JP2024051180A - 放射線撮像パネル、放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像パネルの製造方法、および、シンチレータプレート - Google Patents

放射線撮像パネル、放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像パネルの製造方法、および、シンチレータプレート Download PDF

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Abstract

【課題】放射線撮像パネルにおいてMTFの向上に有利な技術を提供する。【解決手段】主面にそれぞれ光電変換素子を含む複数の画素が配された基板と、前記主面の上に配された複数の柱状結晶を含むシンチレータと、前記シンチレータを覆うように配された樹脂層を含む保護層と、を含み、前記主面と前記樹脂層の上面との間の領域は、前記複数の柱状結晶のそれぞれ隣り合う柱状結晶の間の領域である第1領域と、前記複数の柱状結晶および前記第1領域と前記上面との間の領域であり、前記樹脂層が配される第2領域と、を含み、前記第1領域には、金属化合物の粒子が配され、前記第2領域には、前記第1領域よりも低い濃度で前記金属化合物の粒子が配されている、または、前記第2領域には、前記金属化合物の粒子が配されていない。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線撮像パネル、放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像パネルの製造方法、および、シンチレータプレートに関する。
医療画像診断や非破壊検査などで放射線撮影に用いられるフラットパネルディテクタ(FPD)として、被写体を通過した放射線をシンチレータで光に変換し、シンチレータが発した光を光電変換素子で検出する間接変換方式のFPDがある。放射線を光に変換するシンチレータには、放射線から変換された光を光電変換素子に効率よく伝達するために、ヨウ化セシウムなどのハロゲン化アルカリ金属化合物の柱状結晶が広く用いられている。ハロゲン化アルカリ金属化合物は、吸湿によって劣化してしまうため、シンチレータの上には防湿機能を有する保護層が配されうる。また、シンチレータで放射線から変換された光が光電変換素子で効率よく検出されるように、シンチレータの光電変換素子とは反対の側に、光反射機能を有する反射層が配されうる。特許文献1には、蛍光体層上に光反射性微粒子を含有した樹脂からなる光反射機能と防湿機能とを備える蛍光体保護層を、蛍光体の柱状結晶の柱間に埋め込む形状で形成した放射線検出装置が示されている。
特開2006-052980号公報
特特許文献1に示される光反射性微粒子の濃度分布には検討の余地がある。具体的には、シンチレータのそれぞれの柱状結晶の間では、MTF(Modulation Transfer Function)の向上のため、光が隣り合う柱状結晶に入射してしまわないように光反射性微粒子が配されている必要がある。一方、柱状結晶の上部に光反射性微粒子が存在する場合、シンチレータの柱状結晶から上方に出射した光が光反射性微粒子によって反射し柱状結晶に再入射することによって、DQE(Detective quantum efficiency)が向上しうる。しかしながら、柱状結晶から上方に出射した光が、光反射性微粒子によって拡散してしまいMTFの向上効果を得られない可能性がある。
本発明は、放射線撮像パネルにおいてMTFの向上に有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る放射線撮像パネルは、主面にそれぞれ光電変換素子を含む複数の画素が配された基板と、前記主面の上に配された複数の柱状結晶を含むシンチレータと、前記シンチレータを覆うように配された樹脂層を含む保護層と、を含む放射線撮像パネルであって、前記主面と前記樹脂層の上面との間の領域は、前記複数の柱状結晶のそれぞれ隣り合う柱状結晶の間の領域である第1領域と、前記複数の柱状結晶および前記第1領域と前記上面との間の領域であり、前記樹脂層が配される第2領域と、を含み、前記第1領域には、金属化合物の粒子が配され、前記第2領域には、前記第1領域よりも低い濃度で前記金属化合物の粒子が配されている、または、前記第2領域には、前記金属化合物の粒子が配されていないことを特徴とする。
上記手段によって、放射線撮像パネルにおいてMTFの向上に有利な技術を提供する。
本実施形態に係る放射線撮像パネルの構成例を示す断面図。 図1の放射線撮像パネルの構成を示す図。 図1の放射線撮像パネルの比較例の構成を示す図。 図1の放射線撮像パネルの構成を示す図。 図1の放射線撮像パネルの比較例の構成を示す図。 図1の放射線撮像パネルの特性を示す図。 図1の放射線撮像パネルを用いた放射線撮像装置および放射線撮像システムの構成例を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
また、本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども含みうる。
図1~7を参照して、本実施形態による放射線撮像パネルの構成および製造方法について説明する。図1は、本実施形態における放射線撮像パネル100の断面構造を示す図である。放射線撮像パネル100は、主面109にそれぞれ光電変換素子を含む複数の画素が配された画素領域110を含む基板101と、基板101の主面109の上に配された複数の柱状結晶102を含むシンチレータ107と、シンチレータ107を覆うように配された樹脂層103を含む保護層108と、を含む。基板101とシンチレータ107との間には、基板101の主面109上に形成されたトランジスタや配線層などによる段差を緩和するための平坦化層105が配されていてもよい。
画素領域110には、複数の画素が、2次元アレイ状に配されうる。例えば、550mm×445mmの基板101に対して、3300×2800の画素が配される。3300×2800画素のうち外周に配された10画素は、ダミー画素領域とし、ダミー画素の内側に配される3280×2780画素によって画素領域110のうち有効画素領域が構成されていてもよい。画素領域110に配される画素の数や、画素領域110のうち有効画素領域に配される画素の数は、基板101の大きさや撮像対象などに応じて適宜設定すればよい。
また、基板101に設けられた画素領域110には、それぞれの画素で生成される信号を取り出すための列信号線や、画素領域110に配される画素を含むそれぞれの素子を駆動するための行信号線などが配されうる。列信号線や行信号線は、それぞれ読出回路基板や駆動回路基板とフレキシブル配線基板などを介して電気的に接続されうる。列信号線および行信号線と、読出回路基板および駆動回路基板と、の接続を行うために、基板101には、接続端子部(不図示)が設けられていてもよい。接続端子部を介して、画素領域110のそれぞれの画素で生成された信号が、放射線撮像パネル100から出力されうる。
ここでは、読出回路および駆動回路が、放射線撮像パネル100の外部に配される例を示すが、読出回路および駆動回路が放射線撮像パネル100に配されていてもよい。この場合であっても、基板101には接続端子部(不図示)が配され、画素領域110のそれぞれの画素で生成された信号は、接続端子部(不図示)を介して放射線撮像パネル100から出力されうる。
本実施形態において、保護層108は、樹脂層103のシンチレータ107とは反対の側に配された基台106と、樹脂層103と基台106との間に配された金属層と、を備える。例えば、保護層108は、基台106の上にアルミニウムの金属層104を形成し、金属層104の上に樹脂層103を形成することによって作製されてもよい。
シンチレータ107は、シンチレータ107に入射した放射線を、基板101に設けられた光電変換素子が検出可能な光に変換する。例えば、シンチレータ107は、放射線を可視光に変換しうる。シンチレータ107には、柱状結晶が成長するヨウ化セシウム(CsI)などのハロゲン化アルカリ金属化合物が用いられうる。CsIをシンチレータ107として用いる場合、賦活剤としてヨウ化タリウム(TlI)が用いられうる。
シンチレータ107は、例えば、蒸着法を用いて形成することができる。平坦化層105が蒸着面となるように基板101を蒸着装置に載置し、Tl濃度がCsIに対し1mol%となるようにCsIとTlIをそれぞれセル容器に充填し、加熱することによって共蒸着を行う。これによって、複数の柱状結晶102を含むシンチレータ107が形成される。
シンチレータ107の上には、樹脂層103が形成される。ハロゲン化アルカリ金属化合物を含む複数の柱状結晶102によって構成されるシンチレータ107は、吸湿によって劣化してしまう。そこで、樹脂層103は、シンチレータ107の防湿層の機能を兼ねていてもよい。シンチレータ107を被覆する樹脂層103が、防湿層の機能を備えることによって、シンチレータ107が吸湿によって劣化してしまうことを抑制することが可能となる。
図2(a)は、図1の部分111を拡大した図である。樹脂層103には、ポリオレフィン樹脂を主成分とするホットメルト樹脂が用いられてもよい。ホットメルト樹脂とは、水や溶剤を含まず室温で固体であり、100%不揮発性の熱可塑性材料によって構成される接着性樹脂と定義されるものである(Thomas P. Flanagan,Adhesives Age,vol.9,No.3,pp.28(1966))。また、ホットメルト樹脂は、樹脂温度が上昇すると溶融し、樹脂温度が低下すると固化する性質を有しており、加熱溶融状態にて他の有機材料、および、無機材料に接着性を有し、反対に常温では固体状態となり接着性を有さない樹脂である。また、ホットメルト樹脂は極性溶媒、溶剤、及び水を含まないため、ハロゲン化アルカリの柱状結晶102を有するシンチレータ107に接触しても、シンチレータ107が溶解しないため、保護層の機能も併せもつことが可能である。
ホットメルト樹脂として、主成分であるベースポリマー(ベース材料)の種類によって分類され、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系などを用いることができる。シンチレータ107の保護層108として樹脂層103にホットメルト樹脂を用いる場合、防湿性が高く、また、シンチレータ107から発生する可視光線を透過する光透過性が高いことが重要である。
樹脂層103に用いる材料は、ホットメルト樹脂に限られることはない。樹脂層103には、例えば、分子間力による加圧性接着作用を有する樹脂、いわゆる粘着材と呼ばれる樹脂が用いられてもよい。この場合、樹脂層103として、ウレタン樹脂やアクリル樹脂が用いられてもよい。例えば、樹脂層103として、アクリル樹脂のうちポリメタクリル酸メチル樹脂が用いられてもよい。
図1、図2(a)に示される、基板101の主面109と樹脂層103の上面203との間の領域について、次のように領域を定義する。シンチレータ107の複数の柱状結晶102のそれぞれ隣り合う柱状結晶102の間の領域を第1領域211とする。複数の柱状結晶102および第1領域211と、樹脂層103の上面203と、の間の領域であり、樹脂層103が配される領域を第2領域212とする。ここで、第1領域211は、基板101の主面109と平行な面においてシンチレータ107の複数の柱状結晶102が占める割合が、75%以上、かつ、98%以下の領域とする。この第1領域211には、図2(a)に示されるように、金属化合物の粒子201が配されている。
図3に比較例の放射線撮像パネル300の断面図を示す。比較例の放射線撮像パネル300において、第1領域211に金属化合物の粒子が配されていないため、シンチレータ107の柱状結晶102で発光した光は、第1領域211において図面の横方向にも広がりうる。結果として、第1領域211において反射と屈折を繰り返すことによって、光の散乱と同時に発生する光の減衰と、が助長されてしまいMTFが低下しうる。
一方、本実施形態において、図2(a)に示されるように、第1領域211には、金属化合物の粒子201が配される。金属化合物の粒子201が配されることによって、柱状結晶102から出射した光は、再び出射した柱状結晶102に反射される可能性が高くなる。結果として、第1領域211における光の散乱を抑制し、MTFが向上しうる。
金属化合物の粒子201は、金属酸化物の粒子であってもよい。金属化合物の粒子201には、シンチレータ107よりも大きい屈折率の材料が用いられうる。例えば、ハロゲン化アルカリ金属化合物のシンチレータ107として、上述のCsI(屈折率(n):1.78~1.84(賦活剤の種類などによる))が用いられる場合、CsIよりも屈折率が大きな材料が用いられてもよい。例えば、金属化合物の粒子201は、鉛白(2PbCo・Pb(OH))(n:1.94~2.09)、酸化亜鉛(n:2.0)、酸化イットリウム(n:1.91)、酸化ジルコニウム(n:2.20)、酸化チタン(n:2.50~2.72)などが用いられうる。例えば、金属化合物の粒子201の屈折率が、1.94以上、かつ、2.72以下であってもよい。また、例えば、金属化合物としては、酸化チタンの中でも屈折率が高い、ルチル型二酸化チタンの粒子を用いてもよい。
さらに、金属化合物の粒子201は、樹脂層103を構成する樹脂よりも屈折率が高くてもよい。金属化合物の粒子201の屈折率と樹脂層103の屈折率との差が大きくなることによって、第1領域211において、金属化合物の粒子201の表面で光が反射しやすくなる。上述したホットメルト樹脂の屈折率は1.52程度、ウレタン樹脂の屈折率は1.49程度、アクリル樹脂の屈折率は1.49~1.53程度である。
また、金属化合物の粒子201の平均粒度が、200nm以上、かつ、500nm以下であってもよい。一般的に、光電変換素子の感度特性は500nm~800nmにあるが、光の波長の1/2以下の粒子であればレイリー散乱の効果が現れるため、光の入射方向側に反射する確率が高くなるためである。例えば、平均粒度が250nm、粒度分布が10%径D10=195nm、50%径(メジアン径)D50=245nm、90%径D90=275nmのルチル型二酸化チタン粒子が、金属酸化物の粒子201として用いられてもよい。
図2(a)に示される構成において、樹脂層103のうち一部が、第1領域211に配されている。また、第1領域211において、樹脂層103中に金属化合物の粒子201が配されている。しかしながら、図2(b)に示されるように、第1領域211に樹脂層103は配されていなくてもよい。第1領域211に樹脂層103が配されないことによって、第1領域211の空間(空気層)の屈折率が低くなる。これによって、第1領域211における空気層と柱状結晶102との間の屈折率差が大きくなり、柱状結晶102から光が出射し難くなる。また、第1領域211における空気層と金属化合物の粒子201の粒子との間の屈折率差が大きくなり、柱状結晶102から出射してしまった光が、金属化合物の粒子201によって、より効率的に反射されうる。これによって、MTFがさらに向上しうる。
図2(a)、2(b)に示す構成において、第2領域212には、金属化合物の粒子201が配されていない。しかしながら、図4に示されるように、第2領域212に、金属化合物の粒子201が配されていてもよい。この場合、樹脂層103のうち第2領域212に配された部分において、図4に示されるように、金属化合物の粒子201が、分散して配されていてもよい。
ここで、第2領域212に配される金属化合物の粒子201の樹脂層103に対する濃度について考察する。図4には、第2領域212に第1領域211よりも低い濃度で金属化合物の粒子201が添加される本実施形態の放射線撮像パネル100が示されている。図5には、第2領域212における金属化合物の粒子201の濃度が、第1領域211に配された金属化合物の粒子201の濃度以上である、比較例の放射線撮像パネル500が示されている。第2領域212において金属化合物の粒子201の濃度が高い場合、樹脂層103の膜厚方向(図5の縦方向)の散乱が多くなる。このため、柱状結晶102に戻ってくる光は多くなる。しかしながら、第2領域212に配された金属化合物の粒子201によって反射された光は、当該光を出射した柱状結晶102に反射されずに、他の柱状結晶102に入射してしまう可能性がある。つまり、光が拡散してしまい、MTFが低下してしまう要因となりうる。
図6には、第2領域212の金属化合物の粒子201の樹脂層103における濃度を変化させた作製された放射線撮像パネルの2lp/mmでのMTF値が示されている。樹脂層103を構成する樹脂に、90vol%を超える金属化合物の粒子201を混合することは難しいため、金属化合物の粒子201の樹脂層103における濃度の最大値は90vol%である。MTF値は、国際規格の線質RQA5に準じたX線を照射し測定を行った。また、図6には、第1領域211および第2領域212に同じ濃度で金属化合物の粒子201が配されている場合(比較例の放射線撮像パネル500)と、第2領域212には第1領域211よりも低い濃度で金属化合物の粒子201が配されている場合(本実施形態の放射線撮像パネル100)と、が示されている。
図6に示されるように、第2領域212に第1領域211よりも低い濃度で金属化合物の粒子201が添加されている本実施形態の放射線撮像パネル100の方が、第1領域211と第2領域212とで同じ濃度で金属化合物の粒子201が添加されている比較例の放射線撮像パネル500よりも、MTF値が向上していることがわかる。
さらに、図6から、第2領域212において、金属化合物の粒子201の樹脂層103における濃度を0vol%から増加させるとMTFが向上し、適当な濃度で最適値を示し、さらに増加させるとMTFは低下することがわかる。より具体的には、第2領域212において、金属化合物の粒子201の樹脂層103における濃度が、0.15vol%以上、かつ、7.5vol%未満であるときに、MTF値が向上していることがわかる。第2領域212において、金属化合物の粒子201の濃度が低くなると、濃度が高い場合よりも樹脂層103の第2領域212における金属化合物の粒子201による光の反射の可能性が低下し、散乱が抑制される。また、適当な量の金属化合物の粒子201が存在することによって、金属化合物の粒子201で反射した光が拡散する間に減衰し、柱状結晶102に戻ることがなくなる。これによって、本実施形態の放射線撮像パネル100は、MTFが向上しうる。
つまり、図4に示されるように、第2領域212に金属化合物の粒子201を配する場合、第2領域212には、第1領域211よりも低い濃度で前記金属化合物の粒子201が配されているとよい。これによって、放射線撮像パネル100において、MTFを向上させることができる。さらに、このとき、第2領域の212の金属化合物の粒子201の樹脂層103における濃度が、0.15vol%以上、かつ、7.5vol%未満であってもよい。これによって、放射線撮像パネル100において、MTFをさらに向上させることが可能となる。
このように、第1領域211には、金属化合物の粒子201が配され、第2領域212には、第1領域211よりも低い濃度で金属化合物の粒子201が配されている、または、第2領域212には、金属化合物の粒子201が配されていない場合、MTFが向上しうる。これによって、高い空間分解能を備える放射線撮像パネル100が実現できる。
次いで、第1領域211と第2領域212とで、金属化合物の粒子201の濃度が異なる放射線撮像パネル100の製造方法について説明する。まず、基板101として、例えば、550mm×445mm、厚さ500μmの無アルカリガラスを準備する。基板101には、ガラスに限らず樹脂基板やシリコンなどの半導体基板が用いられてもよい。ガラスの基板101に、シリコン(例えば、アモルファスシリコン。)などの半導体層や配線層を構成する金属(例えば、アルミニウム。)などを成膜する成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程などを繰り返し行うことによって、画素領域110が形成される。画素領域110には、シンチレータ107の発光に応じた電荷を生成する光変換素子と、生成された電荷に応じた信号を出力するスイッチング素子と、をそれぞれ含む複数の画素が配される。また、画素領域110には、画素を駆動し、得られた信号を外部回路に送り出すための接続端子部(不図示)などが形成されうる。
画素領域110を形成した後、画素領域110に形成された画素の動作をチェックするためのアレイ検査が実施されてもよい。アレイ検査で動作が良好であり、欠損した画素が無い、または、僅かなことを確認した後、接続端子部(不図示)を保護する目的で基板101の周辺部をマスキングフィルムによりマスキングし、平坦化層105が形成されうる。平坦化層105は、例えば、基板101をスプレイスピンコーターに設置し、ポリイミド溶液をスプレーしつつ、約100rpmの回転でスピンさせ、その後、220℃の温度で乾燥、乾燥アニーリングさせることによって形成されうる。例えば、平坦化層105は、約2μmの厚さを有していてもよい。
画素領域110が形成された基板101を準備した後、次いで、シンチレータ107を形成する。まず、平坦化層105が形成された基板101のうちシンチレータ107を形成しない領域に蒸着マスクをセットした後、平坦化層105が蒸着面となるように基板101を蒸着装置に載置する。その後、Tl濃度がCsIに対し1mol%となるようにCsIとTlIをそれぞれセル容器に充填し、加熱することによって共蒸着を行う。シンチレータ107は、例えば、380μmの厚さを有し、75%の膜充填率であってもよい。このとき、シンチレータ107の外縁は、画素領域110の外縁よりも外側に配されうる。また、シンチレータ107の蒸着を行う際に、蒸着装置を10-3Pa台まで排気したのち、基板表面が175℃になるようにランプヒーターで加熱を行ってもよい。
シンチレータ107が形成された後に、シンチレータ107の柱状結晶102の間に金属化合物の粒子201が入り込むように、シンチレータ107の上から金属化合物の粒子201を散布する。次いで、樹脂層103を構成するホットメルト樹脂のシートをシンチレータ107上に載置し、真空熱転写装置などを用いて貼り合わせることによって、図2(b)に示される放射線撮像パネル100が作製できる。例えば、まず、30℃でシンチレータ107とホットメルト樹脂のシートとを接触させ、次いで、10-1Paまで減圧し気泡を取り除く。さらに、基板101と樹脂層103を構成するホットメルト樹脂のシートとの間に圧力を印加するとともに70~100℃に加温し、適当な時間保持することによって、シンチレータ107が形成された基板101と保護層108を構成する樹脂層103とが貼り合わされる。
また、例えば、シンチレータ107が形成された後に、シンチレータ107を覆うように、金属化合物の粒子201が添加された樹脂を塗布することによって、樹脂層103のうち第1領域211に配される部分を形成してもよい。次いで、ホットメルト樹脂のシートや上述の分子間力による加圧性接着作用を有する粘着剤と呼ばれるウレタン樹脂やアクリル樹脂を含むシートを、塗布法を用いて形成した樹脂の上に貼り合わせる。これによって、樹脂層103のうち第2領域212に配される部分を形成する。このとき、塗布法を用いて形成した樹脂の上に貼り合わされる樹脂には、塗布法を用いて形成した樹脂よりも低い濃度で金属化合物の粒子201が添加されていてもよい。これによって、図4に示される放射線撮像パネル100が作製できる。また、塗布法を用いて形成した樹脂の上に貼り合わされる樹脂には、金属化合物の粒子201が添加されていなくてもよい。これによって、図2(a)に示される放射線撮像パネル100が作製できる。
樹脂層103のうち第1領域211の部分は、塗布法を用いて形成されることに限られることはない。樹脂層103のうち第1領域211で柱状結晶102に接する部分は、金属化合物の粒子201が添加された樹脂を、真空熱転写装置などを用いて貼り合わせることによって形成してもよい。
樹脂層103を形成した後、樹脂層103の上にアルミニウムなどの金属層104や基台106を形成してもよい。また、上述のホットメルト樹脂のシートや粘着剤と呼ばれるウレタン樹脂やアクリル樹脂を含むシートは、基台106の上にアルミニウムなどの金属層104を形成し、金属層104の上に樹脂を形成することによって作製してもよい。基台106にはPET基板などが用いられうる。例えば、厚さ30μmのPETの基台106上に厚さ12μmのアルミニウムの金属層104を形成し、金属層104の上に樹脂層103、または、樹脂層103の一部を形成してもよい。基台106上に形成された樹脂層103をシンチレータ107上に貼り合わせることによって、図1に示される保護層108を備える放射線撮像パネル100を作製することができる。
また、本実施形態において、複数の画素が配された画素領域110を備える基板101を使用する場合を説明したが、これに限られることはない。例えば、基板101が、画素領域110を備えていなくてもよい。この場合、符号100は、シンチレータプレートと呼ばれうる。例えば、複数の画素が配された画素領域を備えるセンサ基板の上に、このシンチレータプレートを搭載することによって、放射線撮像パネルとして機能しうる。このため、基板101が画素領域110を備えていない場合、基板101は、シンチレータ107が発する光を透過する透明基板であってもよい。
以下、上述の放射線撮像パネル100が組み込まれた放射線撮像装置、および、放射線撮像パネル100が組み込まれた放射線撮像装置を用いた放射線撮像システム800について図7を用いて説明する。
放射線撮像システム800は、放射線で形成される光学像を電気的に撮像し、電気的な放射線画像(すなわち、放射線画像データ)を得るように構成される。放射線撮像システム800は、例えば、放射線撮像装置801、曝射制御部802、放射線源803、コンピュータ804を含む。
放射線撮像装置801に放射線を照射するための放射線源803は、曝射制御部802からの曝射指令に従って放射線の照射を開始する。放射線源803から放射された放射線は、不図示の被険体を通って放射線撮像装置801に照射される。放射線源803は、曝射制御部802からの停止指令に従って放射線の放射を停止する。
放射線撮像装置801は、上述の放射線撮像パネル100と、放射線撮像パネル100を制御するための制御部805と、放射線撮像パネル100から出力される信号を処理するための信号処理部806と、を含む。信号処理部806は、例えば、放射線撮像パネル100から出力される信号のA/D変換し、コンピュータ804に放射線画像データとして出力してもよい。また、信号処理部806は、例えば、放射線撮像パネル100から出力される信号に基づいて、放射線源803からの放射線の照射を停止させるための停止信号を生成してもよい。停止信号は、コンピュータ804を介して曝射制御部802に供給され、曝射制御部802は、停止信号に応答して放射線源803に対して停止指令を送る。
制御部805は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、または、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、または、これらの全部または1部の組み合わせによって構成されうる。
また、本実施形態において、信号処理部806は、制御部805の中に配される、または制御部805の一部の機能であるように示されているが、これに限られるものではない。制御部805と信号処理部806とは、それぞれ別の構成であってもよい。さらに、信号処理部806は、放射線撮像装置801とは別に配されていてもよい。例えば、コンピュータ804が、信号処理部806の機能を有していてもよい。このため、信号処理部806は、放射線撮像装置801から出力される信号を処理する信号処理装置として、放射線撮像システム800に含まれうる。
コンピュータ804は、放射線撮像装置801および曝射制御部802の制御や、放射線撮像装置801から放射線画像データを受信し、放射線画像として表示するための処理を行いうる。また、コンピュータ804は、ユーザが放射線画像の撮像を行う条件を入力するための入力部として機能しうる。
一例として、曝射制御部802は、曝射スイッチを有し、ユーザによって曝射スイッチがオンされると、曝射指令を放射線源803に送るほか、放射線の放射の開始を示す開始通知をコンピュータ804に送る。開始通知を受けたコンピュータ804は、開始通知に応答して、放射線の照射の開始を放射線撮像装置801の制御部805に通知する。これに応じて、制御部805は、放射線撮像パネル100において、入射する放射線に応じた信号を生成させる。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:放射線撮像パネル、101:基板、102:柱状結晶、103:樹脂層、107:シンチレータ、108:保護層、109:主面、201:金属化合物の粒子、203:上面、211:第1領域、212:第2領域
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る放射線撮像パネルは、光電変換素子を含む画素が主面の側に複数配された基板と、複数の柱状結晶を含むシンチレータと前記シンチレータを覆う樹脂材と金属層とを含む複合層であって前記主面の上に設けられた複合層と、を含む放射線撮像パネルであって、前記複合層は、前記複数の柱状結晶のそれぞれ隣り合う柱状結晶の間の領域である第1領域と、前記金属層と前記柱状結晶との間の領域である第2領域と、を含み、前記第1領域には、金属化合物の粒子が配され、前記第2領域には、前記第1領域よりも低い濃度で前記金属化合物の粒子が配されている、または、前記第2領域には、前記金属化合物の粒子が配されていないことを特徴とする。

Claims (1)

  1. 主面にそれぞれ光電変換素子を含む複数の画素が配された基板と、前記主面の上に配された複数の柱状結晶を含むシンチレータと、前記シンチレータを覆うように配された樹脂層を含む保護層と、を含む放射線撮像パネルであって、
    前記主面と前記樹脂層の上面との間の領域は、前記複数の柱状結晶のそれぞれ隣り合う柱状結晶の間の領域である第1領域と、前記複数の柱状結晶および前記第1領域と前記上面との間の領域であり、前記樹脂層が配される第2領域と、を含み、
    前記第1領域には、金属化合物の粒子が配され、
    前記第2領域には、前記第1領域よりも低い濃度で前記金属化合物の粒子が配されている、または、前記第2領域には、前記金属化合物の粒子が配されていないことを特徴とする放射線撮像パネル。
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