JP2024041090A - 除菌機能付きクリーンベンチ装置 - Google Patents

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正幸 鶴羽
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Abstract

【課題】従来の天井部から高性能フィルター内で浄化された空気を吹き付けて作業空間の洗浄度を維持する機能に加えて、新型コロナウイルス等の感染力の強い菌に対して、積極的に殺菌、又は不活性化させる効果を有するクリーンベンチ機器に関するものである。【解決手段】本体1と、空気タンク2内の中の空気をタンク2の内部に取り付けられた深紫外LED3で殺菌又は不活性化し、この空気タンク2内の空気を、高性能フィルター4を通過して、送風駆動部5によって空気が圧送される給気配管6を通って、作業空間7の作業台8まで送られて、作業する位置に向かって空気が吹き付けられる。この空気タンク2内で殺菌された空気が作業空間に吹き付けられ、下部横前の空気排出口9から出て、排気管10を通って再度空気タンク2に戻される。また作業空間7の壁面に作業のために接近した人を感知するセンサー11、及び全体の制御機器12で構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、病院や保健機関、及び食品工場や、半導体等の高精密部品や機器を製造する工場、各種研究機関などの一定の空気清浄度が確保されたクリーンルームの中に設置して、作業者が室内空間より更に洗浄度の高い空間で作業ができる機能を有するクリーンベンチ装置に関するものである。従来のクリーンベンチは作業空間の天井部に配置された高性能フィルターから清浄化された空気を下方の作業位置に吹き下ろす機能のみであるが、本発明は前記機能に加えて、コロナウイルス等の感染力の強い菌に対して殺菌又は、不活性化の効果を発揮するクリーンベンチ装置に関するものである。
一般的に、クリーンベンチは前述の通り、クリーンルーム内に設置されて、作業者が室内空間より更に清浄度の高い作業空間の作業台の上で作業ができる機能をもつ機器である。しかし、これは新型コロナウイルス等の感染防止には、何も効果を発揮せず、殺菌、又は不活性化させる機能は全く有していない。
また、これまでの事例で、紫外線ランプを使用した除菌機能をもつクリーンベンチは使われる場合もあるが、人体に直接照射光が当たると目や皮膚の安全性が確保できない課題がある。更に、従来例で使用される一般的な紫外線ランプ内には水銀が使われており、これは環境負荷が大きいため近年になって規制が加わり、製造販売が出来ない方向になりつつある。
特開平6-147579号公報 特開平2-8638号公報
特許文献1の場合、筐体1の前面に設けた上下方向に開閉自在なシャッタ4の開閉動作に連動して、作業空間2内に設置された殺菌灯3,3のスイッチング動作を可能にするスイッチング機構10を設け、この殺菌灯3,3をシャッタ4の所定の開扉位置以上で消灯状態を維持可能にする内容である。
これまでは紫外線ランプの安全性の点で、殺菌灯の光を作業者が直接見てしまい、作業者の眼を損傷させる危険性があった問題を解決する発明である。この場合、シャッタの開閉動作に連動して前記殺菌灯のスイッチング動作を可能にするスイッチング機構を設けるとともに、このスイッチング機構は、前記シャッタの所定の開扉位置以上で前記殺菌灯の消灯状態を維持可能にしてなる構成としたものである。従って、特許文献1では紫外線ランプでクリーンベンチの作業空間の除菌を目的しているが、人体のうち、特に目や皮膚に対する危険性があるための危険性を回避するための対策である。この特許の場合は、作業中の作業者への安全性は確保できるが、作業している間は紫外線の照射は消灯しており、肝心の作業中は除菌できないという問題がある。
また特許文献2の、光電子放出材に紫外線を照射することにより発生する光電子により空気中の微粒子を荷電させるか、又は電場において紫外線を照射することにより空気中の微粒子を荷電させるか、又は電場において光電子放出材に紫外線を照射することにより発生する光電子により空気中の微粒子を荷電させた後荷電した粒子を除去することを特徴とするクリーンベンチの作業空間の空気清浄方法である。本発明は、電子工業、薬品工業、食品工業、農林産業、医療、精密機械工業等におけるクリーンルーム、クリーンブース、クリーンブース、クリーンペンチ、安全キャビネット、無菌室、パスボックス、無菌エアカーテン、クリーンチューブ等における空気清浄方法及びその装置に利用できる技術である。
この特許文献2は例えば、クリーンベンチの作業空間の空気を無菌状態に排気することで、クリーンベンチ空間を清浄化できるが、新型コロナウイルスなどの強い感染力のある対象のウイルスに対しては、十分に効果を発揮しないという問題がある。また、作業中は、紫外線の照射光が直接、人体の目や皮膚に当たると安全性が保証できないという問題がある。更に、特許文献1と同じく、使用している紫外線ランプ内には、水銀が使用されており、環境負荷が大きいことで、近いうちに製造販売が出来なくなるという問題もある。
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、クリーンルーム内で更に清浄度が高い作業空間で作業が行えるクリーンベンチ装置に関する発明であり、作業空間で作業中も密閉された空気タンク内で清浄化された除菌済みの空気を作業位置に吹き付けることができる。また、本発明は、クリーンルーム内の感染力の強いウイルス菌に対して、空気タンク内の空気に効果的に深紫外LEDを照射して完全に殺菌、又は不活性化させた空気を、クリーンベンチの作業空間の天井部に設けた高精度フィルターから空気を吹き付けて、作業空間の清浄化を実現する。また、この作業空間に吹き出された空気は、排気口を通って、空気タンク内に戻して、この空気タンク内で再度、深紫外LEDを照射させることで、ウイルスを殺菌又は、不活性化の効果を上げることができるクリーンベンチ装置を提供することである。また、深紫外LEDで殺菌、不活化する箇所は密閉された空気タンク内のため、深紫外LEDの照射光が空気タンクの外に漏れることが無く、作業者の人体に安全性が保証できる。
本発明の目的は、例えば新型コロナウイルスの様な特に感染し易い菌に対して、クリーンルーム内に滞留するウイルスを確実に空気タンク内に設けた深紫外LEDの照射によって殺菌、又は不活性化させる機能を有するクリーンベンチを提供することである。本発明の目的はこれまでの実施例で、高精度フィルターの捕集性能でウイルスをフィルター面で捕集が可能な場合があるが、これは捕集の機能だけで、ウイルスを積極的に殺菌、又は不活化させる機能を持っていない。本発明は、感染力の強い新型コロナウイルス等の菌に対して、捕集に留まらず、積極的に深紫外LEDで、殺菌、又は不活化する機能を有する技術であり、従来の課題の解決につながるものである。また、従来の特許文献1及び2での問題の作業空間で作業を行う作業者の人体への安全性の確保においても、深紫外LEDの照射光は、密閉された空気タンク内で照射されるため、人体に何ら影響を与えず、完全に安全性が保証される。また、本特許で使用する深紫外LEDは、従来特許で使用されている様な環境負荷の大きい水銀が使われていないので、環境維持に対しても優位性がある。更に、本発明で使用の深紫外LEDは、従来の紫外線ランプとの消費電力、発熱量、ランプの寿命、起動までの時間の比較においても、大幅に優位性がある。
実施例として、本体1と、空気タンク2内の空気をタンク2の内壁に取り付けられた深紫外LED3で殺菌又は不活性化し、この空気タンク2内の空気を、高性能フィルター4を通過して、送風駆動部5によって空気が圧送される給気配管6を通って、作業空間7の作業台8まで送られて、作業する位置に向かって空気が吹き付けられる。この空気タンク2内で殺菌された空気が作業空間に吹き付けられ、下部横前の空気排出口9から出て、排気管10を通って再度空気タンク2に戻される。また作業空間7の壁面には作業のために接近した人を感知するセンサー11と、作業空間7の上部空間には、全体の制御機器12を備えている。
また、空気タンク2内に取り付けられた深紫外LED3は、波長が250~300nmで、人の目や皮膚などに照射光が直接当たると安全性が保証できないため、密閉された空気タンク2内の空気に深紫外LED3を照射してウイルス菌を殺菌又は、不活性化させるようになっている。
この深紫外LED3によってウイルスを不活化された空気を高性能フィルター4から作業空間7に吹き付けて、その吹き付けられた空気を空気排出口9から、排気管10を経由して再度空気タンク2まで循環することにより、空気タンク内2の深紫外LED3で再度殺菌又は不活性化させて、この循環を毎回繰り返すことで、空気の殺菌、又は不活性化の効果を益々高めることができる。
本発明の動作順序として、まず、作業者がクリーンベンチの作業空間7に接近すると、センサー11が人を感知して、制御機器12からの指令で送風駆動部5が起動して、作業空間7の天井面に取り付けられた高性能フィルター4から空気タンク2内で殺菌又は不活性化された空気が吹き出す。この作業者が作業空間に居る間は常に、作業空間7内に殺菌、不活化された空気が高性能フィルター4から吹き付けられる。また、作業者がクリーンベンチの作業空間7から離れると、センサー11が人の退去を検知して、制御部内のタイマーで設定された時間だけ、空気の循環と、空気タンク内の深紫外LEDの照射が継続され、設定時間後に、循環と照射が自動で停止する。
本発明によれば、例えば感染力の強い新型コロナウイルスに対して99.9%まで菌を死滅、又は不活性化させることが可能な深紫外LEDを一定時間、空気タンクの中で空気に照射させることで、空気が殺菌、又は不活性化されて、その空気を作業空間7内の天井部に設けた高性能フィルター4から吹き付けて、作業空間周辺の殺菌、又は不活性化する機能を発揮できるクリーンベンチ装置を提供することができる。
また、作業空間7の天井部から吹き出された空気は、作業台8に当たって、空気排出口9から、排気管10を通って回収された空気は再度、空気タンクに戻されて、空気タンクの中で再度、深紫外LEDによって殺菌、又は不活性化される。この様に機器内の空気タンク2と作業空間7の空気を閉ループで連結して循環させることで、殺菌又は不活性化の度合いが増す効果があると同時に、菌を含んだ空気を作業空間の外に出さず、菌を機器内部で積極的に殺菌、又は不活化して、菌を外に拡散させない効果もある。
本発明は、現在、病院や保健機関、食品工場、半導体などの高精密機器を製造する工場、及び各種研究機関などのクリーン度が管理されたクリーンルーム内に設置されて、ウイルス菌の積極的な殺菌、又は不活性化と、菌の拡散防止を実現して、従来特許のもつ問題の解決につながる発明である。
本発明の実施形態による除菌機能付きクリーンベンチ装置の側面断面図 本発明の実施形態による除菌機能付きクリーンベンチ装置の正面図 本発明の実施形態による除菌機能付きクリーンベンチ装置の背面断面図
以下図1~図3を用いて、本発明の実施形態による除菌機能付きリーンベンチ装置を説明する。
尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜 異ならせて図示している。
図1~図3に示すように、本実施形態は、本体1と、空気タンク2、深紫外LED3,高性能フィルター4、送風駆動部5、給気配管6,作業空間7,作業台8,空気排出口9.排気管10,センサー11,制御機器12,とで構成される。
本発明は産業上では、病院や保健機関、食品工場、半導体等の精密機器を製造する工場、及び各種研究機関などで、クリーンルーム内に設置されたクリーンベンチ内のコロナウイルス菌等の感染力の強い菌に対して、確実に機器の内部で殺菌、又は不活性化できる機器として利用できる。
本体1、空気タンク2、深紫外LED3,高性能フィルター4,送風駆動部5、給気配管6,作業空間7,作業台8, 空気排出口9.排気管10,センサー11,制御機器12,

Claims (2)

  1. 本体部と、送風発生器と、高性能フィルター部と、人が作業する作業空間と、電源供給部と、制御部とから構成されるクリーンベンチ装置において、内部に貯めている空気を殺菌、不活化するLEDをタンク内に配置した空気タンクと、空気吹き出し口が上部天井に配置されて人が作業する作業空間と、前記作業空間の天井部に配置された空気吹き出し口に設けた高性能フィルターと、前記空気タンクから作業空間まで接続される給気管と、前記空気タンクとフィルターを接続する給気管の間に接続される送風発生器と、空気が作業空間を通って排気される排気口部と、排気された空気を空気タンクに戻すための排気管から構成される閉ループの空気の循環構造を形成することを特徴とする除菌機能付きクリーンベンチ装置。
  2. 前記空気タンク内で空気に照射する前記LEDが波長250nmから300nm深紫外線を発する深紫外LEDであることを特徴とする請求項1に記載の除菌機能付きクリーンベンチ装置。

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