JP2024049352A - ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝促進剤 - Google Patents

ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝促進剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ケラチノサイトの分化過程における代謝プロファイルを調べ、ケラチノサイトにおける代謝プロファイルの変化を促進する薬剤を提供することを目的とする。【解決手段】ケラチノサイトの分化過程における代謝プロファイルを調べるにあたり、ケラチノサイト中のミトコンドリアでの酸素消費の計測を行い、その基質を調べたところ、分化状態に応じて、ミトコンドリアで利用する基質が変化することを見出した。さらに、ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝を促進する薬剤についてスクリーニングを行うことで脂肪酸代謝促進剤を特定し、ソメイヨシノエキス及びユキノシタエキスからなる群から選ばれる、ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝促進剤を提供する。【選択図】図5

Description

本発明はケラチノサイトの分化に伴い生じる代謝変化を促進する技術に関する。より具体的に、ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝促進剤、脂肪酸代謝促進剤の利用、並びに脂肪酸代謝促進剤のスクリーニング方法に関する。
ケラチノサイトは、皮膚の最外層である表皮を構成する細胞である。ケラチノサイトは、真皮と表皮との境界である基底膜に存在しており、増殖し分化することで、基底層、有棘層、顆粒層、及び角質層を構成する。分化の過程で、ケラチノサイトはケラチンや細胞間脂質を産生し、さらに細胞間接着を引き起こす。顆粒層まで分化したケラチノサイトは脱核しアポトーシスする。こうして死んだ細胞体と細胞間脂質とで角質層を構成し、最終的には垢として排出される。基底膜に存在するケラチノサイトに対しては毛細血管から酸素及び栄養素が供給され、活発に細胞分裂を生じる一方で、基底膜を離れて有棘層、顆粒層、及び角質層へと分化する過程では通常、細胞分裂は生じないと考えられている。分化過程のケラチノサイトに対しては、毛細血管から供給される酸素及び栄養素は制限される。ケラチノサイトの分化と酸素との関係が報告されており、低酸素状態ではケラチノサイトの分化が抑制されることが報告されている(非特許文献1:J Invest Dermatol. (2007)vol. 127(2):354-61)が、分化しているケラチノサイトにおける酸素消費メカニズムについての知見はいまだ得られていない。
脂肪燃焼の促進を目的として、脂肪酸代謝を改善する薬剤が開示されている(特許文献1:特許第3790767号、特許文献2:特許第5734648号)。特許文献1は、ローズヒップの種子を含む果実の抽出物をカルニチンと配合した脂肪代謝改善剤を開示しており、内臓、特に肝細胞中での中性脂質の代謝を促進すること、それにより内臓脂肪を改善することが開示されている。したがって特許文献1の脂肪代謝改善剤は経口のみの投与を開示するものである。特許文献2は、有効成分として、高麗人参実抽出物に着目しており、高麗人参実抽出物が皮膚効能を有することと、肝臓における脂肪酸酸化においてミトコンドリアの中に脂肪酸を運搬する役目を有するカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT1)遺伝子の発現促進作用を有することをそれぞれ特定する。特許文献2は、皮膚効能として抗酸化効果、コラーゲン生成促進効果及びMMP-1抑制効果を特定しており、これらの効能に基づき皮膚外用組成物を提供する。一方、肝臓におけるCPT1発現促進作用からは肥満を予防し、肥満状態を改善させる効果を開示するものであり、これらの効能に基づき高麗人参の実抽出物を含む、肥満予防及び改善用の食品及び健康機能食品組成物を提供する。したがって、これらの文献には、皮膚ケラチノサイトにおいてCPT1発現を促進や、脂肪酸代謝を改善させることを目的として、脂肪酸代謝改善剤を皮膚に適用することについては全く記載も示唆もされていない。
特許第3790767号公報 特許第5734648号公報
J Invest Dermatol. (2007) vol. 127(2):354-61)
本発明は、ケラチノサイトの分化過程における代謝プロファイルを調べ、代謝プロファイルの変化を促進する薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らが、ケラチノサイトの分化過程における代謝プロファイルを調べるにあたり、ケラチノサイト中のミトコンドリアでの酸素消費の計測を行い、その基質を調べたところ、分化状態に応じて、ミトコンドリアで利用する基質が変化することを見出した。具体的に、ケラチノサイトは、未分化状態ではグルコース代謝に大きく依存していたものの、分化状態では、グルコース代謝だけではなく、脂肪酸代謝及びグルタミン代謝も利用しており、代謝プロファイルが変更されていることを見出した。さらに、三次元皮膚モデルを用いて基質利用を阻害する薬剤を添加し分化状態を評価する検討を行うことで、脂肪酸代謝が表皮の分化に寄与していることを見出した。そこで、ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝を促進する薬剤についてスクリーニングを行うことで脂肪酸代謝促進剤を特定し、本発明に至った。
そこで、本発明は以下に関する:
[1-1] ソメイヨシノエキス及びユキノシタエキスからなる群から選ばれるエキスを含む、ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝促進剤。
[1-2]ケラチノサイト脂肪酸代謝促進剤の製造のための、ソメイヨシノエキス及びユキノシタエキスからなる群から選ばれるエキスの使用。
[2] 前記脂肪酸代謝促進剤が皮膚外用剤である、項目1-1又は1-2に記載の脂肪酸代謝促進剤又は使用。
[3] 前記脂肪酸代謝促進剤が、ミトコンドリアの酸化的リン酸化において使用する基質のうち、脂肪酸を利用する代謝を促進する、項目1-1又は1-2に記載の脂肪酸代謝促進剤又は使用。
[4-1] 項目1-1~3のいずれか一項に記載の脂肪酸代謝促進剤を含む、ケラチノサイトの分化促進剤。
[4-2] 前記脂肪酸代謝促進剤が、ケラチノサイトの分化促進剤である、請求項1- 2~3のいずれか一項に記載の使用。
[5] 候補薬剤を含む培地中で、ケラチノサイト培養物を培養する工程;
候補薬剤を含む培地で培養後において、ケラチノサイト培養物における脂肪酸代謝関連遺伝子の発現を測定する工程;及び
測定された発現量を対照と比較し、候補薬剤の脂肪酸代謝促進作用を決定する工程
を含む、脂肪酸代謝促進剤をスクリーニングする方法。
[6] 前記脂肪酸代謝関連遺伝子が、CPT1である、項目5に記載の方法。
[7] 前記対照が、候補薬剤を含まない培地で培養されたケラチノサイト培養物における脂肪酸代謝関連遺伝子の発現量又は当該発現量から決定された閾値である、項目5又は6に記載の方法。
[8] ケラチノサイト培養物による酸素消費量を測定する工程をさらに含み、酸素消費量と脂肪酸代謝関連遺伝子の発現量とから、候補薬剤の脂肪酸代謝促進作用を決定する、項目5~7のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
[9] 候補薬剤を含む培地中でケラチノサイト培養物を培養する工程;
候補薬剤を含む培地で培養後において、ケラチノサイト培養物における酸素消費量を測定する工程;及び
測定された酸素消費量を対照と比較し、候補薬剤の脂肪酸代謝促進作用を決定する工程
を含む、脂肪酸代謝促進剤をスクリーニングする方法。
本発明の脂肪酸代謝促進剤を投与することにより、分化後のケラチノサイトが必要とする脂肪酸代謝を促進することができる。
図1は、脂肪酸代謝阻害剤(Etomoxir)、グルコース代謝阻害剤(UK5099)、グルタミン代謝阻害剤(BPTES)を、未分化ケラチノサイト及び分化ケラチノサイトの培養物に添加して培養した場合の酸素消費量(OCR)の変化を示すグラフである。 図2は、脂肪酸代謝阻害剤(Etomoxir)、グルコース代謝阻害剤(UK5099)、グルタミン代謝阻害剤(BPTES)を、3次元皮膚モデルの培養物に添加して培養した場合の(A)フィラグリン、(B)ロリクリン、(C)カスパーゼ14、及び(D)ケラチン1の遺伝子発現量を比較したグラフである。 図2は、脂肪酸代謝阻害剤(Etomoxir)、グルコース代謝阻害剤(UK5099)、グルタミン代謝阻害剤(BPTES)を、3次元皮膚モデルの培養物に添加して培養した場合の(E)インボルクリン、及び(F)ケラチン14の遺伝子発現量を比較したグラフである。 図3は、ケラチノサイト培養物において、ソメイヨシノエキスを添加した場合におけるCPT1発現の変化を示すグラフである。 図4は、ケラチノサイト培養物において、ユキノシタエキスを添加した場合におけるCPT1発現の変化を示すグラフである。 図5は、ケラチノサイト培養物に、ユキノシタエキスを添加した場合における呼吸量(最大呼吸(A);予備呼吸(B))の変化を示す図である。 図6は、ケラチノサイト培養物に、ソメイヨシノエキスを添加した場合における呼吸量の変化(最大呼吸(A);予備呼吸(B))を示す図である。 図7は、3次元皮膚モデルの培養物において、ユキノシタエキスを添加した場合におけるCPT1発現の変化を示すグラフである。
本発明は、ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝を促進する薬剤(以下、脂肪酸代謝促進剤とする)に関する。
ケラチノサイトとは、表皮を構成する主要な細胞であり、基底膜上で増殖する細胞である。増殖したケラチノサイトは、皮膚外層に向かって分化していき基底層、有棘層、顆粒層、及び角質層を構成する。分化の過程で、ケラチノサイトはケラチン(ケラチン1、5、10、14等)、インボルクリン、ロリクリン、フィラグリン、カスパーゼ14等のケラチノサイト特異的なタンパク質を発現し、これらのタンパク質はケラチノサイトの細胞マーカーとして機能する。本発明においてケラチノサイトは培養ケラチノサイトであってもよいし、生体内のケラチノサイトであってもよい。皮膚に適用して、効果を発揮させる観点からは、生体内のケラチノサイトが好ましい。培養ケラチノサイトでは、皮膚から単離された初代細胞であってもよいし、継代された細胞であってもよい。3次元培養を行うことで形成された皮膚モデルであってもよい。培養ケラチノサイトでは、未分化ケラチノサイトは、サブコンフルエント培養を行うことで取得し、分化ケラチノサイトは、コンフルエント培養を行うことで取得することができる。
ケラチンは、細胞骨格を形成するタンパク質の一種であり、ケラチノサイトにより発現され、ケラチノサイトが死んだ後に硬化することで、皮膚最外層におけるバリア機能を発揮する。基底層ではケラチン5及び14が発現し、有棘層ではケラチン1及び10が発現する。インボルクリンは、ケラチノサイトの細胞膜を裏打ちする周辺帯の構成要素であり、同じく構成要素であるロリクリンと共に、トランスグルタミナーゼなどの酵素による作用を受けて、周辺帯を形成する。インボルクリン及びロリクリンは、有棘層及び顆粒層において発現される。カスパーゼは、細胞にアポトーシスを引き起こさせるシグナル伝達経路を構成するプロテアーゼのファミリーとして見いだされたタンパク質である。ケラチノサイトで発現するカスパーゼ14はフィラグリンの分解に関しており、フィラグリンを分解することで、天然保湿因子を生成する。フィラグリンは、約400kDaのプロフィラグリンとして顆粒層にて発現され、分解を経て生成される。角質層へと分化した際にさらにカスパーゼ14などにより分解されて、アミノ酸にまで分解され、天然保湿因子となる。
細胞は、細胞内小器官であるミトコンドリアにおけるTCAサイクルを介してATPを合成し、生体内エネルギーを得ている。細胞は、好気状態において、細胞は主に解凍系を利用してグルコースを代謝して少量のATPを得つつ、生成したピルビン酸をミトコンドリアに送り、酸素を用いてTCAサイクルに供することで、多量のATPを取得することができる。一方で、ミトコンドリアは、ピルビン酸のみでなく脂肪酸を代謝することができる。ミトコンドリアのマトリクスにおいて、脂肪酸はβ酸化を受けて、2つの炭素鎖が切り離されアセチルCoAを生成しTCAサイクルに供される。一方で、遊離脂肪酸やアシルCoAは、ミトコンドリアの外膜及び内膜をそのまま通過することはできない。脂肪酸はATPを消費して、アシルCoAシンテターゼ及びカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPT-1)の作用を受けてアシルCoAとして外膜を通過し、ミトコンドリアの膜間スペースでアシル-カルニチンを生成する。さらにミトコンドリア内膜に存在するカルニチン-アシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)及びカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII(CPT-2)の作用により内膜を通過し、ミトコンドリアマトリクス内にアシルCoAを生成する。こうしたミトコンドリアに存在する一連の酵素群の働きにより、脂肪酸は、アセチルCoAの形態でマトリクス内部に輸送され、マトリクス内部でβ酸化を受ける。
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPT1)は、細胞質からミトコンドリア内へ長鎖脂肪酸を輸送する酵素であり、かかる輸送とそれに続くβ酸化の反応の律速酵素として働き、脂肪酸代謝の中心的な役割を担う。したがって、CPT1の遺伝子発現を促進することで、ミトコンドリア内への脂肪酸の運搬が促進され、脂肪燃焼効果を発揮し、肥満を予防又は改善することができる。このようなβ酸化による脂肪酸の分解は、動物の任意の細胞で生じうるが、通常脂肪細胞に貯蓄された脂肪は、リパーゼの作用により脂肪酸として血中に放出され、肝臓、心筋、腎臓などのATP消費が大きい臓器においてβ酸化によりエネルギーとして使用される。一方、皮膚、特に表皮の細胞であるケラチノサイトにおいては、CPT1の遺伝子の発現が促進された場合に、脂肪燃焼効果の意義は薄いか又は全くない。ケラチノサイトにおけるCPT1の遺伝子発現は、分化に伴い利用可能な基質の変化に関連するものであり、正常なケラチノサイト分化に関わっている。したがって、CPT1遺伝子発現促進剤は、脂肪酸代謝促進剤又はケラチノサイトの分化促進剤ともいうことができる。脂肪酸代謝が促進され、ATP産生能が向上することで、ATPを必要とした紫外線等によるDNAダメージの修復能が亢進しうる。これにより、CPT1遺伝子発現促進剤は、DNAダメージ軽減剤ともいうことがある。
ケラチノサイトの分化は、基底層の細胞から有棘層の細胞への分化、有棘層の細胞から顆粒層への分化、及び顆粒層の細胞から角層の細胞への分化が挙げられる。このうち、本発明に係るケラチノサイトの分化促進剤は、いずれの分化を促進してもよいが、一例として、有棘層の細胞から顆粒層への分化を促進する。ケラチノサイトの分化促進により、角層ターンオーバーの改善、皮膚バリア機能の改善、健常な角層構造の維持などの効果を発揮しうる。また、皮膚バリア機能の改善や健常な角層構造は、アレルゲンの侵入によるアレルギー感作の予防又は抑制、さらにはアトピー性皮膚炎の抑制、予防又は治療効果を発揮しうる。したがって、CPT1遺伝子発現促進剤は、アトピー性皮膚炎の抑制、予防又は治療剤ともいうことができる。
ケラチノサイトは、基底膜上で細胞分裂を行っている際には、真皮中に張り巡らされた毛細血管から酸素及び栄養素の供給を受ける。こうして、未分化のケラチノサイトは、供給される栄養素のうち、主にグルコースを利用しており、グルコース代謝阻害剤により酸素消費速度が低下する(図1)。一方で、分化したケラチノサイトでは、グルコース以外の基質、すなわち脂肪酸やグルタミンを利用する代謝系が十分に機能しており、グルコース代謝阻害剤、脂肪酸代謝阻害剤、及びグルタミン代謝阻害剤をそれぞれ添加した場合であっても、酸素消費速度は影響を受けない(図1)。以上の結果より、分化前のケラチノサイトでは、基質としてグルコースを主に利用しており、その他の基質による代替が効かない一方、分化したケラチノサイトでは、グルコース代謝のみに依存せず、脂肪酸やグルタミン酸なども利用可能なように、代謝のプロファイルを変更し、分化の際のエネルギー消費を賄っていることが示される。
脂肪酸代謝阻害剤を3次元皮膚モデル培養物に添加すると、顆粒層で発現しているケラチノサイトの分化マーカーである、フィラグリン、ロリクリン、ケラチン1、カスパーゼ14の遺伝子発現が減少する一方、グルコース代謝阻害剤やグルタミン代謝阻害剤を添加した場合にはこれらの分化マーカーの遺伝子発現は変化しない(図2A~D)。また、基底層のマーカーであるケラチン14および有棘層のマーカーであるインボルクリンの発現は脂肪酸代謝阻害剤を用いても変化が無かった(図2E-F)。これにより、脂肪酸代謝を阻害することで、特にケラチノサイトの基底層又は有棘層から顆粒層への分化が阻害されることが示されており、ケラチノサイトの分化と、脂肪酸代謝との関連性が示唆される。
本発明の更なる態様では、本発明は、ケラチノサイトにおいて脂肪酸代謝関連遺伝子の発現を指標とした脂肪酸代謝促進剤のスクリーニング方法にも関する。本発明のスクリーニング方法は、より具体的に以下の:
候補成分を含む培地でケラチノサイトを培養する工程、
培養後のケラチノサイトにおいて脂肪酸代謝関連遺伝子の発現を測定する工程、及び
測定された脂肪酸代謝関連遺伝子の発現量を、対照の脂肪酸代謝関連遺伝子の発現と比較する工程
を含み、脂肪酸代謝関連遺伝子発現が亢進した場合に、候補成分を脂肪酸代謝促進剤としてスクリーニングすることができる。さらに、ケラチノサイト培養物による酸素消費量を測定する工程を含み、酸素消費量と脂肪酸代謝関連遺伝子の発現量とから、候補薬剤の脂肪酸代謝促進作用を決定することもできる。こうしてスクリーニングされた脂肪酸代謝促進剤は、皮膚に適用することにより、ケラチノサイトにおいて、脂肪酸代謝を促進することができる。すなわち、ケラチノサイトにおいて、ミトコンドリアの酸化的リン酸化における代謝基質のうち脂肪酸の代謝を促進することができる。脂肪酸代謝とケラチノサイトの分化との関係から、こうしてスクリーニングされた脂肪酸代謝促進剤は、ケラチノサイトの分化促進剤ともいうことができる。培養されるケラチノサイト培養物は、単離されたケラチノサイトの培養物であってもよいし、器官培養物や3次元培養物であってもよい。
対照の脂肪酸代謝関連遺伝子の発現は、候補成分を含まない点でのみ異なる培養ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝関連遺伝子の発現を使用することができる。対照群は、予め実験が行われて、対照群の脂肪酸代謝関連遺伝子の発現に基づいて閾値を設定してもよいし、並行して培養及び測定工程が行われてもよい。脂肪酸代謝関連遺伝子の発現は、培養ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝関連遺伝子のタンパク質量又はmRNA量であってもよく、それぞれ免疫学的手法又は定量的PCR等の本技術分野に周知の手法を用いて測定することができる。
脂肪酸代謝関連遺伝子としては、CPT-1、CPT-2、アシルCoAシンテターゼ、CACTからなる群から選ばれる少なくとも1の遺伝子を利用することができる。脂肪酸代謝の律速酵素である観点から、脂肪酸代謝関連遺伝子として、CPT-1を用いることが好ましい。CPT-1の遺伝子発現を指標として、化粧品素材について、スクリーニングを行ったところ、30種の化粧品素材のうちユキノシタエキス及びソメイヨシノエキスがCPT1発現促進作用を有することを見い出した(図3及び4)。さらに、ユキノシタエキスは、皮膚3次元培養物に対して添加された場合にも、CPT1発現促進作用を有することを見出した(図7)。次いで、ユキノシタエキス及びソメイヨシノエキスをケラチノサイト培養物に添加し、その酸素消費速度を計測したところ、これらのエキスの添加により、最大呼吸が増大し、また予備呼吸が増大した(図5及び6)。最大呼吸は、ミトコンドリアの酸化的リン酸化を最大限活性化(試薬:FCCP)させたのち、酸化的リン酸化を完全に停止(試薬:AntimycinA&Rotenone)させた時の差分の酸素消費量をいう。予備呼吸とはミトコンドリアの酸化的リン酸化を最大限活性化(試薬:FCCP)した時から何も試薬を添加していない定常状態の差分の酸素消費量をいう。したがって、細胞の定常状態からの差分であることから、予備呼吸は、細胞の酸素消費についての余力を表す一方、最大呼吸は、細胞の酸素消費の能力を全体的に表す指標である。予備呼吸は、ATP産生の余力ともいうことができ、斯かる余力が少ないと、細胞の修復、改善に使用するためのATPが産生できず、突発的なダメージに対応することができなくなってしまう。したがって、予備呼吸を増大させる薬剤は、細胞がダメージを受けた(DNA損傷等)際などにおいて、予備呼吸能力を高めることによりダメージからの回復能を高めることができる。最大呼吸を増大させる薬剤は、細胞の生存、機能の維持力を高めることができる。
本発明の更なる態様では、本発明は、ケラチノサイトにおいて酸素消費量を指標とした脂肪酸代謝促進剤のスクリーニング方法にも関する。本発明のスクリーニング方法は、より具体的に以下の:
候補成分を含む培地でケラチノサイトを培養する工程、
候補薬剤を含む培地で培養中又は培養後において、ケラチノサイト培養物における酸素消費量を測定する工程、及び
測定された酸素消費量を対照と比較し、候補薬剤の脂肪酸代謝促進作用を決定する工程
を含む。
酸素消費量が亢進した場合に、候補成分を脂肪酸代謝促進剤としてスクリーニングすることができる。こうしてスクリーニングされた脂肪酸代謝促進剤は、皮膚に適用することにより、ケラチノサイトにおいて、脂肪酸代謝を促進することができる。すなわち、ケラチノサイトにおいて、ミトコンドリアの酸化的リン酸化における代謝基質のうち脂肪酸の代謝を促進することができる。脂肪酸代謝とケラチノサイトの分化との関係から、こうしてスクリーニングされた脂肪酸代謝促進剤は、ケラチノサイトの分化促進剤ともいうことができる
酸素消費量は、フラックスアナライザーを用いることで測定することができ、一例として最大呼吸、基礎呼吸、ATP生産、及び予備呼吸からなる群から選ばれる指標を酸素消費量として使用することができる。
本発明のスクリーニング方法に用いる候補成分は、化粧品素材、食品素材、医薬品素材などの任意のライブラリーを使用することができる。かかるライブラリーとしては、化合物ライブラリー、エキスライブラリーなどを使用してもよい。各ライブラリーに含まれる化合物及びエキスは、市販の化合物及びエキスを使用してもよいし、合成された化合物及び調製されたエキスを使用してもよい。
本明細書に記載される植物のエキスは常法により得ることができ、例えばその起源となる植物を抽出溶媒とともに常温又は加熱して浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水性溶媒、例えば水、生理食塩水、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、あるいは有機溶媒、例えばエタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。好ましくは、溶媒として水とアルコール、例えば1,3-ブチレングリコールの混合溶媒が使用される。上記溶媒で抽出して得られた抽出物をそのまま、あるいは例えば凍結乾燥などにより濃縮したエキスを使用でき、また必要であれば吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD-2)のカラムにて吸着させた後、所望の溶媒で溶出し、さらに濃縮したものも使用することができる。
ユキノシタエキスとは、ユキノシタ(Saxifraga stolonifera)草本から抽出されたエキスをいう。ユキノシタは日本の山地に自生し、朝鮮半島や中国にも分布する。ユキノシタエキスは、ユキノシタ全草を水、アルコール又はそれらの混合溶液で抽出することで調製することができる。アルコールとしては、エタノール、プロピレングリコール、又はブチレングリコールが用いられる。より好ましくは、水とエタノール又は水と1,3-ブチレングリコールの任意の割合の混合液、例えば10:90~90:10の混合液、好ましく30:70~70:30、さらに好ましくは50:50の混合液により抽出されうる。ユキノシタエキスは、0.0001%~1.0%の濃度で配合され、0.001%~0.01%がより好ましい。
ソメイヨシノエキスは、ソメイヨシノ(Cerasus yedoensis)の植物体から抽出されたエキスをいう。ソメイヨシノは日本原産の栽培種である。ソメイヨシノエキスは、ソメイヨシノの葉を水、アルコール又はそれらの混合溶液で抽出することで調製することができる。アルコールとしては、エタノール、プロピレングリコール、又はブチレングリコールが用いられる。より好ましくは、水とエタノール又は水と1,3-ブチレングリコールの任意の割合の混合液、例えば10:90~90:10の混合液、好ましく30:70~70:30、さらに好ましくは50:50の混合液により抽出されうる。ソメイヨシノエキスは、0.0001%~1.0%の濃度で配合され、0.001%~0.01%がより好ましい。
本発明の脂肪酸代謝促進剤及びケラチノサイトの分化促進剤は互換的に用いることができ、それぞれ化粧料、医薬品又は医薬部外品に配合されてもよく、また、食品、例えばサプリメントなどの栄養補助食品に配合されてもよい。これらの薬剤は、経口、又は非経口、例えば経皮投与されてもよい。経皮投与される場合、皮膚外用剤に剤形することができる。皮膚外用剤は、皮膚に適用可能であれば特に限定されず、例えば、溶液状、乳化状、固形状、半固形状、粉末状、粉末分散状、水-油二層分離状、水-油-粉末三層分離状、軟膏状、ゲル状、エアゾール状、ムース状、スティック状等、任意の剤型が適用できる。皮膚外用剤に剤形される場合には、皮膚外用剤に通常用いられる基剤、及び賦形剤、例えば保存剤、乳化剤、pH調整剤などが用いられてもよい。化粧料に配合する場合、化粧水、乳液、美容液、クリーム、ローション、パック、エッセンス、ジェル等の顔用又は体用の化粧料や、ファンデーション、化粧下地、コンシーラー等のメーキャップ化粧料、さらには浴用剤などに配合することができる。本発明の成分を含む化粧品、医薬品及び医薬部外品を用いることにより、脂肪酸代謝促進を介して、ケラチノサイトの分化を促進し、皮膚のバリア機能を維持又は改善することができ、又は皮膚バリア機能の悪化を予防することができる。
本発明の脂肪酸代謝促進剤及びケラチノサイトの分化促進剤は、所望の効果、例えば皮膚バリア機能の維持又は改善する効果を発揮させる観点で任意に濃度を選択することができる。皮膚外用剤として配合する観点からは、本発明に係るエキスは、市販のエキスをさらに、0.0005%~0.5%で配合することができる。効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.001%以上で配合でき、さらに好ましくは0.005%以上で配合することができる。強いにおいを避ける観点から、好ましくは0.1%以下で配合することができ、さらに好ましくは0.05%以下で配合することができる。市販のエキスは、通常、0.1~10%程度、好ましくは0.5~5%程度の濃度である。
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。
以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
実施例1:未分化ケラチノサイト及び分化ケラチノサイトにおける代謝変化
未分化ケラチノサイト(KURABO)は72時間の培養後に、サブコンフルエントとなるよう、分化ケラチノサイトはオーバーコンフルエント状態で72時間の培養となるよう播種細胞数を調整して、播種を行うことで得た。培養条件は、以下の通りである。24ウェル細胞培養プレート(Agilent Technologies)に細胞を播種し、HuMedia-KG2(KURABO)培地で、72時間37℃5%CO2雰囲気下で培養を行った。フラックスアナライザーXFe24 (Agilent Technologies)を用いて、ケラチノサイトの酸素消費速度を測定した。酸素消費速度測定の際には、XF Mito Fuel Flexキット(103260-100,Agilent)を用い、キットに記載のプロトコルに従って測定を行った。未分化細胞では、グルコース代謝阻害剤を添加した場合にのみ、酸素消費速度が低下した一方で、分化細胞では、各代謝阻害剤の添加によっては、酸素消費速度は変化しなかった(図1)。以上の結果により、未分化ケラチノサイトでは、グルコース代謝が主な代謝経路である一方、分化ケラチノサイトでは、グルコース代謝のみに依存せず、脂肪酸やグルタミン酸なども利用可能なように、代謝のプロファイルを変更し、分化の際のエネルギー消費を賄っていることが示される。
実施例2:代謝阻害剤によるケラチノサイトの分化への影響
皮膚3次元モデル(EFT-400 7A,KURABO)を用いて培養を行う際に、脂肪酸代謝阻害剤(Etomoxir)、グルコース代謝阻害剤(UK5099)、及びグルタミン代謝阻害剤(BPTES)をそれぞれ1~10uの濃度で添加し6日間培養した。培養後の皮膚モデルからRNA抽出し、を回収し、SuperScript(登録商標) VILO(登録商標) cDNA Synthesis Kit(11754250,Thermo Fisher Scientific )を用いて記載プロトコルに従ってcDNAを合成した。逆転写されたサンプルを下記のプライマーを用いて、リアルタイムPCR装置(Applied Biosystems)により測定を行った。試験試料において、内部標準であるRPLP0の遺伝子発現量に対するフィラグリン、ロリクリン、ケラチン1、カスパーゼ14(インボルクリン、ケラチン14)の遺伝子発現の相対量を測定した(図2)。
Figure 2024049352000002
フィラグリン、ロリクリン、ケラチン1、カスパーゼ14の遺伝子発現量が、それぞれ脂肪酸代謝阻害剤(Etomoxir)を添加した場合に低下した。一方で、グルコース代謝阻害剤(UK5099)、及びグルタミン代謝阻害剤(BPTES)を添加した場合には、フィラグリン、ロリクリン、ケラチン1、カスパーゼ14の遺伝子発現量は変化しなかった。脂肪酸代謝阻害剤の添加により、分化マーカーの発現が抑制されることから、3次元皮膚モデルにおける脂肪酸代謝と分化との関係性が示された。
実施例3:CPT1の発現促進剤のスクリーニング
ケラチノサイトを80%コンフルエントになるように12ウェルプレートへ播種し、HuMedia-KG2(KURABO)を用いて37℃、3%O2、5%CO2条件下で培養した。培養培地に0.1%となるように候補薬剤を添加後、48時間培養した。薬剤としては、ソメイヨシノエキス(一丸ファルコス(株))ユキノシタエキス(一丸ファルコス(株))を用いた。培養後の細胞を回収し、SuperScriptTM VILOTM cDNA Synthesis Kit(11754250,Thermo Fisher Scientific )を用いて記載プロトコルに従ってcDNAを合成した。逆転写されたサンプルを、下記のプライマーを用いてリアルタイムPCRに供し、リアルタイムPCR装置(Applied Biosystems)により測定を行った。試験試料において、内部標準であるRPLP0の遺伝子発現量に対するCPT1の遺伝子発現の相対量を測定した(図3)。
Figure 2024049352000003
実施例4:CPT1発現促進剤による、最大呼吸及び予備呼吸の変化
4又は5×104細胞をHuMedia-KG2(KURABO)培地を用いて24ウェル細胞培養マイクロプレート(Agilent Technologies)に播種後、37℃5%CO2条件下で培養した。培養培地に0.1%となるようにソメイヨシノ(一丸ファルコス(株))、ユキノシタエキス(一丸ファルコス(株))を添加し、2日間37℃5%CO2条件下で培養した。
フラックスアナライザーXFe24 (Agilent Technologies)を用いて、ケラチノサイトの酸素消費速度を測定した。酸素消費速度測定の際には、Mito Stress Kit(103020-100,Agilent)を用い、キットに記載のプロトコルに従って測定を行った。ミトコンドリアの呼吸阻害剤である Oligomycin、FCCP、Rotenone & Antimycin A を組み合わせて用いることで、基礎呼吸、ATP production、最大呼吸、予備呼吸を算出した。ユキノシタエキスを添加することで、最大呼吸が増大し、また予備呼吸が増大した。ソメイヨシノエキスを添加することで、5×104細胞/ウェルで播種した場合に最大呼吸が増大し、また予備呼吸が増大した。
実施例5:3次元皮膚モデルを用いたユキノシタエキス添加時のCPT1遺伝子発現変化の確認
皮膚3次元モデル(EFT-400 7A,KURABO)を用いて培養を行う際に、ユキノシタエキスを0.1%の濃度で添加し、37℃5%CO2雰囲気下で6日間培養した。培養後の皮膚モデルからRNAを回収し、SuperScript(登録商標) VILO(登録商標) cDNA Synthesis Kit(11754250,Thermo Fisher Scientific )を用いて記載プロトコルに従ってcDNAを合成した。逆転写されたサンプルを、表2に記載のプライマーを用いて、リアルタイムPCR装置(Applied Biosystems)により測定を行った。試験試料において、内部標準であるRPLP0の遺伝子発現量に対するCPT1の遺伝子発現の相対量を測定した。結果を図7に示す。

Claims (9)

  1. ソメイヨシノエキス及びユキノシタエキスからなる群から選ばれるエキスを含む、ケラチノサイトにおける脂肪酸代謝促進剤。
  2. 皮膚外用剤である、請求項1に記載の脂肪酸代謝促進剤。
  3. ミトコンドリアの酸化的リン酸化において使用する基質のうち、脂肪酸を利用する代謝を促進する、請求項1に記載の脂肪酸代謝促進剤。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の脂肪酸代謝促進剤を含む、ケラチノサイトの分化促進剤。
  5. 候補薬剤を含む培地中で、ケラチノサイト培養物を培養する工程;
    候補薬剤を含む培地で培養後において、ケラチノサイト培養物における脂肪酸代謝関連遺伝子の発現を測定する工程;及び
    測定された発現量を対照と比較し、候補薬剤の脂肪酸代謝促進作用を決定する工程
    を含む、脂肪酸代謝促進剤をスクリーニングする方法。
  6. 前記脂肪酸代謝関連遺伝子が、CPT1である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記対照が、候補薬剤を含まない培地で培養されたケラチノサイト培養物における脂肪酸代謝関連遺伝子の発現量又は当該発現量から決定された閾値である、請求項5に記載の方法。
  8. ケラチノサイト培養物による酸素消費量を測定する工程をさらに含み、酸素消費量と脂肪酸代謝関連遺伝子の発現量とから、候補薬剤の脂肪酸代謝促進作用を決定する、請求項5に記載のスクリーニング方法。
  9. 候補薬剤を含む培地中でケラチノサイト培養物を培養する工程;
    候補薬剤を含む培地で培養後において、ケラチノサイト培養物における酸素消費量を測定する工程;及び
    測定された酸素消費量を対照と比較し、候補薬剤の脂肪酸代謝促進作用を決定する工程
    を含む、脂肪酸代謝促進剤をスクリーニングする方法。
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