JP2023177491A - 調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラム - Google Patents

調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラム Download PDF

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真也 増田
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Abstract

【課題】調剤施設における薬品の充填作業の効率を向上させることが可能な調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムを提供すること。【解決手段】薬品払出装置6において、決定処理部615は、対象薬品の有効期限別の在庫量と、薬品払出装置6の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する。出力処理部616は、決定処理部615により決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する。【選択図】図44

Description

本発明は、調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムに関する。
薬局などの調剤施設における薬品の調剤処理には、処方データに基づいて薬品を払い出す薬品払出装置が用いられることがある。例えば、薬品払出装置の一例として、処方データに基づいて必要な薬品をシート単位で払い出すシート払出装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2019-202118号公報
ところで、薬品払出装置に充填可能な薬品の在庫に、有効期限の異なる薬品が含まれる場合がある。この場合に、充填作業者は、充填作業を行う際に、いずれの有効期限の薬品についてどの程度の量を薬品払出装置に充填すべきかを把握することが困難である。このため、充填作業の効率が低下する問題が生じる。
本発明の目的は、調剤施設における薬品の充填作業の効率を向上させることが可能な調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムを提供することにある。
本発明の一の局面に係る調剤支援システムは、決定処理部と出力処理部とを備える。前記決定処理部は、対象薬品の有効期限別の在庫量と、調剤機器の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する。前記出力処理部は、前記決定処理部により決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する。
本発明の他の局面に係る調剤支援方法は、一又は複数のプロセッサーが、対象薬品の有効期限別の在庫量と、調剤機器の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する決定ステップと、前記決定ステップにより決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する出力ステップと、を実行する調剤支援方法である。
本発明の他の局面に係る調剤支援プログラムは、対象薬品の有効期限別の在庫量と、調剤機器の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する決定ステップと、前記決定ステップにより決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する出力ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるための調剤支援プログラムである。
本発明によれば、調剤施設における薬品の充填作業の効率を向上させることが可能な調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムの概略構成を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムの概略構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図6Aは、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図6Bは、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の他の例を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図8は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図9は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図10は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図12は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図13は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図14は、本発明の他の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図15は、本発明の他の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図16は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図17は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図18は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図19は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図20は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図21は、本発明の他の実施形態に係る調剤支援システムの概略構成を示す模式図である。 図22は、本発明の他の実施形態に係る調剤支援システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。 図23は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される調剤支援処理の手順の他の例を示すフローチャートである。 図24は、本発明の実施形態に係る調剤センターの全体レイアウトを示す平面図である。 図25は、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される機器の構成を示す図である。 図26は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける入荷・入庫エリアを示す図である。 図27は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける入荷作業の様子を示す図である。 図28は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける振分作業の様子を示す図である。 図29は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける振分作業の様子を示す図である。 図30は、本発明の実施形態に係る調剤センターにおける振分作業の様子を示す図である。 図31は、本発明の実施形態に係るセンター内端末に表示される操作画面の一例を示す図である。 図32は、本発明の実施形態に係るセンター内端末から発行される入荷ラベルの一例を示す図である。 図33Aは、本発明の実施形態に係るセンター側調剤支援装置に記憶される振分情報の一例を示す図である。 図33Bは、本発明の実施形態に係るセンター側調剤支援装置に記憶される振分情報の一例を示す図である。 図34は、本発明の実施形態に係るセンター側調剤支援装置に記憶される入庫先情報の一例を示す図である。 図35は、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される保管棚を示す図である。 図36は、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される保管棚を示す図である。 図37は、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される調剤機器を示す図である。 図38Aは、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される携帯端末の操作画面の一例を示す図である。 図38Bは、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される携帯端末の操作画面の一例を示す図である。 図39Aは、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される携帯端末の操作画面の一例を示す図である。 図39Bは、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される携帯端末の操作画面の一例を示す図である。 図39Cは、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される携帯端末の操作画面の一例を示す図である。 図40Aは、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される携帯端末の操作画面の一例を示す図である。 図40Bは、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される携帯端末の操作画面の一例を示す図である。 図41は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される薬品入庫処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図42は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される薬品入庫処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図43は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される薬品入庫処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図44は、本発明の実施形態に係る充填処理に適用される調剤支援システムの概略構成を示すブロック図である。 図45は、本発明の実施形態に係る上位システムに登録された処方データの一例を示す図である。 図46は、本発明の実施形態に係る薬品払出装置に実装される薬品収容部の一例を示す外観図である。 図47Aは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置に実装される薬品収容部の一例を示す外観図である。 図47Bは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置に実装される薬品収容部の一例を示す外観図である。 図48は、本発明の実施形態に係る薬品払出装置に記憶される収容部マスターの一例を示す図である。 図49は、本発明の実施形態に係る薬品払出装置に記憶される処方データの一例を示す図である。 図50Aは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図50Bは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図50Cは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図50Dは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図50Eは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図50Fは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図50Gは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図50Hは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図51は、本発明の実施形態に係る調剤センターに配置される携帯端末の操作画面の一例を示す図である。 図52は、本発明の実施形態に係る調剤支援システムで実行される薬品充填処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図53Aは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。 図53Bは、本発明の実施形態に係る薬品払出装置において充填量を決定する方法の具体例を示す図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[調剤支援システム10]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る調剤支援システム10は、複数の薬局と、各薬局から依頼(委託)される調剤依頼に応じて調剤を行うことが可能な調剤センターとを含んで構成される。各薬局は、患者の処方データに基づいて薬品の調剤を行う施設である。調剤センターは、各薬局から前記処方データに基づく調剤の一部又は全部の調剤依頼を受け付け、当該調剤依頼に基づいて薬品の調剤を行うことが可能な施設(本発明の調剤施設に相当)である。図1に示す調剤支援システム10では、複数の薬局と、当該複数の薬局のそれぞれから調剤依頼を受付可能な一つの調剤センターとを例示しているが、調剤支援システム10は、一つの薬局と一つの調剤センターとで構成されてもよい。また、調剤支援システム10は、複数の調剤センターと、各調剤センターに対応付けられた複数の薬局とで構成されてもよい。例えば、調剤支援システム10に複数の調剤センターが含まれる場合、各薬局には特定の一つの調剤センターが割り当てられる。また、調剤支援システム10に含まれる複数の薬局のうち、いずれか一つ又は複数の薬局が前記調剤センターとして機能してもよい。例えば、第1の薬局が第2の薬局から調剤依頼を受け付けて薬品の調剤を行ってもよい。すなわち、本発明の調剤施設には、処方データに基づいて薬品の調剤を行う施設(薬局、病院など)が含まれる。
調剤支援システム10は、薬局及び調剤センターの一方又は両方で薬品の調剤処理を実行する。前記調剤処理の流れの概略を図1を参照しつつ説明する。
患者は任意の薬局Aに来局すると、薬局Aにおいて受け付けを行う。薬局Aは、患者から保険証情報(患者情報)、問診票、お薬手帳などを受け付けると、患者の処方情報(処方データ)を取得する。例えば、薬局Aは、電子カルテシステム又は処方入力端末などの上位システム(不図示)から患者の処方データを取得する。また、薬局Aは、患者から紙の処方箋を受け取った薬局スタッフが端末装置に入力(登録)することにより処方データを取得してもよい。
薬局Aの薬剤師は、患者に処方する薬品の調剤を薬局A内で行うか又は調剤センターで行うかを判断する。例えば、薬剤師は、処方する薬品が患者に直ぐに必要な薬品であるか否かなどの薬品の種別、患者が直ぐに薬品を受け取りたいか否かなどの患者の要望などに基づいて、薬品の調剤の振分先(薬局A、調剤センター)を判断する。
薬剤師が患者の処方データに含まれる全ての薬品を調剤センターで調剤することを決定すると、薬局Aは、調剤センターに対して前記処方データの調剤依頼を行う。調剤センターは、薬局Aからの調剤依頼に基づいて、前記処方データに含まれる全ての薬品の調剤を行う。調剤センターは、調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品(調剤済薬品)を薬局Aに配送する。薬局Aは、調剤済みの薬品を受け取ると検品などを行い、問題なければ患者に薬品の受け渡しを行う。薬局Aは、患者が再来局した際に薬品を受け渡してもよいし、患者宅又は患者の入居施設(病院、老健施設など)に配送してもよい。なお、調剤センターが、調剤済みの薬品を患者宅又は入居施設に直接配送してもよい。
一方、薬剤師が患者の処方データに含まれる全ての薬品を薬局Aで調剤することを決定すると、薬局Aは、薬局A内の調剤機器を使用して前記処方データに含まれる全ての薬品の調剤を行う。薬局Aは、調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品を患者に受け渡す。
また、調剤支援システム10は、前記処方データに含まれる一部の薬品を調剤センターで調剤し、他の薬品を薬局で調剤することも可能である。例えば、薬剤師が患者の処方データに含まれる一部の薬品M1を調剤センターで調剤し、他の薬品M2を薬局Aで調剤することを決定すると、薬局Aは、薬局A内の調剤機器を使用して薬品M2の調剤を行い、調剤センターに対して薬品M1の調剤依頼を行う。薬局Aは、薬品M2の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M2を患者に受け渡す。また、調剤センターは、薬局Aからの調剤依頼に基づいて、前記処方データに含まれる薬品M1の調剤を行う。調剤センターは、薬品M1の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M1を薬局Aに配送する。薬局Aは、調剤済みの薬品M1を受け取ると検品などを行い、問題なければ患者に薬品M1の受け渡しを行う。なお、薬品M1に係る調剤センター内における調剤工程、鑑査工程、及び梱包工程の作業内容を撮像した動画が薬品M1と関連付けて保存されている場合には、薬局Aの薬剤師又はスタッフが当該動画を確認することによって鑑査(検品)を実施しても良い。患者は、来局時に薬品M2のみ受け取り、後日に薬品M1を受け取ってもよいし、薬品M1が薬局Aに配達されてから薬品M1,M2をまとめて受け取ってもよい。
このように、薬局は、処方データに基づく調剤の一部又は全部を、薬局と調剤センターとのいずれかに振り分け、調剤センターは、薬局から調剤依頼を受け付けると、薬品の調剤を行う。
本実施形態に係る調剤支援システム10は、図2に示すように、薬局における調剤の振分業務を支援する薬局側調剤支援装置1と、調剤センターにおける調剤業務を支援するセンター側調剤支援装置5とを含んでいる。
各薬局に対応付けられて配置される薬局側調剤支援装置1と、調剤センターに対応付けられて配置されるセンター側調剤支援装置5とは、ネットワークN0を介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークN0は、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネットなどである。本実施形態では、薬局側調剤支援装置1は薬局内に配置され、センター側調剤支援装置5は調剤センター内に配置されている。他の実施形態として、薬局側調剤支援装置1が薬局の外部に配置され、センター側調剤支援装置5が調剤センターの外部に配置されてもよい。また、他の実施形態として、薬局側調剤支援装置1及びセンター側調剤支援装置5が、一つの装置(サーバー)で構成されてもよい。
1.薬局側の調剤支援処理
[薬局側調剤支援装置1]
図2には、一つの薬局Aを例示している。薬局Aには、薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1A、複数の調剤機器1Bなどが配置されている。薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1A、及び調剤機器1Bは、ネットワークN1を介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークN1は、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネットなどである。
調剤機器1Bは、薬局側調剤支援装置1から入力される処方データ(例えば分包データ)に基づいて薬品を調剤する機器である。調剤機器1Bは、例えば、前記処方データに基づいて薬品を服用時期ごとに薬包で分包することが可能な薬品分包装置である。前記薬品分包装置は、錠剤を分包する錠剤分包機又は散薬を分包する散薬分包機である。具体的に、前記錠剤分包機は、複数種類の錠剤が収容された複数の薬剤カセットを有し、処方データに従って前記薬剤カセットから錠剤を払い出して服用時期ごとに前記薬包で包装する分包動作を実行する。また、前記散薬分包機は、投入された散薬を処方データに従って服用時期ごとに前記薬包で包装する分包動作を実行する。
薬局内端末1Aは、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの情報処理装置である。薬局A内の薬剤師は、薬局内端末1Aを使用して処方データを確認したり、処方データの調剤を振り分けたりする。薬局側調剤支援装置1が薬局A内に配置される場合、薬局内端末1Aが薬局側調剤支援装置1の機能を備えてもよい。薬局側調剤支援装置1及び薬局内端末1Aは、本発明の操作端末の一例である。
[薬局側調剤支援装置1]
薬局側調剤支援装置1は、制御部11、記憶部12、通信インターフェース13、表示部14、操作部15、及びドライブ装置16などを備える情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)である。薬局側調剤支援装置1単体が本発明に係る調剤支援システムを構成してもよい。また、薬局側調剤支援装置1には、薬局側調剤支援装置1に処方データを入力する電子カルテシステム又は処方入力端末などの上位システム(不図示)がネットワークN1を介して接続されてもよい。なお、薬局側調剤支援装置1は、操作部15又は薬局内端末1Aを用いて処方データが入力可能な構成を備えてもよい。
通信インターフェース13は、薬局側調剤支援装置1を例えば有線又は無線によりネットワークN1に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN1を介して接続された調剤機器1B、薬局内端末1A等との間でデータ通信を実行する。また、通信インターフェース13は、薬局側調剤支援装置1を例えば有線又は無線によりネットワークN0に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN0を介して接続されたセンター側調剤支援装置5等との間でデータ通信を実行する。
制御部11は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。前記CPUは、各種の制御プログラムに従って処理を実行することにより薬局側調剤支援装置1を制御するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAMは、前記CPUによる各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
記憶部12は、制御部11によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶手段である。具体的に、記憶部12には、後述の調剤支援処理(図5及び図6等参照)を制御部11に実行させるための調剤支援プログラムが記憶されている。
ドライブ装置16は、前記調剤支援プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体17から前記調剤支援プログラムを読み取ることが可能である。記録媒体17は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどである。そして、薬局側調剤支援装置1では、制御部11により、記録媒体17からドライブ装置16で読み取られた前記調剤支援プログラムが記憶部12にインストールされる。
具体的には、制御部11は、取得処理部111、受付処理部112、振分処理部113、提案処理部114、調剤表示処理部115、依頼処理部116、進捗表示処理部117、修正処理部118、判定処理部119などの各処理部を含む。制御部11は、前記調剤支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、取得処理部111、受付処理部112、振分処理部113、提案処理部114、調剤表示処理部115、依頼処理部116、進捗表示処理部117、修正処理部118、及び判定処理部119として機能する。
取得処理部111は、患者の処方データを取得する。例えば、患者が薬局Aに来局すると、薬局スタッフは、患者から保険証情報(患者情報)、問診票、お薬手帳などを受け付ける。薬局スタッフが薬局内端末1Aに前記患者情報を入力すると、薬局内端末1Aは上位システムから患者の処方データを取得する。取得処理部111は、薬局内端末1Aから患者の前記処方データを取得する。なお、取得処理部111は、前記患者情報に基づいて、前記上位システムから前記処方データを取得してもよい。
他の実施形態として、薬局スタッフが患者から紙の処方箋を受け取った場合は、薬局スタッフが薬局内端末1Aを操作して処方箋の内容(処方情報)を入力(登録)する。この場合、取得処理部111は、薬局内端末1Aから前記処方情報に対応する処方データを取得する。なお、薬局スタッフが操作部15を操作して処方箋の内容を薬局側調剤支援装置1に入力してもよい。
また他の実施形態として、患者が自身の操作端末等により紙の処方箋をカメラで撮影し、撮影された処方箋画像を薬局A(薬局内端末1A)に送信した場合は、薬局スタッフが前記操作端末から取得した処方箋画像に基づいて処方箋の内容を入力する。この場合、取得処理部111は、薬局内端末1Aから前記処方情報に対応する処方データを取得する。
取得処理部111は、前記処方データを取得すると、処方内容を表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。図3には、処方内容を含む処方画面(処方内容画面)の一例を示している。なお、図3に示す処方画面において、薬剤師が「詳細確認」のボタンを押下すると、制御部11は、図4に示す処方内容の詳細情報を含む処方画面(処方詳細画面)を表示させる。
薬局Aの薬剤師は、お薬手帳、患者情報(アレルギー、薬品の副作用等)、問診票等を確認したり、患者から症状等を聞き取ったりして、確認した内容を登録する。登録された情報は、患者の薬歴情報として記憶される。また、薬剤師は、取得処理部111により取得される処方データの内容(処方内容)を確認する。なお、薬剤師は、薬局内端末1Aにおいて処方データを確認することが可能である。例えば薬剤師は、今回処方する薬品について、患者が服用しても問題ないかどうかを確認する。具体的には、薬剤師は、過去の処方歴、アレルギー歴、副作用歴、飲み合わせ、薬品の量等の処方チェックを行う。なお、前記処方チェックは、薬局内端末1Aにおいて自動的に実行されてもよい。前記処方チェックが完了すると処方内容が仮確定される。
受付処理部112は、薬剤師から、処方データの調剤を振り分けるための操作を受け付ける。例えば、薬剤師は、処方データの処方内容を確認して、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを判断する。例えば、処方する薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)である場合には、薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。また、例えば患者が慢性疾患を患っており、処方する薬品が慢性疾患用の薬品であり、過去に処方している薬品と同一かつ前回の処方薬品が残っている場合には、薬剤師は、今回の処方データの調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。
薬剤師は、自身の判断に基づいて、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを薬局内端末1Aにおいて入力する。
また、薬剤師は、患者の要望を確認して、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを判断してもよい。例えば、薬局Aに来局した患者がその場で処方薬品を受け取ることを希望する場合には、薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。また例えば、薬局Aに来局した患者が処方薬品の受け取りを後日(又は当日の数時間後)でも良いことを承諾した場合には、薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。
薬剤師は、患者の要望に基づいて、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを薬局内端末1Aにおいて入力する。
受付処理部112は、薬剤師による前記入力操作を受け付ける。例えば図3又は図4に示す表示画面において、薬剤師が「調剤センター委託候補登録」又は「薬局内調剤実施」のボタンを押下する操作を行うと、受付処理部112は、当該操作を受け付ける。薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であると判断すると「調剤センター委託候補登録」を押下し、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断すると「薬局内調剤実施」を押下する。
ここで、薬剤師は、前記処方データに複数の薬品が含まれる場合に、薬品ごとに、調剤を調剤センターに依頼することが可能であるか否かを判断して入力することも可能である。例えば、処方データに含まれる4つの薬品M1~M4のうち薬品M2,M4は患者に直ぐに必要な薬品であり、薬品M1,M3は患者に直ぐに必要な薬品ではない場合に、薬剤師は、薬品M1,M3の調剤を調剤センターに依頼することが可能であり、薬品M2,M4の調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。
振分処理部113は、前記処方データに基づく調剤の一部又は全部を、薬局Aと調剤センターとのいずれかに振り分ける振分処理を実行する。具体的には、振分処理部113は、薬剤師による前記入力操作(ユーザー操作)に基づいて前記振分処理を実行する。例えば、薬剤師が前記処方データの調剤を調剤センターに依頼することが可能であると判断した場合は、振分処理部113は、当該処方データの調剤を調剤センターに振り分ける。また、薬剤師が前記処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断した場合は、振分処理部113は、当該処方データの調剤を薬局Aに振り分ける。
また、薬剤師が前記処方データのうち薬品M1,M3の調剤を調剤センターに依頼することが可能であると判断し、前記処方データのうち薬品M2,M4の調剤を調剤センターに依頼することができないと判断した場合は、振分処理部113は、当該処方データの一部(薬品M1,M3)の調剤を調剤センターに振り分け、当該処方データの一部(薬品M2,M4)の調剤を薬局Aに振り分ける。
また、振分処理部113は、調剤センターが保管する薬品の在庫状況に基づいて前記振分処理を実行してもよい。具体的には、振分処理部113は、調剤センターの現在の在庫状況を参照して、処方データに含まれる薬品の在庫量が処方総量以上である場合に当該処方データの調剤を調剤センターに振り分ける。ここで、前記在庫状況の在庫数には、調剤センターに現在保管されている薬品の実数に限定されず、調剤センターに入荷予定の予定数が含まれてもよい。すなわち、振分処理部113は、調剤センターが保管する薬品の在庫状況に基づいて、前記処方データに含まれる薬品を調剤センターで確保可能な場合に、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分ける。
また、振分処理部113は、調剤センターに調剤を依頼した場合に調剤済みの薬品の配達予定日(薬局又は患者宅への配達予定日)(納期)に基づいて前記振分処理を実行してもよい。例えば、処方データの調剤を依頼した薬品の前記配達予定日が患者の服用開始日より前である場合に、振分処理部113は、当該処方データの調剤を調剤センターに振り分ける。これに対して、処方データの調剤を依頼した薬品の前記配達予定日が患者の服用開始日より後である場合には、振分処理部113は、当該処方データの調剤を薬局Aに振り分ける。
このように、振分処理部113は、薬剤師の判断(前記入力操作)と、調剤センターにおける調剤業務に関する情報(在庫状況、配達情報等)とに基づいて前記振分処理を実行してもよい。制御部11は、振分処理部113による振分結果を出力する。
ここで、振分処理部113が前記処方データの調剤の一部又は全部を薬局Aに振り分けた場合、薬局A内で調剤が行われる。例えば、制御部11は、前記処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器1B(例えば薬品分包装置)に入力することにより、調剤機器1Bによる自動調剤が開始される。これにより、患者が服用する薬品が収容された薬包が得られる。調剤機器1Bによる調剤作業が完了すると、続いて、鑑査担当の薬剤師は、調剤機器1Bで調剤された薬品の鑑査を行う。なお、前記鑑査には、調剤機器1Bにより調剤された薬品を撮像し、その撮像された画像に基づいて自動的に鑑査を行う画像鑑査システムが利用されてもよい。薬品の鑑査が完了すると、薬剤師は患者に対して服薬指導を行って前記薬品を患者に受け渡す。
提案処理部114は、処方データの調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。具体的には、提案処理部114は、調剤センターにおける薬品の在庫状況に基づいて、処方データの調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。また、提案処理部114は、表示部14又は薬局内端末1Aにおいて、薬剤師に対して提案情報を表示させる。
例えば、調剤センターに調剤を依頼しようとしている薬品が調剤センターで採用されていないなど調剤センターで確保できない薬品である場合において、当該薬品の後発医薬品が調剤センターで採用されて調剤センターで確保可能な場合には、提案処理部114は、前記薬品を後発医薬品に代替して、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。例えば、処方データの薬品が薬局Aで採用している薬品であって、調剤センターで採用していない薬品である場合に、提案処理部114は、調剤センターで調剤可能な後発医薬品を提案する。なお、提案処理部114は、処方データの薬品の在庫が薬局Aにない場合に、調剤センターで調剤可能な後発医薬品を提案してもよいし、薬局Aの在庫の有無に関わらず前記後発医薬品を提案してもよい。
また、例えば、提案処理部114は、前記処方データの薬品について、薬局Aでは1錠未満の分割錠剤(半錠、1/4錠等)を確保可能である一方、調剤センターでは整数錠剤(1錠)を確保可能な場合に、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。例えば、処方データの薬品について、薬局Aでは半錠カットなどの分割作業が必要であり、調剤センターに分割作業を必要としない整数錠剤を確保可能な場合に、提案処理部114は、調剤センターで調剤可能な整数錠剤を提案する。
このように、提案処理部114は、前記処方データの薬品について、調剤センターで調剤可能な代替薬品を提案する。
提案処理部114による提案に対して薬剤師が提案を承諾した(受け入れた)場合、振分処理部113は、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分ける。
また、調剤センターで前記代替薬品を確保できない場合、又は、提案処理部114による提案に対して薬剤師が提案を承諾しない場合、振分処理部113は、前記薬品の調剤を薬局Aに振り分ける。
調剤表示処理部115は、前記処方データに含まれる一又は複数の薬品の調剤情報を表示部14又は薬局内端末1Aに出力する。具体的には、調剤表示処理部115は、調剤に関する情報を含む画面を表示させる。例えば、調剤表示処理部115は、調剤センターに調剤依頼する処方データ及び薬品を確認するための画面、調剤結果(調剤成果物のイメージ)を表す画面、各種帳票物を確認する画面、分包品のイメージを表す画面、配薬カレンダー及び配薬トレイなどのイメージを表す画面などを、表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。薬剤師は、例えば調剤センターに調剤依頼する内容を確認して調剤依頼を実行する。調剤表示処理部115が表示させる情報は、前記振分結果の一例である。
依頼処理部116は、調剤センターに調剤を依頼する。例えば、依頼処理部116は、薬剤師が調剤依頼を実行する操作を行った場合に、調剤センター(センター側調剤支援装置5)に調剤依頼を出力する。前記調剤依頼には、患者情報、調剤を依頼する処方データ及び薬品に関する情報、配達予定日(配達希望日)に関する情報などが含まれる。依頼処理部116は、患者ごとに個別に前記調剤依頼を調剤センターに出力してもよいし、所定のタイミングで集計した複数の患者の前記調剤依頼をまとめて調剤センターに出力してもよい。前記調剤依頼は、前記振分結果の一例である。調剤センターは、薬局Aから前記調剤依頼を取得すると調剤を実施する。
進捗表示処理部117は、依頼処理部116が調剤センターに前記調剤依頼を出力した場合に、調剤センターにおける調剤の進捗状況を表示部14又は薬局内端末1Aに出力する。具体的には、進捗表示処理部117は、前記調剤依頼に対応する薬品の調剤、及び、調剤センターで調剤された調剤済みの薬品の配送の少なくともいずれかの進捗状況を表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。薬剤師又は薬局Aのスタッフは、前記調剤の進捗状況を適宜確認して、予定通り調剤処理が行われているかどうかなどを確認することができる。また、薬剤師又は薬局Aのスタッフは、調剤済みの薬品の配送状況を適宜確認して、予定通り配送されているかどうかなどを確認することができる。
ここで、例えば前記調剤依頼が調剤センターに出力された後に、前記調剤依頼の依頼内容に誤りがあったり、変更(処方修正)があったり、前記調剤依頼が不要になったりした場合には、薬剤師は、前記調剤依頼を修正したり、前記調剤依頼を取り消したりすることができる。この場合、修正処理部118は、前記調剤依頼の修正指示、前記調剤依頼の取消指示を調剤センター(センター側調剤支援装置5)に出力する。例えば、修正処理部118は、前記調剤依頼に含まれる依頼内容の修正操作を受け付けた場合に、前記調剤依頼の修正指示を調剤センターに出力する。センター側調剤支援装置5は、薬局側調剤支援装置1から前記修正指示を取得すると、前記修正指示に応じた処理を実行する。
前記修正操作には、前記処方データの処方内容を修正する操作、調剤センターで調剤された調剤済みの薬品の配送先を修正する操作、及び調剤済みの薬品の配達予定日を修正する操作の少なくともいずれかが含まれる。また、前記処方内容を修正する操作には、剤型を変更する操作、含量規格を変更する操作、一包化に変更する操作、後発医薬品に変更する操作などが含まれる。
判定処理部119は、調剤センターで実行された調剤に異常(問題)があるか否かを判定する。例えば、調剤センターにおいて、前記調剤依頼に応じた調剤が行われ、調剤済みの薬品が薬局Aに配送されると、薬局Aのスタッフ又は薬剤師は、荷受けの作業及び検品、薬品の確認などを行う。例えば、薬剤師は、調剤センターに依頼した内容通りに調剤されているかどうかを確認する。具体的には、薬剤師は、薬品の検品(数量、種類などの検品)、調剤センターにおける調剤結果及びエビデンス情報の確認などを行う。また、薬局Aでは、調剤センターで発行される最終鑑査証明書を参照することが可能である。例えば、薬局側調剤支援装置1は、前記処方データに基づいて、センター側調剤支援装置5から前記最終鑑査証明書を取得して表示部14又は薬局内端末1Aに表示させることが可能である。薬剤師は、センター内端末5Aにおいて、調剤済みの薬品に問題があるか否かを入力する。判定処理部119は、スタッフ及び薬剤師による検品結果の入力操作に基づいて、調剤センターで実行された調剤に異常があるか否かを判定する。なお、薬局Aに配送される薬品は調剤センターにおいて最終鑑査が行われた薬品であるため、薬局Aでは非薬剤師(スタッフ)が薬品の確認(検品)を行ってもよい。また、薬局Aでは、全ての薬品に対するエビデンス情報及び調剤情報の確認作業(承認作業)を省略してもよい。例えば、薬局Aのスタッフ又は薬剤師は、調剤済みの薬品の受取確認、検品などを行い、薬品のエビデンス情報及び調剤情報などの確認を省略してもよい。
調剤センターにおける調剤に異常がある場合、依頼処理部116は、処方データに基づく調剤を再度実行させる再調剤依頼を調剤センターに出力する。具体的には、依頼処理部116は、薬剤師の操作に基づいて、調剤センターに再調剤依頼を行う。なお、依頼処理部116は、調剤センターにおける調剤に異常がある場合であって、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合う場合に、再調剤依頼を調剤センターに出力してもよい。前記所定期限は、例えば、患者の服用開始日、患者が希望する薬品の受け渡し日などである。また、制御部11は、調剤センターにおける調剤に異常がある場合であって、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合わない場合には、調剤センターに調剤依頼した薬品の調剤を薬局Aで実行させる。
調剤センターにおける調剤に異常がない場合、薬剤師は前記薬品を患者に受け渡す。また、薬剤師は、前記薬品を引き渡す際に服薬指導を行う。なお、薬剤師は、患者が処方箋の受け付けをした日に服薬指導を行ってもよい。また、前記服薬指導は、オンラインで実施されてもよい。例えば、患者は、自身の操作端末を薬局内端末1Aにネットワーク接続して薬局内端末1Aを操作する薬剤師から服薬指導を受けてもよい。
上述の構成において、制御部11に含まれる依頼処理部116、調剤表示処理部115、及び進捗表示処理部117は、一つの出力処理部として構成されてもよいし、異なる装置(薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1Aなど)に分散して配置されてもよい。また、制御部11に含まれる依頼処理部116、進捗表示処理部117、及び修正処理部118は、一つの出力処理部として構成されてもよいし、異なる装置(薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1Aなど)に分散して配置されてもよい。
[センター側調剤支援装置5]
センター側調剤支援装置5は、制御部51、記憶部52、通信インターフェース53、表示部54、操作部55、及びドライブ装置56などを備える情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)である。
通信インターフェース53は、センター側調剤支援装置5を例えば有線又は無線によりネットワークN5に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN5を介して接続された調剤機器5B、センター内端末5A等との間でデータ通信を実行する。また、通信インターフェース53は、センター側調剤支援装置5を例えば有線又は無線によりネットワークN0に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN0を介して接続された薬局側調剤支援装置1等との間でデータ通信を実行する。
制御部51は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。前記CPUは、各種の制御プログラムに従って処理を実行することによりセンター側調剤支援装置5を制御するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAMは、前記CPUによる各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
記憶部52は、制御部51によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶手段である。具体的に、記憶部52には、所定の処理を制御部51に実行させるための制御プログラムが記憶されている。
ドライブ装置56は、前記制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体57から前記制御プログラムを読み取ることが可能である。記録媒体57は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどである。そして、センター側調剤支援装置5では、制御部51により、記録媒体57からドライブ装置56で読み取られた制御プログラムが記憶部52にインストールされる。制御部51は、前記制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
例えば、制御部51は、薬局側調剤支援装置1から処方データの調剤依頼を取得すると、当該調剤依頼に応じた調剤を実施する。
例えば、制御部51は、薬局Aから取得した調剤依頼に対応する処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器5B(例えば薬品分包装置)に入力することにより、調剤機器5Bによる自動調剤が開始される。これにより、患者が服用する薬品が収容された薬包が得られる。調剤機器5Bによる調剤作業が完了すると、続いて、鑑査担当の薬剤師は、調剤機器5Bで調剤された薬品の鑑査を行う。なお、前記鑑査には、調剤機器5Bにより調剤された薬品を撮像し、その撮像された画像に基づいて自動的に鑑査を行う画像鑑査システムが利用されてもよい。また、薬剤師は、調剤及び鑑査に関するエビデンス情報を登録する。前記エビデンス情報は、前記処方データに関連付けて登録される。また、最終鑑査が行われると、制御部51は、最終鑑査を行ったことを担保するために証明書(最終鑑査証明書)を発行し、前記最終鑑査証明書を、対応する処方データに関連付けて記憶部52に記憶する。また、薬品の鑑査が完了すると、配送担当者は、前記薬包を薬局Aに対応する薬袋に収容する。配送担当者は、薬袋を薬局A又は患者宅に配送する手続きを行う。なお、配送担当者は、前記調剤依頼に含まれる配達予定日に到着するように配送手続きを行う。
ここで、調剤センターでは、複数の薬局のそれぞれから前記調剤依頼を受け付けることが可能であり、前記調剤依頼を受け付けるごとに調剤センター内で調剤を実施する。このように、調剤センターが複数の薬局における調剤業務の一部を担う場合、調剤センターは効率的に調剤業務を行うことが求められる。このため、例えば、調剤センターは、調剤依頼の受付登録などを行うスペース、薬品の入荷スペース、入荷された薬品を保管する保管スペース、調剤機器5Bにより調剤を行う調剤スペース、調剤済みの薬品を搬送する搬送スペース、調剤済みの薬品を鑑査する鑑査スペース、鑑査済みの薬品を配送する配送スペースなどを含み、各スペースにおける業務を連携して実行する。
センター側調剤支援装置5は、前記調剤処理の他、薬品の入荷処理、入荷された薬品を入庫棚(保管棚)に入庫する入庫処理、調剤済みの薬品を調剤センター内で搬送する搬送処理、調剤済みの薬品を配送する配送処理などを支援することにより、調剤センターにおける一連の業務を支援する。
[調剤支援システム10における調剤の流れ]
図5を参照しつつ、調剤支援システム10において実行される調剤の流れの一例について説明する。ここでは、薬局A及び調剤センターにおける調剤の全体的な流れの概略を説明する。
<ステップS101>
まず、ステップS101において、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、患者の処方データを取得する。例えば、患者が薬局Aに来局して、薬局スタッフが患者から保険証情報(患者情報)、問診票、お薬手帳などを受け付けて薬局内端末1Aに前記患者情報を入力すると、薬局内端末1Aは上位システムから患者の処方データを取得する。これにより、制御部11は、薬局内端末1Aから患者の前記処方データを取得する。
<ステップS102>
ステップS102において、制御部11は、処方データに基づく調剤を薬局及び調剤センターの一方又は両方に振り分ける。制御部11は、薬剤師の判断に基づいて又は前記処方データに基づいて調剤の振分先を決定する。制御部11は、調剤の一部又は全部を調剤センターに振り分ける場合、処理をステップS103に移行させる。また、制御部11は、調剤の一部又は全部を薬局Aに振り分ける場合、処理をステップS121に移行させる。
<ステップS103>
ステップS103において、制御部11は、処方データに基づく調剤依頼を調剤センターに出力する。例えば、制御部11は、処方データに含まれる全ての薬品の調剤を調剤センターに振り分ける場合、処方データ全体の調剤依頼を調剤センターに出力する。また例えば、制御部11は、処方データに含まれる一部の薬品の調剤を調剤センターに振り分ける場合、当該一部の薬品の調剤依頼を調剤センターに出力する。
<ステップS104>
ステップS104において、センター側調剤支援装置5の制御部51は、薬局Aから前記調剤依頼を取得すると、当該調剤依頼に基づく薬品の調剤処理を実行する。例えば、制御部51は、前記調剤依頼に対応する処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器5Bに入力する。調剤センターでは、薬品の調剤及び調剤済みの薬品の鑑査などが行われる。
<ステップS105>
ステップS105では、調剤センターにおいて、調剤済みの薬品を配送する手続きを行う。例えば、調剤センターの配送担当者は、調剤済みの薬品の鑑査が完了すると、薬品(薬袋)を薬局Aに配送する手続きを行う。
<ステップS106>
ステップS106では、薬局Aにおいて、薬剤師は、調剤センターから配送された薬品を受け取って検品などを行う。
<ステップS107>
ステップS107では、薬局Aにおいて、薬剤師は、患者に服薬指導を行って薬品を受け渡す。
ここで、ステップS102において、制御部11は、調剤の一部又は全部を薬局Aに振り分けると、ステップS121において、薬局A内での調剤処理を実行する。例えば、制御部11は、前記処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器1Bに入力する。薬局Aでは、薬品の調剤及び調剤済みの薬品の鑑査などが行われる(S122)。そして、薬局Aにおいて、薬剤師は、患者に服薬指導を行って薬品を受け渡す(S107)。
制御部11は、調剤の一部を調剤センターに振り分け、調剤の他の一部を調剤センターに振り分けると、ステップS103~S107の処理とステップS121~S122の処理とを並行して実行する。このように、薬局Aにおいて、処方データに基づく調剤の一部又は全部が調剤センターに振り分けられた場合に、調剤センターは薬局Aからの調剤依頼に基づいて薬品の調剤を行って患者に受け渡す。
[薬局側調剤支援装置1における調剤支援処理(調剤の振分処理)]
図6を参照しつつ、薬局側調剤支援装置1において実行される調剤支援処理の手順の一例について説明する。前記調剤支援処理は、薬局(ここでは薬局A)に対応する薬局側調剤支援装置1の制御部11により実行される。なお、本発明は、前記調剤支援処理の処理手順の一部又は全部を実行する調剤支援方法、又は当該調剤支援方法を薬局側調剤支援装置1等のコンピュータに実行させるための前記調剤支援プログラムの発明として捉えられてもよい。
<ステップS1>
まず、ステップS1において、制御部11は、患者の処方データを取得する。例えば、患者が薬局Aに来局して、薬局スタッフが患者から保険証情報(患者情報)、問診票、お薬手帳などを受け付けて薬局内端末1Aに前記患者情報を入力すると、薬局内端末1Aは上位システムから患者の処方データを取得する。これにより、制御部11は、薬局内端末1Aから患者の前記処方データを取得する。
<ステップS2>
ステップS2において、制御部11は、取得した前記処方データに対応する処方内容を表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる(図3参照)。例えば図3に示す処方画面において、薬局Aの薬剤師は、患者に対する今回の処方内容及び前回の処方内容を確認する。薬剤師が前記処方内容の詳細を確認するために「詳細確認」のボタンを押下すると、制御部11は、前記処方内容の詳細情報を含む処方画面を表示させる(図4参照)。他の実施形態として、制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されている場合に、複数の処方箋の情報を一つの処方内容に統合する処理(統合処理)を実行してもよい。前記統合処理の一例(図23参照)については後述する。
<ステップS3>
ステップS3において、制御部11は、処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼するか否かを判定する。具体的には、制御部11は、薬剤師の操作に基づいて判定処理を実行する。また、ここでは、制御部11は、処方データ単位で調剤センターに調剤依頼するか否かを判定する。
例えば、薬剤師は、処方する薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)であると判断した場合に、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。また例えば、薬局Aに来局した患者がその場で処方薬品を受け取ることを希望する場合に、薬剤師は、処方データの調剤を調剤センターに依頼することができないと判断する。この場合、薬剤師は、前記処方データの調剤の振分先を薬局Aとして登録する操作を行う。例えば図3又は図4に示す処方画面において、薬剤師は「薬局内調剤実施」のボタンを押下する。制御部11は、薬剤師が振分先を薬局Aに登録する操作を行うと、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼しない(薬局Aに依頼する)と判定する(S3:No)。制御部11は、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼しないと判定すると(S3:No)、前記処方データの調剤を薬局Aに振り分け、処理をステップS31に移行させる。
<ステップS31>
ステップS31において、制御部11は、前記処方データの調剤を薬局A内で実行することを確定する。例えば、制御部11は、前記処方データに含まれる全ての薬品について、薬局A内で調剤することを確定する。その後、制御部11は、処理をステップS32に移行させる。
これに対して、ステップS3において、制御部11は、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼すると判定すると(S3:Yes)、処理をステップS4に移行させて、処方データに含まれる薬品ごとに調剤を振り分ける。例えば図3又は図4に示す処方画面において、薬剤師が「調剤センター委託候補登録」のボタンを押下すると、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼すると判定する。その後、制御部11は、処理をステップS4に移行させる。
なお、薬剤師が「調剤センター委託候補登録」のボタンを押下すると、制御部11は、前記処方データを調剤センターに調剤依頼する候補データに登録する。図7には、前記候補データの一覧を示す候補一覧画面(委託候補データ一覧画面)を示している。図7に示す候補一覧画面において、薬剤師が前記候補データの一覧から対象の調剤依頼の候補を選択して「詳細確認」のボタンを押下すると、制御部11は、図8に示すように、調剤センターに依頼する前記調剤依頼の処方内容の詳細を含む候補詳細画面(委託候補データ詳細画面)を表示させる。
<ステップS4>
ステップS4において、制御部11は、前記処方データに含まれる薬品のそれぞれについて、調剤の振分先を調剤センターとするか又は薬局Aとするかを判断する。
例えば、薬剤師は、前記処方データに含まれる全ての薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)ではないと判断した場合に、全ての薬品の調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。また例えば、薬局Aに来局した患者が全ての薬品の受け取りを後日(又は当日の数時間後)でも良いことを承諾した場合に、薬剤師は、全ての薬品の調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。薬剤師は、処方データに含まれる全ての薬品について調剤を調剤センターに依頼することができると判断すると、前記処方データの調剤の振分先を調剤センターとして登録する操作を行う。例えば図7に示す候補一覧画面において、薬剤師は「委託実施」のボタンを押下する。制御部11は、薬剤師が振分先を調剤センターに登録する操作を行うと、処方データの調剤を調剤センターに振り分けて(S4)、処理をステップS5に移行させる。
また例えば、薬剤師は、前記処方データに含まれる一部の薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)であると判断した場合に、当該一部の薬品の調剤を薬局Aに依頼し、他の薬品の調剤を調剤センターに依頼することができると判断する。薬剤師は、処方データに含まれる一部の薬品の調剤を調剤センターに依頼することができると判断すると、前記処方データの調剤の振分先を調剤センター及び薬局として登録する操作を行う。例えば図8に示す候補詳細画面において、薬剤師は調剤センターに調剤を依頼する薬品を選択する操作を行う。
例えば、薬剤師は、処方データに含まれる薬品M1~M4のうち薬品M1,M3を調剤センターで調剤させ、薬品M2,M4を薬局Aで調剤させることに決定すると、図8に示す候補詳細画面から薬局Aで調剤する薬品M2,M4の情報を削除して「登録」ボタンを押下する。図9には、薬品M2,M4の情報が削除された候補詳細画面(委託候補データ詳細画面)を示している。これにより、制御部11は、処方データに含まれる薬品M1~M4のうち薬品M1,M3の調剤を調剤センターに振り分け、薬品M2,M4の調剤を薬局Aに振り分ける。また、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する処方データを更新して前記候補データ(図7参照)に登録する。
前記候補データに登録される処方データには、調剤センターで調剤される薬品の情報だけが含まれ、薬局Aで調剤される薬品の情報は含まれない。このように、調剤センターに調剤依頼する処方データ(依頼データ)から、薬局A内で調剤する薬品の情報を削除しておくことにより、調剤センター及び薬局Aのそれぞれで重複調剤されることを防ぐことができる。なお、制御部11は、調剤を薬局Aに振り分けた薬品の情報と、調剤を調剤センターに振り分けた薬品の情報とを照合して、各情報が一致する場合に警告情報を薬剤師に通知してもよい。
なお、図8に示す候補詳細画面において、制御部11は、前記処方データに含まれる複数の薬品のうち調剤センターに調剤を振り分けた薬品を識別可能に出力してもよい。具体的には、制御部11(調剤表示処理部115)は、調剤センターに調剤を振り分けた薬品と、薬局Aに調剤を振り分けた薬品とを異なる表示欄に表示させてもよいし、調剤センターに調剤を振り分けた薬品と、薬局Aに調剤を振り分けた薬品とを異なる表示態様で表示させてもよい。
<ステップS42>
制御部11は、前記処方データに含まれる一部の薬品の調剤を薬局Aに振り分けると(S4)、ステップS42において、当該薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定する。上述の例では、制御部11は、前記処方データに含まれる薬品M2,M4について、薬局A内で調剤することを確定する。その後、制御部11は、処理をステップS32に移行させる。
<ステップS5>
制御部11は、前記処方データに含まれる一部又は全部の薬品の調剤を調剤センターに振り分けると(S4)、ステップS5において、調剤センターへの調剤依頼を仮確定する。例えば、制御部11は、前記処方データに含まれる全ての薬品M1~M4(図8参照)について、調剤センターへの調剤依頼を仮確定する。若しくは、制御部11は、前記処方データに含まれる薬品M1,M3(図9参照)について、調剤センターへの調剤依頼を仮確定する。その後、制御部11は、処理をステップS6に移行させる。
なお、制御部11は、調剤センターへの調剤依頼を仮確定した時点で、調剤センターに対して調剤依頼する予定の薬品に関する情報を通知して、当該薬品の必要数を確保(仮予約)する。調剤センターのセンター側調剤支援装置5は、薬局側調剤支援装置1から前記通知を取得すると前記薬品の必要数(在庫)を割り当てる。
<ステップS6>
ステップS6において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する薬品が調剤センターにあるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、調剤センターが保管する薬品の現在の在庫状況を参照して、調剤依頼の対象となる薬品の在庫量が処方総量以上であるか否かを判定する。また、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されているか否かを判定する。
制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されており、かつ当該薬品の在庫量が処方総量以上の場合に(S6:Yes)、処理をステップS7に移行させる。これに対して、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されていない場合、又は、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されているが当該薬品の在庫量が処方総量未満の場合に(S6:No)、処理をステップS61に移行させる。
<ステップS61>
ステップS61では、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品の代替薬品が承諾されたか否かを判定する。例えば、調剤依頼の対象となる薬品が調剤センターで採用されていないなど調剤センターで確保できない薬品である場合において、当該薬品の後発医薬品を調剤センターで確保可能な場合に、制御部11は、前記薬品を後発医薬品に代えて、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。
例えば、薬局Aが薬品M3についてX社の薬品を採用しており、調剤センターが薬品M3の後発医薬品としてY社の薬品を採用している場合に、制御部11は、調剤センターで調剤可能な後発医薬品を提案する。例えば図10に示すように、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する候補の薬品の情報を表示する提案画面(委託候補データ詳細画面)において、代替薬品(例えばY社の薬品M3)を提案する。
また、調剤依頼の対象となる薬品について、薬局Aでは1錠未満の分割錠剤(半錠、1/4錠等)を確保可能である一方、調剤センターでは整数錠剤(1錠)を確保可能な場合に、制御部11は、前記薬品の調剤を調剤センターに振り分けることを提案する。例えば、薬品M1について、薬局Aでは半錠カットの分割作業が必要であり、調剤センターに分割作業を必要としない整数錠剤の薬品M1を確保可能な場合に、制御部11は、調剤センターで調剤可能な整数錠剤を提案する。例えば図10に示すように、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する候補の薬品の情報を表示する画面(提案画面)において、代替薬品(例えば0.5mg(1錠)の薬品M1)を提案する。
なお、制御部11は、図10に示すように、前記提案画面において、提案対象となる薬品(代替薬品)を識別可能に表示させてもよい。
薬剤師は、代替薬品の提案を受けると、患者に確認して代替薬品の提案を承諾するか否かを判断する。薬剤師は、代替薬品の提案を承諾する場合、図10に示す提案画面において「登録」ボタンを押下する。これにより、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品の代替薬品が承諾されたと判定して(S61:Yes)、処理をステップS7に移行させる。
一方、薬剤師は、代替薬品の提案を承諾しない場合、図10に示す提案画面において「閉じる」ボタンを押下する。これにより、制御部11は、調剤依頼の対象となる薬品の代替薬品が承諾されなかったと判定して(S61:Yes)、当該薬品の調剤を薬局Aに振り分け、その後、処理をステップS62に移行させる。
<ステップS62>
ステップS62において、制御部11は、前記処方データの一部又は全部の薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定する。その後、制御部11は、処理をステップS32に移行させる。
<ステップS7>
ステップS7では、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する処方データ又は薬品を確定させる。例えば、制御部11は、処方データに含まれる全ての薬品を調剤センターで確保できる場合に、全ての薬品を調剤依頼の対象薬品として確定する。また例えば、制御部11は、処方データに含まれる一部の薬品を調剤センターで確保できる場合に、当該一部の薬品を調剤依頼の対象薬品として確定する。また例えば、制御部11は、処方データに含まれる一部の薬品の代替薬品(後発医薬品、分割作業を必要としない薬品)を調剤センターで確保できる場合に、当該一部の薬品(代替薬品)を調剤依頼の対象薬品として確定する。
<ステップS8>
ステップS8において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する処方データ(依頼データ)を編集する。具体的には、制御部11は、調剤結果(調剤成果物のイメージ)を表す画面(図11参照)、各種帳票物を確認する画面、分包品のイメージを表す画面、配薬カレンダー及び配薬トレイなどのイメージを表す画面などを表示させる。薬剤師は、前記各画面を確認して、必要があれば修正操作を行う。
また、薬剤師が図3、図4、図8~図10に示す各画面において「処方修正」のボタンを押下すると、制御部11は、図12に示す修正画面(処方修正画面)において、処方内容の修正操作を受け付けることが可能である。薬剤師が修正操作を完了して「処方発行」ボタンを押下すると、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する処方データを更新して前記候補データ(図7参照)に登録する。
<ステップS9>
ステップS9において、制御部11は、調剤センターに依頼する調剤依頼を確定させる。例えば、薬剤師は調剤センターに依頼する調剤依頼の依頼データ、前記各画面の表示内容などを確認して問題がなければ依頼データを登録する操作を行う。これにより、制御部11は、調剤センターに依頼する調剤依頼を確定させて、処理をステップS10に移行させる。
ここで、制御部11は、薬局が調剤の一部又は全部を調剤センターに依頼する信頼性を担保する以下の機能を備えてもよい。例えば第1の機能として、制御部11は、薬局において処方箋の鑑査と必要時の疑義照会とを行い、これらの作業が完了したことを事前に薬局スタッフ(薬剤師等)が調剤センターに申請(通知、報告など)したかどうかをチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第2の機能として、制御部11は、薬局において患者に対して対面での服薬指導が完了していることを調剤センターに申請(通知、報告など)したかどうかをチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第3の機能として、制御部11は、患者に対してオンラインでの服薬指導が完了していることを調剤センターに申請(通知、報告など)したかどうかをチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第4の機能として、制御部11は、薬局が患者から処方箋の紙媒体を受け取ったかどうかを事前又は事後にチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第5の機能として、制御部11は、薬局が電子処方箋のデータを受け取ったかどうかを事前又は事後にチェックする機能を備えてもよい。
また例えば第6の機能として、制御部11は、調剤センターが薬局からの調剤の依頼を受託不可とする明細(法的又は契約上の明細)の有無をチェックする機能を備えてもよい。また、制御部11は、事後チェックの場合に薬局及び調剤センターの相互承認する機能を備えてもよい。
また例えば第7の機能として、制御部11は、薬局から調剤センターに依頼データを送信するとき(調剤依頼時)に上記各種申請が無い場合でも調剤依頼後所定日数以内の申請を可能とする場合に、所定日数を超過する期限切れの場合にアラートを通知する機能を備えてもよい。
また例えば第8の機能として、制御部11は、依頼データの内容(調剤依頼の内容)と調剤成果物の内容との一致をチェックする機能、及び、一致しない場合にその内容を通知する機能を備えてもよい。
制御部11は、ステップS9において、前記各機能に対応する処理(依頼チェック処理)を実行してもよい。また、制御部11は、前記各機能を有効又は無効にする選択操作を受け付け可能であってもよい。例えば、薬局が調剤依頼を調剤センターに出力する前に上述のチェック処理を実行する場合には、薬局の薬剤師又はスタッフが、前記各機能を有効にする設定操作を行う。これにより、制御部11は、確定した調剤依頼について、有効化された機能を実行する。
図6Bには、前記依頼チェック処理の手順の一例を示している。図6BのステップS91において、制御部11は、確定した調剤依頼の一覧(図7の候補一覧画面)を表示させる。次にステップS92において、制御部11は、調剤依頼の内容に変更があるか否かを判定する。制御部11は、調剤依頼の内容に変更がある場合(S92:Yes)、ステップS921において薬剤師等による変更操作に応じて調剤依頼を変更する。制御部11は、調剤依頼の内容に変更がない場合(S92:No)、ステップS93において調剤依頼を確定させる。
次に、制御部11は、ステップS94において法令又は契約をチェックし、ステップS95において変更の有無を判定する。制御部11は、チェックがされていない場合にチェックを促すために変更の有無を判定する。
ここで、ステップS93の調剤依頼を確定させる事項を「調剤を受託できることを確定できること」とする。事前に疑義照会を検討したか、相互作用のチェックをしたか等が抜け落ちて調剤センターに委託されることを、薬局側で担保を取っておくことが望ましい。
例えば、制御部11は、「薬学的分析が事前に完了していることの承認」を促すチェック項目として、「患者情報等の分析と評価」、「処方箋、処方薬、患者情報に基づく薬学的分析」、「必要に応じた問い合わせ(疑義照会を含む)や処方変更対応」のそれぞれについてチェックの有無を判定する。
また例えば、制御部11は、「Rp.1 グリコラン錠250mg 1日3錠 :普通の糖尿病患者ならOK」、「腎機能低下30ml/min/1.73m2以下は投与禁忌」のチェックの有無を判定する。この場合、患者の腎機能検査値を処方医に問い合わせをし、30ml以下の場合、中止または投与可能な他剤へ疑義照会、処方提案が必要となる。
また例えば、制御部11は、「Rp.1 フェブリク錠:痛風の患者ならよく処方される」のチェックの有無を判定する。なお、患者が別の薬局でアザチオプリン錠50mgを慢性病で服用をしていたとする。この場合、調剤センターでフェブリク錠を調剤受託するだけなら問題ないが、もしアザチオプリンも服用している場合には、相互作用禁忌、疑義照会、処方提案が必要となる。
制御部11は、変更がある場合(S95:Yes)、ステップS951において確認を行う。なお、制御部11は、ステップS951でチェック漏れを指摘してチェックを入れてもらった後、調剤成果物イメージ(「仮想」画面)を画面出力し、それを確認承認させてもよい。例えば、制御部11は、分包サイズ、分包紙に引いたラインの色、水剤ボトルの場合はそのイメージなど、バーチャル、3Dなどでよりリアルなイメージを画面表示させてもよい。これにより、患者宅に直接配送する場合であっても、薬局に配送する場合であっても、後になって最終包装状態でトラブルになることを防ぐことができる。なお、例えば、前記チェック項目においてチェックが入っていなければ、制御部11は、チェックがされていないと判断し、チェックが入っていれば、薬剤師が鑑査及び薬学的分析結果を承認したと判断する。
制御部11は、ステップS95において変更がない場合(S95:No)、ステップS96においてチェック済を入力する。その後、ステップS97において、制御部11は、調剤センターに出力する処方データを作成する。制御部11は、ステップS97の後、処理を図6AのステップS10に移行させる。
<ステップS10>
ステップS10において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼(処方データ)を出力する。例えば、図7に示す候補一覧画面において、薬剤師が調剤依頼の対象の処方データを選択して「委託実施」のボタンを押下すると、制御部11は、図13に示す画面(実行画面)を表示させる。図13に示す実行画面において、制御部11は、調剤センターから調剤依頼の対象の薬品が調剤センターから発送される発送予定日、薬局A又は患者宅に配達される配達予定日(到着予定日)の情報を表示させる。図13に示す実行画面において、薬剤師が「委託実行」のボタンを押下すると、制御部11は、調剤センターに調剤依頼(依頼データ)を出力する。なお、調剤センターが1日に複数回(複数便)、調剤依頼の対象の薬品を発送する場合には、制御部11は、発送予定日時、配達予定日時、便数(当日の何便目)の情報を表示させてもよい。
<ステップS32>
制御部11は、前記処方データの一部又は全部の薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定した場合には(S31,S42,S62)、ステップS32において、調剤対象の薬品について、薬局A内の調剤機器1Bに調剤指示を出力する。例えば、制御部11は、前記処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器1B(例えば薬品分包装置)に入力する。
以上のようにして、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、患者の処方データを取得するごとに、調剤を振り分ける処理を含む調剤支援処理を実行する。制御部11が処方データの調剤を振り分けると、調剤担当となった調剤センター及び薬局Aの一方又は両方が調剤指示に応じて調剤作業を実行する。
以上説明したように、本実施形態に係る調剤支援システム10は、薬品の調剤が可能な薬局に対応する処方データに基づく調剤の一部又は全部を、前記薬局と前記薬局に対応する前記処方データに基づく調剤の一部又は全部を実行可能な調剤センター(調剤施設)とのいずれかに振り分ける処理と、振分結果を出力する処理とを実行する。前記振分結果には、前記処方データの一部又は全部の調剤の振分先(薬局、調剤センター)を示す情報、薬局に振り分ける処方データ又は薬品を示す情報、調剤センターに振り分ける処方データ又は薬品を示す情報などが含まれる。
上記構成によれば、薬局で行う調剤業務の一部又は全部を調剤センターで実行することができる。これにより、薬局における調剤業務の負担を軽減させることが可能になる。また、薬局における薬剤師の作業が対物業務から対人業務へ移行する時間が増えるため、かかりつけ薬局など患者と向き合う時間の創出に貢献することができる。
[振分処理の他の実施形態]
上述の実施形態では、振分処理部113は、薬剤師による操作に基づいて、前記処方データに基づく調剤の一部又は全部を、薬局Aと調剤センターとのいずれかに振り分けている。すなわち、振分処理部113は、薬剤師の判断に基づいて前記処方データの調剤を振り分けている。
これに対して、他の実施形態では、振分処理部113が、前記処方データに基づいて、調剤の一部又は全部を、薬局Aと調剤センターとのいずれかに振り分ける。すなわち、振分処理部113は、前記処方データに基づいて、自動的に前記処方データの調剤を振り分ける。具体的には、振分処理部113は、前記処方データに含まれる薬品の種別に基づいて、前記処方データの調剤を振り分ける。例えば、前記処方データに含まれる薬品が毒薬、麻薬、劇薬などである場合に、振分処理部113は、当該薬品の調剤を薬局Aに振り分ける。
また、例えば、振分処理部113は、前記処方データに含まれる薬品が前回処方した薬品と同一薬品であって、前回の調剤を調剤センターで調剤した場合に、当該薬品の調剤を調剤センターに振り分ける。
[他の調剤支援処理(調剤の振分処理)]
図14には、前記処方データに基づいて自動的に前記処方データの調剤を振り分ける場合の調剤支援処理の手順の一例を示している。ここでは、図6に示す調剤支援処理と同一の処理については説明を適宜省略する。
制御部11は、患者の処方データを取得すると(S21)、ステップS22において、取得した処方データに基づいて調剤を振り分ける振分処理を実行する。例えば、制御部11は、薬品の種別、過去の処方歴などに基づいて、処方データに含まれる薬品の調剤を調剤センター及び薬局Aの一方又は両方に振り分ける。
制御部11は、前記処方データに含まれる一部又は全部の薬品の調剤を調剤センターに振り分けると、ステップS23において、調剤センターへの調剤依頼を仮確定する。次に、制御部11は、調剤センターの在庫を確認して(S24)、調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫がある場合は(S24:Yes)、調剤依頼を確定する(S25)。
調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫がない場合は(S24:No)、制御部11は、代替薬品を提案して患者の承諾を得た場合に(S241:Yes)、調剤依頼の薬品を確定する(S25)。なお、制御部11は、予め登録された患者情報(例えば、後発医薬品の使用の承諾など)を参照して、自動的に代替薬品を承諾可否を判定してもよい。
調剤依頼の薬品が確定すると(S25)、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する依頼データを編集し(S26)、調剤依頼を確定させて(S27)、調剤センターに調剤依頼を出力する(S28)。
ステップS22において、制御部11は、前記処方データに含まれる一部又は全部の薬品の調剤を薬局Aに振り分けると、ステップS221において、当該薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定する。また、ステップS241において、代替薬品の提案に対して患者の承諾を得られなかった場合に(S241:No)、制御部11は、ステップS242において、当該薬品の調剤を薬局A内で実行することを確定する。ステップS221、S242の後、制御部11は、ステップS222において、調剤対象の薬品について、薬局A内の調剤機器1Bに調剤指示を出力する。
以上のように、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、患者の処方データを取得するごとに、自動的に調剤を振り分ける処理を実行してもよい。
[他の調剤支援処理(調剤の振分処理)]
また、本発明の他の実施形態として、制御部11は、患者の処方データを取得した後に調剤センターの在庫状況を確認し、調剤センターで処方データの薬品の調剤が可能である場合に、調剤を振り分ける振分処理を実行してもよい。すなわち、制御部11は、振分処理の前に在庫状況を確認する処理を実行してもよい。この構成に対応する調剤支援処理について図15を用いて説明する。図6に示す調剤支援処理と同一の処理については説明を適宜省略する。
制御部11は、患者の処方データを取得すると(S51)、ステップS52において、調剤センターの在庫状況を確認して、調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫があるか否かを判定する。調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫がある場合は(S52:Yes)、制御部11は、ステップS53において、取得した前記処方データに対応する処方内容を表示させる。なお、前記在庫には、代替薬品(後発医薬品、分割作業を必要としない薬品など)が含まれてもよい。
調剤センターに調剤依頼の対象の薬品の在庫がない場合は(S52:No)、制御部11は、ステップS521において、前記処方データの調剤を薬局Aに振り分ける。
ステップS53の後、制御部11は、ステップS54において、薬剤師の操作に基づいて前記処方データ全体の調剤を調剤センターに依頼するか否かを判定する。ここでは、薬剤師は、処方する薬品が患者に直ぐに必要な薬品(例えば、直ぐに服用すべき薬品)であると判断した場合、又は、薬局Aに来局した患者がその場で処方薬品を受け取ることを希望する場合に、前記処方データの調剤の振分先を薬局Aとして登録する操作を行う。この場合、制御部11は、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼しない(薬局Aに依頼する)と判定し(S54:No)、ステップS521において、前記処方データ全体の調剤を薬局A内で実施することを確定する。
ステップS54において、制御部11は、前記処方データに基づく調剤を調剤センターに依頼すると判定すると(S54:Yes)、ステップS55において、前記処方データに含まれる薬品のそれぞれについて、調剤の振分先を調剤センターとするか又は薬局Aとするかを判断する。
制御部11は、前記処方データに含まれる一部の薬品の調剤を薬局Aに振り分けると(S55)、ステップS551において、当該薬品の調剤を薬局A内で実施することを確定する。
また制御部11は、前記処方データに含まれる一部又は全部の薬品の調剤を調剤センターに振り分けると(S55)、ステップS56において、調剤センターへの調剤依頼を仮確定し、ステップS57において、調剤センターに調剤依頼する処方データ又は薬品を確定させる。
続くステップS58において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼する依頼データを編集し、ステップS59において調剤依頼を確定させ、ステップS60において調剤センターに調剤依頼を出力する。
ステップS521、S551の後、制御部11は、ステップS522において、調剤対象の薬品について、薬局A内の調剤機器1Bに調剤指示を出力する。
以上のように、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、薬剤師が調剤の振分先を判断する前に、調剤センターの在庫状況を確認して調剤センターへの調剤依頼が可能であるか否かを判定してもよい。
[進捗状況の表示]
ここで、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、調剤センターに前記調剤依頼を出力すると、調剤センターにおける調剤の進捗状況を表示部14又は薬局内端末1Aに出力する。例えば図16に示す依頼画面(委託データ一覧画面)において、薬剤師又は薬局Aのスタッフは、調剤センターに調剤依頼した依頼データ(委託データ)の一覧を確認する。図16に示す依頼画面には、依頼データごとに調剤センター内での調剤の進捗状況と、薬局A内での調剤の進捗状況とが表示される。このように、進捗表示処理部117は、調剤センターが前記処方データに含まれる第1薬品の調剤を行い、薬局Aが前記処方データに含まれる第2薬品の調剤を行う場合に、調剤センターにおける前記第1薬品の調剤の進捗状況と、薬局Aにおける前記第2薬品の調剤の進捗状況とを表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。また、進捗表示処理部117は、表示部14又は薬局内端末1Aにおいて、調剤センターにおける前記第1薬品の調剤の進捗状況と薬局Aにおける前記第2薬品の調剤の進捗状況とを同一画面上に並べて表示させる。また、図16に示す依頼画面において、薬剤師又は薬局Aのスタッフが検索対象の依頼データを選択して「詳細確認」のボタンを押下すると、制御部11は、図17に示す依頼詳細画面(委託データ詳細画面)を表示させる。図17に示す依頼詳細画面には、選択された依頼データに対応する、調剤センター内での調剤の進捗状況と、薬局A内での調剤の進捗状況との詳細情報が表示される。薬剤師又は薬局Aのスタッフは、前記進捗状況を確認して、予定通り調剤処理が行われているかどうかなどを確認することができる。
また、図16又は図17に示す画面において、薬剤師又は薬局Aのスタッフが「貨物追跡参照」のボタンを押下すると、制御部11は、貨物追跡サービスサイトにアクセスして、配送状況を表示させる。なお、調剤センターから各薬局に薬品を配送する配送車両は、配送業者の車両であってもよいし、調剤センター、薬局、又は調剤支援システム10のサービスを提供する事業者が所有又は管理する車両であってもよい。調剤支援システム10では、前記貨物追跡サービスサイトにおいて、前記配送車両を追跡することが可能である。薬剤師又は薬局Aのスタッフは、前記配送状況を適宜確認して、予定通り配送されているかどうかなどを確認することができる。
[薬局側調剤支援装置1における調剤支援処理(進捗状況の表示処理)]
図18を参照しつつ、薬局側調剤支援装置1において実行される調剤支援処理の手順の一例について説明する。前記調剤支援処理は、薬局(ここでは薬局A)に対応する薬局側調剤支援装置1の制御部11により実行される。
<ステップS201>
まず、ステップS201において、制御部11は、進捗状況を確認する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、制御部11は、薬局Aの薬剤師から、調剤センターに依頼した調剤の進捗状況を確認する操作を受け付けると(S201:Yes)、処理をステップS202に移行させる。
<ステップS202>
ステップS202において、制御部11は、調剤センターにおける調剤の進捗状況を含む依頼画面(図16参照)を表示部14又は薬局内端末1Aに表示させる。また、制御部11は、前記依頼画面において「詳細確認」のボタンが押下されると、調剤依頼の詳細情報を含む依頼詳細画面(図17参照)を表示させる。
<ステップS203>
ステップS203において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼した依頼データ(処方内容)の修正操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、薬局Aのスタッフ及び薬剤師は、調剤センターに調剤依頼した後に、処方内容、配送先、配達予定日など調剤依頼の誤りを発見した場合に修正操作を行う。制御部11は、前記修正操作を受け付けると(S203:Yes)、処理をステップS204に移行させる。一方、制御部11は、前記修正操作を受け付けると(S203:No)、処理をステップS205に移行させる。
<ステップS204>
ステップS204において、制御部11は、調剤センターにおいて調剤された調剤済みの薬品が調剤センターから発送されたか否かを判定する。制御部11は、調剤済みの薬品が調剤センターから発送済みの場合(S204:Yes)、処理をステップS205に移行させる。一方、制御部11は、調剤済みの薬品が調剤センターから未だ発送されていない場合(S204:No)、処理をステップS241に移行させる。
<ステップS241>
ステップS241において、制御部11は、前記調剤依頼の修正指示を調剤センターに出力する。センター側調剤支援装置5は、薬局側調剤支援装置1から前記修正指示を取得すると、前記修正指示に応じた処理を実行する。例えば、センター側調剤支援装置5の制御部51は、前記修正指示に基づいて、処方薬品を変更したり配達予定日を変更したりする。制御部11は、ステップS241の処理の後、処理をステップS201に移行させる。このように、制御部11は、前記調剤依頼の修正操作を受け付けた場合には(S203:Yes)、調剤済みの薬品が調剤センターから発送される前であることを条件として(S204:No)、調剤センターに修正指示を出力する。制御部11は、調剤済みの薬品が調剤センターから発送された後に前記調剤依頼の修正操作を受け付けた場合には、調剤センターに修正指示を出力しない(S204:Yes)。
<ステップS205>
ステップS205において、制御部11は、調剤センターから調剤済みの薬品を受け取ったか否かを判定する。例えば、調剤センターから発送された調剤済みの薬品が薬局Aに配達され、薬局Aのスタッフが受け取り処理(入力操作)を行うと、制御部11は、調剤済みの薬品を受け取ったと判定する。制御部11は、調剤済みの薬品を受け取ったと判定すると(S205:Yes)、処理をステップS206に移行させる。制御部11は、調剤済みの薬品を受け取るまで、ステップS201~S204の処理を繰り返す。
<ステップS206>
ステップS206において、制御部11は、調剤済みの薬品の検品処理を行う。例えば、薬局Aのスタッフは、納品書を確認し、調剤成果物(薬袋)に採番された処方番号、二次元コードなどを読み取って個数などを確認する。スタッフは、検品作業を終えると、薬局側調剤支援装置1において検品結果を入力する。
また、薬局Aの薬剤師は、調剤センターにおける調剤に問題がないか確認する。例えば、薬剤師は、受け取った調剤済みの薬品(調剤結果)、調剤センターで登録された調剤及び鑑査に関するエビデンス情報などを確認して、正しく調剤されているか否かを判断する。なお、調剤センターが調剤済みの薬品を患者宅又は入居施設に直接配送する場合も同様に、薬剤師は、調剤済みの薬品(調剤結果)、エビデンス情報などを確認して、正しく調剤されているか否かを判断する。図19には、前記エビデンス情報を含むエビデンス画面の一例を示している。エビデンス情報には、調剤成果物の画像、薬品情報などが含まれる。薬剤師は、エビデンス情報を確認して問題なければ「承認」のボタンを押下する。また、薬剤師は、エビデンス情報を確認して問題があると判断した場合、「コメント登録」のボタンを押下して、コメント登録画面(図20参照)にコメントを入力及び登録することができる。薬剤師は、確認作業を終えると、薬局側調剤支援装置1又は薬局内端末1Aにおいて確認結果を入力する。
<ステップS207>
ステップS207において、制御部11は、調剤センターで実行された調剤に異常があるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、薬局Aのスタッフ及び薬剤師による検品作業、確認作業において問題があると判断された場合に、調剤センターで実行された調剤に異常があると判定する。制御部11は、調剤センターで実行された調剤に異常があると判定した場合(S207:Yes)、処理をステップS271に移行させる。一方、制御部11は、調剤センターで実行された調剤に異常がないと判定した場合(S207:No)、処理をステップS208に移行させる。
<ステップS271>
ステップS271において、制御部11は、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合うか否かを判定する。例えば、制御部11は、調剤センターに再調剤の依頼をしても、患者の服用開始日、患者が希望する薬品の受け渡し日などの所定期限に間に合うか否かを判定する。制御部11は、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合うと判定した場合(S271:Yes)、処理をステップS272に移行させる。一方、制御部11は、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合わないと判定した場合(S271:No)、処理をステップS273に移行させる。
<ステップS272>
ステップS272において、制御部11は、再調剤依頼を調剤センターに出力する。その後、制御部11は、処理をステップS201に移行させる。センター側調剤支援装置5の制御部51は、薬局側調剤支援装置1から前記再調剤依頼を取得すると、当該再調剤依頼に基づく薬品の再調剤処理を実行する。調剤センターで再調剤が実行されている間、薬局Aのスタッフ及び薬剤師は、再調剤の進捗状況を確認することができる。
<ステップS273>
ステップS273において、制御部11は、調剤センターに調剤依頼した薬品の調剤を薬局Aで実行させる。例えば、制御部11は、前記調剤依頼に対応する処方データに基づいて分包データを生成し、当該分包データを調剤機器1Bに入力する。薬品の調剤が完了すると、薬局Aの薬剤師は調剤済みの薬品の鑑査を行う。このように、制御部11は、調剤センターで実行された調剤に異常があると判定された場合であって、再調剤後の調剤済みの薬品の配達予定日が所定期限に間に合わない場合には、調剤センターに調剤依頼した薬品の調剤を薬局Aで実行させる。制御部11は、ステップS273の後、処理をステップS208に移行させる。
<ステップS208>
ステップS208において、制御部11は、調剤済みの薬品を患者に受け渡す処理を実行する。例えば、制御部11は、患者に処方薬品の準備が完了した旨の通知を行ったり、薬剤師が患者に対して服薬指導した旨の報告を受領したり、会計処理を行ったりする。
以上のようにして、薬局側調剤支援装置1の制御部11は、調剤センターにおける調剤の進捗状況を表示する処理を含む調剤支援処理を実行する。
以上説明したように、本実施形態に係る調剤支援システム10は、薬品の調剤が可能な薬局に対応する処方データに基づく調剤の一部又は全部の調剤依頼を、薬局に対応する前記処方データに基づく調剤の一部又は全部を実行可能な調剤センター(調剤施設)に出力する処理と、調剤センターに前記調剤依頼を出力した場合に、調剤センターにおける前記調剤依頼に対応する調剤の進捗状況を薬局の操作端末(薬局側調剤支援装置1、薬局内端末1Aなど)に出力する処理とを実行する。
上記構成によれば、薬局で行う調剤業務の一部又は全部を調剤センターに依頼した場合であっても、薬局は当該処方データの調剤が適切に実行されているかどうかを把握することが可能になる。
[第2実施形態]
本実施形態では、一つの薬局から複数の調剤センターに調剤依頼が可能な調剤支援システム20について説明する。なお、上述の実施形態で説明した構成要素と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。
調剤支援システム20は、複数の薬局と、各薬局から取得する調剤依頼に応じて調剤を行うことが可能な複数の調剤センターとを含んで構成される。図21に示す例では、2つの調剤センターP1,P2を示している。調剤センターP1,P2のそれぞれは、各薬局から前記処方データに基づく調剤の一部又は全部の調剤依頼を受け付け、調剤依頼に基づいて薬品の調剤を行うことが可能である。本実施形態では、各薬局には不特定多数の調剤センターが割り当てられており、各薬局は任意の調剤センターに調剤依頼を出力することが可能である。
例えば、調剤支援システム20は、前記処方データに含まれる一部の薬品を調剤センターP1で調剤し、他の一部の薬品を調剤センターP2で調剤し、残りの薬品を薬局Aで調剤することが可能である。例えば、薬剤師が、患者の処方データに含まれる一部の薬品M1を調剤センターP1で調剤し、一部の薬品M2を調剤センターP2で調剤し、残りの薬品M3を薬局Aで調剤することを決定すると、薬局Aは、薬局A内の調剤機器1Bを使用して薬品M3の調剤を行い、調剤センターP1に対して薬品M1の調剤依頼を行い、調剤センターP2に対して薬品M2の調剤依頼を行う。薬局Aは、薬品M3の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M3を患者に受け渡す。また、調剤センターP1は、薬局Aからの調剤依頼に基づいて、前記処方データに含まれる薬品M1の調剤を行う。調剤センターP1は、薬品M1の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M1を薬局Aに配送する。また、調剤センターP2は、薬局Aからの調剤依頼に基づいて、前記処方データに含まれる薬品M2の調剤を行う。調剤センターP2は、薬品M2の調剤及び鑑査を完了すると、調剤済みの薬品M2を薬局Aに配送する。薬局Aは、調剤済みの薬品M1,M2を調剤センターP1,P2から受け取ると検品などを行い、問題なければ患者に薬品M1,M2の受け渡しを行う。患者は、来局時に薬品M3のみ受け取り、後日に薬品M1,M2を受け取ってもよいし、薬品M1,M2が薬局Aに配達されてから薬品M1,M2,M3をまとめて受け取ってもよい。
このように、本実施形態では、各薬局は、処方データに基づく調剤の一部を第1調剤センターに振り分け、当該調剤の他の一部を第2調剤センターに振り分けることが可能である。
具体的には、薬局Aに対応する薬局側調剤支援装置1の制御部11は、複数の調剤センターの中から、薬局Aが取得した処方データの調剤を依頼する複数の調剤センターを抽出し、抽出した複数の調剤センターのそれぞれに調剤依頼を出力する。
例えば、患者に対応する処方データについて、薬剤師が、患者に直ぐに必要な薬品が含まれておらず調剤を調剤センターに依頼することができると判断した場合に、振分処理部113は、当該処方データの調剤の振分先を検索する。例えば、振分処理部113は、各調剤センターにおける薬品の在庫状況を確認して、調剤可能な調剤センターを検索する。
例えば、調剤センターP1が、前記処方データに含まれる薬品M1~M4のうち薬品M1,M4を調剤可能であり、調剤センターP2が、前記処方データに含まれる薬品M1~M4のうち薬品M2,M3を調剤可能である場合に、振分処理部113は、薬品M1,M4の調剤を調剤センターP1に振り分け、薬品M2,M3の調剤を調剤センターP2に振り分ける。
ここで、一つの処方データに対して複数の調剤センターを利用して調剤する方法は、所定の条件を満たす場合に実行されてもよい。例えば、薬剤師が図3、図4、図8~図10に示す各画面において「処方分割」のボタンを押下したことを条件として、制御部11は、前記処方データの調剤を複数の調剤センターに振り分けることを可能とする。
例えば、図8に示す候補詳細画面において、薬剤師が「処方分割」のボタンを押下すると、振分処理部113は、薬品M1,M4の調剤を調剤センターP1に振り分け、薬品M2,M3の調剤を調剤センターP2に振り分ける。制御部11(調剤表示処理部115)は、振分結果を図22に示す分割画面(処方分割画面)に表示させる。図22に示す分割画面において、「処方1」は調剤センターP1が調剤する薬品M1,M4の情報を示し、「処方2」は調剤センターP2が調剤する薬品M2,M3の情報を示している。図22に示す分割画面において、薬剤師は「分割処方1詳細確認」、「分割処方2詳細確認」のボタンを押下することにより、処方1及び処方2の詳細情報を確認することができる。
薬剤師は、分割処方の内容を確認して問題ないと判定すると「分割実施」のボタンを押下する。これにより、制御部11は、調剤センターP1,P2に調剤依頼する各処方データを生成して前記候補データ(図7参照)に登録する。薬剤師が実行画面(図13参照)において「委託実行」のボタンを押下すると、制御部11(依頼処理部116)は、調剤センターP1,P2のそれぞれに調剤依頼(依頼データ)を出力する。
本実施形態では、上述のように、一つの処方データに対して複数の調剤センターで調剤を行い、各調剤センターで調剤された薬品(薬袋)を依頼元の薬局又は患者宅に配送する。
上述の実施形態では、振分処理部113は、一つの処方データに基づく調剤を2つの調剤センターP1,P2に振り分けているが、他の実施形態として、振分処理部113は、前記調剤を3つ以上の調剤センターに振り分けてもよい。また、他の実施形態として、振分処理部113は、複数の調剤センターの中から1つの調剤センターを抽出して、抽出した調剤センターに調剤を振り分けてもよい。
また、振分処理部113は、各調剤センターの在庫状況、配達予定日(納期)、場所(薬局又は患者宅との距離)などの情報に基づいて、調剤を振り分ける調剤センターを決定してもよい。例えば、振分処理部113は、複数の調剤センターの中から、処方データの薬品の在庫を備え、当該処方データを取得する薬局に最も近い一又は複数の調剤センターを抽出し、抽出した調剤センターに調剤を振り分ける。
また、振分処理部113は、薬品の種別(例えば、内服薬及び外用薬)、薬品の配送先、かかりつけ患者かどうか、住所(郵便番号区分)などの情報に基づいて、調剤を振り分ける調剤センターを決定してもよい。例えば、振分処理部113は、患者の処方データに内服薬が含まれる場合に、内服薬の調剤を内服薬の調剤専用の調剤センターに振り分け、患者の処方データに外用薬が含まれる場合に、外用薬の調剤を外用薬の調剤専用の調剤センターに振り分ける。また例えば、振分処理部113は、薬品の配送先が薬局である場合に、当該薬品の調剤を配送先が薬局専用の調剤センターに振り分け、薬品の配送先が施設(老健施設など)である場合に、当該薬品の調剤を配送先が施設専用の調剤センターに振り分ける。
上述の実施形態では、制御部11は、同一患者に対して1枚の処方箋が発行された場合を例に挙げているが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態として、制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されている場合に、複数の処方箋の情報を一つの処方内容に統合する処理(統合処理)を実行してもよい。例えば、患者が複数の診療科を受診して複数の処方箋が発行された場合に、制御部11は、複数の処方箋の情報を一つの処方内容に統合した統合処方画面(不図示)を表示させる。なお、制御部11は、異なる患者の処方箋の情報を統合しないように、複数の処方箋のそれぞれに関連付けられた患者IDを確認し、それぞれの患者IDが一致することを条件に前記統合処理を実行する、若しくは、同一患者の処方箋の情報のみを表示させて薬剤師が確認したことを条件に前記統合処理を実行する。
また例えば、患者が複数の診療科を受診して複数の処方箋が発行された場合に、制御部11は、分割されている複数の処方箋の薬品を一包化する処理(統合処理)を実行してもよい。例えば、患者に対して内科及び耳鼻科のそれぞれから処方箋が発行されている場合に、制御部11は、同一服用時期又は食事区分から一包化できる薬を一包化するかどうかの問い合わせ画面(不図示)を表示させ、患者の要望に応じて一包化を実行する。
制御部11は、例えば薬剤師が図4に示す処方画面において「統合」ボタン(不図示)を押下した場合に前記統合処理を実行する。前記統合処理を実行する条件はこれに限定されない。他の例として、制御部11は、薬局内規に基づいて自動的に前記統合処理を実行してもよい。例えば、薬局Aで「同一患者で複数科診療なら統合する」という内規が設定されている場合には、制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されている場合に自動的に前記統合処理を実行する。
また、他の例として、制御部11は、患者マスターに基づいて自動的に前記統合処理を実行してもよい。例えば、患者ごとに、前記統合処理を実行するか否かを識別する情報(フラグ)が設定されてもよい。制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されており、かつ当該患者に前記統合処理を実行するフラグが設定されている場合に、自動的に前記統合処理を実行する。
また、他の例として、制御部11は、施設マスターに基づいて自動的に前記統合処理を実行してもよい。例えば、施設ごとに、該当施設の入居者又は該当施設の特定の部屋の入居者が前記統合処理を実行するか否かを識別する情報(フラグ)が設定されてもよい。制御部11は、同一患者に対して複数の処方箋が発行されており、かつ当該患者の施設又は部屋に前記統合処理を実行するフラグが設定されている場合に、自動的に前記統合処理を実行する。
図23には、前記統合処理の手順の一例を示している。制御部11は、前記調剤支援処理(調剤の振分処理)のステップS2(図6A参照)において、前記統合処理を実行してもよい。例えば、制御部11は、患者の処方データを取得すると(図6AのS1)、処方内容(図3参照)を表示させる(S211)。次にステップS212において、制御部11は、前記患者に他の診療科の処方箋があるか否かを判定する。制御部11は、前記患者に他の診療科の処方箋がある場合(S212:Yes)、ステップS213において、処方箋を統合するか否かを問い合わせる。薬剤師が同一患者の複数の処方箋を確認して統合指示を行うと(S213:Yes)、制御部11は、ステップS214において、処方箋の統合処理を実行する。制御部11は、ステップS214の後、処理を図6AのステップS3に移行させる。また、制御部11は、前記患者に他の診療科の処方箋がない場合(S212:No)、薬剤師が前記統合指示を行わなかった(S213:No)、処理を図6AのステップS3に移行させる。
上述の各実施形態では、調剤センターは薬局から送信される調剤依頼に応じて調剤を行う構成であるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態として、前記調剤依頼が患者から送信されてもよい。例えば、患者が自身の操作端末(携帯端末)において薬局を選択した場合に、操作端末が調剤依頼を薬局側調剤支援装置1に送信する。薬局側調剤支援装置1は、患者の操作端末から前記調剤依頼を受信すると、調剤を振り分ける処理を行う。調剤センターは、調剤が振り分けられると、患者の前記調剤依頼に基づいて調剤を行う。このように、調剤センターが取得する調剤依頼の依頼元は、薬局であってもよいし患者であってもよい。
2.調剤センター側の調剤支援処理
以下では、調剤センター側の調剤支援処理について説明する。調剤センターでは、上述のように、各薬局から受け付ける調剤依頼に基づく調剤業務及び鑑査業務、調剤済みの薬品(調剤済薬品)を薬局、患者宅、患者の入居施設(病院、老健施設など)などに配送する配送業務などが行われる。また、調剤センターでは、薬品卸業者から薬品を入荷(納品)する入荷作業、入荷された薬品を保管棚、調剤機器などに入庫する入庫作業が行われる。
センター側調剤支援装置5は、調剤センターで行われた各種業務を支援する処理を実行する。具体的には、センター側調剤支援装置5は、前記調剤処理の他、薬品の入荷処理、入荷された薬品を保管棚及び調剤機器に入庫する入庫処理、調剤済みの薬品を調剤センター内で搬送する搬送処理、調剤及び鑑査済みの薬品を配送する配送処理などを支援することにより、調剤センターにおける一連の業務を支援する。なお、センター側調剤支援装置5は、調剤センターで管理する薬品について、「入荷・入庫」→「調剤」→「出荷」の一連の動きを管理できるように、マスター、IDなどを薬品、薬種ごとに設定してもよい。
図24は、調剤センターP1の全体レイアウトを示す平面図である。調剤センターP1には、薬品の入荷作業及び入庫作業が行われる入荷・入庫エリアAR1と、入荷された薬品を保管する保管棚が配置された保管棚エリアAR2と、調剤機器が配置され、調剤作業が行われる調剤エリアAR3と、調剤済みの薬品の鑑査作業が行われる鑑査エリアAR4と、鑑査済みの薬品の配送作業が行われる配送エリアAR5と、鑑査済みの薬品の配薬作業が行われる配薬エリアAR6とが含まれる。各エリアには作業員が配置されており、各作業員は担当するエリアにおいて作業を行う。また、少なくとも調剤エリアAR3及び鑑査エリアAR4には、一又は複数の薬剤師が配置されている。
調剤センターP1における各業務の概要を説明する。入荷・入庫エリアAR1では、入荷担当の作業者(入荷作業者)が、薬品卸業者(又は配送業者)により調剤センターP1に入荷された薬品を納品書に基づいて検品する。検品で問題がなく薬品の納品が完了すると、入荷作業者は当該薬品を入荷用の収容ボックス(折りたたみコンテナ)に収容して、振分け担当の作業者(振分作業者)に引き渡す。振分作業者は、入荷用の収容ボックスに収容された薬品ごとに入庫先に応じて入庫用の収容ボックスに振分けて収容して、入庫担当の作業者(入庫作業者)に引き渡す。入庫作業者は、入庫用の収容ボックスを台車等に載せて入庫先(保管棚、調剤機器など)まで移動して入庫(収納)作業を行う。なお、薬品として、例えば、錠剤、散薬、外用薬、注射薬などが挙げられる。薬品は、箱又は袋などの容器に収容された状態であってもよい。
調剤エリアAR3では、調剤機器を使用して処方データに含まれる薬品の調剤が行われる。例えば、調剤機器は、薬局から調剤依頼を受け付けると、調剤依頼に対応する処方データに含まれる薬品の調剤を行う。また、調剤機器には、入庫作業者により、入荷された薬品が入庫される。また、調剤機器には、充填担当の作業者(充填作業者)により、保管棚に保管された薬品が充填される。調剤済みの薬品は、搬送ロボットG1(自動走行車)により鑑査エリアAR4に搬送される。なお、調剤機器には、例えば、錠剤分包機、散薬分包機、PTP薬剤自動払出装置、散薬調剤ロボット、軟膏自動調剤機、自動調剤棚、水剤分注装置などが含まれる。
鑑査エリアAR4では、集薬担当の作業者(集薬作業者)が搬送ロボットG1により鑑査エリアAR4に搬送された薬品を受け取り所定の集薬棚に投入する。鑑査担当の作業者(薬剤師)は、所定の集薬棚から薬品を取り出して、処方通りの薬剤が揃えられているかどうかを確認する鑑査(最終鑑査)を行う。鑑査が完了すると、鑑査済みの薬品が配送エリアAR5又は配薬エリアAR6に搬送される。
配送エリアAR5では、配送担当の作業者(配送作業者)が配送エリアAR5に搬送された薬品を受け取り梱包作業、配送作業などを行う。例えば、配送作業者は、薬品を配送先(薬局患者宅、入居施設など)ごとに梱包して出荷作業を行う。
配薬エリアAR6では、配薬担当の作業者(配薬作業者)が配薬エリアAR6に搬送された薬品を受け取り配薬作業などを行う。例えば、配薬作業者は、薬品を服用時期ごとに纏めて薬袋、配薬ボックス、服薬カレンダーなどに収容する。また、配薬作業者は、配薬作業が完了すると配送作業を行う。
[1.入荷・入庫処理]
次に、入荷・入庫エリアAR1で実施される入荷・入庫作業を支援する処理の具体的構成について説明する。センター側調剤支援装置5は、薬品の入荷処理、入荷された薬品を保管棚に入庫する入庫処理を実行する。図25には、調剤センターP1に対応する各種機器を示している。例えば調剤センターP1には、センター側調剤支援装置5、センター内端末5A、調剤機器5B、携帯端末5C、薬品振分装置5Dなどが配置される。携帯端末5Cは、調剤センターP1内の作業者が携帯可能な操作端末であり、本発明の操作端末の一例である。例えば、入庫作業者は、携帯端末5Cを利用して入庫作業を行う。
センター側調剤支援装置5単体が本発明に係る薬品入庫システムを構成してもよい。また、センター側調剤支援装置5には、納品予定の薬品に関する薬品情報を登録及び管理する上位システム(不図示)がネットワークN5を介して接続されてもよい。
通信インターフェース53は、センター側調剤支援装置5を例えば有線又は無線によりネットワークN5に接続するための通信インターフェースであって、ネットワークN5を介して接続されたセンター内端末5A、調剤機器5B、携帯端末5C、薬品振分装置5D等との間でデータ通信を実行する。
記憶部52には、後述の薬品入庫処理(図41~図43等参照)を制御部51に実行させるための薬品入庫プログラムが記憶されている。
ドライブ装置56は、前記薬品入庫プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体57から前記薬品入庫プログラムを読み取ることが可能である。センター側調剤支援装置5では、制御部51により、記録媒体57からドライブ装置56で読み取られた前記薬品入庫プログラムが記憶部52にインストールされる。
制御部51は、薬品情報取得処理部511、振分先特定処理部512、入庫先特定処理部513、登録処理部514、振分情報取得処理部515、収容情報取得処理部516、入庫順決定処理部517などの各処理部を含む。制御部51は、前記薬品入庫プログラムに従って各種の処理を実行することにより、薬品情報取得処理部511、振分先特定処理部512、入庫先特定処理部513、登録処理部514、振分情報取得処理部515、収容情報取得処理部516、及び入庫順決定処理部517として機能する。
図26~図30には、入荷・入庫作業の一連の流れの一例を示している。図26~図29を用いて、前記各処理部の具体的構成を説明する。
図26は、入荷・入庫エリアAR1における入荷作業及び振分け作業の様子を示している。入荷・入庫エリアAR1には、入荷作業を行う入荷エリアAr0と、振分け作業を行う振分エリアAr1とが含まれる。
図27は、入荷エリアAr0における入荷作業の様子を示している。例えば、薬品卸業者X0は、納品対象の薬品を納品書とともに入荷エリアAr0の入荷作業者X1に提出する。入荷作業者X1は、薬品及び納品書を受け取ると、納品書に記載された薬品と納品された薬品とが一致するか否かを目視により確認する作業(検品)を行う。入荷作業者X1は、検品で問題がなければ納品書に承認印を押印して薬品卸業者X0に手渡し、納品された薬品を収容ボックスC0(折りたたみコンテナ)に収容する。
一方、入荷作業者X1は、検品で問題が見つかった場合に、入荷エリアAr0に設置されたセンター内端末5Aの操作画面において前記納品書の納品番号を選択する。センター内端末5Aは、前記納品番号に対応する薬品情報を前記上位システムから取得して、前記薬品情報に登録された薬品を前記操作画面に表示させる。入荷作業者X1は、前記薬品情報を確認して納品された薬品に誤りがないか判断する。入荷作業者X1は、納品された薬品が過剰に納品されたものである場合に、薬品を返却する作業(返却登録)又はそのまま納品する作業(予定外入荷登録)を行う。また、入荷作業者X1は、納品されるべき薬品が不足している場合に、不足している薬品を登録する作業(例外登録)を行う。入荷作業者X1は、前記予定外入荷登録を行う場合、前記薬品を前記納品番号に対応付けて追加登録する。
入荷作業者X1は、薬品の入荷作業が完了すると、センター内端末5Aに表示される操作画面D51(図31参照)において、入荷ラベルL0を発行させる。入荷作業者X1が操作画面D51の「発行」ボタンK51を押下すると、センター内端末5Aは、図32に示す入荷ラベルL0を印刷装置から出力(印刷)させる。入荷ラベルL0には、前記納品番号と、前記納品番号の情報が対応付けられた二次元コードB0とが表示(印字)される。なお、センター内端末5Aは、納品された薬品の数が多く、1個の収容ボックスC0に収まらず複数個の収容ボックスC0に収容された場合には、収容ボックスC0の数と同じ枚数の入荷ラベルL0を発行する。
入荷作業者X1は、発行された入荷ラベルL0を、薬品が収容された収容ボックスC0内に投入(又は収容ボックスC0に貼付)し、収容ボックスC0を搬送レーンH0に載置して振分エリアAr1に搬送する(図27の矢印方向)。
以上のように、入荷エリアAr0では、薬品卸業者X0が薬品を納品するごとに入荷作業者X1が前記入荷作業を行って収容ボックスC0に薬品を収容し、センター内端末5Aは、収容ボックスC0ごとに対応する入荷ラベルL0を発行する入荷処理を実行する。なお、前記入荷処理は、センター側調剤支援装置5が実行してもよい。
図28~図30は、振分エリアAr1における振分作業の様子を示している。振分エリアAr1には、薬品振分装置5Dが配置されている。薬品振分装置5Dは、納品された薬品が収容された収容ボックスC0が載置される載置台F1(本発明の載置部の一例)と、載置台F1に載置される収容ボックスC0を検知する検知部(本発明の検知部の一例)(不図示)と、前記検知部により収容ボックスC0が検知された場合に、薬品の納品情報が対応付けられた入荷ラベルL0の二次元コードB0(納品情報コード)と薬品の薬品IDが対応付けられた二次元コードB1(薬品情報コード)とを読み取る読取装置Rd1と、読取装置Rd1により二次元コードB1が読み取られた場合に、薬品に対応する振分けレーンの位置を報知する報知部と、振分けレーンに載置された収容ボックスC1に所定量の薬品が収容された場合に、収容ボックスC1を上流側(第1領域)から下流側(第2領域)に搬送する搬送部(搬送レーンH1)と、を備えている。
例えば、振分エリアAr1には、8個の振分けレーンR1~R8が配置されている。振分けレーンR1~R4は載置台F1の左側に配置され、振分けレーンR5~R8は載置台F1の右側に配置されている。また、載置台F1には、左側の振分けレーンR1~R4を指し示す左側報知部Daと、右側の振分けレーンR5~R8を指し示す右側報知部Dbとが配置されている。また、振分けレーンR1~R8のそれぞれの上方には、レーン報知部D1~D8が配置されている。また、振分けレーンR1~R8のそれぞれの上方には、振分けレーンの識別情報(レーン番号など)が表示(貼付)されてもよい。なお、読取装置Rd1は、二次元コードB0(図32参照)を読み取る読取装置と、二次元コードB1(図28、図30参照)を読み取る読取装置とに分かれて配置されてもよい。
また、振分けレーンR1~R8のそれぞれは、上流側の振分けレーンRa1~Ra8と、下流側の振分けレーンRb1~Rb8とで構成されている(図29参照)。上流側の各振分けレーンと下流側の各振分けレーンとは互いに連通しており、上流側の振分けレーンに載置された収容ボックスC1は、振分作業者X2が手前側から奥側に押し込むことにより、下流側の振分けレーンに移動する(図28及び図29参照)。すなわち、振分けレーンR1~R8のそれぞれは、振分けレーン上に載置される収容ボックスC1を搬送する搬送レーンH1(本発明の搬送部)として機能する。なお、説明の便宜上、載置台F1に設置された収容ボックスC0から薬品が取り出されて収容(投入)される収容ボックスを「収容ボックスC1」と称する。
振分エリアAr1で振分け作業を行う振分作業者X2は、入荷エリアAr0から搬送レーンH0を流れてきた収容ボックスC0を受け取ると、収容ボックスC0を載置台F1に載置する。載置台F1には収容ボックスC0が載置されたことを検知する検知部が設けられている。収容ボックスC0が載置台F1に載置されると、載置台F1に設置されている読取装置Rd1が、収容ボックスC0に投入されている入荷ラベルL0の二次元コードB0(図32参照)を読み取る。なお、読取装置Rd1は、振分作業者X2が入荷ラベルL0を読取装置Rd1に翳した場合に二次元コードB0を読み取ってもよい。制御部51は、読取装置Rd1が二次元コードB0から読み取った納品番号を取得し、当該納品番号に対応付けられた薬品情報を取得する。前記薬品情報には、納品情報、薬品明細情報、薬品ID(GS1コード)、振分レーンIDなどが含まれる。制御部51は、前記薬品情報を載置台F1の表示画面に表示させ、振分作業者X2は、当該薬品情報を見て、薬品が正しいこと、薬品の数量が正しいことなどを目視により確認する。なお、読取装置Rd1は、収容ボックスC0に予め貼付された二次元コード(収容ボックスID)を読み取ってもよい。この場合、入荷エリアAr0の前記入荷処理において、収容ボックスIDに前記薬品情報が対応付けられる。
続いて、振分作業者X2は、収容ボックスC0から薬品を一つずつ取り出して薬品に付された二次元コードB1を読取装置Rd1に読み取らせる。読取装置Rd1が薬品の二次元コードB1を読み取ると、制御部51(薬品情報取得処理部511)は、当該薬品を識別可能な薬品識別情報(薬品ID)を取得する。すなわち、薬品情報取得処理部511は、収容ボックスC0内の振分け対象の薬品の薬品IDを取得する。
制御部51は、薬品の二次元コードB1から読み取られた薬品IDと、入荷ラベルL0の二次元コードB0から読み取られた前記薬品情報とに基づいて、当該薬品を照合する。制御部51は、薬品IDが前記薬品情報に含まれる薬品IDと一致しない場合に、当該薬品をエラーボックス(不図示)に投入するように振分作業者X2に指示する。エラーボックスに投入された薬品は、返却登録されて薬品卸業者X0に返却される、又は、予定外入荷登録されて再度振分処理に回される。また例えば、制御部51は、薬品ID及び前記薬品情報に基づいて、納品された薬品の数量、使用期限、振分けレーンなどをチェックする。
振分先特定処理部512は、複数の振分けレーンのうち薬品情報取得処理部511により取得される薬品IDが示す薬品に対応する振分けレーンを特定する。例えば、各振分けレーンに薬品の種別(薬種)が対応付けられている場合には、振分先特定処理部512は、薬品IDが示す薬品の種別に対応する振分けレーンを特定する。例えば、予め、振分けレーンR1に「錠剤」が対応付けられ、振分けレーンR2に「散薬」が対応付けられ、振分けレーンR3に「PTPシート」が対応付けられ、振分けレーンR4に「水剤」が対応付けられ、振分けレーンR5に「後発薬」が対応付けられている場合において、薬品IDが示す薬品が「錠剤」の場合には、振分先特定処理部512は、当該薬品に対して振分けレーンR1を特定する。また、例えば、振分先特定処理部512は、複数の振分けレーンのうち収容ボックスC1に収容可能な振分けレーンを特定する。例えば、振分けレーンR1~R8のそれぞれには重量を計測する計測部(不図示)が設けられており、振分先特定処理部512は、前記計測部による計測結果に基づいて、振分けレーンに収容ボックスC1が載置されているか否か、収容ボックスC1に薬品が収容されたか否か、収容ボックスC1に薬品を収容可能であるか否かなどを判断することが可能である。なお、前記計測結果には、収容ボックスC1及び薬品のサイズ(外寸)が含まれてもよい。
例えば、振分先特定処理部512は、振分けレーンR1~R8のうち薬品を収容可能な収容ボックスC1が載置されている振分けレーンを特定する。また例えば、振分先特定処理部512は、振分けレーンR1~R8のうち薬品を収容可能かつ当該薬品と同一又は同種の薬品が既に収容されている収容ボックスC1が載置されている振分けレーンを特定する。また、例えば、振分先特定処理部512は、薬品が特定薬品(保冷薬、毒薬、麻薬、劇薬など)である場合に、予め設定された特定の振分けレーン(例えば、振分けレーンR8)を特定する。
図28に示す例において、例えば、振分作業者X2が収容ボックスC0から薬品M1を取り出して薬品M1の二次元コードB1を読取装置Rd1に読み取らせると、薬品情報取得処理部511が薬品M1の薬品ID(例えば、「m001」)を取得し、振分先特定処理部512が薬品M1を収容可能な振分けレーンR1を特定する。振分先特定処理部512は、特定した振分けレーンR1の識別情報(振分けレーンID)を薬品IDに対応付けて振分情報E1(図33A参照)に登録する。ここでは、振分先特定処理部512は、薬品ID「m001」に対応付けて振分けレーンID「r001」を登録する。振分情報E1には、入荷ラベルL0の納品番号に対応する全ての薬品の薬品IDが登録され、各薬品IDに対応付けて振分けレーンIDが登録される。振分情報E1は、センター側調剤支援装置5の記憶部52に記憶されてもよいし、センター内端末5Aに記憶されてもよいし、上位システムに記憶されてもよい。
また、振分先特定処理部512は、薬品情報取得処理部511により取得される薬品IDが示す薬品に対応する振分けレーンの位置を示す案内情報を左側報知部Da又は右側報知部Dbに報知させる。例えば、振分先特定処理部512は、薬品M1に対応する振分けレーンR1が載置台F1の左側に配置されているため左側報知部Daを点灯させる。
また、振分先特定処理部512は、薬品情報取得処理部511により取得される薬品IDが示す薬品に対応する振分けレーンのレーン報知部に報知情報を報知させる。例えば、振分先特定処理部512は、薬品M1に対応する振分けレーンR1の上方に配置されたレーン報知部D1を点灯させる。これにより、振分作業者X2は、薬品M1の振分け先を容易に把握することができる。振分作業者X2は、案内された振分けレーンR1に載置された収容ボックスC1に薬品M1を収容する。
前記振分処理の他の実施形態として、振分先特定処理部512は、振分作業者X2の操作に応じて振分けレーンを決定してもよい。例えば、振分作業者X2は、収容ボックスC0から薬品M1を取り出して薬品M1の二次元コードB1を読取装置Rd1に読み取らせた後、載置台F1の操作端末において所望の振分けレーンを選択(入力)する。例えば、振分作業者X2は、各振分けレーンの収容状況(空き状況)、収容済みの薬品の種別などを確認して薬品の振分け先(振分けレーン)を判断して、振分けレーンを選択する。このように、振分先特定処理部512は、振分作業者X2が選択した振分けレーンを薬品に対応する振分けレーンとして決定してもよい。この場合、振分先特定処理部512は、読取装置Rd1が読み取った薬品IDと、振分作業者X2が選択した振分けレーンの振分けレーンIDとを対応付けて登録する。この構成では、振分先特定処理部512は、前記報知情報の報知処理を省略してもよい。
また前記振分処理の他の実施形態として、振分先特定処理部512は、入荷時に薬品に対応付けられた振分けレーンを特定してもよい。例えば、入荷処理において、薬品が納品された時点で当該薬品に振分けレーンを対応付けてもよい。具体的には、制御部51は、薬品の種別(薬種)に応じて振分けレーンを割り当ててもよい。これにより、各薬品の薬品情報と、振分けレーンの識別情報(振分けレーンID)とが互いに対応付けられて記憶部52に記憶される。この場合、振分先特定処理部512は、振分エリアAr1において読取装置Rd1が薬品IDを読み取ると、薬品IDに対応付けられている振分けレーンIDを取得して薬品に対応する振分けレーンを特定し、前記報知情報の報知処理を実行する。
制御部51は、薬品M1が前記特定された振分けレーンR1の収容ボックスC1に適切に投入されたか否かを判定する。例えば、制御部51は、振分けレーンR1に設置された計測部が計測した重量に基づいて薬品M1が収容ボックスC1内に投入されたか否かを判定する。制御部51は、薬品M1が異なる振分けレーンR1の収容ボックスC1に投入されたことを認識するとエラー情報を、載置台F1の表示画面に表示させる。制御部51は、薬品M1が正しい振分けレーンR1の収容ボックスC1に投入されたことを認識すると、左側報知部Da及びレーン報知部D1を消灯させる。また、制御部51は、振分情報E1(図33A参照)において薬品M1の薬品IDに対応付けて振分完了情報(フラグ)を登録してもよい。
振分作業者X2は、収容ボックスC0内の全ての薬品を、振分けレーンの案内情報に従って収容ボックスC1に振り分けていく。制御部51は、載置台F1に設置された前記検知部により、収容ボックスC0内の全ての薬品が振り分けられたこと(収容ボックスC0が空になったこと)を判断する。振分作業者X2は、空になった収容ボックスC0を載置台F1から撤去し、搬送レーンH0(図28参照)上の次の収容ボックスC0を載置台F1に載置する。
また、振分作業者X2は、収容ボックスC1に所定量の薬品が収容されると、収容ボックスC1を下流側の振分けレーンに移動させる。例えば、振分作業者X2は、振分けレーンR1の収容ボックスC1に所定量の薬品が収容された又は満載になったと判断すると、収容ボックスC1を上流側の振分けレーンRa1から下流側の振分けレーンRb1に押し込む(図29参照)。その後、振分作業者X2は、上流側の振分けレーンRa1に空の収容ボックスC1を載置する。図29には、振分けレーンR1の収容ボックスC1と、振分けレーンR5の収容ボックスC1とが下流側の振分けレーンRb1、Rb5に移動した状態を示している。また、上流側の振分けレーンRa1には空の収容ボックスC1が載置されている。
ここで、制御部51は、収容ボックスC1が下流側の振分けレーンに移動したことを前記計測部の計測結果(重量)などに基づいて検知すると、収容ボックスC1に収容された薬品の入庫先を特定する。具体的には、入庫先特定処理部513が、各薬品の入庫先を特定する。例えば、入庫先特定処理部513は、薬品の種別及び入庫先の在庫状況に基づいて当該薬品の入庫先を特定する。前記入庫先には、保管棚エリアAR2に配置された保管棚(図35参照)、調剤エリアAR3に配置された調剤機器5B(図37参照)が含まれる。なお、制御部51は、各保管棚及び各調剤機器5Bにおける薬品の入出庫情報に基づいて、在庫状況を把握することができる。
例えば、入庫先特定処理部513は、薬品の種別と、保管棚及び調剤機器5Bのそれぞれの在庫状況とに基づいて入庫先(保管棚又は調剤機器5B)を特定する。また、入庫先特定処理部513は、薬品が調剤機器5Bの採用薬品であって当該調剤機器5Bに入庫可能な場合に、当該調剤機器5Bを入庫先として特定する。また、入庫先特定処理部513は、薬品が調剤機器5Bの採用薬品ではない場合、又は、薬品が調剤機器5Bの採用薬品であって当該調剤機器5Bに入庫可能ではない場合に、保管棚を入庫先として特定する。なお、入庫先特定処理部513は、薬品を調剤機器5B及び保管棚のいずれにも入庫可能であると判断した場合には、調剤機器5Bを優先的に入庫先として特定する。なお、調剤機器5Bに入庫可能な薬品(採用薬品)に関する情報は、調剤機器5Bの薬品マスターに登録されていてもよい。
入庫先として特定可能な調剤機器5Bの一例として、図37に示す調剤機器DSを挙げて説明する。調剤機器DSは、薬品庫DS1と薬品入出庫部DS2(ピッキング装置)とを備えている。薬品入出庫部DS2は、収容ボックスC1内の各薬品をピッキングして調剤機器DS内の保管領域に保管する自動ピッキング機能を備えている。この場合、入庫作業者X3は、収容ボックスC1ごと投入口DS21から調剤機器DS内に投入することができるため作業効率を向上させることができる。なお、調剤機器DSは、入庫作業者X3が薬品ごとに調剤機器DS内に投入可能な投入口DS22を備えてもよい。また、図37に示す調剤機器DSは、前記保管領域及び薬品庫DS1から払い出される薬品をピッキングして調剤するピッキング台DS11とを備えてもよい。入庫先特定処理部513は、収容ボックスC1内の全ての薬品がピッキング可能な薬品である場合に、調剤機器DSを入庫先として特定してもよい。
なお、薬品庫DS1の一例として、周知の装置、例えば国際公開第2020/158579号公報に開示されているドラッグステーションを適用することができる。例えば、前記ドラッグステーションは、薬剤シートの保管、薬剤シートの充填及び払出し、並びに払出された薬剤シートの鑑査を行うための薬剤管理システムである。前記ドラッグステーションは、本体ユニット、ピッキングユニット、鑑査ユニット、タッチパネル、トレイ搬送部、トレイ保管部などを備えている。前記本体ユニットは、薬剤シートを収容した複数個のカセットを保管可能な薬剤収容棚として機能する。前記ピッキングユニットは、ユーザーが、本体ユニットに保管されるカセットからの薬剤シートの取出し、又は当該カセットへの薬剤シートの充填を行うための装置(ユーザーによる薬剤シートの取扱いを可能とする薬剤取扱装置)として機能する。前記鑑査ユニットは、前記本体ユニットから払出された薬剤シートに対する最終鑑査を、ユーザ(薬剤師等の有資格者)が行うための装置である。前記タッチパネルは、前記ドラッグステーションに関する各種情報を表示する表示装置であり、またユーザー入力を受付ける入力装置としても機能する。前記トレイ搬送部は、前記ピッキングユニットから払出された薬剤シートを収納した搬送トレイを、前記鑑査ユニットの収容棚へ搬送する装置である。前記トレイ保管部は、前記搬送トレイを保管するための保管部である。
また、薬品入出庫部DS2の一例として、例えば特願2021-150363号公報に開示されている保管装置を適用することができる。例えば、前記保管装置は、薬品が収容された薬品箱を保管する装置であり、例えば、前記ドラッグステーションで取扱うことが可能な薬品が収容された薬剤箱を保管する。例えば、前記保管装置は、作業者が投入口(本実施形態の投入口DS22(図37参照))に薬品箱を投入すると、薬品箱を搬送して保管棚に保管する。また、本実施形態に係る薬品入出庫部DS2では、作業者が投入口DS21(図37参照)に収容ボックスC1を投入すると、収容ボックスC1からピッキング部が薬品箱をピッキングして保管棚に保管する。
また、前記保管装置は、例えば、前記ドラッグステーションにおいて、ある種類の薬品が欠品となった場合に、前記保管装置に保管している、当該薬品が収容された薬品箱を前記ドラッグステーションへと送出する。
また、前記ドラッグステーションの作業者は、前記保管装置から搬送された薬品箱を受取ることができる。そして、前記ドラッグステーションの作業者は、受取った薬品箱又は薬品箱に収容された薬品を、前記ドラッグステーションに充填することができる。また、前記ドラッグステーションの作業者は、受取った薬品箱に収容された薬品を、前記ドラッグステーションから払出す薬品として、搬送トレイ(不図示)に収容することができる。
また、保管棚エリアAR2には、薬品の種別ごとに区分けされた複数の保管棚が配置されている。例えば、図35に示す例では、保管棚エリアAR2がAゾーン~Fゾーンに区分けされ、各ゾーンに10個の保管棚が配置されている。また、ゾーンごとに同種の薬品が保管される。例えば、錠剤、散薬、PTPシート、水剤、軟膏剤、保冷薬、大型薬、後発医薬品、毒薬、麻薬、劇薬などに応じて、Aゾーン~Fゾーンに区分けされてもよい。図36には、Aゾーンの5個の保管棚A1~A5を例示している。各保管棚は、5個の収納棚(5段の間口)を有する。各収納棚は、仕切り部材などで複数の収納空間に仕切られてもよい。各収納棚には、当該収納棚の位置を示す収納棚番号(例えばA12(保管棚A1の上2段目))、当該収納棚を識別可能な二次元コードBs1が配置(貼付)されている。二次元コードBs1には、ゾーン(例えばAゾーン)、棚番号(例えばA1)、及び収納棚番号の情報が対応付けられている。
入庫先特定処理部513は、入庫先として保管棚を特定する場合に、保管棚の棚番号及び収納棚番号を特定する。例えば、入庫先特定処理部513は、収容ボックスC1が下流側の振分けレーンに移動したことが検知された時点で薬品を収納可能な収納棚を特定する。入庫先特定処理部513は、前記薬品に対応するゾーン内であれば、いずれの保管棚及び収納棚を入庫先として特定してもよい。例えば、入庫先特定処理部513は、保管棚に含まれる複数の収納棚のうち現時点で空いているいずれかの収納棚を、前記薬品の収納棚として特定する。また、入庫先特定処理部513は、薬品の使用期限(又はロット)に基づいて保管棚及び収納棚を特定してもよい。具体的には、入庫先特定処理部513は、入庫対象の薬品の使用期限と、収納棚に既に収納されている薬品の使用期限とに基づいて、入庫対象の薬品の収納棚を特定する。例えば、入庫先特定処理部513は、入庫対象の薬品の使用期限と、収納棚に既に保管されている同一薬品の使用期限とが異なる場合には、当該収納棚とは異なる位置の収納棚を特定する。またこの場合、入庫先特定処理部513は、保管棚から薬品を出庫する際に、使用期限が異なる同一の薬品を取り違えることを防止するために、使用期限が異なる同一薬品の収納位置同士が離れた位置になるように入庫先を特定してもよい。
登録処理部514は、入庫先特定処理部513により特定される前記入庫先の情報を薬品IDに対応付けて入庫先情報E2に登録する。図34には、入庫先情報E2の一例を示している。入庫先情報E2には、薬品ID、入庫先、収納棚番号、入庫順(後述)の情報が対応付けられて登録される。なお、登録処理部514は、全く新規な薬品や、しばらく収納棚に割り当ての無かった薬品に対しては、新しく収納棚番号を割り当てても良い。
以上のように、振分エリアAr1で振分作業者X2が振分け作業を行うと(図28参照)、制御部51は上述の各処理を実行する。振分作業者X2が収容ボックスC1を下流側の振分けレーンに押し込み、収容ボックスC1が下流側の振分けレーンに搬送されると、入庫作業者X3は以下の入庫作業を行う。
例えば、入庫作業者X3は、振分けレーンRb1に搬送されてきた収容ボックスC1を確認すると、収容ボックスC1が載置されている振分けレーンR1の上方に配置された二次元コードBr1(図30参照)を、携帯端末5Cにより読み取る。図38Aには、携帯端末5Cにおける、振分けレーンの二次元コードを読み取る読取画面の一例を示している。入庫作業者X3は、携帯端末5Cを操作して前記読取画面において振分けレーンR1の二次元コードBr1を読み取る読み取り操作を行う。
振分情報取得処理部515は、振分けレーンを識別可能な識別情報(振分けレーンID)を取得する。すなわち、振分情報取得処理部515は、振分けレーンに設けられた二次元コード(本発明の第1情報コード)が携帯端末5Cにより読み取られた場合に振分けレーンIDを取得する。
入庫作業者X3は、振分けレーンR1の二次元コードBr1を読み取る操作を行うと、続いて振分けレーンR1に載置された収容ボックスC1に配置(貼付)された二次元コードBb1(図30参照)を、携帯端末5Cにより読み取る。図38Bには、携帯端末5Cにおける、収容ボックスC1の二次元コードを読み取る読取画面の一例を示している。入庫作業者X3は、携帯端末5Cを操作して前記読取画面において収容ボックスC1の二次元コードBb1を読み取る読み取り操作を行う。
収容情報取得処理部516は、薬品が収容された収容ボックスC1(本発明の収容部の一例)を識別可能な識別情報(収容ボックスID)を取得する。すなわち、収容情報取得処理部516は、収容ボックスC1に設けられた二次元コード(本発明の第2情報コード)が携帯端末5Cにより読み取られた場合に収容ボックスIDを取得する。
振分情報取得処理部515が振分けレーンIDを取得し、収容情報取得処理部516が収容ボックスIDを取得すると(図30参照)、登録処理部514は、振分けレーンIDが示す振分けレーンに対応する薬品の薬品ID(図33A参照)と、収容ボックスIDとを対応付けて登録する(図33B参照)。
このように、制御部51は、振分作業者X2が収容ボックスC0内の薬品M1の二次元コードB1を読み取ることにより、薬品IDと、薬品M1の振分先である振分けレーンR1の振分けレーンIDとを対応付け(図33A参照)、その後に入庫作業者X3が振分けレーンR1の二次元コードBr1と収容ボックスC1の二次元コードBb1とを読み取ることにより、振分けレーンIDを介して、薬品IDと収容ボックスIDとを対応付ける(図33B参照)。
薬品IDと収容ボックスIDとの対応付けが完了すると、続いて入庫作業者X3は、収容ボックスC1を台車Wに載置する。下流側の振分けレーンに複数の収容ボックスC1が存在する場合には、入庫作業者X3は、収容ボックスC1ごとに前記読取操作を行った後に、複数の収容ボックスC1を同一の台車Wに載置することも可能である(図29参照)。その後、入庫作業者X3は、台車Wに載置された収容ボックスC1の薬品を入庫先に入庫する作業を行う。
入庫作業者X3は、入庫作業を行う場合に、携帯端末5Cにより台車Wに載置されている収容ボックスC1の二次元コードを読み取る。制御部51は、読み取られた二次元コードに基づいて、収容ボックス番号及び入庫先の情報(入庫情報P53)を携帯端末5Cに表示させる(図39A参照)。図39Aに示す入庫情報P53では、台車Wに載置された2個の収容ボックスC1に対応する情報が表示されている。
図39Aに示す入庫情報P53の操作画面において、入庫作業者X3が「開始」ボタンを押下すると、入庫順決定処理部517は、複数の薬品を保管棚に入庫する入庫順を決定する。
具体的には、入庫順決定処理部517は、収容ボックスC1に収容された複数の薬品のそれぞれの入庫先の保管棚の位置(収納棚番号)に基づいて前記入庫順を決定する。例えば、入庫順決定処理部517は、複数の薬品のそれぞれの入庫先の保管棚を最短距離で移動可能な入庫順を決定する。また、保管棚エリアAR2に通行ルートが予め設定されている場合には、入庫順決定処理部517は、当該通行ルートに従って移動距離が最短距離となる入庫順、又は、移動時間が最短時間となる入庫順を決定する。
なお、入庫対象の収容ボックスC1が複数存在する場合には、入庫順決定処理部517は、複数の収容ボックスC1に含まれる全ての薬品を合わせて前記入庫順を決定する。図39Aに示す例では、入庫順決定処理部517は、2個の収容ボックスC1に含まれる全ての薬品を合わせて前記入庫順を決定する。例えば、入庫作業者X3が携帯端末5Cにより、台車Wに載置されている2個の収容ボックスC1のそれぞれの二次元コードを読み取り、操作画面において統合操作を行うと、入庫順決定処理部517は、各収容ボックスC1内の薬品の情報を統合して前記入庫順を決定する。なお、制御部51は、前記統合操作を受け付けると、いずれか1個の収容ボックスC1に全ての薬品を纏めて収容するように入庫作業者X3に指示してもよい。
登録処理部514は、入庫順決定処理部517により決定される前記入庫順を示す入庫順情報を薬品IDに対応付けて入庫先情報E2(図34参照)に登録する。
入庫順決定処理部517が前記入庫順を決定すると、制御部51は、入庫経路を示す情報(経路情報P54)を携帯端末5Cに表示させる(図39B参照)。図39Bに示す経路情報P54には、入庫の順番、入庫先、収容ボックスC1の番号、収納棚番号、薬品名などの情報が含まれる。
入庫作業者X3は、経路情報P54を参照しながら収容ボックスC1に収容された複数の薬品を順に入庫先に入庫していく。例えば、入庫作業者X3は、1番目の薬品M1を収納棚A12に入庫する場合に経路情報P54の薬品M1を選択して「入庫実施」ボタンを押下する。また、入庫作業者X3は、保管棚A1まで移動すると、薬品M1の二次元コードB1を携帯端末5Cで読み取り(図40A参照)、続けて収納棚A12に配置(貼付)された二次元コードBs1(図36参照)を携帯端末5Cで読み取る(図40B参照)。制御部51は、薬品M1の二次元コードB1から読み取られた薬品IDに対応付けられた収納棚番号(図34参照)と、収納棚A12に配置された二次元コードBs1から読み取られた収納棚番号とが一致するか否かを判定する。制御部51は、前記各収納棚番号が一致する場合に、携帯端末5Cに収納位置が正しいことを示す情報を表示させる。これにより、入庫作業者X3は、薬品M1を収納棚A12に正しく収納することができる。一方、制御部51は、前記各収納棚番号が一致しない場合に、携帯端末5Cに収納位置(入庫先)が正しくないことを示すエラー情報を表示させる。これにより、入庫作業者X3は、薬品M1の収納位置が間違えていることを認識することができる。なお、制御部51は、二次元コードB1から読み取られた薬品IDを取得した場合に、薬品IDに対応する薬品の画像を携帯端末5Cに表示させてもよい。また、制御部51は、二次元コードBs1から読み取られた収納棚番号を取得した場合に、収納棚番号に対応する保管棚の位置を示す地図画像を携帯端末5Cに表示させてもよい。
入庫作業者X3は、台車Wに載置された収容ボックスC1内の全ての薬品を入庫先に入庫すると入庫作業を終了する。制御部51は、収容ボックスC1ごとに薬品の入庫状況を管理し、収容ボックスC1内の全ての薬品が正しく入庫先に入庫されたことを確認すると、入庫完了情報を、前記納品番号に対応する納品情報、振分情報E1(図33B参照)、入庫先情報E2(図34参照)などに対応付けて登録する。
また、入庫先として調剤機器DS(図37参照)が特定され、入庫作業者X3が収容ボックスC1を投入口DS21から調剤機器DS内に投入した場合、薬品入出庫部DS2は、収容ボックスC1から薬品をピッキングして薬品の二次元コードB1を読み取り、読み取った薬品IDに対応付けられた入庫先(図34参照)が、調剤機器DSであるか否かを判定する。薬品入出庫部DS2は、前記薬品に対応する前記入庫先が調剤機器DSであると判定すると、前記薬品を所定の保管領域に保管し、当該薬品の入庫完了情報をセンター側調剤支援装置5に通知する。一方、薬品入出庫部DS2は、前記薬品に対応する前記入庫先が調剤機器DSではないと判定すると、前記薬品を調剤機器DSの外部に払い出し、収納位置(入庫先)が正しくないことを示すエラー情報をセンター側調剤支援装置5に通知する。制御部51は、前記エラー情報を取得すると、再度、前記薬品の入庫先を特定する処理を実行する。
制御部51は、収容ボックスC1内の薬品の入庫処理を完了すると、薬品IDと入庫先(保管棚、調剤機器5B)を示す情報とを互いに対応付けて記憶部52に記憶する。これにより、制御部51は、各薬品の保管位置、保管棚の在庫状況、及び調剤機器5Bの在庫状況を把握することができる。前記保管位置及び前記在庫状況は、収容ボックスC1に収容された薬品の入庫先を特定する際に利用される。
他の実施形態として、制御部51は、ARマーカーを使用した入庫処理を行ってもよい。例えば、保管棚には、薬品ごとの収納棚の位置を表すARマーカーが貼付されている。入庫作業者X3は、保管棚A1まで移動すると、薬品M1の二次元コードB1を携帯端末5Cで読み取り、続けて保管棚A1に配置(貼付)されたARマーカーを携帯端末5Cで読み取る。制御部51は、携帯端末5Cにおいて、保管棚A1の撮影画像を表示させるとともに、当該撮像画像に薬品M1の収納位置を指し示す画像(矢印画像など)を重ねて表示させる。このように、携帯端末5Cに仮想的に収納位置を表示することにより、入庫作業者X3は容易に入庫先を把握することができる。なお、ARマーカーを使用する構成は、保管棚から薬品を出庫する出庫作業にも適用することができる。
[センター側調剤支援装置5における薬品振分処理]
図41を参照しつつ、センター側調剤支援装置5において実行される薬品振分処理の手順の一例について説明する。前記薬品振分処理は、センター側調剤支援装置5の制御部51により実行される。なお、本発明は、前記薬品振分処理の処理手順の一部又は全部を実行する薬品入庫方法、又は当該薬品入庫方法をセンター側調剤支援装置5等のコンピュータに実行させるための前記薬品入庫プログラムの発明として捉えられてもよい。
例えば、制御部51は、調剤センターP1に入荷された薬品が収容ボックスC0に収容され、収容ボックスC0が入荷エリアAr0(図27参照)から振分エリアAr1(図28参照)に搬送された場合に前記薬品振分処理を開始する。
<ステップS501>
まず、ステップS501において、制御部51は、収容ボックスC0を検知したか否かを判定する。例えば、振分作業者X2が収容ボックスC0を載置台F1に載置すると(図28参照)、載置台F1に設けられた検知部が収容ボックスC0を検知し、制御部51は、検知部から取得する検出信号に基づいて収容ボックスC0を検知する。制御部51は、収容ボックスC0を検知すると(S501:Yes)、処理をステップS502に移行させる。制御部51は、収容ボックスC0を検知するまで待機する(S501:No)。
<ステップS502>
ステップS502において、制御部51は、納品番号を取得したか否かを判定する。例えば、振分作業者X2が載置台F1に載置された収容ボックスC0に収容された入荷ラベルL0の二次元コードB0(図32参照)を読取装置Rd1(図28参照)に翳すと、読取装置Rd1が二次元コードB0を読み取り、制御部51が二次元コードB0に対応付けられた納品番号を取得する。また、制御部51は、取得した納品番号に対応付けられた薬品情報(納品情報、薬品明細情報、薬品ID(GS1コード)、振分レーンIDなど)を取得する。制御部51は、納品番号を取得すると(S502:Yes)、処理をステップS503に移行させる。制御部51は、納品番号を取得するまで待機する(S502:No)。
<ステップS503>
ステップS503において、制御部51は、薬品IDを取得したか否かを判定する。例えば、振分作業者X2が載置台F1に載置された収容ボックスC0から一つの薬品M1を取り出して薬品M1に付された二次元コードB1を読取装置Rd1に翳すと、読取装置Rd1が二次元コードB1を読み取り、制御部51が二次元コードB1に対応付けられた薬品IDを取得する。制御部51は、薬品IDを取得すると(S503:Yes)、処理をステップS504に移行させる。制御部51は、薬品IDを取得するまで待機する(S503:No)。
<ステップS504>
ステップS504において、制御部51は、取得した薬品IDと前記薬品情報に含まれる薬品IDとが一致するか否かを判定する。制御部51は、取得した薬品IDと前記薬品情報に含まれる薬品IDとが一致する場合(S504:Yes)、処理をステップS505に移行させる。一方、制御部51は、取得した薬品IDと前記薬品情報に含まれる薬品IDとが一致しない場合(S504:No)、処理をステップS541に移行させる。
<ステップS541>
ステップS541において、制御部51は、振分作業者X2にエラーを通知する。具体的には、制御部51は、取得した薬品IDに対応する薬品をエラーボックス(不図示)に投入するように振分作業者X2に指示する。エラーボックスに投入された薬品は、返却登録されて薬品卸業者X0に返却される、又は、予定外入荷登録されて再度振分処理に回される。制御部51は、ステップS541の後、処理をステップS508に移行させる。
<ステップS505>
ステップS505において、制御部51は、取得した薬品IDが示す薬品M1に対応する振分けレーン(振分け先)を特定する。例えば、制御部51は、振分けレーンR1~R8(図28参照)のうち薬品M1を収容可能な収容ボックスC1が載置されている振分けレーン(例えば、振分けレーンR1)を特定する。例えば、振分けレーンR1~R8のそれぞれに薬種が対応付けられている場合に、制御部51は、薬品M1の薬種に対応する振分けレーンであって、薬品M1を収容可能な振分けレーンを特定する。複数の振分けレーンに同一の薬種が対応付けられている場合には、制御部51は、複数の振分けレーンのうち、収容ボックスC1が載置されている振分けレーン、空きスペースが存在する収容ボックスC1が載置されている振分けレーン、他の薬品を収容済みの収容ボックスC1の重量に応じた振分けレーンなどを特定する。
また、制御部51は、取得した薬品IDが示す薬品M1が特定薬品(保冷薬、毒薬、麻薬、劇薬など)の場合に、予め設定された特定の振分けレーン(例えば、振分けレーンR8)を特定する。
<ステップS506>
ステップS506において、制御部51は、薬品IDと振分けレーンIDとを対応付けて登録する。例えば、制御部51は、特定した振分けレーンR1の識別情報(振分けレーンID)を薬品IDに対応付けて振分情報E1(図33A参照)に登録する。
<ステップS507>
ステップS507において、制御部51は、特定した振分け先(振分けレーン)を報知する。具体的には、制御部51は、前記薬品IDが示す薬品に対応する振分けレーンの位置を示す案内情報を左側報知部Da又は右側報知部Db(図28参照)に報知させる。例えば、制御部51は、薬品M1に対応する振分けレーンR1のある左側報知部Daを点灯させる。左側報知部Da及び右側報知部Dbは、表示パネルで構成されてもよいし、点灯及び消灯を切り替え可能なLEDで構成されてもよい。
また、制御部51は、前記薬品IDが示す薬品に対応する振分けレーンのレーン報知部に報知情報を報知させる。例えば、制御部51は、薬品M1の振分け先(振分けレーンR1)に対応するレーン報知部D1を点灯させる。図28に示す例では、制御部51は、レーン報知部D1に矢印画像を表示させているが、これに限定されず、レーン報知部D1を点灯させてもよい。各レーン報知部は、表示パネルで構成されてもよいし、点灯及び消灯を切り替え可能なLEDで構成されてもよい。他の実施形態として、制御部51が、左側報知部Da及び右側報知部Dbに振分けレーンの識別情報(レーン番号など)を表示させてもよい。
このように、制御部51は、振分作業者X2が収容ボックスC0から取り出した薬品の振分け先を、左側報知部Da、右側報知部Db、及びレーン報知部D1~D8により振分作業者X2に提示(案内)する処理(振分処理)を実行する。振分作業者X2は、薬品M1について案内された振分けレーンR1に載置された収容ボックスC1に薬品M1を収容する。
<ステップS508>
ステップS508において、制御部51は、特定した振分けレーンR1の収容ボックスC1に薬品M1が正しく投入されたか否かを判定する。例えば、制御部51は、振分けレーンR1に設置された計測部が計測した重量に基づいて薬品M1が振分けレーンR1の収容ボックスC1に投入されたか否かを判定する。制御部51は、特定した振分けレーンR1の収容ボックスC1に薬品M1が正しく投入されたと判定すると(S508:Yes)、処理をステップS509に移行させる。一方、制御部51は、特定した振分けレーンR1の収容ボックスC1に薬品M1が正しく投入されていないと判定すると(S508:No)、処理をステップS581に移行させる。
<ステップS581>
ステップS581において、制御部51は、振分作業者X2にエラーを通知する。具体的には、制御部51は、薬品M1が異なる振分けレーンR1の収容ボックスC1に投入されたことを示すエラー情報を振分作業者X2に通知する。制御部51は、エラー情報を載置台F1の表示画面に表示させてもよいし、エラー音を出力させてもよい。制御部51は、ステップS581の後、処理をステップS507に移行させる。これにより、薬品を振分ける作業の作業ミスを防止することができる。
<ステップS509>
ステップS509において、制御部51は、収容ボックスC1が下流側の振分けレーンに移動したか否かを判定する。例えば、振分作業者X2は、振分けレーンR1の収容ボックスC1に所定量の薬品が収容されたと判断すると、収容ボックスC1を上流側の振分けレーンRa1から下流側の振分けレーンRb1に移動させる(図29参照)。なお、制御部51は、振分けレーンR1の計測部の計測結果(重量)に基づいて収容ボックスC1に所定量の薬品が収容されたと判断した場合に、振分作業者X2に収容ボックスC1の移動指示を通知してもよい。また、制御部51は、収容ボックスC1が下流側の振分けレーンRb1に移動したことを前記計測部の計測結果(重量)に基づいて検知する。制御部51は、収容ボックスC1が下流側の振分けレーンに移動したと判定すると(S509:Yes)、処理をステップS510に移行させる。一方、制御部51は、収容ボックスC1が下流側の振分けレーンに移動していないと判定すると(S509:No)、処理をステップS503に移行させる。
ステップS503に移行すると、制御部51は、引き続き、振分作業者X2が収容ボックスC0から取り出した薬品について前記振分処理を実行する。このように、制御部51は、薬品が収容された収容ボックスC1が下流側の振分けレーンに移動するまで(図29参照)、前記振分処理を繰り返し実行する。
<ステップS510>
ステップS510において、制御部51は、収容ボックスC1に収容された各薬品の入庫先を特定する。具体的には、制御部51は、薬品の種別及び入庫先の在庫状況に基づいて入庫先を特定する。例えば、制御部51は、薬品の種別と、保管棚(図35参照)及び調剤機器5B(図37参照)のそれぞれの在庫状況とに基づいて入庫先(保管棚又は調剤機器5B)を特定する。
具体的には、制御部51は、薬品が調剤機器5Bの採用薬品であって当該調剤機器5Bに入庫可能な場合に、当該調剤機器5Bを入庫先として特定する。例えば、制御部51は、収容ボックスC1に収容された全ての薬品が調剤機器5Bの採用薬品であって当該調剤機器5Bに入庫可能な場合に、当該調剤機器5Bを入庫先として特定する。制御部51は、調剤機器5Bの在庫状況を取得して、収容ボックスC1に収容された全ての薬品を調剤機器5Bに入庫可能であるか否かを判断する。
また、制御部51は、薬品が調剤機器5Bの採用薬品ではない場合、又は、薬品が調剤機器5Bの採用薬品であって当該調剤機器5Bに入庫可能ではない場合には、保管棚を入庫先として特定する。例えば、収容ボックスC1に収容された薬品M1が保管棚エリアAR2のAゾーンに割り当てられた薬品の種別と同一である場合に、制御部51は、Aゾーンの保管棚のうち薬品M1を収納可能な保管棚の収納棚を特定し、当該保管棚の棚番号及び当該収納棚の収納棚番号とを特定する。
なお、制御部51は、薬品を調剤機器5B及び保管棚のいずれにも入庫可能であると判断した場合には、調剤機器5Bを優先的に入庫先として特定する。
制御部51は、薬品の入庫先を特定すると、前記入庫先の情報を薬品IDに対応付けて入庫先情報E2に登録する(図34参照)。
<ステップS511>
ステップS511において、制御部51は、振分けレーンIDを取得したか否かを判定する。例えば、入庫作業者X3は、振分けレーンRb1に搬送されてきた収容ボックスC1を確認すると、収容ボックスC1が載置されている振分けレーンR1の上方に配置された二次元コードBr1(図30参照)を、携帯端末5Cにより読み取る。入庫作業者X3は、携帯端末5Cを操作して読取画面(図38A参照)において振分けレーンR1の二次元コードBr1を読み取る読み取り操作を行う。携帯端末5Cが二次元コードBr1を読み取ると、制御部51は、二次元コードBr1に対応付けられた振分けレーンIDを取得する。制御部51は、振分けレーンIDを取得すると(S511:Yes)、処理をステップS512に移行させる。制御部51は、振分けレーンIDを取得するまで待機する(S511:No)。
<ステップS512>
ステップS512において、制御部51は、収容ボックスIDを取得したか否かを判定する。例えば、入庫作業者X3は、振分けレーンR1に載置された収容ボックスC1に配置された二次元コードBb1(図30参照)を、携帯端末5Cにより読み取る。入庫作業者X3は、携帯端末5Cを操作して読取画面(図38B参照)において収容ボックスC1の二次元コードBb1を読み取る読み取り操作を行う。携帯端末5Cが二次元コードBb1を読み取ると、制御部51は、二次元コードBb1に対応付けられた収容ボックスIDを取得する。制御部51は、収容ボックスIDを取得すると(S512:Yes)、処理をステップS513に移行させる。制御部51は、収容ボックスIDを取得するまで待機する(S512:No)。
<ステップS513>
ステップS513において、制御部51は、振分けレーンIDが示す振分けレーンに対応する薬品の薬品ID(図33A参照)と、収容ボックスIDとを対応付けて登録する(図33B参照)。
このように、制御部51は、振分作業者X2が収容ボックスC0内の薬品M1の二次元コードB1を読み取ることにより、薬品IDと、薬品M1の振分け先である振分けレーンR1の振分けレーンIDとを対応付け(図33A参照)、その後に入庫作業者X3が振分けレーンR1の二次元コードBr1と収容ボックスC1の二次元コードBb1とを読み取ることにより、振分けレーンIDを介して、薬品IDと収容ボックスIDとを対応付ける(図33B参照)。
以上のようにして、制御部51は、薬品の振分処理を実行する。入庫作業者X3は、振分けレーンR1の二次元コードBr1と収容ボックスC1の二次元コードBb1とを読み取る読取操作を行うと、収容ボックスC1を台車Wに載置する。下流側の振分けレーンに複数の収容ボックスC1が存在する場合には、入庫作業者X3は、収容ボックスC1ごとに前記読取操作を行った後に、複数の収容ボックスC1を同一の台車Wに載置する(図29参照)。その後、入庫作業者X3は、台車Wに載置された収容ボックスC1の薬品を入庫先に入庫する作業を行う。
[センター側調剤支援装置5における薬品入庫処理]
次に、センター側調剤支援装置5において実行される薬品入庫処理の手順の一例について説明する。前記薬品入庫処理は、センター側調剤支援装置5の制御部51により実行される。なお、本発明は、前記薬品入庫処理の処理手順の一部又は全部を実行する薬品入庫方法、又は当該薬品入庫方法をセンター側調剤支援装置5等のコンピュータに実行させるための前記薬品入庫プログラムの発明として捉えられてもよい。
[A.保管棚への薬品入庫処理]
図42には、入庫先が保管棚の薬品を収容する収容ボックスC1に対応する薬品入庫処理の一例を示している。
<ステップS521>
まず、ステップS521において、制御部51は、入庫作業の開始指示を取得したか否かを判定する。例えば、入庫作業者X3は携帯端末5Cにより台車Wに載置されている収容ボックスC1の二次元コードを読み取る。制御部51は、読み取られた二次元コードに基づいて、収容ボックス番号及び入庫先の情報(入庫情報P53)を携帯端末5Cに表示させる(図39A参照)。図39Aに示す入庫情報P53の操作画面において、入庫作業者X3が「開始」ボタンを押下すると、制御部51は、入庫作業の開始指示を取得する。制御部51は、入庫作業の開始指示を取得すると(S521:Yes)、処理をステップS522に移行させる。制御部51は、入庫作業の開始指示を取得するまで待機する(S521:No)。
<ステップS522>
ステップS522において、制御部51は、薬品の入庫順を決定する。具体的には、制御部51は、収容ボックスC1に収容される複数の薬品のそれぞれの入庫先の保管棚の位置(収納棚番号)に基づいて前記入庫順を決定する。例えば、制御部51は、予め設定された通行ルートに従って、入庫対象の保管棚の移動距離が最短距離となる入庫順、又は、移動時間が最短時間となる入庫順を決定する。また、入庫対象の複数の薬品の中に優先的に入庫する必要のある薬品(例えば保冷薬)が含まれる場合には、制御部51は、当該薬品の入庫順の優先順位を高くしてもよい。すなわち、制御部51は、薬品の種別に応じて入庫順を決定してもよい。制御部51は、決定した前記入庫順を示す入庫順情報を薬品IDに対応付けて入庫先情報E2(図34参照)に登録する。
また、制御部51は、前記入庫順を決定すると、入庫経路(移動経路)を示す情報を携帯端末5Cに通知する。例えば、制御部51は、図39Bに示す経路情報P54を携帯端末5Cに表示させる。制御部51は、保管棚エリアAR2のマップ上に前記入庫順に応じた入庫経路を表示させてもよい。
入庫作業者X3は、携帯端末5Cに表示された経路情報P54を参照して台車Wとともに保管棚エリアAR2内を移動する。
<ステップS523>
ステップS523において、制御部51は、薬品IDを取得したか否かを判定する。例えば、入庫作業者X3は、薬品M1を入庫する場合に経路情報P54の薬品M1を選択して「入庫実施」ボタン(図39B参照)を押下する。入庫作業者X3は、経路情報P54を参照して薬品M1の入庫先(保管棚)に移動する。その後、入庫作業者X3は、台車Wに載置された収容ボックスC0から薬品M1を取り出して薬品M1に付された二次元コードB1を携帯端末5Cで読み取る(図40A参照)。携帯端末5Cが二次元コードB1を読み取ると、制御部51は、二次元コードB1に対応付けられた薬品IDを取得する。制御部51は、薬品IDを取得すると(S523:Yes)、処理をステップS524に移行させる。制御部51は、薬品IDを取得するまで待機する(S523:No)。
<ステップS524>
ステップS524において、制御部51は、収納棚番号を取得したか否かを判定する。例えば、入庫作業者X3は、収納棚A12に配置された二次元コードBs1(図36参照)を携帯端末5Cで読み取る(図40B参照)。携帯端末5Cが二次元コードBs1を読み取ると、制御部51は、二次元コードBs1に対応付けられた収納棚番号を取得する。制御部51は、収納棚番号を取得すると(S524:Yes)、処理をステップS525に移行させる。制御部51は、収納棚番号を取得するまで待機する(S524:No)。
<ステップS525>
ステップS525において、制御部51は、薬品の収納位置が正しいか否かを判定する。具体的には、制御部51は、薬品M1の二次元コードB1から読み取られた薬品IDに対応付けられた収納棚番号(図34参照)と、収納棚A12に配置された二次元コードBs1から読み取られた収納棚番号とが一致するか否かを判定する。制御部51は、前記各収納棚番号が一致する場合、薬品の収納位置が正しいと判定し(S525:Yes)、携帯端末5Cに収納位置が正しいことを示す情報を表示させる。入庫作業者X3は、前記情報を確認すると前記薬品を前記収納棚に収納する。その後、制御部51は、処理をステップS526に移行させる。
他の実施形態として、制御部51は、保管棚に貼付されたARマーカーを使用して入庫処理を行ってもよい。例えば、入庫作業者X3は、薬品M1の二次元コードB1を携帯端末5Cで読み取り、続けて保管棚A1に貼付されたARマーカーを携帯端末5Cで読み取る。制御部51は、携帯端末5Cにおいて、保管棚A1の撮影画像を表示させるとともに、当該撮像画像に薬品M1の収納位置を指し示す画像(矢印画像など)を重ねて表示させる。入庫作業者X3は、指示された収納位置(収納棚)に前記薬品を収納する。
一方、制御部51は、前記各収納棚番号が一致しない場合、薬品の収納位置が誤っていると判定し(S525:No)、携帯端末5Cに収納位置(入庫先)が正しくないことを示すエラー情報を通知する(ステップS551)。ステップS551の後、制御部51は、処理をステップS524に移行させる。制御部51は、前記各収納棚番号が一致するまでステップS524、S525、及びS551の処理を繰り返す。
制御部51は、前記各収納棚番号が一致すると、薬品が正しく収納棚に収納されたと判断して、入庫完了情報を当該薬品の薬品IDに対応付けて登録する。
<ステップS526>
ステップS526において、制御部51は、入庫作業が完了したか否かを判定する。例えば、制御部51は、台車Wに載置された収容ボックスC1の全ての薬品について入庫完了情報が対応付けられた場合に、入庫作業が完了したと判定する。制御部51は、入庫作業が完了したと判定すると(S526:Yes)、前記入庫処理を終了する。一方、制御部51は、入庫作業が完了していないと判定すると(S526:No)、処理をステップS523に移行させる。ステップS523に移行すると、入庫作業者X3は収容ボックスC1から次の薬品を取り出して二次元コードB1を読み取って入庫作業を行う。
以上のようにして、制御部51は、保管棚への薬品の入庫処理を実行する。入庫作業者X3は、収容ボックスC1が空の状態になると収容ボックスC1を返却し、台車Wとともに振分エリアAr1に移動して、次の収容ボックスC1について入庫作業を行う。
[B.調剤機器への薬品入庫処理]
図43には、入庫先が調剤機器の薬品を収容する収容ボックスC1に対応する薬品入庫処理の一例を示している。前記薬品入庫処理は、調剤機器DSの薬品入出庫部DS2(図37参照)の制御部により実行される。なお、前記薬品入庫処理は、センター側調剤支援装置5の制御部51により実行されてもよい。
前記薬品入庫処理は、例えば、入庫作業者X3が、携帯端末5Cにより台車Wに載置されている収容ボックスC1の二次元コードを読み取り、図39Cに示す入庫情報P53の操作画面において「開始」ボタンを押下し、センター側調剤支援装置5の制御部51が入庫作業の開始指示を取得した場合に開始される。制御部51は、前記開始指示を取得した場合に、前記収容ボックスC1に収容された薬品の情報を薬品入出庫部DS2に送信してもよい。
<ステップS531>
まず、ステップS531において、薬品入出庫部DS2の制御部は、収容ボックスC1を検知したか否かを判定する。具体的には、入庫作業者X3が収容ボックスC1を投入口DS21(図37参照)に載置すると、前記制御部は収容ボックスC1を検知する。前記制御部は収容ボックスC1を検知すると(S531:Yes)、処理をステップS532に移行させる。記制御部は収容ボックスC1を検知するまで待機する(S531:No)。
<ステップS532>
ステップS532において、薬品入出庫部DS2の前記制御部は、薬品IDを取得したか否かを判定する。例えば、薬品入出庫部DS2のピッキング部(ピッキングロボット)が収容ボックスC1から任意の薬品をピッキングして、薬品入出庫部DS2の読取装置が薬品の二次元コードB1を読み取る。前記制御部は、二次元コードB1に対応付けられた薬品IDを取得する。前記制御部は、薬品IDを取得すると(S532:Yes)、処理をステップS533に移行させる。前記制御部は、薬品IDを取得するまで待機する(S532:No)。
<ステップS533>
ステップS533において、薬品入出庫部DS2の前記制御部は、取得した薬品IDに対応する薬品が調剤機器DSに保管されるべき薬品(保管対象薬品)であるか否かを判定する。具体的には、前記制御部は、薬品IDに対応付けられた入庫先(図34参照)が、調剤機器DSであるか否かを判定する。前記制御部は、薬品IDに対応する薬品が前記保管対象薬品であると判定すると(S533:Yes)、処理をステップS534に移行させる。一方、前記制御部は、薬品IDに対応する薬品が前記保管対象薬品ではないと判定すると(S533:No)、処理をステップS536に移行させる。
<ステップS536>
ステップS536において、薬品入出庫部DS2の前記制御部は、前記保管対象薬品ではない前記薬品を調剤機器DSの外部に払い出して、収納位置(入庫先)が正しくないことを示すエラー情報をセンター側調剤支援装置5に通知する。制御部51は、前記エラー情報を取得すると、再度、前記薬品の入庫先を特定する処理を実行する。前記制御部は、ステップS536の後、処理をステップS532に移行させる。
<ステップS534>
ステップS534において、薬品入出庫部DS2の前記制御部は、前記ピッキング部に前記薬品を所定の保管領域に保管させる。前記制御部は、前記薬品を保管した位置の位置情報を前記薬品の薬品IDに対応付けて登録する。また、前記制御部は、入庫完了情報を前記薬品の薬品IDに対応付けて登録する。また、前記制御部は、入庫完了情報をセンター側調剤支援装置5に通知する。
<ステップS535>
ステップS535において、薬品入出庫部DS2の前記制御部は、入庫作業が完了したか否かを判定する。例えば、前記制御部は、収容ボックスC1の全ての薬品について入庫完了情報が対応付けられた場合に、入庫作業が完了したと判定する。前記制御部は、入庫作業が完了したと判定すると(S535:Yes)、前記入庫処理を終了する。一方、前記制御部は、入庫作業が完了していないと判定すると(S535:No)、処理をステップS532に移行させる。ステップS532に移行とすると、薬品入出庫部DS2は、収容ボックスC1から次の薬品を取り出し、二次元コードB1を読み取って入庫作業を行う。
以上のようにして、制御部51は、調剤機器DSへの薬品の入庫処理を実行する。入庫作業者X3は、収容ボックスC1を調剤機器DSに投入し終えた時点で、台車Wとともに振分エリアAr1に移動して、次の収容ボックスC1について入庫作業を行う。
他の実施形態として、入庫作業者X3は、台車Wごと薬品入出庫部DS2に投入してもよい。この場合、薬品入出庫部DS2のピッキング部(ピッキングロボット)は、台車Wに載置されている収容ボックスC1ごとに薬品をピッキングする。ピッキングされた薬品は、読取装置により薬品の二次元コードB1が読み取られた後、薬品庫DS1に収容(入庫)される。薬品庫DS1の具体的な構成は、前記ドラッグステーション(国際公開第2020/158579号公報)の構成を適用することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る調剤支援システム10は、振分け対象の薬品を識別可能な薬品識別情報(薬品ID)を取得し、複数の振分け先(振分けレーン)のうち前記取得される前記薬品IDが示す前記薬品に対応する振分け先を特定する。また、調剤支援システム10は、前記振分け先を識別可能な振分けレーンIDを取得し、前記薬品が収容される収容ボックスC1を識別可能な収容ボックスIDを取得する。そして、調剤支援システム10は、前記取得される振分けレーンIDが示す前記振分けレーンIDに対応する前記薬品の薬品IDと、前記取得される収容ボックスIDとを対応付けて登録する。
上記構成によれば、例えば複数の薬品が入荷された場合に、各薬品を収容ボックスC1に振り分けることができる。また、収容ボックスC1に収容された薬品を、収容ボックスC1の識別情報に基づいて容易に把握することができる。このため、入庫作業者X3は、収容ボックスC1に収容された全ての薬品を入庫先に確実に入庫することができる。よって、調剤センターにおける薬品の入庫業務の負担を軽減させることが可能となる。
ここで、本実施形態において、振分先特定処理部512は、複数の振分けレーンR1~R8のうち、薬品情報取得処理部511により取得される薬品IDが示す薬品に対応する振分けレーンを決定する。例えば、振分けレーンR1~R8のそれぞれに収容ボックスC1が載置されており、各収容ボックスC1が薬品を収容可能な状態である場合に、振分先特定処理部512は、振分けレーンR1~R8のうち最端部の振分けレーン(振分けレーンR1)を前記薬品に対応する振分けレーンとして決定する。他の実施形態として、振分先特定処理部512は、ランダムに振分けレーンを決定してもよい。
また他の実施形態として、調剤機器DSの採用薬品(特定薬品の一例)に対応する振分けレーン(例えば、振分けレーンR8)(専用レーン)が予め設定されてもよい。例えば、調剤機器DSの採用薬に対応する振分けレーンとして、振分けレーンR8が予め記憶部52に記憶されてもよい。また、特定薬品ごとに振分けレーン(専用レーン)が対応付けられた専用レーン情報(専用レーンID)が記憶部52に記憶されてもよい。この場合、振分先特定処理部512は、収容ボックスC0内の薬品が前記採用薬品である場合に、前記専用レーン情報を参照して前記採用薬品に対応する振分けレーンR8を特定し、入庫先特定処理部513は、調剤機器DSを入庫先として特定する。このように、調剤機器DSの採用薬品などの特定薬品については、予め振分け先が設定されてもよい。特定薬品について予め振分け先を設定しておくことにより、当該振分け先の収容ボックスC1の入庫作業を他の振分け先の収容ボックスC1よりも優先して行うことができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されない。他の実施形態として、登録処理部514は、薬品が特定薬品の場合に、他の薬品に優先して、収容ボックスIDと薬品IDとを対応付けて登録する処理を実行してもよい。例えば、読取装置Rd1が読み取った薬品が保冷薬である場合に、制御部51は、振分作業者X2に、特定した振分けレーンの収容ボックスC1に保冷薬を収容させ、収容ボックスC1を下流側の振分けレーンに移動するように指示する。これにより、登録処理部514は、保冷薬について、迅速に収容ボックスIDと薬品IDとを対応付けて登録する。この構成によれば、特定薬品を迅速に入庫先に入庫することができる。
また他の実施形態として、本発明の振分け先は、振分けレーン(例えば、振分けレーンR1~R8)と、振分棚R9(図26参照)とを含んでもよい。振分棚R9には、特定薬品(例えば、大型薬品)が振り分けられる。例えば、読取装置Rd1が読み取った薬品が大型薬品である場合に、制御部51は、振り分け先として振分棚R9を特定する。振分棚R9に振分けられた特定薬品は、入庫作業者X3が個別に入庫先に入庫する。
また他の実施形態として、調剤機器5Bに入庫可能な薬品の上限数が設定されてもよい。この場合、制御部51(入庫先特定処理部513)は、前記上限数に基づいて、入庫先を特定してもよい。例えば、調剤機器DS(図37参照)に入庫可能な薬品M1の上限数が15箱に設定されており、現時点で調剤機器DSに5箱の薬品M1が在庫として保管されていると仮定する。この場合に、例えば薬品M1が50箱入荷されると、制御部51は、50箱のうち10箱の入庫先を調剤機器DSに決定し、残りの40箱の入庫先を保管棚に決定する。また、制御部51は、例えば10箱の薬品M1の振分け先を振分けレーンR1に決定し、40箱の薬品M1の振分け先を振分けレーンR2に決定する。これにより、入庫先ごとに対応する収容ボックスC1に薬品M1を振分けることができる。
また他の実施形態として、例えば、入庫作業者X3が台車Wに載置された複数の収容ボックスC1を統合する操作を行った場合において、複数の収容ボックスC1のそれぞれの入庫先が保管棚及び調剤機器5Bである場合には、調剤機器5Bに入庫できない薬品が入庫されてしまう可能性がある。このため、制御部51は、入庫先に保管棚及び調剤機器5Bの両方が含まれる場合において前記統合操作を受け付けた場合にはエラー情報を入庫作業者X3に通知してもよい。これにより、薬品の入庫ミスを防ぐことができる。
また他の実施形態として、制御部51は、振分けレーンに空の収容ボックスC1が載置された時点で振分けレーンの振分けレーンIDと収容ボックスC1の収容ボックスIDとを対応付けてもよい。この場合、制御部51は、薬品が読取装置Rd1で読み取られて薬品IDを取得すると当該薬品の振分け先である振分けレーンを特定する。そして、振分作業者X2が前記薬品を前記特定された振分けレーンの収容ボックスC1に収容すると、制御部51は、薬品IDと収容ボックスIDとを対応付けて登録する。
また他の実施形態として、各振分けレーンに、収容ボックスC1の二次元コードBb1を読み取る読取装置が設けられてもよい。例えば、下流側の振分けレーンRb1の上方に、上流側から下流側に搬送されてくる収容ボックスC1の二次元コードBb1を読み取る読取装置が設けられてもよい。各読取装置には予め振分けレーンIDが対応付けられており、例えば振分けレーンR1に設けられた読取装置には振分けレーンR1の振分けレーンIDが対応付けられている。この場合、振分けレーンR1の前記読取装置が収容ボックスC1の二次元コードBb1を読み取ると、制御部51は、振分けレーンR1に対応付けられた薬品IDと、収容ボックスIDとを対応付けて登録する。このように、制御部51は、入庫作業者X3の読取操作を介することなく、薬品IDと収容ボックスIDとを対応付けて登録してもよい。
[2.充填処理]
次に、調剤エリアAR3で実施される充填作業を支援する処理の具体的構成について説明する。図44には、調剤センターに対応する各種機器を示している。例えば調剤センターには、センター側調剤支援装置5、薬品払出装置6、上位システム7、携帯端末6Cなどが配置される。携帯端末6Cは、調剤センター内の作業者が携帯可能な操作端末である。例えば、充填作業者は、携帯端末6Cを利用して薬品の充填作業を行う。
図44に示すように、本発明の実施形態に係る調剤支援システム60は、薬品払出装置6、センター側調剤支援装置5、上位システム7、携帯端末6Cを含む。薬品払出装置6、センター側調剤支援装置5、上位システム7、携帯端末6Cは、ネットワークN5を介して通信可能に接続されている。また、調剤支援システム60には、一又は複数の薬品払出装置6が含まれる。なお、薬品払出装置6単体が本発明に係る調剤支援システムを構成してもよい。
上位システム7は、薬品の処方内容を示す処方データの登録操作を受け付ける電子カルテシステム、オーダーリングシステム、又はレセプトシステムなどである。前記処方データには、例えば薬品を識別するための薬品名などの薬品識別情報、用量、用法、剤形、服用開始日、服用期間、及び服用終了日などの薬品情報が含まれる。また、前記処方データには、例えば薬品を服用する患者の氏名、性別、年齢、病棟、担当医師、担当薬剤師などの患者情報も含まれる。さらに、前記処方データには、調剤センターが薬局から当該処方データに対応する調剤依頼(委託)を受け付けた日(受託日)、当該調剤依頼の依頼元(委託元)、当該処方データに対応する薬品を委託元に出荷する予定日時(出荷予定日時)などの委託情報も含まれる。図45には、上位システム7に登録された処方データの一例を示している。
センター側調剤支援装置5は、上位システム7から処方データを読み出すとともに、処方データを薬品払出装置6に入力する情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)である。具体的に、センター側調剤支援装置5は、薬品払出装置6における調剤処理に必要な調剤データを前記処方データに基づいて生成し、その調剤データを前記処方データとして薬品払出装置6に入力する。例えば、複数の薬品払出装置6が調剤支援システム60に設けられている場合、センター側調剤支援装置5は、前記処方データに基づいて払い出す必要のある薬品を薬品払出装置6各々に割り当てる。なお、センター側調剤支援装置5が上位システム7から前記処方データを読み出す構成に代えて、上位システム7からセンター側調剤支援装置5に前記処方データが送信される構成も考えられる。また、上位システム7から薬品払出装置6に前記処方データが直接入力されてもよい。
なお、センター側調剤支援装置5は、図2に示すように、制御部51、記憶部52、通信インターフェース53、表示部54、操作部55、及びドライブ装置56などを備える。
[薬品払出装置6]
図44に示すように、薬品払出装置6は、制御部61、記憶部62、通信インターフェース63、表示部64、操作部65、ドライブ装置66、薬品払出部67、印刷部68などを備える。具体的に、本実施形態に係る薬品払出装置6は、薬品(PTPシート)をシート単位又は1シート未満の単位で払い出すシート払出装置である。
なお、薬品払出装置6は、薬品を薬箱単位で払い出す薬箱払出装置、又は、薬品を錠剤単位で払い出す錠剤払出装置などであってもよい。また、薬品払出装置6は、薬品払出部67に、制御部61、記憶部62、通信インターフェース63、表示部64、操作部65、ドライブ装置66、印刷部68を含むパーソナルコンピュータが接続されたものであってもよい。薬品払出装置6は、本発明の調剤機器(調剤機器5B)の一例である。
通信インターフェース63は、ネットワークN5を介してセンター側調剤支援装置5又は上位システム7などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行する通信インターフェースである。
印刷部68は、各種の情報をロール紙などの払出記録紙(ジャーナル)に印刷するプリンターである。具体的に、本実施形態において、印刷部68は、各種の文字が印刷可能であるとともに、JANコードの13桁の数字を表現可能な一次元シンボルであるJANシンボルをバーコードシンボルとして印刷可能である。例えば、薬品払出装置6において、印刷部68によって印刷される前記払出記録紙は、薬品払出装置6で払い出されるPTPシートなどが収容されるトレイ上に排出される。また、印刷部68は、充填対象の薬品を一覧にした充填リストを印刷する。
表示部64は、制御部61からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。操作部65は、薬品払出装置6に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作されるタッチパネル又は操作スイッチ等の操作部である。
ドライブ装置66は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体661から各種のデータ又は制御プログラムなどを読み取ることが可能である。記録媒体661は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどであり、ドライブ装置66は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。
薬品払出部67は、各種の薬品について当該薬品が複数収容されたPTPシートなどの薬品シートを収容する薬品収容部671(シート収容部、PTPカセット)を備える。例えば、PTPシートには6錠、8錠、10錠などの予め定められた錠数の錠剤が収容されており、薬品収容部671は、所定枚数のPTPシートを収容可能である。薬品払出部67は、センター側調剤支援装置5から入力される前記調剤データに基づいて、薬品収容部671から所定数のPTPシートを払い出す。薬品収容部671は、本発明の薬品収容部の一例である。
図46は、PTPシートを収容する薬品収容部671の構成の一例を示す外観図である。薬品収容部671は、所定数のPTPシートを収容する薬品収容領域Spを含んでいる。薬品収容部671には、薬品収容領域SpにPTPシートを収容可能な最大量(最大収容可能量)が予め設定されている。また、薬品収容部671には、薬品収容部671に収容される薬品を示す薬品識別情報Na(薬品名など)、薬品収容部671を識別するための収容部識別情報B2(収容部コード)などが表示される。充填作業者は、必要に応じてPTPシート単位で薬品を薬品収容領域Spに充填する。また、充填作業者は、PTPシートが収容された薬品収容部671を薬品払出装置6本体に格納(挿入)する。薬品収容領域Spは、本発明の薬品収容領域の一例である。
また、薬品収容部671は、薬品収容領域Spを複数の収容領域に仕切るためのスリットを備えている。図46に示す例では、薬品収容部671は、前後方向の一対のスリットSL1と、左右方向の一対のスリットSL2とを備えている。図47Aに示すように、スリットSL1に仕切板672aを挿入することにより、薬品収容領域Spを2つの薬品収容領域Sp1、Sp2に仕切ることができる。また図47Bに示すように、スリットSL1に仕切板672aを挿入し、スリットSL2に仕切板672bを挿入することにより、薬品収容領域Spを4つの薬品収容領域Sp1~Sp4に仕切ることができる。例えば、充填作業者は、PTPシートのサイズに応じて仕切板をセットして収容領域を分けることができる。また、充填作業者は、制御部61の指示に応じて仕切板をセットしてもよい。この場合、制御部61は、PTPシートのサイズを検出し、検出結果に基づいて仕切板の位置を充填作業者に通知する。なお、薬品払出装置6が、PTPシートのサイズに応じて自動的に仕切板を薬品収容部671にセットしてもよい。薬品収容領域Sp1~Sp4のそれぞれは、本発明の薬品収容領域の一例である。
本実施形態に係る薬品払出装置6は、収容領域が1つの薬品収容部671のみを複数備えてもよいし、収容領域が複数の薬品収容部671のみを複数備えてもよいし、収容領域が1つの薬品収容部671と複数の薬品収容部671との両方を複数備えてもよい。
ここで、一つの薬品収容部671には、1種類の薬品が収容され、複数種類の薬品が収容されないように管理されている。例えば、充填作業者が薬品収容部671の収容部コード(収容部識別情報B2)とPTPシートを収容する薬箱のコードとを読み込んで照合することにより、異なる種類の薬品が薬品収容部671に充填されるミスを防止することができる。例えば、図46に示す薬品収容部671には薬品Maが収容され、図47Aに示す薬品収容部671には薬品Mbが収容され、図47Bに示す薬品収容部671には薬品Mcが収容される。
また、一つの収容領域には、1種類の薬品が収容されるとともに、同一の有効期限(ロット番号)の薬品が収容され、異なる有効期限(ロット番号)の薬品が収容されないように管理されている。例えば、2つの薬品収容領域Sp1、Sp2を備える薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1、Sp2のそれぞれに、第1有効期限(第1ロット)の複数の薬品(PTPシート)が収容される。また例えば、薬品収容領域Sp1に、第1有効期限(第1ロット)の複数の薬品(PTPシート)が収容され、薬品収容領域Sp2に、第2有効期限(第2ロット)の複数の薬品(PTPシート)が収容される。なお、本実施形態において、第2有効期限は、第1有効期限よりも遅い期限(後日)であるものとする。また、本実施形態において、第1ロットの薬品の有効期限は前記第1有効期限であり、第2ロットの薬品の有効期限は前記第2有効期限であるものとする。薬品払出装置6は、有効期限が早い薬品を先(優先的)に払い出すように制御されており、例えば、第1ロットの薬品を第2ロットの薬品よりも先に払い出す。
このため、制御部61は、充填処理において、充填対象の薬品の在庫に第1ロットの薬品と第2ロットの薬品とが含まれる場合には、第1ロットの薬品が優先して薬品収容部671に充填されるように制御する。
このように、薬品収容部671は、特定の薬品が割り付けられる専用カセットではなく、任意の薬品を割り付けることが可能なフリーカセットである。すなわち、各薬品収容部671では、一旦所定の薬品が所定量収容された場合には、残りの領域にも同じ薬品が収容されることとなるが、その後に収容量が0(空)の状態(フリーカセット)になった場合には、他の種類の薬品を収容することが可能となる。また、各薬品収容部671において、有効期限(ロット)の異なる薬品を収容可能であるが、この場合には、有効期限の異なる各薬品は、薬品収容部671内において区画された領域(薬品収容領域)ごとに収容される。なお、薬品収容領域ごとに、収容されている薬品の収容量を管理(ロット管理)可能である場合には、1個の薬品収容部671に異なる種類の薬品が収容されてもよい。
なお、他の実施形態として、薬品払出装置6が薬品を薬箱単位で払い出す薬箱払出装置である場合には、薬品収容部671各々に多数の薬箱が収容される。また、他の実施形態として、薬品払出装置6が薬品を錠剤単位で払い出す錠剤払出装置である場合には、薬品収容部671各々に多数の錠剤が収容される。さらに、他の実施形態として、薬品払出装置6が散薬を重量単位で払い出す散薬払出装置である場合には、薬品収容部671各々に散薬が収容される。
記憶部62は、制御部61によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶手段である。具体的に、記憶部62には、所定の処理を制御部61に実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、記憶部62には、後述の薬品充填処理(図52参照)を制御部61に実行させるための薬品充填プログラムが記憶されている。
また、記憶部62には、薬品マスター、患者マスター、及び収容部マスター621などの各種のマスターデータが記憶される。例えば、前記薬品マスターでは、薬品の種類を識別するための薬品コード等の薬品識別情報ごとに、薬品名、一般名、YJコード、JANコード、RSSコード、剤形、単位、比重、薬品種、配合変化、賦形薬品、効用、及び注意事項などの情報が対応付けて記憶されている。また、前記患者マスターでは、患者を識別するための患者コード等の患者識別情報ごとに、患者名、診療科、病棟、担当医師、及び担当薬剤師などの情報が対応付けて記憶されている。
また、収容部マスター621では、薬品収容部671を識別するための収容部コード等の収容部識別情報(収容部ID)ごとに、薬品収容部671に収容される薬品を示す薬品識別情報(例えば薬品名)、薬品収容部671に収容済みの薬品の収容量、薬品収容部671に収容済みの薬品の有効期限及びロット番号、薬品収容部671(収容領域)の最大収容可能量などの情報(収容薬品情報)が対応付けて記憶されている。また、薬品収容部671が複数の収容領域を含む場合には、収容部マスター621において、収容領域ごとに、前記収容薬品情報が対応付けて記憶される。
図48には、シート払出装置に対応する収容部マスター621の一例を示している。図48に示す収容部マスター621には、薬品収容領域Spに薬品MaのPTPシートを収容する薬品収容部671(図46参照)に対応する収容薬品情報と、薬品収容領域Sp1、Sp2に薬品MbのPTPシートを収容する薬品収容部671(図47A参照)に対応する収容薬品情報とが含まれる。例えば、図48に示す収容部マスター621には以下の収容薬品情報が含まれている。
例えば、収容部ID「100001」の薬品収容部671(図46参照)において、薬品収容領域Spに、第1ロット(ロット番号「Lt1」)の薬品Maに対応する最大収容可能量(例えば60枚(シート))のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「100002」の薬品収容部671(図46参照)において、薬品収容領域Spに、第1ロットの薬品Maに対応する最大収容可能量未満(例えば40枚)のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「100003」の薬品収容部671(図46参照)において、薬品収容領域Spに、第2ロット(ロット番号「Lt2」)の薬品Maに対応する最大収容可能量(例えば60枚(シート))のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「100004」の薬品収容部671(図46参照)において、薬品収容領域Spに、第2ロットの薬品Maに対応する最大収容可能量未満(例えば30枚)のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「100005」の薬品収容部671(図46参照)において、薬品収容領域SpにPTPシートが収容されていない。すなわち、収容部ID「100005」の薬品収容部671は、空の薬品収容部(フリーカセット)である。
例えば、収容部ID「200001」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1に、第1ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されており、薬品収容領域Sp2に、第1ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「200002」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1に、第1ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されており、薬品収容領域Sp2に、第1ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量未満(例えば10枚)のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「200003」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1に、第1ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量未満(例えば20枚)のPTPシートが収容されており、薬品収容領域Sp2にPTPシートが収容されていない。
例えば、収容部ID「200004」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1、Sp2のそれぞれにPTPシートが収容されていない。すなわち、収容部ID「200004」の薬品収容部671は、空の薬品収容部である。
例えば、収容部ID「200005」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1に、第2ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されており、薬品収容領域Sp2に、第2ロットの薬品Mbについて、最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「200006」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1に、第2ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されており、薬品収容領域Sp2に、第2ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量未満(例えば15枚)のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「200007」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1に、第2ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量未満(例えば10枚)のPTPシートが収容されており、薬品収容領域Sp2にPTPシートが収容されていない。
例えば、収容部ID「200008」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1に、第1ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されており、薬品収容領域Sp2に、第2ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されている。
例えば、収容部ID「200009」の薬品収容部671(図47A参照)において、薬品収容領域Sp1に、第1ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量(例えば30枚)のPTPシートが収容されており、薬品収容領域Sp2に、第2ロットの薬品Mbに対応する最大収容可能量未満(例えば10枚)のPTPシートが収容されている。
収容部マスター621の収容薬品情報(収容量、有効期限、ロット番号など)は、制御部61によって更新される。例えば、制御部61は、薬品の払出処理及び充填処理のそれぞれに応じて、各薬品収容部671に対応する収容薬品情報を更新する。また、制御部61は、収容部マスター621を参照して、薬品払出装置6内の薬品の在庫量(装置内在庫量)、薬品払出装置6全体の最大充填可能量、薬品収容部671ごとの収容量及び最大充填可能量を算出する。また、制御部61は、収容部マスター621を参照して、薬品を充填可能な薬品収容部671の識別情報及び数量を特定する。なお、薬品を充填可能な薬品収容部671には、薬品(PTPシート)が1枚も収容されていない空の薬品収容部(フリーカセット)と、少なくとも1枚の薬品(PTPシート)を収容可能(収容済みの薬品の収容量が最大収容可能量未満)な薬品収容部とが含まれる。図48に示す例では、収容部ID「100005」の薬品収容部671と、収容部ID「200004」の薬品収容部671とが、空の薬品収容部(フリーカセット)に相当する。
また、収容部マスター621に代えて、前記薬品マスターにおいて、前記薬品の種類ごとに前記薬品の種類に対応する一又は複数の前記薬品収容部671の収容部識別情報が記憶されていることも考えられる。なお、記憶部62に記憶されている各種のマスターデータは、例えば操作部65に対するユーザー操作に応じて制御部61によって変更可能である。
また、記憶部62には、薬品の払出処理の履歴情報が記憶されている。前記履歴情報には、薬品払出装置6における薬品各々の払出量が予め設定された期間ごと(例えば1日単位)に集計された結果が含まれる。
制御部61は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。前記CPUは、各種の制御プログラムに従って処理を実行することにより薬品払出装置6を制御するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAMは、前記CPUによる各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
ところで、従来の技術では、薬品払出装置6に充填可能な薬品の在庫に有効期限の異なる薬品が含まれる場合に、充填作業者は、充填作業を行う際に、いずれの有効期限の薬品についてどの程度の量を薬品払出装置6に充填すべきかを把握することが困難である。このため、充填作業の効率が低下する問題が生じる。これに対して、本実施形態に係る構成によれば、調剤センターにおける薬品の充填作業の効率を向上させることが可能である。
具体的には、図44に示すように、制御部61は、集計処理部611、薬品特定処理部612、在庫量取得処理部613、充填可能量取得処理部614、決定処理部615、出力処理部616などの各処理部を含む。制御部61は、前記薬品充填プログラムに従って各種の処理を実行することにより、集計処理部611、薬品特定処理部612、在庫量取得処理部613、充填可能量取得処理部614、決定処理部615、出力処理部616として機能する。
集計処理部611は、所定数の処方データを取得し、取得した所定数の処方データのそれぞれに含まれる薬品の処方量(払出量)を集計して、薬品ごとに合計処方量を算出する。例えば、センター側調剤支援装置5は、上位システム7から複数の処方データを受信すると、薬品払出装置6から払い出される薬品に対応する複数の処方データを薬品払出装置6に送信する。例えば、センター側調剤支援装置5は、所定のタイミングで、複数の処方データを薬品払出装置6に送信する。なお、上位システム7が、複数の処方データを薬品払出装置6に送信してもよい。薬品払出装置6に入力された複数の処方データは、記憶部62に記憶される。
集計処理部611は、記憶部62に記載されている複数の処方データから所定数の処方データを取得して、所定数の処方データのそれぞれに含まれる薬品の処方量(合計処方量)を算出する。前記所定数は、予め設定されてもよく、例えば10処方に設定される。なお、前記所定数は、ユーザー操作又は所定の条件に応じて設定又は変更可能であってもよい。例えば、前記所定数は、薬品払出装置6の処理能力、各処方データに含まれる薬品の数量(処方量)、薬種の数などに応じて設定されてもよい。例えば図49に示すように、集計処理部611は、取得した順に10処方の処方データのそれぞれに含まれる薬品ごとに合計処方量を集計する。このように、集計処理部611は、10処方単位で薬品の合計処方量を集計する。例えば、集計処理部611は、処方データ1~10のそれぞれに含まれる薬品ごとに合計処方量を算出する。
薬品特定処理部612は、処方データに基づいて、薬品払出装置6に充填する必要のある薬品(対象薬品)を特定する。具体的には、薬品特定処理部612は、集計処理部611により算出される薬品ごとの合計処方量と、薬品払出装置6に収容されている薬品ごとの合計収容量(装置内在庫量)とに基づいて、前記対象薬品を特定する。例えば、前記処方データに含まれる薬品Maについて、薬品特定処理部612は、薬品Maを払い出す薬品払出装置6(シート払出装置)の収容部マスター621(図48参照)を参照して、薬品収容部671各々に収容済みの薬品Maの合計収容量(装置内在庫量)を算出する。また、薬品特定処理部612は、集計処理部611が算出した薬品Maの合計処方量と、前記合計収容量とを比較する。そして、薬品特定処理部612は、前記合計処方量が前記合計収容量よりも多い場合に、薬品Maを前記対象薬品として特定し、前記合計処方量が前記合計収容量以下である場合に、薬品Maを前記対象薬品として特定しない。すなわち、薬品特定処理部612は、薬品Maについて、必要な処方量が薬品払出装置6内に不足している場合に、薬品Maを充填対象の薬品と判断する。
なお、薬品特定処理部612は、薬品Maの払出予定量を考慮して薬品Maの合計収容量を算出してもよい。例えば、薬品特定処理部612が薬品Maの合計処方量を算出する時点で、薬品Maの払出処理に応じて払出予定量が確定している場合に、薬品特定処理部612は、収容部マスター621の薬品Maの合計処方量から前記払出予定量を減算して、薬品Maの合計処方量を算出する。
薬品特定処理部612は、所定数の処方データのそれぞれに含まれる薬品ごとに、前記対象薬品であるか否かを判定する。また、薬品特定処理部612は、前記対象薬品について、前記合計処方量から前記合計収容量を減算した量を充填必要量として算出する。なお、前記充填必要量の算出方法は、これに限定されず他の方法(後述)であってもよい。
在庫量取得処理部613は、薬品を保管する保管部における前記対象薬品の在庫量を有効期限別又はロット番号別に取得する。前記在庫量は、調剤センター内に保管されている薬品の在庫量である。例えば、在庫量取得処理部613は、保管棚エリアAR2(図24参照)の保管棚に保管されている薬品の在庫量と、調剤機器DS(図37参照)に保管されている薬品の在庫量とを、センター側調剤支援装置5から取得する。
また、在庫量取得処理部613は、前記対象薬品の在庫量を、有効期限別(ロット番号別)に取得する。センター側調剤支援装置5又は上位システム7は、調剤センター内の薬品各々について薬品情報を管理しており、当該薬品情報には有効期限及びロット番号が含まれる。例えば、在庫量取得処理部613は、薬品の在庫量を管理するセンター側調剤支援装置5又は上位システム7に対して、調剤センター内における前記対象薬品の在庫量の問い合わせを行い、センター側調剤支援装置5又は上位システム7から、前記対象薬品の在庫量を有効期限別又はロット番号別に取得する。センター側調剤支援装置5又は上位システム7は、本発明の管理システムの一例である。
例えば、在庫量取得処理部613は、センター側調剤支援装置5に、前記対象薬品である薬品Maの在庫量の問い合わせを行う。センター側調剤支援装置5の制御部51は、前記薬品情報を参照して、薬品Maについて、有効期限「T1」(ロット番号「Lt1」)の在庫量と、有効期限「T1」よりも期限が遅い有効期限「T2」(ロット番号「Lt2」)の在庫量との情報を薬品払出装置6に送信する。これにより、在庫量取得処理部613は、センター側調剤支援装置5から、有効期限「T1」(ロット番号「Lt1」)の薬品Maの在庫量と、有効期限「T2」(ロット番号「Lt2」)の在庫量とを取得する。
充填可能量取得処理部614は、薬品払出装置6に実装される薬品収容部671に前記対象薬品を充填可能な充填可能量を取得する。具体的には、充填可能量取得処理部614は、薬品払出装置6に実装される薬品Maの薬品収容部671各々の最大収容可能量の合計から、薬品収容部671各々に収容済みの薬品Maの収容量の合計を減算して充填可能量を算出する。このように、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671の空きスペースに対応する充填可能量を算出する。また、薬品払出装置6に有効期限(ロット番号)が異なる薬品Maが含まれる場合に、充填可能量取得処理部614は、有効期限別に薬品Maの充填可能量を算出する。例えば、充填可能量取得処理部614は、有効期限「T1」の薬品Maの充填可能量と、有効期限「T2」の薬品Maの充填可能量とを算出する。
例えば、薬品払出装置6(シート払出装置)に実装される薬品収容部671に、薬品が収容されていない空の薬品収容部671が含まれている場合に、充填可能量取得処理部614は、当該薬品収容部671の最大収容可能量に基づいて、薬品の前記充填可能量を算出する。例えば、薬品Ma用の空の薬品収容部671(図48の収容部ID「100005」参照)が1個存在する場合に、充填可能量取得処理部614は、薬品Maの充填可能量として、最大収容可能量「60」を取得する。空の薬品収容部671が複数個存在する場合には、充填可能量取得処理部614は、個数分の充填可能量を算出する。
また例えば、薬品払出装置6(シート払出装置)に実装される薬品収容部671に、所定の有効期限の前記対象薬品が所定量だけ収容されている薬品収容部671が含まれている場合に、充填可能量取得処理部614は、当該薬品収容部671の最大収容可能量から前記所定量を減算した量に基づいて、前記所定の有効期限の前記対象薬品の前記充填可能量を算出する。例えば、最大収容可能量が60枚の薬品収容部671(図48の収容部ID「100002」参照)に有効期限「T1」の薬品Maが40枚だけ収容されている場合に、充填可能量取得処理部614は、当該薬品収容部671について、有効期限「T1」の薬品Maの充填可能量として「20」を取得する。また例えば、薬品収容部671(図48の収容部ID「100004」参照)に有効期限「T2」の薬品Maが30枚だけ収容されている場合に、充填可能量取得処理部614は、当該薬品収容部671について、有効期限「T2」の薬品Maの充填可能量として「30」を取得する。
このように、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671に一部の空きスペースが存在する場合に、空きスペースに充填可能な充填量を当該薬品収容部671の充填可能量として算出する。また、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671に収容済みの薬品と同一の有効期限(ロット番号)の薬品の充填可能量を算出する。すなわち、薬品収容部671各々には、同一の有効期限(ロット番号)の薬品のみが収容される。
ここで、薬品収容部671が複数の収容領域を含む場合には、充填可能量取得処理部614は、収容領域ごとに前記充填可能量を取得してもよい。ここでは、薬品収容部671が2つの薬品収容領域Sp1、Sp2を含む場合(図47A参照)を例に挙げる。
例えば、薬品Mb用の空の薬品収容部671(図48の収容部ID「200004」参照)が1個存在する場合に、充填可能量取得処理部614は、薬品収容領域Sp1に対応する薬品Mbの充填可能量として最大収容可能量「30」を取得し、薬品収容領域Sp2に対応する薬品Mbの充填可能量として最大収容可能量「30」を取得する。空の薬品収容部671が複数個存在する場合には、充填可能量取得処理部614は、個数分の充填可能量を算出する。
また例えば、薬品収容部671(図48の収容部ID「200002」参照)の薬品収容領域Sp1に有効期限「T1」の薬品Mbが30枚収容されており、薬品収容領域Sp2に有効期限「T1」の薬品Mbが10枚収容されている場合に、充填可能量取得処理部614は、有効期限「T1」の薬品Mbの充填可能量として「20」を取得する。なお、一つの収容領域には同一の有効期限(ロット番号)の薬品が収容されるため、この例の場合、薬品収容領域Sp2には有効期限「T1」の薬品Mbが収容され、有効期限「T2」の薬品Mbは収容されない。
また例えば、薬品収容部671(図48の収容部ID「200003」参照)の薬品収容領域Sp1に有効期限「T1」の薬品Mbが20枚収容されており、薬品収容領域Sp2に薬品Mbが収容されていない場合に、充填可能量取得処理部614は、有効期限「T1」の薬品Mbの充填可能量として「40」を取得する。なお、1個の薬品収容部671において、薬品収容領域Sp1に第1有効期限の薬品が収容され、薬品収容領域Sp2に第2有効期限の薬品が収容されてもよい。この場合、充填可能量取得処理部614は、薬品収容領域Sp1の空きスペースに対応する有効期限「T1」の薬品Mbの充填可能量として「10」を取得し、薬品収容領域Sp2に対応する有効期限「T2」の薬品Mbの充填可能量として「30」を取得してもよい。
このように、充填可能量取得処理部614は、薬品払出装置6に対応する薬品収容部671各々の現時点の収容状況に基づいて、薬品払出装置6に充填可能な薬品の充填可能量を取得する。
決定処理部615は、薬品収容部671に充填すべき所定の有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する。具体的には、決定処理部615は、保管部に保管(在庫)された対象薬品の有効期限(ロット)のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限(ロット)と、当該対象薬品の充填量とを決定する。例えば、決定処理部615は、在庫量取得処理部613により取得される前記在庫量と、充填可能量取得処理部614により取得される前記充填可能量とに基づいて、有効期限のうち薬品収容部671に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する。また、前記対象薬品の在庫量に、第1有効期限(第1ロット)の第1在庫量と、前記第2有効期限(第2ロット)の第2在庫量とが含まれている場合に、決定処理部615は、前記第1在庫量と、薬品収容部671に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な第1充填可能量とに基づいて、前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する。また、薬品払出装置6は有効期限が早い薬品を優先して払い出すため、決定処理部615は、薬品の在庫量のうち有効期限が早い薬品の在庫量を優先して充填量に割り当てる。決定処理部615は、本発明の決定処理部の一例である。
以下、決定処理部615による前記充填量の決定方法の具体例を説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、1個の薬品収容部671に着目して説明する。図50A及び図50Bには、1個の薬品収容領域Spを含む薬品収容部671(図45参照)の上面図を示し、図50C~図50Gには、2個の薬品収容領域Sp1、Sp2を含む薬品収容部671(図46A参照)の上面図を示している。
図50Aに示す例では、薬品Maを充填可能な1個の薬品収容部671を示している。この薬品収容部671には、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Maが25枚収容されており、薬品Maを収容する他の薬品収容部671各々には最大収容可能量「60枚」の薬品Maが収容されているものとする。また、調剤センター内における現時点の薬品Maの在庫量として、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Maが40枚、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Maが30枚保管されているものとする。
この場合、在庫量取得処理部613は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「40枚」と有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「30枚」とを取得し、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671の薬品収容領域Spの充填可能量「35枚」を取得する。決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「40枚」のうち充填可能量である35枚を充填量として決定する。すなわち、決定処理部615は、第1有効期限(第1ロット)及び第2有効期限(第2ロット)のうち、薬品収容領域Spに収容済みの前記対象薬品(薬品Ma)の第1有効期限(第1ロット)を決定(選択)する。また、決定処理部615は、前記第1有効期限に対応する前記第1充填可能量(ここでは「35枚」)が前記第1有効期限に対応する前記第1在庫量(ここでは「40枚」)以下である場合に、前記第1充填可能量(「35枚」)を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する。
他の実施形態として、薬品収容部671に収容された薬品Ma(25枚)が有効期限「T2」(第2ロット)である場合には、決定処理部615は、有効期限「T2」を決定し、有効期限「T2」の在庫量「30枚」を充填量として決定する。
また、他の実施形態として、薬品特定処理部612が算出した薬品Maの充填必要量が「20枚」の場合に、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「40枚」のうち充填必要量の20枚を充填量として決定してもよい。すなわち、決定処理部615は、在庫量のうち充填可能な最大量を充填量として決定してもよいし、在庫量のうち充填必要量を上限として充填量を決定してもよい。後述の例においても同様である。
図50Bに示す例では、薬品Maを充填可能な1個の薬品収容部671を示している。この薬品収容部671には、薬品Maが収容されておらず、薬品Maを収容する他の薬品収容部671各々には最大収容可能量「60枚」の薬品Maが収容されているものとする。すなわち、図50Bに示す薬品収容部671は空の薬品収容部である。また、調剤センター内における現時点の薬品Maの在庫量は図50Aに示す例と同様である。
この場合、在庫量取得処理部613は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「40枚」と有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「30枚」とを取得し、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671の薬品収容領域Spの充填可能量「60枚」(最大収容可能量)を取得する。決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「40枚」を充填量として決定する。すなわち、決定処理部615は、第1有効期限(第1ロット)及び第2有効期限(第2ロット)のうち、有効期限が早い第1有効期限(第1ロット)を決定する。また、決定処理部615は、前記第1有効期限に対応する前記第1充填可能量(ここでは「60枚」)が前記第1有効期限に対応する前記第1在庫量(ここでは「40枚」)以上である場合に、前記第1在庫量(「40枚」)を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する。
他の実施形態として、薬品特定処理部612が算出した薬品Maの充填必要量が「30枚」の場合に、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「40枚」のうち30枚を充填量として決定してもよい。
図50Cに示す例では、薬品Mbを充填可能な1個の薬品収容部671を示している。この薬品収容部671には、薬品収容領域Sp1、Sp2のいずれにも薬品Mbが収容されておらず、薬品Mbを収容する他の薬品収容部671各々には薬品収容領域Sp1に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されており、薬品収容領域Sp2に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されているものとする。すなわち、図50Cに示す薬品収容部671は空の薬品収容部である。また、調剤センター内における現時点の薬品Mbの在庫量として、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが25枚、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbが15枚保管されているものとする。
この場合、在庫量取得処理部613は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「25枚」と有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「15枚」とを取得し、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671の薬品収容領域Sp1の充填可能量「30枚」及び薬品収容領域Sp2の充填可能量「30枚」を取得する。決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「25枚」及び有効期限「T2」の在庫量「15枚」を充填量として決定する。すなわち、決定処理部615は、第1有効期限(第1ロット)及び第2有効期限(第2ロット)を決定する。また、決定処理部615は、前記第1有効期限に対応する前記第1充填可能量(ここでは「30枚」)が前記第1在庫量(ここでは「25枚」)以上であって、かつ、薬品収容部671に前記第2有効期限の前記対象薬品を充填可能な第2充填可能量(ここでは「30枚」)が前記第2在庫量(ここでは「15枚」)以上である場合に、前記第1在庫量(「25枚」)を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定し、前記第2在庫量(「15枚」)を前記第2有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する。
他の実施形態として、薬品特定処理部612が算出した薬品Mbの充填必要量が「30枚」の場合に、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「25枚」と有効期限「T2」の在庫量「5枚」とを充填量として決定してもよい。
また、他の実施形態として、図50Cの例において、薬品Mbの有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量が40枚の場合には、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「40枚」のみを充填量として決定する。この場合、薬品収容領域Sp1に第1ロットの薬品Mbが30枚充填され、薬品収容領域Sp2に第1ロットの薬品Mbが10枚充填されることになるため、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbは充填量に含まれない。
また、他の実施形態として、図50Cの例において、薬品Mbの有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量が40枚、薬品Mbの有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量が30枚の場合、かつ、薬品特定処理部612が算出した薬品Mbの充填必要量が「50枚」の場合に、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「30枚」と、有効期限「T2」の在庫量「20枚」を充填量として決定してもよい。この場合、薬品収容領域Sp1に第1ロットの薬品Mbが30枚充填され、薬品収容領域Sp2に第2ロットの薬品Mbが20枚充填され、充填必要量(50枚)を満たすことができる。このように、1個の薬品収容部671に有効期限の異なる薬品を収容する方法は、前記所定数の処方データが取得された時点において、当該有効期限の異なる薬品の全てを使用する処方が確保されていることを条件として適用されてもよい。
図50Dに示す例では、薬品Mbを充填可能な1個の薬品収容部671を示している。この薬品収容部671には、薬品収容領域Sp1、Sp2のいずれにも薬品Mbが収容されておらず、薬品Mbを収容する他の薬品収容部671各々には薬品収容領域Sp1に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されており、薬品収容領域Sp2に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されているものとする。すなわち、図50Dに示す薬品収容部671は空の薬品収容部である。また、調剤センター内における現時点の薬品Mbの在庫量として、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが25枚、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbが35枚保管されているものとする。
この場合、在庫量取得処理部613は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「25枚」と有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「35枚」とを取得し、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671の薬品収容領域Sp1の充填可能量「30枚」及び薬品収容領域Sp2の充填可能量「30枚」を取得する。決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「25枚」と、有効期限「T2」の在庫量「30枚」(薬品収容領域Sp2の最大充填可能量)とを充填量として決定する。すなわち、決定処理部615は、第1有効期限(第1ロット)及び第2有効期限(第2ロット)を決定する。また、決定処理部615は、前記第1有効期限に対応する前記第1充填可能量(ここでは「30枚」)が前記第1在庫量(ここでは「25枚」)以上であって、かつ、薬品収容部671に前記第2有効期限の前記対象薬品を充填可能な第2充填可能量(ここでは「30枚」)が前記第2在庫量(ここでは「35枚」)以下である場合に、前記第1在庫量(「25枚」)を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定し、前記第2充填可能量(「30枚」)を前記第2有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する。
他の実施形態として、薬品特定処理部612が算出した薬品Mbの充填必要量が「40枚」の場合に、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「25枚」と有効期限「T2」の在庫量「15枚」とを充填量として決定してもよい。
図50Eに示す例では、薬品Mbを充填可能な1個の薬品収容部671を示している。この薬品収容部671には、薬品収容領域Sp1に有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが25枚収容されており、薬品収容領域Sp2に薬品Mbが収容されておらず、薬品Mbを収容する他の薬品収容部671各々には薬品収容領域Sp1に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されており、薬品収容領域Sp2に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されているものとする。また、調剤センター内における現時点の薬品Mbの在庫量として、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが25枚、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbが15枚保管されているものとする。
この場合、在庫量取得処理部613は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「25枚」と有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「15枚」とを取得し、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671の薬品収容領域Sp1の充填可能量「5枚」及び薬品収容領域Sp2の充填可能量「30枚」を取得する。なお、薬品収容領域Sp1には既に有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが収容されているため、充填可能量取得処理部614は、薬品収容領域Sp1については、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbの充填可能量を取得する。一方、薬品収容領域Sp2には薬品Mbが収容されていないため、充填可能量取得処理部614は、薬品収容領域Sp2については、有効期限「T1」(第1ロット)及び有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbの充填可能量を取得する。薬品払出装置6は有効期限が早い薬品を優先して払い出すため、決定処理部615は、有効期限「T1」(第1ロット)及び有効期限「T2」(第2ロット)のうち、有効期限「T1」(第1ロット)を決定する。また、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「25枚」を充填量として決定する。この場合、25枚の薬品Mbのうち5枚の薬品Mbは薬品収容領域Sp1に充填され、残りの20枚の薬品Mbは薬品収容領域Sp2に充填される。ここで、薬品特定処理部612が算出した薬品Maの充填必要量が在庫量よりも多い場合(例えば充填必要量が「40枚」の場合)でも、決定処理部615は、有効期限が早い薬品を優先して、有効期限「T1」の在庫量「25枚」のみを充填量として決定する。
他の実施形態として、薬品特定処理部612が算出した薬品Maの充填必要量が「20枚」の場合には、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「20枚」を充填量として決定してもよい。
このように、制御部61は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量が薬品収容領域Sp1の充填可能量を超える場合に、薬品収容領域Sp1及び薬品収容領域Sp2のそれぞれに有効期限「T1」(第1ロット)の対象薬品を充填可能な充填量を決定してもよい(図50E参照)。一方、制御部61は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量が薬品収容領域Sp1の充填可能量以下の場合に、薬品収容領域Sp1に有効期限「T1」(第1ロット)の前記対象薬品を充填可能な充填量と、薬品収容領域Sp2に有効期限「T2」(第2ロット)の前記対象薬品を充填可能な充填量とを決定してもよい(図50C及び図50D参照)。
図50Fに示す例では、薬品Mbを充填可能な1個の薬品収容部671を示している。この薬品収容部671には、薬品収容領域Sp1に有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが25枚収容されており、薬品収容領域Sp2に有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbが10枚収容されており、薬品Mbを収容する他の薬品収容部671各々には薬品収容領域Sp1に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されており、薬品収容領域Sp2に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されているものとする。また、調剤センター内における現時点の薬品Mbの在庫量として、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが25枚、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbが15枚保管されているものとする。
この場合、在庫量取得処理部613は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「25枚」と有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「15枚」とを取得し、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671の薬品収容領域Sp1の有効期限「T1」(第1ロット)の充填可能量「5枚」及び薬品収容領域Sp2の有効期限「T2」(第2ロット)の充填可能量「20枚」を取得する。決定処理部615は、有効期限「T1」(第1ロット)及び有効期限「T2」(第2ロット)を決定し、有効期限「T1」の在庫量「5枚」と、有効期限「T2」の在庫量「15枚」とを充填量として決定する。この場合、第1ロットの5枚の薬品Mbは薬品収容領域Sp1に充填され、第2ロットの15枚の薬品Mbは薬品収容領域Sp2に充填される。
他の実施形態として、薬品特定処理部612が算出した薬品Maの充填必要量が「10枚」の場合に、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「5枚」と有効期限「T2」の在庫量「5枚」とを充填量として決定してもよい。
図50Gに示す例では、薬品Mbを充填可能な2個の薬品収容部671を示している。第1の薬品収容部671には、薬品収容領域Sp1に有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが25枚収容されており、薬品収容領域Sp2には薬品が収容されておらず、第2の薬品収容部671には、薬品収容領域Sp1、Sp2のいずれにも薬品Mbが収容されていないものとする。薬品Mbを収容する他の薬品収容部671各々には薬品収容領域Sp1に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されており、薬品収容領域Sp2に最大収容可能量「30枚」の薬品Mbが収容されているものとする。また、調剤センター内における現時点の薬品Mbの在庫量として、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが80枚、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbが40枚保管されているものとする。
この場合、在庫量取得処理部613は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「80枚」と有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「40枚」とを取得し、充填可能量取得処理部614は、第1の薬品収容部671について、薬品収容領域Sp1の有効期限「T1」(第1ロット)の充填可能量「5枚」及び薬品収容領域Sp2の充填可能量「30枚」を取得し、第2の薬品収容部671について、薬品収容領域Sp1の充填可能量「30枚」及び薬品収容領域Sp2の充填可能量「30枚」を取得する。すなわち、充填可能量取得処理部614は、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbの充填可能量として「95枚」を取得し、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbの充填可能量として「90枚」を取得する。決定処理部615は、有効期限「T1」(第1ロット)及び有効期限「T2」(第2ロット)のうち、有効期限が早い第1有効期限(第1ロット)を決定する。また、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「80枚」を充填量として決定する。この場合、第1の薬品収容部671の薬品収容領域Sp1に第1ロットの5枚の薬品Mbが充填され、第1の薬品収容部671の薬品収容領域Sp2に第1ロットの30枚の薬品Mbが充填され、第2の薬品収容部671の薬品収容領域Sp1に第1ロットの30枚の薬品Mbが充填され、第2の薬品収容部671の薬品収容領域Sp2に第1ロットの15枚の薬品Mbが充填される。薬品特定処理部612が算出した薬品Maの充填必要量が在庫量よりも多い場合(例えば充填必要量が「90枚」の場合)でも、決定処理部615は、有効期限「T1」の在庫量「80枚」を充填量として決定する。
他の実施形態として、薬品特定処理部612が算出した薬品Maの充填必要量が「90枚」の場合に、決定処理部615は、有効期限「T1」及び有効期限「T2」を決定し、有効期限「T1」の在庫量「65枚」と、有効期限「T2」の在庫量「15枚」とを充填量として決定してもよい。この場合、第1の薬品収容部671の薬品収容領域Sp1に第1ロットの5枚の薬品Mbが充填され、第1の薬品収容部671の薬品収容領域Sp2に第1ロットの30枚の薬品Mbが充填され、第2の薬品収容部671の薬品収容領域Sp1に第1ロットの30枚の薬品Mbが充填され、第2の薬品収容部671の薬品収容領域Sp2に第2ロットの25枚の薬品Mbが充填される。これにより、充填必要量の90枚を満たすことができる。
図50C~図50Gに示した例では、薬品収容部671が2個の薬品収容領域Sp1、Sp2に区画されている場合(図46A参照)を示したが、薬品収容部671が4個の薬品収容領域Sp1~Sp4に区画されている場合(図46B参照)にも同様に充填量を決定することができる。図50Hには、薬品収容部671が4個の薬品収容領域Sp1~Sp4に区画されている場合の充填量の決定方法の一例を示している。
薬品収容部671aには、薬品収容領域Sp1に有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが20枚収容されており、薬品収容領域Sp2に有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが最大収容可能量である30枚収容されている。また、ここでは、薬品が収容されていない空の薬品収容部671b(フリーカセット)が1個存在する。また、調剤センター内における現時点の薬品Mbの在庫量として、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが30枚、有効期限「T2」(第2ロット)の薬品Mbが80枚、有効期限「T3」(第3ロット)の薬品Mbが300枚保管されている。
この場合、在庫量取得処理部613は、有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「30枚」と有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「80枚」と有効期限「T3」(第3ロット)の在庫量「300枚」とを取得する。充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671aについて、薬品収容領域Sp1の充填可能量「10枚」、薬品収容領域Sp2の充填可能量「0枚」、薬品収容領域Sp3の充填可能量「30枚」、薬品収容領域Sp4の充填可能量「30枚」を取得する。なお、薬品収容部671aの薬品収容領域Sp1には既に有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbが収容されているため、充填可能量取得処理部614は、薬品収容領域Sp1については、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbの充填可能量を取得する。一方、薬品収容部671aの薬品収容領域Sp3、Sp4には薬品Mbが収容されていないため、充填可能量取得処理部614は、薬品収容領域Sp3、Sp4については、有効期限「T1」(第1ロット)、有効期限「T2」(第2ロット)、及び有効期限「T3」(第3ロット)の薬品Mbの充填可能量を取得する。
また、充填可能量取得処理部614は、薬品収容部671bについて、薬品収容領域Sp1~Sp4のそれぞれの充填可能量「30枚」を取得する。
薬品払出装置6が有効期限の早い薬品を優先して払い出す場合、決定処理部615は、先ず有効期限「T1」の在庫量「30枚」を充填量として決定する。この場合、30枚の薬品Mbのうち10枚の薬品Mbは薬品収容部671aの薬品収容領域Sp1に充填され、残りの20枚の薬品Mbは薬品収容部671aの薬品収容領域Sp3に充填される。
次に、決定処理部615は、有効期限「T2」の在庫量「80枚」を充填量として決定する。この場合、80枚の薬品Mbのうち30枚の薬品Mbは薬品収容部671aの薬品収容領域Sp4に充填され、残りの50枚の薬品Mbのうち30枚の薬品Mbは薬品収容部671bの薬品収容領域Sp1に充填され、残りの20枚の薬品Mbは薬品収容部671bの薬品収容領域Sp2に充填される。
次に、決定処理部615は、有効期限「T3」の在庫量「60枚」を充填量として決定する。この場合、60枚の薬品Mbのうち30枚の薬品Mbは薬品収容部671bの薬品収容領域Sp3に充填され、残りの30枚の薬品Mbは薬品収容部671bの薬品収容領域Sp4に充填される。
このように、図50Hの例では、薬品収容部671a及び薬品収容部671bにおける充填可能量に基づいて、調剤センター内における現時点の在庫量から充填すべき充填量として、有効期限「T1」の在庫量「30枚」、有効期限「T2」の在庫量「80枚」、及び有効期限「T3」の在庫量「60枚」を決定する。
なお、上述の各例において、前記充填量を含めた薬品払出装置6内の在庫量(装置内在庫量)が前記合計処方量未満の場合に、制御部61は、充填可能な薬品収容部671が新たに出現した時点(薬品収容部671から薬品が払い出された時点など)で再度、充填量を決定してもよい。
出力処理部616は、決定処理部615により決定される有効期限の対象薬品の充填量を出力する。具体的には、出力処理部616は、前記充填量の情報をセンター側調剤支援装置5に出力する。また、出力処理部616は、前記充填量に基づく充填指示をセンター側調剤支援装置5に出力する。出力処理部616は、本発明の出力処理部の一例である。
センター側調剤支援装置5の制御部51は、薬品払出装置6から前記充填指示を取得する。制御部51は、前記充填指示に基づいて、充填対象の薬品の保管場所(保管棚、調剤機器DSなど)を示す識別情報、当該薬品の識別情報、充填量(出庫量)、充填対象機器(薬品払出装置6など)の情報を含む充填払出指示(出庫指示)を作成して充填作業者の携帯端末6Cに送信する。なお、制御部51は、前記充填払出指示に複数種類の薬品が含まれる場合に、複数種類の薬品のそれぞれの保管部の位置に基づいて出庫順を決定してもよい。例えば、制御部51は、複数種類の薬品のそれぞれの保管場所を最短距離で移動可能な出庫順を決定する。また、保管棚エリアAR2に通行ルートが予め設定されている場合には、制御部51は、当該通行ルートに従って移動距離が最短距離となる出庫順、又は、移動時間が最短時間となる出庫順を決定する。
携帯端末6Cは、入庫作業者が利用する携帯端末5Cと同一の機能を備えてもよい。携帯端末6Cは、前記充填払出指示(出庫指示)を受信すると充填作業画面P61を表示させる。図51に示すように、充填作業画面P61には、充填対象の機器(ここでは「PTP払出装置(1号機)」)を示す情報、充填対象の薬品の識別情報(薬品名など)、充填対象の薬品が保管されている保管部の識別情報(名称、収納棚の番号など)、保管部から出庫した薬品を収容する収容ボックスの識別情報(収容ボックス番号)などが表示される。
充填作業者は、充填作業画面P61を確認して充填作業を行う。例えば、充填作業者は、前記充填払出指示に含まれる薬品M1の保管場所(例えば保管棚A1)まで移動すると、薬品の収納棚(例えば収納棚A12)に配置(貼付)された二次元コードBs1(図36参照)を携帯端末6Cで読み取り、続けて薬品M1の二次元コードを携帯端末6Cで読み取る。制御部51は、収納棚A12に配置された二次元コードBs1から読み取られた収納棚番号と、薬品M1の二次元コードから読み取られた薬品IDとが、前記充填払出指示に含まれる収納棚番号及び薬品IDと一致する場合に、携帯端末6Cに出庫位置が正しいことを示す情報を表示させる。これにより、充填作業者は、薬品M1を正しく出庫することができる。一方、制御部51は、前記各情報が一致しない場合に、携帯端末6Cに出庫位置が正しくないことを示すエラー情報を表示させる。これにより、充填作業者は、薬品M1の出庫位置が間違えていることを認識することができる。
充填作業者は、収納棚A12から薬品M1を取り出すと、収容ボックスに配置(貼付)された二次元コードを携帯端末6Cで読み取る。これにより、薬品M1に収容ボックスの識別情報が関連付けられる。また制御部51は、読み取った収容ボックスの識別情報(収容ボックス番号)を充填作業画面P61に表示させる。このようにして、充填作業者は、充填作業画面P61に表示された複数種類の薬品のそれぞれについて、保管部から収容ボックスに収容する出庫作業を行う。充填作業に利用される前記収容ボックスは、入荷作業に利用される収容ボックスC0(図27参照)、入庫作業に利用される収容ボックスC1(図29参照)のいずれかと同一の収容ボックス(折りたたみコンテナ)であってもよい。
充填作業者は、前記出庫作業が完了すると、前記収容ボックスを充填対象機器(ここでは「PTP払出装置(1号機)」)まで運び、充填作業を行う。例えば、充填作業者は、前記収容ボックス内の各薬品をシート払出装置の薬品収容部671に充填し、薬品が充填された薬品収容部671を薬品払出装置6にセットする。
薬品払出装置6の制御部61は、薬品が充填されると、収容部マスター621(図48参照)の各情報を更新する。以上のようにして、制御部61は、充填処理を実行する。他の実施形態として、制御部51は、前記充填払出指示(出庫指示)を調剤機器DSに出力してもよい。調剤機器DSは、薬品払出装置6から前記充填払出指示を受信すると対象の薬品を払い出す。調剤機器DSは、払い出した薬品の充填先(薬品払出装置6)を確認する画面を表示させてもよい。充填作業者は調剤機器DSから払い出された薬品を薬品払出装置6に充填する。
制御部61は、上述の処理に加えて、薬品の払出処理を実行する。例えば、制御部61は、前記処方データに基づいて薬品収容部671から薬品を払い出すための処理を実行する。具体的に、制御部61は、前記処方データ及び収容部マスター621などに基づいて、前記処方データに含まれる薬品識別情報が示す薬品に対応する薬品収容部671を特定する。そして、制御部61は、特定した薬品収容部671から、前記処方データに示されている処方量に応じた数の薬品を払い出す。制御部61は、薬品を払い出すと収容部マスター621の各情報を更新する。
また、制御部61は、所定数の処方データに対応する前記合計処方量が薬品払出装置6の前記合計収容量を超える場合に、当該処方データの薬品(対象薬品)の充填処理を実行し、充填処理後に対象薬品の払出処理を実行する。また、制御部61は、所定数の処方データに対応する前記合計処方量が薬品払出装置6の前記合計収容量以下の場合に、前記充填処理を省略して、当該処方データの薬品の払出処理を実行する。
また、制御部61は、充填が必要な薬品の一覧を示す充填リストを印刷部68によって印刷してもよい。これにより、充填作業者は、前記充填リストを参照することにより、薬品払出装置6に充填する必要のある薬品を容易に判断することができる。
[薬品充填処理]
以下、図52を参照しつつ、薬品払出装置6の制御部61によって実行される薬品充填処理の一例について説明する。なお、前記薬品充填処理は、薬品払出装置6の電源が投入された後、所定の開始操作に応じて制御部61によって開始される。なお、本発明は、前記薬品充填処理の処理手順の一部又は全部を実行する調剤支援方法、又は当該調剤支援方法を薬品払出装置6等のコンピュータに実行させるための前記調剤支援プログラムの発明として捉えられてもよい。
<ステップS601>
まず、ステップS601において、制御部61は、センター側調剤支援装置5又は上位システム7から入力される複数の処方データから所定数の処方データを取得する。例えば、制御部61は、複数の処方データから所定数(例えば10処方)の処方データを抽出する。制御部61は、所定数の処方データを取得すると、処理をステップS602に移行させる。なお、制御部61は、センター側調剤支援装置5又は上位システム7から入力される複数の処方データについて、所定数の処方データを取得するごとに以降の処理を実行する。
<ステップS602>
ステップS602において、制御部61は、取得した所定数の処方データに基づいて、処方対象の薬品の合計処方量を算出する。具体的には、制御部61は、取得した所定数の処方データのそれぞれに含まれる薬品の処方量を集計して、薬品ごとに合計処方量を算出する。例えば図49に示すように、制御部61は、10処方の処方データ(処方データ1~10)を集計して、薬品ごとに合計処方量を算出する。
<ステップS603>
ステップS603において、制御部61は、薬品払出装置6に充填する対象薬品を特定する。具体的には、制御部61は、ステップS602において算出した前記合計処方量と、薬品払出装置6に収容されている薬品の合計収容量(装置内在庫量)とに基づいて、充填する必要のある前記対象薬品を特定する。例えば、前記処方データに含まれる薬品Maについて、制御部61は、薬品Maを払い出す薬品払出装置6(シート払出装置)の収容部マスター621(図48参照)を参照して、薬品収容部671各々に収容済みの薬品Maの合計収容量を算出する。また、制御部61は、10処方における薬品Maの合計処方量と、薬品払出装置6に収容されている薬品Maの合計収容量とを比較し、前記合計処方量が前記合計収容量よりも多い場合に、薬品Maを前記対象薬品として特定する。
制御部61は、所定数の処方データのそれぞれに含まれる薬品ごとに、前記対象薬品であるか否かを判定する。なお、制御部61は、前記合計処方量が前記合計収容量を超える薬品を充填が必要な薬品(対象薬品)と判断し、前記合計処方量が前記合計収容量未満の薬品を充填が不要な薬品(非対象薬品)と判断する。
<ステップS604>
ステップS604において、制御部61は、所定数の処方データに前記対象薬品が含まれるか否かを判定する。制御部61は、所定数の処方データに前記対象薬品が含まれると判定すると(S604:Yes)、処理をステップS605に移行させる。一方、制御部61は、所定数の処方データに前記対象薬品が含まれない(所定数の処方データの各薬品が非対象薬品である)と判定すると(S604:No)、処理をステップS612に移行させる。
<ステップS605>
ステップS605において、制御部61は、前記対象薬品について充填必要量を算出する。具体的には、制御部61は、ステップS602において算出した前記合計処方量から、薬品払出装置6に収容されている薬品の合計収容量を減算した量を充填必要量として算出する。なお、前記充填必要量の算出方法は、これに限定されず他の方法(後述)であってもよい。
<ステップS606>
ステップS606において、制御部61は、センター側調剤支援装置5又は上位システム7に対して、調剤センター内における前記対象薬品の在庫量の問い合わせを行う。また、制御部61は、前記対象薬品の有効期限別の在庫量を問い合わせる。前記問い合わせには、少なくとも薬品払出装置6の識別情報と、前記対象薬品の識別情報とが含まれる。また、前記問い合わせに、前記充填必要量の情報が含まれてもよい。
例えば、センター側調剤支援装置5の制御部51は、薬品払出装置6(シート払出装置)から対象薬品である薬品Maの在庫量の問い合わせを受信すると、記憶部52を参照して薬品Maの薬品情報に含まれる在庫量の情報を取得して薬品払出装置6に送信する。前記薬品情報には、薬品の識別情報、当該薬品の有効期限別の在庫量、当該薬品のロット番号別の在庫量の情報が含まれる。他の実施形態として、上位システム7が、前記問い合わせを受信して、薬品Maの薬品情報に含まれる在庫量の情報を薬品払出装置6に送信してもよい。
<ステップS607>
ステップS607において、制御部61は、前記対象薬品の在庫量を取得したか否かを判定する。制御部61は、センター側調剤支援装置5又は上位システム7から前記対象薬品の有効期限別又はロット番号別の在庫量を取得すると(S607:Yes)、処理をステップS608に移行させる。制御部61は、センター側調剤支援装置5又は上位システム7から前記対象薬品の有効期限別又はロット番号別の在庫量を取得するまで待機する(S607:No)。
<ステップS608>
ステップS608において、制御部61は、薬品払出装置6に実装される薬品収容部671に前記対象薬品を充填可能な充填可能量を算出する。具体的には、制御部61は、薬品払出装置6に実装される前記対象薬品の薬品収容部671各々の最大収容可能量の合計から、薬品収容部671各々に収容済みの前記対象薬品の収容量の合計を減算して充填可能量を算出する。
また、薬品払出装置6に有効期限(ロット番号)が異なる前記対象薬品が収容されている場合に、制御部61は、有効期限別に前記対象薬品の充填可能量を算出する。例えば、制御部61は、有効期限「T1」の薬品Maの充填可能量と、有効期限「T2」の薬品Maの充填可能量とを算出する。例えば、薬品収容部671に有効期限「T1」の薬品Maが最大収容可能量未満の量だけ収容されている場合に、制御部61は、最大収容可能量から収容量を減算した量を当該薬品収容部671における有効期限「T1」の薬品Maの充填可能量とする。また薬品収容部671に有効期限「T2」の薬品Maが最大収容可能量未満の量だけ収容されている場合に、制御部61は、最大収容可能量から収容量を減算した量を当該薬品収容部671における有効期限「T2」の薬品Maの充填可能量とする。空の薬品収容部671について、制御部61は、有効期限を制限することなく、最大収容可能量を当該薬品収容部671の充填可能量とする。
<ステップS609>
ステップS609において、制御部61は、保管部に保管(在庫)された対象薬品の有効期限(ロット)のうち薬品収容部671(薬品収容領域)に充填すべき前記対象薬品の有効期限(ロット)と、薬品払出装置6に充填する前記対象薬品の充填量を決定する。具体的には、制御部61は、ステップS607において取得した前記在庫量、及び、ステップS608において算出した前記充填可能量に基づいて、有効期限のうち薬品収容部671に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、前記在庫量のうち当該有効期限に対応する薬品収容部671に充填すべき前記対象薬品の充填量とを決定する。
また、制御部61は、前記対象薬品の在庫量に、第1有効期限(第1ロット)の第1在庫量と、第2有効期限(第2ロット)の第2在庫量とが含まれている場合に、前記第1在庫量と、薬品収容部671に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な第1充填可能量とに基づいて、前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する。このように、制御部61は、有効期限の早い薬品(第1有効期限の対象薬品)の在庫を優先して薬品収容部671に割り当てる。
例えば、制御部61は、前記対象薬品(薬品Ma)の在庫量のうち有効期限の早い薬品Ma(有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Ma)の在庫量を、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Maを充填可能な薬品収容部671(薬品収容領域Sp)の充填可能量に割り当てる(図50A及び図50B参照)。
また例えば、制御部61は、前記対象薬品(薬品Mb)の在庫量のうち有効期限の早い薬品Mb(有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mb)の在庫量を、有効期限「T1」(第1ロット)の薬品Mbを充填可能な薬品収容部671(薬品収容領域Sp1、Sp2)の充填可能量に割り当てる(図50C~図50G参照)。
なお、制御部61は、有効期限の要素を優先して前記在庫量を前記充填可能量に割り当ててもよいし、充填量の要素を優先して前記在庫量を前記充填可能量に割り当ててもよい。例えば有効期限の要素を優先する場合には、制御部61は、図53Aに示すように、薬品Mbの有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「40枚」を充填量に決定して、このうち30枚を薬品収容領域Sp1に割り当て、残りの10枚を薬品収容領域Sp2に割り当てる。一方、充填量の要素を優先する場合には、制御部61は、図53Bに示すように、薬品Mbの有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「30枚」と、薬品Mbの有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「30枚」とを充填量に決定して、有効期限「T1」(第1ロット)の30枚を薬品収容領域Sp1に割り当て、有効期限「T2」(第2ロット)の30枚を薬品収容領域Sp2に割り当てる。なお、薬品Mbの充填必要量が「50枚」の場合には、制御部61は、図53Aに示す例では、薬品Mbの有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「40枚」を薬品収容領域Sp1、Sp2に割り当て、図53Bに示す例では、薬品Mbの有効期限「T1」(第1ロット)の在庫量「30枚」を薬品収容領域Sp1に割り当て、薬品Mbの有効期限「T2」(第2ロット)の在庫量「20枚」を薬品収容領域Sp2に割り当てる。図53Aに示す例では、有効期限の早い薬品の在庫を減らすことができる一方、図53Bに示す例では、充填量(薬品払出装置6全体の収容量)を増やすことができる。
<ステップS610>
ステップS610において、制御部61は、ステップS609において決定した充填量に基づく薬品の充填指示を出力する。例えば、制御部61は、前記充填指示をセンター側調剤支援装置5又は上位システム7に出力する。
例えば、センター側調剤支援装置5の制御部51は、薬品払出装置6から前記充填指示を取得すると、前記充填指示に基づいて、充填対象の薬品の保管場所(保管棚、調剤機器DSなど)を示す識別情報、当該薬品の識別情報、充填量(出庫量)、充填対象機器(薬品払出装置6など)を含む充填払出指示(出庫指示)を作成して充填作業者の携帯端末6Cに送信する。また、制御部51は、薬品払出装置6各々から前記充填指示を取得して、前記充填指示各々に応じて前記充填払出指示を出力する。
充填作業者は、携帯端末6Cに表示される充填作業画面P61(図51参照)を確認して充填作業を行う。例えば、充填作業者は、前記充填払出指示に含まれる薬品の保管場所(収納棚)まで移動して、収納棚に配置された二次元コードBs1(図36参照)を携帯端末6Cで読み取り、続けて当該薬品の二次元コードを携帯端末6Cで読み取る。制御部51は、収納棚に配置された二次元コードBs1から読み取られた収納棚番号と、薬品の二次元コードから読み取られた薬品IDとが、前記充填払出指示に含まれる収納棚番号及び薬品IDと一致する場合に、携帯端末6Cに出庫位置が正しいことを示す情報を表示させる。一方、制御部51は、前記各情報が一致しない場合に、携帯端末6Cに出庫位置が正しくないことを示すエラー情報を表示させる。
充填作業者は、収納棚から薬品を取り出すと、収容ボックスに配置された二次元コードを携帯端末6Cで読み取る。これにより、薬品に収容ボックスの識別情報が関連付けられる。このようにして、充填作業者は、充填作業画面P61に表示された複数の薬品のそれぞれについて、保管場所から収容ボックスに収容する出庫作業を行う。
充填作業者は、前記出庫作業が完了すると、前記収容ボックスを薬品払出装置6まで運び、充填作業を行う。例えば、充填作業者は、前記収容ボックス内の各薬品を薬品払出装置6の薬品収容部671に充填し、薬品が充填された薬品収容部671を薬品払出装置6にセットする。
<ステップS611>
ステップS611において、制御部61は、充填処理が終了したか否かを判定する。充填作業者が、前記収容ボックス内の各薬品を薬品払出装置6の薬品収容部671に充填して当該薬品収容部671を薬品払出装置6にセットすると、制御部61は、充填処理が終了したと判定する。制御部61は、前記充填処理が終了したと判定すると(S611:Yes)、処理をステップS612に移行させる。制御部61は、前記充填処理が終了するまで待機する(S611:No)。
<ステップS612>
ステップS612において、制御部61は、前記処方データに基づいて薬品払出装置6から薬品を払い出す払出処理を実行する。具体的には、制御部61は、前記処方データ及び収容部マスター621(図48参照)などに基づいて、前記処方データに含まれる薬品識別情報が示す薬品に対応する薬品収容部671を特定する。そして、制御部61は、特定した薬品収容部671から、前記処方データに示されている処方量に応じた数の薬品を払い出す。制御部61は、薬品を払い出すと収容部マスター621の各情報を更新する。
このように、ステップS604において、制御部61は、薬品払出装置6に充填する必要のある対象薬品が存在すると判定すると(S604:Yes)、上述の充填処理(ステップS605~S611)を実行した後に前記払出処理を実行する。一方、ステップS604において、制御部61は、薬品払出装置6に充填する必要のある対象薬品が存在しないと判定すると(S604:No)、前記充填処理を行うことなく前記払出処理を実行する。なお、制御部61は、前記充填処理と前記払出処理とを並行して実行してもよい。
また、制御部61は、所定数の処方データ(例えば、10処方の処方データ)を取得するごとに前記薬品充填処理を繰り返し実行する。
以上説明したように、調剤支援システム60は、対象薬品の有効期限別の在庫量と、前記調剤機器の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定し、決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する。
上記構成によれば、調剤支援システム60は、有効期限の早い薬品の在庫が優先して充填されるように有効期限を決定し、また決定した有効期限の薬品について薬品収容領域に収容可能な充填量を決定することができる。
これにより、調剤機器に充填可能な薬品の在庫に有効期限の異なる薬品が含まれる場合に、充填作業者は、調剤機器に充填すべき対象薬品の有効期限と、当該有効期限の対象薬品の充填量とを把握することができる。よって、充填作業者は、充填作業を効率よく行うことができる。
また、調剤支援システム60は、複数の処方データを集計して算出される薬品ごとの合計処方量と、調剤機器に収容されている薬品ごとの合計収容量とに基づいて、前記調剤機器に充填する前記対象薬品を特定してもよい。
上記構成によれば、例えば複数の処方データを集計した場合に対象薬品の合計処方量が調剤機器内の在庫量を超える場合であっても、調剤支援システム60は、当該対象薬品について、在庫量を現時点の充填可能量に適切に割り当てることができる。よって、複数の処方データについてまとめて充填作業を行うことができるため、充填作業の効率を向上させることが可能となる。
以下では、前記充填処理の他の実施形態について説明する。例えば、制御部61は、前記充填必要量を以下のように算出してもよい。まず、制御部61は、所定数(例えば10処方)の処方データに含まれる所定の薬品の合計処方量a1が、当該薬品を払い出す薬品払出装置6内の合計収容量a2(装置内在庫量)よりも多い場合(a1>a2)に、当該薬品の充填が必要と判断する。この場合、制御部61は、合計処方量a1が、薬品払出装置6全体で前記薬品を収容可能な上限量である上限収容可能量a3よりも多いか否かを判定する。例えば、薬品払出装置6内に前記薬品を収容する薬品収容部671がN個存在し、薬品収容部671各々の最大収容可能量が60枚である場合に、上限収容可能量a3は60×N(枚)となる。制御部61は、前記薬品の合計処方量a1が60×N(枚)よりも多い(a1>a3)か否かを判定する。
そして、前記薬品の合計処方量a1が上限収容可能量a3(60×N(枚))よりも多い(a1>a3)場合に、制御部61は、薬品が収容されていない空の薬品収容部671(フリーカセット)が必要であると判断する。ここで、制御部61は、空の薬品収容部671が存在する場合に、合計処方量a1から合計収容量a2を減算した量(a1-a2)を充填必要量とする。また、空の薬品収容部671(フリーカセット)が存在しない場合には、(a1-a3)分の薬品を薬品払出装置6に充填できないため、制御部61は、上限収容可能量a3から合計収容量a2を減算した量(a3-a2)を充填必要量とする。
このように、制御部61は、空の薬品収容部671(フリーカセット)が存在するか否かに基づいて充填必要量を算出してもよい。なお、制御部61は、空の薬品収容部671が存在しない場合に、払出処理に応じた払出量(払出予定量)に基づいて、空の薬品収容部671が出現するか否かを判定してもよい。
また、空の薬品収容部671(フリーカセット)が存在する場合であっても、前記薬品の合計処方量a1が上限収容可能量a3よりも多くなることも考えられる。例えば、空の薬品収容部671(フリーカセット)がM個存在する場合、上限収容可能量a3は、(60×N+60×M)(枚)となる。前記薬品の合計処方量a1が上限収容可能量a3(60×N+60×M(枚))よりも多い(a1>a3)場合には、空の薬品収容部671が存在する場合であっても、制御部61は、上限収容可能量a3から合計収容量a2を減算した量(a3-a2)を充填必要量とする。
また、他の実施形態として、センター側調剤支援装置5又は上位システム7は、薬品払出装置6から対象薬品の前記充填必要量の情報を受信した場合に、前記対象薬品の在庫量の情報を有効期限別又はロット番号別に送信(回答)してもよい。
また、他の実施形態として、制御部61は、所定数(例えば10処方)の処方データに含まれる複数の薬品のうち、所定の条件を満たす薬品を優先して前記充填処理を実行してもよい。例えば、制御部61は、10処方の処方データに含まれる複数の薬品のうち合計処方量が多い薬品、処方頻度が高い薬品、又は履歴情報から予想される薬品を優先して前記充填処理を実行してもよい。また例えば、制御部61は、前記複数の薬品のうち処方情報の一覧の第1順位の薬品から順に前記充填処理を実行してもよい。制御部61は、前記複数の薬品のそれぞれについて充填処理をシミュレーションして、各薬品の充填処理の最適な順番を決定してもよい。また、制御部61は、AIにより、調剤薬局から委託(調剤依頼)される薬品の種類を学習して、その日に委託される調剤薬局ごとの処方量を元に充填処理の優先度(順番)をシミュレーションして決定しても良い。
本実施形態に係る調剤支援システム60は、薬局からの調剤依頼(委託)を受け付ける調剤センターに適用される場合、処方データごとに薬品の調剤を完了させる必要はなく、当該処方データに対応する薬品を委託元(薬局など)に出荷する出荷予定日時までに調剤及び鑑査が完了していればよい。このため、制御部51は、前記出荷予定日時に基づいて、所定数の処方データをまとめて前記充填処理を実行することができる。例えば、10処方分の処方データについて並行して払出処理、充填処理、及び調剤処理を実行することができる。
また、他の実施形態として、センター側調剤支援装置5又は上位システム7が、薬品払出装置6の制御部61の各機能を備えてもよい。例えば、センター側調剤支援装置5の制御部51が、集計処理部611、薬品特定処理部612、在庫量取得処理部613、充填可能量取得処理部614、決定処理部615、出力処理部616を備え、所定数の処方データに基づいて、調剤機器に充填する対象薬品を特定し、薬品を保管する保管部における前記対象薬品の在庫量を有効期限別に取得し、前記調剤機器に実装される薬品収容部671に前記対象薬品を充填可能な充填可能量を取得し、前記在庫量及び前記充填可能量に基づいて、前記在庫量のうち薬品収容部671に充填すべき所定の有効期限の前記対象薬品の充填量を決定してもよい。また、制御部51は、前記対象薬品の充填量を決定すると、当該対象薬品の薬品払出装置6に前記充填量の情報を送信する。
なお、本発明に係る調剤支援システム、調剤支援方法、及び調剤支援プログラムにおいては、従来から行われている調剤薬局における調剤作業を、調剤センター、調剤工場など、調剤作業を一括管理可能なシステム化された調剤作業専門の機関又は施設に委託することを可能にしたものである。これにより、患者が訪れる調剤薬局では、薬剤師は可能な限り調剤作業という対物業務から離れ、患者への服薬指導、日々の患者の容態確認、患者との様々な健康に関するコミュニケーションなど「かかりつけ薬局」の充実化といった、対人業務に時間を割くための環境を創出することが可能となる。このことから、オンラインヘルスケアを含むヘルスケアDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献するだけでなく、「すべての人々の健康な生活を確保する」という、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
<付記1>
対象薬品の有効期限別の在庫量と、前記調剤機器の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する決定処理部と、
前記決定処理部により決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する出力処理部と、
を備える調剤支援システム。
<付記2>
前記調剤機器は複数の前記薬品収容領域を含み、
前記決定処理部は、前記薬品収容領域ごとに一つの前記有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する、
付記1に記載の調剤支援システム。
<付記3>
前記対象薬品の在庫量に、第1有効期限の第1在庫量と、有効期限が前記第1有効期限よりも遅い第2有効期限の第2在庫量とが含まれる場合に、
前記決定処理部は、前記第1在庫量と、前記薬品収容領域に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な第1充填可能量とに基づいて、前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する、
付記1又は2に記載の調剤支援システム。
<付記4>
前記決定処理部は、前記第1充填可能量が前記第1在庫量以下である場合に、前記第1充填可能量を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する、
付記3に記載の調剤支援システム。
<付記5>
前記決定処理部は、前記第1充填可能量が前記第1在庫量以上である場合に、前記第1在庫量を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する、
付記3又は4に記載の調剤支援システム。
<付記6>
前記決定処理部は、前記第1充填可能量が前記第1在庫量以上であって、かつ、前記薬品収容領域に前記第2有効期限の前記対象薬品を充填可能な第2充填可能量が前記第2在庫量以上である場合に、前記第1在庫量を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定し、前記第2在庫量を前記第2有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する、
付記3~5のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記7>
前記決定処理部は、前記第1充填可能量が前記第1在庫量以上であって、かつ、前記薬品収容領域に前記第2有効期限の前記対象薬品を充填可能な第2充填可能量が前記第2在庫量以下である場合に、前記第1在庫量を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定し、前記第2充填可能量を前記第2有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する、
付記3~6のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記8>
前記薬品収容領域に薬品が収容されていない場合に、
前記決定処理部は、前記対象薬品の前記有効期限別の在庫量と、前記薬品収容領域の最大収容可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する、
付記3~7のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記9>
前記薬品収容領域に所定量の前記第1有効期限の前記対象薬品が収容されている場合に、
前記決定処理部は、前記対象薬品の前記有効期限別の在庫量と、前記薬品収容領域の最大収容可能量から前記所定量を減算した量とに基づいて、前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する、
付記3~8のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記10>
前記調剤機器に実装される複数の薬品収容部のそれぞれは、複数の前記薬品収容領域を含み、
前記決定処理部は、前記薬品収容部ごとに一種類の前記対象薬品の充填量を決定し、かつ、前記薬品収容領域ごとに一つの前記有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する、
付記1~9のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記11>
前記対象薬品の在庫量に、第1有効期限の第1在庫量と、有効期限が前記第1有効期限よりも遅い第2有効期限の第2在庫量とが含まれる場合において、
前記薬品収容部は、第1薬品収容領域と第2薬品収容領域とを含み、
前記決定処理部は、
前記第1在庫量が前記第1薬品収容領域に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填可能量を超える場合に、前記第1薬品収容領域及び前記第2薬品収容領域のそれぞれに前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填量を決定し、
前記第1在庫量が前記第1薬品収容領域に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填可能量以下の場合に、前記第1薬品収容領域に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填量と、前記第2薬品収容領域に前記第2有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填量とを決定する、
付記10に記載の調剤支援システム。
<付記12>
複数の処方データを集計して算出される薬品ごとの合計処方量と、前記調剤機器に収容されている薬品ごとの合計収容量とに基づいて、前記調剤機器に充填する前記対象薬品を特定する特定処理部をさらに備える、
付記1~11のいずれかに記載の調剤支援システム。
<付記13>
前記調剤機器は、前記決定処理部と、前記出力処理部と、前記対象薬品の在庫量を管理する管理システムに対して、当該対象薬品の有効期限別の在庫量を問い合わせる在庫量取得処理部とを備え、
前記決定処理部は、前記問い合わせに対して前記管理システムから送信される前記対象薬品の有効期限別の在庫量と、前記対象薬品の前記充填可能量とに基づいて、前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定し、
前記出力処理部は、前記決定処理部により決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量の情報を含む前記対象薬品の充填指示を前記管理システムに出力する、
付記1~12のいずれかに記載の調剤支援システム。
1 :薬局側調剤支援装置
5 :センター側調剤支援装置
6 :薬品払出装置(調剤機器)
6C :携帯端末
7 :上位システム
60 :調剤支援システム
61 :制御部
62 :記憶部
611 :集計処理部
612 :薬品特定処理部
613 :在庫量取得処理部
614 :充填可能量取得処理部
615 :決定処理部
616 :出力処理部
67 :薬品払出部
671 :薬品収容部
621 :収容部マスター
Sp :収容領域
Sp1~Sp4:収容領域

Claims (15)

  1. 対象薬品の有効期限別の在庫量と、調剤機器の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する決定処理部と、
    前記決定処理部により決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する出力処理部と、
    を備える調剤支援システム。
  2. 前記調剤機器は複数の前記薬品収容領域を含み、
    前記決定処理部は、前記薬品収容領域ごとに一つの前記有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する、
    請求項1に記載の調剤支援システム。
  3. 前記対象薬品の在庫量に、第1有効期限の第1在庫量と、有効期限が前記第1有効期限よりも遅い第2有効期限の第2在庫量とが含まれる場合に、
    前記決定処理部は、前記第1在庫量と、前記薬品収容領域に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な第1充填可能量とに基づいて、前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する、
    請求項1に記載の調剤支援システム。
  4. 前記決定処理部は、前記第1充填可能量が前記第1在庫量以下である場合に、前記第1充填可能量を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する、
    請求項3に記載の調剤支援システム。
  5. 前記決定処理部は、前記第1充填可能量が前記第1在庫量以上である場合に、前記第1在庫量を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する、
    請求項3に記載の調剤支援システム。
  6. 前記決定処理部は、前記第1充填可能量が前記第1在庫量以上であって、かつ、前記薬品収容領域に前記第2有効期限の前記対象薬品を充填可能な第2充填可能量が前記第2在庫量以上である場合に、前記第1在庫量を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定し、前記第2在庫量を前記第2有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する、
    請求項3に記載の調剤支援システム。
  7. 前記決定処理部は、前記第1充填可能量が前記第1在庫量以上であって、かつ、前記薬品収容領域に前記第2有効期限の前記対象薬品を充填可能な第2充填可能量が前記第2在庫量以下である場合に、前記第1在庫量を前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量として決定し、前記第2充填可能量を前記第2有効期限の前記対象薬品の充填量として決定する、
    請求項3に記載の調剤支援システム。
  8. 前記薬品収容領域に薬品が収容されていない場合に、
    前記決定処理部は、前記対象薬品の前記有効期限別の在庫量と、前記薬品収容領域の最大収容可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する、
    請求項3に記載の調剤支援システム。
  9. 前記薬品収容領域に所定量の前記第1有効期限の前記対象薬品が収容されている場合に、
    前記決定処理部は、前記対象薬品の前記有効期限別の在庫量と、前記薬品収容領域の最大収容可能量から前記所定量を減算した量とに基づいて、前記第1有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する、
    請求項3に記載の調剤支援システム。
  10. 前記調剤機器に実装される複数の薬品収容部のそれぞれは、複数の前記薬品収容領域を含み、
    前記決定処理部は、前記薬品収容部ごとに一種類の前記対象薬品の充填量を決定し、かつ、前記薬品収容領域ごとに一つの前記有効期限の前記対象薬品の充填量を決定する、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の調剤支援システム。
  11. 前記対象薬品の在庫量に、第1有効期限の第1在庫量と、有効期限が前記第1有効期限よりも遅い第2有効期限の第2在庫量とが含まれる場合において、
    前記薬品収容部は、第1薬品収容領域と第2薬品収容領域とを含み、
    前記決定処理部は、
    前記第1在庫量が前記第1薬品収容領域に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填可能量を超える場合に、前記第1薬品収容領域及び前記第2薬品収容領域のそれぞれに前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填量を決定し、
    前記第1在庫量が前記第1薬品収容領域に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填可能量以下の場合に、前記第1薬品収容領域に前記第1有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填量と、前記第2薬品収容領域に前記第2有効期限の前記対象薬品を充填可能な充填量とを決定する、
    請求項10に記載の調剤支援システム。
  12. 複数の処方データを集計して算出される薬品ごとの合計処方量と、前記調剤機器に収容されている薬品ごとの合計収容量とに基づいて、前記調剤機器に充填する前記対象薬品を特定する特定処理部をさらに備える、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の調剤支援システム。
  13. 前記調剤機器は、前記決定処理部と、前記出力処理部と、前記対象薬品の在庫量を管理する管理システムに対して、当該対象薬品の有効期限別の在庫量を問い合わせる在庫量取得処理部とを備え、
    前記決定処理部は、前記問い合わせに対して前記管理システムから送信される前記対象薬品の有効期限別の在庫量と、前記対象薬品の前記充填可能量とに基づいて、前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定し、
    前記出力処理部は、前記決定処理部により決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量の情報を含む前記対象薬品の充填指示を前記管理システムに出力する、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の調剤支援システム。
  14. 一又は複数のプロセッサーが、
    対象薬品の有効期限別の在庫量と、調剤機器の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにより決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する出力ステップと、
    を実行する調剤支援方法。
  15. 対象薬品の有効期限別の在庫量と、調剤機器の薬品収容領域に充填可能な前記対象薬品の充填可能量とに基づいて、前記有効期限のうち前記薬品収容領域に充填すべき前記対象薬品の有効期限と、当該有効期限に対応する当該対象薬品の充填量とを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにより決定される前記有効期限の前記対象薬品の充填量を出力する出力ステップと、
    を一又は複数のプロセッサーに実行させるための調剤支援プログラム。
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