JP2024043907A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水槽開口部と回転槽開口部との間の隙間から外周側へ衣類等が入り込むことを防止し、かつ入り込んだ衣類等を早期に隙間から離脱させる。【解決手段】 洗濯機1は、前面に開口部を有する筐体に支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられた回転槽とを備え、前記回転槽の回転槽開口部が前記水槽の水槽開口部との間に全周にわたって隙間を設けて配置される。前記隙間の外周側には、前記隙間に対して前記回転槽の回転軸方向にオーバーラップする仕切壁6が設けられる。仕切壁6は、周方向に沿って連続して設けられた連続部61と、周方向に一定長さで除去されて外周側に連通する切欠部62とを有する。【選択図】 図6B
Description
本発明は、水槽と回転槽とを有する洗濯機に関する。
洗濯機としては、水槽内に配設した回転槽(回転ドラム)を回転駆動することにより、回転槽内に収容した衣類等の洗濯物を洗浄するドラム式洗濯機が広く知られている。この種のドラム式洗濯機は、回転槽の回転軸方向が水平方向であるもののほか、水槽の開口部が上向きになるように所定角度に傾斜配置した斜めドラム式の洗濯機も提案されている。
例えば特許文献1には、前面側に衣類投入口を有する回転槽と、その回転槽を収容する水槽とが、水平方向から上向き方向に傾斜して筐体内に配設された洗濯機が開示されている。洗濯および脱水運転には回転槽の回転によって上下左右に揺動するため、水槽は筐体内に揺動可能に防振支持され、回転槽の衣類投入口と水槽開口部との間には隙間が設けられている。
回転槽は、特に脱水運転時には高速回転するが、回転槽内部の衣類に遠心力が作用して、衣類投入口と水槽開口部との隙間に衣類の一部が噛み込まれてしまうおそれがあった。衣類が噛み込まれると水槽や衣類が摩擦熱で損傷することがあるため、特許文献1では、回転槽の衣類投入口と対向する水槽開口部の前端部に金属材料で構成された環状覆い部材を設けることが提案されている。
前記従来例に係る洗濯機の構成によれば、環状覆い部材がステンレス材等の発熱量が低く熱伝導率の高い材料で構成されるので、摩擦熱が放散されやすく、衣類が溶けたり破れたりするおそれが低減する可能性はある。
しかしながら、前記引用文献1の図2に示されるように、回転槽の衣類投入口の内周縁と環状覆い部材との間には依然として空隙が存在するので、その空隙に衣類が入り込む可能性はあり、衣類が入り込んだまま回転槽が高速回転を続けることによって、衣類がさらに外周側へ入り込んだり周囲の部材に接触したりして、やはり衣類を傷めるおそれがあると考えられる。そのため、衣類が入り込む可能性のある空隙等の隙間を狭めるだけではなく、その隙間から外周側へと衣類がさらに入り込むことを防止し得て、かつ、隙間に入り込んだ衣類を早期に隙間から離脱させ得る構造であることが望まれた。
本発明は、前記のような問題点にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは、水槽開口部と回転槽開口部との間の隙間から外周側へ洗濯物が入り込むことを防止し、かつ入り込んだ洗濯物を早期に隙間から離脱させることを可能にして、洗濯物を傷めることなく洗浄し得る洗濯機を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、前面に開口部を有する筐体と、前記筐体内に支持され、前記開口部に向けて開口された水槽開口部を有する水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられた回転槽とを備える洗濯機であって、前記回転槽は、前記開口部に向けて開口する回転槽開口部を有する有底筒形状とされ、前記回転槽開口部が前記水槽開口部との間に全周にわたって隙間を設けて配置され、前記隙間の外周側には、前記隙間に対して前記回転槽の回転軸方向にオーバーラップする仕切壁が設けられ、前記仕切壁は、周方向に沿って連続して設けられた連続部と、周方向に一定長さで除去されて外周側に連通する切欠部とを有することを特徴としている。
また、前記構成を具備する洗濯機において、前記仕切壁は、前記切欠部よりも前記回転槽の回転方向の前方に、内径が狭くなるように外周側から内周側に傾斜した案内面を有することが好ましい。
また、前記構成を具備する洗濯機において、前記水槽開口部には、前面側から内径が漸次縮径する略漏斗形状の曲面壁を有する環状カバー部が設けられることが好ましい。
また、前記構成を具備する洗濯機において、前記仕切壁は、前記曲面壁より外周側で、前記環状カバー部に一体に設けられ、前記隙間は、前記曲面壁と前記回転槽開口部との間に形成されてもよい。
また、前記構成を具備する洗濯機において、前記切欠部は、前記隙間の周方向の上半部の範囲に少なくとも1つ配設されることが好ましい。前記切欠部は、前記回転槽の回転方向の上り側に少なくとも1つ配設される構成であってもよい。
本発明によれば、水槽開口部と回転槽開口部との間の隙間から外周側へ洗濯物が入り込むことを防止し得て、洗濯物を隙間から早期に離脱させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る洗濯機について、図面を参照しつつ説明する。図1および図2は本発明の実施形態に係る洗濯機1の外観を示す斜視図であり、図1はドア3を閉止した状態、図2はドア3を開放した状態を示している。なお、説明の便宜上、洗濯機1においてドア3が設けられた側を前面側F、その反対側を背面側Rとして以下説明するが、これにより洗濯機1の設置形態や使用形態を限定するものではない。
(筐体)
洗濯機1は筐体10の前面側Fにドア3が備えられており、ドア3を開けると筐体10の開口部111が露出される。筐体10は、ドア3が設けられた前面部101、前面部101に対向する反対側に背面部102、前面部101の上方に上面部103、前面部101に向かって左右両側に側面部104を有する。上面部103には、2つの蓋体21、22が前後方向に並んで配置されて、それらの蓋体21、22の下方には、洗剤等を手動投入および自動投入可能な図示しない洗剤投入ユニットが設けられている。
洗濯機1は筐体10の前面側Fにドア3が備えられており、ドア3を開けると筐体10の開口部111が露出される。筐体10は、ドア3が設けられた前面部101、前面部101に対向する反対側に背面部102、前面部101の上方に上面部103、前面部101に向かって左右両側に側面部104を有する。上面部103には、2つの蓋体21、22が前後方向に並んで配置されて、それらの蓋体21、22の下方には、洗剤等を手動投入および自動投入可能な図示しない洗剤投入ユニットが設けられている。
上面部103の蓋体22の近傍には、水道水を流入させるための給水口23が設けられている。給水口23の内部に備えられた図示しない複数の電磁弁の開閉を適宜制御することによって、洗剤投入ユニットに対して水道水を供給できるようになっている。また、上面部103には、湿潤風に含まれる糸くずや埃などの異物を捕集する気流フィルタ装置24、および電源ボタン25等が設けられている。
図1に示すように、ドア3は、正面視が略矩形状のドア本体部31と、ドア本体部31の上部から後方に傾斜するように設けられた傾斜上部32とを一体に備える。傾斜上部32には、運転動作を選択して指示入力するとともに運転状態を表示する表示操作部等が設けられる。
図2に示すように、筐体10の前面部101には、洗濯物が出し入れされる開口部111が設けられている。ドア3はヒンジ部33で回動可能に設けられ、前面部101の開口部111を開放および閉止可能とされている。開口部111の周縁部には、ゴムや軟質樹脂等の弾性体からなるパッキン112が設けられて、ドア3を閉じると、ドア3に設けられた略円錐台形状の窓部材34がパッキン112に密着して液密かつ気密に保持される。筐体10の内部には、開口部111に向けて開口された後述する水槽4および回転槽7が設けられている。
(水槽および回転槽)
図3は、筐体10の内部に設けられる水槽4を、筐体10およびその周辺部材を省略して示す正面図であり、図4は、水槽4および環状カバー部5を示す分解斜視図である。
図3は、筐体10の内部に設けられる水槽4を、筐体10およびその周辺部材を省略して示す正面図であり、図4は、水槽4および環状カバー部5を示す分解斜視図である。
筐体10内には、水槽4、および有底筒形状の回転ドラムである回転槽7が備えられている。図3に示すように、水槽4は前面側Fに水槽開口部41を有している。水槽開口部41は、前述の筐体10の前面部101の開口部111に向けて開口されている。水槽4は、複数の図示しないダンパ等によって筐体10内に弾性的に支持される。
図4に示すように、水槽4の前面側Fには、図示しない水槽前カバーを介して環状カバー部5が取り付けられて、水槽開口部41を構成している。なお、水槽前カバーは後述する図5において符号42により示される環状の部材であり、水槽4の前面側Fに設けられて、環状カバー部5の外周側を覆うように構成される。環状カバー部5は、環状に形成され、前面側Fから背面側Rに向かって内径が漸次縮径する略漏斗形状の曲面壁51を有している。この曲面壁51は、環状カバー部5における内周側に設けられている。曲面壁51の内周側(背面側R)の端部は環状カバー部5の内周縁52とされ、この内周縁52は環状カバー部5の外周縁53よりも小径で構成されている。
例示の形態に係る洗濯機1では、水槽4内に設けられる回転槽7の回転軸Xは、前面側Fが背面側Rよりも高くなるように(前方に向かって斜め上向きとなるように)水平方向に対して例えば傾斜角度θで設けられている。なお、回転槽7は、回転軸Xが水平方向に対して略平行になるように配置されていてもよい。
図5は、水槽4の前面側Fの要部を拡大して示す部分断面図であり、図3におけるI-I断面に相当する。図5に示すように、水槽4内の回転槽7は、衣類などの洗濯物を出し入れするために開放された回転槽開口部71を前面側Fに有している。
水槽4の前面側Fには、水槽前カバー42が設けられ、この水槽前カバー42を介して環状カバー部5が取り付けられている。環状カバー部5は、曲面壁51が内側に張り出すように設けられ、外周側が水槽前カバー42で覆われている。回転槽7は、水槽4よりも若干小径で構成され、水槽4の背面側Rに備えられた図示しないドラムモータによって水槽4内で回転駆動される。
回転槽開口部71には、背面側Rから前面側Fに向かって内径が漸次縮径する略漏斗形状の曲面を備える絞り部72が設けられるとともに、周方向に沿った環状の流体バランサ73が設けられている。絞り部72の前面側Fの端部は、環状カバー部5の内周縁52に対向して設けられている。
流体バランサ73は、環状を有する中空状の外殻と、その内部に封入される塩水等の液体とを含んで構成される。流体バランサ73は、回転槽7を回転駆動させた際に回転槽7が大きく振れ回ることを、内部の液体の移動によって抑制する。流体バランサ73そのものも重量を有するので、回転槽7の回転バランスの向上を図ることができる。
図5に示すように、このような回転槽7の回転槽開口部71は、水槽開口部41との間に、全周にわたって隙間Gを設けて配置されている。より具体的には、隙間Gは、水槽開口部41に設けられた環状カバー部5の内周縁52と、回転槽開口部71に設けられた絞り部72の内周縁721との間に形成されている。隙間Gは、水槽4および回転槽7の全周にわたって環状をなすように形成されている。
洗濯機1において、筐体10に支持されて回転しない水槽4は、回転する回転槽7を内部に支持している。そのため、水槽4と回転槽7との間には隙間が存在する。特に、洗濯機1の前面側Fにおける水槽開口部41と回転槽開口部71との間に形成される隙間Gは、回転槽7が回転する際に衣類等の洗濯物が接触する可能性があり、場合によっては隙間Gに入る可能性もある。
前記従来例に係る洗濯機において説明したとおり、例えば衣類の一部が隙間に入り込んだまま回転槽が高速回転を続けると、遠心力の作用で衣類がさらに外周側へ入り込んだり周囲の部材に接触したりして、衣類を傷めるおそれがある。そのため、このように衣類が入り込む可能性のある隙間をできるだけ狭めることに加えて、その隙間から外周側へと衣類がさらに入り込むことを防止して、かつ、隙間に入り込んだ衣類が隙間から離脱しやすい構造であることが望ましい。
本実施形態に係る洗濯機1においては、水槽開口部41と回転槽開口部71との間に形成される隙間Gは、環状カバー部5において内周側に向かって延出する曲面壁51の内周縁52と、回転槽7の内周側に向かって延出する絞り部72の内周縁721とによって、その幅が狭くなるように構成されている。これにより、隙間Gは、衣類等が入り込みにくい構造とされている。
しかしながら、例えば薄い布地からなる衣類であると、回転槽7内を回転移動する際に隙間Gに進入する可能性があり、特に、脱水運転時には回転槽7が高速回転するので、衣類に遠心力が作用し、隙間Gに入りやすい状況が生じ得る。これに対して、本実施形態に係る洗濯機1においては、このような隙間Gに洗濯物が入り込み、そのまま回転し続けることを抑制するために、隙間Gの外周側に仕切壁6を設けている。
(仕切壁の構成)
図5に示すように、仕切壁6は、隙間Gに対して、周方向および回転軸Xの軸方向にオーバーラップするように設けられている。また、仕切壁6は、水槽4の内周面よりも内側であって、隙間Gの外周側に配設され、隙間Gに対向するように備えられている。例示の形態では、仕切壁6は、環状カバー部5の内周縁52の外周側に設けられている。
図5に示すように、仕切壁6は、隙間Gに対して、周方向および回転軸Xの軸方向にオーバーラップするように設けられている。また、仕切壁6は、水槽4の内周面よりも内側であって、隙間Gの外周側に配設され、隙間Gに対向するように備えられている。例示の形態では、仕切壁6は、環状カバー部5の内周縁52の外周側に設けられている。
図6Aおよび図6Bは仕切壁6の一部を示し、図6Aは環状カバー部5を背面側Rから見て示す平面図であり、図6Bは環状カバー部5の同様の部位を内周側から見て拡大して示す斜視図である。図7は、水槽開口部41の上方部分を斜め上方に見て示す斜視図であり、図8は図7におけるA-A断面図、図9は図7におけるB-B断面図、図10は図7におけるC-C断面図、図11は図7におけるD-D断面図、図12は図7におけるE-E断面図である。なお、図6Aでは、環状カバー部5の曲面壁51の裏側(図4における背面側R)を示している。
仕切壁6は、より具体的には、図6Aに示すように、曲面壁51の裏面51aにおいて、環状カバー部5の内周縁52と外周縁53との間に、外周縁53よりも内周縁52寄りの位置で周方向に沿って配設され、環状カバー部5に一体に立設されている。曲面壁51の裏面51aには、仕切壁6のほか、回転槽7内に向かって水流を噴射する噴射口や回転槽7の内部を照らすLED照明装置等を設置するためのリブまたは凹部、および強度確保のための適宜のフランジ等も設けられている。
図6Bに示すように、仕切壁6は、裏面51aにおける内周縁52よりも外周側で、周方向に沿って連続して設けられた連続部61を有する。仕切壁6の連続部61は、回転槽7および環状カバー部5の内周縁52と同心の略円筒状に突設されている。また、仕切壁6としては、連続部61が全周にわたって設けられてはおらず、周方向に一定長さで除去されてなる切欠部62を有している。すなわち、仕切壁6は、周方向に立設された連続部61、および、内周側と外周側とに貫通するように形成された切欠部62とを含んで構成されている。
環状カバー部5の内周縁52と、仕切壁6の連続部61とは、径方向に内外二重に配設されており、仕切壁6の連続部61は内周縁52よりも回転槽7側(背面側R)に突出させて設けられている。また、切欠部62は、内周縁52よりも回転槽7側(背面側R)に突出させないように設けられている。本実施形態では、切欠部62は、環状カバー部5の裏面51aに突設された連続部61の突出量の全体が切り欠かれるように設けられている。
また、仕切壁6は、切欠部62よりも回転槽7の回転方向Pの前方に、内径が徐々に狭くなるように外周側から内周側に傾斜した案内面63を有する。案内面63は、仕切壁6の連続部61から環状カバー部5の内周縁52へと緩やかに連続して設けられている。
本実施形態では、切欠部62の回転槽7の回転方向Pの手前側には、回転槽7内に水を噴射する噴射ノズル74の取付部521が設けられている。噴射ノズル74は、図7に示すように、環状カバー部5の内周側に向けて配置されている。図6Bに示すように、噴射ノズル74の取付部521では、環状カバー部5の内周縁52および仕切壁6の連続部61の突出量が減らされて凹部が形成されており、この凹部内に噴射ノズル74が嵌め込まれる。これにより、噴射ノズル74は環状カバー部5の内周縁52よりも高くならないように設置される。
さらに、例示の形態では、図6Bに示されるように、案内面63の内周側に凹部54が設けられている。凹部54は、環状カバー部5の内周縁52が一部除去されて、曲面壁51側(前面側F)に窪んだ形状に形成されている。前記のとおり、水槽開口部41と回転槽開口部71との間の隙間Gは、環状カバー部5の内周縁52に沿って周方向に形成される。そのため、隙間Gは、凹部54でその幅が拡がるものとなる。
なお、切欠部62の切欠量は環状カバー部5の内周縁52以下となるように設けられることが好ましい。また、切欠部62の周方向の長さは特に限定されないが、噴射ノズル74の取付部521を起点として切欠部62の始端部が設けられることが好ましい。仕切壁6の連続部61、切欠部62、および噴射ノズル74の取付部521がこのように配置されることで、連続部61の分断数を削減することができる。
図7および図8を参照して、全周にわたって設けられる隙間Gと、連続部61および切欠部62とを含む仕切壁6との位置関係は、仕切壁6が隙間Gの外周側で、前述の回転軸Xの軸方向および周方向でオーバーラップするように設けられている。また、仕切壁6は、径方向には、隙間Gに対して空隙を介して配置されている。この場合、隙間Gの外周側で、連続部61が前面側Fから背面側Rに向かって延設されている。また、連続部61は、隙間Gの外周側に重なり、または隙間Gを覆う範囲まで延設されている。ただし、連続部61の端縁部は、絞り部72の内周縁721よりも前面側Fに配設されている。
図9に示されるB-B断面は、仕切壁6の切欠部62の位置での断面図に相当する。図示するように、B-B断面では、仕切壁6の連続部61は設けられておらず、切欠部62が設けられている。環状カバー部5の曲面壁51の裏面51a側には、切欠部62による空隙が形成されている。
図7および図9を参照して、仕切壁6の切欠部62は、隙間Gの周方向の上半部に配設されている。また、切欠部62は、回転槽7の回転方向Pの上り側に配設されている。切欠部62に繋がる仕切壁6の連続部61および案内面63も、隙間Gの周方向の上半部であって、回転方向Pの上り側に配設されている。
図10に示されるC-C断面は、切欠部62よりも、回転槽7の回転方向Pの前方を示しており、切欠部62に隣接する連続部61の位置での断面図に相当する。図8に示すA-A断面と同様に、仕切壁6の連続部61は、隙間Gの外周側にオーバーラップするように設けられている。図10のC-C断面では、仕切壁6の連続部61が設けられていることで、環状カバー部5の曲面壁51の裏面51a側が図9に示すB-B断面よりも狭くなっている。
図11に示されるD-D断面は、図10に示す連続部61よりも、回転方向Pの前方を示している。仕切壁6の連続部61の内周側には、環状カバー部5の内周縁52が除去されてなる凹部54が設けられている。凹部54と、絞り部72の内周縁721との間隔は、図10に示される隙間Gの幅よりも大きく形成されている。
図12に示されるE-E断面は、図11よりもさらに回転槽7の回転方向Pの前方を示しており、連続部61から繋がる案内面63の位置での断面図に相当する。案内面63は、回転方向Pの前方に向かって内径が狭くなるように傾斜して設けられており、図11に示す連続部61よりも内周側に配設されている。案内面63の内周側には、凹部54が設けられている。凹部54と、絞り部72の内周縁721との間隔は、図11と同様に、隙間Gの幅よりも大きく形成されている。
(仕切壁の作用)
前記のとおり、水槽開口部41と回転槽開口部71との間の隙間Gは、環状カバー部5の内周縁52に沿って周方向に形成されている。したがって、洗濯物の一部が隙間Gに入るとき、図6Bに示される内周縁52から進入することが想定される。回転槽7は、図中の回転方向Pに回転するので、洗濯物も回転方向Pに移動する。
前記のとおり、水槽開口部41と回転槽開口部71との間の隙間Gは、環状カバー部5の内周縁52に沿って周方向に形成されている。したがって、洗濯物の一部が隙間Gに入るとき、図6Bに示される内周縁52から進入することが想定される。回転槽7は、図中の回転方向Pに回転するので、洗濯物も回転方向Pに移動する。
脱水運転時、回転速度が上昇し始めて回転槽7の内周面に洗濯物が張り付いた状態となるまでの間には、隙間Gの近傍を移動した洗濯物が遠心力により隙間Gに入り、外周側へはみ出す可能性がある。仮に、洗濯物が隙間Gから外周側へ入り込むと、隙間Gに挟まれたまま回転して、回転槽7の回転の抵抗になって回転が不安定になるおそれがある。また、洗濯物が隙間G内で擦れて、傷みの原因になるとも考えられる。
これに対して、本実施形態に係る洗濯機1では、洗濯物が隙間Gに入ったとしても、隙間Gの外周側にオーバーラップするように仕切壁6が設けられているので、洗濯物は仕切壁6に当接して、仕切壁6よりも外周側へは入り込まないように規制される。例えば図6Bに示すように、隙間Gに入った洗濯物(洗濯物の端部)Q1は、環状カバー部5の内周縁52に沿って回転方向Pに移動する。図8を参照して、隙間Gに入った洗濯物Q1は、仕切壁6の連続部61に遮られて、それ以上、外周側に入り込むことなく移動する。
図6Bに戻って、回転槽7の回転に伴って仕切壁6の連続部61を摺動しながら回転方向Pに移動した洗濯物Q1は、切欠部62に到達する。連続部61に当接していた洗濯物Q1は、連続部61による規制がなくなり、外周側に伸張しやすくなる。例えば、図9に示すように、切欠部62においては、遠心力の作用も相まって、洗濯物Q1は連続部61が配設されていた位置よりも外周側に伸張した状態となる。そのまま、洗濯物Q1は回転方向Pに移動する。
図6Bに示すように、切欠部62より回転方向Pの前方には、再び仕切壁6の連続部61が設けられている。切欠部62で伸張した洗濯物Q1は、連続部61に到達して、連続部61の始端部に当接する。連続部61を摺動しつつ回転することで、洗濯物Q1が、例えば図8に示したように連続部61に当接しているだけでなく、隙間Gから前後方向に折れ曲がった状態にあったとしても、図9に示すように切欠部62で、一旦、外周側に伸張するので、切欠部62に隣接する連続部61に当接しやすくなっている。
また、図6Bに示すように、切欠部62より回転方向Pの前方に位置する連続部61の始端部には、外周側から内周側へと傾斜するガイド面61aが設けられている。ガイド面61aが設けられていることにより、伸張した洗濯物Q1が、まず連続部61のガイド面61aに当接して、連続部61の内周面に案内されやすくなり、連続部61の始端部に洗濯物Q1が引っ掛かることを防止できる。
切欠部62を経た洗濯物Q2は、連続部61(ガイド面61a)との当接の衝撃によって、伸張していた形状が変化する。図10に示すように、洗濯物Q2は、連続部61との当接で形状が変化し、例えば端部が丸まり、ガイド面61aに案内されて連続部61の内周側に引き込まれる。これにより、洗濯物Q2は、連続部61に沿って連続部61の内周側を移動するものとなる。また、洗濯物Q2は、連続部61に遮られて、それ以上、外周側には入り込むことなく移動する。
その状態で、洗濯物Q2は、図11に示すように、仕切壁6の案内面63に到達する。案内面63の内周側は凹部54が設けられているので、洗濯物Q2は引っ掛かりにくく、内周側に移動しやすい状態となっている。図6Aおよび図6Bにも示すように、洗濯物Q2は、案内面63に誘導されて内周側へと移動していく。
案内面63は外周側から内周側に傾斜して設けられているので、図12に示すように、案内面63は、絞り部72の内周縁721および環状カバー部5の凹部54にさらに近づいて配置されている。前記のとおり、連続部61および案内面63は、隙間Gの周方向の上半部であって、回転方向Pの上り側に配設されている。そのため、洗濯物Q2への重力の作用も相まって、洗濯物Q2は、内周側(この場合、上下方向の下方)に落下しやすくなる。したがって、仕切壁6によって外周側に入り込むことなく移動した洗濯物Q2は、案内面63に沿って凹部54から内周側へと導かれ、自重で環状カバー部5と絞り部72との間から抜け出て、隙間Gから離脱することができる。
このように、洗濯物が隙間Gに入ったとしても仕切壁6によって外周側に入り込むことが規制される。そのうえ、回転方向Pの上り側に配設された切欠部62、連続部61および案内面63の作用で、隙間Gに洗濯物が入ったまま回転を続けることなく、洗濯物を隙間Gから早期に離脱させることができる。
その結果、衣類等の洗濯物が隙間Gに入って擦れ続けることが防止され、洗濯物を傷めることなく洗浄でき、回転槽7の回転も安定化させることができる。また、水槽開口部41の周方向の上部位置には、例えば回転槽7の内部を照らすためのLED照明装置等が設けられることがあり、回転方向Pの上り側で隙間Gから洗濯物を離脱させることによって、そのような上部位置に設けられる装置類に洗濯物が噛み込むことを防止できる。
なお、洗濯機1において、仕切壁6の切欠部62、これに繋がる連続部61および案内面63は、洗濯物が隙間Gから離脱しやすい隙間Gの周方向の上半部の範囲、あるいは回転槽7の回転方向Pの上り側において、少なくとも1つ配設されていることが好ましく、全周にわたる隙間Gに対して複数箇所に設けられていてもよい。また、水槽開口部41と回転槽開口部71との間の隙間Gは、例示した環状カバー部5の内周縁52と、絞り部72の内周縁721との間に形成されるに限らず、水槽開口部41および回転槽開口部71はどのような構成とされてもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 洗濯機
10 筐体
101 前面部
102 背面部
103 上面部
104 側面部
111 開口部
112 パッキン
21、22 蓋体
23 給水口
24 気流フィルタ装置
25 電源ボタン
3 ドア
31 ドア本体部
32 傾斜上部
33 ヒンジ部
34 窓部材
4 水槽
41 水槽開口部
42 水槽前カバー
5 環状カバー部
51 曲面壁
52 内周縁
521 取付部
53 外周縁
54 凹部
6 仕切壁
61 連続部
61a ガイド面
62 切欠部
63 案内面
7 回転槽
71 回転槽開口部
72 絞り部
721 内周縁
73 流体バランサ
74 噴射ノズル
G 隙間
10 筐体
101 前面部
102 背面部
103 上面部
104 側面部
111 開口部
112 パッキン
21、22 蓋体
23 給水口
24 気流フィルタ装置
25 電源ボタン
3 ドア
31 ドア本体部
32 傾斜上部
33 ヒンジ部
34 窓部材
4 水槽
41 水槽開口部
42 水槽前カバー
5 環状カバー部
51 曲面壁
52 内周縁
521 取付部
53 外周縁
54 凹部
6 仕切壁
61 連続部
61a ガイド面
62 切欠部
63 案内面
7 回転槽
71 回転槽開口部
72 絞り部
721 内周縁
73 流体バランサ
74 噴射ノズル
G 隙間
Claims (6)
- 前面に開口部を有する筐体と、
前記筐体内に支持され、前記開口部に向けて開口された水槽開口部を有する水槽と、
前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを備える洗濯機であって、
前記回転槽は、前記開口部に向けて開口する回転槽開口部を有する有底筒形状とされ、前記回転槽開口部が前記水槽開口部との間に全周にわたって隙間を設けて配置され、
前記隙間の外周側には、前記隙間に対して前記回転槽の回転軸方向にオーバーラップする仕切壁が設けられ、
前記仕切壁は、周方向に沿って連続して設けられた連続部と、周方向に一定長さで除去されて外周側に連通する切欠部とを有することを特徴とする洗濯機。 - 請求項1に記載の洗濯機において、
前記仕切壁は、前記切欠部よりも前記回転槽の回転方向の前方に、内径が狭くなるように外周側から内周側に傾斜した案内面を有することを特徴とする洗濯機。 - 請求項1に記載の洗濯機において、
前記水槽開口部には、前面側から内径が漸次縮径する略漏斗形状の曲面壁を有する環状カバー部が設けられたことを特徴とする洗濯機。 - 請求項3に記載の洗濯機において、
前記仕切壁は、前記曲面壁より外周側で、前記環状カバー部に一体に設けられ、
前記隙間は、前記曲面壁と前記回転槽開口部との間に形成されていることを特徴とする洗濯機。 - 請求項1~4のいずれか1つの請求項に記載の洗濯機において、
前記切欠部は、前記隙間の周方向の上半部の範囲に少なくとも1つ配設されたことを特徴とする洗濯機。 - 請求項1~4のいずれか1つの請求項に記載の洗濯機において、
前記切欠部は、前記回転槽の回転方向の上り側に少なくとも1つ配設されたことを特徴とする洗濯機。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022149143A JP2024043907A (ja) | 2022-09-20 | 2022-09-20 | 洗濯機 |
CN202311219946.2A CN117737963A (zh) | 2022-09-20 | 2023-09-20 | 洗衣机 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022149143A JP2024043907A (ja) | 2022-09-20 | 2022-09-20 | 洗濯機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024043907A true JP2024043907A (ja) | 2024-04-02 |
Family
ID=90258011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022149143A Pending JP2024043907A (ja) | 2022-09-20 | 2022-09-20 | 洗濯機 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024043907A (ja) |
CN (1) | CN117737963A (ja) |
-
2022
- 2022-09-20 JP JP2022149143A patent/JP2024043907A/ja active Pending
-
2023
- 2023-09-20 CN CN202311219946.2A patent/CN117737963A/zh active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN117737963A (zh) | 2024-03-22 |
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