JP2024052499A - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】モルティ感に優れたビールテイスト飲料を提供すること。【解決手段】アルコール度数が6.0v/v%以上25.0v/v%以下であり、ジメチルスルフィドの含有量が12μg/L以上である、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
ビールテイスト飲料の香味改善を目的として、様々な技術手段が提案されている。例えば、特許文献1には、ジメチルスルフィドを含む飲料において、2-エチル-3-メチルピラジンの濃度を0.1ppb以上に調整する工程を含む、ジメチルスルフィド臭のマスキング方法が記載されている。
特開2014-117258号公報
特許文献1において、ジメチルスルフィドの臭気はマスキングの対象とされている。このようにジメチルスルフィドは、ビールテイスト飲料の香味に対して悪影響を及ぼす成分であると考えられてきた。
しかし、本発明者らの検討の結果、アルコール度数が特定の範囲内であるビールテイスト飲料に対してジメチルスルフィドを含有させると、モルティ感が向上することが明らかとなった。本発明は、この新規な知見に基づくものであり、モルティ感に優れたビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明は、アルコール度数が6.0v/v%以上25.0v/v%以下であり、ジメチルスルフィドの含有量が12μg/L以上である、ビールテイスト飲料に関する。
本発明の一実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が6.0v/v%以上25.0v/v%以下であり、かつ、ジメチルスルフィドの含有量が12μg/L以上であるため、モルティ感に優れる。
上記ビールテイスト飲料は、アルコール度数が、10.0v/v%以上19.0v/v%以下であってもよい。この場合、モルティ感がより優れ、梅酒的な感覚、雑味及びジメチルスルフィド臭が抑えられ、よりビールらしさに優れる。
上記ビールテイスト飲料は、ジメチルスルフィドの含有量が、20μg/L以上80μg/L以下であってもよい。この場合、モルティ感がより優れ、梅酒的な感覚、雑味及びジメチルスルフィド臭が抑えられ、よりビールらしさに優れる。
上記ビールテイスト飲料は、リン酸を含有し、リン酸の含有量が900mg/L以下であってもよい。この場合、渋味が抑えられ、梅酒的な感覚及び雑味が抑えられ、よりビールらしさに優れる。
上記ビールテイスト飲料は、麦芽使用比率が50.0w/w%以上66.6w/w%以下であってもよい。また、上記ビールテイスト飲料は、苦味価が25.0BU以上100BU以下であってもよい。さらに、上記ビールテイスト飲料は、蒸留アルコールを含有しなくてもよい。
本発明はまた、アルコール度数を6.0v/v%以上25.0v/v%以下に調整すること、及び、ジメチルスルフィドの含有量を12μg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料の製造方法に関する。
本発明は更に、アルコール度数を6.0v/v%以上25.0v/v%以下に調整すること、及び、ジメチルスルフィドの含有量を12μg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料のモルティ感を向上させる方法に関する。
本発明は、例えば、以下に示す発明を包含する。
[1]
アルコール度数が6.0v/v%以上25.0v/v%以下であり、ジメチルスルフィドの含有量が12μg/L以上である、ビールテイスト飲料。
[2]
アルコール度数が、10.0v/v%以上19.0v/v%以下である、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
ジメチルスルフィドの含有量が、20μg/L以上80μg/L以下である、[1]又は[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
リン酸を含有し、リン酸の含有量が900mg/L以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]
麦芽使用比率が50.0w/w%以上66.6w/w%以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]
苦味価が25.0BU以上100BU以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[7]
蒸留アルコールを含有しない、[1]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[8]
アルコール度数を6.0v/v%以上25.0v/v%以下に調整すること、及び、ジメチルスルフィドの含有量を12μg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
[9]
アルコール度数を6.0v/v%以上25.0v/v%以下に調整すること、及び、ジメチルスルフィドの含有量を12μg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料のモルティ感を向上させる方法。
本発明によれば、モルティ感に優れたビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
〔ビールテイスト飲料〕
一実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が6.0v/v%以上25.0v/v%以下であり、ジメチルスルフィドの含有量が12μg/L以上である。
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、6.0v/v%以上25.0v/v%以下である。モルティ感をより向上させるとともに、雑味及びジメチルスルフィド臭を抑え、ビールらしさを向上させる観点から、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、6.5v/v%以上、7.0v/v%以上、8.0v/v%以上、9.0v/v%以上、10.0v/v%以上、11.0v/v以上、12.0v/v%以上、13.0v/v%以上、又は14.0v/v%以上であってよい。また、モルティ感をより向上させるとともに、梅酒的な感覚及び雑味を抑え、ビールらしさを向上させる観点から、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、24.0v/v%以下、23.0v/v%以下、22.0v/v%以下、21.0v/v%以下、20.0v/v%以下、19.0v/v%以下、又は18.0v/v%以下であってよい。モルティ感をより向上させ、梅酒的な感覚、雑味及びジメチルスルフィド臭を抑え、ビールらしさを向上させる観点から、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、10.0v/v%以上19.0v/v%以下、又は11.0v/v%以上18.0v/v%以下であってよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法「3-4アルコール分」に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、ビールテイスト飲料を製造する際の任意の段階で、アルコール度数が上記範囲になるようにアルコール源を添加する方法、アルコール度数が高くなる、又は低くなるような原料の種類、配合量等を適宜選択する方法、アルコール生成能に優れた酵母種を選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。添加するアルコール源は、アルコールを含む溶液であってよく、例えば、原料用アルコール、スピリッツ及びウォッカ等の蒸留アルコール、並びに醸造により得られた発酵液等であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、蒸留アルコールを含有しないビールテイスト飲料であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のジメチルスルフィドの含有量は、12μg/L以上である。モルティ感をより向上させ、ビールらしさを向上させる観点から、本実施形態に係るビールテイスト飲料のジメチルスルフィドの含有量は、14μg/L以上、16μg/L以上、18μg/L以上、20μg/L以上、22μg/L以上、24μg/L以上、又は26μg/L以上であってよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のジメチルスルフィドの含有量は、150μg/L以下、又は100μg/L以下であってよく、梅酒的な感覚、雑味及びジメチルスルフィド臭を抑え、ビールらしさを向上させる観点から、80μg/L以下、70μg/L以下、65μg/L以下、60μg/L以下、50μg/L以下、45μg/L以下、40μg/L以下、又は38μg/L以下であってよい。モルティ感をより向上させ、梅酒的な感覚、雑味及びジメチルスルフィド臭を抑え、ビールらしさを向上させる観点から、本実施形態に係るビールテイスト飲料のジメチルスルフィドの含有量は、12μg/L以上80μg/L以下、20μg/L以上80μg/L以下、又は24μg/L以上65μg/L以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のジメチルスルフィドの含有量は、例えば、HS(ヘッドスペース)-GC-MS法により測定することができる。
ジメチルスルフィドの含有量は、例えば、ビールテイスト飲料を製造する際の任意の段階で、ジメチルスルフィドの含有量が上記範囲になるようにジメチルスルフィド源を添加する方法、ジメチルスルフィドの含有量が高くなる、又は低くなるような原料の種類、配合量等を適宜選択する方法、適切な仕込条件を設定する方法及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。ジメチルスルフィド源の例としては、ジメチルスルフィドそのもの、及びジメチルスルフィドを含有する組成物が挙げられる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、リン酸を含有していてもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料がリン酸を含む場合、リン酸の含有量は、0mg/L超、100mg/L以上、又は300mg/L以上であってよい。また、ビールテイスト飲料の渋味を抑え、梅酒的な感覚及び雑味を抑え、ビールらしさを向上させる観点から、リン酸の含有量は、900mg/L以下、800mg/L以下、750mg/L以下、又は700mg/L以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のリン酸の含有量は、例えば、分析カラムとしてDionex IonPacを用い、イオンクロマト分析でリン酸イオン(PO 2-)の濃度を測定することにより算出することができる。
リン酸の含有量は、例えば、ビールテイスト飲料を製造する際の任意の段階で、リン酸の含有量が上記範囲になるようにリン酸源を添加する方法、リン酸の含有量が高くなる、又は低くなるような原料の種類、配合量等を適宜選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。リン酸源の例としては、リン酸そのもの、及びリン酸を含有する組成物が挙げられる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦原料を含有していてもよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽使用比率(水及びホップ以外の原料に占める麦芽の割合)が、50.0w/w%以上100.0w/w%以下であってよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽使用比率が、53.0w/w%以上、55.0w/w%以上、58.0w/w%以上、60.0w/w%以上、70.0w/w%以上、80.0w/w%以上、又は90.0w/w%以上であってよく、100.0w/w%未満、90.0w/w%以下、80.0w/w%以下、70.0w/w%以下、66.6w/w%以下、又は60.0w/w%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦原料以外の植物原料を含有していてもよい。麦原料以外の植物原料の例としては、コーン、米類、コウリャン等の穀類;馬鈴薯、サツマイモ等のイモ類;大豆、エンドウ等の豆類が挙げられる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として糖類を含有していてもよい。糖類の例としては、液糖、及びグラニュー糖などの粉状の糖を挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料としてホップを含有していてもよい。ホップには、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で、飲料に通常配合される苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類等のその他原料を含んでいてもよい。苦味料としては、上記のホップの他、例えば、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。酸味料としては、例えば、乳酸、DL-リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウムを挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価は、5.0BU以上、10.0BU以上、13.0BU以上、20.0BU以上、25.0BU以上、又は30.0BU以上であってよく、100BU以下、90.0BU以下、80.0BU以下、70.0BU以下、60.0BU以下、50.0BU以下、40.0BU以下、又は35.0BU以下であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価は、5.0BU以上100BU以下、10.0BU以上100BU以下、又は25.0BU以上100BU以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の色度は、5.0°EBC以上、10°EBC以上、20°EBC以上、30°EBC以上、又は35°EBC以上であってよく、50°EBC以下、45°EBC以下、又は40°EBC以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の色度は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.8 色度 8.8.2 吸光度法」に記載されている方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵飲料(ビールテイスト発酵飲料)であってもよく、非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)であってもよい。発酵飲料は、酵母等による発酵を経て製造されるものである。非発酵飲料は、酵母等による発酵を行わずに製造されるものである。なお、非発酵飲料には、酵母等による発酵を行わず、アルコール(例えば、スピリッツ、原料用アルコール等の蒸留アルコール)を配合して製造されるビールテイスト飲料も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度であってもよく、0.25MPa(2.55kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、そのまま飲用されるものであってよく、希釈して飲用されるものであってもよい。一実施形態に係るビールテイスト飲料は、例えば、体積基準で、2倍以上、又は3倍以上、に希釈されて飲用されるものであってよく、10倍以下、又は8倍以下に希釈されて飲用されるものであってよい。
〔ビールテイスト飲料の製造方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、アルコール度数を6.0v/v%以上25.0v/v%以下に調整すること、及び、ジメチルスルフィドの含有量を12μg/L以上に調整することを含む。当該製造方法は、アルコール度数を6.0v/v%以上25.0v/v%以下に調整すること、及び、ジメチルスルフィドの含有量を12μg/L以上に調整することの他は、常法に従って実施することができる。当該製造方法は、リン酸の含有量を900mg/L以下に調整することを含んでいてもよい。
一実施形態に係る製造方法は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備えていてよい。
仕込工程では、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る。つまり、仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含んでいてよい。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料等の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
煮沸工程では、原料液にホップ又はホップ加工品を添加してよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキストラクトを用いることができる。ホップ加工品としては、例えば、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキストラクト等を用いることができる。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。
発酵工程では、発酵前液を酵母により発酵させて発酵後液を得る。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
本実施形態に係る製造方法では、発酵工程後の発酵後工程として、発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)、各種添加剤(例えば、苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類)の添加等を行ってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、アルコール度数は、例えば、原料の種類及び使用量等を調整することにより調整することができる。具体的には、例えば、高濃度麦汁を使用して発酵を行うことにより、アルコール度数を高めることができる。高濃度麦汁として、例えば、原麦汁エキスが20w/w%以上、25w/w%以上、又は30w/w%以上の麦汁を使用することができる。原麦汁エキスは、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「7.2 エキス」に記載されている方法によって測定することができる。
本実施形態に係る製造方法では、ジメチルスルフィドの含有量は、例えば、ジメチルスルフィド源を原料液に添加することにより調整することができる。本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。また、ジメチルスルフィドの含有量は、ジメチルスルフィドの含有量が高くなる、又は低くなるような原料を選択することや適切な仕込条件を設定することにより、調整することもできる。
本実施形態に係る製造方法では、リン酸の含有量は、例えば、リン酸源を原料液に添加することにより調整することができる。また、リン酸の含有量は、リン酸の含有量が高くなる、又は低くなるような原料を選択することにより、調整することもできる。
一実施形態に係る製造方法は、上記仕込工程及び発酵工程に加えて、又は、上記仕込工程及び発酵工程に代えて、配合工程を含んでいてよい。
配合工程では、例えば、水と、アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ及びウォッカ等の蒸留アルコール、醸造により得られた発酵液)と、必要に応じて、ジメチルスルフィド源、リン酸源、及び/又は各種添加剤(例えば、苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類等)と、を原料タンクに配合する。醸造により得られた発酵液として、例えば、上記発酵工程を経て得られた発酵後液を用いてよい。
本実施形態に係る製造方法では、アルコール度数、ジメチルスルフィドの含有量、及びリン酸の含有量は、例えば、アルコール源の配合量、ジメチルスルフィド源の配合量、及びリン酸源の配合量をそれぞれ調整することにより、調整することができる。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてもよい。
配合工程では、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第二の殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。
〔ビールテイスト飲料のモルティ感を向上させる方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、モルティ感に優れている。したがって、本発明は、アルコール度数を6.0v/v%以上25.0v/v%以下に調整すること、及び、ジメチルスルフィドの含有量を12μg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料のモルティ感を向上させる方法と捉えることもできる。当該方法における具体的な態様等として、上述した各態様を特に制限なく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
試験1:ビールテイスト飲料の製造及び評価
〔試験例1-1~1-9のビールテイスト飲料の製造〕
麦芽及び糖類を原料として用い、麦芽使用比率を50w/w%以上として、常法によりビールテイスト飲料を製造した。なお、発酵前の原麦汁エキス濃度は約30w/w%であった。当該ビールテイスト飲料に対して純水及びスピリッツを加えて混合し、試験例1-1に係るビールテイスト飲料を製造した。試験例1-1に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は17.0v/v%であった。試験例1-1のビールテイスト飲料に対して、ジメチルスルフィド(DMS)の含有量が表1に示すとおりとなるようにDMSを添加し、試験例1-2~1-9のビールテイスト飲料を製造した。
〔試験例1-10~1-13のビールテイスト飲料の製造〕
麦芽及び糖類を原料として用い、麦芽使用比率を50w/w%以上として、常法によりビールテイスト飲料を製造した。なお、発酵前の原麦汁エキス濃度は約30w/w%であった。得られたビールテイスト飲料に対して、DMSの含有量、アルコール度数が表2に示すとおりとなるようにDMS、純水及び/又はスピリッツを加えて混合し、試験例1-10~1-13のビールテイスト飲料を製造した。
〔官能評価〕
試験例1-1~1-13のビールテイスト飲料に対して、「モルティ感」、「梅酒的」、「雑味」、「DMS臭」、「ビールらしさ」、及び「ビールとしての総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。また、いずれの評価項目も、試験例1-1のビールテイスト飲料の評点を表1に記載のとおりに設定し、これを基準としてその他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表1及び表2に示す。
「モルティ感」は、麦芽のような香ばしい香りや味わいの感覚であり、評点が高いほどこれを強く感じることを示す。「梅酒的」は、梅酒の様な甘やかな香りがあり、かつ酸味、とろみを備えた感覚であり、評点が高いほどこれを強く感じることを示す。「雑味」は、不純な味わいで後味までザラザラした感覚が残る事であり、評点が高いほどこれを強く感じることを示す。「DMS臭」は、DMSに由来する香りでとうもろこしや青のりなどに似た香りであり、評点が高いほどこれを強く感じることを示す。「ビールらしさ」は、ビールに備わっていると想定される、甘味、苦味、酸味等のバランスが取れた状態であり、かつ飲みやすい状態であり、評点が高いほどこれを強く感じることを示す。「ビールとしての総合評価」は、ビールとしてのおいしさのことを指し、評点が高いほどこれが優れていることを示す。
Figure 2024052499000001
Figure 2024052499000002
表1及び表2に示すとおり、アルコール度数が6.0~25.0v/v%以上であり、DMSの含有量が12μg/L以上であるビールテイスト飲料(試験例1-2~1-13)は、「モルティ感」の評点が高く、モルティ感に優れていた。また、特に、アルコール度数が10.0v/v%以上19.0v/v%以下であり、DMSの含有量が20μg/L以上80μg/L以下であるビールテイスト飲料(試験例1-3~1-7及び1-11~1-12)は、「梅酒的」、「雑味」、及び「DMS臭」の評点が高くならず、梅酒的な感覚、雑味、及びDMS臭が比較的抑えられており、「ビールらしさ」の評点が高く、ビールらしさに優れていた。更には「ビールとしての総合評価」に優れていた。
試験2:ビールテイスト飲料の製造及び評価
〔ビールテイスト飲料の製造〕
麦芽及び糖類を原料として用い、麦芽使用比率を50w/w%以上として、常法により試験例2-1のビールテイスト飲料を製造した。なお、発酵前の原麦汁エキス濃度は約30w/w%であった。試験例2-1のビールテイスト飲料のアルコール度数及びDMSの含有量は表3に示すとおりであり、苦味価は31.8BUであり、色度は39.3°EBCであった。当該ビールテイスト飲料に対して、リン酸含有量が表に示す値となるようにリン酸を加えて混合し、試験例2-2~2-4のビールテイスト飲料を製造した。
〔官能評価〕
試験例1-1及び2-1~2-4のビールテイスト飲料に対して、評価項目として「渋味」を追加した以外は上記試験1と同様にして官能評価を実施した。いずれの評価項目も評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。また、いずれの評価項目も、上記試験1の試験例1-1のビールテイスト飲料の評点を表1に記載のとおりに設定し、これを基準としてその他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表3に示す。なお、「渋味」は、渋柿を食べた後のしびれたような、舌に吸着する感覚であり、評点が高いほどこれを強く感じることを示す。「渋味」は上記試験1の試験例1-1のビールテイスト飲料の評点を1.00点と設定し、これを基準としてその他のビールテイスト飲料を評価した。
Figure 2024052499000003
表3に示すとおり、アルコール度数が6.0~25.0v/v%以上であり、DMSの含有量が12μg/L以上であるビールテイスト飲料の中でも、リン酸の含有量が900mg/L以下であるビールテイスト飲料(試験例2-1~2-3)は、リン酸の含有量が900mg/L超であるビールテイスト飲料(試験例2-4)と比較して、より「渋味」の評点が低く、渋味が抑えられており、「雑味」の評点が低く、雑味が抑えられており、「ビールらしさ」の評点が高く、よりビールらしさに優れていた。

Claims (1)

  1. アルコール度数が6.0v/v%以上25.0v/v%以下であり、
    ジメチルスルフィドの含有量が12μg/L以上である、ビールテイスト飲料。

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