JP2024068513A - ビールテイスト飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、味の厚みが向上したビールテイスト飲料を提供することを目的とする。【解決手段】イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上である、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料及びその製造方法に関する。
ビールテイスト飲料の香味向上の技術手段はこれまでにも種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、味の厚みを有するビールテイスト飲料として、所定濃度でマルトール及び/又はフラネオールを含有するビールテイスト飲料が開示されている。また、例えば特許文献2には、味の厚みが優れるビールテイストノンアルコール飲料として、所定濃度の2,3-ペンタンジオン及び所定濃度のエタノールを含有するビールテイスト飲料が開示されている。
再表2009-078360号公報 特開2021-114984号公報
しかしながら、ビールテイスト飲料において、味の厚みを改善する技術手段は充分に検討されておらず、このような技術手段の開発が望まれていた。
本発明者らは、特定量のイソ酪酸2-メチルブチルを含有させたビールテイスト飲料は、味の厚みが向上することを見出した。本発明は、この新規な知見に基づくものであり、味の厚みが向上したビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明は、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上である、ビールテイスト飲料に関する。
本発明に係るビールテイスト飲料は、特定量のイソ酪酸2-メチルブチルを含有しているため、味の厚みが向上している。
上記ビールテイスト飲料は、フムレン含有量に対するミルセン含有量の比が5以下であってもよい。この場合、より味の厚みが向上したものとなる。
上記ビールテイスト飲料は、ミルセン含有量が0.5μg/L以上であってもよい。この場合、さらに味の厚みが向上したものとなる。
上記ビールテイスト飲料は、フムレン含有量が0.5μg/L以上であってもよい。この場合、さらに味の厚みが向上したものとなる。
本発明はまた、イソ酪酸2-メチルブチル含有量を5μg/L以上に調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法に関する。
本発明は、例えば、以下の発明を包含する。
[1]
イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上である、ビールテイスト飲料。
[2]
フムレン含有量に対するミルセン含有量の比が5以下である、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
ミルセン含有量が0.5μg/L以上である、[1]又は[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
フムレン含有量が0.5μg/L以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]
イソ酪酸2-メチルブチル含有量を5μg/L以上に調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
本発明によれば、味の厚みが向上したビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
〔ビールテイスト飲料〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上である。
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるビールテイストアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1v/v%未満であるビールテイストノンアルコール飲料であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
ビールテイストアルコール飲料としては、これに限られるものではないが、例えば、酒税法(令和二年法律第八号)上の「発泡性酒類」(ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類)に分類されるものが挙げられる。なお、上記したその他の発泡性酒類としては、「その他の醸造酒(発泡性)(1)」や「リキュール(発泡性)(2)」が挙げられる。また、ビールテイスト飲料としては、ビール様の香味を奏していればよく、酒税法で定義される発泡性酒類には属さない飲料及び清涼飲料水も挙げることができる。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、上記例示したものに限られない。
本実施形態に係るビールテイスト飲料がビールテイストアルコール飲料である場合、アルコール度数は、特に制限されず、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、3.5v/v%以上、4v/v%以上、4.5v/v%以上、5v/v%以上、5.5v/v%以上、6.0v/v%以上、又は6.5v/v%以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6.5v/v%以下、6v/v%以下、5.5v/v%以下、5v/v%以下、4.5v/v%以下、4v/v%以下、3.5v/v%以下、又は3v/v%以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料がビールテイストノンアルコール飲料である場合、アルコール度数は、特に制限されないが、1v/v%未満であればよく、0.9v/v%以下、0.8v/v%以下、0.7v/v%以下、0.6v/v%以下、0.5v/v%以下、0.4v/v%以下、0.3v/v%以下、0.2v/v%以下、0.1v/v%以下、又は0.005v/v%未満(0.00v/v%)であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、0.1v/v%以上、0.2v/v%以上、0.3v/v%以上、0.4v/v%以上、0.5v/v%以上であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.3.6 ビール、アルコール(アルコライザー法)」や「8.3.7 ヘッドスペースGC-FID法」、国税庁所定分析法「3-4アルコール分」に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、ビールテイスト飲料を製造する際の任意の段階で、アルコールを添加する、除去する又は低減させる方法、アルコール度数が高くなる、又は低くなるような原料の種類又は配合量、酵母種類、発酵条件(例えば、発酵温度、発酵時間)等を適宜選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。添加するアルコールに特に制限はなく、例えば、蒸留アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ)であってもよく、醸造により得られた発酵液であってもよい。アルコールを除去する又は低減させる方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析、希釈等の常法に従って実施することができる。
イソ酪酸2-メチルブチル(CAS番号:2445-69-4)は、2-メチルプロパン酸2-メチルブチルとも称される化合物である。本実施形態に係るビールテイスト飲料のイソ酪酸2-メチルブチル含有量は、5μg/L以上であればよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のイソ酪酸2-メチルブチル含有量は、味の厚み、後味の余韻、及び味の複雑さが向上する観点から、例えば、6μg/L以上、7μg/L以上、8μg/L以上、9μg/L以上、10μg/L以上、11μg/L以上、12μg/L以上、13μg/L以上、14μg/L以上、15μg/L以上、16μg/L以上、17μg/L以上、18μg/L以上、19μg/L以上、20μg/L以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のイソ酪酸2-メチルブチル含有量は、例えば、150μg/L以下、140μg/L以下、130μg/L以下、120μg/L以下、110μg/L以下、100μg/L以下、90μg/L以下、80μg/L以下、70μg/L以下、60μg/L以下、50μg/L以下、40μg/L以下、30μg/L以下、25μg/L以下、20μg/L以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のイソ酪酸2-メチルブチル含有量は、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)によって、測定することができる。
イソ酪酸2-メチルブチル含有量は、例えば、含有量が上記範囲内になるようにイソ酪酸2-メチルブチルを添加する方法、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、微生物又は酵素剤種類を適宜選択する方法、製造条件(例えば、原料としてホップを含有する場合、ホップ添加後の煮沸時間等)を適宜設定する方法、原料の添加方法の選択、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。イソ酪酸2-メチルブチルの添加は、例えば、イソ酪酸2-メチルブチルそのものを添加してもよく、イソ酪酸2-メチルブチルを含有する組成物等を添加してもよい。原料の添加方法は、例えば、原料としてホップを含有する場合、網状の袋にホップを入れた上でドライホッピング等を行うことであってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のフムレン含有量に対するミルセン含有量の比(以下、「ミルセン/フムレン比」ともいう。)は、特に制限されないが、味の厚みが向上する観点から、例えば、5以下、4.5以下、4以下、3.5以下、3以下、2.5以下、2以下であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のミルセン/フムレン比は、例えば、0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上、1.6以上、1.7以上、1.8以上、1.9以上、2以上であってもよい。
本明細書において、「ミルセン/フムレン比」は、下記式で算出される値である。
ミルセン/フムレン比=ミルセン含有量(μg/L)/フムレン含有量(μg/L)
ミルセンは、7-メチル-3-メチレンオクタ-1,6-ジエンとも称される化合物である。本実施形態に係るビールテイスト飲料のミルセン含有量は、特に制限されないが、味の厚みが向上する観点から、例えば、0.5μg/L以上、1μg/L以上、2μg/L以上、3μg/L以上、4μg/L以上、5μg/L以上、10μg/L以上、20μg/L以上、30μg/L以上、40μg/L以上、50μg/L以上、60μg/L以上、70μg/L以上、80μg/L以上、90μg/L以上、100μg/L以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のミルセン含有量は、200μg/L以下、150μg/L以下、100μg/L以下、90μg/L以下、80μg/L以下、70μg/L以下、60μg/L以下、50μg/L以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のミルセン含有量は、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)によって、測定することができる。
ミルセン含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲内になるようにミルセンを添加する方法、ミルセン含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、微生物又は酵素剤種類を適宜選択する方法、製造条件(例えば、原料としてホップを含有する場合、ホップ添加後の煮沸時間等)を適宜設定する方法、原料の添加方法の選択、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。ミルセンの添加は、例えば、ミルセンそのものを添加してもよく、ミルセンを含有する組成物等を添加してもよい。原料の添加方法は、例えば、原料としてホップを含有する場合、網状の袋にホップを入れた上でドライホッピング等を行うことであってもよい。
フムレンは、2,6,6,9-テトラメチル-1,4,8-シクロウンデカトリエンとも称される化合物である。本実施形態に係るビールテイスト飲料のフムレン含有量は、特に制限されないが、味の厚みがさらに向上するという観点から、例えば、0.5μg/L以上、1μg/L以上、2μg/L以上、3μg/L以上、4μg/L以上、5μg/L以上、6μg/L以上、7μg/L以上、8μg/L以上、9μg/L以上、10μg/L以上、15μg/L以上、20μg/L以上、30μg/L以上、40μg/L以上、50μg/L以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のフムレン含有量は、200μg/L以下、150μg/L以下、100μg/L以下、90μg/L以下、80μg/L以下、70μg/L以下、60μg/L以下、50μg/L以下、40μg/L以下、30μg/L以下、20μg/L以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のフムレン含有量は、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)によって、測定することができる。
フムレン含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲内になるようにフムレンを添加する方法、フムレン含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、微生物又は酵素剤種類を適宜選択する方法、製造条件(例えば、原料としてホップを含有する場合、ホップ添加後の煮沸時間等)を適宜設定する方法、原料の添加方法の選択、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。フムレンの添加は、例えば、フムレンそのものを添加してもよく、フムレンを含有する組成物等を添加してもよい。原料の添加方法は、例えば、原料としてホップを含有する場合、網状の袋にホップを入れた上でドライホッピング等を行うことであってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦原料を含有していてもよく、原料として麦原料を含有していなくてもよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率(水及びホップ以外の原料に占める麦芽の割合)が0質量%以上100質量%以下であってよい。麦芽比率は、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、66質量%以上、67質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、又は100質量%であってよい。また、麦芽比率は、100質量%未満、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として、麦以外の原料を含有していてもよく、麦以外の原料を含有していなくてもよい。麦以外の原料は、例えば、コーン、米類、コウリャン等の穀類;馬鈴薯、サツマイモ等のイモ類;大豆、エンドウ等の豆類、ハーブ、スパイス等の植物原料であってもよく、スターチ、グリッツ、液糖等の糖質原料(糖類)であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料としてホップを含有していてもよく、原料としてホップを含有していなくてもよい。ホップには、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で、飲料に通常配合される苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類等のその他原料を含んでいてもよい。苦味料としては、上記のホップの他、例えば、イソα酸、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。酸味料としては、例えば、リン酸、乳酸、DL-リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウムを挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、例えば、0.0以上100.0以下であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のBUは、例えば、100.0以下、90.0以下、80.0以下、70.0以下、60.0以下、50.0以下、40.0以下、30.0以下、又は20.0以下であってよく、0.0以上、1.0以上、2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上、10.0以上又は15.0以上であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。苦味価は、例えば、原料の種類及び使用量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵飲料(ビールテイスト発酵飲料)であってもよく、非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)であってもよい。発酵飲料は、酵母等による発酵を経て製造されるものである。非発酵飲料は、酵母等による発酵を行わずに製造されるものである。なお、非発酵飲料には、酵母等による発酵を行わず、アルコール(例えば、スピリッツ、原料用アルコール等の蒸留アルコール)を配合して製造されるビールテイスト飲料も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)であってもよく、0.25MPa(2.55kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
〔ビールテイスト飲料の製造方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、イソ酪酸2-メチルブチル含有量を5μg/L以上に調整する工程を含む方法により製造することができる。当該製造方法は、イソ酪酸2-メチルブチル含有量を5μg/L以上に調整する工程の他は常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、例えば、原料を混合してビールテイスト飲料を製造してもよく(調合による方法)、酵母等による発酵を経てビールテイスト飲料を製造してもよい(醸造による方法)。
一実施形態に係る製造方法(調合による方法)は、例えば、水、及びイソ酪酸2-メチルブチル、並びに必要に応じて、ミルセン、フムレン、アルコール及び/又はその他原料を原料タンクに配合する配合工程を含む。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、例えば、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一又は第二の殺菌工程は、非加熱の殺菌工程としてもよい。非加熱の殺菌工程としては、紫外線(UV)殺菌等が挙げられる。殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、充填工程の前でカーボネーションを行うとよい。
他の実施形態における製造方法(醸造による方法)は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
仕込工程では、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る。つまり、仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、原料及び仕込水からもろみを製造する糖化工程、もろみを濾過して糖含有液を得る濾過工程、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含んでいてよい。
糖化工程では、原料及び仕込水を仕込んだ後、50~76℃に温度を調節して、当該温度を保持するステップを含む。当該ステップでは、例えば、1~200分、50~76℃で温度を保持する。これにより、例えば、原料の糖化が進んだり、可溶性成分が溶出したりして、酵母の代謝に必要な成分を含むもろみが得られる。糖化工程で得られたもろみは、濾過工程で濾過されて糖含有液となる。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料等の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、後述のとおり煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。除去工程で、煮沸後液中に後述するホップを添加してもよい。
一実施形態に係る製造方法では、必要に応じて酵素剤を使用してもよい。酵素剤としては、例えば、多糖分解酵素(例えば、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、プルラナーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ(β-グルカナーゼを含む)、ヘミセルラーゼ)、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を用いることができる。酵素剤は、1種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
発酵工程は、発酵前液を酵母で発酵させる工程である。発酵工程により、発酵前液を酵母により発酵させた発酵後液が得られる。発酵工程では、酵母によりアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
発酵工程で使用する酵母は、通常のビール酵母であってもよく、アルコール生成能が高い又は低い酵母(例えば、マルトース資化性及び/又はマルトトリオース資化性が低い酵母)であってもよく、香気成分等の生成能が高い又は低い酵母であってもよい。
本実施形態に係る製造方法は、アルコール度数調整工程を更に含んでいてもよい。アルコール度数調整工程は、アルコール度数を調整する工程である。発酵工程において、発酵期間又は温度を適宜選択する、アルコール生成能が高い又は低い酵母を適宜選択する、酵素剤種類を適宜選択する等してアルコール度数を調整してもよく、通常のビール等のビールテイスト飲料と同様に発酵を行ってアルコールを生成させた後に、アルコールを添加する、除去する又は低減させることによって、アルコール度数を調整してもよい。添加するアルコールに特に制限はなく、例えば、蒸留アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ)であってもよく、醸造により得られた発酵液であってもよい。アルコールを除去又は低減させる方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析、希釈等の常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、ホップを添加してもよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスを用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。ホップの添加は、仕込工程、発酵工程、発酵工程後の発酵後工程のいずれにおいて行われてもよく、複数回行われてもよい。ホップの添加方法としては、例えば、ケトルホッピング、レイトホッピング、ドライホッピングを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ケトルホッピングとは、発酵前液の昇温中又は煮沸初期にホップを投入することをいい、レイトホッピングとは、煮沸の終了間際にホップを投入することをいう。また、ドライホッピングとは、発酵工程開始以降にホップを投入することをいう。ホップの添加は、ホップを直接添加してもよく、ホップを網状の袋に入れて添加してもよい。
本実施形態に係る製造方法では、発酵後工程として、発酵後液を熟成、冷却する工程、及び発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)等を行ってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、イソ酪酸2-メチルブチル含有量は、例えば、イソ酪酸2-メチルブチルを原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。また、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、微生物又は酵素剤種類を適宜選択する方法、製造条件(例えば、原料としてホップを含有する場合、ホップ添加後の煮沸時間等)を適宜設定する方法、原料の添加方法の選択によって、イソ酪酸2-メチルブチル含有量を上述した範囲内に調整してもよい。
原料液に添加するイソ酪酸2-メチルブチルは、イソ酪酸2-メチルブチルそのものであってもよく、イソ酪酸2-メチルブチルを含有する組成物等であってもよい。原料の添加方法は、例えば、原料としてホップを含有する場合、網状の袋にホップを入れた上でドライホッピング等を行うことであってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、ミルセン含有量は、例えば、ミルセンを原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。また、ミルセン含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、微生物又は酵素剤種類を適宜選択する方法、製造条件(例えば、原料としてホップを含有する場合、ホップ添加後の煮沸時間等)を適宜設定する方法、原料の添加方法の選択によって、ミルセン含有量を上述した範囲内に調整してもよい。原料液に添加するミルセンは、ミルセンそのものであってもよく、ミルセンを含有する組成物等であってもよい。原料の添加方法は、例えば、原料としてホップを含有する場合、網状の袋にホップを入れた上でドライホッピング等を行うことであってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、フムレン含有量は、例えば、フムレンを原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。また、フムレン含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、微生物又は酵素剤種類を適宜選択する方法、製造条件(例えば、原料としてホップを含有する場合、ホップ添加後の煮沸時間等)を適宜設定する方法、原料の添加方法の選択によって、フムレン含有量を上述した範囲内に調整してもよい。原料液に添加するフムレンは、フムレンそのものであってもよく、フムレンを含有する組成物等であってもよい。原料の添加方法は、例えば、原料としてホップを含有する場合、網状の袋にホップを入れた上でドライホッピング等を行うことであってもよい。
〔ビールテイスト飲料の味の厚みを向上させる方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、味の厚みが向上するという効果を奏する。したがって、本発明は、イソ酪酸2-メチルブチル含有量を5μg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料の味の厚みを向上させる方法とも捉えることができる。当該方法における具体的な態様等として、上述した各態様を特に制限なく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(試験例1:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
市販のビールテイスト飲料(麦芽使用率100%、アルコール度数5%、原麦汁エキス11.60°Plato)(参考例1-1)に、表1に示した含有量になるようにイソ酪酸2-メチルブチルを添加して、試験例1-1~1-3のビールテイスト飲料を製造した。
<官能評価>
参考例1-1及び試験例1-1~1-3のビールテイスト飲料に対して、「味の厚み」、「後味の余韻」、「味の複雑さ」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。なお、いずれの評価項目も参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。
「味の厚み」は、飲んだ時に口中全体で感じる味のボリュームであり、評点が高いほど当該好ましい味のボリュームを強く感じることを示す。「後味の余韻」は、飲み込んだ後に口中全体から喉の奥にかけてしばらく持続して感じる味わいであり、評点が高いほど当該好ましい味わいを長く感じることを示す。「味の複雑さ」は、飲んだ後に口中全体で感じる味覚の種類が多く複雑さを感じる感覚であり、評点が高いほど当該好ましい感覚を強く感じることを示す。「総合評価」は、ビールテイスト飲料としての香味バランスに基づき評価を行い、評点が高いほど、ビールテイスト飲料としての香味バランスが優れていることを示す。結果を表1に示す。
Figure 2024068513000001
表1に示すとおり、基準としたビールテイスト飲料(参考例1-1)と比較して、イソ酪酸2-メチルブチルを5μg/L以上含有するビールテイスト飲料(試験例1-1~1-3)は、味の厚みの評点が高く、味の厚みが向上した。また、参考例1-1のビールテイスト飲料と比較して、イソ酪酸2-メチルブチルを5μg/L以上含有するビールテイスト飲料(試験例1-1~1-3)は、後味の余韻、味の複雑さ、及び総合評価の評点も高く、後味の余韻、味の複雑さ、及び総合評価が向上した。
(試験例2:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
市販のビールテイスト飲料(麦芽使用率100%、アルコール度数5%、原麦汁エキス11.60°Plato)に、表2に示した含有量になるようにイソ酪酸2-メチルブチル及びミルセンを添加して、試験例2-1~2-4のビールテイスト飲料を製造した。
<官能評価>
試験例2-1~2-4のビールテイスト飲料に対して、「味の厚み」、「後味の余韻」、「味の複雑さ」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。なお、いずれの評価項目も参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2024068513000002
表2に示すとおり、イソ酪酸2-メチルブチルを5μg/L以上含有するビールテイスト飲料は、ミルセン含有量が0.5μg/L以上である場合、ミルセン含有量が0.5μg/L未満である場合と比較して、味の厚みの評点がより高く、味の厚みがより向上した(試験例2-2~2-4と試験例2-1との比較)。また、イソ酪酸2-メチルブチルを5μg/L以上含有するビールテイスト飲料は、ミルセン含有量が0.5μg/L以上である場合、ミルセン含有量が0.5μg/L未満である場合と比較して、後味の余韻及び味の複雑さの評点がより高く、後味の余韻及び味の複雑さがより向上した。
(試験例3:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
市販のビールテイスト飲料(麦芽使用率100%、アルコール度数5%、原麦汁エキス11.60°Plato)に、表3に示した含有量になるようにイソ酪酸2-メチルブチル、ミルセン、及びフムレンを添加して、試験例3-1~3-4のビールテイスト飲料を製造した。表中の「ミルセン/フムレン」は、フムレンの含有量に対するミルセンの含有量の比(ミルセン/フムレン比)を示す。
<官能評価>
試験例3-1~3-4のビールテイスト飲料に対して、「味の厚み」、「後味の余韻」、「味の複雑さ」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。なお、いずれの評価項目も参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2024068513000003
表3に示すとおり、フムレン含有量を変化させた場合、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上であり、かつ同量のミルセンを含有するビールテイスト飲料(試験例3-2~3-4)の中でも、ミルセン/フムレン比が5以下であるビールテイスト飲料(試験例3-2~3-3)は、味の厚みの評点がより高く、味の厚みがより向上した。また、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上であり、かつミルセン/フムレン比が5以下であるビールテイスト飲料(試験例3-2~3-3)は、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上であり、かつミルセン/フムレン比が5超であるビールテイスト飲料(試験例3-4)と比較しても、後味の余韻及び味の複雑さの評点もより高く、後味の余韻及び味の複雑さがより向上した。
(試験例4:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
市販のビールテイスト飲料(麦芽使用率100%、アルコール度数5%、原麦汁エキス11.60°Plato)に、表4に示した含有量になるようにイソ酪酸2-メチルブチル、ミルセン、及びフムレンを添加して、試験例4-1~4-5のビールテイスト飲料を製造した。表中の「ミルセン/フムレン」は、ミルセン/フムレン比を示す。
<官能評価>
試験例4-1~4-5のビールテイスト飲料に対して、「味の厚み」、「後味の余韻」、「味の複雑さ」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。なお、いずれの評価項目も参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2024068513000004
表4に示すとおり、ミルセン含有量を変化させた場合、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上であり、かつミルセン/フムレン比が5以下であるビールテイスト飲料(試験例4-1~4-4)は、味の厚みの評点が顕著に高かった。また、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上であり、ミルセン/フムレン比が5超であるビールテイスト飲料(試験例4-5)と比較しても、味の厚みの評点は維持されているか、又はより高く、味の厚みがより向上した。さらに、イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上であり、ミルセン/フムレン比が5超であるビールテイスト飲料(試験例4-5)と比較しても、総合評価の評点もより高く、総合評価がより向上した。
(試験例5:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
市販のビールテイスト飲料(麦芽使用率100%、アルコール度数5%、原麦汁エキス11.60°Plato)に、表5に示した含有量になるようにイソ酪酸2-メチルブチル、ミルセン、及びフムレンを添加して、試験例5-1~5-3のビールテイスト飲料を製造した。表中の「ミルセン/フムレン」は、ミルセン/フムレン比を示す。
<官能評価>
試験例5-1~5-3のビールテイスト飲料に対して、「味の厚み」、「後味の余韻」、「味の複雑さ」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。なお、いずれの評価項目も参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2024068513000005
表5に示すとおり、ミルセン/フムレン比が同等であるビールテイスト飲料であっても、ミルセン及びフムレン含有量が多いビールテイスト飲料は、味の厚みの評点が維持されるか、又はより高く、さらに味の厚みが向上した(試験例5-1~5-3参照)。また、ミルセン/フムレン比が同等であるビールテイスト飲料であっても、ミルセン及びフムレン含有量が多いビールテイスト飲料は、後味の余韻、味の複雑さ、及び総合評価の評点が高く、後味の余韻、味の複雑さ、及び総合評価がさらに向上した。

Claims (5)

  1. イソ酪酸2-メチルブチル含有量が5μg/L以上である、ビールテイスト飲料。
  2. フムレン含有量に対するミルセン含有量の比が5以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 前記ミルセン含有量が0.5μg/L以上である、請求項2に記載のビールテイスト飲料。
  4. 前記フムレン含有量が0.5μg/L以上である、請求項2に記載のビールテイスト飲料。
  5. イソ酪酸2-メチルブチル含有量を5μg/L以上に調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
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