JP2024044015A - 眼科装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検眼に屈折異常が認められる場合、自覚検査中に生じる可能性がある支障に対して事前に対応できる眼科装置を提供すること。【解決手段】被検眼Eの他覚屈折特性を測定する他覚測定光学系としてのレフ測定投射系6及びレフ測定受光系7と、他覚測定光学系の制御を含んで統括的に制御する制御部40と、を備える眼科装置Aであって、制御部40は、被検眼Eの他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像RIの特徴量を解析し、レフリング像RIの特徴量の解析結果に応じて被検眼Eの自覚検査内容にフィードバックする。制御部40は、レフリング像RIの特徴量の解析結果がフィードバックありと判断されると、他覚測定の直後、又は、自覚検査をするとき、解析結果のアラートメッセージを表示する。【選択図】図6

Description

本開示は、眼科装置に関する。
従来、被検眼の眼底に光を投影する投影系と、投影系により投影された光の眼底からの戻り光を検出する受光系と、受光系により検出された戻り光に基づく像のフォーカス状態を変更する光学部材とを含む光学系と、像を表示手段に表示させる表示制御部と、像のフォーカス状態を変更するための操作部と、操作部に対する操作内容に基づいて光学部材を制御する光学部材制御部と、像と光学部材に対する制御内容とに基づいて被検眼情報を算出する算出部とを含む眼科装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-159071号公報
ところで、被検眼に屈折異常が認められる場合(例えば、白内障眼や高次収差眼等)、自覚検査中において、例えば、最高視力が通常の被検眼より低い、乱視検査の応答が悪い、自動自覚検眼でエラーが発生する、等の支障が生じる可能性がある。これに対し、特許文献1に記載された従来技術は、疾患を伴う被検眼であっても屈折力等の被検眼情報を求めることを目的とする。このため、被検眼に屈折異常が認められる場合、自覚検査中に生じる可能性がある支障に対して事前に対応できない、という課題がある。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、被検眼に屈折異常が認められる場合、自覚検査中に生じる可能性がある支障に対して事前に対応できる眼科装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、被検眼の他覚屈折特性を測定する他覚測定光学系と、前記他覚測定光学系の制御を含んで統括的に制御する制御部と、を備える眼科装置であって、前記制御部は、前記被検眼の他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像の特徴量を解析し、前記レフリング像の特徴量の解析結果に応じて前記被検眼の自覚検査内容にフィードバックすることを特徴する。
本開示の眼科装置では、被検眼に屈折異常が認められる場合、自覚検査中に生じる可能性がある支障に対して事前に対応することができる。
実施例1の眼科装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例1の眼科装置の光学系(左眼)の構成例を示す概略図である。 実施例1の眼科装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 特徴量の解析対象であるレフリング像の画像例を示す図である。 特徴量の解析対象であるレフリング像の各名称を示す説明図である。 実施例1において被検眼のレフリング像の特徴量解析結果を自覚検査へフィードバックするフィードバック制御処理の流れを示すフローチャートである。 他覚検査時に検者用コントローラの表示部に画像表示される他覚検査画面の一例を示す図である。 自覚検査時に検者用コントローラの表示部に画像表示される自覚検査画面の一例を示す図である。 実施例2において被検眼のレフリング像の特徴量解析結果を自覚検査へフィードバックするフィードバック制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の変形例において被検眼のレフリング像の特徴量解析結果を自覚検査へフィードバックするフィードバック制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3において他覚測定機と複数の自覚検査機を眼科装置の一例として備える眼科システムを示す概略図である。
本開示に係る眼科装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1,2,3に基づいて説明する。実施例1,2は、被検眼の他覚測定機能と自覚検査機能を併せて備える眼科装置への適用例である。実施例3は、他覚測定機と複数の自覚検査機を備える眼科システムへの適用例である。なお、各図面において、被検眼Eを基準として眼科装置に対峙したときの左右方向の軸を左右軸Xで示し、上下方向の軸(鉛直方向の軸)を上下軸Yで示し、左右軸X及び上下軸Yと直交する奥行き方向の軸を前後軸Zで示す。
[装置全体構成]
まず、図1を参照して実施例1の眼科装置Aの全体構成を説明する。眼科装置Aは、図1に示すように、支持基台10と、測定ユニット20と、検者用コントローラ30と、制御部40と、を備えている。
眼科装置Aは、自覚検査光学系と他覚測定光学系とフォロプターと視力表とを一体化により備える自覚検査機能付き他覚測定機である。つまり、検者は、眼科装置Aを用いて任意の他覚測定及び自覚検査を行うことができる。なお、他覚測定では、被検眼Eに光が照射され、その戻り光の検出結果に基づいて被検眼Eに関する他覚測定情報が取得される。
ここで、他覚測定は、被検眼Eの眼特性を取得するための測定と、被検眼Eの画像を取得するための撮影とを含む。他覚測定には、屈折力測定(レフラクト測定)、角膜形状測定(ケラト測定)、眼圧測定、眼底撮影、等がある。また、自覚検査では、被検者に視標等が提示され、提示された視標等に対する被検者の応答に基づいて被検眼Eに関する情報(眼特性)が得られる。自覚検査には、遠用検査、中用検査、近用検査、コントラスト検査、グレア検査等の自覚屈折検査、視野検査、等がある。
支持基台10は、床面から起立した支柱14と、支柱14によって支持された検眼用テーブル15と、を有している。検眼用テーブル15は、検者用コントローラ30等の検眼に用いる装置や用具を置いたり、被検者の姿勢を支えたりするための台である。検眼用テーブル15は、Y方向の位置(高さ位置)が固定であってもよいし、Y方向の位置(高さ位置)を調節可能に支柱14に支持されていてもよい。
測定ユニット20は、アーム26と、測定ヘッド22と、額当部23と、を有している。アーム26は、一端が支柱14の先端部に支持され、他端がZ方向に沿って支柱14から手前側(被検者側)へと延び、先端部に測定ヘッド22が取り付けられている。これにより、測定ヘッド22は、検眼用テーブル15の上方でアーム26を介して支柱14に吊下げられる。また、アーム26は、支柱14に対してY方向に移動可能である。なお、アーム26は、支柱14に対してX方向やZ方向にも移動可能にされていてもよい。
測定ヘッド22は、被検眼Eの眼特性を測定する部分である。測定ヘッド22は、駆動部22aと、駆動部22aの下側に設けられた左右一対の左測定ヘッド部22L及び右測定ヘッド部22Rと、を有している。ここで、左測定ヘッド部22L及び右測定ヘッド部22Rは、被検者の左右の目に個別に対応すべく対を為している。そして、左測定ヘッド部22Lには、被検者の左側の被検眼E(左被検眼)の眼特性を測定する左眼光学系25Lが内蔵されている。右測定ヘッド部22Rには、被検者の右側の被検眼E(右被検眼)の眼特性を測定する右眼光学系25Rが内蔵されている。測定ヘッド22による測定結果は、制御部40に入力される。
駆動部22aは、左測定ヘッド部22L及び右測定ヘッド部22Rを、それぞれ個別に水平(X方向)移動駆動、鉛直(Y方向)移動駆動、X方向回旋駆動、Y方向回旋駆動させる機構である。
額当部23は、測定ユニット20に設けられ、左測定ヘッド部22L及び右測定ヘッド部22Rの間に配置されている。額当部23は、眼特性の測定中に被検者の額を接触させることで被検者の顔を支持する。すなわち、検眼用テーブル15に正対する被検者は、額当部23に自身の額を押し当て、顔の向きや位置が動かないように安定させる。額当部23の位置調整は、アーム26を支柱14に対してY方向に移動することで行われる。
検者用コントローラ30は、検者による入力操作を受け付け、制御部40に制御信号を出力する情報処理装置である。検者用コントローラ30は、例えば、タブレット端末やスマートフォン等であり、測定ユニット20から分離し、検者によって携帯可能になっている。なお、検者用コントローラ30は、ノート型パーソナルコンピュータやデスクトップ型パーソナルコンピュータ等であってもよいし、眼科装置Aに専用のコントローラであってもよい。検者用コントローラ30は、無線通信やネットワーク通信を介して制御部40と情報をやりとりする。
また、検者用コントローラ30は、図1に示すように、表示部32と、図示しない操作側制御部と、図示しない入力ボタンと、を備えている。表示部32は、検者用コントローラ30の表面に設けられたタッチパネルディスプレイからなり、様々な入力ボタンが画面表示により設定される。操作側制御部は、検者用コントローラ30に内蔵されたマイクロコンピュータからなり、制御部40から送信された測定結果や検知結果に基づいて表示部32に表示する画像を制御したり、入力ボタンに対する操作に応じた制御信号を制御部40に出力したりする。
制御部40は、検眼用テーブル15の下方位置等に設けられる情報処理装置である。制御部40は、検者用コントローラ30から送信された制御信号に基づいて、測定ユニット20の各部を統括的に制御する。また、制御部40は、測定ヘッド22で測定した被検眼Eの眼特性の測定結果を検者用コントローラ30に送信する。なお、制御部40を含む制御系の詳細な構成の説明は後述する。
[光学系構成]
図2を参照して測定ヘッド22に内蔵されている光学系(左眼)の構成を説明する。なお、左眼光学系25Lと右眼光学系25Rとは同一の構成であるため、以下では、左眼光学系25Lについて説明し、右眼光学系25Rについては図示及び説明を省略する。
以下の説明で用いる「眼底共役位置」は、アライメントが完了した状態での被検眼Eの眼底Efと光学的に略共役な位置であり、被検眼Eの眼底Efと光学的に共役な位置又はその近傍を意味するものとする。同様に、「瞳孔共役位置」は、アライメントが完了した状態での被検眼Eの瞳孔と光学的に略共役な位置であり、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置又はその近傍を意味するものとする。
被検眼Eの検査を行うための左眼光学系25Lは、図2に示すように、Zアライメント系1、XYアライメント系2、ケラト測定系3、視標投影系4、前眼部観察系5、レフ測定投射系6、及びレフ測定受光系7を含む。
Zアライメント系1は、前眼部観察系5の光軸方向(前後方向、Z方向)におけるアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに投射する。Zアライメント光源11から出力された光は、被検眼Eの角膜に投射され、角膜により反射され、結像レンズ12によりラインセンサ13のセンサ面に結像される。角膜頂点の位置が前眼部観察系5の光軸方向に変化すると、ラインセンサ13のセンサ面における光の投射位置が変化する。制御部40は、ラインセンサ13のセンサ面における光の投射位置に基づいて被検眼Eの角膜頂点の位置を求め、これに基づき光学系を移動させる機構を制御してZアライメントを実行する。
XYアライメント系2は、前眼部観察系5の光軸に直交する方向(左右方向(=X方向)、上下方向(=Y方向))のアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに照射する。XYアライメント系2は、ハーフミラー54により前眼部観察系5から分岐された光路に設けられたXYアライメント光源21を含む。XYアライメント光源21から出力された光は、ハーフミラー54により反射され、前眼部観察系5を通じて被検眼Eに投射される。被検眼Eの角膜による反射光は、前眼部観察系5を通じて撮像素子59に導かれる。この反射光に基づく像(輝点像)は前眼部像に含まれる。制御部40は、輝点像を含む前眼部像とアライメントマークを表示部32に画面表示させる。手動でXYアライメントを行う場合、ユーザは、アライメントマーク内に輝点像を誘導するように光学系の移動操作を行う。自動でアライメントを行う場合、制御部40は、アライメントマークに対する輝点像の変位がキャンセルされるように、光学系を移動させる機構を制御する。
ケラト測定系3は、被検眼Eの角膜の形状を測定するためのリング状光束(赤外光)を角膜に投射する。ケラト板31は、対物レンズ52と被検眼Eとの間に配置されている。ケラト板31の背面側(対物レンズ52側)にはケラトリング光源(図示せず)が設けられている。ケラトリング光源からの光でケラト板31を照明することにより、被検眼Eの角膜にリング状光束が投射される。被検眼Eの角膜からの反射光(ケラトリング像)は撮像素子59により前眼部像とともに検出される。制御部40は、このケラトリング像を基に公知の演算を行うことで、角膜の形状を表す角膜形状パラメータを算出する。
視標投影系4は、固視標や自覚検査用視標等の各種視標を被検眼Eに呈示する。光源41から出力された光(可視光)は、コリメートレンズ42により平行光束とされ、視標チャート43に照射される。視標チャート43は、例えば透過型の液晶パネルを含み、視標を表すパターンを表示する。視標チャート43を透過した光は、リレーレンズ44及び45を通過し、反射ミラー46により反射され、ダイクロイックミラー68を透過し、ダイクロイックミラー53により反射される。ダイクロイックミラー53により反射された光は、対物レンズ52を通過して眼底Efに投射される。光源41、コリメートレンズ42及び視標チャート43は、一体となって光軸方向に移動可能である。
自覚検査を行う場合、制御部40は、他覚測定の結果に基づき光源41、コリメートレンズ42及び視標チャート43を光軸方向に移動させ、視標チャート43を制御する。制御部40は、検者又は制御部40により選択された視標を視標チャート43に表示させる。それにより、当該視標が被検者に呈示される。被検者は視標に対する応答を行う。応答内容の入力を受けて、制御部40は、更なる制御や、自覚検査値の算出を行う。例えば、視力測定において、制御部40は、ランドルト環等に対する応答に基づいて、次の視標を選択して呈示し、これを繰り返し行うことで視力値を決定する。
前眼部観察系5は、被検眼Eの前眼部を動画撮影する。前眼部観察系5を経由する光学系において、撮像素子59の撮像面は瞳孔共役位置Qに配置されている。前眼部照明光源51は、被検眼Eの前眼部に照明光(例えば、赤外光)を照射する。被検眼Eの前眼部により反射された光は、対物レンズ52を通過し、ダイクロイックミラー53を透過し、ハーフミラー54を透過し、リレーレンズ55及び56を通過し、ダイクロイックミラー57を透過する。ダイクロイックミラー57を透過した光は、結像レンズ58により撮像素子59(エリアセンサ)の撮像面に結像される。撮像素子59は、所定のレートで撮像及び信号出力を行う。撮像素子59の出力(映像信号)は、制御部40に入力される。制御部40は、この映像信号に基づく前眼部像を検者用コントローラ30の表示部32に画面表示させる。前眼部像は、例えば赤外動画像である。
レフ測定投射系6及びレフ測定受光系7は、他覚屈折測定(レフ測定)に用いられる。レフ測定投射系6は、他覚測定用のリング状光束(赤外光)を眼底Efに投射する。レフ測定受光系7は、このリング状光束の被検眼Eからの戻り光を受光する。
レフ測定光源61は、発光径が所定のサイズ以下の高輝度光源であるSLD(Super Luminescent Diode)光源であってよい。レフ測定光源61は、光軸方向に移動可能であり、眼底共役位置Pに配置される。リング絞り65(具体的には、透光部)は、瞳孔共役位置Qに配置されている。合焦レンズ74は、光軸方向に移動可能である。合焦レンズ74は、後述の主制御処理部111からの制御を受け、焦点位置を変更可能な公知の焦点可変レンズであってもよい。レフ測定受光系7を経由する光学系において、撮像素子59の撮像面は眼底共役位置Pに配置されている。
レフ測定光源61から出力された光は、リレーレンズ62を通過し、円錐プリズム63の円錐面に入射する。円錐面に入射した光は偏向され、円錐プリズム63の底面から出射する。円錐プリズム63の底面から出射した光は、フィールドレンズ64を通過し、リング絞り65にリング状に形成された透光部を通過する。リング絞り65の透光部を通過した光(リング状光束)は、孔開きプリズム66の反射面により反射され、ロータリープリズム67を通過し、ダイクロイックミラー68により反射される。ダイクロイックミラー68により反射された光は、ダイクロイックミラー53により反射され、対物レンズ52を通過し、被検眼Eに投射される。ロータリープリズム67は、眼底Efの血管や疾患部位に対するリング状光束の光量分布を平均化や光源に起因するスペックルノイズの低減のために用いられる。円錐プリズム63は、瞳孔共役位置Qに可能な限り近い位置に配置されることが望ましい。
ここで、フィールドレンズ64は、例えば、図2の左側吹出図に示すように、フィールドレンズ64の被検眼Eの側のレンズ面にリング絞り65が貼り付けられていてもよい。この場合、例えば、フィールドレンズ64のレンズ面には、リング状の透光部が形成されるように遮光膜が蒸着される。また、レフ測定投射系6は、フィールドレンズ64が省略された構成を有していてもよい。
また、円錐プリズム63は、例えば、図2の右側吹出図に示すように、リレーレンズ62を通過した光が円錐面63aに入射する円錐プリズム63の底面63bにリング絞り65が貼り付けられていてもよい。この場合、例えば、円錐プリズム63の底面63bには、リング状の透光部が形成されるように遮光膜が蒸着される。また、リング絞りが円錐プリズム63の円錐面63aの側にあってもよい。リング絞り65は、所定の測定パターンに対応した形状を有する透光部が形成された絞りであってよい。この絞りには、レフ測定投射系6の光軸に対して偏心した位置に透光部が形成されていてよい。また、絞りには、2以上の透光部が形成されていてもよい。
眼底Efに投射されたリング状光束の戻り光は、対物レンズ52を通過し、ダイクロイックミラー53及びダイクロイックミラー68により反射される。ダイクロイックミラー68により反射された戻り光は、ロータリープリズム67を通過し、孔開きプリズム66の孔部を通過し、リレーレンズ71を通過し、反射ミラー72により反射され、リレーレンズ73及び合焦レンズ74を通過する。合焦レンズ74を通過した光は、反射ミラー75により反射され、ダイクロイックミラー57により反射され、結像レンズ58により撮像素子59の撮像面に“レフリング像”として結像される。制御部40は、撮像素子59からの出力を基に公知の演算を行うことで被検眼Eの屈折力値を算出する。例えば、屈折力値は、球面度数、乱視度数及び乱視軸角度を含む。孔開きプリズム66とリレーレンズ71との間に、瞳孔上の光束径を制限する絞りが配置されている。この絞りの透光部は、瞳孔共役位置に配置される。
制御部40は、算出された屈折力値に基づいて、眼底Efとレフ測定光源61と撮像素子59の撮像面とが光学的に共役になるように、レフ測定光源61と合焦レンズ74とをそれぞれ光軸方向に移動させる。更に、制御部40は、レフ測定光源61及び合焦レンズ74の移動に連動して視標ユニットをその光軸方向に移動させる。光源41、コリメートレンズ42及び視標チャート43を含む視標ユニットと、レフ測定光源61と、合焦レンズ74とは、連動してそれぞれの光軸方向に移動可能であってよい。
上記のように、眼科装置Aの光学系において、眼底共役位置Pにレフ測定光源61を配置し、且つ瞳孔共役位置Qにリング絞り65を配置し、瞳孔共役位置Qの近傍に円錐プリズム63を配置するようにした。このため、眼底Efに細く(内径と外径の幅が狭い)輝度の高いリング状の測定パターンを投射することができるようになる。従って、被検眼Eに入射する測定光束の全光量を小さくすることができ、被検者の負担を軽減しつつ、輝度の高い測定パターン光束を被検眼に投射することができる。それにより、信頼性の高い眼屈折力値を取得することができるようになる。また、眼底におけるリング像のプロファイルが急峻になるため、睫毛や白内障に起因した水晶体の混濁部分で入射光束が遮られることによる影響が少なく測定エラーの発生を抑えることができる。
[制御系構成]
図3を参照して眼科装置Aの制御系構成について説明する。制御部40は、眼科装置Aの各部を統合制御する。制御部40は、各種演算処理を実行可能である。制御部40は、プロセッサを含む。プロセッサの機能は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の回路により実現される。制御部40は、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで本開示に係る機能を実現する。
眼科装置Aの制御系は、図3に示すように、光学系構成(Zアライメント系1~レフ測定受光系7)以外に、検者用コントローラ30と、制御部40と、通信部100とを有する。制御部40は、制御処理部110と、演算処理部120とを含む。
制御処理部110は、眼科装置Aの各部を制御する。制御処理部110は、主制御処理部111と、記憶部112とを含む。
主制御処理部111は、Zアライメント系1のZアライメント光源11やラインセンサ13、XYアライメント系2のXYアライメント光源21、ケラト測定系3のケラトリング光源を制御する。それにより、Zアライメント光源11やXYアライメント光源21やケラトリング光源から出力される光の光量が変更されたり、点灯や非点灯が切り替えられたりする。また、ラインセンサ13により検出された信号が取り込まれ、取り込まれた信号に基づくアライメント制御、等が行われる。
主制御処理部111は、視標投影系4の光源41、及び視標チャート43を制御する。それにより、光源41から出力される光の光量が変更されたり、点灯や非点灯が切り替えられたりする。また、視標チャート43における視標や固視標の表示のオン・オフや、視標や固視標が切り替えられる。また、主制御処理部111は、光源41、コリメートレンズ42、及び視標チャート43を含む視標ユニットを光軸方向に移動する移動機構(図示せず)を制御することができる。
主制御処理部111は、前眼部観察系5の前眼部照明光源51や撮像素子59を制御する。それにより、前眼部照明光源51から出力される光の光量が変更されたり、点灯や非点灯が切り替えられたりする。また、撮像素子59の露光時間が変更されたり、撮像素子59に含まれる増幅器のゲインを制御することにより検出感度が変更されたりする。また、撮像素子59により取得された信号が取り込まれ、演算処理部120により画像の形成等が行われたりする。
主制御処理部111は、レフ測定投射系6のレフ測定光源61やロータリープリズム67、レフ測定受光系7の合焦レンズ74を制御する。それにより、レフ測定光源61から出力される光の光量が変更されたり、点灯や非点灯が切り替えられたりする。また、ロータリープリズム67の回転速度が変更されたり、回転動作のオン・オフが切り替えられたりする。また、合焦レンズ74の光軸方向の位置が変更される。また、主制御処理部111は、レフ測定光源61や合焦レンズ74を光軸方向に移動する移動機構(図示せず)を制御することができる。合焦レンズ74が可変焦点レンズである場合、主制御処理部111は、合焦レンズ74を制御することにより合焦レンズ74の焦点位置を変更することができる。
実施例1では、主制御処理部111は、光源41、コリメートレンズ42、及び視標チャート43を含む視標ユニットと、レフ測定光源61と、合焦レンズ74とを保持する保持部材を含む移動機構を制御することが可能である。移動機構には、保持部材を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。主制御処理部111は、このような移動機構を制御することにより、それぞれを光軸方向に移動させることができる。
主制御処理部111は、視標投影系4、前眼部観察系5、レフ測定投射系6、レフ測定受光系7、及び演算処理部120を制御することにより、仮測定を2回以上実行させ、最後に実行された仮測定により決定された測定条件の下で本測定を実行させることが可能である。仮測定を繰り返すたびに測定条件が収束するように、各回の仮測定により、同一種別の測定条件が決定されてもよいし、異なる種別の測定条件が決定されてもよい。
また、主制御処理部111は、記憶部112にデータを書き込む処理や、記憶部112からデータを読み出す処理を行う。
記憶部112は、各種のデータを記憶する。記憶部112に記憶されるデータとしては、ケラト測定系3により得られた測定情報、レフ測定投射系6及びレフ測定受光系7により得られた測定情報、撮像素子59により取得された画像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。ケラト測定系3により得られた測定情報は、眼科装置Aにて被検眼Eのケラト測定が行われたときに記憶部112に保存される。レフ測定投射系6及びレフ測定受光系7により得られた測定情報は、眼科装置Aにて被検眼Eのレフ測定が行われたときに記憶部112に保存される。記憶部112は、角膜形状パラメータの算出処理や眼屈折力値の算出処理の作業メモリとして用いられてもよい。また、記憶部112には、眼科装置Aを動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
演算処理部120は、例えば、角膜形状パラメータや眼屈折力値など、眼屈折力を表すパラメータを求めるための各種の演算を実行する。演算処理部120は、解析部121を含む。
解析部121は、レフ測定投射系6により眼底Efに投射されたリング状光束(リング状の測定パターン)の戻り光を撮像素子59が受光することにより得られたレフリング像を解析する。例えば、解析部121は、得られたレフリング像が描出された画像における輝度分布からレフリング像のリング中心位置を求め、リング中心位置から放射状に延びる複数の走査方向に沿った輝度分布を求め、この輝度分布からレフリング像を特定する。解析部121は、特定されたレフリング像の輝度(レフリング輝度)が所定の輝度範囲内であるか否かを判定することが可能である。解析部121は、特定されたレフリング像のSN比が所定の数値範囲内にあるか否かを判定してもよい。
解析部121は、特定されたレフリング像の近似楕円を求め、この近似楕円の長径及び短径を公知の式に代入することによって球面度数、乱視度数及び乱視軸角度を求めることが可能である。または、解析部121は、特定されたレフリング像(近似楕円)と、合焦レンズ74に対する制御内容(例えば、移動量)とに基づいて球面度数、乱視度数及び乱視軸角度を求めることが可能である。或いは、解析部121は、基準パターンに対するレフリング像の変形及び変位に基づいて、眼屈折力のパラメータを求めることができる。
また、解析部121は、前眼部観察系5により取得されたケラトリング像に基づいて、角膜屈折力、角膜乱視度及び角膜乱視軸角度を算出する。例えば、解析部121は、ケラトリング像を解析することにより角膜前面の強主経線や弱主経線の角膜曲率半径を算出し、角膜曲率半径に基づいて上記パラメータを算出する。
さらに、解析部121は、レフリング像に基づいて球面度数、乱視度数及び乱視軸角度を求める以外に、レフリング像の特徴量解析を行う。レフリング像の特徴量解析と、解析結果を自覚検査へ反映させるフィードバック判定についての詳しい説明は後述する。
検者用コントローラ30は、制御処理部110による制御を受けて様々な情報を表示部32に画面表示する。表示部32への画面表示内容には、眼科装置Aの操作や情報入力に使用される各種のソフトウェアキー(ボタン、アイコン、メニュー等)を含む。さらに、表示部32への画面表示内容には、検者へのアラートメッセージを含む。
通信部100は、外部装置と通信する機能を持つ。通信部100は、外部装置との接続形態に応じた通信インターフェイスを備える。外部装置の例として、レンズの光学特性を測定するための眼鏡レンズ測定装置がある。眼鏡レンズ測定装置は、被検者が装用する眼鏡レンズの度数などを測定し、この測定データを眼科装置Aに入力する。また、外部装置は、任意の眼科装置、記録媒体から情報を読み取る装置(リーダ)や、記録媒体に情報を書き込む装置(ライタ)等でもよい。更に、外部装置は、病院情報システム(HIS)サーバ、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)サーバ、医師端末、モバイル端末、個人端末、クラウドサーバ等でもよい。
[レフリング像の特徴量解析と自覚検査へのフィードバック判定]
図4及び図5を参照してレフリング像の特徴量、特徴量解析、自覚検査へのフィードバック判定について説明する。図4は、特徴量解析の対象であるレフリング像の画像例を示す。図5は、レフリング像の各名称を示し、レフリング像をRI、検出点をDP、近似楕円をAE、中心座標をRCという。
他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像RIの特徴量は、
(1) レフリング像RIの明るさ
(2) レフリング像RIのエッジ強度
(3) レフリング像RIのコントラスト
(4) レフリング像RIの幅
(5) レフリング像RIの検出点DPの近似楕円AEに対する残差
(6) レフリング像RIの検出点DPの数
(7) レフリング像RIの検出点DPの近似楕円AEの中心座標CP
の何れか一つの項目又は複数の組み合わせ項目としている。
実施例1では、他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像RIの特徴量を解析するとき、レフリング像RIの特徴量の何れか一つの項目又は複数の組み合わせ項目について、自覚検査での信頼度の高さを示すスコア値に基づく信頼性係数SCを算出する。すなわち、信頼性係数SCは、値が高いほど自覚検査時に支障を生じる度合いが低く、値が低いほど自覚検査時に支障を生じる度合いが高いことを示す。例えば、上記7つの項目の全ての項目をレフリング像RIの特徴量としたときは、各項目でのスコア値Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6,Z7の総和、或いは、重み付け和を信頼性係数SCとして算出する。上記7つの項目から2項目~6項目を選択したときは、選択した項目でのスコア値の総和、或いは、重み付け和を信頼性係数SCとして算出する。また、1項目を選択したときは、選択した1項目でのスコア値を信頼性係数SCとする。
さらに、算出された信頼性係数SCが正常判定値以上の値であると、レフリング像RIの特徴量の解析結果のフィードバックを、フィードバックなしに設定する。一方、信頼性係数SCが正常判定値未満の値であると、レフリング像RIの特徴量の解析結果のフィードバックを、フィードバックありに設定する。
ここで、正常判定値は、スコア値の総和、或いは、スコア値の重み付け和による信頼性係数SCについて与える以外に、レフリング像RIの特徴量である7項目のそれぞれのスコア値に対しても正常判定値を与えるようにしても良い。この場合、レフリング像RIの特徴量として複数の項目を選択したとき、スコア値の総和による信頼性係数SCが正常判定値以上の値であっても、1つの項目のスコア値が正常判定値未満であると、フィードバックありに設定される。以下、各特徴量とスコア値(信頼性係数SC)の関係性について説明する。
(1)レフリング像RIの明るさについては、被検眼Eの中間透光体の透過率低下(白内障、等)の影響や網膜の反射率の個人差の影響でレフリング像RIが暗くなると、解析する時のSN比が低下し、測定精度が悪化する可能性がある。よって、明るさスコア値Z1は、レフリング像RIが明るいほど高い値で与え、レフリング像RIが暗くなるほど低い値で与える。
(2)レフリング像RIのエッジ強度については、被検眼Eの中間透光体の混濁(白内障、等)によってレフリング投影光が散乱すると、レフリング像RIがぼけてエッジが鈍る。レフリング像RIにピントが合っていないときも同様である。このようにエッジが鈍るとき、レフリング像RIである部分とレフリング像RIでない部分の切り分けが難しくなり、検出誤差が増える可能性がある。よって、エッジ強度スコア値Z2は、レフリング像RIのエッジが鋭いほど高い値で与え、レフリング像RIのエッジが鈍くなるほど低い値で与える。
(3)レフリング像RIのコントラストについては、被検眼Eの中間透光体の混濁(白内障、等)によってレフリング投影光が散乱すると、レフリング像RIとレフリング像RIの周辺の明暗の差が少なくなる。明暗の差が少なくなると、(1)と同様に、SN比の低下により測定精度が悪化する可能性がある。よって、コントラストスコア値Z3は、レフリング像RIの明暗の差が多いほど高い値で与え、レフリング像RIの明暗の差が少なくなるほど低い値で与える。
(4)レフリング像RIの幅については、レフリング像RIがぼけたときに検出されるレフリング像RIの幅が太くなってしまう。レフリング像RIの幅は太いほど検出誤差が増える可能性がある。よって、幅スコア値Z4は、レフリング像RIの幅が細いときに高い値で与え、幅が太くなるほど低い値で与える。なお、レフリング像RIの幅にバラツキがあるときは、例えば、各検出点DPでの像幅の平均値とする。
(5)レフリング像RIの検出点DPの近似楕円AEに対する残差については、被検眼Eが不正乱視等ではレフリング像RIが歪み楕円形状から遠くなってしまう。解析上、楕円に近似してSCA(S:球面度数、C:乱視度数、A:乱視軸)を算出しているが、近似楕円AEと元のレフリング像RIの形状がずれているほど、検出点DPと近似楕円AEの残差が大きくなる。この値が大きいほど被検眼Eの屈折状態を正確に表せていないことになる。よって、残差スコア値Z5は、検出点DPの近似楕円AEの残差が小さいときに高い値で与え、残差が大きくなるほど低い値で与える。つまり、図5において、それぞれの検出点DPと、検出点DPを基に決定した近似楕円AEとの径方向距離を残差といい、この残差の二乗和を利用して信頼性係数SCに反映する。
(6)レフリング像RIの検出点DPの数については、解析上、例えば、リング中心RCから360本の経線を1°間隔にて引き、各経線でレフリングとの交点(重心位置)を求めている。被検眼Eの中間透光体の透過率低下(白内障等)の影響でレフリング像RIが欠けているとその分、検出できる検出点DPの数が減ってしまう。検出点DP(サンプリング点数)の数が少なくなるほど、解析上誤差が大きくなる可能性がある。よって、検出点スコア値Z6は、検出点DPの数が経線数と一致すると高い値で与え、検出点DPの数が経線数から減るほど小さい値で与える。
(7)レフリング像RIの検出点DPの近似楕円AEの中心座標CPについては、被検眼Eの位置が装置光軸よりずれた場合、レフリング像RIの位置が装置固有の基準位置BPよりずれてしまう。基準位置BPとしては、例えば、被検眼Eの位置と装置光軸が一致した時のレフリング像RIの中心座標が挙げられる。被検眼Eの位置が装置光軸よりずれた場合、被検眼光軸からずれた軸で測定することになるため、測定精度が悪化する可能性がある。よって、中心座標スコア値Z7は、レフリング像RIの中心座標CPの基準位置BPからのずれが少ないほど高い値で与え、基準位置BPからのずれが多いほど、低い値を与える。
[自覚検査へのフィードバック制御処理作用]
図6~図8を参照して被検眼Eのレフリング像RIの特徴量解析結果を自覚検査へフィードバックするフィードバック制御処理作用を説明する。なお、検査は、被検者が眼科装置Aの前に着座し、被検眼Eの視線が固視標に定まった状態で処理を開始する。
ステップS1は、雲霧開始位置に被検眼Eの焦点を合わせる予備測定であり、例えば、以下の手順で行われる。すなわち、制御部40は、レフ測定投射系6及びレフ測定受光系7を用いて取得したレフリング像の撮像画像に基づいて被検眼Eの仮の球面度数S及び円柱度数Cを演算する。そして、制御部40は、仮の球面度数S及び円柱度数Cの演算結果に基づき、合焦レンズ74の位置を制御することにより、等価球面度数(S+C/2)に対応した位置(仮の遠点に相当する位置:雲霧開始位置)へパターン光の焦点位置を移動させる。なお、雲霧法とは、被検眼Eによる調節力の介入を防ぐため、わざとピントが合わない近視状態にして屈折検査を行う方法をいう。また、雲霧開始位置からの雲霧量は、固視標の提示位置(提示距離)として表される。
ステップS2では、ステップS1で予備測定の実施に続き、雲霧制御を実施し、次のステップS3へ進む。ここで、「雲霧制御」とは、雲霧量をプラス側に段階的に増加させたときの他覚測定値(又は等価球面度数)をモニタすることで、自覚検査の実施に先行して被検眼Eの水晶体が緩解している状態であるかどうかを確認する制御をいう。
ステップS3では、ステップS2での雲霧制御の実施に続き、他覚屈折測定(レフ測定)を行う。他覚屈折測定を行う場合、以下の手順で行われる。すなわち、制御部40は、レフ測定投射系6によって、雲霧をかけた被検眼Eの眼底Efにリング状の測定パターンを投影させる。そして、制御部40は、レフ測定受光系7によって、眼底Efからのリング状の測定パターンの反射光をレフリング像として受像し、撮像素子59からの画像信号に基づき、眼屈折力としての球面度数、円柱度数、円柱軸角度を周知の手法により測定する。
ここで、他覚屈折測定のときに検者が「他覚検査」を選択することで、図7に示すように、検者用コントローラ30の表示部32に他覚検査画面8が表示される。他覚検査画面8には、被検眼表示部(右眼)8a、被検眼表示部(左眼)8b、他覚屈折測定結果表部(右眼)8c、他覚屈折測定結果表部(左眼)8d、アライメントガイド8e、瞳孔間距離変更/表示部8f、角膜頂点間距離表示部8g、駆動リセットボタン8h、検査対象眼選択ボタン8i、ファンクションボタン8j、測定ヘッド高さ調整ボタン8k、等が表示される。
ステップS4では、ステップS3での他覚屈折測定に続き、他覚屈折測定により取得したレフリング像RIの画像を用いてレフリング解析を実行する。レフリング解析においては、選択しているレフリング像RIの特徴量の何れか一つの項目又は複数の組み合わせ項目について、信頼度の高さを示すスコア値に基づく信頼性係数SCを算出する。
ステップS5では、ステップS4でのレフリング解析に続き、レフリング像RIの特徴量の解析結果について自覚検査内容へのフィードバックありか否かを判断する。具体的には、ステップS4にて算出した信頼性係数SCが正常判定値以上の値であると、レフリング像RIの特徴量の解析結果について自覚検査内容へのフィードバックなしと判断し、ステップS7へ進む。一方、信頼性係数SCが正常判定値未満の値であると、レフリング像RIの特徴量の解析結果について自覚検査内容へのフィードバックありと判断し、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS5でのレフリング像RIの特徴量の解析結果のフィードバックありとの判断に続き、検者用コントローラ30の表示部32に表示される自覚検査画面9にアラートメッセージを表示する。
ここで、レフリング像RIの特徴量の解析終了時点において、検者が「他覚検査」から「自覚検査」へ切り替えることで、図8に示すように、検者用コントローラ30の表示部32に自覚検査画面9が表示され、自覚屈折検査が開始される。自覚検査画面9には、操作パネル9a、タイトル表示部9b、メインデータ表示部9c、検眼窓(右眼)9d、検眼窓(左眼)9e、緊急停止ボタン9f、チャートページ表示部9g、検査距離表示部9h、アラートメッセージ表示部9i、ラージチャート表示部9j、ファンクションボタン9k、等が表示される。このように、アラートメッセージは、自覚検査時に検者が認知しやすい自覚検査画面9のアラートメッセージ表示部9iに表示される。
アラートメッセージ表示例を説明する。例えば、信頼性係数SCが低い、特に「レフリング像RIのコントラスト」が低いことで、フィードバックありと判断されたとする。この場合のアラート例としては、『信頼度の低い他覚屈折測定結果が得られました。測定結果の度数で矯正しても最高視力が十分でない可能性があります。』というアラートメッセージを表示する。
例えば、信頼性係数SCが低い、特に「レフリング像RIの検出点DPの近似楕円AEに対する残差」が大きいことで、フィードバックありと判断されたとする。この場合のアラート例としては、『信頼度の低い他覚屈折測定結果が得られました。矯正視力が出にくい可能性があります。乱視度数の検査で被検者の応答が意図通りにならない可能性があります。』というアラートメッセージを表示する。
ステップS7では、ステップS5でのフィードバックなしとの判断、或いは、ステップS6でのアラートメッセージ表示に続き、自覚屈折検査を実行し、自覚屈折検査が終了するとエンドへ進む。
自覚屈折検査は、例えば、被検眼の片眼において、RG検査の後、矯正レンズを変更しながら球面度数の矯正と乱視度数の矯正を繰り返す。そして、視力値が目標値に収束すると、最弱度数を求め、これを片眼の自覚屈折値とする。次に、被検眼を変更し、同様の検査を繰り返す。その後、左右両眼の検査を終了すると、両眼バランス検査を行い、両眼の自覚屈折値と最高視力値を記録して自覚屈折検査を終了する。
このように、レフリング解析を行い、その解析結果がフィードバックありと判断されると、図6のフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→S6→S7へと進む。そして、ステップS6において、レフリング像RIの特徴量の解析結果に応じて自覚検査画面9にアラートメッセージが表示される。
[自覚検査内容へのフィードバック作用]
被検眼が異常眼(例えば、白内障眼や高次収差眼等)であった場合、自覚検査中に支障が生じる可能性があり、例えば、自覚検査において最高視力が通常の被検眼より低かったり、乱視検査の応答が悪かったりする。これに対し、例えば、自覚検査機能付き他覚測定機の場合、他覚測定により取得した被検眼の球面度数、乱視度数及び乱視軸角度によるレフラクト値情報を自覚検査画面に表示している。しかし、検者が自覚検査画面に表示されるレフラクト値情報を見ても、表示された数値のみからは最高視力が出ない原因や乱視検査の応答が不規則である原因が何であるかまでは把握することができない。
よって、自覚検査中に支障が発生した場合、検者は支障の発生原因を把握しないままで戸惑いながら検査を行う必要がある。また、自覚検査中に生じた支障の原因を把握したい場合、支障が生じた自覚検査の終了後に改めて被検眼に対する他覚測定を行い、他覚測定結果を解析してその原因を究明する必要があり、原因把握に時間と手間を要する。
上記背景技術に対して、他覚測定で得られたレフリング像RIを解析することで、被検眼Eが異常眼である可能性(信頼性でもよい)を推測し、その可能性を基に自覚検査内容にフィードバックする解決手段を採用した。ここで、レフリング像RIを解析するとは、例えば、レフリング像RIを楕円近似するときのRMS(「Root Mean Square」の略)、レフリング像RIのコントラスト・幅、等を自覚検査において発生する可能性がある支障に着目して解析することをいう。このように、自覚検査の前に実行される他覚測定において被検眼Eに屈折異常が認められる場合、自覚検査内容にフィードバックされるため、自覚検査中に生じる可能性がある支障に対して事前に対応できる。
実施例1では、自覚検査内容へのフィードバックとして、他覚測定の直後、又は、自覚検査をするとき、検者に対して解析結果のアラートメッセージを表示している。したがって、例えば、「レフリング像RIのコントラスト」が低いときには、中間透光体が混濁している可能性が高いと推測される。そして、この推測に基づき、『信頼度の低い他覚屈折測定結果が得られました。測定結果の度数で矯正しても最高視力が十分でない可能性があります。』というアラートメッセージが表示される。このため、検者は、表示されたアラートメッセージを読むことで、被検者の最高視力が出にくいケースになっている原因を予め把握することができる。この結果、自覚検査での支障原因を把握している検者は、戸惑うことなくスムーズに自覚検査を進行することができる。
例えば、「レフリング像RIの検出点DPの近似楕円AEに対する残差」が大きいときには、不正乱視である可能性が高いと推測される。そして、この推測に基づき、『信頼度の低い他覚屈折測定結果が得られました。矯正視力が出にくい可能性があります。乱視度数の検査で被検者の応答が意図通りにならない可能性があります。』というアラートメッセージが表示される。よって、検者は、表示されたアラートメッセージを読むことで、矯正視力が出にくいケースになっている原因や乱視度数の検査で被検者の応答が不規則なケースとなっている原因を予め把握することができる。この結果、自覚検査での支障原因を把握している検者は、戸惑うことなくスムーズに自覚検査を進行することができる。
以上説明したように、実施例1の眼科装置Aにあっては、下記に列挙する効果を奏する。
(1)被検眼Eの他覚屈折特性を測定する他覚測定光学系(レフ測定投射系6、レフ測定受光系7)と、他覚測定光学系の制御を含んで統括的に制御する制御部40と、を備える眼科装置Aであって、制御部40は、被検眼Eの他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像RIの特徴量を解析し、レフリング像RIの特徴量の解析結果に応じて被検眼Eの自覚検査内容にフィードバックする。このため、被検眼Eに屈折異常が認められる場合、自覚検査中に生じる可能性がある支障に対して事前に対応することができる。
(2)制御部40は、レフリング像RIの特徴量の解析結果がフィードバックありと判断されると、他覚測定の直後、又は、自覚検査をするとき、解析結果のアラートメッセージを表示する。このため、自覚検査において被検者の最高視力が出にくいケース、乱視度数の検査で被検者の応答が不規則になるケース、等による支障が発生した場合、支障の発生原因をアラートメッセージにより予め把握している検者は支障の発生に適切に対応することができる。
(3)制御部40は、他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像RIの特徴量を、レフリング像RIの明るさ、レフリング像RIのエッジ強度、レフリング像RIのコントラスト、レフリング像RIの幅、レフリング像RIの検出点DPの近似楕円AEに対する残差、レフリング像RIの検出点数、レフリング像RIの検出点DPの近似楕円AEの中心座標PC、の何れか一つの項目又は複数の組み合わせ項目とする。このため、自覚検査において予め把握しておきたい支障に対応し、適切な項目数による特徴量を選択することができる。この結果、例えば、複数の特徴量を選択することで、支障が生じる原因の正確な把握要求に応えることができるし、できる限り多くの支障パターンを予め把握したいという要求にも応えることができる。
(4)制御部40は、他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像RIの特徴量を解析するとき、レフリング像RIの特徴量の何れか一つの項目又は複数の組み合わせ項目について、自覚検査での信頼度の高さを示すスコア値Z1~Z7による信頼性係数SCを算出し、信頼性係数SCと正常判定値の比較により、レフリング像RIの特徴量の解析結果をフィードバックするか否かを決める。このため、自覚検査での信頼度の高さを示す信頼性係数SCをフィードバック有無の指標値とし、レフリング像RIの特徴量の解析結果を自覚検査にフィードバックするのか否かを、信頼性係数SCと正常判定値との比較により決めることができる。
実施例2は、自覚検査内容へのフィードバックとして、解析結果に基づいて自覚検査の自動検査アルゴリズムを、予め決められているアルゴリズムから解析結果を反映させた内容のアルゴリズムに変更する例である。なお、実施例2の構成は、実施例1の図1~図3に示す構成と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
[自覚検査へフィードバック制御処理作用]
図9を参照して被検眼Eのレフリング像RIの特徴量解析結果を自覚検査へフィードバックするフィードバック制御処理作用を説明する。なお、実施例2での自覚検査は、予め決められた自動検眼アルゴリズムにより実行される。また、図9のステップS1~S5については、図6のステップS1~S5と同じステップであるので説明を省略する。
ステップS8では、ステップS5でのレフリング像RIの特徴量の解析結果のフィードバックなしとの判断に続き、被検眼Eの球面度数の矯正(一回目)を実施する。ステップS9では、ステップS8での球面度数の矯正(一回目)に続き、被検眼Eの乱視度数の矯正を実施する。ステップS10では、ステップS9で乱視度数の矯正に続き、被検眼Eの球面度数の矯正(二回目)を実施し、エンドへ進む。ここで、S8→S9→S10へ進む流れによる(球面度数の一回目矯正)→(乱視度数の矯正)→(球面度数の二回目矯正)は、自覚検査において予め決められた自動検眼アルゴリズムの一例に相当する。
ステップS11では、ステップS5でのレフリング像RIの特徴量の解析結果のフィードバックありとの判断に続き、被検眼Eの球面度数の矯正(一回目)を実施する。ステップS12では、ステップS11での球面度数の矯正(一回目)に続き、「他覚測定値の乱視度数で矯正したときの視標の見え」と「乱視度数を入れないときの視標の見え」とを比較する。そして、矯正したときの視標の見えが良いとステップS13へ進み、乱視度数を入れないときの視標の見えが良いとステップS14へ進む。ステップS13では、ステップS12での矯正したときの視標の見えが良いとの判断に続き、被検眼Eの乱視度数の矯正を実施する。ステップS14では、ステップS12での乱視度数を入れないときの視標の見えが良いとの判断、或いは、ステップS13で乱視度数の矯正に続き、被検眼Eの球面度数の矯正(二回目)を実施し、エンドへ進む。ここで、S11→S12→S14へと進み、乱視度数の矯正を無くしてスキップする流れは、自覚検査において予め決められた自動検眼アルゴリズムの変更例に相当する。
このように、レフリング解析を行い、その解析結果がフィードバックありと判断され、かつ、矯正するより乱視度数を入れないときの方が視標の見えが良いと、図9のフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→S11→S12→S14へと進む。そして、自覚検査の自動検眼アルゴリズムが、乱視度数の矯正をスキップするアルゴリズムに変更される。
[自覚検査内容へのフィードバック作用]
自覚検査が予め決められた自動検眼アルゴリズムにより実行される場合、被検眼が異常眼(例えば、白内障眼や高次収差眼等)であると、自動検眼中に乱視度数の矯正ができないことがあり、そのときは次の手順に進めないアルゴリズムエラーになる。
これに対し、実施例2では、自覚検査内容へのフィードバックとして、自動検眼アルゴリズムをレフリング像RIの特徴量の解析結果を反映させた内容に変更し、変更後のアルゴリズムによる自覚検査を実行している。したがって、自動検眼中に次の手順に進めないアルゴリズムエラーになることが防止され、解析結果にかかわらず自動検眼アルゴリズムを変更しない場合に比べ、エラーケースになる頻度を低減することができる。
上記のように、実施例2の眼科装置Aにあっては、実施例1の(1)、(3)、(4)の効果に加え、下記の効果を奏する。
(5)制御部40は、レフリング像RIの特徴量の解析結果がフィードバックなしと判断されると、予め決められた自動検眼アルゴリズムによる自覚検査を実行する。レフリング像RIの特徴量の解析結果がフィードバックありと判断されると、自動検眼アルゴリズムをレフリング像RIの特徴量の解析結果を反映させた内容に変更し、変更後のアルゴリズムによる自覚検査を実行する。このため、自動検眼モードでの自覚検査時、解析結果にかかわらず自動検眼アルゴリズムを変更しない場合に比べ、エラーケースになる頻度を低減することができる。
さらに、実施例1では、特徴量の解析結果がフィードバックありと判断されると、必ず乱視度数の矯正をスキップするのではなく、乱視度数を矯正したときと矯正しないときとでの視標の見えを比較している。そして、矯正したときよりも矯正しないときの視標の見えが良いときに限り、乱視度数の矯正をスキップしている。このため、自動検眼モードでの自覚検査時であって、特徴量の解析結果がフィードバックありと判断されたとき、自動検眼アルゴリズムを変更するのを最小限に抑えつつ、エラーケースになる頻度を低減することができる。
(実施例2の変形例)
図10を参照して被検眼Eのレフリング像RIの特徴量解析結果を自覚検査へフィードバックするフィードバック制御処理作用を説明する。なお、実施例2の変形例による自覚検査は、検者により手動検眼モードと自動検眼モードの選択ができる。また、図10のステップS1~S7については、図6のステップS1~S7と同じステップであり、図10のステップS8~S11,S14については、図9のステップS8~S11,S14と同じステップであるので説明を省略する。
ステップS15では、ステップS5でのレフリング像RIの特徴量の解析結果のフィードバックなしとの判断に続き、自動検眼モードであるか否かが判断される。自動検眼モードであると、ステップS8以降(正常な自動検眼アルゴリズムによる処理)に進み、手動検眼モードであると、ステップS7へ進む。
ステップS16では、ステップS6でのアラートメッセージ表示に続き、自動検眼モードであるか否かが判断される。自動検眼モードであると、ステップS11以降(変更後の自動検眼アルゴリズムによる処理)に進み、手動検眼モードであると、ステップS7へ進む。なお、自覚検査中における変更後の自動検眼アルゴリズムによる処理は、乱視度数の矯正をスキップする処理である。
このように、実施例2の変形例では、自覚検査内容へのフィードバックとして、アラートメッセージの表示と自動検眼アルゴリズムの変更とを併用している。よって、実施例1の(1)~(4)の効果と、実施例2の(5)の効果とを併せて奏することができる。
実施例3は、他覚測定機と自覚検査を行う1台又は複数台の自覚検査機とをそれぞれ独立に備える眼科システムへの適用例である。図11を参照して実施例3の眼科システムについて説明する。
実施例3は、図11に示すように、被検眼Eの他覚屈折特性を測定する1台の他覚測定機A’と、被検眼Eの自覚的屈折値を取得する自覚検査を行う3台の自覚検査機A1,A2,A3と、をそれぞれ独立に備える眼科システムESとしている。そして、他覚測定機A’の制御部40’は、レフリング像RIの特徴量の解析結果に応じてフィードバック内容を決めると、フィードバック内容を自覚検査機A1,A2,A3の制御部401,402,403に送信して情報共有する構成を採用している。ここで、制御部40’と制御部401,402,403は、それぞれに送受信機40a,40b,40c,40dを設置して無線通信により情報交換ができる。なお、無線通信に代え、双方向通信線等による有線接続にしても良いし、無線通信と有線接続を組み合わせても良い。
他覚測定機A’の制御部40’は、被検眼Eの他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像RIの特徴量を解析し、レフリング像RIの特徴量の解析結果に応じた自覚検査内容を決める。そして、決めた自覚検査内容を自覚検査機A1,A2,A3の制御部401,402,403に送信する機能を分担する。
一方、自覚検査機A1,A2,A3は、自覚検査の異なる検査種類をそれぞれで分担する。自覚検査機A1,A2,A3は、他覚測定機A’から送信される自覚検査内容を受信すると、受信した自覚検査内容をフィードバック情報とし、自覚検査時に実施例1のようにアラートメッセージを表示したり、実施例2のように自動検眼アルゴリズムを変更したりする。
上記のように、実施例3の眼科システムESにあっては、実施例1,2の(1)-(5)の効果に加え、下記の効果を奏する。
(6)眼科装置として、被検眼Eの他覚屈折特性を測定する他覚測定機A’と、被検眼Eの自覚的屈折値を取得する自覚検査を行う1台又は複数台の自覚検査機A1,A2,A3と、をそれぞれ独立に備える。他覚測定機A’の制御部40’は、レフリング像RIの特徴量の解析結果に応じてフィードバック内容を決めると、フィードバック内容を自覚検査機A1,A2,A3の制御部401,402,403に送信して情報共有する。このため、他覚測定機A’でのレフリング像RIの特徴量の解析により被検眼Eに屈折異常が認められる場合、情報共有する自覚検査機A1,A2,A3にて自覚検査中に生じる可能性がある支障に対して事前に対応する眼科システムESを提供することができる。
以上、本開示の眼科装置を実施例1,2,3に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加などは許容される。
実施例1では、レフリング像RIの解析に基づきフィードバックありと判断されると、自覚検査内容へのフィードバック例として、自覚検査画面9にアラートメッセージを表示する例を示した。しかし、レフリング像の解析に基づき、フィードバックありと判断されると、自覚検査内容へのフィードバック例として、他覚測定画面と自覚検査画面の両方にアラートメッセージを表示するようにしても良い。また、アラートメッセージを表示するとき、アラートメッセージの音声出力を併用しても勿論良い。
実施例1では、レフリング像RIの解析に基づきフィードバックなしと判断されると、自覚検査画面9にアラートメッセージを表示しない例を示した。しかし、レフリング像の解析に基づき、フィードバックなしと判断されたときでも自覚検査内容へのフィードバック例として、例えば、『信頼度の高い他覚屈折測定結果が得られました。』等のようなメッセージを表示するようにしても良い。
実施例1では、自覚検査内容へのフィードバックとして、解析結果のアラートメッセージを表示する例を示し、実施例2では、解析結果に基づいて自動検査アルゴリズムを変更する例を示した。しかし、自覚検査内容へのフィードバックとしては、実施例2の変形例に示したように、解析結果のアラートメッセージの表示と、解析結果に基づく自動検査アルゴリズムの変更とを併用する例としても良い。
実施例1,2では、レフリング像RIの特徴量を解析するとき、レフリング像RIの特徴量の項目について、自覚検査での信頼度の高さを示すスコア値Z1~Z7による信頼性係数SCと正常判定値との比較によりフィードバックの有無を判定する例を示した。しかし、レフリング像の特徴量を解析するとき、レフリング像をディープラーニング(深層学習)の手法により画像認識させ、画像認識結果によりフィードバック内容を決める解析例としても良い。ここで、ディープラーニングとは、人間の神経細胞の仕組みを再現した多層構造のニューラルネットワークを用いた機械学習手法の1つであり、画像認識や音声認識を得意とし、特徴量を自動抽出できるメリットがある。なお、特徴量解析にディープラーニングを適用して精度の良い解析を実現する場合は、レフリング像と自覚検査での支障内容とを関連させた多数のデータセットを予め収集しておくことが必要になる。
実施例1,2では、眼科装置として、左右の被検眼Eの眼特性をそれぞれ個別に他覚的に測定可能な両眼開放タイプであり、自覚検査機能付き他覚測定機による眼科装置Aへ適用する例を示した。しかし、眼科装置としては、これに限らず、左側の被検眼の眼特性と右側の被検眼の眼特性とを一方ずつ他覚的に測定する他覚測定光学系を備えた単眼タイプの眼科装置に適用することもできる。また、眼科装置としては、他覚測定光学系のみを備えた両眼開放タイプ又は単眼タイプの他覚測定機に適用することもできる。
A 眼科装置
30 検者用コントローラ
32 表示部
40 制御部
121 解析部
6 レフ測定投射系(他覚測定光学系)
7 レフ測定受光系(他覚測定光学系)
E 被検眼
RI レフリング像

Claims (6)

  1. 被検眼の他覚屈折特性を測定する他覚測定光学系と、前記他覚測定光学系の制御を含んで統括的に制御する制御部と、を備える眼科装置であって、
    前記制御部は、前記被検眼の他覚屈折特性の測定により得られたレフリング像の特徴量を解析し、前記レフリング像の特徴量の解析結果に応じて前記被検眼の自覚検査内容にフィードバックする
    ことを特徴する眼科装置。
  2. 請求項1に記載された眼科装置において、
    前記制御部は、前記レフリング像の特徴量の解析結果がフィードバックありと判断されると、他覚測定の直後、又は、自覚検査をするとき、前記解析結果のアラートメッセージを表示する
    ことを特徴する眼科装置。
  3. 請求項1に記載された眼科装置において、
    前記制御部は、前記レフリング像の特徴量の解析結果がフィードバックなしと判断されると、予め決められた自動検眼アルゴリズムによる自覚検査を実行し、
    前記レフリング像の特徴量の解析結果がフィードバックありと判断されると、前記自動検眼アルゴリズムを前記レフリング像の特徴量の解析結果を反映させた内容に変更し、変更後のアルゴリズムによる自覚検査を実行する
    ことを特徴する眼科装置。
  4. 請求項1~3までの何れか一項に記載された眼科装置において、
    前記制御部は、前記他覚屈折特性の測定により得られた前記レフリング像の特徴量を、前記レフリング像の明るさ、前記レフリング像のエッジ強度、前記レフリング像のコントラスト、前記レフリング像の幅、前記レフリング像の検出点の近似楕円に対する残差、前記レフリング像の検出点数、前記レフリング像の検出点の近似楕円の中心座標、の何れか一つの項目又は複数の組み合わせ項目とする
    ことを特徴する眼科装置。
  5. 請求項4に記載された眼科装置において、
    前記制御部は、前記他覚屈折特性の測定により得られた前記レフリング像の特徴量を解析するとき、前記レフリング像の特徴量の何れか一つの項目又は複数の組み合わせ項目について、自覚検査での信頼度の高さを示すスコア値に基づく信頼性係数を算出し、
    前記信頼性係数と正常判定値の比較により、前記レフリング像の特徴量の解析結果をフィードバックするか否かを決める
    ことを特徴する眼科装置。
  6. 請求項1に記載された眼科装置において、
    前記眼科装置として、前記被検眼の他覚屈折特性を測定する他覚測定機と、前記被検眼の自覚的屈折値を取得する自覚検査を行う1台又は複数台の自覚検査機と、をそれぞれ独立に備え、
    前記他覚測定機の制御部は、前記レフリング像の特徴量の解析結果に応じてフィードバック内容を決めると、前記フィードバック内容を前記自覚検査機の制御部に送信して情報共有する
    ことを特徴する眼科装置。
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