JP2024045786A - ディップ成型用ラテックス配合組成物及びディップ成型物 - Google Patents

ディップ成型用ラテックス配合組成物及びディップ成型物 Download PDF

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Abstract

【課題】 成型物における物理強度と安全性とを両立することができるディップ成型用ラテックス配合組成物を提供する。【解決手段】 多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)とエチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーラテックス組成物(B)とを含み、該ポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対する多価金属塩で処理された酸化チタン(A)の割合が0.05~10.0質量%であることを特徴とするディップ成型用ラテックス配合組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ディップ成型用ラテックス配合組成物及びディップ成型物に関する。より詳しくは、手袋、コンドーム、カテーテル、チューブ、風船、ニップル、サック等に好適に使用することができるディップ成型用ラテックス配合組成物及びディップ成型物に関する。
天然ゴムラテックス組成物をディップ成型して得られる、手袋、コンドーム、カテーテル、チューブ、風船、ニップル、サックなどの成型品が知られている。しかし天然ゴムラテックスは人体にアレルギー症状を引き起こすタンパク質を含有しているため、人体に直接接触するような製品の場合に問題が生じることが報告されている。また、ディップ成型物が天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスに関わらず、人体に対して刺激性のある化学物資を用いて作製される場合、ディップ成型物中に存在する残余の化学物質が引き起こす遅延型アレルギー症状が近年問題となっている。
現在、市場で最も多く使用されているニトリル手袋は、カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴムラテックスに硫黄、加硫促進剤、酸化亜鉛等の多価金属塩、酸化チタン等の顔料、老化防止剤等を添加して浸漬加工することで作製されるのが一般的である。
上記硫黄、加硫促進剤は、ポリマーに共有結合架橋構造を形成し、耐久性、弾性力を向上させる目的で添加され、酸化亜鉛及びその他の多価金属塩は、ポリマー間にイオン結合架橋を生成させ、物理強度を向上させる目的で添加されることが一般的に知られている。また、成型物に隠ぺい性、白色度を向上する目的で酸化チタンが添加されること、劣化防止の目的で老化防止剤等が添加されることも一般的である。
上記配合剤の中でも無機化合物に関して、例えば特許文献1、2において、酸化亜鉛は加硫促進剤又はイオン性架橋剤として、酸化チタンは白色化剤又は色増進剤として添加されている。
上記のとおり、酸化チタンは、水性ラテックス含有塗料配合物に隠ぺい力・着色力・白色度を付与する目的で用いられることが知られているが、酸化チタンの水への分散性やラテックス組成物との親和性を向上させ、分散安定性を付与する目的で表面処理がなされることがある(特許文献3参照)。
しかし酸化チタンはカルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴムのカルボキシル基をイオン的に架橋しないと考えられている(特許文献4参照)。
特許第5575254号公報 米国特許5014362号明細書 特許第6715895号公報 特許第3517246号公報
物理強度、ゴム弾性、耐久性がある成型物を作製するためには、上記の配合剤を適量使用する必要があるが、これらの化学物質の残留が種々の問題を引き起こす原因にもなっている。特に、加硫促進剤に使用されるチアゾール・チウラム・カルバメートはIV型遅延型過敏症(アレルギー)を誘発する原因となっている。また、手袋中に残留する酸化亜鉛等が多い場合、アルコール等による残留物質量が多くなり、衛生規格を満足できない懸念がある。
更に、配合剤として使用される無機化合物は、ディップ成型物を伸張していく場合、有機高分子であるゴムポリマーと無機化合物との伸張率の相違から、両者間にマクロ乖離が生じ、物理強度を低下させる原因となる。したがって、上記安全性の観点に加えて、耐久性や引張強度等の物理強度の観点からも、使用される無機化合物の量を最小限に抑える必要があった。
このように手袋に代表される浸漬加工製品は、成型物の強靭性と安全性がますます求められており、ディップ成型物の加工において、配合剤の使用量を最小限に抑えながら成型物の性能物性を維持することが求められている。
上述の通り、種々のディップ成型用ラテックス配合組成物が開発されているものの、従来のディップ成型用ラテックス配合組成物は、成型物の物理強度と安全性との両立の点で充分ではなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、成型物における物理強度と安全性とを両立することができるディップ成型用ラテックス配合組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ディップ成型用ラテックス配合組成物について種々検討したところ、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーを含むポリマーラテックス組成物に対して、多価金属塩で表面処理された酸化チタンを所定量用いることにより、成型物における物理強度と安全性とを両立することができることを見出し、課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)と、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーを含むポリマーラテックス組成物(B)とを含み、該ポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対する多価金属塩で処理された酸化チタン(A)の割合が0.05~10.0質量%であるディップ成型用ラテックス配合組成物である。
上記酸化チタン(A)は、多価金属塩とシリカで表面処理されたものであることが好ましい。
上記多価金属塩は、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、チタニウム、ジルコニウム、セリウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、スズ、鉛、ニッケル、鉄、銅、カドミウム、コバルト及びマンガンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の塩であることが好ましい。
上記酸化チタン(A)における多価金属塩の表面処理量は、表面処理前の酸化チタン100質量%に対して0.1~10質量%であることが好ましい。
上記酸化チタン(A)におけるシリカの表面処理量は、表面処理前の酸化チタン100質量%に対して0.1~10質量%であることが好ましい。
上記酸化チタン(A)は、平均粒子径が1μm以下であることが好ましい。
上記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、共役ジエン単量体由来の構造単位(b2)を有することが好ましい。
上記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、エチレン性不飽和ニトリル単量体由来の構造単位(b3)を有することが好ましい。
上記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)、共役ジエン単量体由来の構造単位(b2)及びエチレン性不飽和ニトリル単量体由来の構造単位(b3)の含有割合が2~10/50~78/20~40(質量%)であることが好ましい。
上記ディップ成型用ラテックス配合組成物は、酸化亜鉛の含有割合がポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。
上記ディップ成型用ラテックス配合組成物は、硫黄の含有割合がポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して2質量%以下であることが好ましい。
上記ディップ成型用ラテックス配合組成物は、加硫促進剤の含有割合がポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して2質量%以下であることが好ましい。
本発明はまた、上記ディップ成型用ラテックス配合組成物を成型させてなるディップ成型物でもある。
上記ディップ成型物は手袋であることが好ましい。
本発明は更に、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーを含むディップ成型物であって、上記ディップ成型物は、更に多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)を含み、以下の方法で測定する装着耐久時間が50分以上であり、以下の方法で測定する4%酢酸溶出後の蒸発残留物量が60ppm以下であるディップ成型物でもある。
<装着耐久時間の測定>
ディップ成型物として膜厚が0.05mmの手袋を作製して、被験者5名に装着してもらい、指又部分に穴が生じるまでの時間の中央値にて評価する。
<4%酢酸溶出後の蒸発残留物量の測定>
食品衛生法のゴム製の器具又は容器包装の試験方法に基づいて、ディップ成型物を4%酢酸に60℃で30分浸漬させた後、浸出液中の蒸発残留物量を測定する。
本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物及びその成型物は、上述の構成よりなり、成型物における物理強度と安全性とを両立することができるため、手袋、コンドーム、カテーテル、チューブ、風船、ニップル、サック等に好適に使用することができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
<ディップ成型用ラテックス配合組成物>
本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物は、多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)(以下、酸化チタン(A)ともいう。)とエチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーラテックス組成物(B)(以下、ポリマーラテックス(B)ともいう。)とを含み、該ポリマーラテックス(B)の固形分100質量%に対する多価金属塩で処理された酸化チタン(A)の割合が0.05~10.0質量%である。
多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)は、架橋反応に寄与することができるため、従来、架橋剤として使用されていた硫黄、酸化亜鉛、加硫促進剤の添加量を低減することができる。
従来、アルミニウム化合物等の多価金属塩自体がポリマーの架橋剤として使用されているが、その場合ポリマー間での架橋反応のみが増進され、無機化合物との界面剥離を改善することはできなかった。これに対して本発明では、酸化チタン(A)の表面の多価金属塩により、ポリマーラテックス(B)のポリマーのカルボキシル基間にイオン架橋が形成されるため、酸化チタン粒子と有機高分子ポリマーとの間の親和性が向上し、無機物―有機物界面の相互作用が強まるため、成型物フィルムを伸張した際の有機-無機界面における乖離を抑制することができると考えられる。このように成型物フィルム中に微分散状態にある酸化チタン表面において有機-無機界面における乖離抑制効果が増進されることで、ディップ成型物の靭性が強化され、機械的特性(引張強度・破断点伸び・破壊力)が向上すると考えられる。
更に、上記酸化チタン(A)は、従来の酸化チタンのように白色顔料としての機能も発揮できるため、上記酸化チタン(A)とは別に白色顔料としての酸化チタンを用いる必要もないため、無機化合物の使用量を低減することができる。
これにより、架橋剤や無機化合物等の配合剤の含有量を低減することができ、かつ、成型物が機械的強度に優れるものとなる。
本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物において、上記ポリマーラテックス(B)の固形分100質量%に対する多価金属塩で処理された酸化チタン(A)の割合は0.05~10.0質量%であり、好ましくは0.2~5.0質量%であり、更に好ましくは0.4~3.0質量%である。これにより本発明の作用効果をより効果的に発揮することができる。
これにより本発明の作用効果をより効果的に発揮することができる。
本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物は、酸化チタン(A)及びポリマーラテックス(B)以外の後述するその他の成分(E)を含んでいてもよい。
以下では、本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物に含まれる必須成分及び任意成分について更に説明する。
<多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)>
本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物に含まれる酸化チタン(A)は、多価金属塩で表面処理されており、該多価金属塩により、ポリマーラテックス(B)が有するカルボキシル基間にイオン架橋反応を形成することができる。
多価金属塩は、カルボキシル基間にイオン架橋反応を形成するものであれば特に制限されず、2価以上の金属イオンを発生させる金属塩が挙げられる。
多価金属として好ましくは、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、チタニウム、ジルコニウム、セリウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、スズ、鉛、ニッケル、鉄、銅、カドミウム、コバルト及びマンガンである。より好ましくはアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、チタニウム、ジルコニウム、セリウム、スズ、であり、更に好ましくはアルミニウム、亜鉛である。
上記酸化チタン(A)における多価金属塩の表面処理量は、表面処理前の酸化チタン100質量%に対して0.1~10質量%であることが好ましい。これによりポリマーラテックス(B)におけるイオン架橋がより充分に形成される。多価金属塩の表面処理量としてより好ましくは0.5~8質量%であり、更に好ましくは1~5質量%である。
上記酸化チタン(A)は、多価金属塩とシリカで表面処理されたものであることが好ましい。これにより、酸化チタン(A)のラテックス配合組成物における分散性がより向上する。
上記酸化チタン(A)におけるシリカの表面処理量は、表面処理前の酸化チタン100質量%に対して0.1~10質量%であることが好ましい。これにより酸化チタン(A)の分散性がより充分に向上する。シリカの表面処理量としてより好ましくは0.5~8質量%であり、更に好ましくは1~6質量%である。
上記酸化チタン(A)は、表面処理前の酸化チタンの平均粒子径が1μm以下であることが好ましい。これによりラテックス配合組成物において酸化チタン(A)が十分に分散するため、可視光をより充分に散乱させ、ラテックス配合組成物に白色度を充分に付与することができる。平均粒子径としてより好ましくは0.8μm以下であり、更に好ましくは0.5μm以下である。また、平均粒子径として好ましくは0.01μm以上である。
<多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)の製造方法>
上記酸化チタン(A)の製造方法は、多価金属塩で表面処理される限り特に制限されないが、原料となる酸化チタンと多価金属塩を分散液中で混合することにより製造することができる。
上記酸化チタン(A)の製造方法は、原料となる酸化チタンと多価金属塩とを分散液中で混合する混合工程を含むことが好ましい。
なお上記多価金属塩は、分散液中で金属イオンとそのカウンターアニオンとが電離していてもよい。
上記酸化チタン(A)の原料となる酸化チタンとしては特に制限されないが、例えば硫酸法によって得られた二酸化チタンや、塩素法によって得られた酸化チタンが挙げられる。
また、酸化チタンの結晶型も特に限定されず、ルチル型酸化チタンでもよく、アナターゼ型酸化チタンでもよいが、耐候性及び耐光性の点からは、ルチル型が好ましい。
上記酸化チタンの粒度も、特に制限されず、用途に応じて適宜選択することができる。一般的に、ラテックス配合組成物における隠ぺい力、着色力、白色度を高める目的で用いられる酸化チタンは、平均粒子径が0.01~1.0μmであることが好ましく、0.1~0.5μmであることがより好ましい。
上記多価金属塩としては、上述の多価金属の酸化物、複酸化物、硫酸塩、硝酸塩、塩化物等が挙げられる。具体的には、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等が挙げられる。
上記酸化チタン(A)が多価金属塩とシリカで表面処理されたものである場合、シリカ源としては、ケイ酸ナトリウムや四塩化ケイ素等のシリカ化合物が挙げられる。
この場合、多価金属塩とシリカとを酸化チタンに処理する順序は特に制限されず、先に多価金属塩により表面処理しても、シリカにより表面処理しても、同時に表面処理してもよいが、先にシリカにより表面処理を行うことが好ましい。先にシリカにより表面処理することで、シリカがアンカーとなり、多価金属塩による表面処理をより充分に進行させることができる。
上記酸化チタン(A)の製造方法で用いられる分散液としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、N-メチルピロリドン等の水性溶媒または水可溶性溶媒が挙げられる。中でも好ましくは水である。
上記酸化チタン(A)の製造方法は、上記混合工程後に、混合工程で得られた分散液(スラリー)を乾燥する工程、該乾燥工程で得られた乾燥物を焼成する工程、該焼成工程で得られた焼成物を粉砕する工程を含んでいてもよい。
<エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーラテックス組成物(B)>
本発明のポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーラテックスである。
上記構造単位(b1)が有するカルボキシル基間に多価金属塩によるイオン架橋を形成することによりポリマーラテックス(B)は架橋構造を有するものとなる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、エチレン性不飽和結合とカルボキシル基又はその塩の基とを有するものであれば特に制限されないが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸及びこれらの塩などが挙げられる。なかでもアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩が好ましい。
これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エチレン性不飽和カルボン酸単量体の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等の1価金属塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属等の2価金属塩;アンモニウム塩;有機アミン塩等が挙げられる
本発明のポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは構造単位(b1)を有するものであれば特に制限されないが、更に、共役ジエン単量体由来の構造単位(b2)を有するものであることが好ましい。共役ジエン単量体は、2つの二重結合を有し、かつ、1つの単結合によって二重結合が隔てられている構造を有するものであれば特に制限されないが、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン及びクロロプレン等が挙げられる。これらの共役ジエン単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、更に、エチレン性不飽和ニトリル単量体由来の構造単位(b3)を有するものであることが好ましい。これにより、ディップ成型体の耐油性、耐摩耗性、引裂強度がより向上する。エチレン性不飽和ニトリル単量体は、エチレン性不飽和結合とニトリル基とを有するものであれば特に制限されないが、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、α-シアノエチルアクリロニトリル等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和ニトリル単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、共役ジエン単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体以外のその他の単量体由来の構造単位(e)を有していてもよい。その他の単量体としては上記単量体と共重合できるものであれば特に制限されないが、例えば、アクリルアミドプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等のエチレン性不飽和スルホン酸単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、イタコン酸モノエチル、フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸エチル、マレイン酸モノ2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸2-シアノエチル、(メタ)アクリル酸1-シアノプロピル、(メタ)アクリル酸2-エチル-6-シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸3-シアノプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;スチレン、アルキルスチレン、ビニルナフタレン等のビニル芳香族単量体;フルオロエチルビニルエーテル等のフルオロアルキルビニルエーテル;ビニルピリジン;ビニルノルボーネン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等の非共役ジエン単量体;等が挙げられる。
上記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、構造単位(b1)の割合が、重合可能な全構造単位100質量%に対して0.1~20質量%であることが好ましい。より好ましくは2~10質量%であり、更に好ましくは3~8質量%である。これにより本発明の作用効果をより効果的に発揮することができる。
上記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、構造単位(b2)の割合が、重合可能な全構造単位100質量%に対して30~90質量%であることが好ましい。より好ましくは40~80質量%であり、更に好ましくは50~75質量%である。これにより本発明の作用効果をより効果的に発揮することができる。
上記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、構造単位(b3)の割合が、重合可能な全構造単位100質量%に対して10~50質量%であることが好ましい。より好ましくは15~45質量%であり、更に好ましくは20~40質量%である。これにより本発明の作用効果をより効果的に発揮することができる。
上記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、構造単位(e)の割合が、重合可能な全構造単位100質量%に対して0~10質量%であることが好ましい。より好ましくは0~5質量%であり、更に好ましくは0~3質量%である。
上記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーにおいて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)、共役ジエン単量体由来の構造単位(b2)及びエチレン性不飽和ニトリル単量体由来の構造単位(b3)の含有割合が2~10/40~80/15~45(質量%)である形態は本発明の好適な実施形態の1つである。
上記ポリマーラテックス組成物(B)は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を必須成分として含む単量体成分を重合することにより製造することができる。
上記ポリマーラテックス組成物(B)の製造方法は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を含む単量体成分を重合する工程(以下、「重合工程」ともいう)を含むことが好ましい。
このようなポリマーラテックス組成物(B)の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記単量体成分は、更に共役ジエン単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体を含むものであることが好ましい。
単量体成分の具体例及び好ましい例、並びに、各単量体の好ましい割合は、各構造単位の好ましい割合と同様である。
上記単量体成分の重合方法は特に制限されないが、乳化重合により行うことが好ましい。
乳化重合に用いられる乳化剤としては特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン系乳化剤;ミリスチミン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸の脂肪酸及びその塩、イソプロピルホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート等のリン酸エステル、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ラウリルジフェニルオキシスルホン酸ニナトリウム塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、ジアルキルスルホサクシネートナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸等のアニオン系乳化剤;α,β-不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β-不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の二重結合を含む共重合性乳化剤などを挙げることができる。乳化剤の使用量は特に制限されないが、単量体(全単量体)の使用量100質量%に対して、0.1~10質量%、好ましくは0.5~6.0質量%である。乳化剤は単独で使用しても、2種類以上を併用して使用してもよい。また、ポリマーラテックス組成物(B)の製造時に上記乳化剤を一括で投入しても分割して投入してもよい。
上記重合工程に用いられる溶媒としては水性溶媒が好ましい。
上記水性溶媒としては水が好ましい。
上記溶媒の使用量としては単量体(全単量体)の使用量100重量部に対して70~250質量%が好ましい。より好ましくは80~170質量%である。溶媒の使用量を70質量%以上とすることにより重合工程において安定性が低下することを充分に抑制することができる。また、250質量%以下とすることにより、生成されるラテックスの後工程処理に必要となるエネルギー、時間を節約することができ、より効率的にポリマーを製造することができる。
上記重合工程では、必要に応じ重合体の分子量調整剤として連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤として具体的には、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等のメルカプタン類、四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素、α―メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類が好ましい。
上記ポリマーラテックス組成物(B)の製造における連鎖移動剤の使用量としては、全単量体の使用量100質量%に対して、0.01~10質量%が好ましく、より好ましくは0.03~5質量%であり、更に好ましくは0.1~2質量%である。
上記重合工程では、重合開始剤を用いることが好ましい。
上記重合工程で用いられる重合開始剤は特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過リン酸塩、過酸化水素、t-ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジーt-ブチルパーオキサイド、ジーα―クミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、等が挙げられる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、単量体(全単量体)の使用量100質量%に対して、0.001~10質量%であることが好ましい。
上記過酸化物開始剤は還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤として使用することができる。
上記還元剤は特に限定されないが、例えば、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを有する化合物、メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩類、ホルムアルデヒドスルホキシラートナトリウム等のホルムアルデヒドスルホキシラート塩類、2-ヒドロキシー2-スルホナトアセタートのニナトリウム塩等の2-ヒドロキシー2-スルホナトアセタート塩類、2-ヒドロキシー2-スルフィナトアセタートのニナトリウム塩等の2-ヒドロキシー2-スルフィナトアセタート塩類、フォルムジメチルアニリン等のアミン類、アスコルビン酸等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、又は2種類以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は特に制限されないが、過酸化物との重量比率で(過酸化物/還元剤)=0.01~100であることが好ましく、より好ましくは0.1~50である。
上記重合工程で用いられる重合反応器の形式は、回分式、半回分式又は連続式のいずれの形式の重合反応器でもよい。好ましくは回分式、半回分式の重合反応器である。
上記重合工程において単量体の添加方法は、特に制限されないが、例えば重合反応器に単量体を一括で添加する方法、重合反応の進行に従って連続的または断続的に添加する方法、単量体の一部を添加して特定の転化率まで反応させ、その後、残余の単量体を連続的または継続的に添加する方法が挙げられ、いずれの添加方法を採用してもよい。また、添加する単量体は使用する各種単量体を予め混合して使用しても単量体別に使用してもよい。各種単量体を混合する場合は、混合する割合を一定にしても変化させてもよい。
上記重合工程における重合温度は、特に制限されないが、0~100℃であることが好ましく、より好ましくは5~70℃である。
上記重合工程において、所定の重合転化率に達した時点で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして重合反応を停止することが好ましい。重合反応を停止する際の重合転化率は、通常90%以上であることが好ましく、より好ましくは93%以上である。
上記重合停止剤としては、特に限定されないが、例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩、アスコルビン酸、クエン酸、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミン硫酸塩、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、4-ベンゾイルオキシー2,2,6,6-テトラメチルピペリジノオキシル等の2,2,6,6-テトラメチルピペリジノオキシル化合物、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸塩、ハイドロキノン誘導体、カテコール誘導体、レゾルシノール誘導体、ヒドロキシジメチルベンゼンジチオカルボン酸、ヒドロキシジエチルベンゼンジチオカルボン酸、ヒドロキシジブチルベンゼンジチオカルボン酸等の芳香族ヒドロキシジチオカルボン酸及びこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。
上記重合停止剤の添加方法は特に制限されないが、水溶液として添加することが好ましい。
重合停止剤の使用量は、全単量体混合物100重量部に対して、通常0.01~5重量部、好ましくは0.03~2重量部である。
上記ポリマーラテックス組成物(B)の製造方法は、必要に応じて、アルカリ性物質を用いて中和工程を行ってもよい。上記アルカリ性物質としては、一価金属又は二価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミンが好適である。また、反応終了後、必要に応じて濃度調整を行うこともできる。
上記中和工程は、重合工程中に行っても重合工程後に行ってもよい、例えば、アルカリ性物質を添加した後に上記重合停止剤を添加しても、重合停止剤と同時に添加してもよい。
上記ポリマーラテックス組成物(B)の製造方法において、重合工程後、必要に応じて、未反応の単量体を除去する工程、固形分濃度やpHの調整工程、重合用副資材等の添加工程を行ってもよい。
上記重合用副資材としては、特に制限されず、有機化合物であっても無機化合物であってもよく、例えば、脱酸素剤、分散剤、界面活性剤、キレート剤、分子量調節剤、粒子径調整剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤等が挙げられる。
<その他の成分(E)>
本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物は、酸化チタン(A)及びポリマーラテックス組成物(B)以外の後述するその他の成分(E)を含んでいてもよく、その他の成分(E)としては特に制限されないが、酸化チタン(A)以外の架橋剤や加硫剤、加硫促進剤、多価金属塩、pH調整剤;界面活性剤、溶媒、顔料、老化防止剤、防腐剤、ワックス、無機フィラー等が挙げられる。
上記その他の成分(E)の合計の含有量は、ポリマー(B)100質量%に対して、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
上記加硫剤としては、ディップ成形において通常用いられるものが使用でき、例えば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄;ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン類;等が挙げられる。中でも硫黄が好ましい。
加硫剤の使用量は、ポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して、好ましくは5質量%以下であり、より好ましく2質量%以下である。
上記加硫促進剤としては、ディップ成形において通常用いられるものが使用でき、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2-メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2-(2,4-ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2-(N,N-ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2-(4′-モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4-モルホニリル-2-ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3-ビス(2-ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられる。なかでも、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛等が挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
上記加硫促進剤の使用量は、ポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して、好ましくは5質量%以下であり、より好ましく2質量%以下である。
上記多価金属塩としては、ポリマーをイオン架橋することができるものであれば特に制限されないが、酸化チタン(A)以外の2価金属、3価金属の酸化物等が挙げられる。具体的には、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化鉛、酸化鉄等が挙げられる。中でも好ましくは酸化亜鉛である。
上記多価金属塩の使用量は、ポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して、5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは2質量%以下である。これらの多価金属塩はポリエチレングリコール、水酸化物塩の混合物として使用してもよい。
<ディップ成型用ラテックス配合組成物の製造方法>
本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物の製造方法は特に制限されず、酸化チタン(A)とポリマーラテックス組成物(B)とを混合することにより製造することができる。
上記ディップ成型用ラテックス配合組成物の製造における、酸化チタン(A)とポリマーラテックス組成物(B)との混合工程は特に制限されないが、酸化チタン(A)を分散液の形態で添加することが好ましい。
上記分散液は、酸化チタン(A)と分散剤とを含むことが好ましい。
上記分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム-ホルムアルデヒド縮合物等のスルホン酸系分散剤;ベントナイト等の粘土;ポリアクリル酸ナトリウム等のカルボン酸系分散剤等が挙げられる。また、必要に応じてこれら分散剤を2種以上を混合して使用しても良い。
上記酸化チタン(A)を含む分散液における分散剤の含有割合は、酸化チタン(A)100質量%に対して、0.5~10質量%であることが好ましい。より好ましくは1.0~5質量%である。
上記酸化チタン(A)を含む分散液は、固形分濃度が30~85質量%であることが好ましい。固形分濃度は下記の方法により測定することができる。
酸化チタン分散液をシャーレに約8gとり、精秤した後、オーブンにて105℃で1時間加熱して蒸発乾固させて、乾固後の重量を乾燥前重量で除して酸化チタン分散液の固形分濃度を測定した。
上記酸化チタン(A)を含む分散液は、pHが7~11であることが好ましい。より好ましくは8~10.5である。上記pHは、例えば、アンモニア等の塩基性物質を用いることにより調整することができる。
<ディップ成型物>
本発明は、本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物を成型させてなるディップ成型物でもある。
上記ディップ成型物としては特に制限されないが、具体的には手袋、コンドーム、カテーテル、チューブ、風船、ニップル、サック等が挙げられる。中でも好ましくは手袋である。
本発明はまた、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーを含むディップ成型物であって、上記ディップ成型物は、更に多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)を含み、以下の方法で測定する装着耐久時間が50分以上であり、以下の方法で測定する4%酢酸溶出後の蒸発残留物量が60ppm以下であるディップ成型物でもある。
<装着耐久時間の測定>
ディップ成型物として膜厚が0.05mmの手袋を作製して、被験者5名に装着してもらい、指又部分に穴が生じるまでの時間の中央値にて評価する。
<4%酢酸溶出後の蒸発残留物量の測定>
食品衛生法のゴム製の器具又は容器包装の試験方法に基づいて、ディップ成型物を4%酢酸に60℃で30分浸漬させた後、浸出液中の蒸発残留物量を測定する。
本発明のディップ成型物の製造方法は特に制限されないが、成型用モールド上に凝固成膜させるディップ成型工程およびポリマーラテックス組成物に架橋構造を生成させる架橋工程を有することが好ましい。このような製造方法もまた、本発明の1つである。
ディップ成型工程と架橋工程は同時に行っても、どちらかの工程を他の工程より先に行ってもよい。
上記ディップ成型工程におけるディップ成型方法は特に制限されず、例えば、直接浸漬法、凝固浸漬法、電気浸漬法、感熱浸漬法等が挙げられる。これらの中でも均一な厚みを有するディップ成形物が得られやすい点で直接浸漬法及び凝固浸漬法が好ましい。
上記凝固浸漬法の場合、ディップ成形用型を凝固剤溶液に浸漬して、該型表面に凝固剤を付着させた後、それをディップ成型用ラテックス配合組成物に浸漬して、該型表面にディップ成形層を形成する手法で実施されることが好ましい。
上記凝固浸漬法で使用する凝固剤は、一般的には凝固剤成分、溶媒、界面活性剤、湿潤剤、無機フィラー、脱型剤等の混合物として使用することができる。
上記凝固剤成分としては例えば、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のハロゲン化金属、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛等の硝酸塩、酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛等の酢酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、酢酸、硫酸、塩酸、硝酸等の酸などが挙げられる。これらの化合物を単独で使用したり、組み合わせて使用することができるが、中でも硝酸カルシム、塩化カルシムがより好ましい。
上記溶媒としては水、アルコール、酸類等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、凝固液をモールド表面に均一に付着させたり、脱型を容易にすることを目的として用いられるものであり、非イオン性界面活性剤、金属石鹸やその他の化合物が挙げられる。
上記金属石鹸としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アンモニウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
上記無機フィラーとしては、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
上記架橋工程は、ディップ成型物に架橋構造を生成させる工程であるが、一般的にポリマーがラテックス組成物として存在している際に安定剤、反応剤、架橋剤等を添加したり、熱処理、撹拌、熟成、ろ過、等を行うことにより実施する熟成工程、あるいは前加硫工程とディップ成型工程と並行して行う架橋工程;またディップ成型工程の後に行う架橋工程があり、必要とされるディップ成型物の性能に応じてこれらの工程を行うことができる。
ディップ成型用ラテックス配合組成物からディップ成型物を作製する工程の例を以下に示す。
(1)成型用モールドを洗浄し、50-100℃で乾燥、予備加熱を行う工程。
(2)成型用モールドをカルシウムイオン等を含む凝固剤液中に浸漬させた後、取り出して乾燥させ、成型用モールド表面上に凝固剤を付着、乾燥させる工程。
(3)(2)で凝固剤を付着させた成型用モールドをディップ成型用ラテックス配合組成物に浸漬させた後、取り出してディップ成型用ラテックス配合組成物をゲル化させる工程。
(4)(3)でゲル化したディップ成型物を水、または30―80℃の温水にてリーチング処理し、不純物、不要物を除去する工程。
(5)成型物を60-150℃の温度で1-120分程度の加熱処理を行い、ディップ成型物の乾燥を促進させるプリキュアリング工程とディップ成型物の成膜、架橋反応を促進させるキュアリング工程。
(6)必要に応じて、ディップ成型物にブロッキング防止処理を行う工程。
(7)ディップ成型物を成型用モールドから脱着させる工程。
上記(4)-(7)の工程は、必要に応じて実施する工程を入れ替えてもよい。
上記ブロッキング防止処理としては、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸を混合した水溶液に浸漬したり、塩素ガスチェンバーで処理する塩素化処理法、ブロッキング防止性能を有するポリマーを成型物上に塗布するポリマーコート法、滑剤成分を含む水溶液に浸漬するスラリー法などがあるが、どのような方法を実施してもよい。またディップ成型物をモールドから脱型した後に実施してもよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
1、得られたディップ成型物の各種特性評価は、以下のとおり行った。なお、評価に用いるディップ成型物は、成型物をモールドから脱型した後、1日以上の調温、調湿を行った。
(1)ディップ成型物の物理強度及び色調
作製したディップ成型物フィルムを温度25℃、湿度55RH%で24時間調湿した後、物理強度をASTMD412に準じて測定した。ディップ成型物フィルムをダンベル社製DieCを用いて打ち抜き試験片を作製した。試験片は引っ張り速度500mm/分で引っ張り、300%伸張時応力、伸び、引張強度、引裂強度を測定した。また、フィルムの色調をハンターラボ社製UV-VISスぺクトロメーターを用いて測定した。
(2)装着耐久性
ディップ成型物として薄膜の手袋を作成した。膜厚は表1記載のとおりである。被験者5名に装着してもらい、指又部分に穴が生じるまでの時間の中央値にて評価した。手袋の装着時間は最大で240分までとした。
(3)4%酢酸溶出試験(蒸発残留物量)
食品衛生法のゴム製の器具又は容器包装の試験方法に基づいて、ディップ成型物を4%酢酸に60℃で30分浸漬させた後、浸出液中の蒸発残留物量を測定した。
2、ディップ成型用ラテックス配合組成物及びディップ成型物の製造
<合成例1>
撹拌装置を有する耐圧オートクレーブ内部を窒素置換したのち、1,3-ブタジエン68部、アクリロニトリル27部、メタクリル酸5部、重合調整剤(TDM:t-ドデシルメルカプタン)0.6部、軟水150部、アニオン性乳化剤(SDBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)2.5部、重合開始剤として過硫酸カリウム(KPS)0.3部を仕込み、撹拌下で重合温度を50℃に保持して15時間反応させた。重合転化率が98%を確認した後、pH調整剤および重合停止剤を添加して重合反応を終了させた。得られたラテックスから減圧下で未反応単量体を除去した後、ポリマーラテックスのpH及び濃度をアンモニア水溶液で調整して、固形分濃度45%、pH8.0にした後、老化防止剤としてp-クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物の水分散体(AKRON DISPERSIONS社製:Bostex362)を固形分換算で0.3重量部、ポリマーラテックス100重量部に添加して、ポリマーラテックス組成物1を得た。
<合成例2>
使用するモノマーを1,3-ブタジエン66部、アクリロニトリル27部、メタクリル酸7部に変更した以外は合成例1と同様にしてポリマーラテックス組成物2を得た。
<合成例3>
使用するモノマーを1,3-ブタジエン59.5部、アクリロニトリル37部、メタクリル酸3.5部に変更した以外は合成例1と同様にしてポリマーラテックス組成物3を得た。
<合成例4>
使用するモノマーを1,3-ブタジエン58部、アクリロニトリル37部、メタクリル酸5部に変更した以外は合成例1と同様にしてポリマーラテックス組成物4を得た。
<実施例1>
合成例1で得られたポリマーラテックス組成物1に撹拌下で3%の水酸化カリウム水溶液及び軟水を加えて、固形分濃度が17-20%、pHが9.5-10の範囲になるように調整した。その後、アルミナ表面処理3%、シリカ表面処理5%の加工がされた酸化チタンの分散液(固形分濃度:61%)(堺化学社製)を1.0重量部、酸化亜鉛分散液(アクアスパーション社製)を0.3重量部、硫黄分散液0.7部、加硫促進剤ZDEC分散液0.5部となるように加えて室温下で12時間撹拌した後、凝集物、気泡を除去して組成物の温度が20-40℃になるように調整し、ディップ成型用ラテックス配合組成物を得た。得られたディップ成型用ラテックス配合組成物100mLをメスシリンダーにとり静置保管して沈降度を測定した。
次に、洗浄加熱済みのセラミック製浸漬手型を14重量%の硝酸カルシウム、1.5%ステアリン酸カルシウムの混合水溶液からなる凝固剤に浸漬した後、70℃で3分乾燥させて凝固剤を付着させた。手型をディップ成型用ラテックス配合組成物中に30-60秒間浸漬した後に取り出し、80℃で1分加熱して手型上にディップ成型用ラテックス配合組成物をゲル化させ薄膜フィルムを作製した。その後、手型を60-70℃の温水中に3分間浸漬してリーチング処理を行った後、試験オーブン内に放置し70℃で5分加熱し、オーブンから取り出さずそのまま130℃で20分加熱処理を行った。
手型の表面温度が40℃になるまで冷却した後、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸で活性塩素濃度が900-1000ppmとなるように調整された塩素化浸漬層に手型を40秒間浸漬した後、水洗し、0.4%硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し再度水洗した後、100℃で5分間乾燥した。室温で手型を十分に冷却した後、薄膜フィルムを手型から脱型し、ディップ成型物としてアクリロニトリルブタジエンゴム手袋 (以後、ニトリル手袋と記載)を作製した。作製したニトリル手袋は24時間温度25℃、湿度55RH%で調湿した後、物理強度をASTMD412に準じて測定した。また、フィルムの色調をハンターラボ社製UV-VISスぺクトロメーターを用いて測定した。室温に5日間保管したニトリル手袋を用いて装着耐久性及び、4%酢酸溶出後の蒸発残留量の評価を行った。
<実施例2~7及び比較例1~4>
ポリマーラテックス組成物、ディップ成型用ラテックス配合組成物における酸化チタン、その他の配合剤を表1に記載のとおり変更した以外は、実施例1と同様にしてディップ成型用ラテックス配合組成物及びディップ成型物を調製した。
実施例1~7及び比較例1~4で得られたディップ成型用ラテックス配合組成物及びディップ成型物(ニトリル手袋)の各種物性を表1に示す。表中の酸化チタン分散液、その他の配合剤の配合量は、ポリマーラテックス組成物の固形分100質量%に対する割合である。なお、酸化チタン分散液の固形分濃度はすべて61%である。
Figure 2024045786000001
以上の実施例及び比較例より、多価金属塩で表面処理をした酸化チタンを用いることにより、得られたディップ成型物(ニトリル手袋)は物理強度に優れ、かつ、4%酢酸溶出試験による残留物量を低減することができた。したがって、本発明のディップ成型用ラテックス配合組成物は、物理強度に優れ、かつ、安全性にも優れるディップ成型物を作製できることが確認できた。

Claims (15)

  1. 多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)と、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーを含むポリマーラテックス組成物(B)とを含み、
    該ポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対する多価金属塩で処理された酸化チタン(A)の割合が0.05~10.0質量%であることを特徴とするディップ成型用ラテックス配合組成物。
  2. 前記酸化チタン(A)は、多価金属塩とシリカで表面処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  3. 前記多価金属塩は、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、チタニウム、ジルコニウム、セリウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、スズ、鉛、ニッケル、鉄、銅、カドミウム、コバルト及びマンガンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  4. 前記酸化チタン(A)における多価金属塩の表面処理量は、表面処理前の酸化チタン100質量%に対して0.1~10質量%であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  5. 前記酸化チタン(A)におけるシリカの表面処理量は、表面処理前の酸化チタン100質量%に対して0.1~10質量%であることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  6. 前記酸化チタン(A)は、平均粒子径が1μm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  7. 前記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、共役ジエン単量体由来の構造単位(b2)を有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  8. 前記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、エチレン性不飽和ニトリル単量体由来の構造単位(b3)を有することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  9. 前記ポリマーラテックス組成物(B)に含まれるポリマーは、エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)、共役ジエン単量体由来の構造単位(b2)及びエチレン性不飽和ニトリル単量体由来の構造単位(b3)の含有割合が2~10/50~78/20~40(質量%)であることを有することを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  10. 前記ディップ成型用ラテックス配合組成物は、酸化亜鉛の含有割合がポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して5質量%以下であることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  11. 前記ディップ成型用ラテックス配合組成物は、硫黄の含有割合がポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して2質量%以下であることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  12. 前記ディップ成型用ラテックス配合組成物は、加硫促進剤の含有割合がポリマーラテックス組成物(B)の固形分100質量%に対して2質量%以下であることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物。
  13. 請求項1~12のいずれかに記載のディップ成型用ラテックス配合組成物を成型させてなるディップ成型物。
  14. 前記ディップ成型物が手袋であることを特徴とする請求項13に記載のディップ成型物。
  15. エチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位(b1)を有するポリマーを含むディップ成型物であって、
    該ディップ成型物は、更に多価金属塩で表面処理された酸化チタン(A)を含み、
    以下の方法で測定する装着耐久時間が50分以上であり、
    以下の方法で測定する4%酢酸溶出後の蒸発残留物量が60ppm以下であることを特徴とするディップ成型物。
    <装着耐久時間の測定>
    ディップ成型物として膜厚が0.05mmの手袋を作製して、被験者5名に装着してもらい、指又部分に穴が生じるまでの時間の中央値にて評価する。
    <4%酢酸溶出後の蒸発残留物量の測定>
    食品衛生法のゴム製の器具又は容器包装の試験方法に基づいて、ディップ成型物を4%酢酸に60℃で30分浸漬させた後、浸出液中の蒸発残留物量を測定する。


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