JP2024047839A - 酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料、並びに、レジスト部材 - Google Patents

酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料、並びに、レジスト部材 Download PDF

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Abstract

【課題】密着性が高く低弾性率、低誘電特性に優れる硬化物を得ることが可能な樹脂を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、多塩基酸無水物(C)とを必須原料とすることを特徴とする、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂である。前記エポキシ樹脂(A)は、ジヒドロキシビフェニル1モルに対して、1.5~8モルの芳香族ビニル化合物との反応物と、エピハロヒドリンと、を反応させることにより得られることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料、並びに、レジスト部材に関するものである。
従来、プリント配線板上に電子部品を実装してはんだ付けする際に、実装部以外の部分にはんだが付着するのを防止したり、配線の酸化や腐食を半永久的に防止する被膜を形成する材料として、ソルダーレジストが広く用いられている。このようなソルダーレジストのパターンを形成する技術としては、微細なパターンを正確に形成できるフォトレジスト法が挙げられ、その中でも、特に環境面の配慮等から、アルカリ現像型の液状フォトレジスト法が主流となっている。
また、プリント配線板は、高密度化実現のため、微細化(ファイン化)、多層化及びワンボード化の一途をたどっており、実装方式も、表面実装技術(SMT)へと推移している。そのため、ソルダーレジスト膜も、ファイン化、高Tg(高耐熱性)、高解像性、高精度、高信頼性の要求が高まっている。また、高信頼性を実現する上では、ソルダーレジスト膜には、隣接部材(銅箔等)との密着性や、低弾性率(内部応力緩和性)、低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)に優れることも求められる。
従来、アルカリ現像型の液状フォトレジスト法に用いるアルカリ可溶感光性樹脂として、ノボラック型エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を付加させた反応生成物(酸ペンダント型エポキシアクリレート)が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、前記フォトレジスト法に利用可能なエポキシ樹脂として、下記特許文献2には、ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを縮合させて得られるエポキシ樹脂が開示されている。また、前記エポキシ樹脂の原料となるエポキシ化合物として、下記特許文献3には、少なくとも1つのアルコキシシリル基及び少なくとも2つのエポキシ基を有するアルコキシシリル系エポキシ化合物が記載されており、下記特許文献4には、ビフェニル骨格を有するモノアリルモノグリシジルエーテル化合物が記載されており、下記特許文献5には、オレフィン置換イソシアヌレートをエポキシ化して得たエポキシ置換イソシアヌレートが記載されている。
特公平1-54390号公報 特許第3062822号公報 特表2014-531473号公報 国際公開第2011/078060号 特開2012-25688号公報
しかしながら、上記特許文献等に記載の従来のエポキシ樹脂や、エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸と多塩基酸無水物との反応生成物を含む硬化性樹脂組成物からなる硬化物は、隣接部材(銅箔等)との密着性、低弾性率(内部応力緩和性)、低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)に劣り、改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、密着性が高く、低弾性率、低誘電特性に優れる硬化物を得ることが可能な樹脂、かかる樹脂を含む硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、密着性が高く、低弾性率、低誘電特性に優れる硬化物、絶縁材料、及びレジスト部材を提供することを更なる課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有するエポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、多塩基酸無水物(C)とを反応させて得られる酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を硬化性樹脂組成物に配合することで、かかる硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の密着性、低弾性率、低誘電特性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
[1] エポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、多塩基酸無水物(C)とを必須原料とする酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂であって、
前記エポキシ樹脂(A)がジヒドロキシビフェニル1モルに対して、1.5~8モルの芳香族ビニル化合物との反応物と、エピハロヒドリンと、を反応させることにより得られ、下記一般式(1)で表される、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂。
Figure 2024047839000001
(但し、上記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、または、α-メチルベンジル基を表し、Gは、グリシジル基を表す。p及びqは、それぞれ独立に、0~4の数を示し、p+qは、平均値として1.5~8である。また、nは0~5の数を示す。)
[2] 前記[1]に記載の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を含むことを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
[3] 更に、光重合開始剤を含む、[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4] 更に、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂以外の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(D)を含有する、[1]~[3]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物。
[5] 更に、硬化剤を含む、[1]~[4]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物。
[6] 前記[2]~[5]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする、硬化物。
[7] 前記[2]~[5]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする、絶縁材料。
[8] 前記[2]~[5]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする、レジスト部材。
本発明によれば、密着性が高く、低弾性率、低誘電特性に優れる硬化物を得ることが可能な酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂、かかる酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を含む硬化性樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、密着性が高く、低弾性率、低誘電特性に優れる硬化物、絶縁材料、及びレジスト部材を提供することができる。
以下に、本発明の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料、並びに、レジスト部材を、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
(用語の説明)
本明細書において特段の記載が無い限り、以下の用語の説明を適用できる。
本明細書において、「アリール基」としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントリル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が挙げられる。また、当該「アリール基」は、当該アリール基中の芳香族環の水素原子が、例えば、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されてもよい。
本明細書において、「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ビフェニル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
本明細書において、「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、(n-)ヘプチル基、(n-)オクチル基、(n-)ノニル基、(n-)デシル基、(n-)ウンデシル基、(n-)ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、又はシクロノニル基が挙げられる。
本明細書において、「アルコキシ基(アルキルオキシ基)」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
本明細書において、「アルキレン基」としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1-メチルメチレン基、1,1-ジメチルメチレン基、1-メチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基等が挙げられる。
本明細書において、「一価の炭化水素基」としては、例えば、上記アルキル基が挙げられ、また、当該アルキル基中の1以上の-CH-が、互いに隣接しないよう、-O-又は-S-に置換されてもよく、あるいは当該アルキル基中の1以上の-CH-CH-が、互いに隣接しないよう、-CH=CH-に置換されてもよい。
本明細書において、「二価の炭化水素基」としては、例えば、上記アルキレン基が挙げられ、また、当該アルキレン基中の1以上の-CH-が、互いに隣接しないよう、-O-又は-S-に置換されてもよく、あるいは当該アルキレン基中の1以上の-CH-CH-が、互いに隣接しないよう、-CH=CH-に置換されてもよい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。更に、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
<酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂>
本実施形態の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂は、特定の構造を有するエポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、多塩基酸無水物(C)とを必須原料とすることを特徴とする。換言すれば、本実施形態の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂は、特定の構造を有するエポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、多塩基酸無水物(C)と、の反応生成物である。
かかる本実施形態の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を硬化性樹脂組成物に配合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は、密着性が高く、低弾性率であり、低誘電特性に優れる。
前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性を発現することから、酸基としてはカルボキシル基が好ましい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、イソプロペニル基、1-プロペニル基、スチリル基、スチリルメチル基、マレイミド基、ビニルエーテル基等が挙げられる。
(エポキシ樹脂(A))
本発明の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂は、ジヒドロキシビフェニル1モルに対して、1.5~8モルの芳香族ビニル化合物との反応物と、エピハロヒドリンと、を反応させることにより得られ、下記一般式(1)で表されることを特徴とするエポキシ樹脂を必須原料とする。
Figure 2024047839000002
但し、上記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、または、α-メチルベンジル基を表し、Gは、グリシジル基を表す。p及びqは、それぞれ独立に、0~4の数を示し、p+qは、平均値として1.5~8である。また、nは0~5の数を示す。
前記エポキシ樹脂(A)を必須原料とする酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を用いた硬化物は、高密着性、低弾性率(内部応力緩和性)、低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)を発揮でき、絶縁材料やレジスト部材の分野において、非常に有用となる。
エポキシ樹脂(A)は、上記一般式(1)で表される。ここで、上記一般式(1)中のR及びRは、それぞれ独立に、水素、または、α-メチルベンジル基を表される置換基である。また、低吸湿性、低誘電特性の観点からは、α-メチルベンジル基の置換基が好ましい。なお、上記一般式(1)において、R及びRは、同じであっても、異なっていてもよく、R又はRが複数ある場合も、同じであっても、異なっていてもよい。
上記一般式(1)中のp及びqは、それぞれ独立に、0~4の数を示し、p+qは、平均値として1.5~8である。また、前記p及びqは、それぞれ独立に、1.5~7の数であることが好ましく、1.8~6の数であることがより好ましい。前記p及びqが、前記範囲内であると、反応性、高密着性、低弾性率、低誘電特性のバランスが良好となり、好ましい。
上記一般式(1)中のnは0~5の数を示し、好ましくは平均値(数平均)として、0~4であり、より好ましくは0~3である。前記nが、前記範囲内であると、低粘度で成形性に優れ、好ましい。
エポキシ樹脂(A)は、ジヒドロキシビフェニル1モルに対して、1.5~8モルの芳香族ビニル化合物との反応物を中間体(前駆体)として得られるものであり、更に、前記反応物とエピハロヒドリンとを反応させることにより、前記エポキシ樹脂を製造することができる。また、上記一般式(1)中のR及びRとして挙がっているα-メチルベンジル基で表される置換基は、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン)から生ずる基である。
エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピフルオロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンから選択される化合物又はそれらの混合物を用いることが好ましく、エピクロロヒドリンを用いることが好ましい。
エポキシ樹脂(A)の中間体(前駆体)となる前記反応物は、下記一般式(2)で表されることが好ましい。下記一般式(2)において、R、R、p及びqは、上記一般式(1)のR、R、p及びqと同様である。
Figure 2024047839000003
上記一般式(2)で表される前記反応物は、単一の化合物を主成分とするものであってもよいし、R及びRが異なると共に、p及びqも異なる成分の混合物であっても良い。
前記反応物は、ジヒドロキシビフェニルに、芳香族ビニル化合物を反応させることにより製造することができるが、ジヒドロキシビフェニル1モルに対する芳香族ビニル化合物の反応量は、1.5~8モルの範囲であり、好ましくは、1.5~7モルであり、より好ましくは、1.8~6である。前記配合割合で反応することにより、芳香族ビニル化合物の反応量が前記範囲を下回る場合に比べて、前記反応物を使用したエポキシ樹脂を用いて得られる硬化物は、架橋点間距離を伸長させることができ、熱時弾性率を低く抑えることができ、内部応力緩和にとって、有用となる。また、通常架橋点間距離が伸長させると、架橋密度が低下するため、ガラス転移温度(Tg)が低くなり、耐熱性が下がる傾向にあるが、本発明においては、高Tg(高耐熱性)を維持することができ、従来からは予測できない効果を発揮でき、有用である。
一方、ジヒドロキシビフェニルと芳香族ビニル化合物を反応させる際の反応原料として使用量は、目的とする置換モル数(ジヒドロキシビフェニル1モルに対する、置換基のモル数)とほぼ対応するので、それによって使用量を定めればよい。なお、いずれかの原料が未反応で残る反応条件を採用することもできるが、この場合でもジヒドロキシビフェニル1モルに対する芳香族ビニル化合物の使用量は、1.5~8モルの範囲とすることがよい。いずれかの原料が未反応で残る場合は、それを分離することが望ましいが、少量であれば残存したままでも差し支えない。また、芳香族ビニル化合物を8モル以上使用すると、未反応の芳香族ビニル化合物が残存したり、芳香族ビニル化合物の重合体が生成することがあり、エポキシ樹脂としての耐熱性や難燃性を低下させる原因となる。
前記ジヒドロキシビフェニルとしては、例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、2,4’-ジヒドロキシビフェニル等を用いることができ、耐熱性に優れるという観点から、4,4’-ジヒドロキシビフェニルが好ましい。
前記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体(p-ジメチルシリルスチレン、p-ビニルフェニルメチルスルフィド、p-ヘキシニルスチレン、p-メトキシスチレン、p-t-ブチルジメチルシロキシスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、α-メチルスチレン等)、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1-ジフェニルエチレン等を用いることができ、内部応力緩和性(熱時低弾性率)に優れるという観点から、スチレン、α-メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
前記芳香族ビニル化合物として、特に前記スチレンの含有率としては、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。前記スチレンの含有率を60質量%以上とすることで、耐熱性の向上と内部応力緩和性(熱時低弾性率)に優れるため、好ましい。
また、前記芳香族ビニル化合物の中、α-メチルスチレンのように、嵩高い構造を有するものを使用することで、分子の剛直性が増大し、分子運動が抑制され、ガラス転移温度(Tg)の向上をより発揮できることが推測される。
前記ジヒドロキシビフェニルと前記芳香族ビニル化合物との反応は、酸触媒等を使用する反応方法等が採用できる。この反応により、ジヒドロキシビフェニルのベンゼン環に上記置換基(α-メチルベンジル基等)が置換された前記反応物が得られる。ジヒドロキシビフェニルと芳香族ビニル化合物との反応終了後は、必要に応じて、触媒又は未反応成分の除去をして、次のエポキシ化反応を実施することができる。ただし、エポキシ化反応を阻害しない場合には、未反応成分や酸触媒のような中和可能な成分は除去しなくともよく、また、エポキシ化反応後に行われる洗浄、蒸留等の精製工程で除去される場合やエポキシ樹脂に含まれても差し支えない場合も、除去しなくてもよい。
前記酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸などが挙げられる。また、スルホニル基等の強酸を有する固体酸触媒等も用いることができる。これらの酸性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
本発明のエポキシ樹脂は、上記一般式(2)で表される前記反応物を中間体(前駆体)として得た後、前記反応物とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる。
前記反応物とエピハロヒドリンとの反応には、前記反応物中の水酸基1当量に対して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を、0.8~1.5当量配合することが好ましく、より好ましくは0.85~1.2当量配合する。この範囲であれば、残存する加水分解性塩素の量を低減でき、好ましい。前記アルカリ金属水酸化物としては、水溶液、アルコール溶液又は固体の状態で使用される。
前記反応に際しては、前記反応物に対して、過剰量のエピハロヒドリンを使用することが好ましい。通常、前記反応物中の水酸基1当量に対して、エピハロヒドリンを1.5~15当量使用されるが、好ましくは1.5~8当量の範囲である。この範囲であれば、生産効率を高め、エポキシ樹脂の高分子量体の生成を抑制し、粘度上昇も抑制でき、作業性に優れたものとなる。
反応温度は、加水分解性塩素量を低減でき、高純度化が可能となることから、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、85℃以下が更に好ましい。
反応の際、四級アンモニウム塩あるいはジメチルスルホキシド、ジグライム等の極性溶媒を用いてもよい。四級アンモニウム塩としては、例えばテトラメチルアンモニウムクロライド、テチラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等があり、その添加量としては、前記反応物に対して、0.1~2質量%の範囲が好ましい。この範囲であれば、四級アンモニウム塩添加の効果が十分に得られ、加水分解性塩素の生成を抑制でき、高純度化が可能となる。また、極性溶媒の添加量としては、前記反応物に対して、10~200質量%の範囲が好ましい。この範囲であれば、添加の効果が十分に得られ、容積効率を低下させることなく、経済上好ましい。
反応終了後、過剰のエピハロヒドリンや溶媒を留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩や残存溶媒を除去し、次いで溶剤を留去することによりエポキシ樹脂とすることができる。
また、得られたエポキシ樹脂を更に、残存する加水分解性塩素に対して、1~30倍量の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を加え、再閉環反応が行われる。この際の反応温度は、通常、100℃以下であり、好ましくは90℃以下である。
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、200~600g/当量であることが好ましく、220~500g/当量であることがより好ましく、240~400g/当量であることが更に好ましい。前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が前記範囲内であると、エポキシ樹脂が硬化剤と反応する際に発生する2級水酸基の発生が抑えられ、得られる硬化物の耐熱性と低吸湿性、低誘電特性(特に低誘電正接)、及び、密着性等に起因する耐リフロー性にも優れることから好ましい。ここでのエポキシ当量の測定は、JIS K7236に基づいて測定されるものである。
前記エポキシ樹脂の溶融粘度は、10dPa・s以下であることが好ましく、0.01~5dPa・sであることがより好ましく、0.05~3dPa・sであることが更に好ましい。前記エポキシ樹脂の溶融粘度が前記範囲内であると、低粘度で流動性、及び、作業性に優れるため、得られる硬化物の成形性などにも優れることから好ましい。ここでの溶融粘度は、ASTM D4287に準拠し、ICI粘度計にて測定されるものである。
前記エポキシ樹脂の軟化点は、30~200℃であることが好ましく、50~150℃であることがより好ましい。前記エポキシ樹脂の軟化点が前記範囲内であると、成形性に優れることから好ましい。ここでの軟化点は、JIS K7234(環球法)に基づき測定されるものである。
エポキシ樹脂(A)は、上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂を含み、前記エポキシ樹脂を主成分(50質量%以上)とするエポキシ樹脂であることが好ましい。同様に、本発明のエポキシ樹脂の中間体となる前記反応物は、上記一般式(2)で表される前記反応物を含み、前記反応物を主成分(50質量%以上)とすることが好ましい。
(不飽和一塩基酸(B))
前記不飽和一塩基酸(B)は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の必須原料の一つである。該不飽和一塩基酸(B)としては、一分子中に酸基及び重合性不飽和基を有する化合物が好ましい。前記酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。前記重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、イソプロペニル基、1-プロペニル基等が挙げられる。
前記不飽和一塩基酸(B)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、α-シアノ桂皮酸、β-スチリルアクリル酸、β-フルフリルアクリル酸等が挙げられる。また、前記不飽和一塩基酸のエステル化物、酸ハロゲン化物、酸無水物等も用いることができる。これらの不飽和一塩基酸(B)は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性、密着性及び伸度に優れた硬化物を形成可能な酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂が得られることから、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
前記不飽和一塩基酸(B)としては、下記一般式(3):
Figure 2024047839000004
[上記一般式(3)中、X31は、炭素数1~10のアルキレン鎖、ポリオキシアルキレン鎖、(ポリ)エステル鎖、芳香族炭化水素鎖、又は(ポリ)カーボネート鎖を表し、X31の構造中の水素原子がハロゲン原子又はアルコキシ基に置換されてもよく、Y31は、水素原子又はメチル基である。]で表される化合物等を用いることもできる。
前記ポリオキシアルキレン鎖としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等が挙げられる。
前記(ポリ)エステル鎖としては、例えば、下記一般式(3-1):
Figure 2024047839000005
[上記一般式(3-1)中、R311及びR312は、炭素原子数1~10のアルキレン基を表し、n311は1~5の整数を表す。]で表される(ポリ)エステル鎖が挙げられる。
前記芳香族炭化水素鎖としては、例えば、フェニレン鎖、ナフチレン鎖、ビフェニレン鎖、フェニルナフチレン鎖又はビナフチレン鎖等が挙げられる。また、部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香環を有する炭化水素鎖も用いることができる。
前記(ポリ)カーボネート鎖としては、例えば、下記一般式(3-2):
Figure 2024047839000006
[上記一般式(3-2)中、R321は、炭素原子数1~10のアルキレン基を表し、n321は1~5の整数を表す。]で表される(ポリ)カーボネート鎖が挙げられる。
上記一般式(3)で表される化合物の分子量は、100~500の範囲が好ましく、150~400の範囲がより好ましい。
(多塩基酸無水物(C))
前記多塩基酸無水物(C)は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の必須原料の一つである。該多塩基酸無水物(C)としては、例えば、脂肪族多塩基酸無水物、脂環式多塩基酸無水物、芳香族多塩基酸無水物、脂肪族多塩基酸無水物の酸ハロゲン化物、脂環式多塩基酸無水物の酸ハロゲン化物、芳香族多塩基酸無水物の酸ハロゲン化物等が挙げられる。
前記脂肪族多塩基酸無水物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。また、前記脂肪族多塩基酸無水物としては、脂肪族炭化水素基は直鎖型及び分岐型のいずれでもよく、構造中に不飽和結合を有してもよい。
前記脂環式多塩基酸無水物としては、本発明では、酸無水物基が脂環構造に結合しているものを脂環式多塩基酸無水物とし、それ以外の構造部位における芳香環の有無は問わないものとする。前記脂環式多塩基酸無水物としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
前記芳香族多塩基酸無水物としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
前記多塩基酸無水物(C)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの中でも、光感度、現像性、密着性低弾性率及び低誘電特性をより効果的に向上させる観点から、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物が好ましい。
(酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の製造方法)
本実施形態の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の製造方法は、エポキシ樹脂(A)、不飽和一塩基酸(B)、及び多塩基酸無水物(C)を必須の反応原料とするものであれば、特に限定されることはない。例えば、反応原料の全てを一括で反応させる方法により前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を製造してもよいし、あるいは反応原料を順次反応させる方法で製造してもよい。中でも、反応の制御が容易であることから、先にエポキシ樹脂(A)と不飽和一塩基酸(B)とを反応させ、次いで、多塩基酸無水物(C)を反応させる方法が好ましい。該反応は、例えば、エポキシ樹脂(A)と不飽和一塩基酸(B)とを塩基性触媒の存在下、100~150℃の温度範囲で反応させた後、反応系中に多塩基酸無水物(C)を加え、80~140℃の温度範囲で反応させる方法等により行うことができる。
本実施形態において、エポキシ樹脂(A)と不飽和一塩基酸(B)との反応割合は、エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基1モルに対し、不飽和一塩基酸(B)を0.9~1.1モルの範囲で用いることが好ましい。また、多塩基酸無水物(C)の反応割合は、エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基1モルに対し、0.2~1.1モルの範囲で用いることが好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミド等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;プロピルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール等のエーテル系溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶剤;大豆油、亜麻仁油、菜種油、サフラワー油等の植物油脂;メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記有機溶剤としては、市販品を用いることもでき、当該市販品としては、例えば、ENEOS株式会社製「1号スピンドル油」、「3号ソルベント」、「4号ソルベント」、「5号ソルベント」、「6号ソルベント」、「ナフテゾールH」、「アルケン56NT」、「AFソルベント4号」、「AFソルベント5号」「AFソルベント6号」「AFソルベント7号」、三菱ケミカル株式会社製「ダイヤドール13」、「ダイヤレン168」;日産化学株式会社製「Fオキソコール」、「Fオキソコール180」;出光興産株式会社「スーパーゾルLA35」、「スーパーゾルLA38」;ExxonMobil Chemical社製「エクソールD80」、「エクソールD110」、「エクソールD120」、「エクソールD130」、「エクソールD160」、「エクソールD100K」、「エクソールD120K」、「エクソールD130K」、「エクソールD280」、「エクソールD300」、「エクソールD320」;等が挙げられる。
本実施形態において、有機溶剤の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対し0.1~5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
前記塩基性触媒としては、例えば、N-メチルモルフォリン、ピリジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ-n-ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、1,4-ジエチルイミダゾール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(N-フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン化合物類;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等の四級アンモニウム塩類;トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラプロピルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリメチル(2-ヒドロキシルプロピル)ホスホニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ドデカノイルジスタノキサン等の有機錫化合物;オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス等の有機金属化合物;オクタン酸錫等の無機錫化合物;無機金属化合物などが挙げられる。また、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等を用いることもできる。
前記塩基性触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記塩基性触媒の添加量は、反応原料の合計100質量部に対して0.001~5質量部の範囲が好ましい。
本実施形態の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の酸価は、光感度、現像性、密着性低弾性率及び低誘電特性をより効果的に向上させる観点から、30~150mgKOH/gの範囲が好ましく、40~120mgKOH/gの範囲がより好ましい。なお、本開示において、本実施形態の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の酸価は、JIS 0070(1992)の中和滴定法にて測定される値である。
<硬化性樹脂組成物>
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、上述した酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を含むことを特徴とする。本実施形態の硬化性樹脂組成物は、硬化させることで、耐熱性が高く、密着性が高く、弾性率が低い硬化物を得ることが可能である。
(光重合開始剤)
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、更に、光重合開始剤を含むことが好ましい。硬化性樹脂組成物が光重合開始剤を含むことにより、光による硬化反応(重合)が開始され易くなる。光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記光重合開始剤は、照射する活性エネルギー線の種類等により適切なものを選択して用いることができる。また、アミン化合物、尿素化合物、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物、ニトリル化合物等の光増感剤と併用してもよい。また、光重合開始剤は、ラジカル重合開始剤であることが好ましい。かかる光重合開始剤の具体例としては、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン、1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;ベンゾフェノン化合物等の分子内水素引き抜き型光重合開始剤等が挙げられる。
更に、前記光重合開始剤の具体例としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2’-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ジフェニル(2,4,6-トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン等も挙げられる。
前記光重合開始剤の市販品としては、例えば、「Omnirad-1173」、「Omnirad-184」、「Omnirad-127」、「Omnirad-2959」、「Omnirad-369」、「Omnirad-379」、「Omnirad-907」、「Omnirad-4265」、「Omnirad-1000」、「Omnirad-651」、「Omnirad-TPO」、「Omnirad-819」、「Omnirad-2022」、「Omnirad-2100」、「Omnirad-754」、「Omnirad-784」、「Omnirad-500」、「Omnirad-81」(IGM社製)、「カヤキュア-DETX」、「カヤキュア-MBP」、「カヤキュア-DMBI」、「カヤキュア-EPA」、「カヤキュア-OA」(日本化薬株式会社製)、「バイキュア-10」、「バイキュア-55」(ストウファ・ケミカル社製)、「トリゴナルP1」(アクゾ社製)、「サンドレイ1000」(サンドズ社製)、「ディープ」(アプジョン社製)、「クオンタキュア-PDO」、「クオンタキュア-ITX」、「クオンタキュア-EPD」(ワードブレンキンソップ社製)、「Runtecure-1104」(Runtec社製)等が挙げられる。
前記光重合開始剤を用いる場合、本実施形態の硬化性樹脂組成物における光重合開始剤の含有量は、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂以外の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(D))
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、更に、上述した酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(即ち、エポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、多塩基酸無水物(C)と、の反応生成物)以外の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(D)(以下、単に「樹脂(D)」と略記することがある。)を含有してもよい。
前記樹脂(D)が有する酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性を発現することから、酸基としてはカルボキシル基が好ましい。また、樹脂(D)が有する重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、イソプロペニル基、1-プロペニル基、スチリル基、スチリルメチル基、マレイミド基、ビニルエーテル基等が挙げられる。
前記樹脂(D)としては、例えば、以下の〔1〕~〔6〕:
〔1〕酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂(D1)、
〔2〕酸基及び重合性不飽和基を有するウレタン樹脂(D2)
〔3〕酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(D3)、
〔4〕酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)、
〔5〕酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂(D5)、
〔6〕酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂(D6)、
の樹脂等が挙げられる。前記エポキシ樹脂(D1)からエステル樹脂(D6)について以下順に説明する。
--酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂(D1)--
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂(D1)としては、例えば、エポキシ樹脂(d1-1)、不飽和一塩基酸(d1-2)、及び多塩基酸無水物(d1-3)を必須の反応原料とする酸基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂や、エポキシ樹脂(d1-1)、不飽和一塩基酸(d1-2)、多塩基酸無水物(d1-3)、ポリイソシアネート化合物(d1-4)、及び水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(d1-5)を反応原料とする酸基及びウレタン結合を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂(d1-1)としては、樹脂中に複数のエポキシ基を有しているものであれば、その具体構造は特に限定されない。前記エポキシ樹脂(d1-1)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、水添ビフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、トリヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、オキサゾリドン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールB型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールE型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記水添ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂(b1-1)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記不飽和一塩基酸(d1-2)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、α-シアノ桂皮酸、β-スチリルアクリル酸、β-フルフリルアクリル酸等が挙げられる。また、前記不飽和一塩基酸の酸ハロゲン化物、エステル化物も用いることができる。更に、不飽和一塩基酸(d1-2)としては、下記一般式(4):
Figure 2024047839000007
[上記一般式(4)中、X41は、炭素数1~10のアルキレン鎖、ポリオキシアルキレン鎖、(ポリ)エステル鎖、芳香族炭化水素鎖、又は(ポリ)カーボネート鎖を表し、X41の構造中の水素原子がハロゲン原子又はアルコキシ基に置換されてもよく、Y41は、水素原子又はメチル基である。]で表される化合物等を用いることもできる。
前記ポリオキシアルキレン鎖としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等が挙げられる。
前記(ポリ)エステル鎖としては、例えば、下記一般式(5):
Figure 2024047839000008
[上記一般式(5)中、R51及びR52は、炭素原子数1~10のアルキレン基を表し、n51は1~5の整数を表す。]で表される(ポリ)エステル鎖が挙げられる。
前記芳香族炭化水素鎖としては、例えば、フェニレン鎖、ナフチレン鎖、ビフェニレン鎖、フェニルナフチレン鎖又はビナフチレン鎖等が挙げられる。また、部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香環を有する炭化水素鎖も用いることができる。
前記(ポリ)カーボネート鎖としては、例えば、下記一般式(6):
Figure 2024047839000009
[上記一般式(6)中、R61は、炭素原子数1~10のアルキレン基を表し、n61は1~5の整数を表す。]で表される(ポリ)カーボネート鎖が挙げられる。
上記一般式(4)で表される化合物の分子量は、100~500の範囲が好ましく、150~400の範囲がより好ましい。
前記不飽和一塩基酸(d1-2)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記多塩基酸無水物(d1-3)としては、例えば、脂肪族多塩基酸無水物、脂環式多塩基酸無水物、芳香族多塩基酸無水物、脂肪族多塩基酸無水物の酸ハロゲン化物、脂環式多塩基酸無水物の酸ハロゲン化物、芳香族多塩基酸無水物の酸ハロゲン化物等が挙げられる。
前記脂肪族多塩基酸無水物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。また、前記脂肪族多塩基酸無水物としては、脂肪族炭化水素基は直鎖型及び分岐型のいずれでもよく、構造中に不飽和結合を有してもよい。
前記脂環式多塩基酸無水物としては、本発明では、酸無水物基が脂環構造に結合しているものを脂環式多塩基酸無水物とし、それ以外の構造部位における芳香環の有無は問わないものとする。前記脂環式多塩基酸無水物としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
前記芳香族多塩基酸無水物としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
前記多塩基酸無水物(d1-3)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの中でも、光感度、現像性、耐熱性、密着性及び伸度をより効果的に向上させる観点から、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物が好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物(d1-4)としては、例えば、ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルビフェニル、o-トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;下記一般式(7):
Figure 2024047839000010
[上記一般式(7)中、R72及びR73はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~6の一価の炭化水素基のいずれかを表し、R71はそれぞれ独立して、炭素原子数1~4のアルキル基を表し、k71は0又は1~3の整数であり、n71は1以上の整数である。]で表される繰返し構造を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物(d1-4)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(d1-5)としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体や、前記各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等も用いることができる。
これらの中でも、光感度、現像性、耐熱性、密着性及び伸度をより効果的に向上させる観点から、分子量が1,000以下のものが好ましい。また、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(d1-5)が、オキシアルキレン変性体又はラクトン変性体である場合には、重量平均分子量(Mw)が1,000以下であることが好ましい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(d1-5)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂(D1)の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂(D1)の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂(D1)の製造方法は、エポキシ樹脂(d1-1)、不飽和一塩基酸(d1-2)、及び多塩基酸無水物(d1-3)を必須の反応原料とするか、あるいは、エポキシ樹脂(d1-1)、不飽和一塩基酸(d1-2)、多塩基酸無水物(d1-3)、ポリイソシアネート化合物(d1-4)、及び水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(d1-5)を反応原料とするものであれば、特に限定されることはない。例えば、反応原料の全てを一括で反応させる方法により前記エポキシ樹脂(D1)を製造してもよいし、あるいは反応原料を順次反応させる方法で製造してもよい。中でも、反応の制御が容易であることから、先にエポキシ樹脂(d1-1)と不飽和一塩基酸(d1-2)とを反応させ、次いで、多塩基酸無水物(d1-3)を反応させる方法が好ましい。該反応は、例えば、エポキシ樹脂(d1-1)と不飽和一塩基酸(d1-2)とを塩基性触媒の存在下、100~150℃の温度範囲で反応させた後、反応系中に多塩基酸無水物(d1-3)を加え、80~140℃の温度範囲で反応させる方法等により行うことができる。
前記エポキシ樹脂(d1-1)と前記不飽和一塩基酸(d1-2)との反応割合は、エポキシ樹脂(d1-1)中のエポキシ基1モルに対し、不飽和一塩基酸(d1-2)を0.9~1.1モルの範囲で用いることが好ましい。また、多塩基酸無水物(d1-3)の反応割合は、エポキシ樹脂(d1-1)中のエポキシ基1モルに対し、0.2~1.0モルの範囲で用いることが好ましい。
前記有機溶剤としては、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載の有機溶剤と同様のものを用いることができ、該有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記有機溶剤の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対し0.1~5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
前記塩基性触媒としては、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載の塩基性触媒と同様のものを用いることができ、該塩基性触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記塩基性触媒の添加量は、反応原料の合計100質量部に対して0.001~5質量部の範囲が好ましい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂(D1)の酸価は、光感度、現像性、耐熱性、密着性及び伸度をより効果的に向上させる観点から、30~150mgKOH/gの範囲が好ましく、40~120mgKOH/gの範囲がより好ましい。なお、本開示において、酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂(D1)の酸価は、JIS 0070(1992)の中和滴定法にて測定される値である。
--酸基及び重合性不飽和基を有するウレタン樹脂(D2)--
前記酸基及び重合性不飽和基を有するウレタン樹脂(D2)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物(d1-4)、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(d1-5)、カルボキシル基含有ポリオール化合物(d2-1)、及び必要に応じて多塩基酸無水物(d1-3)、カルボキシル基含有ポリオール化合物(d2-1)以外のポリオール化合物(d2-2)とを反応させて得られた樹脂;ポリイソシアネート化合物(d1-4)と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(d1-5)と、多塩基酸無水物(d1-3)と、及びカルボキシル基含有ポリオール化合物(d2-1)以外のポリオール化合物(d2-2)と、を反応させて得られた樹脂;あるいはエポキシ樹脂(d1-1)と、不飽和一塩基酸(d1-2)と、多塩基酸無水物(d1-3)と、ポリイソシアネート化合物(d1-4)と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(d1-5)とを反応させて得られた樹脂等が挙げられる。
前記カルボキシル基含有ポリオール化合物(d2-1)としては、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール吉草酸等が挙げられる。前記カルボキシル基含有ポリオール化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記カルボキシル基含有ポリオール化合物(d2-1)以外のポリオール化合物(d2-2)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビフェノール、ビスフェノール等の芳香族ポリオール化合物;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。前記カルボキシル基含有ポリオール化合物以外のポリオール化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するウレタン樹脂(D2)の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和結合を有するウレタン樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
前記有機溶剤としては、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載した有機溶剤と同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、上記塩基性触媒としては、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載の塩基性触媒と同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
--酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(D3)--
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(D3)としては、例えば、水酸基又はカルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基等の反応性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(α)を必須の成分として重合させて得られるアクリル樹脂中間体に、これらの官能基と反応し得る反応性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(β)を更に反応させることにより(メタ)アクリロイル基を導入して得られる反応生成物、あるいは前記反応生成物中の水酸基に多塩基酸無水物(d1-3)を反応させて得られる樹脂等が挙げられる。
前記アクリル樹脂中間体は、(メタ)アクリレート化合物(α)の他、必要に応じてその他の重合性不飽和基含有化合物を共重合させたものであってもよい。当該その他の重合性不飽和基含有化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基含有(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。
前記その他の重合性不飽和基含有化合物は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記(メタ)アクリレート化合物(β)は、前記(メタ)アクリレート化合物(α)が有する反応性官能基と反応し得るものであれば特に限定されないが、反応性の観点から以下の組み合わせであることが好ましい。即ち、前記(メタ)アクリレート化合物(α)として水酸基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてイソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてカルボキシル基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてグリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてイソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)として水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてグリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてカルボキシル基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記(メタ)アクリレート化合物(β)は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(D3)の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(D3)の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
前記有機溶剤としては、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載した有機溶剤と同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記塩基性触媒としては、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載の塩基性触媒と同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(D3)の酸価は、光感度、現像性、耐熱性、密着性及び伸度をより効果的に向上させる観点から、30~150mgKOH/gの範囲が好ましく、40~120mgKOH/gの範囲がより好ましい。
--酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)--
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)としては、例えば、酸基及び/又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(d4-1)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(d1-5)及び/又はエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物と、必要に応じて、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基、及び酸無水物基からなる群より選ばれる1種以上の反応性官能基を有する化合物を反応させて得られるものが挙げられる。なお、前記反応性官能基を有する化合物は、(メタ)アクリロイル基を有してもよく、あるいは有しなくてもよい。
前記酸基及び/又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(d4-1)としては、酸基又は酸無水物基のどちらか一方のみを有しても、あるいは両方を有してもよい。当該アミドイミド樹脂(d4-1)は、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(d1-5)又は(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物との反応性や反応制御の観点から、酸無水物基を有するものであることが好ましく、酸基と酸無水物基との両方を有するものであることがより好ましい。前記アミドイミド樹脂(d4-1)の固形分酸価は、中性条件下、即ち、酸無水物基を開環させない条件での測定値が60~350mgKOH/gの範囲であることが好ましい。他方、水の存在下等、酸無水物基を開環させた条件での測定値が61~360mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
また、前記アミドイミド樹脂(d4-1)は、必要に応じて、ポリイソシアネート化合物(d1-4)及び多塩基酸無水物(d1-3)以外に、多塩基酸を反応原料として併用することもできる。
前記多塩基酸としては、一分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物であれば何れのものも用いることができる。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、前記多塩基酸としては、例えば、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体も用いることができる。
前記多塩基酸は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、分子構造中に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基とを有するものであれば他の具体構造は特に限定されず、多種多様な化合物を用いることができる。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマーや、ヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテルのジグリシジルエーテル化合物のモノ(メタ)アクリレート化物等が挙げられる。
前記エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記酸基及び/又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(d4-1)の具体構造又は製造方法は特に限定されず、一般的なアミドイミド樹脂等を広く用いることができる。本実施形態のアミドイミド樹脂(d4-1)は、例えば、ポリイソシアネート化合物(d1-4)と、多塩基酸無水物(d1-3)とを反応原料として得られるものが好ましい。
また、前記ポリイソシアネート化合物(d1-4)としては、高い溶剤溶解性を有する酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂組成物が得られることから、脂環式ジイソシアネート化合物又はその変性体、脂肪族ジイソシアネート化合物又はその変性体が好ましく、脂環式ジイソシアネート又はそのイソシアヌレート変性体、脂肪族ジイソシアネート又はそのイソシアヌレート変性体がより好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物(d1-4)の総質量中における、脂環式ジイソシアネート化合物又はその変性体と、脂肪族ジイソシアネート化合物又はその変性体の合計質量の割合が、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが好ましい。
また、脂環式ジイソシアネート化合物又はその変性体と、脂肪族ジイソシアネート化合物又はその変性体とを併用する場合には、両者の質量比(脂環式ジイソシアネート化合物又はその変性体/脂肪族ジイソシアネート化合物又はその変性体)が30/70~70/30の範囲であることが好ましい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
前記塩基性触媒としては、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載の塩基性触媒と同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
また、前記有機溶剤としては、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載の有機溶剤と同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)は、所望の樹脂性能等に応じて、酸基及び/又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(d4-1)、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(d1-5)及び/又はエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(d4-2)の反応原料以外に、他の反応原料を併用することもできる。この場合、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(D4)の反応原料の総質量中の前記(d4-1)~(d4-2)成分の合計質量の割合が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。例えば、アミドイミド樹脂(d4-1)、及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(d1-5)及び/又はエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(d4-2)を含む反応原料の全てを一括で反応させる方法で製造してもよいし、反応原料を順次反応させる方法で製造してもよい。また、例えば、アミドイミド樹脂(d4-1)と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(d1-5)との反応は、適当な塩基性触媒の存在下、80~140℃程度の温度条件下で加熱撹拌して行うことができる。酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒又は酸性触媒を用いてもよい。
前記塩基性触媒は、上述の「酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂」の欄に記載の酸性触媒及び塩基性触媒と同様のものを用いることができ、それらは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸などが挙げられる。また、スルホニル基等の強酸を有する固体酸触媒等も用いることができる。これらの酸性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂(D4)の酸価は、光感度、現像性、耐熱性、密着性及び伸度をより効果的に向上させる観点から、30~150mgKOH/gの範囲が好ましく、40~120mgKOH/gの範囲がより好ましい。
--酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂(D5)--
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂(D5)としては、例えば、フェノール性水酸基含有化合物(d5-1)と、アルキレンカーボネート(d5-2a)又はアルキレンオキサイド(d5-2b)と、N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物(d5-3)と、多塩基酸無水物(d1-3)と、必要に応じて不飽和一塩基酸(d1-2)とを反応原料とし、当該反応原料を反応させて得られた樹脂が挙げられる。
前記フェノール性水酸基含有化合物(d5-1)とは、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物をいう。フェノール性水酸基含有化合物(d5-1)としては、例えば、下記一般式(8.1)~(8.5)のいずれかで表される化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物(d5-4)と下記一般式(9.1)~(9.5)のいずれかで表される化合物とを必須の反応原料とする反応生成物、あるいは芳香族ポリヒドロキシ化合物(d5-4)又はその他分子内にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(d5-5)の1種又は2種以上を反応原料とするノボラック型フェノール樹脂なども用いることができる。
Figure 2024047839000011
[上記一般式(8.1)~(8.5)中、R81~R84及びR87はそれぞれ独立して、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルコキシ基、アリール基又はハロゲン原子のいずれかを表し、R85及びR86はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、j81~j84及びj87はそれぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、好ましくは0又は1~3の整数であり、より好ましくは0又は1である。k81~k84及びk87はそれぞれ独立して、1以上の整数を表し、好ましくは、2又は3である。]
なお、上記一般式(8.1)~(8.5)における芳香環上の置換基の位置については、任意であり、例えば、一般式(8.2)のナフタレン環においてはいずれの環上の水素原子と置換してもよく、一般式(8.3)では、ビフェニル1分子中に存在するベンゼン環のいずれの水素原子に置換してもよく、一般式(8.4)では、アラルキル1分子中に存在するベンゼン環のいずれかの水素原子と置換してもよく、一般式(8.5)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれの水素原子と置換していてもよいことを示し、1分子中における置換基の個数がj81~j84、j87及びk81~k84、k87であることを示している。
Figure 2024047839000012
[上記一般式(9.1)~(9.5)中、h91は、0又は1を表し、R91~R96はそれぞれ独立して、一価の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アリールオキシ基又はアラルキル基のいずれかを表し、k91~k96はそれぞれ独立して、0又は1~4の整数を表し、Z91~Z96はそれぞれ独立して、ビニル基、ハロメチル基、ヒドロキシメチル基又はアルキルオキシメチル基のいずれかを表し、Y91は、炭素原子数1~4のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基のいずれかを表し、n91は1~4の整数を表す。]
上記一般式(9.1)~(9.5)で表される化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記芳香族ポリヒドロキシ化合物(d5-4)としては、例えば、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラセン、トリヒドロキシアントラセン、テトラヒドロキシアントラセン、ビフェノール、テトラヒドロキシビフェニル、ビスフェノール等の他、これらの芳香核上に1つ又は複数の置換基を有する化合物などが挙げられる。また、前記芳香核上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等の一価の脂肪族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;フェニル基、ナフチル基、アントリル基、及びこれらの芳香核上に前記脂肪族炭化水素基、前記アルコキシ基、前記ハロゲン原子等が置換したアリール基;フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、及びこれらの芳香核上に前記脂肪族炭化水素基、前記アルコキシ基、前記ハロゲン原子等が置換したアリールオキシ基;フェニルメチル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、及びこれらの芳香核上に前記脂肪族炭化水素基、前記アルコキシ基、前記ハロゲン原子等が置換したアラルキル基などが挙げられる。これらの芳香族ポリヒドロキシ化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。これらの中でも、高い絶縁信頼性を有する酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂が得られることから、ハロゲンを含有しない化合物が好ましい。
前記ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、分子内にフェノール性水酸基を1つ有する化合物の1種又は2種以上と、アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で反応させて得られる樹脂が挙げられる。
前記その他分子内にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(d5-5)としては、芳香核上に水酸基を1つ有する芳香族化合物であれば何れの化合物でもよく、例えば、フェノール又はフェノールの芳香核上に1つ又は複数の置換基を有するフェノール化合物、ナフトール又はナフトールの芳香核上に1つ又は複数の置換基を有するナフトール化合物、アントラセノール又はアントラセノールの芳香核上に1つ又は複数の置換基を有するアントラセノール化合物等が挙げられる。また、芳香核上の置換基としては、例えば、一価の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基等が挙げられ、それぞれの具体例は前述の通りである。これらのフェノール性水酸基を1つ有する化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記アルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド;アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、へキシルアルデヒド等のアルキルアルデヒド;サリチルアルデヒド、3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-4-メチルベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド等のヒドロキシベンズアルデヒド;2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド等のヒドロキシ基とアルコキシ基の両方を有するベンズアルデヒド;メトキシベンズアルデヒド、エトキシベンズアルデヒド等のアルコキシベンズアルデヒド;1-ヒドロキシ-2-ナフトアルデヒド、2-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、6-ヒドロキシ-2-ナフトアルデヒド等のヒドロキシナフトアルデヒド;ブロムベンズアルデヒド等のハロゲン化ベンズアルデヒド等が挙げられる。
前記アルキレンカーボネート(d5-2a)としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物がより高い光感度及び現像性を示し、かつ得られる硬化物(硬化塗膜)においてより優れた耐熱性、密着性及び伸度を発現させる観点から、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートが好ましい。前記アルキレンカーボネートは、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記アルキレンオキサイド(d5-2b)としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物がより高い光感度及び現像性を示し、かつ得られる硬化物(硬化塗膜)においてより優れた耐熱性、密着性及び伸度を発現させる観点から、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが好ましい。前記アルキレンオキサイドは、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物(d5-3)としては、例えば、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物がより高い光感度及び現像性を示し、かつ得られる硬化物(硬化塗膜)においてより優れた耐熱性、密着性及び伸度を発現させる観点から、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。前記N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物(d5-3)は、1種単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物(d5-3)を酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂(D5)の反応原料に用いる場合、N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物(d5-3)と多塩基酸無水物(d1-3)との当量比[(d5-3)/(d1-3)]は、樹脂組成物がより高い光感度及び現像性を示し、かつ得られる硬化物(硬化塗膜)においてより優れた耐熱性、密着性及び伸度を発現させる観点から、0.2~7の範囲が好ましく、0.25~6.7の範囲がより好ましい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂(D5)の製造方法は、特に限定されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、反応原料の全てを一括で反応させる方法で製造してもよいし、反応原料を順次反応させる方法で製造してもよい。なかでも、反応の制御が容易であることから、先にフェノール性水酸基含有化合物(d5-1)と、アルキレンカーボネート(d5-2a)又はアルキレンオキサイド(d5-2b)とを反応させて(例えば、塩基性触媒の存在下、100~200℃の温度範囲での反応)、次いで、不飽和一塩基酸(d1-2)及び/又はN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物(d2-3b)を反応(例えば、酸性触媒の存在下、80~140℃の温度範囲での反応)させた後、多塩基酸無水物(d1-3)を反応(例えば、80~140℃の温度範囲で反応)させる方法が好ましい。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂(D5)は、上記の反応原料から得られる樹脂である。例えば、当該アクリルアミド樹脂(D5)としては、下記一般式(10.1)で表される構造部位(I)と下記一般式(10.2)で表される構造部位(II)とを繰り返し構造単位とする樹脂構造を有する樹脂、あるいは下記式(10.3)で表される構造部位(III)と下記式(10.4)で表される構造部位(IV)とを繰り返し構造単位とする樹脂構造を有する樹脂が挙げられる。
Figure 2024047839000013
[上記式(10.1)又は(10.2)中、Rb2及びRb8はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~4の一価の炭化水素基を表し、Rb3及びRb9はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、炭素原子数1~4のアルコキシ基又はハロゲン原子のいずれかを表し、n及びnはそれぞれ独立して、1又は2を表し、Rb4及びRb10はそれぞれ独立して、メチレン基又は下記一般式(11.1)~(11.5)のいずれかで表される構造部位を表し、Rb5及びRb6はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~20の炭化水素基を表し、但し、Rb5とRb6とが、連結して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、Rb11は、炭素原子数1~12の二価の炭化水素基を表し、Rb12は、水素原子又はメチル基を表し、Rb1及びRb7はそれぞれ独立して、前記Rb3及び前記Rb9で表される基、あるいは、式(10.1)で表される構造部位(I)又は式(10.2)で表される構造部位(II)が、*印が付されたRb4又はRb10を介して連結する結合点である。]
Figure 2024047839000014
[上記一般式(10.3)又は(10.4)中、Rb2及びRb8はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~4の炭化水素基を表し、Rb3及びRb9はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、炭素原子数1~4のアルコキシ基又はハロゲン原子のいずれかを表し、n及びnはそれぞれ独立して、1又は2を表し、Rb4及びRb10はそれぞれ独立して、メチレン基又は下記式(11.1)~(11.5)のいずれかで表される構造部位を表し、Rb5及びRb6はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~20の炭化水素基を表し、但し、Rb5とRb6とが、連結して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、Rb11は、炭素原子数1~12の二価の炭化水素基を表し、Rb12は、水素原子又はメチル基を表し、Rb1及びRb7はそれぞれ独立して、前記Rb3及び前記Rb9で表される基、あるいは、一般式(10.3)で表される構造部位(III)又は一般式(10.4)で表される構造部位(IV)が、*印が付されたRb4又はRb10を介して連結する結合点である。]
Figure 2024047839000015
[上記一般式(11.1)~(11.5)中、h91は、0又は1を表し、R91~R96はそれぞれ独立して、一価の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基又はアラルキル基のいずれかを表し、n91~n96はそれぞれ独立して、0又は1~4の整数を表し、Y91は、炭素原子数1~4のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基のいずれかを表し、n91は1~4の整数を表し、R111~R116はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Wは、下記式(12.1)又は(12.2)を表す。]
Figure 2024047839000016
[上記式(12.1)又は(12.2)中、R121及びR124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~4の炭化水素基を表し、R122及びR123はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~20の炭化水素基を表し、但し、R122とR123とが、連結して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、R125は、炭素原子数1~12の二価の炭化水素基を表し、R126は、水素原子又はメチル基を表す。]
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂(D5)の酸価は、樹脂組成物がより高い光感度及び現像性を示し、かつ得られる硬化物(硬化塗膜)においてより優れた耐熱性、密着性及び伸度を発現させる観点から、30~150mgKOH/gの範囲が好ましく、40~120mgKOH/gの範囲がより好ましい。
--酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂(D6)--
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂(D6)としては、例えば、フェノール性水酸基含有化合物(d5-1)と、アルキレンオキサイド(d5-2b)又はアルキレンカーボネート(d5-2a)と、不飽和一塩基酸(d1-2)と、多塩基酸無水物(d1-3)とを反応させて得られた樹脂が挙げられる。
前記アルキレンオキサイド(d5-2b)としては、上述のアルキレンオキサイド(d5-2b)として例示したものと同様のものを用いることができる。これらの中でも、光感度、現像性、耐熱性、密着性及び伸度をより効果的に向上させる観点から、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが好ましい。前記アルキレンオキサイド(d5-2b)は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記アルキレンカーボネート(d5-2a)としては、上述のアルキレンカーボネート(d5-2a)として例示したものと同様のものを用いることができる。これらの中でも、光感度、現像性、耐熱性、密着性及び伸度をより効果的に向上させる観点から、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートが好ましい。前記アルキレンカーボネート(d5-2a)は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂(D6)の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒及び酸性触媒を用いてもよい。
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。上記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。上記酸性触媒としては、上述の酸性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記酸性触媒は、1種単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
(重合性不飽和基を有する化合物)
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、更に、重合性不飽和基を有する化合物を含有してもよい。かかる重合性不飽和基を有する化合物は、典型的には、酸基を有さない化合物である。
前記重合性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が挙げられ、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環型モノ(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の複素環型モノ(メタ)アクリレート化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ベンジルベンジル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート化合物等のモノ(メタ)アクリレート化合物:前記各種のモノ(メタ)アクリレートモノマーの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート化合物;1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環型ジ(メタ)アクリレート化合物;ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した4官能以上の(ポリ)オキシアルキレン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入した4官能以上のラクトン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物;前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体;2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノマーや、ドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテルのジグリシジルエーテル化合物のモノ(メタ)アクリレート化物等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。前記重合性不飽和基を有する化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(硬化剤)
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、更に、硬化剤を含むことが好ましい。硬化性樹脂組成物が硬化剤を含むことで、硬化性樹脂組成物の硬化性が向上する。
前記硬化剤としては、例えば、エポキシ樹脂及び他の硬化剤(アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、フェノール樹脂硬化剤等)が挙げられるが、これらの中でも、エポキシ樹脂が好ましい。
前記エポキシ樹脂は、特に制限されないが、例えば、分子中に2個以上のエポキシ基を含み、前記エポキシ基で架橋ネットワークを形成することにより硬化できる硬化性樹脂であることが好ましい。エポキシ樹脂としては、特に制限されないが、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、α-ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、β-ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;
フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;
ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格及びジグリシジルオキシベンゼン骨格を有するエポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;
ナフタレン型エポキシ樹脂;
ビナフトール型エポキシ樹脂;ビナフチル型エポキシ樹脂;
ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリグリシジル-p-アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルスルホンのグリシジルアミン型エポキシ樹脂等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;
2,6-ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ヘキサヒドロ無水フタル酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂等のジグリシジルエステル型エポキシ樹脂;
ジベンゾピラン、ヘキサメチルジベンゾピラン、7-フェニルヘキサメチルジベンゾピラン等のベンゾピラン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂のうち、フェノール化合物をエポキシ化して得られる、いわゆるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、その中でもノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂であることが、誘電特性の観点からより好ましい。なお、上述のエポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、120~400g/eqであることが好ましく、150~300g/eqであることがより好ましい。前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が120g/eq以上であると、得られる硬化物の誘電特性により優れることから好ましく、一方、エポキシ樹脂のエポキシ当量が400g/eq以下であると、得られる硬化物の耐熱性と誘電正接のバランスに優れることから好ましい。
前記エポキシ樹脂の軟化点は、光感度、現像性、耐熱性、密着性及び弾性率をバランスよく向上させる観点から、20~200℃であることが好ましく、40~150℃であることがより好ましい。
前記アミン硬化剤としては、特に制限されないが、ジエチレントリアミン(DTA)、トリエチレンテトラミン(TTA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ジプロプレンジアミン(DPDA)、ジエチルアミノプロピルアミン(DEAPA)、N-アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン(MDA)、イソフオロンジアミン(IPDA)、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3-BAC)、ピペリジン、N,N,-ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン等の脂肪族アミン;m-キシレンジアミン(XDA)、メタンフェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、ベンジルメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の芳香族アミン等が挙げられる。
前記酸無水物硬化剤としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
前記フェノール樹脂硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ビフェニルノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、テトラフェノールエタン型樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
上述の他の硬化剤はいずれも、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記硬化剤を用いる場合、本実施形態の硬化性樹脂組成物における硬化剤の含有量は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して、10~40質量部であることが好ましい。10質量部以上であると、耐熱性及び硬化性をより向上させることができ、40質量部以下であると、より低誘電正接、高い柔軟性となりうる。
(任意添加成分)
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、目的を逸脱しない範囲において、任意添加成分を更に含有してもよい。任意添加成分としては、例えば、硬化促進剤、他の樹脂、有機溶剤、重合禁止剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、顔料、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、紫外線安定剤、保存安定化剤等の各種添加剤が挙げられる。
--硬化促進剤--
前記硬化促進剤としては、特に制限されないが、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、尿素系硬化促進剤等が挙げられる。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記リン系硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリパラトリルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等の有機ホスファイト化合物;エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムジシアナミド、ブチルフェニルホスホニウムジシアナミド、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩等のホスホニウム塩等が挙げられる。
前記アミン系硬化促進剤としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-ウンデセン-7(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-ノネン-5(DBN)等が挙げられる。
前記イミダゾール系硬化促進剤としては、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン等が挙げられる。
前記グアニジン系硬化促進剤としては、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-ブチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド等が挙げられる。
前記尿素系硬化促進剤としては、3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、クロロフェニル尿素、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロルフェニル)-1,1-ジメチル尿素等が挙げられる。
上述の硬化促進剤のうち、2-エチル-4-メチルイミダゾール、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)を用いることが好ましい。
前記硬化促進剤を用いる場合、本実施形態の硬化性樹脂組成物における硬化促進剤の含有量は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましい。硬化促進剤の含有量が0.01質量部以上であると、より確実に硬化性を高めることができる。一方、硬化促進剤の含有量が5質量部以下であると、絶縁信頼性を十分良好に保持することができる。同様の観点から、硬化促進剤の含有量は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上であることがより好ましく、また、5質量部以下であることがより好ましい。
--他の樹脂--
前記他の樹脂としては、特に制限されないが、マレイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂、シアン酸エステル樹脂、スチレン-無水マレイン酸樹脂、ジアリルビスフェノールやトリアリルイソシアヌレート等のアリル基含有樹脂、ポリリン酸エステル、リン酸エステル-カーボネート共重合体等が挙げられる。これらの他の樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記他の樹脂を用いる場合、本実施形態の硬化性樹脂組成物における他の樹脂の含有量は、全体の50質量%以下であることが好ましい。
--有機溶剤--
前記有機溶剤は、硬化性樹脂組成物の粘度を調整する機能を有することができる。有機溶剤の具体例としては、特に制限されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等のエステル系溶剤;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、1,2,3-トリメチルベンゼン、1,2,4-トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶剤等が挙げられる。前記有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記有機溶剤を用いる場合、本実施形態の硬化性樹脂組成物における有機溶剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の総量(100質量%)中、90質量%以下であることが好ましく、10~90質量%であることがより好ましく、20~80質量%であることが更に好ましい。有機溶剤の含有量が10質量%以上であると、ハンドリング性に優れることから好ましい。一方、有機溶剤の含有量が90質量%以下であると、経済性の観点から好ましい。
--重合禁止剤--
前記重合禁止剤としては、特に制限されないが、p-メトキシフェノール(メトキノン)、p-メトキシクレゾール、4-メトキシ-1-ナフトール、4,4’-ジアルコキシ-2,2’-ビ-1-ナフトール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、N’1,N’12-ビス(2-ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジヒドラジド、スチレン化フェノール、N-イソプロピル-N’-フェニルベンゼン-1,4-ジアミン、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のフェノール化合物;ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン等のキノン化合物;メラミン、p-フェニレンジアミン、4-アミノジフェニルアミン、N.N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-i-プロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1.3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、4,4’-ジクミル-ジフェニルアミン、4,4’-ジオクチル-ジフェニルアミン、ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン)、スチレン化ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物、ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物等のアミン化合物;フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート、2,2-ビス({[3-(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)-1,3-プロパンジイル=ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオナート]、ジトリデカン-1-イル=3,3’-スルファンジイルジプロパノアート等のチオエーテル化合物;N-ニトロソジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルナフチルアミン、p-ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p-ニトロソジフェニルアミン、α-ニトロソ-β-ナフトール等、N、N-ジメチルp-ニトロソアニリン、p-ニトロソジフェニルアミン、p-ニトロンジメチルアミン、p-ニトロン-N、N-ジエチルアミン、N-ニトロソエタノールアミン、N-ニトロソジ-n-ブチルアミン、N-ニトロソ-N-n-ブチル-4-ブタノールアミン、N-ニトロソ-ジイソプロパノールアミン、N-ニトロソ-N-エチル-4-ブタノールアミン、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、N-ニトロソモルホリン、N-二トロソーN-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、二トロソベンゼン、N-ニトロソ-N-メチル-p-トルエンスルホンアミド、N-ニトロソ-N-エチルウレタン、N-ニトロソ-N-n-プロピルウレタン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、1-ニトロソ-2-ナフトール-3,6-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-1-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩等のニトロソ化合物;リン酸とオクタデカン-1-オールのエステル、トリフェニルホスファイト、3,9-ジオクタデカン-1-イル-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリスノニルフェニルホスフィト、亜リン酸-(1-メチルエチリデン)-ジ-4,1-フェニレンテトラ-C12-15-アルキルエステル、2-エチルヘキシル=ジフェニル=ホスフィット、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリイソデシル=ホスフィット、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のホスファイト化合物;ビス(ジメチルジチオカルバマト-κ(2)S,S’)亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛等の亜鉛化合物;ビス(N,N-ジブチルカルバモジチオアト-S,S’)ニッケル等のニッケル化合物;1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-チオン、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2-メチル-4,6-ビス[(オクタン-1-イルスルファニル)メチル]フェノール、ジラウリルチオジプロピオン酸エステル、3,3’-チオジプロピオン酸ジステアリル等の硫黄化合物などが挙げられる。前記重合禁止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
--酸化防止剤--
前記酸化防止剤としては、特に制限されないが、重合禁止剤で例示した化合物と同様のものを用いることができる。酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記重合禁止剤及び酸化防止剤の市販品としては、例えば、和光純薬工業株式会社製「Q-1300」、「Q-1301」、住友化学株式会社製「スミライザーBBM-S」、「スミライザーGA-80が」等が挙げられる。
--難燃剤--
前記難燃剤としては、特に制限されないが、無機リン系難燃剤、有機リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等が挙げられる。難燃剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記無機リン系難燃剤としては、特に制限されないが、赤リン;リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム;リン酸アミド等が挙げられる。
前記有機リン系難燃剤としては、特に制限されないが、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、モノイソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート、(2-ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート等のリン酸エステル;9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、ジフェニルホスフィンオキシド等ジフェニルホスフィン;10-(2,5-ジヒドロキシフェニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(1,4-ジオキシナフタレン)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、ジフェニルホスフィニルヒドロキノン、ジフェニルホスフェニル-1,4-ジオキシナフタリン、1,4-シクロオクチレンホスフィニル-1,4-フェニルジオール、1,5-シクロオクチレンホスフィニル-1,4-フェニルジオール等のリン含有フェノール;9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,5-ジヒドロオキシフェニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,7-ジヒドロオキシナフチル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド等の環状リン化合物;前記リン酸エステル、前記ジフェニルホスフィン、前記リン含有フェノールと、エポキシ樹脂やアルデヒド化合物、フェノール化合物と反応させて得られる化合物等が挙げられる。
前記ハロゲン系難燃剤としては、特に制限されないが、臭素化ポリスチレン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、テトラブロモビスフェノールAビス(ジブロモプロピルエーテル)、1,2、-ビス(テトラブロモフタルイミド)、2,4,6-トリス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、テトラブロモフタル酸等が挙げられる。
前記難燃剤を用いる場合、本実施形態の樹脂組成物における難燃剤の使用量は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して、0.1~50質量部であることが好ましい。難燃剤の含有量が0.1質量部以上であると、より確実に難燃性を付与することができる。一方、難燃剤の含有量が50質量部以下であると、誘電特性を維持しながら難燃性を付与することができる。同様の観点から、難燃剤の含有量は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して、1質量部以上であることがより好ましく、また、30質量部以下であることがより好ましい。
<充填剤>
前記充填剤としては、有機充填剤、無機充填剤が挙げられる。有機充填剤は、伸びを向上させる機能、機械的強度を向上させる機能等を有する。無機充填剤は、熱膨張率の低減や難燃性の付与といった機能を有する。上述の充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記有機充填剤としては、特に制限されないが、ポリアミド粒子等が挙げられる。
前記無機充填剤としては、特に制限されないが、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、カーボンブラック等が挙げられる。これらのうち、シリカを用いることが好ましい。この際、シリカとしては、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が用いられ得る。
また、前記充填剤は、必要に応じて表面処理されていてもよい。この際、使用されうる表面処理剤としては、特に制限されないが、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が使用されうる。表面処理剤の具体例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。なお、上述の充填剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記充填剤を用いる場合、本実施形態の硬化性樹脂組成物における充填剤の使用量は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して、0.5~95質量部であることが好ましい。充填剤の含有量が0.5質量部以上であると、充填剤の効果を十分に付与することができる。一方、充填剤の含有量が95質量部以下であると、配合物の粘度が高くなりことによる成形性の悪化を抑制することができる。同様の観点から、充填剤の含有量は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して、5質量部以上であることがより好ましく、また、80質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物の製造方法は、特に制限されず、上述した種々の成分を、ロール等の混練機を用いて混練することで製造することができる。
<硬化物>
本実施形態の硬化物は、上述の硬化性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする。本実施形態の硬化物は、耐熱性が高く、密着性が高く、誘電特性に優れ、絶縁材料やレジスト部材として好適に機能し得る。
本実施形態の硬化物は、硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射して硬化させることで得られるものであることが好ましい。
前記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。また、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、紫外線による硬化反応を効率よく行う上で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射してもよく、空気雰囲気下で照射してもよい。
紫外線発生源として、具体的には、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ等の紫外線ランプ、太陽光、LED等が挙げられ、これらの中でも、実用性及び経済性の観点から、紫外線ランプが一般的に用いられている。
前記活性エネルギー線の積算光量は、特に制限されないが、0.1~50kJ/mであることが好ましく、0.5~10kJ/mであることがより好ましい。積算光量が上記範囲であると、未硬化部分の発生の防止又は抑制を十分に図ることができる。なお、活性エネルギー線の照射は、一段階で行ってもよく、二段階以上に分けて行ってもよい。
また、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させて硬化物を得る他の方法としては、例えば、加熱硬化が挙げられる。加熱硬化する際の加熱温度は、特に制限されないが、100~300℃であり、加熱時間としては、1~24時間であることが好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物又は硬化物が用いられる用途としては、プリント配線板材料、フレキシルブル配線基板用樹脂組成物、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム等の回路基板用絶縁材料、樹脂注型材料、接着剤、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、導電ペースト、ビルドアップフィルム、ビルドアップ基板、繊維強化複合材料、上記複合材料を硬化させてなる成形品等が挙げられる。これら各種用途のうち、プリント配線板材料、回路基板用絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ所謂電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。更に、上記の中でも、硬化物が優れた耐熱性、密着性及び低誘電特性を有するといった特性を生かし、本実施形態の硬化性樹脂組成物又は硬化物は、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、フレキシルブル配線基板、回路基板、及び、ビルドアップフィルム、ビルドアップ基板、多層プリント配線板、繊維強化複合材料、前記複合材料を硬化させてなる成形品に好適に適用することができる。
<絶縁材料>
本実施形態の絶縁材料は、上述の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする。また、本実施形態の絶縁材料は、上述した硬化性樹脂組成物を、活性エネルギー線の照射によって硬化させて得られるものであることが好ましい。かかる本実施形態の絶縁材料は、耐熱性、密着性及び伸度に優れる。
当該絶縁材料としては、上述のビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム等の回路基板用絶縁材料、回路基板用絶縁材料及び電子部品内蔵用基板用の絶縁材料などが挙げられる。例えば、上記硬化性樹脂組成物からビルドアップ基板を製造する方法としては、以下に示す3つの工程からなる方法で製造されるものが挙げられる。第1の工程は、ゴム、充填剤などを適宜配合した上記硬化性樹脂組成物を、回路を形成した回路基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる工程であり、第2の工程は、その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する工程であり、第3の工程は、このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成する工程である。なお、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行うことが好ましい。第一の工程は、上述の溶液塗布によるもの以外にも、あらかじめ所望の厚みに塗工して乾燥したビルドアップフィルムのラミネートによる方法でも行うことができる。また、本発明のビルドアップ基板は、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170~250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を製造することも可能である。
<レジスト部材>
本実施形態のレジスト部材は、上述の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする。当該レジスト部材は、例えば、上述した硬化性樹脂組成物を基材上に塗布し、適宜60~100℃程度の温度範囲で乾燥させた後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを通して活性エネルギー線にて露光させ、アルカリ水溶液にて未露光部を現像し、更に140~180℃程度の温度範囲で加熱硬化させて得ることができる。かかる本実施形態のレジスト部材(レジスト膜)は、耐熱性、密着性及び誘電特性に優れる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1 スチレン変性フェノール樹脂(1)の合成)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌機を取り付けたフラスコに、4,4’-ジヒドロキシビフェニル186.2質量部(1.0モル)とトルエン208.3質量部を仕込み、p-トルエンスルホン酸4.2質量部を加えて、110℃まで昇温した。スチレン416.6(4.0モル)質量部を2時間かけて滴下し、そのまま110℃で2時間反応させた。反応終了後、80℃まで降温し、NaOH水溶液を使用して中和した。トルエンを加熱減圧下に除去し、スチレン変性フェノール樹脂(1)542.5gを得た。得られたスチレン変性フェノール樹脂(1)の外観は固形、水酸基当量は316g/当量であった。
(合成例2 〔エポキシ樹脂(A-1)の合成〕)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例1で得られたスチレン変性フェノール樹脂(1)316.0質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン740.0質量部(8.0当量)、n-ブタノール158.0質量部を仕込み溶解させた。60℃に昇温した後、20%水酸化ナトリウム水溶液220.0質量部(1.1当量)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン744.0質量部を加え溶解した。更にこの溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液5.0質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水372.0質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(A-1)334.9質量部を得た。得られたエポキシ樹脂(A-1)の溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は1.1dPa・s、軟化点は72℃、エポキシ当量は384g/当量であった。
(合成例3 スチレン変性フェノール樹脂(2)の合成)
合成例1のスチレンを208.3質量部(2.0モル)に変更した以外は同様の操作を行い、スチレン変性フェノール樹脂(2)374.8質量部を得た。得られたスチレン変性フェノール樹脂(2)の外観は固形、水酸基当量は187g/当量であった。
(合成例4 〔エポキシ樹脂(A-2)の合成〕)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例3で得られたスチレン変性フェノール樹脂(2)187.0質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン740.0質量部(8.0当量)、n-ブタノール158.0質量部を仕込み溶解させた。60℃に昇温した後、20%水酸化ナトリウム水溶液220.0質量部(1.1当量)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン486.0質量部を加え溶解した。更にこの溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液5.0質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水243.0質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(A-2)228.4質量部を得た。得られたエポキシ樹脂(2)の溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は0.7dPa・s、軟化点は107℃、エポキシ当量は267g/当量であった。
(合成例5 〔エポキシ樹脂(3)の合成〕)
合成例1のスチレンを104.2質量部(1.0モル)に変更した以外は同様の操作を行い、フェノール樹脂(3)278.4質量部を得た。得られたスチレン変性フェノール樹脂(3)の水酸基当量は145g/当量であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、得られたスチレン変性フェノール樹脂(3)145.0質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン740.0質量部(8.0当量)、n-ブタノール158.0質量部を仕込み溶解させた。60℃に昇温した後、20%水酸化ナトリウム水溶液220.0質量部(1.1当量)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン402.0質量部を加え溶解した。更にこの溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液5.0質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水201.0質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(3)192.9質量部を得た。得られたエポキシ樹脂(3)の溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は0.3dPa・s、軟化点は109℃、エポキシ当量は231g/当量であった。
(合成例6:酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(D-1)の合成)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート123質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EPICLON N-680」(DIC株式会社製、軟化点86℃、エポキシ当量:214g/eq、)214質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.2質量部を加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート72質量部、テトラヒドロ無水フタル酸76質量部を加え110℃で3時間反応し、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(D-1)を得た。この酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(D-1)の不揮発分は65質量%で、固形分酸価は80mgKOH/gであった。なお、酸価は、JIS K 0070(1992)の中和滴定法に基づいて測定した値である。
(実施例1 酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(B-1))
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート195.4質量部を入れ、合成例2で得られたエポキシ樹脂(A-1)384質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン1.1質量部、メトキノン0.2質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン2.3質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート115.6質量部、テトラヒドロ無水フタル酸121.6質量部を加え110℃で3時間反応し、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(B-1)を得た。この酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(B-1)の不揮発分は65質量%で、固形分酸価は80mgKOH/gであった。
(実施例2 酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(B-2))
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート145.3質量部を入れ、合成例4で得られたエポキシ樹脂(A-2)267質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、メトキノン0.2質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.7質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で12時間反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート86.4質量部、テトラヒドロ無水フタル酸91.2質量部を加え110℃で3時間反応し、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(B-2)を得た。この酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(B-2)の不揮発分は65質量%で、固形分酸価は81mgKOH/gであった。
(比較例1 酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(C-1))
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート129.9質量部を入れ、合成例5で得られたエポキシ樹脂(3)231質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、メトキノン0.2質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.5質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で13時間反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート76.7質量部、テトラヒドロ無水フタル酸80.6質量部を加え110℃で3時間反応し、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(C-1)を得た。この酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(C-1)の不揮発分は65質量%で、固形分酸価は80mgKOH/gであった。
(実施例3~8、比較例2~3)
下記表1、表2の成分を混合し、硬化性樹脂組成物(1)、(2)、(3)、(C1)及び(C2)を得た。該硬化性樹脂組成物に対して、以下の試験を行った。
[アルカリ現像性の評価]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いてガラス基材上に膜厚50μmとなるように塗布した後、80℃で50分間、60分間、70分間、80分間、90分間、100分間、110分間それぞれ乾燥させ、乾燥時間が異なるサンプルを作製した。これらを1質量%炭酸ナトリウム水溶液(アルカリ水溶液)で、30℃で180秒間現像し、基材上に残渣が残らなかったサンプルの80℃での乾燥時間を乾燥管理幅(分)として評価した。乾燥管理幅(分)が長いほど、現像性が高いことを示す。
[弾性の評価方法]
弾性の評価は、引張試験による弾性率の測定により行った。各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いて銅箔(古河産業株式会社製、電解銅箔「F2-WS」18μm)上に膜厚50μmとなるように塗布し、80℃で30分乾燥させた。次いで、メタルハライドランプを用いて10kJ/mの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱して、硬化塗膜を得た。次いで、前記硬化塗膜を銅箔から剥離し、硬化物(試験片1)を得た。
<引張試験>
前記試験片1を10mm×80mmの大きさに切り出し、株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフ「AG-IS」を用いて、下記の測定条件で試験片の引張試験を行った。試験片が破断するまでの弾性率(MPa)を測定し、以下の基準に従い評価した。
測定条件:温度23℃、湿度50%、標線間距離20mm、支点間距離20mm、引張速度10mm/分
[誘電率の測定方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いてガラス基材上に膜厚50μmとなるように塗布し、80℃で30分乾燥させた。次いで、メタルハライドランプを用いて10kJ/mの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱して、硬化塗膜を得た。次いで、前記硬化塗膜をガラス基材から剥離し、硬化物を得た。次いで、温度23℃、湿度50%の室内に24時間保管したものを試験片とし、アジレント・テクノロジー株式会社製「ネットワークアナライザE8362C」を用いて、空洞共振法により試験片の1GHzでの誘電率を測定した。
[誘電正接の測定方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いてガラス基材上に膜厚50μmとなるように塗布し、80℃で30分乾燥させた。次いで、メタルハライドランプを用いて10kJ/mの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱して、硬化塗膜を得た。次いで、前記硬化塗膜をガラス基材から剥離し、硬化物を得た。次いで、温度23℃、湿度50%の室内に24時間保管したものを試験片とし、アジレント・テクノロジー株式会社製「ネットワークアナライザE8362C」を用いて、空洞共振法により試験片の1GHzでの誘電正接を測定した。
[密着性の評価方法]
密着性の評価は、ピール強度の測定により行った。
<試験片2の作製>
銅箔(古河産業株式会社製、電解銅箔「F2-WS」18μm)上に実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、その後80℃/30min乾燥、メタルハライドランプを用いて10kJ/mの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱し、試験片2を得た。
<ピール強度の測定方法>
前記試験片2を幅1cm、長さ12cmの大きさに切り出し、剥離試験機(株式会社A&D製「A&Dテンシロン」、剥離速度50mm/min)を用いて、90°ピール強度を測定した。
ピール強度の測定条件は、以下の通りである。
測定機器:株式会社A&D社製「A&Dテンシロン」
試験片:幅1cm、長さ12cm剥離試験機
試験速度:50mm/min
条件:温度23℃、湿度50%
Figure 2024047839000017
Figure 2024047839000018
表1及び表2では以下のものを用いた。
硬化剤:DIC社製、商品名「EPICLON N-680」
有機溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
光重合開始剤:IGM Resins社製、商品名「Omnirad-907」
表1及び表2の結果から、本発明に従う酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を用いた実施例3~8の硬化性樹脂組成物を硬化させて得た硬化物は、従来の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を用いた比較例2及び比較例3の硬化物に比べて、弾性率が低く、低誘電特性を示し、また、密着性が高いことが分かる。
本発明の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂、硬化性樹脂組成物及び硬化物は、絶縁材料、レジスト部材等に利用できる。

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、多塩基酸無水物(C)とを必須の原料とする酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂であって、
    前記エポキシ樹脂(A)がジヒドロキシビフェニル1モルに対して、1.5~8モルの芳香族ビニル化合物との反応物と、エピハロヒドリンと、を反応させることにより得られ、下記一般式(1)で表される、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂。
    Figure 2024047839000019
    (但し、上記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、または、α-メチルベンジル基を表し、Gは、グリシジル基を表す。p及びqは、それぞれ独立に、0~4の数を示し、p+qは、平均値として1.5~8である。また、nは0~5の数を示す。)
  2. 請求項1に記載の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂を含むことを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  3. 更に、光重合開始剤を含む、請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 更に、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂以外の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(D)を含有する、請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 更に、硬化剤を含む、請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項2~5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする、硬化物。
  7. 請求項2~5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする、絶縁材料。
  8. 請求項2~5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする、レジスト部材。
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