JP2024059349A - プリプレグ製造装置 - Google Patents

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陽大 田部
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拓也 岩本
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晃 田代
Akira Tashiro
俊樹 前田
Toshiki Maeda
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Abstract

【課題】安定した膜厚(目標膜厚又は概ね目標膜厚)のプリプレグを製造することができるプリプレグ製造装置を提供する。【解決手段】樹脂粉体吐出口33から噴射される樹脂粉体が付着した搬送中のシート状繊維基材m1の前記樹脂粉体を樹脂溶着ヒータ60により加熱し溶着させてプリプレグm2を製造するプリプレグ製造装置であって、前記シート状繊維基材の幅方向に対応する計測幅内の複数箇所それぞれの厚みを算出する厚み算出手段110aと、前記厚み算出手段により算出された厚みの平均値を計測値として出力する厚み平均値算出手段110bと、前記厚み平均値算出手段により出力された計測値が予め定められた目標厚みとなるように前記樹脂粉体の供給量を制御する樹脂粉体供給量制御手段110cと、を備える。【選択図】図6

Description

本開示は、安定した膜厚(目標膜厚又は概ね目標膜厚)のプリプレグを製造することができるプリプレグ製造装置に関するものである。
荷電された樹脂粉体を、高電圧が印加される電極(高電圧板)と搬送されるシート状繊維基材との間に形成された電界によるクーロン力及びエアーノズルから噴射されるエアの搬送力により、シート状繊維基材に付着させるように構成されたプリプレグ製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この樹脂粉体が付着したシート状繊維基材は、樹脂溶着ヒータを通過する際、当該樹脂溶着ヒータで加熱される。これにより、シート状繊維基材に付着した樹脂粉体がシート状繊維基材に溶着し、プリプレグが製造される。そして、このように製造されたプリプレグの膜厚が樹脂溶着ヒータの後段に配置された膜厚計(定点膜厚計)により計測され、この計測された膜厚が目標膜厚となるように樹脂粉体の供給量が制御(フィードバック制御)される。
特許第6121978号公報
しかしながら、特許文献1においては、品質ムラが大きく品質が安定しないシート状繊維基材の場合(例えば、シート状繊維基材がUD基材の場合)、膜厚計により計測されたプリプレグの計測値も安定しないため、膜厚計により計測されたプリプレグの膜厚が目標膜厚となるように樹脂粉体の供給量を制御しても、安定した膜厚(目標膜厚又は概ね目標膜厚)のプリプレグを製造することが難しいという課題がある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係るプリプレグ製造装置は、樹脂粉体吐出口から噴射される樹脂粉体が付着した搬送中のシート状繊維基材の前記樹脂粉体を樹脂溶着ヒータにより加熱し溶着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、前記シート状繊維基材の幅方向に対応する計測幅内の複数箇所それぞれの厚みを算出する厚み算出手段と、前記厚み算出手段により算出された厚みの平均値を計測値として出力する厚み平均値算出手段と、前記厚み平均値算出手段により出力された計測値が予め定められた目標厚みとなるように前記樹脂粉体の供給量を制御する樹脂粉体供給量制御手段と、を備える。
前記一実施の形態によれば、安定した膜厚(目標膜厚又は概ね目標膜厚)のプリプレグを製造することができるプリプレグ製造装置を提供することができる。
本開示の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示す平面図である。 本開示の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示す側面図である。 図2のA-A矢視図である。 参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。 (a)幅方向の中央に配置された膜厚計80によりプリプレグm2の膜厚を計測している様子を表す図、(b)図5(a)のように配置された膜厚計80により計測したプリプレグm2の膜厚のグラフG1及び比較例1のプリプレグの膜厚のグラフG2である。 膜厚計80に代えて走査式X線膜厚計100を用いたプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。 走査式X線膜厚計100近傍の拡大図である。 計測幅L5、スポット(例えば、スポットSP~SP20)等を説明する図である。 走査式X線膜厚計100により樹脂粉体が付着したUD基材m1の厚みを計測している様子を表す図である。 走査式X線膜厚計100を用いたプリプレグ製造装置の動作例(プリプレグ厚み制御処理)のフローチャートである。 本実施形態の走査式X線膜厚計100により計測した厚みの平均値のグラフG3及び比較例2の厚みの平均値のグラフG4である。
<参考例>
図1から図3を参照して参考例のプリプレグ製造装置について説明する。
参考例のプリプレグ製造装置は、樹脂粉体30を炭素繊維織物やUDテープなどのシート状繊維基材50に付着させてプリプレグを製造する装置であって、図1及び図2に示すように、シート状繊維基材50を間にして左右に設けられた2つのチャンバー31,32と、チャンバー31,32内にそれぞれ設けられた供給管37,38と、供給管37,38の端部にそれぞれ接続されたフラット型エアーノズル41,42と、供給管37,38にそれぞれ設けられた粉末樹脂帯電部43,44を主に備えている。
チャンバー31,32は、矩形状の外殻31a,32aと、外殻31a,32aの内部に設けられた略矩形状で四角が丸みを帯びた内殻31b,32bを有している。
外殻31a,32aのシート状繊維基材50側、すなわち、左側チャンバー31の右端(前面)及び右側チャンバー32の左端(前面)の位置は開放されていて、その間に樹脂粉体30が付着されるシート状繊維基材50が設置されている。また、外殻31a,32aのシート状繊維基材50側とは逆側、すなわち、左側チャンバー31の左端(後面)及び右側チャンバー32の右端(後面)の位置には排出口35,36が形成されている。排出口35,36には、排出口35,36から排出された樹脂粉体30を集める集塵機53,54が取付けられている。
また、内殻31b,32bのシート状繊維基材50に相対向する前面位置、すなわち、左側チャンバー31の内殻31bの右端(前面)及び右側チャンバー32の内殻32bの左端(前面)の位置には開口部33,34が形成されている。開口部33,34の周囲には、全体を取り囲むように高電圧板51,52が設置されている。
また、チャンバー31,32の内殻31b,32bは、外殻31a,32aに交わることなく仕切られた状態で設けられていて、外殻31a,32aと内殻31b,32bの間には、上下左右に開口部33,34から空気とともに吐出され付着しなかった樹脂粉体30が排出口35,36からチャンバー31,32の外側に排出されるような流路(隙間)45,46が形成されている。
供給管37,38は、2つのチャンバー31,32の内殻31b,32b内の略中央の高さの位置にそれぞれ設けられ、その一端が開口部33,34まで略水平に延びている。また、供給管37,38の他端には、フラット型エアーノズル41,42が接続されている。
フラット型エアーノズル41,42は、その本体部41a,42aが2つのチャンバー31,32の幅方向(図2においては紙面の表裏方向)に延び、本体部41a,42aのシート状繊維基材50側端部に、本体部41a,42aと同様にチャンバー31,32の幅方向に延びる長穴状の噴射スリット(図示しない)が形成され、噴射スリットからはカーテン状にエアーが噴射されるようになっている。
フラット型エアーノズル41,42の本体部41a,42aの基端には、一端に樹脂粉体30が投入される投入口47a,48aが設けられた投入管47,48の他端が接続されている。投入管47,48の他端はチャンバー31,32の内殻31b,32b内に入り込んでいるが、投入管47,48の一端は、チャンバー31,32の外部に位置し、その一端に設けられた投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって定量の樹脂粉体30が連続的に投入される。
また、投口管47,48の略中央には、空気増幅装置Tを介してコンプレッサ39,40が接続されている。これにより、コンプレッサ39,40から送られた圧縮空気は、空気増幅装置Tで流速がさらに高められるとともに、投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって供給される樹脂粉体30に混合され、高圧の固気二相流としてフラット型エアーノズル41,42に押し込まれるようになっている。
粉末樹脂帯電部43,44は、供給管37,38の略中央に設けられ、樹脂粉体30を空気とともにマイナス(逆にプラスでもよい)に帯電させるもので、高い電荷量が樹脂粉体30に与えられる。
なお、樹脂粉体30としては、一般的に熱硬化性樹脂が使用されるが熱可塑性樹脂や天然樹脂などであってもよい。また、シート状繊維基材50は炭素繊維系以外の金属繊維や鉱物繊維やガラス繊維や合成繊維からなるものであってもよい。
また、シート状繊維基材50はグランド接続されていて、チャンバー31,32の内殻31b,32bに形成された開口部33,34の周囲に設置された高電圧板51,52との間に高圧の電界がかけられている。
このように構成されたプリプレグ製造装置を使用してプリプレグを製造する方法について説明する。
投入管47,48の投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって定量の樹脂粉体30が連続的に投入されると、樹脂粉体30は、コンプレッサ39,40から送られた圧縮空気が空気増幅装置Tによってその流速がさらに高められた高圧の空気と投入管47,48の内部で混合された後、フラット型エアーノズル41,42に押し込まれる。
これにより、フラット型エアーノズル41,42の噴射スリットから供給管37,38内に風速が均一化され、樹脂粉体30と空気が混合された固定二相流がエアーカーテン状に送られるとともに、供給管37,38に設けられた粉末樹脂帯電部43,44によって樹脂粉体30と空気がともにマイナスに帯電させられる。
そして、帯電された樹脂粉体30と空気が混合された固定二相流は、チャンバー31,32の開口部33,34から吐出させられ、シート状繊維基材50に吹き付けられる。このとき、開口部33,34の周囲に設置された高電圧板51,52によって、開口部33,34とグランド接続されたシート状繊維基材50の間には、高圧の電界がかけられているとともに、開口部33,34側に負の高電圧がかけられるようにすると、マイナスに帯電された樹脂粉体30は勢いよく開口部33,34からシート状繊維基材50に向かって吐出してそのままシート状繊維基材50に強固な接着力で付着され、プリプレグが製造される。
なお、樹脂粉体30が粉末樹脂帯電部43,44によってプラスに帯電される場合には、高電圧板51,52によって開口部33,34側には正の高電圧がかけられる。
なお、本明細書においては、プリプレグは、セミプレグを含む。
なお、シート状繊維基材50に付着されなかった樹脂粉体30は、2つのチャンバー31,32の外殻31a,32aと内殻31b,32bの間に形成された流路45,46を介して外殻31a,32aの後面側に流され、排出口35,36から2つのチャンバー31,32の外側に排出される。
排出された樹脂粉体30は、排出口35,36に接続された集塵機53,54によって、集められ再利用できるようにしている。本実施形態では、図1に示したように、集塵機53,54で集められた樹脂粉体30を再度、定量フィーダーなどを介して投入管47,48の投入口47a,48aに投入し、コンプレッサ39,40を介して空気とともにフラット型エアーノズル41,42に押し込むようにしている。
これによれば、シート状繊維基材50を間にして左右に外殻31a,32aと内殻31b,32bで構成されたチャンバー31,32を設け、チャンバー31,32の内殻31b,32bにはそれぞれフラット型エアーノズル41,42が設けられた構成であるので、装置全体が小型化され省スペース化が図られるとともにシート状繊維基材50の両面に対して樹脂粉体30が同時に付着させられる。
しかも、フラット型エアーノズル41,42を採用したことで、樹脂粉体30が空気と混合されて供給管37,38の後側から高圧でかつ均一の流速で押し込まれるので、供給管37,38内で帯電させられた樹脂粉体30と空気からなる固気二相流の流速は速く、しかも均一化されるために、通常使用されていた整流装置やブロワーは不要となり、これ
によっても装置全体の小型化が図れる。
なお、本参考例では、2つのチャンバー31,32間にシート状繊維基材50を固定して両面に樹脂粉体30を同時に付着させるようにしたが、シート状繊維基材50自体を上方向又は下方向に連続的に搬送可能な搬送装置をさらに備えるようにすることで、シート状繊維基材50の両面に対して樹脂粉体30を広範囲にわたってしかも単時間に連続して付着させることができる。
また、本参考例では、チャンバー31,32の開口部33,34の周囲に高電圧板51,52を設置してシート状繊維基材50に対して樹脂粉体30がより強固に付着するようにしたが、高電圧板51,52,粉末樹脂帯電部43,44を省いてもシート状繊維基材50に対して樹脂粉体30を付着させることはできる。
次に、上記参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法について説明する。
図4は、参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。
以下、シート状繊維基材50としてUD基材を用いる。UD基材とは、横糸に相当する繊維が無く、縦糸に相当する繊維により構成されるシート状繊維基材をいう。以下、UD基材m1と記載する。なお、説明を簡略化するため、図4には、開口部33(供給管37)のみを記載し、開口部34(供給管38)を省略した。以下の説明も、開口部33(供給管37)の動作説明を中心に行い、開口部34(供給管38)の動作説明については省略する。
図4に示すように、UD基材m1は、当該UD基材m1をロール状に巻き取ったロール体M1から連続的に引き出され、従動ローラR1、R2に掛け渡され、巻取軸Aに連結されている。UD基材m1は、巻取軸Aがモータ(図示せず)により回転されることにより搬送(図4中矢印AR1~AR3が示す方向に搬送)され、従動ローラR1、R2間に配置された開口部33(供給管37)、樹脂溶着ヒータ60、樹脂溶着ヒータ60の後段に配置された膜厚計80(定点膜厚計)をこの順に通過する。
高電圧板51(電極板)には、高電圧電源70が電気的に接続されており、高電圧V(例えば、数十KV)が印加されている。そのため、高電圧板51からグランドに接地されたUD基材m1に向かってコロナ放電が発生する。そのため、開口部33からエア(空気)と共に噴射される樹脂粉体は、高電圧板51を通過する際、コロナ放電により発生するイオンにより荷電される。この荷電された樹脂粉体は、高電圧板51とUD基材m1との間に形成された電界によるクーロン力及び開口部33から噴射されるエアの搬送力により、開口部33を通過するUD基材m1(表面又は裏面)に付着する(静電粉体塗装の原理)。なお、図3に示すように、開口部33は、スリット状の開口部(本開示の樹脂粉体吐出口の一例)で、UD基材m1の幅方向(図3中左右方向)に延びている。この開口部33の長さL1(図3参照)はUD基材m1の幅に対応しており例えば400mmである。一方、この開口部33の幅W(スリット幅。図3参照)は例えば20mmである。なお、この開口部33からUD基材m1に向けて噴射されるエア及び樹脂粉体は、供給管37(図1、図2参照)により、当該開口部33まで供給され当該開口部33から噴射される。
上記のように樹脂粉体が付着したUD基材m1は、樹脂溶着ヒータ60を通過する際、当該樹脂溶着ヒータ60で加熱される。これにより、UD基材m1に付着した樹脂粉体がUD基材m1に溶着し、プリプレグm2(図4参照)が製造される。
この製造されたプリプレグm2は、膜厚計80を通過する際、当該膜厚計80により膜厚が計測される。ここで計測される厚みは、例えば、プリプレグm2の厚み(UD基材m1に溶着した樹脂粉体の厚み+UD基材m1自体の厚み)である。そして、この計測された膜厚が目標膜厚となるように定量フィーダー90(樹脂粉体の供給量)が制御(フィードバック制御)される。
以上のようにして製造されたプリプレグm2は、従動ローラR2を介して、モータ(図示せず)により回転される巻取軸Aに巻き取られる。
<実施形態>
まず、上記参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法において本発明者らが見出した課題について説明する。
図5(a)は幅方向の中央に配置された膜厚計80によりプリプレグm2の膜厚を計測している様子を表す。図5(a)中の下向きの矢印は、膜厚計80により計測される箇所(計測ライン)を表す。図5(b)は、図5(a)のように配置された膜厚計80により計測したプリプレグm2の膜厚のグラフG1及び比較例1のプリプレグの膜厚のグラフG2である。なお、比較例1のプリプレグは、シート状繊維基材50として織物基材(横糸に相当する繊維及び縦糸に相当する繊維により構成されるシート状繊維基材)を用い、上記図4に示す製造方法により製造されたプリプレグである。
本発明者らは、比較例1のプリプレグにおいては品質が安定しているため膜厚計80の計測値も安定する(図5(b)中のグラフG2参照)のに対して、上記参考例のプリプレグm2においては品質ムラが大きく品質が安定しないため膜厚計80の計測値も安定しないこと(図5(b)中のグラフG1参照)、その結果、膜厚計80により計測されたプリプレグm2の膜厚が目標膜厚となるように定量フィーダー90(樹脂粉体の供給量)を制御(フィードバック制御)しても、安定した膜厚(目標膜厚又は概ね目標膜厚)のプリプレグm2を製造するのが難しいという課題を見出した。
また、上記参考例においては、膜厚計80が樹脂溶着ヒータ60の後段に配置されているため(図4参照)、すなわち、樹脂粉体を噴射する開口部33と膜厚計80とが離れているため、樹脂付着後、膜厚を計測し上記フィードバック制御を行うまで相当の時間を要するという課題も見出した。
次に、実施形態として、上記課題を解決するための構成例を上記参考例に適用した例について説明する。以下、上記課題を解決するための構成例として、走査式X線膜厚計100を用いる例について説明する。なお、上記参考例と同様の構成については同じ符号を付し適宜説明を省略する。走査式X線膜厚計100は、上記参考例の膜厚計80(定点膜厚計)に代えて用いられる。なお、説明を簡略化するため、以下代表して、開口部33(供給管37)を用いる例について説明し、開口部34(供給管38)を用いる例については省略する。
図6は膜厚計80に代えて走査式X線膜厚計100を用いたプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。
図6に示すように、走査式X線膜厚計100は、開口部33(本開示の樹脂粉体吐出口の一例)と樹脂溶着ヒータ60との間に配置されている。
図7は、走査式X線膜厚計100近傍の拡大図である。
図7に示すように、走査式X線膜厚計100は、UD基材m1の幅方向に延びるフレーム101、102にスライド移動可能に取り付けられた可動部103に設けられたX線源、X線検出器、X線源及びX線検出器をUD基材m1の幅方向に移動させる移動手段を備えている。走査式X線膜厚計100としては、例えば、特開2007-298387に記載のものを用いることができる。
X線源は、X線を照射しUD基材m1上にスポット径D1(図8参照)のスポット(例えば、図8中のスポットSP~SP20参照)を形成する。X線検出器は、X線源から照射されUD基材m1を透過したX線の強度を検出する。図8は、計測幅L5、スポット(例えば、スポットSP~SP20)等を説明する図である。
次に、本実施形態の制御装置110について説明する。
図6に示すように、制御装置110には、定量フィーダー90、走査式X線膜厚計100、記憶部120が電気的に接続されている。制御装置110は、図示しないが、プロセッサ、RAM等を備えている。記憶部120は、例えば、ハードディスク装置やROM等の不揮発性の記憶部である。記憶部120には、プログラム121、目標厚み122が記憶されている。プログラム121は、制御装置110(プロセッサ)により実行されるプログラムである。目標厚み122は、UD基材m1の目標厚み(UD基材m1に付着した樹脂粉体の厚み+UD基材m1自体の厚み)である。
プロセッサは、例えば、CPUである。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。例えば、プロセッサは、記憶部120(例えば、ROM)からRAMに読み込まれたプログラム121を実行することで、厚み算出手段110a、厚み平均値算出手段110b、樹脂粉体供給量制御手段110cとして機能する。これらの一部又は全部はハードウエアにより実現してもよい。
厚み算出手段110aは、X線源(可動部103)がフレーム101、102に沿ってUD基材m1の幅方向に対応する計測幅L5(図7~図9参照)内、すなわち、図7中左端部PLから右端部PR(又は右端部PRから左端部PL)に移動する間(すなわち、1スキャンの間)、当該計測幅L5内の複数箇所(例えば、図8中スポットSP~SP20)それぞれの厚みを算出(計測)する。ここで算出される厚みは、例えば、UD基材m1の厚み(UD基材m1に付着した樹脂粉体の厚み+UD基材m1自体の厚み)である。図9は、走査式X線膜厚計100により樹脂粉体が付着したUD基材m1の厚みを計測している様子を表す図である。図9中の点線の矢印は、7スキャンした場合に走査式X線膜厚計100により計測される箇所(計測ライン)を表す。また、図9中のSPは、X線源から照射されUD基材m1上に形成されるX線のスポットを表す。
例えば、厚み算出手段110aは、計測幅L5内の複数箇所(例えば、図8中スポットSP~SP20)それぞれにおいて、X線検出器が検出したX線の強度と基準X線強度とに基づいてX線の減衰量を算出し、この減衰量に基づいて、当該複数箇所それぞれの厚みを算出する。なお、基準X線強度は、例えば、記憶部120に記憶されている。
なお、図8に示すように、走査式X線膜厚計100の計測幅L5は、UD基材m1の幅L2に、UD基材m1の幅方向両側の付加幅L3、L4を加えた長さ(L2+L3+L4)に設定されている。L5は例えば400mm、L2は例えば360mm、L3、L4はそれぞれ例えば20mmである。また、X線源が照射するX線のUD基材m1上のスポット径D1は例えば20mmである。
厚み平均値算出手段110bは、厚み算出手段110aにより算出された厚みの平均値を計測値として出力する。例えば、厚み平均値算出手段110bは、1スキャンが完了すると、1スキャンの間に算出(計測)した厚み(複数)の平均値を計測値として出力する。
その際、走査式X線膜厚計100の計測幅L5がUD基材m1の幅L2に、UD基材m1の幅方向両側の付加幅L3、L4を加えた長さ(L2+L3+L4)に設定されているため、厚み平均値算出手段110bは、UD基材m1の幅L2内で計測(算出)された厚み、及び、UD基材m1の幅方向両側の付加幅L3、L4内で計測(算出)された厚みの平均値を計測値として出力する。これにより、品質ムラ等に起因してUD基材m1の幅が変動しても、その変動に影響されない計測値を出力することができる。
樹脂粉体供給量制御手段110cは、厚み平均値算出手段11bにより出力された計測値(平均値)、すなわち、UD基材m1の厚み(UD基材m1に付着した樹脂粉体の厚み+UD基材m1自体の厚み)が予め定められた目標厚み122となるように定量フィーダー90(樹脂粉体の供給量)を制御(フィードバック制御)する。
次に、上記構成の走査式X線膜厚計100を用いたプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法について簡単に説明する。
図10は、走査式X線膜厚計100を用いたプリプレグ製造装置の動作例(プリプレグ厚み制御処理)のフローチャートである。
以下、前提として、樹脂粉体が付着したUD基材m1が、図7~図9に示す搬送方向に搬送されており、図9に示すようにスキャンが行われているものとする。
まず、計測幅L5内の複数箇所それぞれの厚みを算出する(ステップS10)。これは、厚み算出手段110aにより実現される。例えば、厚み算出手段110aは、1スキャンの間、計測幅L5内の複数箇所(例えば、図8中スポットSP~SP20)それぞれにおいて、X線検出器が検出したX線の強度と基準X線強度とに基づいてX線の減衰量を算出し、この減衰量に基づいて、当該複数箇所それぞれの厚みを算出する。
ステップS10の処理は、1スキャンが完了するまで繰り返し実行される(ステップS11:NO)。
一方、1スキャンが完了した場合(ステップS11:YES)、ステップS10で算出した厚みの平均値、すなわち、1スキャンの間に算出した厚み(複数)の平均値を計測値として出力する(ステップS12)。これは、厚み平均値算出手段110bにより実現される。
次に、ステップS12で出力した計測値(平均値)が目標厚み122となるように定量フィーダー90(樹脂粉体の供給量)を制御する(ステップS13)。これは、樹脂粉体供給量制御手段110cにより実現される。例えば、ステップS12で出力された計測値(厚みの平均値)が目標厚み122より小さい場合、樹脂粉体供給量制御手段110cは、樹脂粉体の供給量が多くなるように定量フィーダー90を制御する。これにより、UD基材m1の厚み(UD基材m1に付着した樹脂粉体の厚み+UD基材m1自体の厚み)を目標厚み122に近づけることができる。一方、ステップS12で出力された計測値(厚みの平均値)が目標厚み122より大きい場合、樹脂粉体供給量制御手段110cは、樹脂粉体の供給量が少なくなるように定量フィーダー90を制御する。これにより、UD基材m1の厚み(UD基材m1に付着した樹脂粉体の厚み+UD基材m1自体の厚み)を目標厚み122に近づけることができる。
以後、上記ステップS10~S13の処理が繰り返し実行される。
上記のように樹脂粉体が付着したUD基材m1は、上記参考例と同様、樹脂溶着ヒータ60を通過する際、当該樹脂溶着ヒータ60で加熱される。これにより、UD基材m1に付着した樹脂粉体がUD基材m1に溶着し、プリプレグm2(図4参照)が製造される。この製造されたプリプレグm2は、従動ローラR2を介して、モータ(図示せず)により回転される巻取軸Aに巻き取られる。
図11は、本実施形態の走査式X線膜厚計100により計測した厚みの平均値のグラフG3である。なお、図11には、参考のため、比較例2の厚みの平均値のグラフG4も記載した。比較例2は、シート状繊維基材50として織物基材(横糸に相当する繊維及び縦糸に相当する繊維により構成されるシート状繊維基材)を用い、上記図10に示すプリプレグ厚み制御処理により製造されたプリプレグである。
図11を参照すると、本実施形態の走査式X線膜厚計100の計測値(厚みの平均値)が安定すること(図11中のグラフG3参照)、及び、その結果、この計測値(厚みの平均値)が目標厚み122となるように定量フィーダー90(樹脂粉体の供給量)を制御することにより、安定した膜厚(目標厚み又は概ね目標厚み)のプリプレグm2を製造することができることが分かる。
以上説明したように、本実施形態によれば、安定した厚み(目標厚み又は概ね目標厚み)のプリプレグm2を製造することができる。
また、本実施形態によれば、走査式X線膜厚計100が、樹脂粉体を噴射する開口部33(本開示の樹脂粉体吐出口の一例)と樹脂溶着ヒータ60との間に配置されているため、すなわち、樹脂粉体を噴射する開口部33と走査式X線膜厚計100とが近いため、樹脂付着後、厚みを計測し上記フィードバック制御を行うまでの時間を短縮することができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本開示は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
11 注入口
12 加速容器
13 ブラシ
14 圧縮部
15 格納ボックス
16 チューブ
17 粉体
18 穴
19 チャンバー
20 炭素繊維織物
30 樹脂粉体
31,32 チャンバー
31a,32a 外殻
31b,32b 内殻
33,34 開口部(樹脂粉体吐出口)
35,36 排出口
37,38 供給管
39,40 コンプレッサ
41,42 フラット型エアーノズル
41a,42a 本体部
43,44 粉末樹脂帯電部
45,46 流路
47,48 投入管
47a,48a 投入口
50 シート状繊維基材
51,52 高電圧板
53,54 集塵機
T 空気増倍装置
60 樹脂溶着ヒータ
70 高電圧電源
80 膜厚計
90 定量フィーダー
100 走査式X線膜厚計
110 制御装置
110a 厚み算出手段
110b 厚み平均値算出手段
110c 樹脂粉体供給量制御手段

Claims (6)

  1. 樹脂粉体吐出口から噴射される樹脂粉体が付着した搬送中のシート状繊維基材の前記樹脂粉体を樹脂溶着ヒータにより加熱し溶着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、
    前記シート状繊維基材の幅方向に対応する計測幅内の複数箇所それぞれの厚みを算出する厚み算出手段と、
    前記厚み算出手段により算出された厚みの平均値を計測値として出力する厚み平均値算出手段と、
    前記厚み平均値算出手段により出力された計測値が予め定められた目標厚みとなるように前記樹脂粉体の供給量を制御する樹脂粉体供給量制御手段と、を備えるプリプレグ製造装置。
  2. 前記厚み算出手段は、前記計測幅内の前記複数箇所それぞれを透過するX線の減衰量に基づいて、当該複数箇所それぞれの厚みを算出する請求項1に記載のプリプレグ製造装置。
  3. 前記X線を照射するX線源と、
    前記X線を検出するX線検出器と、
    前記X線源及び前記X線検出器を前記シート状繊維基材の幅方向に移動させる移動手段と、をさらに備える請求項2に記載のプリプレグ製造装置。
  4. 前記X線源及び前記X線検出器は、前記樹脂粉体吐出口と前記樹脂溶着ヒータとの間に配置されている請求項1から3のいずれか1項に記載のプリプレグ製造装置。
  5. 前記計測幅は、前記シート状繊維基材の幅に、前記シート状繊維基材の幅方向両側の付加幅を加えた長さに設定されている請求項1から3のいずれか1項に記載のプリプレグ製造装置。
  6. 前記シート状繊維基材は、UD基材である請求項1から3のいずれか1項に記載のプリプレグ製造装置。
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