JP2024049337A - パネル目地構造体およびパネル目地構造体の施工方法 - Google Patents

パネル目地構造体およびパネル目地構造体の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量気泡コンクリートパネルの二重シーリング目地において、目地部分の防水性、気密性および施工性に優れたパネル目地構造体およびパネル目地構造体の施工方法を提供すること。【解決手段】軽量気泡コンクリートパネルを複数枚備え、隣り合う前記軽量気泡コンクリートパネル同士の突き合わせによって目地が形成され、目地に沿って設けられた目地凹部の目地底は軽量気泡コンクリートパネルまたは底部絶縁材で形成され、目地底の上にさらに設けられた絶縁材または底部絶縁材の上に、順に、第1のプライマー層、第1のシーリング材、バックアップ材、第2のプライマー層および第2のシーリング材を有し、少なくとも前記第1のプライマー層が、基板に軽量気泡コンクリートを用いたJIS A 6909の透水試験A法に準拠して測定された透水量が10mm以下であるプライマー剤から構成されることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、パネル目地構造体およびパネル目地構造体の施工方法に関する。
外壁パネルでは、屋外に面する部分にシーリング充填用の溝が設けられており、例えば、防水性能を向上させるために目地にシーリング材が充填される。
外壁接合部では、汎用的に一重シールが使われる。例えばシーリング充填用の溝の屋内側にバックアップ材を設置し、屋外側に不定形のシーリング材を充填するものが周知である(例えば、特許文献1)。他方、十分に目地深さがある場合、水密性向上のために目地の内外両側に互いに離れて2次シール及び1次シールを設けた二重シールも存在する。その2次シールと1次シールとの隙間に水が溜まることを防止するため、隙間中の水を排出する排水路を設けることも行われている(例えば、特許文献2)。
近年の建物の高層化や高寿命化に伴い、外壁の防水性についても更なる耐久性が求められてきている。従来の目地構造は、低層建築物やライフサイクルが短い建築物と同様の構造となっているため、高層および高寿命建築物に耐えうる、より高い耐久性を備えた目地構造の要求が高まってきている。
このような背景の中、最近では二重シール構造が開発されているが、二重シール構造の設計においては、シーリング材の切れに伴う屋内方向への漏水のみが想定されていた。しかし、シーリング材が全部或いは部分的に切れた場合、その過程でパネルの小口からパネル母材が吸水してしまう可能性が高い。これにより屋内側への漏水や塗膜の膨れ等の事象に繋がる。
特開平11-172796号公報 特開2004-263425号公報
本発明は、上述したような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、軽量気泡コンクリートパネルの二重シーリング目地において、目地部分の防水信頼性が高く、気密性および施工性に優れたパネル目地構造体およびパネル目地構造体の施工方法を提供することにある。
[1]
軽量気泡コンクリートパネルを複数枚備え、隣り合う前記軽量気泡コンクリートパネル同士の突き合わせによって目地が形成され、該目地に沿って設けられた目地凹部の目地底は軽量気泡コンクリートパネルまたは底部絶縁材で形成され、
前記軽量気泡コンクリートパネルで形成された前記目地底の上に設けられた絶縁材、または前記底部絶縁材の上に、前記目地凹部の奥側から順に設けられた、第1のプライマー層、第1のシーリング材、バックアップ材、第2のプライマー層および第2のシーリング材を有するパネル目地構造体であって、
前記目地凹部において、少なくとも前記第1のプライマー層が、基板に軽量気泡コンクリートを用いたJIS A 6909の透水試験A法に準拠して測定された透水量が10mm以下であるプライマー剤から構成されることを特徴とするパネル目地構造体。
[2]
前記第2のプライマー層が、基板に軽量気泡コンクリートを用いたJIS A 6909の透水試験A法に準拠して測定された透水量が10mm以下であるプライマー剤から構成される、[1]に記載のパネル目地構造体。
[3]
前記目地凹部の内側面にも、前記第1のプライマー層及び前記第2のプライマー層と連続して、前記プライマー剤から構成されるプライマー層が形成されている、[1]または[2]に記載のパネル目地構造体。
[4]
前記第1のシーリング材よりも前記第2のシーリング材の方が耐久性が高い、[1]~[3]のいずれかに記載のパネル目地構造体。
[5]
前記軽量気泡コンクリートパネルの前記目地凹部が設けられた側とは反対側の面においても、目地に沿って凹部が設けられており、該凹部にもシーリング材が充填されている、[1]~[4]のいずれかに記載のパネル目地構造体。
[6]
前記軽量気泡コンクリートパネルは、矩形状をなし、少なくとも1辺の小口に沿って凹部が形成されている、厚さ98mm~152mmの軽量気泡コンクリートパネルであって、
前記凹部が設けられた側において、少なくとも一方の主面側に形成された目地用切り欠き部を有し、該切り欠き部の深さをA[mm]とし、前記凹部と、前記切り欠き部との間に形成される凸部の頂面の長さをB[mm]としたときに、前記Aが24mm以上35mm以下であり、前記Bが5mm以上13.5mm以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のパネル目地構造体。
[7]
前記軽量気泡コンクリートパネルにおいて、前記切り欠き部の前記主面側端部に面取りが施されており、該面取りの寸法C[mm]が1.5mm以上4.5mm以下である[6]に記載のパネル目地構造体。
[8]
前記軽量気泡コンクリートパネルにおいて、対向する2辺の一方の辺に前記凹部が形成され、前記凹部は本実加工のメス凹部である、[6]に記載のパネル目地構造体。
[9]
[1]~[8]のいずれか1項に記載のパネル目地構造体を備えた建物。
[10]
(1)複数枚の軽量気泡コンクリートパネル同士を突き合わせることによって形成される目地に沿って設けられ、軽量気泡コンクリートパネルで目地底が形成される目地凹部の底面に絶縁材を配置する、または、前記目地に目地底となる底部絶縁材を配して目地凹部を形成するステップと、
(2)前記絶縁材または前記底部絶縁材が配された前記目地凹部の内表面に第1のプライマー層を形成するステップと、
(3)前記第1のプライマー層が形成された前記目地凹部に第1のシーリング材を充填するステップと、
(4)前記第1のシーリング材が配された前記目地凹部にバックアップ材を配置するステップと、
(5)前記バックアップ材が配された前記目地凹部の内表面に第2のプライマー層を形成するステップと、
(6)前記第2のプライマー層が形成された前記目地凹部に第2のシーリング材を充填するステップと、を順に備え、
少なくとも前記第1のプライマー層として、基板に軽量気泡コンクリートを用いたJIS A 6909の透水試験A法に準拠して測定された透水量が10mm以下であるプライマー剤を用いることを特徴とするパネル目地構造体の施工方法。
本発明によれば、軽量気泡コンクリートパネルの二重シーリング目地において、目地部分の防水信頼性が高く、気密性および施工性に優れたパネル構造体およびパネル構造体の施工方法を提供することができる。
パネル目地構造体の一例(縦壁構法)を示す横断面図である。 パネル目地構造体のパネル突き合わせ部分を拡大して示す断面図である。 パネル目地構造体の目地部分を拡大して示す断面図である。 軽量気泡コンクリートパネルの一例を示す断面図である。 軽量気泡コンクリートパネルの凹部が形成された側の端部を拡大した一例を示す断面図である。 パネル目地構造体の施工方法を説明する断面図である。 パネル目地構造体の施工方法を説明する断面図である。 パネル目地構造体の施工方法を説明する断面図である。 パネル目地構造体の施工方法を説明する断面図である。 パネル目地構造体の他のパネル突き合わせ部分を拡大して示す断面図である。 パネル目地構造体の一例(横壁構法)を示す縦断面図である。 パネル目地構造体の一例(横壁構法)を示す縦断面図である。 パネル目地構造体の目地部分を拡大して示す断面図である。 軽量気泡コンクリートパネルの他の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態は軽量気泡コンクリートパネルおよびパネル目地構造体の一例を示すものであり、本発明はこれに限られるものではなく、変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
[パネル目地構造体]
図1は、本実施形態に係るパネル目地構造体(壁パネル構造体)の一構成例を示す横断面図である。パネルは、パネルの長手方向が略垂直となるように配置された縦壁パネルである。図2は、パネル目地構造体のパネル突き合わせ部分を拡大して示す断面図であり、図3は、パネル目地構造体の目地部分を拡大して示す断面図である。
なお、以下の説明では、パネル目地構造体として、建物の外壁用の壁パネルにおける目地構造体を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
パネル目地構造体20は、軽量気泡コンクリートパネル1を複数枚備える。複数のパネル1は、例えば、縦または横に並べられてなる。このとき、隣り合う軽量気泡コンクリートパネルの小口は本実加工2が施されており、隣り合う一方のパネル1のメス凹部2aと、他方のパネル1のオス凸部2bとが嵌合する。
パネル1同士が突き合わされた境界には目地が形成される。また、建物躯体側の目地部分には目地受けプレート26が配されている。
パネル1には長手方向の小口面から略垂直に長孔(図示略)が形成されており、パネル1の表面から長孔に連通する座掘孔(図示略)が形成されている。長孔に挿入されたアンカー鋼棒21が、座掘孔に挿入されたOナット22の係合孔を貫通することにより、アンカー鋼棒21とOナット22とはパネル1の内部で係合されている。自重受け金具23は、ボルト24を用いてOナット22と螺合することにより、パネル1に取り付けられる。そして、建物躯体(梁など)Wに固定された定規アングル25に、パネル1に取り付けられた自重受け金具23を、溶接などにより固定することにより、パネル1が定規アングル25を介して建物躯体Wに取り付けられる。
そして本実施形態に係るパネル目地構造体20A(20)では、目地に沿って設けられた凹部(目地凹部)10の目地底は軽量気泡コンクリートパネルで形成されており、該凹部10の奥側から順に設けられた、絶縁材11、第1のプライマー層12、第1のシーリング材13、バックアップ材14、第2のプライマー層15および第2のシーリング材16を有する。
なお、図2および後掲の図10では、第1のプライマー層12、第2のプライマー層15の図示は省略している。
<軽量気泡コンクリートパネル>
まず、本発明のパネル目地構造体において用いられる軽量気泡コンクリートパネルについて説明する。
図4は、本実施形態の軽量気泡コンクリートパネルの一例を示す断面図である。図5は、軽量気泡コンクリートパネルの凹部が形成された側の端部を拡大した一例を示す断面図である。
軽量気泡コンクリートパネル1は、矩形状をなし、厚さ98mm~152mmの軽量気泡コンクリートからなるパネルである。軽量気泡コンクリートパネル1は、少なくとも1辺の小口に沿って凹部が形成されていてもよい。
なお、図面および以下の説明では、厚さ100mmの軽量気泡コンクリートパネル1を用いた場合を例に挙げて、パネル端部の凹凸形状や寸法について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これ以外にも、例えば厚さ125mm、150mm等の軽量気泡コンクリートパネル1を用いることができる。パネル1の厚みに合わせて、小口における凹凸形状や寸法等を適宜選定することができる。
例えば図4に示す軽量気泡コンクリートパネル1では、その対向する2辺、例えば略長方形状をなす場合には、長手方向の小口に本実加工2が施されている。軽量気泡コンクリートパネル1では、対向する2辺の一方の辺に凹部が形成され、凹部は本実加工2のメス凹部2aである。
なお、パネル1の長手方向小口において、本実加工2は施されていなくてもよく、長手方向小口面は平坦なものであってもよい。
なお、以下の説明では、軽量気泡コンクリートパネル1が長方形状であり、長手方向の小口に本実加工2が施されている場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。例えば、凹部が形成された小口と対向する小口は平坦であってもよい。また、凹部は本実加工以外の凹部であってもよい。
また、以下の説明では、「軽量気泡コンクリートパネル1」を単に「パネル1」と称している場合がある。
軽量気泡コンクリートパネル1は、外壁材として適用可能なコンクリート製部材であり、具体的には、「ヘーベル」(登録商標)などの軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)である。パネル1は他にプレキャストコンクリートパネル、押出成形セメント板などを使用することができる。以下では、パネル1としてALCパネルを例に説明する。
パネル1の厚みは、98mm~152mm程度である。
図4に示すようにパネル1の長手方向の小口には、本実加工2が施されている。具体的には、一方の小口には、長手方向に沿ってメス凹部2aが形成されており、他方の小口には、長手方向に沿ってオス凸部2bが形成されている。二枚のパネル1の小口面同士を突き合わせたときに、一方のパネル1のメス凹部2aと、他方のパネル1のオス凸部2bとが嵌合する(図2参照)。なお、メス凹部2aとオス凸部2bとの嵌合部分には、パネル1の変形時にパネル相互が競り合って損傷しないように一定の間隙(空洞)2cが形成されるように設定されている。
ALCの基材は気泡が含まれているため、緻密なコンクリート基材に比較すると脆く、オス凸部2bの先端側の角部を直角または鋭角に加工すると、運搬や施工時に欠けるおそれがある。そのため、オス凸部2bの先端側の角度は鈍角となるようにオス凸部2bの全体を断面台形に形成し、それに合わせてメス凹部2aもそれよりもやや大きめの断面台形に形成するのが望ましい。
パネル1の少なくとも一方の主面、具体的には、外壁材として用いた場合に室外側となる主面1aには、周縁に沿って切り欠き部3が形成されている。目地は、二枚のパネル1の小口面同士を突き合わせると、その突き合わせによって突き合わせ部1bが形成され、突き合わせ部1bを挟んで対向する切り欠き部3同士によって凹部(目地凹部)10が形成される(図2参照)。凹部10の目地底は、軽量気泡コンクリートパネルで形成される。
なお、図に示す例では、パネル1の短手方向には、パネル1が突き合わされることにより目地をなす切り欠き部が形成されていないが、これに限定されるものではなく、パネル1の短手方向にも、切り欠き部が形成されていてもよい。
図2に示されるように、断面視したときの凹部10の形状は、一辺が開放された矩形である。
すなわち、図5に示すように、本実施形態のパネル1において、パネル1の本実加工2のメス凹部2aが設けられた側において、図中Aで示される、切り欠き部3の深さは、24mm以上35mm以下である。パネル厚さが100mmの場合、A寸法は、24mm以上31mm以下とすることが好ましい。
また、図5に示すように、本実施形態のパネル1において、図中Bで示される、メス凹部2aと切り欠き部3との間に形成される凸部4の頂面の長さは、5mm以上13.5mm以下である。パネル厚さが100mmの場合、B寸法は、5mm以上10mm以下とすることが好ましい。
パネル1の運搬、施工時等にパネルが損傷しないように、パネル1の角部には、面取り5が施されていることが好ましい。面取り5の寸法は、通常、4.5~9mm程度であるが、本実施形態のパネル1では、面取り5の寸法(C寸法)を1.5mm以上4.5mm以下と、通常よりも小さくすることで、切り欠き部3の深さ(A寸法)をより大きく確保することができる。パネル厚さが100mmの場合、C寸法は、3mm以上4.5mm以下とすることが好ましい。
本実施形態のパネル1は、100mm厚で本実加工されたパネルにおいて、十分な目地深さを確保することができ、二重シーリングが可能なものとなる。
また、本実施形態の軽量気泡コンクリートパネル1およびパネル目地構造体20では、パネル間のクリアランスが不要のため、パネルの施工性が容易となる。
そして、本実施形態のパネル目地構造体20(壁パネル構造体)は、図2に示すように、隣り合うパネル1同士の突き合わせによって形成される目地に沿って設けられた凹部(目地凹部)10を有する。
図3は、パネル目地構造体20の目地部分を拡大して示す断面図である。
凹部10には、目地奥(底)側から深さ方向に、絶縁材11、第1のシーリング材13、バックアップ材14(セパレータ)および第2のシーリング材16が順に積層、充填される。
このとき、第1のシーリング材13および第2のシーリング材16の接着下塗り層として第1のプライマー層12、第2のプライマー層15がそれぞれ設けられる。その結果、接着表面の安定化が確保でき、接着をより確実にすることができて好適である。
建設現場では、人の手でプライマーを塗るため、プライマーの塗り不足、塗り忘れ等により、パネルとシーリング材との界面が剥離するおそれがある。その場合、パネル小口から軽量気泡コンクリートパネルが吸水してしまうおそれがある。またシーリング材内に水が溜まるとパネル小口へ水が浸透する可能性が高くなる。
本実施形態およびその施工方法によれば、プライマーを二重に塗る箇所では塗り忘れや塗り不足がなくなり、界面剥離の恐れを低減することができる。また、パネル小口からの吸水を防止することができる。
また、シーリング材が全部或いは部分的に切れた場合、パネルの小口部から軽量気泡コンクリートパネルが吸水してしまう恐れがある。シーリング材内に水が留まると、パネル小口への浸透のリスクがより高まってしまう。
本実施形態では、第1のシーリング材13の屋外側に、さらに第2のシーリング材16が配されていることで、紫外線、雨、風などの劣化の原因となる自然因子が第1のシーリング材まで到達しないため、第1のシーリング材13の劣化を抑えることができる。
そして、本発明のパネル目地構造体20では、少なくとも第1のプライマー層12、好ましくは第1のプライマー層12及び第2のプライマー層15が、基板に軽量気泡コンクリートを用いた、JIS A 6909:2021の7.12透水試験A法に準拠して測定された透水量が10mm以下であるプライマー剤から構成されることを特徴とする。
このように、防水性に優れたプライマー剤を用いることにより、パネル小口の防水性をより高めることができる。上記観点から、プライマー剤の透水量は7.5mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは7.0mm以下とするとよい。
なお、本発明では、少なくとも第1のプライマー層12についての上記透水量が10mm以下であればよく、第2のプライマー層15については、上記透水量が10mmを超えるものを用いても構わない。上記透水量について、第1のプライマー層12は7.5mm以下、第2のプライマー層15は10mm以下とすることが好ましい。
プライマー剤は、本来、シーリング材の接着力を高める目的で使用されるものであるが、本発明では、プライマー剤に敢えて防水性も期待するものとした。プライマー剤として特定の性能、すなわち優れた防水性を有するプライマー剤を選択しているのみであり、下塗り、すなわちプライマー層形成の手間は従来と同様であるため、施工手間を増やすことなく、防水信頼性が高く、気密性に優れた目地を構成することができる。
また、優れた防水性を有するプライマー剤を用いることで、気密性にも優れたものとなり、目地部分からの水だけでなく気体の透過も減少させることができる。これにより、例えば、工場やごみ等の処理施設といった、外部への臭いの影響が懸念される建物や施設等の外壁、区画仕切り壁に採用することで、目地部分からの臭いの漏出を防止することができる。
このように、本発明のパネル目地構造体は、軽量気泡コンクリートパネルの二重シーリング目地において、目地部分の防水信頼性が高く、気密性および施工性に優れたものとなる。
このようなプライマー剤としては、上記透水量を満たすものであれば、構成材料、種類等は特に限定されるものではないが、市販されている製品として、例えば、セメダイン(社)製のプライマーMP2000、MP3000等が挙げられる。
更に、パネル目地構造体20では、パネル1は目地も含めて仕上げ材によって覆い隠されており、平面意匠を長期にわたって形成することを目的とした所定の仕上げ処理が施されていてもよい。
以下、パネル目地構造体20の施工方法において目地を形成する各ステップについて説明する。
図6~図9は、目地を形成する各ステップを説明する断面図である。
まず、複数の軽量気泡コンクリートパネル1を建物躯体(例えば、梁)Wの所定位置に取り付ける。このとき、パネル1の長手方向小口には本実加工2が施されており、隣り合うパネル1のオス凸部2bとメス凹部2aとを嵌合させて取り付けられる。また、図6(a)に示すように、パネル1同士の突き合わせ部1bに目地が形成される。目地に沿って凹部10が形成される。
なお、以下の説明において、軽量気泡コンクリートパネル1は、厚さ100mmのものを用いた場合を例として挙げて説明しており、目地凹部10の深さ(シーリングポケット深さ)に応じてシーリング材やバックアップ材の厚さを設定しているが、これらの例に限定されるものではなく、軽量気泡コンクリートパネル1として厚さ125mm、厚さ150mmのものを用いる場合、目地凹部10の深さ(シーリングポケット深さ)に応じて、シーリング材の厚さ、バックアップ材の厚さ、を適宜調整することができる。
本実施形態において、凹部10の深さ(面取り部は含まない)は、例えば、24mm以上31mm以下であり、凹部10の底面の幅は5mm~15mm程度である。
ステップ(1):図6(b)に示すように、目地に沿って形成される凹部(目地凹部)10の底面に絶縁材11を配置する。凹部10は、複数枚の軽量気泡コンクリートパネル同士を突き合わせることによって形成される目地に沿って設けられ、軽量気泡コンクリートパネルで目地底が形成される。
絶縁材11は、第1のシーリング材13がパネル1の目地底(凹部10の底面)と接着し固着することを防止することを主な目的としている。
特に、絶縁材11は、第1のシーリング材13とパネル1の目地底とを接着させない部材であることが重要であり、シーリング材の材質に合わせて適宜選択でき、例えばボンドブレーカー(別名「絶縁テープ」)、あるいは、バックアップ材を用いることができる。バックアップ材は通水性を備えていてもよい。これにより、シーリング材が切れた隙間から目地に水が浸入した場合、通水性を有するバックアップ材を通して、水を外部に排出することができる。
これにより、ステップ(3)で、第1のプライマー層12を介して絶縁材11の上に充填する第1のシーリング材13は、凹部10の両側面での2面接着状態となり、地震時等のパネル1の挙動を阻害しない。
なお、絶縁材11において、ボンドブレーカーを用いる場合は、ポリウレタン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系、シリコーン系、変成シリコーン系などの中から、シーリング材の材質に合わせたものを使用する。絶縁材11としてバックアップ材を用いる場合は、ポリエチレン系発泡体等を使用する。また、絶縁材11は、底面への配置しやすさの点から、部材の片面(凹部10の底面に接する面)は粘着性を有することが好ましい。
絶縁材11としてバックアップ材を用いる場合、その形状としては特に限定されるものではなく、丸棒状、丸棒半割状、中空の丸棒状、角棒状のものを適宜選択して用いることができる。また、絶縁材11の形状は、平板状のものであってもよい。絶縁材11を平板状とすることで、層構成の全体の厚さを薄くすることができる。
本実施形態においては、絶縁材11の厚さ(凹部10の深さ方向における寸法)を0.1~10mm程度に設定している。
ステップ(2):図7(c)に示すように、絶縁材11が配された凹部10の内表面に第1のプライマー層12を形成する。
第1のプライマー層12は、絶縁材11が配された凹部10の内表面、すなわち、絶縁材11の表面及び凹部10の内側面に形成する。
プライマー剤の塗布量は、絶縁材11や凹部10の内表面を薄く覆う程度で充分であり、例えば50~200g/m程度が適当である。
ステップ(3):図7(d)に示すように、第1のプライマー層12が形成された凹部10に第1のシーリング材13を充填する。
第1のシーリング材13は、ALC目地への適合、例えば、水密性、気密性、追随性、付着性などを考慮して選択される。
本実施形態では、第1のシーリング材13として、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、ポリウレタン系、シリコーン系、ポリイソブチレン系、又は変成シリコーン系といった各種の材料を用いることができるが、ノンブリード系であると好ましい。ノンブリード系シーリング材を用いた場合には、黒ずみやベタツキといったブリード現象が生じることを抑制できる。
ペースト状のシーリング材は、シーリングガン等を用いて凹部10に打設される。
本実施形態においては、第1のシーリング材13の厚さを10~12mm程度に設定している。第1のシーリング材13の厚みは、第2のシーリング材16の厚みと略同じまたはそれ以上であることが好ましい。
第1のシーリング材13の充填後、第1のシーリング材13を養生させる。養生期間としては、24時間以上とするのが好ましい。
ステップ(4):図8(e)に示すように、第1のシーリング材13が配された凹部10にバックアップ材14を配置する。
バックアップ材14は、不定形のシーリング材を支える支持材であり、第1のシーリング材13と第2のシーリング材16とを区画するセパレータでもある。
バックアップ材14は、凹部10の幅寸法と略同一の幅寸法を有し、定形性を有する部材である。バックアップ材14は、第1のシーリング材13および第2のシーリング材16の変形に影響しないように、柔軟かつ薄肉に形成するとよい。
バックアップ材14の形状としては特に限定されるものではなく、丸棒状、丸棒半割状、中空の丸棒状、角棒状のものを適宜選択して用いることができる。また、バックアップ材14の形状は、平板状のものであってもよい。バックアップ材14を平板状とすることで、層構成の全体の厚さを薄くすることができる。
バックアップ材14は、通常使用されるポリエチレン系発泡体等の材料や不燃性の無機繊維材料等によって構成することができる。また、バックアップ材14として、ボンドブレーカーも用いることができる。
バックアップ材14を、通気性又は通水性の材料で形成した場合、バックアップ材14に、排水路としての機能も付与することができる。すなわち、シーリング材が切れた隙間から目地に水が浸入した場合、通水性を有するバックアップ材14を通して、水を外部に排出することができる。
また、上記バックアップ材14は、非通気性又は非通水性の材料で形成することもできる。これにより、第2のシーリング材16の気密性及び水密性が破られたときに、空気又は水から第1のシーリング材13を保護する機能が発揮される。
本実施形態においては、バックアップ材14の厚さを0.1~10mm程度に設定している。
ステップ(5):図8(f)に示すように、バックアップ材14が配された凹部10の内表面に第2のプライマー層15を形成する。
第2のプライマー層15は、バックアップ材14が配された凹部10の内表面、すなわち、バックアップ材14の表面及び凹部10の内側面に形成する。
凹部10の内側面には第1のプライマー層12が形成されており、第2のプライマー層15は第1のプライマー層12上に形成される。すなわち、凹部10の内側面においては、プライマー層は二重に形成されることになる。
二重シール構造のパネル目地構造体においては、施工時においてプライマー層も2層に形成されるため、厚塗りとなり、一般的な一重シール構造の目地よりも防水信頼性を優れたものとすることができる。
ステップ(6):図9(g)に示すように、第2のプライマー層15が形成された凹部10に第2のシーリング材16を充填する。
バックアップ材14の上面に、第2のプライマー層15を介して第2のシーリング材16を充填する構成とすれば、第2のシーリング材16が凹部10の側面に隙間なく密着するため、目地の気密性及び防水信頼性を一層向上させることができると共に、建物の外観の意匠性をも向上させることができる。
ペースト状の不定形シーリング材は、シーリングガン等を用いて凹部10に打設され、その後、へら等を用いてその表面を加圧することでバックアップ材14の表面側に密実に充填されると同時に表面が平滑に仕上げられることとなる。
第2のシーリング材16としては、上述した第1のシーリング材13と同様の材料を用いることができる。
第2のシーリング材16は、第1のシーリング材13よりも耐久性が高いことが好ましい。これにより、目地の気密性及び防水信頼性をより優れたものとすることができる。
ここで、「シーリング材の耐久性」とは、シーリング材が用いられる環境下で、長期間にわたってその性能を保持し続ける程度をいう。具体的には、建物外壁といった風雨や温度変化に曝される環境下においても、割れや剥がれ等がなく、目地の優れた気密性及び防水信頼性を長期間にわたって維持できる性能をいう。
第2のシーリング材16を、第1のシーリング材13よりも耐久性を高くするためには、例えば、第2のシーリング材16の材料として、第1のシーリング材13を構成する材料よりもJIS A5758(2016)の4.2に規定される耐久性区分において上位であるものを用いる方法、または、同じ材料を用いる場合、第2のシーリング材16を、第1のシーリング材13よりも厚く形成する方法が挙げられる。
本実施形態においては、第2のシーリング材16の厚さを8mm~12mm程度に設定している。
なお、図に示す例では、第2のシーリング材16は、凹部10まで(面取り5の下部まで)充填した場合を示しているが、これに限定されず、第2のシーリング材16を、面取り5の部分まで、すなわち、パネル1の表面まで充填してもよい。
第2のシーリング材16の充填後、第2のシーリング材16を養生させる。
ステップ(7):必要に応じて、乾燥硬化後の第2のシーリング材16およびパネル1の表面に仕上げ材(図示略)を塗布してもよい。
例えば、第2のシーリング材16の表面を含むパネル1の表面に仕上げ材を塗布し、例えば、23℃の外気温の場合に、24時間以上養生させて仕上げる。
仕上げ材は、ALCパネルの表面塗装に用いられる塗装材を広く用いることができる。ここで言う塗装材とは、JIS A 6909(2021)に規定される、複層仕上塗材、および、薄付仕上塗材、および、厚付仕上塗材を示す。
以上の各ステップを実行することで図3に示すような目地を有するパネル目地構造体20が形成される。
特に、パネル製造工場等においてパネルに防水剤をプレ塗装する場合、施工の手間と補修要素が発生するため、本発明では、従来の施工工程に含まれるプライマー剤自体に防水性をもたせた。
これにより、本発明のパネル目地構造体の施工方法では、二重シーリング目地部分の防水性、気密性に優れたパネル目地構造体を、工数を増やすことなく施工することができる。
なお、上述した実施形態では、凹部10内に絶縁材11を配置した後、第1のプライマー層12を形成していたが、さらに、絶縁材11を配置する前に、凹部10内にプライマー剤を塗布してもよい。その結果、接着表面の安定化が確保でき、絶縁材11の劣化を抑えることができて好適である。また、目地底における防水性、気密性をさらに優れたものとすることができる。
また、上述した実施形態では、第1のシーリング材13および第2のシーリング材16として、ペースト状のシーリング材を用いた場合を例に挙げて説明したが、定形の乾式のシーリング材を用いてもよい。
このような定形の乾式のシーリング材は、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、パーフロロゴム等のゴム材質から構成される。
第1のシーリング材13および第2のシーリング材16の両方を定形の乾式シーリング材としてもよいし、どちらか一方のみを定形の乾式シーリング材にしてもよい。特に、ペースト状のシーリング材を用いた場合、第1のシーリング材13の厚み制御は難しいため、第1のシーリング材13を定形の乾式シーリング材とすることで、施工精度を向上させることができる。
第1のシーリング材13および/または第2のシーリング材16として、定形の乾式のシーリング材を用いる場合には、シーリング材充填後の養生は省略することができる。
上述した実施形態では、軽量気泡コンクリートパネル1として厚さ100mmのものを用いた場合を例に挙げて説明したが、軽量気泡コンクリートパネル1として厚さ125mm、厚さ150mmのものを用いる場合、上述したA,B,Cの寸法も適宜変更される。
例えば、厚さ125mmの軽量気泡コンクリートパネル1を用いる場合、図5中Aで示される、切り欠き部3の深さは、31mm以上35mm以下であり、図5中Bで示される、凸部4の頂面の長さは、5mm以上10mm以下であり、面取り5の寸法(C寸法)は、1.5mm以上4.5mmであることが好ましい。
また、厚さ150mmの軽量気泡コンクリートパネル1を用いる場合、図5中Aで示される、切り欠き部3の深さは、31mm以上35mm以下であり、図5中Bで示される、凸部4の頂面の長さは、9.5mm以上10mm以下であり、面取り5の寸法(C寸法)は、1.5mm以上4.5mmであることが好ましい。
図10は、パネル目地構造体の他のパネル突き合わせ部分を拡大して示す断面図である。
さらに、本実施形態のパネル目地構造体20では、凹部(目地凹部)10が設けられた側とは反対側の面、すなわちパネル目地構造体20が外壁とされた場合に屋内側となる面には、パネル1同士の突き合わせ部によって形成される断面三角形状の凹部17が設けられており、この凹部17にもシーリング材18が充填されていてもよい。凹部17は、例えば、パネル1の角部に形成された面取り部同士が突き合わされることによって形成される。
パネル目地構造体20の屋外側の面と屋内側の面との両方にシーリング材が充填されていることで、パネル目地構造体の突き合わせ部分の気密性及び防水信頼性をさらに優れたものとすることができる。
なお、上記のように、パネル目地構造体20の屋外側の面と屋内側の面との両方にシーリング材を充填する場合、屋外側の目地は、上述したような二重シール構造でなくてもよく、従来通り一重シール構造であってもよい。屋外側の目地と屋内側の目地とを合わせて二重シール構造となっていることで、気密性及び防水信頼性を優れたものとすることができる。
特に、屋外側の目地が、上述した二重シール構造であると、気密性及び防水信頼性をさらに優れたものとすることができるため、なお好ましい。
なお、上述した実施形態では、パネル目地構造体(壁パネル構造体)20として縦壁構法のパネル目地構造体20A(20)を例に挙げて説明したが、本発明は、横壁構法のパネル構造体についても適用可能である。
図11は、本実施形態に係るパネル目地構造体(壁パネル構造体)20B(20)の一構成例を示す縦断面図である。パネルは、パネルの長手方向が略水平となるように配置された横壁パネルである。
上記と同じように、パネル1の内部には、アンカー鋼棒21およびOナット22が係合して埋設されている。ボルト24を用いてOナット22と螺合することにより、イナズマプレート27がパネル1に取り付けられる。そして、建物躯体(柱など)Wに下地取付用金物28を介して固定された定規アングル25に、パネル1に取り付けられたイナズマプレート27を、溶接などにより固定することにより、パネル1が定規アングル25を介して建物躯体Wに取り付けられる。
パネル1同士が突き合わされた境界には目地が形成される。
このようなパネル目地構造体20B(20)においても、目地部分を上述したような二重シーリング構造とすることで、防水信頼性が高く、気密性および施工性に優れたものとなる。
また、図12は、本発明の他の実施形態に係るパネル目地構造体(壁パネル構造体)20C(20)の一構成例を示す縦断面図である。図13は、パネル目地構造体の目地部分を拡大して示す断面図である。パネルは、パネルの長手方向が略水平となるように配置された横壁パネルである。
上述した実施形態では、パネル同士の突合せ面となる長手方向小口面の中央部全長にわたり本実加工(凹凸加工)および目地凹部用切り欠き加工が施されていたが、本形態のパネル目地構造体(壁パネル構造体)20C(20)では、パネル同士の突合せ面となる短手方向小口面には、上記のような本実加工および目地凹部用切り欠き加工は施されずフラットとされている。
パネル1同士が突き合わされた境界には目地が形成される。
そして、隣接するパネル1の隙間に、底部絶縁材19が配されることによって目地凹部10aが形成される。言い換えると、底部絶縁材19が目地底となり、底部絶縁材19と、隣接するパネル1の対向する小口面とによって、目地凹部10aが形成される。
底部絶縁材19には、上述したようなバックアップ材14と同様のものや、耐火目地材を用いることができる。
耐火目地材としては、例えば、JASS21 ALCパネル工事に記載のロックウール保温板または高温断熱ウール等を用いることができる。
そして、本実施形態に係るパネル目地構造体20C(20)では、凹部(目地凹部)10aの目地底を形成する底部絶縁材19の上に、該凹部10aの奥側から順に設けられた、第1のプライマー層12、第1のシーリング材13、バックアップ材14、第2のプライマー層15および第2のシーリング材16を有する。なお、図12、図13では、第1のプライマー層12、第2のプライマー層15の図示は省略している。
このようなパネル目地構造体20C(20)においても、目地部分を上述したような二重シーリング構造とすることで、防水信頼性が高く、気密性および施工性に優れたものとなる。
このような、パネル目地構造体20C(20)は、例えば、
(i)複数枚の軽量気泡コンクリートパネル1同士を突き合わせることによって形成される目地に目地底となる底部絶縁材19を配して目地凹部10aを形成するステップと、
(ii)底部絶縁材19が配された目地凹部10aの内表面に第1のプライマー層12、第1のシーリング材13、バックアップ材14、第2のプライマー層15、第2のシーリング材16を順に充填するステップと、を備えた方法により施工される。
ところで、外壁に、例えば窓などの開口部が存在する場合、図14に示すように、開口部の上下に位置するパネル1には、開口補強用のアングル材30が配されることがある。
その場合、パネル1の小口には、アングル材30が当たる部分に、アングル材用切り欠き部6が形成される。
このようなパネル1においても、二重シーリングが可能な目地深さを確保することができ、該パネルを用いたパネル目地構造体20は、防水信頼性が高く、気密性および施工性に優れたものとなる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、上述してきた本発明のパネル目地構造体についての技術的思想は、パネル目地構造体を備えた建物についても及ぶものとする。
特に、高層の建物においては、高層部分では風速が大きく、外壁への風圧力や風荷重も大きいものとなる。そのため、雨による水圧も大きくなり、目地部分から浸水しやすくなる。このような状況から、高層階の目地においては、より高い防水信頼性が必要とされる。このような建物の高層部分において本発明のパネル目地構造体を適用することで、上述したような効果がより顕著に発揮されるものとなる。
本発明によるパネル目地構造体を用いることで、二重シーリングが可能で防水信頼性が高く、気密性および施工性に優れたものとなり、例えば、建物の外壁用のパネル目地構造体として広く利用することができる。
1 :軽量気泡コンクリートパネル
1a :主面
1b :突き合わせ部
2 :本実加工
2a :メス凹部
2b :オス凸部
2c :間隙
3 :切り欠き部
4 :凸部
5 :面取り
6 :アングル材用切り欠き部
7 :凸部
10 :凹部
10a:凹部
11 :絶縁材
12 :第1のプライマー層
13 :第1のシーリング材
14 :バックアップ材
15 :第2のプライマー層
16 :第2のシーリング材
17 :凹部
18 :シーリング材
19 :底部絶縁材
20 :パネル目地構造体
21 :アンカー鋼棒
22 :Oナット
23 :自重受け金具
24 :ボルト
25 :定規アングル
26 :目地受けプレート
27 :イナズマプレート
28 :下地取付用金物
30 :アングル材
W :建物躯体

Claims (10)

  1. 軽量気泡コンクリートパネルを複数枚備え、隣り合う前記軽量気泡コンクリートパネル同士の突き合わせによって目地が形成され、該目地に沿って設けられた目地凹部の目地底は軽量気泡コンクリートパネルまたは底部絶縁材で形成され、
    前記軽量気泡コンクリートパネルで形成された前記目地底の上に設けられた絶縁材、または前記底部絶縁材の上に、前記目地凹部の奥側から順に設けられた、第1のプライマー層、第1のシーリング材、バックアップ材、第2のプライマー層および第2のシーリング材を有するパネル目地構造体であって、
    前記目地凹部において、少なくとも前記第1のプライマー層が、基板に軽量気泡コンクリートを用いたJIS A 6909の透水試験A法に準拠して測定された透水量が10mm以下であるプライマー剤から構成されることを特徴とするパネル目地構造体。
  2. 前記第2のプライマー層が、基板に軽量気泡コンクリートを用いたJIS A 6909の透水試験A法に準拠して測定された透水量が10mm以下であるプライマー剤から構成される、請求項1に記載のパネル目地構造体。
  3. 前記目地凹部の内側面にも、前記第1のプライマー層及び前記第2のプライマー層と連続して、前記プライマー剤から構成されるプライマー層が形成されている、請求項1に記載のパネル目地構造体。
  4. 前記第1のシーリング材よりも前記第2のシーリング材の方が耐久性が高い、請求項1に記載のパネル目地構造体。
  5. 前記軽量気泡コンクリートパネルの前記目地凹部が設けられた側とは反対側の面においても、目地に沿って凹部が設けられており、該凹部にもシーリング材が充填されている、請求項1に記載のパネル目地構造体。
  6. 前記軽量気泡コンクリートパネルは、矩形状をなし、少なくとも1辺の小口に沿って凹部が形成されている、厚さ98mm~152mmの軽量気泡コンクリートパネルであって、
    前記凹部が設けられた側において、少なくとも一方の主面側に形成された目地用切り欠き部を有し、該切り欠き部の深さをA[mm]とし、前記凹部と、前記切り欠き部との間に形成される凸部の頂面の長さをB[mm]としたときに、前記Aが24mm以上35mm以下であり、前記Bが5mm以上13.5mm以下である、請求項1に記載のパネル目地構造体。
  7. 前記軽量気泡コンクリートパネルにおいて、前記切り欠き部の前記主面側端部に面取りが施されており、該面取りの寸法C[mm]が1.5mm以上4.5mm以下である、請求項6に記載のパネル目地構造体。
  8. 前記軽量気泡コンクリートパネルにおいて、対向する2辺の一方の辺に前記凹部が形成され、前記凹部は本実加工のメス凹部である、請求項6に記載のパネル目地構造体。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のパネル目地構造体を備えた建物。
  10. (1)複数枚の軽量気泡コンクリートパネル同士を突き合わせることによって形成される目地に沿って設けられ、軽量気泡コンクリートパネルで目地底が形成される目地凹部の底面に絶縁材を配置する、または、前記目地に目地底となる底部絶縁材を配して目地凹部を形成するステップと、
    (2)前記絶縁材または前記底部絶縁材が配された前記目地凹部の内表面に第1のプライマー層を形成するステップと、
    (3)前記第1のプライマー層が形成された前記目地凹部に第1のシーリング材を充填するステップと、
    (4)前記第1のシーリング材が配された前記目地凹部にバックアップ材を配置するステップと、
    (5)前記バックアップ材が配された前記目地凹部の内表面に第2のプライマー層を形成するステップと、
    (6)前記第2のプライマー層が形成された前記目地凹部に第2のシーリング材を充填するステップと、を順に備え、
    少なくとも前記第1のプライマー層として、基板に軽量気泡コンクリートを用いたJIS A 6909の透水試験A法に準拠して測定された透水量が10mm以下であるプライマー剤を用いることを特徴とするパネル目地構造体の施工方法。
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