JP2024057354A - 充放電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】接続対象の駆動用蓄電池を搭載している車両に搭載された補機電池以外の外部電源から起動電力を取り出せ、かつシーケンス回路の安全停止機能が阻害されることを防止する。【解決手段】DC/DCコンバータ11は、駆動用蓄電池21を充放電する。シーケンス回路13は、電動車20との充放電シーケンスを実行する。制御部14は、DC/DCコンバータ11とシーケンス回路13を制御する。制御電源生成部15は、DC/DCコンバータ11が接続された電力線または外部電源入力部16から取得される電力をもとに、シーケンス回路13と制御部14に供給する制御電源を生成する。外部電源入力部16に外部電源ケーブル50が接続された状態で、電動車20との間の接地線が充放電時に2重化されないように設計されている。【選択図】図4

Description

本開示は、電動車用の充放電システムに関する。
近年、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車が普及してきている。それに伴い、電動車と住宅との間で電力を授受するためのV2H(Vehicle to Home)機器が普及してきている。
V2H機器を有する電力変換システムとして、図2(詳細な説明は後述する)に示されるマルチ入力の電力変換システムがある。複数の直流電源(車載蓄電池、太陽電池、定置蓄電池)は、各々のDC/DCコンバータを介して高圧の直流バスで結合され、系統連系の双方向インバータと接続される。連系運転時には、太陽電池からの発電電力は、例えばインバータの外側の負荷や、直流バスで接続された定置蓄電池などに供給される。また、電気料金が安価な夜間に商用電力系統(以下単に、系統と呼ぶ)から定置蓄電池に充電し、宅内負荷の消費が増加する昼間に放電するピークシフト運転を行うことも可能である。
各コンバータは、各直流電源(車載蓄電池、太陽電池、定置蓄電池)と直流バス間で電力の入出力を制御する。インバータは、系統と直流バス間の電力の入出力を制御する。これらの制御の協調制御もしくは分散制御により、所望の方向に電力が制御される。
図2に示されるV2Hを有する電力変換システムは、CHAdeMO協議会で制定されたV2Hガイドライン(電動自動車用充放電システムガイドライン V2H DC版 EVPS-002)(以下、単にV2Hガイドラインと呼ぶ)に準拠している。電動車の駆動用蓄電池を、定置蓄電池のように用いることで、余剰電力を充電したり、宅内負荷の増大時に放電して、宅内負荷への電力供給をアシストすることができる。
電動車とEV用の電力変換装置との間では、主回路のみならず、V2Hガイドラインで規定された信号線および通信線を共有する。EV用の電力変換装置内にもシーケンス回路を搭載し、シーケンス制御を行うことで、運転要求~充放電~運転停止を行う。
ここで注意が必要なのは、定置蓄電池と異なり電動車の駆動用蓄電池の利用には、EV用の電力変換装置でシーケンス制御を経てからでしか、駆動用蓄電池とEV用の電力変換装置の主回路の電気的接続が行われないことである。つまり、シーケンス制御がある程度進んでからでないと、コンタクタ(リレー)を介して、電動車の駆動用蓄電池とEV用の電力変換装置の主回路が電気的な接続状態にならないことである。これは、定置蓄電池と異なり、電動車の駆動用蓄電池はEV用の電力変換装置との接続が非固定であり、可動ケーブルを使用したエンドユーザによる接続が必要であることから、電気的接続の確実性、短絡、地絡などの安全検証を行った後に接続を行うためである。つまり、定置蓄電池と異なり、電動車の駆動用蓄電池をEV用の電力変換装置の起動電力として用いることができない。EV用の電力変換装置は基本的に、V2Hを有する電力変換システム内の電力(系統から取り込んだ電力でもよい)を用いて起動する必要がある。
系統が健全な状態、または停電時であっても太陽電池や定置蓄電池から電力供給を受けることができる状態であれば、EV用の電力変換装置の起動に問題はない。これに対して、V2Hを有する電力変換システム全体で電源を喪失した場合(停電で、かつ太陽電池や定置蓄電池から電力供給を受けられない場合、以降、システムの全電源喪失状態と呼ぶ)では、電動車の駆動用蓄電池から起動電力を取得できない。したがって、EV用の電力変換装置の起動に問題が生じる。
一般的にこのような全電源喪失状態は、台風や大雪などの災害発生後の長期停電時などに発生する。災害発生後の長期停電時には定置蓄電池が枯渇状態になりやすい。また、悪天候により太陽電池が発電不足になりやすい。このような環境下であっても、電力変換システムから電動車を切り離し、非災害地域まで自走し、駆動用蓄電池を充電し、その後、電力変換システムまで自走で戻り、電動車が電力変換システムに接続できるV2Hを有する電力変換システムは、レジリエンスの面で大きなアドバンテージを持つ。同様に非災害地域外からの電源救護の電動車を受け入れできることは言うまでもない。
全電源喪失状態においてEV用の電力変換装置を起動するために、電力変換装置内に起動用の電池を備える方法や、電動車のアクセサリーソケットからアクセサリ電源を取り出す方法が考えられる。アクセサリ電源は、電動車に駆動用蓄電池と別に搭載されている補機バッテリ(例えば、12V出力の鉛蓄電池)から供給される。
特許文献1には、車両の補機バッテリを、V2H機器を有する電力変換システムの起動電源として用いることで、停電で、かつ電力変換システム側に電源を有さない状態で起動する方法が開示されている。これは、V2Hガイドラインに策定された車両の補機バッテリの利用例に対応している。ただし特許文献1は、接続対象の駆動用蓄電池を搭載している電動車(以下本明細書では、対向車と呼ぶ)に搭載された補機バッテリから起動電源を取り出すことを前提としている。
V2Hガイドラインで推奨されている回路構成例として、電動車のアクセサリーソケットと、電力変換システム(以下適宜、充放電システムとも呼ぶ)の外部起動電源入力部(以下、外部電源入力部と呼ぶ)を、外部起動電源入力ケーブル(以下、外部電源ケーブルと呼ぶ)で接続する例が示されている(図3参照(詳細な説明は後述する))。外部電源ケーブルはマイナス線を有さず、車両のグランドと充放電システムのグランドは充放電ケーブルの接地線を介して導通する。
対向車と充放電システムが充放電ケーブルで接続された状態で、第1リレーD1、第2リレーD2のターンオンを含むシーケンス制御が完了すると、主回路での充放電動作が可能となる。対向車の補機バッテリからシーケンス回路などを起動するための起動電源を取り出すために、対向車と外部電源ケーブルで接続されている状態において、車両側グランドと外部入力側を外部電源ケーブルを介してマイナス線で導通させていると、充放電ケーブルの損傷などで充放電ケーブルを通る接地線が断線した場合、外部電源ケーブルのマイナス線が迂回接地線として働いてしまう。その結果、V2Hガイドラインでの信号回路およびシーケンスに備わった安全停止機能が充放電システム側、車両側とも働かず、接地線の断線検知にもとづく停止要件を満たせない設計となってしまう。そのため、車両側グランドと外部入力側を外部電源ケーブルを介してマイナス線で導通させない仕様となっている。つまり、安全停止機能としての第1リレーD1、第2リレーD2のオフ、作動許可信号のオフは、接地線が単一であることを前提に成り立っている。
特開2017-143710号公報
対向車の補機バッテリから電源を取り出せない場合もありうる。例えば、対向車が12Vのアクセサリ電源を出力するアクセサリーソケットを標準で備えていない場合や、アクセサリーソケットを備えていても充放電コネクタを接続した状態(CHAdeMOでの充放電利用時)では使用できない場合などが挙げられる。また、全電源喪失状態を起こすような台風災害などが発生している悪天候の状態において、車内のアクセサリーソケットに外部電源ケーブルを接続し、窓やドアから外部電源ケーブルを取り出し、充放電システムに接続することは困難な作業になる。
これらの課題に対して、対向車と別の車両のアクセサリーソケットから電源を取り出すことや、12V出力可能なポータブル電源から電源を取り出すことが考えられる。以下、本明細書では、対向車以外の車両、および車両以外のポータブル電源や発電機を含めて、対向車以外で、外部から充放電システムに電源を供給できる機器を総称して非対向車と呼ぶ。
前述の通り、車両側のアクセサリーソケットと充放電システム側の外部電源入力部をマイナス線で接続しない回路構成を前提とする場合、対向車以外の外部電源と外部電源ケーブルで接続してもマイナス極が導通しないため電流が流れず、電源を取り出すことはできない。
これに対して、外部電源ケーブルにマイナス線を追加すると、対向車の補機バッテリから電力を取り出す際、回り込み電流の発生や接地線の多重化により、充放電ケーブルを通る接地線の断線検知が正しく行えず、V2Hガイドラインに適合しない設計となってしまう。
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、接続対象の駆動用蓄電池を搭載している車両に搭載された補機電池以外の外部電源から起動電力を取り出せ、かつシーケンス回路の安全停止機能が阻害されない充放電システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の充放電システムは、電動車の駆動用蓄電池を充放電ケーブルを介して充放電可能な充放電システムであって、前記駆動用蓄電池を充放電するためのDC/DCコンバータと、前記電動車との充放電シーケンスを実行するためのシーケンス回路と、前記DC/DCコンバータと前記シーケンス回路を制御する制御部と、外部から電源供給を受けるための外部電源入力部と、前記DC/DCコンバータが接続された電力線または前記外部電源入力部から取得される電力をもとに、前記シーケンス回路と前記制御部に供給する制御電源を生成する制御電源生成部と、を備える。前記外部電源入力部に外部電源ケーブルが接続された状態で、前記電動車との間の接地線が充放電時に2重化されないように設計されている。
本開示によれば、接続対象の駆動用蓄電池を搭載している車両に搭載された補機電池以外の外部電源から起動電力を取り出せ、かつシーケンス回路の安全停止機能が阻害されない充放電システムを実現することができる。
実施の形態に係る充放電装置の構成例1を説明するための図である。 実施の形態に係る充放電装置の構成例2を説明するための図である。 実施例1に係る電動車と充放電装置の内部構成を示す図である。 実施例2に係る電動車と充放電装置の内部構成を示す図である。 回り込み防止回路の構成例1を示す図である。 回り込み防止回路の構成例2を示す図である。 シーケンス回路に設けられる電流検出回路の設置場所の一例を示す図である。 回り込み防止回路の構成例3を示す図である。 図9(a)-(b)は、外部電源ケーブルの構成例1を示す図である。 外部電源ケーブルの構成例2を示す図である。
(構成例1)
図1は、実施の形態に係る充放電装置10の構成例1を説明するための図である。充放電装置10は、電動車20と、宅内の系統2の受電点または負荷4とを連携するためのV2H機器である。充放電装置10は、V2Hガイドラインに準拠した充放電インターフェイスおよびシーケンスを有する。
充放電装置10は、DC/DCコンバータ11、インバータ12、シーケンス回路13および制御部14を備える。DC/DCコンバータ11とインバータ12は電力主回路を構成する。充放電装置10と電動車20は、直流の充放電ケーブル30で接続される。充放電ケーブル30は、シーケンス回路13および電力主回路と接続する充放電コネクタを有し、充放電装置10に固定接続されている。充放電ケーブル30の先端にはガンコネクタ30aが取り付けられており、ユーザがガンコネクタ30aを電動車20のインレットに差し込むことにより、充放電装置10と電動車20が接続される。
DC/DCコンバータ11の一端は充放電ケーブル30を介して電動車20に接続され、DC/DCコンバータ11の他端はインバータ12に接続される。DC/DCコンバータ11は、電動車20に搭載された駆動用蓄電池を充放電するための双方向DC/DCコンバータである。
インバータ12は、DC/DCコンバータ11と分電盤3との間に接続される双方向インバータである。インバータ12は、DC/DCコンバータ11から入力される直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を分電盤3に出力することができる。分電盤3には系統2および負荷4が接続される。負荷4は宅内の負荷の総称である。インバータ12は、系統2から分電盤3を介して供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をDC/DCコンバータ11に出力することもできる。
シーケンス回路13は、電動車20との充放電シーケンスを実行するための回路であり、V2Hガイドラインに準拠した回路である。シーケンス回路13は、電動車20に搭載された駆動用蓄電池の充放電の開始/停止、電力量、電流方向などを、ハンドシェイクしながら動作させるための信号回路と通信回路を含む。制御部14は充放電装置10全体を統括的に制御する。シーケンス回路13と制御部14の詳細な構成は後述する。
(構成例2)
図2は、実施の形態に係る充放電装置10の構成例2を説明するための図である。構成例1は充放電装置10がインバータ12を含み、分電盤3に直接接続される構成であったが、構成例2は充放電装置10がインバータ12を含まず、ハイブリッド蓄電システム(創蓄連携システムとも呼ぶ)を介して分電盤3に接続される構成である。充放電装置10とハイブリッド蓄電システムは直流結合され、V2Hガイドラインに準拠した充放電インターフェイスおよびシーケンスを有する電力変換システムを構成する。
ハイブリッド蓄電システムは、太陽電池6、定置蓄電池7および電力変換装置40を備える。電力変換装置40は、太陽電池6と定置蓄電池7のパワーコンディショナであり、太陽電池6用のDC/DCコンバータ41、定置蓄電池7用のDC/DCコンバータ42、インバータ43および制御部44を備える。
太陽電池6は、直列接続された複数の太陽電池モジュール(太陽光パネル)を含む。各太陽電池モジュールは、直列接続された複数の太陽電池セルを含む。太陽電池セルは、光起電力効果を利用し、光エネルギーを直接、直流電力に変換することができる。太陽電池セルとして、ヘテロ接合太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、単結晶シリコン太陽電池、薄膜シリコン太陽電池、化合物系太陽電池などを使用することができる。
太陽電池6は、DC/DCコンバータ41と接続され、発電した電力をDC/DCコンバータ41に出力する。DC/DCコンバータ41は、太陽電池6と直流バスBdcとの間に接続され、太陽電池6から出力される直流電力の電圧を調整して直流バスBdcに出力するコンバータである。例えば、昇圧チョッパで構成される。
定置蓄電池7は直流電力の充放電が可能であり、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池、鉛蓄電池などの蓄電池を備える。なお蓄電池の代わりに、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどのキャパシタを備えていてもよい。
定置蓄電池7は、DC/DCコンバータ42と接続され、DC/DCコンバータ42により充放電制御される。DC/DCコンバータ42は、定置蓄電池7と直流バスBdcの間に接続される双方向DC/DCコンバータである。
インバータ43は、直流バスBdcと分電盤3との間に接続される双方向インバータである。インバータ43は、直流バスBdcから入力される直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を分電盤3に出力することができる。インバータ43は、系統2から分電盤3を介して供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を直流バスBdcに出力することもできる。また停電時、インバータ43は、直流バスBdcから入力される直流電力を交流電力に変換し、ACコンセント5に自立出力することもできる。
制御部44は電力変換装置40を統括的に制御する。制御部44は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ回路、ロジック回路、マイクロコントローラ、DSP、ROM、RAM、ASIC、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源として、ファームウェアなどのプログラムを利用できる。
制御部44は、太陽電池6の出力電力が最大になるようにDC/DCコンバータ41をMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御することができる。制御部44は、太陽電池6の出力電圧と出力電力の関係をもとに、太陽電池6の出力電力を最大にするための電圧指令値を生成する。
制御部44は例えば、山登り法にしたがい動作電圧を所定のステップ幅で変化させて最大出力動作点を探索する。具体的には制御部44は、太陽電池モジュールのP-V曲線の最大出力動作点の低圧側では、現在の動作電圧を高圧側にシフトさせるための電圧指令値を生成し、最大出力動作点の高圧側では、現在の動作電圧を低圧側にシフトさせるための電圧指令値を生成する。制御部44は、最大出力動作点を捉えると最大出力動作点を維持するように電圧指令値を生成する。DC/DCコンバータ41は、生成された電圧指令値に基づく駆動信号に応じてスイッチング動作する。
制御部44は、DC/DCコンバータ42を制御して、定置蓄電池7を充放電制御する。DC/DCコンバータ42は、制御部44から設定される電流指令値または電圧指令値に基づき、定置蓄電池7の定電流(CC)放電、定電圧(CV)放電、定電流充電または定電圧充電を行う。なお、定置蓄電池7を太陽電池6の発電量および負荷4の電力消費量の少なくとも一方に追従させて運転させる場合、制御部44は、直流バスBdの電圧に応じてDC/DCコンバータ42の電流指令値を生成する。
制御部44はインバータ43の基本制御として、直流バスBdcの電圧が目標値を維持するようにインバータ43を制御する。具体的には制御部44は、直流バスBdcの電圧を検出し、検出したバス電圧を目標値に一致させるための電流指令値を生成する。直流バスBdcの電圧が目標値より高い場合はインバータ43の出力電力を上昇させるための電流指令値を生成し、直流バスBdcの電圧が目標値より低い場合はインバータ43の出力電力を低下させるための電流指令値を生成する。インバータ43は、生成された電流指令値に基づく駆動信号に応じてスイッチング動作する。
直流バスBdcの電圧の目標値は、系統2の電圧より高く、かつ系統2の電圧に近い値に設定されることが望ましい。インバータ43の入力電圧と出力電圧の差が小さいほど、インバータ43の変換効率が高くなる。例えば、系統2の電圧がAC200Vの場合、直流バスBdcの電圧の目標値はDC330~360V程度に設定される。
電力変換装置40の制御部44と充放電装置10の制御部14は通信線で接続される。電力変換装置40の制御部44は、充放電装置10の制御部14に、電動車20に搭載された駆動用蓄電池を充放電するための電流指令値または電圧指令値を送信することができる。
図2では、充放電装置10がハイブリッド蓄電システムを介して分電盤3に接続される構成を示したが、ハイブリッド蓄電システムではなく、太陽光発電システム(定置蓄電池7とDC/DCコンバータ42を含まず)を介して分電盤3に接続される構成でもよい。また、蓄電システム(太陽電池6とDC/DCコンバータ41を含まず)を介して分電盤3に接続される構成でもよい。
図3は、実施例1に係る電動車20と充放電装置10の内部構成を示す図である。電動車20は、駆動用蓄電池21、制御部22、補機電池23、コンタクタRc、駆動リレーRd、インレット26、アクセサリーソケット27および車両側のシーケンス回路を備える。車両側のシーケンス回路は、第1フォトカプラPC1、第2フォトカプラPC2、トランジスタQ1、第1抵抗R1-第4抵抗R4、接続検出回路24およびCAN(Controller Area Network)通信部25を含む。図3には電動車20の構成要素として、駆動用蓄電池21の充放電に関連する構成要素のみを示している。
充放電装置10は、DC/DCコンバータ11、シーケンス回路13および制御部14に加えて、制御電源生成部15、外部電源入力部16および操作部18をさらに含む。シーケンス回路13は、第1リレーD1、第2リレーD2、第3フォトカプラPC3、第5抵抗R5-第6抵抗R6、接続検出回路13aおよびCAN通信部13bを含む。制御部14は、接続制御部14aおよび充放電制御部14bを含む。
電動車20の制御部22および充放電装置10の制御部14はそれぞれ、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ回路、ロジック回路、マイクロコントローラ、DSP、ROM、RAM、ASIC、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源として、ファームウェアなどのプログラムを利用できる。
接続制御部14aは、充放電ケーブル30を介した充放電装置10と電動車20間の充放電シーケンスを制御する。充放電制御部14bは、電動車20に搭載された駆動用蓄電池21と、宅内の電源または負荷4との間の充放電を制御する。例えば充放電制御部14bは、DC/DCコンバータ11に電流指令値を設定して、駆動用蓄電池21への充電電流または駆動用蓄電池21からの放電電流を制御することができる。
駆動用蓄電池21は、複数のセルを含む充放電可能な蓄電池であり、主に走行用モータを駆動するための電源として使用される。セルには、リチウムイオン電池セル、ニッケル水素電池セルなどを用いることができる。なお蓄電池の代わりに、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどのキャパシタを用いてもよい。また、燃料電池セルやスターリングエンジンなどのような放電のみ可能な電源およびこれらの電源と駆動用蓄電池21を併設したものを使用してもよい。電動車20と充放電装置10が充放電ケーブル30で接続されている状態では、駆動用蓄電池21はコンタクタRcを介して、充放電装置10のDC/DCコンバータ11に接続される。
補機電池23は、主に電動車20内の補機に電源を供給するための電源であり、一般的に12Vの鉛電池が使用される。一方、充放電装置10側のシーケンス回路13で使用される12Vの直流電圧は、制御電源生成部15で生成される。
制御電源生成部15は、第1降圧コンバータ、昇圧コンバータおよび第2降圧コンバータを含む。充放電システムの構成例1の場合、第1降圧コンバータは、電力線L0から取得される電圧(具体的には、インバータ12とDC/DCコンバータ11間の高圧直流バス、電動車20とDC/DCコンバータ11間の高圧直流電路、またはインバータ12に備わる解列リレーより系統2側の交流電路から取得される電圧)を降圧して、制御電圧(例えば25Vの直流電圧)を生成する。充放電システムの構成例2の場合、第1降圧コンバータは、電力線L0から取得される電圧(具体的には、インバータ43とDC/DCコンバータ11間の高圧直流バスBdc、電動車20とDC/DCコンバータ11間の高圧直流電路、またはインバータ43に備わる解列リレーより系統2側の交流電路から取得される電圧)を降圧して、制御電圧(例えば25Vの直流電圧)を生成する。
昇圧コンバータは、電動車20のアクセサリーソケット27と充放電装置10の外部電源入力部16が外部電源ケーブル50で接続された状態で、補機電池23から供給される12Vの直流電圧を昇圧して、制御電圧(例えば23Vの直流電圧)生成する。第2降圧コンバータは、第1降圧コンバータまたは昇圧コンバータから供給される制御電圧を、12Vの直流電圧に降圧する。制御電源生成部15は、シーケンス回路13に12Vの直流電圧を供給する。
なお、制御電源生成部15には、12V以外の直流電圧に降圧する別の降圧コンバータも含まれている。例えば、制御部14の電源電圧に5Vが使用される場合、当該降圧コンバータは、5Vの直流電圧を生成して制御部14に供給する。
充放電システムの構成例1の場合、系統連系時はインバータ12の外側から起動電源を得て、ユーザの運転要求(操作部18のボタン操作など)に応じて、インバータ12が起動し、さらにDC/DCコンバータ11とシーケンス回路13が起動する。シーケンス回路13が電動車20のシーケンス回路とシーケンスを開始することで、シーケンス途中から電動車20のコンタクタRcが閉じて充放電装置10の主回路が導通する。この状態から、インバータ12とDC/DCコンバータ11間の直流バス、もしくは電動車20とDC/DCコンバータ11間の直流電路からも電源の取り込みが可能となる。
充放電システムの構成例2の場合、系統連系時はインバータ43の外側から起動電源を得て、ユーザの運転要求(操作部18のボタン操作など)に応じて、インバータ43が起動し、インバータ43が直流バスBdcを昇圧制御する。これにより、充放電装置10は直流バスBdcから電源を取り込み、DC/DCコンバータ11、シーケンス回路13および制御部14が起動する。シーケンス回路13が電動車20のシーケンス回路とシーケンスを開始することで、シーケンス途中から電動車20のコンタクタRcが閉じて充放電装置10の主回路が導通する。この状態から、電動車20とDC/DCコンバータ11間の直流電路からも電源の取り込みが可能となる。なお、電力変換装置40の筐体から制御電源線を充放電装置10の筐体へ接続し、制御電源線を介して供給される電力を用いて起動してもよい。
充放電システムの構成例1、2のいずれにおいても、高圧直流バスまたは直流電路から電源を取り込んでいれば、系統2で電圧低下または停電が発生しても、分散型直流電源(太陽電池6、定置蓄電池7、駆動用蓄電池21)からの電力で制御電源を維持できる。したがって、充放電装置10における電力変換機能および保護機能を安全に制御することができる。
電動車20と充放電装置10を接続する充放電ケーブル30には、電力線L0、第1作動開始停止線L1、第2作動開始停止線L2、コネクタ接続確認線L3、作動許可禁止線L4、接地線L5およびCAN通信線L6が含まれている。なお、CAN通信線L6はツイストペア線で構成される。
シーケンス回路13の基本となる回路構成とシーケンスは、V2Hガイドラインに定義されている。
第1作動開始停止線L1は、充放電装置10から電動車20に運転開始要求を通知し、電動車20が当該通知を受けて、電動車20側の充放電シーケンスを開始することに使用される信号線である。具体的には第1作動開始停止線L1は、充放電装置10の制御電源生成部15で生成された制御電源(DC12V)と、電動車20のグランド間を、充放電装置10側で第1リレーD1、電動車20側で第1抵抗R1、第1フォトカプラPC1のダイオードを介して接続する。第1フォトカプラPC1のトランジスタは制御部22に接続され、制御部22は第1フォトカプラPC1のダイオード(即ち、第1作動開始停止線L1)が導通しているか否かを検出することができる。
第2作動開始停止線L2は、充放電装置10から電動車20に充放電開始要求を通知し、電動車20が当該通知を受けて、コンタクタRcの閉判断を行うための信号線である。加えて、充放電装置10からの運転停止要求に対して、コンタクタRcを開放するために使用される。
第2作動開始停止線L2は、第1作動開始停止線L1の第1リレーD1と第1抵抗R1との間の分岐点と、充放電装置10のグランド間を、電動車20側で第2フォトカプラPC2のダイオード、第2抵抗R2、充放電装置10側で第2リレーD2を介して接続する。第2フォトカプラPC2のトランジスタは制御部22に接続され、制御部22は第2フォトカプラPC2のダイオード(即ち、第2作動開始停止線L2)が導通しているか否かを検出することができる。
コンタクタRcの駆動コイルの両端は、第1作動開始停止線L1と第2作動開始停止線L2にそれぞれ接続される。当該駆動コイルと第2作動開始停止線L2間に駆動リレーRdが接続される。
コネクタ接続確認線L3は、主に電動車20側で、充放電コネクタが接続されている状態で誤発進しないようにコネクタ接続の有無を検出するために使用される信号線である。なお、充放電装置10側でもコネクタ接続の有無が検出されてもよい。
コネクタ接続確認線L3は、電動車20の補機電池23と、充放電装置10のグランド間を、電動車20側で接続検出回路24、第3抵抗R3、充放電装置10側で第5抵抗R5、接続検出回路13aを介して接続する。電動車20側の接続検出回路24は例えば、フォトカプラで構成することができる。当該フォトカプラのトランジスタは制御部22に接続される。制御部22は当該フォトカプラのダイオード(即ち、コネクタ接続確認線L3)が導通しているか否かを検出することにより、電動車20と充放電装置10間の物理的・電気的な接続の有無を判定することができる。
充放電装置10側の接続検出回路13aは例えば、フォトカプラで構成することができる。当該フォトカプラのトランジスタは接続制御部14aに接続される。接続制御部14aは当該フォトカプラのダイオード(即ち、コネクタ接続確認線L3)が導通しているか否かを検出することにより、電動車20と充放電装置10間の物理的・電気的な接続の有無を判定することができる。なお、充放電装置10側の接続検出回路13aは省略可能である。
作動許可禁止線L4は、電動車20側が、第1フォトカプラPC1や車両の状態(シフトポジション、パワーオンモード、電池状態など)をもとに、充放電装置10に対して作動許可や運転中に作動禁止を通知するための信号線である。
作動許可禁止線L4は、充放電装置10の制御電源生成部15で生成された制御電源(DC12V)と、電動車20のグランド間を、充放電装置10側で第3フォトカプラPC3のダイオード、第6抵抗R6、電動車20側で第4抵抗R4、トランジスタQ1を介して接続する。制御部22はトランジスタQ1をオン/オフ制御して、作動許可禁止線L4の導通/非導通を制御することができる。
CAN通信線L6は、電動車20側のCAN通信部25と充放電装置10側のCAN通信部13bを接続し、電動車20と充放電装置10間でそれぞれの仕様値、状態値などをやり取りするために使用される通信線である。
接地線L5は、上記の各種信号線の共通接地線となる。電動車20側では補機電池23のマイナス電位(シャシグランドと同電位)およびシーケンス回路の制御電源グランドと接続される。充放電装置10ではシーケンス回路13の制御電源グランドおよび保護接地線と接続される。
V2Hガイドラインでは、接地線L5が断線した場合は電動車20および充放電装置10のそれぞれが受動的に検知して、充放電動作を停止させることが要求されている。また、疑似接地線が形成されないことが要求されている。疑似接地線が形成されてしまうと、接地線L5が断線しても各種信号の迂回経路ができてしまい、誤作動に繋がる。
例えば、第1リレーD1および第2リレーD2が閉状態の場合において、接地線L5が断線しても疑似接地線が形成されていると、第1作動開始停止線L1および第2作動開始停止線L2に電流が流れ、作動許可状態が継続される。また、トランジスタQ1がオン状態の場合において、接地線L5が断線しても疑似接地線が形成されていると、作動許可禁止線L4に電流が流れ、通電状態が継続される。つまり、電動車20では作動許可状態が続いていると判断し、充放電装置10では作動許可状態が続いていると判断されることで双方が停止判断されない状態になる。
充放電装置10の外部電源入力部16は、電力変換システム内の非常用蓄電池を含むすべての分散型電源および系統2が喪失した状態において、電動車20の補機電池23やその他の外部電源から起動電力を得るための取込口である。電動車20のアクセサリーソケット(アクセサリ電源ソケット)27は、車両で一般的に用いられる12V供給のインターフェイスである。
外部電源ケーブル50は、電動車20と充放電装置10の両方に脱着可能なケーブルであり、停電時などの非常時における充放電装置10の起動に使用される。外部電源入力部16と電動車20のアクセサリーソケット27とを外部電源ケーブル50で接続することで、非常時に、充放電装置10の起動電力を、電動車20の補機電池23から取り出すことができる。
外部電源入力部16はV2Hガイドラインでは必須要素ではなく、オプションである。V2Hガイドラインでは、アクセサリーソケット27と外部電源入力部16間をプラス線のみで接続することが前提となっている。これは、アクセサリーソケット27と外部電源入力部16間のマイナス線が疑似接地線となり、各種信号の迂回経路となることを防止する趣旨であると考えられる。実施例1では、外部電源ケーブル50に、後述する図9(b)に示すマイナス極が導通しない外部電源ケーブル50b、または後述する図10に示すマイナス極を非導通に切り替えることができる外部電源ケーブル50を使用することで、この要請を満たすことができる。
接続制御部14aは、シーケンス回路13での信号の読み取り、信号の設定、CAN通信の送受信を、規定されたシーケンスに従って制御する。充放電制御部14bは、当該シーケンスの各ステップに応じて、DC/DCコンバータ11およびシーケンス回路13を制御して、駆動用蓄電池21の充放電制御を行う。図1に示した構成例1では、充放電制御部14bはインバータ12を制御することもできる。
図4は、実施例2に係る電動車20と充放電装置10の内部構成を示す図である。実施例2では、どの種類の外部電源ケーブル50を使用してもよい。外部電源入力部16のプラス極とマイナス極は、回り込み防止回路17を介して制御電源生成部15に結合される。このように回り込み防止回路17は、外部電源入力部16と回り込み防止回路17との間に接続され、電動車20と充放電装置10間の疑似接地線の形成を防止する。
回り込み防止回路17のマイナス極は整流回路またはスイッチ(開閉器(リレー)、半導体スイッチなど)の少なくとも一方を介してグランドに接続される。グランド電位は、接地線L5の電位と同電位であり、電動車20のシャシグランドとも同電位である。回り込み防止回路17のプラス極は整流回路またはスイッチの少なくとも一方を介して制御電源生成部15に接続される。
前記したように、制御電源生成部15は、電力線L0から電力を取得できる場合、電力線L0からの電力が、外部電源入力部16からの電力よりも優先されるように設計されている。制御電源生成部15は、電力線L0から電力を取得できない場合、外部電源入力部16からの電力を用いて充放電装置10の起動電源を生成する。
図5は、回り込み防止回路17の構成例1を示す図である。プラス線に第1整流回路が接続され、マイナス線に第2整流回路が接続される。第1整流回路と第2整流回路は電流の方向を制限する回路であり、図5に示す例では、第1整流回路として第1ダイオードDi1が使用され、第2整流回路として第2ダイオードDi2が使用されている。
回り込み防止回路17のプラス線に挿入される第1ダイオードDi1は、アノードが外部電源入力部16のプラス極、カソードが制御電源生成部15のプラス極に接続され、回り込み防止回路17のプラス線に流れる電流が、駆動用蓄電池21などの外部電源から充放電装置10の方向に流れるように整流する。
回り込み防止回路17のマイナス線に挿入される第2ダイオードDi2は、アノードが制御電源生成部15のマイナス極、カソードが外部電源入力部16のマイナス極に接続され、回り込み防止回路17のマイナス線に流れる電流が、充放電装置10から駆動用蓄電池21などの外部電源の方向に流れるように整流する。
これにより、電動車20と充放電装置10間の疑似接地線の形成(接地線における電動車20から充放電装置10に戻る電流)を防止することができる。また、制御電源生成部15から意図しない経路に電流が流れて、シーケンス回路13の誤作動を誘発する回り込み電流の発生を防止することができる。回り込み防止回路17の構成例1は、回路構成がシンプルであり、低コストで実現が可能である。
図6は、回り込み防止回路17の構成例2を示す図である。プラス線に第1スイッチRY1が接続され、マイナス線に第2スイッチRY2が接続される。制御部14は、疑似接地線または回り込み回路が発生し得る条件または状態において、第1スイッチRY1または第2スイッチRY2の少なくとも一方を開放制御する。電流経路を開放することで、疑似接地線または回り込み回路の経路を確実に遮断することができる。
制御部14は、第1スイッチRY1または第2スイッチRY2の少なくとも一方を、疑似接地線または回り込み回路が発生しうる複数の電源発生時、つまり充放電装置10の主回路の起動直後に開放してもよい。
第1スイッチRY1および第2スイッチRY2に、2連1駆動方式のリレーが採用されている場合、第1スイッチRY1および第2スイッチRY2はプラス極とマイナス極の同時制御のみとなる。一方、第1スイッチRY1および第2スイッチRY2に、1連1駆動方式のリレーが2つ使用されている場合、第1スイッチRY1および第2スイッチRY2を片極毎に個別制御することができる。
非常時において、ユーザは、外部電源ケーブル50の一端を充放電装置10の外部電源入力部16に接続し、外部電源ケーブル50の他端を電動車20(対向車)のアクセサリーソケット27に接続する。ユーザは、電動車20のパワースイッチなどを操作して、アクセサリーソケット27から12Vの電源を取り出す。加えて、ユーザは、電動車20と充放電装置10との間で充放電動作できるように、充放電ケーブル30を電動車20のインレット26に接続する。
充放電装置10の制御電源生成部15は、外部電源ケーブル50で接続された外部電源で起動する。外部電源から供給される12Vの電圧で制御電源生成部15が起動すると、制御部14に必要な電源が確保され、充放電装置10の起動操作に必要なマイコンや操作部18(ボタン、パイロットランプ、表示器などを含む)が使用できる状態になる。ここで、操作可能になったことを示すパイロットランプが点灯すると、操作可能な状態になったことが、ユーザにとって分かりやすい。このとき、充放電ケーブル30の接地線L5と外部電源ケーブル50のマイナス線はいずれも同電位であり、実質的に電動車20の接地線が2重化された状態になっている。
充放電装置10の制御部14は、制御電源生成部15から電源電圧の供給を受けて、第1リレーD1を閉じて電動車20側に運転開始要求を通知する。電動車20側の制御部22は、運転開始要求を受けると作動許可禁止線L4を導通させて作動を許可する。充放電装置10の制御部14は、第1リレーD1を閉じて電動車20側に充放電動作要求を通知する。電動車20側の制御部22は、運転開始要求を受けるとコンタクタRcを閉路して、主回路に駆動用蓄電池21の電力を供給する。
これにより、電力線L0から制御電源生成部15に電力が供給され、制御電源生成部15は、当該電力を降圧して12Vの制御電源を生成する。制御電源が電動車20側と充放電装置10側に現れ、かつ充放電を停止できなくなる回路が形成されるのは、この時点(電力線L0が導通する時点)である。よって、シーケンスにおいてコンタクタRcが閉路され、制御電源が確保できる状態になった時点で、制御部14は、第1スイッチRY1と第2スイッチRY2を開放し、疑似接地線または回り込み回路の形成を防止する。
なお、起動前の状態において第1スイッチRY1および第2スイッチRY2を閉路しておかないと、外部電源から充放電装置10を起動できない。したがって、第1スイッチRY1および第2スイッチRY2にはノーマルクローズ型のリレーを用いる。充放電装置10に外部電源が供給される前の段階では、制御部14内のマイコンが起動していないため、ノーマルクローズ型のリレーを用いる必要がある。ノーマルクローズ型のリレーは、駆動コイルに電流が流れていない待機状態で閉路している。
また、コンタクタRcが閉路され、主回路から制御電源が確保できる状態になった時点で、外部電源が切り離され、充放電状態に入った後に補機電池23から電源が供給され続けることがないため、補機電池23の過放電(いわゆるバッテリ上がり)を防止することができる。非対向車に搭載された外部電源と接続されている場合も同様である。
このように、主回路から制御電源を確保できる状態になった時点で外部電源を切り離すことで、確実な疑似接地線または回り込み回路の経路遮断を、必要なタイミングで実施することができる。さらに、高圧な充放電状態での接地線断線の見逃しを防止することができる。また、不要なバッテリ上がりを防止することができる。
別の制御例では、制御部14は、第1スイッチRY1を、疑似接地線または回り込み回路が発生しうる複数の電源発生時、つまり充放電装置10の主回路の起動直後に開放する。制御部14は、接続先が対向車か非対向車であるかを、ユーザの起動操作により判別し、判別結果に応じて起動直後の時点で、第2スイッチRY2を閉継続するか、開放するかを切り分ける。
接続先が非対向車の場合、非対向車と充放電装置10間には、両者のシーケンス回路の接続処理が発生しないため、複数の電源があっても誤作動につながる回り込み回路は形成されない。よって、マイナス極を起動直後に開放する必要性は低い。また、制御電源生成部15で12Vの制御電源が生成されるまでは、非対向車の外部電源と接続していないと、制御部14内のマイコンが停止し、シーケンスを継続できない。接続先が非対向車の場合、特に第2スイッチRY2を開放する必要もないため閉路のままにしておいてもよいし、プラス極と同様のタイミングで開路してもよい。
一方、接続先が対向車の場合、ユーザの起動操作で即時開放する。例えば、操作部18に「対向車からの起動電源で運転開始」、「非対向車からの起動電源で運転開始」のような、識別ボタンやインターフェイスを設ける。外部から電源を取り込んでから運転開始までの間に、ユーザが「対向車からの起動電源で運転開始」を選択すると、制御部14は第2スイッチRY2を開放する。
第2スイッチRY2が開放されると、充放電ケーブル30の接地線L5が、単一の接地線として使用されることとなる。つまり、充放電状態に至る前のシーケンス開始直後から単一の接地線L5の断線検知が可能となり、接地線L5の断線時には、より安全な停止が可能となる。2連1駆動方式のリレーが採用され、第1スイッチRY1と第2スイッチRY2が同時制御される場合より、早いタイミングから単一の接地線L5の断線検知が可能となる。
また、マイナス極が常時閉路する使用環境においては、第1スイッチRY1を制御電源生成部15の起動時に開放することで、外部電源の不要な電力消費やバッテリ上がりを防ぐことができる。主回路の起動後は、電力線L0からの電力で制御電源を生成可能になるため、外部電源を切り離しても問題ない。また、後述する電流検出回路や電流センサが不要なため、コストを抑えることができる。また、自動判別処理にかかる時間が発生しない分、迅速に運転開始することができる。
さらに別の制御例では、制御部14は、第1スイッチRY1を、疑似接地線または回り込み回路が発生しうる複数の電源発生時、つまり充放電装置10の主回路の起動直後に開放する。制御部14は、接続先が対向車か非対向車であるかを自動判別し、判別結果に応じて起動直後の時点で、第2スイッチRY2を閉継続するか、開放するかを切り分ける。
制御部14は、外部電源から充放電装置10を起動する際の制御負荷の起動時(負荷変動時)における、外部電源ケーブル50のマイナス線および充放電ケーブル30の接地線L5に流れる2つの電流変化の同期性および大きさから、接地線が2重化されている状態か、単一の状態であるかを判別する。充放電装置10を起動する際の制御負荷として、制御部14内のマイコンや操作部18を使用することができる。2つの電流変化の同期性とは、接地線とマイナス線の経路に電流検出回路を設けて、それぞれの電流検出回路で検出される電流の同期性を指す。
接地線が2重化されている状態とは、外部電源ケーブル50の接続先が対向車で、外部電源ケーブル50のマイナス線が疑似接地線を形成している状態を指す。接地線が単一の状態とは、外部電源ケーブル50の接続先が非対向車で、外部電源ケーブル50のマイナス線が疑似接地線を形成していない状態を指す。
図7は、シーケンス回路13に設けられる電流検出回路の設置場所の一例を示す図である。図7では、第1電流検出回路19aは、回り込み防止回路17と制御電源生成部15を繋ぐマイナス線に設置されている。なお、第1電流検出回路19aは、外部電源入力部16のマイナス極と制御電源生成部15のマイナス極(シーケンス回路13のグランド電位)の間のマイナス線であれば、どの位置に設置されてもよい。第2電流検出回路19bは、接地線L5に設置されている。
電流検出回路は、通電レベルを検知できればよく、電流センサである必要はない。電流検出回路は例えば、シャント抵抗またはホール素子、電流-電圧変換回路、コンパレータで構成されてもよい。例えば、コンパレータは、マイナス線または接地線L5に流れる電流が、ある一定電流より大きければローレベルを、一定電流以下であればハイレベルを出力する。電流検出回路を使用する場合、電流センサを使用する場合に比べて、簡易な回路で構築でき、低コスト化できる。
ユーザの操作を許可するまでの間、制御部14は、比較的大きな負荷をON/OFFする。例えば、操作部18のパイロットランプを点滅させて操作部18の負荷の軽/重を定期的に切り替える。制御部14は、第1電流検出回路19aと第2電流検出回路19bのそれぞれの出力結果が、ハイレベルであるかローレベルであるかを時系列に監視する。パイロットランプの制御タイミングにおいて、第1電流検出回路19aおよび第2電流検出回路19bのいずれの出力結果も同じタイミングで、期待するハイレベルまたはローレベルに変化している場合、制御部14は、充放電ケーブル30の接地線L5と外部電源ケーブル50のマイナス線が2重化状態にあると判定する。第1電流検出回路19aおよび第2電流検出回路19bの出力結果の変化は、パイロットランプの負荷変動に対応している。
このように制御部14は、第1電流検出回路19aおよび第2電流検出回路19bの出力結果の変化タイミングの差異が、所定の範囲内であれば、2つの電流変化が同期していると判定する。2つの電流変化が同期している場合、制御部14は、充放電ケーブル30の接地線L5と外部電源ケーブル50のマイナス線が2重化状態にあると判定し、接続先が対向車であると判定する。
シーケンス回路13内に、第1電流検出回路19aまたは第2電流検出回路19bの一方のみが設置されてもよい。この場合、制御部14は、あらかじめ既知の負荷を作動させ、期待電流より低ければ、分流されていると判定し、接続先が対向車であると判定する。
外部電源ケーブル50の接続先が対向車である場合、制御部14は第2スイッチRY2を開放する。これにより、充放電装置10の運転開始要求前の時点から接地線の2重化が解消され、接地線L5の断線時に、シーケンス制御を受動的に停止できる状態を確保できる。
次にユーザは、充放電装置10の操作部18を操作して(例えば、「非常時放電運転ボタン」を押下して)、電動車20の駆動用蓄電池21から負荷4(例えば冷蔵庫、照明などの家電)へ給電するための放電運転を要求する。
接続制御部14aは、ユーザの操作を受け付けると、シーケンス回路13の第1リレーD1をターンオンし、対向車に対して運転開始(つまり車両側のシーケンス開始)を要求する。電動車20の制御部22は、運転開始要求を受けるとCAN通信を開始し、電動車20と充放電装置10の双方で仕様値と状態を相互確認する。電動車20の制御部22は、確認に成功すると作動許可禁止線L4を導通させる。電動車20の接続制御部14aは、作動許可禁止線L4が導通すると、充放電装置10が駆動用蓄電池21を充放電できるように、第2リレーD2をターンオンして、コンタクタRcを閉可能な状態にする。
第2リレーD2のターンオンにより第2作動開始停止線L2が導通すると、電動車20の制御部22は、コンタクタRcをターンオンする。これにより、駆動用蓄電池21と充放電装置10が直流電路で接続される。充放電システム側では、電力線L0が導通すると、DC/DCコンバータ11とインバータ12/43との間の直流バスの電圧が上昇し、インバータ12/43が動作できる状態になる。充放電制御部14bは、DC/DCコンバータ11、インバータ12/43を制御して充放電動作を行う。
直流バスの電圧が上昇し、電力線L0からの電力で制御電圧の生成が可能な状態になると、制御電源生成部15は、電力線L0からの電力で、制御部14およびシーケンス回路13に供給する制御電圧を生成する。前述したように電力線L0の電力から生成する制御電圧を、外部電源の電力から生成する制御電圧より高くしておくことで、外部電源ケーブル50が接続された状態でも、外部電源から制御電源生成部15に電流が流れることを防止できる。また、回り込み防止回路17のプラス線に第1ダイオードDi1が接続されているため、制御電源生成部15から補機電池23へも電流が流れない。
さらに、シーケンス途中のステップにおいて、直流バスの電圧が上昇し、電力線L0からの電力で制御電源を生成することは既知である。シーケンス途中の特定のステップで回り込み防止回路17の第1スイッチRY1を開放することで、補機電池23との接続状態を継続することによるバッテリ上がりを防止することにもつながる。
上記の例では、系統2の外側または直流バスからの電力で制御電源を生成しているが、電動車20とDC/DCコンバータ11間の直流電路からの電力で制御電源を生成してもよい。この場合、直流バスの電圧が上昇する前に制御電源を得ることができる。このように制御電源の供給元として、電力線L0のいずれの位置から電力を取得してもよい。
以上の方法によれば、充放電動作時の接地線の2重化を、外部電源ケーブル50の接続先が対向車と自動判別し、運転開始要求をした時点で排除することができる。また、対向車の補機電池23のバッテリ上がりを防止することができる。
外部電源ケーブル50の接続先が非対向車である場合、制御部14は第2スイッチRY2を閉路のまま維持し、ユーザの運転開始要求を受け付ける。これは、接地線の2重化が発生せず回り込み回路が形成されない、第1スイッチRY1を開放すると運転開始のための制御電力を喪失する、ためである。
ユーザの運転開始要求を受け付けてシーケンスが開始されると、電動車20の駆動用蓄電池21と充放電装置10との直流電路が接続され、制御電源生成部15は、電力線L0からの電力で制御電源の生成が可能になる。この状態になると、制御部14は第1スイッチRY1と第2スイッチRY2の両方を開放する。非対向車と外部電源ケーブル50で接続されていても、対向車に回り込み電流は発生しないが、非対向車との接続状態を維持すると、非対向車のバッテリ上がりや無駄な電力消費につながるため、非対向車との接続を解消する。
以上の方法によれば、充放電状態に至る前のシーケンス開始直後から単一の接地線L5の断線検知が可能となり、接地線L5の断線時には、より安全な停止が可能となる。接続先が対向車であるか非対向車であるかを、ユーザ操作にもとづき判別する例と比較して、回路設計が複雑化するが、ユーザ操作が介在しないため、ヒューマンエラーが発生しない。
上記の例では、外部電源ケーブル50の接続先が対向車であるか非対向車であるかの自動判別を電流検出回路を用いて行ったが、電流センサを用いて行ってもよい。この場合、充放電ケーブル30の接地線L5または外部電源ケーブル50のマイナス線の少なくとも一方に電流センサを設ける。
接地線L5に電流センサが設けられる場合、制御部14は、操作部18の負荷を動作させた際、電流が検出されれば接続先を非対向車と判定し、電流が検出されなければ接続先を対向車と判定する。外部電源ケーブル50のマイナス線に電流センサが設けられる場合、制御部14は、操作部18の負荷を動作させた際に検出される電流が既知電流より小さければ、接地線L5にも分流されているため、接続先を対向車と判定する。検出される電流が既知電流以上であれば、接地線L5に分流されていないため、接続先を非対向車と判定する。
第1スイッチRY1および第2スイッチRY2に、2連1駆動方式のリレーが採用されている場合、第1スイッチRY1および第2スイッチRY2の開放タイミングは同時になる。この場合、第1スイッチRY1と第2スイッチRY2が個別制御され、接続先が対向車と判別した直後に第2スイッチRY2が開放される場合と比較し、第2スイッチRY2の開放タイミングが遅くなる。すなわち、第2スイッチRY2の開放タイミングが運転開始要求前から、充放電開始直前の電力線L0からの電力で制御電源を生成開始する時点まで後退する。ただし、充放電開始後は、接地線の2重化が解消され、接地線断線により、充放電状態が停止困難となる状態は発生しない。このように、2連1駆動方式のリレーが採用される場合、部品コストを抑えつつ安全性を担保することができる。
図8は、回り込み防止回路17の構成例3を示す図である。回り込み防止回路17の構成例3は、図5の構成例1と図6の構成例2を組み合わせた構成であり、複数の電源間のより確実な回り込み防止を実現できる。
図9(a)-(b)は、外部電源ケーブル50の構成例1を示す図である。図9(a)に示す非対向車用の外部電源ケーブル50aは、プラス線50pとマイナス線50nの2線が内装され、プラス極とマイナス極の両方がそれぞれ導通するようになっている。図9(b)に示す対向車用の対向車用の外部電源ケーブル50bは、プラス極のみが導通するようになっている。ユーザは、接続先が対向車か非対向車かに応じて、2つの外部電源ケーブル50a、50bを使い分ける。
対向車用の外部電源ケーブル50bで対向車と接続されると、対向車の補機電池23とマイナス極が物理的に接続されない。なお、ケーブル径を小さくすると破損の危険性が上がるため、ケーブル自体はプラス線50pの1線に限定されない。電気的に導通しないマイナス線があってもよい。いずれにしてもマイナス極が電気的に導通しない仕組みであればよい。コストと耐久性の観点から判断すればよい。
非対向車用の外部電源ケーブル50aと対向車用の外部電源ケーブル50bをどのような仕様にするか、どのような販売形態にするかは、コストと耐久性の観点から判断される。例えば、ほとんどのユーザが対向車から非常時の起動電力を得ているとのマーケティングデータがある場合、商品に標準添付するケーブルを対向車用の外部電源ケーブル50bとし、非対向車用の外部電源ケーブル50aをオプションとして別売してもよい。すなわち、ユースケースの割合に応じて、どちらを標準品とし、どちらをオプション品とするかを判断すればよい。なお、両者を区別しやすいように、非対向車用の外部電源ケーブル50aと対向車用の外部電源ケーブル50bのケーブルやプラグを色分けしてもよい。
非対向車用の外部電源ケーブル50aと対向車用の外部電源ケーブル50bを用意することは、最も簡単な回り込み防止の実現方法であり、ユーザの誤操作により接地線が2重化されることを簡単に防止できる。すなわち、対向車と接続する場合、ケーブル自体で物理的にマイナス極を接続させない外部電源ケーブル50bを使用することで、回り込みを防止できる。一方、非対向車と接続する場合、プラス極とマイナス極の両方が導通する外部電源ケーブル50aを使用することで、非対向車から起動電力を得ることができる。
非対向車用の外部電源ケーブル50aをオプションケーブルとして用意しておけば、ユーザが操作部18の操作で迷うことが必然的になくなる。充放電装置10内に講じた対向車と非対向車の自動判別機能やユーザの運転開始要求の受付機能を省略することもできる。
図10は、外部電源ケーブル50の構成例2を示す図である。外部電源ケーブル50の構成例2では、プラス線50pとマイナス線50nの2線が内装される。プラス線50pは常時導通し、マイナス線50nは導通/非導通を手動スイッチSW1で切り替えることができる。手動スイッチSW1は、ケーブル上にあってもよいし、車両側のシガープラグ上にあってもよいし、充放電装置10側のプラグ上にあってもよい。ユーザが設定を忘れないように視認容易な位置であれば、手動スイッチSW1の設置位置は限定されない。
外部電源ケーブル50の構成例2では、1種類の外部電源ケーブル50で対向車と非対向車にそれぞれ対応できる。特に、起動電力を得る接続先が対向車か非対向車かのマーケティングデータがない場合に有効である。
以上説明したように本実施の形態によれば、対向車と非対向車の両方から起動電力を取り出すことができ、かつ疑似接地線または回り込み回路が形成されず、シーケンス回路13の安全停止機能が阻害されない充放電システムを実現することができる。
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
非対向車用の外部電源ケーブル50aと対向車用の外部電源ケーブル50bの使い分け、または外部電源ケーブル50の手動スイッチSW1の切り替え操作を、ユーザが充分に理解するための環境が整備されている場合、実施例1の構成を採用可能である。当該環境が整備されている場合において、実施例2の構成を採用すれば、より確実に疑似接地線または回り込み回路の形成を防止することができる。
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
[項目1]
電動車(20)の駆動用蓄電池(21)を充放電ケーブル(30)を介して充放電可能な充放電システム(10)であって、
前記駆動用蓄電池(21)を充放電するためのDC/DCコンバータ(11)と、
前記電動車(20)との充放電シーケンスを実行するためのシーケンス回路(13)と、
前記DC/DCコンバータ(11)と前記シーケンス回路(13)を制御する制御部(14)と、
外部から電源供給を受けるための外部電源入力部(16)と、
前記DC/DCコンバータ(11)が接続された電力線または前記外部電源入力部(16)から取得される電力をもとに、前記シーケンス回路(13)と前記制御部(14)に供給する制御電源を生成する制御電源生成部(15)と、を備え、
前記外部電源入力部(16)に外部電源ケーブル(50)が接続された状態で、前記電動車(20)との間の接地線が充放電時に2重化されないように設計されていることを特徴とする充放電システム(10)。
これによれば、外部電源入力部(16)に、どのような起動電源が接続された場合でも、疑似接地線または回り込み回路の形成を防止することができる。
[項目2]
前記外部電源入力部(16)と前記制御電源生成部(15)との間に接続された回り込み防止回路(17)をさらに備え、
前記回り込み防止回路(17)は、
プラス線に、前記外部電源ケーブル(50)を介して接続された外部電源から前記充放電システム(10)の方向に電流が流れるように整流する第1整流回路(Di1)と、
マイナス線に、前記充放電システム(10)から前記外部電源の方向に電流が流れるように整流する第2整流回路(Di2)と、を有することを特徴とする項目1に記載の充放電システム(10)。
これによれば、疑似接地線または回り込み回路の形成を、簡単かつ低コストで防止することができる。
[項目3]
前記外部電源入力部(16)と前記制御電源生成部(15)との間に接続された回り込み防止回路(17)をさらに備え、
前記回り込み防止回路(17)は、
プラス線とマイナス線にそれぞれ接続されたスイッチ(RY1、RY2)を有することを特徴とする項目1に記載の充放電システム(10)。
これによれば、電流経路を開放可能とすることで、疑似接地線または回り込み回路の経路を確実に遮断することができる。
[項目4]
前記制御部(14)は、前記電力線で前記駆動用蓄電池(21)と導通した時点で、前記スイッチ(RY1、RY2)をターンオフすることを特徴とする項目3に記載の充放電システム(10)。
これによれば、疑似接地線または回り込み回路の経路を、必要なタイミングで遮断することができる。
[項目5]
前記制御部(14)は、
前記プラス線に接続されたスイッチ(RY1)を、前記電力線で前記駆動用蓄電池(21)と導通した時点で、ターンオフし、
前記マイナス線に接続されたスイッチ(RY2)を、
前記外部電源が前記電動車(20)に搭載された補機電池(23)である場合、前記電力線で前記駆動用蓄電池(21)と導通した時点で、ターンオフし、
前記外部電源が前記電動車(20)に搭載された補機電池(23)以外の外部電源である場合、オン状態を維持するか、前記プラス線に接続されたスイッチに同期してターンオフすることを特徴とする項目3に記載の充放電システム(10)。
これによれば、充放電シーケンス開始直後から、接地線(L5)の断線検知が可能となる。また、外部電源における不要なバッテリ上がりを防止することができる。
[項目6]
前記制御部(14)は、前記外部電源が前記電動車(20)に搭載された補機電池(23)であるか否かを、前記接地線(L5)または前記マイナス線の少なくとも一方に設けられた電流検出回路(19a、19b)の出力結果、またはユーザ操作にもとづき判別することを特徴とする項目5に記載の充放電システム(10)。
これによれば、電流経路を遮断するタイミングを適切に判定することができる。電流検出回路(19a、19b)の出力結果にもとづき接続先を判別する場合、ユーザによる誤操作が発生しない。
[項目7]
前記外部電源入力部(16)と前記制御電源生成部(15)との間に接続された回り込み防止回路(17)をさらに備え、
前記回り込み防止回路(17)は、
プラス線に、前記外部電源ケーブル(50)を介して接続された外部電源から前記充放電システム(10)の方向に電流が流れるように整流する第1整流回路(Di1)と、
マイナス線に、前記充放電システム(10)から前記外部電源の方向に電流が流れるように整流する第2整流回路(Di2)と、
前記プラス線と前記マイナス線にそれぞれ接続されたスイッチ(RY1、RY2)と、
を有することを特徴とする項目1に記載の充放電システム(10)。
これによれば、疑似接地線または回り込み回路の形成を、より確実に防止することができる。
[項目8]
前記外部電源ケーブル(50)として、
起動用の外部電源が前記電動車(20)に搭載された補機電池(23)である場合に使用すべき、マイナス極が絶縁されている外部電源ケーブル(50b)と、
前記外部電源が前記電動車(20)に搭載された補機電池(23)以外の外部電源である場合に使用すべき、マイナス極が導通している外部電源ケーブル(50a)の2種類が用意されていることを特徴とする項目1から7のいずれか1項に記載の充放電システム(10)。
これによれば、簡易な方法で疑似接地線または回り込み回路の形成を防止することができる。
[項目9]
前記外部電源ケーブル(50)は、マイナス極の導通/非導通を切り替え可能なスイッチ(SW1)を有することを特徴とする項目1から7のいずれか1項に記載の充放電システム(10)。
これによれば、1種類のケーブルで、どのような外部電源にも対応することができる。
2 系統、 3 分電盤、 4 負荷、 5 ACコンセント、 6 太陽電池、 7 定置蓄電池、 10 充放電装置、 11 DC/DCコンバータ、 12 インバータ、 13 シーケンス回路、 13a 接続検出回路、 13b CAN通信部、 14 制御部、 14a 接続制御部、 Bdc 直流バス、 14b 充放電制御部、 15 制御電源生成部、 16 外部電源入力部、 17 回り込み防止回路、 18 操作部、 19a 第1電流検出回路、 19b 第2電流検出回路、 20 電動車、 21 駆動用蓄電池、 22 制御部、 23 補機電池、 24 接続検出回路、 25 CAN通信部、 26 インレット、 27 アクセサリーソケット、 30 充放電ケーブル、 40 電力変換装置、 41,42 DC/DCコンバータ、 43 インバータ、 44 制御部、 50 外部電源ケーブル、 50p プラス線、 50n マイナス線、 L0 電力線、 L1 第1作動開始停止線、 L2 第2作動開始停止線、 L3 コネクタ接続確認線、 L4 作動許可禁止線、 L5 接地線、 L6 CAN通信線、 D1 第1リレー、 D2 第2リレー、 Rc コンタクタ、 Rd 駆動リレー、 PC1 第1フォトカプラ、 PC2 第2フォトカプラ、 PC3 第3フォトカプラ、 Q1 トランジスタ、 R1 第1抵抗、 R2 第2抵抗、 R3 第3抵抗、 R4 第4抵抗、 R5 第5抵抗、 R6 第6抵抗、 Di1 第1ダイオード、 Di2 第2ダイオード、 RY1 第1スイッチ、 RY2 第2スイッチ、 SW1 手動スイッチ。

Claims (9)

  1. 電動車の駆動用蓄電池を充放電ケーブルを介して充放電可能な充放電システムであって、
    前記駆動用蓄電池を充放電するためのDC/DCコンバータと、
    前記電動車との充放電シーケンスを実行するためのシーケンス回路と、
    前記DC/DCコンバータと前記シーケンス回路を制御する制御部と、
    外部から電源供給を受けるための外部電源入力部と、
    前記DC/DCコンバータが接続された電力線または前記外部電源入力部から取得される電力をもとに、前記シーケンス回路と前記制御部に供給する制御電源を生成する制御電源生成部と、を備え、
    前記外部電源入力部に外部電源ケーブルが接続された状態で、前記電動車との間の接地線が充放電時に2重化されないように設計されていることを特徴とする充放電システム。
  2. 前記外部電源入力部と前記制御電源生成部との間に接続された回り込み防止回路をさらに備え、
    前記回り込み防止回路は、
    プラス線に、前記外部電源ケーブルを介して接続された外部電源から前記充放電システムの方向に電流が流れるように整流する第1整流回路と、
    マイナス線に、前記充放電システムから前記外部電源の方向に電流が流れるように整流する第2整流回路と、を有することを特徴とする請求項1に記載の充放電システム。
  3. 前記外部電源入力部と前記制御電源生成部との間に接続された回り込み防止回路をさらに備え、
    前記回り込み防止回路は、
    プラス線とマイナス線にそれぞれ接続されたスイッチを有することを特徴とする請求項1に記載の充放電システム。
  4. 前記制御部は、前記電力線で前記駆動用蓄電池と導通した時点で、前記スイッチをターンオフすることを特徴とする請求項3に記載の充放電システム。
  5. 前記制御部は、
    前記プラス線に接続されたスイッチを、前記電力線で前記駆動用蓄電池と導通した時点で、ターンオフし、
    前記マイナス線に接続されたスイッチを、
    前記外部電源が前記電動車に搭載された補機電池である場合、前記電力線で前記駆動用蓄電池と導通した時点で、ターンオフし、
    前記外部電源が前記電動車に搭載された補機電池以外の外部電源である場合、オン状態を維持するか、前記プラス線に接続されたスイッチに同期してターンオフすることを特徴とする請求項3に記載の充放電システム。
  6. 前記制御部は、前記外部電源が前記電動車に搭載された補機電池であるか否かを、前記接地線または前記マイナス線の少なくとも一方に設けられた電流検出回路の出力結果、またはユーザ操作にもとづき判別することを特徴とする請求項5に記載の充放電システム。
  7. 前記外部電源入力部と前記制御電源生成部との間に接続された回り込み防止回路をさらに備え、
    前記回り込み防止回路は、
    プラス線に、前記外部電源ケーブルを介して接続された外部電源から前記充放電システムの方向に電流が流れるように整流する第1整流回路と、
    マイナス線に、前記充放電システムから前記外部電源の方向に電流が流れるように整流する第2整流回路と、
    前記プラス線と前記マイナス線にそれぞれ接続されたスイッチと、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の充放電システム。
  8. 前記外部電源ケーブルとして、
    起動用の外部電源が前記電動車に搭載された補機電池である場合に使用すべき、マイナス極が絶縁されている外部電源ケーブルと、
    前記外部電源が前記電動車に搭載された補機電池以外の外部電源である場合に使用すべき、マイナス極が導通している外部電源ケーブルの2種類が用意されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の充放電システム。
  9. 前記外部電源ケーブルは、マイナス極の導通/非導通を切り替え可能なスイッチを有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の充放電システム。
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