JP2024058020A - ボールねじ装置 - Google Patents

ボールねじ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024058020A
JP2024058020A JP2022165118A JP2022165118A JP2024058020A JP 2024058020 A JP2024058020 A JP 2024058020A JP 2022165118 A JP2022165118 A JP 2022165118A JP 2022165118 A JP2022165118 A JP 2022165118A JP 2024058020 A JP2024058020 A JP 2024058020A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
shaped groove
flange
ball screw
screw device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022165118A
Other languages
English (en)
Inventor
幹史 坂井
一宇 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2022165118A priority Critical patent/JP2024058020A/ja
Publication of JP2024058020A publication Critical patent/JP2024058020A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】軸方向の大型化を回避できるナットを提供する。【解決手段】本開示のボールねじ装置は、一端が第1方向を指し、他端が第2方向を指すねじ軸と、前記ねじ軸に貫通されたナットと、前記ねじ軸と前記ナットの間に配置される複数のボールと、1リードを移動したボールを1リード分戻す複数の循環部と、を備えている。前記ナットは、内周面に内周軌道面が設けられたナット本体と、前記ナット本体の前記第2方向の端部から径方向外側に突出するフランジと、を有している。前記ナット本体の前記第2方向の端面には、前記第1方向に窪貫通した肉盗み部が少なくとも1ヶ所以上設けられている。複数の前記循環部は、前記ナット本体の内周面から径方向外側に窪む複数のS字溝面を有している。【選択図】図3

Description

本開示は、ボールねじ装置に関する。
ボールねじ装置は、ねじ軸と、ねじ軸に貫通されるナットと、ねじ軸とナットの間に配置される複数のボールと、を備えている。ねじ軸の外周面には、外周軌道面が設けられている。ナットの内周面には、外周軌道面に対向する内周軌道面が設けられている。外周軌道面と内周軌道面との間は、螺旋状の軌道を成している。この軌道に、複数のボールが配置される。また、ボールねじ装置は、ボールを循環させる循環部を備えている。循環部の一例として、ナットの内周面に成形されたS字溝面が挙げられる。このS字溝面によれば、1リードを移動したボールを1リード分戻すことができる。また、下記特許文献に示すように、ナットは、径方向外側に突出するフランジを有している場合がある。
欧州特許出願公開第003208164号明細書
ところで、鍛造によりナットの内周面にS字溝面を成形する場合、径方向外側にフランジがあると、ナットの余肉が径方向外側に逃げ難く、S字溝面を成形し難い。このような理由から、フランジに対し軸方向にずらしてS字溝面を成形している。一方で、フランジの径方向内側にS字溝面及び内周軌道面が設けられていないため、ナットが軸方向に大型化する、という課題が生じている。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、ナットの軸方向の大型化を回避できるボールねじ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るボールねじ装置は、一端が第1方向を指し、他端が第2方向を指すねじ軸と、前記ねじ軸に貫通されたナットと、前記ねじ軸と前記ナットの間に配置される複数のボールと、1リードを移動したボールを1リード分戻す複数の循環部と、を備えている。前記ナットは、内周面に内周軌道面が設けられたナット本体と、前記ナット本体の前記第2方向の端部から径方向外側に突出するフランジと、を有している。前記ナット本体の前記第2方向の端面には、前記第1方向に貫通した肉盗み部が少なくとも1ヶ所以上設けられている。複数の前記循環部は、前記ナット本体の内周面から径方向外側に窪む複数のS字溝面を有している。
本発明の一態様に係るボールねじ装置では、複数の前記S字溝面のうち前記フランジの内径側に配置されたS字溝面の周方向の位相が前記肉盗み部と一致する。
本発明の一態様に係るボールねじ装置では、複数の前記S字溝面のうち前記フランジの内径側に配置されたS字溝面の一部もしくは全てが径方向に関して肉盗み部と重畳して設けられている。
本発明の一態様に係るボールねじ装置では、複数の前記S字溝面は、周方向に等間隔で配置されている。
本発明の一態様に係るボールねじ装置では、前記肉盗み部は、直線状の長孔もしくは円弧状の長孔である。
本発明の一態様に係るボールねじ装置では、前記肉盗み部は、周方向に等間隔で配置されている。
本発明の一態様に係るボールねじ装置では、前記フランジの径方向外側には、ハウジングに支持され、前記ねじ軸と平行な軸方向に延びるシャフトが配置され、前記フランジの外周面には、径方向内側に窪み、内部に前記シャフトが収容される摺動溝面が設けられている。
本発明の一態様に係るボールねじ装置では、前記フランジは、軸受装置の外輪の径方向内側に配置され、前記フランジの外周面には、前記軸受装置の転動体が転動可能な溝面が設けられている。
本発明の一態様に係るボールねじ装置では、前記ナット本体の一端面には、軸方向に突出し、前記ねじ軸と相対回転しないストッパと接触する突起が設けられ、複数の前記S字溝面のうち前記軸方向において最も前記突起寄りに配置された前記S字溝面は、前記突起に対し、周方向にずれて配置されている。
本発明のボールねじ装置によれば、ナット本体のうち肉盗み部に対し径方向内側に配置された部分に、鍛造によってS字溝面を成形する際に、ナット本体の外周方向に生じる余肉を肉盗み部に逃がすことができる。この結果、フランジに対し、軸方向にずらしてS字溝面を成形する必要がなくなり、ナットの軸方向の大型化が回避される。
図1は、実施形態1のブレーキブースタであって作動前の状態を軸方向に切った断面図である。 図2は、図1に示すナットの一部を拡大した拡大図である。 図3は、実施形態1のナットを第2方向から視た図である。 図4は、実施形態1のナットを第2方向から斜視した斜視図である。 図5は、図1のV-V線矢視断面図である。 図6は、変形例1のナットを第2方向から視た図である。 図7は、変形例2のナットを第2方向から視た図である。 図8は、実施形態2のボールねじ装置の軸方向断面図である。 図9は、変形例3のナットを第2方向から斜視した斜視図である。
本開示を実施するための形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明で記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1のブレーキブースタであって作動前の状態を軸方向に切った断面図である。実施形態1では、本開示の電動アクチュエータがブレーキシステムのブレーキブースタに適用された例を挙げて説明する。なお、本開示の電動アクチュエータは、実施形態に示すブレーキブースタ以外に、ブレーキキャリパーなど、その他の装置に適用してもよい。
図1に示すように、実施形態1の電動アクチュエータ100は、ハウジング101と、モータ(不図示)と、遊星歯車機構110と、ボールねじ装置1と、ピストン50と、ストッパ60と、を備えている。以下、ボールねじ装置1のねじ軸2の中心軸Oと平行な方向を軸方向と称する。また、軸方向において、遊星歯車機構110から視てピストン50が配置される方向を第1方向X1と称し、第1方向の反対方向を第2方向X2と称する。
ハウジング101の第1方向X1の端部にシリンダ102が設けられている。シリンダ102は、中心軸Oを中心に円筒状を成す円筒部103と、円筒部103の第1方向X1の開口を閉塞する閉塞壁104と、を有している。円筒部103の第2方向X2の開口には、ピストン50が挿入されている。よって、シリンダ102の内部空間が閉塞されている。シリンダ102の内部空間には図示しない液体が封入される。閉塞壁104に貫通孔104aが設けられている。ピストン50が第1方向X1に移動すると、液体の液圧が上昇する。そして、上昇した液圧は、貫通孔104aを介してブレーキシステムに伝達される。
遊星歯車機構110は、入力軸111と、サンギヤ112と、リングギヤ113と、複数のプラネタリギヤ114と、複数の伝達軸115と、キャリア116と、を備えている。
入力軸111にモータの回転運動が入力される。入力軸111は、中心軸Oと同軸上に配置されている。サンギヤ112は、入力軸111に貫通され、入力軸111に回転不能に固定している。リングギヤ113は、入力軸111を中心とする内歯車である。リングギヤ113の外周面は、ハウジング101に嵌合している。
プラネタリギヤ114は、サンギヤ112とリングギヤ113の間に配置されている。また、プラネタリギヤ114は、サンギヤ112及びリングギヤ113に歯合している。プラネタリギヤ114は、伝達軸115に貫通されている。また、プラネタリギヤ114は、伝達軸115を中心に回転自在に支持されている。
キャリア116は、中心軸Oを中心とする環状部品である。キャリア116の外周面が軸受117の内輪に嵌合している。よって、キャリア116は、回転自在にハウジング101に支持されている。キャリア116の中央部をねじ軸2が貫通している。キャリア116とねじ軸2は、スプライン嵌合している。よって、キャリア116とねじ軸2とは、相対回転不能に連結している。また、伝達軸115は、キャリア116の中央部から径方向外側に偏心した位置を貫通している。
以上、遊星歯車機構110によれば、回転運動が入力軸111に入力されると、サンギヤ112が中心軸Oを中心に回転する。そして、プラネタリギヤ114は、伝達軸115を中心に回転(自転)しながら、中心軸Oを中心に回転(公転)する。これにより、キャリア116及びねじ軸2が中心軸Oを中心に回転する。また、ねじ軸2の回転速度は、入力軸111の回転速度よりも減速する。
ボールねじ装置1は、ねじ軸2と、ナット10と、複数のボール8と、を備えている。ねじ軸2は、キャリア116と連結する雄スプライン部3と、雄スプライン部3に対し第1方向X1に配置されたねじ軸本体4と、を備えている。ねじ軸本体4の外周面には、螺旋方向に延在する外周軌道面5が設けられている。
雄スプライン部3は、ねじ軸本体4よりも小径となっている。よって、雄スプライン部3とねじ軸本体4との間には、第2方向X2を向く段差面6が設けられている。段差面6は、ストッパ60の側面に当接している。また、ストッパ60は、キャリア116の側面に当接している。よって、ねじ軸2は、第2方向X2に移動不能に固定されている。また、雄スプライン部3がキャリア116に圧入されており、ねじ軸2は、第1方向X1に移動不能に固定されている。なお、本開示は、雄スプライン部3がキャリア116に対し隙間嵌めされていてもよい。このような場合、キャリア116に対し第2方向X2から当接する止め輪を雄スプライン部3に設け、ねじ軸2の抜け止めを図ってもよい。
図2は、図1に示すナットの一部を拡大した拡大図である。図2に示すように、ナット10は、ナット本体11と、複数の内周軌道面12及び複数のS字溝面13と、フランジ20と、突起30と、を有している。
ナット本体11は、中心軸Oを中心に円筒状を成している。ナット本体11は、第1方向X1を向く第1端面10aと、第2方向X2を向く第2端面10bと、を有している。第1端面10aは、ピストン50(図1参照)を押圧する押圧面となっている。
内周軌道面12及び複数のS字溝面13は、ナット本体11の内周面11aに設けられた溝面である。内周軌道面12は、ねじ軸2の外周軌道面5(図1参照)と対向し、螺旋方向に延在している。内周軌道面12は、螺旋方向に一回り(1リード)分、延在している。各内周軌道面12と外周軌道面5との間は、軌道7(図1参照)を成している。そして、各軌道7には、複数のボール8(図1参照)が配置されている。
S字溝面13は、鍛造によりナット本体11の内周面11aに成形された溝面である。S字溝面13は、内周軌道面12の螺旋方向の一端と他端とに接続している。これにより、軌道7の一端から他端へ移動したボール8は、S字溝面13により軌道7の一端に循環する。
図2に示すように、内周軌道面12及びS字溝面13は、4つずつ設けられている。よって、軌道7も4つとなっている。以下、4つの内周軌道面12に関し、第1方向X1から順に、第1内周軌道面12a、第2内周軌道面12b、第3内周軌道面12c、第4内周軌道面12dと称する。また、4つのS字溝面13に関し、第1方向X1から順に、第1S字溝面13a(図3参照)、第2S字溝面13b、第3S字溝面13c、第4S字溝面13dと称する。
図3は、実施形態1のナットを第2方向X2から視た図である。図3に示すように、第2方向X2から視て、第2S字溝面13bは、第1S字溝面13aに対し、右回り方向に90度ずれて配置されている。第2方向X2から視て、第3S字溝面13cは、第2S字溝面13bに対し、右回り方向に90度ずれて配置されている。第2方向X2から視て、第4S字溝面13dは、第3S字溝面13cに対し、右回り方向に90度ずれて配置されている。よって、4つのS字溝面13は、中心軸Oを中心に90度間隔(等間隔)で配置されている。
ここで、ナット10の第1内周軌道面12aは、ボール8を介して、径方向外側からねじ軸2を支持している。一方、第1内周軌道面12aに接続する第1S字溝面13aは、ボール8を介して、ねじ軸2を支持することができない。よって、第1内周軌道面12aは、中心軸Oから視て第1S字溝面13aが配置される方向(図3の矢印Y1を参照)の荷重を支持できない。同様に、第2内周軌道面12bは、中心軸Oから視て第2S字溝面13bが配置される方向(図3の矢印Y2を参照)の荷重を支持できない。第3内周軌道面12cは、中心軸Oから視て第3S字溝面13cが配置される方向(図3の矢印Y3を参照)の荷重を支持できない。第4内周軌道面12dは、中心軸Oから視て第4S字溝面13dが配置される方向(図3の矢印Y4を参照)の荷重を支持できない。本実施形態では、4つのS字溝面13が周方向に分散し、径方向外側から支持できない範囲が重ならないようになっている。よって、ナット10は、周方向の全ての方向からねじ軸2を支持している。
図4は、実施形態1のナットを第2方向から斜視した斜視図である。図4に示すように、フランジ20は、ナット本体11の外周面11bの第2方向X2寄りに径方向に突出するように配置されている。フランジ20の径方向外側の面には、径方向内側に窪み、かつ軸方向に開口する摺動溝面22が設けられている。
図5は、図1のV-V線矢視断面図である。図5に示すように、フランジ20の径方向外側の面は、ハウジング101の内面101aと対向している。内面101aには、径方向外側に窪む固定溝面106が3つ設けられている。固定溝面106は、軸方向に延びている(図1参照)。各固定溝面106の内側には、軸方向に延びる円柱状のシャフト107の一部が収容されている。シャフト107のうちハウジング101の内面101aから径方向内側に突出する部分は、摺動溝面22の内側に配置されている。
以上から、フランジ20に回転方向の荷重が作用すると、摺動溝面22がシャフト107に引っ掛かり、フランジ20の回転が規制される。また、フランジ20に軸方向の荷重が作用すると、摺動溝面22がシャフト107を摺動しながらナット10が軸方向に移動する。よって、ナット10は、回転不能かつ軸方向に移動可能にハウジング101に支持されている。
図5に示すように、突起30は、ナット本体11の第2端面10bから第2方向X2に突出している。また、ナット10の第2方向X2には、ストッパ60が配置されている。ストッパ60は、雄スプライン部3にスプライン嵌合する環状の雌スプライン部61と、雌スプライン部61から径方向外側に突出する突出部62と、を有している。ストッパ60は、ねじ軸2と相対回転しないようになっている。つまり、ストッパ60は、ねじ軸2と一体に回転する。また、第2方向X2から視て右回り方向から、ストッパ60の突出部62が突起30と当接している。
以下、ねじ軸2の回転方向は、第2方向X2から視た場合を基準とする。具体的に、図5に示すように、第2方向X2から視てねじ軸2が左回り方向(反時計回り方向)に回転する場合、その回転方向を第1回転方向L1(図5の矢印参照)と称する。また、第2方向X2から視てねじ軸2が右回り方向(時計回り方向)に回転する場合、その回転方向を第2回転方向L2(図5の矢印参照)と称する。また、ねじ軸2が第1回転方向L1に回転した場合、ナット10が第1方向X1に移動する。
突起30は、第1回転方向L1を向く側面の第1接触面31を有している。ストッパ60の突出部62は、第2回転方向L2を向く側面の第2接触面63を有している。ナット10が軸方向の初期位置にある場合、突起30の第1接触面31とストッパ60の第2接触面63とが当接している。よって、初期位置よりも第1方向X1にあるナット10が第2方向X2に移動すると、ねじ軸2と一体に第2回転方向L2に回転するストッパ60の軌跡上に突起30が入り込む。そして、突起30の第1接触面31とストッパ60の第2接触面63とが接触する。これにより、ねじ軸2の回転が規制され、ナット10が初期位置に配置される。
図1に示すように、ピストン50は、中心軸Oを中心に円盤状を成す押圧部51と、押圧部51から第2方向X2に延びる円筒状の円筒部52と、ナット10の外周面11bに嵌合する嵌合部53と、を有している。
押圧部51は、シリンダ102内の液体を第1方向X1に押圧する部位である。押圧部51は、シリンダ102の内部に配置され、シリンダ102の閉塞壁104と対向している。
嵌合部53の内径は、円筒部52の内径よりも大きい。このため、円筒部52の内周面と嵌合部53の内周面との間には、第2方向X2を向く段差面54が設けられている。段差面54は、ナット10の第1端面10aと当接している。なお、押圧部51にシリンダ102内の液体の液圧が作用しており、ピストン50は第2方向X2に常時押圧されている。よって、段差面54と第1端面10aは、常時当接している。なお、嵌合部53の内径とナット10の外径の嵌合はすきまもしくは圧入である。
円筒部52及び嵌合部53の外径は、シリンダ102の内径よりも僅かに小さい。よって、ピストン50の外周面50aとシリンダ102の内周面102aとの間には、微小の隙間(不図示)が設けられている。これにより、ピストン50は、軸方向の荷重が作用すると、シリンダ102の内周面102aを摺動しながら軸方向に移動する。
ピストン50とシリンダ102との間には、2つのシール部材108が設けられている。これにより、シリンダ102内の液体がピストン50とシリンダ102との間の微小の隙間を通過し、第2方向X2に漏出する、ということが回避される。
以上から、ナット10が第1方向X1に移動すると、第1端面10aが段差面54を押圧し、ピストン50が第1方向X1に移動する。これにより、シリンダ102内の液圧が上昇する。一方で、ナット10が第2方向X2に移動すると、ピストン50も第2方向X2に移動する。これにより、シリンダ102内の液圧が下降する。
次に実施形態1のナット10の詳細について説明する。図2に示すように、フランジ20の軸方向の長さは、ナット本体11の軸方向の長さよりも短い。詳細には、フランジ20の軸方向の長さは、軌道7(1リード)における軸方向長さM1と同じくらいである。また、フランジ20は、ナット本体11の第2方向X2の端部に配置されている。
図3に示すように、フランジ20は、径方向中央部に第2端面10bから第1方向X1に向かってフランジ20を貫通し、中心軸Oを中心とした円弧状の長孔の肉盗み部25が設けられている。すなわち、ナット本体11の内周面11aから肉盗み部25の径方向内側までの肉厚は一定である。この場合、図2に示すナット10の肉盗み部25の径方向内側の円弧状の径は、ナット本体11の外径よりも大きいが、同じもしくは小さくてもよい。
図2に示すように、ナット本体11のうちフランジ20の径方向内側に配置される部分(図2の破線H1から第2方向X2に配置される部分)を環状部16と称する。この環状部16は、フランジ20及び肉盗み部25の径方向内側に配置されている。また、環状部16の内周面には、4つのS字溝面13のうち第4S字溝面13dの一部が設けられている。また、第4S字溝面13dの一部が径方向に関して肉盗み部25と重畳して設けられている。
図3に示すように、環状部16は、非肉盗み領域17と、肉盗み領域18と、に区分けされる。なお、図3では、肉盗み領域18の範囲を分かり易くするため、斜線を付している。非肉盗み領域17は、環状部16のうち、径方向外側に肉盗み部25が配置されていない部分である。肉盗み領域18は、径方向外側に肉盗み部25が配置されている部分である。
詳細に説明すると、非肉盗み領域17と肉盗み領域18は、肉盗み部端部26と中心軸Oを結ぶ仮想直線H2を境界線として区分けされる。また、肉盗み領域18の径方向外側に肉盗み部25が配置され、S字溝面13を鍛造により成型する際、ナット本体11の余肉15を径方向外側に逃がすことができる。つまり、肉盗み領域18は、S字溝面13を鍛造により成形可能な領域となっている。そして、本実施形態では、鍛造により肉盗み領域18の内周面11aに第4S字溝面13dを成形している。すなわち肉盗み部25と第4S字溝面13d、余肉15dは周方向に関して同位相に配置される。このように本実施形態によれば、フランジ20に対しS字溝面13を軸方向にずらして成形する必要がない。よって、ナット10の軸方向の大型化を回避できる。
なお、図3に示すように、軸方向第2方向X2から見た図で、肉盗み部25の面積に対し、余肉15dの投影面積は半分以下となっている。肉盗み部25の面積に対し、余肉15dの投影面積は半分以下の場合、余肉15の2つの接続部19は肉盗み部25に対し各々鈍角で接続されている。このため、ボールねじ機構1に荷重が負荷されたときに、余肉15と肉盗み部25の接続部19において、応力集中が働きにくく、強度が保たれる。このことから肉盗み部25の断面積に対し、余肉15dの投影面積は半分以下がより好ましい。
そのほか、4つのS字溝面13のうち第4S字溝面13dは、軸方向において最も軸方向第1方向X1寄りに配置されている(図2参照)。また、第4S字溝面13dと突起30は、180度周方向にずれて配置されている。このため、ストッパ60による接触荷重が突起30に入力しても第4S字溝面13dが変形しない。つまり、ボール8は、第4S字溝面13dを円滑に転動し続ける。また、ナット本体11の内周面11aを鍛造した時の荷重で突起30が変形する、ということも回避できる。つまり、初期位置ずれも回避される。
以上、実施形態1について説明したが、本開示は実施形態1で示した例に限定されない。例えば、実施形態では、第4S字溝面13dと突起30とは、180度間隔を空けて配置されているが、本開示はこれに限定されない。軸方向から視て第4S字溝面13dと突起30と重なっていなければよく、例えば、第4S字溝面13dと突起30とが30°程度間隔を空けて配置されていてもよい。また、本開示は、突起30を有していないナット10であってもよい。また、実施形態では、ナット10の回り止めを図るために、フランジ20の外周面に摺動溝面22を設けた例を挙げたが、本開示は、これに限定されない。例えば、フランジ20の外周面に突起を設け、この突起がハウジング101の固定溝面106に入り込むようにしてもよい。なお、フランジ20の外周面に設けられた突起は、フランジ20と一体であっても別体(フランジ20と別部品)であってもどちらでもよい。また、実施形態では、肉盗み部25はフランジ20を貫通しているが、ナット本体11の第2端面10bに開口した止まり穴(貫通していない)でもよい。この場合、図2に示すナット10の肉盗み部25の径方向内側の円弧状の径は、ナット本体11の外径よりも大きいが、同じもしくは小さくてもよい。
次に、実施形態1のナット10を変形した変形例1、変形例2について説明する。以下、変更点のみに絞って説明する。
(変形例1)
図6は、変形例1のナットを第2方向から視た図である。変形例1のナット10Aは、肉盗み部25に代えて肉盗み部25Aを有している点で、実施形態1のナット10と相違する。肉盗み部25Aは、フランジ20の径方向中央部に配置された直線状の長孔である。環状部16Aは、非肉盗み領域17Aと、肉盗み領域18Aと、に区分けされる。また、鍛造が可能な肉盗み領域18Aに第4S字溝面13dが設けられている。すなわち肉盗み部25Aと第4S字溝面13dと余肉15dは周方向に関して同位相に配置される。
S字溝面13dを鍛造成型する場合、最も径方向外側に窪んだ底面14aの位置が最も加工量が大きくなるため、加工抵抗が大きくなる。そこで、肉盗み部25Aと第4S字溝面13dと余肉15dは周方向に関して肉盗み部25Aの中心を一致させることで、底面14aの径方向外側の肉厚M2を小さくすることができ、鍛造成型時の加工抵抗を小さくすることができ、精度を向上させることができる。なお、余肉15dの径方向外側が肉盗み部25Aの径方向外側の内周面と接触しているため、フランジ20の外周面から荷重が入力されても、フランジ20の変形することを防ぐことができる。
肉盗み部25Aは、直線状の長孔形状であるため、実施形態1の円弧状の長孔形状の肉盗み部25よりも加工性が良い。
以上、変形例1について説明したが、本開示は変形例1で示した例に限定されない。例えば、変形例1では肉盗み部25Aが直線状の長孔形状であるが、第4S字溝面13dと中心が一致していれば、丸孔形状や三日月形状で構成されていても良い。
(変形例2)
図7は、変形例2のナットの肉盗み領域を第2方向X2から視た図である。図7に示すように、変形例2のナット10Bは、第4S字溝面13dの一部が非肉盗み領域17Bに設けられている点で、実施形態1のナット10と相違する。
詳細に説明すると、S字溝面13の長さ方向の中央部は、最も径方向外側に窪んだ底面14aとなっている。S字溝面13の長さ方向の両端部は、底面14aに近づくにつれて窪み量が次第に大きくなる傾斜面14b、14cとなっている。なお、S字溝面13の長さ方向とは、S字溝面13に沿った方向であり、S字形状に沿った方向ともいう。また、鍛造時において、底面14aの成形によって径方向外側に逃げる余肉の量が多い。一方、傾斜面14b、14cの成形によって径方向外側に逃げる余肉の量は、底面14aと比べて少ない。変形例2では、S字溝面13のうち傾斜面14b、14cの一部(内周軌道面12に連続する部分)が非肉盗み領域17Bに設けられている。また、傾斜面14b、14cの残部(底面14aに連続する部分)と底面14aは、肉盗み領域18B(肉盗み部25Bの径方向内側)に設けられている。
傾斜面14b、14cは底面14aに比べて鍛造成型の加工量が小さいため、加工抵抗が小さい。鍛造成型において、加工抵抗が小さい場合、フランジ20が径方向外側に配置されている場合であっても、少量の余肉であれば径方向外側に逃がすことができる。つまり、非肉盗み領域17Bの内周面11aであっても、窪み量が小さい傾斜面14b、14cの一部であれば、鍛造による成形が可能である。
本開示は、非肉盗み領域17Bに対し、傾斜面14b、14cの一部を鍛造で成形できる場合、変形例2に示すように成形してもよい。言い換えると、本開示は、変形例2で示したようにS字溝面13の全てを肉盗み領域18Bに成形しなければならない、という制限がなく、S字溝面13のレイアウトの自由度が高い。
なお、非肉盗み領域17Bに成形できる溝面(傾斜面14b、14c)とは、底面14aの最大窪み量N(図7参照)に対し、20%以下の窪み量の溝面に限定される。
以上、実施形態1とその変形例について説明した。ここで、実施形態1と変形例のフランジは、ナットの回り止めとして利用されているが、本開示はこれに限定されない。次に、フランジを回り止め以外として利用している例を説明する。
(実施形態2)
図8は、実施形態2のボールねじ装置の断面図である。図8に示すように、実施形態2のボールねじ装置1Aは、軸受装置140を備えている点で、実施形態1のボールねじ装置1と相違する。また、実施形態2のボールねじ装置1Aは、フランジ20の外周面20aに内輪軌道面20bが設けられている点で、実施形態1のボールねじ装置1と相違する。
軸受装置140の外輪141は、ハウジング110に嵌合している。この外輪141の径方向内側に、フランジ20が配置されている。外輪141の溝面141aとフランジ20の溝面20bとが対向している。また、溝面141aと溝面20bとの間に複数の転動体142が配置されている。つまり、ナット10Cは、軸受装置140により回転自在にハウジング110に固定されている。
よって、実施形態2のボールねじ装置1Aでは、ナット10Cに回転運動が入力され、ねじ軸2が軸方向に移動するようになっている。なお、本実施形態において、軸受装置は深溝玉軸受であるが、4点接触玉軸受、円すいころ軸受、複列玉軸受、複列アンギュラ軸受などのその他軸受形式であってもよい。
(変形例3)
図9は、変形例3のナットを第1方向から斜視した斜視図である。図9に示すように変形例3のナット10Dは、肉盗み部25a、25b、25cがフランジ20に周方向等間隔(120°間隔)に3ヶ所設けられている点で、実施形態2のナット10Cと相違する。ナット10Dは図示しない駆動部品によって回転して使用される。肉盗み部がフランジ20に1ヶ所しか配置されていない場合、アンバランス荷重が発生し、使用条件によっては音や振動などの悪影響が発生する可能性がある。そこで、複数の肉盗み部を等間隔に配置することで、アンバランス荷重の発生を抑制することが可能になる。
なお、本明細書における表現である”同位相”、“同じ”、“一致”とは、完全な同位相、同じ、一致だけでなく、一定の誤差範囲内の実質的な同位相、同じ、一致も含む。
1 ボールねじ装置
2 ねじ軸
3 雄スプライン部
4 ねじ軸本体
5 外周軌道面
6 段差面
7 軌道
8 ボール
10、10A、B、10C、10D ナット
11 ナット本体
12 内周軌道面
13 S字溝面
14a 底面
14b、14c 傾斜面
16 環状部
17、17A、17B 非肉盗み領域
18、18A、18B 肉盗み領域
20 フランジ
22 摺動溝面
25、25A、25B、25a、25b、25c 肉盗み部
26 肉盗み部端部
30 突起
31 第1接触面
50 ピストン
60 ストッパ
63 第2接触面
100 電動アクチュエータ
101 ハウジング
102 シリンダ
110 遊星歯車機構

Claims (9)

  1. 一端が第1方向を指し、他端が第2方向を指すねじ軸と、
    前記ねじ軸に貫通されたナットと、
    前記ねじ軸と前記ナットの間に配置される複数のボールと、
    1リードを移動したボールを1リード分戻す複数の循環部と、
    を備え、
    前記ナットは、
    内周面に内周軌道面が設けられたナット本体と、
    前記ナット本体の前記第2方向の端部から径方向外側に突出するフランジと、
    を有し、
    前記ナット本体の前記第2方向の端面には、前記第1方向に貫通した肉盗み部が少なくとも1ヶ所以上設けられ、
    複数の前記循環部は、
    前記ナット本体の内周面から径方向外側に窪む複数のS字溝面を有する
    ボールねじ装置。
  2. 複数の前記S字溝面のうち前記フランジの内径側に配置されたS字溝面の周方向の位相が前記肉盗み部と一致する
    請求項1に記載のボールねじ装置。
  3. 複数の前記S字溝面のうち前記フランジの内径側に配置されたS字溝面の一部もしくは全てが径方向に関して肉盗み部と重畳して設けられている
    請求項1に記載のボールねじ装置。
  4. 複数の前記S字溝面は、周方向に等間隔で配置されている
    請求項1に記載のボールねじ装置。
  5. 複数の前記肉盗み部は、直線状の長孔もしくは円弧状の長孔である
    請求項1に記載のボールねじ装置。
  6. 前記肉盗み部は、周方向に等間隔で配置されている
    請求項1に記載のボールねじ装置。
  7. 前記フランジの径方向外側には、ハウジングに支持され、前記ねじ軸と平行な軸方向に延びるシャフトが配置され、
    前記フランジの外周面には、径方向内側に窪み、内部に前記シャフトが収容される摺動溝面が設けられている
    請求項1に記載のボールねじ装置。
  8. 前記フランジは、軸受装置の外輪の径方向内側に配置され、
    前記フランジの外周面には、前記軸受装置の転動体が転動可能な溝面が設けられている
    請求項1に記載のボールねじ装置。
  9. 前記ナット本体の一端面には、軸方向に突出し、前記ねじ軸と相対回転しないストッパと接触する突起が設けられ、
    複数の前記S字溝面のうち前記軸方向において最も前記突起寄りに配置された前記S字溝面は、前記突起に対し、周方向にずれて配置されている
    請求項1に記載のボールねじ装置。

JP2022165118A 2022-10-14 2022-10-14 ボールねじ装置 Pending JP2024058020A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022165118A JP2024058020A (ja) 2022-10-14 2022-10-14 ボールねじ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022165118A JP2024058020A (ja) 2022-10-14 2022-10-14 ボールねじ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024058020A true JP2024058020A (ja) 2024-04-25

Family

ID=90789906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022165118A Pending JP2024058020A (ja) 2022-10-14 2022-10-14 ボールねじ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024058020A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010004880A1 (ja) 減速装置およびこれを適用した可変バルブタイミング装置
EP2772664B1 (en) Planetary reduction gear and series of the same
EP0287037B1 (en) Planetary gear apparatus
EP2833022A1 (en) Ball screw device
US11466759B2 (en) Cycloid transmission
JP2024058020A (ja) ボールねじ装置
WO2022224903A1 (ja) ボールねじ装置
JP7477062B1 (ja) ナット及びボールねじ装置
EP2730805B1 (en) Reduction gear
WO2015102073A1 (ja) 歯車伝動装置
JP2010019286A (ja) 減速装置
JP7452766B2 (ja) ボールねじ装置
JP5974600B2 (ja) 直動アクチュエータおよびこれを備えた電動ブレーキ
JP7266492B2 (ja) 差動減速機及び差動減速機の製造方法
JP7000848B2 (ja) 直動アクチュエータ
WO2023223930A1 (ja) ボールねじ装置およびその製造方法
JP7226674B1 (ja) ボールねじ装置
JP2024021633A (ja) ボールねじ装置
WO2023132190A1 (ja) ボールねじ装置およびねじ軸の製造方法
WO2023204016A1 (ja) 直動アクチュエータ
JP7449769B2 (ja) トロイダル無段変速機
CN217056175U (zh) 薄型摆线减速机
JP7321031B2 (ja) 差動減速機
US10955007B2 (en) Bearing retaining mechanism
CN111720497B (zh) 摆线减速机及其制造方法以及马达单元

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20221019