JP2024047739A - 調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラム - Google Patents

調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2024047739000001
【課題】調剤施設における薬品の調剤作業及び鑑査作業の効率を向上させることが可能な調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムを提供すること。
【解決手段】調剤指示処理部521は、調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数に基づいて、複数の処方データを振り分けるロットの数と、前記ロットごとの前記処方データの数とを決定し、前記ロットごとに、決定した当該ロットに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力する。
【選択図】図25

Description

本発明は、調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムに関する。
薬局等の調剤施設で行われる調剤業務を支援するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。例えば、処方データに基づいて調剤機器、携帯端末等に調剤指示を送ったり、調剤機器、携帯端末等から調剤作業の進行状況を把握可能な情報を収集したりすることによって、調剤の管理及び支援を行うシステムが知られている。
特許第6123526号公報
ところで、調剤施設において取り扱う処方データが多くなると、調剤機器で調剤された薬品が鑑査エリアに集中し、鑑査作業の効率が低下する問題が生じる。また、鑑査エリアにおける薬品の集中を回避するために調剤機器に対する調剤指示を停止すると、調剤作業の効率が低下する問題が生じる。このように、従来の技術では、薬品の調剤作業及び鑑査作業のそれぞれを効率良く実施することが困難である。
本発明の目的は、調剤施設における薬品の調剤作業及び鑑査作業の効率を向上させることが可能な調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムを提供することにある。
本発明の一の局面に係る調剤支援システムは、決定処理部と出力処理部とを備える。前記決定処理部は、調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数に基づいて、複数の処方データを振り分けるグループの数と、前記グループごとの前記処方データの数とを決定する。前記出力処理部は、前記グループごとに、前記決定処理部により決定される当該グループに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力する。
本発明の他の局面に係る調剤支援システムは、取得処理部と特定処理部と第1表示処理部と第2表示処理部とを備える。前記取得処理部は、調剤された薬品を識別可能な薬品識別情報を取得する。前記特定処理部は、調剤された薬品を鑑査エリアに配置される複数の振分け先のうち、前記取得処理部により取得される前記薬品識別情報が示す前記薬品に対応する振分け先を特定する。前記第1表示処理部は、前記特定処理部により特定される前記振分け先を識別可能に表示させる。前記第2表示処理部は、前記特定処理部により特定される前記振分け先に、処方データに含まれる全ての前記薬品の振り分けが完了した場合に、当該振分け先を識別可能に表示させる。
本発明の他の局面に係る調剤支援方法は、一又は複数のプロセッサーが、調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数に基づいて、複数の処方データを振り分けるグループの数と、前記グループごとの前記処方データの数とを決定することと、前記グループごとに、決定される当該グループに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力することと、を実行する調剤支援方法である。
本発明の他の局面に係る調剤支援方法は、一又は複数のプロセッサーが、調剤された薬品を識別可能な薬品識別情報を取得することと、調剤された薬品を鑑査エリアに配置される複数の振分け先のうち、取得される前記薬品識別情報が示す前記薬品に対応する振分け先を特定することと、特定される前記振分け先を識別可能に表示させることと、特定される前記振分け先に、処方データに含まれる全ての前記薬品の振り分けが完了した場合に、当該振分け先を識別可能に表示させることと、を実行する調剤支援方法である。
本発明の他の局面に係る調剤支援プログラムは、調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数に基づいて、複数の処方データを振り分けるグループの数と、前記グループごとの前記処方データの数とを決定することと、前記グループごとに、決定される当該グループに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力することと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるための調剤支援プログラムである。
本発明の他の局面に係る調剤支援プログラムは、調剤された薬品を識別可能な薬品識別情報を取得することと、調剤された薬品を鑑査エリアに配置される複数の振分け先のうち、取得される前記薬品識別情報が示す前記薬品に対応する振分け先を特定することと、特定される前記振分け先を識別可能に表示させることと、特定される前記振分け先に、処方データに含まれる全ての前記薬品の振り分けが完了した場合に、当該振分け先を識別可能に表示させることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるための調剤支援プログラムである。
本発明によれば、調剤施設における薬品の調剤作業及び鑑査作業の効率を向上させることが可能な調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムの概略構成を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムの概略構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図6Aは、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図6Bは、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の他の例を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図8は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図9は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図10は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図12は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図13は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図14は、本発明の他の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図15は、本発明の他の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図16は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図17は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図18は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図19は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図20は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図21は、本発明の他の実施形態に係る調剤支援システムの概略構成を示す模式図である。 図22は、本発明の他の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図23は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の他の例を示すフローチャートである。 図24は、本発明の実施形態に係る調剤センターの全体レイアウトを示す平面図である。 図25は、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される機器の構成を示す図である。 図26は、本発明の実施形態に係る調剤センターに登録される処方データの一例を示す図である。 図27は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける振分作業の様子を示す図である。 図28は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける振分作業の様子を示す図である。 図29は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける振分作業及び鑑査作業の様子を示す図である。 図30は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける調剤指示の出力方法の一例を示す図である。 図31は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける調剤指示の出力タイミングの一例を示す図である。 図32は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける調剤指示の出力方法の他の例を示す図である。 図33は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける調剤指示の出力タイミングの他の例を示す図である。 図34は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける調剤処理の進捗状況を示す図である。 図35は、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される集薬棚の振分状況(振分情報)を示す図である。 図36は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤指示処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図37は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される薬品振分処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図38は、本発明の実施形態に係る薬品振分作業において操作端末に表示される作業状況画面の一例を示す図である。 図39は、本発明の実施形態に係る薬品振分作業において操作端末に表示されるエラー画面の一例を示す図である。 図40は、本発明の実施形態に係る薬品振分作業において操作端末に表示される振分け先画面の一例を示す図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[調剤支援システム10]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る調剤支援システム10は、複数の薬局と、各薬局から依頼(委託)される調剤依頼に応じて調剤を行うことが可能な調剤センターとを含んで構成される。各薬局は、患者の処方データに基づいて薬品の調剤を行う施設である。調剤センターは、各薬局から前記処方データに基づく調剤の一部又は全部の調剤依頼を受け付け、当該調剤依頼に基づいて薬品の調剤を行うことが可能な施設(本発明の調剤施設に相当)である。図1に示す調剤支援システム10では、複数の薬局と、当該複数の薬局のそれぞれから調剤依頼を受付可能な一つの調剤センターとを例示しているが、調剤支援システム10は、一つの薬局と一つの調剤センターとで構成されてもよい。また、調剤支援システム10は、複数の調剤センターと、各調剤センターに対応付けられた複数の薬局とで構成されてもよい。例えば、調剤支援システム10に複数の調剤センターが含まれる場合、各薬局には特定の一つの調剤センターが割り当てられる。また、調剤支援システム10に含まれる複数の薬局のうち、いずれか一つ又は複数の薬局が前記調剤センターとして機能してもよい。例えば、第1の薬局が第2の薬局から調剤依頼を受け付けて薬品の調剤を行ってもよい。すなわち、本発明の調剤施設には、処方データに基づいて薬品の調剤を行う施設(薬局、病院など)が含まれる。
調剤支援システム10は、薬局及び調剤センターの一方又は両方で薬品の調剤処理を実行する。前記調剤処理の流れの概略を図1を参照しつつ説明する。
患者は任意の薬局Aに来局すると、薬局Aにおいて受け付けを行う。薬局Aは、患者から保険証情報(患者情報)、問診票、お薬手帳などを受け付けると、患者の処方情報(処方データ)を取得する。例えば、薬局Aは、電子カルテシステム又は処方入力端末などの上位システム(不図示)から患者の処方データを取得する。また、薬局Aは、患者から紙の処方箋を受け取った薬局スタッフが端末装置に入力(登録)することにより処方データを取得してもよい。
薬局Aの薬剤師は、患者に処方する薬品の調剤を薬局A内で行うか又は調剤センターで行うかを判断する。例えば、薬剤師は、処方する薬品が患者に直ぐに必要な薬品であるか否かなどの薬品の種別、患者が直ぐに薬品を受け取りたいか否かなどの患者の要望などに基づいて、薬品の調剤の振分先(薬局A、調剤センター)を判断する。
薬剤師が患者の処方データに含まれる全ての薬品を調剤センターで調剤することを決定すると、薬局Aは、調剤センターに対して前記処方データの調剤依頼を行う。調剤センターは、薬局Aからの調剤依頼に基づいて、前記処方データに含まれる全ての薬品の調剤を行う。調剤センターは、調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品(調剤済薬品)を薬局Aに配送する。薬局Aは、調剤済みの薬品を受け取ると検品などを行い、問題なければ患者に薬品の受け渡しを行う。薬局Aは、患者が再来局した際に薬品を受け渡してもよいし、患者宅又は患者の入居施設(病院、老健施設など)に配送してもよい。なお、調剤センターが、調剤済みの薬品を患者宅又は入居施設に直接配送してもよい。
一方、薬剤師が患者の処方データに含まれる全ての薬品を薬局Aで調剤することを決定すると、薬局Aは、薬局A内の調剤機器を使用して前記処方データに含まれる全ての薬品の調剤を行う。薬局Aは、調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品を患者に受け渡す。
また、調剤支援システム10は、前記処方データに含まれる一部の薬品を調剤センターで調剤し、他の薬品を薬局で調剤することも可能である。例えば、薬剤師が患者の処方データに含まれる一部の薬品M1を調剤センターで調剤し、他の薬品M2を薬局Aで調剤することを決定すると、薬局Aは、薬局A内の調剤機器を使用して薬品M2の調剤を行い、調剤センターに対して薬品M1の調剤依頼を行う。薬局Aは、薬品M2の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M2を患者に受け渡す。また、調剤センターは、薬局Aからの調剤依頼に基づいて、前記処方データに含まれる薬品M1の調剤を行う。調剤センターは、薬品M1の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M1を薬局Aに配送する。薬局Aは、調剤済みの薬品M1を受け取ると検品などを行い、問題なければ患者に薬品M1の受け渡しを行う。なお、薬品M1に係る調剤センター内における調剤工程、鑑査工程、及び梱包工程の作業内容を撮像した動画が薬品M1と関連付けて保存されている場合には、薬局Aの薬剤師又はスタッフが当該動画を確認することによって鑑査(検品)を実施しても良い。患者は、来局時に薬品M2のみ受け取り、後日に薬品M1を受け取ってもよいし、薬品M1が薬局Aに配達されてから薬品M1,M2をまとめて受け取ってもよい。
このように、薬局は、処方データに基づく調剤の一部又は全部を、薬局と調剤センターとのいずれかに振り分け、調剤センターは、薬局から調剤依頼を受け付けると、薬品の調剤を行う。
本実施形態に係る調剤支援システム10は、図2に示すように、薬局における調剤の振分業務を支援する薬局側調剤支援装置1と、調剤センターにおける調剤業務を支援するセンター側調剤支援装置5とを含んでいる。
各薬局に対応付けられて配置される薬局側調剤支援装置1と、調剤センターに対応付けられて配置されるセンター側調剤支援装置5とは、ネットワークN0を介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークN0は、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネットなどである。本実施形態では、薬局側調剤支援装置1は薬局内に配置され、センター側調剤支援装置5は調剤センター内に配置されている。他の実施形態として、薬局側調剤支援装置1が薬局の外部に配置され、センター側調剤支援装置5が調剤センターの外部に配置されてもよい。また、他の実施形態として、薬局側調剤支援装置1及びセンター側調剤支援装置5が、一つの装置(サーバー)で構成されてもよい。
1.薬局側の調剤支援処理
[薬局側調剤支援装置1]
図2には、一つの薬局Aを例示している。薬局Aには、薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1A、複数の調剤機器1Bなどが配置されている。薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1A、及び調剤機器1Bは、ネットワークN1を介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークN1は、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネットなどである。
調剤機器1Bは、薬局側調剤支援装置1から入力される処方データ(例えば分包データ)に基づいて薬品を調剤する機器である。調剤機器1Bは、例えば、前記処方データに基づいて薬品を服用時期ごとに薬包で分包することが可能な薬品分包装置である。前記薬品分包装置は、錠剤を分包する錠剤分包機又は散薬を分包する散薬分包機である。具体的に、前記錠剤分包機は、複数種類の錠剤が収容された複数の薬剤カセットを有し、処方データに従って前記薬剤カセットから錠剤を払い出して服用時期ごとに前記薬包で包装する分包動作を実行する。また、前記散薬分包機は、投入された散薬を処方データに従って服用時期ごとに前記薬包で包装する分包動作を実行する。
薬局内端末1Aは、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの情報処理装置である。薬局A内の薬剤師は、薬局内端末1Aを使用して処方データを確認したり、処方データの調剤を振り分けたりする。薬局側調剤支援装置1が薬局A内に配置される場合、薬局内端末1Aが薬局側調剤支援装置1の機能を備えてもよい。薬局側調剤支援装置1及び薬局内端末1Aは、本発明の操作端末の一例である。
[薬局側調剤支援装置1]
薬局側調剤支援装置1は、制御部11、記憶部12、通信インターフェース13、表示部14、操作部15、及びドライブ装置16などを備える情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)である。薬局側調剤支援装置1単体が本発明に係る調剤支援システムを構成してもよい。また、薬局側調剤支援装置1には、薬局側調剤支援装置1に処方データを入力する電子カルテシステム又は処方入力端末などの上位システム(不図示)がネットワークN1を介して接続されてもよい。なお、薬局側調剤支援装置1は、操作部15又は薬局内端末1Aを用いて処方データが入力可能な構成を備えてもよい。
通信インターフェース13は、薬局側調剤支援装置1を例えば有線又は無線によりネットワークN1に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN1を介して接続された調剤機器1B、薬局内端末1A等との間でデータ通信を実行する。また、通信インターフェース13は、薬局側調剤支援装置1を例えば有線又は無線によりネットワークN0に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN0を介して接続されたセンター側調剤支援装置5等との間でデータ通信を実行する。
制御部11は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。前記CPUは、各種の制御プログラムに従って処理を実行することにより薬局側調剤支援装置1を制御するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAMは、前記CPUによる各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
記憶部12は、制御部11によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶手段である。具体的に、記憶部12には、後述の調剤支援処理(図5及び図6等参照)を制御部11に実行させるための調剤支援プログラムが記憶されている。
ドライブ装置16は、前記調剤支援プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体17から前記調剤支援プログラムを読み取ることが可能である。記録媒体17は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどである。そして、薬局側調剤支援装置1では、制御部11により、記録媒体17からドライブ装置16で読み取られた前記調剤支援プログラムが記憶部12にインストールされる。
具体的には、制御部11は、取得処理部111、受付処理部112、振分処理部113、提案処理部114、調剤表示処理部115、依頼処理部116、進捗表示処理部117、修正処理部118、判定処理部119などの各処理部を含む。制御部11は、前記調剤支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、取得処理部111、受付処理部112、振分処理部113、提案処理部114、調剤表示処理部115、依頼処理部116、進捗表示処理部117、修正処理部118、及び判定処理部119として機能する。
取得処理部111は、患者の処方データを取得する。例えば、患者が薬局Aに来局すると、薬局スタッフは、患者から保険証情報(患者情報)、問診票、お薬手帳などを受け付ける。薬局スタッフが薬局内端末1Aに前記患者情報を入力すると、薬局内端末1Aは上位システムから患者の処方データを取得する。取得処理部111は、薬局内端末1Aから患者の前記処方データを取得する。なお、取得処理部111は、前記患者情報に基づいて、前記上位システムから前記処方データを取得してもよい。
他の実施形態として、薬局スタッフが患者から紙の処方箋を受け取った場合は、薬局スタッフが薬局内端末1Aを操作して処方箋の内容(処方情報)を入力(登録)する。この場合、取得処理部111は、薬局内端末1Aから前記処方情報に対応する処方データを取得する。なお、薬局スタッフが操作部15を操作して処方箋の内容を薬局側調剤支援装置1に入力してもよい。
また他の実施形態として、患者が自身の操作端末等により紙の処方箋をカメラで撮影し、撮影された処方箋画像を薬局A(薬局内端末1A)に送信した場合は、薬局スタッフが前記操作端末から取得した処方箋画像に基づいて処方箋の内容を入力する。この場合、取得処理部111は、薬局内端末1Aから前記処方情報に対応する処方データを取得する。
取得処理部111は、前記処方データを取得すると、処方内容を表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。図3には、処方内容を含む処方画面(処方内容画面)の一例を示している。なお、図3に示す処方画面において、薬剤師が「詳細確認」のボタンを押下すると、制御部11は、図4に示す処方内容の詳細情報を含む処方画面(処方詳細画面)を表示させる。
薬局Aの薬剤師は、お薬手帳、患者情報(アレルギー、薬品の副作用等)、問診票等を確認したり、患者から症状等を聞き取ったりして、確認した内容を登録する。登録された情報は、患者の薬歴情報として記憶される。また、薬剤師は、取得処理部111により取得される処方データの内容(処方内容)を確認する。なお、薬剤師は、薬局内端末1Aにおいて処方データを確認することが可能である。例えば薬剤師は、今回処方する薬品について、患者が服用しても問題ないかどうかを確認する。具体的には、薬剤師は、過去の処方歴、アレルギー歴、副作用歴、飲み合わせ、薬品の量等の処方チェックを行う。なお、前記処方チェックは、薬局内端末1Aにおいて自動的に実行されてもよい。前記処方チェックが完了すると処方内容が仮確定される。
受付処理部112は、薬剤師から、処方データの調剤を振り分けるための操作を受け付ける。例えば、薬剤師は、処方データの処方内容を確認して、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを判断する。例えば、処方する薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)である場合には、薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。また、例えば患者が慢性疾患を患っており、処方する薬品が慢性疾患用の薬品であり、過去に処方している薬品と同一かつ前回の処方薬品が残っている場合には、薬剤師は、今回の処方データの調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。
薬剤師は、自身の判断に基づいて、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを薬局内端末1Aにおいて入力する。
また、薬剤師は、患者の要望を確認して、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを判断してもよい。例えば、薬局Aに来局した患者がその場で処方薬品を受け取ることを希望する場合には、薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。また例えば、薬局Aに来局した患者が処方薬品の受け取りを後日(又は当日の数時間後)でも良いことを承諾した場合には、薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。
薬剤師は、患者の要望に基づいて、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを薬局内端末1Aにおいて入力する。
受付処理部112は、薬剤師による前記入力操作を受け付ける。例えば図3又は図4に示す表示画面において、薬剤師が「調剤センター委託候補登録」又は「薬局内調剤実施」のボタンを押下する操作を行うと、受付処理部112は、当該操作を受け付ける。薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であると判断すると「調剤センター委託候補登録」を押下し、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断すると「薬局内調剤実施」を押下する。
ここで、薬剤師は、前記処方データに複数の薬品が含まれる場合に、薬品ごとに、調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを判断して入力することも可能である。例えば、処方データに含まれる4つの薬品M1~M4のうち薬品M2,M4は患者に直ぐに必要な薬品であり、薬品M1,M3は患者に直ぐに必要な薬品ではない場合に、薬剤師は、薬品M1,M3の調剤を調剤センターに依頼することが可能であり、薬品M2,M4の調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。
振分処理部113は、前記処方データに基づく調剤の一部又は全部を、薬局Aと調剤センターとのいずれかに振り分ける振分処理を実行する。具体的には、振分処理部113は、薬剤師による前記入力操作(ユーザー操作)に基づいて前記振分処理を実行する。例えば、薬剤師が前記処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であると判断した場合は、振分処理部113は、当該処方データの調剤を調剤センターに振り分ける。また、薬剤師が前記処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断した場合は、振分処理部113は、当該処方データの調剤を薬局Aに振り分ける。
また、薬剤師が前記処方データのうち薬品M1,M3の調剤を調剤センターに依頼することが可能であると判断し、前記処方データのうち薬品M2,M4の調剤を調剤センターに依頼することができないと判断した場合は、振分処理部113は、当該処方データの一部(薬品M1,M3)の調剤を調剤センターに振り分け、当該処方データの一部(薬品M2,M4)の調剤を薬局Aに振り分ける。
また、振分処理部113は、調剤センターが保管する薬品の在庫状況に基づいて前記振分処理を実行してもよい。具体的には、振分処理部113は、調剤センターの現在の在庫状況を参照して、処方データに含まれる薬品の在庫量が処方総量以上である場合に当該処方データの調剤を調剤センターに振り分ける。ここで、前記在庫状況の在庫数には、調剤センターに現在保管されている薬品の実数に限定されず、調剤センターに入荷予定の予定数が含まれてもよい。すなわち、振分処理部113は、調剤センターが保管する薬品の在庫状況に基づいて、前記処方データに含まれる薬品を調剤センターで確保可能な場合に、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分ける。
また、振分処理部113は、調剤センターに調剤を依頼した場合に調剤済みの薬品の配達予定日(薬局又は患者宅への配達予定日)(納期)に基づいて前記振分処理を実行してもよい。例えば、処方データの調剤を依頼した薬品の前記配達予定日が患者の服用開始日より前である場合に、振分処理部113は、当該処方データの調剤を調剤センターに振り分ける。これに対して、処方データの調剤を依頼した薬品の前記配達予定日が患者の服用開始日より後である場合には、振分処理部113は、当該処方データの調剤を薬局Aに振り分ける。
このように、振分処理部113は、薬剤師の判断(前記入力操作)と、調剤センターにおける調剤業務に関する情報(在庫状況、配達情報等)とに基づいて前記振分処理を実行してもよい。制御部11は、振分処理部113による振分結果を出力する。
ここで、振分処理部113が前記処方データの調剤の一部又は全部を薬局Aに振り分けた場合、薬局A内で調剤が行われる。例えば、制御部11は、前記処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器1B(例えば薬品分包装置)に入力することにより、調剤機器1Bによる自動調剤が開始される。これにより、患者が服用する薬品が収容された薬包が得られる。調剤機器1Bによる調剤作業が完了すると、続いて、鑑査担当の薬剤師は、調剤機器1Bで調剤された薬品の鑑査を行う。なお、前記鑑査には、調剤機器1Bにより調剤された薬品を撮像し、その撮像された画像に基づいて自動的に鑑査を行う画像鑑査システムが利用されてもよい。薬品の鑑査が完了すると、薬剤師は患者に対して服薬指導を行って前記薬品を患者に受け渡す。
提案処理部114は、処方データの調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。具体的には、提案処理部114は、調剤センターにおける薬品の在庫状況に基づいて、処方データの調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。また、提案処理部114は、表示部14又は薬局内端末1Aにおいて、薬剤師に対して提案情報を表示させる。
例えば、調剤センターに調剤を依頼しようとしている薬品が調剤センターで採用されていないなど調剤センターで確保できない薬品である場合において、当該薬品の後発医薬品が調剤センターで採用されて調剤センターで確保可能な場合には、提案処理部114は、前記薬品を後発医薬品に代替して、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。例えば、処方データの薬品が薬局Aで採用している薬品であって、調剤センターで採用していない薬品である場合に、提案処理部114は、調剤センターで調剤可能な後発医薬品を提案する。なお、提案処理部114は、処方データの薬品の在庫が薬局Aにない場合に、調剤センターで調剤可能な後発医薬品を提案してもよいし、薬局Aの在庫の有無に関わらず前記後発医薬品を提案してもよい。
また、例えば、提案処理部114は、前記処方データの薬品について、薬局Aでは1錠未満の分割錠剤(半錠、1/4錠等)を確保可能である一方、調剤センターでは整数錠剤(1錠)を確保可能な場合に、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。例えば、処方データの薬品について、薬局Aでは半錠カットなどの分割作業が必要であり、調剤センターに分割作業を必要としない整数錠剤を確保可能な場合に、提案処理部114は、調剤センターで調剤可能な整数錠剤を提案する。
このように、提案処理部114は、前記処方データの薬品について、調剤センターで調剤可能な代替薬品を提案する。
提案処理部114による提案に対して薬剤師が提案を承諾した(受け入れた)場合、振分処理部113は、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分ける。
また、調剤センターで前記代替薬品を確保できない場合、又は、提案処理部114による提案に対して薬剤師が提案を承諾しない場合、振分処理部113は、前記薬品の調剤を薬局Aに振り分ける。
調剤表示処理部115は、前記処方データに含まれる一又は複数の薬品の調剤情報を表示部14又は薬局内端末1Aに出力する。具体的には、調剤表示処理部115は、調剤に関する情報を含む画面を表示させる。例えば、調剤表示処理部115は、調剤センターに調剤依頼する処方データ及び薬品を確認するための画面、調剤結果(調剤成果物のイメージ)を表す画面、各種帳票物を確認する画面、分包品のイメージを表す画面、配薬カレンダー及び配薬トレイなどのイメージを表す画面などを、表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。薬剤師は、例えば調剤センターに調剤依頼する内容を確認して調剤依頼を実行する。調剤表示処理部115が表示させる情報は、前記振分結果の一例である。
依頼処理部116は、調剤センターに調剤を依頼する。例えば、依頼処理部116は、薬剤師が調剤依頼を実行する操作を行った場合に、調剤センター(センター側調剤支援装置5)に調剤依頼を出力する。前記調剤依頼には、患者情報、調剤を依頼する処方データ及び薬品に関する情報、配達予定日(配達希望日)に関する情報などが含まれる。依頼処理部116は、患者ごとに個別に前記調剤依頼を調剤センターに出力してもよいし、所定のタイミングで集計した複数の患者の前記調剤依頼をまとめて調剤センターに出力してもよい。前記調剤依頼は、前記振分結果の一例である。調剤センターは、薬局Aから前記調剤依頼を取得すると調剤を実施する。
進捗表示処理部117は、依頼処理部116が調剤センターに前記調剤依頼を出力した場合に、調剤センターにおける調剤の進捗状況を表示部14又は薬局内端末1Aに出力する。具体的には、進捗表示処理部117は、前記調剤依頼に対応する薬品の調剤、及び、調剤センターで調剤された調剤済みの薬品の配送の少なくともいずれかの進捗状況を表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。薬剤師又は薬局Aのスタッフは、前記調剤の進捗状況を適宜確認して、予定通り調剤処理が行われているかどうかなどを確認することができる。また、薬剤師又は薬局Aのスタッフは、調剤済みの薬品の配送状況を適宜確認して、予定通り配送されているかどうかなどを確認することができる。
ここで、例えば前記調剤依頼が調剤センターに出力された後に、前記調剤依頼の依頼内容に誤りがあったり、変更(処方修正)があったり、前記調剤依頼が不要になったりした場合には、薬剤師は、前記調剤依頼を修正したり、前記調剤依頼を取り消したりすることができる。この場合、修正処理部118は、前記調剤依頼の修正指示、前記調剤依頼の取消指示を調剤センター(センター側調剤支援装置5)に出力する。例えば、修正処理部118は、前記調剤依頼に含まれる依頼内容の修正操作を受け付けた場合に、前記調剤依頼の修正指示を調剤センターに出力する。センター側調剤支援装置5は、薬局側調剤支援装置1から前記修正指示を取得すると、前記修正指示に応じた処理を実行する。
前記修正操作には、前記処方データの処方内容を修正する操作、調剤センターで調剤された調剤済みの薬品の配送先を修正する操作、及び調剤済みの薬品の配達予定日を修正する操作の少なくともいずれかが含まれる。また、前記処方内容を修正する操作には、剤型を変更する操作、含量規格を変更する操作、一包化に変更する操作、後発医薬品に変更する操作などが含まれる。
判定処理部119は、調剤センターで実行された調剤に異常(問題)があるか否かを判定する。例えば、調剤センターにおいて、前記調剤依頼に応じた調剤が行われ、調剤済みの薬品が薬局Aに配送されると、薬局Aのスタッフ又は薬剤師は、荷受けの作業及び検品、薬品の確認などを行う。例えば、薬剤師は、調剤センターに依頼した内容通りに調剤されているかどうかを確認する。具体的には、薬剤師は、薬品の検品(数量、種類などの検品)、調剤センターにおける調剤結果及びエビデンス情報の確認などを行う。また、薬局Aでは、調剤センターで発行される最終鑑査証明書を参照することが可能である。例えば、薬局側調剤支援装置1は、前記処方データに基づいて、センター側調剤支援装置5から前記最終鑑査証明書を取得して表示部14又は薬局内端末1Aに表示させることが可能である。薬剤師は、センター内端末5Aにおいて、調剤済みの薬品に問題があるか否かを入力する。判定処理部119は、スタッフ及び薬剤師による検品結果の入力操作に基づいて、調剤センターで実行された調剤に異常があるか否かを判定する。なお、薬局Aに配送される薬品は調剤センターにおいて最終鑑査が行われた薬品であるため、薬局Aでは非薬剤師(スタッフ)が薬品の確認(検品)を行ってもよい。また、薬局Aでは、全ての薬品に対するエビデンス情報及び調剤情報の確認作業(承認作業)を省略してもよい。例えば、薬局Aのスタッフ又は薬剤師は、調剤済みの薬品の受取確認、検品などを行い、薬品のエビデンス情報及び調剤情報などの確認を省略してもよい。
調剤センターにおける調剤に異常がある場合、依頼処理部116は、処方データに基づく調剤を再度実行させる再調剤依頼を調剤センターに出力する。具体的には、依頼処理部116は、薬剤師の操作に基づいて、調剤センターに再調剤依頼を行う。なお、依頼処理部116は、調剤センターにおける調剤に異常がある場合であって、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合う場合に、再調剤依頼を調剤センターに出力してもよい。前記所定期限は、例えば、患者の服用開始日、患者が希望する薬品の受け渡し日などである。また、制御部11は、調剤センターにおける調剤に異常がある場合であって、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合わない場合には、調剤センターに調剤依頼した薬品の調剤を薬局Aで実行させる。
調剤センターにおける調剤に異常がない場合、薬剤師は前記薬品を患者に受け渡す。また、薬剤師は、前記薬品を引き渡す際に服薬指導を行う。なお、薬剤師は、患者が処方箋の受け付けをした日に服薬指導を行ってもよい。また、前記服薬指導は、オンラインで実施されてもよい。例えば、患者は、自身の操作端末を薬局内端末1Aにネットワーク接続して薬局内端末1Aを操作する薬剤師から服薬指導を受けてもよい。
上述の構成において、制御部11に含まれる依頼処理部116、調剤表示処理部115、及び進捗表示処理部117は、一つの出力処理部として構成されてもよいし、異なる装置(薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1Aなど)に分散して配置されてもよい。また、制御部11に含まれる依頼処理部116、進捗表示処理部117、及び修正処理部118は、一つの出力処理部として構成されてもよいし、異なる装置(薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1Aなど)に分散して配置されてもよい。
[センター側調剤支援装置5]
センター側調剤支援装置5は、制御部51、記憶部52、通信インターフェース53、表示部54、操作部55、及びドライブ装置56などを備える情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)である。
通信インターフェース53は、センター側調剤支援装置5を例えば有線又は無線によりネットワークN5に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN5を介して接続された調剤機器5B、センター内端末5A等との間でデータ通信を実行する。また、通信インターフェース53は、センター側調剤支援装置5を例えば有線又は無線によりネットワークN0に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN0を介して接続された薬局側調剤支援装置1等との間でデータ通信を実行する。
制御部51は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。前記CPUは、各種の制御プログラムに従って処理を実行することによりセンター側調剤支援装置5を制御するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAMは、前記CPUによる各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
記憶部52は、制御部51によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶手段である。具体的に、記憶部52には、所定の処理を制御部51に実行させるための制御プログラムが記憶されている。
ドライブ装置56は、前記制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体57から前記制御プログラムを読み取ることが可能である。記録媒体57は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどである。そして、センター側調剤支援装置5では、制御部51により、記録媒体57からドライブ装置56で読み取られた制御プログラムが記憶部52にインストールされる。制御部51は、前記制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
例えば、制御部51は、薬局側調剤支援装置1から処方データの調剤依頼を取得すると、当該調剤依頼に応じた調剤を実施する。
例えば、制御部51は、薬局Aから取得した調剤依頼に対応する処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器5B(例えば薬品分包装置)に入力することにより、調剤機器5Bによる自動調剤が開始される。これにより、患者が服用する薬品が収容された薬包が得られる。調剤機器5Bによる調剤作業が完了すると、続いて、鑑査担当の薬剤師は、調剤機器5Bで調剤された薬品の鑑査を行う。なお、前記鑑査には、調剤機器5Bにより調剤された薬品を撮像し、その撮像された画像に基づいて自動的に鑑査を行う画像鑑査システムが利用されてもよい。また、薬剤師は、調剤及び鑑査に関するエビデンス情報を登録する。前記エビデンス情報は、前記処方データに関連付けて登録される。また、最終鑑査が行われると、制御部51は、最終鑑査を行ったことを担保するために証明書(最終鑑査証明書)を発行し、前記最終鑑査証明書を、対応する処方データに関連付けて記憶部52に記憶する。また、薬品の鑑査が完了すると、配送作業者は、前記薬包を薬局Aに対応する薬袋に収容する。配送作業者は、薬袋を薬局A又は患者宅に配送する手続きを行う。なお、配送作業者は、前記調剤依頼に含まれる配達予定日に到着するように配送手続きを行う。
ここで、調剤センターでは、複数の薬局のそれぞれから前記調剤依頼を受け付けることが可能であり、前記調剤依頼を受け付けるごとに調剤センター内で調剤を実施する。このように、調剤センターが複数の薬局における調剤業務の一部を担う場合、調剤センターは効率的に調剤業務を行うことが求められる。このため、例えば、調剤センターは、調剤依頼の受付登録などを行うスペース、薬品の入荷スペース、入荷された薬品を保管する保管スペース、調剤機器5Bにより調剤を行う調剤スペース、調剤済みの薬品を搬送する搬送スペース、調剤済みの薬品を鑑査する鑑査スペース、鑑査済みの薬品を配送する配送スペースなどを含み、各スペースにおける業務を連携して実行する。
センター側調剤支援装置5は、前記調剤処理の他、薬品の入荷処理、入荷された薬品を入庫棚(保管棚)に入庫する入庫処理、調剤済みの薬品を調剤センター内で搬送する搬送処理、調剤済みの薬品を配送する配送処理などを支援することにより、調剤センターにおける一連の業務を支援する。
[調剤支援システム10における調剤の流れ]
図5を参照しつつ、調剤支援システム10において実行される調剤の流れの一例について説明する。ここでは、薬局A及び調剤センターにおける調剤の全体的な流れの概略を説明する。
<ステップS101>
まず、ステップS101において、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、患者の処方データを取得する。例えば、患者が薬局Aに来局して、薬局スタッフが患者から保険証情報(患者情報)、問診票、お薬手帳などを受け付けて薬局内端末1Aに前記患者情報を入力すると、薬局内端末1Aは上位システムから患者の処方データを取得する。これにより、制御部11は、薬局内端末1Aから患者の前記処方データを取得する。
<ステップS102>
ステップS102において、制御部11は、処方データに基づく調剤を薬局及び調剤センターの一方又は両方に振り分ける。制御部11は、薬剤師の判断に基づいて又は前記処方データに基づいて調剤の振分先を決定する。制御部11は、調剤の一部又は全部を調剤センターに振り分ける場合、処理をステップS103に移行させる。また、制御部11は、調剤の一部又は全部を薬局Aに振り分ける場合、処理をステップS121に移行させる。
<ステップS103>
ステップS103において、制御部11は、処方データに基づく調剤依頼を調剤センターに出力する。例えば、制御部11は、処方データに含まれる全ての薬品の調剤を調剤センターに振り分ける場合、処方データ全体の調剤依頼を調剤センターに出力する。また例えば、制御部11は、処方データに含まれる一部の薬品の調剤を調剤センターに振り分ける場合、当該一部の薬品の調剤依頼を調剤センターに出力する。
<ステップS104>
ステップS104において、センター側調剤支援装置5の制御部51は、薬局Aから前記調剤依頼を取得すると、当該調剤依頼に基づく薬品の調剤処理を実行する。例えば、制御部51は、前記調剤依頼に対応する処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器5Bに入力する。調剤センターでは、薬品の調剤及び調剤済みの薬品の鑑査などが行われる。
<ステップS105>
ステップS105では、調剤センターにおいて、調剤済みの薬品を配送する手続きを行う。例えば、調剤センターの配送作業者は、調剤済みの薬品の鑑査が完了すると、薬品(薬袋)を薬局Aに配送する手続きを行う。
<ステップS106>
ステップS106では、薬局Aにおいて、薬剤師は、調剤センターから配送された薬品を受け取って検品などを行う。
<ステップS107>
ステップS107では、薬局Aにおいて、薬剤師は、患者に服薬指導を行って薬品を受け渡す。
ここで、ステップS102において、制御部11は、調剤の一部又は全部を薬局Aに振り分けると、ステップS121において、薬局A内での調剤処理を実行する。例えば、制御部11は、前記処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器1Bに入力する。薬局Aでは、薬品の調剤及び調剤済みの薬品の鑑査などが行われる(S122)。そして、薬局Aにおいて、薬剤師は、患者に服薬指導を行って薬品を受け渡す(S107)。
制御部11は、調剤の一部を調剤センターに振り分け、調剤の他の一部を調剤センターに振り分けると、ステップS103~S107の処理とステップS121~S122の処理とを並行して実行する。このように、薬局Aにおいて、処方データに基づく調剤の一部又は全部が調剤センターに振り分けられた場合に、調剤センターは薬局Aからの調剤依頼に基づいて薬品の調剤を行って患者に受け渡す。
[薬局側調剤支援装置1における調剤支援処理(調剤の振分処理)]
図6を参照しつつ、薬局側調剤支援装置1において実行される調剤支援処理の手順の一例について説明する。前記調剤支援処理は、薬局(ここでは薬局A)に対応する薬局側調剤支援装置1の制御部11により実行される。なお、本発明は、前記調剤支援処理の処理手順の一部又は全部を実行する調剤支援方法、又は当該調剤支援方法を薬局側調剤支援装置1等のコンピュータに実行させるための前記調剤支援プログラムの発明として捉えられてもよい。
<ステップS1>
まず、ステップS1において、制御部11は、患者の処方データを取得する。例えば、患者が薬局Aに来局して、薬局スタッフが患者から保険証情報(患者情報)、問診票、お薬手帳などを受け付けて薬局内端末1Aに前記患者情報を入力すると、薬局内端末1Aは上位システムから患者の処方データを取得する。これにより、制御部11は、薬局内端末1Aから患者の前記処方データを取得する。
<ステップS2>
ステップS2において、制御部11は、取得した前記処方データに対応する処方内容を表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる(図3参照)。例えば図3に示す処方画面において、薬局Aの薬剤師は、患者に対する今回の処方内容及び前回の処方内容を確認する。薬剤師が前記処方内容の詳細を確認するために「詳細確認」のボタンを押下すると、制御部11は、前記処方内容の詳細情報を含む処方画面を表示させる(図4参照)。他の実施形態として、制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されている場合に、複数の処方箋の情報を一つの処方内容に統合する処理(統合処理)を実行してもよい。前記統合処理の一例(図23参照)については後述する。
<ステップS3>
ステップS3において、制御部11は、処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼するか否かを判定する。具体的には、制御部11は、薬剤師の操作に基づいて判定処理を実行する。また、ここでは、制御部11は、処方データ単位で調剤センターに調剤依頼するか否かを判定する。
例えば、薬剤師は、処方する薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)であると判断した場合に、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。また例えば、薬局Aに来局した患者がその場で処方薬品を受け取ることを希望する場合に、薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。この場合、薬剤師は、前記処方データの調剤の振分先を薬局Aとして登録する操作を行う。例えば図3又は図4に示す処方画面において、薬剤師は「薬局内調剤実施」のボタンを押下する。制御部11は、薬剤師が振分先を薬局Aに登録する操作を行うと、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼しない(薬局Aに依頼する)と判定する(S3:No)。制御部11は、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼しないと判定すると(S3:No)、前記処方データの調剤を薬局Aに振り分け、処理をステップS31に移行させる。
<ステップS31>
ステップS31において、制御部11は、前記処方データの調剤を薬局A内で実行することを確定する。例えば、制御部11は、前記処方データに含まれる全ての薬品について、薬局A内で調剤することを確定する。その後、制御部11は、処理をステップS32に移行させる。
これに対して、ステップS3において、制御部11は、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼すると判定すると(S3:Yes)、処理をステップS4に移行させて、処方データに含まれる薬品ごとに調剤を振り分ける。例えば図3又は図4に示す処方画面において、薬剤師が「調剤センター委託候補登録」のボタンを押下すると、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼すると判定する。その後、制御部11は、処理をステップS4に移行させる。
なお、薬剤師が「調剤センター委託候補登録」のボタンを押下すると、制御部11は、前記処方データを調剤センターに調剤依頼する候補データに登録する。図7には、前記候補データの一覧を示す候補一覧画面(委託候補データ一覧画面)を示している。図7に示す候補一覧画面において、薬剤師が前記候補データの一覧から対象の調剤依頼の候補を選択して「詳細確認」のボタンを押下すると、制御部11は、図8に示すように、調剤センターに依頼する前記調剤依頼の処方内容の詳細を含む候補詳細画面(委託候補データ詳細画面)を表示させる。
<ステップS4>
ステップS4において、制御部11は、前記処方データに含まれる薬品のそれぞれについて、調剤の振分先を調剤センターとするか又は薬局Aとするかを判断する。
例えば、薬剤師は、前記処方データに含まれる全ての薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)ではないと判断した場合に、全ての薬品の調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。また例えば、薬局Aに来局した患者が全ての薬品の受け取りを後日(又は当日の数時間後)でも良いことを承諾した場合に、薬剤師は、全ての薬品の調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。薬剤師は、処方データに含まれる全ての薬品について調剤を調剤センターに依頼することができると判断すると、前記処方データの調剤の振分先を調剤センターとして登録する操作を行う。例えば図7に示す候補一覧画面において、薬剤師は「委託実施」のボタンを押下する。制御部11は、薬剤師が振分先を調剤センターに登録する操作を行うと、処方データの調剤を調剤センターに振り分けて(S4)、処理をステップS5に移行させる。
また例えば、薬剤師は、前記処方データに含まれる一部の薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)であると判断した場合に、当該一部の薬品の調剤を薬局Aに依頼し、他の薬品の調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。薬剤師は、処方データに含まれる一部の薬品の調剤を調剤センターに依頼することができると判断すると、前記処方データの調剤の振分先を調剤センター及び薬局として登録する操作を行う。例えば図8に示す候補詳細画面において、薬剤師は調剤センターに調剤を依頼する薬品を選択する操作を行う。
例えば、薬剤師は、処方データに含まれる薬品M1~M4のうち薬品M1,M3を調剤センターで調剤させ、薬品M2,M4を薬局Aで調剤させることに決定すると、図8に示す候補詳細画面から薬局Aで調剤する薬品M2,M4の情報を削除して「登録」ボタンを押下する。図9には、薬品M2,M4の情報が削除された候補詳細画面(委託候補データ詳細画面)を示している。これにより、制御部11は、処方データに含まれる薬品M1~M4のうち薬品M1,M3の調剤を調剤センターに振り分け、薬品M2,M4の調剤を薬局Aに振り分ける。また、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する処方データを更新して前記候補データ(図7参照)に登録する。
前記候補データに登録される処方データには、調剤センターで調剤される薬品の情報だけが含まれ、薬局Aで調剤される薬品の情報は含まれない。このように、調剤センターに調剤依頼する処方データ(依頼データ)から、薬局A内で調剤する薬品の情報を削除しておくことにより、調剤センター及び薬局Aのそれぞれで重複調剤されることを防ぐことができる。なお、制御部11は、調剤を薬局Aに振り分けた薬品の情報と、調剤を調剤センターに振り分けた薬品の情報とを照合して、各情報が一致する場合に警告情報を薬剤師に通知してもよい。
なお、図8に示す候補詳細画面において、制御部11は、前記処方データに含まれる複数の薬品のうち調剤センターに調剤を振り分けた薬品を識別可能に出力してもよい。具体的には、制御部11(調剤表示処理部115)は、調剤センターに調剤を振り分けた薬品と、薬局Aに調剤を振り分けた薬品とを異なる表示欄に表示させてもよいし、調剤センターに調剤を振り分けた薬品と、薬局Aに調剤を振り分けた薬品とを異なる表示態様で表示させてもよい。
<ステップS42>
制御部11は、前記処方データに含まれる一部の薬品の調剤を薬局Aに振り分けると(S4)、ステップS42において、当該薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定する。上述の例では、制御部11は、前記処方データに含まれる薬品M2,M4について、薬局A内で調剤することを確定する。その後、制御部11は、処理をステップS32に移行させる。
<ステップS5>
制御部11は、前記処方データに含まれる一部又は全部の薬品の調剤を調剤センターに振り分けると(S4)、ステップS5において、調剤センターへの調剤依頼を仮確定する。例えば、制御部11は、前記処方データに含まれる全ての薬品M1~M4(図8参照)について、調剤センターへの調剤依頼を仮確定する。若しくは、制御部11は、前記処方データに含まれる薬品M1,M3(図9参照)について、調剤センターへの調剤依頼を仮確定する。その後、制御部11は、処理をステップS6に移行させる。
なお、制御部11は、調剤センターへの調剤依頼を仮確定した時点で、調剤センターに対して調剤依頼する予定の薬品に関する情報を通知して、当該薬品の必要数を確保(仮予約)する。調剤センターのセンター側調剤支援装置5は、薬局側調剤支援装置1から前記通知を取得すると前記薬品の必要数(在庫)を割り当てる。
<ステップS6>
ステップS6において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する薬品が調剤センターにあるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、調剤センターが保管する薬品の現在の在庫状況を参照して、調剤依頼の対象となる薬品の在庫量が処方総量以上であるか否かを判定する。また、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されているか否かを判定する。
制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されており、かつ当該薬品の在庫量が処方総量以上の場合に(S6:Yes)、処理をステップS7に移行させる。これに対して、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されていない場合、又は、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されているが当該薬品の在庫量が処方総量未満の場合に(S6:No)、処理をステップS61に移行させる。
<ステップS61>
ステップS61では、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品の代替薬品が承諾されたか否かを判定する。例えば、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されていないなど調剤センターで確保できない薬品である場合において、当該薬品の後発医薬品を調剤センターで確保可能な場合に、制御部11は、前記薬品を後発医薬品に代えて、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。
例えば、薬局Aが薬品M3についてX社の薬品を採用しており、調剤センターが薬品M3の後発医薬品としてY社の薬品を採用している場合に、制御部11は、調剤センターで調剤可能な後発医薬品を提案する。例えば図10に示すように、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する候補の薬品の情報を表示する提案画面(委託候補データ詳細画面)において、代替薬品(例えばY社の薬品M3)を提案する。
また、調剤依頼の対象となる薬品について、薬局Aでは1錠未満の分割錠剤(半錠、1/4錠等)を確保可能である一方、調剤センターでは整数錠剤(1錠)を確保可能な場合に、制御部11は、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。例えば、薬品M1について、薬局Aでは半錠カットの分割作業が必要であり、調剤センターに分割作業を必要としない整数錠剤の薬品M1を確保可能な場合に、制御部11は、調剤センターで調剤可能な整数錠剤を提案する。例えば図10に示すように、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する候補の薬品の情報を表示する画面(提案画面)において、代替薬品(例えば0.5mg(1錠)の薬品M1)を提案する。
なお、制御部11は、図10に示すように、前記提案画面において、提案対象となる薬品(代替薬品)を識別可能に表示させてもよい。
薬剤師は、代替薬品の提案を受けると、患者に確認して代替薬品の提案を承諾するか否かを判断する。薬剤師は、代替薬品の提案を承諾する場合、図10に示す提案画面において「登録」ボタンを押下する。これにより、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品の代替薬品が承諾されたと判定して(S61:Yes)、処理をステップS7に移行させる。
一方、薬剤師は、代替薬品の提案を承諾しない場合、図10に示す提案画面において「閉じる」ボタンを押下する。これにより、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品の代替薬品が承諾されなかったと判定して(S61:Yes)、当該薬品の調剤を薬局Aに振り分け、その後、処理をステップS62に移行させる。
<ステップS62>
ステップS62において、制御部11は、前記処方データの一部又は全部の薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定する。その後、制御部11は、処理をステップS32に移行させる。
<ステップS7>
ステップS7では、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する処方データ又は薬品を確定させる。例えば、制御部11は、処方データに含まれる全ての薬品を調剤センターで確保できる場合に、全ての薬品を調剤依頼の対象薬品として確定する。また例えば、制御部11は、処方データに含まれる一部の薬品を調剤センターで確保できる場合に、当該一部の薬品を調剤依頼の対象薬品として確定する。また例えば、制御部11は、処方データに含まれる一部の薬品の代替薬品(後発医薬品、分割作業を必要としない薬品)を調剤センターで確保できる場合に、当該一部の薬品(代替薬品)を調剤依頼の対象薬品として確定する。
<ステップS8>
ステップS8において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する処方データ(依頼データ)を編集する。具体的には、制御部11は、調剤結果(調剤成果物のイメージ)を表す画面(図11参照)、各種帳票物を確認する画面、分包品のイメージを表す画面、配薬カレンダー及び配薬トレイなどのイメージを表す画面などを表示させる。薬剤師は、前記各画面を確認して、必要があれば修正操作を行う。
また、薬剤師が図3、図4、図8~図10に示す各画面において「処方修正」のボタンを押下すると、制御部11は、図12に示す修正画面(処方修正画面)において、処方内容の修正操作を受け付けることが可能である。薬剤師が修正操作を完了して「処方発行」ボタンを押下すると、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する処方データを更新して前記候補データ(図7参照)に登録する。
<ステップS9>
ステップS9において、制御部11は、調剤センターに依頼する調剤依頼を確定させる。例えば、薬剤師は調剤センターに依頼する調剤依頼の依頼データ、前記各画面の表示内容などを確認して問題がなければ依頼データを登録する操作を行う。これにより、制御部11は、調剤センターに依頼する調剤依頼を確定させて、処理をステップS10に移行させる。
ここで、制御部11は、薬局が調剤の一部又は全部を調剤センターに依頼する信頼性を担保する以下の機能を備えてもよい。例えば第1の機能として、制御部11は、薬局において処方箋の鑑査と必要時の疑義照会とを行い、これらの作業が完了したことを事前に薬局スタッフ(薬剤師等)が調剤センターに申請(通知、報告など)したかどうかをチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第2の機能として、制御部11は、薬局において患者に対して対面での服薬指導が完了していることを調剤センターに申請(通知、報告など)したかどうかをチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第3の機能として、制御部11は、患者に対してオンラインでの服薬指導が完了していることを調剤センターに申請(通知、報告など)したかどうかをチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第4の機能として、制御部11は、薬局が患者から処方箋の紙媒体を受け取ったかどうかを事前又は事後にチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第5の機能として、制御部11は、薬局が電子処方箋のデータを受け取ったかどうかを事前又は事後にチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第6の機能として、制御部11は、調剤センターが薬局からの調剤の依頼を受託不可とする明細(法的又は契約上の明細)の有無をチェックする機能を備えてもよい。また、制御部11は、事後チェックの場合に薬局及び調剤センターの相互承認する機能を備えてもよい。
また例えば第7の機能として、制御部11は、薬局から調剤センターに依頼データを送信するとき(調剤依頼時)に上記各種申請が無い場合でも調剤依頼後所定日数以内の申請を可能とする場合に、所定日数を超過する期限切れの場合にアラートを通知する機能を備えてもよい。
また例えば第8の機能として、制御部11は、依頼データの内容(調剤依頼の内容)と調剤成果物の内容との一致をチェックする機能、及び、一致しない場合にその内容を通知する機能を備えてもよい。
制御部11は、ステップS9において、前記各機能に対応する処理(依頼チェック処理)を実行してもよい。また、制御部11は、前記各機能を有効又は無効にする選択操作を受け付け可能であってもよい。例えば、薬局が調剤依頼を調剤センターに出力する前に上述のチェック処理を実行する場合には、薬局の薬剤師又はスタッフが、前記各機能を有効にする設定操作を行う。これにより、制御部11は、確定した調剤依頼について、有効化された機能を実行する。
図6Bには、前記依頼チェック処理の手順の一例を示している。図6BのステップS91において、制御部11は、確定した調剤依頼の一覧(図7の候補一覧画面)を表示させる。次にステップS92において、制御部11は、調剤依頼の内容に変更があるか否かを判定する。制御部11は、調剤依頼の内容に変更がある場合(S92:Yes)、ステップS921において薬剤師等による変更操作に応じて調剤依頼を変更する。制御部11は、調剤依頼の内容に変更がない場合(S92:No)、ステップS93において調剤依頼を確定させる。
次に、制御部11は、ステップS94において法令又は契約をチェックし、ステップS95において変更の有無を判定する。制御部11は、チェックがされていない場合にチェックを促すために変更の有無を判定する。
ここで、ステップS93の調剤依頼を確定させる事項を「調剤を受託できることを確定できること」とする。事前に疑義照会を検討したか、相互作用のチェックをしたか等が抜け落ちて調剤センターに委託されることを、薬局側で担保を取っておくことが望ましい。
例えば、制御部11は、「薬学的分析が事前に完了していることの承認」を促すチェック項目として、「患者情報等の分析と評価」、「処方箋、処方薬、患者情報に基づく薬学的分析」、「必要に応じた問い合わせ(疑義照会を含む)や処方変更対応」のそれぞれについてチェックの有無を判定する。
また例えば、制御部11は、「Rp.1 グリコラン錠250mg 1日3錠 :普通の糖尿病患者ならOK」、「腎機能低下30ml/min/1.73m2以下は投与禁忌」のチェックの有無を判定する。この場合、患者の腎機能検査値を処方医に問い合わせをし、30ml以下の場合、中止または投与可能な他剤へ疑義照会、処方提案が必要となる。
また例えば、制御部11は、「Rp.1 フェブリク錠:痛風の患者ならよく処方される」のチェックの有無を判定する。なお、患者が別の薬局でアザチオプリン錠50mgを慢性病で服用をしていたとする。この場合、調剤センターでフェブリク錠を調剤受託するだけなら問題ないが、もしアザチオプリンも服用している場合には、相互作用禁忌、疑義照会、処方提案が必要となる。
制御部11は、変更がある場合(S95:Yes)、ステップS951において確認を行う。なお、制御部11は、ステップS951でチェック漏れを指摘してチェックを入れてもらった後、調剤成果物イメージ(「仮想」画面)を画面出力し、それを確認承認させてもよい。例えば、制御部11は、分包サイズ、分包紙に引いたラインの色、水剤ボトルの場合はそのイメージなど、バーチャル、3Dなどでよりリアルなイメージを画面表示させてもよい。これにより、患者宅に直接配送する場合であっても、薬局に配送する場合であっても、後になって最終包装状態でトラブルになることを防ぐことができる。なお、例えば、前記チェック項目においてチェックが入っていなければ、制御部11は、チェックがされていないと判断し、チェックが入っていれば、薬剤師が鑑査及び薬学的分析結果を承認したと判断する。
制御部11は、ステップS95において変更がない場合(S95:No)、ステップS96においてチェック済を入力する。その後、ステップS97において、制御部11は、調剤センターに出力する処方データを作成する。制御部11は、ステップS97の後、処理を図6AのステップS10に移行させる。
<ステップS10>
ステップS10において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼(処方データ)を出力する。例えば、図7に示す候補一覧画面において、薬剤師が調剤依頼の対象の処方データを選択して「委託実施」のボタンを押下すると、制御部11は、図13に示す画面(実行画面)を表示させる。図13に示す実行画面において、制御部11は、調剤センターから調剤依頼の対象の薬品が調剤センターから発送される発送予定日、薬局A又は患者宅に配達される配達予定日(到着予定日)の情報を表示させる。図13に示す実行画面において、薬剤師が「委託実行」のボタンを押下すると、制御部11は、調剤センターに調剤依頼(依頼データ)を出力する。なお、調剤センターが1日に複数回(複数便)、調剤依頼の対象の薬品を発送する場合には、制御部11は、発送予定日時、配達予定日時、便数(当日の何便目)の情報を表示させてもよい。
<ステップS32>
制御部11は、前記処方データの一部又は全部の薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定した場合には(S31,S42,S62)、ステップS32において、調剤対象の薬品について、薬局A内の調剤機器1Bに調剤指示を出力する。例えば、制御部11は、前記処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器1B(例えば薬品分包装置)に入力する。
以上のようにして、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、患者の処方データを取得するごとに、調剤を振り分ける処理を含む調剤支援処理を実行する。制御部11が処方データの調剤を振り分けると、調剤担当となった調剤センター及び薬局Aの一方又は両方が調剤指示に応じて調剤作業を実行する。
以上説明したように、本実施形態に係る調剤支援システム10は、薬品の調剤が可能な薬局に対応する処方データに基づく調剤の一部又は全部を、前記薬局と前記薬局に対応する前記処方データに基づく調剤の一部又は全部を実行可能な調剤センター(調剤施設)とのいずれかに振り分ける処理と、振分結果を出力する処理とを実行する。前記振分結果には、前記処方データの一部又は全部の調剤の振分先(薬局、調剤センター)を示す情報、薬局に振り分ける処方データ又は薬品を示す情報、調剤センターに振り分ける処方データ又は薬品を示す情報などが含まれる。
上記構成によれば、薬局で行う調剤業務の一部又は全部を調剤センターで実行することができる。これにより、薬局における調剤業務の負担を軽減させることが可能になる。また、薬局における薬剤師の作業が対物業務から対人業務へ移行する時間が増えるため、かかりつけ薬局など患者と向き合う時間の創出に貢献することができる。
[振分処理の他の実施形態]
上述の実施形態では、振分処理部113は、薬剤師による操作に基づいて、前記処方データに基づく調剤の一部又は全部を、薬局Aと調剤センターとのいずれかに振り分けている。すなわち、振分処理部113は、薬剤師の判断に基づいて前記処方データの調剤を振り分けている。
これに対して、他の実施形態では、振分処理部113が、前記処方データに基づいて、調剤の一部又は全部を、薬局Aと調剤センターとのいずれかに振り分ける。すなわち、振分処理部113は、前記処方データに基づいて、自動的に前記処方データの調剤を振り分ける。具体的には、振分処理部113は、前記処方データに含まれる薬品の種別に基づいて、前記処方データの調剤を振り分ける。例えば、前記処方データに含まれる薬品が毒薬、麻薬、劇薬などである場合に、振分処理部113は、当該薬品の調剤を薬局Aに振り分ける。
また、例えば、振分処理部113は、前記処方データに含まれる薬品が前回処方した薬品と同一薬品であって、前回の調剤を調剤センターで調剤した場合に、当該薬品の調剤を調剤センターに振り分ける。
[他の調剤支援処理(調剤の振分処理)]
図14には、前記処方データに基づいて自動的に前記処方データの調剤を振り分ける場合の調剤支援処理の手順の一例を示している。ここでは、図6に示す調剤支援処理と同一の処理については説明を適宜省略する。
制御部11は、患者の処方データを取得すると(S21)、ステップS22において、取得した処方データに基づいて調剤を振り分ける振分処理を実行する。例えば、制御部11は、薬品の種別、過去の処方歴などに基づいて、処方データに含まれる薬品の調剤を調剤センター及び薬局Aの一方又は両方に振り分ける。
制御部11は、前記処方データに含まれる一部又は全部の薬品の調剤を調剤センターに振り分けると、ステップS23において、調剤センターへの調剤依頼を仮確定する。次に、制御部11は、調剤センターの在庫を確認して(S24)、調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫がある場合は(S24:Yes)、調剤依頼を確定する(S25)。
調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫がない場合は(S24:No)、制御部11は、代替薬品を提案して患者の承諾を得た場合に(S241:Yes)、調剤依頼の薬品を確定する(S25)。なお、制御部11は、予め登録された患者情報(例えば、後発医薬品の使用の承諾など)を参照して、自動的に代替薬品の承諾可否を判定してもよい。
調剤依頼の薬品が確定すると(S25)、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する依頼データを編集し(S26)、調剤依頼を確定させて(S27)、調剤センターに調剤依頼を出力する(S28)。
ステップS22において、制御部11は、前記処方データに含まれる一部又は全部の薬品の調剤を薬局Aに振り分けると、ステップS221において、当該薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定する。また、ステップS241において、代替薬品の提案に対して患者の承諾を得られなかった場合に(S241:No)、制御部11は、ステップS242において、当該薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定する。ステップS221、S242の後、制御部11は、ステップS222において、調剤対象の薬品について、薬局A内の調剤機器1Bに調剤指示を出力する。
以上のように、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、患者の処方データを取得するごとに、自動的に調剤を振り分ける処理を実行してもよい。
[他の調剤支援処理(調剤の振分処理)]
また、本発明の他の実施形態として、制御部11は、患者の処方データを取得した後に調剤センターの在庫状況を確認し、調剤センターで処方データの薬品の調剤が可能である場合に、調剤を振り分ける振分処理を実行してもよい。すなわち、制御部11は、振分処理の前に在庫状況を確認する処理を実行してもよい。この構成に対応する調剤支援処理について図15を用いて説明する。図6に示す調剤支援処理と同一の処理については説明を適宜省略する。
制御部11は、患者の処方データを取得すると(S51)、ステップS52において、調剤センターの在庫状況を確認して、調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫があるか否かを判定する。調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫がある場合は(S52:Yes)、制御部11は、ステップS53において、取得した前記処方データに対応する処方内容を表示させる。なお、前記在庫には、代替薬品(後発医薬品、分割作業を必要としない薬品など)が含まれてもよい。
調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫がない場合は(S52:No)、制御部11は、ステップS521において、前記処方データの調剤を薬局Aに振り分ける。
ステップS53の後、制御部11は、ステップS54において、薬剤師の操作に基づいて前記処方データ全体の調剤を調剤センターに依頼するか否かを判定する。ここでは、薬剤師は、処方する薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)であると判断した場合、又は、薬局Aに来局した患者がその場で処方薬品を受け取ることを希望する場合に、前記処方データの調剤の振分先を薬局Aとして登録する操作を行う。この場合、制御部11は、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼しない(薬局Aに依頼する)と判定し(S54:No)、ステップS521において、前記処方データ全体の調剤を薬局A内で実施することを確定する。
ステップS54において、制御部11は、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼すると判定すると(S54:Yes)、ステップS55において、前記処方データに含まれる薬品のそれぞれについて、調剤の振分先を調剤センターとするか又は薬局Aとするかを判断する。
制御部11は、前記処方データに含まれる一部の薬品の調剤を薬局Aに振り分けると(S55)、ステップS551において、当該薬品の調剤を薬局A内で実施することを確定する。
また制御部11は、前記処方データに含まれる一部又は全部の薬品の調剤を調剤センターに振り分けると(S55)、ステップS56において、調剤センターへの調剤依頼を仮確定し、ステップS57において、調剤センターに調剤依頼する処方データ又は薬品を確定させる。
続くステップS58において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する依頼データを編集し、ステップS59において調剤依頼を確定させ、ステップS60において調剤センターに調剤依頼を出力する。
ステップS521、S551の後、制御部11は、ステップS522において、調剤対象の薬品について、薬局A内の調剤機器1Bに調剤指示を出力する。
以上のように、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、薬剤師が調剤の振分先を判断する前に、調剤センターの在庫状況を確認して調剤センターへの調剤依頼が可能であるか否かを判定してもよい。
[進捗状況の表示]
ここで、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、調剤センターに前記調剤依頼を出力すると、調剤センターにおける調剤の進捗状況を表示部14又は薬局内端末1Aに出力する。例えば図16に示す依頼画面(委託データ一覧画面)において、薬剤師又は薬局Aのスタッフは、調剤センターに調剤依頼した依頼データ(委託データ)の一覧を確認する。図16に示す依頼画面には、依頼データごとに調剤センター内での調剤の進捗状況と、薬局A内での調剤の進捗状況とが表示される。このように、進捗表示処理部117は、調剤センターが前記処方データに含まれる第1薬品の調剤を行い、薬局Aが前記処方データに含まれる第2薬品の調剤を行う場合に、調剤センターにおける前記第1薬品の調剤の進捗状況と、薬局Aにおける前記第2薬品の調剤の進捗状況とを表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。また、進捗表示処理部117は、表示部14又は薬局内端末1Aにおいて、調剤センターにおける前記第1薬品の調剤の進捗状況と薬局Aにおける前記第2薬品の調剤の進捗状況とを同一画面上に並べて表示させる。また、図16に示す依頼画面において、薬剤師又は薬局Aのスタッフが検索対象の依頼データを選択して「詳細確認」のボタンを押下すると、制御部11は、図17に示す依頼詳細画面(委託データ詳細画面)を表示させる。図17に示す依頼詳細画面には、選択された依頼データに対応する、調剤センター内での調剤の進捗状況と、薬局A内での調剤の進捗状況との詳細情報が表示される。薬剤師又は薬局Aのスタッフは、前記進捗状況を確認して、予定通り調剤処理が行われているかどうかなどを確認することができる。
また、図16又は図17に示す画面において、薬剤師又は薬局Aのスタッフが「貨物追跡参照」のボタンを押下すると、制御部11は、貨物追跡サービスサイトにアクセスして、配送状況を表示させる。なお、調剤センターから各薬局に薬品を配送する配送車両は、配送業者の車両であってもよいし、調剤センター、薬局、又は調剤支援システム10のサービスを提供する事業者が所有又は管理する車両であってもよい。調剤支援システム10では、前記貨物追跡サービスサイトにおいて、前記配送車両を追跡することが可能である。薬剤師又は薬局Aのスタッフは、前記配送状況を適宜確認して、予定通り配送されているかどうかなどを確認することができる。
[薬局側調剤支援装置1における調剤支援処理(進捗状況の表示処理)]
図18を参照しつつ、薬局側調剤支援装置1において実行される調剤支援処理の手順の一例について説明する。前記調剤支援処理は、薬局(ここでは薬局A)に対応する薬局側調剤支援装置1の制御部11により実行される。
<ステップS201>
まず、ステップS201において、制御部11は、進捗状況を確認する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、制御部11は、薬局Aの薬剤師から、調剤センターに依頼した調剤の進捗状況を確認する操作を受け付けると(S201:Yes)、処理をステップS202に移行させる。
<ステップS202>
ステップS202において、制御部11は、調剤センターにおける調剤の進捗状況を含む依頼画面(図16参照)を表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。また、制御部11は、前記依頼画面において「詳細確認」のボタンが押下されると、調剤依頼の詳細情報を含む依頼詳細画面(図17参照)を表示させる。
<ステップS203>
ステップS203において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼した依頼データ(処方内容)の修正操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、薬局Aのスタッフ及び薬剤師は、調剤センターに調剤依頼した後に、処方内容、配送先、配達予定日など調剤依頼の誤りを発見した場合に修正操作を行う。制御部11は、前記修正操作を受け付けると(S203:Yes)、処理をステップS204に移行させる。一方、制御部11は、前記修正操作を受け付けると(S203:No)、処理をステップS205に移行させる。
<ステップS204>
ステップS204において、制御部11は、調剤センターにおいて調剤された調剤済みの薬品が調剤センターから発送されたか否かを判定する。制御部11は、調剤済みの薬品が調剤センターから発送済みの場合(S204:Yes)、処理をステップS205に移行させる。一方、制御部11は、調剤済みの薬品が調剤センターから未だ発送されていない場合(S204:No)、処理をステップS241に移行させる。
<ステップS241>
ステップS241において、制御部11は、前記調剤依頼の修正指示を調剤センターに出力する。センター側調剤支援装置5は、薬局側調剤支援装置1から前記修正指示を取得すると、前記修正指示に応じた処理を実行する。例えば、センター側調剤支援装置5の制御部51は、前記修正指示に基づいて、処方薬品を変更したり配達予定日を変更したりする。制御部11は、ステップS241の処理の後、処理をステップS201に移行させる。このように、制御部11は、前記調剤依頼の修正操作を受け付けた場合には(S203:Yes)、調剤済みの薬品が調剤センターから発送される前であることを条件として(S204:No)、調剤センターに修正指示を出力する。制御部11は、調剤済みの薬品が調剤センターから発送された後に前記調剤依頼の修正操作を受け付けた場合には、調剤センターに修正指示を出力しない(S204:Yes)。
<ステップS205>
ステップS205において、制御部11は、調剤センターから調剤済みの薬品を受け取ったか否かを判定する。例えば、調剤センターから発送された調剤済みの薬品が薬局Aに配達され、薬局Aのスタッフが受け取り処理(入力操作)を行うと、制御部11は、調剤済みの薬品を受け取ったと判定する。制御部11は、調剤済みの薬品を受け取ったと判定すると(S205:Yes)、処理をステップS206に移行させる。制御部11は、調剤済みの薬品を受け取るまで、ステップS201~S204の処理を繰り返す。
<ステップS206>
ステップS206において、制御部11は、調剤済みの薬品の検品処理を行う。例えば、薬局Aのスタッフは、納品書を確認し、調剤成果物(薬袋)に採番された処方番号、二次元コードなどを読み取って個数などを確認する。スタッフは、検品作業を終えると、薬局側調剤支援装置1において検品結果を入力する。
また、薬局Aの薬剤師は、調剤センターにおける調剤に問題がないか確認する。例えば、薬剤師は、受け取った調剤済みの薬品(調剤結果)、調剤センターで登録された調剤及び鑑査に関するエビデンス情報などを確認して、正しく調剤されているか否かを判断する。なお、調剤センターが調剤済みの薬品を患者宅又は入居施設に直接配送する場合も同様に、薬剤師は、調剤済みの薬品(調剤結果)、エビデンス情報などを確認して、正しく調剤されているか否かを判断する。図19には、前記エビデンス情報を含むエビデンス画面の一例を示している。エビデンス情報には、調剤成果物の画像、薬品情報などが含まれる。薬剤師は、エビデンス情報を確認して問題なければ「承認」のボタンを押下する。また、薬剤師は、エビデンス情報を確認して問題があると判断した場合、「コメント登録」のボタンを押下して、コメント登録画面(図20参照)にコメントを入力及び登録することができる。薬剤師は、確認作業を終えると、薬局側調剤支援装置1又は薬局内端末1Aにおいて確認結果を入力する。
<ステップS207>
ステップS207において、制御部11は、調剤センターで実行された調剤に異常があるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、薬局Aのスタッフ及び薬剤師による検品作業、確認作業において問題があると判断された場合に、調剤センターで実行された調剤に異常があると判定する。制御部11は、調剤センターで実行された調剤に異常があると判定した場合(S207:Yes)、処理をステップS271に移行させる。一方、制御部11は、調剤センターで実行された調剤に異常がないと判定した場合(S207:No)、処理をステップS208に移行させる。
<ステップS271>
ステップS271において、制御部11は、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合うか否かを判定する。例えば、制御部11は、調剤センターに再調剤の依頼をしても、患者の服用開始日、患者が希望する薬品の受け渡し日などの所定期限に間に合うか否かを判定する。制御部11は、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合うと判定した場合(S271:Yes)、処理をステップS272に移行させる。一方、制御部11は、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合わないと判定した場合(S271:No)、処理をステップS273に移行させる。
<ステップS272>
ステップS272において、制御部11は、再調剤依頼を調剤センターに出力する。その後、制御部11は、処理をステップS201に移行させる。センター側調剤支援装置5の制御部51は、薬局側調剤支援装置1から前記再調剤依頼を取得すると、当該再調剤依頼に基づく薬品の再調剤処理を実行する。調剤センターで再調剤が実行されている間、薬局Aのスタッフ及び薬剤師は、再調剤の進捗状況を確認することができる。
<ステップS273>
ステップS273において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼した薬品の調剤を薬局Aで実行させる。例えば、制御部11は、前記調剤依頼に対応する処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器1Bに入力する。薬品の調剤が完了すると、薬局Aの薬剤師は調剤済みの薬品の鑑査を行う。このように、制御部11は、調剤センターで実行された調剤に異常があると判定された場合であって、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合わない場合には、調剤センターに調剤依頼した薬品の調剤を薬局Aで実行させる。制御部11は、ステップS273の後、処理をステップS208に移行させる。
<ステップS208>
ステップS208において、制御部11は、調剤済みの薬品を患者に受け渡す処理を実行する。例えば、制御部11は、患者に処方薬品の準備が完了した旨の通知を行ったり、薬剤師が患者に対して服薬指導した旨の報告を受領したり、会計処理を行ったりする。
以上のようにして、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、調剤センターにおける調剤の進捗状況を表示する処理を含む調剤支援処理を実行する。
以上説明したように、本実施形態に係る調剤支援システム10は、薬品の調剤が可能な薬局に対応する処方データに基づく調剤の一部又は全部の調剤依頼を、薬局に対応する前記処方データに基づく調剤の一部又は全部を実行可能な調剤センター(調剤施設)に出力する処理と、調剤センターに前記調剤依頼を出力した場合に、調剤センターにおける前記調剤依頼に対応する調剤の進捗状況を薬局の操作端末(薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1Aなど)に出力する処理とを実行する。
上記構成によれば、薬局で行う調剤業務の一部又は全部を調剤センターに依頼した場合であっても、薬局は当該処方データの調剤が適切に実行されているかどうかを把握することが可能になる。
[第2実施形態]
本実施形態では、一つの薬局から複数の調剤センターに調剤依頼が可能な調剤支援システム20について説明する。なお、上述の実施形態で説明した構成要素と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。
調剤支援システム20は、複数の薬局と、各薬局から取得する調剤依頼に応じて調剤を行うことが可能な複数の調剤センターとを含んで構成される。図21に示す例では、2つの調剤センターP1,P2を示している。調剤センターP1,P2のそれぞれは、各薬局から前記処方データに基づく調剤の一部又は全部の調剤依頼を受け付け、調剤依頼に基づいて薬品の調剤を行うことが可能である。本実施形態では、各薬局には不特定多数の調剤センターが割り当てられており、各薬局は任意の調剤センターに調剤依頼を出力することが可能である。
例えば、調剤支援システム20は、前記処方データに含まれる一部の薬品を調剤センターP1で調剤し、他の一部の薬品を調剤センターP2で調剤し、残りの薬品を薬局Aで調剤することが可能である。例えば、薬剤師が、患者の処方データに含まれる一部の薬品M1を調剤センターP1で調剤し、一部の薬品M2を調剤センターP2で調剤し、残りの薬品M3を薬局Aで調剤することを決定すると、薬局Aは、薬局A内の調剤機器1Bを使用して薬品M3の調剤を行い、調剤センターP1に対して薬品M1の調剤依頼を行い、調剤センターP2に対して薬品M2の調剤依頼を行う。薬局Aは、薬品M3の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M3を患者に受け渡す。また、調剤センターP1は、薬局Aからの調剤依頼に基づいて、前記処方データに含まれる薬品M1の調剤を行う。調剤センターP1は、薬品M1の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M1を薬局Aに配送する。また、調剤センターP2は、薬局Aからの調剤依頼に基づいて、前記処方データに含まれる薬品M2の調剤を行う。調剤センターP2は、薬品M2の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M2を薬局Aに配送する。薬局Aは、調剤済みの薬品M1,M2を調剤センターP1,P2から受け取ると検品などを行い、問題なければ患者に薬品M1,M2の受け渡しを行う。患者は、来局時に薬品M3のみ受け取り、後日に薬品M1,M2を受け取ってもよいし、薬品M1,M2が薬局Aに配達されてから薬品M1,M2,M3をまとめて受け取ってもよい。
このように、本実施形態では、各薬局は、処方データに基づく調剤の一部を第1調剤センターに振り分け、当該調剤の他の一部を第2調剤センターに振り分けることが可能である。
具体的には、薬局Aに対応する薬局側調剤支援装置1の制御部11は、複数の調剤センターの中から、薬局Aが取得した処方データの調剤を依頼する複数の調剤センターを抽出し、抽出した複数の調剤センターのそれぞれに調剤依頼を出力する。
例えば、患者に対応する処方データについて、薬剤師が、患者に直ぐに必要な薬品が含まれておらず調剤を調剤センターに依頼することができると判断した場合に、振分処理部113は、当該処方データの調剤の振分先を検索する。例えば、振分処理部113は、各調剤センターにおける薬品の在庫状況を確認して、調剤可能な調剤センターを検索する。
例えば、調剤センターP1が、前記処方データに含まれる薬品M1~M4のうち薬品M1,M4を調剤可能であり、調剤センターP2が、前記処方データに含まれる薬品M1~M4のうち薬品M2,M3を調剤可能である場合に、振分処理部113は、薬品M1,M4の調剤を調剤センターP1に振り分け、薬品M2,M3の調剤を調剤センターP2に振り分ける。
ここで、一つの処方データに対して複数の調剤センターを利用して調剤する方法は、所定の条件を満たす場合に実行されてもよい。例えば、薬剤師が図3、図4、図8~図10に示す各画面において「処方分割」のボタンを押下したことを条件として、制御部11は、前記処方データの調剤を複数の調剤センターに振り分けることを可能とする。
例えば、図8に示す候補詳細画面において、薬剤師が「処方分割」のボタンを押下すると、振分処理部113は、薬品M1,M4の調剤を調剤センターP1に振り分け、薬品M2,M3の調剤を調剤センターP2に振り分ける。制御部11(調剤表示処理部115)は、振分結果を図22に示す分割画面(処方分割画面)に表示させる。図22に示す分割画面において、「処方1」は調剤センターP1が調剤する薬品M1,M4の情報を示し、「処方2」は調剤センターP2が調剤する薬品M2,M3の情報を示している。図22に示す分割画面において、薬剤師は「分割処方1詳細確認」、「分割処方2詳細確認」のボタンを押下することにより、処方1及び処方2の詳細情報を確認することができる。
薬剤師は、分割処方の内容を確認して問題ないと判定すると「分割実施」のボタンを押下する。これにより、制御部11は、調剤センターP1,P2に調剤依頼する各処方データを生成して前記候補データ(図7参照)に登録する。薬剤師が実行画面(図13参照)において「委託実行」のボタンを押下すると、制御部11(依頼処理部116)は、調剤センターP1,P2のそれぞれに調剤依頼(依頼データ)を出力する。
本実施形態では、上述のように、一つの処方データに対して複数の調剤センターで調剤を行い、各調剤センターで調剤された薬品(薬袋)を依頼元の薬局又は患者宅に配送する。
上述の実施形態では、振分処理部113は、一つの処方データに基づく調剤を2つの調剤センターP1,P2に振り分けているが、他の実施形態として、振分処理部113は、前記調剤を3つ以上の調剤センターに振り分けてもよい。また、他の実施形態として、振分処理部113は、複数の調剤センターの中から一つの調剤センターを抽出して、抽出した調剤センターに調剤を振り分けてもよい。
また、振分処理部113は、各調剤センターの在庫状況、配達予定日(納期)、場所(薬局又は患者宅との距離)などの情報に基づいて、調剤を振り分ける調剤センターを決定してもよい。例えば、振分処理部113は、複数の調剤センターの中から、処方データの薬品の在庫を備え、当該処方データを取得する薬局に最も近い一又は複数の調剤センターを抽出し、抽出した調剤センターに調剤を振り分ける。
また、振分処理部113は、薬品の種別(例えば、内服薬及び外用薬)、薬品の配送先、かかりつけ患者かどうか、住所(郵便番号区分)などの情報に基づいて、調剤を振り分ける調剤センターを決定してもよい。例えば、振分処理部113は、患者の処方データに内服薬が含まれる場合に、内服薬の調剤を内服薬の調剤専用の調剤センターに振り分け、患者の処方データに外用薬が含まれる場合に、外用薬の調剤を外用薬の調剤専用の調剤センターに振り分ける。また例えば、振分処理部113は、薬品の配送先が薬局である場合に、当該薬品の調剤を配送先が薬局専用の調剤センターに振り分け、薬品の配送先が施設(老健施設など)である場合に、当該薬品の調剤を配送先が施設専用の調剤センターに振り分ける。
上述の実施形態では、制御部11は、同一患者に対して1枚の処方箋が発行された場合を例に挙げているが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態として、制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されている場合に、複数の処方箋の情報を一つの処方内容に統合する処理(統合処理)を実行してもよい。例えば、患者が複数の診療科を受診して複数の処方箋が発行された場合に、制御部11は、複数の処方箋の情報を一つの処方内容に統合した統合処方画面(不図示)を表示させる。なお、制御部11は、異なる患者の処方箋の情報を統合しないように、複数の処方箋のそれぞれに関連付けられた患者IDを確認し、それぞれの患者IDが一致することを条件に前記統合処理を実行する、若しくは、同一患者の処方箋の情報のみを表示させて薬剤師が確認したことを条件に前記統合処理を実行する。
また例えば、患者が複数の診療科を受診して複数の処方箋が発行された場合に、制御部11は、分割されている複数の処方箋の薬品を一包化する処理(統合処理)を実行してもよい。例えば、患者に対して内科及び耳鼻科のそれぞれから処方箋が発行されている場合に、制御部11は、同一服用時期又は食事区分から一包化できる薬を一包化するかどうかの問い合わせ画面(不図示)を表示させ、患者の要望に応じて一包化を実行する。
制御部11は、例えば薬剤師が図4に示す処方画面において「統合」ボタン(不図示)を押下した場合に前記統合処理を実行する。前記統合処理を実行する条件はこれに限定されない。他の例として、制御部11は、薬局内規に基づいて自動的に前記統合処理を実行してもよい。例えば、薬局Aで「同一患者で複数科診療なら統合する」という内規が設定されている場合には、制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されている場合に自動的に前記統合処理を実行する。
また、他の例として、制御部11は、患者マスターに基づいて自動的に前記統合処理を実行してもよい。例えば、患者ごとに、前記統合処理を実行するか否かを識別する情報(フラグ)が設定されてもよい。制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されており、かつ当該患者に前記統合処理を実行するフラグが設定されている場合に、自動的に前記統合処理を実行する。
また、他の例として、制御部11は、施設マスターに基づいて自動的に前記統合処理を実行してもよい。例えば、施設ごとに、該当施設の入居者又は該当施設の特定の部屋の入居者が前記統合処理を実行するか否かを識別する情報(フラグ)が設定されてもよい。制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されており、かつ当該患者の施設又は部屋に前記統合処理を実行するフラグが設定されている場合に、自動的に前記統合処理を実行する。
図23には、前記統合処理の手順の一例を示している。制御部11は、前記調剤支援処理(調剤の振分処理)のステップS2(図6A参照)において、前記統合処理を実行してもよい。例えば、制御部11は、患者の処方データを取得すると(図6AのS1)、処方内容(図3参照)を表示させる(S211)。次にステップS212において、制御部11は、前記患者に他の診療科の処方箋があるか否かを判定する。制御部11は、前記患者に他の診療科の処方箋がある場合(S212:Yes)、ステップS213において、処方箋を統合するか否かを問い合わせる。薬剤師が同一患者の複数の処方箋を確認して統合指示を行うと(S213:Yes)、制御部11は、ステップS214において、処方箋の統合処理を実行する。制御部11は、ステップS214の後、処理を図6AのステップS3に移行させる。また、制御部11は、前記患者に他の診療科の処方箋がない場合(S212:No)、薬剤師が前記統合指示を行わなかった(S213:No)、処理を図6AのステップS3に移行させる。
上述の各実施形態では、調剤センターは薬局から送信される調剤依頼に応じて調剤を行う構成であるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態として、前記調剤依頼が患者から送信されてもよい。例えば、患者が自身の操作端末(携帯端末)において薬局を選択した場合に、操作端末が調剤依頼を薬局側調剤支援装置1に送信する。薬局側調剤支援装置1は、患者の操作端末から前記調剤依頼を受信すると、調剤を振り分ける処理を行う。調剤センターは、調剤が振り分けられると、患者の前記調剤依頼に基づいて調剤を行う。このように、調剤センターが取得する調剤依頼の依頼元は、薬局であってもよいし患者であってもよい。
2.調剤センター側の調剤支援処理
以下では、調剤センター側の調剤支援処理について説明する。調剤センターでは、上述のように、各薬局から受け付ける調剤依頼に基づく調剤業務及び鑑査業務、調剤済みの薬品(調剤済薬品)を薬局、患者宅、患者の入居施設(病院、老健施設など)などに配送する配送業務などが行われる。また、調剤センターでは、薬品卸業者から薬品を入荷(納品)する入荷作業、入荷された薬品を保管棚、調剤機器などに入庫する入庫作業が行われる。
センター側調剤支援装置5は、調剤センターで行われる各種業務を支援する処理を実行する。具体的には、センター側調剤支援装置5は、薬品の入荷処理、入荷された薬品を保管棚及び調剤機器に入庫する入庫処理、薬品の調剤処理、調剤済みの薬品を調剤センター内で搬送する搬送処理、調剤済みの薬品を処方ごとに集約する集薬処理、調剤済みの薬品を処方ごとに鑑査する鑑査処理、調剤及び鑑査済みの薬品を委託元の薬局、患者宅などに配送する配送処理などを支援することにより、調剤センターにおける一連の業務を支援する。なお、センター側調剤支援装置5は、調剤センターで管理する薬品について、「入荷・入庫」→「調剤」→「鑑査」→「出荷」の一連の動きを管理できるように、マスター、IDなどを薬品、薬種ごとに設定してもよい。
図24は、調剤センターP1の全体レイアウトを示す平面図である。調剤センターP1には、薬品の入荷作業及び入庫作業が行われる入荷・入庫エリアAR1と、入荷された薬品を保管する保管棚が配置された保管棚エリアAR2と、調剤機器が配置され、調剤作業が行われる調剤エリアAR3と、調剤済みの薬品の集薬作業、振分作業及び鑑査作業が行われる鑑査エリアAR4と、鑑査済みの薬品の配送作業が行われる配送エリアAR5と、鑑査済みの薬品の配薬作業が行われる配薬エリアAR6とが含まれる。各エリアには作業員が配置されており、各作業員は担当するエリアにおいて作業を行う。また、少なくとも調剤エリアAR3及び鑑査エリアAR4には、一又は複数の薬剤師が配置されている。なお、保管棚エリアAR2には、作業者が薬品を収容したり取り出したりする棚だけでなく、自動で薬剤を収容したり払い出したりする自動調剤棚(自動入庫・払出しロボット)が配置されてもよい。
調剤センターP1における各業務の概要を説明する。入荷・入庫エリアAR1では、入荷担当の作業者(入荷作業者)が、薬品卸業者(又は配送業者)により調剤センターP1に入荷された薬品を納品書に基づいて検品する。検品で問題がなく薬品の納品が完了すると、入荷作業者は当該薬品を入荷用の収容ボックス(折りたたみコンテナ)に収容して、振分け担当の作業者(振分作業者)に引き渡す。振分作業者は、入荷用の収容ボックスに収容された薬品ごとに入庫先に応じて入庫用の収容ボックスに振分けて収容して、入庫担当の作業者(入庫作業者)に引き渡す。入庫作業者は、入庫用の収容ボックスを台車等に載せて入庫先(保管棚、調剤機器など)まで移動して入庫(収納)作業を行う。なお、薬品として、例えば、錠剤、散薬、外用薬、注射薬などが挙げられる。薬品は、箱又は袋などの容器に収容された状態であってもよい。
調剤エリアAR3では、調剤機器を使用して処方データに含まれる薬品の調剤が行われる。例えば、調剤機器は、薬局から調剤依頼を受け付けると、調剤依頼に対応する処方データに含まれる薬品の調剤を行う。また、調剤機器には、入庫作業者により、入荷された薬品が入庫される。また、調剤機器には、充填担当の作業者(充填作業者)により、保管棚又は自動入庫・払出しロボットに保管された薬品が充填される。調剤済みの薬品は、搬送作業者又は搬送ロボットG1(自動走行車)により鑑査エリアAR4に搬送される。なお、調剤機器には、例えば、錠剤分包機、散薬分包機、PTP薬剤自動払出装置、散薬調剤ロボット、軟膏自動調剤機、自動調剤棚、水剤分注装置などが含まれる。
鑑査エリアAR4では、集薬担当の作業者(集薬作業者)が搬送作業者又は搬送ロボットにより鑑査エリアAR4に搬送された薬品を受け取り所定の集薬棚の投入口(振分け先)に投入する。鑑査担当の作業者(例えば薬剤師)は、所定の集薬棚から薬品を取り出して、処方通りの薬剤が揃えられているかどうかを確認する鑑査(最終鑑査)を行う。鑑査が完了すると、鑑査済みの薬品が配送エリアAR5又は配薬エリアAR6に搬送される。
配送エリアAR5では、配送担当の作業者(配送作業者)が配送エリアAR5に搬送された薬品を受け取り、薬袋に薬品を収容する収容作業、梱包作業、配送作業などを行う。例えば、配送作業者は、薬品を配送先(薬局患者宅、入居施設など)ごとに梱包して出荷作業を行う。
配薬エリアAR6では、配薬担当の作業者(配薬作業者)が配薬エリアAR6に搬送された薬品を受け取り、配薬作業などを行う。例えば、配薬作業者は、薬品を服用時期ごとに纏めて配薬ボックス、服薬カレンダーなどに収容する。また、配薬作業者は、配薬作業が完了すると配送作業を行う。
本発明に係る調剤支援システムは、前記各エリアにおける作業のうち鑑査エリアAR4で実施される集薬作業、振分作業、鑑査作業のそれぞれを支援する処理を実行する。
[1.集薬・振分処理]
次に、鑑査エリアAR4で実施される集薬作業及び振分作業を支援する処理の具体的構成について説明する。センター側調剤支援装置5は、薬品の集薬作業、集薬された薬品を集薬棚に振り分ける振分作業を支援する処理を実行する。図25には、調剤センターP1に対応する各種機器を示している。例えば調剤センターP1には、センター側調剤支援装置5、センター内端末5A、調剤機器5B、携帯端末5C、上位システム7などが配置される。センター側調剤支援装置5、センター内端末5A、調剤機器5B、携帯端末5C、上位システム7は、ネットワークN5を介して通信可能に接続されている。センター側調剤支援装置5単体が本発明に係る調剤支援システムを構成してもよい。携帯端末5Cは、調剤センターP1内の作業者が携帯可能な操作端末である。例えば、搬送作業者は、携帯端末5Cを利用して、調剤機器5Bから調剤済みの薬品(調剤成果物)を集薬棚の場所まで搬送する搬送作業を行う。また例えば、集薬作業者は、携帯端末5Cを利用して、集薬棚の場所に搬送されてきた調剤済みの薬品(調剤成果物)を所定の集薬棚の投入口(振分け先)に振り分ける振分作業を行う。
上位システム7は、薬品の処方内容を示す処方データの登録操作を受け付ける電子カルテシステム、オーダーリングシステム、又はレセプトシステムなどである。図26には、上位システム7に登録された前記処方データの一例を示している。前記処方データには、例えば、処方番号などの処方ID、薬品を識別するための薬品名などの薬品識別情報、用量、用法、剤形、服用開始日、服用期間、及び服用終了日などの薬品情報が含まれる。また、前記処方データには、例えば薬品を服用する患者の氏名、性別、年齢、病棟、担当医師、担当薬剤師などの患者情報も含まれる。また、前記処方データには、調剤センターが薬局から当該処方データに対応する調剤依頼(委託)を受け付けた日(受託日)、当該調剤依頼の依頼元(委託元)、当該処方データに対応する薬品を委託元に出荷する予定日時(出荷予定日時)などの委託情報も含まれる。また、前記処方データには、薬袋、薬札、注意事項、手帳ラベル、薬情などの帳票類の要否に関する帳票情報も含まれる。
センター側調剤支援装置5は、上位システム7から処方データを読み出すとともに、処方データを薬品払出装置などの調剤機器5Bに入力する。具体的に、センター側調剤支援装置5は、調剤機器5Bにおける調剤処理に必要な調剤データを前記処方データに基づいて生成し、その調剤データを前記処方データとして調剤機器5Bに入力する。例えば、複数の調剤機器5Bが調剤センターP1に配置されている場合、センター側調剤支援装置5は、前記処方データに基づいて、排出する必要のある薬品を調剤機器5B各々に割り当てる。なお、センター側調剤支援装置5が上位システム7から前記処方データを読み出す構成に代えて、上位システム7からセンター側調剤支援装置5に前記処方データが送信される構成も考えられる。また、上位システム7から調剤機器5Bに前記処方データが直接入力されてもよい。
また、センター側調剤支援装置5は、各調剤機器5Bにおいて調剤された薬品を処方データごとに集めて鑑査作業者に引き渡す集薬作業を支援する。以下、センター側調剤支援装置5の具体的構成を説明する。
図25に示すように、センター側調剤支援装置5は、制御部51、記憶部52、通信インターフェース53、表示部54、操作部55、及びドライブ装置56などを備える。
通信インターフェース53は、センター側調剤支援装置5を例えば有線又は無線によりネットワークN5に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN5を介して接続されたセンター内端末5A、調剤機器5B、携帯端末5C、上位システム7等との間でデータ通信を実行する。
記憶部52には、後述の調剤指示処理(図36参照)を制御部51に実行させるための調剤指示プログラム及び後述の薬品振分処理(図37参照)を制御部51に実行させるための薬品振分プログラムを含む制御プログラムが記憶されている。
ドライブ装置56は、前記制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体57から前記制御プログラムを読み取ることが可能である。センター側調剤支援装置5では、制御部51により、記録媒体57からドライブ装置56で読み取られた前記制御プログラムが記憶部52にインストールされる。
制御部51は、図25に示すように、調剤指示処理部521、振分処理部522、通知処理部523、鑑査処理部524などの各処理部を含む。制御部51は、前記制御プログラムに従って各種の処理を実行することにより、調剤指示処理部521、振分処理部522、通知処理部523、鑑査処理部524として機能する。
図27~図29には、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業の具体例を示している。図27~図29を用いて、前記各処理部の具体的構成を説明する。
図27は、鑑査エリアAR4における集薬作業及び振分作業の様子を示している。なお、鑑査エリアAR4には、集薬作業及び振分作業を行う複数の集薬・振分エリアと、鑑査作業を行う複数の鑑査エリアとが含まれる。例えば、図24に示すように、調剤センターP1には、4個の集薬・振分エリアKa1~Ka4と、4個の鑑査エリアKb1~Kb4とが含まれる。集薬・振分エリアKa1~Ka4のそれぞれには集薬作業及び振分作業を行う集薬作業者が配置され、鑑査エリアKb1~Kb4のそれぞれには鑑査作業を行う鑑査作業者(例えば薬剤師)が配置されている。本実施形態では、各鑑査エリアに2人の鑑査作業者が配置されているが、各鑑査エリアに配置される鑑査作業者の人数は限定されない。
図27~図29には、1個の集薬・振分エリアKa1と、集薬・振分エリアKa1に対応する1個の鑑査エリアKb1とを例示している。集薬・振分エリアKa1には集薬作業者X10が配置されており、鑑査エリアKb1には鑑査作業者X11、X12が配置されている。
集薬・振分エリアKa1には、集薬棚J1と、センター内端末5Aと、読取装置rdとが配置されている。集薬棚J1は、8個の投入口r1~r8と、投入口r1~r8のそれぞれの上方に配置される表示部d1~d8と、排出口f1~f8と、排出ランプe1~e8とを備えている。集薬棚J1の表側の投入口r1~r8(図27参照)と裏側の排出口f1~f8(図28参照)とは、それぞれ連通した開口領域となっている。各開口領域には載置台が形成されており、各載置台には、調剤機器5Bから搬送されてきた薬品(調剤成果物)を収容するための収容トレイt1~t8が載置される。収容トレイt1~t8は、本発明の収容部の一例である。
例えば、鑑査作業者X11は、集薬棚J1の裏側の排出口f1~f4のそれぞれから空の収容トレイt1~t4を載置台に載置し、鑑査作業者X12は、集薬棚J1の裏側の排出口f5~f8のそれぞれから空の収容トレイt5~t8を載置台に載置する(図27参照)。空の収容トレイt10は、鑑査エリアKb1内の棚に積載されている(図28参照)。鑑査作業者X11は、集薬棚J1の4個の投入口r1~r4に投入される薬品の鑑査作業を担当し、鑑査作業者X12は、集薬棚J1の4個の投入口r5~r8に投入される薬品の鑑査作業を担当する。一人の鑑査作業者が、一つの集薬棚に投入される全て薬品の鑑査作業を担当してもよい。
集薬作業者X10は、集薬・振分エリアKa1に搬送されてきた台車Wに載置された収容ボックスC1内の複数の薬品(調剤成果物)のそれぞれを、集薬棚J1の表側から所定の投入口の収容トレイに収容する。具体的には、集薬作業者X10は、収容ボックスC1から取り出した薬品を読取装置rdに読み取らせると、センター内端末5A及び表示部d1~d8の表示内容に含まれる投入口の情報(例えば、投入口番号)に基づいて、当該薬品を投入口の収容トレイに収容する。集薬作業者X10は、自身に割り当てられた集薬・振分エリアKa1を担当し、集薬・振分エリアKa1に搬送されきた複数の薬品を集薬棚J1の各投入口r1~r8に振り分ける。集薬・振分エリアKa2~Ka4のそれぞれは、集薬・振分エリアKa1と同一の構成を備えており、鑑査エリアKb2~Kb4のそれぞれは、鑑査エリアKb1と同一の構成を備えている。本実施形態では、4台の集薬 棚が配置されており、各集薬棚には8個の投入口及び排出口が設けられている。なお、本発明において、集薬・振分エリアの数(集薬棚の台数)及び鑑査エリアの数は、4個に限定されず、調剤センターの規模、委託元の薬局の数、受託する処方データの数などに応じて適宜設定される。
上記集薬作業及び振分作業を支援する制御部11の具体的な処理について、以下に説明する。
調剤指示処理部521は、複数の調剤機器5Bのそれぞれに調剤指示を出力する。調剤指示処理部521は、上位システム7から処方データ(図26参照)を取得する。例えば、調剤指示処理部521は、予め設定されたタイミング(時刻)で、上位システム7の記憶部に蓄積されている複数の処方データを取得する。調剤指示処理部521は、上位システム7から取得可能な処方データの数の上限値が設定されていてもよい。例えば、処方データの調剤、鑑査、及び配送が当日中に完了することが可能な最大数が前記上限値に設定されてもよい。以下では、調剤指示処理部521は、上位システム7からN個の処方データを取得するものとする。
また、調剤指示処理部521は、取得したN個の処方データに基づいて、調剤機器5Bに対して薬品の調剤指示を出力する。具体的には、調剤指示処理部521は、調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数(投入口の合計数)に基づいて、複数(N個)の処方データを振り分けるグループ(ロット)の数と、前記ロットごとの前記処方データの数とを決定する。また、調剤指示処理部521は、前記ロットごとに、決定される当該ロットに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力する。例えば、調剤指示処理部521は、処方データの数(N個)と、各鑑査エリアに対応する集薬棚の投入口の数とに基づいて、ロット数(グループ数)と、各ロットに対応する処方データの数とを決定する。また、調剤指示処理部521は、N個の処方データをロット単位で調剤機器5Bに調剤指示を出力する。
調剤指示処理部521による調剤指示の出力方法の具体例を以下に説明する。
[調剤指示の出力方法1]
ここでは、調剤指示処理部521は、上位システム7から96個(N=96)の処方データを取得するものとする。また本実施形態では、4個の集薬・振分エリアKa1~Ka4と、4個の鑑査エリアKb1~Lb4とが設けられている。また、各集薬・振分エリアに集薬棚が配置されており、各集薬棚は8個の投入口を備えている。例えば図27に示す例では、集薬・振分エリアKa1に配置される集薬棚J1には投入口r1~r8が設けられており、投入口r1~r8が鑑査エリアKb1に対応する。各集薬棚には、8個の投入口が設けられている。
この場合、調剤指示処理部521は、図30に示すように、4台の集薬棚のそれぞれに対応する投入口の数(「8」)の合計数(「32」)を第1ロットにおける調剤指示の処方データ数に決定する。同様に、調剤指示処理部521は、4台の集薬棚のそれぞれに対応する投入口の数(「8」)の合計数(「32」)を、第2ロット及び第3ロットのそれぞれにおける調剤指示の処方データ数に決定する。このように、調剤指示処理部521は、各ロットの処方データ数が同一になるように設定する。ここでは、図30に示すように、調剤指示処理部521は、96個の処方データを取得し、投入口の合計数が32個であるため、96個の処方データを振り分けるロットの数を3個に決定し、各ロットの処方データ数を32個に決定する。このように、調剤指示処理部521は、投入口の合計数(「32」)を、各ロットの処方データ数に決定する。
調剤指示処理部521は、第1ロット、第2ロット、及び第3ロットのそれぞれについて、32個の処方データを生成する。なお、図30において、「集薬棚1」は集薬・振分エリアKa1に配置される集薬棚を示し、「集薬棚2」は集薬・振分エリアKa2に配置される集薬棚を示し、「集薬棚3」は集薬・振分エリアKa3に配置される集薬棚を示し、「集薬棚4」は集薬・振分エリアKa4に配置される集薬棚を示している。
また例えば、調剤指示処理部521は、96個の処方データのうち、上位システム7に登録された日時が古い順の第1位から第32位までの32個の処方データを第1ロットに振り分け、次に日時が古い順の第33位から第64位までの32個の処方データを第2ロットに振り分け、次に日時が古い順の第65位から第96位までの32個の処方データを第3ロットに振り分ける。
そして、調剤指示処理部521は、第1ロットの32個の処方データを調剤機器5Bに出力し、続いて、第2ロットの32個の処方データを調剤機器5Bに出力し、続いて、第3ロットの32個の処方データを調剤機器5Bに出力する。調剤指示処理部521は、本発明の決定処理部及び出力処理部の一例である。
ここで、調剤指示処理部521は、例えば調剤機器5Bの調剤指示待ち(非稼働状態)が発生し難くなるタイミングで各ロットの処方データを調剤機器5Bに出力することが望ましい。例えば図31に示すように、調剤指示処理部521は、時刻ta1~ta2の期間において第1ロットの32個の処方データについて、調剤機器5Bに調剤指示を出力するタイミングの最適化を行う。例えば、調剤指示処理部521は、第1ロットの32個の処方データについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データの優先順位を高くし、充填処理が必要な薬品の処方データの優先順位を低くする。時刻ta1~ta2の期間において、調剤指示処理部521は、第1ロットについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに調剤指示を出力し、充填処理が必要な薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに充填指示を出力する。
時刻ta2~ta4の期間では、調剤機器5Bにおいて、第1ロットの32個の処方データについて、前記優先順位に従って調剤処理が実行される。なお、充填処理が必要な処方データについては、充填処理が完了した後に調剤処理が実行される。第1ロットの32個の処方データの調剤処理が完了すると(時刻ta4)、調剤済みの薬品(調剤成果物)が集薬・振分エリアに搬送されて、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業が行われる(時刻ta4~ta7)。
ここで、調剤指示処理部521は、第1ロットの処方データの調剤処理が完了するタイミング(時刻ta4)で第2ロットの処方データの調剤処理が開始されるように、時刻ta3~ta4の期間(第1ロットの調剤処理期間)において第2ロットの32個の処方データについて、調剤機器5Bに調剤指示を出力するタイミングの最適化を行う。例えば、調剤指示処理部521は、第2ロットの32個の処方データについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データの優先順位を高くし、充填処理が必要な薬品の処方データの優先順位を低くする。時刻ta3~ta4の期間において、調剤指示処理部521は、第2ロットについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに調剤指示を出力し、充填処理が必要な薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに充填指示を出力する。
時刻ta4~ta6の期間では、調剤機器5Bにおいて、第2ロットの32個の処方データについて、前記優先順位に従って調剤処理が実行される。なお、充填処理が必要な処方データについては、充填処理が完了した後に調剤処理が実行される。第2ロットの32個の処方データの調剤処理が完了すると(時刻ta6)、調剤済みの薬品(調剤成果物)が集薬・振分エリアに搬送されて、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業が行われる(時刻ta6~ta9)。
同様に、調剤指示処理部521は、第2ロットの処方データの調剤処理が完了するタイミング(時刻ta6)で第3ロットの処方データの調剤処理が開始されるように、時刻ta5~ta6の期間(第2ロットの調剤処理期間)において第3ロットの32個の処方データについて、調剤機器5Bに調剤指示を出力するタイミングの最適化を行う。例えば、調剤指示処理部521は、第3ロットの32個の処方データについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データの優先順位を高くし、充填処理が必要な薬品の処方データの優先順位を低くする。時刻ta5~ta6の期間において、調剤指示処理部521は、第3ロットについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに調剤指示を出力し、充填処理が必要な薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに充填指示を出力する。
時刻ta6~ta8の期間では、調剤機器5Bにおいて、第3ロットの32個の処方データについて、前記優先順位に従って調剤処理が実行される。なお、充填処理が必要な処方データについては、充填処理が完了した後に調剤処理が実行される。第3ロットの32個の処方データの調剤処理が完了すると(時刻ta8)、調剤済みの薬品(調剤成果物)が集薬・振分エリアに搬送されて、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業が行われる(時刻ta8~ta10)。
以上のように、調剤指示処理部521は、第1ロットの処方データに関する調剤処理が完了した後に第2ロットの処方データに関する調剤処理が開始され、第2ロットの処方データに関する調剤処理が完了した後に第3ロットの処方データに関する調剤処理が開始されるように、各ロットの処方データの調剤指示を出力する。また、調剤指示処理部521は、第1ロットに対応する複数の処方データの調剤処理が終了するタイミングに基づいて、第2ロットに対応する複数の処方データの調剤指示を出力し、第2ロットに対応する複数の処方データの調剤処理が終了するタイミングに基づいて、第3ロットに対応する複数の処方データの調剤指示を出力する。また、調剤指示処理部521は、第1ロットに対応する複数の処方データの調剤処理が完了する前に、第2ロットに対応する複数の処方データの調剤指示を出力し、第2ロットに対応する複数の処方データの調剤処理が完了する前に、第3ロットに対応する複数の処方データの調剤指示を出力する。
上記構成によれば、調剤機器5Bにおける調剤指示の待ち時間を短縮させることができ、調剤機器5Bの稼働率を高めることができる。
なお、上記構成において、例えば集薬作業、振分作業、及び鑑査作業のいずれかの作業においてオーバーワーク状態となり調剤成果物が滞留する事態も起こり得る。この場合、調剤指示処理部521は、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業の作業状況に応じて、各ロットの調剤指示のタイミングを調整してもよい。
例えば、第1ロットの処方データに対応する集薬作業、振分作業、及び鑑査作業の期間ta4~ta7が、予め設定された所定時間を超える場合に、調剤指示処理部521は、第3ロットの処方データの調剤指示のタイミング(時刻ta6)を、後ろにずらす。これにより、調剤機器5Bにおいて、第2ロットの調剤処理が完了した時点(時刻ta6)から所定時間経過後に第3ロットの調剤処理が開始されるため、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業における滞留を解消することが可能となる。
他の実施形態として、調剤指示処理部521は、ユーザー操作に基づいて、調剤指示のタイミングを調整してもよい。例えば、調剤指示処理部521は、第1ロットの処方データに対応する集薬作業、振分作業、及び鑑査作業の期間ta4~ta7が、予め設定された所定時間を超える場合に、警告情報を管理者端末(携帯端末5C)に通知し、管理者が管理者端末において一時停止指示を入力した場合に、第3ロットの処方データの調剤指示を一時停止する。そして、管理者が、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業の作業状況を確認して管理者端末において再開指示を入力した場合に、調剤指示処理部521は、第3ロットの処方データの調剤指示を出力する。
[調剤指示の出力方法2]
図32及び図33には、調剤指示処理部521による調剤指示の出力方法の他の例を示している。
例えば図32に示すように、調剤指示処理部521は、4台の集薬棚のそれぞれに対応する投入口の数(「8」)の合計数(「32」)を第1ロットにおける調剤指示の処方データ数に決定する。また、調剤指示処理部521は、4台の集薬棚のそれぞれに対応する投入口の数(「8」)の半数(「16」)を、第2ロット~第5ロットのそれぞれにおける調剤指示の処方データ数に決定する。このように、調剤指示処理部521は、最初のロットの処方データ数を投入口の合計数と同一数に設定し、次ロット以降の処方データ数を投入口の合計数の半数に設定する。ここでは、図32に示すように、調剤指示処理部521は、96個の処方データを取得するため、第1ロットについて32個の処方データを生成し、第2ロット~第5ロットのそれぞれについて16個の処方データを生成する。
また例えば、調剤指示処理部521は、96個の処方データのうち、上位システム7に登録された日時が古い順の第1位から第32位までの32個の処方データを第1ロットに振り分け、次に日時が古い順の第33位から第48位までの16個の処方データを第2ロットに振り分け、次に日時が古い順の第49位から第64位までの16個の処方データを第3ロットに振り分け、次に日時が古い順の第65位から第81位までの16個の処方データを第4ロットに振り分け、次に日時が古い順の第82位から第96位までの16個の処方データを第5ロットに振り分ける。
そして、調剤指示処理部521は、第1ロットの32個の処方データを調剤機器5Bに出力し、続いて、第2ロットの16個の処方データを調剤機器5Bに出力し、続いて、第3ロットの16個の処方データを調剤機器5Bに出力し、続いて、第4ロットの16個の処方データを調剤機器5Bに出力し、続いて、第5ロットの16個の処方データを調剤機器5Bに出力する。
ここで、調剤指示処理部521は、上述の[調剤指示の出力方法1]と同様に、調剤機器5Bの調剤指示待ち(非稼働状態)が発生し難くなるタイミングで各ロットの処方データを調剤機器5Bに出力することが望ましい。第1ロットでは図31に示した例と同様に、例えば図33に示すように、調剤指示処理部521は、時刻ta1~ta2の期間において、充填処理が必要ではない薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに調剤指示を出力し、充填処理が必要な薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに充填指示を出力する。
時刻ta2~ta4の期間では、調剤機器5Bにおいて、第1ロットの32個の処方データについて、前記優先順位に従って調剤処理が実行される。なお、充填処理が必要な処方データについては、充填処理が完了した後に調剤処理が実行される。第1ロットの32個の処方データの調剤処理が完了すると(時刻ta4)、調剤済みの薬品(調剤成果物)が集薬・振分エリアに搬送されて、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業が行われる(時刻ta4~ta7)。
ここで、調剤指示処理部521は、第1ロットの処方データの調剤処理が完了する前のタイミング、例えば第1ロットの処方データの半数の調剤処理が完了するタイミング(時刻ta3)で第2ロットの処方データの調剤処理が開始されるように、時刻ta2~ta3の期間(第1ロットの調剤処理期間)において第2ロットの16個の処方データについて、調剤機器5Bに調剤指示を出力するタイミングの最適化を行う。時刻ta2~ta3の期間において、調剤指示処理部521は、第2ロットについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに調剤指示を出力し、充填処理が必要な薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに充填指示を出力する。
時刻ta3~ta5の期間では、調剤機器5Bにおいて、第2ロットの16個の処方データについて、前記優先順位に従って調剤処理が実行される。第2ロットの16個の処方データの調剤処理が完了すると(時刻ta5)、調剤済みの薬品(調剤成果物)が集薬・振分エリアに搬送されて、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業が行われる(時刻ta6~ta8)。
また、調剤指示処理部521は、第1ロットの処方データの調剤処理が完了するタイミング(時刻ta4)で第3ロットの処方データの調剤処理が開始されるように、時刻ta3~ta4の期間(第1ロットの調剤処理期間)において第3ロットの16個の処方データについて、調剤機器5Bに調剤指示を出力するタイミングの最適化を行う。時刻ta3~ta4の期間において、調剤指示処理部521は、第3ロットについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに調剤指示を出力し、充填処理が必要な薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに充填指示を出力する。
時刻ta4~ta6の期間では、調剤機器5Bにおいて、第3ロットの16個の処方データについて、前記優先順位に従って調剤処理が実行される。第3ロットの16個の処方データの調剤処理が完了すると(時刻ta6)、調剤済みの薬品(調剤成果物)が集薬・振分エリアに搬送されて、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業が行われる(時刻ta7~ta9)。
また、調剤指示処理部521は、第2ロットの処方データの調剤処理が完了するタイミング(時刻ta5)で第4ロットの処方データの調剤処理が開始されるように、時刻ta4~ta5の期間(第2ロットの調剤処理期間)において第4ロットの16個の処方データについて、調剤機器5Bに調剤指示を出力するタイミングの最適化を行う。時刻ta4~ta5の期間において、調剤指示処理部521は、第4ロットについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに調剤指示を出力し、充填処理が必要な薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに充填指示を出力する。
時刻ta5~ta7の期間では、調剤機器5Bにおいて、第4ロットの16個の処方データについて、前記優先順位に従って調剤処理が実行される。第4ロットの16個の処方データの調剤処理が完了すると(時刻ta7)、調剤済みの薬品(調剤成果物)が集薬・振分エリアに搬送されて、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業が行われる(時刻ta8~ta10)。
また、調剤指示処理部521は、第3ロットの処方データの調剤処理が完了するタイミング(時刻ta6)で第5ロットの処方データの調剤処理が開始されるように、時刻ta5~ta6の期間(第3ロットの調剤処理期間)において第5ロットの16個の処方データについて、調剤機器5Bに調剤指示を出力するタイミングの最適化を行う。時刻ta5~ta6の期間において、調剤指示処理部521は、第5ロットについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに調剤指示を出力し、充填処理が必要な薬品の処方データについて前記登録順に調剤機器5Bに充填指示を出力する。
時刻ta6~ta8の期間では、調剤機器5Bにおいて、第5ロットの16個の処方データについて、前記優先順位に従って調剤処理が実行される。第5ロットの16個の処方データの調剤処理が完了すると(時刻ta8)、調剤済みの薬品(調剤成果物)が集薬・振分エリアに搬送されて、集薬作業、振分作業、及び鑑査作業が行われる(時刻ta9~ta11)。
以上のように、[調剤指示の出力方法2]では、調剤指示処理部521は、第1ロットの処方データの半数に関する調剤処理が完了した後に第2ロットの処方データに関する調剤処理が開始され、第1ロットの処方データの全数に関する調剤処理が完了した後に第3ロットの処方データに関する調剤処理が開始され、第2ロットの処方データの全数に関する調剤処理が完了した後に第4ロットの処方データに関する調剤処理が開始され、第3ロットの処方データの全数に関する調剤処理が完了した後に第5ロットの処方データに関する調剤処理が開始されるように、各ロットの処方データの調剤指示を出力する。この構成によれば、調剤機器5Bにおける調剤指示の待ち時間を短縮させることができ、調剤機器5Bの稼働率を高めることができる。
調剤指示処理部521は、以上のようにして、所定数の処方データをロット単位で区切って、調剤指示を調剤機器5Bに順次出力する。なお、調剤指示が出力される調剤機器5Bは、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
ここで、本実施形態では、調剤対象の薬品の種別が異なる複数台の調剤機器5Bが設けられている。例えば、調剤機器5Bには、錠剤を分包する錠剤分包機、散薬を分包する散薬分包機などが含まれる。すなわち、複数の処方データには、複数種類の薬品の処方データが含まれており、調剤指示処理部521は、ロットごとに、複数種類の薬品のそれぞれに対応する複数の調剤機器5Bのそれぞれに対して調剤指示を出力する。これにより、以下に示すように、上記構成による特有の効果を得ることができる。例えば上位システム7から取得した処方データ数が96個であって、96個の処方データの中に散薬を含む処方データ(以下、処方データAとする)が一つであった場合に、以下の問題が生じる可能性がある。例えば、処方データAの登録順が90番目である場合に、96個の処方データをロットに分けることなく、複数台の調剤機器5Bに調剤指示を出力するタイミングの最適化を行うと、散薬分包機に対して最初に処方データAの調剤指示が出力されて調剤が開始されることになる。
ここで、処方データAに錠剤が含まれ、さらに他の95個の処方データのそれぞれにも錠剤が含まれる場合には、錠剤分包機に対しては、処方データAの調剤指示が登録順に従って調剤指示が出力されるため90番目に調剤が開始されることになる。このため、先に調剤が完了した散薬が集薬・振分エリアに搬送されて所定の投入口の収容トレイに収容されると、錠剤の調剤が完了して集薬・振分エリアに搬送されるまで当該投入口が占有されてしまい、他の処方データに割り当てることができなくなる。これにより、調剤作業及び鑑査作業の効率が低下する問題が生じる。
これに対して、上記[調剤指示の出力方法1]及び[調剤指示の出力方法2]の構成によれば、所定数の処方データを複数のロットに振り分けて調剤指示を順次出力するため、一つの処方データに対応する前記投入口の占有時間が最大でも一つのロットに含まれる処方データの数に応じた時間になるため、前記投入口の占有時間を短縮することができる。これにより、調剤作業及び鑑査作業の効率を向上させることができる。
次に、調剤済みの薬品の搬送、集薬作業における処理について説明する。
調剤機器5Bは、前記調剤指示に基づいて調剤処理を実行し、調剤済みの薬品(調剤成果物)を排出する。調剤機器5Bは、処方データごとに調剤処理が完了すると、センター側調剤支援装置5及び上位システム7に通知する。センター側調剤支援装置5及び上位システム7は、処方データ(図34参照)に調剤処理が完了したことを示す情報を登録する。
ここで、センター側調剤支援装置5の制御部51は、所定の処方データに対して、予め集薬棚を割り当てる。例えば、制御部51は、第1ロットの32個の処方データに対して、予め集薬棚1~4のいずれかを割り当てる。例えば、制御部51は、第1ロットの登録順で最初の8個の処方データに対して集薬棚1を割り当て、次の8個の処方データに対して集薬棚2を割り当て、次の8個の処方データに対して集薬棚3を割り当て、次の8個の処方データに対して集薬棚4を割り当てる。これにより、第1ロットの各処方データの処方番号(処方ID)と集薬棚の識別情報(集薬棚番号)とが関連付けられる。
調剤機器5Bから排出される薬品(調剤成果物)には、処方番号に対応する二次元コードが貼付される。また、調剤機器5Bの排出口付近には、調剤済みの薬品を収容する収容ボックスC1(折りたたみコンテナ)が配置されている。例えば、各調剤機器5Bの排出口付近に、集薬棚1~4(集薬・振分エリアKa1~Ka4)のそれぞれに対応する4個の収容ボックスC1が配置されている。例えば、錠剤分包機の排出口付近に4個の収容ボックスC1が配置されており、散薬分包機の排出口付近に4個の収容ボックスC1が配置されている。4個の収容ボックスC1のそれぞれには、集薬棚1~4のそれぞれを識別可能なラベルが貼付されてもよい。また、4個の収容ボックスC1のそれぞれが、排出口付近において、集薬棚1~4のそれぞれに対応して区画された場所に配置されてもよい。
調剤機器5Bから調剤済みの薬品が排出されると、搬送作業者は、調剤済みの薬品を収容ボックスC1に収容する。例えば、搬送作業者は、調剤機器5Bにおいて第1ロットに対応する調剤処理が実行されると、調剤済みの薬品に付された二次元コードを携帯端末5Cにより読み取る。制御部51は、携帯端末5Cから前記二次元コードの読み取り情報を取得すると二次元コードに対応する処方番号を取得し、処方番号に関連付けられた集薬棚を特定する(図34参照)。制御部51は、特定した集薬棚の情報(集薬棚番号)を携帯端末5Cに表示させると、搬送作業者は、前記調剤済みの薬品を前記集薬棚番号に対応する収容ボックスC1に収容する。搬送作業者は、調剤済みの薬品が排出されるごとに、当該薬品を所定の収容ボックスC1に収容する作業を繰り返す。
第1ロットの調剤処理が完了すると、搬送作業者は、各調剤機器5Bにおける集薬棚1の収容ボックスC1から調剤済みの薬品を回収して集薬棚1に搬送する。同様に、搬送作業者は、各調剤機器5Bにおける集薬棚2の収容ボックスC1から調剤済みの薬品を回収して集薬棚2に搬送し、各調剤機器5Bにおける集薬棚3の収容ボックスC1から調剤済みの薬品を回収して集薬棚3に搬送し、各調剤機器5Bにおける集薬棚4の収容ボックスC1から調剤済みの薬品を回収して集薬棚4に搬送する。例えば図27に示すように、搬送作業者は、台車Wに集薬棚1に対応する調剤済み薬品が収容(回収)された収容ボックスC1を載置して集薬棚1(集薬棚J1)に搬送する。
集薬作業者X10は、収容ボックスC1を受け取ると、収容ボックスC1に収容された調剤済みの薬品(以下、「薬品」と称する。)を、集薬棚J1に振り分ける振分作業を行う。振分処理部522は、前記振分作業を支援する処理を実行する。
具体的には、集薬作業者X10が収容ボックスC1に収容された薬品を取り出して、当該薬品に付された二次元コードを集薬棚J1の読取装置rdに読み取らせると、振分処理部522は、当該薬品の処方番号を取得する。先ず、振分処理部522は、取得した処方番号に関連付けられた集薬棚(図34参照)が、二次元コードを読み取った場所の集薬棚J1(集薬棚1)と一致するか否かを判断する。なお、読取装置rdに、集薬棚J1の識別情報が関連付けられていてもよい。また、読取装置rdは、集薬作業者X10に携帯される機器であってもよい。
振分処理部522は、前記処方番号に関連付けられた集薬棚が「集薬棚1」と一致する場合、振分情報h1(図35参照)を参照して、前記薬品の振分け先を決定する。例えば、振分処理部522は、前記処方番号に振分け先(振分けレーン)が未だ関連付けられていない場合に、集薬棚1の振分けレーン1~8のうち、任意の振分けレーン(ここでは振分けレーン2)を、前記処方番号に割り当てる。振分処理部522は、振分情報h1において、集薬棚1の振分けレーン2に前記処方番号(処方ID)を関連付けて登録する。また、振分処理部522は、振分けレーン2に処方IDを関連付けると、振分けフラグに「1」を登録する。また、振分処理部522は、振分情報h1において、読み取った薬品の薬品情報(薬品IDなど)を振分けレーン2に関連付けて登録する。
このように、振分処理部522は、調剤済みの薬品を識別可能な薬品識別情報(処方番号)を取得し、調剤済みの薬品を鑑査エリアに配置される複数の振分け先(振分けレーン)のうち、取得した前記薬品識別情報が示す薬品に対応する振分け先を特定する。振分処理部522は、本発明の取得処理部及び特定処理部の一例である。
また、振分処理部522は、集薬作業者X10に前記薬品の振分指示を行う。具体的には、図27に示すように、振分処理部522は、前記薬品の振分けレーン2を示す情報をセンター内端末5Aの表示部に表示させるとともに、振分けレーン2に対応する表示部d2を点灯(又は点滅)させる。このように、振分処理部522は、特定した前記振分け先(振分けレーン)を識別可能に表示させる。なお、振分処理部522は、表示部d2の点灯時間を一定時間に設定してもよい。これにより、表示部d2は点灯してから一定時間が経過すると消灯する。このように、振分処理部522は、前記振分け先が特定されてから所定時間だけ前記振分け先を識別可能に表示させ、前記所定時間に到達した時点で前記振分け先を非表示にする。このため、集薬作業者X10は、次の薬品を読み込ませたときの点灯場所と、直前の点灯場所とを見間違えるリスクを抑制することができる。振分処理部522は、本発明の第1表示処理部の一例である。
集薬作業者X10は、表示部d2が点灯したことを確認すると、前記薬品を投入口r2から、振分けレーン2の載置台に載置された収容トレイt2に投入する(図27参照)。
このように、振分処理部522は、前記処方番号に振分け先が登録されていない場合には、いずれの処方番号も登録されていない任意の振分け先に薬品を振り分ける。また、振分処理部522は、複数の振分け先のそれぞれにおける薬品の振分け状況に基づいて、薬品に対応する振分け先を決定してもよい。
集薬作業者X10は、続けて、収容ボックスC1に収容された薬品を取り出して、当該薬品に付された二次元コードを集薬棚J1の読取装置rdに読み取らせると、振分処理部522は、当該薬品の処方番号を取得する。振分処理部522は、取得した前記処方番号に振分け先(振分けレーン)が既に関連付けられている場合に、集薬棚1の振分けレーン1~8のうち、前記処方番号に関連付けられている振分けレーン(例えば、振分けレーン2)を特定する。そして、振分処理部522は、振分情報h1において、読み取った薬品の薬品情報(薬品IDなど)を振分けレーン2に関連付けて登録する。
このように、振分処理部522は、第1処方データに含まれる複数の薬品の全てについて前記振分け先(振分けレーン)が決定されていない場合に、取得した前記薬品識別情報が示す複数の薬品に含まれる第1薬品に対応する前記振分け先として第1振分け先を決定し、前記第1薬品について前記第1振分け先が決定されている場合に、取得した前記薬品識別情報が示す前記複数の薬品に含まれる第2薬品に対応する前記振分け先として前記第1振分け先を決定する。すなわち、振分処理部522は、前記処方番号に振分け先が登録されている場合には、当該処方番号に対応する複数の薬品のそれぞれを同一の振分け先に振り分ける。上記の例では、処方ID「00000002」には、集薬棚1の振分けレーン2が関連付けられているため、当該処方IDの処方データに含まれる全ての薬品は、集薬棚1の振分けレーン2に振り分けられる。
また、振分処理部522は、前記処方番号に対応する全ての薬品が集薬棚に振り分けられると、振分情報h1において処方IDに関連付けて振分完了フラグに「1」を登録する。上記の例では、処方ID「00000002」の処方データに含まれる全ての薬品が集薬棚1の振分けレーン2の収容トレイt2に投入されると、振分処理部522は、振分情報h1において前記処方IDに関連付けて振分完了フラグに「1」を登録する。これにより、処方ID「00000002」の処方データの振分処理が完了する。
ところで、搬送作業者が収容ボックスC1を本来の搬送先の集薬棚とは異なる集薬棚に搬送してしまう場合がある。例えば、搬送作業者が集薬棚2に搬送すべき収容ボックスC1を集薬棚1に搬送してしまう場合がある。この場合に、集薬作業者X10が収容ボックスC1から取り出した薬品を読取装置rdに読み取らせると、振分処理部522は、当該薬品の処方番号に関連付けられた集薬棚(「集薬棚2」)が、読取装置rdの集薬棚(「集薬棚1」)と一致しないため、センター内端末5Aの表示部に、集薬棚が異なる旨のメッセージと、正しい集薬棚の情報(「集薬棚2」)を表示させる。この場合、集薬作業者X10は、集薬・振分エリアKa2の集薬作業者に前記薬品を渡す。これにより、薬品が誤った投入口に投入されることを防ぐことができる。
通知処理部523は、処方データの振分処理が完了した場合に、完了情報を鑑査作業者に通知する。具体的には、通知処理部523は、特定された前記振分け先に、処方データに含まれる全ての薬品の振り分けが完了した場合に、当該振分け先を識別可能に表示させる。例えば、処方ID「00000002」の処方データの全ての薬品が収容トレイt2に収容されて振分処理が完了すると、通知処理部523は、図28に示すように、振分けレーン2に対応する排出口f2に設けられた排出ランプe2を点灯させる。鑑査作業者X11は、排出ランプe2の点灯を確認すると、振分けレーン2から収容トレイt2を引き出す(図29参照)。通知処理部523は、本発明の第2表示処理部の一例である。
ここで、集薬棚における収容トレイが載置される各載置台には、トレイ検知部b1(図29参照)が設けられている。制御部51は、トレイ検知部b1の検知信号に基づいて載置台に収容トレイが存在するか否かを判断する。例えば図29に示すように、排出口f2から収容トレイt2が引き出されると、制御部51は、トレイ検知部b1の検知信号に基づいて、載置台から収容トレイt2が排出された(収容トレイt2が存在しない)と判断する。制御部51は、排出ランプe2の点灯後に載置台から収容トレイt2が排出されたと判断すると、排出ランプe2を消灯する(図29参照)。
鑑査作業者X11は、収容トレイt2を引き出すと、収容トレイt2に収容された処方番号(処方ID「00000002」)の薬品について鑑査作業(詳細は後述)を行う。また、鑑査作業者X11は、収容トレイt2を引き出したことにより空きスペースとなった振分けレーン2の載置台に空の収容トレイt10をセットする。空の収容トレイt10は、鑑査エリアKb1の保管棚に複数個仮置きされている。収容トレイt10がセットされた振分けレーン2は、他の処方番号に対応する薬品の振分けレーンとして利用可能となる。
また、制御部51は、処方データの全ての薬品の振分処理が完了して振分けレーン2から収容トレイt2が引き出されて空の収容トレイt10がセットされると、振分情報h1(図35参照)の振分けレーン2に関連付けられた情報(振分フラグ「1」、処方ID、薬品情報、トレイ数、振分完了フラグ)を削除(リセット)する。これにより、振分処理部522は、次に集薬・振分エリアKa1で読み込まれた薬品の処方データ(処方番号)を振分けレーン2に割り当てることが可能となる。
このように、制御部51は、前記振分け先に振り分けられた処方データに含まれる全ての薬品が当該振分け先から排出された場合に、当該振分け先に対して新たな処方データの薬品の振り分けを許可する。また、制御部51は、振分け先に振り分けられた処方データに含まれる全ての薬品が収容された収容トレイが当該振分け先から排出され、薬品が収容されていない空の収容トレイが当該振分け先に配置された場合に、当該振分け先に対して新たな処方データの薬品の振り分けを許可する。
ここで、一つの処方データ(処方番号)に含まれる薬品の数が多く、振分けレーンに載置された一つの収容トレイに収容しきれない場合がある。例えば、集薬作業者X10は、収容ボックスC1に収容された薬品に付された二次元コードを集薬棚J1の読取装置rdに読み取らせると、振分処理部522は、当該薬品の処方番号(処方ID「00000007」)を取得する。振分処理部522は、前記処方番号に関連付けられた集薬棚が「集薬棚1」と一致する場合、振分情報h1(図35参照)を参照して、振分けレーン3を前記処方番号に割り当てる。振分処理部522は、振分情報h1において、集薬棚1の振分けレーン3に前記処方番号(処方ID)を関連付けて登録し、振分けフラグに「1」を登録し、読み取った薬品の薬品情報を振分けレーン3に関連付けて登録する。
振分処理部522は、前記薬品の振分けレーン3を示す情報をセンター内端末5Aの表示部に表示させるとともに、振分けレーン3に対応する表示部d2を点灯させ、集薬作業者X10は、表示部d2が点灯したことを確認すると、前記薬品を投入口r3から、振分けレーン3の載置台に載置された収容トレイt3に投入する(図27参照)。
集薬作業者X10は、収容ボックスC1に収容された薬品を収容トレイt3に投入する作業を繰り返す。ここで、集薬作業者X10は、収容トレイt3に収容スペースがなくなりこれ以上薬品を投入できないと判断すると、センター内端末5Aの表示部に表示される操作画面(振分け先画面P103)において、「トレイ交換要求」ボタン(図40参照)を選択する。「トレイ交換要求」ボタンが押されると、通知処理部523は、アラーム音を発報させる。これにより、鑑査作業者X11は、収容トレイの交換要求を確認すると、振分けレーン3の排出口f3から薬品が収容された収容トレイt3を引き出して、保管棚に保管する。図29の収容トレイt20は、保管された収容トレイt3を例示している。鑑査作業者X11は、収容トレイt3を引き出したことにより空きスペースとなった振分けレーン3の載置台に空の収容トレイt10をセットする。
他の実施形態として、通知処理部523は、「トレイ交換要求」ボタンが押された場合に、振分けレーン3に対応する排出口f3に設けられた排出ランプe3を、振分処理が完了したときの点灯方法とは異なる方法により点灯(例えば、異なる色を点灯)させてもよいし、鑑査作業者X11の鑑査端末(センター内端末5A)に、収容トレイの交換要求を表示させてもよい。
また、振分処理部522は、「トレイ交換要求」ボタンが押されると、振分情報h1(図35参照)の振分けレーン3に関連付けられたトレイ数を「2」に更新する。振分処理部522は、「トレイ交換要求」ボタンが押されるごとに前記トレイ数を更新する。空の収容トレイt10がセットされると、集薬作業者X10は、収容ボックスC1に収容された残りの薬品を収容トレイt10に投入する作業を繰り返す。なお、図35に示す例では、2個目の収容トレイt10に薬品を振り分けている状態を示しており、振分完了フラグは「0」となっている。処方ID「00000007」の処方データに含まれる残りの全ての薬品が収容トレイt10に投入されると、振分処理部522は、振分情報h1において前記処方IDに関連付けて振分完了フラグに「1」を登録する。これにより、処方ID「00000007」の処方データの振分処理が完了する。このように、制御部51は、振分け先に振り分けられた処方データに含まれる全ての薬品が一つの収容トレイに収容しきれない場合に収容トレイの交換要求を選択可能な操作画面を表示させ、収容トレイの交換要求が選択された場合に、収容トレイの交換指示を出力する。
通知処理部523は、処方データの振分処理が完了すると、完了情報を鑑査作業者X11に通知する。例えば、処方ID「00000007」の処方データの残りの全ての薬品が収容トレイt10に収容されて振分処理が完了すると、通知処理部523は、排出ランプe3を点灯させる。鑑査作業者X11は、排出ランプe3の点灯を確認すると、振分けレーン3の排出口f3から収容トレイt10を引き出す。また、通知処理部523は、振分情報h1(図35参照)を参照して、処方ID「00000007」の処方データの薬品を収容した収容トレイが2個(収容トレイt3、t10)存在することを示す情報(完了情報の一例)を鑑査作業者X11に通知する。通知方法は、鑑査作業者X11の鑑査端末(センター内端末5A)に表示させてもよいし、音声案内してもよい。鑑査作業者X11は、前記完了情報を確認すると、保管棚に保管された収容トレイt3と振分けレーン3から引き出した収容トレイt10とを合わせて鑑査作業(詳細は後述)を行う。
[調剤指示処理]
図36を参照しつつ、センター側調剤支援装置5において実行される調剤指示処理の手順の一例について説明する。前記調剤指示処理は、センター側調剤支援装置5の制御部51により実行される。なお、本発明は、前記調剤指示処理の処理手順の一部又は全部を実行する調剤支援方法、又は当該調剤支援方法をセンター側調剤支援装置5等のコンピュータに実行させるための前記調剤支援プログラムの発明として捉えられてもよい。
例えば、制御部51は、予め設定されたタイミング(時刻)で、上位システム7の記憶部に蓄積されている複数の処方データを取得した場合に前記調剤指示処理を開始する。
<ステップS701>
まず、ステップS701において、制御部51は、上位システム7から処方データ(図26参照)を取得する。例えば、制御部51は、予め設定されたタイミング(時刻)で、上位システム7の記憶部に蓄積されている96個の処方データを取得する。なお、調剤センターP1において当日に処方データの調剤、鑑査、及び配送が当日中に完了することが可能な最大数が前記上限値に設定されている場合には、制御部51は、所定のタイミングで処方データの蓄積数が前記上限値以下の場合には当該蓄積数の処方データを取得し、所定のタイミングで処方データの蓄積数が前記上限値を超える場合には当該上限値の処方データを取得する。また、制御部51は、集薬・振分エリアにおける薬品の振分け先である投入口の合計数に応じた数の処方データを取得してもよい。例えば、制御部51は、投入口の合計数が100個の場合、100の倍数(200個、300個、400個など)の処方データを取得してもよい。
<ステップS702>
ステップS702において、制御部51は、ロットごとの処方データ数を決定する。ここでは、4個の集薬・振分エリアKa1~Ka4と、4個の鑑査エリアKb1~Lb4とが設けられており、各集薬・振分エリアに集薬棚が配置されており(図24参照)、各集薬棚は8個の投入口を備えている(図27参照)。この場合、調剤指示処理部521は、各ロットの処方データ数が同一になるように設定する(上述の「調剤指示の出力方法1」参照)。
例えば図30に示すように、制御部51は、4台の集薬棚のそれぞれに対応する投入口の数(「8」)の合計数(「32」)を一つのロットにおける調剤指示の処方データ数に決定する。制御部51は、一つのロットの処方データ数を「32」に決定すると、取得した処方データ数「96」を満たすように、ロット数を「3」に決定する。すなわち、制御部51は、第1ロット、第2ロット、及び第3ロットのそれぞれにおける調剤指示の処方データ数を「32」に決定する。
なお、制御部51は、96個の処方データを、上位システム7に登録された順に第1ロット、第2ロット、及び第3ロットに振り分ける。例えば、制御部51は、96個の処方データのうち、上位システム7に登録された日時が古い順の第1位から第32位までの32個の処方データを第1ロットに振り分け、次に日時が古い順の第33位から第64位までの32個の処方データを第2ロットに振り分け、次に日時が古い順の第65位から第96位までの32個の処方データを第3ロットに振り分ける。
<ステップS703>
ステップS703において、制御部51は、ロットごとに処方データの優先順位を決定する。例えば、制御部51は、第1ロットの32個の処方データについて、調剤指示を出力する順番の優先順位を決定する。例えば、制御部51は、第1ロットの32個の処方データについて、充填処理が必要ではない薬品の処方データの優先順位を高くし、充填処理が必要な薬品の処方データの優先順位を低くする。また、制御部51は、処方情報に基づいて優先順位を決定してもよい。例えば、制御部51は、処方データに含まれる薬品の種類が少ない処方データの優先順位を高くし、処方データに含まれる薬品の種類が多い処方データの優先順位を低くする。また、制御部51は、同じ薬品を含む処方データが連続するように優先順位を決定してもよい。
<ステップS704>
ステップS704において、制御部51は、一つのロットに対応する処方データの調剤指示を調剤機器5Bに出力する。例えば、制御部51は、第1ロットの32個の処方データの調剤指示を調剤機器5Bに出力する。なお、ステップS703、S704は、図31の調剤指示期間(時刻ta1~ta2、時刻ta3~ta4、時刻ta5~ta6)に対応する。制御部51は、ステップS704の後、処理をステップS705、S711に移行させる。制御部51は、ステップS705、S711の処理を並行して実行する。
<ステップS705>
ステップS705において、制御部51は、次のロットがあるか否かを判定する。制御部51は、次のロットがあると判定すると(S705:Yes)、処理をステップS703に移行させる。一方、制御部51は、次のロットがないと判定すると(S705:No)、処理をステップS706に移行させる。
ここでは、96個の処方データに対して第2ロットが設定されているため(図30参照)、制御部51は、第1ロットに対応する処方データの調剤指示を調剤機器5Bに出力した後、処理をステップS703に移行させる。ステップS703に戻ると、制御部51は、第2ロットの32個の処方データについて、調剤指示を出力する順番の優先順位を決定する処理を実行する。
<ステップS711>
ステップS711において、制御部51は、調剤指示が出力されたロットの調剤処理が完了したか否かを判定する。例えば、制御部51は、第1ロットの32個の処方データの調剤指示を調剤機器5Bに出力した場合に、調剤機器5Bにおいて当該32個の処方データの調剤処理が完了したか否かを判定する。制御部51は、調剤機器5Bから調剤処理の完了通知を取得した場合に、第1ロットの処方データの調剤処理が完了したと判断する。制御部51は、対象のロットの処方データの調剤処理が完了したと判定すると(S711:Yes)、処理をステップS712に移行させる。制御部51は、対象のロットの処方データの調剤処理が完了するまで待機する(S711:No)。
<ステップS712>
ステップS712において、制御部51は、対象のロットの処方データの調剤処理が完了したことを示す情報を登録する。例えば、第1ロットの処方データの調剤処理が完了すると、制御部51は、第1ロットの処方データ(図34参照)に、調剤処理が完了したことを示す情報を登録する。
<ステップS713>
ステップS713において、制御部51は、次のロットがあるか否かを判定する。制御部51は、次のロットがあると判定すると(S713:Yes)、処理をステップS711に移行させる。一方、制御部51は、次のロットがないと判定すると(S713:No)、処理をステップS706に移行させる。
ここでは、96個の処方データに対して第2ロットが設定されているため(図30参照)、制御部51は、第1ロットに対応する処方データについて調剤処理が完了したことを示す情報を登録した後、処理をステップS711に移行させる。ステップS711に戻ると、制御部51は、第2ロットの32個の処方データについて、調剤処理が完了したか否かを判定する処理を実行する。
ここで、ステップS704において、制御部51は、例えば、第1ロットに対応する処方データの調剤処理が完了(S711:Yes)したタイミングで第2ロットに対応する処方データの調剤処理が開始されるように、第2ロットに対応する処方データの調剤指示を調剤機器5Bに出力する(図31の時刻ta3~ta4の期間)。
<ステップS706>
ステップS706において、制御部51は、全てのロットの処方データについて、調剤処理が完了したか否かを判定する。ここでは、制御部51は、第1ロット、第2ロット、及び第3ロットに含まれる96個の処方データの調剤処理が完了したか否かを判定する。制御部51は、全てのロットの処方データについて調剤処理が完了したと判定すると(S706:Yes)、処理をステップS701に移行させて上述の処理を繰り返す。なお、制御部51は、上位システム7から処方データの取得処理を終了すると、前記調剤指示処理を終了する。
以上のようにして、制御部51は、所定数の処方データを取得するごとに、処方データを複数のロットに振り分けてロットごとに最適なタイミングで調剤指示を出力する前記調剤指示処理を実行する。
[薬品振分処理]
図37を参照しつつ、センター側調剤支援装置5において実行される薬品振分処理の手順の一例について説明する。前記薬品振分処理は、センター側調剤支援装置5の制御部51により実行される。なお、本発明は、前記薬品振分処理の処理手順の一部又は全部を実行する調剤支援方法、又は当該調剤支援方法をセンター側調剤支援装置5等のコンピュータに実行させるための前記調剤支援プログラムの発明として捉えられてもよい。
例えば、制御部51は、所定のロットに対応する調剤済みの薬品(調剤成果物)が複数収容された収容ボックスC1が集薬・振分エリアの集薬棚に搬送されてきて(図27参照)、集薬作業者が収容ボックスC1の薬品を読取装置rdに読み取らせた場合に、前記薬品振分処理を開始する。
<ステップS801>
まず、ステップS801において、制御部51は、薬品の処方番号を取得したか否かを判定する。例えば、第1ロットに対応する複数の薬品が収容された収容ボックスC1が集薬棚J1に搬送されてきた場合に(図27参照)、集薬作業者X10は、収容ボックスC1から一つの薬品を取り出して読取装置rdに二次元コードを読み取らせる。制御部51は、前記薬品の二次元コードから処方番号を取得する。制御部51は、薬品の処方番号を取得すると(S801:Yes)、処理をステップS802に移行させる。制御部51は、薬品の処方番号を取得するまで待機する(S801:No)。
また、制御部51は、薬品の処方番号を取得すると、センター内端末5Aの表示部に図38に示す作業状況画面P101を表示させる。作業状況画面P101には、処方番号に対応する処方データに含まれる薬品の情報と、振分作業の作業状況とが表示される。例えば図38に示す例では、薬品M1は振分作業が完了したことを示し、薬品M2は振分作業中であることを示し、薬品M3,M4は振分作業待ち(読み取り前)であることを示している。
<ステップS802>
ステップS802において、制御部51は、取得した処方番号に関連付けられた集薬棚(図34参照)が、二次元コードを読み取った場所の集薬棚J1(集薬棚1)と一致するか否かを判定する。制御部51は、前記処方番号に関連付けられた集薬棚が「集薬棚1」と一致する場合(S802:Yes)、処理をステップS803に移行させる。一方、制御部51は、前記処方番号に関連付けられた集薬棚が「集薬棚1」と一致しない場合(S802:No)、処理をステップS821に移行させる。
<ステップS821>
ステップS821において、制御部51は、エラーを通知する。具体的には、制御部51は、センター内端末5Aの表示部に、集薬棚が異なる旨のメッセージと、正しい集薬棚の情報を表示させる。例えば、制御部51は、センター内端末5Aの表示部に、図39に示すエラー画面P102を表示させる。これにより、集薬作業者X10は、正しい集薬棚の集薬・振分エリアを担当する集薬作業者に前記薬品を渡す。制御部51は、エラーを通知した後、処理をステップS801に移行させて、次の薬品の処方番号を取得するまで待機する。
<ステップS803>
ステップS803において、制御部51は、前記処方番号に振分け先(振分けレーン)が関連付けられている(登録済みである)か否かを判定する。例えば、制御部51は、振分情報h1(図35参照)を参照して、前記処方番号(処方ID)が集薬棚1の振分けレーン1~8のいずれかに関連付けられて登録されているか否かを判定する。制御部51は、前記処方番号に振分け先(振分けレーン)が関連付けられている(登録済)場合に、処理をステップS804に移行させる。一方、制御部51は、前記処方番号に振分け先(振分けレーン)が関連付けられていない(未登録の)場合に、処理をステップS831に移行させる。
<ステップS804>
ステップS804において、制御部51は、前記処方番号に関連付けられた振分け先(振分けレーン)の情報を表示させる。具体的には、制御部51は、前記処方番号に関連付けられた振分けレーンを示す情報をセンター内端末5Aの表示部に表示させるとともに、当該振分けレーンに対応する表示部を点灯(又は点滅)させる。図27には、センター内端末5Aの表示部に「振分けレーン2」の情報が表示され、「振分けレーン2」に対応する表示部d2が点灯している例を示している。なお、制御部51は、センター内端末5Aの表示部に、図40に示す振分け先画面P103を表示させてもよい。振分け先画面P103には、処方番号、薬品情報、振分け先(振分けレーン)の各情報が表示される。これにより、集薬作業者X10は、前記薬品の振分け先(投入先)を容易に把握することが可能となる。制御部51は、ステップS804の後、処理をステップS805に移行させる。また、ステップS804において、制御部51は、振分情報h1(図35参照)において、読み取った薬品の薬品情報(薬品IDなど)を前記振分けレーンに関連付けて登録する。
<ステップS831>
ステップS831において、制御部51は、いずれの処方番号も登録されていない任意の振分け先を決定する。上記の例では、制御部51は、集薬棚1の振分けレーン1~8のうち、処方番号が関連付けられていない任意の振分けレーン(空の振分けレーン)を決定する。制御部51は、振分けレーンを決定すると、振分情報h1において、当該振分けレーンに前記処方番号(処方ID)を関連付けて登録する。また、制御部51は、前記振分けレーンに処方IDを関連付けると、振分けフラグに「1」を登録する。また、制御部51は、振分情報h1において、読み取った薬品の薬品情報(薬品IDなど)を前記振分けレーンに関連付けて登録する。
<ステップS832>
ステップS832において、制御部51は、ステップS831において決定した振分け先(振分けレーン)の情報を表示させる。具体的には、制御部51は、前記振分けレーンを示す情報をセンター内端末5Aの表示部に表示させるとともに、当該振分けレーンに対応する表示部を点灯(又は点滅)させる。制御部51は、ステップS832の後、処理をステップS805に移行させる。
<ステップS805>
ステップS805において、制御部51は、前記振分け先を表示(S804、S832)させてから所定時間が経過したか否かを判定する。制御部51は、前記振分け先を表示させてから所定時間が経過すると(S805:Yes)、処理をステップS806に移行させる。制御部51は、前記振分け先を表示させてから所定時間が経過するまで待機する(S805:No)。
<ステップS806>
ステップS806において、制御部51は、振分け先の表示を非表示にする。具体的には、制御部51は、センター内端末5Aの表示部(図27参照)に表示された振分けレーンの情報を削除し、点灯された表示部(図27の表示部d2参照)を消灯する。このように、集薬作業者X10が薬品の二次元コードを読み込ませると、所定時間だけ当該薬品の振り分け先の情報が表示される。集薬作業者X10は、振分け先の情報が表示されている間(所定時間内)に薬品を振分けレーンの収容トレイに収容する。なお、制御部51は、集薬作業者X10が携帯端末5Cを所持している場合には、携帯端末5Cに振分け先の情報などを表示してもよい。また、携帯端末5Cは、スマートフォン、携帯電話などのモバイル端末であってもよいし、身体に装着可能なスマートグラスなどのウェアラブル端末であってもよい。
<ステップS807>
ステップS807において、制御部51は、前記処方番号の全ての薬品について振分けが完了したか否かを判定する。具体的には、制御部51は、処方データ(図26参照)を参照して、処方IDに関連付けられた全ての薬品が読取装置rdにより読み取られたか否かを判定する。制御部51は、処方IDに関連付けられた全ての薬品が読取装置rdにより読み取られた場合に、前記処方番号の全ての薬品について振分けが完了したと判定する。制御部51は、前記処方番号の全ての薬品について振分けが完了したと判定すると(S807:Yes)、処理をステップS808に移行させる。一方、制御部51は、前記処方番号の全ての薬品について振分けが完了していないと判定すると(S807:No)、処理をステップS801に移行させる。制御部51は、前記処方番号の全ての薬品について振分けが完了するまで上述の処理を繰り返し実行する。
<ステップS808>
ステップS808において、制御部51は、排出ランプを点灯させる。例えば、振分けレーン2に割り当てられた処方番号の全ての薬品の振分け処理が完了すると、制御部51は、図28に示すように、振分けレーン2の排出口f2に設けられた排出ランプe2を点灯させる。制御部51は、排出ランプを点灯させるとともに、アラーム音を発報させてもよい。
<ステップS809>
ステップS809において、制御部51は、収容トレイが排出されたか否かを判定する。具体的には、制御部51は、収容トレイが載置される載置台に設けられたトレイ検知部の検知信号に基づいて収容トレイが排出されたか否かを判定する。例えば、鑑査作業者X11は、排出ランプe2の点灯を確認すると、振分けレーン2から収容トレイt2を引き出す(図29参照)。これにより、トレイ検知部b1は収容トレイt2を検知しなくなるため、制御部51は、収容トレイt2が排出されたと判定する。
なお、制御部51は、排出ランプe2を点灯させてから所定時間以内に収容トレイt2が排出されなかった場合に、エラーを通知してもよい。
鑑査作業者X11は、振分けレーン2から収容トレイt2を引き出すと、振分けレーン2の載置台に空の収容トレイt10をセットする。トレイ検知部b1が収容トレイt10を検知すると、制御部51は、振分情報h1(図35参照)の振分けレーン2に関連付けられた情報(振分フラグ「1」、処方ID、薬品情報、トレイ数、振分完了フラグ)を削除(リセット)して、振分けレーン2を使用可能な状態に更新する。鑑査作業者X11は、収容トレイt2内の薬品について鑑査作業を行う。
制御部51は、収容トレイが排出されて空の収容トレイがセットされたと判定すると(S809:Yes)、処理をステップS801に移行させて上述の処理を繰り返し実行する。制御部51は、収容トレイが排出されて空の収容トレイがセットされるまで待機する(S809:No)。
なお、一つの処方データ(処方番号)に含まれる全ての薬品が振分けレーンに載置された一つの収容トレイに収容しきれない場合、集薬作業者X10は、センター内端末5Aの表示部に表示される操作画面(例えば図40に示す振分け先画面P103)において、「トレイ交換要求」ボタンK1を選択する。「トレイ交換要求」ボタンK1が押されると、制御部51は、振分けレーンに対応する排出口に設けられた排出ランプを点灯させたり、アラーム音を発報させたりする。これにより、鑑査作業者X11は、収容トレイの交換要求を確認すると、薬品が収容された収容トレイを引き出して保管棚に保管し、空きスペースとなった振分けレーンの載置台に空の収容トレイをセットする。このとき、制御部51は、振分情報h1(図35参照)の振分けレーンに関連付けられたトレイ数を更新する。このように、一つの処方データ(処方番号)に含まれる薬品が複数の収容トレイに分かれて収容された場合、鑑査作業者X11は、当該複数の収容トレイをまとめて鑑査作業を行う。
以上のようにして、制御部51は、薬品の二次元コードが読み取られて処方番号を取得するごとに、当該薬品を振り分ける前記薬品振分処理を実行する。
以上説明したように、本実施形態に係る調剤支援システムは、調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数(投入口の合計数)に基づいて、複数の処方データを振り分けるグループの数(ロット数)と、前記グループごとの前記処方データの数とを決定し、前記グループごとに、決定した当該グループに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力する。
上記構成によれば、取得される複数の処方データについて、ロット単位で調剤指示を出力することができるため、調剤機器で調剤された薬品が鑑査エリアに集中して、鑑査作業の効率が低下することを防ぐことができる。また、鑑査エリアにおける薬品の集中を回避するために調剤機器に対する調剤指示を停止する必要がなくなるため、調剤作業の効率を向上させることができる。よって、調剤センター(調剤施設)における薬品の調剤作業及び鑑査作業の効率を向上させることが可能となる。
[2.鑑査処理]
次に、鑑査エリアAR4で実施される鑑査作業を支援する処理の具体的構成について説明する。
鑑査作業者は、例えば集薬作業者による処方データの薬品の振分作業が完了すると、集薬棚から収容トレイを引き出して、収容トレイに収容された薬品について鑑査作業を行う。例えば、図29に示すように、鑑査作業者X11は、振分けレーン2の排出口f2から、処方ID「00000002」の処方データの薬品が収容された収容トレイt2を引き出すと、当該処方データの鑑査作業を行う。例えば、鑑査作業者X11は、鑑査端末(センター内端末5A)を使用して鑑査作業を行う。
センター側調剤支援装置5の鑑査処理部524(図25参照)は、処方データごとに鑑査処理を実行する。具体的には、鑑査作業者X11が鑑査端末において処方ID「00000002」を入力又は処方番号の読取操作を行うと、鑑査処理部524は、処方ID「00000002」の処方データ(図26参照)の情報、調剤時の撮影画像などを鑑査作業者X11の鑑査端末に表示させる。鑑査作業者は、表示内容に基づいて、処方通りの薬品が揃っているどうかを確認する。
また、鑑査処理部524は、エビデンス情報を含むエビデンス画面(図19参照)を表示させて、鑑査作業者にエビデンス情報の確認を促す。鑑査作業者は、エビデンス情報を確認して問題なければ「承認」のボタンを押下する。また、鑑査作業者は、エビデンス情報を確認して問題があると判断した場合には、「コメント登録」のボタンを押下して、コメント登録画面(図20参照)にコメントを入力及び登録する。
また、鑑査処理部524は、前記処方データに含まれる薬袋、薬札、注意事項、手帳ラベル、薬情などの帳票類の要否に関する帳票情報に基づいて、帳票類を印刷する。
また、鑑査処理部524は、鑑査が終了すると鑑査証明書を発行する。鑑査処理部524は、鑑査証明書のデータを処方データに関連付けて登録してもよいし、鑑査証明書を薬品に貼付可能に印刷出力してもよい。また例えば、鑑査証明書は、調剤依頼の委託元の薬局などに提供されてもよい。
以上のように、センター側調剤支援装置5は、調剤指示処理、薬品振分処理、及び鑑査処理を含む調剤支援処理を実行する。本発明の他の実施形態として、センター側調剤支援装置5の各処理部が、上位システム7に含まれてもよいし、調剤センターP1の外部に配置されるサーバー(クラウドサーバー)に含まれてもよい。
なお、本発明に係る調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムにおいては、従来から行われている調剤薬局における調剤作業を、調剤センター、調剤工場など、調剤作業を一括管理可能なシステム化された調剤作業専門の機関又は施設に委託することを可能にしたものである。これにより、患者が訪れる調剤薬局では、薬剤師は可能な限り調剤作業という対物業務から離れ、患者への服薬指導、日々の患者の容態確認、患者との様々な健康に関するコミュニケーションなど「かかりつけ薬局」の充実化といった、対人業務に時間を割くための環境を創出することが可能となる。このことから、オンラインヘルスケアを含むヘルスケアDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献するだけでなく、「すべての人々の健康な生活を確保する」という、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
<付記1>
調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数に基づいて、複数の処方データを振り分けるグループの数と、前記グループごとの前記処方データの数とを決定する決定処理部と、
前記グループごとに、前記決定処理部により決定される当該グループに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力する出力処理部と、
を備える調剤支援システム。
<付記2>
前記決定処理部は、複数の前記グループのそれぞれの前記処方データの数を同一数に決定する、
付記1に記載の調剤支援システム。
<付記3>
前記決定処理部は、前記振分け先の合計数を、複数の前記グループのそれぞれの前記処方データの数に決定する、
付記1又は2に記載の調剤支援システム。
<付記4>
前記出力処理部は、第1グループに対応する複数の前記処方データの調剤処理が終了するタイミングに基づいて、第2グループに対応する複数の前記処方データの調剤指示を出力する、
付記1~3のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記5>
前記出力処理部は、前記第1グループに対応する複数の前記処方データの調剤処理が完了する前に、前記第2グループに対応する複数の前記処方データの調剤指示を出力する、
付記4に記載の調剤支援システム。
<付記6>
前記複数の処方データには、複数種類の薬品の処方データが含まれており、
前記出力処理部は、前記グループごとに、前記複数種類の薬品のそれぞれに対応する複数の調剤機器のそれぞれに対して調剤指示を出力する、
付記1~5のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記7>
調剤された薬品を識別可能な薬品識別情報を取得する取得処理部と、
調剤された薬品を鑑査エリアに配置される複数の振分け先のうち、前記取得処理部により取得される前記薬品識別情報が示す前記薬品に対応する振分け先を特定する特定処理部と、
前記特定処理部により特定される前記振分け先を識別可能に表示させる第1表示処理部と、
前記特定処理部により特定される前記振分け先に、処方データに含まれる全ての前記薬品の振り分けが完了した場合に、当該振分け先を識別可能に表示させる第2表示処理部と、
を備える調剤支援システム。
<付記8>
前記第1表示処理部は、前記特定処理部により前記振分け先が特定されてから所定時間だけ前記振分け先を識別可能に表示させ、前記所定時間に到達した時点で前記振分け先を非表示にする、
付記7に記載の調剤支援システム。
<付記9>
前記特定処理部は、第1処方データに含まれる複数の薬品の全てについて前記振分け先が決定されていない場合に、前記取得処理部により取得される前記薬品識別情報が示す前記複数の薬品に含まれる第1薬品に対応する前記振分け先として第1振分け先を決定し、
前記第1薬品について前記第1振分け先が決定されている場合に、前記取得処理部により取得される前記薬品識別情報が示す前記複数の薬品に含まれる第2薬品に対応する前記振分け先として前記第1振分け先を決定する、
付記7又は8に記載の調剤支援システム。
<付記10>
前記特定処理部は、前記複数の振分け先のそれぞれにおける薬品の振分け状況に基づいて、前記第1薬品に対応する前記第1振分け先を決定する、
付記9に記載の調剤支援システム。
<付記11>
前記第2表示処理部は、全ての前記薬品の振り分けが完了した前記処方データの鑑査が可能であることを識別可能に表示させる、
付記7~10のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記12>
前記振分け先に振り分けられた前記処方データに含まれる全ての前記薬品が当該振分け先から排出された場合に、当該振分け先に対して新たな処方データの薬品の振り分けを許可する、
付記7~11のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記13>
前記複数の振分け先のそれぞれには、処方データ単位で薬品を収容可能な収容部が配置されており、
前記振分け先に振り分けられた前記処方データに含まれる全ての前記薬品が収容された前記収容部が当該振分け先から排出され、薬品が収容されていない空の前記収容部が当該振分け先に配置された場合に、当該振分け先に対して新たな処方データの薬品の振り分けを許可する、
付記12に記載の調剤支援システム。
<付記14>
前記複数の振分け先のそれぞれには、処方データ単位で薬品を収容可能な収容部が配置されており、
前記振分け先に振り分けられた前記処方データに含まれる全ての前記薬品が一つの前記収容部に収容しきれない場合に前記収容部の交換要求を選択可能な操作画面を表示させ、
前記収容部の交換要求が選択された場合に、前記収容部の交換指示を出力する、
付記12又は13に記載の調剤支援システム。
1 :薬局側調剤支援装置
5 :センター側調剤支援装置
5A :センター内端末
5B :調剤機器
6C :携帯端末
7 :上位システム
51 :制御部
52 :記憶部
521 :調剤指示処理部
522 :振分処理部
523 :通知処理部
524 :鑑査処理部
Ka1~Ka4:集薬・振分エリア
Kb1~Kb4:鑑査エリア
r1~r8:投入口
f1~f8:排出口
t1~t8:収容トレイ
d1~d8:表示部
e1~e8:排出ランプ

Claims (18)

  1. 調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数に基づいて、複数の処方データを振り分けるグループの数と、前記グループごとの前記処方データの数とを決定する決定処理部と、
    前記グループごとに、前記決定処理部により決定される当該グループに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力する出力処理部と、
    を備える調剤支援システム。
  2. 前記決定処理部は、複数の前記グループのそれぞれの前記処方データの数を同一数に決定する、
    請求項1に記載の調剤支援システム。
  3. 前記決定処理部は、前記振分け先の合計数を、複数の前記グループのそれぞれの前記処方データの数に決定する、
    請求項2に記載の調剤支援システム。
  4. 前記出力処理部は、第1グループに対応する複数の前記処方データの調剤処理が終了するタイミングに基づいて、第2グループに対応する複数の前記処方データの調剤指示を出力する、
    請求項1に記載の調剤支援システム。
  5. 前記出力処理部は、前記第1グループに対応する複数の前記処方データの調剤処理が完了する前に、前記第2グループに対応する複数の前記処方データの調剤指示を出力する、
    請求項4に記載の調剤支援システム。
  6. 前記複数の処方データには、複数種類の薬品の処方データが含まれており、
    前記出力処理部は、前記グループごとに、前記複数種類の薬品のそれぞれに対応する複数の調剤機器のそれぞれに対して調剤指示を出力する、
    請求項1に記載の調剤支援システム。
  7. 調剤された薬品を識別可能な薬品識別情報を取得する取得処理部と、
    調剤された薬品を鑑査エリアに配置される複数の振分け先のうち、前記取得処理部により取得される前記薬品識別情報が示す前記薬品に対応する振分け先を特定する特定処理部と、
    前記特定処理部により特定される前記振分け先を識別可能に表示させる第1表示処理部と、
    前記特定処理部により特定される前記振分け先に、処方データに含まれる全ての前記薬品の振り分けが完了した場合に、当該振分け先を識別可能に表示させる第2表示処理部と、
    を備える調剤支援システム。
  8. 前記第1表示処理部は、前記特定処理部により前記振分け先が特定されてから所定時間だけ前記振分け先を識別可能に表示させ、前記所定時間に到達した時点で前記振分け先を非表示にする、
    請求項7に記載の調剤支援システム。
  9. 前記特定処理部は、第1処方データに含まれる複数の薬品の全てについて前記振分け先が決定されていない場合に、前記取得処理部により取得される前記薬品識別情報が示す前記複数の薬品に含まれる第1薬品に対応する前記振分け先として第1振分け先を決定し、
    前記第1薬品について前記第1振分け先が決定されている場合に、前記取得処理部により取得される前記薬品識別情報が示す前記複数の薬品に含まれる第2薬品に対応する前記振分け先として前記第1振分け先を決定する、
    請求項7に記載の調剤支援システム。
  10. 前記特定処理部は、前記複数の振分け先のそれぞれにおける薬品の振分け状況に基づいて、前記第1薬品に対応する前記第1振分け先を決定する、
    請求項9に記載の調剤支援システム。
  11. 前記第2表示処理部は、全ての前記薬品の振り分けが完了した前記処方データの鑑査が可能であることを識別可能に表示させる、
    請求項7に記載の調剤支援システム。
  12. 前記振分け先に振り分けられた前記処方データに含まれる全ての前記薬品が当該振分け先から排出された場合に、当該振分け先に対して新たな処方データの薬品の振り分けを許可する、
    請求項7に記載の調剤支援システム。
  13. 前記複数の振分け先のそれぞれには、処方データ単位で薬品を収容可能な収容部が配置されており、
    前記振分け先に振り分けられた前記処方データに含まれる全ての前記薬品が収容された前記収容部が当該振分け先から排出され、薬品が収容されていない空の前記収容部が当該振分け先に配置された場合に、当該振分け先に対して新たな処方データの薬品の振り分けを許可する、
    請求項12に記載の調剤支援システム。
  14. 前記複数の振分け先のそれぞれには、処方データ単位で薬品を収容可能な収容部が配置されており、
    前記振分け先に振り分けられた前記処方データに含まれる全ての前記薬品が一つの前記収容部に収容しきれない場合に前記収容部の交換要求を選択可能な操作画面を表示させ、
    前記収容部の交換要求が選択された場合に、前記収容部の交換指示を出力する、
    請求項12に記載の調剤支援システム。
  15. 一又は複数のプロセッサーが、
    調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数に基づいて、複数の処方データを振り分けるグループの数と、前記グループごとの前記処方データの数とを決定することと、
    前記グループごとに、決定される当該グループに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力することと、
    を実行する調剤支援方法。
  16. 一又は複数のプロセッサーが、
    調剤された薬品を識別可能な薬品識別情報を取得することと、
    調剤された薬品を鑑査エリアに配置される複数の振分け先のうち、取得される前記薬品識別情報が示す前記薬品に対応する振分け先を特定することと、
    特定される前記振分け先を識別可能に表示させることと、
    特定される前記振分け先に、処方データに含まれる全ての前記薬品の振り分けが完了した場合に、当該振分け先を識別可能に表示させることと、
    を実行する調剤支援方法。
  17. 調剤された薬品を鑑査する鑑査エリアに配置される当該薬品の振分け先の数に基づいて、複数の処方データを振り分けるグループの数と、前記グループごとの前記処方データの数とを決定することと、
    前記グループごとに、決定される当該グループに対応する数の前記処方データの調剤指示を順に出力することと、
    を一又は複数のプロセッサーに実行させるための調剤支援プログラム。
  18. 調剤された薬品を識別可能な薬品識別情報を取得することと、
    調剤された薬品を鑑査エリアに配置される複数の振分け先のうち、取得される前記薬品識別情報が示す前記薬品に対応する振分け先を特定することと、
    特定される前記振分け先を識別可能に表示させることと、
    特定される前記振分け先に、処方データに含まれる全ての前記薬品の振り分けが完了した場合に、当該振分け先を識別可能に表示させることと、
    を一又は複数のプロセッサーに実行させるための調剤支援プログラム。
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