JP2024048535A - 遮光体および空気処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造性が良い遮光体および空気処理装置を提供する。【解決手段】遮光体61は、遮光部71と、側面部72,73と、を備える。遮光部71は、所定の角度の頂点部74を有し、所定の並設方向aに沿って頂点部74が同じ向きで互いに対向するように複数配設される。側面部72,73は、一の遮光部71の頂点部74に沿った幅方向bの一端側と並設方向aの一方に対向する遮光部71の一端側との間を連結するとともに、一の遮光部71の頂点部74に沿った幅方向の他端側と並設方向aの他方に対向する遮光部71の他端側との間を連結し、複数の遮光部71の一端側と他端側を互い違いに連結する。【選択図】図9

Description

本発明の実施形態は、遮光体および空気処理装置に関する。
従来、筐体内にファンおよび紫外線照射部が配設され、ファンの回転によって外部の空気を筐体内に循環させながら、筐体内を流通する空気に紫外線を照射して殺菌することで空気処理を行う空気処理装置がある。この空気処理装置では、筐体内に循環する空気が流通する吸気口や排気口などの通気口が設けられるため、この通気口から外部に紫外線が漏れないように、通気性と遮光性を兼ね備えた遮光体が用いられている。
遮光体には、金属板を所定の角度で折曲された頂点部を有する遮光部材を複数配設した構成が知られているが、部品点数が多く、製造性が煩雑になる。
特開2011-183126号公報 実開平6-43498号公報
本発明が解決しようとする課題は、製造性が良い遮光体および空気処理装置を提供することにある。
実施形態の遮光体は、遮光部と、側面部と、通気空間部と、を備える。遮光部は、所定の角度の頂点部を有し、所定の並設方向に沿って頂点部が同じ向きで互いに対向するように複数配設される。側面部は、一の遮光部の頂点部に沿った幅方向の一端側と並設方向の一方に対向する遮光部の一端側との間を連結するとともに、一の遮光部の頂点部に沿った幅方向の他端側と並設方向の他方に対向する遮光部の他端側との間を連結し、複数の遮光部の一端側と他端側を互い違いに連結する。
実施形態によれば、製造性が良いことが期待できる。
一実施形態を示す空気処理装置の斜視図である。 同上空気処理装置の分解斜視図である。 同上空気処理装置の空気処理ユニットの分解斜視図である。 同上空気処理装置の内部構造を示す正面図である。 同上空気処理装置の排気側ユニットの分解斜視図である。 同上排気側ユニットの斜視図である。 同上排気側ユニットの斜視図である。 同上排気側ユニットの底面図である。 同上排気側ユニットの遮光体の斜視図である。 同上排気側ユニットの遮光体の斜視図である。
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下の実施形態における空気処理装置は、空気処理装置の内部に流通する空気に対して、所定の手法により、殺菌、除菌、滅菌、減菌、脱臭、消臭のいずれかの処理を行う装置である。以下では、空気処理装置の処理としては殺菌処理として説明を行うが、殺菌処理は、除菌処理、滅菌処理、減菌処理、脱臭処理、消臭処理、などに置き換えて解釈可能である。また、ここでの所定の手法とは、光照射、光触媒などである。光照射は、UV-C領域、UV-B領域、UV-A領域、可視光領域、赤外領域などの波長の光を照射することをいう。光触媒は、空気処理装置の内部に配設された、酸化チタンなどの光触媒に光(紫外光や可視光)を照射することで生成される活性酵素やOHラジカルによって、空気中に浮遊する菌、ウイルス、においの元などの活動を抑制したり、水と二酸化炭素に分解したりすることをいう。
図1に、据置タイプの空気処理装置10の斜視図を示す。空気処理装置10は、筐体11と、例えば床面に対して筐体11を立位姿勢に支持する脚部材12と、を備える。筐体11は、前後方向の奥行よりも左右方向の幅が広く、前後および左右方向よりも上下方向の長さが長い縦型形状に形成される。
筐体11は、本体部14と、この本体部14の前面側に着脱可能に配設される前面パネル15と、を備える。筐体11の下端側に通気口である第1通気口16が設けられ、上端側に通気口である第2通気口17が設けられる。本実施形態では、第1通気口16は外部から筐体11の内部に空気を吸い込む吸込口、第2通気口17は筐体11の内部から空気を外部に排気する排気口とされる。本体部14の上面で第2通気口17の前側には、空気処理装置10を操作する操作部および動作状態などを表示する表示部を有する操作パネル部18が設けられる。なお、筐体11は、四角形筒状(略直方体形状)の四角形筐体や、円筒状(略円柱形状)の円筒形筐体に形成されていてもよい。
脚部材12は、例えば床面に配置され、筐体11を立位姿勢に支持する。脚部材12は、筐体11の下面の第1通気口16と床面との間に隙間を形成し、第1通気口16からの空気の吸い込みを可能とする。
図2に示すように、筐体11は、外郭をなす外部筐体20と、この外部筐体20内に配置されるように、外部筐体20によって覆われる内部筐体21と、を備える。
外部筐体20は、内部筐体21の左右両側に取り付けられる一対のサイドパネル23と、内部筐体21の背面側に取り付けられる背面カバー24と、内部筐体21(第2部材63)の上面側に取り付けられる上面カバー25と、内部筐体21の前面側に着脱可能に配置される前面パネル15と、を備える。サイドパネル23、背面カバー24、上面カバー25、および内部筐体21などで本体部14が構成され、この本体部14の前面側に前面パネル15が着脱可能に取り付けられる。上面カバー25の上面前側に操作パネル部18が配設され、上面後側には第2通気口17が形成される。第2通気口17には排気する空気の方向を例えば斜め前方とするように整流するルーバー26が配設される。そして、外部筐体20は、前面パネル15、サイドパネル23、背面カバー24および上面カバー25のいずれも樹脂材料で形成された樹脂筐体である。
図2および図3に示すように、内部筐体21は、上下方向に開口する反射筒28と、この反射筒28の左右両側に取り付けられる一対の側面フレーム29と、を備える。反射筒28は、前面反射板30と、左右両側の側面反射板31と、背面反射板32と、を備え、左右方向の幅が広い四角形筒状に形成される。両側の側面反射板31および背面反射板32は一体に折曲形成され、前面反射板30は別体で両側の側面反射板31に取り付けられた両側の側面フレーム29の前縁部に取り付けられる。そして、内部筐体21は、反射筒28の各反射板30、31、32および側面フレーム29のいずれも金属材料で形成された金属筐体である。なお、反射筒28は、両側の側面反射板31、背面反射板32、前面反射板30が一体に折曲形成される構造であってもよい。
反射筒28の下端側であって、両側の側面フレーム29の下端間には、内部筐体21の内部下端側に配設される第1ユニットである吸気側ユニット34が取り付けられ、また、反射筒28の上端側であって、両側の側面フレーム29の上端間には、内部筐体21の内部上端側に配設される第2ユニットである排気側ユニット35が取り付けられる。側面フレーム29のそれぞれの下端には、吸気側ユニット34を取り付ける下側取付部36が設けられ、また、側面フレーム29のそれぞれの上端には、排気側ユニット35を取り付ける上側取付部37が設けられる。一側の側面フレーム29にはファン用電源部38が取り付けられ、他側の側面フレーム29には光源用電源部39が取り付けられる。
そして、内部筐体21、吸気側ユニット34、排気側ユニット35および各電源部38,39によって、本体ユニットである空気処理ユニット40が構成される。空気処理ユニット40は、筐体11(外部筐体20)の内部に配設される。
また、図4に、空気処理装置10の内部構造を示す。
筐体11の下端側の第1通気口16に内部筐体21(反射筒28)の下端側が連通され、筐体11の上端側の第2通気口17に内部筐体21(反射筒28)の上端側が連通される。内部筐体21(反射筒28)の内部には、第1通気口16と第2通気口17との間で空気が流通する処理空間42が形成される。処理空間42は、空気が流通しその空気に紫外領域の光を照射する処理部43の領域と、第1通気口16側の第1処理開口44の領域と、第2通気口17側の第2処理開口45の領域と、を備える。第1処理間口44から処理部43に空気を吸気し、第2処理間口45から処理部43外に空気を排気する。第1処理間口44と、第2処理間口45と、は略平行に構成されることが好ましい。処理空間42は、前後面および左右面が紫外領域の光を反射する金属製の反射板30,31,32で囲まれて形成される。
また、図3および図4に示すように、吸気側ユニット34は、内部筐体21の下端側に取り付けられ、処理空間42の第1処理開口44に配設される。吸気側ユニット34は、第1遮光部である遮光装置50と、異物捕捉フィルタ51と、光触媒フィルタ52と、を備える。空気の流通方向の上流側から、遮光装置50、異物捕捉フィルタ51、光触媒フィルタ52の順に配設される。なお、空気の流通方向の上流側から、異物捕捉フィルタ51、遮光装置50、光触媒フィルタ52の順に配設されていてもよい。
遮光装置50は、上下面が開口された枠部54と、この枠部54の内側に上下面の開口に沿って複数配設された板状の遮光部材55と、を備える。枠部54は、金属材料で形成される。遮光部材55は、特に紫外線に対する耐光性が高く、紫外線や可視領域の光の反射率が低いものが好ましく、例えば、鉄、亜鉛メッキ鋼板、ステンレスのような金属、あるいはフッ化物樹脂、ABS樹脂などによって形成される。遮光部材55は、所定の角度に折曲された頂点部56と、この頂点部56から所定の角度の方向に向けて延びる一対の遮光板部57と、を有する断面略「く」の字形に形成される。
遮光装置50に隣接する遮光部材55は、上面視で、隣接する一方の遮光部材55の頂点部56または遮光板部57と隣接する他方の遮光部材55の遮光板部57または頂点部56とが重なり合うピッチに配置される。
遮光装置50の左右方向の中央を境とした左右の各領域に配設される遮光部材55は、頂点部56が互いに対向する向きとして同一間隔で複数配設される。これにより、遮光装置50の遮光部材55間を通じて処理部43に吸い込まれる空気が処理部43の左右方向に広がるように流れ、処理部43内を流通する空気が偏ることなく拡散されて流れる。なお、遮光部材55は、頂点部56が全て同じ向きとなるように配設されてもよく、あるいは頂点部56が前方向および後方向に向くように配設されてもよく、あるいは筐体11が円筒状や四角筒状などの筒状の場合には周方向に頂点部56が向くように円周上に配設されてもよい。
異物捕捉フィルタ51は、第1通気口16の略全体、もしくは、遮光装置50の枠部54の第1通気口16と対向する面を覆うように配置される。異物捕捉フィルタ51は、第1通気口16から空気とともに吸い込まれる塵埃や紙片などの異物を捕捉する。異物捕捉フィルタ51は、金属材料で網状の金網が用いられる。異物捕捉フィルタ51は、前面パネル15を外した本体部14の前面側から着脱可能とし、清掃や交換が可能となっている。なお、異物捕捉フィルタ51は、非金属であり、紫外線への耐光性が低い材料(例えば、樹脂、布材、紙材など)で形成されてもよいが、この場合には、遮光装置50よりも空気の流通方向の上流側に配置することで、紫外線の照射による劣化を防止して長期間使用することが可能となる。
光触媒フィルタ52は、通気孔が複数設けられた担持体に酸化チタンなどの光触媒が保持・塗布されて担持されており、排気側ユニット35に配設される光源部、もしくはこの光源部とは別の光源部から、少なくとも360nmから420nmのUV-Aの波長成分の紫外線もしくは可視光を受けることで、活性酵素とOHラジカルを生成し、生成された活性酵素やOHラジカルによって、空気中のにおい成分を分解して脱臭、消臭したり、ウイルスの活動を抑制したりする。光触媒フィルタ52は、前面パネル15を外した本体部14の前面側から着脱可能とし、清掃や交換が可能となっている。
例えば、異物捕捉フィルタ51と光触媒フィルタ52とは一体に組み合わせてフィルタユニットとして構成し、前面パネル15を外した本体部14の前面側から一体に着脱可能とする。遮光装置50の枠部54の左右両側には、このフィルタユニットを本体部14の前面側から着脱可能に保持するフィルタ保持部54aが配設される。
図2および図3に示すように、遮光装置50の枠部54には、吸気側ユニット34に装着された異物捕捉フィルタ51および光触媒フィルタ52を前面側から押える金属製の開閉扉58が開閉可能に取り付けられる。
次に、図2ないし図8に排気側ユニット35を示す。排気側ユニット35は、内部筐体21の上端側に取り付けられ、処理空間42の第2処理開口45側に配設される。排気側ユニット35は、光源部60と、第2遮光部である遮光体61と、この遮光体61を取り付けるとともに光源部60を絶縁状態に取り付けた取付部材62と、取付部材62上に配設された2台のファン63と、を備える。なお、ここでの絶縁状態とは、例えば、2つの部材間の絶縁抵抗が所定の値以上であったり、2つの部材間の距離が所定の距離以上であったり、2つの部材間に絶縁性部材が介在したり、することによって所定の絶縁規格や安全性規格を満たしていることをいう。そして、空気の流通方向の上流側から、光源部60、遮光体61、ファン63の順に配設される。
光源部60は、長尺状の基板65の前面の長手方向に沿ってLEDや有機EL、レーザーダイオードなどの発光素子66が1つないし複数実装された光源モジュールを備える。本実施形態においては、光源部60の光源モジュールは、2つ用いられ、取付部材62の下面側で前後方向に間隔を空けた2箇所に取り付けられ、遮光体61とは反対の下方の処理部43内に向けて紫外領域の光を照射する。なお、光源部60が備える光源モジュールは、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
基板65は、例えばアルミニウムなどの金属材料や、ガラスエポキシなどの樹脂材料や、例えば酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックスなどの無機材料で形成されたベース板を有し、ベース板が金属の場合はこのベース板の前面側に絶縁層が形成され、ベース板や絶縁層上に発光素子66を実装する複数のパッドやこれらパッドを直列または直並列に接続する配線部を含む配線パターンが形成される。
発光素子66には、空気を殺菌するためのピーク波長が300nm以下のUV-Cの波長成分の紫外線であって、好ましくは260~280nmの波長成分の紫外線を放射する第1LED(殺菌LED)と、光触媒フィルタ52に担持された光触媒を励起するための少なくとも360nmから420nmのUV-Aもしくは可視領域の波長成分の光を放射する第2LED(光触媒LED)と、が用いられる。第1LED(殺菌LED)が放射する光の波長は、第2LED(光触媒LED)が放射する光の波長よりも短い。UV-Cの発光素子66とUV-Aの発光素子66とは、基板65の長手方向に混合した状態で配置され、例えば交互に配置される。発光素子66は、光源用電源部39から所定の点灯電力が供給されて点灯する。なお、光源部60が2つ以上の光源モジュールを備える場合は、殺菌LEDのみを備える光源モジュールと、光触媒LEDのみを備える光源モジュールと、を備えていてもよい。また、空気処理装置10が、光源部60以外に、第2LED(光触媒LED)を備える構造の場合、光源部60は、第1LED(殺菌LED)のみを備える構成であってもよい。
基板65の背面側が放熱ブロック67にねじ止めされて取り付けられ、この放熱ブロック67を介して基板65が取付部材62に取り付けられている。放熱ブロック67は、アルミニウムなどの金属製で、基板65と略同じ長さおよび幅の角柱状に形成されている。放熱ブロック67は、取付部材62との間に絶縁部材68を介在し、この絶縁部材68を挿通して取付部材62に螺着されるねじ69により取り付けられている。
また、図9および図10に示すように、遮光体61は、例えばフッ化物樹脂やABS樹脂などの絶縁性を有する樹脂材料で、成形型を用いた射出成形で一体に形成されている。なお、遮光体61は、樹脂製に限らず、成形型で一体に成形可能であれば、例えばダイカスト製などでもよい。
遮光体61は、所定の並設方向(第1方向)aに複数配置される遮光部71と、一の遮光部71の並設方向aに対して交差する幅方向(第2方向)bの一端側と並設方向aの一方に対向する遮光部71の一端側との間を連結する一側の側面部72と、一の遮光部71の幅方向bの他端側と並設方向aの他方に対向する遮光部71の他端側との間を連結する他側の側面部73と、を備えている。したがって、遮光体61は、一側の側面部72と他側の側面部73とによって、複数の遮光部71の一端側と他端側が互い違いに連結されている。遮光部71および側面部72,73の板厚は略均一に形成されている。
遮光部71は、所定の角度に屈曲された頂点部74と、この頂点部74から所定の角度の方向に向けて延びる一対の遮光板部75と、を有する断面略「く」の字形に形成されている。複数の遮光部71は、並設方向aに沿って頂点部74が同じ向きで互いに対向するように複数配設されている。複数の遮光部71は、並設方向aおよび幅方向bに交差する上面視または下面視で、互いに対向する一方の遮光部71の頂点部74または遮光板部75と互いに対向する他方の遮光部71の遮光板部75または頂点部74とが重なり合うピッチに配設されている。つまり、複数の遮光部71は、上面側または下面側から互いに対向する遮光部71間を光が一直線上に通過することがないピッチに配設されている。
一側の側面部72は、遮光部71の頂点部74に沿った幅方向bの一端側に設けられ、一側からの側面視で略「く」の字形に形成されている。
他側の側面部73は、遮光部71の頂点部74に沿った幅方向この他端側に設けられ、他側からの側面視で略「く」の字形に形成されている。
複数の遮光部71間には、上下面が開口されるとともに、側面部72,73で閉塞される幅方向bの端部側に対して反対側の端部側が開口された通気空間部76が設けられている。通気空間部76は、遮光部71によって上下方向に略「く」の字形に形成されている。通気空間部76は、側面部72,73で閉塞される幅方向bの端部側に対して反対側の開口された端部側に向って並設方向aの遮光部71間の間隔が広がるように形成されている。そのため、遮光部71は、側面部72,73の側面に垂直な幅方向bに対して傾斜状に設けられ、その幅方向bに対して傾斜する傾斜角度は約1度となっている。遮光部71の傾斜角度が1度あれば、幅方向bに成形型を型抜きし、遮光体61を成形することが可能である。この傾斜角度は、1度よりも大きくてもよいが、大きくなると、側面部72,73で閉塞される幅方向bの端部側に対して反対側の開口された端部側におおける遮光部71間の間隔が広くなるため、この端部側において光が遮光されるようにするには、遮光部71の上下方向の寸法を大きくしなければならず、遮光体61が大形化してしまう。そのため、遮光部71の傾斜角度は、成形型で型抜きできる範囲で小さい方が好ましい。
各側面部72,73の位置は、成形時において、成形型内に溶融樹脂を射出する際のゲートの位置に対応されており、各側面部72,73の位置から各遮光部71の全域に亘って溶融樹脂を確実に行き渡らせて成形することができる。
遮光体61の側面部の外面には、取付部材62に取り付けるための複数の突起部77が突出されている。一側の側面部72と他側の側面部73とでは、突起部77の位置が異なっている。一側の側面部72では、並設方向aの端部側から2つ目の側面部72に設けられ、また、他側の側面部73では、並設方向aの端部側の1つ目の側面部73に設けられている。このように一側の側面部72と他側の側面部73とで突起部77の位置が異なっていることにより、取付部材62に対する遮光体61の取付方向を規定できる。
頂点部74が突出する頂点突出側である並設方向aの最も一端側の遮光部71には、側面部73が連結される端部側とは反対側の端部側に、側面部72と平行に壁部78が設けられている。壁部78は、遮光板部75から上下方向に突出されている。
頂点部74が突出する頂点突出側とは反対の非頂点突出側である並設方向aの最も他端側の遮光部71には、側面部73が連結される端部側とは反対側の端部側に、側面部72と平行に壁部79が設けられている。壁部79は、上下の遮光板部75間に設けられている。壁部79には、位置合わせ用の略三角形状の切欠き部80が設けられている。したがって、非頂点突出側である並設方向aの最も他端側に位置する遮光部71は、側面部73が連結される端部側と反対側の端部側とで異なる形状に設けられている。
なお、遮光体61は、紫外線を照射する光源部60の光照射方向に対して反対側に配設されており、遮光体61まで到達する紫外線量(例えば、単位時間あたりの紫外線強度)は、吸気側ユニット34の遮光装置50へ到達する紫外線量より小さいため、遮光装置50を構成する材料よりも紫外線に対する耐光性が低い材料で形成されていても劣化などの影響が抑制される。
また、図5ないし図8に示すように、取付部材62は、アルミニウムなどの金属板で形成されている。取付部材62は、遮光体61およびファン63が取り付けられる枠部82と、枠部82に対して光源部60を取り付ける複数の取付部83と、を備えている。枠部82の内側に遮光体61が取り付けられ、枠部82の上面にファン63が取り付けられている。
枠部82は、上面部84と、この上面部84の前後部から下方に折曲された前後の側面部85と、を備え、断面略「コ」の字形に形成されている。上面部84の長手方向である左右方向の両端から取付片部86が突出されている。両端の取付片部86が内部筐体21の左右方向の両端の上側取付部37上に配置されてねじ止めされることで、取付部材62が内部筐体21に取り付けられる。取付部材62は、内部筐体21の一部としても機能する。上面部84の上面には、2つのファン63が左右方向に並んで取り付けられる。上面部84には、各ファン63の取付位置に対応して、各ファン63に連通する2つの開口部87が左右方向に並んで設けられている。
枠部82の上面部84と前後の側面部85との内側間に、遮光体61が配置されて取り付けられる。前後の側面部85には、遮光体61の側面部72,73から突出する突起部77が嵌合する嵌合孔88が設けられている。突起部77が嵌合孔88に嵌合することで、遮光体61が取付部材62に位置決めされて取り付けられる。遮光体61の一側の側面部72と他側の側面部73とで突起部77の位置が異なるのに対応して、前後の側面部85で嵌合孔88の位置が異なっている。これにより、取付部材62に配置可能とする遮光体61の並設方向aの頂点突出側と非頂点突出側の向きが規定される。
遮光体61の非頂点突出側の端部に対応した前後の側面部85の各端部には、大きさの異なる位置合わせ用の切欠き部89a,89bが設けられている。前側の側面部85の切欠き部89aは、遮光体61の切欠き部80と同じ大きさで、一方、後側の側面部85の切欠き部89bは、遮光体61の切欠き部80よりも大きく設けられている。遮光体61が取付部材62に組み合わされる際に、遮光体61の切欠き部80と取付部材62の切欠き部89aとが一致する向きで組み合わせることにより、取付部材62に対する遮光体61の頂点突出側と非頂点突出側の向き、および、遮光体61の上下の向きを位置合わせすることができる。
取付部83は、前後の側面部85のそれぞれの下端側から、上面部84の下面に対向する領域であって、枠部82内に配置された遮光体61の下面側に対向する領域に突出するように複数個ずつ設けられている。前側の側面部85に設けられた複数の取付部83に、2つの光源部60のうちの一方の光源部60の基板65が放熱ブロック67を介して取り付けられ、また、後側の側面部85に設けられた複数の取付部83に、他方の光源部60の基板65が放熱ブロック67を介して取り付けられる。基板65および放熱ブロック67は、その長手方向が遮光体61の並設方向aに沿って配設されている。
少なくとも一部の取付部83は、枠部82に対して遮光体61の通気空間部76の間隔が狭い端部側に対向して設けられている。なお、全ての取付部83が、枠部82に対して遮光体61の通気空間部76の間隔が狭い端部側に対向して設けられてもよい。
また、ファン63は、排気ファンであり、軸流ファンが用いられている。ファン63は、軸方向に空気を送る羽根車91と、この羽根車91を回転させるモータ92と、このモータ92を支持し、羽根車91が配置される通風口93を有するフレーム94と、を備える。ファン63の羽根車91およびフレーム94は非金属の材料であって樹脂材料で形成される。ファン63は、羽根車91の回転軸を鉛直方向とし、羽根車91が上面視時計回り方向に回転することにより、筐体11の下端側の第1通気口16から外部の空気を処理部43に吸い込み、筐体11の上端側の第2通気口17から処理部43内の空気を外部に排気し、筐体11内の処理部43に外部からの空気を循環させる気流を発生させる。
ファン63は、通風口93が取付部材62の開口部87に連通するように取付部材62上に取り付けられる。ファン63は、ファン用電源部38から所定の動作電力が供給されて回転する。
なお、ファン63は、1台でもよく、あるいは3台以上用いてもよい。また、ファン63は、軸流ファンに限らず、遠心ファン、シロッコファンなどの他のファン形式のものを用いてもよい。
ここで、排気側ユニット35の組み立てについて説明する。
取付部材62の上面部84と側面部85と取付部83との間に、その端部側の開口から、遮光体61を挿入する。このとき、取付部材62の切欠き部89aと遮光体61の切欠き部80の位置を確認し、組み立てた際に一致する向きとすることにより、取付部材62に対する遮光体61の頂点突出側と非頂点突出側の向き、および、遮光体61の上下の向きを位置合わせすることができる。取付部材62に挿入する遮光体61の向きは、頂点部突出側から、または非頂点部突出側から、のいずれからでもよい。
取付部材62に遮光体61する際には、前後の側面部85の幅を広げながら挿入すると、突起部77の箇所も前後の側面部85間に挿入しやすくできる。取付部材62に対して所定の組立位置に遮光体61が挿入されると、前後の側面部85の嵌合孔88に遮光体61の両側の突起部77がそれぞれ嵌合し、取付部材62に遮光体61が位置決め保持される。
取付部材62に遮光体61する際、挿入方向の前側または後側の端部側の遮光部71は、一方の端部側のみが側面部73で支えられているが、側面部73に対して反対側の端部側に壁部78を設けて剛性を確保しているため、取付部材62に挿入しやすく、誤って破損してしまうのを防止できる。
取付部材62の取付部83に放熱ブロック67を絶縁状態に取り付け、この放熱ブロック67に光源部60の基板35を取り付ける。取付部材62の上面側にファン63を取り付ける。
そして、空気処理装置10の動作を説明する。
ファン63の回転により、外部の空気を筐体11の下端側の第1通気口16から遮光装置50、異物捕捉フィルタ51および光触媒フィルタ52を通じて処理空間42の処理部43に吸い込むとともに、処理部43内の空気を筐体11の上端側の遮光体61およびファン63を通じて上端側の第2通気口17から外部に排気し、処理部43内に外部からの空気が循環する。
光源部60の発光素子66が処理部43に向けて紫外領域の光を発光し、処理部43内を流通する空気に紫外領域の光を照射して殺菌する。紫外領域の光が照射された空気は、遮光体61を通じて上端側の第2通気口17から筐体11の外部に排気する。
また、吸気側ユニット34の遮光装置50では、複数の遮光部材55間の間隙を通じて、第1通気口16から外部の空気が処理部43に吸い込まれる。さらに、遮光装置50では、光触媒フィルタ52の開口領域、および異物捕捉フィルタ51を通過してくる紫外領域の光を遮光し、第1通気口16からの光漏れを防止する。遮光装置50では、断面略「く」の字形の遮光部材55を同一間隔で複数配設することで、通気性を確保しながら、隣り合う遮光部材55間を紫外線が一直線上に通過することを不可能とするため、第1通気口16からの光漏れを防止できる。
異物捕捉フィルタ51では、下端側の第1通気口16から空気とともに吸い込まれる塵埃や紙片などの異物を捕捉する。異物捕捉フィルタ51は、第1通気口16から光触媒フィルタ52へ到達するまでの空気の経路上に配設されることが好ましい。異物捕捉フィルタ51は、例えば、第1通気口16、遮光装置50との間に配設されたり、遮光装置50と、光触媒フィルタ52との間に配設されたりする。異物捕捉フィルタ51は、金属材料で形成されるため、遮光装置50よりも空気の流通方向の下流側に光触媒フィルタ52とともに配置しても、紫外領域の光の照射による劣化を防止できる。
光触媒フィルタ52では、光源部60から照射される少なくとも360nmから420nmのUV-Aの波長成分の紫外領域の光もしくは可視光が照射されることで、活性酵素とOHラジカルを生成し、生成された活性酵素やOHラジカルによって、空気中のにおい成分を分解して脱臭、消臭したり、ウイルスの活動を抑制したりする。
また、排気側ユニット35の遮光体61では、複数の遮光部71間の通気空間部76を通じて、処理部43内の空気がファン63に吸い込まれる。さらに、遮光体61では、処理部43内から向ってくる紫外領域の光を遮光し、第2通気口17からの光漏れを防止する。遮光体61では、断面略「く」の字形の遮光部71を複数配設することで、通気性を確保しながら、隣り合う遮光部71間を紫外線が一直線上に通過することを不可能とするため、第2通気口17からの光漏れを防止できる。
遮光体61は、紫外線を照射する光源部60の光照射方向に対して反対側に配設されており、遮光体61まで到達する紫外線量(例えば、単位時間あたりの紫外線強度)は、吸気側ユニット34の遮光装置50へ到達する紫外線量より小さいため、樹脂材料で形成されていても劣化などの影響が抑制される。
また、光源部60の点灯時、発光素子66が発生する熱は、基板65から放熱ブロック67に伝達され、さらに放熱ブロック67からねじ69を通じて取付部材62に伝達されて放熱される。さらに、光源部60、放熱ブロック67、取付部材62は、第2通気口17へ向けた処理部43からの空気の通気路中に配置されるため、各箇所に伝達される熱が空気中に効率的に放熱され、発光素子66の温度上昇が抑制され、発光素子66の出力維持および長寿命化が得られる。
以上のように、本実施形態の遮光体61は、一側の側面部72と他側の側面部73とによって、複数の遮光部71の一端側と他端側が互い違いに連結され、さらに、並設方向aに対向する遮光部71間の通気空間部76が、側面部72,73で閉塞される幅方向bの端部側に対して反対側の開口された端部側に向って並設方向aの遮光部71間の間隔が広がる構成であるため、遮光体61の幅方向bに型抜きする成形型で一体成形することが可能に構成となり、一体形の遮光体61を提供でき、部品点数を削減し、製造性を向上できる。
さらに、並設方向aの最も端部に位置する遮光部71で、側面部73が連結される端部側とは反対の端部側に壁部78,79を設けているため、端部の遮光部71の剛性を確保しているため、遮光部71の組立性をでき、誤って破損してしまうのを防止できる。
さらに、並設方向aの最も端部に位置する遮光部71で、側面部73が連結される端部側とは反対の端部側とは、異なる形状に設けられているため、遮光体61を取付部材62に取り付ける際に、向きを正しく位置合わせすることができる。
また、本実施形態の空気処理装置10では、成形型で一体に成形可能な遮光体61を用いるため、遮光体61を樹脂材料で形成して軽量化した場合、遮光体61が空気処理装置10の上部側に配置されていても、空気処理装置10の重心を低くでき、空気処理装置10の転倒などの虞を低減できる。加えて、吸気側ユニット34の遮光装置50を金属材料で構成することで、さらに空気処理装置10の重心を低くすることが期待できる。
さらに、光源部60は、遮光体61とは反対方向に向けて紫外領域の光を照射するため、遮光体61が樹脂材料で形成されていても、紫外領域の光の照射による劣化を防止できる。
さらに、取付部材62に遮光体61を配置し、取付部材62の複数の取付部83に光源部60を取り付けるが、少なくとも一部の取付部83は遮光体61の通気空間部76の間隔が狭い端部側に対向して設けられるため、空気の流れの影響を最小限に抑えながら、取付部83で光源部60を取り付けることができる。すなわち、通気空間部76の間隔が狭い端部側は、元々、空気の流れが抑制されやすいので、この端部側に取付部83を対向させることで、空気の流れの影響を最小限に抑えながら、取付部83で光源部60を取り付けることができる。
なお、筐体11の下端側の第1通気口16は吸気口、上端側の第2通気口17は排気口のまま、ファン63を吸気ファンとして下端側の第1通気口16側に配設してもよい。
また、筐体11の下端側の第1通気口16は排気口、上端側の第2通気口17は吸込口であってもよい。この場合、ファン63を逆回転させてもよいし、ファン63を第1通気口16側に配設してもよい。
また、ファン63は、遮光装置50と遮光体61の間の外側に配設することが好ましいが、ファン63を金属部品で構成し、遮光装置50と遮光体61の間の内側に配設してもよい。
また、空気処理装置10は、据置タイプに限らず、壁面取付タイプとしても使用できる。壁面取付タイプとする場合には、脚部材12が用いられず、代わりに第1通気口16に配設される通気カバーが用いられる。そして、壁面に取り付けられる壁面取付部材が別途用いられ、壁面に取り付けられた壁面取付部材に対して空気処理装置10の背面側が取り付けられる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 空気処理装置
11 筐体
60 光源部
61 遮光体
62 取付部材
63 ファン
71 遮光部
72,73 側面部
74 頂点部
76 通気空間部
78,79 壁部
82 枠部
83 取付部
a 並設方向
b 幅方向

Claims (6)

  1. 所定の角度の頂点部を有し、所定の並設方向に沿って前記頂点部が同じ向きで互いに対向するように複数配設される遮光部と;
    一の前記遮光部の前記頂点部に沿った幅方向の一端側と前記並設方向の一方に対向する前記遮光部の一端側との間を連結するとともに、一の前記遮光部の前記頂点部に沿った幅方向の他端側と前記並設方向の他方に対向する前記遮光部の他端側との間を連結し、複数の前記遮光部の一端側と他端側を互い違いに連結する側面部と;
    を備えることを特徴とする遮光体。
  2. 前記並設方向の最も端部に位置する前記遮光部で、前記側面部が連結される端部側とは反対側の端部側に、前記側面部と平行に設けられる壁部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の遮光体。
  3. 複数の前記遮光部間に設けられ、前記側面部で閉塞される幅方向の端部側に対して反対側の開口された端部側に向って前記遮光部間の間隔が広がる通気空間部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の遮光体。
  4. 筐体と;
    前記筐体内に外部の空気を循環させるファンと;
    前記筐体内で前記ファンによる空気の流通経路に配置される請求項1ないし3いずれか一記載の遮光体と;
    を備えることを特徴とする空気処理装置。
  5. 前記遮光体とは反対方向に向けて少なくとも紫外領域の光を照射する光源部を備える
    ことを特徴とする請求項4記載の空気処理装置。
  6. 前記遮光体が配置される枠部と、前記枠部に対して前記遮光体の前記遮光部間で前記側面部で閉塞される端部側に対向して設けられた取付部と、を有し、前記取付部に前記光源部が取り付けられる取付部材を備える
    ことを特徴とする請求項5記載の空気処理装置。
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