JP2024040508A - 医薬品の発注を支援するためのシステム、プログラム、および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】医薬品リストから発注すべき医薬品をピックアップする手間が省かれ、かつ、発注する医薬品の抜け漏れを防止することが可能な、医薬品の発注を支援するためのシステム等を提供すること【解決手段】本発明は、医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステムを提供し、本発明のコンピュータシステムは、調剤データを取得する取得手段と、前記調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定する決定手段と、前記発注すべき医薬品を表示する表示手段とを備える。【選択図】図6
Description
本発明は、医薬品の発注を支援するためのシステム、プログラム、および方法に関する。
従来から医薬品発注システムが存在していた(特許文献1等)。
従来の医薬品発注システムでは、調剤薬局において発注者が医薬品を発注する際に、発注者は、医薬品名で検索したり、予め調剤薬局で扱う医薬品として登録している医薬品から発注したい医薬品を選択したりして、発注すべき医薬品を特定し、その医薬品の発注量を指定して発注していた。このように、従来の医薬品発注システムでは、発注すべき医薬品の特定は人手で行われており、医薬品リストから発注すべき医薬品をピックアップする手間がかかり、かつ、発注する医薬品に抜け漏れが発生する可能性があった。また、調剤実績を別途管理するシステムおよび在庫情報を別途管理するシステムを参照して発注量を決定しており、システムを横断して操作する必要があったため、発注業務に多大な時間を要していた。
本発明は、従来の医薬品発注システムの上述した事情に鑑みてなされたものであり、医薬品の発注を支援するためのシステム、プログラム、および方法を提供することを目的とする。
一実施形態において、本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステムであって、
調剤データを取得する取得手段と、
前記調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定する決定手段と、
前記発注すべき医薬品を表示する表示手段と
を備えるコンピュータシステム。
(項目2)
前記調剤データは、調剤単位コードを含み、
前記コンピュータシステムは、前記発注すべき医薬品の調剤単位コードを発注単位コードに変換する変換手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記発注単位コードに対応する発注単位で前記発注すべき医薬品を表示する、項目1に記載のコンピュータシステム。
(項目3)
前記変換手段は、
前記調剤単位コードと前記発注単位コードとが1対N(Nは2以上の自然数)の関係にあるか否かを判定する判定手段と、
前記調剤単位コードと前記発注単位コードとが1対Nの関係にある場合に、前記調剤データに基づいて、N個の候補発注単位コードから少なくとも1つの発注単位コードを決定する発注単位コード決定手段と
を備える、項目2に記載のコンピュータシステム。
(項目4)
前記発注単位コード決定手段は、条件付き確率モデルを用いて、少なくとも1つの発注単位コードを決定する、項目3に記載のコンピュータシステム。
(項目5)
前記条件付確率モデルは、マルコフモデルである、項目4に記載のコンピュータシステム。
(項目6)
前記発注単位コード決定手段は、
前記調剤データに基づいて、前記医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定する在庫量判定手段
を備え、前記発注単位コード決定手段は、
前記在庫量判定手段によって前記医薬品の在庫量が適正在庫量未満であると判定された場合に、
前記N個の候補発注単位コードの各候補発注単位コードについて、前記医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときにその候補発注単位コードで前記医薬品を発注する確率を算出することと、
前記確率に基づいて前記少なくとも1つの発注単位コードを決定することと
を行うように構成されている、項目4または項目5に記載のコンピュータシステム。
(項目7)
前記取得手段は、医薬品の発注データをさらに取得し、
前記確率は、P(mi|S1)で表され、ここで、
P(mi|S1)=P(S1∧mi)/P(S1)
であり、P(S1)は、所定期間Tにおいて前記医薬品の在庫量が適正在庫量未満である日数Ts1の割合であり、P(S1∧mi)は、所定期間Tにおいて前記医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときに候補発注単位コードmiで前記医薬品が発注された日数Tmiの割合である、項目6に記載のコンピュータシステム。
(項目8)
前記変換手段は、前記調剤データに基づいて、前記発注すべき医薬品の調剤量を算出する算出手段をさらに備え、
前記在庫量判定手段は、前記算出された調剤量に基づいて、前記医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定する、項目6または項目7に記載のコンピュータシステム。
(項目9)
前記取得手段は、医薬品の在庫データをさらに取得し、
前記表示手段は、前記調剤データに基づく前記発注すべき医薬品の調剤量と、前記在庫データに基づく前記発注すべき医薬品の在庫量とを表示する、項目1~8のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目10)
前記取得手段は、1日単位の調剤データを取得する、項目1~9のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目11)
医薬品の発注を支援するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部と、表示部とを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
調剤データを取得することと、
前記調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定することと、
前記発注すべき医薬品を前記表示部に表示することと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
(項目12)
医薬品の発注を支援するための方法であって、前記方法は、
調剤データを取得することと、
前記調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定することと、
前記発注すべき医薬品を表示することと
を含む、方法。
(項目1)
医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステムであって、
調剤データを取得する取得手段と、
前記調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定する決定手段と、
前記発注すべき医薬品を表示する表示手段と
を備えるコンピュータシステム。
(項目2)
前記調剤データは、調剤単位コードを含み、
前記コンピュータシステムは、前記発注すべき医薬品の調剤単位コードを発注単位コードに変換する変換手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記発注単位コードに対応する発注単位で前記発注すべき医薬品を表示する、項目1に記載のコンピュータシステム。
(項目3)
前記変換手段は、
前記調剤単位コードと前記発注単位コードとが1対N(Nは2以上の自然数)の関係にあるか否かを判定する判定手段と、
前記調剤単位コードと前記発注単位コードとが1対Nの関係にある場合に、前記調剤データに基づいて、N個の候補発注単位コードから少なくとも1つの発注単位コードを決定する発注単位コード決定手段と
を備える、項目2に記載のコンピュータシステム。
(項目4)
前記発注単位コード決定手段は、条件付き確率モデルを用いて、少なくとも1つの発注単位コードを決定する、項目3に記載のコンピュータシステム。
(項目5)
前記条件付確率モデルは、マルコフモデルである、項目4に記載のコンピュータシステム。
(項目6)
前記発注単位コード決定手段は、
前記調剤データに基づいて、前記医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定する在庫量判定手段
を備え、前記発注単位コード決定手段は、
前記在庫量判定手段によって前記医薬品の在庫量が適正在庫量未満であると判定された場合に、
前記N個の候補発注単位コードの各候補発注単位コードについて、前記医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときにその候補発注単位コードで前記医薬品を発注する確率を算出することと、
前記確率に基づいて前記少なくとも1つの発注単位コードを決定することと
を行うように構成されている、項目4または項目5に記載のコンピュータシステム。
(項目7)
前記取得手段は、医薬品の発注データをさらに取得し、
前記確率は、P(mi|S1)で表され、ここで、
P(mi|S1)=P(S1∧mi)/P(S1)
であり、P(S1)は、所定期間Tにおいて前記医薬品の在庫量が適正在庫量未満である日数Ts1の割合であり、P(S1∧mi)は、所定期間Tにおいて前記医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときに候補発注単位コードmiで前記医薬品が発注された日数Tmiの割合である、項目6に記載のコンピュータシステム。
(項目8)
前記変換手段は、前記調剤データに基づいて、前記発注すべき医薬品の調剤量を算出する算出手段をさらに備え、
前記在庫量判定手段は、前記算出された調剤量に基づいて、前記医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定する、項目6または項目7に記載のコンピュータシステム。
(項目9)
前記取得手段は、医薬品の在庫データをさらに取得し、
前記表示手段は、前記調剤データに基づく前記発注すべき医薬品の調剤量と、前記在庫データに基づく前記発注すべき医薬品の在庫量とを表示する、項目1~8のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目10)
前記取得手段は、1日単位の調剤データを取得する、項目1~9のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目11)
医薬品の発注を支援するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部と、表示部とを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
調剤データを取得することと、
前記調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定することと、
前記発注すべき医薬品を前記表示部に表示することと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
(項目12)
医薬品の発注を支援するための方法であって、前記方法は、
調剤データを取得することと、
前記調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定することと、
前記発注すべき医薬品を表示することと
を含む、方法。
本発明によれば、医薬品リストから発注すべき医薬品をピックアップする手間が省かれ、かつ、発注する医薬品の抜け漏れを防止することが可能な、医薬品の発注を支援するためのシステム、プログラム、および方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
1.医薬品の発注を支援するための新たなサービス
本発明の発明者は、従来の医薬品発注システムにおける上述した事情に鑑み、医薬品の発注を支援するための新たなサービスを開発した。そのサービスの1つは、発注すべき医薬品を決定することを支援するために、調剤薬局において発注者が医薬品を発注する際に、調剤実績に基づいて、発注すべき医薬品を発注者に提示するサービスである。このサービスでは、例えば、その日に調剤された医薬品が、発注すべき医薬品として自動的に発注者に提示される。発注者は、このサービスを利用することにより、自ら発注する医薬品を特定することなく、自動的に発注すべき医薬品の提示を受けることができるようになる。これにより、医薬品リストから発注すべき医薬品をピックアップする手間が省かれ、かつ、発注する医薬品の抜け漏れを防止することができる。
本発明の発明者は、従来の医薬品発注システムにおける上述した事情に鑑み、医薬品の発注を支援するための新たなサービスを開発した。そのサービスの1つは、発注すべき医薬品を決定することを支援するために、調剤薬局において発注者が医薬品を発注する際に、調剤実績に基づいて、発注すべき医薬品を発注者に提示するサービスである。このサービスでは、例えば、その日に調剤された医薬品が、発注すべき医薬品として自動的に発注者に提示される。発注者は、このサービスを利用することにより、自ら発注する医薬品を特定することなく、自動的に発注すべき医薬品の提示を受けることができるようになる。これにより、医薬品リストから発注すべき医薬品をピックアップする手間が省かれ、かつ、発注する医薬品の抜け漏れを防止することができる。
このサービスでは、さらに、発注すべき医薬品の発注量を決定することも支援することができる。具体的には、発注すべき医薬品の発注量を決定することを支援するために、発注すべき医薬品のその日の調剤量および在庫量が共に発注者に提示される。発注者は、このサービスを利用することにより、調剤実績を別途管理するシステムおよび在庫情報を別途管理するシステムを横断的に操作する必要がなくなり、発注業務に要する時間を削減することができる。
図1は、医薬品の発注を支援するためのサービスを利用する調剤薬局の端末装置に表示される画面の一例を示す。例えば、調剤薬局の端末装置は、医薬品の発注を支援するためのサービスを利用するために、医薬品の発注を支援するためのアプリケーションをインストールして、そのアプリケーションを起動するか、医薬品の発注を支援するためのウェブアプリケーションを提供するサーバにアクセスして、そのウェブアプリケーションを起動することができる。すなわち、調剤薬局の端末装置は、医薬品の発注を支援するためのサービスをオフラインでまたはオンラインで利用することができる。
調剤薬局の発注業務は、欠品・過剰在庫を防ぎ適正在庫を保つように毎日行われる定期業務である。発注者は、当日の営業終了後に、医薬品を発注することになる。
図1に示される画面10は、医薬品を発注するための画面である。画面10には、その日に調剤された医薬品が、発注すべき医薬品として自動的に表示される。これにより、発注者は、医薬品リストから発注すべき医薬品をピックアップする必要がない。また、発注する医薬品の抜け漏れも防止される。
画面10は、医薬品情報表示欄11と、当日調剤量表示欄と12と、在庫量表示欄13とを備える。画面10はまた、発注実行ボタン14を備える。画面10はさらに、医薬品毎に、チェックボックス15と、数量入力欄16と、発注先入力欄17とを備える。
医薬品情報表示欄11には、各医薬品の情報が表示される。医薬品の情報は、例えば、医薬品名、包装単位(包装)、包装単位あたりの薬価(包装薬価)、販売会社、薬価等の販売される医薬品に関する情報である。例えば、図1に示される例では、医薬品名「ザイザル錠5mg」について、包装単位が10錠×10PTPであり、包装単位当たりの薬価が8780円であり、GSK社が販売し、1錠当たり87.8円であることが表示されている。
当日調剤量表示欄12には、各医薬品のその日の調剤量が表示される。例えば、図1に示される例では、「アラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用」のその日の調剤量が1キットであり、「クラリスロマイシン錠200mg『トーワ』」のその日の調剤量が14錠であり、「ザイザル錠5mg」のその日の調剤量が7錠であり、「シングレア錠10mg」のその日の調剤量が7錠であることが表示されている。発注者は、画面10の当日調剤量表示欄12を見るだけで、調剤実績を別途管理するシステムに自らアクセスすることなく、その日の調剤実績を確認することができる。
在庫量表示欄13には、各医薬品のその日の在庫量、すなわち、その日の営業終了後の在庫量が表示される。在庫量は、例えば、絶対量として表示されてもよいし、適正在庫量に対する相対量として表示されてもよい。図1に示される例では、適正在庫量に対する相対量として表示されている。例えば、図1に示される例では、「アラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用」のその日の在庫量が(適正在庫量-1キット)であり、「クラリスロマイシン錠200mg『トーワ』」のその日の在庫量が(適正在庫量+12錠)であり、「ザイザル錠5mg」のその日の在庫量が(適正在庫量-7錠)であり、「シングレア錠10mg」のその日の在庫量が(適正在庫量-7錠)であることが表示されている。発注者は、画面10の在庫量表示欄13を見るだけで、在庫情報を別途管理するシステムに自らアクセスすることなく、その日の在庫量を確認することができる。なお、適正在庫量は、医薬品毎に設定される値であり、発注者によって設定されることができる。
発注実行ボタン14は、発注を実行するために操作されるボタンである。例えば、後述するチェックボックス15、数量入力欄16、および発注先入力欄17を用いて、発注する医薬品ならびにその発注量および発注先を決定したうえで発注実行ボタン14を操作すると、医薬品の発注が実行される。
チェックボックス15は、画面10に表示された発注すべき医薬品から実際に発注する医薬品を選択するために操作される。例えば、チェックボックス15にチェックすることにより、その医薬品が発注対象となる。
数量入力欄16は、発注する医薬品の数量を入力するための欄である。数量入力欄16には、例えば、キー入力によって数量を入力するようにしてもよいし、プルダウンリストから数量を選択することによって数量を入力するようにしてもよい。
発注先入力欄17は、発注する医薬品の発注先を入力するための欄である。発注先入力欄17には、例えば、キー入力によって発注先を入力するようにしてもよいし、プルダウンリストから発注先を選択することによって発注先を入力するようにしてもよい。
発注のために必要な情報が画面10に集約されているため、発注者は、画面10を利用するだけで医薬品の発注業務を完遂することができる。発注者は、例えば、当日調剤量表示欄12に表示された調剤量と在庫量表示欄13に表示された在庫量とを考慮して、画面10に表示された発注すべき医薬品のうち、どの医薬品を実際に発注するかを簡単に決定することができる。これにより、発注業務に要する時間を削減することができる。
医薬品の中には、複数の包装単位を有する医薬品が存在する。例えば、「ロサルタンカリウム錠25mg『アメル』」は、10錠×10PTPの包装単位と、14錠×10PTPの包装単位と、500錠×1瓶の包装単位とを有する。このような複数の包装単位を有する医薬品について、複数の包装単位のそれぞれを画面10に表示することができる。発注者は、当日調剤量表示欄12に表示された調剤量と在庫量表示欄13に表示された在庫量とを考慮して、画面10に表示された発注すべき医薬品の複数の包装単位のうち、どの包装単位を実際に発注するかを決定することができる。
しかしながら、複数の包装単位のうちどの包装単位を発注すべきかを検討するのは煩わしい場合がある。また、当日調剤量表示欄12に表示された調剤量と在庫量表示欄13に表示された在庫量とを考慮して実際に発注する包装単位を決定することには、ある程度の医薬品発注経験が必要な場合もある。そこで、複数の包装単位を有する医薬品について、複数の包装単位のうちの少なくとも1つの包装単位のみを画面10に表示するようにしてもよい。画面10に表示される少なくとも1つの包装単位は、例えば、その調剤薬局の過去の調剤実績および発注実績から、発注する確率が最も高い包装単位であり得る。これにより、発注者は、複数の包装単位を有する医薬品について、複数の包装単位のうちどの包装単位を発注すべきかを検討する必要なく、また、複数の包装単位のうちどの包装単位を発注すべきかを決定するための発注経験を有することなく、適切な発注単位を決定することができるようになる。これにより、発注業務に要する時間をさらに削減することができる。
上述した医薬品の発注を支援するための新たなサービスは、例えば、以下に説明する医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステムによって実現され得る。
2.医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステムの構成
図2は、医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
図2は、医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
コンピュータシステム100は、例えば、調剤薬局で用いられる端末装置(スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートグラス等の任意のタイプの端末装置)であり得る。コンピュータシステム100は、データベース部200に接続されている。例えば、コンピュータシステム100は、ネットワークを介して、医薬品の発注先のコンピュータシステム(図示せず)に接続され得る。例えば、コンピュータシステム100は、ネットワークを介して、調剤データを管理するレセプトコンピュータシステム(図示せず)に接続され得る。レセプトコンピュータシステムは、例えば、コンピュータシステム100が接続されている調剤薬局のローカルネットワーク内に位置してもよいし、調剤薬局のローカルネットワーク外に位置してもよい。
コンピュータシステム100は、インターフェース部110と、プロセッサ部120と、メモリ130部とを備える。
インターフェース部110は、コンピュータシステム100の外部と情報のやり取りを行う。コンピュータシステム100のプロセッサ部120は、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部から情報を受信することが可能であり、コンピュータシステム100の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部110は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様でコンピュータシステム100に情報を入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部がタッチパネルである場合には、ユーザがタッチパネルにタッチすることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマウスである場合には、ユーザがマウスを操作することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がキーボードである場合には、ユーザがキーボードのキーを押下することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマイクである場合には、ユーザがマイクに音声を入力することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がカメラである場合には、カメラが撮像した情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がデータ読み取り装置である場合には、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体から情報を読み取ることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部が受信器である場合、受信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部から情報を受信することにより入力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、受信器は、インターネットを介して情報を受信してもよいし、LANを介して情報を受信してもよい。
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様でコンピュータシステム100から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力部が表示画面である場合、表示画面に情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がスピーカである場合には、スピーカからの音声によって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がデータ書き込み装置である場合、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体に情報を書き込むことによって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部が送信器である場合、送信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部に情報を送信することにより出力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、送信器は、インターネットを介して情報を送信してもよいし、LANを介して情報を送信してもよい。
インターフェース部110の出力部が表示画面である場合には、インターフェース部110の出力部は、例えば、図1の画面10等の画面を表示することができる。インターフェース部110の出力部は、例えば、プロセッサ部120によって決定された発注すべき医薬品を表示することができる。一実施形態では、インターフェース部110の出力部は、プロセッサ部120によって決定された発注すべき医薬品を、発注単位コードに対応する発注単位で表示することができる。さらに、インターフェース部110の出力部は、発注すべき医薬品と共に、発注すべき医薬品の調剤量および発注すべき医薬品の在庫量も表示することができる。
プロセッサ部120は、コンピュータシステム100の処理を実行し、かつ、コンピュータシステム100全体の動作を制御する。プロセッサ部120は、メモリ部130に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
メモリ部130は、コンピュータシステム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部130は、医薬品の発注を支援するための処理をプロセッサ部120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図6、図7、図8、図9に示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部130に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部130にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部130は、任意の記憶手段によって実装され得る。
データベース部200は、例えば、調剤データを格納し得る。調剤データは、調剤毎に生成されるデータである。調剤データは、例えば、調剤日時、調剤単位コード、および、用法を示す情報を含む。調剤単位コードは、医薬品と1対1で対応付けられるコードであり、例えば、YJコードであり得る。調剤単位コードを用いて調剤が管理される。用法を示す情報は、例えば、種類(例えば、内服であるか、頓服であるか、それ以外であるか等)、1日の服用回数、服用日数を含み得る。調剤データは、例えば、患者、処方箋等の情報をさらに含み得る。例えば、調剤日時は、任意の単位であり得、秒単位であってもよいし、分単位であってもよいし、時間単位であってもよいし、日単位であってもよいし、週単位であってもよい。
データベース部200は、例えば、発注データをさらに格納するようにしてもよい。発注データは、発注毎に生成されるデータである。発注データは、例えば、発注単位コード、および、発注日時を示す情報を含む。発注単位コードは、包装単位(発注単位)と1対1で対応付けられるコードであり、例えば、GTIN(Global Trade Item Number)コードまたはJANコードであり得る。発注単位コードを用いて発注が行われる。発注データは、例えば、発注量、発注先等の情報をさらに含み得る。
データベース部200は、例えば、在庫データをさらに格納するようにしてもよい。在庫データは、調剤薬局の現在の在庫量を示す情報を含む。現在の在庫量は、例えば、初期在庫量と、調剤データと、発注データとに基づいて算出され得る。例えば、後述する処理により調剤データから算出された調剤量によって出庫量が分かり、在庫データによって入庫量が分かることから、初期在庫量と、入庫量および出庫量との関係を累積的に計算することにより、現在の在庫量が算出される。これにより、頻繁な在庫チェックを行う必要がなくなり、在庫管理の手間が削減されることになる。もちろん、現在の在庫量は、実際の在庫チェックの結果であってもよい。
データベース部200は、例えば、医薬品コード表を格納し得る。医薬品コード表は、医薬品のコード体系がまとめられた表である。医薬品コード表には、少なくとも、各医薬品の調剤単位コードと発注単位コードとの対応関係が示されている。
例えば、データベース部200は、レセプトコンピュータシステム(図示せず)に接続され、レセプトコンピュータシステムから送信される調剤データを格納するようにしてもよい。このとき、コンピュータシステム100は、レセプトコンピュータシステムと直接接続する必要はなく、データベース部200を介して調剤データを受信することができる。
図3Aは、データベース部200に格納される調剤データのデータ構成の一例を示す。図3Aでは、調剤毎に生成されるデータ310の一例を示す。
例えば、レセプトコンピュータシステムが、調剤毎にIDを付与してデータ310を生成する。例えば、レセプトコンピュータシステムは、入力されたレセプトデータを構文解析することにより、調剤データ310を生成することができる。生成されたデータ310は、データベース部200に送られ、調剤毎に格納される。各データ310は、例えば、調剤日時、調剤単位コード、用法、患者コード等の項目を有する。用法は、例えば、種類、服用日数、1日の服用回数等の項目を有する。
図3Bは、データベース部200に格納される発注データのデータ構成の一例を示す。図3Bでは、発注毎に生成されるデータ320の一例を示す。
例えば、コンピュータシステム100が、発注の実行毎にIDを付与してデータ320を生成する。生成されたデータ320は、データベース部200に送られ、発注毎に格納される。各データ320は、例えば、発注日時、発注単位コード、発注量、発注先コード等の項目を有する。
上述したデータの例は一例であり、データベース部200は、他の任意のデータを格納し得る。
図2に示される例では、データベース部200は、コンピュータシステム100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200の少なくとも一部をコンピュータシステム100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200の少なくとも一部は、メモリ部130を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部130を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200の少なくとも一部は、コンピュータシステム100のための格納部として構成される。例えば、データベース部200に格納される情報のうち、医薬品コード表がコンピュータシステム100内の格納部に格納されることができる。例えば、データベース部200に格納される情報のうち、調剤データがコンピュータシステム100内の格納部に格納されることができる。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、コンピュータシステム100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
例えば、コンピュータシステム100がデータベース部200から調剤データを受信する代わりに、コンピュータシステム100は、レセプトコンピュータシステム(図示せず)にインターフェース部110を介して接続され、レセプトコンピュータシステムから直接調剤データを受信することも本発明の範囲内である。
図4は、プロセッサ部120の構成の一例を示す。
プロセッサ部120は、取得手段121と、決定手段122とを備える。
取得手段121は、調剤データを取得するように構成されている。調剤データは、例えば、調剤日時、調剤単位コード、および、用法を示す情報を含み、例えば、患者、処方箋等の情報をさらに含み得る。調剤データは、例えば、図3Aを参照して上述したようなデータ構成を有し得る。取得手段121は、例えば、調剤データ内の調剤日時の情報を用いてフィルタリングし、特定の日時または期間に行われた調剤の調剤データのみを取得するようにしてもよい。例えば、取得手段121は、1日単位の調剤データを取得することができる。これにより、医薬品を発注しようとする日に行われた調剤の調剤データのみを扱うことができるようになり、後続の処理負荷が軽減される。
取得手段121は、例えば、通信インターフェース部110を介してレセプトコンピュータシステムから受信された調剤データを取得するようにしてもよい。あるいは、取得手段121は、データベース部200に格納されている調剤データを通信インターフェース部110を介して取得するようにしてもよい。取得された調剤データは、決定手段122に渡される。
取得手段121はさらに、発注データを取得するように構成され得る。発注データは、例えば、発注単位コード、および、発注日時を示す情報を含み、例えば、発注量、発注先等の情報をさらに含み得る。発注データは、例えば、図3Bを参照して上述したようなデータ構成を有し得る。取得手段121は、例えば、発注データ内の発注日時の情報を用いてフィルタリングし、特定の日時または期間に行われた発注の発注データのみを取得するようにしてもよい。これにより、医薬品を発注しようとする日前の所定期間内の発注データのみを扱うことができるようになり、後続の処理負荷が軽減される。
取得手段121はさらに、調剤薬局の在庫を示す情報を含む在庫データを取得するように構成され得る。在庫データは、例えば、在庫をチェックする毎に生成され得るデータであってもよいし、例えば、初期在庫量と、調剤データと、発注データとに基づいて算出されるデータであってもよい。取得手段121は、例えば、在庫データ内の日時の情報を用いてフィルタリングし、特定の日時または期間の在庫データのみを取得するようにしてもよい。これにより、医薬品を発注しようとする日現在の在庫データのみを扱うことができるようになり、後続の処理負荷が軽減される。
取得手段121は、例えば、データベース部200に格納されている発注データおよび/または在庫データを通信インターフェース部110を介して取得するようにしてもよい。取得された発注データおよび在庫データは、後の処理のために変換手段123に渡され得る。
決定手段122は、取得手段121によって取得された調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定するように構成されている。例えば、取得手段121が、フィルタリングにより医薬品を発注しようとする日の調剤データを取得した場合には、決定手段122は、取得手段121によって取得された調剤データの調剤単位コードが示す医薬品を発注すべき医薬品として決定することができる。あるいは、例えば、取得手段121がフィルタリングを行わなかった場合には、決定手段122は、取得手段121によって取得された調剤データの調剤日時を用いてフィルタリングして、発注をしようとする日の調剤データを抽出し、抽出された調剤データの調剤単位コードが示す医薬品を発注すべき医薬品として決定することができる。発注すべき医薬品として決定された医薬品の調剤単位コードは、変換手段123に渡される。
プロセッサ部120は、さらに、変換手段123を備えることができる。
変換手段123は、決定手段122によって決定された発注すべき医薬品の調剤単位コードを発注単位コードに変換するように構成されている。調剤単位コードのままでは発注処理を行うことができないため、発注単位コードに変換する必要がある。調剤単位コードは、医薬品と1対1で対応付けられるコードであり、発注単位コードは、包装単位(発注単位)と1対1で対応付けられるコードである。単一の包装単位を有する医薬品であれば、調剤単位コードと発注単位コードとは1対1の関係にあるため、変換手段123は、単純に、調剤単位コードを発注単位コードに変換することができる。他方で、複数の包装単位を有する医薬品である場合、調剤単位コードと発注単位コードとは1対N(Nは2以上の自然数)の関係にある。例えば、「ロサルタンカリウム錠」は、表1に示すとおり、3つの包装単位を有し、調剤単位コードと発注単位コードとは1対3の関係にある。
このように、調剤単位コードと発注単位コードとは1対Nの関係にある場合には、変換手段123は、N個の候補発注単位コードから少なくとも1つの発注単位コードを決定する発注単位コード決定手段を備えることができる。一実施形態において、発注単位コード決定手段は、例えば、N個の候補発注単位コードの各候補発注単位コードについて、条件付き確率モデルを用いて確率を算出することにより、N個の候補発注単位コードのうち、確率が最も高い候補発注単位コードを少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。一実施形態において、発注単位コード決定手段は、例えば、N個の候補発注単位コードの各候補発注単位コードについて、推論を用いて確率を算出することにより、N個の候補発注単位コードのうち、確率が最も高い候補発注単位コードを少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。推論は、例えば、ベイズ推定であり得る。一実施形態において、発注単位コード決定手段は、例えば、N個の候補発注単位コードの各候補発注単位コードについて、ニューラルネットワーク等の機械学習を用いて確率を算出することにより、N個の候補発注単位コードのうち、確率が最も高い候補発注単位コードを少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。確率が最も高い候補発注単位コードが複数ある場合には、それらの候補発注単位コードを少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。条件付き確率モデルでは、調剤薬局の医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかに応じて用いられる確率が異なる。例えば、医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるとき、医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときに候補発注単位コードで医薬品を発注する確率が用いられ得る。例えば、医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるとき、医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるときに適正在庫量を下回る調剤が行われる確率が用いられ得る。
発注単位コード決定手段は、例えば、取得手段121によって取得された在庫データに基づいて、調剤薬局の医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定することができる在庫量判定手段を備えることができる。一実施形態において、在庫量判定手段は、例えば、取得手段121によって取得された調剤データに基づいて算出された調剤量に基づいて、医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定することができる。医薬品の調剤量を算出するために、変換手段123は、算出手段を備えることができる。指定手段は、取得手段121によって取得された調剤データに基づいて、医薬品の調剤量を算出する。算出手段は、例えば、図9を参照して後述する処理を行うことができる。在庫量判定手段は、例えば、算出された調剤量を前日の在庫量から減算し、差と適正在庫量とを比較することによって、医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定することができる。ここでは、差が、医薬品の在庫量となる。
条件付き確率モデルは、例えば、マルコフモデルである。発注作業は、マルコフ性を有していると仮定することができることから、マルコフモデルによってモデル化することが可能である。
図5は、発注単位コード決定手段によって用いられるマルコフモデルの一例を示す。マルコフモデルは、適正在庫量がある状態S0と、適正在庫量がない状態S1とを有し、発注および調剤により、この2つの状態間を遷移する。
例えば、適正在庫量がある状態S0で、適正在庫量を下回らない量の調剤が行われた場合、S0→S0に遷移する。このときの確率P(S0|S0)は、所定期間Tにおいて、適正在庫を下回らない量の調剤をした日数の割合として計算され得る。
例えば、適正在庫量がある状態S0で、適正在庫量を下回る量の調剤等(例えば、調剤、廃棄等)が行われた場合、S0→S1に遷移する。このときの確率P(S1|S0)は、所定期間Tにおいて、調剤等により適正在庫量を下回った日数の割合として計算され得る。
例えば、適正在庫量がない状態S1で、発注をしなかった場合、S1→S1に遷移する。このときの確率P(S1|S1)は、所定期間Tにおいて、適正在庫量がない状態にもかかわらず発注をしなかった日数の割合として計算され得る。
例えば、適正在庫量がない状態S1で、発注をした場合、S1→S0に遷移する。このときの確率P(S0|S1)は、P(mi|S1)で計算され、ここで、
P(mi|S1)=P(S1∧mi)/P(S1)
であり、P(S1)は、所定期間Tにおいて適正在庫量がない日数Ts1の割合であり、P(S1∧mi)は、所定期間Tにおいて適正在庫量がない状態で第iの候補発注単位コードmiで医薬品が発注された日数Tmiの割合である。
P(mi|S1)=P(S1∧mi)/P(S1)
であり、P(S1)は、所定期間Tにおいて適正在庫量がない日数Ts1の割合であり、P(S1∧mi)は、所定期間Tにおいて適正在庫量がない状態で第iの候補発注単位コードmiで医薬品が発注された日数Tmiの割合である。
発注単位コード決定手段は、上述したように在庫量判定手段によって調剤薬局の医薬品の在庫量の状態を判定し、すなわち、適正在庫量がある状態S0であるか、適正在庫量がない状態S1であるかを判定し、判定された状態に応じて異なる式を用いて確率を算出する。
適正在庫量がある状態S0であると判定された場合には、確率P(S1|S0)を用いる。なお、上記定義によると、N個の候補発注単位コードのそれぞれで確率P(S1|S0)が同一になるため、N個の候補発注単位コードすべてが、少なくとも1つの発注単位コードとして決定され得る。
適正在庫量がない状態S1であると判定された場合には、確率P(S0|S1)を用いる。N個の候補発注単位コードのうち、確率P(S0|S1)が最も高い候補発注単位コードが、少なくとも1つの発注単位コードとして決定され得る。
変換手段123によって調剤単位コードを少なくとも1つの発注単位コードに変換することにより、例えば、発注すべき医薬品は、少なくとも1つの発注単位コードに対応する発注単位で、インターフェース部110の出力部に表示されることになる。例えば、図1に示される画面10のように、発注単位で、発注すべき医薬品がユーザに提示される。例えば、調剤単位コードと発注単位コードとは1対Nの関係にある場合であっても、発注すべき医薬品は、発注される確率が最も高い発注単位コードの包装単位のみで表示されることになる。このとき、発注すべき医薬品の調剤量と、発注すべき医薬品の在庫量も、インターフェース部110の出力部を介して、コンピュータシステム100のユーザに提供されるようにしてもよい。
なお、上述したコンピュータシステム100の各構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。複数のハードウェア部品で構成される場合は、各ハードウェア部品が接続される態様は問わない。各ハードウェア部品は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。本発明のコンピュータシステム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部120をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。本発明のコンピュータシステム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
3.医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステムによる処理
図6は、医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステム100による処理600の一例を示す。処理600は、コンピュータシステム100のプロセッサ部120において実行される。
図6は、医薬品の発注を支援するためのコンピュータシステム100による処理600の一例を示す。処理600は、コンピュータシステム100のプロセッサ部120において実行される。
ステップS601では、プロセッサ部120の取得手段121が、調剤データを取得する。調剤データは、調剤単位コードを含む。調剤単位コードは、医薬品と1対1の関係を有している。取得手段121は、例えば、通信インターフェース部110を介してレセプトコンピュータシステムから受信された調剤データを取得するようにしてもよいし、あるいは、データベース部200に格納されている調剤データを通信インターフェース部110を介して取得するようにしてもよい。取得手段121は、例えば、調剤データ内の調剤日時の情報を用いてフィルタリングし、特定の日時または期間に行われた調剤の調剤データのみを取得することができる。例えば、取得手段121は、1日単位の調剤データを取得することができる。これにより、発注をしようとする日の調剤データのみを扱うようになり、後続の処理負荷が軽減される。取得手段121が調剤データを取得すると、ステップS602に進む。
ステップS602では、プロセッサ部120の決定手段122が、ステップS601で取得された調剤データに基づいて、発注すべき医薬品を決定する。決定手段122は、例えば、ステップS601で取得された調剤データの調剤単位コードが示す医薬品を発注すべき医薬品として決定することができる。発注すべき医薬品が決定されると、決定された発注すべき医薬品が、インターフェース部110の出力部を介して、表示される。発注すべき医薬品を表示するに際して、発注すべき医薬品の発注単位コードを決定しておくことが好ましい。調剤単位コードは、販売される包装単位に対応しておらず、調剤単位コードのままでは、発注をすることができないからである。発注すべき医薬品を表示するに際して、発注すべき医薬品の発注単位コードを出力するために、ステップS603が行われる。
ステップS603では、プロセッサ部120の変換手段123が、ステップS602で決定された発注すべき医薬品の調剤単位コードを発注単位コードに変換する。ステップS603では、ステップS602で決定されたすべての発注すべき医薬品について、調剤単位コードが発注単位コードに変換される。ステップS603における具体的な処理の一例は、図7を参照して後述する。
ステップS603で発注すべき医薬品の調剤単位コードが発注単位コードに変換されると、ステップS602で決定された医薬品が、インターフェース部110の出力部を介して、発注単位コードに対応する発注単位で表示されることができるようになる。例えば、図1に示される画面10のように、発注単位で、発注すべき医薬品が出力される。
図7は、ステップS603における、発注すべき医薬品の調剤単位コードを発注単位コードに変換する処理の一例を示す。この処理は、プロセッサ部120の変換手段123によって行われる。以下では、ステップS602で決定された発注すべき医薬品のうち、1つの医薬品Aについて、調剤単位コードを発注単位コードに変換する処理の一例を説明する。
ステップS701では、変換手段123の判定手段が、医薬品Aの調剤単位コードと発注単位コードとが1:N(Nは2以上の整数)の関係にあるか否かを判定する。判定手段は、例えば、データベース部200に格納されている医薬品コード表を参照して、ステップS602で決定された医薬品Aの調剤単位コードと発注単位コードとの関係を判定する。調剤単位コードと発注単位コードとが1:Nの関係にある場合には、ステップS702に進む。調剤単位コードと発注単位コードとが1:Nの関係にない場合、すなわち、調剤単位コードと発注単位コードとが1:1の関係である場合、変換手段123は、単純に、調剤単位コードを発注単位コードに変換する。
ステップS702では、変換手段123の発注単位コード決定手段が、調剤データに基づいて、N個の候補発注単位コードから少なくとも1つの発注単位コードを決定する。発注単位コード決定手段は、例えば、N個の候補発注単位コードの各候補発注単位コードについて、条件付き確率モデルを用いて確率を算出することにより、N個の候補発注単位コードのうち、確率が最も高い候補発注単位コードを、医薬品Aの少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。確率が最も高い候補発注単位コードが複数ある場合には、それらの複数の候補発注単位コードを少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。条件付き確率モデルでは、医薬品の在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかに応じて用いられる確率が異なる。例えば、医薬品Aの在庫量が適正在庫量未満であるとき、医薬品Aの在庫量が適正在庫量未満であるときに候補発注単位コードで医薬品Aを発注する確率が用いられ得る。例えば、医薬品Aの在庫量が適正在庫量以上であるとき、医薬品Aの在庫量が適正在庫量以上であるときに適正在庫量を下回る医薬品Aの調剤が行われる確率が用いられ得る。ステップS702での具体的な処理の一例は、図8を参照して後述する。
ステップS702で少なくとも1つの発注単位コードが決定されると、発注すべき医薬品の調剤単位コードが、決定された少なくとも1つの発注単位コードに変換される。
ステップS602で決定された発注すべき医薬品のすべてについて、ステップS603(ステップS701~ステップS702)を繰り返すことにより、ステップS602で決定された発注すべき医薬品のすべての発注単位コードを特定することができるようになる。
図8は、ステップS702における、N個の候補発注単位コードから少なくとも1つの発注単位コードを決定する処理の一例を示す。この処理は、プロセッサ部120の変換手段123によって行われる。以下でも、ステップS602で決定された発注すべき医薬品のうち、1つの医薬品Aについて、N個の候補発注単位コードから少なくとも1つの発注単位コードを決定する処理の一例を説明する。
ステップS801では、i=1が定義される。
ステップS802では、変換手段123の算出手段は、調剤データに基づいて、発注すべき医薬品Aの調剤量を算出する。医薬品Aの調剤量を算出する処理の一例は、図9を参照して後述する。
ステップS803では、変換手段123の在庫量判定手段は、医薬品Aの在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定する。在庫量判定手段は、ステップS802で算出された医薬品Aの調剤量に基づいて、医薬品Aの在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定することができる。例えば、在庫量判定手段は、前日の医薬品Aの在庫量と、算出された医薬品Aの調剤量との差分(すなわち、現在の推定在庫量)を算出し、その差分が適正在庫量以上であるか、適正在庫量よりも小さいかを判定することができる。ここで、前日の医薬品Aの在庫量は、例えば、取得手段121によってデータベース部200から取得された在庫データに由来し得る。
ステップS803で医薬品の在庫量が適正在庫量未満であると判定された場合には、ステップS804に進み、医薬品の在庫量が適正在庫量以上であると判定された場合には、ステップS807に進む。
ステップS804では、変換手段123の発注単位コード決定手段が、第iの候補発注単位コードmiについて、確率Piを算出する。ここで、
Pi=Pi(S0|S1)=P(mi|S1)=P(S1∧mi)/P(S1)
であり、P(S1)は、所定期間Tにおいて医薬品の在庫量が適正在庫量未満である日数Ts1の割合であり、P(S1∧mi)は、所定期間Tにおいて医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときに第iの候補発注単位コードmiで医薬品Aが発注された日数Tmiの割合である。
Pi=Pi(S0|S1)=P(mi|S1)=P(S1∧mi)/P(S1)
であり、P(S1)は、所定期間Tにおいて医薬品の在庫量が適正在庫量未満である日数Ts1の割合であり、P(S1∧mi)は、所定期間Tにおいて医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときに第iの候補発注単位コードmiで医薬品Aが発注された日数Tmiの割合である。
例えば、所定期間T=180日とし、所定期間Tにおいて医薬品の在庫量が適正在庫量未満である日数Ts1=80日であり、所定期間Tにおいて医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときに第1の候補発注単位コードm1で医薬品Aが発注された日数Tm1=40日であり、所定期間Tにおいて医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときに第2の候補発注単位コードm2で医薬品Aが発注された日数Tm2=55日であり、所定期間Tにおいて医薬品の在庫量が適正在庫量未満であるときに第3の候補発注単位コードm3で医薬品Aが発注された日数Tm3=20日であった場合の例を説明すると、
第1の候補発注単位コードm1の確率P1は、
P1=(40/180)/(80/180)=0.5
第2の候補発注単位コードm2の確率P2は、
P2=(55/180)/(80/180)=0.6875
第3の候補発注単位コードm3の確率P3は、
P3=(20/180)/(80/180)=0.25
として算出され、確率が最も高い第2の候補発注単位コードm2が、少なくとも1つの発注単位コードとして決定される。
第1の候補発注単位コードm1の確率P1は、
P1=(40/180)/(80/180)=0.5
第2の候補発注単位コードm2の確率P2は、
P2=(55/180)/(80/180)=0.6875
第3の候補発注単位コードm3の確率P3は、
P3=(20/180)/(80/180)=0.25
として算出され、確率が最も高い第2の候補発注単位コードm2が、少なくとも1つの発注単位コードとして決定される。
ステップS805では、iがNと等しいかどうかが判定される。iがNに等しくない場合、ステップS806に進む。N個の候補発注単位コードのすべてについての確率Piの算出が未だ完了していないからである。iがNに等しい場合、ステップS810に進む。N個の候補発注単位コードのすべてについての確率Piの算出が完了したからである。
ステップS806では、iがインクリメントされ、i=Nとなるまで、すなわち、N個の候補発注単位コードのすべてについての確率Piの算出が完了するまで、ステップS804~ステップS806が繰り返される。
ステップS807では、変換手段123の発注単位コード決定手段が、第iの候補発注単位コードmiについて、P(S1|S0)を算出する。ここで、P(S1|S0)は、所定期間Tにおいて、調剤等により医薬品の在庫量が適正在庫量を下回った日数の割合である。
ステップS808では、iがNと等しいかどうかが判定される。iがNに等しくない場合、ステップS809に進む。N個の候補発注単位コードのすべてについての確率Piの算出が未だ完了していないからである。iがNに等しい場合、ステップS810に進む。N個の候補発注単位コードのすべてについての確率Piの算出が完了したからである。
ステップS809では、iがインクリメントされ、i=Nとなるまで、すなわち、N個の候補発注単位コードのすべてについての確率Piの算出が完了するまで、ステップS807~ステップS809が繰り返される。なお、P(S1|S0)は、候補発注単位コードに依存しないため、N個の候補発注単位コードのすべてについて確率Piは同一の値となる。従って、ステップS807~ステップS809を省略するようにしてもよい。
ステップS810では、変換手段123の発注単位コード決定手段が、確率Pi(1≦
i≦N)に基づいて、少なくとも1つの発注単位コードを決定する。発注単位コード決定手段は、例えば、N個の候補発注単位コードのそれぞれの確率Piを相互に比較し、確率Piが最も高い候補発注単位コードを、少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。あるいは、発注単位コード決定手段は、例えば、N個の候補発注単位コードのそれぞれの確率Piを閾値と比較し、確率Piが閾値よりも高い候補発注単位コードを、少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。該当する候補発注単位コードが複数ある場合には、それらの複数の候補発注単位コードを、少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。
i≦N)に基づいて、少なくとも1つの発注単位コードを決定する。発注単位コード決定手段は、例えば、N個の候補発注単位コードのそれぞれの確率Piを相互に比較し、確率Piが最も高い候補発注単位コードを、少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。あるいは、発注単位コード決定手段は、例えば、N個の候補発注単位コードのそれぞれの確率Piを閾値と比較し、確率Piが閾値よりも高い候補発注単位コードを、少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。該当する候補発注単位コードが複数ある場合には、それらの複数の候補発注単位コードを、少なくとも1つの発注単位コードとして決定することができる。
このようにして、N個の候補発注単位コードから少なくとも1つの発注単位コードが決定される。
図8に示される例では、ステップS803において、医薬品Aの調剤量に基づいて、医薬品Aの在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定したが、医薬品Aの在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかの判定の仕方はこれに限定されない。例えば、取得手段121によって取得された医薬品Aの在庫データに基づいて、医薬品Aの在庫量が適正在庫量以上であるか、適正在庫量未満であるかを判定するようにしてもよい。この場合、医薬品Aの調剤量を算出する必要はないため、ステップS802は省略され得る。
上述した例では、N個の候補発注単位コードのそれぞれの確率Piを計算するようにしたが、本発明はこれに限定されない。一実施形態では、N個の候補発注単位コードのそれぞれの確率Piの期待値を計算するようにしてもよい。
図9は、ステップS802における、医薬品の調剤量を算出する処理の一例を示す。この処理は、プロセッサ部120の変換手段123の算出手段によって行われる。以下でも、ステップS602で決定された発注すべき医薬品のうち、1つの医薬品Aについて調剤量を算出する処理の一例を説明する。
ステップS901では、変換手段123の算出手段が、医薬品Aが内服であるか否かを判定する。これは、例えば、調剤データに含まれる用法を示す情報に基づいて行われる。医薬品Aが内服である場合には、ステップS902に進み、医薬品Aが内服でない場合には、ステップS903に進む。
ステップS902では、変換手段123の算出手段が、内服である医薬品Aの調剤量を、1日の服用回数×日数として算出する。これは、例えば、調剤データに含まれる用法を示す情報に基づいて行われる。内服である医薬品は、1日○○回、○日分として処方されるため、調剤データは、1日の服用回数(1日○回)および日数(○日分)の情報を含み得る。
ステップS903では、変換手段123の算出手段が、医薬品Aが頓服であるか否かを判定する。これは、例えば、調剤データに含まれる用法を示す情報に基づいて行われる。医薬品Aが頓服である場合には、ステップS904に進み、医薬品Aが頓服でない場合には、ステップS905に進む。
ステップS904では、変換手段123の算出手段が、頓服である医薬品Aの調剤量を、1日の服用回数×回数として算出する。これは、例えば、調剤データに含まれる用法を示す情報に基づいて行われる。内服である医薬品は、1日○○回、○回分として処方されるため、調剤データは、1日の服用回数(1日○回)および回数(○回分)の情報を含み得る。
ステップS905では、変換手段123の算出手段が、内服でも頓服でもない医薬品Aの調剤量を、1日の服用回数として算出する。これは、例えば、調剤データに含まれる用法を示す情報に基づいて行われる。
このようにして、医薬品Aの種類に応じて、調剤量が算出される。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われ得る。
上述した例では、医薬品の発注を支援することを説明したが、発注を支援する対象は、医薬品に限定されない。例えば、出庫される商品単位を識別するためのコード(出庫単位コード)と、発注される商品単位を識別するためのコード(発注単位コード)とが異なる商品である限り、任意の商品を対象とすることができる。さらに、そのような商品は、出庫単位コードと発注単位コードとの関係が1:Nであることが好ましい。
図6、図7、図8、図9を参照して上述した例では、図6、図7、図8、図9に示される各ステップの処理は、プロセッサ部120とメモリ部130に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図6、図7、図8、図9に示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
本発明は、医薬品リストから発注すべき医薬品をピックアップする手間が省かれ、かつ、発注する医薬品の抜け漏れを防止することが可能な、医薬品の発注を支援するためのシステム、プログラム、および方法を提供するものとして有用である。
10 画面
100 コンピュータシステム
110 インターフェース部
120 プロセッサ部
130 メモリ部
100 コンピュータシステム
110 インターフェース部
120 プロセッサ部
130 メモリ部
Claims (1)
- 本明細書に記載の発明。
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