JP2024040024A - 補強用樹脂組成物、及び実装構造体 - Google Patents

補強用樹脂組成物、及び実装構造体 Download PDF

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Abstract

Figure 2024040024000001
【課題】はんだバンプと導体との継目を補強するために使用された場合に、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくい補強用樹脂組成物、及びこの補強用樹脂組成物から作製された補強部を備える実装構造体を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る補強用樹脂組成物は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)と、を含有する。ベンゾオキサジン化合物(A)は、1分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を2個以上有する多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)を含む。ベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、40質量%以上60質量%以下である。
【選択図】図1

Description

本開示は、一般には、補強用樹脂組成物及び実装構造体に関する。本開示は、より詳細には、補強用樹脂組成物、及びこの補強用樹脂組成物の硬化物である補強部を備える実装構造体に関する。
特許文献1には、第1金属電極を有する回路基板と第2金属電極を有する半導体素子との間に、エポキシ樹脂と、硬化剤と、縮合多環オキサジン骨格を有する化合物を含有するフラックス活性剤とを含有する接着剤樹脂組成物を介在させる工程と、接着剤樹脂組成物を硬化させることによって、回路基板と半導体素子とを接着すると共に、第1金属電極と第2金属電極とを電気的に接続する工程とを含む、半導体装置の製造方法が開示されている。
特開2009-262227号公報
本開示の課題は、はんだバンプと導体との継目を補強するために使用された場合に、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくい補強用樹脂組成物、及びこの補強用樹脂組成物から作製された補強部を備える実装構造体を提供することである。
本開示の一態様に係る補強用樹脂組成物は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)と、を含有する。前記ベンゾオキサジン化合物(A)は、1分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を2個以上有する多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)を含む。前記ベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、前記ベンゾオキサジン化合物(A)と、前記エポキシ樹脂(B)と、前記活性剤(C)との合計に対して、40質量%以上60質量%以下である。
本開示の一態様に係る実装構造体は、第1導体を備える基材と、第2導体を備える実装部品と、前記第1導体と前記第2導体との間に介在し、かつ、前記第1導体と前記第2導体とを電気的に接続する、はんだバンプと、前記補強用樹脂組成物の硬化物であり、かつ前記第1導体と、前記はんだバンプとの継目、及び前記第2導体と、前記はんだバンプとの継目のうち、少なくとも一方を覆う補強部と、を備える。
本開示によれば、はんだバンプと導体との継目を補強するために使用された場合に、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくい補強用樹脂組成物、及びこの補強用樹脂組成物から作製された補強部を備える実装構造体を提供することができる。
図1Aは、本開示の一実施形態に係る実装構造体の概略の断面図である。図1Bは、本開示の第1変形例に係る実装構造体の概略の断面図である。図1Cは、本開示の第2変形例に係る実装構造体の概略の断面図である。 図2Aは、同上の実施形態に係る実装構造体の一製造工程を示す概略の断面図である。図2Bは、図2Aの製造工程に続く製造工程を示す概略の断面図である。図2Cは、図2Bの製造工程に続く製造工程を示す概略の断面図である。
実施形態及び変形例について、図1Aから図2Cを参照して説明する。なお、下記の実施形態及び変形例は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。また、下記の実施形態及び変形例は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、変形例の構成を適宜組み合わせることも可能である。
以下において参照する図は、いずれも模式的な図であり、図中の構成要素の寸法比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
[概要]
配線基板等の基材に、半導体素子等の実装部品をフリップチップ実装するにあたり、はんだバンプと導体との継目を樹脂組成物の硬化物で補強しようとすると、導体とはんだバンプとの間の接続不良が生じることがある。発明者は、この接続不良の原因が、樹脂組成物が硬化して硬化物が作製される過程で導体とはんだバンプとの接触が樹脂組成物及び硬化物によって阻害されるためであると考えた。
そこで、発明者は、はんだバンプと導体との継目を補強するために使用された場合に、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくい補強用樹脂組成物を得るべく研究開発を進め、本開示の完成に至った。なお、本開示の技術的範囲は、前記の経緯によって限定的に解釈されない。
本開示の一態様に係る補強用樹脂組成物(以下、組成物(X)ともいう)は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)と、を含有し、ベンゾオキサジン化合物(A)は、1分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を2個以上有する多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)を含む。更に、ベンゾオキサジン化合物(A)の割合が、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、40質量%以上60質量%以下である。これにより、組成物(X)がはんだバンプと導体との継目を補強するために使用された場合に、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくい。より詳しくは、組成物(X)とはんだバンプとが加熱されても、はんだバンプが溶融して導体と接触する過程では組成物(X)の硬化が抑制されるため、組成物(X)は、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくい。
また、ベンゾオキサジン化合物(A)は、1分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を2個以上有する多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)を含むため、組成物(X)の硬化物に三次元架橋構造が生じうる。このため、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高まることで硬化物の耐熱性が向上しうる。
そして、このような組成物(X)は、基材と基材に実装されている実装部品とを備える実装構造体の補強部を作製するために好適に用いられる。なお、組成物(X)の用途は、実装構造体の補強部を作製することのみに限定されない。例えば、組成物(X)は、半導体装置の基板と、半導体チップとの間の隙間を封止するための封止剤として用いられる等、種々の用途に適用することが可能なものである。
[成分]
本実施形態に係る組成物(X)に含まれる成分について説明する。
(ベンゾオキサジン化合物)
ベンゾオキサジン化合物(A)について説明する。
組成物(X)は、上述の通り、ベンゾオキサジン化合物(A)を含有する。ベンゾオキサジン化合物(A)は、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物である。ベンゾオキサジン化合物(A)は、例えば、使用する原材料の種類によって、種々の構造を有することができる。ベンゾオキサジン化合物(A)は、例えば、各種のフェノール化合物、アミン化合物及びホルムアルデヒド等から合成することができる。
ジヒドロベンゾオキサジン環は化学的に安定であるため、常温では、ベンゾオキサジン化合物(A)の重合反応は進みにくい。しかし、ベンゾオキサジン化合物(A)が、170℃以上で加熱された場合、ベンゾオキサジン化合物(A)が有するジヒドロベンゾオキサジン環の開環が促進されうる。これにより、フェノール性水酸基と塩基性アミノ基とを有するジアミノジフェニル構造を有するポリベンゾオキサジン化合物が生成しうる。続いて、この開環によって生成したポリベンゾオキサジン化合物は、エポキシ樹脂(B)と反応することで、三次元架橋構造を有する硬化物となる。このようにして組成物(X)の硬化物が得られる。
また、ポリベンゾオキサジン化合物が有する塩基性のアミノ基は、ポリベンゾオキサジン化合物自身と、エポキシ樹脂(B)との反応の硬化促進剤として働き、高温での反応を促進させることができる。具体的には、前記のアミノ基は、はんだの融点よりも高い温度における反応を促進させることができる。言い換えれば、はんだの溶融が開始した後に、組成物(X)の硬化反応が促進されうる。
更に、ジヒドロベンゾオキサジン環は、170℃になるまで開環が抑制されうる。このため、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)との反応は170℃以下では進みにくいため、はんだが溶融するまでに組成物(X)が硬化することが抑制されうる。
また、本実施形態では、ベンゾオキサジン化合物(A)は、上述した通り、1分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を2個以上有する多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)を含む。そして、この多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)は、エポキシ樹脂(B)との反応によって、三次元架橋構造を形成しうる。このため、ベンゾオキサジン化合物(A)が、多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)を含む場合、組成物(X)の硬化物のガラス転移温度(Tg)が高まりやすくなる。これにより、組成物(X)の硬化物の耐熱性が向上しうる。
多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)は、市販品を使用してもよい。多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)の代表的な市販品の一例としては、P-d型ベンゾオキサジン化合物(フェノールとジアミノジフェニルメタンとホルムアルデヒドとの重合物(四国化成工業株式会社製))が挙げられる。P-d型ベンゾオキサジン化合物は、例えば、下記のような構造を有する。
Figure 2024040024000002
(式中、Rは、水素原子又はアリル基を示す。)
多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)の代表的な市販品の一例として、F-a型ベンゾオキサジン化合物(ビスフェノールFとアニリンとホルムアルデヒドとの重合物(四国化成工業株式会社製))が挙げられる。F-a型ベンゾオキサジン化合物は、例えば、下記のような構造を有する。
Figure 2024040024000003
なお、本実施形態では、ベンゾオキサジン化合物(A)は、多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)のみを含むことに限定されない。すなわち、ベンゾオキサジン化合物(A)は、多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)に加えて、単官能ベンゾオキサジン化合物を含んでいてもよい。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂(B)について説明する。
組成物(X)は、上述の通り、エポキシ樹脂(B)を含有する。エポキシ樹脂(B)は、エポキシ基を有する化合物である。このため、エポキシ樹脂(B)は、ベンゾオキサジン化合物(A)から生成したポリベンゾオキサジン化合物と、反応することができる。
エポキシ樹脂(B)は、常温で液状であることが好ましい。この場合、組成物(X)の粘度が調整されうる。なお、常温で液状であるとは、大気圧下、かつ、周囲の温度が5℃以上28℃以下(特に20℃前後)の状態において、エポキシ樹脂(B)が流動性を有することを意味する。
エポキシ樹脂(B)は、例えばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン環含有エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;脂肪族系エポキシ樹脂;並びにトリグリシジルイソシアヌレート等よりなる群から選択される一種以上を含む。
また、エポキシ樹脂(B)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂及び水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち少なくとも一方を含むことが特に好ましい。この場合、組成物(X)の粘度が特に低められうる。
エポキシ樹脂(B)は、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、品名jER828)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、品名jER806)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、品名YDF8125)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、品名YDF8170)等が挙げられる。
(活性剤)
活性剤(C)について説明する。
組成物(X)は、上述の通り、活性剤(C)を含有する。活性剤(C)は、金属酸化膜を除去する機能を有する。すなわち、活性剤(C)は、フラックスとして適用される。更に言い換えれば、組成物(X)は、活性剤(C)を含有していることにより、フラックス作用を発揮する。なお、フラックス作用とは、補強用樹脂組成物が塗布される金属表面に生じた酸化皮膜を除去する還元作用、及び、溶融したはんだの表面張力を低下させて、はんだの接合金属表面への濡れ性を高める作用を意味する。
活性剤(C)は、有機酸及びアミンのうち少なくとも一方を含むことが好ましい。この場合、組成物(X)のフラックス作用が発揮されやすくなる。
また、活性剤(C)が、有機酸を含む場合、その有機酸の融点は、130℃以上220℃以下であることが好ましい。この場合、活性剤(C)により、エポキシ樹脂(B)の硬化反応が調整されうる。更に、活性剤(C)が、アミンを含む場合、そのアミンの融点は、130℃以上220℃以下であることが好ましい。この場合、活性剤(C)により、エポキシ樹脂(B)の硬化反応が調整されうる。また、有機酸の融点及びアミンの融点のうち少なくとも一方が、130℃以上220℃以下である場合、融点が200℃以上であるはんだバンプを使用する場合であっても、はんだを溶融させる前に、はんだの酸化皮膜を除去することができる。また、はんだが溶融する前に、有機酸又はアミンが溶融し、これにより、組成物(X)が低粘度化されるため、組成物(X)が、はんだバンプと導体との継目を補強するために使用された場合に、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくい。
なお、活性剤(C)は、有機酸及びアミン以外の成分を含んでいてもよい。また、活性剤(C)は、融点が130℃未満の有機酸及び融点が130℃未満のアミンのうち少なくとも一方を含んでいてもよい。更に、活性剤(C)は、融点が220℃超の有機酸及び融点が220℃超のアミンのうち少なくとも一方を含んでいてもよい。
有機酸は、カルボン酸化合物を含むことが好ましい。この場合、組成物(X)のフラックス作用が特に発揮されやすくなる。また、このようなカルボン酸化合物は、例えばダイマ酸、ロジン成分材料、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、クエン酸、コルク酸、セバシン酸及びピメリン酸等よりなる群から選択される一種以上を含む。更に、カルボン酸は、ダイマ酸、コハク酸、アジピン酸、コルク酸、及びセバシン酸等よりなる群から選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
アミンは、フラックスとして使用されるアミンであれば特に限定されないが、例えば種々のアミン塩、トリエタノールアミン(TEA)及びグアニジン等よりなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。
(フェノール化合物)
フェノール化合物(D)について説明する。
組成物(X)は、例えば、組成物(X)の性能を損なわない範囲内でフェノール化合物(D)を含有することもできる。すなわち、組成物(X)は、フェノール化合物(D)を含有せずともよく、又はフェノール化合物(D)を含有していてもよい。
フェノール化合物(D)は、フェノール性水酸基を有する化合物である。このフェノール性水酸基は、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基と反応しうる。また、組成物(X)がフェノール化合物(D)を含有する場合、組成物(X)の硬化性が高まりうる。言い換えれば、組成物(X)がフェノール化合物(D)を含有する場合、組成物(X)の反応温度が低くなる傾向がある。
フェノール化合物(D)は、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、及びノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂等よりなる群から選択される少なくとも一種が含まれる。また、フェノール化合物(D)は、一分子中に二個以上のフェノール性水酸基を有することが好ましい。
(その他の成分)
組成物(X)は、ベンゾオキサジン化合物(A)、エポキシ樹脂(B)、活性剤(C)、及びフェノール化合物(D)以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、例えば溶剤(E)、チクソ性付与剤、ロジン等の成分改質剤及びフィラー等よりなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。
溶剤(E)は、例えば、グリコールエーテル類が用いられうる。具体的には、溶剤(E)は、例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルへキシルエーテル、及びへキシルジグリコール等よりなる群から選択される少なくとも一種を含む。
(割合)
組成物(X)に含まれる成分の割合について説明する。
上述の通り、ベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、40質量%以上60質量%以下である。ベンゾオキサジン化合物(A)の割合が、40質量%以上60質量%以下である場合、組成物(X)が、はんだバンプと導体との継目を補強するために使用された場合に、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくい。ベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、42質量%以上であることが好ましく、44質量%以上であることがより好ましい。ベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して58質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましい。
また、ベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、反応性化合物の合計に対して、32質量%以上52質量%以下であることが好ましい。ベンゾオキサジン化合物(A)の割合が、32質量%以上52質量%以下である場合、組成物(X)が、はんだバンプと導体との継目を補強するために使用された場合に、はんだバンプの導体との接触を阻害しにくく、かつ組成物(X)の硬化物のガラス転移温度(Tg)が、高まりやすくなる。ベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、反応性化合物の合計に対して、35質量%以上であることがより好ましく、37質量%以上であることが更に好ましい。ベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、反応性化合物の合計に対して、50質量%以下であることがより好ましく、47質量%以下であることが更に好ましい。なお、本開示において、反応性化合物は、ベンゾオキサジン化合物(A)、エポキシ樹脂(B)及びフェノール化合物(D)よりなる群から選択される少なくとも一種を含む。また、反応性化合物は、ベンゾオキサジン化合物(A)、エポキシ樹脂(B)及びフェノール化合物(D)以外の熱硬化性化合物を含む。このような熱硬化性化合物の具体的な例としては、例えばアクリル化合物、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂(B)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、30質量%以上50質量%以下であることが好ましい。このエポキシ樹脂(B)の割合が、30質量%以上50質量%以下である場合、組成物(X)の粘度が調整されながら、かつ組成物(X)の硬化物のガラス転移温度(Tg)が高まりうる。また、エポキシ樹脂(B)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、32質量%以上であることがより好ましく、35質量%以上であることが更に好ましい。そして、エポキシ樹脂(B)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、48質量%以下であることがより好ましく、47質量%以下であることが更に好ましい。
活性剤(C)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、7質量%以上23質量%以下であることが好ましい。この活性剤(C)の割合が、7質量%以上23質量%以下である場合、組成物(X)が、フラックス作用をより発揮するとともに、かつ組成物(X)の保存安定性が高まりうる。活性剤(C)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、8質量%以上であることがより好ましい。活性剤(C)の割合は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態では、組成物(X)は、フェノール化合物(D)を含有していないことが好ましい。また、組成物(X)がフェノール化合物(D)を含有する場合でも、このフェノール化合物(D)の割合は、組成物(X)に対して、0質量%超3質量%以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の硬化性が調整されながら、かつ組成物(X)の保存安定性が高まりうる。
なお、上述の通り、組成物(X)は、粘度低下の目的で、溶剤(E)を含有していてもよいが、溶剤(E)は、組成物(X)の成分の割合を換算するにあたり、考慮しない。これは、溶剤(E)は、組成物(X)が硬化する前、すなわち硬化前の状態では、組成物(X)中に存在するが、組成物(X)が加熱された場合、ほとんどが揮発してしまい、組成物(X)の硬化物には存在しないか、極めて少量しか残らないためである。
[特性]
本実施形態では、組成物(X)の粘度は、25℃で10Pa・s以上200Pa・s以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)が、導体とはんだバンプとの継目を覆いやすくなる。言い換えれば、組成物(X)の硬化物を備える実装構造体が作製される際に、その組成物(X)が、インクジェット法等の印刷法、転写法等の方法によって、実装構造体が備える導体等を覆うように配置されやすくなる。
また、組成物(X)の粘度は、25℃で15Pa・s以上であることがより好ましく、20Pa・s以上であることが更に好ましい。そして、組成物(X)の粘度は、25℃で150Pa・s以下であることがより好ましく、100Pa・s以下であることが更に好ましい。なお、組成物(X)の粘度は、E型粘度計を用いて、回転数5rpmとし、測定した値である。
組成物(X)のチクソ比は、1.5以上8.0以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の硬化物を備える実装構造体が作製される際に、その組成物(X)が、インクジェット法等の印刷法、転写法等の方法によって、実装構造体が備える導体を覆うように配置されやすくなる。なお、組成物(X)のチクソ比とは、組成物(X)の流れやすさを示す特性値であり、上述のE型粘度計を用いて、25℃での回転数0.5rpmのときに得られた粘度の測定値を、25℃での回転数5.0rpmのときに得られた粘度の測定値で除した比率で表される。
本実施形態では、組成物(X)の硬化物のガラス転移温度(Tg)が、100℃以上であることが好ましい。組成物(X)の硬化物のガラス転移温度(Tg)が、100℃以上であれば、組成物(X)の硬化物の耐熱性が向上しやすくなり、そのため、その組成物(X)の硬化物が、高温時に軟化しにくくなる。これにより、組成物(X)の硬化物を含む実装構造体の耐ヒートサイクル性が高まりうる。言い換えれば、組成物(X)の硬化物により、はんだバンプと導体との継目が覆われた実装構造体の耐ヒートサイクル性が高まりうる。
また、組成物(X)の硬化物のガラス転移温度(Tg)が、125℃以上であることがより好ましく、140℃以上であることが更に好ましい。
更に、組成物(X)の硬化物を動的粘弾性測定装置(DMA)で測定したときの125℃での貯蔵弾性率が、0.5GPa以上であることが好ましい。組成物(X)の硬化物の貯蔵弾性率が、0.5GPa以上であれば、その硬化物のガラス転移温度(Tg)も高まる傾向がある。これにより、組成物(X)の硬化物を含む実装構造体の耐ヒートサイクル性が高まりうる。なお、組成物(X)の硬化物の125℃での貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置(DMA)によって測定する際の条件については、「実施例」で詳述する。
[応用例]
組成物(X)の応用例について説明する。
組成物(X)は、図1A、図1B及び図1Cに示すような、実装構造体1が備える導体21、31と、はんだバンプ32との間の継目を補強する補強部4を作製するために用いられる。より詳しくは、組成物(X)は、実装構造体1において、基材2が備える第1導体21と、実装部品3が備える第2導体31との間に介在するはんだバンプ32との継目20を補強する補強部4を作製するために用いられる。更に言い換えれば、組成物(X)は、実装構造体1において、基材2が備える第1導体21と、実装部品3が備える第2導体31との間に介在するはんだバンプ32との継目20を補強する補強部4を作製するために用いられる。そして、その補強部4は、組成物(X)の硬化物である。
<第一実施形態>
(実装構造体)
本実施形態に係る実装構造体1について、図1Aを参照しながら説明する。なお、以下に示す実装構造体1の構成は、あくまで一例である。すなわち、実装構造体1の構成は、以下の内容に限定されない。
図1Aに示すように、実装構造体1は、基材2と、実装部品3と、はんだバンプ32と、補強部4とを備える。
基材2は、例えばマザー基板、パッケージ基板又はインターポーザー基板である。基材2は、例えばガラスエポキシ製、ポリイミド製、ポリエステル製、セラミック製等の絶縁基板である。
この基材2の表面上には、第1導体21が形成されている。すなわち、基材2は、第1導体21を備える。また、この第1導体21は、例えば導体配線である。
実装部品3は、例えば半導体チップである。より具体的には、実装部品3は、例えばBGA(ボール・グリッド・アレイ)、LGA(ランド・グリッド・アレイ)、又はCSP(チップ・サイズ・パッケージ)等の、フリップチップ型のチップである。また、実装部品3は、WLP(ウェハーレベルパッケージ)であってもよい。そして、実装部品3は、PoP(パッケージ・オン・パッケージ)型のチップであってもよい。
この実装部品3の表面上には第2導体31が形成されている。すなわち、実装部品3は第2導体31を備える。第2導体31は、特に限定されないが、例えば電極パッドである。
例えば、実装部品3がBGAである場合には、実装部品3は、基板上に実装されたダイを封止樹脂で封止して構成されるパッケージであり、第2導体31は、ダイと電気的に接続された電極パッドである。
また例えば、実装部品3がWLPである場合には、実装部品3は、再配線層が設けられたシリコン基板を含み、第2導体31は、再配線層と電気的に接続されたピラーである。
なお、実装部品3の構造は前記の構造に限られず、実装部品3の種類に応じた適宜の構造であればよい。
はんだバンプ32は、基材2の第1導体21と、実装部品3の第2導体31との間に介在している。そして、はんだバンプ32は、第1導体21と、第2導体31とを電気的に接続する。はんだバンプ32は、例えばSn-Ag-Cu(SAC)系はんだであってもよく、Sn-Bi(錫銅)系はんだであってもよい。
はんだバンプ32が、SAC系はんだである場合、はんだバンプ32の融点は、例えば217℃以上230℃以下である。
Sn-Bi系はんだは、Sn及びBiに加えて、Ag、Ni、Fe、Ge、Cu及びIn等よりなる群から選択される少なくとも1種の材料を含有してもよい。Sn-Bi系はんだの機械的な性能が向上されるためには、Sn-Bi系はんだは、Ag、Ni、Fe及びGe等よりなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有することが好ましい。
補強部4は、上述の通り、組成物(X)の硬化物である。図1Aに示す実装構造体1において、補強部4は、はんだバンプ32と第1導体21との継目20を覆っている。すなわち、図1Aに示す実装構造体1では、はんだバンプ32と、第1導体21との継目20が、組成物(X)の硬化物で覆われている。そのため、補強部4が、はんだバンプ32と、第1導体21との継目20を補強することができ、その結果、実装構造体1の耐ヒートサイクル性が高まりうる。
上記のように、本実施形態に係る実装構造体1は、第1導体21と、はんだバンプ32との継目20が、補強部4により補強されている。このため、実装構造体1では、第1導体21と、はんだバンプ32との導通不良が抑制される。これにより、実装構造体1の接続信頼性が良好になる傾向がある。
(実装構造体の製造方法)
以下、図1Aに示す実装構造体1の製造方法を、図2A、図2B及び図2Cを参照しながら説明する。なお、図1Aに示す実装構造体1の製造方法は、以下の方法に限定されるものではない。
まず、第1導体21を備える基材2を用意して、第1導体21を覆うように組成物(X)を配置する(図2A参照)。組成物(X)を配置する方法は、特に限定されないが、例えば、印刷法、転写法等の方法によって行うことができる。また、印刷法の例としては、例えばインクジェット法による方法が挙げられる。
次に、第2導体31を備える実装部品3を用意する。第2導体31上には、はんだバンプ32が設けられ、第2導体31とはんだバンプ32とは電気的に接続されている。この実装部品3を基材2の上に、はんだバンプ32が組成物(X)と接触するように配置する(図2B参照)。はんだバンプ32として、例えば、はんだボールを使用することができる。
続いて、図2Bに示す状態で、はんだバンプ32及び組成物(X)を加熱する。加熱方法は特に限定されないが、例えばリフロー炉により加熱する方法が適用される。
そして、第1導体21及び第2導体31と、はんだバンプ32との間に組成物(X)が配置された状態で、はんだバンプ32及び組成物(X)が加熱されると、組成物(X)の粘度が下がることで、組成物(X)が流動し、それに伴ってはんだバンプ32が、第1導体21に接触する。このとき、組成物(X)が溶融を開始する温度付近まで一端加熱されることが好ましい。より具体的には、はんだバンプ32及び組成物(X)は、140℃以上160℃以下の範囲まで一旦加熱されることが好ましい。
続いて、はんだバンプ32を溶融させるため、はんだバンプ32及び組成物(X)は、はんだの融点よりも高い温度まで加熱される。なお、このときのはんだバンプ32及び組成物(X)を加熱する温度の最高値は、特に限定されないが、例えば232℃以上255℃以下の範囲で設定される。
また、組成物(X)は、はんだバンプ32が溶融し濡れ広がるまでに、硬化が抑制されうる。このため、はんだバンプ32が溶融し第1導体21に接触することを阻害しにくい。これにより、第1導体21と、はんだバンプ32とが良好に接続することができ、第1導体21と、はんだバンプ32との導通不良が抑制されうる。
そして、図2Cに示すように、はんだバンプ32が、第1導体21と接合した後に、組成物(X)が硬化することによって、第1導体21と、はんだバンプ32との継目20を組成物(X)の硬化物からなる補強部4で覆うことができる。これにより、第1導体21と、はんだバンプ32との継目20が補強されうる。
<第1変形例>
本実施形態に係る実装構造体1の第1変形例について、図1Bを参照しながら説明する。なお、第1変形例では、第一実施形態と同等の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本開示では、図1Bに示す実装構造体1のように、実装部品3の第2導体31と、はんだバンプ32との継目20が、補強部4で覆われていてもよい。この場合、補強部4が、はんだバンプ32と、第2導体31との継目20を補強することができ、その結果、実装構造体1の耐ヒートサイクル性が向上しうる。
また、図1Bに示すような実装構造体1を製造するにあたり、例えば、第1導体21上に、はんだバンプ32が設けられていてもよい。この場合、第2導体31を覆うように組成物(X)を配置して、第2導体31と、はんだバンプ32とを接続することができる。なお、第1変形例では、第2導体31と、はんだバンプ32との継目20を、組成物(X)で覆ってから、組成物(X)を硬化させることができる。これにより、図1Bに示すような、第1導体21と、はんだバンプ32との導通不良が抑制されやすく、かつ補強部4によって、第2導体31と、はんだバンプ32との継目20が補強された実装構造体1を得ることができる。
<第2変形例>
本実施形態に係る実装構造体1の第2変形例について、図1Cを参照しながら説明する。なお、第2変形例では、第一実施形態と同等の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本開示では、図1Cに示す実装構造体1のように、基材2の第1導体21と、はんだバンプ32との継目20が補強部4で覆われ、かつ実装部品3の第2導体31と、はんだバンプ32との継目20が補強部4で覆われていてもよい。この場合、補強部4が、はんだバンプ32と、第1導体21及び第2導体31との継目20を補強することができ、その結果、実装構造体1の耐ヒートサイクル性が高まりうる。
また、図1Cに示すような実装構造体1を製造するにあたり、例えば、第1導体21と第2導体31との両方に組成物(X)が配置された後に、第1導体21及び第2導体31のいずれか一方の上にはんだバンプ32が設けられてもよい。この場合、第1導体21及び第2導体31の両方を覆うように組成物(X)を配置して、第1導体21及び第2導体31と、はんだバンプ32とを接続することができる。なお、第2変形例では、第1導体21及び第2導体31と、はんだバンプ32との継目20を、組成物(X)で覆ってから、組成物(X)を硬化させることができる。これにより、図1Cに示すような、第1導体21及び第2導体31と、はんだバンプ32との導通不良が抑制されやすく、かつ補強部4によって、第1導体21及び第2導体31と、はんだバンプ32との継目20が補強された実装構造体1を得ることができる。
<補足>
図1A、図1B及び図1Cに示す実装構造体1において、隣り合う第1導体21、21の間隔が小さい場合(狭ピッチともいう)、或いは図1A、図1B及び図1Cに示す実装構造体1において隣り合う第2導体31、31の間隔が小さい場合、隣り合う補強部4同士が繋がり、一体化していてもよい。また、図1A、図1B及び図1Cに示す実装構造体1において、隣り合う全ての補強部4が繋がっていてもよい。すなわち、基材2の表面が補強部4で覆われていてもよく、実装部品3の表面が補強部4で覆われていてもよい。
また、図1Cに示すように、実装構造体1において、第1導体21と、はんだバンプ32との継目20を覆う補強部4、及び第2導体31と、はんだバンプ32との継目20を覆う補強部4が繋がり、一体化していてもよい。ただし、リフロー工程やリペア工程等において、はんだバンプ32を構成するはんだの融点以上の温度で複数回加熱する場合、はんだを再度溶融する時に、はんだバンプ32内の内圧が上がり、フラックスやはんだを飛散させる現象が生じることがある。この場合、第1導体21とはんだバンプ32との継目20を覆う補強部4、及び第2導体31とはんだバンプ32との継目20を覆う補強部4は、一体化していない方が好ましい。
[まとめ]
上記の実施形態から明らかなように、本開示の第一の態様に係る補強用樹脂組成物は、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)と、を含有する。ベンゾオキサジン化合物(A)は、1分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を2個以上有する多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)を含む。ベンゾオキサジン化合物(A)の割合が、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、40質量%以上60質量%以下である。
第一の態様によると、はんだバンプ(32)と導体(21、31)との継目(20)を補強するために使用された場合に、はんだバンプ(32)の導体(21、31)との接触を阻害しにくい補強用樹脂組成物を提供することができる。
本開示の第二の態様に係る補強用樹脂組成物は、第一の態様において、フェノール化合物(D)を含有せず、又はフェノール化合物(D)を含有し、かつ補強用樹脂組成物に対するフェノール化合物(D)の割合が0質量%超3質量%以下である。
第二の態様によると、補強用樹脂組成物の硬化性が調整されながら、かつ補強用樹脂組成物の保存安定性が高まりうる。
本開示の第三の態様に係る補強用樹脂組成物は、第一又は第二の態様において、エポキシ樹脂(B)の割合が、ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)との合計に対して、30質量%以上50質量%以下である。
第三の態様によると、補強用樹脂組成物の粘度が調整されながら、かつ補強用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)が高まりうる。
本開示の第四の態様に係る補強用樹脂組成物は、第一から第三のいずれか一の態様において、25℃における粘度が10Pa・s以上200Pa・s以下である。
第四の態様によると、補強用樹脂組成物が、インクジェット法等の印刷法、転写法等の方法によって、実装構造体(1)が備える導体(21、31)を覆うように配置されやすくなる。
本開示の第五の態様に係る補強用樹脂組成物は、第一から第四のいずれか一の態様において、硬化物のガラス転移温度が100℃以上である。
第五の態様によると、補強用樹脂組成物の硬化物が、高温時に軟化しにくい。これにより、補強用樹脂組成物の硬化物を含む実装構造体(1)の耐ヒートサイクル性が高まりやすくなる。
本開示の第六の態様に係る実装構造体(1)は、第1導体(21)を備える基材(2)と、第2導体(31)を備える実装部品(3)と、第1導体(21)と第2導体(31)との間に介在し、かつ、第1導体(21)と第2導体(31)とを電気的に接続する、はんだバンプ(32)と、第一から第五のいずれか一の態様における補強用樹脂組成物の硬化物であり、かつ第1導体(21)と、はんだバンプ(32)との継目(20)、及び第2導体(31)と、はんだバンプ(32)との継目(20)のうち、少なくとも一方を覆う補強部(4)と、を備える。
第六の態様によると、第1導体(21)及び第2導体(31)と、はんだバンプ(32)との導通不良が抑制しうる。
1.補強用樹脂組成物の調製
表1に示す成分を、表1に示す割合で配合することにより、補強用樹脂組成物を得た。なお、表1に示す成分の詳細は次のとおりである。
(ベンゾオキサジン化合物)
・ベンゾオキサジン化合物1:F-a型ベンゾオキサジン化合物、四国化成株式会社製、品名F-a。
・ベンゾオキサジン化合物2:P-d型ベンゾオキサジン化合物、四国化成株式会社製、品名P-d。
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、品名YDF8170。
・エポキシ樹脂2:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、品名YDF8125。
(活性剤)
ダイマ酸:植物系油脂を原料とするC18不飽和脂肪酸の二量化によって生成されたC36ジカルボン酸の二塩基酸を主成分とし、一塩基酸、三塩基酸を含有する液状脂肪酸、築野食品工業株式会社製、品名ツノダイム395。
(フェノール化合物)
・フェノール化合物:フェノール樹脂(25℃の粘度1500~3500mPa・s)、明和化成株式会社製、品名MEH-8000H。
2.評価
(はんだバンプの導体との接触のしやすさ)
実施例1~9及び比較例1~3の補強用樹脂組成物を用いて、銅製の板の上に厚み0.1mmの膜を形成した。融点222℃のSAC305はんだを、直径0.35mmの球状に成形し、このSAC305はんだを膜の上に載せた。続いて、銅製の板を膜及びSAC305はんだごと、240℃で3分間加熱してから、室温まで冷却した。続いて、JIS Z 3198-3に準拠し、SAC305はんだの、平面視の直径(D)及び高さ寸法(H)を確認し、その結果に基づいて、{(D-H)/D}×100(%)の式で算出される値(濡れ広がり率)を求めた。この値をはんだバンプの導体との接触のしやすさの指標とし、前記の値に基づき以下の基準で評価した。その結果を、下記の表1に示す。
・A:60%以上。
・B:50%以上60%未満。
・C:50%未満。
(ガラス転移温度)
実施例1~9及び比較例1~3の補強用樹脂組成物から硬化物を作製した。具体的には、銅製の板(50mm×10mm)の上に1mm厚のコの字型のシリコンゴムを貼り付けて補強用樹脂組成物を流し込み、スライドガラスを上からかぶせ、補強用樹脂組成物が漏れ出さないようクリップで固定した。次に、各々の補強用樹脂組成物を、150℃で1h加熱し、続けて200℃で3h加熱することで、硬化させて、厚さ1mm、大きさ50mm×10mmの硬化物を作製した。そして、得られた各々の硬化物について動的粘弾性測定装置(DMA)(日立ハイテクサイエンス株式会社製、品名DMS6100)を用いて、貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E’’)を測定した。なお、弾性率測定における主要な測定パラメータは以下の通りである。
・測定周波数:10Hz
・昇温速度:10℃/分
続いて、各々の実施例及び比較例における、貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E’’)の結果に基づき、得られた損失正接(tanδ)の曲線から、それぞれのガラス転移温度(Tg)の値を確認した。そして、ガラス転移温度(Tg)の値を以下の基準で評価し、その結果を下記の表1に示した。
・A:ガラス転移温度(Tg)が125℃以上。
・B:ガラス転移温度(Tg)が100℃以上125℃未満。
・C:ガラス転移温度(Tg)が100℃未満。
(保存安定性)
実施例1~9及び比較例1~3の補強用樹脂組成物を25℃の恒温槽で24時間保管した後に測定した粘度(24時間後粘度)の値を、実施例1~9及び比較例1~3の補強用樹脂組成物を調製した直後に測定した粘度(初期粘度)の値で除した結果に基づき、以下の式(1)に従って粘度上昇率(%)を計算した。
(粘度上昇率)={(24時間後粘度)/(初期粘度)-1}×100・・・(1)
なお、粘度測定には、E型粘度計(東機産業株式会社製、品名RE-215U)が用いられた。また、粘度測定の条件は、回転数が5rpm、温度25℃で行われた。得られた粘度上昇率の値から、以下の基準で補強用樹脂組成物の保存安定性を評価し、その結果を下記の表1に示した。
・A:粘度上昇率が10%以下。
・B:粘度上昇率が10%超15%未満。
・C:粘度上昇率が15%以上。
(総合評価)
上記のはんだバンプの導体との接触のしやすさ、ガラス転移温度及び保存安定性の評価結果に基づき、以下の基準で総合評価を行った。その結果を下記の表1に示した。
・A:はんだバンプの導体との接触のしやすさ、ガラス転移温度及び保存安定性の評価において、全てA評価。
・B:はんだバンプの導体との接触のしやすさ、ガラス転移温度及び保存安定性の評価において、B評価が二つ以上、C評価がない。
・C:はんだバンプの導体との接触のしやすさ、ガラス転移温度及び保存安定性の評価において、C評価が一つ以上。
Figure 2024040024000004
実施例1から6の補強用樹脂組成物は、実施例8の補強用樹脂組成物と比較すると、エポキシ樹脂の含有量が低められているため、はんだバンプの導体との接触のしやすさが良好であった。
実施例1から6の補強用樹脂組成物は、実施例9の補強用樹脂組成物と比較すると、フェノール樹脂を含有していないため、はんだバンプの導体との接触のしやすさが良好であり、かつ保存安定性も良好であった。
実施例1から9の補強用樹脂組成物は、比較例1及び3の補強用樹脂組成物と比較すると、ベンゾオキサジンの含有量が高められているため、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高くなった。
実施例1から9の補強用樹脂組成物は、比較例2の補強用樹脂組成物と比較すると、ベンゾオキサジンの含有量が高すぎないため、補強用樹脂組成物の硬化性が調整されやすく、その結果、はんだバンプの導体との接触のしやすさが良好であった。
1 実装構造体
2 基材
3 実装部品
4 補強部
20 継目
21 第1導体
31 第2導体
32 はんだバンプ

Claims (6)

  1. ベンゾオキサジン化合物(A)と、エポキシ樹脂(B)と、活性剤(C)と、を含有し、
    前記ベンゾオキサジン化合物(A)は、1分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を2個以上有する多官能ベンゾオキサジン化合物(a1)を含み、
    前記ベンゾオキサジン化合物(A)の割合が、前記ベンゾオキサジン化合物(A)と、前記エポキシ樹脂(B)と、前記活性剤(C)との合計に対して、40質量%以上60質量%以下である、
    補強用樹脂組成物。
  2. フェノール化合物(D)を含有せず、又はフェノール化合物(D)を含有しかつ前記補強用樹脂組成物に対する前記フェノール化合物(D)の割合が0質量%超3質量%以下である、
    請求項1に記載の補強用樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂(B)の割合が、前記ベンゾオキサジン化合物(A)と、前記エポキシ樹脂(B)と、前記活性剤(C)との合計に対して、30質量%以上50質量%以下である、
    請求項1又は2に記載の補強用樹脂組成物。
  4. 25℃における粘度が10Pa・s以上200Pa・s以下である、
    請求項1又は2に記載の補強用樹脂組成物。
  5. 硬化物のガラス転移温度が100℃以上である、
    請求項1又は2に記載の補強用樹脂組成物。
  6. 第1導体を備える基材と、
    第2導体を備える実装部品と、
    前記第1導体と前記第2導体との間に介在し、かつ、前記第1導体と前記第2導体とを電気的に接続する、はんだバンプと、
    請求項1又は2に記載の補強用樹脂組成物の硬化物であり、かつ前記第1導体と、前記はんだバンプとの継目、及び前記第2導体と、前記はんだバンプとの継目のうち、少なくとも一方を覆う補強部と、を備える
    実装構造体。
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