JPH08173510A - 手指空気殺菌機能を備えた空気清浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線が目に照射しないような安全なものと
し、紫外線で手指に付着している耐性黄色ブドウ球菌等
を死滅させ、且、空気中の浮遊菌をも死滅させ、又ハウ
スダストを取り除き院内感染を防止する。 【構成】 箱上のケース体（１）の正面に手指挿入口
（２）を設け、ケース体（１）内の手指挿入口（２）の
上下には、手指挿入口（２）から殺菌灯（５）が死角と
なるようにして殺菌灯（５）を配設し、更に、ケース体
（１）の上面に空気吐出口（３）を、下面には吸気口
（４）を設け、ケース体（１）の正面から吸気口（４）
内面に密着させて集塵フィルター（７）を配設し、空気
が吸気口（４）からケース体（１）内に吸入され除塵さ
れ、更に殺菌灯（５）により殺菌された空気が、空気吐
出口（３）から吐出され、強制循環されるように送風機
（９）を配設したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紫外線により手指及び
空気の殺菌をし、更に集塵フィルターにより空気清浄を
することのできる手指空気殺菌機能を備えた空気清浄機
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、病院で行われている手指の除菌及
び殺菌は、手洗いか薬剤により実施されおり、又病室等
で行われている室内空気の殺菌は、薬剤によるか又殺菌
灯にカバーを取り付け天井に固定して取り付けて行って
おり、手指の殺菌は手指殺菌機として、空気の殺菌は空
気殺菌機として、又空気の除塵は空気清浄機としてそれ
ぞれ独立した機能を有する装置で行われていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】近年、病院に於いての
院内感染は増発の一途をたどっており、特にメチシリン
耐性黄色ブドウ球菌による感染が多く、死亡事例も多発
している。原因は病院側の種々の事情から黄色ブドウ球
菌感染患者に抗生物質を多用したことにより耐性黄色ブ
ドウ球菌を作り出してしまったことにある。この感染を
防止する方法の有効な手段としては、主として医療従事
者及び入院患者の手洗い及び殺菌と病室内の空気中の浮
遊菌を除去するものとがあるが、手洗いについては、そ
の洗い方により除菌度に差が生じる為、も一つ完全では
なかった。又、現在行われている殺菌の方法は薬剤によ
るものであるが、これはその都度薬液中に手指を浸すか
振りかけるかして行っている為、大変に面倒であり、
又、殺菌剤は比較的高価であり、医療従事者、入院患者
及び見舞い人等多数の者が使用する場合には膨大な量と
なり経費も莫大なものとなることになる。従って大多数
の病院がこの経費の問題から感染防止対策を実施できな
いのが実情となっている。病室内の空気殺菌及び除塵に
ついては、従来、空気中の浮遊菌を除去する一つの方法
として用いられている薬剤の散布は、人体への悪影響か
らしてかなりの注意が必要とされ、又、効力の持続性も
一時的であり、従って手間が掛かるところから結局はあ
まり実施されないようになってしまっている。又病室の
天井に殺菌灯を取り付ける方法であるが、この方法は室
内空気の自然循環を利用しているところから病室内への
人の出入りに伴う空気の出入に殺菌速度が追い付かず、
結局は殺菌灯周辺の空気殺菌のみに止まってしまってい
る。又病室内の浮遊菌はハウスダストに付着している場
合も多く、更にハウスダスト自体も様々な病気に関与し
人体には有害とされている。尚、近時、便所等に設置す
る為の紫外線手指殺菌乾燥機が市販されており、これは
手指の殺菌に有効とされおり、この装置は手指を紫外線
殺菌をした後に温風を使用し手指を乾燥させるものであ
るが、紫外線殺菌の実験によれば、手指を紫外線殺菌し
た後に約８０度以下の温度を与えると、細菌が熱再活を
おこし生命回復するという結果が得られている。即ち現
在の紫外線手指殺菌乾燥機は、使用者が知らずして殺菌
効果ありとの思い込みで使用しているところから大変な
危険性を有している。又、市販品の全てが、本体の前部
か又は下部に開口部を設け、開口部の上部に殺菌灯を配
設し、手指を、本体の前から、開口部の中か下側に挿入
する方法をとっている。然しこの手指殺菌機には重大な
欠点があり、この欠点は、開口部が手指を回転させるに
充分な大きさとなっており、開口部が本体の前側か下側
にあり、従って、体も顔も本体に向けて使用することに
なるが、開口部には紫外線が照射しており、紫外線は波
長が短くあらゆるものに衝突し乱反射するところから、
開口部から、又、手指から本体側に向けている目に照射
し、目は紫外線により障害を受け易く、特に背丈の低い
子供等は直接に殺菌灯を目で見てしまうことになり、こ
の手指殺菌機により紫外線性眼炎が多く発生している。
従って病院等では、紫外線は耐性黄色ブドウ球菌を死滅
させるに有効であることを知りながら、この紫外線手指
殺菌機を使用することができなかった。本発明が解決し
ようとする課題は、病院に於て耐性黄色ブドウ球菌感染
患者を作り出してしまい、己む無く抗生物質を使用し、
新たなる耐性黄色ブドウ球菌を作り出してしまうことは
させないために、殺菌灯から発する紫外線は、メチシリ
ン耐性黄色ブドウ球菌等の有害菌を、細胞中にあるＤＮ
Ａ（デオキシリボ酸）やＲＮＡ（リボ核酸）を完全に破
壊してしまうところから、又、紫外線を発生させること
は従来の薬剤の使用に比して格段に安価であるところか
ら、紫外線は是非とも使用するべきものとの観点で、従
来の紫外線手指殺菌機の、紫外線が目に照射してしまう
欠点を取り除き、且、病室内の空気を強制循環させるこ
とにより殺菌速度を早め病室内を常に無菌状態に保持
し、更にはハウスダストを取り除く、安全な手指空気殺
菌機能を備えた空気清浄機を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に係る手指空気殺
菌機能を備えた空気清浄機は、以上のような課題を解決
したもので次のようなものである。本発明に係る手指空
気殺菌機能を備えた空気清浄機は、箱上のケース体
（１）の正面に、紫外線が直接漏射しない、ほぼ手指の
厚さ大の両手指を水平にして挿入可能なような手指挿入
口（２）を設け、ケース体（１）内の手指挿入口（２）
の上下には、手指挿入口（２）から殺菌灯（５）が死角
となるようにして殺菌灯（５）を配設し、更に、ケース
体（１）の上面に空気吐出口（３）を、下面には吸気口
（４）を設け、ケース体（１）の正面から、随時交換可
能にするため、装着取出可能なように吸気口（４）内面
に密着させて集塵フィルター（７）を配設し、空気が吸
気口（４）からケース体（１）内に吸入され、集塵フィ
ルター（７）内を通過し除塵され、更に殺菌灯（５）に
より殺菌された空気が、空気吐出口（３）から吐出さ
れ、強制循環されるように送風機（９）を配設したもの
である。。尚、集塵フィルター（１）に、消臭及びタバ
コ煙を除去する機能を付加すれば空気清浄性能がより一
層増すことになる。又本発明の手指挿入口（２）は、ケ
ース体（１）の正面に設けられているが、後の実施例で
述べるが、ケース体（１）の両横面に設けてもよい。

【０００５】

【作用】使用方法は、ケース体（１）底部を下側にして
台上に置くか、取付孔（１０）で壁等に吊すかしてコン
セント（１３）を電源に差し込み、スイッチ（１１）を
入れると殺菌灯（５）が点燈し、送風機（９）が作動す
る。手指の殺菌を行うには、ケース体（１）の正面に設
けてある手指挿入口（２）に両手指を水平に挿入すれ
ば、上下の殺菌灯（５）からの紫外線が手指の甲掌に照
射し殺菌される。空気の殺菌及び除塵は、送風機（９）
により、吸気口（４）から矢示Ａの如くケース体（１）
内に空気が吸い込まれ、集塵フィルター（７）により空
気中のハウスダストが除塵され、更にケース体（１）内
では、２個の殺菌灯（５）からの紫外線が空気に照射
し、無菌空気となり、矢示Ｂの如く空気吐出口（３）か
ら吐出される 実験によれば、手指の殺菌については、照射時間が約１
５秒間で１００％により近い殺菌ができ、数十回使用し
ても目に対する紫外線による悪影響は全く生じなかっ
た。

【０００６】

【実施例】

実施例１ 図１に基づいて実施例１を説明する。実施例１の手指空
気殺菌機能を備えた空気清浄機は、箱上のケース体
（１）の正面に、紫外線が直接漏射しない、ほぼ手指の
厚さ大の両手指を水平にして挿入可能なような手指挿入
口（２）を設け、ケース体（１）内の手指挿入口（２）
の上下には、手指挿入口（２）から殺菌灯（５）が死角
となるようにして殺菌灯（５）を配設し、手指が殺菌灯
（５）に触れないようすべく保護網（６）が設けてあ
る。更にケース体（１）の上面に空気吐出口（３）を、
下面には吸気口（４）を設け、ケース体（１）の正面か
ら、随時交換可能にするため、装着取出可能なように吸
気口（４）内面に密着させて集塵フィルター（７）を配
設し、空気が吸気口（４）からケース体（１）内に吸入
され、集塵フィルター（７）内を通過し除塵され、更に
殺菌灯（５）により殺菌された空気が、空気吐出口
（３）から吐出され、強制循環されるように送風機
（９）を配設してある。又ケース体（１）内には、空気
が吸気口（４）から吸入されるように仕切板（８）を設
けてある。尚、殺菌灯（５）には、コンセント（１３）
を有する電源コード（１２）からスイッチ（１１）を経
由して、周知の技術である蛍光燈回路が接続しているが
この蛍光燈回路は、電源種類により、直流、交流用のも
のとすればよい。又スイッチ（１１）に代えて、赤外線
センサー、ＣＤＳセンサー等の手指感知センサーを使用
してもよい。

【０００７】実施例２ 図面はないが実施例２につて説明する。実施例２の手指
空気殺菌機能を備えた空気清浄機は、実施例１の手指挿
入口（２）はケース体（１）の正面に設けられている
が、本発明品の前面に向う使用者に、多少の紫外線でも
照射しないように、手指挿入口を、高さ位置等の条件は
実施例１と同一にして、ケース体（１）の両横に各々片
手が入るようにして２個設けたものであり、その他全て
の構造は実施例１と同様である。使用方法は、本発明品
の前面に向い、両手を片方ずつ２個の手指挿入口に水平
にして挿入すればよい。

【０００８】

【発明の効果】院内感染の主役は、メチシリン耐性黄色
ブドウ球菌によるものであり、死亡事例も多発してい
る。このメチシリン耐性黄色ブドウ球菌は、黄色ブドウ
球菌感染患者に抗生物質を多用したことにより人為的に
作り出されたものである。従って将来に於いても、現在
の耐性黄色ブドウ球菌に対処できる薬品を作り出したと
しても又その薬品に於ける耐性黄色ブドウ球菌が次々と
発生してくることになる。よって耐性黄色ブドウ球菌を
除去する手段としては、手指及び空気を簡単にそして完
全に殺菌できる病院内の環境から処理しなくてはならな
いことになる。然し、手指の殺菌については、現在の方
法である薬品処理による殺菌剤は比較的高価であり、医
療従事者、入院患者及び見舞い人等多数の者が使用する
場合には膨大な量となり経費も莫大なものとなることに
なる。従って大多数の病院がこの経費の問題から感染防
止対策を実施できないのが実情となっている。病室内の
空気殺菌については、薬品によらない処理方法として
は、紫外線による方法が最もよい方法と言えるが、周知
の技術である殺菌灯のみを固定しての室内空気の自然循
環方法では、空気殺菌が殺菌灯周辺に偏り室内全体には
及ばず、又、病室内への人の出入りに伴う空気の出入に
殺菌速度が追い付かないことになる。又病室内の浮遊菌
はハウスダストに付着している場合も多く、更にハウス
ダスト自体も様々な病気に関与し人体には有害とされて
いる。故に病院に於て耐性黄色ブドウ球菌感染患者を作
り出してしまい、己む無く抗生物質を使用し、新たなる
耐性黄色ブドウ球菌を作り出してしまうことはさせない
ために、殺菌灯から発する紫外線はメチシリン耐性黄色
ブドウ球菌等の有害菌を、細胞中にあるＤＮＡ（デオキ
シリボ酸）やＲＮＡ（リボ核酸）を完全に破壊してしま
うところから、又紫外線を発生させることは従来の薬剤
の使用に比して格段に安価であるところから、紫外線は
是非とも使用するべきものとの観点で、従来の紫外線手
指殺菌機の、無効果で更に紫外線が目に照射してしまい
又特に背丈の低い子供等は直接に殺菌灯を目で見てしま
い紫外線性眼炎を発生させる安全度の低い重大な欠点
を、本発明による手指空気殺菌機能を備えた空気清浄機
では使用者の目に紫外線が全く照射しない構造としたこ
とで取り除き、更に、病室内の空気を殺菌、除塵しつつ
強制循環させることにより殺菌速度を早め、病室内を常
に無菌無塵状態に保持することができる手指殺菌、空気
殺菌及び除塵機能を備えた安全なものとした。尚、除塵
フィルターに、消臭及びタバコ煙の除去機能を付加すれ
ば、病室内等の悪臭及び一般家庭に於ける悪臭、タバコ
煙を除去することが可能になり、より一層の空気清浄効
果をもたらすことになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一部切欠斜視図である。

【符号の説明】

１ ケース体 ２ 手指挿入口 ３ 空気吐出口 ４ 吸気口 ５ 殺菌灯 ７ 集塵フィルター ９ 送風機

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱上のケース体（１）の正面に手指挿入
   口（２）を設け、ケース体（１）内の手指挿入口（２）
   の上下に殺菌灯（５）を配設し、更に、ケース体（１）
   の上面に空気吐出口（３）を、下面には吸気口（４）を
   設け、ケース体（１）の正面から装着取出可能なように
   吸気口（４）内面に密着させて集塵フィルター（７）を
   配設し、空気が吸気口（４）からケース体（１）内に吸
   入され集塵フィルター（７）内を通過し除塵され、更に
   殺菌灯（５）により殺菌された空気が、空気吐出口
   （３）から吐出されるように、送風機（９）を配設した
   手指空気殺菌機能を備えた空気清浄機