JP2024038645A - 光電変換素子及び光電変換装置 - Google Patents

光電変換素子及び光電変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導き受光感度を向上しうる光電変換素子を提供する。【解決手段】光電変換素子は、半導体層の第1面の側に配された第1導電型の第1半導体領域と、第1半導体領域よりも半導体層の第2面の側に配され、第1半導体領域とpn接合してアバランシェフォトダイオードを構成する第2導電型の第2半導体領域と、平面視において第1領域を囲うように配された第1部分及び平面視において第1領域よりも内側の第2領域を囲うように配された第2部分を有する導光構造体と、半導体層の第2面の側に配された光学構造体層と、を有する。第2部分は第2面から少なくとも0.8μmの深さに渡って配されており、第1及び第2半導体領域は第2部分よりも第1面の側に配されており、第2領域は平面視において第1半導体領域と第2半導体領域との間のアバランシェ増倍領域の少なくとも一部と重なっている。【選択図】図7

Description

本発明は、光電変換素子及び光電変換装置に関する。
光電変換素子として、光子の入射により発生する電荷をアバランシェ降伏により増倍するアバランシェフォトダイオード(以下、「APD」と呼ぶ)が知られている。特許文献1には、入射光をAPDに向けて集光するための集光部の構造を工夫することにより光電変換素子の特性を向上する技術が記載されている。
特開2020-155514号公報
光電変換素子の感度を向上するうえで、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導くことは重要である。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、光電変換により生じた電荷をアバランシェ増倍領域へと導くうえで必ずしも十分であるとは言えなかった。
本発明の目的は、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導き受光感度を向上しうる光電変換素子及び光電変換装置を提供することにある。
本明細書の一開示によれば、第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有する半導体層に設けられた光電変換素子であって、前記半導体層の前記第1面の側に配された第1導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域よりも前記第2面の側に配され、前記第1半導体領域とpn接合してアバランシェフォトダイオードを構成する第2導電型の第2半導体領域と、前記半導体層の中に設けられ、平面視において第1領域を囲うように配された第1部分と、平面視において前記第1領域よりも内側の第2領域を囲うように配された第2部分と、を有する導光構造体と、前記半導体層の前記第2面の側に配された光学構造体層と、を有し、前記第2部分は、前記第2面から少なくとも0.8μmの深さに渡って配されており、前記第1半導体領域及び前記第2半導体領域は、前記第2部分よりも前記第1面の側に配されており、前記第2領域は、平面視において、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間のアバランシェ増倍領域の少なくとも一部と重なっている光電変換素子が提供される。
また、本明細書の他の一開示によれば、第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有する半導体層に設けられた光電変換素子であって、前記半導体層の前記第1面の側に配された第1導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域よりも前記第2面の側に配され、前記第1半導体領域とpn接合してアバランシェフォトダイオードを構成する第2導電型の第2半導体領域と、前記半導体層の中に設けられ、前記アバランシェフォトダイオードが設けられた領域を囲うように配された導光構造体と、前記半導体層の前記第2面の側に配された光学構造体層と、を有し、前記導光構造体は、断面視において、前記第1面の側の第1部分の第1の幅よりも前記第2面の側の第2部分の第2の幅の方が広く、前記第1の幅から前記第2の幅に不連続に変化している光電変換素子が提供される。
本発明によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
本発明の第1実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図(その1)である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図(その2)である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置の画素の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置の構成例を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置における光電変換部の基本動作を説明する図である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。 本発明の第2実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。 本発明の第2実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。 本発明の第2実施形態の変形例による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。 本発明の第3実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。 本発明の第4実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第5実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第6実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第7実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第8実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第9実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。 本発明の第9実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第10実施形態による光検出システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第11実施形態による距離画像センサの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第12実施形態による内視鏡手術システムの構成例を示す概略図である。 本発明の第13実施形態による移動体の構成例を示す概略図である。 本発明の第14実施形態による光検出システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第15実施形態による光検出システムの動作を示すフロー図である。 本発明の第16実施形態による光検出システムの概略構成を示す概略図である。
以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を限定するものではない。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下の説明において、同一の構成については同一の番号を付して説明を省略することがある。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による光電変換装置の概略構成について、図1乃至図4を用いて説明する。図1及び図2は、本実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態による光電変換装置の画素の構成例を示すブロック図である。図4は、本実施形態による光電変換装置の構成例を示す斜視図である。
本実施形態による光電変換装置100は、図1に示すように、画素領域10と、垂直走査回路部40と、読み出し回路部50と、水平走査回路部60と、出力回路部70と、制御パルス生成部80と、を有する。
画素領域10には、複数の行及び複数の列をなすようにアレイ状に配された複数の画素12が設けられている。各々の画素12は、後述するように、光電変換素子を含む光電変換部と、光電変換部から出力される信号を処理する画素信号処理部と、により構成され得る。なお、画素領域10を構成する画素12の数は、特に限定されるものではない。例えば、一般的なデジタルカメラのように数千行×数千列のアレイ状に配された複数の画素12により画素領域10を構成することができる。或いは、1行又は1列に並べた複数の画素12により画素領域10を構成してもよい。或いは、1つの画素12により画素領域10を構成してもよい。
画素領域10の画素アレイの各行には、第1の方向(図1において横方向)に延在して、制御線14が配されている。制御線14は、第1の方向に並ぶ画素12にそれぞれ接続され、これら画素12に共通の信号線をなしている。制御線14の延在する第1の方向は、行方向或いは水平方向と呼ぶことがある。制御線14の各々は、複数種類の制御信号を画素12に供給するための複数の信号線を含み得る。各行の制御線14は、垂直走査回路部40に接続されている。
また、画素領域10の画素アレイの各列には、第1の方向と交差する第2の方向(図1において縦方向)に延在して、データ線16が配されている。データ線16は、第2の方向に並ぶ画素12にそれぞれ接続され、これら画素12に共通の信号線をなしている。データ線16の延在する第2の方向は、列方向或いは垂直方向と呼ぶことがある。データ線16の各々は、画素12から出力される複数ビットのデジタル信号をビット毎に転送するための複数の信号線を含み得る。
各行の制御線14は、垂直走査回路部40に接続されている。垂直走査回路部40は、制御パルス生成部80から出力される制御信号を受け、画素12を駆動するための制御信号を生成し、制御線14を介して画素12に供給する機能を備える制御部である。垂直走査回路部40には、シフトレジスタやアドレスデコーダといった論理回路が用いられ得る。垂直走査回路部40は、画素領域10内の画素12を行単位で順次走査し、データ線16を介して各画素12の画素信号を読み出し回路部50へと出力する。
各列のデータ線16は、読み出し回路部50に接続されている。読み出し回路部50は、画素領域10の画素アレイの各列に対応して設けられた複数の保持部(図示せず)を備え、データ線16を介して画素領域10から行単位で出力される各列の画素12の画素信号を対応する列の保持部にて保持する機能を備える。
水平走査回路部60は、制御パルス生成部80から出力される制御信号を受け、読み出し回路部50の各列の保持部から画素信号を読み出すための制御信号を生成し、読み出し回路部50に供給する制御部である。水平走査回路部60には、シフトレジスタやアドレスデコーダといった論理回路が用いられ得る。水平走査回路部60は、読み出し回路部50の各列の保持部を順次走査し、各々に保持されている画素信号を順次出力回路部70へと出力する。
出力回路部70は、外部インターフェース回路を有し、読み出し回路部50から出力された画素信号を光電変換装置100の外部へ出力するための回路部である。出力回路部70が備える外部インターフェース回路は、特に限定されるものではない。外部インターフェース回路には、例えば、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)回路、SLVS(Scalable Low Voltage Signaling)回路等のSerDes(SERializer/DESerializer)送信回路を適用可能である。
制御パルス生成部80は、垂直走査回路部40、読み出し回路部50、水平走査回路部60の動作やそのタイミングを制御する制御信号を生成し、各機能ブロックに供給するための制御回路である。なお、垂直走査回路部40、読み出し回路部50、水平走査回路部60の動作やそのタイミングを制御する制御信号の少なくとも一部は、光電変換装置100の外部から供給してもよい。
なお、光電変換装置100の各機能ブロックの接続態様は図1の構成例に限定されるものではなく、例えば図2に示すように構成することもできる。
図2の構成例では、画素領域10の画素アレイの各行に、第1の方向に延在するデータ線16を配している。データ線16は、第1の方向に並ぶ画素12にそれぞれ接続され、これら画素12に共通の信号線をなしている。また、画素領域10の画素アレイの各列に、第2の方向に延在する制御線18を配している。制御線18は、第2の方向に並ぶ画素12にそれぞれ接続され、これら画素12に共通の信号線をなしている。
各列の制御線18は、水平走査回路部60に接続されている。水平走査回路部60は、制御パルス生成部80から出力される制御信号を受け、画素12から画素信号を読み出すための制御信号を生成し、制御線18を介して画素12に供給する。具体的には、水平走査回路部60は、画素領域10の複数の画素12を列単位で順次走査し、選択された列に属する各行の画素12の画素信号をデータ線16に出力する。
各行のデータ線16は、読み出し回路部50に接続されている。読み出し回路部50は、画素領域10の画素アレイの各行に対応して設けられた複数の保持部(図示せず)を備え、データ線16を介して画素領域10から列単位で出力される各行の画素12の画素信号を対応する行の保持部にて保持する機能を備える。
読み出し回路部50は、制御パルス生成部80から出力される制御信号を受け、各行の保持部に保持されている画素信号を順次出力回路部70へと出力する。
図2の構成例におけるその他の構成は、図1の構成例と同様であり得る。
各々の画素12は、図3に示すように、光電変換部20と、画素信号処理部30と、を有する。光電変換部20は、光電変換素子22と、クエンチ素子24と、を有する。画素信号処理部30は、信号処理回路32と、カウンタ34と、画素出力回路36と、を有する。
光電変換素子22は、アバランシェフォトダイオード(以下、「APD」と表記する)であり得る。光電変換素子22を構成するAPDのアノードは、電圧VLが供給されるノードに接続されている。光電変換素子22を構成するAPDのカソードは、クエンチ素子24の一方の端子に接続されている。光電変換素子22とクエンチ素子24との接続ノードが、光電変換部20の出力ノードである。クエンチ素子24の他方の端子は、電圧VLよりも高い電圧VHが供給されるノードに接続されている。電圧VL及び電圧VHは、APDがアバランシェ増倍動作をするに十分な逆バイアス電圧が印加されるように設定されている。一例では、電圧VLとして負の高電圧が与えられ、電圧VHとして電源電圧程度の正電圧が与えられる。例えば、電圧VLは-30Vであり、電圧VHは1Vである。
光電変換素子22は、前述のようにAPDにより構成され得る。アバランシェ増倍動作をするに十分な逆バイアス電圧をAPDに供給した状態とすることで、APDへの光入射によって生じた電荷がアバランシェ増倍を起こし、アバランシェ電流が発生する。APDに逆バイアス電圧を供給した状態における動作モードには、ガイガーモードとリニアモードとがある。ガイガーモードは、アノードとカソードとの間に印加する電圧をAPDの降伏電圧よりも大きい逆バイアス電圧とする動作モードである。リニアモードは、アノードとカソードとの間に印加する電圧をAPDの降伏電圧近傍又はそれ以下の逆バイアス電圧とする動作モードである。ガイガーモードで動作させるAPDは、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)と呼ばれる。光電変換素子22を構成するAPDは、リニアモードで動作するようにしてもよいし、ガイガーモードで動作するようにしてもよい。
本実施形態では、APDのアノードを固定電位とし、カソード側から信号を取り出している。したがって、信号電荷と同じ極性の電荷を多数キャリアとする第1導電型の半導体領域とはN型半導体領域であり、信号電荷と異なる極性の電荷を多数キャリアとする第2導電型の半導体領域とはP型半導体領域である。また、第1導電型のキャリアは電子であり、第2導電型のキャリアは正孔である。なお、APDのカソードを固定電位とし、アノード側から信号を取り出す場合でも本発明は成立する。この場合は、信号電荷と同じ極性の電荷を多数キャリアとする第1導電型の半導体領域はP型半導体領域であり、信号電荷と異なる極性の電荷を多数キャリアとする第2導電型の半導体領域とはN型半導体領域である。以下では、APDの一方のノードを固定電位とする場合について説明するが、両方のノードの電位が変動してもよい。
本明細書において、単に「不純物濃度」という用語が使われた場合、逆導電型の不純物によって補償された分を差し引いた正味の不純物濃度を意味している。つまり、「不純物濃度」とは、NETドーピング濃度を指す。P型の添加不純物濃度がN型の添加不純物濃度より高い領域はP型半導体領域である。反対に、N型の添加不純物濃度がP型の添加不純物濃度より高い領域はN型半導体領域である。
クエンチ素子24は、光電変換素子22で生じたアバランシェ電流の変化を電圧信号に変換する機能を備える。また、クエンチ素子24は、アバランシェ増倍による信号増倍時に負荷回路(クエンチ回路)として機能し、光電変換素子22に印加される電圧を低減してアバランシェ増倍を抑制する機能を備える。クエンチ素子24がアバランシェ増倍を抑制する動作は、クエンチ動作と呼ばれる。また、クエンチ素子24は、クエンチ動作によって電圧降下した分の電流を流すことにより、光電変換素子22に供給する電圧を電圧VHへと戻す機能を備える。クエンチ素子24が光電変換素子22に供給する電圧を電圧VHへと戻す動作は、リチャージ動作と呼ばれる。クエンチ素子24は、抵抗素子やMOSトランジスタなどにより構成され得る。
信号処理回路32は、光電変換部20の出力信号が供給される入力ノードと、出力ノードと、を有する。信号処理回路32は、光電変換部20から供給されるアナログ信号をパルス信号に変換する波形整形部としての機能を備える。信号処理回路32は、NOT回路(インバータ回路)、NOR回路、NAND回路等を含む論理回路により構成され得る。信号処理回路32の出力ノードは、カウンタ34に接続されている。
カウンタ34は、信号処理回路32の出力信号が供給される入力ノードと、制御線14に接続された入力ノードと、出力ノードと、を有する。カウンタ34は、信号処理回路32から出力される信号に重畳するパルスの計数を行い、計数結果であるカウント値を保持する機能を備える。垂直走査回路部40から制御線14を介してカウンタ34に供給される信号には、パルスの計数期間(露光期間)を制御するためのイネーブル信号や、カウンタ34が保持するカウント値をリセットするためのリセット信号などが含まれ得る。カウンタ34の出力ノードは、画素出力回路36を介してデータ線16に接続されている。
画素出力回路36は、カウンタ34とデータ線16との間の電気的な接続状態(接続又は非接続)を切り替える機能を備える。画素出力回路36は、垂直走査回路部40から制御線14を介して供給される制御信号(図2の構成例にあっては、水平走査回路部60から制御線18を介して供給される制御信号)に応じて、カウンタ34とデータ線16との間の接続状態を切り替える。画素出力回路36は、信号を出力するためのバッファ回路を含み得る。
画素12は、典型的には、画像を形成するための画素信号を出力する単位構造体である。ただし、TOF(Time of Flight)方式を用いた測距などを目的とする場合にあっては、画素12は、必ずしも画像を形成するための画素信号を出力する単位構造体である必要はない。すなわち、画素12は、光が到達した時刻と光量とを測定するための信号を出力する単位構造体でもあり得る。
なお、画素信号処理部30は、必ずしも各々の画素12に1つずつ設けられている必要はなく、複数の画素12に対して1つの画素信号処理部30を設けるようにしてもよい。この場合、1つの画素信号処理部30を用い、複数の画素12の信号処理を順次実行することができる。
本実施形態による光電変換装置100は、1枚の基板に形成してもよいし、複数の基板を積層した積層型の光電変換装置として構成してもよい。後者の場合、例えば図4に示すように、センサ基板110と回路基板180とを積層して電気的に接続した積層型の光電変換装置として構成可能である。センサ基板110には、画素12の構成要素のうち少なくとも光電変換素子22を配置することができる。また、回路基板180には、画素12の構成要素のうち、クエンチ素子24と画素信号処理部30とを配置することができる。光電変換素子22とクエンチ素子24及び画素信号処理部30とは、画素12毎に設けられた接続配線を介して電気的に接続される。また、回路基板180には、垂直走査回路部40、読み出し回路部50、水平走査回路部60、出力回路部70、制御パルス生成部80等を更に配置することができる。
各画素12の光電変換素子22とクエンチ素子24及び画素信号処理部30とは、平面視において重なるようにセンサ基板110と回路基板180とに設けられ得る。垂直走査回路部40、読み出し回路部50、水平走査回路部60、出力回路部70、制御パルス生成部80は、複数の画素12により構成される画素領域10の周囲に配置することができる。なお、ここでの「平面視」は、センサ基板110の面に対して垂直な方向から視ることを指す。
積層型の光電変換装置100を構成することにより、素子の集積度を上げ、高機能化を図ることができる。特に、光電変換素子22とクエンチ素子24及び画素信号処理部30とを別々の基板に配置することで、光電変換素子22の受光面積を犠牲にすることなく光電変換素子22を高密度で配置することができ、光子検知効率を向上することができる。
なお、光電変換装置100を構成する基板の数は2枚に限定されるものではなく、3枚以上の基板を積層して光電変換装置100を構成するようにしてもよい。
また、図4ではセンサ基板110及び回路基板180としてダイシングされたチップを想定しているが、センサ基板110及び回路基板180はチップに限定されるものではない。例えば、センサ基板110及び回路基板180の各々はウェーハであってもよい。また、センサ基板110及び回路基板180は、ウェーハ状態で積層した後にダイシングしてもよいし、各々をチップ化した後に積層・接合してもよい。
次に、本実施形態による光電変換装置における光電変換部20の基本動作について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態による光電変換装置における光電変換部の基本動作を説明する図である。図5(a)は光電変換部20及び信号処理回路32の回路図であり、図5(b)は信号処理回路32の入力ノード(ノードA)における信号の波形を示し、図5(c)は信号処理回路32の出力ノード(ノードB)における信号の波形を示している。なお、ここでは説明の簡略化のため、信号処理回路32がインバータ回路により構成されている場合を想定している。
時刻t0において、光電変換素子22には(VH-VL)に相当する電位差の逆バイアス電圧が印加されている。光電変換素子22を構成するAPDのアノードとカソードとの間にはアバランシェ増倍を生じるに十分な逆バイアス電圧が印加されているが、光電変換素子22に光子が入射していない状態ではアバランシェ増倍の種となるキャリアが存在しない。そのため、光電変換素子22においてアバランシェ増倍は起こらず、光電変換素子22に電流は流れない。
続く時刻t1において、光電変換素子22に光子(フォトン)が入射したものとする。光電変換素子22に光子が入射すると、光電変換によって電子-正孔対が生成され、これらキャリアを種としてアバランシェ増倍が生じ、光電変換素子22にアバランシェ増倍電流が流れる。このアバランシェ増倍電流がクエンチ素子24を流れることによりクエンチ素子24による電圧降下が生じ、ノードAの電圧が降下し始める。ノードAの電圧降下量が大きくなり、時刻t3においてアバランシェ増倍が停止すると、ノードAの電圧レベルはそれ以上降下しなくなる。
光電変換素子22におけるアバランシェ増倍が停止すると、電圧VLが供給されるノードから光電変換素子22を介してノードAに電圧降下分を補う電流が流れ、ノードAの電圧は徐々に増加する。その後、時刻t5においてノードAは元の電圧レベルに静定する。
信号処理回路32は、ノードAから入力される信号を所定の判定閾値に応じて二値化し、ノードBから出力する。具体的には、信号処理回路32は、ノードAの電圧レベルが判定閾値を超えているときはノードBからLowレベルの信号を出力し、ノードAの電圧レベルが判定閾値以下のときはノードBからHighレベルの信号を出力する。例えば、図5(b)に示すように、時刻t2から時刻t4の期間においてノードAの電圧が判定閾値以下であるとする。この場合、図5(c)に示すように、ノードBにおける信号レベルは、時刻t0から時刻t2の期間及び時刻t4から時刻t5の期間においてLowレベルとなり、時刻t2から時刻t4の期間においてHighレベルとなる。
こうして、ノードAから入力されたアナログ信号は、信号処理回路32によってデジタル信号へと波形整形される。光電変換素子22への光子の入射に応じて信号処理回路32から出力されるパルス信号が、光子検知パルス信号である。
次に、本実施形態による光電変換装置100における光電変換素子22の具体的な構造について、図6乃至図8を用いて説明する。図6は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。図7は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。図8は、本実施形態の変形例による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。
図6は、光電変換素子22の平面視における各構成部分の位置関係を示している。図6には、画素領域10を構成する複数の画素12のうち、隣り合って配された2行×2列の4つの画素12の4つの光電変換素子22を示している。図7は図6のVI-VI′線断面図である。VI-VI′線に沿った方向は画素12の対角方向である。図6及び図7に示した二点鎖線は、隣り合う画素12(光電変換素子22)の境界を示している。
本明細書において、「平面視」とは、後述する半導体層120の光入射面(第2面124)又はその反対側の面(第1面122)の法線方向から視ることを指す。また、断面とは、半導体層120の第1面122又は第2面124の法線方向に平行な切断面を指す。なお、図6等に示す平面図は、第1面122又は第2面124に平行な投影面に各部を垂直投影した平面レイアウト図に対応するものであり、必ずしも同一の平面に存在する構成部分を図示するものではない。微視的に見て半導体層120の第1面122又は第2面124が粗面である場合は、巨視的に見たときの半導体層120の第1面122又は第2面124を基準として平面視を定義する。
また、本明細書において、深さ方向は、半導体層120の第1面122から第2面124に向かう方向である。以下では、第1面122を「表面」という場合があり、第2面124を「裏面」という場合がある。
本実施形態による光電変換装置は、例えば図7に示すように、センサ基板110と回路基板180とを積層した積層型の光電変換装置として構成され得る。
センサ基板110は、第1面122及び第1面122と対向する第2面124を有する半導体層120と、半導体層120の第1面122の側に設けられた配線構造体層150と、を有する。半導体層120の第2面124の側には、光学構造体層190が配置され得る。光学構造体層190が設けられた半導体層120の第2面124の側が、検出対象の光を受光する受光面となる。つまり、本実施形態の光電変換装置は、いわゆる裏面照射型の光電変換装置である。
半導体層120は、例えば単結晶シリコン基板を薄化したものであり、所定の濃度のN型不純物又はP型不純物を含む。本実施形態では一例として、P型シリコン基板を薄化した半導体層120を想定するものとする。
半導体層120には、N型半導体領域126,130と、P型半導体領域128,132,134,136,138と、が設けられている。N型半導体領域126は、断面視における半導体層120の第1面122の側に配されており、少なくとも一部が半導体層120の第1面122に達している。P型半導体領域128は、N型半導体領域126よりも半導体層120内の第2面124の側に配されており、N型半導体領域126との間にpn接合を形成している。N型半導体領域130は、少なくとも平面視におけるN型半導体領域126の端部に接するように配されている。P型半導体領域136は、断面視における半導体層120の第2面124の側に配されている。また、P型半導体領域136は、平面視において、光電変換素子22が配される領域の全体に渡って設けられている。P型半導体領域134は、平面視において、N型半導体領域126,130及びP型半導体領域128が設けられた領域の各々を囲うように配されている。P型半導体領域134は、半導体層120の第1面122からP型半導体領域136が配置された深さに渡って配されている。P型半導体領域134,136により囲まれた半導体層120内の領域が、1つの光電変換素子22のN型半導体領域126,130及びP型半導体領域128が配されるウェル領域(P型半導体領域132)である。P型半導体領域132の不純物濃度は、P型半導体領域128の不純物濃度よりも低くなっている。これにより、深さ方向に電位勾配が形成され、P型半導体領域132で生じた電荷をアバランシェ増倍領域に移動させることが可能となる。
平面視において、N型半導体領域126及びP型半導体領域128は、P型半導体領域134によって画定される領域の内側に配されている。また、平面視において、P型半導体領域128はN型半導体領域126よりも内側の領域に配されている。N型半導体領域130は、N型半導体領域126が設けられた深さにおいて、N型半導体領域126を囲うように配されている。また、P型半導体領域132は、N型半導体領域126,130が設けられた深さにおいて、N型半導体領域130とP型半導体領域134との間に配されている。
本実施形態において、1つの光電変換素子22は、N型半導体領域126,130、P型半導体領域128,132,134,136を含んで構成される。隣り合って配置された光電変換素子22は、P型半導体領域134,136により互いに電気的に分離されている。すなわち、P型半導体領域134,136は、光電変換素子22の間を電気的に分離する分離部を構成している。N型半導体領域126とP型半導体領域128との間のpn接合に形成される空乏層がアバランシェ増倍領域となる。N型半導体領域130は、N型半導体領域126の端部におけるエッジブレークダウンを抑制する役割を有しており、この目的のもとN型半導体領域126よりも不純物濃度が低く設定されている。N型半導体領域126の端部に不純物濃度の低いN型半導体領域130を配置することで、N型半導体領域126の端部における電界を緩和し、低い電圧でブレークダウンが生じるのを抑制することができる。
画素12(光電変換素子22)と画素12(光電変換素子22)との間の領域には、半導体層120の第1面122から第2面124に至るように導光構造体144が設けられている。導光構造体144は、図6及び図7に示すように、P型半導体領域134の中に設けられ得る。導光構造体144は、隣接する光電変換素子22に光が漏れ込むのを防止する役割を有するものであり、光電変換素子22が配された領域の各々を囲う壁状体であることが好ましい。導光構造体144は、例えば、半導体層120に形成した溝に絶縁部材や金属部材を埋め込むことにより構成され得る。導光構造体144を配置する深さは、求められる特性に応じて適宜設定することができ、例えば、半導体層120の第2面124から第1面122に渡って配置してもよいし、第2面124から半導体層120の途中の深さまで配置してもよい。P型半導体領域134は、画素間を分離する役割に加え、半導体層120と導光構造体144との間に存在するダングリングボンド等の界面準位を介した暗電流を抑制するための役割をも備え得る。
また、半導体層120には更に、導光構造体146が設けられている。導光構造体146は、平面視において、アバランシェ増倍領域の少なくとも一部と重なる領域を囲うように、より好ましくはアバランシェ増倍領域と重なる領域を囲うように、配される。導光構造体146は、導光構造体144から独立して、半導体層120の第2面124の側に配される。導光構造体146は、半導体層120の第2面124から0.8μm程度以上の深さに渡って設けられていることが望ましい。なお、N型半導体領域126,130及びP型半導体領域128は、導光構造体146よりも半導体層120の第1面122の側に配される。
導光構造体146の周囲には、P型半導体領域138が設けられている。導光構造体146は、半導体層120の第2面124の側から入射した光をアバランシェ増倍領域へと導く役割を有する。導光構造体146は、例えば、半導体層120に形成した溝に絶縁部材や金属部材を埋め込むことにより構成され得る。P型半導体領域138は、P型半導体領域134と同様、半導体層120と導光構造体146との間に存在するダングリングボンド等の界面準位を介した暗電流を抑制するための役割を有する。
平面視における導光構造体146の形状は、平面視においてアバランシェ増倍領域の少なくとも一部と重なる領域を囲うものであれば、特に限定されるものではない。例えば、平面視における導光構造体146の形状は、図6に示すような多角形形状であってもよいし、図8に示すような円形形状であってもよい。図6は、平面視における導光構造体146の形状を平面視における導光構造体144の形状に対して相似の形状とした例である。図8は、半導体層120に入射する光がマイクロレンズ196によって円形或いは円形に近い形状に集光されることを考慮し、平面視における導光構造体146の形状をマイクロレンズ196によって集光される光の形状に合わせるように円形とした例である。或いは、平面視における導光構造体146の形状を平面視におけるアバランシェ増倍領域の形状に対して相似の形状としてもよい。なお、ここで言う円形とは、真円に限らず例えば楕円形などであってもよい。
なお、本明細書では、導光構造体144,146を一体として捉え、導光構造体144を1つの導光構造体の第1部分、導光構造体146を当該1つの導光構造体の第2部分と呼ぶことがある。この場合、第1部分は、平面視において、1つの光電変換素子が設けられる領域に対応する第1領域を囲うように配され、第2部分は、平面視において、第1領域よりも内側の第2領域を囲うように配される。
配線構造体層150は、絶縁層152と、絶縁層152の中に配された配線層154と、を有する。配線層154は、P型半導体領域134に接続されたアノード電極156と、N型半導体領域126に接続されたカソード電極158と、半導体層120から最も離間した配線層により構成されたパッド電極160と、を含む。アノード電極156は、例えば図6及び図7に示すように、対角方向に並ぶ光電変換素子22の間の位置に配され得る。また、カソード電極158は、例えば図6及び図8に示すように、平面視におけるN型半導体領域126の中心部に配され得る。なお、カソード電極158は、1つのN型半導体領域126に対して複数配置してもよい。
回路基板180は、センサ基板110の配線構造体層150の側に積層されている。図7における接合面170が、センサ基板110と回路基板180との間の接合部である。回路基板180は、トランジスタ等の素子が設けられた半導体層と、半導体層の上に設けられた配線構造体層と、を有する。図7には図面の簡略化のため、回路基板180を構成する半導体層及び配線構造体層のうち、最上層の配線層により構成されたパッド電極182と、パッド電極182に接続される一部の配線層184のみを示している。センサ基板110と回路基板180とは、例えば、パッド電極160を構成する金属部材とパッド電極182を構成する金属部材との間の金属接合により接合され得る。
光学構造体層190は、ピニング膜192と、平坦化層194と、複数のマイクロレンズ196を含むマイクロレンズ層と、を含んで構成され得る。また、光学構造体層190は、不図示のフィルタ層などを更に含んでもよい。フィルタ層には、カラーフィルタ、赤外光カットフィルタ、モノクロフィルタ等の種々の光学フィルタを適用可能である。また、半導体層120にはP型半導体領域136を設けず、P型半導体領域134に接するようにピニング膜192を設けてもよい。ピニング膜192には、公知の材料を適用することができる。マイクロレンズ196は、入射光を半導体層120の導光構造体146よりも内側の領域に集光するように構成されていることが望ましい。
P型半導体領域128とN型半導体領域126との間には、アノード電極156及びカソード電極158を介して所定の逆バイアス電圧が印加される。マイクロレンズ196を介して半導体層120の第2面124の側から光子が入射すると、入射した光子は電子を励起して電子-正孔対を生成する(光電変換)。この電荷(電子)がN型半導体領域126とP型半導体領域128との間のアバランシェ増倍領域に到達すると、N型半導体領域126とP型半導体領域128との間の電界によって加速され、アバランシェ増倍を引き起こす。アバランシェ増倍によって生じたキャリアはカソード電極158を介して収集され、光電変換素子22の出力信号として外部に出力される。
このとき、光電変換素子22に入射する光は、マイクロレンズ196によって集光された後、半導体層120の中を広がりながら進行していく。その過程で吸収された光子が電子-正孔対を生成するが、光子は必ずしも光電変換素子22の中央部で吸収されるとは限らず、導光構造体144の付近で吸収されることもある。導光構造体144の付近で発生した電荷は、光電変換素子22の中央部で発生した電荷と比較するとアバランシェ増倍領域を通過せずにカソード電極158へと排出される確率が高く、光電変換素子22の感度が低下する一つの原因となる。
この点、本実施形態の光電変換素子22においては、導光構造体144よりも内側の領域に、平面視においてアバランシェ増倍領域の少なくとも一部を囲うように導光構造体146を配置している。したがって、マイクロレンズ196で集光された光は、半導体層120の中を広がりながら進行していくが、導光構造体146によって反射されることで導光構造体146よりも内側の領域を伝搬するようになる。これにより、半導体層120に入射した光子のうちアバランシェ増倍領域の近傍で吸収される割合が増加し、ひいては光電変換素子22の受光感度を向上することができる。マイクロレンズ196の焦点位置が導光構造体146の内側の領域になるように設計し、より多くの光子が導光構造体146の内側の領域で吸収されるようにすることで、光電変換素子22の更なる感度向上を図ることができる。
また、被写体の光学像を結像レンズで集光して光電変換装置100に入射する場合、画素領域10の周辺部に近い光電変換素子22ほど結像レンズからの光の入射角度が大きくなる。その結果、画素領域10の周辺部に近い光電変換素子22ほどアバランシェ増倍領域から離れた箇所で吸収される光子の割合が多くなり、画素領域10の中央部よりも周辺部が暗くなってしまう現象、いわゆるシェーディング(周辺減光)が生じることがある。このような場合においても、導光構造体146を設けることで入射角の大きい光をもアバランシェ増倍領域の近傍へと導くことが可能となり、シェーディングを抑制することができる。
マイクロレンズ196で集光された光は半導体層120の中を広がりながら伝搬するため、導光構造体146による感度向上の効果は、半導体層120による吸収係数が小さくより深くに侵入する長波長の光ほど得られやすい。ここで、長波長の光として例えば波長650nmの赤色光を例に挙げると、波長650nmの光は半導体層120内を約0.8μm伝搬する間に20%~30%が吸収される。つまり、導光構造体146を第2面124から0.8μm以上の深さに渡って設けることで、入射光のうち少なくとも波長650nmの光の20%~30%に対し、アバランシェ増倍領域から離れた領域で吸収されることによる感度低下を抑制することができる。波長650nmの光に限らず、0.8μm未満の距離を伝搬する間に吸収される光についても同様である。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による光電変換装置について、図9及び図10を用いて説明する。第1実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図9は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。図10は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。
本実施形態による光電変換装置は、光電変換素子22の構成が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、本実施形態の光電変換素子22が第1実施形態の光電変換素子22と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態の光電変換素子22と共通する部分については適宜説明を省略する。
図9は、光電変換素子22の平面視における各構成部分の位置関係を示している。図9には、画素領域10を構成する複数の画素12のうち、隣り合って配された2行×2列の4つの画素12の4つの光電変換素子22を示している。図10は図9のIX-IX′線断面図である。
本実施形態の光電変換素子22は、図9及び図10に示すように、半導体層120の第2面124の側に凹凸構造148を更に有する点で、第1実施形態の光電変換素子22とは異なっている。
凹凸構造148は、半導体層120の第2面124の、平面視において導光構造体146で囲まれた領域と重なる領域に、少なくとも設けられる。凹凸構造148は、例えば、半導体層120の第2面124に形成した溝に絶縁部材を埋め込むことにより構成され得る。凹凸構造148は、少なくともその一部がP型半導体領域136と重なる領域に配置され得る。凹凸構造148は、半導体層120のP型半導体領域136よりも浅い部分、すなわちP型半導体領域136の第1面122の側の面よりも第2面124の側に配置することが望ましい。なお、凹凸構造148の深さは0.8μm程度未満である。
図9及び図10には、凹凸構造148の一例として、半導体層120の第2面124に格子状の溝を設けた例を示している。ただし、凹凸構造148は半導体層120の第2面124の側から入射する光を散乱させる役割を有するものであり、第2面124から入射する光を散乱する機能を有する限りにおいて、凹凸構造148を構成するパターンは特に限定されるものではない。
半導体層120に凹凸構造148を設けることで、半導体層120に入射する光は凹凸構造148によって屈折し或いは散乱される。これにより、導光構造体144により反射されることと相俟って、半導体層120内を進む入射光の距離が長くなり、より多くの光子が光電変換に寄与するようになる。その一方で、凹凸構造148によって入射光が屈折・散乱されることで、平面視においてアバランシェ増倍領域から離れた領域で吸収される光子が増加してしまい、凹凸構造148による感度向上の効果を得にくくなる。
この点、本実施形態の光電変換素子22においては、導光構造体144よりも内側の領域に、平面視においてアバランシェ増倍領域の少なくとも一部と重なる領域を囲うように導光構造体146を配置している。したがって、マイクロレンズ196で集光された光は、凹凸構造148により屈折・散乱され、半導体層120の中を広がりながら進行していくが、導光構造体146により反射されることで導光構造体146よりも内側の領域を伝搬するようになる。これにより、半導体層120に入射した光子のうちアバランシェ増倍領域の近傍で吸収される割合が増加し、ひいては光電変換素子22の受光感度を向上することができる。
なお、図9及び図10の構成例では平面視における導光構造体146の内側の領域のみに凹凸構造148を配置したが、例えば図11及び図12に示すように、平面視における導光構造体146の外側の領域にも凹凸構造148を配置してもよい。
図11は、本実施形態の変形例による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。図12は、本実施形態の変形例による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。図11は、光電変換素子22の平面視における各構成部分の位置関係を示している。図11には、画素領域10を構成する複数の画素12のうち、隣り合って配された2行×2列の4つの画素12の4つの光電変換素子22を示している。図12は図11のXI-XI′線断面図である。光電変換素子をこのように構成することで、平面視における導光構造体146の内側の領域のみに凹凸構造148を配置する場合と比較して、凹凸構造148によって生じる応力が均一となり、生産性を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による光電変換装置について、図13及び図14を用いて説明する。第1及び第2実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図13は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。図14は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。
本実施形態による光電変換装置は、光電変換素子22の構成が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、本実施形態の光電変換素子22が第1実施形態の光電変換素子22と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態の光電変換素子22と共通する部分については適宜説明を省略する。
図13は、光電変換素子22の平面視における各構成部分の位置関係を示している。図13には、画素領域10を構成する複数の画素12のうち、隣り合って配された2行×2列の4つの画素12の4つの光電変換素子22を示している。図14は図13のXIII-XIII′線断面図である。
本実施形態の光電変換素子22は、導光構造体146を設ける代わりに、平面視における導光構造体144の幅が半導体層120の第1面122の側と第2面の側とにおいて異なっている点で、第1実施形態による光電変換素子とは異なっている。すなわち、本実施形態による光電変換素子22の導光構造体144は、図13及び図14に示すように、第1面122の側よりも第2面124の側の方が広くなっている。導光構造体144によって第2面124の側に画定される半導体層120の領域は、第1実施形態の導光構造体146によって囲まれた領域に相当している。また、導光構造体144の幅が広くなっている部分の深さは、第1実施形態の導光構造体146が設けられた深さに相当している。これにより、導光構造体144は、隣接する光電変換素子22に光が漏れ込むのを防止する役割に加え、第1実施形態における導光構造体146と同様の役割をも備え得る。
第2面124の側で導光構造体144の幅を広くすることで、導光構造体146を設けた場合と同様、半導体層120に入射した光子のうちアバランシェ増倍領域の近傍で吸収される割合を増加し、ひいては光電変換素子22の受光感度を向上することができる。その一方、P型半導体領域128と導光構造体144との距離が近くなると強電界が生じやすくなり、トンネル電流起因のノイズが増加する虞がある。そのため、第1面122の側では導光構造体144の幅を広げるのは好ましくない。導光構造体144の幅を第1面122の側では狭く、第2面124の側では広くすることにより、感度の向上とノイズの低減とを両立することができる。
第1面122の側と第2面124の側とで幅の異なる導光構造体144は、特に限定されるものではないが、例えば以下の方法により形成可能である。第1の方法は、第1面122の側から幅の狭い導光構造体を形成し、第2面124の側から幅の広い導光構造体を形成し、これらにより導光構造体144を構成する方法である。第2の方法は、第2面124の側から、半導体層120の中間深さまで幅の広い分離溝を形成し、次いで半導体層120を貫通する深さまで幅の狭い分離溝を形成し、連通するこれら分離溝に絶縁体や金属を埋め込んで導光構造体144を形成する方法である。これらの方法で導光構造体144を形成した場合、断面視における導光構造体144の幅は、半導体層120の深さ方向に沿って不連続に変化することになる。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による光電変換装置について、図15及び図16を用いて説明する。第1乃至第3実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図15は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。図16は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す概略断面図である。
本実施形態による光電変換装置は、光電変換素子22の構成が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、本実施形態の光電変換素子22が第1実施形態の光電変換素子22と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態の光電変換素子22と共通する部分については適宜説明を省略する。
図15は、光電変換素子22の平面視における各構成部分の位置関係を示している。図15には、画素領域10を構成する複数の画素12のうち、隣り合って配された2行×2列の4つの画素12の4つの光電変換素子22を示している。図16は図15のXV-XV′線断面図である。
本実施形態の光電変換素子22は、光学構造体層190に設けられた遮光層193を更に有する点で、第1実施形態の光電変換素子とは異なっている。遮光層193は、例えば図16に示すように、ピニング膜192と平坦化層194との間に配され得る。また、遮光層193は、例えば図15に示すように、平面視において、導光構造体144で囲まれた領域のうち、導光構造体146で囲まれた領域を除く部分を覆うように配されている。遮光層193を配置することで、導光構造体146の外側の領域に光が入射するのを抑制することができる。
光電変換によって生成された電荷はアバランシェ増倍領域に向かって移動するが、その電荷がアバランシェ増倍領域に到達するまでに要する時間は、電荷が生成された場所によって異なる。例えば、平面視において導光構造体146で囲まれた領域の外側で生成された電荷は、平面視において導光構造体146で囲まれた領域の内側で生成された電荷よりも、アバランシェ増倍領域に到達するまでに長い時間を要する。そのため、例えば光電変換装置を測距装置の受光部として用いる場合、光検出タイミングに幅が生じることとなり、測距制度が低下する。
この点、本実施形態の光電変換素子22においては、遮光層193によって導光構造体146の外側の領域に入射する光を遮断し、導光構造体146よりも内側の領域で光電変換が生じるようにしている。これにより、半導体層120内で生成された電荷がアバランシェ増倍領域に到達するまでに要する時間のばらつきを低減することができる。したがって、光電変換装置を測距装置の受光部として用いる場合にあっては、測距精度の低下を抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による光電変換装置について、図17を用いて説明する。第1乃至第4実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図17は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す断面図である。本実施形態の光電変換素子の平面レイアウトは、図6に示す第1実施形態の光電変換素子の平面レイアウトと基本的に同じである。図17は、図6のVI-VI′線断面に相当する断面図である。
本実施形態による光電変換装置は、光電変換素子22の構成が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、本実施形態の光電変換素子22が第1実施形態の光電変換素子22と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態の光電変換素子22と共通する部分については適宜説明を省略する。
本実施形態の光電変換素子22は、半導体層120とマイクロレンズ196との間に配された層内レンズ195を更に有する点で、第1実施形態の光電変換素子とは異なっている。層内レンズ195は、例えば図17に示すように、光学構造体層190のピニング膜192と平坦化層194との間に配され得る。層内レンズ195は、入射光を集光させる形状、例えば凸レンズ形状を有している。
半導体層120とマイクロレンズ196との間に層内レンズ195を設けることで、入射光を導光構造体146の内側の領域に導きやすくなり、受光感度を向上することができる。また、導光構造体146よりも外側で光電変換される入射光成分を減らすことにもなるので、光電変換装置を測距装置の受光部として用いる場合にあっては、測距精度の低下を抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による光電変換装置について、図18を用いて説明する。第1乃至第5実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図18は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す断面図である。本実施形態の光電変換素子の平面レイアウトは、図6に示す第1実施形態の光電変換素子の平面レイアウトと基本的に同じである。図18は、図6のVI-VI′線断面に相当する断面図である。
本実施形態による光電変換装置は、光電変換素子22の構成が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、本実施形態の光電変換素子22が第1実施形態の光電変換素子22と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態の光電変換素子22と共通する部分については適宜説明を省略する。
本実施形態の光電変換素子22は、半導体層120とマイクロレンズ196との間に配された光導波路197を更に有する点で、第1実施形態の光電変換素子とは異なっている。光導波路197は、例えば図18に示すように、光学構造体層190のピニング膜192と平坦化層194との間に配され得る。光導波路197は、平坦化層194を構成する材料よりも屈折率の高い材料で構成されており、入射光を光導波路197内に閉じ込めて伝搬させる効果を有する。
半導体層120とマイクロレンズ196との間に光導波路197を設けることで、入射光を導光構造体146の内側の領域に導きやすくなり、受光感度を向上することができる。また、導光構造体146よりも外側で光電変換される入射光成分を減らすことにもなるので、光電変換装置を測距装置の受光部として用いる場合にあっては、測距精度の悪化を抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による光電変換装置について、図19を用いて説明する。第1乃至第6実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図19は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す断面図である。本実施形態の光電変換素子の平面レイアウトは、図6に示す第1実施形態の光電変換素子の平面レイアウトと基本的に同じである。図19は、図6のVI-VI′線断面に相当する断面図である。
本実施形態による光電変換装置は、光電変換素子22の構成が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、本実施形態の光電変換素子22が第1実施形態の光電変換素子22と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態の光電変換素子22と共通する部分については適宜説明を省略する。
本実施形態の光電変換素子22は、絶縁層152内に設けられた曲面反射層162を更に有する点で、第1実施形態の光電変換素子とは異なっている。曲面反射層162は、図19に示すように、半導体層120の第1面122の側に、平面視においてN型半導体領域126と重なる領域に配され、絶縁層152の側に凸の円弧状の外形を有している。光導波路197は、絶縁層152を構成する材料とは屈折率の異なる材料で構成されており、半導体層120を透過した入射光を絶縁層152との界面で反射する役割を有する。
半導体層120の第1面122に面して曲面反射層162を設けることで、半導体層120を透過した入射光を光電変換素子22の中心方向に反射させることができる。これにより、曲面反射層162で反射された光は、平面視においてアバランシェ増倍領域と重なる領域で光電変換されやすくなり、受光感度を向上することができる。本実施形態では、カソード電極158を小さく形成するほど、曲面反射層162により光電変換素子22の中央方向に反射する成分を増やすことが可能となる。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態による光電変換装置について、図20を用いて説明する。第1乃至第7実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図20は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す断面図である。本実施形態の光電変換素子の平面レイアウトは、図6に示す第1実施形態の光電変換素子の平面レイアウトと基本的に同じである。図20は、図6のVI-VI′線断面に相当する断面図である。
本実施形態による光電変換装置は、光電変換素子22の構成が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、本実施形態の光電変換素子22が第1実施形態の光電変換素子22と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態の光電変換素子22と共通する部分については適宜説明を省略する。
本実施形態の光電変換素子22は、半導体層120の第1面122の側に凹凸構造164を更に有する点で、第1実施形態の光電変換素子とは異なっている。凹凸構造164は、図20に示すように、半導体層120の第1面122の側の、N型半導体領域126,130と導光構造体144との間に設けられる。凹凸構造164は、例えば、半導体層120の第1面122に形成した溝に絶縁部材を埋め込むことにより構成され得る。
半導体層120の第1面122の側に凹凸構造164を設けることにより、半導体層120で吸収されずに第1面122のアバランシェ増倍領域から離れた領域に到達した光を散乱することができる。そして、凹凸構造164で散乱された光の一部がアバランシェ増倍領域付近で光電変換を起こすことで、受光感度を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第9実施形態]
本発明の第9実施形態による光電変換装置について、図21及び図22を用いて説明する。第1乃至第8実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図21は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す平面図である。図22は、本実施形態による光電変換装置における光電変換素子の構造を示す断面図である。
本実施形態による光電変換装置は、光電変換素子22の構成が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、本実施形態の光電変換素子22が第1実施形態の光電変換素子22と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態の光電変換素子22と共通する部分については適宜説明を省略する。
光電変換素子22を構成する半導体領域の構成は、第1乃至第8実施形態で示した例に限定されるものではない。本実施形態では、いわゆる電荷収集型SPADの構成を適用した場合の例を示す。図21は、光電変換素子22の平面視における各構成部分の位置関係を示している。図21には、画素領域10を構成する複数の画素12のうち、隣り合って配された2行×2列の4つの画素12の4つの光電変換素子22を示している。図22は図21のXXI-XXI′線断面図である。
半導体層120には、N型半導体領域126,130、140,142と、P型半導体領域128,134,136,138と、が設けられている。N型半導体領域126は、断面視における半導体層120の第1面122の側に配されており、少なくとも一部が半導体層120の第1面122に達している。N型半導体領域130は、N型半導体領域126の側面側及び第2面124側に接するように配されている。P型半導体領域128は、N型半導体領域126,130よりも半導体層120の第2面124の側に配されており、N型半導体領域126,130との間にpn接合を形成している。N型半導体領域140は、P型半導体領域128よりも半導体層120の第2面124の側に配されている。P型半導体領域136は、断面視における半導体層120の第2面124の側に配されている。また、P型半導体領域136は、平面視において、光電変換素子22が配される領域の全体に渡って設けられている。P型半導体領域134は、平面視において、N型半導体領域126,130,140及びP型半導体領域128が設けられた領域の各々を囲うように配されている。P型半導体領域134は、半導体層120の第1面122からP型半導体領域136が配置された深さに渡って配されている。P型半導体領域134,136により囲まれた半導体層120内の領域が、1つの光電変換素子22のN型半導体領域126,130,140及びP型半導体領域128が配されるウェル領域(N型半導体領域142)である。N型半導体領域142の不純物濃度は、N型半導体領域126,130,140の不純物濃度よりも低くなっている。
平面視において、N型半導体領域130の外周部は、P型半導体領域134から離間している。N型半導体領域126が配された深さにおいて、P型半導体領域134とN型半導体領域130との間にはN型半導体領域142が配され、N型半導体領域142とN型半導体領域126との間にはN型半導体領域130が配されている。平面視において、P型半導体領域128の外周部は、P型半導体領域134に接している。また、平面視において、N型半導体領域130,140の外周部は、P型半導体領域134から離間している。N型半導体領域140が配された深さにおいて、P型半導体領域134とN型半導体領域140との間には、N型半導体領域142が配されている。光電変換素子22をこのように構成することで、半導体層120内に、光電変換により生成された電荷が平面視における光電変換素子22の中心方向に移動してからアバランシェ増倍領域へと移動するような電界を形成することができる。
画素12の微細化が進展し、N型半導体領域126とP型半導体領域134との間の距離が短くなると、N型半導体領域126とP型半導体領域134との間に強電界が生じやすくなり、トンネル電流によりノイズが増加することが懸念される。そのため、画素12の微細化に伴ってN型半導体領域126のサイズを小さくする必要があり、それに伴って光電変換により生じた電荷の収集効果が低下することがある。
この点、本実施形態においては、光電変換素子22の中心部に電荷を収集するように不純物プロファイルを構成しているため、導光構造体144及び導光構造体146を設けたことと相俟って、アバランシェ増倍領域に電荷を効率的に収集することができる。これにより、画素12の微細化を図りつつ、光電変換素子22の受光感度を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、光電変換により生じた電荷を効率的にアバランシェ増倍領域へと導いて受光感度を向上することができる。
[第10実施形態]
本発明の第10実施形態による光検出システムについて、図23を用いて説明する。図23は、本実施形態による光検出システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態では、第1実施形態乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100を適用した光検出センサについて説明する。
上記第1乃至第9実施形態で述べた光電変換装置100は、種々の光検出システムに適用可能である。適用可能な光検出システムの例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、監視カメラ、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星などの撮像システムが挙げられる。また、レンズなどの光学系と撮像装置とを備えるカメラモジュールも、光検出システムに含まれる。図23には、これらのうちの一例として、デジタルスチルカメラのブロック図を例示している。
図23に例示した光検出システム200は、光電変換装置201、被写体の光学像を光電変換装置201に結像させるレンズ202、レンズ202を通過する光量を可変にするための絞り204、レンズ202の保護のためのバリア206を有する。レンズ202及び絞り204は、光電変換装置201に光を集光する光学系である。光電変換装置201は、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100であって、レンズ202により結像された光学像を画像データに変換する。
光検出システム200は、また、光電変換装置201より出力される出力信号の処理を行う信号処理部208を有する。信号処理部208は、光電変換装置201が出力するデジタル信号から画像データの生成を行う。また、信号処理部208は必要に応じて各種の補正、圧縮を行って画像データを出力する動作を行う。光電変換装置201は、信号処理部208で処理されるデジタル信号を生成するAD変換部を備え得る。AD変換部は、光電変換装置201の光電変換素子が形成された半導体層(半導体基板)に形成されていてもよいし、光電変換装置201の光電変換素子が形成された半導体層とは別の半導体基板に形成されていてもよい。また、信号処理部208が光電変換装置201と同一の半導体基板に形成されていてもよい。
光検出システム200は、更に、画像データを一時的に記憶するためのメモリ部210、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)212を有する。更に光検出システム200は、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体214、記録媒体214に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)216を有する。なお、記録媒体214は、光検出システム200に内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。また、記録媒体制御I/F部216と記録媒体214との間の通信や外部I/F部212からの通信は無線によってなされてもよい。
更に光検出システム200は、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部218、光電変換装置201と信号処理部208に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部220を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、光検出システム200は少なくとも光電変換装置201と、光電変換装置201から出力された出力信号を処理する信号処理部208とを有すればよい。タイミング発生部220は、光電変換装置201に搭載されていてもよい。また、全体制御・演算部218及びタイミング発生部220は、光電変換装置201の制御機能の一部又は全部を実施するように構成されていてもよい。
光電変換装置201は、撮像信号を信号処理部208に出力する。信号処理部208は、光電変換装置201から出力される撮像信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。信号処理部208は、撮像信号を用いて、画像を生成する。信号処理部208は、光電変換装置201から出力される信号に対して測距演算を行うように構成されていてもよい。
このように、本実施形態によれば、第1乃至第9実施形態の光電変換装置を用いて光検出システムを構成することにより、より良質の画像が取得可能な光検出システムを実現することができる。
[第11実施形態]
本発明の第11実施形態による距離画像センサについて、図24を用いて説明する。図24は、本実施形態による距離画像センサの概略構成を示すブロック図である。本実施形態では、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100を適用した光検出システムの一例として距離画像センサを説明する。
本実施形態による距離画像センサ300は、図24に示すように、光学系302と、光電変換装置304と、画像処理回路306と、モニタ308と、メモリ310と、を含んで構成され得る。この距離画像センサ300は、光源装置320から被写体330に向かって照射され被写体330の表面で反射された光(変調光やパルス光)を受光し、被写体330までの距離に応じた距離画像を取得するものである。
光学系302は、1枚又は複数枚のレンズにより構成され、被写体330からの像光(入射光)を光電変換装置304の受光面(センサ部)に結像させる役割を有する。
光電変換装置304は、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100であって、被写体330からの像光に基づいて被写体330までの距離を示す距離信号を生成し、生成した距離信号を画像処理回路306へと供給する機能を備える。
画像処理回路306は、光電変換装置304から供給された距離信号に基づいて距離画像を構築する画像処理を行う機能を備える。
モニタ308は、画像処理回路306における画像処理によって得られた距離画像(画像データ)を表示する機能を備える。また、メモリ310は、画像処理回路306における画像処理によって得られた距離画像(画像データ)を記憶(記録)する機能を備える。
このように、本実施形態によれば、第1乃至第9実施形態の光電変換装置を用いて距離画像センサを構成することにより、画素12の特性向上に相俟って、より正確な距離情報を含む距離画像を取得可能な距離画像センサを実現することができる。
[第12実施形態]
本発明の第12実施形態による内視鏡手術システムについて、図25を用いて説明する。図25は、本実施形態による内視鏡手術システムの構成例を示す概略図である。本実施形態では、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100を適用した光検出システムの一例として内視鏡手術システムを説明する。
図25には、術者(医師)460が、内視鏡手術システム400を用いて、患者ベッド470上の患者472に手術を行っている様子が図示されている。
本実施形態の内視鏡手術システム400は、図25に示すように、内視鏡410と、術具420と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート430と、を含んで構成され得る。カート430には、CCU(カメラコントロールユニット:Camera Control Unit)432、光源装置434、入力装置436、処置具制御装置438、表示装置440などが搭載され得る。
内視鏡410は、先端から所定の長さの領域が患者472の体腔内に挿入される鏡筒412と、鏡筒412の基端に接続されるカメラヘッド414と、を含んで構成される。図25には、硬性の鏡筒412を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡410を図示しているが、内視鏡410は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。内視鏡410は、アーム416により移動可能な状態で保持されている。
鏡筒412の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡410には光源装置434が接続されており、光源装置434によって生成された光が、鏡筒412の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者472の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡410は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド414の内部には不図示の光学系及び光電変換装置が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該光電変換装置に集光される。当該光電変換装置は、観察光を光電変換し、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号を生成する。当該光電変換装置としては、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100を用いることができる。当該画像信号は、RAWデータとしてCCU432に送信される。
CCU432は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡410及び表示装置440の動作を統括的に制御する。更に、CCU432は、カメラヘッド414から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
表示装置440は、CCU432からの制御により、当該CCU432によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
光源装置434は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡410に供給する。
入力装置436は、内視鏡手術システム400に対する入力インターフェースである。ユーザは、入力装置436を介して、内視鏡手術システム400に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。
処置具制御装置438は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具450の駆動を制御する。
内視鏡410に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置434は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置434において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド414の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置434は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド414の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置434は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用する。具体的には、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置434は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
このように、本実施形態によれば、第1乃至第9実施形態の光電変換装置を用いて内視鏡手術システムを構成することにより、より良質の画像が取得可能な内視鏡手術システムを実現することができる。
[第13実施形態]
本発明の第13実施形態による光検出システム及び移動体について、図26乃至図28を用いて説明する。図26は、本実施形態による移動体の構成例を示す概略図である。図27は、本実施形態による光検出システムの概略構成を示すブロック図である。図28は、本実施形態による光検出システムの動作を示すフロー図である。本実施形態では、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100を適用した光検出システムとして、車載カメラへの適用例を示す。
図26は、本実施形態による移動体(車両システム)の構成例を示す模式図である。図26は、第1乃至第9実施形態のいずれかに記載の光電変換装置を適用した光検出システムが組み込まれた車両システムの一例として、車両500(自動車)の構成を示している。図26(a)は車両500の正面模式図であり、図26(b)は車両500の平面模式図であり、図26(c)は車両500の背面模式図である。車両500は、正面に一対の光電変換装置502を備えている。ここで、光電変換装置502は、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100である。また、車両500は、集積回路503、警報装置512及び主制御部513を備える。
図27は、車両500に搭載された光検出システム501の構成例を示すブロック図である。光検出システム501は、光電変換装置502と、画像前処理部515と、集積回路503と、光学系514と、を含む。光電変換装置502は、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100である。光学系514は、光電変換装置502に被写体の光学像を結像する。光電変換装置502は、光学系514により結像された被写体の光学像を電気信号に変換する。画像前処理部515は、光電変換装置502から出力された信号に対して所定の信号処理を行う。画像前処理部515の機能は、光電変換装置502内に組み込まれていてもよい。光検出システム501には、光学系514、光電変換装置502及び画像前処理部515の組が、少なくとも2組設けられており、各組の画像前処理部515からの出力が集積回路503に入力されるようになっている。
集積回路503は、撮像システム用途向けの集積回路であり、画像処理部504、光学測距部506、視差演算部507、物体認知部508、異常検出部509を含む。画像処理部504は、画像前処理部515から出力された画像信号を処理する。例えば、画像処理部504は、画像前処理部515の出力信号に対して、現像処理や欠陥補正等の画像処理を行う。画像処理部504は、画像信号を一時的に保持するメモリ505を備える。メモリ505には、例えば光電変換装置502内の既知の欠陥画素の位置が記憶され得る。
光学測距部506は、被写体の合焦や測距を行う。視差演算部507は、複数の光電変換装置502により取得された複数の画像データ(視差画像)から測距情報(距離情報)の算出を行う。光電変換装置502の各々が、距離情報などの各種情報を取得可能な構成を備えていてもよい。物体認知部508は、車、道、標識、人等の被写体の認知を行う。異常検出部509は、光電変換装置502の異常を検出すると、主制御部513に異常を通知する。
集積回路503は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
主制御部513は、光検出システム501、車両センサ510、制御ユニット520等の動作を統括・制御する。なお、車両500が主制御部513を備えていなくてもよい。この場合、光電変換装置502、車両センサ510、制御ユニット520が通信ネットワークを介して制御信号の送受を行う。この制御信号の送受には、例えばCAN規格が適用され得る。
集積回路503は、主制御部513からの制御信号を受け或いは自身の制御部によって、光電変換装置502へ制御信号や設定値を送信する機能を有する。
光検出システム501は、車両センサ510に接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの自車両走行状態及び自車外環境や他車・障害物の状態を検出することができる。車両センサ510は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段でもある。また、光検出システム501は、自動操舵、自動巡行、衝突防止機能等の種々の運転支援を行う運転支援制御部511に接続されている。特に、衝突判定機能に関しては、光検出システム501や車両センサ510の検出結果を基に他車・障害物との衝突推定・衝突有無を判定する。これにより、衝突が推定される場合の回避制御、衝突時の安全装置起動を行う。
また、光検出システム501は、衝突判定部での判定結果に基づいて、ドライバーに警報を発する警報装置512にも接続されている。例えば、衝突判定部の判定結果として衝突可能性が高い場合、主制御部513は、ブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして、衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置512は、音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムやメーターパネルなどの表示部画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を光検出システム501で撮影する。図26(b)に、車両前方を光検出システム501で撮像する場合の光検出システム501の配置例を示す。
光電変換装置502は、前述のように、車両500の前方に配される。具体的には、車両500の進退方位又は外形(例えば車幅)に対する中心線を対称軸に見立て、その対称軸に対して2つの光電変換装置502が線対称に配されると、車両500と被写対象物との間の距離情報の取得や衝突可能性の判定を行う上で好ましい。また、光電変換装置502は、運転者が運転席から車両500の外の状況を視認する際に運転者の視野を妨げない配置が好ましい。警報装置512は、運転者の視野に入りやすい配置が好ましい。
次に、光検出システム501における光電変換装置502の故障検出動作について、図28を用いて説明する。光電変換装置502の故障検出動作は、図28に示すステップS110~S180に従って実施され得る。
ステップS110は、光電変換装置502のスタートアップ時の設定を行うステップである。すなわち、光検出システム501の外部(例えば主制御部513)又は光検出システム501の内部から、光電変換装置502の動作のための設定を送信し、光電変換装置502の撮像動作及び故障検出動作を開始する。
次いで、ステップS120において、有効画素から画素信号を取得する。また、ステップS130において、故障検出用に設けた故障検出画素からの出力値を取得する。この故障検出画素は、有効画素と同じく光電変換素子を備える。この光電変換素子には、所定の電圧が書き込まれる。故障検出画素は、この光電変換素子に書き込まれた電圧に対応する信号を出力する。なお、ステップS120とステップS130とは逆でもよい。
次いで、ステップS140において、故障検出画素の出力期待値と、実際の故障検出画素からの出力値との該非判定を行う。ステップS140における該非判定の結果、出力期待値と実際の出力値とが一致している場合は、ステップS150に移行し、撮像動作が正常に行われていると判定し、処理ステップがステップS160へと移行する。ステップS160では、走査行の画素信号をメモリ505に送信して一次保存する。そののち、ステップS120に戻り、故障検出動作を継続する。一方、ステップS140における該非判定の結果、出力期待値と実際の出力値とが一致していない場合は、処理ステップはステップS170に移行する。ステップS170において、撮像動作に異常があると判定し、主制御部513又は警報装置512に警報を通知する。警報装置512は、表示部に異常が検出されたことを表示させる。その後、ステップS180において光電変換装置502を停止し、光検出システム501の動作を終了する。
なお、本実施形態では、1行毎にフローチャートをループさせる例を例示したが、複数行毎にフローチャートをループさせてもよいし、1フレーム毎に故障検出動作を行ってもよい。ステップS170の警報の発報は、無線ネットワークを介して、車両の外部に通知するようにしてもよい。
また、本実施形態では、他の車両と衝突しない制御を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。更に、光検出システム501は、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機或いは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
[第14実施形態]
本発明の第14実施形態による光検出システムについて、図29を用いて説明する。図29は、本実施形態による光検出システムの構成例を示す概略図である。本実施形態では、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100を適用した光検出システムとして、眼鏡(スマートグラス)への適用例を説明する。
図29(a)は、1つの適用例に係る眼鏡600(スマートグラス)を示している。眼鏡600は、レンズ601と、光電変換装置602と、制御装置603と、を有する。
光電変換装置602は、第1乃至第9実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100であって、レンズ601に設けられている。光電変換装置602は1つでもよいし、複数でもよい。また、複数の光電変換装置602を用いる場合にあっては、複数種類の光電変換装置602を組み合わせて用いてもよい。光電変換装置602の配置位置は図29(a)に限定されるものではない。レンズ601の裏面側には、OLEDやLED等の発光装置を含む表示装置(図示せず)が設けられていてもよい。
制御装置603は、光電変換装置602と上記の表示装置に電力を供給する電源として機能する。また、制御装置603は、光電変換装置602及び表示装置の動作を制御する機能を備える。レンズ601には、光電変換装置602に光を集光するための光学系が設けられている。
図29(b)は、他の1つの適用例に係る眼鏡610(スマートグラス)を示している。眼鏡610は、レンズ611と、制御装置612と、を有する。制御装置612には、光電変換装置602に相当する不図示の光電変換装置と表示装置とが搭載され得る。
レンズ611には、制御装置612内の光電変換装置と、表示装置からの光を投影するための光学系とが設けられており、画像が投影される。制御装置612は、光電変換装置及び表示装置に電力を供給する電源として機能するとともに、光電変換装置及び表示装置の動作を制御する機能を備える。
制御装置612は、装着者の視線を検知する視線検知部を更に有してもよい。この場合、制御装置612に赤外発光部を設け、赤外発光部から発せられた赤外線を視線の検知に用いることができる。具体的には、赤外発光部は、表示画像を注視しているユーザの眼球に対して、赤外光を発する。発せられた赤外光の眼球からの反射光を、受光素子を有する撮像部が検出することで眼球の撮像画像が得られる。平面視における赤外発光部から表示部への光を低減する低減手段を有することで、画像品位の低下を低減することができる。
表示画像に対するユーザの視線は、赤外光の撮像により得られた眼球の撮像画像から検出することができる。眼球の撮像画像を用いた視線検出には任意の公知の手法が適用できる。一例として、角膜での照射光の反射によるプルキニエ像に基づく視線検出方法を用いることができる。より具体的には、瞳孔角膜反射法に基づく視線検出処理が行われる。瞳孔角膜反射法を用いて、眼球の撮像画像に含まれる瞳孔の像とプルキニエ像とに基づいて、眼球の向き(回転角度)を表す視線ベクトルが算出されることにより、ユーザの視線が検出される。
本実施形態の表示装置は、受光素子を有する光電変換装置を備え、光電変換装置からのユーザの視線情報に基づいて表示画像を制御するように構成されてもよい。具体的には、表示装置は、視線情報に基づいて、ユーザが注視する第1の視界領域と、第1の視界領域以外の第2の視界領域とを決定する。第1の視界領域及び第2の視界領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定してもよい。外部の制御装置が決定する場合は、通信を介して表示装置に伝えられる。表示装置の表示領域において、第1の視界領域の表示解像度は、第2の視界領域の表示解像度よりも高くなるように制御してもよい。つまり、第2の視界領域の解像度は、第1の視界領域の解像度よりも低くしてもよい。
また、表示領域は、第1の表示領域、第1の表示領域とは異なる第2の表示領域とを有し、視線情報に基づいて、第1の表示領域及び第2の表示領域から優先度が高い領域を決定するように構成されてもよい。第1の表示領域及び第2の表示領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定してもよい。外部の制御装置が決定する場合は、通信を介して表示装置に伝えられる。優先度の高い領域の解像度は、優先度が高い領域以外の領域の解像度よりも高くなるように制御してもよい。つまり、優先度が相対的に低い領域の解像度は低くしてもよい。
なお、第1の視界領域や優先度が高い領域の決定には、AIを用いてもよい。AIは、眼球の画像と当該画像の眼球が実際に視ていた方向とを教師データとして、眼球の画像から視線の角度、視線の先の目的物までの距離を推定するよう構成されたモデルであってよい。AIプログラムは、表示装置が有しても、光電変換装置が有しても、外部装置が有してもよい。外部装置が有する場合は、通信を介して表示装置に伝えられる。
視認検知に基づいて表示制御する場合、外部を撮像する光電変換装置を更に有するスマートグラスに好ましく適用できる。スマートグラスは、撮像した外部情報をリアルタイムで表示することができる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
例えば、第1乃至第9実施形態の光電変換素子22に対して、凹凸構造148,164、曲面反射層162、遮光層193、層内レンズ195、光導波路197のうちの少なくとも1つを追加するように構成することも可能である。
また、画素12の回路構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、光電変換素子22とクエンチ素子24との間や光電変換部20と画素信号処理部30との間にトランジスタ等のスイッチを設け、これらの間の電気的な接続状態を制御するようにしてもよい。また、電圧VHが供給されるノードとクエンチ素子24との間及び/又は電圧VLが供給されるノードと光電変換素子22との間にトランジスタ等のスイッチを設け、これらの間の電気的な接続状態を制御するようにしてもよい。また、1つの画素12に対して複数の光電変換素子22を設けてもよい。
また、上記実施形態では画素信号処理部30としてカウンタ34を用いる構成を示したが、カウンタ34の代わりにTDC(時間・デジタル変換回路:Time to Digital Converter)とメモリとを用いてもよい。この場合、信号処理回路32から出力されたパルス信号の発生タイミングは、TDCによってデジタル信号に変換される。TDCには、パルス信号のタイミングの測定時に、垂直走査回路部40から制御線14を介して制御パルスpREF(参照信号)が供給される。TDCは、制御パルスpREFを基準として、各画素12から出力された信号の入力タイミングを相対的な時間としたときの信号をデジタル信号として取得する。
なお、上記実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
上記実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有する半導体層に設けられた光電変換素子であって、
前記半導体層の前記第1面の側に配された第1導電型の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域よりも前記第2面の側に配され、前記第1半導体領域とpn接合してアバランシェフォトダイオードを構成する第2導電型の第2半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、平面視において第1領域を囲うように配された第1部分と、平面視において前記第1領域よりも内側の第2領域を囲うように配された第2部分と、を有する導光構造体と、
前記半導体層の前記第2面の側に配された光学構造体層と、を有し、
前記第2部分は、前記第2面から少なくとも0.8μmの深さに渡って配されており、
前記第1半導体領域及び前記第2半導体領域は、前記第2部分よりも前記第1面の側に配されており、
前記第2領域は、平面視において、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間のアバランシェ増倍領域の少なくとも一部と重なっている
ことを特徴とする光電変換素子。
(構成2)
前記導光構造体の前記第1部分と前記第2部分とは互いに独立している
ことを特徴とする構成1記載の光電変換素子。
(構成3)
前記導光構造体の前記第1部分は、前記第2部分よりも前記半導体層の前記第1面の側に渡って設けられている
ことを特徴とする構成2記載の光電変換素子。
(構成4)
前記導光構造体の前記第1部分は、前記半導体層の前記第1面から前記第2面に渡って設けられている
ことを特徴とする構成3記載の光電変換素子。
(構成5)
前記第1面の側に配された前記第1部分と前記第2面の側に配された前記第2部分とが前記半導体層の深さ方向に連続しており、
前記導光構造体は、断面視において、前記第1部分の第1の幅よりも前記第2部分の第2の幅の方が広く、前記第1の幅から前記第2の幅に不連続に変化している
ことを特徴とする構成1記載の光電変換素子。
(構成6)
前記半導体層は、前記第2面に設けられた凹凸構造を有する
ことを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載の光電変換素子。
(構成7)
前記光学構造体層は、前記第1領域のうち前記第2領域を除く部分に配された遮光層を有する
ことを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載の光電変換素子。
(構成8)
前記光学構造体層は、マイクロレンズを有し、入射光を前記半導体層の前記第2領域に集光するように構成されている
ことを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の光電変換素子。
(構成9)
前記光学構造体層は、前記マイクロレンズと前記半導体層との間に配された層内レンズと、を有する
ことを特徴とする構成8記載の光電変換素子。
(構成10)
前記光学構造体層は、前記マイクロレンズと前記半導体層との間に配された光導波路と、を有する
ことを特徴とする構成8記載の光電変換素子。
(構成11)
前記第2部分は、平面視において、前記アバランシェ増倍領域又は前記第1部分の外形に対して相似の形状を有する
ことを特徴とする構成1乃至10のいずれかに記載の光電変換素子。
(構成12)
前記半導体層は、前記第1面に設けられた凹凸構造を有する
ことを特徴とする構成1乃至11のいずれかに記載の光電変換素子。
(構成13)
前記半導体層の前記第1面に対向して配された反射層を更に有する
ことを特徴とする構成1乃至12のいずれかに記載の光電変換素子。
(構成14)
平面視において前記第1領域を囲うように配された前記第2導電型の第3半導体領域を更に有し、
前記導光構造体の前記第1部分は、前記第3半導体領域の内側に配されている
ことを特徴とする構成1乃至13のいずれかに記載の光電変換素子。
(構成15)
前記第2半導体領域よりも前記第2面の側に配された前記第1導電型の第4半導体領域と、
少なくとも前記第4半導体領域が設けられた深さにおいて前記第3半導体領域と前記第4半導体領域との間に配された前記第1導電型の第5半導体領域と、を更に有し、
前記第5半導体領域の不純物濃度は、前記第4半導体領域の不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする構成14記載の光電変換素子。
(構成16)
前記導光構造体の前記第1部分は、前記半導体層に画定された複数の前記第1領域を互いに分離するように設けられている
ことを特徴とする構成1乃至15のいずれかに記載の光電変換素子。
(構成17)
第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有する半導体層に設けられた光電変換素子であって、
前記半導体層の前記第1面の側に配された第1導電型の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域よりも前記第2面の側に配され、前記第1半導体領域とpn接合してアバランシェフォトダイオードを構成する第2導電型の第2半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記アバランシェフォトダイオードが設けられた領域を囲うように配された導光構造体と、
前記半導体層の前記第2面の側に配された光学構造体層と、を有し、
前記導光構造体は、断面視において、前記第1面の側の第1部分の第1の幅よりも前記第2面の側の第2部分の第2の幅の方が広く、前記第1の幅から前記第2の幅に不連続に変化している
ことを特徴とする光電変換素子。
(構成18)
複数の行及び複数の列をなすように配された複数の画素を有する光電変換装置であって、
前記複数の画素の各々は、構成1乃至17のいずれかに記載の光電変換素子と、前記光電変換素子から出力される信号を処理する信号処理回路と、を有する
ことを特徴とする光電変換装置。
(構成19)
前記複数の画素の各々の前記光電変換素子が設けられた前記半導体層を含む第1基板と、
前記複数の画素の各々の前記信号処理回路が設けられた第2基板と
を有することを特徴とする構成18記載の光電変換装置。
(構成20)
構成18又は19記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理装置と
を有することを特徴とする光検出システム。
(構成21)
前記信号処理装置は、前記信号に基づいて対象物までの距離情報を表す距離画像を生成する
ことを特徴とする構成20記載の光検出システム。
(構成22)
移動体であって、
構成18又は19記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置から出力される信号に基づく視差画像から、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記距離情報に基づいて前記移動体を制御する制御手段と
を有することを特徴とする移動体。
100…光電変換装置
110…センサ基板
120…半導体層
122…第1面
124…第2面
126,130,140,144…N型半導体領域
128,132,134,136,138…P型半導体領域
144,146…導光構造体
190…光学構造体層

Claims (22)

  1. 第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有する半導体層に設けられた光電変換素子であって、
    前記半導体層の前記第1面の側に配された第1導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域よりも前記第2面の側に配され、前記第1半導体領域とpn接合してアバランシェフォトダイオードを構成する第2導電型の第2半導体領域と、
    前記半導体層の中に設けられ、平面視において第1領域を囲うように配された第1部分と、平面視において前記第1領域よりも内側の第2領域を囲うように配された第2部分と、を有する導光構造体と、
    前記半導体層の前記第2面の側に配された光学構造体層と、を有し、
    前記第2部分は、前記第2面から少なくとも0.8μmの深さに渡って配されており、
    前記第1半導体領域及び前記第2半導体領域は、前記第2部分よりも前記第1面の側に配されており、
    前記第2領域は、平面視において、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間のアバランシェ増倍領域の少なくとも一部と重なっている
    ことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記導光構造体の前記第1部分と前記第2部分とは互いに独立している
    ことを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. 前記導光構造体の前記第1部分は、前記第2部分よりも前記半導体層の前記第1面の側に渡って設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の光電変換素子。
  4. 前記導光構造体の前記第1部分は、前記半導体層の前記第1面から前記第2面に渡って設けられている
    ことを特徴とする請求項3記載の光電変換素子。
  5. 前記第1面の側に配された前記第1部分と前記第2面の側に配された前記第2部分とが前記半導体層の深さ方向に連続しており、
    前記導光構造体は、断面視において、前記第1部分の第1の幅よりも前記第2部分の第2の幅の方が広く、前記第1の幅から前記第2の幅に不連続に変化している
    ことを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  6. 前記半導体層は、前記第2面に設けられた凹凸構造を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記光学構造体層は、前記第1領域のうち前記第2領域を除く部分に配された遮光層を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 前記光学構造体層は、マイクロレンズを有し、入射光を前記半導体層の前記第2領域に集光するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. 前記光学構造体層は、前記マイクロレンズと前記半導体層との間に配された層内レンズと、を有する
    ことを特徴とする請求項8記載の光電変換素子。
  10. 前記光学構造体層は、前記マイクロレンズと前記半導体層との間に配された光導波路と、を有する
    ことを特徴とする請求項8記載の光電変換素子。
  11. 前記第2部分は、平面視において、前記アバランシェ増倍領域又は前記第1部分の外形に対して相似の形状を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  12. 前記半導体層は、前記第1面に設けられた凹凸構造を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  13. 前記半導体層の前記第1面に対向して配された反射層を更に有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  14. 平面視において前記第1領域を囲うように配された前記第2導電型の第3半導体領域を更に有し、
    前記導光構造体の前記第1部分は、前記第3半導体領域の内側に配されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  15. 前記第2半導体領域よりも前記第2面の側に配された前記第1導電型の第4半導体領域と、
    少なくとも前記第4半導体領域が設けられた深さにおいて前記第3半導体領域と前記第4半導体領域との間に配された前記第1導電型の第5半導体領域と、を更に有し、
    前記第5半導体領域の不純物濃度は、前記第4半導体領域の不純物濃度よりも低い
    ことを特徴とする請求項14記載の光電変換素子。
  16. 前記導光構造体の前記第1部分は、前記半導体層に画定された複数の前記第1領域を互いに分離するように設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  17. 第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有する半導体層に設けられた光電変換素子であって、
    前記半導体層の前記第1面の側に配された第1導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域よりも前記第2面の側に配され、前記第1半導体領域とpn接合してアバランシェフォトダイオードを構成する第2導電型の第2半導体領域と、
    前記半導体層の中に設けられ、前記アバランシェフォトダイオードが設けられた領域を囲うように配された導光構造体と、
    前記半導体層の前記第2面の側に配された光学構造体層と、を有し、
    前記導光構造体は、断面視において、前記第1面の側の第1部分の第1の幅よりも前記第2面の側の第2部分の第2の幅の方が広く、前記第1の幅から前記第2の幅に不連続に変化している
    ことを特徴とする光電変換素子。
  18. 複数の行及び複数の列をなすように配された複数の画素を有する光電変換装置であって、
    前記複数の画素の各々は、請求項1乃至5及び17のいずれか1項に記載の光電変換素子と、前記光電変換素子から出力される信号を処理する信号処理回路と、を有する
    ことを特徴とする光電変換装置。
  19. 前記複数の画素の各々の前記光電変換素子が設けられた前記半導体層を含む第1基板と、
    前記複数の画素の各々の前記信号処理回路が設けられた第2基板と
    を有することを特徴とする請求項18記載の光電変換装置。
  20. 請求項18記載の光電変換装置と、
    前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理装置と
    を有することを特徴とする光検出システム。
  21. 前記信号処理装置は、前記信号に基づいて対象物までの距離情報を表す距離画像を生成する
    ことを特徴とする請求項20記載の光検出システム。
  22. 移動体であって、
    請求項18記載の光電変換装置と、
    前記光電変換装置から出力される信号に基づく視差画像から、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段と、
    前記距離情報に基づいて前記移動体を制御する制御手段と
    を有することを特徴とする移動体。
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