JP2024055682A - インバータ制御装置、電動車両 - Google Patents

インバータ制御装置、電動車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2024055682A
JP2024055682A JP2022162797A JP2022162797A JP2024055682A JP 2024055682 A JP2024055682 A JP 2024055682A JP 2022162797 A JP2022162797 A JP 2022162797A JP 2022162797 A JP2022162797 A JP 2022162797A JP 2024055682 A JP2024055682 A JP 2024055682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
pwm pulse
motor
pulse signal
inverter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022162797A
Other languages
English (en)
Inventor
俊幸 安島
雅寛 堀
崇文 原
峻 谷口
哲生 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Astemo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Astemo Ltd filed Critical Hitachi Astemo Ltd
Priority to JP2022162797A priority Critical patent/JP2024055682A/ja
Priority to PCT/JP2023/036291 priority patent/WO2024075798A1/ja
Publication of JP2024055682A publication Critical patent/JP2024055682A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M7/00Conversion of ac power input into dc power output; Conversion of dc power input into ac power output
    • H02M7/42Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal
    • H02M7/44Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters
    • H02M7/48Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P27/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage
    • H02P27/04Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage
    • H02P27/06Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage using dc to ac converters or inverters
    • H02P27/08Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage using dc to ac converters or inverters with pulse width modulation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

【課題】電気角1周期当たりのPWMパルス数に関わらず、モータの高周波損失を効果的に低減する。【解決手段】インバータ制御装置200は、周期的に変化する搬送波を用いて三相電圧指令をパルス幅変調し、PWMパルス信号を生成するPWMパルス生成部230と、モータ300の駆動条件に応じて、PWMパルス信号に応じてモータ300に流れる高調波電流によりモータ300のステータおよびロータでそれぞれ発生するステータ損失およびロータ損失を低減するための目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を算出する目標高調波電流算出部240とを備える。PWMパルス生成部230は、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づいて、三相インバータ回路からの三相出力電圧の総和である零相電圧Vnが非ゼロとなるようなPWMパルス信号を生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ制御装置およびこれを備えた電動車両に関する。
PWM(パルス幅変調)制御によりインバータの駆動を制御してモータを回転駆動させるインバータ制御装置が広く利用されている。こうしたインバータ制御装置によるインバータ駆動において、インバータのスイッチング動作によるスイッチング損失や、モータに流れる基本波電流による基本波損失に加えて、PWM制御によりモータに流れる高調波電流に起因してモータで発生する高周波損失が知られている。
PWMパルスを制御することで高調波電流の位相を調整してモータの高周波損失を低減するものとして、例えば特許文献1の技術が知られている。特許文献1には、モータに通電されるd軸電流Idとモータの回転速度を表すモータ回転速度ωrとに応じてモータの回転子の磁石に生じる渦電流損失Weを低減するように、三相電圧指令と搬送波である三角波信号Trとの位相差を調整するモータ制御装置が記載されている。
特開2022-18168号公報
特許文献1の技術では、三相電圧指令に応じたインバータの出力電流の基本波に対してPWM制御に用いる搬送波の位相を一定に制御する必要がある。しかしながら、特許文献1のような同期PWM制御では、モータ回転位置の検出誤差や、モータ回転位置の検出遅れに起因した角度誤差により、基本波に対する搬送波の位相精度が低下してしまうことがある。特に、電気角1周期当たりのPWMパルス数が15パルスより多くなるような多パルス領域での同期PWM制御では、1パルス当たりの電気角の幅が相対的に小さくなるため、基本波に対する搬送波の位相を高精度に制御することが困難となる。その結果、モータの高調波損失を低減する効果が失われてしまい、非同期PWM制御に対する優位性が失われてしまう可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するために、電気角1周期当たりのPWMパルス数に関わらず、モータの高周波損失を効果的に低減可能な技術を提供することを主な目的とする。
本発明によるインバータ制御装置は、三相インバータ回路を駆動させることで直流電流を三相交流電流に変換してモータに出力するインバータを制御する装置であって、周期的に変化する搬送波を用いて三相電圧指令をパルス幅変調し、前記三相インバータ回路の駆動を制御するためのPWMパルス信号を生成するPWMパルス生成部と、前記モータの駆動条件に応じて、前記PWMパルス信号に応じて前記モータに流れる高調波電流により前記モータのステータおよびロータでそれぞれ発生するステータ損失およびロータ損失を低減するための目標高調波電流を算出する目標高調波電流算出部と、を備え、前記PWMパルス生成部は、前記目標高調波電流に基づいて、前記三相インバータ回路からの三相出力電圧の総和である零相電圧が非ゼロとなるような前記PWMパルス信号を生成する。
本発明による電動車両は、ステータおよびロータを有するモータと、直流電流を供給するバッテリと、三相インバータ回路を有し、前記三相インバータ回路を駆動させることで前記直流電流を三相交流電流に変換して前記モータに出力するインバータと、前記インバータを制御するインバータ制御装置と、を備え、前記インバータ制御装置は、周期的に変化する搬送波を用いて三相電圧指令をパルス幅変調し、前記三相インバータ回路の駆動を制御するためのPWMパルス信号を生成するPWMパルス生成部と、前記モータの駆動条件に応じて、前記PWMパルス信号に応じて前記モータに流れる高調波電流により前記ステータおよび前記ロータでそれぞれ発生するステータ損失およびロータ損失を低減するための目標高調波電流を算出する目標高調波電流算出部と、を有し、前記PWMパルス生成部は、前記目標高調波電流に基づいて、前記三相インバータ回路からの三相出力電圧の総和である零相電圧が非ゼロとなるような前記PWMパルス信号を生成する。
本発明によれば、電気角1周期当たりのPWMパルス数に関わらず、モータの高周波損失を効果的に低減することができる。
本発明の第1の実施形態に係るインバータ制御装置を有するモータ駆動システムの構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係るインバータ制御装置におけるPWMパルス信号の生成方法の一例を示す図。 モータにおいて発生する高調波損失の例を示す図。 PWMパルス信号の演算手法を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るインバータ制御装置における目標高調波電流および零相電圧指令の算出処理の流れを示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係るインバータ制御装置を有するモータ駆動システムの構成を示すブロック図。 本発明の第2の実施形態に係るインバータ制御装置におけるPWMパルス信号の生成方法の一例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係るインバータ制御装置における目標高調波電流および目標位相値の算出処理の流れを示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態に係る電動車両の構成を示す図。
本発明は、PWM制御でインバータの制御を行うインバータ制御装置であって、インバータから出力される三相交流電圧の総和である零相電圧が非ゼロとなるようなPWMパルス信号を出力することで、モータの高調波損失を低減してモータ発熱による温度デグラデーションの発生を低減しつつ、インバータを高出力化させるインバータ制御装置を提供するものである。以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインバータ制御装置200を有するモータ駆動システム1の構成を示すブロック図である。モータ駆動システム1は、バッテリ2と接続されており、インバータ100、インバータ制御装置200およびモータ300を有している。
バッテリ2は、インバータ100の直流電圧源である。インバータ100は、モータ300に印加される三相交流電圧の各相に対応する複数の半導体スイッチ素子からなる三相インバータ回路を有しており、この三相インバータ回路の各半導体スイッチ素子は、インバータ制御装置200によってオン/オフ制御される。これにより、バッテリ2の直流電圧DCVが可変電圧、可変周波数の三相交流電圧に変換されてインバータ100から出力され、モータ300に印加される。
モータ300は、三相交流電圧の供給により回転駆動される同期モータである。モータ300には、インバータ100からモータ300に印加される三相交流電圧の位相をモータ300の誘起電圧の位相に合わせて制御するために、回転位置センサ320が取り付けられている。ここで、回転位置センサ320には、例えば鉄心と巻線とから構成されるレゾルバなどを用いることができる。あるいは、GMRセンサやホール素子を用いて回転位置センサ320を構成してもよい。
インバータ制御装置200は、電流制御部210、電流指令部220、PWMパルス生成部230、目標高調波電流算出部240、零相電圧指令算出部250、ドライブ信号生成部260、回転位置検出部270および電流検出部280の各機能ブロックを有する。インバータ制御装置200は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、マイクロコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより、これらの機能ブロックを実現することができる。あるいは、これらの機能ブロックの一部または全部をロジックICやFPGA等のハードウェア回路を用いて実現してもよい。
回転位置検出部270は、回転位置センサ320の出力信号に基づいて、モータ300におけるロータの回転位置(電気角)θを検出する。
電流検出部280は、モータ300に流れる3相の電流検出値(Iu,Iv,Iw)を電流センサIctから取得し、回転位置検出部270で検出された回転位置θに基づいてこれらの電流検出値を3相/2相変換することで、dq軸の電流検出値(Id,Iq)を求める。
インバータ制御装置200は、モータ300の出力を制御するための電流制御機能を有している。電流指令部220は、不図示の上位制御器から入力されたトルク指令と、バッテリ2の直流電圧DCVとに基づいて、電流指令値(Id*,Iq*)を算出し、電流制御部210へ出力する。電流制御部210は、電流検出部280により検出された電流検出値(Id,Iq)と、電流指令部220から入力された電流指令値(Id*,Iq*)とが一致するように、電圧指令(Vd*,Vq*)を出力する。
目標高調波電流算出部240は、不図示の上位制御器から入力されたトルク指令と、バッテリ2の直流電圧DCVと、回転位置検出部270で検出された回転位置θの時間変化であるモータ速度とに基づいて、モータ300のステータおよびロータでそれぞれ発生するステータ損失およびロータ損失を低減するための目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を算出する。ここで、モータ300のステータおよびロータには、PWMパルス生成部230からドライブ信号生成部260に出力されるPWMパルス信号に応じてモータ300に流れる高調波電流により、高周波損失(ステータ損失、ロータ損失)がそれぞれ発生する。目標高調波電流算出部240は、トルク指令およびモータ速度からモータ300の駆動条件を特定し、特定したモータ300の駆動条件に基づいて、これらの高調波損失を低減するためのd軸目標高調波電流Idn*およびq軸目標高調波電流Iqn*を算出する。なお、目標高調波電流算出部240による目標高調波電流(Idn*,Iqn*)の算出方法の詳細については後述する。
零相電圧指令算出部250は、目標高調波電流算出部240により算出された目標高調波電流(Idn*,Iqn*)と、バッテリ2の直流電圧DCVとに基づいて、PWMパルス生成部230により生成されるPWMパルス信号の位相αを所定の目標位相値に調整するための零相電圧指令Vn*を算出する。この零相電圧指令Vn*は、PWMパルス信号に応じてインバータ100がモータ300に出力する三相出力電圧Vu、Vv、Vwの総和である零相電圧Vnを非ゼロとして変化させるための電圧指令である。なお、零相電圧指令算出部250による零相電圧指令Vn*の算出方法の詳細については後述する。
PWMパルス生成部230は、電流制御部210により求められた電圧指令(Vd*,Vq*)と、零相電圧指令算出部250により求められた零相電圧指令Vn*と、回転位置θとに基づいて、三相のパルス幅変調(PWM)を実施し、インバータ100を制御するためのPWMパルス信号を生成する。具体的には、例えばPWMパルス生成部230は、回転位置θを用いて電圧指令(Vd*,Vq*)を2相/3相変換することにより、三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*(U相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*およびW相電圧指令値Vw*)を演算する。そして、求められた三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*から零相電圧指令Vn*をそれぞれ減算することで、零相電圧調整後の三相電圧指令Vcu*、Vcv*、Vcw*を求めて、これらの電圧指令値をキャリア周波数fcで周期的に変化する搬送波とそれぞれ比較する。これにより、各相のパルスエッジの位置(位相)を決定し、各相のPWMパルス信号を生成することができる。この場合、キャリア周波数fcは一定としてもよいし、モータ3の回転速度(回転数)に応じて変化させてもよい。
なお前述のように、零相電圧指令算出部250から出力される零相電圧指令Vn*は、PWMパルス信号に応じてインバータ100がモータ300に出力する各相電圧の総和である零相電圧Vnを非ゼロとするための電圧指令である。これは、零相電圧指令算出部250において、目標高調波電流算出部240により算出された目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づいて算出される。したがって、PWMパルス生成部230では、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づいて、インバータ100の三相インバータ回路から出力される各相電圧の総和である零相電圧Vnが非ゼロとなるようなPWMパルス信号を生成することができる。
ドライブ信号生成部260は、PWMパルス生成部230により生成されたPWMパルス信号をドライブ信号DRに変換し、インバータ100に出力する。インバータ100において、三相インバータ回路の各半導体スイッチ素子は、ドライブ信号DRに応じてオン/オフ制御される。これにより、インバータ制御装置200の制御に応じて三相インバータ回路が駆動され、インバータ100からモータ300への出力電圧が調整されてモータ300に流れる三相交流電流が調整され、モータ300のトルクが制御される。
なお上記では、上位制御器からのトルク指令に応じてモータ300のトルクを制御する場合のモータ駆動システム1の構成例を図1により説明したが、他の制御方法を採用する場合でも、図1の構成を適用可能である。例えば、モータ300の回転速度を制御する場合には、モータ回転速度ωrを回転位置θの時間変化により演算し、上位制御器からの速度指令と一致するように、電圧指令あるいは電流指令を作成する。また、モータ300の電流を制御する場合には、上位制御器からの電流指令(Id*、Iq*)を電流制御部210と目標高調波電流算出部240にそれぞれ入力する。
次に、図2、図3、図4、図5を用いて、本実施形態のインバータ制御装置200におけるPWMパルス制御の詳細について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るインバータ制御装置200におけるPWMパルス信号の生成方法の一例を示す図である。図2において、破線で示した円弧状の変調波信号MWは、零相電圧調整前の三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*の基本波成分に相当する。また、実線で示した三角波状の搬送波信号CWは、パルス幅変調に用いられるアップダウンカウントタイマの例を表しており、これはキャリア周期Tc(キャリア周波数fc)で周期的に変化する搬送波に相当する。
インバータ制御装置200では、搬送波信号CWが0にリセットされるタイミングに同期して、所定の制御周期ごとにインバータ100の制御処理を実行する。インバータ制御装置200は不図示のA/D変換器を有しており、各制御周期ごとに、例えば電流センサIctの検出信号など、インバータ100の制御に用いる各種検出信号をA/D変換器でサンプル&ホールドする。そして、A/D変換器によるA/D変換時間の経過後に、デジタル値に変化された検出信号を取得して、電流制御などの制御処理を実行する。このA/D変換器のサンプル&ホールド動作では、A/D変換器に内蔵されたキャパシタに検出信号をチャージする際に、A/D変換器の入力電圧において電圧リプルが発生する。この電圧リプル(A/D変換ノイズ)の周期は、制御周期(キャリア周期Tc)と同等である。そのため、A/D変換器において入力電圧に重畳される電圧リプルの周期は、インバータ制御装置200の制御周期とみなすことができ、この電圧リプルを測定することでインバータ制御装置200の制御周期を知ることができる。
なお、インバータ制御装置200では、制御周期と電流センサIctの電流検出周期を必ずしも一致させる必要はなく、例えば電流検出周期を制御周期の2倍などの整数倍にすることも可能である。しかしながら、このような場合でも、インバータ制御装置200におけるマイコン処理の関係から、電流センサIctの電流検出タイミングはインバータ制御装置200の制御周期と同期させる必要があるため、インバータ制御装置200の制御周期は電流検出周期の整数倍となる。いずれにしても、インバータ制御装置200では、A/D変換器の入力電圧に生じる電圧リプル(A/D変換ノイズ)の周期を整数倍した値を、制御周期(PWMパルス信号のキャリア周期Tc)とみなすことができる。
本実施形態のインバータ制御装置200では、図1で説明した各機能ブロックの制御により、非同期PWM制御状態で電気角1周期当たりのPWMパルス数が15パルスより多くなるような多パルス領域においても、インバータ100の出力電圧の基本波周期に同期したPWMパルス信号の位相制御を実施できるという特徴がある。この点について、図2を参照して以下に説明する。
本実施形態のインバータ制御装置200では、PWMパルス生成部230において、例えば、零相電圧調整前の変調波信号MWに対して調整幅ΔMWを設定し、搬送波信号CWが増加する上り区間と、搬送波信号CWが減少する下り区間とで、変調波信号MWのレベル差が調整幅ΔMWとなるように調整する。具体的には、搬送波信号CWの上り区間では変調波レベル(MW-ΔMW/2)となり、搬送波信号CWの下り区間では変調波レベル(MW+ΔMW/2)となるように、変調波信号MWを調整する。このようにして変調波信号MWのレベルを調整することで、PWMパルス生成部230から出力されるPWMパルス信号の各エッジタイミングを、θaからθbに進めることができる。すなわち、インバータ100の出力電圧(出力電流)の基本波周期に同期して、PWMパルス信号の位相を進めることができる。
なお、上記の例とは反対に、搬送波信号CWの上り区間では変調波レベル(MW+ΔMW/2)となり、搬送波信号CWの下り区間では変調波レベル(MW-ΔMW/2)となるように、変調波信号MWのレベルを調整してもよい。このようにすれば、PWMパルス生成部230から出力されるPWMパルス信号の各エッジタイミングを遅らせることができる。すなわち、インバータ100の出力電圧(出力電流)の基本波周期に同期して、PWMパルス信号の位相を遅らせることができる。
ここで、上記のように搬送波信号CWの1/2周期ごとに、すなわちPWM制御の1/2周期ごとに変調波信号MWのレベルを上下に変化させることは、インバータ100からモータ300に出力される三相交流電圧の零相電圧Vnを変化させることに相当している。したがって、PWMパルス生成部230では前述のように、零相電圧指令算出部250で求められた零相電圧指令Vn*を用いて、零相電圧調整後の三相電圧指令Vcu*、Vcv*、Vcw*を求め、これらの電圧指令値から各相のPWMパルス信号を生成することにより、上述したPWMパルス信号の位相制御を行うことができる。なお、図2において、三角波状の搬送波信号CWの周期であるキャリア周期Tcは、PWM制御の周期を表している。
本実施形態のインバータ制御装置200では、以上説明したように、零相電圧指令算出部250において零相電圧指令Vn*を算出し、この零相電圧指令Vn*を用いて、PWMパルス生成部230においてPWM制御の1/2周期ごとに変調波信号MWのレベルを上下に変化させることで、PWMパルス信号の位相制御を行う。これにより、例えばモータ300の回転速度が比較的低い一定トルク制御の状態で、電気角1周期当たりのPWMパルス数が15パルスより多くなるような多パルス領域においても、インバータ100の出力電圧(出力電流)の基本波周期に同期したPWMパルス信号の位相制御を実施できるようにしている。
インバータ100の出力電流では、特にキャリア周波数fcの2倍の周波数において、PWMパルス信号に応じた高調波電流成分が大きくなることが知られている。こうしたインバータ100の出力電流における高調波電流成分は、モータ300のステータやロータ内の損失(高調波損失)を引き起こす。本実施形態のインバータ制御装置200では、上記のようなPWMパルス信号の位相制御を行うことで、インバータ100の出力電圧の基本波に対するPWMパルス信号の位相を、モータ300の高調波損失を低減可能な所定の値に制御する。このとき、ステータ損失とロータ損失の配分を調整することで、これらを合わせた高調波損失が全体的に低減するようにしてもよい。これにより、モータ300の動作状態に応じてステータ巻線の温度上昇やロータ磁石の温度上昇を低減することができるため、モータ300の温度が動作上限温度に達するのを抑制し、モータ300の連続出力を向上できる。
図3は、モータ300において発生する高調波損失の例を示す図である。図3では、電気角1周期当たりのPWMパルス数が9、15、21、27、33、39、45の各ケースと、インバータ100の出力電圧(出力電流)の基本波(正弦波)について、モータ300において発生する各種高調波損失(AC銅損、磁石損、ロータ鉄損、コアバック鉄損、ティース鉄損)の大きさの一例を示している。
図3において、AC銅損とは、モータ300のステータに設置されたコイルに交流電流が流れることにより発生する抵抗損である。磁石損とは、モータ300のロータに設置された永久磁石に渦電流が流れることにより発生する損失である。ロータ鉄損とは、モータ300のロータにおいて発生する鉄損である。コアバック鉄損とは、モータ300のステータにおいてコアバック部分に発生する鉄損である。ティース鉄損とは、モータ300のステータにおいてティース部分に発生する鉄損である。これらの高調波損失のうち、AC銅損、コアバック鉄損およびティース鉄損がステータ損失に該当し、磁石損およびロータ鉄損がロータ損失に該当する。
上記の各高調波損失は、図3に示した(1)~(4)の各数式によって算出することができる。数式(1)~(4)において、nは高調波の次数、Nは高調波損失の計算対象に含める次数の上限をそれぞれ表す。また、f1はインバータ100の出力電圧(出力電流)の基本波の周波数、Ianは出力電流のn次高調波成分、Idnはd軸電流のn次高調波成分をそれぞれ表す。
数式(1)において、Wih_Sはコアバック鉄損とティース鉄損を合わせたステータ鉄損、Kieh_sはステータ鉄損の比例定数、αsはフィッティング係数s、es1はフィッティング係数s1、es2はフィッティング係数s2をそれぞれ表す。同様に、数式(2)において、PAC_hはAC銅損、KAC_hはAC銅損の比例定数、γはフィッティング係数、ecはフィッティング係数cをそれぞれ表す。数式(3)において、Wieh_Rはロータ鉄損、Kieh_Rはロータ鉄損の比例定数、αrはフィッティング係数r、er1はフィッティング係数r1、er2はフィッティング係数r2をそれぞれ表す。数式(4)において、Pmagは磁石損、Kmagは磁石損の比例定数、χはフィッティング係数、emはフィッティング係数mをそれぞれ表す。これらの数式における各種の比例定数およびフィッティング係数は、事前に行われた磁界解析や実測の結果に基づいて、インバータ制御装置200に予め設定しておくことができる。
図3に示した高調波損失の例では、一番右端の正弦波成分と比べて、電気角1周期当たりのPWMパルス数が減少するほど、高調波電流の増加に伴ってAC銅損と磁石損の感度が高くなり、これらの高調波損失が増加することが分かる。なお、数式(2)、(4)に示すように、磁石損はPWMパルス信号によるd軸電流のn次高調波成分の指数乗で表現される近似式、AC銅損はPWMパルス信号による出力電流のn次高調波成分の指数乗で表現される近似式からそれぞれ導出することができる。
図4は、PWMパルス信号の演算手法を示している。本実施形態のインバータ制御装置200において、PWMパルス生成部230は前述のように、零相電圧指令算出部250で算出された零相電圧指令Vn*に基づき、PWMパルス信号を生成する。これにより、例えば図4に示すように、PWMパルス信号のパルス幅tpを一定(基本波電圧は一定)にしたままで、PWMパルス信号の位相αを所定の目標位相値に制御することができる。その結果、PWMパルス信号に応じたインバータ100の出力電圧におけるd軸高調波電圧Vdnおよびq軸高調波電圧Vqnをそれぞれ制御して、d軸高調波電流Idnおよびq軸高調波電流Iqnを所望の値に調整できる。なお、高調波電圧Vdn,Vqnおよび高調波電流Idn,Iqnと、PWMパルス信号の位相αとは、図4の数式(5)、(6)でそれぞれ表される。また、零相電圧指令Vn*に応じた零相電圧Vnのシフト量Vzは、図4の数式(7)で表される。
上記のように、PWMパルス生成部230では、PWMパルス信号の位相αの調整により、インバータ100の平均出力電圧を所望の電圧に保ちながら、その高調波成分の大きさと位相をそれぞれ変化させて、d軸高調波電流Idnとq軸高調波電流Iqnの大きさを調整し、モータ300における高調波損失を低減できる。具体的には、例えば磁石温度に対する要求が厳しい高回転領域では、位相αを0もしくはπ付近に制御することで、磁石損を最小化して磁石温度の上昇を抑制できる。また、d軸高調波電流Idnを小さくして、q軸高調波電流Iqnに応じた高周波損失(AC銅損と磁石損)を調整することもできる。例えば、低速・小トルク領域などのように、高調波電流に起因するトルクリプルを小さくしたい領域では、位相αを±π/2付近に制御することで、磁石損は増大するがトルクリプルを最小化できる。
なお、モータ300における高調波損失とトルクリプルの選択はトレードオフになるため、インバータ制御装置200では、PWMパルス信号の位相αの値ごとに、トルクと速度の関係を予めテーブル化しておくことが好ましい。また、モータ300として、q軸成分インダクタンスLqがd軸成分インダクタンスLdの約2倍以上であるモータが用いられることがある。このような場合、位相αの決定の際には、q軸高調波電圧Vqnに対してd軸高調波電圧Vdnの約2倍の電圧値を配分することが可能である。
本実施形態では前述のように、目標高調波電流算出部240においてモータ300の駆動条件に応じた目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を算出し、この目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づいて零相電圧指令算出部250が算出した零相電圧指令Vn*に基づいて、PWMパルス生成部230が零相電圧Vnを調整してPWMパルス信号の位相αの調整を行う。これにより、インバータ100の出力電圧におけるd軸高調波電圧Vdnおよびq軸高調波電圧Vqnをそれぞれ制御して、d軸高調波電流Idnおよびq軸高調波電流Iqnを所望の値にフィードフォワード制御するようにしている。しかしながら、こうしたフィードフォワード制御に替えて、フィードバック制御を行うようにしてもよい。具体的には、例えば電流検出部280で求められた電流検出値(Id,Iq)からd軸高調波電流Idnおよびq軸高調波電流Iqnを検出し、これらの値と目標高調波電流(Idn*,Iqn*)との差分をそれぞれ算出して、零相電圧指令Vn*を決定するようにしてもよい。また、これ以外にも任意の手法により、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に応じた零相電圧指令Vn*を決定して、PWMパルス信号の位相αの調整を行うことが可能である。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るインバータ制御装置200における目標高調波電流(Idn*,Iqn*)および零相電圧指令Vn*の算出処理の流れを示すフローチャートである。図5のフローチャートに示す処理は、インバータ制御装置200の目標高調波電流算出部240および零相電圧指令算出部250により、例えば所定の制御周期ごとに実行される。
ステップS1において、目標高調波電流算出部240は、モータ300の駆動条件に応じた目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を求める。例えば、直流電圧DCV、トルク指令およびモータ速度の組み合わせごとに、これらの駆動条件に対して高調波損失を最も効果的に低減可能な目標高調波電流(Idn*,Iqn*)の値を、シミュレーションや実験等により予め算出しておき、その算出結果に基づいて、駆動条件ごとに最適な目標高調波電流(Idn*,Iqn*)の値を、数式やテーブルにより予め設定しておく。この数式やテーブルを用いることにより、モータ300の駆動条件に応じた目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を求めることができる。
ステップS2において、目標高調波電流算出部240は、ステップS1で算出した目標高調波電流(Idn*,Iqn*)による高調波損失とトルクリプルを推定する。具体的には、例えば図4に示した数式(5)により、インバータ100の出力電流のn次高調波成分Ianやd軸電流のn次高調波成分Idnを算出する。これにより、モータ300のトルクリプルが求められるとともに、図3に示した数式(1)~(4)から、モータ300において発生する各種高調波損失(ステータ鉄損、AC銅損、ロータ鉄損、磁石損)を求めることができる。なお、前述のように電気角1周期当たりのPWMパルス数が減少するほど、AC銅損と磁石損の感度が高くなるため、AC銅損と磁石損のみを高調波損失の算出対象としてもよい。
ステップS3において、目標高調波電流算出部240は、ステップS2で推定したトルクリプルの大きさが所定値以上であるか否かを判定する。ここでは、ステップS2で求めたトルクリプルの大きさを、予め設定された所定の閾値と比較する。その結果、トルクリプルの大きさが閾値以上であればステップS4へ進み、閾値未満であれば、ステップS1で算出した目標高調波電流(Idn*,Iqn*)の値を零相電圧指令算出部250へ出力して、ステップS5へ進む。
ステップS4において、目標高調波電流算出部240は、ステップS1で算出した目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を補正する。ここでは、ステップS1で目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を算出する際に用いた直流電圧DCV、トルク指令、モータ速度等のモータ駆動条件や、ステップS2で推定した高調波損失とトルクリプルの大きさなどに基づき、d軸目標高調波電流Idn*とq軸目標高調波電流Iqn*の重み付け係数に相当する補正係数を決定し、この補正係数を用いて目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を重み付け補正する。例えば、モータ駆動条件ごとに予め設定された補正係数を用いて、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)の補正を行うことができる。ステップS4の処理を終えたら、ステップS4で補正した目標高調波電流(Idn*,Iqn*)の値を零相電圧指令算出部250へ出力して、ステップS5へ進む。
ステップS5において、零相電圧指令算出部250は、目標高調波電流算出部240から出力された目標高調波電流(Idn*,Iqn*)の値を取得し、これに基づいて、PWMパルス信号の位相αに対する目標値を求める。ここでは、例えば図4の数式(6)により、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に応じた位相αの目標値を算出する。
ステップS6において、零相電圧指令算出部250は、ステップS5で求めた位相αの目標値に基づいて、零相電圧Vnのシフト量Vzを求める。ここでは、例えば図4の数式(7)により、位相αの目標値に応じた零相電圧Vnのシフト量Vzを算出する。
ステップS7において、零相電圧指令算出部250は、ステップS6で求めた零相電圧Vnのシフト量Vzに応じた零相電圧指令Vn*を出力する。この零相電圧指令Vn*に応じてPWMパルス生成部230が零相電圧Vnを調整することで、図2で説明したように、PWM制御の1/2周期ごとに変調波信号MWが上下に変動され、搬送波信号CWが増加する上り区間と、搬送波信号CWが減少する下り区間との間にレベル差が生じる。その結果、PWMパルス信号の位相αが、ステップS5で求められた目標値に合わせて調整される。
以上説明した本実施形態のインバータ制御装置200では、目標高調波電流算出部240において、モータ300の駆動条件に応じた目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を算出し、この目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づき、零相電圧指令算出部250において零相電圧指令Vn*を出力する。PWMパルス生成部230では、零相電圧指令算出部250から出力される零相電圧指令Vn*に基づきPWMパルス信号を生成することで、PWMパルス信号の位相αを調整する。これにより、同期PWM制御状態の場合に限らず、PWMパルス信号の生成に用いられる三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*の周期と搬送波の周期との比が非整数となる非同期PWM制御状態の場合でも、PWMパルス信号の位相αを任意の値に調整することができる。そのため、電気角1周期当たりのPWMパルス数が多くなる多パルス領域においても、PWMパルス信号の位相制御による高調波損失の低減が実現できる。例えば、モータ300の回転速度が比較的低い一定トルク制御の領域で、インバータ100の出力電流における高調波電流成分が大きくなるような周波数(キャリア周波数fcの2倍の周波数)に対しても、高調波損失(ステータ損失、ロータ損失)を低減することができる。
また、以上説明した本実施形態のインバータ制御装置200では、零相電圧指令Vn*に基づいてPWMパルス信号の位相αを調整することで、高調波損失におけるステータ損失とロータ損失の配分調整や、高調波損失とトルクリプルの配分調整についても行うことができる。その結果、例えば、モータ300の駆動条件に応じて、ステータ巻線やロータ磁石の温度上昇を低減しながらトルクリプルの調整を行うことができるため、モータの連続出力と低騒音・低振動化を両立できる。
なお、本実施形態のインバータ制御装置200において、モータ300の高調波損失を最小化するために、d軸高調波電流Idnを小さくしてq軸高調波電流Iqnを大きくするように目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を重み付け補正すると、モータ300における高調波電流に起因するトルクリプルが大きくなることがある。このような場合、モータ300に流れる高調波電流を低減して高調波損失を抑制するために、PWMパルス生成部230においてPWMパルス信号の生成に用いる搬送波の周波数を通常時よりも高い周波数に切り替えてもよい。具体的には、例えば、PWMパルス生成部230において、搬送波の周波数を高周波側と低周波側の2種類で切り替え可能に設定しておく。そして、通常時には搬送波の周波数を低周波側として、上位制御器から入力されたトルク指令に応じたモータ300の出力トルクが所定の第1の範囲内にあり、かつ、零相電圧指令算出部250により推定された高調波損失(ステータ損失およびロータ損失)の大きさが所定の第2の範囲内にあるときには、搬送波の周波数を低周波側から高周波側に切り替える。このようにすれば、モータ300において発生するトルクリプルを抑制しつつ、モータ300の高調波損失を低減することが可能となる。特に、インバータ100において、三相インバータ回路の半導体スイッチ素子にSiCやGaNなどの高応答な半導体素子を用いた場合には、高い効果を得ることができる。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)インバータ制御装置200は、三相インバータ回路を駆動させることで直流電流を三相交流電流に変換してモータ300に出力するインバータ100を制御する装置である。インバータ制御装置200は、周期的に変化する搬送波を用いて三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*をパルス幅変調し、三相インバータ回路の駆動を制御するためのPWMパルス信号を生成するPWMパルス生成部230と、モータ300の駆動条件に応じて、PWMパルス信号に応じてモータ300に流れる高調波電流によりモータ300のステータおよびロータでそれぞれ発生するステータ損失およびロータ損失を低減するための目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を算出する目標高調波電流算出部240とを備える。PWMパルス生成部230は、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づいて、三相インバータ回路からの三相出力電圧Vu、Vv、Vwの総和である零相電圧Vnが非ゼロとなるようなPWMパルス信号を生成する。このようにしたので、PWMパルス信号の位相αを所定の目標位相値に制御し、モータ300におけるd軸高調波電流Idnとq軸高調波電流Iqnの大きさを調整することができる。その結果、電気角1周期当たりのPWMパルス数に関わらず、モータ300の高周波損失を効果的に低減することができる。
(2)インバータ制御装置200は、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づいて、搬送波の1/2周期ごとに零相電圧Vnを変化させるための零相電圧指令Vn*を算出する零相電圧指令算出部250を備える。PWMパルス生成部230は、零相電圧指令Vn*に基づいてPWMパルス信号を生成する。このようにしたので、零相電圧Vnを非ゼロとして変化させ、これによりPWMパルス信号の位相αを所定の目標位相値に制御可能なPWMパルス信号を生成することができる。
(3)PWMパルス生成部230は、三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*の周期と搬送波の周期との比が非整数となる非同期PWM制御状態において、零相電圧Vnが三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に同期して変化するように、PWMパルス信号を生成する。このようにしたので、非同期PWM制御状態の場合でも、PWMパルス信号の位相αを所定の目標位相値に調整してモータ300の高周波損失を低減することができる。
(4)目標高調波電流算出部240は、算出した目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を補正する(ステップS4)。この場合、PWMパルス生成部230は、補正後の目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づいてPWMパルス信号を生成する。このようにしたので、例えばモータ300のトルクリプルの大きさが所定値以上の場合などに、モータ300の高周波損失を調整してトルクリプルの抑制を図ることができる。
(5)PWMパルス生成部230は、モータ300の出力トルクが所定の第1の範囲内にあり、かつ、ステータ損失とロータ損失を合わせた高調波損失の大きさが所定の第2の範囲内にあるときに、搬送波の周波数を通常時よりも高い周波数に切り替えることとしてもよい。このようにすれば、モータ300において発生するトルクリプルを抑制しつつ、モータ300の高調波損失を低減することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、前述の零相電圧指令Vn*を用いずに、PWMパルス信号の位相αに対する目標位相値を設定し、この目標位相値に基づいてPWMパルス信号を生成する例を説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るインバータ制御装置200Aを有するモータ駆動システム1Aの構成を示すブロック図である。本実施形態のモータ駆動システム1Aは、第1の実施形態で説明した図1のモータ駆動システム1と比べて、インバータ制御装置200Aの構成が一部異なっている。それ以外の点はモータ駆動システム1と共通であるため、特に必要ない限りは説明を省略する。
インバータ制御装置200Aは、電流制御部210、電流指令部220、PWMパルス生成部230A、目標高調波電流算出部240、目標位相値算出部250A、ドライブ信号生成部260、回転位置検出部270および電流検出部280の各機能ブロックを有する。なお、PWMパルス生成部230Aおよび目標位相値算出部250A以外の各機能ブロックについては、第1の実施形態におけるインバータ制御装置200のものとそれぞれ共通であるため、以下では説明を省略する。
目標位相値算出部250Aは、目標高調波電流算出部240により算出された目標高調波電流(Idn*,Iqn*)と、バッテリ2の直流電圧DCVとに基づいて、PWMパルス生成部230により生成されるPWMパルス信号の位相αに対する目標位相値を算出し、この目標位相値に応じた位相指令値α*を出力する。位相指令値α*は、第1の実施形態における零相電圧指令Vn*の算出に用いた位相αの目標値に相当するものであり、図4で説明した数式(6)によって算出される。
PWMパルス生成部230Aは、電流制御部210により求められた電圧指令(Vd*,Vq*)と、目標位相値算出部250Aから出力された位相指令値α*と、回転位置θとに基づいて、三相のパルス幅変調(PWM)を実施し、インバータ100を制御するためのPWMパルス信号を生成する。具体的には、例えばPWMパルス生成部230Aは、回転位置θを用いて電圧指令(Vd*,Vq*)を2相/3相変換することにより、三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*(U相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*およびW相電圧指令値Vw*)を演算する。そして、求められた三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*と位相指令値α*に基づいて、各相において搬送波に対するコンペアマッチタイマを設定し、キャリア周波数fcで周期的に変化する搬送波とそれぞれ比較する。これにより、各相のパルスエッジの位置(位相)を決定し、各相のPWMパルス信号を生成することができる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るインバータ制御装置200AにおけるPWMパルス信号の生成方法の一例を示す図である。本実施形態では、図7に示すように、搬送波信号CWが三角波状ではなく、鋸波状のアップダウンカウントタイマにより実装されている。
本実施形態のインバータ制御装置200Aでは、PWMパルス生成部230Aにおいて、三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に応じて設定するコンペアマッチレジスタの値を、位相指令値α*に基づいてオフセットする。具体的には、例えば図7に示すように、三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に対応して設定されるコンペアマッチレジスタ値CMP1A,2Aを、位相指令値α*に応じた分だけ小さい値にオフセットさせることで、コンペアマッチレジスタ値CMP1B,2Bを設定する。このようにしてコンペアマッチレジスタの値をオフセットすることで、第1の実施形態と同様に、PWMパルス生成部230Aから出力されるPWMパルス信号の各エッジタイミングを、θaからθbに進めることができる。すなわち、インバータ100の出力電圧(出力電流)の基本波周期に同期して、PWMパルス信号の位相を進めることができる。
なお、上記の例とは反対に、コンペアマッチレジスタの値を位相指令値α*に応じた分だけ大きい値にオフセットしてもよい。このようにすれば、PWMパルス生成部230Aから出力されるPWMパルス信号の各エッジタイミングを遅らせることができる。すなわち、インバータ100の出力電圧(出力電流)の基本波周期に同期して、PWMパルス信号の位相を遅らせることができる。
本実施形態のインバータ制御装置200Aでは、以上説明したように、目標位相値算出部250AにおいてPWMパルス信号の位相αに対する目標位相値を算出し、この目標位相値に応じた位相指令値α*を用いて、PWMパルス生成部230Aにおいてコンペアマッチレジスタの値をオフセットすることで、PWMパルス信号の位相制御を行う。これにより、第1の実施形態と同様に、例えばモータ300の回転速度が比較的低い一定トルク制御の状態で、電気角1周期当たりのPWMパルス数が15パルスより多くなるような多パルス領域においても、インバータ100の出力電圧(出力電流)の基本波周期に同期したPWMパルス信号の位相制御を実施できるようにしている。さらに本実施形態では、コンペアマッチレジスタの値をオフセットするだけでPWMパルス信号の位相を制御することができるため、インバータ制御装置200Aとして用いられるマイコンの処理負荷を低減できる利点もある。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るインバータ制御装置200Aにおける目標高調波電流(Idn*,Iqn*)および目標位相値の算出処理の流れを示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す処理は、インバータ制御装置200Aの目標高調波電流算出部240および目標位相値算出部250Aにより、例えば所定の制御周期ごとに実行される。
ステップS1~S5では、第1の実施形態で説明した図5のステップS1~S5と同様の処理をそれぞれ実行する。なお、本実施形態においてステップS5の処理は、目標位相値算出部250Aにより実行される。
ステップS7Aにおいて、目標位相値算出部250Aは、ステップS5で求めた位相αの目標値に応じた位相指令値α*を出力する。この位相指令値α*に応じてPWMパルス生成部230Aがコンペアマッチレジスタの値をオフセットすることで、図7で説明したように、PWMパルス信号の位相αがステップS5で求められた目標値に合わせて調整される。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、インバータ制御装置200Aは、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づいて、PWMパルス信号の位相αに対する目標位相値を算出する目標位相値算出部250Aを備える。PWMパルス生成部230Aは、目標位相値に基づいてPWMパルス信号を生成する。このようにしたので、第1の実施形態と同様に、PWMパルス信号の位相αを所定の目標位相値に制御可能なPWMパルス信号を生成することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1、第2の実施形態でそれぞれ説明したモータ駆動システムを電動車両に搭載した例を説明する。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る電動車両600の構成を示す図である。電動車両600は、走行用のモータ駆動システム1B1(モータ300B1,インバータ100B1,インバータ制御装置200B1)と、発電用のモータ駆動システム1B2(モータ300B2,インバータ100B2,インバータ制御装置200B2)とを適用したパワートレインを有する。インバータ制御装置200B1,200B2は、第1の実施形態で説明したインバータ制御装置200、または第2の実施形態で説明したインバータ制御装置200Aと同様の構成をそれぞれ有している。また、モータ300B1,300B2はモータ300と、インバータ100B1,100B2はインバータ100と、それぞれ同様の構成を有している。
電動車両600のフロント部には、前輪車軸601が回転可能に軸支されており、前輪車軸601の両端には、前輪602,603が設けられている。電動車両600のリア部には、後輪車軸604が回転可能に軸支されており、後輪車軸604の両端には後輪605,606が設けられている。
前輪車軸601の中央部には、動力分配機構であるデファレンシャルギア611が設けられており、エンジン610もしくモータ300B1は、変速機612を介して伝達された回転駆動力を左右の前輪車軸601に分配するようになっている。エンジン610とモータ300B1,300B2は、変速機612に実装された機構を用いて機械的に連結/分離できる機構を有している。そのため、エンジン610とモータ300B2を機械結合し、モータ300B1の機械出力のみをデファレンシャルギア611に伝達して車両走行するシリーズハイブリッドモードと、エンジン610とモータ300B1の機械出力を合わせてデファレンシャルギア611に伝達して車両走行するパラレルハイブリッドモードとを、選択的に切り替えることが可能である。これにより、電動車両600は、市街地走行や高速道路走行といった走行シーンに合わせて、シリーズハイブリッドモードとパラレルハイブリッドモードとを任意に切り替えて、車両運動性能と車両航続距離の両立を図ることができる。
インバータ100B1は、インバータ制御装置200B1の制御に応じて、高圧バッテリ622から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。インバータ100B1から出力された三相交流電力は、モータ300B1が有するステータのステータコイルに供給される。これによりモータ300B1のロータが回転し、三相交流電力(電流)に応じた回転駆動力を発生する。モータ300B2が有するロータは、エンジン610からの機械出力によって回転駆動される。これによりモータ300B2のステータコイルに三相交流電力が発生し、インバータ100B2に入力される。インバータ100B2は、インバータ制御装置200B2の制御に応じて、モータ300B2から入力された三相交流電力を直流電力に変換し、高圧バッテリ622に充電する。
電動車両600の走行時には、走行距離を延ばすために、モータ300B1,B2の損失低減が望まれている。本実施形態では、第1、第2の実施形態で説明したように、インバータ制御装置200B1,B2において、目標高調波電流(Idn*,Iqn*)をそれぞれ算出し、これに基づいてPWMパルス信号の位相αの調整を行うことにより、モータ300B1,B2の高調波損失を低減する。
例えば、モータ駆動システム1B1のインバータ制御装置200B1は、電動車両600のアクセルペダル操作量に応じたトルク指令を入力し、トルク指令に応じた三相交流電力(電流)になるように電流フィードバック制御して、インバータ100B1に対する電圧指令値を演算する。さらに、電圧指令値と搬送波を比較してパルス幅変調し、インバータ100B1を駆動するためのPWMパルス信号を生成する。このときインバータ制御装置200B1の目標高調波電流算出部240では、トルク指令と、回転位置θの時間変化であるモータ速度と、高圧バッテリ622の直流電圧DCVとを用いて、モータ300B1の駆動条件に応じた目標高調波電流(Idn*,Iqn*)を算出する。零相電圧指令算出部250または目標位相値算出部250Aでは、目標高調波電流算出部240で算出された目標高調波電流(Idn*,Iqn*)に基づき、PWMパルス信号の位相αに対する目標位相値を求めて、零相電圧指令Vn*または位相指令値α*を算出する。PWMパルス生成部230では、零相電圧指令算出部250または目標位相値算出部250Aからの零相電圧指令Vn*または位相指令値α*に基づいて、位相αが目標位相値となるようにPWMパルス信号を生成する。これにより、インバータ100B1がモータ300B1に出力する三相出力電圧Vu、Vv、Vwの総和である零相電圧Vnが非ゼロとなるようなPWMパルス信号を生成する。そして、このPWMパルス信号に基づいてドライブ信号生成部260が生成したドライブ信号DRにより、インバータ100B1が有する三相インバータ回路を駆動させることで、モータ300B1の高周波損失(ステータ損失およびロータ損失)を低減する。
なお、発電用のモータ駆動システム1B2においても、走行用のモータ駆動システム1B1と同様に、モータ300B2の高周波損失を低減することができる。
上記のように、電動車両600では、モータ駆動システム1B1,1B2においてPWMパルス信号の位相を調整することで、インバータ100B1,100B2からモータ300B1,300B2に出力される三相交流電力における高調波成分のうち、特定の次数成分を打ち消すようにすることができる。これにより、モータ300B1,300B2における高調波損失を低減することができ、その結果、例えば登坂路におけるモータ300B1,300B2の温度上昇による出力制限を緩和できる。
なお、本実施形態では、電動車両600がハイブリッド自動車である場合について説明したが、プラグインハイブリッド自動車や電気自動車などの場合においても適用可能であり、この場合にも同様な効果が得られる。
上述の各実施形態では、インバータ制御装置がインバータやモータと別構成である場合の例を説明したが、当該上述の機能を有していれば、インバータ制御装置とインバータが一体化したインバータ装置や、インバータ装置とモータが一体化したモータ駆動システムにも本発明を適用できる。また、上述の各実施形態では、非同期PWM制御状態における多パルス領域での適用例について説明したが、PWMパルス信号の生成に用いられる三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*の周期と搬送波の周期との比が整数となる同期PWM制御状態でも適用可能である。非同期PWM制御状態と同期PWM制御状態の両方において本発明を適用することで、モータの全回転速度範囲をカバーできる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1,1A,1B1,1B2…モータ駆動システム
2…バッテリ
100,100B1,100B2…インバータ
200,200A,200B1,200B2…インバータ制御装置
210…電流制御部
220…電流指令部
230,230A…PWMパルス生成部
240…目標高調波電流算出部
250…零相電圧指令算出部
250A…目標位相値算出部
260…ドライブ信号生成部
270…回転位置検出部
280…電流検出部
300,300B1,300B2…モータ
320…回転位置センサ
600…電動車両

Claims (7)

  1. 三相インバータ回路を駆動させることで直流電流を三相交流電流に変換してモータに出力するインバータを制御する装置であって、
    周期的に変化する搬送波を用いて三相電圧指令をパルス幅変調し、前記三相インバータ回路の駆動を制御するためのPWMパルス信号を生成するPWMパルス生成部と、
    前記モータの駆動条件に応じて、前記PWMパルス信号に応じて前記モータに流れる高調波電流により前記モータのステータおよびロータでそれぞれ発生するステータ損失およびロータ損失を低減するための目標高調波電流を算出する目標高調波電流算出部と、を備え、
    前記PWMパルス生成部は、前記目標高調波電流に基づいて、前記三相インバータ回路からの三相出力電圧の総和である零相電圧が非ゼロとなるような前記PWMパルス信号を生成する、インバータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のインバータ制御装置において、
    前記目標高調波電流に基づいて、前記搬送波の1/2周期ごとに前記零相電圧を変化させるための零相電圧指令を算出する零相電圧指令算出部を備え、
    前記PWMパルス生成部は、前記零相電圧指令に基づいて前記PWMパルス信号を生成する、インバータ制御装置。
  3. 請求項1に記載のインバータ制御装置において、
    前記目標高調波電流に基づいて、前記PWMパルス信号の位相に対する目標位相値を算出する目標位相値算出部を備え、
    前記PWMパルス生成部は、前記目標位相値に基づいて前記PWMパルス信号を生成する、インバータ制御装置。
  4. 請求項1に記載のインバータ制御装置において、
    前記PWMパルス生成部は、前記三相電圧指令の周期と前記搬送波の周期との比が非整数となる非同期PWM制御状態において、前記零相電圧が前記三相電圧指令に同期して変化するように、前記PWMパルス信号を生成する、インバータ制御装置。
  5. 請求項1に記載のインバータ制御装置において、
    前記目標高調波電流算出部は、算出した前記目標高調波電流を補正し、
    前記PWMパルス生成部は、補正後の前記目標高調波電流に基づいて前記PWMパルス信号を生成する、インバータ制御装置。
  6. 請求項1に記載のインバータ制御装置において、
    前記PWMパルス生成部は、前記モータの出力トルクが所定の第1の範囲内にあり、かつ、前記ステータ損失と前記ロータ損失を合わせた高調波損失の大きさが所定の第2の範囲内にあるときに、前記搬送波の周波数を通常時よりも高い周波数に切り替える、インバータ制御装置。
  7. ステータおよびロータを有するモータと、
    直流電流を供給するバッテリと、
    三相インバータ回路を有し、前記三相インバータ回路を駆動させることで前記直流電流を三相交流電流に変換して前記モータに出力するインバータと、
    前記インバータを制御するインバータ制御装置と、を備え、
    前記インバータ制御装置は、
    周期的に変化する搬送波を用いて三相電圧指令をパルス幅変調し、前記三相インバータ回路の駆動を制御するためのPWMパルス信号を生成するPWMパルス生成部と、
    前記モータの駆動条件に応じて、前記PWMパルス信号に応じて前記モータに流れる高調波電流により前記ステータおよび前記ロータでそれぞれ発生するステータ損失およびロータ損失を低減するための目標高調波電流を算出する目標高調波電流算出部と、を有し、
    前記PWMパルス生成部は、前記目標高調波電流に基づいて、前記三相インバータ回路からの三相出力電圧の総和である零相電圧が非ゼロとなるような前記PWMパルス信号を生成する、電動車両。
JP2022162797A 2022-10-07 2022-10-07 インバータ制御装置、電動車両 Pending JP2024055682A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022162797A JP2024055682A (ja) 2022-10-07 2022-10-07 インバータ制御装置、電動車両
PCT/JP2023/036291 WO2024075798A1 (ja) 2022-10-07 2023-10-04 インバータ制御装置、電動車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022162797A JP2024055682A (ja) 2022-10-07 2022-10-07 インバータ制御装置、電動車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024055682A true JP2024055682A (ja) 2024-04-18

Family

ID=90608176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022162797A Pending JP2024055682A (ja) 2022-10-07 2022-10-07 インバータ制御装置、電動車両

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024055682A (ja)
WO (1) WO2024075798A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6204121B2 (ja) * 2013-09-09 2017-09-27 株式会社日立製作所 モータ駆動システムおよび該システムを搭載する電気鉄道車両
EP3232561B1 (en) * 2014-12-08 2021-06-23 Hitachi Industrial Equipment Systems Co., Ltd. Power conversion device and method for controlling power conversion device
JP7247065B2 (ja) * 2019-09-20 2023-03-28 日立Astemo株式会社 インバータ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2024075798A1 (ja) 2024-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2194643B1 (en) Controller for electric motor
US8063596B2 (en) Apparatus for carrying out improved control of rotary machine
US8148937B2 (en) Alternating-current motor control apparatus
US8373380B2 (en) Device and method for controlling alternating-current motor
US9020731B2 (en) Control apparatus for electric motor, electrically-powered vehicle including the control apparatus, and method for controlling electric motor
US9590551B2 (en) Control apparatus for AC motor
WO2015004994A1 (ja) インバータ装置および電動車両
JP2007159368A (ja) モータ駆動システムの制御装置
CN110291709B (zh) 逆变器装置以及电动车辆
WO2021131658A1 (ja) インバータ制御装置、電動車両システム
CN108432120B (zh) 旋转电机的控制装置
WO2024075798A1 (ja) インバータ制御装置、電動車両
WO2022014083A1 (ja) モータ制御装置、機電一体ユニット、発電機システム、昇圧コンバータシステム、および電動車両システム
JP7372871B2 (ja) モータ制御装置、機電一体ユニット、電動車両システム、モータ制御方法
WO2023195172A1 (ja) モータ制御装置、モータ制御方法
WO2023053490A1 (ja) インバータ制御装置、ハイブリッドシステム、機電一体ユニット、電動車両システム、インバータ制御方法
JP7148463B2 (ja) 制御装置、電動車両
US11081994B1 (en) Semiconductor device and motor control system
JP2012205389A (ja) 電動機装置および電気自動車
JP7245739B2 (ja) 誘導電動機の駆動装置、駆動方法、および電気車