JP2024057855A - 切削インサート、切削工具及び切削加工物の製造方法 - Google Patents

切削インサート、切削工具及び切削加工物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】切刃に対してクーラントを効率よく供給することが求められている。【解決手段】本開示の一態様に基づく切削インサートは、立ち上がり面領域を有する第1面と、第1面の反対側に位置する第2面と、第1面及び第2面の間に位置し、逃げ面領域を有する第3面と、第1面及び第3面の間に位置して、第1面及び第3面に対して傾斜するチャンファー面と、チャンファー面において開口する開口部を有する流路と、を備えた切削部を有する。【選択図】図4

Description

本態様は、切削インサート、切削工具及び切削加工物の製造方法に関する。
被削材を切削加工する際に用いられる切削工具の切削インサートとして、例えば特許文献1に記載の切削インサートが知られている。特許文献1及び特許文献2に記載の切削インサートは、切削インサートを冷却するためのクーラントが流れる流路をその内部に有している。
国際公開第2021/074979号 特開2019―77002号公報 特開2014―18891号公報
特許文献1~3に記載の切削インサートにおいては、いずれも流路が、すくい面において開口している。そのため、切刃の冷却効果が不十分となる恐れがある。一方で、切刃の冷却効果の更なる向上が求められている。
本開示の一態様に基づく切削インサートは、立ち上がり面領域を有する第1面と、該第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面及び前記第2面の間に位置し、逃げ面領域を有する第3面と、前記第1面及び前記第3面の間に位置して、前記第1面及び前記第3面に対して傾斜するチャンファー面と、前記チャンファー面において開口する開口部を有する流路と、を備えた切削部を有する。
上記態様の切削インサートは、切刃に対してクーラントを効率よく供給することができる。
本開示の本実施形態に係る切削インサートを示す斜視図である。 図1に示す切削インサートをA1方向から見た平面図である。 図1に示す切削インサートをA2方向から見た平面図である。 図1に示す領域B1の拡大図である。 図2に示す領域B2の拡大図である。 図3に示すVI-VI断面の拡大図である。 図5に示すVII-VII断面の拡大図である。 本開示の実施形態の切削工具を示す平面図である。 本開示の実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示した図である。 本開示の実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示した図である。 本開示の実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示した図である。
<切削インサート>
以下、本開示の実施形態の切削インサート(以下、インサートとする。)について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、各実施形態に係るインサートを説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本開示のインサートは、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
図1に示すように、本実施形態に係るインサート1は、第1面3(上面)と、第1面3の反対側に位置する第2面5(下面)と、第1面3及び第2面5の間に位置する第3面7(側面)と、を備えている。
第1面3及び第2面5は、多角形状であり、それぞれ複数のコーナ及び複数の辺を有している。第1面3における複数のコーナをコーナ9として、第1面3における複数の辺を辺11とする。図2に示す一例における第1面3及び第2面5は菱形である。したがって、図2に示す一例における第1面3は、4つのコーナ9及び4つの辺11を有している。また、図2に示す一例におけるインサート1において、第3面7は、4つの平面部分を有しており、それぞれの平面は略長方形である。
上記したように第1面3は、複数のコーナ9及び複数の辺11を有している。ここで、複数のコーナ9の一つを第1コーナ9A、複数のコーナ9の別の一つを第2コーナ9B、複数のコーナ9の別の一つを第3コーナ9Cとする。これは、第1面3が第1コーナ9A、第2コーナ9B及び第3コーナ9Cを有する、と言い換えることができる。第2コーナ9B及び第3コーナ9Cは、それぞれ複数のコーナ9のうち第1コーナ9Aの隣に位置する。また、第1面3は、第1コーナ9Aから第2コーナ9Bにかけて延びる第1辺11A、及び、第1コーナ9Aから第3コーナ9Cにかけて延びる第2辺11Bを有している。第1辺11A及び第2辺11Bは、第1面3が有する複数の辺の一部であると言える。
ここで、図2は、図1に示す切削インサート1をA1方向から見た平面図であって、第1面3を正面視した図である。以下、第1面3の正面視を上面視と言い換えてもよい。なお、図2において、第2コーナ9Bは、インサート1の右側、第3コーナ9Cは、インサート1の左側に位置しているが、逆であってもよい。また、図3は、図1に示す切削インサート1をA2方向から見た平面図であって、第3面7のうち第1辺11Aに沿って位置する平面部分を正面視した図である。以下、第3面7の正面視を側面視と言い換えてもよい。
図2に示すようにインサート1を上面視した場合において、各コーナ9は曲線形状であり、各コーナ9の曲率半径は、例えば一定であってもよい。また、図2に示す一例において、インサート1を上面視した場合において、各辺11は直線形状である。
インサート1の大きさは特に限定されるものではないが、例えば、本実施形態に係るインサート1においては、第1辺11Aの長さが3~20mmに設定される。また、第1面3から第2面5までの高さは2~20mmに設定される。
図1に示す一例において、インサート1は、第1面3及び第3面7の間に位置し、第1面3及び第3面7に対して傾斜するチャンファー面13を有している。ここで、チャンファー面13とは、切刃のチッピング抑制のために、切刃15に沿って設けられた帯状の面領域である。
本実施形態に係るインサート1において、チャンファー面13は、第1面3から第2面5の側に向かうにしたがって、インサート1の中心軸Oから離れるように傾斜している。ここで、インサート1の中心軸Oとは、図1に示すように、第1面3の中心及び第2面5の中心を通る軸をいう。なお、チャンファー面13の形成方法に関しては特に限定はない。例えば、面取り加工により、インサート1に、チャンファー面13が形成されてもよい。
インサート1は、チャンファー面13と第3面7との交わりに位置する切刃15を有している。具体的には、本実施形態に係るインサート1に示すように、インサート1がチャンファー面13を有する部分において、切刃15は、チャンファー面13と第3面7との交わりに位置してもよいが、これに限定されず、例えば、チャンファー面13を有さない部分において、切刃15は、第1面3と第3面7との交わりに位置してもよい。
図2に示す一例において、切刃15は、第1辺11Aの一部に沿って位置する第1切刃15A、第2辺11Bの一部に沿って位置する第2切刃15B、そして、第1コーナ9A全体に沿って位置する第1コーナ切刃15Cを有している。
図4及び図5に示す一例において、第1切刃15A及び第2切刃15Bは、直線形状である。また、第1コーナ切刃15Cは、凸曲線形状である。上面視した場合における第1コーナ切刃15Cの曲率半径が一定であってもよい。図4に示す一例において、インサート1がチャンファー面13と第3面7との交わりに切刃15を有することから、第1面3は、立ち上がり面領域17を有しており、第3面7は、逃げ面領域19を有している。また、第1面3は、チャンファー面13及び立ち上がり面領域17との間にすくい面として機能する領域を有してもよい。
また、図1に示す一例において、インサート1は、第1面3及び第2面5において開口する貫通孔21を有している。貫通孔21は、インサート1をホルダに装着する際に固定具が挿入される穴として用いられる。固定具の例として、ネジ、クランプ部材及びくさびなどが挙げられる。
また、貫通孔21は上記の構成に限定されず、例えば、第3面7に開口してもよい。この場合、第3面7が有する複数の平面部分のうちの1つから、反対側に位置する別の平面部分にかけて貫通するものであってもよい。
本実施形態に係るインサート1は、切削加工時において、切刃15に対してクーラントを供給するための流路23を有している。流路23は、インサート1の内部に設けられている。流路23の形成方法については、特に限定はない。例えば、ドリル加工、レーザー加工及び3Dプリンターによる製造などにより、インサート1に流路23が形成されてもよい。
図4及び図5に示す一例において、流路23は、チャンファー面13において開口する開口部25を有している。開口部25は、流路23から流れてきたクーラントが吐出されるための構成である。図4に示す一例において、上面視した場合において、開口部25は、楕円形である。なお、開口部25の形状は、上記の場合に限定されず、例えば、円形、横長の楕円形又は略三角形などであってもよい。
特許文献1~3に記載されているように、流路がすくい面において開口し、この開口部分が切刃から大きく離れている場合には、切刃に対して、クーラントを効率よく供給できないおそれがあった。これは、開口部分から吐出されたクーラントが、切削加工により発
生した切屑と衝突すること等によって、切刃に対してクーラントを十分に供給できないおそれがあったためである。
一方、本実施形態に係るインサート1においては、流路23の開口部25がチャンファー面13に位置している。切刃15に沿って位置するチャンファー面13に開口部25が位置するため、切刃15と開口部25までの間隔が短くなる。これにより、切屑が生成されることによってクーラントが所望の箇所に進行しづらい、という問題の発生を抑制できる。
本実施形態に係るインサート1は、第1コーナ9Aに沿って位置する第1チャンファー面13A、及び、第1辺11Aに沿って位置する第2チャンファー面13Bを有している。第1チャンファー面13A及び第2チャンファー面13Bはともに微細な面領域であることから、巨視的な観点では、それぞれ曲線形状及び直線形状と評価してもよい。なお、本実施形態に係るインサート1において、第1チャンファー面13Aの曲線形状は、曲率半径が一定である。
本実施形態に係るインサート1において、第1チャンファー面13Aは、第2チャンファー面13Bと接続している。図4に示す一例において、第1辺11Aは、第1部分27及び第2部分29を有する。第1部分27は、第2チャンファー面13Bと第1面3との交わりに位置する。第2部分29は、第1面3と第3面7との交わりに位置する。第2部分29は、第1部分27よりも第1コーナ9Aから離れた側に位置し、第1部分27と接続している。図4に示す一例において、第1部分27と第2部分29との境界は、第1面3、第3面7及びチャンファー面13で囲まれている。
本実施形態に係るインサート1において、開口部25は、第2チャンファー面13Bに位置している。このような場合には、切刃15の全体に対して、クーラントをより効率よく供給することができる。なお、図4に示す一例においては、開口部25の全体が第2チャンファー面13Bに位置しているが、これに限定されず、開口部25の少なくとも一部が、第2チャンファー面13Bに位置してもよい。
ここで、開口部25の位置は、上記の場合に限定されない。例えば、図示されてはいないが、開口部25は、第1チャンファー面13Aに位置してもよい。一般的に、切削加工時においては、コーナ9の部分に大きな切削加工がかかりやすいことから、このような場合には、切刃15における切削負荷がかかりやすい部分に対して、クーラントをより効率よく供給することができる。なお、開口部25の全体が第1チャンファー面13Aに位置してもよく、開口部25の少なくとも一部が、第1チャンファー面13Aに位置してもよい。
本実施形態に係るインサート1において、第2チャンファー面13Bは、第1領域31、及び、第1領域31よりも第1チャンファー面13Aから離れた側に位置する第2領域33を有している。図4に示す一例において、第2領域33は、第1領域31と接続している。
図5に示す一例のように上面視した場合において、第1辺11Aに直交する方向での第1領域31の幅が一定である。また、第1辺11Aに直交する方向での第2領域33の幅が、第1領域31から離れるにしたがって小さくなっている。このように、第1辺11Aに直交する方向での第2チャンファー面13Bの幅を評価することによって、第1領域31及び第2領域33の範囲を特定してもよい。
また、第1面3に平行であって、第2チャンファー面13Bと交わる断面において、第
1領域31は直線形状であって、第2領域33は凹形状である。このような場合には、クーラントが被削材に向かって吐出され、被削材に当たったクーラントが跳ね返って切刃15の方向に向かいやすいことから、切刃15に対してより効率よくクーラントを供給することができる。
具体的には、図6に示す一例において、第1領域31は直線形状であって、第2領域33は、第1領域31と接続し、第1チャンファー面13Aから離れるにしたがって、インサート1の中心軸から離れる方向に向かって延びる凹曲線形状である。ここでいう凹曲線形状とは、曲率半径が一定であってもよい。
なお、図6は、図3に示すVI-VI線に沿ってインサート1を切断したVI-VI断面における図5に相当する領域を拡大した図である。VI-VI断面は、第1面3に平行であって、第2チャンファー面13Bと交わる断面である。
また、第1面3に直交し、第2チャンファー面13Bが延びる方向に平行であって、第2チャンファー面13Bと交わる断面において、第1領域31は直線形状であって、第2領域33は凹形状である。このような場合には、クーラントが第1面3に平行な方向に吐出されやすく、切刃15に対してより効率よくクーラントを供給することができる。
具体的には、図7に示す一例において、第1領域31は直線形状であって、第2領域33は、第1領域31と接続し、第1チャンファー面13Aから離れるにしたがって、第1面3の側に向かって延びる凹曲線形状である。ここでいう凹曲線形状とは、曲率半径が一定であってもよい。
なお、図7は、図5に示すVII-VII線に沿ってインサート1を切断したVII-VII断面における第2領域33の付近を拡大した図である。VII-VII断面は、第1面3に直交し、第2チャンファー面13Bが延びる方向に平行であって、第2チャンファー面13Bと交わる断面である。
図6及び図7に関する上記の内容より、第2領域33は、曲面領域を有している。なお、本実施形態に係るインサート1においては、第2領域33の全体が曲面形状である。
本実施形態に係るインサート1において、開口部25は、第2領域33に位置している。このような場合には、切刃15の全体に対して、クーラントをより効率よく供給することができる。なお、図4に示す一例においては、開口部25の全体が第2領域33に位置しているが、これに限定されず、開口部25の少なくとも一部が、第2領域33に位置してもよい。
また、開口部25が第2領域33に位置し、且つ、第2領域33が曲面形状である場合には、開口部25から吐出されたクーラントはチャンファー面13の全体に沿って流れやすく、その結果、切刃15の全体に対して、より効率よくクーラントを供給することができる。
本実施形態に係るインサート1において、流路23は、開口部25から延びた直線形状の第1流路35を有している。本実施形態に係るインサート1において、第1流路35は、上面透視した場合において、第1コーナ9Aから離れるにしたがって、第1辺11Aから離れている。このような場合には、切刃15に対して、より効率よくクーラントを供給することができる。本実施形態に係るインサート1において、第1流路35は、側面透視した場合において、第1面3に対して平行である。
本実施形態に係るインサート1において、流路23は、第1流路35に対して傾斜しており、第1流路35から第2面5に向かって延びる第2流路37を有している。ここで、第2流路37は、本実施形態に係るインサート1のように、第2面5に対して垂直に延びている必要はなく、例えば、第2面5に対して傾斜した直線形状であってもよく、曲線形状であってもよい。なお、説明の都合上、第1流路35及び第2流路37は、インサート1の内部に位置していることから、図1~図6においては、点線にて第1流路35及び第2流路37を示している。
本実施形態に係るインサート1において、第1流路35は、第2流路37から離れるにしたがって、第1コーナ9Aに近づいている。このような場合には、開口部25から第1コーナ9Aに向かって、クーラントを吐出できることから、切刃15に対してクーラントをより効率よく供給することができる。
本実施形態に係るインサート1において、第1流路35の中心軸Nは、上面透視した場合において、切刃15と交差する。具体的には、図5に示すように、第1流路35の中心軸Nが、第1切刃15Aと交差している。このような場合には、切刃15に対してクーラントをより効率よく供給することができる。
なお、上記においては、開口部25が第1辺11Aの側に位置している場合についてのみ言及しているが、本実施形態に係るインサート1に示すように、開口部25が第2辺11Bの側に位置してもよい。
インサート1の材質としては、例えば、超硬合金、サーメット、セラミックス、cBN(Cubic Boron Nitride:立方晶窒化硼素)及びPCD(PolyCrystalline Diamond:多結晶ダイヤモンド)などが挙げられる。
超硬合金の組成としては、例えば、WC(炭化タングステン)-Co、WC-TiC(炭化チタン)-Co及びWC-TiC-TaC(炭化タンタル)-Coが挙げられる。ここで、WC、TiC及びTaCは硬質粒子であり、Coは結合相である。また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、TiC又はTiN(窒化チタン)を主成分とした化合物が挙げられる。なお、インサート1の材質としては、これらに限定されるものではない。
また、インサート1は、上に例示する材質によって構成される1つの部材のみによって構成されていてもよく、また、上に例示する材質によって構成される複数の部材によって構成されていてもよい。
本実施形態に係るインサート1は、図1に示すように、基部41及び切削部43によって構成されており、全体として多角板形状になっている。基部41は略多角板形状であり、角の一部が切り欠かれた構成である。切削部43は、この切り欠かれた部分にロウ材などを用いて接合されるものである。なお、インサート1が1つの部材のみによって構成されている場合は、インサート1の全体を切削部43としてもよい。
ここで、図3及び図5に示す一例において、切削部43は、第1面3の一部、第3面7の一部、第1コーナ9A、第1辺11Aの一部、第2辺11Bの一部、チャンファー面13、切刃15、開口部25、そして、第1流路35の一部を有している。また、基部41が、第1流路35の残りの部分と、第2流路37とを有している。
上記のように本実施形態に係るインサート1においては、第1流路35が切削部43から基部41にかけて位置しており、第2流路37が基部41のみに位置して、切削部43
に位置していない。流路23は、このような構成であってもよい。
第2流路37は、第1流路35に対して傾斜している。そのため、第1流路35及び第1流路37の境界部分は、流路23が折れ曲がる構成となっている。そして、この折れ曲がる部分が基部41に位置している。流路23の折れ曲がる部分は耐久性が低下する原因になり得るが、比較的高い切削負荷が加わる切削部43ではなく、基部41に流路23の折れ曲がる部分が位置していることから、インサート1の耐久性の低下が避けられ易い。
切削部43の材質として、例えばcBN及びPCDといった硬度が比較的高い材質(硬質材料)を用いるとともに、基部41の材質として、例えば、超硬合金、サーメット又はセラミックスを用いた場合には、安価に製造することが可能でありつつも、切削負荷に対する耐久性が高いインサート1となる。基部41及び切削部43の硬度は、それぞれの部位のビッカース硬さを測定することによって評価することができる。
なお、本実施形態における切削部43は硬質材料(cBN及びPCD)からなるが、これは、切削部43の材質の主要な成分がcBN又はPCDであることを意味している。すなわち、切削部43には、硬質材料に加えて、若干(10質量%以下程度)の添加物や不純物が混じっていてもよい。同様に、本実施形態における基部41は超硬合金からなるが、これは、基部41の材質の主要な成分が超硬合金であることを意味している。すなわち、基部41には、超硬合金に加えて、若干(10質量%以下程度)の添加物や不純物が混じっていてもよい。
本実施形態に係るインサート1のように、切削部43がcBN及びPCDといった硬度が比較的高い材質から構成される場合には、切削部43におけるすくい面の形状に微細な加工を施すことが難しく、クーラントの供給効率の確保が困難である。しかし、本実施形態に係るインサート1は、チャンファー面13に開口部25を設けることで、インサート1の形状の制約を受けることなく、切刃15に対してクーラントをより効率よく供給することができる。したがって、切削部43が上記の材質で構成されている場合には、チャンファー面13に開口部25を設けることの利点がより活かされる。
また、インサート1は、上記の基部41及び切削部43のみによって構成されていてもよいが、上記の構成以外の例として、インサート1の表面を被覆する被覆層(不図示)を備えていてもよい。被覆層は、インサート1の表面の全体を覆っていてもよく、また、インサート1の表面の一部のみを覆っていてもよい。
被覆層の材質としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、並びに、チタンの炭化物、窒化物、酸化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒化物及び炭窒酸化物などが挙げられる。被覆層は、上記の材質のうち1つのみを含有していてもよく、また、複数を含有していてもよい。
また、被覆層は、1つのみの層によって構成されていてもよく、複数の層が積層された構成であってもよい。なお、被覆層の材質としては、これらに限定されるものではない。被覆層は、例えば、化学蒸着(CVD)法又は物理蒸着(PVD)法を用いることによって、基体の上に位置させることが可能である。
<切削工具>
次に、一実施形態の切削工具101について図面を用いて説明する。
本実施形態の切削工具101は、図8に示すように、先端側にポケット103を有するホルダ105と、ポケット103に位置する本実施形態に係るインサート1とを備えてい
る。本実施形態の切削工具101においては、切刃15の少なくとも一部がホルダ105の先端から突出するように、インサート1が装着されている。
ホルダ105は、細長く伸びた棒形状をなしている。そして、ホルダ105の先端側には、ポケット103が1つ設けられている。ポケット103は、インサート1が装着される部分であり、ホルダ105の先端面に対して開口している。このとき、ポケット103がホルダ105の側面に対しても開口していることによって、インサート1の装着を容易に行うことができる。具体的には、ポケット103は、ホルダ105の下面に対して平行な着座面と、着座面に対して傾斜する拘束側面とを有している。
ポケット103にはインサート1が位置している。このとき、インサート1の下面がポケット103に直接に接していてもよく、また、インサート1とポケット103との間にシートを挟んでいてもよい。
インサート1は、切刃15がホルダ105から外方に突出するように装着される。本実施形態においては、インサート1は、固定部の一例であるクランプ部材107によって、ホルダ105に装着されている。すなわち、クランプ部材107の頭部がインサート1の貫通孔の内壁に押し当てられ、インサート1をポケット103に拘束している。
ホルダ105としては、鋼、鋳鉄などを用いることができる。特に、これらの部材の中で靱性の高い鋼を用いることが好ましい。
本実施形態においては、いわゆる旋削加工に用いられる切削工具を例示している。旋削加工としては、例えば、内径加工、外径加工及び溝入れ加工が挙げられる。なお、切削工具としては旋削加工に用いられるものに限定されない。例えば、転削加工に用いられる切削工具に上記の実施形態に係るインサート1を用いてもよい。
<切削加工物の製造方法>
次に、本発明の一実施形態の切削加工物の製造方法について図面を用いて説明する。
切削加工物は、被削材201を切削加工することによって作製される。本実施形態における切削加工物の製造方法は、以下の工程を備えている。すなわち、
(a)被削材201を回転させる工程と、
(b)回転している被削材201に上記実施形態に代表される切削工具101における稜線を接触させる工程と、
(c)切削工具101を被削材201から離す工程と、
を備えている。
より具体的には、まず、図9に示すように、被削材201を軸Zの周りで回転させるとともに、被削材201に切削工具101を相対的に近付ける。次に、図10に示すように、切削工具101における切刃を被削材201に接触させて、被削材201を切削する。そして、図11に示すように、切削工具101を被削材201から相対的に遠ざける。
本実施形態においては、軸Zを固定するとともに被削材201を回転させた状態で切削工具101をY1方向に移動させることによって被削材201に近づけている。また、図10においては、回転している被削材201に切刃15を接触させ、Y2方向に移動させることによって被削材201を切削している。また、図11においては、被削材201を回転させた状態で切削工具101をY3方向に移動させることによって遠ざけている。
なお、本実施形態の製造方法における切削加工では、それぞれの工程において、切削工
具101を動かすことによって、切削工具101を被削材201に接触させる、あるいは、切削工具101を被削材201から離しているが、当然ながらこのような形態に限定されるものではない。
例えば、(a)の工程において、被削材201を切削工具101に近づけてもよい。同様に、(c)の工程において、被削材201を切削工具101から遠ざけてもよい。切削加工を継続する場合には、被削材201を回転させた状態を維持して、被削材201の異なる箇所にインサート1における切刃15を接触させる工程を繰り返せばよい。
なお、被削材201の材質の代表例としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス、鋳鉄、又は非鉄金属などが挙げられる。
一実施形態において、(1)切削インサートは、立ち上がり面領域を有する第1面と、該第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面及び前記第2面の間に位置し、逃げ面領域を有する第3面と、前記第1面及び前記第3面の間に位置して、前記第1面及び前記第3面に対して傾斜するチャンファー面と、前記チャンファー面において開口する開口部を有する流路と、を備えた切削部を有してもよい。
(2)上記(1)の切削インサートにおいて、前記第1面は、コーナと、該コーナから延びる第1辺と、を有し、前記チャンファー面は、前記コーナに沿って位置する第1チャンファー面と、前記第1辺に沿って位置する第2チャンファー面と、を有し、前記開口部は、前記第2チャンファー面に位置してもよい。
(3)上記(2)の切削インサートにおいて、前記第2チャンファー面は、第1領域と、該第1領域よりも前記第1チャンファー面から離れた第2領域と、を有し、前記第1面に平行であって前記第2チャンファー面と交わる断面において、前記第1領域が直線形状であるとともに前記第2領域が凹形状であって、前記開口部は、前記第2領域に位置してもよい。
(4)上記(2)又は(3)の切削インサートにおいて、前記第2チャンファー面は、第1領域と、該第1領域よりも前記第1チャンファー面から離れた第2領域と、を有し、前記第1面に直交し、前記第2チャンファー面が延びる方向に平行であって、前記第2チャンファー面と交わる断面において、前記第1領域が直線形状であるとともに前記第2領域が凹形状であって、前記開口部は、前記第2領域に位置してもよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの切削インサートにおいて、前記流路は、前記開口部から延びた直線形状の第1流路と、該第1流路から前記第2面に向かって延びる第2流路と、を有し、前記第1流路は、前記第2流路から離れるにしたがって前記コーナに近づいてもよい。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの切削インサートにおいて、前記切削部が接合された基部を更に有し、前記基部が超硬合金からなるとともに、前記切削部が立方晶窒化硼素又は多結晶ダイヤモンドからなってもよい。
(7)切削工具であって、先端の側に位置するポケットを有するホルダと、前記ポケット内に位置する、上記(1)から(6)のいずれかの切削インサートと、を有してもよい。
(8)被削材を回転させる工程と、回転している前記被削材に上記(7)の切削工具を接触させる工程と、前記切削工具を前記被削材から離す工程と、を備えてもよい。
以上、本開示に係る発明について、諸図面および実施形態に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は前述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
1・・・切削インサート(インサート)
3・・・第1面(上面)
5・・・第2面(下面)
7・・・第3面(側面)
9・・・コーナ
9A・・第1コーナ
9B・・第2コーナ
9C・・第3コーナ
11・・・辺
11A・・第1辺
11B・・第2辺
13・・・チャンファー面
13A・・第1チャンファー面
13B・・第2チャンファー面
15・・・切刃
15A・・第1切刃
15B・・第2切刃
15C・・第1コーナ切刃
17・・・立ち上がり面領域
19・・・逃げ面領域
21・・・貫通孔
23・・・流路
25・・・開口部
27・・・第1部分
29・・・第2部分
31・・・第1領域
33・・・第2領域
35・・・第1流路
37・・・第2流路
41・・・基部
43・・・切削部
101・・・切削工具
103・・・ポケット
105・・・ホルダ
107・・・クランプ部材
201・・・被削材
O・・・インサートの中心軸
N・・・第1流路の中心軸
Z・・・被削材の回転軸
Y1~Y3・・・移動方向

Claims (8)

  1. 立ち上がり面領域を有する第1面と、
    該第1面の反対側に位置する第2面と、
    前記第1面及び前記第2面の間に位置し、逃げ面領域を有する第3面と、
    前記第1面及び前記第3面の間に位置して、前記第1面及び前記第3面に対して傾斜するチャンファー面と、
    前記チャンファー面において開口する開口部を有する流路と、を備えた切削部を有する、切削インサート。
  2. 前記第1面は、
    コーナと、
    該コーナから延びる第1辺と、を有し、
    前記チャンファー面は、
    前記コーナに沿って位置する第1チャンファー面と、
    前記第1辺に沿って位置する第2チャンファー面と、を有し、
    前記開口部は、前記第2チャンファー面に位置する、請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記第2チャンファー面は、
    第1領域と、
    該第1領域よりも前記第1チャンファー面から離れた第2領域と、を有し、
    前記第1面に平行であって前記第2チャンファー面と交わる断面において、前記第1領域が直線形状であるとともに前記第2領域が凹形状であって、
    前記開口部は、前記第2領域に位置する、請求項2に記載の切削インサート。
  4. 前記第2チャンファー面は、
    第1領域と、
    該第1領域よりも前記第1チャンファー面から離れた第2領域と、を有し、
    前記第1面に直交し、前記第2チャンファー面が延びる方向に平行であって、前記第2チャンファー面と交わる断面において、前記第1領域が直線形状であるとともに前記第2領域が凹形状であって、
    前記開口部は、前記第2領域に位置する、請求項2に記載の切削インサート。
  5. 前記流路は、
    前記開口部から延びた直線形状の第1流路と、
    該第1流路から前記第2面に向かって延びる第2流路と、を有し、
    前記第1流路は、前記第2流路から離れるにしたがって前記コーナに近づく、請求項1に記載の切削インサート。
  6. 前記切削部が接合された基部を更に有し、
    前記基部が超硬合金からなるとともに、前記切削部が立方晶窒化硼素又は多結晶ダイヤモンドからなる、請求項1に記載の切削インサート。
  7. 先端の側に位置するポケットを有するホルダと、
    前記ポケット内に位置する、請求項1~6のいずれか1つに記載の切削インサートと、を有する切削工具。
  8. 被削材を回転させる工程と、
    回転している前記被削材に請求項7に記載の切削工具を接触させる工程と、
    前記切削工具を前記被削材から離す工程と、を備えた切削加工物の製造方法。
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