JP2024047764A - 成形用材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品の外観を向上させる成形用材料を提供すること。【解決手段】成形用材料は、樹脂と、セルロース繊維と、を含む成形用材料であって、セルロース繊維の含有量が、成形用材料の全質量に対して50質量%以上であり、樹脂において、総計したハンセン溶解度パラメーターHSPが20.0以上32.0以下であり、水素結合項δHが4.0以上15.0以下であり、且つ極性項δPが8.5以上17.0以下であり、成形用材料を適用した成形体を破断したとき、成形体の破断面の1平方mm範囲において、セルロース繊維上に樹脂が30%以上存在する。【選択図】なし

Description

本発明は、成形用材料に関する。
従来、セルロース繊維および樹脂などを含む成形用材料が知られていた。例えば、特許文献1には、紙由来の繊維と生分解性樹脂とを含む複合材が開示されている。
特開2000-6142号公報
しかしながら、特許文献1に記載の複合材では、成形品の外観を向上させることが難しいという課題があった。詳しくは、セルロース繊維に対する樹脂の親和性が低くなる可能性があり、成形品の表面からセルロース繊維が脱落することがあった。また、バリ取りのために成形品に研磨処理などを施す場合にも、セルロース繊維が脱落し易くなることがあった。そのため、表面の平滑性が低下して成形品の外観が損なわれるおそれがあった。すなわち、成形品の外観を向上させる成形用材料が求められていた。
成形用材料は、樹脂と、セルロース繊維と、を含む成形用材料であって、前記セルロース繊維の含有量が、前記成形用材料の全質量に対して50質量%以上であり、前記樹脂において、総計したハンセン溶解度パラメーターHSPが20.0以上32.0以下であり、水素結合項δHが4.0以上15.0以下であり、且つ極性項δPが8.5以上17.0以下であり、前記成形用材料を適用した成形体を破断したとき、前記成形体の破断面の1平方mm範囲において、前記セルロース繊維上に前記樹脂が30%以上存在する。
実施例に係る成形用材料の組成および評価結果などを示す表。 比較例に係る成形用材料の組成および評価結果などを示す表。 実施例の試験片における破断面のSEM観察画像。 比較例の試験片における破断面のSEM観察画像。
1.成形用材料
本実施形態に係る成形用材料は、樹脂とセルロース繊維とを含む。成形用材料から製造される成形品は、ポリスチレンなどの代替品として、各種容器、シート、プリンターなどの事務機器や家電製品などの筐体に好適である。以下、成形用材料に含まれる各種原材料について説明する。
1.1.樹脂
樹脂は、熱可塑性を有し、成形用材料から成形品を製造する際に、溶融してセルロース繊維同士を結着させる結着材として機能する。また、上記結着材は、セルロース繊維と共に成形品の物性を担う。樹脂は複数種類を組み合わせて適用してもよい。
さらに、樹脂のうち比較的に極性が高いものは、セルロース繊維に対する樹脂の濡れ性を増大させる。そのため、セルロース繊維に対する樹脂の親和性が向上する。樹脂の極性は、以下に述べるハンセン溶解度パラメーターが指標となる。なお、複数の樹脂を併用する場合には、比較的に極性が近しい樹脂を用いることにより、樹脂同士の混和性を増大させて、成形品を製造する際の成形性を向上させることができる。
樹脂において、総計したハンセン溶解度パラメーターHSPが20.0以上32.0以下であり、水素結合項δHが4.0以上15.0以下であり、且つ極性項δPが8.5以上17.0以下である。なお、ハンセン溶解度パラメーターHSP、水素結合項δH、および極性項δPの各特性値として、情報機構社の溶解性パラメーター適用事例集、および各論文などに記載の公知の数値を参照してもよい。樹脂としては、例えば、直鎖アルキル系ポリエステルおよび高極性ポリエステルなどが挙げられる。
ここで、総計したハンセン溶解度パラメーターHSP、水素結合項δH、および極性項δPとは、樹脂を1種類単独で適用する場合には、当該樹脂単体の各特性値を指す。また、2種類以上の樹脂を併用する場合には、樹脂全体の総計での各特性値を指す。樹脂全体の総計での各特性値は、個々の樹脂の各特性値から各々の含有量に基づく加重平均によって算出される。
さらに、樹脂において、総計したハンセン溶解度パラメーターHSPが20.0以上22.0以下であり、水素結合項δHが4.0以上6.5以下であり、且つ極性項δPが9.0以上15.0以下であることが好ましい。これによれば、セルロース繊維に対する樹脂の親和性をさらに高めることができる。
なお、総計した樹脂の上記特性値が上述した範囲内に入れば、上記特性値の1つ以上が上述の範囲外となるその他の樹脂を併用してもよい。その他の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリスチレンなどが挙げられる。上述した樹脂およびその他の樹脂には、市販品を適用してもよい。
直鎖アルキル系ポリエステルは、原料モノマーとして、アルキレン基の炭素数が4以上8以下のアルキルジカルボン酸と、アルキレン基の炭素数が2以上8以下のアルキレンジオールとを含む。直鎖アルキル系ポリエステルは、上記2種類の原料モノマーが共重合して成る。直鎖アルキル系ポリエステルは、上記2種類の原料モノマーが公知の合成方法にて共重合して成る。
上記のアルキルジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、およびセバシン酸などの直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。直鎖アルキル系ポリエステルの合成には、これらのうちの1種類以上を用いる。
上記のアルキレンジオールとしては、例えば、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、および1,8-オクタンジオールがなどの2価アルコールが挙げられる。直鎖アルキル系ポリエステルの合成には、これらのうちの1種類以上を用いる。上述した2種類の原料モノマーは、比較的に入手が容易であり、工業用途または商業用途に適用することができる。
直鎖アルキル系ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、およびポリエチレンジアジペートなどが挙げられる。これらの直鎖アルキル系ポリエステルは生分解性を有するため、成形品による環境負荷を低減することができる。
高極性ポリエステルは、極性が比較的に高い分子構造を有し、原料モノマー由来の繰り返し構造において炭素数が2に対して酸素数が1以上である。詳しくは、高極性ポリエステルは、原料モノマーとして、乳酸、ヒドロキシ酪酸、オキシコハク酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、セリン、スレオニン、アクリル酸、アクリル酸メチル、およびビニル酢酸などの原料モノマーを含む。
高極性ポリエステルとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレートなどのポリヒドロキシアルカノエート、および3-ヒドロキシ(ブチレート-コ-ヘキサノエート)などが挙げられる。高極性ポリエステルは、環境負荷低減の観点から生分解性を具備するものが好ましい。
複数種類の樹脂を併用する場合には、樹脂は、ハンセン溶解度パラメーターHSPが20.0以上22.0以下であり、水素結合項δHが4.0以上6.5以下であり、且つ極性項δPが9.0以上15.0以下である樹脂を1種類以上含むことが好ましい。これによれば、セルロース繊維に対する樹脂の親和性をさらに高めることができる。
複数種類の樹脂を併用する場合には、樹脂は、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリ乳酸、およびポリヒドロキシアルカノエートのうちの1種類以上を含むことが好ましい。これによれば、セルロース繊維に対する樹脂の親和性をさらに高めることができる。なお、これらの樹脂の上記特性値は、実施例にて明示する。
1.2.セルロース繊維
セルロース繊維は、成形品において充填材として機能し、成形用材料のかさ増しや成形品の強度などの物性向上に寄与する。
セルロース繊維は、植物由来であって、比較的に豊富な天然素材である。そのため、セルロース繊維を用いることにより、合成繊維を用いる場合と比べて環境負荷の低減が促進される。セルロース繊維は、原材料の調達やコストの点でも優位である。また、セルロース繊維は、各種繊維の中でも、理論上の強度が高く、成形品の強度の向上にも寄与する。セルロース繊維として、バージンパルプを用いる他に、古紙、古布などを再利用してもよい。
セルロース繊維は、主としてセルロースで形成されたものであるが、セルロース以外の成分を含んでもよい。セルロース以外の成分としては、例えば、ヘミセルロース、リグニンなどが挙げられる。また、セルロース繊維には、漂白などの処理が施されていてもよい。
セルロース繊維の繊維長は、成形品表面の外観を向上させる観点から、500μm未満であることが好ましく、50μm未満であることがより好ましい。セルロース繊維の繊維長は、ISO 16065-2:2007に準拠した方法にて求められる。
セルロース繊維の含有量は、成形用材料の全質量に対して50質量%以上とする。これにより、成形品において、セルロース繊維の充填材としての機能を顕著に発現させることができる。また、セルロース繊維の含有量は、成形用材料の全質量に対して80質量%以下とすることが好ましい。これにより、成形品において、樹脂の含有量を確保して、樹脂の機能を十分に発現させることができる。
1.3.添加剤
成形用材料は、難燃剤、着色剤、防虫剤、防カビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集抑制剤、および離型剤などの添加剤を含んでもよい。
2.成形用材料の製造方法
成形用材料の製造方法について説明する。成形用材料の製造には、公知の方法が適用可能である。具体的には、例えば、以下に述べる方法が適用可能である。なお、成形用材料の製造方法は如何に述べる方法に限定されない。
まず、上述した原材料を一軸混錬機または二軸混錬機にて混錬してストランド状とする。次に、ペレタイズ加工を施してペレット状の成形用材料とする。
また、成形用材料の製造方法として以下の方法を適用してもよい。まず、古紙やパルプ材をシュレッダー装置にて粗砕してセルロース繊維とする。そして、セルロース繊維と、樹脂を計量して混錬する。次に、混錬した原材料を空気中にて堆積させてシート状の堆積物とする。該堆積物は空気を多く含み密度が小さいため、カレンダー装置にて圧縮して空気を排除して密度を高める。次に、加熱炉を用いて非接触にて加熱した後、ヒートプレス装置にて加熱プレスする。
加熱炉およびヒートプレス装置では、樹脂の溶融温度に対して、約20℃高い温度にて加熱する。これにより、各原材料が偏りを抑えて分散されたシートが形成される。
次に、シートをシュレッダー装置にて所望の形状に裁断して、ペレット状の成形用材料とする。成形用材料の所望の形状とは、特に限定されないが、2mm立法から5mm立法までの略立方体である。
以上の製造方法によって成形用材料が製造される。成形用材料から成形品である成形体を製造するには、射出成形やプレス加工などの公知の成形方法が適用可能である。成形用材料を適用した成形体を破断したとき、成形体の破断面は以下に述べる状態とする。
すなわち、成形体の破断面の1平方mm範囲において、セルロース繊維の表面上に樹脂が30%以上存在する状態とする。上記状態は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察、またはラマン分光分析による特定の分子構造のマッピング解析などによって確認する。ここで、特定の分子構造としては、セルロース繊維に含まれず、樹脂に固有の、例えばカルボニル基などの分子構造である。
なお、セルロース繊維の上の樹脂の存在量は、走査型電子顕微鏡の観察画像やラマン分光分析のマッピング画像などを画像解析ソフトなどにて解析することにより知ることが可能である。
セルロース繊維の表面上に樹脂が30%以上存在する状態とは、セルロース繊維と樹脂とが界面剥離せずに、セルロース繊維と樹脂とが脆性破壊または延性破壊している状態でもある。すなわち、上記の状態は、セルロース繊維に対する樹脂の親和性が高く、破断面のセルロース繊維の表面に樹脂が残存している状態といえる。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。成形品の外観を向上させることができる。詳しくは、ハンセン溶解度パラメーターHSP、水素結合項δH、および極性項δPが上述した範囲にあることから、セルロース繊維に対する樹脂の親和性、換言すれば濡れ性が高まる。そのため、成形用材料から成形品を製造すると、成形品の表面などからセルロース繊維が脱落し難くなる。また、成形品の表面からセルロース繊維が脱落し難くなるため、成形品からの発塵の発生を低減することができる。したがって、成形品の外観を向上させる成形用材料を提供することができる。
3.実施例および比較例
以下、実施例および比較例を示して、本発明の効果をより具体的に説明する。実施例1から実施例10の各成形用材料に関する、原材料の組成および成形品の評価結果などを図1に示す。比較例1から比較例16の各成形用材料に関する、原材料の組成および成形品の評価結果などを図2に示す。
図1および図2の組成の欄では、数値の単位は質量%であり、数値の記載がない、-表記の欄は含有しないことを意味する。原材料名の表記では名称に略称を用いている。各略称については後述する。以下の説明では、実施例1から実施例10を総称して単に実施例ともいい、比較例1から比較例16を総称して単に比較例ともいう。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されない。
図1および図2の組成にしたがって、実施例および比較例の成形用材料を製造した。具体的には、樹脂およびセルロース繊維を秤量し、テクノベル社の二軸混錬機 KZW15TW-45MGに投入して混錬した。混錬条件は、最高加熱温度を180℃とし、押し出し吐出量を1kg/hrとした。次に、ストランド状に加工してから、ペレタイザーにてペレット状の成形用材料とした。
図1および図2の特性値の欄では、1種類の樹脂を用いた水準では当該樹脂単体の特性値を記し、複数種類の樹脂を用いた水準では計算によって総計した特性値を記した。
図1および図2において用いた略称および原材料の詳細は、以下の通りである。
樹脂
・PBS:ポリブチレンサクシネート。商品名バイオPBS FZ71PB、三菱ケミカル社。
・PBSA:ポリブチレンサクシネート・アジペート。商品名バイオPBS FD92PB、三菱ケミカル社。
・PLA:ポリ乳酸。商品名テラマック(登録商標)TE-2000、ユニチカ社。
・P3HBH:3-ヒドロキシ(ブチレート-コ-ヘキサノエート)。商品名Green Planet(登録商標)、カネカ社。
その他の樹脂
・PET:ポリエチレンテレフタレート。商品名NEH-2070、ユニチカ社。
・ABS:アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂。商品名トヨラック(登録商標)500、東レプラスチックス社。
・POM:ポリオキシメチレン。商品名ジュラコン(登録商標)M90-44、ポリプラスチック社。
・PVA:ポリビニルアルコール。商品名Mowiflex(登録商標)C17、クラレ社。
・PE:ポリエチレン。商品名ネオゼックス(登録商標)20201J、プライムポリマー社。
・PP:ポリプロピレン。商品名AZ564、住友化学社。
・PS:ポリスチレン。商品名スタイロン(登録商標)438、ダウ・ケミカル社。
セルロース繊維:商品名Guaiba BEKP、CMPC社。
実施例および比較例の成形用材料を用いて、射出成形またはプレス加工により評価用の試験片を作製した。詳しくは、射出成形およびプレス加工共に、成形用材料の加熱温度は200℃とした。射出成形装置として日精樹脂工業社のTHX40-5Vを用い、プレス加工装置として東和精機社の油圧プレス PHKS-40ABSを用いた。試験片の形状は、長辺80mm±2mm、短辺4.0mm±0.2mm、厚さ10.0mm±0.2mmの長方形の板状とした。なお、比較例6の成形用材料は試験片への成形ができなかった。
実施例および比較例の各試験片をベッセル社のプラスチックハンマー70X1にて破壊して、破断面を観察した。詳しくは、日立ハイテクノロジーズ社の走査型電子顕微鏡S-4800による外観観察と、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のイメージング顕微ラマン装置による破断面の1平方mm範囲のマッピング解析を実施した。
成形品の破断面の状態の欄へ、各試験片の破断面の1平方mm範囲において、セルロース繊維上に存在する樹脂が30%以上であった場合には1を記し、セルロース繊維上に存在する樹脂が30%未満であった場合には2を記した。
ここで、実施例1は、PBSの含有量を10質量%とし、PLAの含有量を40質量%とし、セルロース繊維の含有量を50質量%として、成形品を射出成形によって作製した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例2は、実施例1に対して、PBSをPBSAに代替し、PLAをP3HBHに代替した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例3は、PBSAの含有量を30質量%とし、PLAの含有量を20質量%とし、セルロース繊維の含有量を50質量%として、成形品を射出成形によって作製した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例4は、実施例3に対して、PBSAをPBSに代替し、PLAをP3HBHに代替した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例5は、PLAの含有量を40質量%とし、PETの含有量を10質量%とし、セルロース繊維の含有量を50質量%として、成形品を射出成形によって作製した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例6は、PLAの含有量を30質量%とし、ABSの含有量を20質量%とし、セルロース繊維の含有量を50質量%として、成形品を射出成形によって作製した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例7は、実施例6に対して、ABSをPOMに代替した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例8は、PBSAの含有量を24質量%とし、PLAの含有量を16質量%とし、セルロース繊維の含有量を60質量%として、成形品を射出成形によって作製した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例9は、PBSの含有量を16質量%とし、PLAの含有量を4質量%とし、セルロース繊維の含有量を80質量%として、成形品をプレス加工によって作製した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
実施例10は、PBSAの含有量を10質量%とし、PLAの含有量を10質量%とし、セルロース繊維の含有量を80質量%として、成形品をプレス加工によって作製した水準である。試験片の破断面の状態は1である。
比較例1は、PBSの含有量を50質量%とし、セルロース繊維の含有量を50質量%として、成形品を射出成形によって作製した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例2は、比較例1に対して、PBSをPBSAに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例3は、比較例1に対して、PBSをPLAに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例4は、比較例1に対して、PBSをP3HBHに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例5は、比較例1に対して、PBSをPETに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例6は、比較例1に対して、PBSをABSに代替した水準である。試験片への加工は不可能であり、破断面の観察は実施しなかった。
比較例7は、比較例1に対して、PBSをPOMに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例8は、比較例1に対して、PBSをPVAに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例9は、比較例1に対して、PBSをPEに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例10は、比較例1に対して、PBSをPPに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例11は、比較例1に対して、PBSをPSに代替した水準である。試験片の破断面の状態は2である。
比較例12は、PBSの含有量を25質量%とし、POMの含有量を25質量%とし、セルロース繊維の含有量を50質量%として、成形品を射出成形によって作製した水準である。比較例12では、上記ハンセン溶解度パラメーターHSPなどの3つの特性値の1つ以上が、上述した範囲を外れる。試験片の破断面の状態は2である。
比較例13は、比較例12に対して、PBSをPBSAに代替し、POMをPVAに代替した水準である。比較例13では、試験片の破断面の状態が2である。
比較例14は、比較例12に対して、PBSをPLAに代替し、POMをPEに代替した水準である。比較例14では、上記ハンセン溶解度パラメーターHSPなどの3つの特性値の全てが、上述した範囲を外れる。試験片の破断面の状態は2である。
比較例15は、比較例12に対して、PBSをP3HBHに代替し、POMをPPに代替した水準である。比較例15では、上記ハンセン溶解度パラメーターHSPなどの3つの特性値の全てが、上述した範囲を外れる。試験片の破断面の状態は2である。
比較例16は、比較例12に対して、PBSをPETに代替し、POMをPSに代替した水準である。比較例16では、上記ハンセン溶解度パラメーターHSPなどの3つの特性値の1つ以上が、上述した範囲を外れる。試験片の破断面の状態は2である。
実施例および比較例における試験片の破断面の状態について説明する。図3は、実施例3の試験片の破断面のSEM観察画像であり、図4は、比較例2の試験片の破断面のSEM観察画像である。なお、図示を省略するが、実施例3以外のその他の実施例は実施例3と同様な破断面の状態であり、比較例6および比較例2以外のその他の比較例は比較例2と同様な破断面の状態であった。
図3に示すように、実施例3の試験片の破断面では、セルロース繊維Fの表面上に樹脂Rが残存している。セルロース繊維F上の樹脂Rは、所々紐状に延びたような形跡が見られる。これは、試験片の破断が延性破壊であったことを示唆している。すなわち、セルロース繊維Fに対する樹脂Rの親和性が高いために、試験片が破壊された際に樹脂Rの一部がセルロース繊維Fの表面に付着したまま残ったからである。
これに対して、図4に示すように、比較例2の試験片の破断面では、セルロース繊維Fの表面上に樹脂Rの残存は殆ど見られない。これは、試験片の破断が界面剥離であったことを示唆している。すなわち、セルロース繊維Fに対する樹脂Rの親和性が低いために、試験片が破壊された際に樹脂Rとセルロース繊維Fとの界面で剥離が生じて、セルロース繊維F上に樹脂Rが殆ど残らなかったからである。
成形品の外観の評価指標として、成形品表面からのセルロース繊維の脱落の有無を採用した。詳しくは、未処理の成形品表面、および番手♯40のサンドペーパーで研磨処理した後の成形品表面についてセルロース繊維の脱落の有無を調査した。得られた結果を以下の判定基準にしたがって評価した。
判定基準
A:未処理および研磨処理共に脱落は見られない。
B:未処理では脱落は見られず、研磨処理では脱落が見られる。
C:未処理および研磨処理共に脱落が見られる。
D;成形加工が不可能である。
図1および図2に示すように、実施例は全ての水準でA判定となり、成形品の外観が向上することが示された。これに対して、比較例は全ての水準でB判定以下となり、成形品の外観が向上し難いことが分かった。
F…セルロース繊維、R…樹脂。

Claims (4)

  1. 樹脂と、セルロース繊維と、を含む成形用材料であって、
    前記セルロース繊維の含有量が、前記成形用材料の全質量に対して50質量%以上であり、
    前記樹脂において、総計したハンセン溶解度パラメーターHSPが20.0以上32.0以下であり、水素結合項δHが4.0以上15.0以下であり、且つ極性項δPが8.5以上17.0以下であり、
    前記成形用材料を適用した成形体を破断したとき、前記成形体の破断面の1平方mm範囲において、前記セルロース繊維上に前記樹脂が30%以上存在する成形用材料。
  2. 前記樹脂において、総計した前記ハンセン溶解度パラメーターHSPが20.0以上22.0以下であり、前記水素結合項δHが4.0以上6.5以下であり、且つ前記極性項δPが9.0以上15.0以下である、請求項1に記載の成形用材料。
  3. 前記樹脂は、前記ハンセン溶解度パラメーターHSPが20.0以上22.0以下であり、前記水素結合項δHが4.0以上6.5以下であり、且つ前記極性項δPが9.0以上15.0以下である樹脂を1種類以上含む、請求項1に記載の成形用材料。
  4. 前記樹脂は、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリ乳酸、およびポリヒドロキシアルカノエートのうちの1種類以上を含む、請求項3に記載の成形用材料。
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