JP2024044489A - 金属帯の反り形状制御方法、金属帯の製造方法及び金属帯の反り形状制御装置 - Google Patents

金属帯の反り形状制御方法、金属帯の製造方法及び金属帯の反り形状制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】板幅方向の断面形状がW型となる反り形状や、高次関数で近似される反り形状を制御し、調質圧延機の下流側における金属帯の反り高さを低減できる金属帯の反り形状制御方法を提供する。【解決手段】連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、調質圧延機の上流側で金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、調質圧延機の下流側での金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御方法であって、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状の近似曲線を算出し、算出された近似曲線に基づいて、出側反り形状の反り高さを小さくできる調質圧延機の操業パラメータを設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属帯の反り形状制御方法、金属帯の製造方法及び金属帯の反り形状制御装置に関する。
金属帯の連続焼鈍設備において、処理される金属帯に必要とされる機械的特性を付与するためには、加熱および冷却といった熱処理条件の制御が重要である。高強度鋼板の製造においては、熱処理条件の制御として、金属帯を冷却する冷却速度を高めると共に、プレス成形性を向上させる観点から冷却後の金属帯を再度加熱する焼戻し処理が行われることが多い。
高強度鋼板を製造するための連続焼鈍設備は、加熱帯、均熱帯および冷却帯を備える。冷却帯における冷却方式には液体焼き入れ法、ロール冷却法、気水混合(ミスト)冷却法、ガスジェット冷却法等があり、金属帯の材質を制御するために適切な冷却方式が適宜選択される。例えば、高い引張強度の高強度鋼板を製造する場合には、冷却帯における金属帯の冷却速度を高めるのが有効である。しかしながら、金属帯の冷却速度を高めると、金属帯の熱収縮や金属組織の相変態に伴う体積膨張の影響で金属帯の形状が変化しやすいという課題がある。
金属帯の形状を平坦化するために、連続焼鈍設備の下流側に配置される調質圧延機を用いて形状矯正が行われる。しかしながら、金属帯の降伏応力が大きい場合には調質圧延機を用いて形状矯正を行っても、金属帯の形状を十分に平坦化するのが難しいことがある。
特許文献1には、このような高強度鋼板に対する調質圧延方法として、表面平均粗さが10.0μmを超えるワークロールを調質圧延機に適用することが開示されている。特許文献2には、金属帯の形状を測定し、測定された形状と目標形状との偏差に基づいて、圧延機の形状制御アクチュエータを操作することが開示されている。特許文献2では、接触式形状計であって、形状計測ロールの内部にロードセルが複数埋め込まれたものを使用することにより、板幅方向における接触荷重分布から、金属帯の板幅方向における伸びの分布を推定している。
特許文献3には、調質圧延機とテンションレベラーとの間に、鋼板の形状を光学的に測定する形状測定装置を備え、鋼板の形状がみかけ上フラットになるように調質圧延機およびテンションレベラーの操業条件を調整する方法が開示されている。特許文献3では、鋼板へ投射した周期的なパターンの光を撮像装置により撮像し、画像解析装置を用いて、鋼板の板幅方向における伸び率分布(伸び差)を測定している。
特開2013-176802号公報 特許第6673285号公報 特開2018-65190号公報
特許文献1に開示された方法は、特定の表面粗度を有するワークロールを用いて調質圧延を行うものであって、調質圧延機の入側における金属帯の形状を考慮していない。このため、調質圧延機の入側における金属帯の反り高さが高くなった場合には、当該形状に追従して反り形状を十分に抑制できず、調質圧延後においても金属帯の反り高さが高いまま維持される場合がある。
特許文献2に開示された方法は、調質圧延機の出側で計測された金属帯の形状に基づいて、金属帯の形状を動的に制御するものであり、金属帯の長手方向における形状を安定化させ得る。しかしながら、特許文献2で用いている形状計は、金属帯の板幅方向における伸びの分布を推定する、すなわち、金属帯の波形状を推定するものである。したがって、急冷後の高強度鋼板に生じ得る板幅方向の断面形状がW型となる反り形状や、さらに高次関数で近似される反り形状を制御するのは困難である。
特許文献3に開示された方法で用いられている形状計も金属帯の板幅方向における伸びの分布を測定する、すなわち、金属帯の波形状を推定するものである。したがって、特許文献2に開示された方法と同様に急冷後の高強度鋼板で生じ得る板幅方向の断面形状がW型となる反り形状や、さらに高次関数で近似される反り形状を制御するのは困難である。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、調質圧延機を含む金属帯の製造設備において、板幅方向の断面形状がW型となる反り形状や、高次関数で近似される反り形状を制御し、調質圧延機の下流側における金属帯の反り高さを低減できる金属帯の反り形状制御方法、当該反り形状制御方法を用いる金属帯の製造方法及び金属帯の反り形状制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の上流側で金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記調質圧延機の下流側での金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御方法であって、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状の近似曲線を算出し、算出された近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さを小さくできる前記調質圧延機の操業パラメータを設定する、金属帯の反り形状制御方法。
[2] 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の下流側で金属帯の出側反り形状を測定する出側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御方法であって、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて前記出側反り形状測定装置によって測定された出側反り形状の近似曲線を算出し、算出された近似曲線に基づいて前記出側反り形状の反り高さを小さくできる前記調質圧延機の操業パラメータを設定する、金属帯の反り形状制御方法。
[3] 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の上流側で金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記調質圧延機の下流側での金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御方法であって、前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状と、前記調質圧延機の操業パラメータのうちの少なくとも1つと、を含む入力データを入力とし、前記出側反り形状を出力とする反り形状予測モデルを用いて前記出側反り形状を予測し、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて予測された出側反り形状の近似曲線を算出し、算出された近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さを小さくできる前記調質圧延機の操業パラメータを設定する、金属帯の反り形状制御方法。
[4] 前記製造設備は、前記金属帯の熱処理を行う連続焼鈍設備であり、前記調質圧延機は、前記金属帯を加熱する加熱帯及び前記加熱帯で加熱された金属帯の冷却を行う冷却帯の下流側に配置される、[1]から[3]のいずれかに記載の金属帯の反り形状制御方法。
[5] [1]から[3]のいずれかに記載の金属帯の反り形状制御方法を用いて、引張強度が980MPa以上である金属帯を製造する、金属帯の製造方法。
[6] [4]に記載の金属帯の反り形状制御方法を用いて、引張強度が980MPa以上である金属帯を製造する、金属帯の製造方法。
[7] 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の上流側で前記金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記調質圧延機の下流側での前記金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御装置であって、前記入側反り形状測定装置によって測定された前記入側反り形状を取得する取得部と、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて、前記入側反り形状の近似曲線を算出する近似曲線算出部と、前記近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さが小さくなるように、前記調質圧延機の操業パラメータを特定する操業パラメータ特定部と、を有する、金属帯の反り形状制御装置。
[8] 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の下流側で前記金属帯の出側反り形状を測定する出側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御装置であって、前記出側反り形状測定装置によって測定された出側反り形状を取得する取得部と、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて、前記出側反り形状の近似曲線を算出する近似曲線算出部と、前記近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さが小さくなるように、前記調質圧延機の操業パラメータを特定する操業パラメータ特定部と、を有する、金属帯の反り形状制御装置。
[9] 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の上流側で金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記調質圧延機の下流側での金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御装置であって、前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状を取得する取得部と、前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状と、前記調質圧延機の操業パラメータのうちの少なくとも1つと、を含む入力データを入力とし、前記出側反り形状を出力とする反り形状予測モデルを用いて前記出側反り形状を予測する反り形状予測部と、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて前記反り形状予測部によって予測された出側反り形状の近似曲線を算出する近似曲線算出部と、前記近似曲線算出部により算出された近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さを小さくできる前記調質圧延機の操業パラメータを特定する操業パラメータ特定部と、を有する、金属帯の反り形状制御装置。
[10] 前記製造設備は、前記金属帯の熱処理を行う連続焼鈍設備であり、
前記調質圧延機は、前記金属帯を加熱する加熱帯及び前記加熱帯で加熱された金属帯の冷却を行う冷却帯の下流側に配置される、[7]から[9]のいずれかに記載の金属帯の反り形状制御装置。
本発明に係る金属帯の反り形状制御方法の実施により、板幅方向の断面形状がW型となる反り形状や、高次関数で近似される反り形状を制御でき、これにより、調質圧延機の下流側における金属帯の反り高さを低減できる。さらに、金属帯の反り形状制御方法を用いることで、反り高さが低減された金属帯の製造が実現できる。
図1は、第1の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備の一例である調質圧延設備を示す模式図である。 図2は、調質圧延機の模式図である。 図3は、金属帯の板幅方向の反り形状の一例を示す模式図である。 図4は、レーザースキャン式のレーザー距離計を用いて金属帯1の反り形状を測定する状態を示す模式図である。 図5は、複数のレーザースキャン式のレーザー距離計を用いて反り形状を測定する状態を示す模式図である。 図6は、反り形状制御装置の構成例を示す模式図である。 図7は、金属帯の板幅方向における反り高さの分布を近似した近似曲線を示すグラフである。 図8は、調質圧延により金属帯の板幅方向の反りが矯正される状態を示す模式図である。 図9は、調質圧延機のワークロールベンダーのベンダー力の設定値を設定する方法を説明する図である。 図10は、第2の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備の一例である調質圧延設備を示す模式図である。 図11は、反り形状制御装置の構成を示す模式図である。 図12は、第3の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備の一例である調質圧延設備を示す模式図である。 図13は、反り形状制御装置の構成を示す模式図である。 図14は、ニューラルネットワークを用いた機械学習モデルの例を示す図である。 図15は、冷延鋼板を製造する連続焼鈍設備の設備例を示す模式図である。
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて具体的に説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な一例を示すものであり、これらの例によって何ら限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法は、連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機を含む金属帯の製造設備を用いて実施できる。この金属帯の製造設備は、金属帯の調質圧延を行う専用設備(調質圧延設備)であってもよく、調質圧延機を含む複数の装置から構成される製造設備であってもよい。
例えば、金属帯の熱処理を実行する連続焼鈍設備には、熱処理を行った金属帯に対して調質圧延を行う調質圧延機が配置される。このような連続焼鈍設備も、本実施形態に係る反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備となる。本実施形態に係る反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備は、主として鋼帯を製造する製造設備である。当該鋼帯の代表的な寸法(板厚/板幅/長さ)は、板厚:0.4~3.2mmであり、板幅:700~1800mmであり、長さ:600~4000mである。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備の一例である調質圧延設備30を示す模式図である。図1に示した調質圧延設備30は、調質圧延機31を含む。調質圧延機31は、金属帯1に対して0.1~3.0%程度の伸びを付与して、金属帯1の形状を平坦化する装置である。
図2は、調質圧延機31の模式図である。図2(a)は、調質圧延機の側面図を示す。図2(b)は調質圧延機の正面図を示す。図1、図2を用いて、調質圧延機31を含む調質圧延設備30について説明する。調質圧延設備30は、調質圧延機31と、入側ブライドルロール36と、入側張力計37と、出側張力計38と、出側ブライドルロール39と、入側反り形状測定装置40と、反り形状制御装置50と、制御用計算機17と、制御用コントローラ18と、を有する。
調質圧延機31は、被圧延材である金属帯1に直接接触し、圧下する一対のワークロール32a、32bと、一対のワークロール32a、32bを上下から支持し、ワークロールの32a、32bのたわみを抑制するバックアップロール33a、33bとを有する。ワークロール32a、32b及びバックアップロール33a、33bのうち、少なくとも1つのロールは、一方の端部において、カップリングや減速機を介して駆動用電動機と接続され、駆動用電動機によって当該ロールが回転される。バックアップロール33aは、軸端部の軸受箱(バックアップロールチョック)35により支持される。圧下装置34は、軸受箱35を上下に変位させることで、ワークロールの32aとワークロール32bとの隙間であるロールギャップを調整する。荷重検出器42は、調質圧延機31の圧延荷重を検出する。
ワークロール32a、32bは、それぞれの両端部に設けられる軸受箱(ワークロールチョック)43a、43bに支持される。この上側のワークロールチョック43aと下側のワークロールチョック43bとの間で力を作用させる不図示の油圧装置が設けられる。
油圧装置は、上下のワークロールチョック43a、43b間に力を作用させることでワークロール32a、32bに対して曲げ力を与え、ワークロール32a、32bにたわみ変形を付与する。このようにワークロール32a、32bにたわみ変形を付与する機構をワークロールベンダーといい、上下のワークロールチョック43a、43b間に付与する力をベンダー力という。上下のワークロールチョック43a、43bが離れる方向に力を付与する機構をインクリースベンダーといい、上下のワークロールチョック43a、43bが近づく方向に力を付与する機構をディクリースベンダーということがある。調質圧延機31では、インクリースベンダーとディクリースベンダーの両者の機構を備えることがあり、この場合にはベンダー力を正負により表し、例えば、インクリースベンダーのベンダー力を正とし、ディクリースベンダーのベンダー力を負として区別する。
調質圧延機31の前後には、入側ブライドルロール36、入側張力計37、出側張力計38及び出側ブライドルロール39が配置される。入側ブライドルロール36及び出側ブライドルロール39は、金属帯1に適切な張力を付与する。入側張力計37及び出側張力計38は、調質圧延機31と入側ブライドルロール36との間と、調質圧延機31と出側ブライドルロール39との間にそれぞれ設けられる。入側張力計37及び出側張力計38は、調質圧延機31の入側及び出側の金属帯1の張力を測定する。
調質圧延機31は、金属帯1を所定の伸長率で圧延する。伸長率とは、調質圧延前後における金属帯1の伸び率であり、調質圧延前後での金属帯1の長さの増加率で定義される。伸長率は、入側ブライドルロール36での周速と出側ブライドルロール39での周速との周速差によって測定される。
調質圧延機31の上流側には、金属帯1の反り形状(以後、この反り形状を「入側反り形状」と記載する。)を測定する入側反り形状測定装置40が設けられる。入側反り形状測定装置40は、調質圧延機31の上流側であれば任意の位置に設けられてよい。ただし、入側反り形状測定装置40と調質圧延機31との間には、金属帯1の反り形状を大きく変化させる設備を設けないことが好ましい。例えば、焼鈍炉、冷却設備及び圧延設備は、金属帯1の反り形状を大きく変化させる。このため、入側反り形状測定装置40は、これら設備と調質圧延機31との間に設けられることが好ましい。
入側反り形状測定装置40は、金属帯1の入側反り形状を測定して、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。入側反り形状測定装置40は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を反り形状制御装置50に出力する。
反り形状制御装置50は、入側反り形状測定装置40から金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得すると、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて入側反り形状の近似曲線を算出する。そして、反り形状制御装置50は、算出した近似曲線に基づいて、調質圧延機31の下流側における金属帯1の反り形状(以後、この反り形状を「出側反り形状」と記載する。)の反り高さを小さくできる調質圧延機31の操業パラメータを特定する。反り形状制御装置50は、特定した調質圧延機31の操業パラメータを制御用コントローラ18に出力する。
制御用コントローラ18は、例えば、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)のようにシーケンス制御を実行するための専用コンピュータである。制御用コントローラ18は、調質圧延機31を含む調質圧延設備30の操業条件を設定するとともに調質圧延設備30に設けられる各種センサからセンサ情報を取得する。制御用コントローラ18は、調質圧延後の金属帯1の金属帯1の伸長率が目標とする伸長率に一致するように調質圧延機31の圧下装置34の操業条件を設定する。さらに、制御用コントローラ18は、反り形状制御装置50から調質圧延機31の操業パラメータを取得すると、当該操業パラメータに基づいて調質圧延機31の操業条件を設定する。
制御用計算機17は、例えば、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータである。制御用計算機17は、調質圧延設備30における各種操業パラメータを特定するとともに、制御用コントローラ18からセンサ情報を収集し、金属帯1の操業実績に関する各種情報を取得し、格納する。また、制御用計算機17は、調質圧延設備30の上流側において溶接機等により接続する先行の金属帯と後行の金属帯との溶接部のトラッキングを行い、溶接部の現在位置を特定する。
次に、本実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法で制御する反り形状について説明する。金属帯1の反り形状として、L反り(金属帯1の長手方向の反り)やC反り(金属帯1の板幅方向の反り)が知られている。このうち、C反りは、本実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法で制御する反り形状に含むが、L反りは含まない。L反りは、金属帯1が連続的に搬送される際のライン張力によって拘束され、オンラインでL反りを測定するのが困難だからである。本実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法で制御するC反りは、金属帯1の板幅方向の断面形状が2次関数や円弧により近似されるC反りだけでなく、板幅方向の断面形状がW型となる反りや、3次以上の高次関数により近似される反りを含む。
金属帯1の板幅方向の反りは、冷却工程などに起因して金属帯1の板幅方向に発生する面内の応力を面内で維持できず、座屈により面外に変位することで発生する。これに対し、波形状の形状不良は、金属帯1の長手方向の伸びが板幅方向に分布することにより、金属帯1の長手方向に発生する面内の応力を面内で維持できず、座屈により面外に変位することで発生する。板幅方向の反り形状と波形状とは、座屈によって発生する面外変形である点では共通するものの座屈の発生原因となる応力の方向が、板幅方向であるか長手方向であるかという違いがある。
このため、波形状の場合には、金属帯1の長手方向に張力を付与すれば、板幅方向における伸び差(板幅方向における伸びの差)が吸収され、金属帯1の形状不良が潜在化(みかけ上、平坦な形状に変化)する。一方、板幅方向の反り形状の場合には、金属帯1の長手方向に張力を付与しても板幅方向の応力に大きな影響を与えない。このため、金属帯1の長手方向に張力を付与しても金属帯1の板幅方向の反り形状は変化しない。
特許文献2に開示されている接触式形状計は、調質圧延機と出側ブライドルロールの間に大きな張力(例えば100~200MPa)を付与することで、金属帯の形状不良を潜在化させて、板幅方向における接触荷重分布を測定する。すなわち、このような接触式形状計は、金属帯1の波形状を測定するものであって、板幅方向の反り形状を測定するものではない。また、波形状は、金属帯1の長手方向に対して、金属帯1の高さ方向の変位が周期的に変化するのに対して、反り形状は、金属帯1の長手方向に対する周期的な変位がみられないという違いがある。なお、金属帯1の波形状の周期は、金属帯の長手方向で0.5~5m程度のピッチとなることが多い。
図3は、金属帯1の板幅方向の反り形状の一例を示す模式図である。図3に示す反り形状は、板厚1.2mm、板幅1200mmの高強度鋼板からなる金属帯について、水焼き入れによる冷却工程および調質圧延機で圧延後に測定される反り形状例である。ただし、図3に示す反り形状は、板幅方向の最大高さにより規格化している。図3に示すように、高強度鋼板からなる金属帯を水焼き入れにより急冷すると、板幅方向の反り形状は、高次関数によって近似される反り形状になる。
入側反り形状測定装置40は、金属帯1の入側反り形状を測定して、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報とは、例えば、図3に示すような、金属帯1の板幅方向の各位置における反り高さの分布を示す情報である。また、入側反り形状測定装置40は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報として、板幅方向における反り高さの分布を示す曲線を任意の関数を用いて近似し、当該近似された関数を特定する係数を取得してもよい。なお、入側反り形状測定装置40は、金属帯1の板幅方向の各位置における反り高さの分布を金属帯1の長手方向において1~5m程度の範囲で平均化して求めてもよい。このように、金属帯1の長手方向1~5m程度の範囲の反り高さを平均化することで、金属帯1が反り形状と波形状の両者を含むものであっても、波形状を除外して反り形状を特定できる。
金属帯1の板幅方向の各位置における反り高さの分布を特定する情報を取得できる入側反り形状測定装置40は、例えば、レーザー距離計である。非接触の距離計であるレーザー距離計を、搬送される金属帯1の板幅方向の異なる位置に複数配置し、当該レーザー距離計を用いて各位置での反り高さを測定してよい。例えば、レーザー距離計を用いて板幅800~1900mmの金属帯1の反り高さを測定する場合、板幅方向の異なる位置に配置されるレーザー距離計の数は3以上100以下であるのが好ましい。より好ましくは10~20である。レーザー距離計の数が3未満であると、金属帯1の板幅方向の反り形状を特定するのが困難になることから好ましくない。また、レーザー距離計の数を100超えとしても反り形状の測定精度が向上せず、設備コストが上昇することから好ましくない。
図4は、レーザースキャン式のレーザー距離計を用いて金属帯1の反り形状を測定する状態を示す模式図である。図4に示すように、入側反り形状測定装置40として、レーザースキャン式のレーザー距離計44を用いてもよい。レーザースキャン式のレーザー距離計44を用いることで、搬送される金属帯1の上方から板幅方向にレーザー光をスキャンして、金属帯1の板幅方向における反り高さを測定できる。
図5は、複数のレーザースキャン式のレーザー距離計を用いて反り形状を測定する状態を示す模式図である。図5に示すように、入側反り形状測定装置40として、複数のレーザースキャン式のレーザー距離計44を用いてもよい。この場合、金属帯1の板幅方向に複数のレーザースキャン式のレーザー距離計44を配置して、金属帯1の板幅方向における反り高さを測定する。これにより、図4に示した装置よりも短時間で入側反り形状を測定できる。
また、入側反り形状測定装置40として、光切断法により入側反り形状を測定する装置を用いてもよい。光切断法では、金属帯1の上方から板幅方向に対して扇状に広がるレーザー光を照射するとともに金属帯1からの反射光を受光し、受光した反射光をイメージセンサにより結像することで金属帯1の反り高さを測定する。光切断法によって入側反り形状を測定する装置は、例えば、キーエンス社製のLJ-X8000シリーズや、LMT Technologies社製のGocatorである。
入側反り形状測定装置40による金属帯1の反り高さの測定精度は、1mm以下の測定精度を有することが好ましく、0.5mm以下の測定精度を有することがより好ましい。1mm以下の測定精度を有する入側反り形状測定装置40を用いることで、金属帯1の反り高さの上限が5~10mmの範囲に設定されたとしても、当該範囲内に金属帯1の反り高さを制御できる。
入側反り形状測定装置40による金属帯1の反り高さの測定は、金属帯1の長手方向に1m以下のピッチで測定できることが好ましい。連続的に搬送される金属帯1に対する反り高さの測定周波数は10Hz以上であることが好ましく、20Hz以上であることがより好ましい。例えば、連続焼鈍設備の出側設備では、金属帯1が600m/min以上の速度で搬送されることがある。この搬送速度で金属帯1が搬送されたとしても、反り形状の測定周波数が10Hz以上であれば、金属帯1の長手方向に1m以下のピッチで反り形状を測定できる。
次に、反り形状制御装置50について説明する。図6は、反り形状制御装置50の構成例を示す模式図である。反り形状制御装置50は、例えば、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータである。反り形状制御装置50は、制御部52と、入力部54と、出力部56と、記憶部58とを有する。制御部52は、例えば、CPU等であって、記憶部58から読み込んだプログラムを実行することにより、制御部52を取得部60、近似曲線算出部62及び操業パラメータ特定部64として機能させる。
入力部54は、例えば、キーボード、ディスプレイと一体的に設けられたタッチパネル等である。出力部56は、例えば、LCDまたはCRTディスプレイ等である。記憶部58は、例えば、更新記録可能なフラッシュメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、メモリーカード等の情報記録媒体およびその読み書き装置である。記憶部58には、制御部52が各機能を実行するためのプログラムや当該プログラムが使用するデータ等が格納されている。
次に、取得部60、近似曲線算出部62及び操業パラメータ特定部64が実行する処理について説明する。取得部60は、入側反り形状測定装置40から金属帯1の入側反り形状として金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。取得部60は、取得した当該情報を近似曲線算出部62に出力する。
近似曲線算出部62は、金属帯1の板幅方向の反り高さの分布を特定する情報を取得すると、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて、金属帯1の板幅方向の反り高さの分布を近似する。
放物線近似、円弧近似又は包絡線近似を用いることで、近似曲線算出部62は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を金属帯1の板幅方向の位置に対して一つの変曲点を有する単調な曲線に近似できる。これにより、金属帯1の板幅方向における反り形状の全体的な傾向を表す近似曲線が得られる。近似曲線は、金属帯1の板幅方向の中央の位置に対して左右対称である必要はないが、金属帯1の板幅方向の中央の位置に変曲点を有する単調な曲線であることが好ましい。
図7は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を近似した近似曲線を示すグラフである。図7(a)~(c)において、金属帯1の板幅方向の反り高さの分布を実線で示し、当該分布を近似した近似曲線を破線で示す。なお、図7は、近似曲線の説明を理解しやすくするために、横軸の板幅方向位置は実際の寸法を横方向に圧縮すると共に、縦軸の反り高さは実際の寸法を縦方向に拡大している。このため、図7は金属帯1の実際の板幅方向における反り高さの分布を示すものではなく、反り高さを誇張し、実際の反り高さよりも高くした反り高さの分布を示すものである。
図7(a)は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を放物線(2次曲線)近似により近似した近似曲線を示すグラフである。放物線近似とは、金属帯1の板幅方向の位置と反り高さによって構成される座標系に対して、反り高さの分布を2次曲線により近似する近似方法である。放物線近似による近似曲線は、最小二乗法などの公知の手法を適用して求めることができる。
図7(b)は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を円弧近似した近似曲線を示すグラフである。円弧近似とは、金属帯1の板幅方向の位置と反り高さによって構成される座標系に対して、反り高さの分布を円弧により近似する近似方法である。円弧近似による近似曲線も、最小二乗法などの公知の手法を適用して求めることができる。
図7(c)は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を包絡線近似した近似曲線を示すグラフである。包絡線とは、一般には、曲線族全てに接する曲線のことをいう。本実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法で制御する反り形状には、金属帯1の反り高さの分布が高次関数により近似し得る複数の曲線が含まれるので、包絡線は、これら複数の曲線のすべてに接する曲線となる。具体的には、金属帯1の板幅方向における反り高さを示す山部の全てに接する曲線が包絡線近似曲線となる。
図7(a)~(c)に示すように、放物線近似、円弧近似及び包絡線近似の何れの近似方法を用いても、近似される近似曲線は金属帯1の板幅方向における反り形状の全体的な傾向を表す単調な曲線となる。したがって、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布が、W型などの3次以上の高次曲線となる場合であっても、当該近似曲線を算出することで、金属帯1の反り高さが高い領域及び反り高さが低い領域を容易に判別できるようになる。すなわち、近似曲線が下に凸の形状となる場合には、板幅中央部に対して板幅端部の反り高さが相対的に高いことを示し、近似曲線が上に凸の形状となる場合には、板幅中央部に対して板幅端部の反り高さが相対的に低いことを示す。このように近似曲線を算出することで、反り形状の全体的な傾向を容易に判定できるようになるので、当該近似曲線を用いることで、調質圧延機31の下流側での金属帯1の出側反り形状を小さくできる調質圧延機31の操業パラメータを容易に特定できるようになる。
再び、図6を参照する。近似曲線算出部62は、上述した手法により近似曲線を算出すると、当該近似曲線を操業パラメータ特定部64に出力する。操業パラメータ特定部64は、出側反り形状の反り高さを小さくできる調質圧延機31の操業パラメータを特定する。調質圧延機31の操業パラメータとは、調質圧延機31の操業条件のうち金属帯1の反り形状に影響を与える操業条件の設定値である。
操業パラメータ特定部64は、調質圧延機31の操業パラメータとして、例えば、調質圧延機31の形状制御アクチュエータであるワークロールベンダーのベンダー力の設定値を特定する。ワークロールベンダーは、ワークロール32a、32bに対して曲げ力を付与して、ワークロール32aと32bのたわみを調整する形状制御アクチュエータである。ワークロールベンダーを用いて、ワークロール32a、32bのたわみを調整することで、ワークロール32a、32bに金属帯1の板幅方向に圧延荷重の分布を形成させる。この圧延荷重の分布が形成されたワークロール32a、32bとで金属帯1を調質圧延することで、調質圧延後の金属帯1の波形状が矯正される。
本発明者らは、波形状と同様に、圧延荷重の分布が形成されたワークロール32a、32bで金属帯1を調質圧延することで金属帯1の板幅方向の反り形状も矯正できることを知得した。具体的には、金属帯1の板幅方向の反り高さが大きい位置の圧延荷重が大きくなるようにワークロールベンダーのベンダー力を調整することで、金属帯1の板幅方向の反り高さを小さくできることを知得した。
図8は、調質圧延により金属帯1の板幅方向の反りが矯正される状態を示す模式図である。図8においても、ワークロールベンダーによる効果を説明するために、金属帯1の板幅方向の反り高さを実際の反り高さよりも高くして示している。図8(a)は、板幅方向に概ね均一な振幅の反りが形成されている金属帯1を調質圧延する前の状態を示す模式図である。特定のベンダー力が設定され、ワークロール32aにたわみが生じている場合、ワークロール32aには、金属帯1の板幅方向に単位幅荷重(金属帯1の単位幅あたりに負荷される圧延荷重)の分布が発生する。例えば、図8(a)に示したワークロール32aでは、金属帯1の板幅中央部に比べて、板幅端部近傍の単位幅荷重が小さくなっている。
図8(b)は、板幅方向に概ね均一な振幅の反りが形成されている金属帯1を調質圧延した後の状態を示す模式図である。このような単位幅荷重の分布が生じているワークロールで金属帯1を調質圧延すると、図8(b)に示すように、単位幅荷重が大きい板幅中央部では反り高さを低くできるものの、単位幅荷重が小さい板幅端部近傍では反り高さを低くできない。これは、ロールバイト内では板幅方向の湾曲部がワークロールにより拘束されて、板幅方向の湾曲が平坦化されるように金属帯1の内部に曲げ応力が発生するものの、内部に発生する曲げ応力の大きさが単位幅荷重の大きさの影響を受けて板幅端部の近傍における曲げ応力が相対的に低下し、これにより板幅端部近傍の反り高さが低くならなかったものと考えられる。
図9は、調質圧延機31のワークロールベンダーのベンダー力の設定値を設定する方法を説明する図である。図9(a)は、入側反り形状測定装置40から取得した金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を示す模式図である。図9(b)は、近似曲線算出部62によって算出された入側反り形状の包絡線近似曲線である。
近似曲線算出部62は、図9(a)に示すような高次曲線によって表される板幅方向の反り形状を、図9(b)に示すようななだらかな近似曲線に変換する。これにより、図9(a)に示した板幅方向の反り形状は、全体として板幅中央部における反り高さよりも板幅端部近傍の反り高さの方が高くなっていることがわかる。
操業パラメータ特定部64は、近似曲線算出部62が算出した近似曲線に基づいて、ワークロールベンダーのベンダー力の設定値を特定する。具体的には、反り高さが高い板幅端部近傍においてワークロールの圧延荷重が大きくなり、反り高さが低い板幅中央部においてワークロールの圧延荷重が小さくなるワークロールベンダーのベンダー力の設定値を特定する。このように、操業パラメータ特定部64は、近似曲線により特定される反り形状の全体的な傾向に対応付けて、ワークロールベンダーのベンダー力の設定値を特定する。
図9(c)は、操業パラメータ特定部64により設定されたベンダー力の設定値が反映された後の調質圧延機で調質圧延された金属帯1の板幅方向の反り形状を示す模式図である。図9(c)に示すように、ワークロールのベンダー力の設定値が反映された調質圧延機31で金属帯1を調質圧延することで、金属帯1の板幅方向の反り高さに応じた圧延荷重で調質圧延でき、反り高さの高い両端部近傍の反り高さを大きく低減させることができる。
ただし、操業パラメータ特定部64が特定する操業パラメータはワークロールベンダーのベンダー力に限定されず、ワークロールのたわみ変形や、ロールギャップの板幅方向の分布を制御することができる他の形状制御アクチュエータの操業パラメータを特定してもよい。例えば、ロールクラウンを油圧力により調整できる可変クラウンロールの油圧力や、ワークロールや中間ロールを軸方向にシフトさせるロールシフト量、分割バックアップロールの各セグメントの押し力など、金属帯の板幅方向においてロールギャップの板幅方向分布を、なだらかな曲線状に変化させ得る形状制御アクチュエータの操業パラメータを特定してもよい。
操業パラメータ特定部64は、特定した操業パラメータを制御用コントローラ18に出力する。制御用コントローラ18は、取得した操業パラメータを調質圧延機31の操業条件に設定する。このようにして、操業パラメータ特定部64によって特定された操業パラメータが調質圧延機31に設定される。そして、当該パラメータが操業条件に設定された調質圧延機31を用いて金属帯1を調質圧延することで、金属帯1の板幅方向の反り形状を制御でき、調質圧延機31の下流側において板幅方向の反り高さが低減された金属帯1の製造が実現できる。
第1の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法は、入側反り形状を用いたフィードフォワード制御を行うものである。フィードフォワード制御を行うことで、金属帯1の出側反り形状の反り高さが低くなるように迅速に制御できる。
金属帯1の入側反り形状は、調質圧延機31による調質圧延によって変化するものの、調質圧延機31によって金属帯1に付与される伸長率が小さい場合、調質圧延の前後で金属帯1の反り形状は大きく変化しない。このような場合には、金属帯1が調質圧延されても、金属帯1の入側反り形状の全体的な反りの傾向は変化しないので、入側反り形状の近似曲線に基づいて出側反り形状の反り高さを小さくできる調質圧延機31の操業パラメータを特定できる。このため、入側反り形状に基づいて調質圧延機の操業パラメータを設定する第1の実施形態は、調質圧延機31によって金属帯1に付与される伸長率が大きい場合に適用することは好ましくない。第1の実施形態は、調質圧延機31によって金属帯1に付与される伸長率が0.3%以下である場合に適用することが好ましい。
また、制御用コントローラ18は、金属帯1の製造中に調質圧延機31の操業パラメータを設定できることが好ましい。具体的には、金属帯1の製造中に、入側反り形状測定装置40で金属帯1の反り形状を随時測定し、反り形状制御装置50で入側反り形状の近似曲線を算出するとともに、出側反り形状の反り高さを小さくできる調質圧延設備30の操業パラメータの設定値を制御用コントローラ18に出力して、随時設定、更新できることが好ましい。この場合、制御用コントローラ18は、制御用計算機17が生成する溶接部のトラッキング情報と金属帯1の搬送速度とを用いて、入側反り形状測定装置40によって測定された反り形状の位置が調質圧延機31に到達する時間を算出する。そして、入側反り形状測定装置40が測定した反り形状の位置が調質圧延機31に到達するタイミングで、制御用コントローラ18は、操業パラメータ特定部55によって設定された調質圧延設備30の操業パラメータに製造条件を変更する。これにより、金属帯1の長手方向に渡って、金属帯1の出側反りの反り高さを小さくできる。
<第2の実施形態>
図10は、第2の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備の一例である調質圧延設備70を示す模式図である。図10に示した調質圧延設備70において、図1に示した調質圧延設備30と同じ構成には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。調質圧延設備70は、入側反り形状測定装置40に代えて出側反り形状測定装置41を有する点と、反り形状制御装置50に代えて反り形状制御装置51を有する点において、図1に示した調質圧延設備30と異なる。
調質圧延機31の下流側には、金属帯1の出側反り形状を測定する出側反り形状測定装置41が設けられる。出側反り形状測定装置41は、金属帯1の出側反り形状を測定して、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。出側反り形状測定装置41は、入側反り形状測定装置40と同じであってよく、例えば、レーザー距離計、レーザースキャン式のレーザー距離計、又は、光切断法を用いた反り形状測定装置である。出側反り形状測定装置41は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を反り形状制御装置51に出力する。
反り形状制御装置51は、出側反り形状測定装置41から金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得すると、出側反り形状の近似曲線を算出する。反り形状制御装置51は、算出した近似曲線に基づいて、出側反り形状の反り高さを小さくできる調質圧延機31の操業パラメータを特定する。反り形状制御装置51は、特定した調質圧延機31の操業パラメータを制御用コントローラ18に出力する。
図11は、反り形状制御装置51の構成を示す模式図である。図11に示した反り形状制御装置51において、図6に示した反り形状制御装置50と同じ構成には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
反り形状制御装置51も、例えば、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータである。反り形状制御装置51は、制御部53と、入力部54と、出力部56と、記憶部58とを有する。制御部53は、例えば、CPU等であって、記憶部58から読み込んだプログラムを実行することにより、制御部53を取得部61、近似曲線算出部62及び操業パラメータ特定部64として機能させる。
次に、取得部61が実行する処理について説明する。取得部61は、出側反り形状測定装置41から金属帯1の出側反り形状として金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。取得部61は、取得した当該情報を近似曲線算出部62に出力する。近似曲線算出部62と操業パラメータ特定部64が実行する処理は、第1の実施形態と同じである。
操業パラメータ特定部64は特定した操業パラメータを制御用コントローラ18に出力する。制御用コントローラ18は、取得した操業パラメータを調質圧延機31の操業条件に設定する。このようにして、操業パラメータ特定部64によって特定された操業パラメータが調質圧延機31に設定される。そして、当該パラメータが設定された調質圧延機31を用いて金属帯1を調質圧延することで、板幅方向の反り形状を制御でき、調質圧延機31の下流側において板幅方向の反り高さが低減された金属帯1の製造が実現できる。
第2の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法は、出側反り形状を用いたフィードバック制御を行うものである。フィードバック制御は、金属帯1の反り形状を測定してから調質圧延機31の操業条件を設定するまでの間に無駄時間が生じる。このため、第2の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法の応答性は第1の実施形態に比べて劣る。一方、フィードバック制御では、出側反り形状測定装置41を用いて制御対象である出側反り形状を測定するので、第2の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法は、調質圧延機31によって付与される伸長率に関わらず、調質圧延機31を含む金属帯1の製造設備に適用できる。
<第3の実施形態>
図12は、第3の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備の一例である調質圧延設備72を示す模式図である。図12に示した調質圧延設備72において、図1に示した調質圧延設備30又は図10に示した調質圧延設備70と同じ構成には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
図12に示した調質圧延設備72は、出側反り形状測定装置41を有する点と、反り形状制御装置50に代えて反り形状制御装置80を有する点において、図1に示した調質圧延設備30と異なる。なお、出側反り形状測定装置41は、図10に示した調質圧延設備70の出側反り形状測定装置41と同じである。
調質圧延機31の上流側には、金属帯1の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置40が設けられ、調質圧延機31の下流側には、金属帯1の出側反り形状を測定する出側反り形状測定装置41が設けられる。入側反り形状測定装置40は、金属帯1の入側反り形状を測定して、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。入側反り形状測定装置40は、取得した金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を反り形状制御装置80及び制御用コントローラ18に出力する。
出側反り形状測定装置41は、金属帯1の出側反り形状を測定して、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。出側反り形状測定装置41は、金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を制御用コントローラ18に出力する。制御用計算機17は、制御用コントローラ18が取得した入側反り形状及び出側反り形状を含むセンサ情報を金属帯1の操業実績に関する情報として取得し、格納する。
反り形状制御装置80は、入側反り形状測定装置40から金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。また、反り形状制御装置80は、制御用コントローラ18を介して制御用計算機17から調質圧延機31の操業パラメータの少なくとも1つを取得する。調質圧延機31の操業パラメータとは、調質圧延機31の操業条件のうち金属帯1の反り形状に影響を与える操業条件の設定値である。反り形状制御装置80は、入側反り形状と操業パラメータの少なくとも1つとを含む入力データを入力とし、出側反り形状を出力とする反り形状予測モデルを用いて出側反り形状を予測する。
反り形状制御装置80は、予測された出側反り形状の近似曲線を算出する。反り形状制御装置80は、算出した近似曲線に基づいて、出側反り形状の反り高さを小さくできる調質圧延機31の操業パラメータを特定する。反り形状制御装置80は、設定した調質圧延機31の操業パラメータを制御用コントローラ18に出力する。
図13は、反り形状制御装置80の構成を示す模式図である。反り形状制御装置80において、図6に示した反り形状制御装置50と同じ構成には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
反り形状制御装置80も、例えば、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータである。反り形状制御装置80は、制御部82と、入力部54と、出力部56と、記憶部84とを有する。制御部82は、例えば、CPU等であって、記憶部84から読み込んだプログラムを実行することにより、制御部82を取得部86、反り形状予測部88、判定部90、近似曲線算出部92、操業パラメータ特定部94及び反り形状予測モデル生成部96として機能させる。記憶部84は、例えば、更新記録可能なフラッシュメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、メモリーカード等の情報記録媒体およびその読み書き装置である。記憶部84には、制御部82が各機能を実行するためのプログラムや当該プログラムが使用するデータ等が格納されている。
記憶部84には、さらに、データベース98と、反り形状予測モデル99が格納されている。データベース98には、過去に調質圧延設備72で製造された金属帯1の入側反り形状の測定値、出側反り形状の測定値及び操業パラメータの少なくとも1つを1セットとするデータセットが格納されている。これらの測定値や操業パラメータは、制御用計算機17に収集・格納されており、制御用コントローラ18を介して、制御用計算機17から取得される。反り形状予測モデル99は、反り形状予測モデル生成部96によって予め作成されて、記憶部84に格納される。
反り形状予測モデル99は、例えば、入側反り形状及び操業パラメータの少なくとも1つを含む入力データを入力とし、出側反り形状を出力とする学習済の機械学習モデルである。入側反り形状が金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報である場合、当該学習モデルに入力される入力データには、板幅方向の各位置における反り高さの値と、操業パラメータの少なくとも1つが含まれる。また、入側反り形状が金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を近似した関数である場合、当該学習モデルに入力される入力データには、当該関数を特定する各係数と、操業パラメータの少なくとも1つが含まれる。
また、出側反り形状として金属帯1の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を出力させる場合、反り形状予測モデルは、板幅方向の各位置における反り高さを出力する反り形状予測モデルが予め作成される。また、出側反り形状として金属帯1の板幅方向における反り高さを近似した関数を出力させる場合、反り形状予測モデルは当該関数を特定する各係数を出力する形状予測モデルが予め作成される。
次に、取得部86、反り形状予測部88、判定部90、近似曲線算出部92、操業パラメータ特定部94及び反り形状予測モデル生成部96が実行する処理について説明する。取得部86は、入側反り形状測定装置40から金属帯1の入側反り形状として、入側反り形状の板幅方向における反り高さの分布を特定する情報を取得する。また、取得部86は、制御用コントローラ18を介して、制御用計算機17から調質圧延機31の操業パラメータの少なくとも1つを取得する。取得部86は、入側反り形状及び操業パラメータの少なくとも1つを反り形状予測部88に出力する。
反り形状予測部88は、入側反り形状及び操業パラメータの少なくとも1つを取得すると、記憶部84から反り形状予測モデルを読み出し、当該反り形状予測モデルに入側反り形状と、操業パラメータの少なくとも1つを入力し、出側反り形状を出力させる。このようにして、反り形状予測部88は、出側反り形状を予測する。
反り形状予測部88は、予測した出側反り形状を判定部90に出力する。判定部90は、予測された出側反り形状が予め設定された基準値(反りの目標値)以下であるか否かを判定する。基準値は、取得部86及び制御用コントローラ18を介して制御用計算機17から取得してもよく、基準値を記憶部84に予め格納しておき、当該記憶部84から基準値を読み出してもよい。反り形状予測部88によって予測された出側反り形状が基準値を超えると判定した場合に、判定部90は、予測された出側反り形状を近似曲線算出部92に出力する。
一方、反り形状予測部88によって予測された出側反り形状が基準値を超えないと判定した場合に判定部90は、予測された出側反り形状を近似曲線算出部92に出力せずに破棄する。このように判定部90が出側反り形状を破棄することで、調質圧延機31の現在の操業条件が維持される。
近似曲線算出部92は、判定部90から予測された出側反り形状を取得すると、放物線近似、円弧近似又は包絡線近似を用いて予測された出側反り形状に近似する近似曲線を算出する。近似曲線算出部92は算出した近似曲線を操業パラメータ特定部94に出力する。操業パラメータ特定部94は、予測された出側反り形状の反り高さを小さくできる調質圧延機31の操業パラメータを特定する。なお、近似曲線算出部92による近似曲線算出方法及び操業パラメータ特定部94による調質圧延機31の操業パラメータの特定方法は、第1の実施形態と同じである。
操業パラメータ特定部94は、特定した操業パラメータを制御用コントローラ18に出力する。制御用コントローラ18は、取得した操業パラメータを用いて調質圧延機31の操業条件を変更する。このようにして、操業パラメータ特定部94によって特定された操業パラメータが調質圧延機31の操業条件に反映される。そして、当該調質圧延機31を用いて金属帯1を調質圧延することで、金属帯1の板幅方向の反り形状が制御され、調質圧延機31の下流側において板幅方向の反り高さが低減された金属帯の製造が実現できる。
第3の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法では、入側反り形状を用いて制御対象である出側反り形状を予測し、当該出側反り形状における反り高さを低くできる調質圧延機31の操業パラメータの設定値を特定する。このため、第3の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法は、調質圧延機31によって付与される伸長率に関わらず、調質圧延機31を含む金属帯1の製造設備に適用できる。また、入側反り形状及び調質圧延機31の操業パラメータの少なくとも1つが取得されたタイミングで調質圧延機31の操業パラメータの設定値が特定されるので、第2の実施形態で生じたような無駄時間は生じない。このため、出側反り形状が制御されず不適正となる金属帯1の領域が第2の実施形態よりも短くなる。
なお、第3の実施形態では、反り形状制御装置80が判定部90を有する例を示したが、反り形状制御装置80は判定部90を有さなくてもよい。この場合、反り形状予測部88は予測した出側反り形状を近似曲線算出部92に出力する。近似曲線算出部92は出側反り形状の近似曲線を算出し、操業パラメータ特定部94は、算出された近似曲線に基づいて反り高さを低減できる操業パラメータを特定する。この特定した操業パラメータを用いて調質圧延機31の操業条件を変更することで、調質圧延機31の下流側において板幅方向の反り高さが低減された金属帯の製造が実現できる。このように、判定部90を有さない場合であっても、判定部90を有する場合と同様に、調質圧延機31の下流側において板幅方向の反り高さが低減された金属帯の製造が実現できる。
次に、反り形状予測モデル生成部96による反り形状予測モデルの生成方法について説明する。本実施形態では、調質圧延機31の上流側で金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置40と、出側反り形状を測定する出側反り形状測定装置41とを用いて入側反り形状及び出側反り形状の実績データを取得する。制御用計算機17は、金属帯1の溶接部のトラッキング情報を生成しているので、金属帯1の搬送速度に関する情報及びトラッキング情報を用いることで、制御用計算機17は、金属帯1の先端溶接部からの距離に対応付けて入側反り形状及び出側反り形状を取得し、格納する。その際、調質圧延機31では金属帯1に伸びを付与するので、調質圧延機31の伸長率に応じて出側反り形状測定装置41によって測定される先端溶接部からの位置を補正することが好ましい。さらに、制御用計算機17は、金属帯1の先端溶接部からの距離に対応付けて調質圧延機31の操業パラメータを取得し、格納する。
取得部86は、制御用コントローラ18を介して、制御用計算機17から金属帯1の先端溶接部からの距離が同一となる位置における入側反り形状及び出側反り形状の測定値と、当該位置が調質圧延機31を通過する際における調質圧延機31の操業パラメータの少なくとも1つとを1組とするデータセットを取得する。取得部86は、取得したデータセットを記憶部84のデータベース98に格納する。データベース98には、200以上のデータセットが格納されることが好ましく、1000以上のデータセットがデータベース98に格納されることがさらに好ましい。
また、取得部86は、上記データセットを金属帯1の先端溶接部(例えば、先端溶接部から20m以内)、定常部、尾端溶接部(例えば、尾端溶接部から20m以内)からそれぞれ取得することが好ましい。金属製品では、慣用的に先端部、定常部、尾端部における検査によって製品の出荷可否が判断される。このため、当該検査に対応させるために、先端溶接部、定常部、尾端溶接部のデータセットをそれぞれ取得することが好ましい。
さらに、取得部86は、金属帯1の先端溶接部から尾端溶接部まで、所定のピッチで金属帯1の全長のデータセットを取得することが好ましい。当該データセットを取得するピッチは5m以上20m以下の範囲内で設定することが好ましい。このように金属帯1の全長にわたるデータセットをデータベース98に格納し、当該データセットを用いて反り形状予測モデルを作成することで、高い精度で出側反り形状を予測できる。また、取得部86は、一定のデータセット数を上限として、その上限内でデータベース98に格納されるデータセットを適宜更新してもよい。
反り形状予測モデル生成部96は、データベース98に格納されたデータセットを用いて、入側反り形状と操業パラメータのうちの少なくとも1つとを含む入力データを入力とし、出側反り形状を出力とする反り形状予測モデルを生成する。反り形状予測モデルが学習済の機械学習モデルである場合、反り形状予測モデル生成部96は、データベース98に格納されたデータセットを教師データとして機械学習モデルを機械学習させ、学習済の機械学習モデルを生成する。機械学習モデルとしては、一般的に用いられるニューラルネットワーク(深層学習や畳み込みニューラルネットワーク等を含む)、決定木学習、ランダムフォレスト、サポートベクター回帰等を用いてよい。また、複数のモデルを組み合わせたアンサンブルモデルを用いてもよい。
図14は、ニューラルネットワークを用いた機械学習モデルの例を示す図である。反り形状予測モデルは、例えば、図14に示すような一般的なニューラルネットワークを用いた機械学習モデルを用いて生成できる。図14のL1、L2、L3はそれぞれ入力層、中間層、及び出力層である。特に、多層構造のニューラルネットワークを用いた深層学習を用いると多重共線性の問題を考慮せず、金属帯1の反り形状と相関関係を有する他の操業パラメータも入力として自由に選択できるため、金属帯1の出側反り形状の予測精度を高めることができる。図14に示したように、ニューラルネットワークとしては、中間層が2~3層、ノード数が18~512個ずつのニューラルネットワークを用いることができ、活性化関数としてシグモイド関数を用いることができる。出力層は、反り形状予測モデルの出力とする数値の数と一致するようにノード数を設定すればよい。例えば、反り形状予測モデルが板幅方向の各位置における反り高さを出力するものである場合には、出力層の数を、反り高さを特定する板幅方向の位置の数とすればよい。また、反り形状予測モデルが反り高さを近似した関数を出力するものである場合には、出力層の数を、当該関数を特定するための係数の数とすればよい。
また、データベース98に格納されたデータセットを教師データとテストデータとに分けて機械学習を行ってもよい。このように、データセットを教師データとテストデータとに分けることで、反り形状予測モデル生成部96は、教師データを用いてニューラルネットワークの重み係数の学習を行うとともに、テストデータでの出側反り形状の正解率が高くなるようにニューラルネットワークの構造(中間層の数やノード数)を変更しながら反り形状予測モデルを生成できる。このような反り形状予測モデルを生成することで、反り形状予測モデル99による出側反り形状の推定精度を向上させることができる。
また、反り形状予測モデル99の重み係数は更新されてもよく、当該重み係数の更新には、誤差伝播法を用いてもよい。また、反り形状予測モデル99は、例えば、6ヶ月毎又は1年毎に再学習することにより新たな反り形状予測モデルに更新してもよい。最新のデータを含むデータセットを用いて反り形状予測モデルを更新することにより、調質圧延機31の状態が経時変化したとしても、最新の状態を反り形状予測モデルに反映できる。
なお、第1~3の実施形態では、反り形状制御装置50(51、80)、制御用コントローラ18及び制御用計算機17がそれぞれ別の装置である例を示したがこれに限らない。制御用コントローラ18及び制御用計算機17は1つの装置であってもよく、制御用コントローラ18及び反り形状制御装置50(51、80)は1つの装置であってもよい。さらに、反り形状制御装置50(51、80)、制御用コントローラ18及び制御用計算機17が1つの装置であってもよい。
また、上述したように、本実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法は、金属帯の板幅方向の断面形状がW型となる反り形状や高次関数で近似される反り形状の反り高さを低減できる。板幅方向の断面形状がW型となる反り形状や高次関数で近似される反り形状は、急冷後の高強度鋼板において発生する傾向がある。このため、本実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法は、引張強度が980MPa以上の金属帯の製造に適用することが好ましい。
次に、第1~3の実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法が実施できる連続焼鈍設備100について説明する。図15は、冷延鋼板を製造する連続焼鈍設備100の設備例を示す模式図である。なお、図15の矢印は、金属帯1の進行方向を示す。
連続焼鈍設備100は、入側設備20、炉体設備21および出側設備24に大別される。調質圧延設備30は出側設備24に設けられる。調質圧延設備30を含む連続焼鈍設備100は、第1の実施形態に係る金属帯1の反り形状制御方法が実施できる金属帯1の製造設備の他の例である。なお、第2の実施形態を連続焼鈍設備100に適用する場合には、調質圧延設備30を調質圧延設備70に代えればよく、第3の実施形態を連続焼鈍設備100に適用する場合には、調質圧延設備30を調質圧延設備72に代えればよい。連続焼鈍設備100の操業は制御用計算機17及び制御用コントローラ18によって制御される。
入側設備20は、ペイオフリール2、溶接機3、入側ルーパー4を有する。炉体設備21は、焼鈍設備22及び再加熱設備23から構成される。焼鈍設備22は、加熱帯6、均熱帯7及び冷却帯8を有し、加熱帯6の上流側には予熱帯5を有する場合がある。再加熱設備23は、再加熱帯9、過時効帯10および最終冷却帯11を有し、再加熱帯9には誘導加熱装置が配置される。出側設備24は、出側ルーパー12、検査台14、テンションリール15を有する。
加熱帯6には、金属帯1を昇温させる設備が配置され、金属帯1の成分組成に応じて600~900℃程度の範囲で予め設定された温度まで加熱する。加熱帯6では、直火あるいは輻射式の燃焼バーナーが用いられる。均熱帯7には、金属帯1を所定温度に保持する設備が配置される。金属帯1を所定温度に保持する設備は、炉体放散熱などを補う程度の加熱容量の設備である。
冷却帯8には、金属帯1を所定の温度まで冷却する設備が配置され、当該設備における冷却手段として液体冷却、ガスジェット冷却、ロール冷却、ミスト冷却(気液混合冷却)などが用いられる。液体冷却は、水を用いた水冷却(ウォータークエンチ)により行われることが多い。水冷却は、均熱帯7の下流側に設置された浸漬水槽に金属帯1を浸漬させて冷却する冷却手段である。ガスジェット冷却は、金属帯1の表面にノズルから気体を吹き付ける冷却手段である。ロール冷却は、金属帯1を水冷ロールに接触させて冷却する冷却手段である。ミスト冷却は、水を微細な霧状に噴霧してその気化熱の吸収により冷却を行う冷却手段である。ミスト冷却では、噴霧される水滴の大きさは0.1~1mm程度であることが多い。
再加熱設備23は、冷却帯8の下流側に配置され、冷却帯8において金属帯1を所定の温度まで冷却した後に、再加熱帯9に配置した誘導加熱装置等を用いて300~400℃程度の温度まで再加熱する。過時効帯10は、再加熱した金属帯1を所定時間保持する過時効処理を行う設備である。最終冷却帯11は過時効処理を行った金属帯1を室温付近まで最終冷却する設備である。ただし、連続焼鈍設備においては、再加熱設備23を備えていないものもある。
出側ルーパー12は、炉体設備21における金属帯1の搬送速度と、出側設備24における処理速度との調整を図るため、一時的に金属帯1を貯留する設備である。検査台14では金属帯1の寸法精度や表面品質などの検査が行われる。テンションリール15は、金属帯1をコイル状に巻き取る設備である。テンションリール15によりコイルとして巻き取られ、検査台での品質検査により合格と判定された金属帯1は、製品コイルとして出荷される場合と、金属帯1のめっきを行う表面処理設備に送られ表面処理が行われる場合がある。一方、検査台での品質検査により不合格または保留と判定された金属帯1は、リコイルラインに送られ金属帯1の寸法や重量の調整、品質確性用のサンプル採取、形状・寸法検査、コイルの巻き直しなどが行われる場合がある。
調質圧延設備30は、出側ルーパー12と検査台14の間に配置される。調質圧延設備30の調質圧延機31に用いられるワークロール32a、32bは、所定のタイミングで交換する必要がある。調質圧延機31が出側ルーパー12の下流側に配置することで、ワークロール32a、32bが交換される場合の金属帯1の炉体設備21における速度変更を出側ルーパー12により抑制できる。
連続焼鈍設備100において、入側反り形状測定装置40は、炉体設備21の下流側であって調質圧延機31の上流側であれば任意の位置に配置してよい。炉体設備21の下流側には、金属帯1の反り形状を大きく変化させる設備が設けられていないからである。図15に示した例では、最終冷却帯11の下流側に入側反り形状測定装置40が設けられている。
また、調質圧延機31の下流側に出側反り形状測定装置41を設ける場合には、出側反り形状測定装置41は、検査台14の近傍に設けられることが好ましい。金属帯1の出側反り形状は、製品品質の検査項目となることがあるので、検査台14の近傍に設けられることで、他の品質検査と対応付けが容易になる。この場合、調質圧延機31から検査台14までの金属帯1の搬送距離は20~100mとなるのが通常であり、調質圧延機31から検査台14までの搬送時間は2~120秒程度となる。
調質圧延機31は、金属帯1を連続的に加熱する加熱帯6及び加熱帯6で加熱された金属帯1の冷却を行う冷却帯8の下流側に配置されることが好ましい。加熱帯6による加熱と、冷却帯8による冷却により金属帯1の板幅方向における反りが発生する。このため、調質圧延機31を、加熱帯6及び冷却帯8の下流側に配置することで、冷却帯8による冷却によって発生した金属帯1の板幅方向における反り高さを低減できる。
このように、実施形態に係る金属帯の反り形状制御方法が実施できる金属帯の製造設備は、図1、図10、図12に示した調質圧延設備30、70、72であってもよく、図15に示した連続焼鈍設備100であってもよい。
次に、図15に示した連続焼鈍設備100であって、調質圧延設備30を調質圧延設備72に変更した設備を用いて、金属帯1の出側反り形状を制御した実施例を説明する。実施例で用いた金属帯1は、引張強度TSの規格が1180MPaであって、板厚1.6mm、板幅921mmの高強度鋼板である。調質圧延機31の操業条件は、金属帯1に付与する入側張力と出側張力とを70kNに設定し、ロールギャップを変更することにより伸長率を0.05~0.10%の範囲で変化させた。
実施例では、反り形状予測モデル生成部96によって予め反り形状予測モデル99を生成し、当該反り形状予測モデル99を用いて金属帯1の反り形状を制御した。反り形状予測モデル99の生成に用いた出側反り形状は、出側反り形状測定装置41で測定された板幅方向における反り高さの分布である。具体的には、金属帯1を板幅方向に5mmピッチで区分した各位置において測定された反り高さを用いた。反り形状予測モデルの入力となる入側反り形状についても同様に、金属帯1を板幅方向に5mmピッチで区分した各位置において測定された入側反り高さの分布を用いた。反り形状予測モデルの入力に用いた調質圧延機31の操業パラメータとしては、調質圧延機31により金属帯1に付与した伸長率と、ワークロールベンダーのベンダー力の設定値を用いた。
反り形状予測モデル99は、データベース98に格納されたこれらの実績データを用いて、ニューラルネットワークの手法を用いて生成した。ニューラルネットワークとしては、中間層が3層、ノード数が256個ずつのニューラルネットワークを用い、活性化関数としてシグモイド関数を用いた。
反り形状制御装置80では、判定部90において設定される出側反り形状の目標値(反り目標値)と、反り形状予測モデルによって予測された出側反り形状とを比較した。反り目標値は、金属帯1の板幅方向における反り高さの最大値を5mmとして、反り形状予測モデルが出力した出側反り形状の反り高さの最大値が5mm以下であった場合をOKと判定し、5mmを超えた場合にNGと判定した。判定部90により出側反り形状がNGと判定された場合には、予測された出側反り形状を近似曲線算出部92に出力した。
反り形状予測モデルから出力される予測した金属帯の出側反り形状は板幅方向に5mmピッチで区分した各位置の反り高さであり、近似曲線算出部92は、これを2次曲線により近似した近似曲線を算出した。具体的には、近似曲線算出部92は、出側反り形状の予測結果を、以下の式で近似して近似曲線を算出した。
H=a1×(x-W/2)+a2・・・(1)
ただし、Hは反り高さ(mm)であり、xは板幅端部からの距離(mm)であり、Wは金属帯の板幅(mm)であり、係数a1および係数a2が近似曲線を特定するためのパラメータである。係数a1および係数a2は、最小二乗法により、反り形状予測モデルMが予測した出側反り形状と、式(1)の関数との誤差が最小となる条件から算出した。
操業パラメータ特定部94は、近似曲線算出部92が算出した式(1)の近似曲線に基づいて、出側反り形状を小さくできる調質圧延機31の操業パラメータを特定した。具体的には、式(1)の係数a1が正の場合には、板幅中央部に比べて板幅端部近傍の反り高さが大きいことから、調質圧延機31のワークロールベンダーのベンダー力が現在の設定値よりも小さくなるように設定値を特定した。一方、式(1)の係数a1が負の場合には、板幅中央部に比べて板幅端部近傍の反り高さが小さいことから、調質圧延機31のワークロールベンダーのベンダー力が現在の設定値よりも大きくなるように設定値を特定した。反り形状制御装置80は、操業パラメータ特定部94が特定したワークロールベンダーのベンダー力の設定値を、制御用コントローラ18に出力した。そして、制御用コントローラ18は、反り形状制御装置80から取得したベンダー力の設定値に対して、通常の比例積分制御に用いられるゲインを乗じて調質圧延機31に出力することで調質圧延機31の操業条件を変更した。
なお、上記の操業パラメータ特定部94の処理は、調質圧延機31による金属帯1の調質圧延中に、金属帯の長手方向に対して5~20mピッチで実行した。このようにして、金属帯1の長手方向における出側反り形状を制御した。
この結果、製造した20本の金属帯1について、長手方向の全長にわたって出側反り形状が反り目標値以下となった合格率が100%となり、実施例を適用しなかった従来の合格率85%に比べて金属帯1の反り形状が大幅に改善された。
1 金属帯
2 ペイオフリール
3 溶接機
4 入側ルーパー
5 予熱帯
6 加熱帯
7 均熱帯
8 冷却帯
9 再加熱帯
10 過時効帯
11 最終冷却帯
12 出側ルーパー
14 検査台
15 テンションリール
17 制御用計算機
18 制御用コントローラ
21 炉体設備
22 焼鈍設備
23 再加熱設備
24 出側設備
30 調質圧延設備
31 調質圧延機
32a ワークロール
32b ワークロール
33a バックアップロール
33b バックアップロール
34 圧下装置
35 軸受箱
36 入側ブライドルロール
37 入側張力計
38 出側張力計
39 出側ブライドルロール
40 入側反り形状測定装置
41 出側反り形状測定装置
42 荷重検出器
43a ワークロールチョック
43b ワークロールチョック
44 レーザースキャン式のレーザー距離計
50 反り形状制御装置
51 反り形状制御装置
52 制御部
53 制御部
54 入力部
56 出力部
58 記憶部
60 取得部
62 近似曲線算出部
64 操業パラメータ特定部
70 調質圧延設備
72 調質圧延設備
80 反り形状制御装置
82 制御部
84 記憶部
86 取得部
88 反り形状予測部
90 判定部
92 近似曲線算出部
94 操業パラメータ特定部
96 反り形状予測モデル生成部
98 データベース
99 反り形状予測モデル
100 連続焼鈍設備

Claims (10)

  1. 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の上流側で金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記調質圧延機の下流側での金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御方法であって、
    放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状の近似曲線を算出し、
    算出された近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さを小さくできる前記調質圧延機の操業パラメータを設定する、金属帯の反り形状制御方法。
  2. 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の下流側で金属帯の出側反り形状を測定する出側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御方法であって、
    放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて前記出側反り形状測定装置によって測定された出側反り形状の近似曲線を算出し、
    算出された近似曲線に基づいて前記出側反り形状の反り高さを小さくできる前記調質圧延機の操業パラメータを設定する、金属帯の反り形状制御方法。
  3. 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の上流側で金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記調質圧延機の下流側での金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御方法であって、
    前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状と、前記調質圧延機の操業パラメータのうちの少なくとも1つと、を含む入力データを入力とし、前記出側反り形状を出力とする反り形状予測モデルを用いて前記出側反り形状を予測し、
    放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて予測された出側反り形状の近似曲線を算出し、
    算出された近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さを小さくできる前記調質圧延機の操業パラメータを設定する、金属帯の反り形状制御方法。
  4. 前記製造設備は、前記金属帯の熱処理を行う連続焼鈍設備であり、
    前記調質圧延機は、前記金属帯を加熱する加熱帯及び前記加熱帯で加熱された金属帯の冷却を行う冷却帯の下流側に配置される、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属帯の反り形状制御方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属帯の反り形状制御方法を用いて、引張強度が980MPa以上である金属帯を製造する、金属帯の製造方法。
  6. 請求項4に記載の金属帯の反り形状制御方法を用いて、引張強度が980MPa以上である金属帯を製造する、金属帯の製造方法。
  7. 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の上流側で前記金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記調質圧延機の下流側での前記金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御装置であって、
    前記入側反り形状測定装置によって測定された前記入側反り形状を取得する取得部と、
    放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて、前記入側反り形状の近似曲線を算出する近似曲線算出部と、
    前記近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さが小さくなるように、前記調質圧延機の操業パラメータを特定する操業パラメータ特定部と、を有する、金属帯の反り形状制御装置。
  8. 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の下流側で前記金属帯の出側反り形状を測定する出側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御装置であって、
    前記出側反り形状測定装置によって測定された出側反り形状を取得する取得部と、
    放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて、前記出側反り形状の近似曲線を算出する近似曲線算出部と、
    前記近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さが小さくなるように、前記調質圧延機の操業パラメータを特定する操業パラメータ特定部と、を有する、金属帯の反り形状制御装置。
  9. 連続的に搬送される金属帯の形状を矯正する調質圧延機と、前記調質圧延機の上流側で金属帯の入側反り形状を測定する入側反り形状測定装置と、を含む金属帯の製造設備において、前記調質圧延機の下流側での金属帯の反り形状である出側反り形状を制御する金属帯の反り形状制御装置であって、
    前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状を取得する取得部と、
    前記入側反り形状測定装置によって測定された入側反り形状と、前記調質圧延機の操業パラメータのうちの少なくとも1つと、を含む入力データを入力とし、前記出側反り形状を出力とする反り形状予測モデルを用いて前記出側反り形状を予測する反り形状予測部と、
    放物線近似、円弧近似及び包絡線近似のうちから選択される近似方法を用いて前記反り形状予測部によって予測された出側反り形状の近似曲線を算出する近似曲線算出部と、
    前記近似曲線算出部により算出された近似曲線に基づいて、前記出側反り形状の反り高さを小さくできる前記調質圧延機の操業パラメータを特定する操業パラメータ特定部と、を有する、金属帯の反り形状制御装置。
  10. 前記製造設備は、前記金属帯の熱処理を行う連続焼鈍設備であり、
    前記調質圧延機は、前記金属帯を加熱する加熱帯及び前記加熱帯で加熱された金属帯の冷却を行う冷却帯の下流側に配置される、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の金属帯の反り形状制御装置。
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