JP2024043038A - プリプレグ製造装置 - Google Patents

プリプレグ製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024043038A
JP2024043038A JP2022148010A JP2022148010A JP2024043038A JP 2024043038 A JP2024043038 A JP 2024043038A JP 2022148010 A JP2022148010 A JP 2022148010A JP 2022148010 A JP2022148010 A JP 2022148010A JP 2024043038 A JP2024043038 A JP 2024043038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin powder
base material
electrode
sheet
fiber base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022148010A
Other languages
English (en)
Inventor
晃 田代
Akira Tashiro
拓也 岩本
Takuya Iwamoto
公治 服部
Kimiharu Hattori
俊樹 前田
Toshiki Maeda
陽大 田部
Akihiro Tabe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Steel Works Ltd filed Critical Japan Steel Works Ltd
Priority to JP2022148010A priority Critical patent/JP2024043038A/ja
Publication of JP2024043038A publication Critical patent/JP2024043038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

【課題】シート状繊維基材への樹脂粉体の付着量が低下するのを防止することができるプリプレグ製造装置を提供する。【解決手段】樹脂粉体をシート状繊維基材50に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の樹脂粉体吐出口33と、前記樹脂粉体吐出口から前記シート状繊維基材に向けて噴射される空気及び樹脂粉体を前記樹脂粉体吐出口まで供給する供給管37と、高電圧が印加されることにより、前記シート状繊維基材との間に電界を形成する電極80と、を備え、前記電極は、正面視で、前記樹脂粉体吐出口に重なる状態で配置されている。【選択図】図5

Description

本開示は、シート状繊維基材への樹脂粉体の付着量が低下するのを防止することができるプリプレグ製造装置に関するものである。
荷電された樹脂粉体を、高電圧が印加される電極(高電圧板)と搬送されるシート状繊維基材との間に形成された電界によるクーロン力及びエアーノズルから噴射されるエアの搬送力により、シート状繊維基材に付着させるように構成されたプリプレグ製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第6121978号公報
しかしながら、特許文献1においては、シート状繊維基材を構成する繊維の一部(例えば、シート状繊維基材がUD基材の場合、途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維)が、高電圧が印加される電極に接近することに起因して電極の短絡が発生し、その結果、電極電圧が低下し、設定電圧に復帰するまでの間、シート状繊維基材への樹脂粉体の付着量が低下してしまうという課題がある。また、上記のように、シート状繊維基材を構成する繊維の一部が、高電圧が印加される電極に接近することに起因してシート状繊維基材と電極との間の放電を伴う絶縁破壊が発生し、その衝撃により、シート状繊維基材に付着した樹脂粉体がシート状繊維基材から脱落してしまい、これによってもシート状繊維基材への樹脂粉体の付着量が低下してしまうという課題もある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係るプリプレグ製造装置は、樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の樹脂粉体吐出口と、前記樹脂粉体吐出口から前記シート状繊維基材に向けて噴射される空気及び樹脂粉体を前記樹脂粉体吐出口まで供給する供給管と、高電圧が印加されることにより、前記シート状繊維基材との間に電界を形成する電極と、を備え、前記電極は、正面視で、前記樹脂粉体吐出口に重なる状態で配置されている。
前記一実施の形態によれば、シート状繊維基材を構成する繊維の一部(例えば、シート状繊維基材がUD基材の場合、途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維)が、高電圧が印加される電極に接近することに起因してシート状繊維基材への樹脂粉体の付着量が低下するのを防止することができるプリプレグ製造装置を提供することができる。
本開示の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示す平面図である。 本開示の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示す側面図である。 図2のA-A矢視図である。 参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。 (a)高電圧板51に代えて棒状電極80を用いたプリプレグ製造装置の正面図、(b)図5(a)のB-B断面図、(c)図5(a)のC-C断面図である。 棒状電極80を用いたプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。 図5(a)のC-C断面における流速分布(シミュレーション結果)を表す図である。 (a)棒状電極80(電極本体81)の変形例、(b)斜視図である。
<参考例>
図1から図3を参照して参考例のプリプレグ製造装置について説明する。
参考例のプリプレグ製造装置は、樹脂粉体30を炭素繊維織物やUDテープなどのシート状繊維基材50に付着させてプリプレグを製造する装置であって、図1及び図2に示すように、シート状繊維基材50を間にして左右に設けられた2つのチャンバー31,32と、チャンバー31,32内にそれぞれ設けられた供給管37,38と、供給管37,38の端部にそれぞれ接続されたフラット型エアーノズル41,42と、供給管37,38にそれぞれ設けられた粉末樹脂帯電部43,44を主に備えている。
チャンバー31,32は、矩形状の外殻31a,32aと、外殻31a,32aの内部に設けられた略矩形状で四角が丸みを帯びた内殻31b,32bを有している。
外殻31a,32aのシート状繊維基材50側、すなわち、左側チャンバー31の右端(前面)及び右側チャンバー32の左端(前面)の位置は開放されていて、その間に樹脂粉体30が付着されるシート状繊維基材50が設置されている。また、外殻31a,32aのシート状繊維基材50側とは逆側、すなわち、左側チャンバー31の左端(後面)及び右側チャンバー32の右端(後面)の位置には排出口35,36が形成されている。排出口35,36には、排出口35,36から排出された樹脂粉体30を集める集塵機53,54が取付けられている。
また、内殻31b,32bのシート状繊維基材50に相対向する前面位置、すなわち、左側チャンバー31の内殻31bの右端(前面)及び右側チャンバー32の内殻32bの左端(前面)の位置には開口部33,34が形成されている。開口部33,34の周囲には、全体を取り囲むように高電圧板51,52が設置されている。
また、チャンバー31,32の内殻31b,32bは、外殻31a,32aに交わることなく仕切られた状態で設けられていて、外殻31a,32aと内殻31b,32bの間には、上下左右に開口部33,34から空気とともに吐出され付着しなかった樹脂粉体30が排出口35,36からチャンバー31,32の外側に排出されるような流路(隙間)45,46が形成されている。
供給管37,38は、2つのチャンバー31,32の内殻31b,32b内の略中央の高さの位置にそれぞれ設けられ、その一端が開口部33,34まで略水平に延びている。また、供給管37,38の他端には、フラット型エアーノズル41,42が接続されている。
フラット型エアーノズル41,42は、その本体部41a,42aが2つのチャンバー31,32の幅方向(図2においては紙面の表裏方向)に延び、本体部41a,42aのシート状繊維基材50側端部に、本体部41a,42aと同様にチャンバー31,32の幅方向に延びる長穴状の噴射スリット(図示しない)が形成され、噴射スリットからはカーテン状にエアーが噴射されるようになっている。
フラット型エアーノズル41,42の本体部41a,42aの基端には、一端に樹脂粉体30が投入される投入口47a,48aが設けられた投入管47,48の他端が接続されている。投入管47,48の他端はチャンバー31,32の内殻31b,32b内に入り込んでいるが、投入管47,48の一端は、チャンバー31,32の外部に位置し、その一端に設けられた投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって定量の樹脂粉体30が連続的に投入される。
また、投口管47,48の略中央には、空気増幅装置Tを介してコンプレッサ39,40が接続されている。これにより、コンプレッサ39,40から送られた圧縮空気は、空気増幅装置Tで流速がさらに高められるとともに、投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって供給される樹脂粉体30に混合され、高圧の固気二相流としてフラット型エアーノズル41,42に押し込まれるようになっている。
粉末樹脂帯電部43,44は、供給管37,38の略中央に設けられ、樹脂粉体30を空気とともにマイナス(逆にプラスでもよい)に帯電させるもので、高い電荷量が樹脂粉体30に与えられる。
なお、樹脂粉体30としては、一般的に熱硬化性樹脂が使用されるが熱可塑性樹脂や天然樹脂などであってもよい。また、シート状繊維基材50は炭素繊維系以外の金属繊維や鉱物繊維やガラス繊維や合成繊維からなるものであってもよい。
また、シート状繊維基材50はグランド接続されていて、チャンバー31,32の内殻31b,32bに形成された開口部33,34の周囲に設置された高電圧板51,52との間に高圧の電界がかけられている。
このように構成されたプリプレグ製造装置を使用してプリプレグを製造する方法について説明する。
投入管47,48の投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって定量の樹脂粉体30が連続的に投入されると、樹脂粉体30は、コンプレッサ39,40から送られた圧縮空気が空気増幅装置Tによってその流速がさらに高められた高圧の空気と投入管47,48の内部で混合された後、フラット型エアーノズル41,42に押し込まれる。
これにより、フラット型エアーノズル41,42の噴射スリットから供給管37,38内に風速が均一化され、樹脂粉体30と空気が混合された固定二相流がエアーカーテン状に送られるとともに、供給管37,38に設けられた粉末樹脂帯電部43,44によって樹脂粉体30と空気がともにマイナスに帯電させられる。
そして、帯電された樹脂粉体30と空気が混合された固定二相流は、チャンバー31,32の開口部33,34から吐出させられ、シート状繊維基材50に吹き付けられる。このとき、開口部33,34の周囲に設置された高電圧板51,52によって、開口部33,34とグランド接続されたシート状繊維基材50の間には、高圧の電界がかけられているとともに、開口部33,34側に負の高電圧がかけられるようにすると、マイナスに帯電された樹脂粉体30は勢いよく開口部33,34からシート状繊維基材50に向かって吐出してそのままシート状繊維基材50に強固な接着力で付着され、プリプレグが製造される。
なお、樹脂粉体30が粉末樹脂帯電部43,44によってプラスに帯電される場合には、高電圧板51,52によって開口部33,34側には正の高電圧がかけられる。
なお、本明細書においては、プリプレグは、セミプレグを含む。
なお、シート状繊維基材50に付着されなかった樹脂粉体30は、2つのチャンバー31,32の外殻31a,32aと内殻31b,32bの間に形成された流路45,46を介して外殻31a,32aの後面側に流され、排出口35,36から2つのチャンバー31,32の外側に排出される。
排出された樹脂粉体30は、排出口35,36に接続された集塵機53,54によって、集められ再利用できるようにしている。本実施形態では、図1に示したように、集塵機53,54で集められた樹脂粉体30を再度、定量フィーダーなどを介して投入管47,48の投入口47a,48aに投入し、コンプレッサ39,40を介して空気とともにフラット型エアーノズル41,42に押し込むようにしている。
これによれば、シート状繊維基材50を間にして左右に外殻31a,32aと内殻31b,32bで構成されたチャンバー31,32を設け、チャンバー31,32の内殻31b,32bにはそれぞれフラット型エアーノズル41,42が設けられた構成であるので、装置全体が小型化され省スペース化が図られるとともにシート状繊維基材50の両面に対して樹脂粉体30が同時に付着させられる。
しかも、フラット型エアーノズル41,42を採用したことで、樹脂粉体30が空気と混合されて供給管37,38の後側から高圧でかつ均一の流速で押し込まれるので、供給管37,38内で帯電させられた樹脂粉体30と空気からなる固気二相流の流速は速く、しかも均一化されるために、通常使用されていた整流装置やブロワーは不要となり、これ
によっても装置全体の小型化が図れる。
なお、本参考例では、2つのチャンバー31,32間にシート状繊維基材50を固定して両面に樹脂粉体30を同時に付着させるようにしたが、シート状繊維基材50自体を上方向又は下方向に連続的に搬送可能な搬送装置をさらに備えるようにすることで、シート状繊維基材50の両面に対して樹脂粉体30を広範囲にわたってしかも単時間に連続して付着させることができる。
また、本参考例では、チャンバー31,32の開口部33,34の周囲に高電圧板51,52を設置してシート状繊維基材50に対して樹脂粉体30がより強固に付着するようにしたが、高電圧板51,52,粉末樹脂帯電部43,44を省いてもシート状繊維基材50に対して樹脂粉体30を付着させることはできる。
次に、上記参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法について説明する。
図4は、参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。
以下、シート状繊維基材50としてUD基材を用いる。UD基材とは、横糸に相当する繊維が無く、縦糸に相当する繊維により構成されるシート状繊維基材をいう。以下、UD基材m1と記載する。なお、説明を簡略化するため、図4には、開口部33(供給管37)のみを記載し、開口部34(供給管38)を省略した。以下の説明も、開口部33(供給管37)の動作説明を中心に行い、開口部34(供給管38)の動作説明については省略する。
図4に示すように、UD基材m1は、当該UD基材m1をロール状に巻き取ったロール体M1から連続的に引き出され、従動ローラR1、R2に掛け渡され、巻取軸Aに連結されている。UD基材m1は、巻取軸Aがモータ(図示せず)により回転されることにより搬送(図4中矢印AR1~AR3が示す方向に搬送)され、従動ローラR1、R2間に配置された開口部33(供給管37)、樹脂溶着ヒータ60をこの順に通過する。
高電圧板51(電極板)には、高電圧電源70が電気的に接続されており、高電圧V(例えば、数十KV)が印加されている。そのため、高電圧板51からグランドに接地されたUD基材m1に向かってコロナ放電が発生する。そのため、開口部33からエア(空気)と共に噴射される樹脂粉体は、高電圧板51を通過する際、コロナ放電により発生するイオンにより荷電される。この荷電された樹脂粉体は、高電圧板51とUD基材m1との間に形成された電界によるクーロン力及び開口部33から噴射されるエアの搬送力により、開口部33を通過するUD基材m(表面又は裏面)に付着する(静電粉体塗装の原理)。なお、図3に示すように、開口部33は、スリット状の開口部(本開示の樹脂粉体吐出口の一例)で、UD基材m1の幅方向(図3中左右方向)に延びている。この開口部33の長さL1(図3参照)はUD基材m1の幅に対応しており例えば400mmである。一方、この開口部33の幅W(スリット幅。図3参照)は例えば20mmである。なお、この開口部33からUD基材m1に向けて噴射されるエア及び樹脂粉体は、供給管37(図1、図2参照)により、当該開口部33まで供給され当該開口部33から噴射される。
上記のように樹脂粉体が付着したUD基材m1は、樹脂溶着ヒータ60を通過する際、当該樹脂溶着ヒータ60で加熱される。これにより、UD基材m1に付着した樹脂粉体がUD基材m1に溶着し、プリプレグm2(図4参照)が製造される。この製造されたプリプレグm2は、従動ローラR2を介して、モータ(図示せず)により回転される巻取軸Aに巻き取られる。
<実施形態>
まず、上記参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法において本発明者らが見出した課題について説明する。
上記のようにロール体M1と巻取軸Aとの間に掛け渡されたUD基材m1を構成する縦糸に相当する繊維(複数)は、通常、ロール体M1から巻取軸Aまで連続しているが、中には途中で切断された状態の繊維が存在する場合がある。本発明者らは、この途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維が、主に開口部33から噴射されるエアによりばたつくことにより高電圧板51に接近することに起因して高電圧板51の短絡が発生し、その結果、高電圧板51電圧が低下し、設定電圧に復帰するまでの間、UD基材m1への樹脂粉体の付着量が低下してしまうという課題を見出した。
また、上記のように、途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維が、主に開口部33から噴射されるエアによりばたつくことにより高電圧板51に接近することに起因してUD基材m1と高電圧板51との間の放電を伴う絶縁破壊が発生し、その衝撃により、UD基材m1に付着した樹脂粉体がUD基材m1から脱落してしまい、これによってもシート状繊維基材への樹脂粉体の付着量が低下してしまうという課題を見出した。
次に、実施形態として、上記課題を解決するための構成例を上記参考例に適用した例について説明する。以下、上記課題を解決するための構成例として、棒状電極80を用いる例について説明する。なお、上記参考例と同様の構成については同じ符号を付し適宜説明を省略する。棒状電極80は、上記参考例の高電圧板51、52に代えて用いられる。なお、説明を簡略化するため、以下代表して、高電圧板51に代えて棒状電極80を用いる例について説明し、高電圧板52に代えて棒状電極80を用いる例については省略する。
図5(a)は高電圧板51に代えて棒状電極80を用いたプリプレグ製造装置の正面図、図5(b)は図5(a)のB-B断面図、図5(c)は図5(a)のC-C断面図である。
棒状電極80は、例えば、1本の金属製の棒状電極を曲げ加工することにより構成される。棒状電極80の断面形状(長手方向に直交する断面形状)は、例えば、円形である。棒状電極80の直径d(図5(a)参照)は、例えば3mmである。なお、棒状電極80の断面形状(長手方向に直交する断面形状)は、楕円形、多角形であってもよいし、それ以外の形状であってもよい。
具体的には、図5(b)に示すように、棒状電極80は、電極本体81、電極本体81の一端側に第1折曲部C1を介して連続する第1延長部82A、電極本体81の他端側に第2折曲部C2を介して連続する第2延長部82B、第1延長部82Aに第3折曲部C3を介して連続する第1固定部83A、第2延長部82Bに第4折曲部C4を介して連続する第2固定部83Bを含む。
第1固定部83Aは、供給管37内部に配置され、フレームF1を介して供給管37の一方の側面に固定されている。同様に、第2固定部83Bは、供給管37内部に配置され、フレームF2を介して供給管37の他方の側面に固定されている。
第1延長部82Aは、第1固定部83Aから第3折曲部C3を介して延びて開口部33から突出している(図5(c)参照)。同様に、第2延長部82Bは、第2固定部83Bから第4折曲部C4を介して延びて開口部33から突出している(図5(c)参照)。
図5(b)、図5(c)に示すように、電極本体81は、供給管37外部(開口部33正面)に配置されており、一端側が開口部33から突出した第1延長部82Aに第1折曲部C1を介して連結され、かつ、他端側が開口部33から突出した第2延長部82Bに第2折曲部C2を介して連結されている。図5(a)に示すように、電極本体81の長さL2は、開口部33の長さL1より短い。また、棒状電極80(電極本体81)の直径dは、開口部33の幅W(スリット幅)より短い。
棒状電極80(電極本体81)は、UD基材m1の幅方向に延びており、図5(a)に示すように、正面視で、開口部33(本開示の樹脂粉体吐出口の一例)に重なる状態で配置されている。具体的には、図5(a)に示すように、棒状電極80(電極本体81)は、正面視で、開口部33の中央部を塞ぐように、開口部33の幅方向(スリット幅方向。図5(a)中上下方向)に関し、開口部33の概ね中央に配置されている。
その際、棒状電極80(電極本体81)の直径dは開口部33の幅W(スリット幅)より短いため、開口部33は、正面視で、当該開口部33の中央部のみが棒状電極80(電極本体81)で塞がれた状態となる。
棒状電極80(電極本体81)とUD基材m1との間の距離をD(図5(b)参照)、棒状電極80(電極本体81)に印加される高電圧をVとすると、電界強度EはV/Dで表せる。この電界強度Eが大きいほどクーロン力が大きくなり開口部33から噴射される樹脂粉体がUD基材m1に付着しやすくなるため、距離Dは短い方が望ましい。一方、距離Dを短くすると、途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維が棒状電極80(電極本体81)側に引き寄せられ上記短絡が発生しやすくなる。
そこで、本実施形態では、途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維が棒状電極80(電極本体81)側に引き寄せられるのを防止するため、棒状電極80(電極本体81)を、開口部33から噴射されるエアの流速が相対的に速い範囲に配置している(図5参照)。このようにすれば、流速が相対的に速いエアの作用により、途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維が棒状電極80(電極本体81)に接近することが抑制される。
この開口部33から噴射されるエアの流速が相対的に速い範囲は、例えば、所定ソフトウエアを用いてシミュレーションを行うことにより、特定することができる。
図7は、図5(a)のC-C断面における流速分布(シミュレーション結果)を表す図である。このシミュレーション結果は、開口部33から噴射されるエアが弧状の空気流AF(図7中符号P1から符号P2に向かう弧状の空気流)を形成すること、及び、この空気流AFのうち特に図7中の円Cで囲んだ範囲の流速が相対的に速くなることを表す。また、このシミュレーション結果は、上記開口部33から噴射されるエアの流速が相対的に速い範囲が、正面視で、概ね開口部33内であることを表す。
したがって、棒状電極80(電極本体81)は、図5(a)に示すように、正面視で、開口部33(本開示の樹脂粉体吐出口の一例)に重なる状態で配置するのが望ましい。具体的には、棒状電極80(電極本体81)は、図5(a)中上下方向に関し、正面視で、スリット幅Wの範囲内に配置するのが望ましい。同様に、棒状電極80(電極本体81)は、図5(a)中左右方向に関し、正面視で、開口部33の長さL1の範囲内に配置するのが望ましい。
なお、棒状電極80(電極本体81)の直径d(図5(a)参照)は、開口部33から噴射されるエア(及び樹脂粉体)の流速を阻害しないように、開口部33の幅W(スリット幅)より短い方が望ましい。その際、棒状電極80(電極本体81)の直径dはできる限り短い方が望ましい。一方、棒状電極80(電極本体81)の直径dを短くすると、取り扱いが難しくなるため、棒状電極80(電極本体81)の直径dは、簡単に塑性変形しない長さであることが望ましい。以上を考慮して、本実施形態では、棒状電極80(電極本体81)の直径dとして3mmを採用している。なお、棒状電極80(電極本体81)の直径dは3mmに限らない。
なお、所望の電界強度を確保できるのであれば、第1延長部82A及び第2延長部82Bを短くすることにより、電極本体81を開口部33(供給管37)内に配置してもよい。
次に、上記構成の棒状電極80を用いたプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法について簡単に説明する。
図6は、棒状電極80を用いたプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。
以下、シート状繊維基材50としてUD基材m1を用いる。なお、説明を簡略化するため、図6には、開口部33(供給管37)のみを記載し、開口部34(供給管38)を省略した。以下の説明も、開口部33(供給管37)の動作説明を中心に行い、開口部34(供給管38)の動作説明については省略する。
図6に示すように、UD基材m1は、当該UD基材m1をロール状に巻き取ったロール体M1から連続的に引き出され、従動ローラR1、R2に掛け渡され、巻取軸Aに連結されている。UD基材m1は、巻取軸Aがモータ(図示せず)により回転されることにより搬送(図6中矢印AR4~AR6が示す方向に搬送)され、従動ローラR1、R2間に配置された開口部33(供給管37)、樹脂溶着ヒータ60をこの順に通過する。
棒状電極80(電極本体81)には、高電圧電源70が電気的に接続されており、高電圧V(例えば、数十KV)が印加されている。そのため、棒状電極80(電極本体81)からグランドに接地されたUD基材m1に向かってコロナ放電が発生する。そのため、開口部33からエアと共に噴射される樹脂粉体は、棒状電極80(電極本体81)を通過する際、コロナ放電により発生するイオンにより荷電される。この荷電された樹脂粉体は、棒状電極80(電極本体81)とUD基材m1との間に形成された電界によるクーロン力及び開口部33から噴射されるエアの搬送力により、開口部33を通過するUD基材m(表面又は裏面)に付着する(静電粉体塗装の原理)。
その際、図5(a)に示すように正面視で、開口部33の中央部のみが棒状電極80(電極本体81)で塞がれた状態であるため、開口部33から噴射されるエアのうち、棒状電極80(電極本体81)で遮られないエアは直進し(図5(c)中の矢印AR7参照)、棒状電極80(電極本体81)で遮られるエアは斜め方向に進行する(図5(c)中の矢印AR8、AR9参照)。その際、この直進及び斜め方向に進行するエアの流速は、棒状電極80(電極本体81)が設けられていない場合と比べ、速くなる。これは、棒状電極80の一部(第1延長部82A、第2延長部82B、第1固定部83A、第2固定部83B)が開口部33を介して供給管37内部に設けられているため、棒状電極80が設けられていない場合と比べ、開口部33面積が狭くなることによるものである。
したがって、仮に、ロール体M1と巻取軸Aとの間に掛け渡されたUD基材m1を構成する縦糸に相当する繊維(複数)の中に途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維が存在する場合であっても、この直進及び斜め方向に進行する流速の速いエア(図5(c)中の矢印AR7~AR9参照)により、当該途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維がばたついて棒状電極80(電極本体81)に接近することが抑制される。これにより、この途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維が棒状電極80(電極本体81)に接近することに起因して高電圧板51の短絡が発生すること及びUD基材m1と棒状電極80(電極本体81)との間の放電を伴う絶縁破壊が発生することを防止することができる。その結果、UD基材m1への樹脂粉体の付着量が低下するのを防止することができる。
なお、棒状電極80(電極本体81)の電極面積は上記特許文献1に記載の電極(高電圧板)と比べ小さくなるが、UD基材m1への樹脂粉体の付着量の低下は発生しない。これは、コロナ放電により棒状電極80(電極本体81)とグランドに接地されたUD基材m1との間にフリーイオンのクラウドが発生すること、そして、開口部33から噴射されるエア(樹脂粉体を含む弧状の空気流AF)がこのクラウドを通過してフリーイオンと結びつくため、UD基材m1に対する樹脂粉体の付着力が向上すること、によるものである。
上記のように樹脂粉体が付着したUD基材m1は、樹脂溶着ヒータ60を通過する際、当該樹脂溶着ヒータ60で加熱される。これにより、UD基材m1に付着した樹脂粉体がUD基材m1に溶着し、プリプレグm2が製造される。この製造されたプリプレグm2は、従動ローラR2を介して、モータ(図示せず)により回転される巻取軸Aに巻き取られる。
以上説明したように、本実施形態によれば、シート状繊維基材50を構成する繊維の一部(例えば、シート状繊維基材がUD基材の場合、途中で切断された状態の繊維や毛羽立った状態の繊維)が、高電圧が印加される棒状電極80(電極本体81)に接近することに起因してシート状繊維基材50への樹脂粉体の付着量が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態によれば、棒状電極80(電極本体81)を、開口部33から噴射されるエアの流速が相対的に速い範囲(例えば、図7中の円Cで囲んだ範囲参照)においてUD基材m1近くに配置することができる。これにより、棒状電極80(電極本体81)とUD基材m1との間の距離D(図5(b)参照)が短くなるため、電界強度E(V/D)が増加し、開口部33から噴射される樹脂粉体がUD基材m1に付着しやすくなる。すなわち、静電付着力が向上する。
次に、変形例について説明する。
上記実施形態では、1本の金属製の棒状電極を曲げ加工することにより構成された棒状電極80を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、棒状電極80に代えて、電極本体81に相当する直線形状の棒状電極を用いてもよい。この場合、電極本体81に相当する直線形状の棒状電極は、第1延長部82A、第2延長部82B、第1固定部83A、第2固定部83Bそれぞれに相当する別部材により、上記のように支持及び配置してよい。
また、上記実施形態では、棒状電極80を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、棒状電極80に代えて、板状電極(例えば、厚みd及び長さL2の板状電極)を用いてもよい。
図8(a)は棒状電極80(電極本体81)の変形例、図8(b)は斜視図である。
図8(a)、図8(b)に示すように、棒状電極80(電極本体81)又は上記変形例の電極に整流板84(1又は複数)を設けてもよい。整流板84は、本開示の整流部の一例で、例えば、開口部33から噴射されるエアの流れ方向に並行な平板であってよい。このように、棒状電極80(電極本体81)又は上記変形例の電極に、UD基材m1との間に電界を形成する機能だけなく、整流の機能を持たせてもよい。図8(b)中の矢印は開口部33から噴射されるエア(樹脂粉体を含むエア)が整流されている様子を表す。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本開示は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
11 注入口
12 加速容器
13 ブラシ
14 圧縮部
15 格納ボックス
16 チューブ
17 粉体
18 穴
19 チャンバー
20 炭素繊維織物
30 樹脂粉体
31,32 チャンバー
31a,32a 外殻
31b,32b 内殻
33,34 開口部(樹脂粉体吐出出口)
35,36 排出口
37,38 供給管
39,40 コンプレッサ
41,42 フラット型エアーノズル
41a,42a 本体部
43,44 粉末樹脂帯電部
45,46 流路
47,48 投入管
47a,48a 投入口
50 シート状繊維基材
51,52 高電圧板
53,54 集塵機
T 空気増倍装置
60 樹脂溶着ヒータ
70 高電圧電源
80 棒状電極
81 電極本体
82A 第1延長部
82B 第2延長部
83A 第1固定部
83B 第2固定部

Claims (7)

  1. 樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、
    前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の樹脂粉体吐出口と、
    前記樹脂粉体吐出口から前記シート状繊維基材に向けて噴射される空気及び樹脂粉体を前記樹脂粉体吐出口まで供給する供給管と、
    高電圧が印加されることにより、前記シート状繊維基材との間に電界を形成する電極と、を備え、
    前記電極は、正面視で、前記樹脂粉体吐出口に重なる状態で配置されているプリプレグ製造装置。
  2. 前記電極の少なくとも一部は、前記樹脂粉体吐出口を介して前記供給管内部に設けられている請求項1に記載のプリプレグ製造装置。
  3. 前記電極は、正面視で、前記樹脂粉体吐出口のスリット幅内に配置されている請求項1に記載のプリプレグ製造装置。
  4. 前記電極は、前記樹脂粉体吐出口から噴射される空気の流速が相対的に速い範囲に配置されている請求項1に記載のプリプレグ製造装置。
  5. 前記電極は、前記シート状繊維基材の幅方向に延びる棒状電極又は板状電極である請求項1に記載のプリプレグ製造装置。
  6. 前記電極には、前記樹脂粉体吐出口から前記シート状繊維基材に向けて噴射される空気及び樹脂粉体を整流する整流部が設けられている請求項1に記載のプリプレグ製造装置。
  7. 樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、
    前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の樹脂粉体吐出口と、
    前記樹脂粉体吐出口から前記シート状繊維基材に向けて噴射される空気及び樹脂粉体を前記樹脂粉体吐出口まで供給する供給管と、
    高電圧が印加されることにより、前記シート状繊維基材との間に電界を形成する電極と、を備え、
    前記電極は、前記樹脂粉体吐出口から噴射される空気の流速が相対的に速い範囲に配置されているプリプレグ製造装置。
JP2022148010A 2022-09-16 2022-09-16 プリプレグ製造装置 Pending JP2024043038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022148010A JP2024043038A (ja) 2022-09-16 2022-09-16 プリプレグ製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022148010A JP2024043038A (ja) 2022-09-16 2022-09-16 プリプレグ製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024043038A true JP2024043038A (ja) 2024-03-29

Family

ID=90418149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022148010A Pending JP2024043038A (ja) 2022-09-16 2022-09-16 プリプレグ製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024043038A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100189396B1 (ko) 열가소성 필라멘트 웨브의 제조 장치 및 제조방법
US8690996B2 (en) Electric precipitator and electrode plate thereof
JP2895960B2 (ja) スパンフィラメント束から等分散フィラメントを提供する方法及び装置並びに得られるスパン接着ファブリック
US7780883B2 (en) Method and apparatus of producing fibrous aggregate
US4352143A (en) Device for discharging static electricity and method of producing the same
US11454927B2 (en) Image forming apparatus with particle collector
JP2010518265A (ja) ポリマーの溶液又は溶融物からナノパーティクル層又はナノファイバー層を製造する方法と装置
JP2013073886A (ja) イオナイザー
EP1432861B2 (en) Apparatus and method for producing a nonwoven web of filaments
US20200188830A1 (en) Electrical appliance with electrostatic dust collecting device using carbon fiber
JP5712171B2 (ja) プリプレグ製造装置及びプリプレグ製造方法
JP2024043038A (ja) プリプレグ製造装置
JP5814964B2 (ja) プリプレグ製造装置及びプリプレグ製造方法
CN102064476B (zh) 离子发生器
US11911777B2 (en) Electrostatic dust collecting apparatus and method of manufacturing the same
US3891415A (en) Electrostatic dust collector for exhaust gases containing fine particles
JP2024059349A (ja) プリプレグ製造装置
JP6389626B2 (ja) 静電紡糸成膜装置
JP2024074453A (ja) 塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置
JP2018059221A (ja) シート状の繊維堆積体の製造装置及び該繊維堆積体の製造方法
KR102306438B1 (ko) 집진 장치
JP7001443B2 (ja) 繊維堆積体搬送装置及び繊維堆積体の搬送方法
CN111729765A (zh) 能提高粉末静电吸附能力的立式板带粉末喷涂装置
EP1080793A2 (en) Electrostatic processing chamber for performing electrostatic flocking and coating operations
JP7074465B2 (ja) 繊維堆積体搬送装置及び繊維堆積体の搬送方法