要なスペースを確保できる。
(1-4)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、中カバー131及び上カバー132の各前壁の間に、普通作動部材12bが移動する進退口134が形成されると共に、この進退口134の開口縁に沿う周壁部135が形成されており、この周壁部135と接続するように延出部146が設けられている。すなわち、上カバー132の延出部146が周壁部135で補強されるため、延出部146に設けられる上側ネジ挿通部147と、中カバー131の上側ネジ受け部142との結合による中カバー131及び上カバー132の組み付け状態を安定させることができる。
(1-5)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、中カバー131が、普通作動部材12bを載置可能な載置部138を上面に有する部材であり、上カバー132は、載置部138に載置した普通作動部材12bを上方から覆う被覆部145を有し、中カバー131に対して上カバー132が上方から組み付けられることにより、中カバー131及び上カバー132の間で普通作動部材12bが移動可能に保持されている。すなわち、中カバー131及び上カバー132が上下方向に組み付けられ普通作動部材12bを間に保持する構成としたので、普電入賞ユニットUから上カバー132を取り外せば、普通作動部材12bを中カバー131の載置部138に載置したまま普通作動部材12bの動作確認等を行うことができる。
(2-1)第1実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技盤2の前面側に形成されて遊技球が流下可能な右遊技領域3R(遊技領域3)と、右遊技領域3Rに設けられて遊技球が入球可能な第2始動口12a(入球口)と、この第2始動口12aへの遊技球の入球を補助する補助姿勢及び補助しない通常姿勢に変化可能な普通作動部材12b(作動部材)と、取付板31の前面(すなわち遊技盤2の前面)に対し前方に離間して対向する前板32とを備えており、普通作動部材12bが、補助姿勢の時に、横方向に傾斜して遊技球を転動させる転動面154を取付板31の前面及び前板32の後面の間に露出し、通常姿勢では、転動面154を取付板31側(遊技盤2側)に退避させるように前後方向に移動する。第2始動口12aは、普通作動部材12bが補助姿勢の時に転動面154上に形成される球転動路Rの下流側に、球転動路R側を向いて開口するように設けられているので、球転動路Rを転動した遊技球が第2始動口12aへと入球する。一方、普通作動部材12bが通常姿勢の時には、普通作動部材12bの転動面154が取付板31の前面及び前板32の後面の間に露出しないため、遊技球は球転動路Rを縦断するように取付板31及び前板32の間を落下して、第2始動口12aへは入球しない。ここで、普通作動部材12bは、通常姿勢から補助姿勢に変化する際の移動先端面となる前端面155に、当該普通作動部材12bの側端面157,158に近づくにつれて前板32から離間して該側端面157,158に連なる傾斜面171,172を有しているので、普通作動部材12bが通常姿勢から補助姿勢に変化する際、その移動先側(前側)に遊技球が位置していると、その遊技球は傾斜面171,172によって横方向に誘導される。これにより、普通作動部材12b及び前板32の間の球噛みを抑止することができる。
(2-2)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、普通作動部材12bの前端面155に設けられる左傾斜面171が、普通作動部材12bにおける左側端面157(転動面154の上流端側の側端面)に近づくにつれて前板32から離間して左側端面157に連なっており、通常姿勢から補助姿勢に変化する普通作動部材12bの前側に位置する遊技球が左傾斜面171によって左方(普通作動部材12bから離間する側)に誘導されることにより、球噛みをより確実に抑止できる。
(2-3)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、普通作動部材12bの前端面155に設けられる右傾斜面172が、普通作動部材12bにおける右側端面158(転動面154の下流端側の側端面)に近づくにつれて前板32から離間して右側端面158に連なっており、通常姿勢から補助姿勢に変化する普通作動部材12bの前側に位置する遊技球が右傾斜面172によって右方(普通作動部材12bから離間する側)に誘導されることにより、球噛みをより確実に抑止できる。
(2-4)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、前板32の後面に、後方へ向けて突出する減勢突部39を有しており、この減勢突部39が、普通作動部材12bが補助姿勢の時に左傾斜面171及び前板32の間に生じる隙間に対する上方位置に設けられているので、普通作動部材12bが前板32に近づくタイミングでその左傾斜面171の前側に遊技球が存在する可能性を低減でき、球噛みのリスクを減らすことができる。
(2-5)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、普通作動部材12bを通常姿勢及び補助姿勢に変化させる普電ソレノイド12d(駆動源)と、右遊技領域3Rに設けられて遊技球が通過可能なゲート13とを備え、遊技を制御する遊技制御用マイコン61が、ゲート13への遊技球の通過を契機として普図当たり判定(当否判定)を行う(判定手段)と共に、普図当たり判定の判定結果に基づいて普通作動部材12bを通常姿勢から補助姿勢に変化させるように普電ソレノイド12dを制御する(駆動制御手段)。これに対し、減勢突部39は、ゲート13(ゲート用通路34)を通過した遊技球の移動先側に位置して、ゲートから13の遊技球を補助姿勢の作動部材の上に導く傾斜形状を有している。ここで、本実施形態では、ゲート13を通過した遊技球が普通作動部材12bの高さ位置に到達するまでの時間が概ね1.2秒程度であるのに対し、普図当たりの普図変動パターンとしての普図変動パターンFP6が普図変動表示の1秒の変動時間に対応しているので、ゲート13を通過した遊技球を転動面154で第2始動口12aに導くことができる。ここで、ゲート13を通過した遊技球を減勢突部39との接触により普通作動部材12b(転動面154)へと導くことで、普通作動部材12bに対し遊技球が勢い良く接触(衝突)するのを防ぎ、普通作動部材12bの損傷を防止し得る。
(3-1)第1実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技盤2の前面側に形成されて遊技球が流下可能な右遊技領域3R(遊技領域3)と、右遊技領域3Rに設けられて遊技球が入球可能な第2始動口12a(入球口)と、この第2始動口12aへの遊技球の入球を補助する補助姿勢及び補助しない通常姿勢に変化可能な普通作動部材12b(作動部材)とを備えており、普通作動部材12bは、横方向に傾斜して遊技球を転動させる転動面154を補助姿勢において右遊技領域3Rに露出する。この普通作動部材12bが補助姿勢の時に転動面上に形成される球転動路Rの下流側には、球転動路R側を向いて開口するように第2始動口12aが設けられている。ここで、普電入賞ユニットUは、第2始動口12aへの遊技球の入球を阻止する入球阻止位置及び許容する入球許容位置の間で変位可能な侵入防止部材180(侵入防止手段)を備えている。この侵入防止部材180は、普通作動部材12bが少なくとも通常姿勢である場合に、球転動路Rが形成される領域と第2始動口12aとの間の入球阻止位置に位置する。そして、入球許容位置から入球阻止位置に変位する時の移動先端部(すなわち下端部)が、その移動先側(下方)に向けて先細り形状となっている。このように、侵入防止部材180の入球阻止位置に向けた移動先端部が、その移動先側に向けた先細り形状となっていることにより、入球許容位置から入球阻止位置に変位する際に、球転動路Rを転動する連続球の間に侵入防止部材180が入り込んで後続側の遊技球の第2始動口12aへの入球を防ぐようにすることができる。
(3-2)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、侵入防止部材180が、その左側面(球転動路Rが形成される領域側の側面)に、下方(入球許容位置から入球阻止位置に変位する時の移動先側)に向かうにつれて第2始動口12aに近づく傾斜状の接触面部186を有しているので、侵入防止部材180が入球許容位置から入球阻止位置に変位する際、第2始動口12aに入球する間近の遊技球と第2始動口12aとの間に侵入防止部材180が入り込んで当該遊技球の第2始動口12aへの入球を防ぐようにすることができる。
(3-3)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、侵入防止部材180が、その後端側を軸181として前端側が上下に揺動可能に構成されており、その揺動上端となる入球許容位置では第2始動口12aの上側に位置する一方、揺動下端となる入球阻止位置では第2始動口12aに対向するように位置する。すなわち、侵入防止部材180が入球許容位置から入球阻止位置に向けて変位する場合に揺動上端から揺動下端に向けて移動するので、その際に第2始動口12aの近傍に遊技球が存在していたとしても、その遊技球の第2始動口12aへの入球を侵入防止部材180の接触面部186によって阻止し、速やかに下方へと導くことができる。
(3-4)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、検出穴KHを通過する遊技球を検出する第2始動口センサ12c(入球検出センサ)と、この第2始動口センサ12cを保持するホルダ133とを備えており、ホルダ133は、取付板31の前面(遊技盤2の前面)よりも前方に突出するように設けられており、左側面(普通作動部材12b側の側面)である入球口形成面148に第2始動口12aを有し、この第2始動口12aから検出穴KHを露出するように構成されている。そして、侵入防止部材180は、後端側を軸181として揺動するアーム182の先端部に、揺動方向の幅寸法が先端側ほど狭まる先細り形状の開閉部185を有しており、この開閉部185に接触面部186を有している。このように、侵入防止部材180のアーム182の先端側に設けられる開閉部185を揺動方向の幅寸法が先端側ほど狭まる先細り形状とすることにより、侵入防止部材180の移動範囲の上下寸法を小さくでき、右遊技領域3Rでの遊技球の挙動を無駄に妨げないように構成できる。
(3-5)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、普電入賞ユニットU(ハウジング、具体的には中カバー131)が、侵入防止部材180が入球許容位置から入球阻止位置に向けて移動する場合にアーム182の下面184が当接するアーム受け面143を備えており、アーム182の下面184及びアーム受け面143は、上下方向(侵入防止部材180の揺動方向)に対する交差方向である右下がり方向に傾斜している。このように、アーム182の下面184及びアーム受け面143を、上下方向との交差方向に傾斜させることで、入球許容位置から入球阻止位置に向けて移動する侵入防止部材180が、アーム受け面143との接触により入球許容位置側へと戻るように跳ね返る(反発する)のを抑止することができる。このため、確実に第2始動口12aへの入球を阻止できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機1について、図32~図34を参照しながら以下に説明する。なお、前述した第1実施形態におけるパチンコ遊技機1と同一又は対応する構成に関しては、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第2実施形態のパチンコ遊技機1は、前述した第1実施形態と同様、遊技盤2に遊技球処理機構30が配設され、この遊技球処理機構30に取付板31、前板32及び普電入賞ユニットUを備えている。但し、前述した第1実施形態では侵入防止部材180(侵入防止手段)が普通作動部材12bとは別の部材として普電入賞ユニットUに設けられていたのに対し、本実施形態(第2実施形態)では、侵入防止手段として機能する侵入防止部192が普通作動部材12bの一部として普電入賞ユニットUに設けられている。
この他、本実施形態のパチンコ遊技機1は、取付板31の後面に減勢突部39が設けられておらず(図示省略)、普通作動部材12bの前端面155が前板32に平行な平面となっている点が、前述した第1実施形態と異なっている。それ以外は概ね、前述した第1実施形態と同一又は略同一の構成となっている。なお、前板32の後面(減勢突部39)や普通作動部材12bの前端面155(傾斜面171,172)を前述した第1実施形態と同様の形状にしてもよい。
具体的に、第2実施形態における普通作動部材12bは、図33(b)及び図34(b)に示すように、その右縁から立ち上がる連結壁部191と、この連結壁部191の前縁から前方に延出する侵入防止部192(侵入防止手段)とを備えている。すなわち、連結壁部191は、普通作動部材12bと侵入防止部192とを連結している。このように、侵入防止部192は、普通作動部材12bに設けられ、普通作動部材12bと一体的に前後方向に動作するように構成されている。そして、普通作動部材12bが通常姿勢であって遊技盤2側に退避している時に、侵入防止部192は入球阻止位置に位置し、普通作動部材12bが補助姿勢であって遊技盤2の前面よりも前方に突出している時に、侵入防止部192は入球許容位置に位置するように構成されている。侵入防止部192の入球許容位置は、入球阻止位置よりも前方位置となっている。
侵入防止部192は、図32に示すように、ホルダ133(入球口形成面148)との近接位置(具体的には、入球口形成面148との離間寸法が遊技球の半径未満となる位置)で、入球口形成面148と平行に移動可能に構成されている。すなわち、侵入防止部192は、入球口形成面148に沿って前後方向に移動可能に設けられている。
図33(b)及び図34(b)に示すように、侵入防止部192は、その移動方向である前後方向に延在する上縁193と、上縁193の前端から下方に延びる前縁194と、この前縁194の下端及び連結壁部191を繋ぐ下縁195とを有するものであり、下縁195が、上方に向けて凹となる円弧状に形成されている。この侵入防止部192のうちで最も下側に位置する下縁195の両端部は、ホルダ133に保持されている第2始動口センサ12cの検出穴KHの中央位置よりもやや上側に位置している。そして、図33(a)に示すように、侵入防止部192が入球阻止位置にある場合には、侵入防止部192のうち前縁194及び下縁195の接続部分(前下端部)が第2始動口センサ12cの検出穴KHの略中心に対向するように位置する。一方で、図34(a)に示すように、侵入防止部192が入球許容位置にある場合は、侵入防止部192の下縁195が検出穴KHの開口縁のやや外側に沿うように位置する。すなわち、侵入防止部192の入球阻止位置は、第2始動口12aの下端より上方であり、球転動路Rから第2始動口12aに向けて移動しようとする遊技球の上半部に接触して入球を阻止可能な位置に設定されている。
[第2実施形態の効果]
上述した第2実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(4-1)第2実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技盤2の前面側に形成されて遊技球が流下可能な右遊技領域3R(遊技領域3)と、右遊技領域3Rに設けられて遊技球が入球可能な第2始動口12a(入球口)と、この第2始動口12aへの遊技球の入球を補助する補助姿勢及び補助しない通常姿勢に変化可能な普通作動部材12b(作動部材)とを備えており、普通作動部材12bは、横方向に傾斜して遊技球を転動させる転動面154を補助姿勢において右遊技領域3Rに露出する。この普通作動部材12bが補助姿勢の時に転動面上に形成される球転動路Rの下流側には、球転動路R側を向いて開口するように第2始動口12aが設けられている。ここで、第2実施形態の普電入賞ユニットU(普通作動部材12b)は、第2始動口12aへの遊技球の入球を阻止する入球阻止位置及び許容する入球許容位置の間で変位可能な侵入防止部192(侵入防止手段)を備えている。この侵入防止部192は、普通作動部材12bが少なくとも通常姿勢である場合に、球転動路Rが形成される領域と第2始動口12aとの間の入球阻止位置に位置する。そして、この入球阻止位置は、第2始動口12aの下端より上方であり、球転動路Rから第2始動口12aに向けて移動しようとする遊技球の上半部に接触して入球を阻止可能な位置であるので、入球許容位置から入球阻止位置に変位した侵入防止部192と接触した遊技球が下方に逃げ易くなり、ホルダ133(入球口形成面148)と侵入防止部192との間での球噛みを抑止することができる。
(4-2)また、第2実施形態のパチンコ遊技機1は、侵入防止部192が普通作動部材12bに設けられており、普通作動部材12bと一体的に動作可能に構成されている。これにより、普通作動部材12b及び侵入防止部192の相対位置や動作タイミングの関係が安定することになり、普通作動部材12b及び侵入防止部192を適切に機能させることができる。
(4-3)また、第2実施形態のパチンコ遊技機1は、検出穴KHを通過する遊技球を検出する第2始動口センサ12c(入球検出センサ)と、この第2始動口センサ12cを保持するホルダ133とを備えており、ホルダ133は、取付板31の前面(遊技盤2の前面)よりも前方に突出するように設けられており、左側面(普通作動部材12b側の側面)である入球口形成面148に第2始動口12aを有し、この第2始動口12aから検出穴KHを露出するように構成されている。また、普通作動部材12bは、前後方向に移動可能であり、補助姿勢では取付板31の前面(遊技盤2の前面)よりも前方に突出する一方、通常姿勢では補助姿勢よりも取付板31側(遊技盤2側)に退避するように構成されている。そして、侵入防止部192が、ホルダ133の入球口形成面148に沿って前後方向に移動可能に設けられ、侵入防止部192が第2始動口センサ12cに近い位置を移動することにより、侵入防止部192の入球阻止位置への変位により第2始動口12aへの入球を直ちに阻止できる。
(4-4)また、第2実施形態のパチンコ遊技機1は、侵入防止部192が、入球許容位置において下縁195が検出穴KHの開口縁に沿うように位置するので、侵入防止部192が入球許容位置から入球阻止位置に変位する際の移動量が少なくて済み、第2始動口12aへの入球を直ちに阻止できる。
<他の実施形態>
・前述した第1実施形態では、侵入防止手段(侵入防止部材)をリンク手段により作動部材(普通作動部材)に連係させることで、駆動源(普電ソレノイド)の駆動に基づく作動部材の姿勢の変化に連動して侵入防止手段が入球阻止位置及び入球許容位置に変位するように構成した。また、第2実施形態では、侵入防止手段(侵入防止部)を作動部材(普通作動部材)と一体的に設けることで、駆動源(普電ソレノイド)の駆動に基づく作動部材の姿勢の変化に連動して侵入防止手段が入球阻止位置及び入球許容位置に変位するように構成した。これらに対し、作動部材と侵入防止手段とを別々の駆動源の駆動に基づいて動作させるようにしてもよい。この場合に侵入防止手段は、作動部材が少なくとも通常姿勢である場合に入球阻止位置に位置するようにすればよく、例えば、作動部材が補助姿勢となる期間のうち一部の期間においてのみ侵入防止手段が入球許容位置に変位するようにしてもよい。
・前述した第2実施形態では、侵入防止手段(侵入防止部)を、入球阻止位置において入球検出手段(第2始動口センサ)の検出穴の中心よりも上側に位置するように構成した。これに対し、侵入防止手段の入球阻止位置を、入球口の下端より上方となる範囲で、入球検出手段の検出穴の中心よりも下側に当該侵入防止手段の下端が位置するように設定してもよい。
・前述した第1・第2実施形態では、作動部材(普通作動部材)を前後方向に移動(スライド)可能に構成した。これに対し、作動部材を左右方向または上下方向に移動可能に構成してもよい。
・前述した第1実施形態では、侵入防止手段(侵入防止部材)を上下方向に移動(揺動)可能に構成した。これに対し、侵入防止手段を前後方向または左右方向に移動(揺動またはスライド)可能に構成してもよい。
・前述した第2実施形態では、侵入防止手段(侵入防止部)を作動部材(普通作動部材)と同方向に移動(スライド)可能に構成した。これに対し、侵入防止手段を作動部材と異なる方向に移動(揺動またはスライド)可能に構成してもよい。
・前述した第1実施形態では、作動部材(普通作動部材)における通常姿勢から補助姿勢に変化する際の移動先端面となる前端面に、当該作動部材の左側端面に近づくにつれて前板から離間して当該左側端面に連なる左傾斜面と、当該作動部材の右側端面に近づくにつれて前板から離間して当該右側端面に連なる右傾斜面とを設けた。これに対し、作動部材の前端面において左傾斜面及び右傾斜面の一方のみを設けるようにしてもよいし、第2実施形態の作動部材のように前端面に傾斜面を設けないようにしてもよい。
・前述した第1実施形態では、遊技盤の右部を構成する遊技球処理機構に設けられて取付板の前面(遊技盤の前面)を前方から覆う前板の後面に、後方へ向けて突出する減勢突部を設けた。これに対し、第2実施形態のように前板の後面に減勢突部を設けないようにしてもよい。
・前述した第1実施形態では、前板の後面に設けられる減勢突部を、補助姿勢の時の作動部材(普通作動部材)と近接するように設けた。これに対し、作動部材に対して遊技球の直径よりも大きく上方へ離間する位置に減勢突部を設けるようにしてもよい。この場合には、作動部材及び減勢突部の間で遊技球を挟み込むことによる球噛みが生じるのを防止できる。
・前述した第1・第2実施形態では、作動部材(普通作動部材)が補助姿勢の時に転動面で球転動路を形成する領域に、ゲートを通過した遊技球が到達するように構成した。これに対し、ゲートを通過した遊技球の到達しない位置または到達し難い位置において作動部材が動作するように構成してもよい。
・前述した第1・第2実施形態では、入球ユニット(普電入賞ユニット)のハウジングを構成する部材として、上下方向(前後方向と交差する組付方向)に互いに組み付けられる第1部材(中カバー)及び第2部材(上カバー)を備え、第1部材にボス受け部及びネジ受け部(上側ネジ受け部)を備えると共に、第2部材にネジ挿通部(上側ネジ挿通部)を備えるように構成した。これに対し、第1部材及び第2部材を、左右方向(前後方向と交差する組付方向)等に互いに組み付けるように構成してもよい。
・前述した第1実施形態では、侵入防止手段(侵入防止部材)のうち、作動部材(普通作動部材)によって球転動路が形成される領域側の側面に、入球許容位置から入球阻止位置に変位する時の移動先側に向かうにつれて入球口(第2始動口)に近づく傾斜状の接触面部を設けるようにすることで、侵入防止手段の移動先端部を先細り形状とした。これに対し、侵入防止手段における入球口側の側面に、入球許容位置から入球阻止位置に変位する時の移動先側に向かうにつれて入球口(第2始動口)から離間する傾斜状の接触面部を設けるようにすることで、侵入防止手段の移動先端部を先細り形状としてもよい。
・前述した第1・第2実施形態では、大当たり遊技状態で入球可能とする大入賞口(第1大入賞口)と、小当たり状態で入球可能とする大入賞口(第2大入賞口)とを異ならせたが、大当たり遊技状態と小当たり状態とで同じ特別入賞口を入球可能としてもよい。
・前述した第1・第2実施形態では、第1特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出されないようにしたが、第1特図の特図当たり判定でも小当たりの判定結果が導出され得るようにしてもよい。この場合には、第1特図の特図当たり判定で小当たりの判定結果となる確率を第2特図の特図当たり判定における確率よりも低くするか、第1特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過する確率を第2特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中よりも低くすることで、第1特図の特図当たり判定に基づく遊技よりも第2特図の特図当たり判定に基づく遊技の方が有利な遊技性とすることができる。また逆に、第2特図の特図当たり判定で小当たりの判定結果となる確率を第1特図の特図当たり判定における確率よりも低くするか、第2特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過する確率を第1特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中よりも低くするようにしてもよく、この場合は、第2特図の特図当たり判定に基づく遊技よりも第1特図の特図当たり判定に基づく遊技の方が有利な遊技性とすることができる。
・前述した第1・第2実施形態では、普図変動表示や補助遊技が行われている状態で作動口への遊技球の通過(入球)を契機として取得した作動入球情報を所定の上限数まで記憶可能な普図保留記憶部を設けるようにしたが、普図変動表示や補助遊技が行われていない状態で遊技球が作動口(ゲート)を通過した場合に限り、当該作動口への遊技球の通過を契機として制御手段(遊技制御用マイコン)が普図当たり判定を実行する(普通図柄の作動保留を記憶するための記憶部を設けない)ように構成してもよい。
[本明細書に開示されている発明]
前述した実施形態には、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。ただし、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
(発明1)
遊技盤(2)の前面側に形成されて遊技球が流下可能な遊技領域(3)と、前記遊技領域(3)に設けられて遊技球が入球可能な入球口(12a)と、前記入球口(12a)への遊技球の入球を補助する補助姿勢及び補助しない通常姿勢に変化可能な作動部材(12b)と、前記遊技盤(2)の前面に対し前方に離間して対向する前板(32)とを備えた遊技機であって、
前記作動部材(12b)は、横方向に傾斜して遊技球を転動させる転動面(154)を前記補助姿勢において前記遊技盤(2)の前面及び前記前板(32)の後面の間に露出し、前記通常姿勢では当該転動面(154)を前記遊技盤(2)側に退避させるように、前後方向に移動可能な部材であり、その転動面(154)上に形成される球転動路(R)の下流側に、当該球転動路(R)側を向いて開口するよう前記入球口(12a)が設けられ、
前記作動部材(12b)における前記通常姿勢から前記補助姿勢に変化する際の移動先端面となる前端面(155)に、当該作動部材(12b)の側端面(157,158)に近づくにつれて前記前板(32)から離間して該側端面(157,158)に連なる傾斜面(171,172)を有している
ことを特徴とする遊技機(1)。
これによれば、前後方向に移動可能な作動部材の前端面に傾斜面を有することで、作動部材が通常姿勢から補助姿勢に変化する際、その前側に位置する遊技球が傾斜面によって横方向に誘導される。これにより、作動部材・前板の間の球噛みを抑止することができる。
(発明2)
前記傾斜面(171)は、前記作動部材(12b)における前記転動面(154)の上流端側の側端面(157)に近づくにつれて前記前板(32)から離間して該側端面(157)に連なっている発明1に記載の遊技機。
これによれば、通常姿勢から補助姿勢に変化する作動部材の前側に位置する遊技球が傾斜面によって作動部材から離間する側に誘導されることにより、球噛みをより確実に抑止できる。
(発明3)
前記傾斜面(172)は、前記作動部材(12b)における前記転動面(154)の下流端側の側端面(158)に近づくにつれて前記前板(32)から離間して該側端面(158)に連なっている発明1に記載の遊技機。
これによれば、通常姿勢から補助姿勢に変化する作動部材の前側に位置する遊技球が傾斜面によって作動部材から離間する側に誘導されることにより、球噛みをより確実に抑止できる。
(発明4)
前記前板(32)の後面に、後方へ向けて突出する減勢突部(39)を有し、
前記減勢突部(39)は、前記作動部材(12b)が前記補助姿勢の時に前記傾斜面(171,172)及び前記前板(32)の間に生じる隙間に対する上方位置に設けられている発明1~3の何れかに記載の遊技機。
これによれば、作動部材が補助姿勢の時に傾斜面と前板との間に生じる隙間に対する上方位置に減勢突部を有する。従って、作動部材が前板に近づくタイミングでその傾斜面の前側に遊技球が存在する可能性を低減でき、球噛みのリスクを減らすことができる。
(発明5)
前記作動部材(12b)を前記通常姿勢及び前記補助姿勢に変化させる駆動源(12d)と、
前記遊技領域(3)に設けられて遊技球が通過可能なゲート(13)と、
前記ゲート(13)への遊技球の通過を契機として当否判定を行う判定手段(61)と、
前記判定手段(61)による当否判定の結果に基づいて前記作動部材(12b)を前記通常姿勢から前記補助姿勢に変化させるように前記駆動源(12d)を制御する駆動制御手段(61)とを備え、
前記減勢突部(39)は、前記ゲート(13)を通過した遊技球の移動先側に位置し、該ゲート(13)からの遊技球を前記補助姿勢の前記作動部材(12b)の上に導く傾斜形状を有している発明4に記載の遊技機。
これによれば、ゲートへの遊技球の通過を契機とする当否判定に基づいて作動部材を補助姿勢とすることにより入球口への入球を作動部材(転動面)で補助する。ゲートを通過した遊技球は補助姿勢の作動部材の位置に導かれるので、ゲートを通過した遊技球を転動面で入球口に導くように作動部材の動作タイミングを調整することができる。ここで、ゲートを通過した遊技球を減勢突部との接触により作動部材(転動面)へと導くことで、作動部材に対し遊技球が勢い良く接触(衝突)するのを防ぎ、作動部材の損傷を防止し得る。
1…パチンコ遊技機、3…遊技領域、12a…第2始動口(入球口)、12b…普通作動部材(作動部材)、12c…第2始動口センサ(入球検出センサ)、12d…普電ソレノイド、13…ゲート、31b…ボス、32…前板、39…減勢突部、61…遊技制御用マイコン(判定手段、駆動制御手段)、131…中カバー(第1部材)、132…上カバー(第2部材)、133…ホルダ、134…進退口、135…周壁部、137…下側ネジ挿通部、138…載置部、139…下側ネジ受け部、141…ボス受け部、143…アーム受け面、146…延出部、148…入球口形成面、154…転動面、155…前端面、171…左傾斜面、172…右傾斜面、180…侵入防止部材(侵入防止手段)、181…軸、182…アーム、184…アームの下面、185…開閉部、186…接触面部、192…侵入防止部(侵入防止手段)、195…侵入防止部の下縁、KH…検出穴、R…球転動路、U…普電入賞ユニット(入球ユニット)。

Claims (1)

  1. 遊技盤の前面側に形成されて遊技球が流下可能な遊技領域と、前記遊技領域に設けられて遊技球が入球可能な入球口と、前記入球口への遊技球の入球を補助する補助姿勢及び補助しない通常姿勢に変化可能な作動部材と、前記遊技盤の前面に対し前方に離間して対向する前板とを備えた遊技機であって、
    前記入球口は、遊技球の勢いを低減可能な上流通路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられており、
    前記作動部材は、横方向に傾斜して遊技球を転動させる転動面を前記補助姿勢において前記遊技盤の前面及び前記前板の後面の間に露出し、前記通常姿勢では当該転動面を前記遊技盤側に退避させるように、前後方向に移動可能な部材であり、その転動面上に形成される球転動路の下流側に、当該球転動路側を向いて開口するよう前記入球口が設けられ、
    前記作動部材における前記通常姿勢から前記補助姿勢に変化する際の移動先端面となる前端面に、当該作動部材の側端面に近づくにつれて前記前板から離間して該側端面に連なる傾斜面を有している
    ことを特徴とする遊技機。

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