JP2024048899A - 筒形防振装置 - Google Patents

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恭宣 安田
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Abstract

【課題】アウタ筒部材をホルダに対して容易に取り付けて、安定した取付け状態を実現することが可能となる、新規な構造の筒形防振装置を提供する。【解決手段】筒形防振装置10であって、アウタ筒部材14は、装着用孔60に圧入される筒状部20と、筒状部20の軸方向一方の端部において外周へ突出して装着用孔60の軸方向一方の開口端面に重ね合わされる複数のフランジ状部26,26と、筒状部20の軸方向他方の端部において外周へ突出して装着用孔60の軸方向他方の開口端面に係止される複数の引掛部28,28とを備えて、引掛部28,28が本体ゴム弾性体16を軸方向に貫通する複数のすぐり孔38,38に対して周方向で対応する位置に設けられており、フランジ状部26,26が引掛部28,28とは周方向の異なる位置に設けられており、フランジ状部26,26における装着用孔60の開口端面への重ね合わせ面には付勢ゴム54が固着されている。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のエンジンマウント等に適用される筒形防振装置に関するものである。
従来から、自動車のエンジンマウントやサブフレームマウント、サスペンションブッシュ等として、筒形防振装置が採用されている。筒形防振装置は、例えば、実開平5-077637号公報(特許文献1)等に開示されているように、インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結された構造を有している。
実開平5-077637号公報
ところで、従来のアウタ筒部材は金属製であったが、筒形防振装置の軽量化等を目的として、アウタ筒部材の合成樹脂化が検討されている。特許文献1においても、合成樹脂製のアウタ筒部材が例示されている。
ところが、装着用孔に対して圧入固定されるアウタ筒部材を合成樹脂によって形成しようとすると、長期間にわたって圧入固定力が作用することによって、アウタ筒部材が塑性変形して、アウタ筒部材の装着用孔に対する圧入固定力が低下するおそれがあった。
そこで、特許文献1では、アウタ筒部材が装着用孔に圧入固定された状態において、アウタ筒部材の下端部に設けられたフランジが装着用孔の下端面に重ね合わされると共に、アウタ筒部材の上端部に設けられた係止突部が装着用孔の上側の開口端面に軸方向で係止される構造が提案されている。これによれば、合成樹脂製のアウタ筒部材の塑性変形(へたり)によってアウタ筒部材の装着用孔からの抜けに対する抗力が低下しても、アウタ筒部材が装着用孔から抜けるのを防ぐことができる。
しかしながら、特許文献1の構造では、係止突部が装着用孔を通過し難いことが考えられ、係止突部が装着用孔の内周を通過する際の抵抗について更なる改善の余地があった。また、特許文献1の構造では、フランジと係止突部との軸方向間の距離に製造上の寸法誤差や経時的なへたりによる寸法誤差等があると、係止突部が装着用孔の開口端面に対して有効に係止されず、アウタ筒部材の装着用孔に対する位置決めが不十分になることも考えられた。
本発明の解決課題は、アウタ筒部材を装着用孔に対して容易に挿入可能とされて、安定した取付け状態を実現することができる、新規な構造の筒形防振装置を提供することにある。
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
第一の態様は、インナ軸部材と合成樹脂製のアウタ筒部材とが本体ゴム弾性体で連結された筒形防振装置であって、前記アウタ筒部材は、装着用孔に挿入される筒状部と、該筒状部の軸方向一方の端部において外周へ突出して該装着用孔の軸方向一方の開口端面に重ね合わされるフランジ状部と、該筒状部の軸方向他方の端部において外周へ突出して該装着用孔の軸方向他方の開口端面に係止される引掛部とを、備えており、前記本体ゴム弾性体には軸方向に貫通する複数のすぐり孔が設けられて、該引掛部の複数が周方向において該すぐり孔と対応する位置に設けられており、複数の該フランジ状部が該引掛部とは周方向の異なる位置に設けられており、該フランジ状部における該装着用孔の開口端面への重ね合わせ面には付勢ゴムが固着されているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、装着用孔に挿入される筒状部の軸方向両端部分にフランジ状部と引掛部の各一方が設けられており、装着用孔の一方の開口端面に対してフランジ状部が重ね合わされ、装着用孔の他方の開口端面に対して引掛部が軸方向で係止されることによって、合成樹脂製のアウタ筒部材を装着用孔を備えた取付対象に安定して取り付けることができる。特に、フランジ状部における装着用孔の開口端面への重ね合わせ面に固着された付勢ゴムの弾性によって、引掛部が装着用孔の他方の開口端面に押し当てられて係止されることから、アウタ筒部材の装着用孔への取付け態様が安定して、寸法誤差等に起因するがたつき等を生じ難い。
引掛部が周方向においてすぐり孔と対応する位置に配置されていることから、アウタ筒部材における引掛部の形成部分がすぐり孔によって内周側への変形を許容され易くなっており、引掛部が装着用孔を通過し易く、アウタ筒部材の装着用孔への取付け作業が容易になる。また、フランジ状部が引掛部とは周方向の異なる部位に配置されており、アウタ筒部材におけるフランジ状部の形成部分は、すぐり孔によって変形が許容され難く、安定した形状に保持されることから、アウタ筒部材の装着用孔に対する軸方向位置が装着用孔の開口端面との当接によって適切に規定される。
第二の態様は、第一の態様に記載された筒形防振装置において、前記フランジ状部の前記付勢ゴムの固着面と反対側の面は、周方向の両端部分がゴムで覆われずに露出した押圧面とされているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、アウタ筒部材を装着用孔に挿入する際に、フランジ状部の押圧面に治具等で軸方向の挿入力を及ぼすことができる。特に、押圧面がゴムで覆われずに露出していることから、ゴムの弾性変形による力の伝達率の低下が回避されて、軸方向の挿入力をアウタ筒部材へ効率的に及ぼすことができる。
第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された筒形防振装置において、前記引掛部が設けられた前記筒状部の軸方向他方の端部は、全周に亘って厚肉とされた挿入先端部とされているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、アウタ筒部材の引掛部が装着用孔を通過する際に、装着用孔の内周面に対する引掛部の摺接によって筒状部の軸方向他方の端部が内周側へ押し込まれて変形しても、当該筒状部の軸方向他方の端部が厚肉の挿入先端部とされていることによって、挿入先端部の変形による損傷が防止される。挿入先端部は、アウタ筒部材における引掛部の形成部分だけでなく全周に連続して設けられていることから、全周に亘って損傷の防止が図られる。
第四の態様は、第一~第三の何れか1つの態様に記載された筒形防振装置において、一対の前記すぐり孔が前記インナ軸部材の径方向両側に設けられて、それら一対のすぐり孔の外周側に一対の前記引掛部が設けられており、前記本体ゴム弾性体には、該一対のすぐり孔の周方向間を延びる一対のゴム腕が形成されて、それら一対のゴム腕の外周側に一対の前記フランジ状部が設けられているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、一対のすぐり孔の間でインナ軸部材から外周へ延びる一対のゴム腕によってインナ軸部材とアウタ筒部材が連結されていることから、一対のすぐり孔が形成された径方向と、それに直交する径方向である一対のゴム腕の延伸方向とのばね比を大きく設定することが可能となる。
一対のすぐり孔の外周側にそれぞれ引掛部が設けられていることによって、装着用孔に挿通される際の各引掛部の内周側への変形がすぐり孔によって許容されると共に、径方向両側の引掛部が装着用孔の他方の開口端面に係止されることによって、アウタ筒部材の装着用孔に対する軸方向の抜けが有効に防止される。
一対のゴム腕の外周側にそれぞれフランジ状部が設けられていることによって、アウタ筒部材におけるフランジ状部の形成部分がゴム腕によって変形を制限されており、フランジ状部が装着用孔の開口端面に当接することによって、アウタ筒部材の装着用孔に対する安定した位置決めが実現される。
第五の態様は、第一~第四の何れか1つの態様に記載された筒形防振装置において、前記引掛部の周方向両側には、薄肉とされた変形許容部が設けられているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、薄肉とされた変形許容部の変形によって、引掛部が装着用孔を通過する際に引掛部の内周側への変位が容易に許容されることから、アウタ筒部材の装着用孔への挿入抵抗が低減されて、アウタ筒部材を装着用孔に取り付けやすくなる。また、引掛部に対する周方向の両側部分には、引掛部が装着用孔の内周面に押し当てられることによる応力の集中が発生し易いが、当該部分を薄肉の変形許容部とすることによって応力が緩和されて、アウタ筒部材の損傷が回避される。また、引掛部の周方向両側が変形許容部によって周方向に連続していることから、装着用孔を通過する際に引掛部に作用する弾性を調節し易く、例えば、引掛部が装着用孔を通過した後に初期位置へ復帰するための弾性を十分に得ることができて、引掛部が装着用孔の開口端面に安定して係止される。
本発明によれば、アウタ筒部材を装着用孔に対して容易に挿入可能とされて、安定した取付け状態を実現することができる。
本発明の第一の実施形態としての筒形防振装置を示す正面図 図1に示す筒形防振装置の背面図 図1に示す筒形防振装置の底面図 図1に示す筒形防振装置の右側面図 図1のV-V断面図 図1のVI-VI断面図 図1に示す筒形防振装置を構成するアウタ筒部材の正面図 図1に示すアウタ筒部材の底面図 図1に示すアウタ筒部材の右側面図 図1に示す筒形防振装置を装着用孔への取付け状態で示す断面図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1~図6には、本発明の第一の実施形態としての筒形防振装置10が示されている。筒形防振装置10は、インナ軸部材12とアウタ筒部材14が本体ゴム弾性体16で連結された構造を有している。以下の説明において、原則として、上下方向とは図1中の上下方向を、左右方向とは図1中の左右方向を、前後方向とは図2中の上下方向を、それぞれ言う。
インナ軸部材12は、厚肉小径の略円筒形状とされている。インナ軸部材12は、例えば鉄などの金属で形成されている。インナ軸部材12は、軸方向に貫通するボルト挿通孔18を備えており、ボルト挿通孔18に挿通される図示しない取付ボルトによって、図示しないパワーユニット等の取付対象に固定される。本実施形態のインナ軸部材12は、略円筒形状とされているが、例えば、略多角筒形の外周面を有していてもよいし、略長円筒形の外周面や内周面を有していてもよい。
アウタ筒部材14は、合成樹脂製とされており、例えばポリアミド等によって形成されている。アウタ筒部材14は、図7~図9にも示すように、薄肉大径の略円筒形状を呈する筒状部20を備えている。筒状部20の軸方向後端部の外周面は、後方へ向けて小径となる挿入ガイド面22とされている。
筒状部20における軸方向の後端部分は、他の部分よりも内径寸法が小さくされることで厚肉化された挿入先端部24とされている。挿入先端部24は、前端部分において内径寸法が後方へ向けて徐々に小さくなっており、他の部分では内径寸法が略一定とされている。挿入先端部24は、外周面が挿入ガイド面22で構成された後端では、筒状部20における挿入先端部24を外れた部分よりも薄肉の部分があるが、少なくとも挿入ガイド面22よりも前方では筒状部20における挿入先端部24を外れた部分よりも厚肉とされている。
アウタ筒部材14における筒状部20の軸方向一方の端部(前端部)には、一対のフランジ状部26,26が設けられている。また、筒状部20の軸方向他方の端部(後端部)には、一対の引掛部28,28が設けられている。
フランジ状部26は、軸直角方向に広がる板状とされており、筒状部20の軸方向一方の端部から外周へ向けて突出しており、周方向に半周より短い長さで延びている。フランジ状部26は、筒状部20から外周への突出寸法が周方向で略一定とされている。フランジ状部26の周方向端面は、径方向に広がっている。本実施形態では、左右方向の両側に一対のフランジ状部26,26が形成されている。
引掛部28は、略直角三角形断面で周方向に延びており、筒状部20の軸方向他方の端部から外周へ向けて突出している。引掛部28は、前面が軸直角方向に広がる係止面30とされており、外周面が後方へ向けて内周へ傾斜するテーパ状の挿入ガイド面31によって構成されている。引掛部28は、挿入先端部24で構成された筒状部20の後端部分に設けられている。本実施形態では、上下方向の両側に一対の引掛部28,28が形成されている。
一対のフランジ状部26,26と一対の引掛部28,28は、図7~図9に示すように、軸方向の投影において重ならない周方向で相互に異なる位置に配置されている。本実施形態では、一対のフランジ状部26,26の周方向端と一対の引掛部28,28の周方向端とが、周方向で相互に離れて位置している。引掛部28の筒状部20から外周への突出寸法は、周方向において略一定とされている。図7に示すように、引掛部28の筒状部20から外周への最大突出寸法は、フランジ状部26の筒状部20から外周への突出寸法よりも小さい。
引掛部28の周方向両側には、変形許容部32がそれぞれ形成されている。変形許容部32は、図8,図9に示すように、筒状部20の外周面に開口して軸方向で筒状部20の後端まで延びる凹溝34の底面によって構成されており、径方向の厚さ寸法が筒状部20の他の部位よりも小さくされている。変形許容部32は、径方向で薄肉とされていることによって変形剛性が小さくされており、2つの変形許容部32,32の周方向間に設けられた引掛部28が変形許容部32,32の変形によって内周側への変位を許容されている。また、引掛部28,28の周方向間は、変形許容部32,32によって部分的に薄肉とされているが、周方向で環状に連続しており、切込み等によって分断されていない。なお、変形許容部32は、挿入先端部24の前端よりも後方に設けられて、変形許容部32の前方には挿入先端部24による厚肉部分が形成されていることが望ましい。
図1~図6に示すように、アウタ筒部材14の内周にインナ軸部材12が挿入されて、それらインナ軸部材12とアウタ筒部材14の径方向間に本体ゴム弾性体16が形成されている。本体ゴム弾性体16は、全体として円筒状とされており、内周面がインナ軸部材12の外周面に加硫接着されていると共に、外周面がアウタ筒部材14の内周面に加硫接着されている。
本体ゴム弾性体16には、周方向に環状に延びるすぐり溝36が、軸方向の両端面に開口してそれぞれ形成されている。本体ゴム弾性体16には、軸方向に貫通する一対のすぐり孔38,38が形成されている。すぐり孔38は、インナ軸部材12に対して上下方向の両側に形成されており、左右方向に延びて、左右両端がインナ軸部材12よりも左右方向の外側まで達している。すぐり孔38,38は、何れも周方向において半周よりも短い長さとされており、インナ軸部材12の中心に対して上下方向の両側へ外れた位置に形成されている。
一対のすぐり孔38,38の上下両外側には、アウタ筒部材14の引掛部28がそれぞれ配されている。換言すれば、一対の引掛部28,28の内周側において本体ゴム弾性体16に一対のすぐり孔38,38が形成されている。このように、一対の引掛部28,28と一対のすぐり孔38,38は、周方向において相互に対応する位置に配置されている。すぐり孔38の左右方向の長さは、引掛部28の左右方向の長さよりも長くされており、すぐり孔38の左右端部が引掛部28よりも左右外側まで達している。
本体ゴム弾性体16における一対のすぐり孔38,38の上下間には、左右方向に延びてインナ軸部材12とアウタ筒部材14とを左右方向で連結する一対のゴム腕40,40が形成されている。一対のゴム腕40,40は、インナ軸部材12の外周面に固着される内周筒部42と、アウタ筒部材14の内周面に固着される外周筒部44とを、左右方向で相互に連結するように設けられている。これにより、インナ軸部材12の左右両側において、インナ軸部材12とアウタ筒部材14が一対のゴム腕40,40によって左右方向で連結されている。一対のゴム腕40,40は、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の連結方向となる左右方向で直列的に配置されており、連結方向に延びる弾性主軸がインナ軸部材12からアウタ筒部材14に向けて左右方向の両側へ延びている。
一対のゴム腕40,40は、一対のフランジ状部26,26に対して周方向で位置決めされており、一対のフランジ状部26,26が一対のゴム腕40,40の外周側に配置されている。ゴム腕40の外周端の周方向長さは、フランジ状部26の周方向長さよりも短くされており、フランジ状部26の周方向端部がゴム腕40よりも周方向外側まで達している。ゴム腕40の軸方向端面は、すぐり溝36の底面で構成されており、内周筒部42と外周筒部44がゴム腕40の軸方向端面よりも軸方向に突出している。一対のゴム腕40,40は、図5に示すように、挿入先端部24よりも軸方向内側に位置しており、挿入先端部24の内周にはすぐり溝36が位置している。
本体ゴム弾性体16における一対のすぐり孔38,38よりも上下外側には、アウタ筒部材14からインナ軸部材12に向けて上下内側へ突出する一対のストッパゴム46,46が形成されており、インナ軸部材12とアウタ筒部材14との上下方向での相対変位量が、ストッパゴム46とインナ軸部材12との当接によって制限される。一対のストッパゴム46,46は、一対の引掛部28,28と周方向で位置決めされており、一対の引掛部28,28の内周側に配置されている。
アウタ筒部材14のフランジ状部26は、本体ゴム弾性体16と一体形成された被覆ゴム48で覆われている。被覆ゴム48は、フランジ状部26の前面を覆う前面被覆ゴム50と、フランジ状部26の外周面を覆う外周被覆ゴム52と、フランジ状部26の後面を覆う付勢ゴムとしての後面被覆ゴム54とによって構成されている。被覆ゴム48は、フランジ状部26の周方向の中間部分に設けられており、フランジ状部26の周方向端までは達しておらず、フランジ状部26の周方向の両端部分が被覆ゴム48で覆われることなく露出している。そして、フランジ状部26の周方向両端部分の前面は、被覆ゴム48で覆われることなく露出した押圧面56とされている。本実施形態では、被覆ゴム48を構成する前面被覆ゴム50と外周被覆ゴム52と後面被覆ゴム54とが相互に同じ周方向長さとされており、フランジ状部26の周方向両端部分が前面だけでなく外周面と後面においても露出している。
本実施形態では、図1に示すように、フランジ状部26の周方向長さL1が引掛部28の周方向長さL2よりも長くされている(L2<L1)。また、付勢ゴムを含む被覆ゴム48の周方向長さL3は、フランジ状部26の周方向長さL1よりも短く、且つ引掛部28の周方向長さL2よりも長くされている(L2<L3<L1)。
かくの如き構造とされた筒形防振装置10は、図10に示すように、取付対象58の装着用孔60に挿入されて、アウタ筒部材14が取付対象58に固定される。取付対象58は、軸方向他方の端部(後端部)の上下両側部分に後方へ開口して径方向に貫通する溝状の切欠き62,62が形成されており、切欠き62,62の形成部分において周方向の他の部分よりも軸方向長さが短くされている。
アウタ筒部材14は、引掛部28,28が設けられた軸方向後端部から装着用孔60に挿入されて、フランジ状部26,26が装着用孔60の軸方向一方の開口端面(前方開口端面64)に後面被覆ゴム54を介した当接状態で重ね合わされると共に、引掛部28,28が切欠き62,62の内面で構成された装着用孔60の軸方向他方の開口端面(後方開口端面66)に対して軸方向で係止される。これらにより、フランジ状部26,26と引掛部28,28が装着用孔60の各一方の開口端面に対して軸方向の各一方側で係止されて、アウタ筒部材14が装着用孔60に対して軸方向の両側において位置決めされており、アウタ筒部材14の装着用孔60からの軸方向の抜けが防止されている。アウタ筒部材14の筒状部20は、装着用孔60の内周面に押し当てられた状態で圧入されていてもよいし、装着用孔60の内周面に対して押し当てられることなく接していてもよい。
装着用孔60の前側の開口部分は、前方へ向けて拡径するテーパ状の案内面68を備えている。そして、アウタ筒部材14の筒状部20を装着用孔60へ挿入する際に、筒状部20の挿入ガイド面22及び引掛部28,28の挿入ガイド面31が、装着用孔60の案内面68に重ね合わされることによって、アウタ筒部材14が装着用孔60に対して径方向で位置合わせされる。それゆえ、アウタ筒部材14の装着用孔60に対する挿入が容易になる。
また、アウタ筒部材14の引掛部28,28が装着用孔60を通過する際に、引掛部28,28が装着用孔60の内周面に摺接して内周側へ押し込まれることから、アウタ筒部材14の装着用孔への挿入に対する抵抗力が作用する。例えば、被覆ゴム48から露出したフランジ状部26の押圧面56を治具等によって軸方向に押すことにより、被覆ゴム48による力の伝達率の低下等を防いで、挿入時の抵抗力に抗してアウタ筒部材14を装着用孔60に挿入する挿入力を、アウタ筒部材14に対して効率的に及ぼすことができる。
引掛部28,28の内周側には、すぐり孔38,38が配置されていることから、引掛部28,28の内周への変位がすぐり孔38,38によって許容され易くなっている。それゆえ、引掛部28,28が装着用孔60を通過し易く、アウタ筒部材14の装着用孔60への装着作業が容易になる。
アウタ筒部材14における筒状部20の前端部分に全周に亘ってフランジ状部が設けられていると、当該フランジ状部の形成による筒状部20の変形剛性が過度に大きくなって、引掛部28,28が装着用孔60を通過し難くなる。そこで、筒形防振装置10は、周方向で相互に離隔した一対のフランジ状部26,26が設けられていると共に、それらフランジ状部26,26とは周方向の異なる位置に一対の引掛部28,28が設けられている。これにより、筒状部20におけるフランジ状部26,26による補強作用が及び難い部分に引掛部28,28が配置されており、装着用孔60を通過する際に引掛部28,28の内周側への変位がより許容され易くなっている。
引掛部28,28が装着用孔60の内周面に摺接することによって、筒状部20の後端部分は少なくとも引掛部28,28が設けられた部分において内周側へ変形する。本実施形態では、筒状部20の後端部分が厚肉の挿入先端部24とされていることから、筒状部20の後端部分は、引掛部28が内周側へ押し込まれることで変形しても、亀裂等の損傷を生じ難い。また、挿入先端部24は、周方向における引掛部28,28が設けられた部分だけでなく、全周に亘って連続して設けられていることから、環状の挿入先端部24によって筒状部20の後端部分の変形剛性が十分に確保されて、筒状部20の過度な変形による損傷が回避される。
引掛部28の周方向両側には、それぞれ薄肉とされた変形許容部32が設けられており、装着用孔60の内周面への摺接による引掛部28の内周側への変位が、変形剛性が比較的に小さくされた変形許容部32の変形によって許容されている。それゆえ、引掛部28と装着用孔60の内周面との摺接によって作用する抵抗力が抑制されてアウタ筒部材14の装着用孔60への挿入作業が容易になると共に、引掛部28の内周への変位によって筒状部20の後端部分に過剰に大きな応力が作用するのが防止されて、筒状部20の損傷がより回避され易くなる。
引掛部28は、筒状部20から軸方向に突出することなく、筒状部20の後端部分において外周へ突出するように設けられている。それゆえ、引掛部28を備えたアウタ筒部材14を簡単な金型構造で形成することができると共に、引掛部28の折れ等の損傷が発生し難い。
本実施形態では、フランジ状部26の後面が後面被覆ゴム54で覆われており、アウタ筒部材14が装着用孔60に取り付けられた状態において、後面被覆ゴム54がフランジ状部26と装着用孔60の前方開口端面64との間で軸方向に圧縮されている。これにより、装着用孔60に挿入されたアウタ筒部材14には、後面被覆ゴム54の弾性に基づく前方へ向けた付勢力が作用しており、引掛部28,28が当該付勢力によって装着用孔60の後方開口端面66に押し当てられている。換言すれば、装着用孔60の長さ(前方開口端面64から後方開口端面66までの軸方向距離)と、アウタ筒部材14におけるフランジ状部26の後面と引掛部28の係止面30との軸方向距離との誤差が、後面被覆ゴム54によって許容されている。それゆえ、アウタ筒部材14が装着用孔60に対して軸方向で精度よく位置決めされており、アウタ筒部材14のがたつき等が防止される。
フランジ状部26,26の内周側には、ゴム腕40,40が配置されていることから、フランジ状部26,26の形成部分において筒状部20の変形がゴム腕40,40によって制限されており、フランジ状部26が装着用孔60の前方開口端面64に対して安定して重ね合わされる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態において筒状部20の後端部分に設けられていた厚肉の挿入先端部24は必須ではない。
前記実施形態のフランジ状部26は、周方向両端部分において前面と後面の両方がゴムで覆われることなく露出しているが、例えば、フランジ状部26の周方向両端部分は、前面において露出して押圧面56を構成しながら、後面は後面被覆ゴム54で覆われることによって後面被覆ゴム54が圧縮される面積を大きく確保することもできる。
本体ゴム弾性体16は、3つ以上のすぐり孔38が形成されていてもよい。この場合には、各すぐり孔38に対応する位置に引掛部28が形成されることにより、周方向に3つ以上の引掛部28が形成され得る。また、それらすぐり孔38を周方向で外れた位置に3つ以上のゴム腕40が形成されることから、それらゴム腕40の外周側に3つ以上のフランジ状部26が形成され得る。
10 筒形防振装置(第一の実施形態)
12 インナ軸部材
14 アウタ筒部材
16 本体ゴム弾性体
18 ボルト挿通孔
20 筒状部
22 挿入ガイド面
24 挿入先端部
26 フランジ状部
28 引掛部
30 係止面
31 挿入ガイド面
32 変形許容部
34 凹溝
36 すぐり溝
38 すぐり孔
40 ゴム腕
42 内周筒部
44 外周筒部
46 ストッパゴム
48 被覆ゴム
50 前面被覆ゴム
52 外周被覆ゴム
54 後面被覆ゴム(付勢ゴム)
56 押圧面
58 取付対象
60 装着用孔
62 切欠き
64 前方開口端面(軸方向一方の開口端面)
66 後方開口端面(軸方向他方の開口端面)
68 案内面

Claims (5)

  1. インナ軸部材と合成樹脂製のアウタ筒部材とが本体ゴム弾性体で連結された筒形防振装置であって、
    前記アウタ筒部材は、装着用孔に挿入される筒状部と、該筒状部の軸方向一方の端部において外周へ突出して該装着用孔の軸方向一方の開口端面に重ね合わされるフランジ状部と、該筒状部の軸方向他方の端部において外周へ突出して該装着用孔の軸方向他方の開口端面に係止される引掛部とを、備えており、
    前記本体ゴム弾性体には軸方向に貫通する複数のすぐり孔が設けられて、該引掛部の複数が周方向において該すぐり孔と対応する位置に設けられており、
    複数の該フランジ状部が該引掛部とは周方向の異なる位置に設けられており、
    該フランジ状部における該装着用孔の開口端面への重ね合わせ面には付勢ゴムが固着されている筒形防振装置。
  2. 前記フランジ状部の前記付勢ゴムの固着面と反対側の面は、周方向の両端部分がゴムで覆われずに露出した押圧面とされている請求項1に記載の筒形防振装置。
  3. 前記引掛部が設けられた前記筒状部の軸方向他方の端部は、全周に亘って厚肉とされた挿入先端部とされている請求項1又は2に記載の筒形防振装置。
  4. 一対の前記すぐり孔が前記インナ軸部材の径方向両側に設けられて、それら一対のすぐり孔の外周側に一対の前記引掛部が設けられており、
    前記本体ゴム弾性体には、該一対のすぐり孔の周方向間を延びる一対のゴム腕が形成されて、それら一対のゴム腕の外周側に一対の前記フランジ状部が設けられている請求項1又は2に記載の筒形防振装置。
  5. 前記引掛部の周方向両側には、薄肉とされた変形許容部が設けられている請求項1又は2に記載の筒形防振装置。
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