JP2024048116A - コケ類の着生装置、キット及びその利用 - Google Patents

コケ類の着生装置、キット及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】コケ類の保管が容易であるとともに、コケ類の着生を容易化できるコケ類の着生装置及びコケ類の着生キット並びにその利用を提供する。【解決手段】着生装置は、コケ類の着生材料組成物と噴射剤とを収容して着生材料組成物を噴射剤によって放出可能に構成された本体20と、コケ類の粒子を収容するカートリッジ10から粒子を本体から噴射剤によって放出される着生材料組成物に対して案内可能に構成された第1のスリーブ50と、を備える。この着生装置は、噴射剤によって着生材料組成物と粒子とを同時に放出可能に構成されている。【選択図】図1

Description

本明細書は、コケ類の着生装置、キット及びその利用に関する。
コケ類は、テラリウム、盆栽、苔玉、苔石、苔庭など、種々の形態で小規模に着生させた状態で鑑賞利用される場合がある。こうした用途のためのコケ類は、乾燥状態のコケ類、生のコケ類の他、例えば、商業的に入手可能なコケ類として、コケマットが提供されている(特許文献1)。使用者は、こうしたコケ類を、それぞれの目的に合った状態で鑑賞するために、コケ類の着生を行っている。
一方、細かく裁断したコケ類と水などとの混合物を電源やコンプレッサを伴うような大型のエアスプレー装置で石垣などに噴霧してコケ類を着生させた構造体を構築することも行われている(特許文献2)。
特開2001-98555号公報 特開2002-281820号公報
しかしながら、小規模鑑賞用に提供される生のコケ類を、コケ類の活性を維持しつつ一定期間保管することは必ずしも容易ではなく、枯死したり腐敗したりする場合もある。したがって、コケ類の購入者のみならず、流通や保管が容易ではない場合もあった。このため、コケ類を入手することは、他の植物の苗や種などとは異なり、概して容易ではない。
また、乾燥状態のコケ類は、保存安定性には優れるものの、着生させるには困難を伴うことが多い。さらに、小規模用に提供される各種コケ類を、土や粘土を含む着生対象の水平面に対して着生させることはある程度可能ではあるが、三次元的立体の外表面のうち側面などの略垂直方向に延在する面にコケ類を着生させることは概して容易ではない。
一方、大型のエアスプレー装置は、その場でコケ類と水とを混合して噴霧し、大面積に対してコケを着生させた構造物を得るものであり、そのまま小規模鑑賞用に適用することは困難である。
本明細書は、コケ類の保管が容易であるとともに、コケ類の着生を容易化できるコケ類の着生装置及びコケ類の着生キット並びにその利用を提供する。
本発明者らは、乾燥状態のコケ類を保存し、かつ、コケ類の着生操作の際には、コケ類とコケ類の着生に好適な着生材料と、を含有する混合物を用時調製するともに、調製と同時に着生対象に対して噴霧できる装置構成を見出した。本明細書によれば、以下の手段が提供される。
[1]コケ類の着生装置であって、
前記コケ類の着生材料組成物と噴射剤とを収容して前記着生材料組成物を前記噴射剤によって放出可能に構成された本体と、
前記コケ類の粒子を収容するカートリッジから前記粒子を前記本体から前記噴射剤によって放出される前記着生材料組成物に対して案内可能に構成された第1のスリーブと、
を備え、
前記噴射剤によって前記着生材料組成物と前記粒子とを同時に放出可能に構成されている、着生装置。
[2]前記第1のスリーブと、前記本体から放出される前記着生材料組成物を所定方向に案内可能に構成された第2のスリーブと、を備える、アタッチメントを、前記本体に対して着脱可能に備える、[1]の記載の着生装置。
[3]前記本体は、エアゾールスプレー装置である、[1]又は[2]に記載の着生装置。
[4]前記着生材料組成物は、水性媒体を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の着生装置。
[5]前記着生材料組成物は、土粒子を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の着生装置。
[6]前記着生材料組成物は、結着剤を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の着生装置。
[7]前記粒子は、その80質量%以上がASTM E11のNo.18のメッシュを篩過する、[1]~[6]のいずれかに記載の着生装置。
[8]コケ類の着生キットであって、
前記コケ類の粒子を収納するカートリッジと、
噴射剤と前記コケ類の着生材料組成物を収容し前記着生材料組成物を前記噴射剤によって放出可能に構成された本体と、
前記コケ類の粒子を収容するカートリッジから前記コケ類の粒子を前記着生材料組成物に対して案内可能に構成された第1のスリーブと、前記本体から前記噴射剤によって放出される前記着生材料組成物を所定方向に案内可能に構成された第2のスリーブと、を有するアタッチメントと、
を備え、
前記噴射剤によって前記着生材料組成物と前記コケ類の粒子とを同時に放出可能に構成されている、キット。
[9]コケ類の着生物の製造方法であって、
前記コケ類の粒子と、噴射剤と前記コケ類の着生材料組成物を収容し前記噴射剤によって前記着生材料組成物を放出可能に構成された本体と、をそれぞれ準備する工程と、
前記噴射剤によって前記着生材料組成物と前記コケ類の粒子とを同時に前記コケ類の着生対象物の表面に放出する工程と、
備える、製造方法。
本明細書に開示される着生装置を構成する要素と、コケ類の粒子を収容するカートリッジと、を示す図である。 着生装置にカートリッジを装着して、コケ類の着生操作が可能な状態を示す図である。 着生装置に備えるアタッチメントの内容物の落下を防止するシール機構を示す図である。
本明細書の開示は、コケ類の着生のための装置(以下、単に、着生装置ともいう。)、コケ類の着生のためのキット(以下、単に、着生キットともいう。)及びコケ着生物の製造方法(以下、単に、製造方法ともいう。)等に関する。この着生装置によれば、コケ類がカートリッジに収容されているため、コケ類を保存安定性よく保管することができる。この着生装置によれば、着生材料組成物をコケ類の粒子を伴わずに収容している。このため、着生材料組成物及び噴射剤の放出特性を、コケ類の粒子にかかわらず設定することができ、結果として、コケ類の粒子の放出特性の自由度が高くなっている。
また、この着生装置によれば、着生操作の際に、コケ類の粒子と着生材料組成物が、噴射剤のガス流で合流されて一挙に混合されるとともに着生装置から噴射剤のガス流によって放出される。このため、コケ類の粒子は、着生対象に対して付着及び固定しやくなっており、着生も促進されるようになっている。この結果、着生装置は、コケ類の優れた着生能を発揮することができる。
着生装置は、以上のとおり、保存安定性良くコケ類を保管でき、また、簡易に良好な着性能を発揮できる。また、このため、コケ類を植生として備える建築物や構造物などの大規模構造体の構築のために用いる植物細片の大型スプレー装置とは異なり、小規模鑑賞用のコケ類を簡易にかつ意図通りに着生させることができる。
本明細書において、コケ類とは、陸上植物であって非維管束植物であり、典型的には、コケ植物門に属し、例えば、蘚類、苔類、ツノゴケ類などに分類されることがある。コケ類の種類は特に限定されないが、例えば、ヒノキゴケ、ハイゴケ、ホソバオキナゴケ、タナゴケ(以上、蘚類に分類されることがある。)、ゼニゴケ、ジャゴケ、ムチゴケ(以上、苔類に分類されることがある。)、ツノゴケ(以上、ツノゴケ類)、ミズゴケ類、シラガゴケ類、スギゴケ類、ツルゴケ、ハイゴケ等が挙げられる。
本明細書において、コケ類の小規模鑑賞体とは、例えば、室内又は屋外において、テラリウム、盆栽、苔玉、苔石、苔灯籠などの種々の形態でコケ類を小規模に着生させた状態の着生体を意味することができる。
本明細書において、コケ類の着生対象物とは、特に限定するものではなく、公知の基材が挙げられる。典型的には、テラリウム、盆栽、苔玉、苔石、苔灯籠などにおいてコケ類が着生している部分又は全体が挙げられる。
以下、本明細書におけるコケ類の着生装置等に関する開示を、適宜図面を参照しながら、説明する。図1には、コケ類の着生装置100の一例であって、着生装置100の要素である本体20とアタッチメント40とともに、カートリッジ10を示し、図2には、要素を一体化した着生装置100とカートリッジ10とを示す。図1に示す着生装置100は、エアゾールとして着生材料組成物を放出するエアゾールタイプの着生装置である。また、図1に示す着生装置100を構成する本体20及びアタッチメント40と、カートリッジ10とは、コケ類の着生キット102を構成している。
(コケ類の着生装置)
図1に示すように、本明細書に開示されるコケ類の着生装置100は、噴射剤等を収容する本体20と、アタッチメント40と、を備えている。アタッチメント40で、カートリッジ10と本体20を一体化して着生装置100として用いる。以下、コケ類の粒子について説明し、次いで、カートリッジ10、本体20及びアタッチメント40について説明する。
(コケ類の粒子)
コケ類の粒子とは、コケ類の一部をそのまま若しくはコケ類の全体又はその一部を細断若しくは破砕するなどして小サイズ化したものであって、形状及びサイズは特に限定されないが、本体から噴射剤によって放出可能なサイズ及び形状であればよい。コケ類の粒子は、例えば、コケ類の胞子又はその一部であってもよいし、無性芽又はその一部であってもよいし、葉や茎の一部であってもよい。コケ類の粒子の形状は、細断又は破砕されるコケ類の部分やその細断方法等によっても異なるが、例えば、不定形であり、また例えば、扁平な薄片であり、また例えば、球状であり、また例えば、繊維状であり、また例えば、棒状等である。
コケ類の粒子は、最大径が、例えば、2.0mm以下、また例えば、1.5mm以下、また例えば、1.2mm以下、また例えば1.0mm以下であることが、放出性、付着性、固着性及び/又は生着性等の観点から好ましい場合がある。こうしたコケ類の粒子を得るためには、例えば、制御しようとする最大径近傍のメッシュサイズ(目開き)のふるいを用いてコケ類の粒子を篩過することができる。ふるいとしては、例えば、ASTMNo.10(メッシュサイズ2mm)、同No.12(同1.7mm)、同No.14(同1.4mm)、同No.16(同1.18mm)又は同No.18(メッシュサイズ1mm)でコケ類の細断物などを篩過することができる。また、こうしたメッシュの篩過率は、例えば、60質量%以上であり、また例えば、70質量%以上であり、また例えば、80質量%以上であり、また例えば、90質量%以上であり、また例えば、95質量%以上であり、また例えば、99質量%以上などとすることができる。
(カートリッジ)
カートリッジ10は、コケ類の粒子を収容することができる。カートリッジ10は、例えば、カートリッジ本体12とキャップ14とを備えている。カートリッジ本体12は、コケ類の粒子を収容できるキャビティを有する容器であって、その形状は特に限定されないが、例えば、図1等に示すように、細長い筒状などとすることができる。
カートリッジ本体12には、例えば、コケ類の粒子を湿気から守って保管するために、水密性のシールが可能なキャップ14を備えることができる。キャップ14は、特に限定するものではないが、例えば、螺合によって、カートリッジ本体12を開閉できるように構成されている。
こうしたカートリッジ10は、その容量は、例えば、10ml以上40ml以下、また例えば、10ml以上30ml以下などとすることができる。特に限定するものではないが、例えば、プラスチックや金属などで形成されている。
(本体)
本体20は、噴射剤とコケ類の着生材料組成物を充填可能なキャビティを備える容器部22と、噴射剤とともに着生材料組成物を放出可能な放出機構30と、を備えている。図1に示す本体20は、エアゾールとして着生材料組成物を放出可能に形成されている。
容器部22は、例えば、エアゾール製品に用いられる耐圧容器とすることができる。例えば、その容量は、小規模コケ着生物の製造を意図する場合、その容量を、例えば、100mlml400ml以下、また例えば、100ml以上300ml以下、また例えば、100ml以上200ml以下などとすることができる。
噴射剤とは、圧縮ガス又は液化ガスである。こうした噴射剤としては、公知の圧縮ガス又は液化ガスを用いることができ、例えば、窒素、二酸化炭素などの圧縮ガス、LPGやジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(LPG)などの液化ガスなどが挙げられる。
着生材料組成物とは、コケ類を、その着生対象物に着生させることを促進するための材料を含むことができる。こうした材料としては、例えば、水性媒体、土系粒子、木質系粒子、結着剤及び保水材などのうち、1種又は2種以上を適宜組み合わせて含むことができる。
水性媒体としては、例えば、水、水と相溶する有機溶媒と水との混液等が挙げられる。水性媒体を着生材料組成物に含むことで、コケ類の粒子を活性化することができるからである。水性媒体のpHを特に限定するものではないが、例えば、pH5.5~7.5程度が好ましい場合がある。
土系粒子としては、特に限定するものではなく、コケ類の着生及び増殖に用いられる公知の土系の粒子を用いることができる。土系粒子を用いることで、水性媒体を保持して、着生対象物であるコケ類の着生環境をより好適なものにできる場合があるからである。例えば、土系粒子としては、赤玉土、鹿沼土、黒土などの無機系の土、砂又は石、及び乾燥泥等の粒子が挙げられる。また、土系粒子としては、ミズゴケ、腐葉土、堆肥、ピートモスなどの有機系の土の粒子が挙げられる。これらの土系粒子は、本体20から放出可能であればよいが、本体20からの放出性や着生対象物に対する付着性及び固着性等を考慮すると、最大径が、例えば1mm以下、また例えば、800μm以下、また例えば、500μm以下であることが好ましい場合がある。
木質系粒子は、木本類の植物体の木質部を細断又は粉砕した粒子である。木質系粒子も保水等の観点からコケ類粒子の着生環境を好適なものにすることができる場合がある。特に限定するものではなく、コケ類の着生及び増殖に用いられる公知の木質系粒子を用いることができる。木質系粒子は、例えば、木粉などが挙げられる。木質系粒子は、本体20から放出可能であればよいが、本体20からの放出性や着生対象物に対する付着性及び固着性等を考慮すると、最大径が、例えば1mm以下、また例えば、800μm以下、また例えば、500μm以下であることが好ましい場合がある。
結着剤は、コケ類の粒子相互及びコケ類の粒子と他の成分との結着並びに対象物への接着性を付与するために含まれることがある。こうした結着剤としては、特に限定するものではないが、例えば、酢酸ビニル系結着剤、アクリルエマルジョン結着剤、天然またはバイオ結着剤、天然ゴム結着剤、液体ポリウレタン結着剤、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン系結着剤、ポリビニルアルコール系結着剤、ポリビニルピロリドン系結着剤、クロロプレンゴムエマルジョン系結着剤などを適宜用いることができる。
また、着生材料としては、保水材を含むことができる。保水材を含有することで、コケ類粒子の発芽や育成に必要な水を保持して、優れた着生環境を形成できるようになる。保水材ととしては、特に限定しないが、例えば、公知の吸水性ポリマーなどが好ましい場合がある。こうした吸水性ポリマーとしては、例えば、デンプン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、コーンスターチ、アクリル酸樹脂等が挙げられる。
こうした各種の着生材料のうち、概して、水性媒体を少なくとも含むことが好ましい。また、概して、保水や着生対象物における養生(コケ類粒子の着生環境の確保)等の観点から、土系粒子及び/又は保水材料を用いることが好ましい。
その他、必要に応じて、着生材料として、金属粒子、セラミックス粒子、プラスチック粒子、コケ類の増殖を促進する作用のある増殖促進剤を含めることができる。また、栄養成分的な観点からの着生材料として、デンプンなどの多糖類、窒素、リン等が挙げられる。
着生材料組成物における各種の着生材料の含有量は、コケ類の種類や、着生対象物によって適宜設定される。
容器部22には、噴射剤と着生材料組成物とが、着生材料組成物をエアゾールとして噴霧可能に充填されている。容器部22の内部においては、通常、噴射剤と着生材料組成物とは、液体の混合相を形成しているとともに、噴射剤の一部がガス化して蒸気相を形成し混合相を加圧した状態となっている。噴射剤と着生材料組成物との混合比(質量)は特に限定するものではないが、例えば、2:8~8:2、また例えば、3:7~7:3、また例えば、6:4~4:6、また例えば、5:5などの範囲で適宜配合される。
放出機構30は、容器部22の上部開口に備えられている。放出機構30は、エアゾール製品において用いられている周知の構造を採ることができる。例えば、図1等に示すように、放出機構30は、容器部22の上部開口を封止するキャップ32と、作動部34と、内容物を放出するノズル36と、容器部22の上部開口から底部近傍にまで延在するチューブ(図示せず)と、このチューブに連結され作動部34の動作によって開閉するバルブ(図示せず)とを備えている。
作動部34は、例えば、図1に示すように、ボタン形式とすることができる。ボタン形式の作動部34の場合、霧又はジェット状に容器部22の内容物を噴射させることができる。この場合、ボタンを押し下げることで容器部22の内容物の放出動作を起動し、復元することにより放出動作を停止するようになっている。なお、作動部34は、ボタン形式に限定しないで、スパウト形式であってもよい。スパウト形式の場合、泡沫状に内容物を噴射させることができる。なお、作動部34の作動部分は、グリップ形式であってもよく、その場合には、霧状でも泡沫状でもいずれの噴出形態であってもよい。
図示しないチューブは、ノズル36に連通し、容器部22の内部の液体の混合相を吸引するようになっている。
放出機構30は、作動部34を押し下げてバルブを開放することで、噴射剤によって着生材料組成物がノズル36から放出されるように構成されている。すなわち、バルブが開放されることで、容器部22に充填されガス化して蒸気相を構成している噴射剤の圧力によって、チューブを介して液体の混合相が吸引されてノズル36に到達するともに、蒸気相の噴射剤も開放されたバルブを介してノズル36の方向に吸引される。この結果、噴射剤と着生材料組成物とがノズル36から外部に放出される。
図3に示すように、本体20には、着生装置100の非作動時にアタッチメント40の第1のスリーブ50内のコケ類の粒子などが開口52からの落下又は流下を抑制するシール機構38を備えることができる(図1、2には図示せず)。シール機構38は、着生装置100の非作動時においてノズル36にアタッチメント40の第1のスリーブ50が装着されたときの開口52を封止し、着生装置100の作動時には、開口52を開放可能に構成される。このため、シール機構38は、作動部34の非操作時には、開口52を封止し、作動部34の押し下げ時には、開口52を開放するように、作動部34の動作に連動するように構成されている。
シール機構38は、開口52を封止できる蓋部38aと、蓋部38aを開口52に配置させるためのブラケット38bと、を備える。蓋部38aは、特に限定するものではなく、開口52からのコケ類の粒子などの内容物の流下を抑制可能な程度に開口52を封止できるものであればよい。
ブラケット38bは、アタッチメント40の本体20への取り付け等を妨げないように形成される。例えば、図3に示すように、作動部34から延在されて、ノズル36及びアタッチメント40の第1のスリーブ50を囲むような枠状体に形成されている。
(アタッチメント)
アタッチメント40は、本体20に連結されてコケ類の着生のための着生装置100を構成する。アタッチメント40は、カートリッジ10と連結する第1のスリーブ50と、本体20と連結する第2のスリーブ70とを備えている。第1のスリーブ50と第2のスリーブ70とは、連結部60で連結され一体化されている。
第1のスリーブ50は、第2のスリーブ70の上方に連結部60を介して一体化されている。第1のスリーブ50は、カートリッジ本体12の内部と連通してコケ類の粒子を通過させ、粒子を所定方向、すなわち、本体20から放出される着生材料組成物に対して案内可能に構成されている。第1のスリーブ50は、図2に示すように、カートリッジ本体12の開口側を内部に挿通して固定可能な筒状に形成されている。例えば、第1のスリーブ50のカートリッジ本体12側は、カートリッジ本体12の開口を開閉するキャップ14を螺合するネジ部14aを螺合又は嵌合するように形成されていてもよい。
第1のスリーブ50のカートリッジ本体12の開口から遠位側には、粒子を排出可能な開口52を備えている。第1のスリーブ50は、カートリッジ本体12の取り付け側から先端側に徐々に小径となる先細りに形成されている。開口52は、その最もカートリッジ本体12から遠位の端部が開放されて形成されている。開口52の開口径は、特に限定するものではなく、コケ類の粒子のサイズ等に応じて適宜設定することができる。例えば、開口径は、1mm以上3mm以下であり、また例えば、1.5mm以上2.5mm以下であり、コケ類の粒子が通過可能に形成されている。
開口52は、カートリッジ本体12から供給されるコケ類の粒子を排出して、排出後に開口52の前方において本体20から噴射剤によって放出される着生材料組成物に合流させて混合して、噴射剤によって、コケ類の粒子と着生材料組成物とを一挙に放出可能に形成されている。例えば、図2に示すように、開口52は、第2のスリーブ70の開口72上方であって、開口72からの噴射剤等の放出軌跡上にコケ類の粒子を排出するように形成されている。より具体的には、開口52は、開口72よりも3~4mm程度先端側において開口している。
第1のスリーブ50には、開口52の外部で噴射剤によるガス流が存在するときに、第1のスリーブ50の内部において吸引圧が発生するように構成されている。例えば、第1のスリーブ50の壁部において外部からの吸気可能なホールないしスリットなどが適宜備えられている。
第2のスリーブ70は、本体20のノズル36と連通して、着生材料組成物と噴射剤とを通過させ、これらを所定方向に案内して放出可能に構成されている。第2のスリーブ70は、図1に示すように、ノズル36を内部に挿通し固定可能な筒状に形成されるとともに、ノズル36から遠位側には、着生材料組成物と噴射剤とを放出可能な開口72を備えている。
開口72は、ノズル36側から先端側に徐々に小径となる先細りに形成された第2のスリーブ70の最もノズル36から遠位の端部が開放されて形成されている。開口72の開口径は、着生材料組成物中の着生材料が通過可能に形成されている他、噴射剤の必要な強度のガス流を発生させるとともに指向性を向上させるために十分な大きさを備えるようにすることが好ましい場合がある。特に限定するものではないが、例えば、0.5mm~2mm、また例えば、0.6mm~1mmとすることができる。
開口72は、第1のスリーブ50を介してその開口52から供給されるコケ類の粒子を、本体20から放出される着生材料組成物及び噴射剤に合流させて混合して、噴射剤によって、着生材料組成物と粒子とを一挙に放出可能に形成されている。例えば、開口72は、図1に拡大して示すように、第1のスリーブ50の開口52近傍であって、第1のスリーブ50の開口52の下方かつその手前で開口するように形成されている。
アタッチメント40は、さらに本体20に対して、その姿勢を安定的に保持するために支持部80を備えることができる。支持部80は、例えば、図1及び図2に示すように、第2のスリーブ70の外周面から延在して本体20のキャップ32の外縁部に到達する凸状部分として形成することができる。
このように構成された本体20とアタッチメント40とを、アタッチメント40の第2のスリーブ70の内部に本体20のノズル36を嵌め込むとともに、支持部80の下端縁を本体20のキャップ32の外縁部に当接させて、固定して、着生装置100を構築することができる。
次に、着生装置100を用いて、カートリッジ10に収容されたコケ類の粒子を、着生対象物に対して放出させて着生させる操作について説明する。
まず、カートリッジ10のキャップ14を開放して、コケ類の粒子をこぼさないように注意して、カートリッジ本体12の開口部側をアタッチメント40の第1のスリーブ50に挿入して固定する。こうすることで、カートリッジ本体12内のコケ類の粒子が第1のスリーブ50内部に案内可能となる。
次に、本体20の容器部22を手で把持しつつ、人差し指等で作動部34を押し下げる。こうすることで、容器部22に充填された液体の混合相を構成する着生材料組成物と噴射剤とがガス化された噴射剤によって、本体20のノズル36を介して第2のスリーブ70を通過し、さらに、開口72から噴射剤のガス流によって所定の軌跡で放出される。
これと同時に、このガス流によって第1のスリーブ50において開口52側に向かう吸引圧が発生して、コケ類の粒子が開口52から外部に吐出される。開口52から吐出されたコケ類の粒子は、吐出とほぼ同時に開口72からの噴射剤のガス流と着生材料組成物と混合されて、ガス流に乗って着生材料組成物とともに放出される。
コケ類の粒子は、開口52の外側で着生材料組成物と混合されて、ガス流によって、着生対象物の表面にまで到達される。コケ類の粒子は吸水すると膨潤するため、開口52の外部で着生材料組成物由来の水分と接触させることで、粒子を膨潤させることなくガス流とともに放出させることができる。また、こうすることで、着生対象物の表面に付着しやすくなっている。さらに、水や結着剤を含む着生材料組成物とともに、着生対象物表面に到達されるため、着生対象物表面が、例えば傾斜していたり垂直に近い面であったりしても、コケ類の粒子をより確実に付着させることができる。さらにまた、コケ類の粒子は、本体20から放出される着生材料組成物と噴射剤と、開口52の外部においてその場混合され、そのままガス流によって運ばれるため、コケ類の粒子に対する、噴霧による損傷が回避されていて、その点においても、コケ類の着生が促進されるようになっている。
また、開口72の開口径が、噴射剤の必要な強度のガス流を発生させるとともに指向性を向上させるために十分な大きさを備える場合には、コケ類の粒子を、指向性よくかつ確実に着生対象物の所望の部位に到達させ付着させることができる。したがって、任意のパターンでコケ類の粒子を放出し、付着、固定、着生させることができる。
一方、開口72の開口径が、広い噴射面積を確保できるような大きさを備える場合には、コケ類の粒子、広く拡散して所望の部位に到達させ付着させ、着生させることができる。
また、着生装置100によれば、容器部22をヒトの手で把持して、指で作動部34を動作させて、コケ類の粒子の放出及び放出停止が可能である。このため、簡易にコケ類の着生が可能である。また、小さい領域だけにコケ類を着生させることができるとともに、室内においてもこうした操作が可能となっている。
また、着生装置100によれば、カートリッジ10が交換可能であるため、量的に多い及びコケ類の粒子の着生が必要な場合には、カートリッジ10を追加することで対応することができる。また、異なるコケ類の粒子が収容されたカートリッジ10を用いることで、2種以上の異なるコケ類の粒子を、1つの着生装置100を用いて着生させることができる。
また、アタッチメント40が、本体20から着脱可能に形成されているため、容器部22の着生材料組成物を使い切った場合には、本体のみを交換することで、コケ類の着生が可能である。
以上説明したように、着生装置100によれば、コケ類の粒子を、着生操作の直前まで粒子のままで、水性媒体等と分離して保管維持できるとともに、着生操作の際には、任意の放出特性に調整されて本体20から放出されるガス流に合流させることで、コケ類の粒子と着生材料組成物とをその場混合し、ガス流に乗せ、コケ類の粒子を着生材料組成物とともに着生対象物の表面にまで到達させることができる。このため、従来にない形態でかつ簡易にかつコンパクトな領域にコケ類を着生させることができる。
なお、以上の実施形態では、着生装置100は、アタッチメント40を、本体20に装着することより構築させるものとしたがこれに限定するものではない。例えば、アタッチメント40が予め本体20に一体化され固定されたものであってもよい。この場合、第2のスリーブ70が、本体20のノズル36の一部又は全体とすることができる。
以上の実施形態では、カートリッジ10には、コケ類の粒子のみを収容するものとしたがこれに限定するものではない。例えば、コケ類以外の植物、例えばシダ類などの植物体の一部などの粒子を含めることができる。また、コケ類の粒子を安定して放出するために、一定の質量を備えるダミー粒子を含めることもできる。こうしたダミー粒子は、例えば、土系粒子のほか、シリカ粒子などを用いることができる。
また、以上の実施形態では、カートリッジ10にコケ類の粒子を収容したが、必要に応じて、着生操作の直前に、カートリッジ本体12に適量の水等を充填し、コケ-水混液とすることもできる。こうすることで、コケ類の粒子の吐出安定性を確保できる場合がある。
以上の実施形態では、第1のスリーブ50には、特段、コケ類の粒子の排出性を調整する手段を備えていないが、例えば、排出性を向上等させるために、第1のスリーブ50に、コケ類の粒子が通過可能なメッシュや、開口52近傍に、整流のためのボールなどを配置することができる。
以上の実施形態では、着生装置100及び着生キット102について説明したが、本開示によれば、例えば、コケ類の着生物の製造方法も提供される。すなわち、この製造包囲法は、コケ類の粒子と、噴射剤と着生材料組成物を収容し前記噴射剤によって着生材料組成物を放出可能に構成された本体20と、をそれぞれ準備する工程と、噴射剤によって着生材料組成物と粒子とを混合して同時にコケ類の着生対象物の表面に放出する工程と、備えることができる。この製造方法によれば、コケ類と着生材料組成物とをそれぞれ別に準備し、噴射剤によってこれらを混合して放出することで、着生装置100による効果と同様の効果を奏することができる。

Claims (9)

  1. コケ類の着生装置であって、
    前記コケ類の着生材料組成物と噴射剤とを収容して前記着生材料組成物を前記噴射剤によって放出可能に構成された本体と、
    前記コケ類の粒子を収容するカートリッジから前記粒子を前記本体から前記噴射剤によって放出される前記着生材料組成物に対して案内可能に構成された第1のスリーブと、
    を備え、
    前記噴射剤によって前記着生材料組成物と前記粒子とを同時に放出可能に構成されている、着生装置。
  2. 前記第1のスリーブと、前記本体から放出される前記着生材料組成物を所定方向に案内可能に構成された第2のスリーブと、を備える、アタッチメントを、前記本体に対して着脱可能に備える、請求項1の記載の着生装置。
  3. 前記本体は、エアゾールスプレー装置である、請求項1に記載の着生装置。
  4. 前記着生材料組成物は、水性媒体を含む、請求項1に記載の着生装置。
  5. 前記着生材料組成物は、土粒子を含む、請求項1に記載の着生装置。
  6. 前記着生材料組成物は、結着剤を含む、請求項1に記載の着生装置。
  7. 前記粒子は、その80質量%以上がASTME11のNo187のメッシュを篩過する、請求項1に記載の着生装置。
  8. コケ類の着生キットであって、
    前記コケ類の粒子を収納するカートリッジと、
    噴射剤と前記コケ類の着生材料組成物を収容し前記着生材料組成物を前記噴射剤によって放出可能に構成された本体と、
    前記コケ類の粒子を収容するカートリッジから前記コケ類の粒子を前記着生材料組成物に対して案内可能に構成された第1のスリーブと、前記本体から前記噴射剤によって放出される前記着生材料組成物を所定方向に案内可能に構成された第2のスリーブと、を有するアタッチメントと、
    を備え、
    前記噴射剤によって前記着生材料組成物と前記コケ類の粒子とを同時に放出可能に構成されている、キット。
  9. コケ類の着生物の製造方法であって、
    前記コケ類の粒子と、噴射剤と前記コケ類の着生材料組成物を収容し前記噴射剤によって前記着生材料組成物を放出可能に構成された本体と、をそれぞれ準備する工程と、
    前記噴射剤によって前記着生材料組成物と前記コケ類の粒子とを同時に前記コケ類の着生対象物の表面に放出する工程と、
    備える、製造方法。
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