JP2024046786A - 音響信号処理装置、方法、及びプログラム - Google Patents

音響信号処理装置、方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、窓サイズの1/2や1/4といった、FFT/IFFT演算における処理単位の制限から外れた処理レートを選択可能とする。【解決手段】一般的な窓関数データから、サンプル毎に有意な値を有する有感帯と有感帯の両端に夫々サンプル毎に振幅値が0である不感帯とを有し、有感帯のサンプル長VLと2つの不感帯のサンプル長DLとを合わせた全体サンプル長WLがFFT又はIFFTの演算サンプル長に等しい変形窓関数データを得る変形窓関数算出処理が実行される。そして、入力波形データから又はIFFTの処理結果から取得した有感帯のVL長分の波形データの各サンプルに、変形窓関数データの有感帯の部分の対応するサンプルを乗算する窓掛け処理が実行される。【選択図】図3

Description

本発明は、入力音響信号データに所定サンプルからなるブロックの単位で時間域データから周波数域データへの変換を行い、周波数域データに対して加工処理を実行した後に、周波数域データから時間域データに戻して出力音響信号データとして出力する音響信号処理技術に関する。
例えば電子楽器の音源回路から出力される楽音波形データに対して、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を実行することにより、時間域データから周波数域データへの変換を行い、得られた周波数域の複素データに対して加工処理(例えば、データ圧縮処理/データ伸張処理)を実行し、その加工処理で得られる複素データに対してIFFT(inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理を実行することにより、時間域のデータに戻し、その時間域のデータを出力楽音波形データとして出力する音響信号処理技術がある。
上述のような音響信号処理技術が用いられる場合、特にリアルタイム性が要求される用途において、入力と出力の波形データのサンプルレートは同じ場合が多い。このとき、加工処理の処理レートを最適値(主に高レート化)にする目的で、加工処理の前提となるサンプルレートを別にすると入力及び出力時にそれぞれリサンプリング処理が必要になることから、加工処理が前提とするサンプルレートも入出力波形データに合わせて同じにすることが多い。
ここで、FFTやIFFTの演算を実行する音響信号処理では、ブロック単位のデータの両端のデータの値が隣接するブロックのデータの値と不連続になると、処理された波形データにノイズが乗ってしまう。このため、FFT処理の前段とIFFT処理の後段で波形データに窓関数と呼ばれるデータが乗算されて、ブロックの両端の波形データの振幅が0に近づくような窓掛け処理が実行されることにより、ノイズの発生を抑制している。
このような窓掛け処理に関連する技術としては従来、様々な技術が提案されている。例えば特許文献1に記載のノイズ除去装置は、窓をかけた結果、時間軸上で隣接するようになった所定ブロック数離れた2つのブロック間を接続した際に、それらの両ブロック間の接続点で不連続が生じた場合には、それら両ブロックの波形が近付くように補正することによって、サンプルの個数を元のままで演算量を殆ど増やさずに不連続を解消するものである。
特開2005-10544号公報
しかし、上述した音響信号処理においては、FFT処理の前段の窓掛け処理では、窓サイズの1/2に相当する時間遅延が発生し、IFFT処理の後段の合成処理における窓掛け処理でも窓サイズの1/2に相当する時間遅延が発生し、合計で窓サイズ分の時間遅延が発生するという課題があった。
また、FFT/IFFTに用いる窓サイズは2の累乗である必要があるという制限があり、更に、合成後に濁りの無い連続した波形を得るために窓サイズの1/2や1/4といった単位で波形データをずらして処理を行う手法が必要とされることから、一加工処理あたりのサンプル数、或いは一加工処理あたりの時間長である処理レートを最適な値に調整できないという課題があった。
そこで、本発明は、例えば、窓サイズの1/2や1/4といった、FFT/IFFT演算における処理単位の制限から外れた処理レートを選択可能とすることを目的とする。
態様の一例の信号処理装置は、窓関数データから、サンプル毎に有意な値を有する有感帯と前記有感帯の両端に対応する不感帯とを有し、前記有感帯のサンプル長と2つの前記不感帯のサンプル長とを合わせた全体サンプル長が高速フーリエ変換又は逆高速フーリエ変換の演算サンプル長に等しい変形窓関数データを得る変形窓関数導出算出部を備える。
本発明によれば、例えば窓サイズの1/2や1/4といった、FFT演算やIFFT演算における処理単位の制限から外れた処理レートを選択することが可能となる。
音響信号処理装置の実施形態が適用される電子楽器の例を示すブロック図である。 音響信号処理のメイン処理の例を示す図である。 変形窓関数データである入力窓関数データ/出力窓関数データのデータイメージ、及び入力波形窓データのデータ構成例を示す図である。 入力波形更新処理及び入力窓掛け処理の詳細例を示すフローチャートである。 出力波形窓データのデータ構成例を示す図である。 出力窓掛け処理及び出力波形合成処理の詳細例を示すフローチャートである。 出力波形データの合成を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本発明による音響信号処理装置の実施形態(以下「本実施形態」とも称する)は例えば、電子楽器において音響効果を付与する効果付与部に適用される。
図1は、本実施形態の音響信号処理装置が適用される電子楽器100の例を示すブロック図である。電子楽器100は、CPU(中央演算処理装置)101と、ROM(リードオンリーメモリ)102と、RAM(ランダムアクセスメモリ)103と、音源(TG:Tone Generator)104と、効果付与部である音響信号処理装置105と、鍵盤106と、ペダル107と、操作子108が、システムバス109に接続された構成を有する。
CPU101は、ROM102からRAM103にロードされた制御プログラムを実行することにより、鍵盤106や操作子108からの演奏操作情報に基づいて、音源104に発音指示を出す。
音源(TG)104は、上記発音指示に従って、ROM102又はRAM103から波形データを読み出すことにより、楽音データを生成する。この楽曲データは入力波形データとして音響信号処理装置105に入力される。音響信号処理装置105は、入力波形データに対して効果付加などの音響信号処理を実行し、その結果得られる出力波形データをサウンドシステム110に出力する。このとき、例えばペダル107が踏まれると、音響信号処理装置105が、入力波形データにリバーブなどの残響音付与やピアノの弦の共鳴音付与などの効果付与を実行する。この結果、音響信号処理装置105から出力された出力波形データは、サウンドシステム110において、デジタル-アナログ変換器によってアナログ出力波形信号に変換され、アナログアンプで増幅され、スピーカから放音される。
図2は、図1の音響信号処理装置105が実行する音響信号処理のメイン処理の例を示すフローチャートである。このフローチャートは、音響信号処理装置105内の特には図示しないDSP(Digital Signal Processor)等の信号処理プロセッサ(以下単に「プロセッサ」と称する)が、同じく特には図示しないメモリに記憶されている音響信号処理プログラムを実行する処理である。
プロセッサは、図2のメイン処理において、入力波形更新処理(ステップS201)、入力窓掛け処理(ステップS202)、FFT処理(ステップS203)、複素データ加工処理(ステップS204)、IFFT処理(ステップS205)、出力窓掛け処理(ステップS206)、及び出力波形合成処理(ステップS207)を順次実行する。
以上の各処理は、図1の音源(TG)104からの処理すべき入力波形データが無くなった場合、又はユーザ操作等により処理終了が指示されるまで、繰り返し実行される。
図3(a)は、本実施形態において使用される、変形窓関数データである入力窓関数データ/出力窓関数データのデータイメージを示す図、図3(b)は、入力波形窓データのデータ構成例を示す図である。
本実施形態ではまず、変形窓関数算出部(変形窓関数導出部)の機能である以下のような変形窓関数算出処理が実行されてよい。即ち、変形窓関数算出処理において、一般的なハニング窓(以下「通常ハニング窓」と称する)などの窓関数データ301から、サンプル毎に有意な値を有する有感帯とその有感帯の両端に夫々位置する(対応する)サンプル毎に振幅値が0である不感帯とを有し、有感帯のサンプル長VLと2つの不感帯のサンプル長DLとを合わせた全体サンプル長WLが、FFT又はIFFTの演算サンプル長に等しい変形窓関数データ302が得られる。
より具体的には、変形窓関数算出処理において、通常ハニング窓等の一般的な窓関数データ301から、第1のサンプル長VL′の有感帯とその有感帯の両端に夫々位置する(対応する)第2のサンプル長DL′の不感帯とを有し、第1のサンプル長VL′と2つの第2のサンプル長DL′とを合わせた第3のサンプル長WL′がFFTの演算サンプル長に等しい入力窓関数データ302′が得られる。
また変形窓関数算出処理において、窓関数データ302から、第4のサンプル長VL”の有感帯とその有感帯の両端に夫々位置する(対応する)第5のサンプル長DL”の不感帯とを有し、第4のサンプル長VL”と2つの第5のサンプル長DL”とを合わせた第6のサンプル長WL”がIFFTの演算サンプル長に等しい出力窓関数データ302”が得られる。
ここで、FFTとIFFTの演算サンプル長は等しくないように実施できるが、両者が等しければ、VL=VL′=VL”、DL=DL′=DL”、WL=WL′=WL”とすることができ、入力窓関数データ302′=出力窓関数データ302”とすることができる。
本実施形態では、以下の説明において、FFTとIFFTの演算サンプル長が等しいと仮定する。また、変形窓関数データ=入力窓関数データ=出力窓関数データ=302として説明する。そして、有感帯のサンプル長をVL、各不感帯のサンプル長をDL、全体の窓のサンプル長をWLとして説明する。
図3(a)において、通常ハニング窓データ301から入力/出力窓関数データ302を得る場合、以下のような具体的な数値を用いることができる。なお、以下の説明において「COS」はコサイン関数変換、「PI」は円周率値を意味する。
・通常ハニング窓関数データ301:
iを0~WL-1の範囲とし、
val=0.5-0.5*COS(2*PI*i/WL)
・変形窓関数データ=入力窓関数データ=出力窓関数データ=302の有感帯:
iをDL~DL+VL-1の範囲とし、
val=0.5-0.5*COS(2*PI*(i-DL)/VL)
・変形窓関数データ=入力窓関数データ=出力窓関数データ=302の不感帯:
iを0~DL-1、DL+VL~WL-1の範囲とし、
val=0.0
変形窓関数データ=入力窓関数データ=出力窓関数データ=302は例えば、図1の音響信号処理装置105内の特には図示しないメモリ内に保持される。
図3(b)は、入力波形窓データ(=302)のデータ構成例を示す図である。入力波形窓データは、入力波形データから取得した第1のサンプル長VL個分の波形データの各サンプルを保持する。入力波形窓データは例えば、図1の音響信号処理装置105内の特には図示しないメモリ内に保持する。ここで、以下の各物理量を定義する。
・サンプルレート SR(サンプル/秒)
・処理レート PR(/秒)
・ずらし量 窓サイズWLの1/4を基準として変形
また、処理単位を以下のように定義する。
・処理単位PU=SR/PR
図3(b)において、入力波形窓データの全サイズはWLであり、図3(a)の変形窓関数データに対応して、中央に有感帯、その両端に不感帯が設けられている。ここで、以下の関係が成立する。
・有感帯長VL=PU×4 (∵ずらし量が窓サイズの1/4であることが基準)
・不感帯長DL=(WL-VL)/2 (∵不感帯は2つあるから)
図2のステップS201の入力波形更新処理の説明において後述する、入力波形データの破棄、前詰め、及び格納は、図3(b)の入力波形窓データの有感帯に対して行われ、不感帯の値は常に0に保たれる。なお、本実施形態では、WL>VLが成立することを条件としている。
図4(a)は、図1のステップS201の入力波形更新処理の詳細処理例を示すフローチャートである。
プロセッサは、入力波形更新処理においてまず、図3(b)の入力波形窓データにおいて、処理単位PUサンプル分の古い入力波形データを破棄し、破棄後に残った古い入力波形データを古い順に前詰めする(図3(b)の有感帯において右側に詰める)(図4(a)のステップS401)。すなわち、残った3つのPUサンプルを1PU分右側に移動させる。
次に、プロセッサは、処理単位PUサンプルの新しい入力波形データを図1の音源(TG)104から取得する(図4(a)のステップS402)。
そして、プロセッサは、前詰めによって空いたスペース分、ステップS402で取得した処理単位PUサンプルの新しい入力波形データを、入力波形窓データの有感帯の最後尾に格納する(図4(a)のステップS403)。図3(b)の入力波形窓データの例では、有感帯の図面上左端の処理単位PUが最後尾となる。
図4(b)は、図2のステップS202の入力窓掛け処理の詳細例を示すフローチャートである。プロセッサはまず、上述した入力波形窓データの有感帯の各サンプルに、図3(a)に例示される入力窓関数データ302の有感帯の部分の対応するサンプルを乗算する(図4(b)のステップS411)。
そして、プロセッサは、FFT処理に対する入力バッファであるFFT入力データに、ステップS411で得られた入力波形窓データの乗算結果の各サンプルを格納する(図4(b)のステップS412)。FFT入力データは例えば、図1の音響信号処理装置105内の特には図示しないメモリ内に保持される。
図2の説明に戻り、図4(b)のフローチャートで例示される図2のステップS202の入力窓掛け処理の後に、プロセッサは、FFT処理を実行する(図2のステップS203)。プロセッサは、FFT処理において、高速フーリエ変換の処理を実行することにより、例えば図1の音響信号処理装置105内の特には図示しないメモリに記憶されている時間域のFFT入力データに対応する周波数域の複素データを得て、例えば上記メモリに保持する。
図2のステップS203のFFT処理の後、プロセッサは、例えば上記メモリに記憶された複素データに対して、例えば音響効果を付加するための加工処理を実行する(図2のステップS204)。
続いて、プロセッサは、上記ステップS204の加工処理の結果得られた複素データに対して、IFFT処理を実行する(図2のステップS205)。プロセッサは、IFFT処理において、例えば音響信号処理装置105内の特には図示しないメモリに保持されている加工処理結果である複素データに対して、逆高速フーリエ変換の処理を実行することにより、周波数域の上記複素データを時間域の波形データに逆変換して、逆変換波形データを得る。プロセッサは、この逆変換波形データを、例えば上記メモリ内のIFFT出力データとして保持する。
続いて、出力波形データの出力処理について説明する。出力側の処理においては、出力波形窓データが例えば図1の音響信号処理装置105内の特には図示しないメモリに保持される。図5は、出力波形窓データのデータ構成例を示す図である。図3(b)の入力波形窓データに対応して、出力波形窓データは、出力波形データのためのサンプル長がVL個分の波形データの各サンプルを保持する。WL、VL、DLの諸元は、図3(b)の入力波形窓データの場合と同じである。そして、図2のステップS207の出力波形合成処理の説明において後述する、出力波形データの破棄、前詰め、及び格納は、図5の出力波形窓データの有感帯に対して行われ、不感帯の値は常に0に保たれる。
図6(a)は、図2のステップS205のIFFT処理に引き続いてプロセッサが実行する、ステップS206の出力窓掛け処理の詳細例を示すフローチャートである。まず、プロセッサは、IFFT出力データに得られているWLサンプル長の逆変換波形データの各サンプルに、図3(a)の出力窓関数データ302の対応するサンプルを乗算する(図6(a)のステップS601)。なお、前述したように、本実施形態では、出力窓関数データ=入力窓関数データ=変形窓関数データ=302を仮定している。
そして、プロセッサは、ステップS601での乗算の結果得られるWLサンプル長の波形データを、IFFT出力データに上書きして格納する(図6(a)のステップS602)。
図6(b)は、上記図6(a)のフローチャートで示される図2のステップS206の出力窓掛け処理に引き続いてプロセッサが実行する、図2のステップS207の出力波形合成処理の詳細例を示すフローチャートである。
プロセッサはまず、前述した出力波形窓データ(図5参照)において、処理単位PUサンプル分の古い出力波形データを破棄して残った古い出力波形データを、古い順に前詰めする(図5の有感帯において右側に詰める)(図6(b)のステップS611)。
次に、プロセッサは、VLサンプル長分の出力波形窓データの各サンプルに、IFFT出力データに得られている出力窓関数データの乗算結果のWLサンプル長のデータのうち中央のVLサンプル長分の波形データの各サンプルを加算する(図6(b)のステップS612)。
そして、プロセッサは、出力波形窓データのうちの古い処理単位PU分のデータを出力波形データとして、図1の音響信号処理装置105からサウンドシステム110に出力する(図6(b)のステップS613)。
図7は、出力波形データの合成を模式的に示す図である。図7におけるIからVは、図2のステップS206の出力窓掛け処理及びステップS207の出力波形合成部の各タイミングでの処理を示しており、タイミングIVで出力される出力波形データはタイミングIからタイミングIVの太線の部分が加算(合成)されて出力される。
本実施形態の具体的な諸元について、
・サンプルレートSR:44100(サンプル/秒)
・処理レートPR:60(/秒)
・窓サイズWL:4096(サンプル)
とした場合を例に、以下に説明する。
通常の場合、入力波形データのずらし量(=処理単位)を窓サイズの1/4とすると、処理単位は1024サンプルとなり加工処理レートは約43/秒(44100/1024)となる。
また、用いられる窓関数データをハニング窓データとすると、窓関数データは以下の計算式で与えられる。
・通常ハニング窓関数データ:
iを0~4095の範囲とすると、
val=0.5-0.5*Cos(2*PI*i/4096)
ところが、オーディオ信号をより高品質に加工する用途においては、より高レートな加工処理が必要になるケースがあり、例えば処理レート60/秒といった加工処理を行う場合、用いられる窓関数データに対して、合成後の音の濁りを抑制するため、以下のような窓関数変形処理を実行する。
・処理単位(サンプル):PU=735=44100/60
・有感帯長(サンプル):VL=2940=PU*4
・不感帯長(サンプル):DL=578=(4096-VL)/2
・変形ハニング窓関数(有感帯):
iをDL~DL+VL-1の範囲とすると、
val=0.5-0.5*Cos(2*PI*(i-DL)/VL)
・変形ハニング窓関数(不感帯):
iを0~DL-1、DL+VL~4095の範囲とすると、
val=0.0
ここで、不感帯に該当する波形データは処理結果に影響しない。このため、本実施形態では、不感帯を除く範囲(有感帯)のみを使用して波形データをセットすることにより、実質的な窓サイズが有感帯長(VL)になる効果を得ることができる。この変形窓関数データをFFTの窓掛け及びIFFT後の合成窓に用いることにより、合計遅延時間を、
窓サイズ(WL):約93ms(=4096/44100)
から、
有感帯長(VL):約67ms(=2940/44100)
に短縮することが可能となる。
以上説明した実施形態では、図3(a)で説明したように、FFTとIFFTの演算サンプル長は等しく、変形窓関数データ=入力窓関数データ=出力窓関数データとした場合について説明した。
これに対して、他の実施形態として、FFTとIFFTの演算サンプル長が等しくなく、入力窓関数データと出力窓関数データとが異なる場合であっても、本発明を同様に適用することが可能である。
以上説明したようにして、変形窓関数データを用いて実質的な窓サイズを調整することで、窓サイズの1/2、1/4といったFFT/IFFT処理単位の制限から外れた処理レートが選択可能となる。
更に、FFT/IFFTの窓掛けに起因する時間遅延を短縮することが可能となる。
100 電子楽器
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 音源(TG)
105 音響信号処理装置
106 鍵盤
107 ペダル
108 操作子
109 システムバス
110 サウンドシステム

Claims (8)

  1. 出力波形データを生成する信号処理装置において、
    時間域の入力波形データに基づく波形データを対象とする高速フーリエ変換の処理によって得られる周波数域の複素データに対し加工する加工処理工程と、
    前記加工処理によって得られる複素データに対し逆高速フーリエ変換の処理を行うことにより時間域の逆変換波形データを取得する逆変換波形データ取得工程と、
    前記逆変換波形データに基づいた出力波形データを生成する出力波形データ生成工程と、
    を実行し、
    窓関数データから、サンプル毎に有意な値を有する有感帯と前記有感帯の両端に対応する不感帯とを有し、前記有感帯のサンプル長と2つの前記不感帯のサンプル長とを合わせた全体サンプル長が前記高速フーリエ変換又は前記逆高速フーリエ変換の演算サンプル長に等しい変形窓関数データを得る変形窓関数導出部
    を備える信号処理装置。
  2. 前記入力波形データから又は前記逆高速フーリエ変換の処理結果から取得した前記有感帯のサンプル長分の波形データの各サンプルに、前記変形窓関数データの前記有感帯の部分の対応するサンプルを乗算する窓掛け処理部をさらに備える、
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記変形窓関数導出部は、前記窓関数データから、第1のサンプル長の前記有感帯と夫々第2のサンプル長の前記不感帯とを有し、前記第1のサンプル長と2つの前記第2のサンプル長とを合わせた第3のサンプル長が前記高速フーリエ変換の演算サンプル長に等しい前記変形窓関数データである入力窓関数データを導出し、
    前記窓掛け処理部は、前記入力波形データから取得した前記第1のサンプル長分の波形データの各サンプルに、前記入力窓関数データの前記有感帯の部分の対応するサンプルを乗算し、前記乗算の結果得られる前記第3のサンプル長分の波形データを、前記高速フーリエ変換の処理に入力させる、
    請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記窓掛け処理部は、
    前記入力波形データから取得した前記第1のサンプル長分の波形データの各サンプルを保持する入力波形窓データにおいて、所定の処理単位分の古い入力波形データを破棄して残った前記古い入力波形データを古い順に前詰めし、
    前記処理単位分の新しい入力波形データを取得し、
    前記取得した前記処理単位分の新しい入力波形データを前記入力波形窓データの前記有感帯の最後尾に格納し、
    前記入力波形窓データの前記有感帯の各サンプルに、前記入力窓関数データの前記有感帯の部分の対応するサンプルを乗算する、
    請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記変形窓関数導出部は、前記窓関数データから、第4のサンプル長の前記有感帯と夫々第5のサンプル長の前記不感帯とを有し、前記第4のサンプル長と2つの前記第5のサンプル長とを合わせた第6のサンプル長が前記逆高速フーリエ変換の演算サンプル長に等しい前記変形窓関数データである出力窓関数データを導出し、
    前記窓掛け処理部は、前記逆変換波形データから取得した前記第4のサンプル長分の波形データの各サンプルに、前記出力窓関数データの前記有感帯の部分の対応するサンプルを乗算し、前記乗算の結果得られる前記第6のサンプル長分の波形データのうち中央の前記第4のサンプル長分の波形データに基づいて、前記出力波形データを生成する、
    請求項2に記載の信号処理装置。
  6. 前記窓掛け処理部は、
    前記第6のサンプル長の前記逆変換波形データの各サンプルに、前記第6のサンプル長の前記出力窓関数データの対応するサンプルを乗算し、
    前記出力波形データのための前記第4のサンプル長分の波形データの各サンプルを保持する出力波形窓データにおいて、所定の処理単位分の古い出力波形データを破棄して残った前記古い出力波形データを古い順に前詰めし、
    前記第4のサンプル長分の前記出力波形窓データの各サンプルに、前記乗算の結果得られる前記第6のサンプル長のデータのうち中央の前記第4のサンプル長分の波形データの各サンプルを加算し、
    前記出力波形窓データのうちの古い前記処理単位分のデータを前記出力波形データとして出力する、
    請求項5に記載の信号処理装置。
  7. 時間域の入力波形データに基づく波形データを対象とする高速フーリエ変換の処理によって得られる周波数域の複素データに対し加工する加工処理と、
    前記加工処理によって得られる複素データに対し逆高速フーリエ変換の処理を行うことにより時間域の逆変換波形データを取得する逆変換波形データ取得工程と、
    前記逆変換波形データに基づいた出力波形データを生成する出力波形データ生成工程と、
    を実行するために、
    窓関数データから、サンプル毎に有意な値を有する有感帯と前記有感帯の両端に対応する不感帯とを有し、前記有感帯のサンプル長と2つの前記不感帯のサンプル長とを合わせた全体サンプル長が前記高速フーリエ変換又は前記逆高速フーリエ変換の演算サンプル長に等しい変形窓関数データを得る変形窓関数導出処理を実行する信号処理方法。
  8. 出力波形データを出力する信号処理プログラムにおいて、
    時間域の入力波形データに基づく波形データを対象とする高速フーリエ変換の処理によって得られる周波数域の複素データに対し加工する加工処理工程と、
    前記加工処理によって得られる複素データに対し逆高速フーリエ変換の処理を行うことにより時間域の逆変換波形データを取得する逆変換波形データ取得工程と、
    前記逆変換波形データに基づいた出力波形データを生成する出力波形データ生成工程と、
    窓関数データから、サンプル毎に有意な値を有する有感帯と前記有感帯の両端に対応する不感帯とを有し、前記有感帯のサンプル長と2つの前記不感帯のサンプル長とを合わせた全体サンプル長が前記高速フーリエ変換又は前記逆高速フーリエ変換の演算サンプル長に等しい変形窓関数データを得る変形窓関数導出処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。

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