JP2024050575A - L-4-クロロキヌレニンの治療的使用 - Google Patents

L-4-クロロキヌレニンの治療的使用 Download PDF

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Abstract

【課題】単位用量の形態のL-4-クロロキヌレニン(L-4-Cl-KYN)の組成物、並びに神経学的及び他の状態の治療のためのこれらの組成物の使用方法の提供。【解決手段】L-4-クロロキヌレニンの有効量を投与することによる、耳鳴を治療する方法、および強迫性障害を治療する方法であって、L-4-クロロキヌレニンの前記有効量が、1日約50mg~約1,800mgの範囲で投与される、前記方法とする。【選択図】なし

Description

本出願は、2015年5月22日出願の「L-4-クロロキヌレニンの治療的使用」と題された米国仮特許出願第62/179,924号に関し、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
連邦政府による資金提供を受けた研究についての記載
本出願において示されるデータは、少なくとも部分的に米国国立衛生研究所(U.S.National Institutes of Health)による助成金交付番号2R44DA0 185 15-02の援助により得られた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
本発明は、単位用量の形態のL-4-クロロキヌレニン(L-4-Cl-KYN)の組成物、並びに神経学的及び他の状態の治療のためのこれらの組成物の使用に関する。
グルタミン酸は、哺乳動物の中枢神経系における主な興奮性神経伝達物質であり、いくつかの異なる経路の調節に関与している。過剰な内因性グルタミン酸と、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、パーキンソン病及びアルツハイマー病などの急性及び慢性の様々な神経学的障害との関連性が報告されている。
N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体(NMDA-R)による過活動性のグルタミン酸作動性伝達は、例えば、神経障害性疼痛など、いくつかの神経学的状態で最重要な役割を果たすことが知られている。しかしながら、直接作用型の(例えば、チャンネル遮断による)NMDA-Rアンタゴニストは、精神病などのいくつかの副作用を引き起こし、この副作用によって、これらの治療上の有用性が制限されている。NMDA-Rの拮抗作用はまた、グリシンB(GlyB)共アゴニスト部位として公知のNMDA-R上の修飾部位を遮断することによって達成される可能性もある[Parsonsら1997年]。古典的なNMDA-Rアンタゴニストと比較した場合、GlyBアンタゴニストは、安全性プロファイルがより良好であり、「古典的」NMDA-Rアンタゴニストに関連する有害な副作用を引き起こさない[Carterら1992年、Leesonら1994年、Rundfeldtら1994年]。
GlyBアンタゴニストはまた、ex vivo及び動物神経障害性疼痛モデルにおいて痛覚過敏及び異痛症を軽減し、古典的NMDA-Rアンタゴニストよりも副作用が少なく、潜在的な鎮痛薬としてより安全な代替物となることも知られている。例えば、Catarziら2006年を参照されたい。
現在知られている最も強力且つ特異的なGlyBアンタゴニストの1つは、7-クロロキヌレン酸(7-Cl-KYNA)であり、これは、内因性神経修飾物質であるキヌレン酸の塩素化された合成の類似体である。7-クロロキヌレン酸は、興奮毒性及び虚血性のニューロン損傷を予防することが示されているが、血液-脳関門を通らない。したがって、その臨床上の使用が限られる[Kempら1988年、Raoら1993年]。
それに対して、7-クロロキヌレン酸のプロドラッグであるL-4-クロロキヌレニンは、経口又は非経口投与後、中枢神経系(CNS)に容易に侵入する。[Hokariら1996年、Leeら2001年、Wuら2002年、Wuら2000年]。L-4-クロロキヌレニンは、活性化された星状細胞内で7-クロロキヌレン酸に効率的に変換され[Leeら2001年]、7-クロロキヌレン酸の脳レベルは、星状細胞が活性化された結果、ニューロンの傷害又は興奮毒性による損傷部位で増大する[Leeら2001年]。
前臨床試験において、L-4-クロロキヌレニンは、ラットにおいて抗けいれん活性を示した[Wuら2002年]。この化合物はまた、ラットの脳内のドーパミン作動性ニューロンの発火頻度及びバースト発火活性を高めることも判明した[Linderholmら2007年]。
L-4-クロロキヌレニンを含めた4,6-二置換キヌレニン誘導体及び一置換誘導体のクラスを合成するための方法、並びにNMDA受容体に対するアンタゴニストとしてのそれらの使用は、米国特許第5,547,991号に記載された。これらの化合物を含有する医薬組成物、及びそれらの治療的使用もまた記載された。
本発明及びその様々な実施形態は、本特許出願の一部を形成する特許請求の範囲に記載される。
上述したことを限定せずに、好ましい態様において、本発明は、担体及び添加剤などの薬学的に許容される成分と共に、単位用量当たり約360、1,080若しくは1,440mgの量のL-4-クロロキヌレニンから本質的に成る医薬組成物に関する。本発明の別の態様は、神経機能障害によって引き起こされる、本明細書に記載されている状態、障害及び疾患、好ましくは所定の状態、障害及び疾患を治療するためのこれらの化合物の治療有効量の投与を含む。
本発明の別の態様は、約1~約14日又は約1~約30日、より好ましくは約7~約24日、最も好ましくは約12~約16日の1日投与量の投与など、本発明の組成物についての投薬プロトコールに関する。
本発明の別の好ましい態様は、組成物並びに治療有効量のL-4-クロロキヌレニンを投与することによる、うつ病の治療、及び痛覚過敏など様々なタイプの疼痛の治療のための方法に関する。本発明の他の態様には、不安、絶望、自傷行為若しくは自殺の思考、並びに/又は、前向きな思考若しくは計画の欠如、大うつ病性障害(MDD)、気分変調性障害(若しくは気分変調症)、持続性うつ病性障害、異型うつ病、双極性うつ病若しくは躁うつ病、季節性情動障害(SAD)、精神病性うつ病及び産後うつ病、精神病性うつ病、月経前症候群、月経前不安気分障害、不安、気分障害、癌若しくは慢性疼痛などの慢性的な健康状態によるうつ病、化学療法、慢性ストレス、心的外傷後ストレス障害、自殺の危険の治療が含まれる。かかる療法には場合により、別の抗うつ剤又は認知療法及び精神療法を含めた気分高揚療法と共に、L-4-クロロキヌレニンの共投与が含まれる。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載される7-クロロキヌレン酸の血漿中レベルがもたらされる量でL-4-クロロキヌレニンを投与するための、医薬組成物及び関連の治療方法に関する。本発明の好ましい態様は、約15ng/mL~550ng/mLの範囲内の7-クロロキヌレン酸の血漿中レベルがもたらされるのに十分な用量のL-4-クロロキヌレニンの投与に関する。
本発明の別の態様は、L-DOPAと本出願に記載されるL-4-クロロキヌレニンの医薬組成物とを含む配合物を含む、組合せ医薬品及び関連方法に関し、さらに、L-DOPA関連ジスキネジアを軽減するために、本出願に記載される投与量でそれらを同時又は逐次的に共投与することに関する。
本発明のさらなる態様は、医薬組成物中の有効量のL-4-クロロキヌレニンを投与することによる、耳鳴及び強迫性障害の治療に関する。好ましい投与は、担体及び添加剤などの薬学的に許容される成分と共に、1~約30日、1日約50mg~約1,800mgの範囲での、より好ましくは約360、1,080又は1,440mgの1日の量での、連日投与である。他の投与プロトコールは本明細書に記載されている。耳鳴及び強迫性障害を含む群から選択される状態の治療のためのこの組成物の使用を表示するラベルと共に包装されたL-4-クロロキヌレニンを含む医薬組成物が考えられる。
以下の図は、後述され、本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本開示による模範的な実施形態を例示し、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきではなく、本発明について他の等しく有効な実施形態も許容され得る。これらの図は、必ずしも原寸に比例しておらず、これらの図面の所定の機構や所定の表示は、明瞭且つ簡潔にする目的で所定の縮尺又は図式で誇張して示される場合もある。
L-4-クロロキヌレニンの1日1回量を経口投与した後の1日目及び14日目のL-4-クロロキヌレニンの平均(n=12又は13)血漿濃度を示す図である。
L-4-クロロキヌレニンの1日1回量を経口投与した後の1日目及び14日目の7-クロロキヌレン酸の平均(n=12又は13)血漿濃度を示す図である。
以下、詳細な例示的な実施形態を参照しながら本発明を説明する。本発明は、広範囲の形態で具現することができ、その中のいくつかは開示された実施形態のものとかなり異なる場合があることが理解されよう。結果として、以下に開示した特定の構造上及び機能上の詳細な記述は代表的なものに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
国立衛生研究所からの助成金により援助された研究において、L-4-クロロキヌレニン(VistaGen AV-101としても公知)は、副作用の証拠がない、末梢組織炎症及び神経損傷の3種の動物モデルにおいて強力な痛覚過敏抑制(antihyperalgesic)作用を有することが示された。該して、L-4-クロロキヌレニンは、動物モデルにおいて忍容性がよく、さらに動物モデルにおいて痛覚過敏抑制効果をもたらす用量では安全性も毒性も生じなかった。
本発明は、L-4-クロロキヌレニンの所定用量が、実質的な副作用又は任意の有意な有害作用もなく、ヒトにおいて実際に安全性及び忍容性があるという本発明者らの臨床所見に基づいている。さらに、かかる投与量で、対象によって、神経障害性疼痛、詳細には、痛覚過敏疼痛の除去が報告されたことが驚くべきことに判明した。また驚くべきことに、臨床試験における対象のかなりの数が、抗うつ活性の指標である、L-4-クロロキヌレニンの投与による「満足(well-being)」という肯定的な感情を報告したが、これはプラセボ対照によっては報告されなかったことも判明した。
本発明は、(a)化学療法及び抗ウイルス薬に起因するなどの傷害及び薬物毒性;(b)疾患及び神経変性障害、例えば、糖尿病、癌、ウイルス感染症、多発性硬化症、脊椎炎、多発神経炎、手術、切断、てんかん、けいれん、パーキンソン病、ハンチントン病、及びアルツハイマー病、並びにN-メチル-D-アスパラギン酸受容体を介する過活動性のグルタミン酸作動性伝達が関与する疾患及び状態など;並びに(c)うつ病及び他の精神障害と関連した神経伝達物質、受容体及びシグナル伝達経路の不均衡によって引き起こされるものなど、様々なタイプの神経学的障害、(中枢及び末梢両方の)ニューロパチー及び機能障害を治療するための組成物及び治療方法に関する。特に、これらに限定されないが、神経原性疼痛、自発痛、異痛症痛覚過敏疼痛、機械的痛覚過敏疼痛及び温熱性痛覚過敏疼痛(heat hyperalgesia pain)などの疼痛の治療が考えられる。さらに本発明の一態様として、うつ病の治療も明確に考えられる。
定義
薬学的に活性な薬剤のある特定の量から「本質的に成る」とは、その薬剤の追加の量がないことを意味する。例えば、添加剤及び/又は滑沢剤などの他の成分、又は組み合わせた異なる薬学的に活性な成分の存在は、除外されない。例えば、L-DOPAと4-クロロキヌレニンとの組合せが特に考えられ、同様に、これらを投与するための、4-クロロキヌレニンと、同時又は逐次的のいずれかで、ただしそれらが単一の組合せ医薬品として投与された場合と実質的に同じ治療効果が生じるような時間枠で投与される別の有効成分とを含む他の組成物及び方法も考えられる。
「薬剤単位用量」、「単位用量」又は「単位用量の形態」とは、対象に投与することが可能であり、物理的に及び化学的に安定した単位用量の状態のまま容易に取り扱い包装することができるL-4-クロロキヌレニンの単回用量を意味する。
「治療上有効な」とは、投与され、7-クロロキヌレン酸に変換された所定量のL-4-クロロキヌレニンが、神経障害性疼痛の減少、又は満足であるという気持ちの増進若しくは憂うつな気分や気持ちの減退などの神経機能の臨床上の改善をもたらすのに十分な程度にNMDA-R媒介シグナル伝達又は神経伝達物質における不均衡をダウンレギュレートするように作用することを意味する。
「有意な有害作用がない」とは、L-4-クロロキヌレニンが投与されるほぼすべての患者が、米国食品医薬品局(FDA)によって規定されたような「軽度の」有害事象を決して超えないということを意味する。FDAによれば、「軽度の有害事象」は、対象が受け入れやすく、生じる不快感が最小限であり、日常の活動を妨げない事象と定義される。これに対して、「中等度の有害事象」は、その事象によって正常な日常の活動が妨げられるほど不快である事象である。
医薬組成物:
L-4-クロロキヌレニンは、米国特許第5,547,991号の方法によって合成されている。またより最近の合成方法も、Salituroら1994年などの医学文献で報告されている。好ましい合成方法は、公開された国際特許出願WO/2014/152752及びWO/2014/152835に記載されている。L-4-クロロキヌレニンはまた、BOC Sciences(Shirley、NY、USA)及びAdvanced Technology & Industrial Co.,Ltd.(Hong Kong、China)などの様々な供給元からも市販されている。Cambridge Major Laboratories(Germantown、WI、USA)は、本特許出願で論じられている臨床試験で用いられたL-4-クロロキヌレニンを製造した。
本発明の好ましい実施形態は、経口投与用に配合される、治療有効量のL-4-クロロキヌレニンの単位用量を、薬学的に許容される担体及び添加剤と共に含む医薬組成物に関する。
本発明の医薬組成物は、本発明によるL-4-クロロキヌレニンを含有し、本出願に記載されている7-クロロキヌレン酸の血漿中レベルをもたらすあらゆる医薬品の形態で配合することができる。本発明に関して記載された範囲内で投与されるL-4-クロロキヌレニンの正確な投与量は、安全及び有効なものであり、さらに、本特許出願の図2及び他所で記載されたL-4-クロロキヌレニンの投与により7-クロロキヌレン酸の血漿中レベルをもたらすと考えられる。したがって、約15ng/mL~約65ng/m、約65ng/mL~約300ng/mL、及び約300ng/mL~約550ng/mLの7-クロロキヌレン酸の血漿の範囲が特に考えられる。さらに、4-クロロキヌレニンレベルが7-クロロキヌレン酸の治療上有効な量まで上昇している時間を延長するために、本発明の単位用量配合物を1日1回又は複数回、及び週に2回、3回若しくは4回又は2日毎などの複数日にわたって投与し得ることも考えられる。
本明細書で論じられている疼痛の治療などの所定の適応症の治療のための、経口投与用のL-4-クロロキヌレニンの単位用量の医薬組成物は、好ましくは約50mg~約1,800mg、より好ましくは約260mg~約1,540mg、より好ましくは、約260mg~約460mg、約310mg~約410mg、約460mg~約980mg、約980mg~約1,180mg、約1,030mg~約1,130mg、約1,340~約1,540mg、約1,390mg~約1,490mgのいずれか、最も好ましくは約360、1,080又は1,440mgを含有する。うつ病などの他の適応症のためには、上述の投与量は適切であるが、正確な用量は、適切な用量、例えば、上述の又は別に決定され得る用量範囲内で治療を開始し、次いで治療を受ける患者の健康状態や症状を監視することにより、わずかな増量又は決定された通りに用量を調整して、医療提供者が決定することができる。好ましくは、改善とL-4-クロロキヌレニンの投与の臨床有用性を決定するために、患者は定期的に再評価される。一般に、用量は、単回投与で、又は治療有効量のL-4-クロロキヌレニンを達成するために、適切であり得る間隔で、例えば、1日2回、3回又は4回のサブ用量で多回投与で投与され得る。
本発明の組成物用の投与レジメンは、治療上有効であると考えられる。前述した通り、1日の投与レジメンが考えられ、これは、患者の医師によって決定されるより短期及びより長期の投薬レジメン(regimes)を含めて、好ましくは、約5~約30日となるはずである。詳細には、約7~約24日、及び約12~約16日の投薬レジメンが、特に考えられる。
本発明の好ましい態様は、L-DOPAの維持量(通常、医師によって各患者について経験に基づき決定される)に伴うジスキネジアを軽減するため;又はL-DOPAの最小有効量を減らし、それによって、ジスキネジアの発症を遅延させ且つ/又は重症度を低くするためのL-DOPAと併せた4-クロロキヌレニンの投与を含む。本発明による医薬組成物は、L-DOPAと組み合わせて、同時に又は時間を十分に近接させて投与して、L-DOPA投与の副作用を寛解させることができる。L-DOPAの投与に関するプロトコールは周知であり、同様に関連するジスキネジアも周知である。例えば、Tambasco,N.ら(2012年)を参照されたい。
本発明による医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、液体懸濁液、固溶体、ソフトゲル、注射剤、局所若しくは経皮、又は坐剤及び経鼻送達であってもよい。さらに、本発明の医薬組成物はまた、これらに限定されないが、二峰性又は延長放出の形態などの調節放出の形態であってもよい。
一般に、本発明の医薬組成物は、医薬製剤の技術分野で知られる従来の方法により調製することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、(Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1990年)を参照されたい。固形剤形では、L-4-クロロキヌレニンは、例えば、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤、又は(a)充填剤若しくは増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸など、(b)結合剤、例えば、セルロース誘導体、デンプン、アリグナート(alignates)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアラビアゴムなど、(c)保湿剤、例えば、グリセロールなど、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプン、タピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、ケイ酸塩複合体(complex silicates)、及び炭酸ナトリウムなど、(e)溶解抑制剤(solution retarder)、例えば、パラフィンなど、(f)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物など、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、及びグリセロールモノステアレート、ステアリン酸マグネシウムなど、(h)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイトなど、並びに(i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど、或いはそれらの混合物と混合することができる。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合では、これらの剤形は、緩衝剤も含むことができる。
医薬製剤分野で公知の薬学的に許容されるアジュバントは、本発明の医薬組成物に用いることもできる。これらには、これらに限定されないが、保存剤、湿潤剤、懸濁化剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤(perfuming agent)、乳化剤、及び予製剤(dispensing agent)が含まれる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含むことにより確実にすることができる。等張剤、例えば、糖類、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましいこともある。所望により、本発明の医薬組成物は、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、酸化防止剤などの微量の補助的な物質、例えば、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミンオレエート、ブチル化ヒドロキシトルエンなどを含有することもできる。
前述した固形剤形は、コーティング及びシェル、例えば、腸溶コーティング及び当技術分野で周知の他のものなどで調製することができる。固形剤形は、緩和剤(pacifying agent)を含有することができ、固形剤形が遅延方式で腸管のある特定の部分で活性化合物(単数又は複数)を放出するかかる組成物の性質をも有し得る。用いることができる包埋された組成物の限定しない例は、ポリマー物質及びろうである。活性化合物はまた、適切な場合は、上記の添加剤のうちの1種若しくは複数を含む、マイクロカプセル化した形態となってもよい。
活性化合物に加えて懸濁液は、懸濁化剤、例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロオキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカントなど、又はこれらの物質の混合物などを含有することができる。
直腸投与用の組成物は、本発明による結晶ゲニステインナトリウム塩二水和物を、例えば、適当な非刺激性の添加剤又は担体、カカオバター、ポリエチレングリコール若しくは坐剤ロウなどと混合することにより調製することができる坐剤であり、これは、常温で固体となり得るが、体温で液体となり得、したがって、適当な体腔内にある間に融解し、その体腔内で活性がある構成成分を放出する。
(臨床試験:)
第1b相一施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験を、健常な男性及び女性対象においてL-4-クロロキヌレニンの多回経口投与に関して実施した。対象を、3コホート(360、1,080、及び1,440mg)のうちの1コホートにランダム化し、対象には連続14日間、経口1日用量を服用させた。各コホートには、最初に実薬に対して12名の対象が含まれ、プラセボに対して4名の対象が含まれるように計画された。しかしながら、合計50名の対象が本試験に登録された。コホート1において、12名の対象がL-4-クロロキヌレニンを服用し、5名の対象がプラセボを服用した。コホート2において、13名の対象がL-4-クロロキヌレニンを服用し、4名の対象がプラセボを服用した。コホート3において、12名の対象がL-4-クロロキヌレニンを服用し、4名の対象がプラセボを服用した。46名の対象がプロトコール毎に試験を完了した。安全性、薬物動態(PK)、治療の忍容性、及びカプサイシン誘発性痛覚過敏に対するL-4-クロロキヌレニンの痛覚過敏抑制効果を評価した。
L-4-クロロキヌレニン及びその活性代謝産物7-クロロキヌレン酸の単一投与及び多回投与PKプロファイルを決定するために、血漿濃度対時間プロファイルから次のPKパラメーターを算出した。すなわち、最高薬物濃度(Cmax)、消失半減期(t1/2)、最高薬物濃度到達時間(Tmax)、時間0から最終測定可能濃度の時間までの血漿中試験薬濃度対時間曲線下面積(AIC0-t)及び時間0から無限大までに外挿した血漿中試験薬濃度対時間曲線下面積(AIC0-∞)である。
6mLのリチウムヘパリンヴァキュテーナー管に血液を収集した。サンプルを遠心分離し、血漿を細胞から分離し、遠心分離後30分以内に凍結した。遠心分離したサンプルをフリーザーに入れるまで、氷上に置いた。分析のために受託業者に発送するまで、血漿サンプルをおよそ-20℃で凍結して貯蔵した。
1日目及び14日目に薬物を投与する前に、ベースラインサンプル(0分)を収集した。次いで、1日目及び14日目の投薬の0.5、1、1.5、2、4、6、8、12及び24時間後にサンプルを収集した。
ヒト血漿中で7-クロロキヌレン酸及びL-4-クロロキヌレニンを決定するために、タンデム質量分析アッセイを伴う液体クロマトグラフィーを用いた。標準的な曲線の範囲は、7-クロロキヌレン酸では2.00~1,000ng/mLであり、定量の下限は2.00ng/mLであった。標準的な曲線の範囲は、L-4-Cl-KYNでは、0.05~50μg/mLであり、定量の下限は0.05μg/mLであった。アッセイはどちらも、血漿試料容積50.0μg/mLを用いた。
L-4-クロロキヌレニンのPKは、試験中の用量の範囲全体にわたり十分に特徴があった。経口用量360、1,080、又は1,440mgを1日1回単回及び多回投与後にL-4-クロロキヌレニン及び7-クロロキヌレン酸について得られた血漿濃度-時間プロファイルは、両方の被検体の経口用量の急速な吸収及び1次消失と一致し、特に、代謝産物7-クロロキヌレン酸については、多区画速度論の証拠を示した。用量レベルが増加するにつれて、平均L-4-クロロキヌレニンTmax値は増加し、最高用量群の場合では、2時間近くで到達した。平均t1/2値は、1.64~1.82時間の範囲であり、用量全体にわたってほとんど一致した。平均L-4-クロロキヌレニンCmax及びAIC0-∞値は、比例していないが、ほぼ用量線形であるようにみえた。1日目の平均Cmax値は、360mg投与後の27.7μg/mL~1,440mg投与後の64.4μg/mLの範囲であった。1日目の平均AIC0-t値は、最低用量の投与後の64μg・h/mLから1,440mg投与後の196μg・h/mLの範囲であった。時間の大部分の平均Cmax及びAIC0-t値は、1日目の値よりも14日目の方がわずかに低かった。
一般に、代謝産物について予想通り、7-クロロキヌレン酸最高濃度は、同時に起こり、又はL-4-クロロキヌレニンの場合よりも遅く起こり、7-クロロキヌレン酸の平均Tmax値は、1.67~2.34時間の範囲であった。これを図1及び2に示す。7-クロロキヌレン酸の平均t1/2値は、2.52~3.23時間の範囲であり、L-4-クロロキヌレニンの場合の値よりも用量全体にわたってわずかに可変であった。平均t1/2値は、用量が関係するようにみえなかった。平均7-クロロキヌレン酸Cmax及びAIC0-t値はまた、ほぼ用量線形であるようにみえた。1日目の平均Cmax値は、360mg投与後の42.7ng/mLから1,440mg投与後の314ng/mLの範囲であった。1日目の平均AIC0-t値は、最低用量を投与後の156ng-h/mLから1,440mg投与後の985ng-h/mLの範囲であった。親化合物と類似して、7-クロロキヌレン酸についての平均Cmax及びAIC0-t値は、一般に1日目の値よりも14日目の方がわずかに低かった。
(例1:カプサイシン誘発性痛覚過敏に対するL-4-クロロキヌレニンの痛覚過敏抑制効果)
臨床試験の1日目及び14日目に、カプサイシン250μgの皮内注射を2回、前腕の手掌側に交互に逐次的に注射して、灼熱痛、第2の痛覚過敏、及び発赤を生じさせた。カプサイシンUSP(米国薬局方)を、作業現場の標準的な手順に従って調製し、10mg/mLの濃度で20%のシクロデキストリンに溶解した。
L-4-クロロキヌレニン又はプラセボの経口投与の1時間後に、片方の前腕に第1のカプサイシンを注射し、L-4-クロロキヌレニン又はプラセボの投与の2時間後に、もう片方の前腕に第2のカプサイシンを注射した。各カプサイシン注射時に直ちに神経感覚検査を開始した。100mm視覚的アナログスケール(VAS)を用いた連続的な疼痛評価を、注射前並びに各カプサイシン注射の0、5、10、15、30、45、及び60分後に行った。審査官は、対象に質問して、5.18 von Frey hair、40℃のプローブを適用し、1インチの発泡体ブラシで優しくなでることによる自発痛及び誘発された疼痛のVASを用いることによって強度を評価した。VASは、0mmの端に「痛みなし」と書かれ、100mmの端に「想像し得る最大の痛み」と書かれた100mm線から成るものであった。ミリメートルで表した距離によって、疼痛の測定を可能にした。
5.18 von Frey hairに対する痛覚過敏領域の境界を、痛みを生じない皮膚の領域から、対象が疼痛若しくは圧痛を報告するまで、徐々に半径を狭めて接線方向に有痛性領域の中心に向かって移動することによって決定した。同じ評価を用いて及び異なる角度から開始して、痛覚過敏領域の境界を少なくとも8カ所決定した。さらに、対象に質問して、試験薬投与の4.5時間(±5分)後に、次いで、試験薬投与後6時間の間30分(±5分)毎に大腿前部に適用した45℃の1分間の熱刺激(短時間の熱刺激)の疼痛強度を評価した。放射温度プローブを適用して、疼痛評価の間、皮膚温度を36℃に固定した。対象には、すべての疼痛評価についてVASを使用した。
すべての試験評価時点は、時間0、すなわち、試験薬投与時間を基点とした。投薬の1時間後のカプサイシン注射について、評価間隔(すなわち、試験薬の投薬後の時間)は、60~120分であり、その間、時間評価は、およそ60、65、70及び75分に行い、次いで、120分の時点まで15分毎(すなわち、カプサイシン注射の0、5、10、15、30、45、及び60分後)に行った。臨床試験材料(CTM)の投薬のおよそ2時間後にカプサイシンの第2の注射を投与し、評価間隔(すなわち、CTMの投薬後の時間)は、120~180分であった。連続的な疼痛評価は、第1のカプサイシン注射後に記載した通り、同じスケジュールに従った。
主要効能の評価項目は、14日目の投薬の120~180分後のL-4-クロロキヌレニンの各用量レベルにおける自発痛への鎮痛薬の応答であった。治療群とプラセボ群との間の自発痛評価に関する疼痛時間曲線下面積(AUPC)に有意な変化はなかった。同様に、第2の効能の評価項目(1日目の投薬後120~180分の時間間隔の間の自発痛についてのAUPC;及び1日目及び14日目の投薬後60~180分の時間間隔の間の自発痛、von Frey hairによる誘発された疼痛、及び40℃のプローブによる誘発された疼痛についてのAUPC)のうちいずれかについて、治療群とプラセボ群との間で有意な変化はなかった。しかしながら、本発明者らは、L-4-クロロキヌレニン1,080mgを投与された対象(コホート2)とプラセボを投与された対象との間での異痛症疼痛、機械的痛覚過敏疼痛、及び温熱性痛覚過敏疼痛についてのAUPCの最小二乗平均値の一貫性のある減少を見出した。これらのデータを表1に示す。
(うつ病の治療:)
疾患管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)は、米国成人の約10%が「大うつ病」又は「他のうつ病」のいずれかであると定義される「現在のうつ病」の基準を満たすと推定する。大うつ病性障害(「MDD」)は、深刻な罹患率及び死亡率、自殺への寄与、精神疾患及びその有害転帰の存在、対人関係への干渉、物質乱用、並びに失職する時間と関連する。また、MDD及び双極性障害(BPD)などの再発性気分障害は慢性であり、しばしば生命を脅かすものである。例えば、自殺は、MDDを有する個体の最大約15%の死亡の原因と推定される。さらに、うつ病は他の病状に有害な作用を及ぼす。例えば、Musselmanら1988年を参照されたい。
様々なうつ病の状態及び気分障害は、行動及び運動の協調に過度の影響を及ぼさず、並びにけいれん活性を誘発又は促進せずに、本発明による有効量のL-4-クロロキヌレニンで治療される場合がある。内科医又は心理学者は、例えば、うつ病の症状及びその軽減を、本明細書で論じられている様々な尺度を含めた公知のアプローチを用いて心理状態の検査によって確認することができる。かかるうつ病の状態及び気分障害の症状には、絶望、自傷行為若しくは自殺の思考、及び/又は、前向きな思考若しくは計画の欠如が含まれる。かかる状態及び障害には、大うつ病性障害(MDD)、気分変調性障害(若しくは気分変調症)、持続性うつ病性障害、異型うつ病、双極性うつ病若しくは躁うつ病、季節性情動障害(SAD)、精神病性うつ病及び産後うつ病、精神病性うつ病、月経前症候群、月経前不安気分障害、不安、気分障害、癌若しくは慢性疼痛などの慢性的な健康状態によるうつ病、化学療法、慢性ストレス、心的外傷後ストレス障害、自殺の危険が含まれる。双極性障害が原因のうつ病は、双極性うつ病とも称され得ることが理解されるべきである。加えて、任意の形態のうつ病に罹患している患者は、しばしば不安を経験する。不安に関連する様々な症状には、中でも恐怖感、パニック、動悸、呼吸困難、疲労感、吐き気、及び頭痛などが含まれる。本状態の方法を不安又は任意のその症状を治療するために用いることができることが期待されている。
加えて、様々な他の神経学的状態は、本発明の方法によって治療され得る。模範的な状態には、これらに限定されないが、強迫性障害、学習障害、自閉症性障害、注意欠陥多動性障害、ツーレット(Tourette)症候群、恐怖症、心的外傷後ストレス障害、認知症、AIDS認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、痙直、ミオクローヌス、筋痙縮、双極性障害、物質乱用障害、尿失禁、及び統合失調症が含まれる。本明細書ではまた、本明細書に記載される有効量のL-4-クロロキヌレニンの投与により、治療抵抗性の患者のうつ病を治療する、又は難治性うつ病を治療する、すなわち、その患者が、少なくとも1つの又は少なくとも2つの他の抗うつ剤化合物又は治療法の適切な過程に応答しない、及び/又は応答していない、うつ病性障害に罹患している患者である、方法が提供される。
特定の作用機構を保持することなく、L-4-クロロキヌレニンが標的にする、換言すると、受容体のグリシン共アゴニスト部位を遮断又は拮抗することにより、その治療的投与は、L-4-クロロキヌレニンの効果に影響を及ぼすことなく、薬物弁別、条件付け場所嗜好性、及びプレパルス阻害試験によって決定された、ケタミンと発生する潜在的な精神異常発現性副作用の原因となることを避け得ると考えられる。次いで、これは、迅速に作用するケタミンの抗うつ剤の効果に関連しているAMPA受容体依存性のシナプス形成という結果になる「グルタミン酸サージ」という結果になり得る。
L-4-クロロキヌレニンは、病院の救急室などの急を要する状況で自殺患者の治療に効果的であることも考えられる。本発明のこの使用について、注射又は坐剤の配合物としてのL-4-クロロキヌレニンの投与は、経口投与ができないこうした患者に好ましい。適切な配合物は当業者には公知であり、上記で記述され、又は本明細書で論じられ若しくは引用された様々な文献の参照によって組み込まれている。
うつ病の治療のための好ましい用量の範囲は、約20mg/日~最大約2,000mg/日、より好ましくは約300mg/日~約1,500mg/日、より好ましくは約700mg/日~約1,200mg/日である。こうした好ましい用量の範囲内で、出願人は340mg/日、1,080mg/日及び1,440mg/日も好ましいと考える。
(例2:L-4-クロロキヌレニンの抗うつ活性)
本発明者らはまた、驚くべきことに、L-4-クロロキヌレニンの気分の高まり又は抗うつ活性を見出した。本出願に記載の臨床試験において、対象26名のうち5名は(プラセボ群において0名であったのと対照的に)、満足であるという気持ちを肯定的に報告した。これは、グルタミン酸作動性系がうつ病の病態生理に寄与し、ストレスがNMDA受容体の変化を誘導し得るという報告と一致する。例えば、Calabreseら、2012年を参照されたい。
(例3:大うつ病性障害(MDD)の治療)
男性及び女性の両方で、18~65歳のMDDと診断された25名の患者を、2週間、L-4-クロロキヌレニン(1,080又は1,440mg/日、経口で)で、同様の研究と同様のデザインで治療する[Ibrahimら2012年、Zarateら2013年、Zarateら2006年、Zarateら2005年]。うつ病の症状全体の改善は、ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)[Hamilton1959年]及びMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)合計点[Montgomeryら1979年]のいずれか又は両方での著しい減少により示されている。所定の患者に対する治療の効果への追加の指標は、緩解(HDRS≦7)及び応答に達する対象の割合(HDRS合計点におけるベースラインから50%以上減少);ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)[Hamilton1959年]、コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)合計点[Posnerら2011年]、並びに、気分若しくは心理学的状態の他の尺度、例えば、ベックうつ病調査表(BDI)[Beckら1974年]、視覚アナログ尺度(VAS)[Aitken1969年]、簡易精神医学的評価尺度(BPRS)[Overallら1962年]、Clinician Administered Dissociative States Scale(CADSS)[Bremnerら1998年]、及びヤング躁病評価尺度(YMRS)[Youngら1978年]のベースラインからの変化でもあり得る。
(うつ病の治療のための併用療法:)
L-4-クロロキヌレニンは、うつ病及び本明細書に記載されている他の状態を治療するのに有用な他の薬剤と組み合わせて投与される場合があり、かかる組合せは、こうして投与される場合に、相乗的に効果的であり得る。2つの療法での相乗的な応答により、副作用、症状の管理、及び、例えば、MDDなどのうつ病に関連する思考過程における、程度、期間、又は低下に関して、所定の患者はより良好な成果に達する。
同時投与の適切な治療活性剤は、熟練した開業医によって同定可能であり、臨床医に公知であり用いられる典型的な用量範囲で投与される。L-4-クロロキヌレニンの投与量は本明細書に記載されるように用いられ得る。うつ病に関して、同時投与される薬剤は、典型的には、抗うつ剤療法(ADT)の臨床医による選択であり、その結果は以下の通りである:1)ADTに不適切な応答、又は2)ADTに適切な応答、ただし容認できない副作用がある。第1の場合、L-4-クロロキヌレニンは、承認された用量でADTと共に投与される。第2の場合、L-4-クロロキヌレニンは、負の副作用を容認できるレベルに減らすのに十分なように減らされた、承認された用量でADTと共に投与される。当業者は、承認された範囲内でADTを投与することを知っており、副作用を認めた場合、患者の応答を監視しながらそのADTの投与量を減らす。
うつ病の治療の併用投与として考えられる適切な薬剤は、以下の通りである:
・リルゾール、ラモトリギン、トピラマート、プレガバリン、アカンプロサート、アニラセタム、EMQMCM、MTEP、LY341495、RO4491533、ACPT-1、AMN082、RS-PPGなどのグルタミン酸調節剤
・メマンチン、ラニセミン、GLYX-13、NRX-1074、トラキソプロジル、セルフォテル、セレスタット、デキストロメトルファン、ベソンプロジル、Ro25-6981などのNMDAを調整する他の化合物
・シタロプラム(Celexa)、エスシタロプラム(Lexapro、Cipralex)、パロキセチン(Paxil、Seroxat)、フルオキセチン(Prozac)、フルボキサミン(Luvox)、及びセルトラリン(Zoloft、Lustral)などの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
・デスベンラファキシン(Pristiq)、デュロキセチン(Cymbalta)、レボミルナシプラン(Fetzima)、ミルナシプラン(Ixel、Savella)、トフェナシン(Elamol、Tofacine)、及びベンラファキシン(Effexor)などのセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)
・ビラゾドン(Viibryd)、ボルチオキセチン(Brintellix)などのセロトニン調節及び刺激薬(SMS)
・エトペリドン(Axiomin、Etonin)、及びトラゾドン(Desyrel)などのセロトニンアンタゴニスト及び再取り込み阻害剤(SARI)
・レボキセチン(Edronax)、ビロキサジン(Vivalan)、及びアトモキセチン(Strattera)などのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)
・チアネプチン(Stablon)などのセロトニン再取り込み促進剤(SSRE)
・アミトリプチリン(Elavil、Endep)などの三環系抗うつ剤(TCA)
・ブトリプチリン(Evadene)、クロミプラミン(Anafranil)、デシプラミン(Norpramin、Pertofrane)、ドスレピン(Prothiaden)、ドキセピン(Adapin、Sinequan)、イミプラミン(Tofranil)、イプリンドール(Prondol)、ロフェプラミン(Feprapax、Gamanil、Lomont)
・メリトラセン(Melixeran)、ノルトリプチリン(Pamelor)、プロトリプチリン(Vivactil)、並びに
・トリミプラミン(Surmontil)
・オピプラモール(Insidon)などのシグマ受容体アゴニスト
・アモキサピン(Asendin)、マプロチリン(Ludiomil)、ミアンセリン(Bolvidon、Norval、Tolvon)、ミルタザピン(Remeron)、セチプチリン(Tecipul)などの四環系抗うつ剤(TeCA)
・ミアンセリン、ミルタザピン、及びセチプチリンなどのノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NaSSA)(ミアンセリン、ミルタザピン、及びセチプチリンはまた、四環系抗うつ剤として記載される場合もある)
・イソカルボキサジド(Marplan)、フェネルジン(Nardil)、トラニルシプロミン(Parnate)、セレギリン(Eldepryl、Zelapar、Emsam)、メトラリンドール(Inkazan)、モクロベミド(Aurorix、Manerix)、ピルリンドール(Pirazidol)、トロキサトン(Humoryl)などのモノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)
・アゴメラチン(Valdoxan) - 5-HT2C受容体アンタゴニスト並びにMT1及びMT2受容体アゴニスト
・ブプレノルフィン(Subutex、Temgesic、Buprenex) - κ-オピオイド受容体アンタゴニスト及びμ-オピオイド受容体部分アゴニスト
・ブプロピオン(Wellbutrin) - いくつかの神経細胞のnACh受容体のNRI及び非競合的アンタゴニスト
・タンドスピロン(Sediel) - 5-HT1A受容体部分アゴニスト
・テニロキサジン(Lucelan、Metatone) - NRI及び5-HT2A受容体アンタゴニスト
他の補助治療はまた、L-4-クロロキヌレニンとの同時投与に適切である。このカテゴリーには、一般にはうつ病の治療に単体では著しい効果を認められないが、同時投与の場合に抗うつ剤の効果の増大の有効性を実証している薬物が含まれる。かかる薬物は、以下の通りである:
・アリピプラゾール(Abilify)、ルラシドン(Latuda)、オランザピン(Zyprexa)、クエチアピン(Seroquel、Seroquel XR)、リスペリドン(Risperdal)、ジプラシドン(Geodon)などの非定型抗精神病薬
・ブスピロン(BuSpar) - 5-HT1A受容体部分アゴニスト;リチウム塩(Eskalith、Lithobid) - 気分安定剤;チロキシン(T4) - 甲状腺ホルモン;トリヨードチロニン(T3) - 甲状腺ホルモンなどの他のもの
・現在の組合せ製品
・オランザピン/フルオキセチン(Symbyax) - SSRI及び非定型抗精神病薬の組合せ
・セントジョーンズワートなどの生薬
L-4-クロロキヌレニンと公知の治療薬との同時投与が、例えば、強迫性障害及び双極性障害を含めた、本明細書で論じられている他の状態の治療に適切であることも考えられる。
(例4:ADTとL-4-クロロキヌレニンとの併用療法)
大うつ病エピソードを経験し、彼らの臨床医より選択された抗うつ剤療法(ADT)を受ける患者は、時には、その薬剤に対する不適切な治療応答を有し、最初のものと組み合わせて別のADTを受ける[Horiら2012年、Kamijimaら2013年、Macfaddenら2011年、Quanteら2013年、Sepanjnia2012年]。別のADT(上記で論ずる)と共にL-4-クロロキヌレニンはかかる患者に投与される。ケタミン及びアルファ-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾールプロピオン酸(AMPA)の治療量以下の用量が投与される場合、当業者に公知の相乗的な応答と同様に、いずれかの薬物単体で見られる効果を超える、上記の尺度のうちの1つ又は複数によって決定されるような、症状の程度又は期間に対する改善が示される[Akinfiresoyeら2013年]。L-4-クロロキヌレニンの用量は、約20mg/日~最大約2,000mg/日、より好ましくは約300mg/日~約1,500mg/日、より好ましくは約700mg/日~約1,200mg/日から選択される。
(L-4-クロロキヌレニン投与に対する脳脊髄液バイオマーカー:)
Kraemerら2002年で詳述された「バイオマーカー」又は「モデレーター」は、「治療を施す対象に、及び条件下に特異的な」因子である。これら因子は、患者が治療に対して最も反応し、患者に対してのより適切な他の治療を探求し得ることも、臨床医に示唆している。予測し、うつ病並びに他の精神医学的疾患及び状態に対しての治療に続くのに用いられる、数種類のバイオマーカーの先例がある[Hunterら2011年、Isingら2007年、Jiら2011年、Siegleら2012年、Wolkowitzら2012年]。
出願人らは、驚くべきことに、キヌレン酸(KYNA)及びキノリン酸(QUIN)の脳脊髄液(CSF)レベルの測定が、L-4-クロロキヌレニンに対する有益な薬物応答の確率について、患者を階層化するのに有用であることを発見している。この発見と矛盾していないのは、自殺患者における低いKYNAと高いQUINとの間の公知の関連である[Bay-Richterら2015年、Erhardtら2013年、Myintら2007年]。
L-4-クロロキヌレニン治療活性は、患者においてCSFでのKYNAのレベルと正に相関する。医学文献で、低いキヌレン酸と重症のうつ病症状との間に顕著な関連があることが報告されている。L-4-クロロキヌレニンが、内在的に自然発生するKYNAより約20倍強力であり選択的である7-Cl-KYNAに代謝されるので、L-4-クロロキヌレニンは、KYNA機能のレベルを中等度に正常化し、NMDA受容体活性を正常化する助けとなる。加えて、その代謝物の1つである4-Cl-3ヒドロキシアントラニル酸がキノリン酸の合成を阻害するという事実により、L-4-クロロキヌレニンは、QUINの病理学的なレベル、いくつかの場合では神経毒性のレベルを低下する助けとなり得る。
QUINは、病理学的レベルでけいれん及び興奮毒性損傷の原因となる自然発生するNMDA受容体アゴニストである。したがって、L-4-クロロキヌレニンがキノリン酸のCSFレベルを低下するため、その治療活性は、症状を呈する患者において高レベルのQUINと正に相関する。最高レベルのキノリン酸の症状を呈するこれらの患者は、CSFにおけるキノリン酸の最も大きな低下を経験し、典型的には比較的より大きな治療応答を呈する。
下位四分の三において決定されたKYNAのレベルを有する症候性の患者は、MDD及びうつ病の他の形態を治療するためのL-4-クロロキヌレニンの投与により最も利益を受け、臨床的な最良の改善を示す可能性があり、期待される;同様に、応答及び改善は、下位四分の二におけるこうした患者に期待される;並びに、応答及び改善は、下位四分の一のこうした患者に特に期待されると考えられる。逆に、上位4分の2において決定されたQUINのレベルを有する症候性の患者は、MDD及びうつ病の他の形態を治療するためのL-4-クロロキヌレニンの投与により利益を受け、臨床的な改善を示す可能性があり、期待される;同様に、応答及び改善は、上位4分の2におけるこうした患者に期待される;並びに、応答及び改善は、上位四分の一のこうした患者に特に期待されると考えられる。
低レベルのKYNA及び高レベルのQUINを有する症候性の患者は、MDD及びCNS関連の疾患又は状態の他の形態を治療するためのL-4-クロロキヌレニンの投与により最も利益を受け、最大の臨床的な改善を示すことが期待されると考えられる。したがって、低レベルのKYNA及び/又は高レベルのQUINに対する個別化医療の診断検査は、好ましくはこうした化合物の血中レベルに基づいて考えられる。
(強迫性障害の治療:)
強迫性障害(OCD)の患者は、OCDの症状を軽減するためにL-4-クロロキヌレニンで治療される。患者は、OCD視覚アナログ尺度(OCD-VAS)及びYale-Brown強迫観念・脅迫行為尺度(Y-BOCS)などの評価試験での評価に基づいて改善を示す。L-4-クロロキヌレニンの用量は、約20mg/日~最大約2,000mg/日、より好ましくは約300mg/日~約1,500mg/日、より好ましくは約700mg/日~約1,200mg/日から選択される。
(耳鳴の治療:)
耳鳴は、一般に耳鳴りとして記載されているが、聴覚刺激の非存在下での音の認識である。米国のおよそ10人に1人の成人が、過去1年で少なくとも5分間続く耳鳴を経験しており、少なくとも100人に1人は、耳鳴が生活の質に著しい影響を与えている。これは西欧及び米国で1億3,000万人超が深刻な耳鳴を有することになる[Vioら2005年、Axelssonら1989年]。しばしば、重症の耳鳴は、うつ病、不安、及び不眠症に関連する[Langguthら2007年、Cronleinら2007年]。「米国復員軍人援護局2013年給付報告書(US Veterans Administration 2013 Benefits Report)」では、耳鳴を、新規の復員軍人で最も多い軍務関係の身体障害の1つと位置付けており、すべての支払額の9.5%を占めていた(http://www.benefits.va.gov/REPORTS/abr/ABR-Combined-FY13-09262014.pdf)。
耳鳴の効果的な治療に対する臨床的な必要性が高いにも関わらず、現在、耳鳴に対するFDA又はEMEAで承認された単体の薬物はない。したがって、本発明の別の態様は、本明細書に記載されている投与量範囲でのその投与を通した、耳鳴の治療におけるL-4-クロロキヌレニンの使用に関する。この療法が考えられる耳鳴の種類には、自覚的耳鳴;騒音により誘発された聴覚消失;薬物又は化学的効果、特に、ゲンタマイシン、フロセミド及びシスプラチンなどのプラチナ系化学療法剤などの聴覚毒性の薬物、非ステロイド性の抗炎症薬(NSAIDS)、並びに水銀中毒又は鉛中毒に関連する聴覚消失;他の医学的状態、例えば、メニエール病、腸神経種、前庭神経鞘腫、鼓室糸球腫瘍、線維筋痛症、偏頭痛、血管炎、アテローム性動脈硬化症に関連する聴覚消失;神経学的損傷、例えば、多発性硬化症、耳感染症、酸化ストレス及び精神的ストレス、脳炎、脳脊髄液漏出に関連する聴覚消失;並びに、脳又は頭部の損傷又は奇形、例えば、アーノルド・キアリ奇形に関連する聴覚消失が含まれる。
本発明の本態様における特定の作用機構を保持せずに、NMDA受容体媒介興奮毒性は蝸牛の耳鳴に対する機構であることが提案されている[Guittonら2003年、Guittonら2007年、Oestreicherら1998年]。NMDA受容体媒介経路は、サリチル酸により誘発された耳鳴[Pengら2003年]、及びにサリチル酸により誘発された耳鳴の行動的エビデンスを遮断した内耳で局所的に適用されるNMDAアンタゴニスト[Guittonら2003年]に関連する。さらに、騒音曝露に続く最初の4日間の選択的NMDAアンタゴニストの蝸牛への適用により、騒音により誘発された耳鳴の発症の率も下がった[Guittonら2007年]。
(例5:耳鳴の治療)
耳鳴の治療に対するL-4-クロロキヌレニンの効果を実証する臨床試験は、プロスペクティブランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間用量漸増デザインである。片耳又は両耳の慢性耳鳴が少なくとも3か月間続く、20~65歳の100名の男性又は女性の患者を試験に登録した。患者は薬物群又はプラセボ群にランダム化され、ベースラインの心理測定及び健康測定を行い、続いて14日間、L-4-クロロキヌレニン(初期用量180mg)又はプラセボのいずれかを1日1回経口投与で盲検投与される。続く心理測定及び健康測定を投薬後3、7、及び14日目(次の薬物投与の前)に行う。14日目及び28日目に、AV-101の用量を、それぞれ720及び1440mg/日に増加する。42日目及び70日目に、すべての患者に心理測定及び健康測定のパネルを渡す。
治療される対象は、以下の2つの確立された自己評価の手段により得られた心理測定データに基づいて耳鳴の症状の改善を示す:1)HallamのTQに基づく、標準化された耳鳴質問票(TQ)[Hallam2007年]、及び2)簡易型36項目健康調査(Short Form 36 health survey)(SF-36)。SF-36質問票は、定着した評価ツール並びに耳鳴の臨床経過及び治療管理の観察についての認められた測定法である[Nondahlら2007年、Van Hook1996年]。
第2相試験に典型的な標準安全性及び忍容性評価に加えて、対象は、純音オージオグラム及び耳鳴ラウドネスを評価する測定法などの他覚的聴覚検査のパラメーターを評価した場合も、改善を示す[Tylerら1983年]。
主要な好結果の尺度には、L-4-クロロキヌレニン群とプラセボ群との間の平均TQスコアに統計的に有意な差がある。副次的な尺度には、SF-36又は聴覚検査のデータに有意な変化が含まれる。独立したサンプルのスチューデントt□検定又は各時点でのマンホイットニー検定を、定量データの統計学的有意性の評価に用いる。定量データの有意性は、カイ二乗検定又はフィッシャー直接確率検定で評価する。経時的及び用量の改善の評価のために、TQ及び副次的測定法を、フリードマン分散分析及び同様の分散分析のツールを用いて評価する。
(糖尿病の治療:)
2014年現在、世界中で推定3億8,700万人が糖尿病を有し[WHO2013年]、2型糖尿病(T2DM)が症例の約90%に上る[Shiら2014年]。これは、成人人口の8.3%に当たり[Shiら2014年]、男女共に同じ割合である[Vosら2012年]。2012~2014年で、糖尿病は毎年150~490万人の死亡につながると推定される[WHO2013年、Vosら2012年]。糖尿病により、個人の死亡リスクが少なくとも2倍になる[WHO2015年]。糖尿病の人数は、2035年までに5億9,200万人に増加すると予想される[WHO2013年]。
2014年の糖尿病の世界的な経済損失は、6,120億USドルであると推定された[IDF2013年]。米国において、糖尿病にかかる費用は、2012年で2,450億USドルである[Yangら2013年]。T2DMの治療に用いられる現存する薬物、例えば、スルホニルウレアの多くは、グルコース刺激性インスリン分泌(GSIS)だけでなく、基礎インスリン分泌も増加する。これら薬物による基礎インスリン分泌の増加は、医学的に深刻で、死につながる可能性のある低血糖をもたらす可能性がある[Amielら2008年]。したがって、基礎インスリン分泌を増加させずにGSISを増加する、より安全な薬物への必要性が高い。
糖尿病は、インスリンの生成の減少が原因で起こる(1型)、又は身体の細胞によるインスリンへの低い応答性若しくは抵抗性が原因で起こる(2型)。いくつかの研究によると、β膵島細胞と共にニューロンが果たす、インスリン及びグルコースのレベルを調整する役割が支持されている[Schwartzら2013年]。ニューロンはインスリンを生成できる[Kuwabaraら2011年]が、膵臓のβ膵島がインスリンの生成を主に担っている。興味深いことに、β膵島細胞は弱り[Burrisら2007年]、ニューロンと共通して多くの受容体や分子経路を共有する[Soltaniら2011年、Rodriguez-Diazら2013年]。例えば、β膵島細胞は、興奮性アミノ酸トランスポーター、AMPA及び受容体、グルタミン酸トランスポーター、並びにNMDA受容体を含めた、グルタミン酸シグナル伝達系のいくつかの成分を発現する[Vetterliら2012年、Inagakiら1995年、Marquardら2015年]。
T2DMと診断された患者は、L-4-クロロキヌレニンで治療され、単剤療法又は他の糖尿病研究と同様にメトホルミンとの補助療法のいずれかで、20~1,440mgの範囲で、より具体的には20、180、360、720、1,080、又は1,440mgの1日投与量で経口投与されるべきであると考えられる[Rosenstockら2014年、Group2013年、Skrivanekら2014年]。L-4-クロロキヌレニンのかかる用量は、場合により、糖尿病を治療するためのインクレチン系薬物、例えば、DPP-4阻害剤及びGLP-1類似体と組み合わせられ得る[Tasyurekら2014年、Hainer2014年]。本発明の方法及び組成物での治療を考えられる他の型の糖尿病には、1型糖尿病、インスリン依存型糖尿病、若年性糖尿病及び早期発症型糖尿病;2型糖尿病、インスリン抵抗性糖尿病、インスリン非依存型糖尿病、成人発症型糖尿病、糖尿病前症、妊娠糖尿病が含まれる。
要約すると、本明細書に記載されている本発明は、一般に、L-4-クロロキヌレニンの剤形及び上記のN-メチル-D-アスパラギン酸受容体により媒介される過活動性のグルタミン酸作動性伝達を特徴とする神経学的状態などの様々な病理学的な状態及び障害を治療するための方法に関する。こうした状態には、大うつ病性障害、OCD、及び耳鳴、並びに上記で開示される他のもの、及び当業者に公知である他の状態が含まれる。さらに、本発明は、他の組成物の抗うつ活性を高める薬剤を含めた、うつ病などの様々な種類の障害を治療するのに有用である、様々な他の組成物と組み合わせて、L-4-クロロキヌレニンを使用する方法にも関する。別の実施形態において、本発明は、キヌレン酸(KYNA)及びキノリン酸(QUIN)の測定されたCNSレベルに基づいて、うつ病(MDDを含む)の治療として、L-4-クロロキヌレニンの投与から利益を得る患者の可能性の個別化された診断評価に関する。
いくつかの模範的な実施形態は、上記で詳述され、添付図面の図に示されており、かかる実施形態は、広範な本発明の例示的なものに過ぎず、これを制限するものではないことが理解されるべきである。特に、本発明の教示は、広範囲の疾患に適用されることが認識されるべきである。当業者は、その広範な本発明の範囲から逸脱することなく、例示されたもの及び前述の本発明の他の実施形態に様々な修正がなされ得るということを認識している。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態又は配置に限定されず、むしろ、添付した特許請求の範囲により記載される本発明の範囲及び精神のうちである任意の変更、適応又は修正を包含することを目的としていることが理解される。
(参考文献)
本明細書で言及された又は下に挙げられた以下の学術誌の論文並びに他のすべての刊行物、特許及び文献は、その全体を参照により組み込まれる。
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公開された国際特許出願WO/2014/152835

Claims (6)

  1. L-4-クロロキヌレニンの有効量を投与することによる、耳鳴を治療する方法。
  2. L-4-クロロキヌレニンの有効量を投与することによる、強迫性障害を治療する方法。
  3. 医薬組成物が、1~約30日、連日投与又は間欠投与で投与される、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
  4. L-4-クロロキヌレニンの前記有効量が、1日約50mg~約1,800mgの範囲で投与される、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
  5. 医薬組成物が、担体及び添加剤などの薬学的に許容される成分と共に、約360、1,080又は1,440mgを含む群からの量のL-4-クロロキヌレニンから本質的に成る、請求項5に記載の方法。
  6. 耳鳴及び強迫性障害を含む群から選択される状態の治療のためのこの組成物の使用を表示するラベルと共に包装されたL-4-クロロキヌレニンを含む、医薬組成物。

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