JP2024046452A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】シロッコファンの吸気効率を向上させつつ、騒音レベルを低減する。【解決手段】空気調和機は、シロッコファン70と、シロッコファン70の空気吸い込み口106aに連通し、シロッコファン70の回転中心線C3の延在方向と交差する方向に空気をガイドする内部空間を備えるダクトを有する。ダクトが、延在方向視で空気吸い込み口106aの三方を距離をあけて囲む第1、第2、および第3の内側面106a、106b、106cを含んでいる。第1および第2の内側面106b、106cそれぞれが、空気吸い込み口106aを挟んで対向する。第1、第2、および第3の内側面106a、106b、106cの中、シロッコファン70の空気吹き出し口102cに最も近く、且つ、空気吹き出し口102cの開口方向と交差する内側面と空気吸い込み口106aとの間に少なくとも一部分が配置され、且つ、当該内側面から突出するガイド部106gが設けられている。【選択図】図21
Description
本開示は、空気調和機に関する。
従来より、特許文献1に記載するように、空気調和対象の室内に配置される室内機と、室外に配置される室外機とから構成される空気調和機が知られている。この空気調和機は、室外機から送られた加湿または除湿された室外空気を室内機が室内に供給する加湿運転または除湿運転を実行するように構成されている。また、加湿運転を実行するために、シロッコファンを室外機は備えている。
本開示は、加湿運転を実行するためにシロッコファンを室外機が備えている空気調和機において、シロッコファンの吸気効率を向上させつつ、シロッコファン由来の騒音レベルを低減することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
羽根車と、前記羽根車を収容するファン室、前記羽根車の回転中心線が延在する方向に開口して前記ファン室に連通する空気吸い込み口、および前記羽根車の接線方向に開口して前記ファン室に連通する空気吹き出し口を備えるファンケーシングとを有するシロッコファン、および、
前記シロッコファンの空気吸い込み口に連通し、前記回転中心線の延在方向と交差する方向に空気をガイドする内部空間を備えるダクトを有し、
前記ダクトが、前記延在方向視で前記空気吸い込み口の三方を距離をあけて囲む第1、第2、および第3の内側面を含み、
前記延在方向視で、前記第1および第2の内側面それぞれが、前記空気吸い込み口を挟んで対向し、
前記延在方向視で、前記第1、第2、および第3の内側面の中、前記空気吹き出し口に最も近く、且つ、前記空気吹き出し口の開口方向と交差する内側面と前記空気吸い込み口との間に少なくとも一部分が配置され、且つ、当該内側面から突出するガイド部が設けられている、空気調和機が提供される。
羽根車と、前記羽根車を収容するファン室、前記羽根車の回転中心線が延在する方向に開口して前記ファン室に連通する空気吸い込み口、および前記羽根車の接線方向に開口して前記ファン室に連通する空気吹き出し口を備えるファンケーシングとを有するシロッコファン、および、
前記シロッコファンの空気吸い込み口に連通し、前記回転中心線の延在方向と交差する方向に空気をガイドする内部空間を備えるダクトを有し、
前記ダクトが、前記延在方向視で前記空気吸い込み口の三方を距離をあけて囲む第1、第2、および第3の内側面を含み、
前記延在方向視で、前記第1および第2の内側面それぞれが、前記空気吸い込み口を挟んで対向し、
前記延在方向視で、前記第1、第2、および第3の内側面の中、前記空気吹き出し口に最も近く、且つ、前記空気吹き出し口の開口方向と交差する内側面と前記空気吸い込み口との間に少なくとも一部分が配置され、且つ、当該内側面から突出するガイド部が設けられている、空気調和機が提供される。
本開示によれば、加湿運転を実行するためにシロッコファンを室外機が備えている空気調和機において、シロッコファンの吸気効率を向上させつつ、シロッコファン由来の騒音レベルを低減することができる。
本発明の一態様の空気調和機は、羽根車と、前記羽根車を収容するファン室、前記羽根車の回転中心線が延在する方向に開口して前記ファン室に連通する空気吸い込み口、および前記羽根車の接線方向に開口して前記ファン室に連通する空気吹き出し口を備えるファンケーシングとを有するシロッコファン、および、前記シロッコファンの空気吸い込み口に連通し、前記回転中心線の延在方向と交差する方向に空気をガイドする内部空間を備えるダクトを有し、前記ダクトが、前記延在方向視で前記空気吸い込み口の三方を距離をあけて囲む第1、第2、および第3の内側面を含み、前記延在方向視で、前記第1および第2の内側面それぞれが、前記空気吸い込み口を挟んで対向し、前記延在方向視で、前記第1、第2、および第3の内側面の中、前記空気吹き出し口に最も近く、且つ、前記空気吹き出し口の開口方向と交差する内側面と前記空気吸い込み口との間に少なくとも一部分が配置され、且つ、当該内側面から突出するガイド部が設けられている。
このような一態様によれば、加湿運転を実行するためにシロッコファンを室外機が備えている空気調和機において、シロッコファンの吸気効率を向上させつつ、シロッコファン由来の騒音レベルを低減することができる。
例えば、前記ガイド部が、前記延在方向視で、前記羽根車の回転方向下流側から上流側に延在しつつ、前記ガイド部が設けられた内側面から離れていく第1のガイド面を備える、第1のガイド面を備えてもよい。
例えば、前記延在方向視で、最も羽根車に近いファンケーシングのスクロール壁上の点である仕切り点を中心とし、前記仕切り点と前記羽根車との間の最短距離を半径とする円形領域に向かって前記第1のガイド面が延在してもよい。
例えば、前記ガイド部が、前記延在方向視で、前記羽根車の回転方向下流側から上流側に延在しうつ、前記ガイド部が設けられた内側面から離れる第2のガイド面を備えてもよい。
例えば、前記ダクトの一部分と前記シロッコファンのファンケーシングの一部分とが共通であってもよい。
以下、本開示の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の一実施の形態に係る空気調和機の概略図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る空気調和機10は、空調対象の室内Rinに配置される室内機20と、室外Routに配置される室外機30とを有する。
室内機20には、室内空気A1と熱交換を行う室内熱交換器22と、室内空気A1を室内機20内に誘引するとともに、室内熱交換器22と熱交換した後の室内空気A1を室内Rinに吹き出すファン24とが設けられている。
室外機30には、室外空気A2と熱交換を行う室外熱交換器32と、室外空気A2を室外機30内に誘引するとともに、室外熱交換器32と熱交換した後の室外空気A2を室外Routに吹き出すファン34とが設けられている。また、室外機30には、室内熱交換器22および室外熱交換器32と冷凍サイクルを実行する圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40が設けられている。
室内熱交換器22、室外熱交換器32、圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40それぞれは、冷媒が流れる冷媒配管によって接続されている。冷房運転および除湿運転(弱冷房運転)の場合、空気調和機10は、冷媒が圧縮機36から四方弁40、室外熱交換器32、膨張弁38、室内熱交換器22を順に流れて圧縮機36に戻る冷凍サイクルを実行する。暖房運転の場合、空気調和機10は、冷媒が圧縮機36から四方弁40、室内熱交換器22、膨張弁38、室外熱交換器32を順に流れて圧縮機36に戻る冷凍サイクルを実行する。
空気調和機10は、冷凍サイクルによる空調運転の他に、室外空気A3を室内Rinに供給する空調運転および室内空気A1を室外Routに排出する空調運転を実行する。そのために、空気調和機10は、換気装置50を有する。換気装置50は、室外機30に設けられている。
図2は、換気装置の概略図である。
図2に示すように、換気装置50は、その内部に室外空気A3、A4が通過する吸収材52を備える。
吸収材52は、空気が通過可能な部材であって、通過する空気から水分を捕集するまたは通過する空気に水分を与える部材である。本実施の形態の場合、吸収材52は、円盤状であって、その中心を通過する回転中心線C1を中心にして回転する。吸収材52は、モータ54によって回転駆動される。
吸収材52は、空気中の水分を収着する高分子収着材が好ましい。高分子収着材は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体から構成される。高分子収着材は、シリカゲルやゼオライトなどの吸着材に比べて、同一体積あたり水分を吸収する量が多く、低い加熱温度で担持する水分を脱着することができ、そして水分を長時間担持することができる。
換気装置50の内部には、吸収材52をそれぞれ通過し、室外空気A3、A4がそれぞれ流れる第1の流路P1と第2の流路P2とが設けられている。すなわち、吸収材52は、一部分が第1の流路P1内に位置し、他の部分が第2の流路P2内に位置するように配置されている。また、吸収材52がモータ54によって回転されると、第1および第2の流路P1、P2の一方に位置した吸収材53の部分が他方に移動する。さらに、換気装置50の内部には、両端が第1の流路P1の異なる部分に接続された第3の流路P3が設けられている。
第1の流路P1は、室内機20内に向かう室外空気A3が流れる流路である。第1の流路P1を流れる室外空気A3は、換気導管56を介して、室内機20内に供給される。
本実施の形態の場合、第1の流路P1は、吸収材52に対して上流側に複数の支流路P1a、P1bを含んでいる。なお、本明細書において、「上流」および「下流」は、空気の流れに対して使用される。
複数の支流路P1a、P2aは、吸収材52に対して上流側で合流する。複数の支流路P1a、P1bそれぞれには、室外空気A3を加熱するヒータ58、60が設けられている。
ヒータ58、60は、同一の加熱能力を備えるヒータであってもよいし、異なる加熱能力を備えるヒータであってもよい。また、ヒータ58、60は、電流が流れて温度が上昇すると電気抵抗が増加する、すなわち過剰な加熱温度の上昇を抑制することができるPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータが好ましい。ニクロム線やカーボン繊維などを用いるヒータの場合、電流が流れ続けると加熱温度(表面温度)が上昇し続けるため、その温度をモニタリングする必要がある。PTCヒータの場合、ヒータ自体が加熱温度を一定の温度範囲内で調節するために、加熱温度をモニタリングする必要がなくなる。
第1の流路P1には、室内機20内に向かう室外空気A3の流れを発生させるファン62が設けられている。本実施の形態の場合、ファン62は、吸収材52に対して下流側に配置されている。ファン62が作動することにより、室外空気A3が、室外Routから第1の流路P1内に流入し、吸収材52を通過する。
また、第1の流路P1には、第1の流路P1を流れる室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)または室外Routに振り分けるためのダンパ装置64が設けられている。すなわち、第1の流路P1は、室内Rinおよび室外Routに向かって分岐しており、その分岐点にダンパ装置64が配置されている。本実施の形態の場合、ダンパ装置64は、ファン62に対して下流側に配置されている。ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられた室外空気A3は、換気導管56を介して室内機20内に入り、ファン24によって室内Rinに吹き出される。
さらに、本実施の形態の場合、第1の流路P1には、ダンパ装置64と異なるダンパ装置66が設けられている。本実施の形態の場合、ダンパ装置66は、吸収材52とファン62との間に配置されている。詳細は後述するが、ダンパ装置66は、排気換気のために設けられ、第1の流路P1を選択的に開閉する。
さらにまた、第1の流路P1には、第3の流路P3が接続されている。第3の流路P3は、詳細は後述するが、排気換気用の流路であって、ファン62とダンパ装置66との間の第1の流路P1の部分とダンパ装置64に対して下流側の第1の流路P1の部分とを連絡している。第3の流路P3には、ダンパ装置68が設けられている。詳細は後述するが、ダンパ装置68は、排気換気のために設けられ、第3の流路P3を選択的に開閉する。
第2の流路P2は、室外空気A4が流れる流路である。第1の流路P1を流れる室外空気A3と異なり、第2の流路P2を流れる室外空気A4は、室内機20に向かうことはない。すなわち、第2の流路P2は、第1の流路P1から独立した流路である。第2の流路P2を流れる室外空気A4は、吸収材52を通過した後、室外Routに流出する。
第2の流路P2には、室外空気A4の流れを発生させるファン70が設けられている。本実施の形態の場合、ファン70は、吸収材52に対して下流側に配置されている。ファン70が作動することにより、室外空気A4が、室外Routから第2の流路P2内に流入し、吸収材52を通過し、そして室外Routに流出する。
換気装置50は、吸収材52(モータ54)、ヒータ58、60、ファン62、ダンパ装置64、66、68、およびファン70を選択的に使用して換気運転、加湿運転、および除湿運転を選択的に実行する。なお、換気運転には、給気換気運転と排気換気運転が含まれる。
図3は、給気換気運転中の換気装置の概略図である。
給気換気運転は、室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。図3に示すように、給気換気運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。ヒータ58、60は、OFF状態であって、室外空気A3を加熱していない。ファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。ダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、室外空気A3が吸収材52からファン62に向かって流れる。ダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、室外空気A3は第3の流路P3を流れない。ファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
このような給気換気運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、ヒータ58、60に加熱されることなく吸収材52を通過する。吸収材52を通過した室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような給気換気運転により、室外空気A3がそのまま室内Rinに供給され、室内Rinが給気換気される。
図4は、排気換気運転中の換気装置の概略図である。
排気換気運転は、室内空気A1を室外Routに排出する空調運転である。図4に示すように、排気換気運転中、モータ54は、OFF状態であって、吸収材52は回転していない。ヒータ58、60は、OFF状態である。ファン62はON状態であって、それにより、室内空気A1が、換気導管56および第3の流路P3を通過し、ファン62に向かって流れる。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室内空気A1を室外Routに振り分ける。ダンパ装置66は、閉じた状態であって、それにより、室内空気A1が吸収材52に向かって流れない。ダンパ装置68は、開いた状態であって、それにより、室内空気A1が、第3の流路P3を介してファン62に向かって流れる。ファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
このような排気換気運転によれば、ファン62がON状態のとき、室内空気A1が、換気導管56および第3の流路P3を介して、吸収材52とファン62との間の第1の流路P1の部分に流入する。このとき、ダンパ装置66が閉じた状態であるため、室内空気A1が吸収材52に向かって流れない。ファン62を通過した室内空気A1は、ダンパ装置64によって室外Routに振り分けられ、室外Routに排出される。その結果、室内Rinが排気換気される。
なお、第3の流路P3により、排気換気運転中、ファン62は、給気換気運転のときと同一の回転方向で回転することができる。その結果、ファン62として、シロッコファンを使用することができる。
図5は、加湿運転中の換気装置の概略図である。
加湿運転は、室外空気A3を加湿し、その加湿された室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。図5に示すように、加湿運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。ヒータ58、60は、ON状態であって、室外空気A3を加熱している。ファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。ダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、室外空気A3が吸収材52からファン62に向かって流れる。ダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、室外空気A3は第3の流路P3を流れない。ファン70は、ON状態であって、それにより第2の流路P2内を室外空気A4が流れている。
このような加湿運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、ヒータ58、60に加熱されて吸収材52を通過する。このとき、加熱された室外空気A3は、加熱されていない場合に比べて、吸収材52からより多量の水分を奪うことができる。それにより、室外空気A3が多量の水分を担持する。吸収材52を通過して多量の水分を担持する室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような加湿運転により、多量の水分を担持する室外空気A3が室内Rinに供給され、室内Rinが加湿される。
なお、ヒータ58、60のいずれか一方をOFF状態にすることによって室外空気A3が吸収材52から奪う水分量を少なくする、すなわち室内Rinの加湿量が少ない弱加湿運転が実行されてもよい。
加熱された室外空気A3に水分が奪われることにより、吸収材52の保水量が減少する、すなわち吸収材52が乾燥する。吸収材52が乾燥すると、第1の流路P1を流れる室外空気A3は吸収材52から水分を奪うことができない。その対処として、吸収材52は、第2の流路P2を流れる室外空気A4から水分を奪う。それにより、吸収材52の保水量がほぼ一定に維持され、加湿運転を継続することができる。
図6は、除湿運転中の換気装置の概略図である。
除湿運転は、室外空気A3を除湿し、その除湿された室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。図6に示すように、除湿運転では、吸着運転と再生運転とが交互に実行される。
吸着運転は、室外空気A3に担持されている水分を吸収材52に吸着させ、それにより室外空気A3を除湿する運転である。図6に示すように、吸着運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。ヒータ58、60は、OFF状態であって、室外空気A3を加熱していない。ファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。ダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、室外空気A3が吸収材52からファン62に向かって流れる。ダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、室外空気A3は第3の流路P3を流れない。ファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
このような吸着運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、ヒータ58、60に加熱されることなく吸収材52を通過する。このとき、室外空気A3に担持されている水分が吸収材52に吸着する。それにより、室外空気A3の水分の担持量が減少する、すなわち室外空気A3が乾燥される。吸収材52を通過して乾燥した室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような吸着運転により、乾燥した室外空気A3が室内Rinに供給され、室内Rinが除湿される。
吸着運転が続くと、吸収材52の保水量が増加し続け、その結果、室外空気A3に担持されている水分に対する吸収材52の吸着能力が低下する。その吸着能力を回復するために吸収材52を再生させる再生運転が実行される。
再生運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。ヒータ58、60は、ON状態であって、室外空気A3を加熱している。ファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を、室内機20ではなく、室外Routに振り分ける。ダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、室外空気A3が吸収材52からファン62に向かって流れる。ダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、室外空気A3は第3の流路P3を流れない。ファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
このような再生運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、ヒータ58、60に加熱されて吸収材52を通過する。このとき、加熱された室外空気A3は、吸収材52から多量の水分を奪う。それにより、室外空気A3に多量の水分が担持される。それとともに、吸収材52の保水量が減少する、すなわち吸収材52が乾燥してその吸着能力が再生する。吸収材52を通過して多量の水分を担持する室外空気A3は、ダンパ装置64によって室外Routに振り分けられ、室外Routに排出される。これにより、除湿運転における再生運転中に、吸収材52の再生によって多量の水分を担持する室外空気A3が室内Rinに供給されることがない。
このような吸着運転と再生運転を交互に行うことにより、吸収材52の吸着能力が維持され、除湿運転を継続的に実行することができる。
上述の冷凍サイクルによる空調運転(冷房運転、除湿運転(弱冷房運転)、暖房運転)と換気装置50による空調運転(換気運転(給気換気運転、排気換気運転)、加湿運転、除湿運転)は、別々に実行可能であり、また同時に実行することも可能である。例えば、冷凍サイクルによる除湿運転と換気装置50による除湿運転を同時に実行すれば、室温を一定に維持した状態で室内Rinを除湿することが可能である。
空気調和機10が実行する空調運転は、ユーザによって選択される。例えば、図1に示すリモートコントローラ72に対するユーザの選択操作により、その操作に対応する空調運転を空気調和機10は実行する。
ここまでは、本実施の形態に係る空気調和機10の構成および動作について概略的に説明してきた。ここからは、本実施の形態に係る空気調和機10の構成の詳細について説明する。
図7は、空気調和機の室外機の前方斜視図である。また、図8は、空気調和機の室外機の後方斜視図である。さらに、図9は、換気装置の前方斜視図である。さらにまた、図10は、トップカバーを取り除いた状態の換気装置の分解斜視図である。加えて、図11は、内部構造を示す換気装置の上面図である。そして、図12は、換気装置の概略的な断面図である。なお、図面に示すX-Y-Z直交座標系は、実施の形態の理解を容易にするためのものであって、実施の形態を限定するものではない。X軸方向は室外機30の前後方向を示し、Y軸方向は左右方向を示し、Z軸方向は高さ方向を示している。また、図11では、トップカバー、インナーカバー、およびヒータカバーが省略されている。そして、図12は、図3に示す給気換気運転、図5に示す加湿運転、および図6に示す除湿運転における吸着運転を実行している状態を示している。
図7および図8に示すように、本実施の形態の場合、換気装置50は、室外機30の上部を構成している。具体的には、換気装置50は、室外熱交換器32、ファン34、圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40を格納する室外機30の本体の筺体100上に設けられている。
図9~図11に示すように、換気装置50は、室外機30の左右方向(Y軸方向)に長い略直方体形状であって、上方が開いた箱状の筺体102と、筺体102の上部に取り付けられて蓋をするトップカバー104とを備える。筺体102内に、吸収材52などの換気装置50の構成要素が格納されている。
図10~図12に示すように、本実施の形態の場合、吸収材52は、換気装置50の左右方向(Y軸方向)の中央に配置されている。吸収材52に対して長手方向の一方側(右側)に第1の流路P1に関連する構成要素が配置され、他方側(左側)に第2の流路P2に関連する構成要素が配置されている。
また、図12に示すように、換気装置50の筺体102内には、複数の空間S1~S4が実質的に形成されている。
第1の空間S1は、第1の流路P1の一部であって、室外空気A3が最初に流入する空間である。また、第1の空間S1は、実質的に、筺体102内の右側および上側部分に形成されている。
第2の空間S2は、第1の流路P1の一部であって、且つ、第1の空間S1内の室外空気A3が吸収材52を通過して流入する空間である。また、第2の空間S2は、実質的に、筺体102内の右側および下側部分に形成されている。
第3の空間S3は、第2の流路P2の一部であって、室外空気A4が最初に流入する空間である。また、第3の空間S3は、実質的に、筺体102内の左側および下側部分に形成されている。
第4の空間S4は、第2の流路P2の一部であって、且つ、第3の空間S3内の室外空気A4が吸収材52を通過して流入する空間である。また、第4の空間S4は、実質的に、筺体102内の左側および上側部分に形成されている。
第1および第2の空間S1、S2内部の室外空気A3が第3および第4の空間S3、S4内に移動しないように、また、逆に第3および第4の空間S3、S4内の室外空気A4が第1および第2の空間S1、S2に移動しないように、第1および第2の空間S1、S2に対して第3および第4の空間S3、S4が独立している(すなわちこれらの間がシールされている)。
まず、構成がシンプルな第2の流路P2に関連する換気装置50の構成要素について説明する。
本実施の形態の場合、図10および図11に示すように、室外空気A4が流れる第2の流路P2に関連して、換気装置50の筺体102には、吸気口102a、吸気口102b、および排気口102cが設けられている。すなわち、第2の流路P2は、吸気口102a、102bと排気口102cとを連絡している。吸気口102aは、筺体102の前壁102dの左右方向(Y軸方向)の中央に形成されている。また、吸気口102bは、筺体102の後壁102eの左右方向の中央に形成されている。そして、排気口102cは、前壁102dの左側に形成されている。
室外空気A4は、ファン70が作動すると、吸気口102aと吸気口102bとを介して、筺体102内の第3の空間S3に流入する。具体的には、室外空気A4は、図12に示すように、筺体102の底板102fと吸収材52の下側端面52aとの間の第3の空間S3に流入する。
第3の空間S3内の室外空気A4は、下側端面52aを介して吸収材52内に流入し、上側端面52bを介して吸収材52から第4の空間S4に流出する。第4の空間S4は、第3の空間S3と第4の空間S4とを隔てる仕切り板106と、仕切り板106に覆い被さるインナーカバー108とによって画定されている。
吸収材52を通過して第4の空間S4に流入した室外空気A4は、ファン70に吸い込まれる。本実施の形態の場合、ファン70は、シロッコファンであって、ファン室F1に収容されて高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線を中心にして回転する羽根車70aと、羽根車70aを回転させるモータ70bとを含んでいる。モータ70bは、羽根車70aの下方に配置されている。
ファン70のファン室F1は、筺体102の底板102fと、ファン70の羽根車70aを囲むように底板102fから仕切り板106に向かって立設し、羽根車70aを通過した空気を排気口102cに向けるスクロール壁102gと、仕切り板106とによって画定されている。すなわち、ファン室F1を画定するこれらの構成要素が、シロッコファンであるファン70のファンケーシング70cを構成している。また、ファン室F1は、仕切り板106に形成された貫通穴106aを介して、第4の空間S4に連通している。すなわち、貫通穴106aがシロッコファンであるファン70の空気吸い込み口であって、排気口102cが空気吹き出し口である。
第4の空間S4内の室外空気A4は、羽根車70aの回転により、仕切り板106の貫通穴(空気吸い込み口)106aを介して、ファン室F1に吸い込まれ、ファン室F1に連通する排気口(空気吹き出し口)102cを介して室外Routに排出される。
ファン70のモータ70bは、ファン室F1の底面に形成された凹部、すなわち筺体102の底板102fに形成された凹部102h内に収容されている。その凹部102hは、モータカバー110によって蓋をされている。
次に、第1の流路P1に関連する換気装置50の構成要素ついて説明する。
本実施の形態の場合、図10および図11に示すように、室外空気A3が流れる第1の流路P1に関連して、換気装置50の筺体102には、吸気口102i、排気口102j、および換気導管56と接続する接続口102mが設けられている。すなわち、第1の流路P1は、吸気口102iから延在して排気口102jおよび接続口102mに向かって分岐している。吸気口102iは、筺体102の後壁102eの右側に形成されている。排気口102jは、筺体102の右側壁102kに設けられている。また、接続口102mが、排気口102jに対して後側に位置するように、右側壁102kに形成されている。
室外空気A3は、ファン62が作動すると、吸気口102iを介して、第1の流路P1の一部である、筺体102内の第1の空間S1に流入する。第1の空間S1内に流入した室外空気A3は、ヒータ58、60を通過し、吸収材52の上側端面52bの上方に向かう。
具体的には、ヒータ58、60は、ヒータベース部材112によって支持されている。ヒータベース部材112は、ヒータ58、60が載置されるヒータ載置部112aと、吸収材52を回転可能に収容する円筒状の吸収材収容部112bとを備える。
ヒータ58、60は、図11に示すように、ヒータベース部材112のヒータ載置部112a上に、「ハ」の字状に配置されている。ヒータ58、60それぞれを通過した室外空気A3(すなわち支流路P1a、P2bを流れた室外空気A3)は、ヒータベース部材112の吸収材収容部112bに収容された吸収材52の上側端面52b上で合流する。なお、ヒータ58、60は、支流路P1a、P2aを流れる室外空気A3に熱を伝達する複数の加熱フィンを備えるフィンヒータである。
本実施の形態の場合、円盤状の吸収材52は、筒状の吸収材ホルダ114によって支持されている。吸収材ホルダ114は、高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線C1を中心にして回転可能に、筺体102に支持されている。吸収材ホルダ114の外周面には、モータ54に取り付けられたピニオンギア116と係合する外歯114aが形成されている。このような吸収材ホルダ114を介して、モータ54は吸収材52を回転駆動する。
本実施の形態の場合、ヒータ58、60と、吸収材52の上側端面52bの一部分は、図10に示すヒータカバー118によって覆われている。これにより、ヒータ58、60を通過した室外空気A3全てが、ヒータカバー118に覆われた吸収材52の上側端面52bの部分を通過する。なお、室外空気A3は、図13に示すように、ヒータベース部材112のヒータ載置部112aとヒータカバー118の隙間を通過し、その後、ヒータ58、60を通過する。
ヒータ58、60によって加熱された室外空気A3は、図13に示すように、吸収材52を上側端面52bから下側端面52aに向かって下方向に通過し、第1の流路P1の一部である第2の空間S2に入る。
図13は、第2の空間を示す換気装置の一部分の上面図である。なお、図13は、図3に示す給気換気運転、図5に示す加湿運転、および図6に示す除湿運転における吸着運転の実行中での状態を示している。
図13に示すように、筺体102の底板102fには、高さ方向(Z軸方向)に延在するガイド壁102nが設けられている。このガイド壁102nの頂部に、図12に示すように、第1の空間S1と第2の空間S2とを隔てる仕切り板120が配置されている。すなわち、筺体102の底板102f、ガイド壁102n、および仕切り板120により、第2の空間S2が画定されている。なお、吸収材52の下方に位置するガイド壁102nの部分上には、吸収材52の下側端面52aとガイド壁102nとの間のシールするシール部材122が設けられている。このシール部材122により、第2の空間S2から第3の空間S3に向かうまたは逆方向の空気の移動が制限されている。
第1の流路P1の一部である第2の空間S2は、換気導管56が接続される接続口102mに連通している。また、第2の空間S2には、ダンパ装置66、68が設けられている。
ダンパ装置66、68は、第2の空間S2内に配置されて第2の空間S2を分断するダンパ66a、68aと、ダンパ66a、68aに設けられたシャフト66b、68bと、第2の空間S2の外部に配置され、シャフト66b、68bを回転させるモータ66c、68cとから構成されている。なお、本実施の形態の場合、ダンパ66a、68aそれぞれは、高さ方向(Z軸方向)と直交する方向に延在する回転中心線を中心にして回動可能に筺体102に設けられている。また、モータ66c、68cは、第2の空間S2の外部に設けられたモータボックス66d、68d内に収容されて保護されている。
ダンパ装置66、68のダンパ66a、68aにより、第2の空間S2は、吸収材52側の領域S2a、中央の領域S2b、および接続口102m側の領域S2cに三分割される。領域S2cは、図2~図6に示す第3の流路P3の一部分に対応する。
ダンパ装置66が開いた状態のとき、すなわち第2の空間S2をダンパ66aが分断していないとき、空気は領域S2a、S2b間を往来することができる。一方、ダンパ装置66が閉じた状態のとき、すなわち第2の空間S2を領域S2aと領域S2bとの間でダンパ66aが分断しているとき、その領域S2a、S2b間の空気の往来が制限される。
ダンパ装置68が開いた状態のとき、すなわち第2の空間S2をダンパ68aが分断していないとき、空気は領域S2b、S2c間を往来することができる。一方、ダンパ装置68が閉じた状態のとき、すなわち第2の空間S2を領域S2bと領域S2cとの間でダンパ68aが分断しているとき、その領域S2b、S2c間の空気の往来が制限される。
中央の領域S2bは、ファン62のファン室F2に連通している。具体的には、図10および図12に示すように、ファン62は、本実施の形態の場合、シロッコファンであって、ファン室F2に収容されて高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線を中心にして回転する羽根車62aと、羽根車62aを回転させるモータ62bとを含んでいる。
ファン62のファン室F2は、仕切り板120と、羽根車62aを囲むように仕切り板106から上方に向かって立設し、羽根車62aを通過した空気を接続口102mに向けるスクロール壁120aと、スクロール壁120aの頂部上に載置されて羽根車62aを覆うファンカバー124とによって画定されている。すなわち、ファン室F2を画定するこれらの構成要素が、シロッコファンであるファン62のファンケーシング62cを構成している。また、ファン室F2は、仕切り板120に形成された貫通穴120bを介して、第2の空間S2の中央の領域S2bに連通している。すなわち、貫通穴106aがシロッコファンであるファン62の空気吸い込み口であって、接続口102mが空気吹き出し口である。なお、モータ62bは、ファンカバー124上に載置され、モータ62bを覆うモータカバー126によって保護されている。
ファン室F2には、室外空気A3または室内空気A1が進入する。具体的には、図3に示す給気換気運転、図5に示す加湿運転、または図6に示す除湿運転を空気調和機10が実行しているときは、室外空気A3が進入する。図4に示す排気換気運転を空気調和機10が実行しているときは、室内空気A1が進入する。
図14Aは、給気換気運転、加湿運転、または除湿運転の実行中における第2の空間に設けられた複数のダンパ装置の状態を示すパース図である。また、図14Bは、排気換気運転の実行中における第2の空間に設けられた複数のダンパ装置の状態を示すパース図である。なお、図14Aおよび図14Bは、斜め上前方から見たパース図である。
図14Aに示すように、給気換気運転、加湿運転、または除湿運転の実行中、吸収材52の下側端面52aから流出した室外空気A3は、第2の空間S2の領域S2a内を流れ、開いた状態のダンパ装置66のダンパ66aを通過する。ダンパ66aを通過して領域S2b内に流入した室外空気A3は、ファン62の羽根車62aの回転により、領域S2bの上方に位置する貫通穴(空気吸い込み口)120bを介して、ファン室F2に吸い込まれる。このとき、ダンパ装置68のダンパ68aが閉じた状態であるため、領域S2b内の室外空気A3は、領域S2cに進入することはできない。
図14Bに示すように、排気換気運転の実行中、ファン62の羽根車62aの回転により、換気導管56および接続口102mを介して、室内空気A1が第2の空間S2の領域S2cに流入する。領域S2c内に流入した室内空気A1は、開いた状態のダンパ装置68のダンパ68aを通過して領域S2b内に流入する。領域S2b内に流入した室内空気A1は、ファン62の羽根車62aの回転により、領域S2bの上方に位置する貫通穴(空気吸い込み口)120bを介して、ファン室F2に吸い込まれる。このとき、ダンパ装置66のダンパ66aが閉じた状態であるため、領域S2b内の室外空気A2は、領域S2aに進入することができない。
なお、排気換気運転の実行中に第2の空間S2を領域S2a、S2b間で分断するダンパ装置66により、ファン62は小型化される。仮にダンパ装置66が存在しない場合、排気換気運転中、ファン62は、換気導管56および接続口102mを介して室内空気A1を吸引しつつ、吸気口102iおよび吸収材52を介して室外空気A3を吸引することになる。この場合、十分な排気換気能力を得るためには、ファン62を大型化して吸引能力を高める必要がある。
ファン62のファン室F2内に吸い込まれた室外空気A3または室内空気A1は、ダンパ装置64によって接続口102m(すなわち室内機20)または排気口102j(すなわち室外Rout)に振り分けられる。具体的には、図3に示す給気換気運転、図5に示す加湿運転、または図6に示す除湿運転における吸着運転を空気調和機10が実行しているときは、室外空気A3が接続口102mに振り分けられる。また、図4に示す排気換気運転を空気調和機10が実行しているときは、室内空気A1が排気口102jに振り分けられる。そして、図6に示す除湿運転における再生運転を空気調和機10が実行しているときは、室外空気A3が排気口102jに振り分けられる。
図15Aは、給気換気運転、加湿運転、および除湿運転における吸着運転の実行中における、ファンに設けられたダンパ装置の状態を示す上面図である。また、図15Bは、排気換気運転、および除湿運転における再生運転の実行中における、ファンに設けられたダンパ装置の状態を示す上面図である。
図15Aおよび図15Bに示すように、ダンパ装置64は、高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線C2を中心にして回動するダンパ64aと、ダンパ64aを回動させるモータ64b(図11参照)とを含んでいる。モータ64bは、図11に示すように、ファンカバー124上に設けられている。
図15Aおよび図15Bに示すように、本実施の形態の場合、ファン62は、ファン室F2と接続口102mとを連絡する直線状のダクト部62dを含んでいる。本実施の形態の場合、ダクト部62dは、仕切り板120と、仕切り板120からファンカバー124に向かって高さ方向(Z軸方向)に延在するガイド壁120cと、ファンカバー124によって構成されている。なお、ダクト部62dの内部流路は、第1の流路P1に含まれる。このようなダクト部62d内で、ダンパ装置64のダンパ64aが回動する。
ダクト部62dは、本実施の形態の場合、接続口102mに向かってファン62の羽根車62aの接線方向DTに直線状に延在している。なお、ここで言う接線方向は、羽根車62aの回転中心線を中心とする円の接線方向を言う。それにより、ファン室F2から接続口102mに向かう室外空気A3は、圧力損失が抑制され、また大きな騒音を発生することなく、接続口102mを通過して換気導管56内に流入することができる。
また、ダクト部62dの一部分であってスクロール壁120aの舌部120dから接続口102mに向かって延在するガイド壁120cには、排気口102jに連通する流出口120eが形成されている。
図15Aに示すように、給気換気運転、加湿運転、および除湿運転における吸着運転の実行中、ダンパ装置64のダンパ64aが流出口120eを塞ぐ。これにより、ファン室F2内の室外空気A3が、接続口102mに向かってダクト部62d内を流れる。すなわち、舌部120dから接続口102mに延在するガイド壁120cの一部として、ダンパ64aが機能する。そのために、舌部120dとダンパ64aの回転中心線C2との間に、流出口120eが存在する。
一方、図15Bに示すように、排気換気運転中、および除湿運転における再生運転中、ダンパ装置64のダンパ64aが、ダクト部62dの延在方向(すなわち接線方向DT)に対して非直角に交差し、且つ、流出口120eに対向した状態で、ダクト部62dの内部流路を閉じる。これにより、ファン室F2内の室内空気A1(排気換気運転中)や室外空気A3(再生運転中)が、ダンパ64aに沿って流れて流出口120eを通過し、そして排気口102jに向かって流れる。すなわち、ダンパ64aが流出口120eに空気をガイドするガイド板として機能する。その結果、ダンパ64aがダクト部62dの延在方向に対して直交した状態でダクト部62dの内部流路を閉じる場合に比べて、圧力損失や乱流の発生が抑制され、それによる大きな騒音の発生が抑制される。
また、排気換気運転中、すなわち、ダンパ装置68が開いた状態のとき、図15Bに示すように、ダンパ装置64のダンパ64aがダクト部62dの内部流路を閉じてファン62の羽根車62aが回転することにより、換気導管56および第2の空間S2を介して、室内空気A1が、ファン62のファン室F2内に流入する(図14B参照)。
本実施の形態の場合、排気口102jから排出された室外空気A3または室内空気A1は、図7および図8に示す保護カバー128内に流入する。
図16は、保護カバーを外した状態の室外機の一部分の斜視図である。
図16に示すように、また図1および図2に示すように、保護カバー128は、換気導管56を覆って保護するカバーである。換気導管56は、換気装置50の接続口102mから下方に延在し、その後斜め上後方に室内機20に向かって延在している。保護カバー128は、換気導管56における接続口102mから下方向に延在する部分を覆って保護する。そのために、保護カバー128は、図8に示すように、その下部に後方に向かって開き、換気導管56が通過する開口128aを備える。なお、本実施の形態の場合、開口128aは、切り欠き状である。また、本実施の形態の場合、保護カバー128は、冷媒配管が接続されるコネクタ130も覆って保護している。
保護カバー128は、換気導管56が換気装置50の筺体102の右側壁102kに形成された接続口102mに接続されているので、筺体102の右側壁102kと室外機30の本体の筺体100の右側壁100aに取り付けられる。その結果、換気装置50の排気口102jが、保護カバー128に覆われ、その内部空間に連通する。
排気口102jを覆う保護カバー128は、排気口102jに由来して換気装置50の外部に漏れる騒音のレベルを低下させる「マフラー」として機能する。例えば、ファン62から発生して排気口102jを介して換気装置50から漏れる騒音を、保護カバー128は低減する。または例えば、排気換気運転中や除湿運転における再生運転中に室内空気A1や室外空気A3が排気口102jを通過するときに発生する風切り音の騒音のレベルを、保護カバー128は低減する。
また、本実施の形態の場合、排気口102jは、室外機30の上部(厳密には室外機30の本体の筺体100上に載置された換気装置50)に設けられている。その排気口102jを覆う保護カバー128の開口128aは、その下部に設けられている。そのため、排気口102jと開口128aが、室外機30において、高さ方向(Z軸方向)に可能な限り離れている。その結果、排気口102jに由来して換気装置50の外部に漏れる騒音のレベルがさらに低下する。
騒音レベルに関して、吸収材52とファン70との間の第2の流路P2の部分が、ファン70の吸気効率の向上とファン70由来の騒音レベルの低減を実現することができる構造のダクトから構成されている。
図17および図18は、吸収材とファンとの間の第2の流路の部分であるダクトを示す前方分解斜視図および後方分解斜視図である。また、図19は、吸収材とファンとの間の第2の流路の部分であるダクトの内部空間を示す上面図である。そして、図20は、第2の流路に設けられたファンのファンケーシング内を示す上面図である。なお、図20は、図19から仕切り板106を省略した図に対応する。
図17~図19に示すように、また、上述したように、ファン70は、シロッコファンであって、その空気吸い込み口106aには、吸収材52を通過した室外空気A4が流入する。本実施の形態の場合、そのファン70を由来にして発生する騒音レベルを低減するように、ダクト(吸収材52とファン70との間の第2の流路P2の部分)が構成されている。
ダクトは、ファン70の空気吸い込み口106aに連通し、仕切り板106とインナーカバー108から構成されている。なお、仕切り板106は、ファン70のファンケーシング70cの一部分である。
ダクトの内部空間は、第4の空間S4である。具体的には、仕切り板106は、ダクトの内部空間、すなわち第4の空間S4を画定するために、仕切り板106からインナーカバー108に向かって延在し、ファン70羽根車70aの回転中心線C3の延在方向(本実施の形態の場合、高さ方向(Z軸方向))視で、ファン70の空気吸い込み口106aの三方を距離を開けて囲む第1、第2、および第3の内側面106b、106c、および106dを含んでいる。なお、空気吸い込み口106aは、回転中心線C3が通過する中心を備える円形状である。
第1の内側面106bと第2の内側面106cは、ファン70の回転中心線C3の延在方向(Z軸方向)視で、直線状であって、空気吸い込み口106aを挟んで対向している。本実施の形態の場合、第1の内側面106bと第2の内側面106cは、前後方向(X軸方向)に対向し、互いに平行である。また、本実施の形態の場合、回転中心線C3の延在方向視で、第3の内側面106dは、直線状であって、第1および第2の内側面106b、106cの延在方向(Y軸方向)に対して直交する方向(X軸方向)に延在している。
また、第1の内側面106bと第3の内側面106dは、第1のコーナー面106eを介して接続している。第2の内側面106cと第3の内側面106dは、第2のコーナー面106fを介して接続している。本実施の形態の場合、第1および第2のコーナー面106e、106fは、ファン70の回転中心線C3の延在方向(Z軸方向)視で、円弧状である。
このようなダクト構造によれば、ファン70の回転中心線C3の延在方向(Z軸方向)視で、室外空気A4は、あらゆる方向から空気吸い込み口106aに吸い込まれる。
しかしながら、ファン70、すなわちシロッコファンの空気吸い込み口106aは、あらゆる方向から空気を吸い込めるものの、方向によって吸い込み力が異なる。それにより、ファン70は、その吸気効率が低下し、高いレベルの騒音を発生しうる。
図21は、吸収材とファンとの間の第2の流路の部分であるダクトの内部空間を概略的に示す上面図である。
図21に示すように、シロッコファンであるファン70のファンケーシング70cは、舌部102pから羽根車70aの外周に沿って延在するスクロール壁102gを含んでいる。具体的には、スクロール壁102gは、舌部102p近傍の第1の点T1(仕切り点)から羽根車70aとの距離が徐々に大きくなるように、回転方向(Z軸方向)視で円形状の羽根車70aの外周に沿って延在している。すなわち、羽根車70aから流出してスクロール壁102gに沿って流れる空気の流路断面積が徐々に増加するように、スクロール壁102gが延在している。なお、第1の点T1は、羽根車70aとの距離が最小であるスクロール壁102gの点である。
羽根車70aから流出してスクロール壁102gに沿って流れる空気(室外空気A4)の速度は、第1の点T1から第2の点T2までは相対的に高速である。なお、第2の点T2は、第2の点T2と羽根車70aとの間を通過する空気の流れ方向が空気吹き出し口102c(排気口)に向く点である。
回転中心線C3を基準とする第1の点T1から第2の点T2までの角度範囲θ1では、スクロール壁102gに沿って流れる空気が相対的に高速であるので、その空気が流れるファン室F1の部分は相対的に圧力が低い。一方、第2の点T2のから第1の点T1までの角度範囲θ2では、空気吹き出し口102cを介して大気と連通しているので、また流路断面積が急激に拡大するので、空気が相対的に低速で流れ、その結果として、その空気が流れるファン室F1の部分は相対的に圧力が高い。
したがって、空気吸い込み口106aは、角度範囲θ1の方向から空気吸い込み口106aに向かう空気は、相対的に圧力が低いファン室F1の部分に吸い込まれるので、その吸い込み量が相対的に多い。これに対して、角度範囲θ2の方向から空気吸い込み口106aに向かう空気は、相対的に圧力が高いファン室F1の部分に吸い込まれるので、その吸い込み量が相対的に少ない。すなわち、シロッコファンであるファン70は、空気吸い込み口106aに対して角度範囲θ1の方向についての吸い込み力は相対的に大きいが、角度範囲θ2の方向についての吸い込み力は相対的に小さい。この吸い込み方向の違いによる吸い込み力の偏りが、吸い込み方向の違いによる空気吸い込み量の偏りを発生させ、ファン70の吸気効率の低下および騒音の発生の原因となりうる。
空気吸い込み方向の違いによる空気吸い込み量の偏りを抑制するために、ダクト(吸収材52とファン70との間の第2の流路P2の部分)は、2つの特徴を備える。
まず、第1の特徴にとして、図19~図21に示すように、ファン70の回転中心線C2の延在方向(Z軸方向)視で、空気吹き出し口106aに近い方の第1のコーナー面106eが、第2のコーナー面106fに比べて接近して設けられている。すなわち、空気吹き出し口106aに対して角度範囲θ2の方向にある第1のコーナー面106eが、第2のコーナー面106fに比べて空気吹き出し口106aに接近している。
また、第2の特徴として、図19~図21に示すように、ファン70の回転中心線C2の延在方向(Z軸方向)視で、空気吹き出し口102cに最も近く、且つ、空気吹き出し口102cの開口方向(本実施の形態の場合前後方向(X軸方向))と交差する第1の内側面106bと空気吸い込み口106aとの間に、第1の内側面106bから突出するガイド部106gが設けられている。
このような第1および第2つの特徴により、空気吸い込み口106aに対して角度範囲θ2の方向に離れた位置で、空気が滞留することを抑制することができる。すなわち、空気吸い込み口106aに対して角度範囲θ2の方向の位置に向かって流れる空気を、吸い込み口106aに向けることができる。このことについて、比較例を挙げて説明する。
図22は、比較例の換気装置における、ダクトの内部空間の空気の流れを概略的に示す図である。また、図23は、第1の特徴を備える実施例1に係る換気装置における、ダクトの内部空間の空気の流れを概略的に示す図である。そして、図24は、第2の特徴を備える実施例2に係る換気装置における、ダクトの内部空間の流れを概略的に示す図である。なお、図22~図24においては、空気の流れを矢印DAで示し、矢印DAの太さが大きいほど、流量が多い。
図22に示す比較例の換気装置においては、空気吸い込み口106aに対して角度範囲θ2の方向に位置する第1のコーナー面206dは、第1のコーナー面206eに比べてファン70の空気吸い込み口106aに接近しておらずに遠い。また、第1の内側面202bに突出するガイド部が存在しないために、第1の内側面202bに沿って空気が、第1のコーナー面206eに向かって流れる。その結果、第1のコーナー面206eの近傍に、空気の滞留が発生する。これは、空気吸い込み口106aに対して角度範囲θ2の方向、すなわち吸い込み力が弱い方向に、空気吸い込み口106aから離れて第1のコーナー面206eが存在することによる。なお、第2のコーナー面206f近傍にも、同様の空気の滞留が発生する。その結果、空気吸い込み方向の違いによる空気吸い込み量の偏りが大きい。
これに対して、図23に示すように、第1の特徴として、第1のコーナー面106eが第2のコーナー面106fに比べてファン70の空気吸い込み口106aに接近している場合、第1のコーナー面106eに向かって第1の内側面106bに沿って流れる空気は、第1のコーナー面106eにより、吸い込み口106aに接近するとともに、吸い込み口106aに対して角度範囲θ1の方向に位置する空間に流れる。また、第1のコーナー面106eによって第2のコーナー面106fに向かう方向に方向づけされた流量の多い空気が、第2のコーナー面106f近傍の空気を誘引して共に空気吸い込み口106aに向かう。その結果、空気吸い込み方向の違いによる空気吸い込み量の偏りが抑制される。すなわち、ファン70の空気吸い込み口106aは、高い吸気効率で空気を吸い込むことができる。
なお、本実施の形態の場合、第1のコーナー面106eは、ファン70の回転中心線C3の延在方向(Z軸方向)視で円弧状であるが、それに代わって直線状であってもよい。ただし、その場合、直線状の第1のコーナー面106eと第1の内側面106bとがなす角度と第1のコーナー面106eと第3の内側面106dとがなす角度は等しいのが好ましい。
また、図24に示すように、第2の特徴として、第1の内側面106bから突出するガイド部106gが設けられている場合、第1の内側面106bに沿って第1のコーナー面106eに向かう空気の流れの発生が抑制される。第1のコーナー面106eに沿って流れる空気は、ガイド部106gに接触し、空気吸い込み口106aに吸い込まれる。これにより、第1のコーナー面106e近傍に到達する空気の量が減少する。すなわち、ファン70の空気吸い込み口106aは、高い吸気効率で空気を吸い込むことができる。
なお、本実施の形態の場合、ガイド部106gは、図18、図19、および図21に示すように、ファン70の回転中心線C3の延在方向(Z軸方向)視で、ファン70の羽根車70aの回転方向DRの下流側から上流側に延在しつつ、第1の内側面106bから離れていく第1のガイド面106hを備える。また、回転中心線C3の延在方向視で、ファン70の羽根車70aの回転方向DRの上流側から下流側に延在しつつ、第1の内側面106bから離れていく第2のガイド面106iを備える。本実施の形態の場合、第1および第2のガイド面106h、106iは、平面状である。
このような第1のガイド面106hによれば、図24に示すように、第1の内側面106bに沿って第1のコーナー面106eに向かって流れる空気は、空気吸い込み口106aに向かってガイドされる。その結果、ファン70の空気吸い込み口106aは、より高い吸気効率で空気を吸い込むことができる。
また、第2のガイド面106iによれば、図24に示すように、第3の内側面106dに沿って流れて第1のコーナー面106e近傍に到達した空気を、ファン70の空気吸い込み口106aに向かってまたはその近くにガイドすることができる。その結果、ファン70の空気吸い込み口106aは、より高い吸気効率で空気を吸い込むことができる。
さらに、第1のガイド面106hは、図21に示すように、ファン70の回転中心線C3の延在方向(Z軸方向)視で、最も羽根車70aに近いスクロール壁102g上の点である第1の点(仕切り点)T1を中心とし、第1の点T1と羽根車70aとの間の最短距離を半径とする円形領域AC(クロスハッチング領域)に向かって延在している。これによって、第1のガイド面106hに沿って流れた空気は、吸い込み力が相対的に大きい角度範囲θ1の方向から空気吸い込み口106aに吸い込まれることができる。その結果、ファン70の空気吸い込み口106aは、さらにより高い吸気効率で空気を吸い込むことができる。
上述したように、第1および第2の特徴により、ファン70の吸気効率が向上するとともに、ファン70由来の騒音レベルも低減される。
図25は、第1の特徴を備える実施例1に係る換気装置における騒音レベルの低減を示すグラフである。また、図26は、第2の特徴を備える実施例2に係る換気装置における騒音レベルの低減を示すグラフである。なお、図25および図26それぞれに示す比較例のグラフは、図22に示す比較例のダクト構造に対応する。また、図25に示す実施例1のグラフは、図23に示す実施例1のダクト構造に対応する。そして、図26に示す実施例2のグラフは、図24に示す実施例2のダクト構造に対応する。
図25および図26に示すように、比較例に比べて、実施例では、人間が騒音として感じる200Hz以上の帯域の一部で騒音レベルが低下していることがわかる。
なお、本実施の形態の場合、ファン70の空気吹き出し口(排気口)102cは、換気装置50の前方に向かって開口している。これに代わって、空気吹き出し口は、別の方向に開口してもよい。
図27は、ファンの空気吹き出し口が後方に向かって開口する別の実施の形態に係る換気装置における、吸収材とファンとの間の第2の流路の部分であるダクトの内部空間を概略的に示す上面図である。また、図28は、ファンの空気吹き出し口が左方に向かって開口するさらに別の実施の形態に係る換気装置における、吸収材とファンとの間の第2の流路の部分であるダクトの内部空間を概略的に示す上面図である。
図27に示す別の実施の形態に係る換気装置において、ファン70の空気吹き出し口102cは、筺体102の後壁102eに設けられ、換気装置の後方に向いている。この場合、空気吹き出し口102cに近い第2のコーナー面106fが、第1のコーナー面106eに比べて空気吸い込み口106aに接近して設けられる。また、ガイド部106gが、吸い込み口106aと第2の内側面106cとの間に配置され、第2の内側面106cから突出する。
また、図28に示すさらに別の実施の形態に係る換気装置において、ファン70の空気吹き出し口102cは、筺体102の左側壁102qに設けられ、換気装置の左方に向いている。この場合、空気吹き出し口102cに近い第2のコーナー面106fが、第1のコーナー面106eに比べて空気吸い込み口106aに接近して設けられる。また、ガイド部106gが、吸い込み口10aと第3の内側面106dとの間に配置され、第3の内側面106dから突出する。
ファン70の空気吹き出し口(排気口)102cに関して、ファン70は、空気吹き出し口102cを介してファン室F1に侵入した雨などの液体に対して、モータ70bが防滴されている。
図29は、第2の流路に設けられたファンにおける、羽根車を取り外した状態のファン室を示す斜視図である。また、図30は、第2の流路に設けられたファンにおける、モータカバーとその周辺の断面図である。
図29および図30に示すように、ファン70のモータ70bは、筺体102の凹部102h内に収容され、モータカバー110によって覆われている。モータカバー110には、羽根車70aと連結するモータ70bの駆動シャフト70dが通過するための貫通穴110aが設けられている。空気吹き出し口102cを介してファン室F1に侵入した雨などの液体が、モータカバー110の貫通穴110aを介してモータ70bに到達する可能性がある。
その対処として、モータカバー110は、上方に向かって突出して貫通穴110aを通過した駆動シャフト70dを囲む環状の内側壁110bを備える。また、上方に向かって突出して内側壁110bを囲むC字状の外側壁110cを、モータカバー110は備える。内側壁110bおよび外側壁110cにより、駆動シャフト70dが通過する貫通穴110aに雨などの液体が到達することが抑制されている。なお、外側壁110cがC字状である理由は、内側壁110bと外側壁110cとの間に液体が溜まることを抑制するためである。なお、内側壁110bと外側壁110cとの間に液体が溜まる可能性が低い場合は、外側壁110cを環状であってもよい。
また、筺体102には、モータカバー110を囲む環状溝102rを備える。また、環状溝P102rには、高さ方向(Z軸方向)に貫通する貫通穴102sが形成されている。これにより、ファン室F1に侵入した雨など液体は、環状溝102rに溜まり、そして貫通穴102sを介してファン室F1の外部に排出される。
なお、ファン室F1に侵入した雨などの液体を環状溝102rに集めるために、筺体102は、環状溝102rに向かって傾斜する環状のスロープ面102tを備える。また、モータカバー110は、貫通穴110aが形成された中央部分から外周に向かって傾斜している。
さらに、モータカバー110には、モータカバー110を筺体102に固定するねじ用の座繰り穴110dが形成されている。この座繰り穴110dに雨などの液体が溜まらないように、座繰り穴110dは、連結溝110eを介して、筺体102の環状溝102rに接続されている。
排気口102cを介する雨などの液体の換気装置50内への侵入に関して、吸気口102aを介して液体が換気装置50の第3の空間S3に侵入しうる。第3の空間S3に液体が侵入すると、その上方に位置する吸収材52が濡れる可能性がある。
図31は、第2の流路に連通する換気装置の吸気口の断面図である。
図31に示すように、雨などの液体で吸収材52が濡れることを抑制するために、吸気口102aには、左右方向(Y軸方向)にそれぞれ延在し、高さ方向(Z軸方向)に間隔をあけた複数の桟102u、102v、102wが設けられている。空気(室外空気A3)は、桟102u、102vの間の空間、桟102v、102wの間の空間、および桟102wと底板102fとの間の空間を通過する。
桟102u、102v、102wそれぞれは、筺体102の底板102fに向かって斜め下方向に傾斜している。桟102uの傾斜が最も大きい。これにより、吸収材52に最も近い桟102u、102vの空間に侵入した雨などの液体が、桟102uの下面にあたって吸収材52に到達し難くなる。
桟102u、102vの間の距離は、奥に行くにしたがって小さくされている。また、桟102uの奥行方向(X軸方向)の長さは、桟102vの奥行方向の長さに比べて短くされている。これにより、桟102u、102vの間の空間は、空気が高速で流れ、通風抵抗が小さい流路となる。その結果、十分量の室外空気が、桟102u、102vの間を流れることができる。
桟102uが、桟102vに比べて大きく傾斜している。また、桟102uの奥行長さが桟102vの奥行長さに比べて短い。そのため、桟102uの下面が濡れると、その下面から下の桟102vに液体が滴下する。その結果、桟102v上に液体が溜まる。その対処として、桟102vは、奥に行くにしたがって傾斜が大きくなるように形成されている。これにより、桟102v上の液体が奥に流れて、底板102fに落下する。
吸収材52の底板102fの部分に溜まった液体は、桟102wと底板102fとの間の空間を介して外部に排出される。そのために、吸収材52の下方に位置する底板102fの部分は、吸気口102aに向かって斜め下方向に傾斜している。
以上のような本実施の形態によれば、加湿運転を実行するためにシロッコファンを室外機が備えている空気調和機において、シロッコファンの吸気効率を向上させつつ、シロッコファン由来の騒音レベルを低減することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、図18、図19、および図21に示すように、ダクト(吸収材52とファン70との間の第2の流路P2の部分)において、第1の特徴として、第1のコーナー面106eが第2のコーナー面106fに比べてファン70の空気吸い込み口106aに接近している。また、第2の特徴として、第1の内側面106bから突出するガイド部106gが設けられている。しかしながら、本開示の実施の形態は、これに限定されない。例えば、第2の特徴のみでも、程度が低くなるものの、シロッコファンの吸気効率を向上させつつ、シロッコファン由来の騒音レベルを低減することができる。
すなわち、本開示の実施の形態に係る空気調和機は、広義には、羽根車と、前記羽根車を収容するファン室、前記羽根車の回転中心線が延在する方向に開口して前記ファン室に連通する空気吸い込み口、および前記羽根車の接線方向に開口して前記ファン室に連通する空気吹き出し口を備えるファンケーシングとを有するシロッコファン、および、前記シロッコファンの空気吸い込み口に連通し、前記回転中心線の延在方向と交差する方向に空気をガイドする内部空間を備えるダクトを有し、前記ダクトが、前記延在方向視で前記空気吸い込み口の三方を距離をあけて囲む第1、第2、および第3の内側面を含み、前記延在方向視で、前記第1および第2の内側面それぞれが、前記空気吸い込み口を挟んで対向し、前記延在方向視で、前記第1、第2、および第3の内側面の中、前記空気吹き出し口に最も近く、且つ、前記空気吹き出し口の開口方向と交差する内側面と前記空気吸い込み口との間に少なくとも一部分が配置され、且つ、当該内側面から突出するガイド部が設けられている。
本開示は、シロッコファンを備える空気調和機であれば適用可能である。
70 シロッコファン(ファン)
102c 空気吹き出し口
106a 空気吸い込み口
106b 第1の内側面
106c 第2の内側面
106d 第3の内側面
106g ガイド部
C3 回転中心線
102c 空気吹き出し口
106a 空気吸い込み口
106b 第1の内側面
106c 第2の内側面
106d 第3の内側面
106g ガイド部
C3 回転中心線
Claims (5)
- 羽根車と、前記羽根車を収容するファン室、前記羽根車の回転中心線が延在する方向に開口して前記ファン室に連通する空気吸い込み口、および前記羽根車の接線方向に開口して前記ファン室に連通する空気吹き出し口を備えるファンケーシングとを有するシロッコファン、および、
前記シロッコファンの空気吸い込み口に連通し、前記回転中心線の延在方向と交差する方向に空気をガイドする内部空間を備えるダクトを有し、
前記ダクトが、前記延在方向視で前記空気吸い込み口の三方を距離をあけて囲む第1、第2、および第3の内側面を含み、
前記延在方向視で、前記第1および第2の内側面それぞれが、前記空気吸い込み口を挟んで対向し、
前記延在方向視で、前記第1、第2、および第3の内側面の中、前記空気吹き出し口に最も近く、且つ、前記空気吹き出し口の開口方向と交差する内側面と前記空気吸い込み口との間に少なくとも一部分が配置され、且つ、当該内側面から突出するガイド部が設けられている、空気調和機。
- 前記ガイド部が、前記延在方向視で、前記羽根車の回転方向下流側から上流側に延在しつつ、前記ガイド部が設けられた内側面から離れていく第1のガイド面を備える、第1のガイド面を備える、請求項1に記載の空気調和機。
- 前記延在方向視で、最も羽根車に近いファンケーシングのスクロール壁上の点である仕切り点を中心とし、前記仕切り点と前記羽根車との間の最短距離を半径とする円形領域に向かって前記第1のガイド面が延在している、請求項2に記載の空気調和機。
- 前記ガイド部が、前記延在方向視で、前記羽根車の回転方向下流側から上流側に延在しうつ、前記ガイド部が設けられた内側面から離れる第2のガイド面を備える、請求項1に記載の空気調和機。
- 前記ダクトの一部分と前記シロッコファンのファンケーシングの一部分とが共通である、請求項1に記載の空気調和機。
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