JP2024038631A - 感光性樹脂組成物、樹脂膜、および電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅密着性に優れた感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリアミド、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、およびフェノール樹脂からなる群から選ばれる一または二以上を含む樹脂(A)、感光剤(B)、シランカップリング剤(C)を含み、シランカップリング剤(C)が、一般式(1)で表されるケイ素化合物を含む、感光性樹脂組成物。TIFF2024038631000013.tif63153【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、樹脂膜、および電子装置に関する。
電気・電子分野においては、絶縁層などの硬化膜を形成するために、ポリアミド樹脂および/またはポリイミド樹脂を含む感光性樹脂組成物が用いられることがある。そのため、ポリアミド樹脂および/またはポリイミド樹脂を含む感光性樹脂組成物がこれまで検討されてきている。
特許文献1には、ポリアミド樹脂および/またはポリイミド樹脂およびシランカップリング剤を含む感光性樹脂組成物が記載されている。
特開2018-070829号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の感光性樹脂組成物において、銅密着性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、分子内にコハク酸系構造を有するケイ素化合物をシランカップリング剤として使用することにより、感光性樹脂組成物からなる樹脂膜と銅を含む金属基材との銅密着性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、以下の感光性樹脂組成物、樹脂膜、および電子装置が提供される。
1. ポリアミド、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、およびフェノール樹脂からなる群から選ばれる一または二以上を含む樹脂(A)と、
感光剤(B)と、
シランカップリング剤(C)と、を含み、
前記シランカップリング剤(C)が、下記の一般式(1)で表されるケイ素化合物を含む、
感光性樹脂組成物。
Figure 2024038631000001
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数1~20の有機基を表し、R'は、水素原子または炭素数1~10の有機基であり、nは0~3の整数である。)
2. 1.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記Rが炭素数1~10の脂肪族炭化水素基である前記一般式(1)で表されるケイ素化合物を含む、感光性樹脂組成物。
3. 1.または2.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記R'が水素原子である前記一般式(1)で表されるケイ素化合物を含む、感光性樹脂組成物。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記樹脂(A)が、ポリイミド、またはポリイミド前駆体を含む、感光性樹脂組成物。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記樹脂(A)が、ポリイミドを含む、感光性樹脂組成物。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光剤(B)が、光ラジカル発生剤を含む、感光性樹脂組成物。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
カールフィッシャー法により測定される感光性樹脂組成物中の水分量が0.1質量%以上10質量%以下である、感光性樹脂組成物。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
当該感光性樹脂組成物の硬化膜のTMAにより測定されるガラス転移温度が、150℃以上である、感光性樹脂組成物。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
ネガ型感光性樹脂組成物である、感光性樹脂組成物。
10. 1.~9.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる樹脂膜。
11. 10.に記載の樹脂膜を備える電子装置。
本発明によれば、銅密着性に優れた感光性樹脂組成物、それを用いた樹脂膜および電子装置が提供される。
電子装置の構成の一例を示す縦断面図である。 図2は、図1の鎖線で囲まれた領域の部分拡大図である。 図1に示す電子装置を製造する方法を示す工程図である。 図1に示す電子装置を製造する方法を説明するための図である。 図1に示す電子装置を製造する方法を説明するための図である。 図1に示す電子装置を製造する方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態の感光性樹脂組成物の概要を説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、およびフェノール樹脂からなる群から選ばれる一または二以上を含む樹脂(A)と、感光剤(B)と、シランカップリング剤(C)と、を含み、このシランカップリング剤(C)が、下記の一般式(1)で表されるケイ素化合物を含むように構成される。
Figure 2024038631000002
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数1~20の有機基を表し、R'は、水素原子または炭素数1~10の有機基であり、nは0~3の整数である。)
上記一般式(1)で表されるケイ素化合物は、分子内にコハク酸系構造を有するケイ素化合物である。
コハク酸系構造とは、コハク酸構造またはコハク酸誘導体構造のいずれかを含む。コハク酸誘導体とは、コハク酸構造に含まれる2つのヒドロキシル基の一方の水素が、水素以外の有機基に置換したものを意味する。このようなコハク酸系構造を有するケイ素化合物をシランカップリング剤として用いることにより、感光性樹脂組成物により形成される樹脂膜と、銅基材との銅密着性をより高めることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、ネガ型感光性樹脂組成物として用いることができる。露光後の加熱処理により、感光性樹脂組成物からなる樹脂膜(硬化膜)が得られる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、電子装置における永久膜、保護膜、絶縁膜、再配線材料の形成に用いられる。
ここで、「電子装置」とは、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路、テレビ受像機やモニター等のディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術を応用した素子、デバイス、最終製品、その他電気に関係する機器一般のことをいう。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、光導波路の製造にも適用可能である。具体的には、光導波路のコア層および/またはクラッド層の形成に、本実施形態の感光性樹脂組成物を適用可能である
別観点として、本実施形態の感光性樹脂組成物は、有機溶剤現像液を用いたパターン形成方法に適用されることが好ましい。現像液として有機溶剤現像液を用いることについては追って詳述する。
以下、本実施形態の感光性樹脂組成物の構成を詳述する。
<感光性樹脂組成物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、樹脂(A)、感光剤(B)、およびシランカップリング剤(C)を含む。
(樹脂(A))
樹脂(A)は、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、およびフェノール樹脂からなる群から選ばれる一または二以上を含む。
樹脂(A)は、この中でも、好ましくはポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体を含み、より好ましくはポリイミドを少なくとも含む。
((ポリアミド))
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミドの構造単位に芳香族環を含む芳香族ポリアミドを用いることが好ましく、下記式(PA1)で表される構造単位を含むものがより好ましい。これにより、感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の機械的強度といった物性を向上できる。したがって、膜厚の均一性を向上し、欠損が生じることを抑制できる観点でも好ましい。
なお、本実施形態において、芳香族環とは、ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環などの縮合芳香環;ピリジン環、ピロール環などの複素芳香環などを示す。本実施形態のポリアミドは、機械的強度などの観点から、芳香族環としてベンゼン環を含むことが好ましい。
Figure 2024038631000003
((ポリベンゾオキサゾール、その前駆体))
上記式(PA1)で表される構造単位を含むポリアミドは、ポリベンゾオキサゾールの前駆体である。上記式(PA1)で表される構造単位を含むポリアミドは、例えば、150℃以上380℃以下の温度で、30分間以上50時間以下の条件で熱処理されることによって、脱水閉環し、ポリベンゾオキサゾールとすることができる。ここで、上記式(PA1)の構造単位は、脱水閉環によって、下記式(PBO1)で示される構造単位となる。
樹脂(A)が上記式(PA1)で表される構造単位を含むポリアミドである場合、例えば、感光性樹脂組成物を上記熱処理することで、脱水閉環し、ポリベンゾオキサゾールとしてもよい。
また、樹脂(A)が上記式(PA1)で表される構造単位を含むポリアミドである場合、後述する樹脂膜、電子装置を作製した後、上記熱処理をすることで、脱水閉環させ、ポリベンゾオキサゾールとしてもよい。
ポリアミドを脱水開環することによってポリベンゾオキサゾールとした場合、機械的特性や熱的特性を向上できる。これは、樹脂膜の変形を抑制できる観点で都合がよい。
Figure 2024038631000004
((ポリイミド、その前駆体))
また、ポリアミドとしては、例えば、下記一般式(PA2)で表される構造単位を含むものを用いてもよい。
下記一般式(PA2)で表される構造単位を含むポリアミドは、ポリイミドの前駆体である。下記一般式(PA2)で表される構造単位を含むポリアミドは、例えば、150℃以上380℃以下の温度で、30分間以上50時間以下の条件で熱処理されることによって、脱水閉環し、ポリイミドとすることができる。ここで、下記式(PA2)の構造単位は、脱水閉環によって、下記式(PI1)で示される構造単位となる。
樹脂(A)が下記式(PA2)で表される構造単位を含むポリアミドである場合、感光性樹脂組成物を上記熱処理することで、脱水閉環し、ポリイミドとしてもよい。
また、樹脂(A)が下記式(PA2)で表される構造単位を含むポリアミドである場合、後述する樹脂膜、電子装置を作製した後、上記熱処理をすることで、脱水閉環し、ポリイミドとしてもよい。
Figure 2024038631000005
一般式(PA2)中、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1以上30以下の有機基である。
Figure 2024038631000006
一般式(PI1)中、R及びRは、上記一般式(PA2)と同様である。
一般式(PA2)、一般式(PI1)におけるR及びRとしては、具体的には、芳
香族環を有する有機基であることが好ましい。
芳香族環を有する有機基としては、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環を含むものが好ましく、ベンゼン環を含むものがより好ましい。
((イミド環構造を有するポリイミド))
ポリイミドは、イミド環構造を有するポリイミドを含んでもよい。このポリイミドは、アゾール構造を有する。本実施形態の感光性樹脂組成物は、1または2以上のポリイミドを含むことができる。
ポリイミド中に含まれるイミド環基のモル数をIMとし、ポリイミドに含まれるアミド基のモル数をAMとしたとき、{IM/(IM+AM)}×100(%)で表されるイミド環化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である。要するに、ポリイミド樹脂は、アミド構造が無いまたは少なく、イミド環構造が多い樹脂であることが好ましい。このようなポリイミド樹脂を用いることで、閉環反応による脱水が起こらないため、加熱による収縮(硬化収縮)を一層抑えることができる。これにより、電子装置の信頼性の一層の向上や、硬化膜の平坦性の一層の向上などを図ることができる。
イミド環化率は、一例として、NMRスペクトルにおける、アミド基に対応するピークの面積やイミド環基に対応するピークの面積などから知ることができる。別の例として、イミド環化率は、赤外吸収スペクトルにおける、アミド基に対応するピークの面積やイミド環基に対応するピークの面積などから知ることができる。
アゾール構造は、ポリイミドの側鎖にあってもよいし、末端にあってもよい。原料の入手容易性や合成のしやすさなどから、ポリイミドは、少なくともその片末端にアゾール構造を有することが好ましい。ポリイミドは、その両末端にアゾール構造を有していてもよいし、片末端のみにアゾール構造を有していてもよい。
アゾール構造として好ましくは、トリアゾール構造およびテトラゾール構造が挙げられる。トリアゾール構造には、窒素原子の位置が異なる1,2,3-トリアゾール構造と、1,2,4-トリアゾール構造と、の2種類がある。本実施形態においてはどちらのトリアゾール構造も利用可能である。
トリアゾール構造としては、例えば、以下に挙げるトリアゾール化合物から水素原子を除いた1価の基を挙げることができる。ただし、本実施形態における特に良好な銅密着性の観点から、トリアゾール構造は、ベンゼン環骨格を含まないトリアゾール構造であることが好ましい。
トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール(ベンゼン環にメチル基が置換したベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7-テトラハイドロベンゾトリアゾール、4,5,6,7-テトラハイドロトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'5'-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等。
テトラゾール構造としては、例えば、以下に挙げるテトラゾール化合物から水素原子を除いた1価の基を挙げることができる。
1,2,3,4-テトラゾール、5-アミノ-1,2,3,4-テトラゾール、5-メチル-1,2,3,4-テトラゾール、1H-テトラゾール-5-酢酸、1H-テトラゾール-5-コハク酸
より具体的には、アゾール構造は、以下一般式(AZ)で表される構造を含むことができる。ちなみに、「*」は、ポリイミドとの結合手を表す。
Figure 2024038631000007
(AZ)
一般式(AZ)中、
Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20である置換もしくは非置換のアルキル基、炭素原子数3~15である置換もしくは非置換のシクロアルキル基、または炭素原子数6~20である置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基であり、
Yは、-CH=または-N=である。
Rのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、1-メチルエチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基などが挙げられる。
Rのシクロアルキル基は、単環でも多環でもよい。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。
Rの芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などを挙げることができる。
ポリイミドは、フッ素原子を含むポリイミドを含むことが好ましい。本発明者らの知見として、フッ素原子を含むポリイミドは、フッ素原子を含まないポリイミドよりも、有機溶剤溶解性が良好な傾向がある。このため、フッ素原子を含むポリイミドを用いることで、感光性樹脂組成物の性状をワニス状としやすい。
フッ素原子を含むポリイミド中のフッ素原子の量(質量比率)は、例えば1~30質量%、好ましくは3~28質量%、より好ましくは5~25質量%である。ある程度多くの量のフッ素原子がポリイミド中に含まれることで、十分な有機溶剤溶解性を得やすい。一方、他の性能とのバランスの観点からは、フッ素原子の量が多すぎないことが好ましい。
ポリイミドは、下記一般式(a)で表される構造単位を含むことが好ましい。
Figure 2024038631000008
一般式(a)中、
Xは2価の有機基であり、
Yは4価の有機基であり、
XおよびYの少なくとも一方は、フッ素原子含有基である。
Xの2価の有機基および/またはYの4価の有機基は、芳香環構造を含むことが好ましく、ベンゼン環構造を含むことがより好ましい。これにより耐熱性が一層高まる傾向がある。
有機溶剤溶解性の観点では、XおよびYの両方が、フッ素原子含有基であることが好ましい。
Xの2価の有機基および/またはYの4価の有機基は、好ましくは、2~6個のベンゼン環が、単結合または2価の連結基を介して結合した構造を有する。ここでの2価の連結基としては、アルキレン基、フッ化アルキレン基、エーテル基などを挙げることができる。アルキレン基およびフッ化アルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
Xの2価の有機基の炭素数は、例えば6~30である。
Yの4価の有機基の炭素数は、例えば6~20である。
一般式(a)中の2つのイミド環は、それぞれ、5員環であることが好ましい。
ポリイミドは、下記一般式(aa)で表される構造単位を含むことが、さらに好ましい。
Figure 2024038631000009
一般式(aa)において、
Y'は、単結合またはアルキレン基を表し、
Xは、一般式(a)におけるXと同義である。
Y'のアルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。Y'のアルキレン基の水素原子の一部または全部は、フッ素原子で置換されていることが好ましい。Y'のアルキレン基の炭素数は、例えば1~6、好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3である。
ポリイミドは、アルカリ現像液に可溶であってもよいし、不溶であってもよい。ポリイミドをアルカリ現像液に可溶に設計するかどうかは、本実施形態の感光性樹脂組成物を、アルカリ現像液による現像に適用するか、有機溶剤系現像液による現像に適用するか、による。
後述するように、本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは有機溶剤系現像液による現像に適用される。この点で、ポリイミドは、アルカリ現像液に実質的に不溶であることが好ましい。
別の言い方として、ポリイミドは、好ましくは、フェノール性ヒドロキシ基やカルボキシ基などのアルカリ可溶性基を有しないか、有するとしても少量である。具体的には、ポリイミド中の、アルカリ可溶性基を有する構造単位の比率は、全構造単位中、好ましくは0~10mol%、より好ましくは0~5mol%である。また、具体的には、ポリイミド中の、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位の比率は、全構造単位中、好ましくは0~10mol%、より好ましくは0~5mol%である。
さらに別の言い方として、ポリイミドが前述の一般式(a)で表される構造単位や一般式(aa)一般式(aa)で表される構造単位を有する場合、これら構造単位は、フェノール性ヒドロキシ基やカルボキシ基などのアルカリ可溶性基を有しないことが好ましい。
ポリイミドは、典型的には、(i)まず、ジアミンと酸二無水物とを反応(縮重合)させてポリアミドを合成し、(ii)その後、そのポリアミドをイミド化させ(閉環反応させ)、(iii)必要に応じてポリマー末端に所望の官能基を導入すること、により得ることができる。
あるいは、上記工程(i)で、ジアミンと酸二無水物とともに、アゾール構造を含む化合物を反応させて、上記工程(iii)は実施しなくてもよい。上記工程(i)で反応させるアゾール構造を含む化合物としては、アミノ基を有するアゾール化合物、具体的には、前掲の一般式(AZ)において、「*」の部分がアミノ基またはアミノ基含有基であるアゾール化合物を挙げることができる。後掲の実施例ではこの方法でポリイミドを合成している。具体的な反応条件については、後掲の実施例を参照されたい。
最終的に得られるポリイミドにおいて、ジアミンは、一般式(a)における2価の有機基Xとしてポリマー中に組み込まれる。また、酸二無水物は、一般式(a)における4価の有機基Yとしてポリマー中に組み込まれる。
ポリイミドの合成においては、1または2以上のジアミンを用いることができ、また、1または2以上の酸二無水物を用いることができる。
原料のジアミンとしては、例えば、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル(3,4'-ODA)、4,4'-ジアミノ-2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'ジメチルベンジジン、3,3'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2'-ビス(p-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(トリフルオロメトキシ)ベンジジン(TFMOB)、2,2'-ビス(ペンタフルオロエトキシ)ベンジジン(TFEOB)、2,2'-トリフルオロメチル-4,4'-オキシジアニリン(OBABTF)、2-フェニル-2-トリフルオロメチル-ビス(p-アミノフェニル)メタン、2-フェニル-2-トリフルオロメチル-ビス(m-アミノフェニル)メタン、2,2'-ビス(2-ヘプタフルオロイソプロポキシ-テトラフルオロエトキシ)ベンジジン(DFPOB)、2,2-ビス(m-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6-FmDA)、2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,6-ビス(トリフルオロメチル)-1,4-ジアミノベンゼン(2TFMPDA)、1-(3,5-ジアミノフェニル)-2,2-ビス(トリフルオロメチル)-3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンタン、3,5-ジアミノベンゾトリフルオリド(3,5-DABTF)、3,5-ジアミノ-5-(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、3,5-ジアミノ-5-(ヘプタフルオロプロピル)ベンゼン、2,2'-ジメチルベンジジン(DMBZ)、2,2',6,6'-テトラメチルベンジジン(TMBZ)、3,6-ジアミノ-9,9-ビス(トリフルオロメチル)キサンテン(6FCDAM)、3,6-ジアミノ-9-トリフルオロメチル-9-フェニルキサンテン(3FCDAM)、3,6-ジアミノ-9,9-ジフェニルキサンテン
原料の酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸無水物(PMDA)、ジフェニルエーテル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(ODPA)、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ジフェニルスルホン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(DSDA)、ジフェニルメタン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)プロパン、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(6FDA)等を挙げることができる。もちろん、使用可能な酸二無水物はこれらのみに限定されない。酸二無水物は1種または2種以上使用可能である。
ジアミンと酸二無水物との使用比率は、基本的にはモル比で1:1である。ただし、所望の末端構造を得るために、一方を過剰に用いてもよい。具体的には、ジアミンを過剰に用いることで、ポリイミドの末端(両末端)はアミノ基となりやすい。一方、酸二無水物を過剰に用いることで、ポリイミドの末端(両末端)は酸無水物基となりやすい。反応系中で酸無水物基が末端のポリイミドを得、その酸無水物基にアミノ基を有するアゾール化合物が反応すれば、末端にアゾール構造を有するポリイミドが得られる。
縮重合により得られたポリイミドの末端のアミノ基および/または酸無水物基に、何らかの試薬を反応させて、ポリイミド末端が所望の官能基を有するようにしてもよい。
ポリイミドの重量平均分子量は、例えば5000~100000、好ましくは7000~75000、より好ましくは10000~50000である。ポリイミドの重量平均分子量がある程度大きいことにより、例えば硬化膜の十分な耐熱性を得ることができる。また、ポリイミドの重量平均分子量が大きすぎないことにより、ポリイミドを有機溶剤に溶解させやすくなる。
重量平均分子量は、通常、ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めることができる。
((フェノール樹脂))
フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂等を用いてもよい。この中でも、ノボラック構造を有するフェノール樹脂を用いるのが好ましい。
(感光剤(B))
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光剤を含む。
感光剤は、光により活性種を発生して感光性樹脂組成物を硬化させることが可能なものである限り、特に限定されない。
感光剤は、好ましくは光ラジカル発生剤を含む。光ラジカル発生剤は、特に、多官能(メタ)アクリレート化合物を重合させるのに効果的である。
用いることができる光ラジカル発生剤は特に限定されず、公知のものを適宜用いることができる。
例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシー2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-〔4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-〔(4-メチルフェニル)メチル〕-1-〔4-(4-モルホリニル)フェニル〕-1-ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4′-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシカルボキニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2-トリクロロメチル-5-(2′-ベンゾフリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2′-ベンゾフリル)ビニル〕-1,3,4-オキサジアゾール、4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-フリル-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2′-ビス(2-クロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール、2,2′-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール、2,2′-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル〕-2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p-ジメチルアミノ安息香酸、p-ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9-フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等を挙げることができる。これらの中でも、特にオキシムエステル系化合物を好ましく用いることができる。
感光剤を用いる場合、1のみの感光剤を用いてもよいし、2以上の感光剤を用いてもよい。
感光剤の含有量は、多官能(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、例えば1~30質量部であり、好ましくは5~20質量部である。
(シランカップリング剤(C))
本実施形態の感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤(C)として、上記の一般式(1)で表されるケイ素化合物を含む。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(1)中、Rの炭素数は、1~20、好ましくは1~10、より好ましくは1~6である。
上記一般式(1)中、Rの有機基は、置換または無置換の、二価の炭化水素基、二価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基としては、例えば、ハロゲン原子が挙げられる。この中でも、Rは、無置換の炭素数が1~20二価の炭化水素基が好ましく、炭素数1~10の二価の脂肪族炭化水素基がより好ましい。
二価の炭化水素基として、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルキリデン基等が挙げられる。
上記一般式(1)中、R'は、水素原子または炭素数1~10の有機基、好ましくは水素原子または炭素数1~6の有機基、より好ましくは水素原子である。
一般式(1)中のR'の有機基は、上記のR中の例示と同一のものを採用できる。
一般式(1)中、nは、0~3、好ましくは0~2、より好ましくは0または1、さらに好ましくは0である。
上記の一般式(1)で表されるケイ素化合物は、コハク酸のジカルボン酸が分子内で脱水縮合した酸無水物基を有するケイ素化合物を用いて、少なくとも酸無水物基を加水分解する、所定の加水分解処理により調整できる。上記のケイ素化合物がアルコキシ基を含む場合、酸無水物基の加水分解時に、そのアルコキシ基も加水分解されてもよい。
所定の加水分解処理としては、一般式(1)で表されるケイ素化合物と、水および/またはアルコールを含む溶媒と、を含む混合液を、例えば、1時間以上、好ましくは6時間以上、より好ましくは10時間以上混合する方法を用いることできる。
なお、混合時の環境温度は、室温25度でもよいが、必要なら加温してもよい。混合時の環境圧は、例えば、60hPa~常圧が採用できる。
酸無水物基を有するケイ素化合物中の酸無水物基における開環率は、上記の混合液をサンプルとして赤外分光法(IR法)を用いて、酸無水物ピーク(1860cm-1)とカルボン酸ピーク(1640cm-1)とを算出し、これらの比率(酸無水物ピーク/カルボン酸ピーク)に基づいて算出できる。
上記の開環率を高く調整することで、90度ピール強度により評価される銅密着性を向上できる。
使用する一般式(1)で表されるケイ素化合物の開環率は、とくに限定されないが、例えば、10%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
また、実施例に記載の手順に従って測定される感光性樹脂組成物の90度ピール強度は、例えば、0.6N/cm以上、好ましくは0.8N/cm以上、より好ましくは1.0N/cm、さらに好ましくは1.2N/cmである。
詳細なメカニズムは定かではないが、一般式(1)で表されるケイ素化合物に含まれるコハク酸系構造中の1個以上のヒドロキシル基により、感光性樹脂組成物により形成される樹脂膜と銅含有金属膜との間に、共有結合、水素結合、あるいは配位結合して、これらの銅密着性を向上できると考えられる。
感光性樹脂組成物中のシランカップリング剤(C)または一般式(1)で表されるケイ素化合物の使用量は、樹脂(A)の使用量を100質量部としたとき、例えば0.1~20質量部、好ましくは0.5~10質量部、より好ましく1~8質量部である。
(多官能(メタ)アクリレート化合物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは多官能(メタ)アクリル化合物を含む。
多官能(メタ)アクリル化合物とは、1分子中の(メタ)アクリロイル基の個数が2以上である化合物のことを指す。多官能(メタ)アクリル化合物は、重合により、ポリイミドの骨格を「包む」ようなネットワーク構造を形成するものと考えられる。このような複雑に絡み合った構造が形成されることにより、樹脂膜の性能が良化すると推測される。
多官能(メタ)アクリレート化合物中の(メタ)アクリロイル基の個数に上限は特に無いが、原料入手の容易性などから、例えば11程度である。
大まかな傾向として、(メタ)アクリロイル基の個数が多い場合、硬化膜の耐薬品性が高まる傾向がある。一方、(メタ)アクリロイル基の個数が少ない場合、硬化膜の引張り伸びなどの機械物性が良好となる傾向がある。
多官能(メタ)アクリル化合物としては、一例として、以下一般式で表される多官能(メタ)アクリル化合物を用いることができる。以下一般式において、R'は水素原子またはメチル基、nは0~3、Rは水素原子または(メタ)アクリロイル基である。
Figure 2024038631000010
多官能(メタ)アクリル化合物の具体例としては、以下を挙げることができる。もちろん、多官能(メタ)アクリル化合物はこれらのみに限定されない。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレート等のエポキシアクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレートなど。
アロニックスM-400、アロニックスM-460、アロニックスM-402、アロニックスM-510、アロニックスM-520(東亜合成株式会社製)、KAYARAD T-1420、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPCA20、KAYARAD DPCA30、KAYARAD DPCA60、KAYARAD DPCA120(日本化薬株式会社製)、ビスコート#230、ビスコート#300、ビスコート#802、ビスコート#2500、ビスコート#1000、ビスコート#1080(大阪有機化学工業株式会社製)、NKエステルA-BPE-10、NKエステルA-GLY-9E、NKエステルA-9550、NKエステルA-DPH(新中村化学工業株式会社製)などの市販品。
多官能(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、ポリイミド100質量部に対する多官能(メタ)アクリレート化合物の量は、好ましくは1~150質量部、より好ましくは20~120質量部、さらに好ましくは50~100質量部である。
前述のように、本実施形態の感光性樹脂組成物においては、硬化により、ポリイミドと多官能(メタ)アクリレートとの「絡み合い構造」が形成されると考えられるが、ポリイミドに対する多官能(メタ)アクリレート化合物の使用量を適切に調整することで、ポリイミドと多官能(メタ)アクリレート化合物が適度に絡み合い、また、絡み合いに関与しない余分な成分が少なくなると考えられる。そして、性能が一層良化すると考えられる。
感光性樹脂組成物が多官能(メタ)アクリル化合物を含む場合、1のみの多官能(メタ)アクリレート化合物を含んでもよいし、2以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含んでもよい。後者の場合、官能基数が異なる多官能(メタ)アクリレート化合物を併用することが好ましい。官能基数が異なる多官能(メタ)アクリレート化合物を併用することで、より複雑な「絡み合い構造」ができ、硬化膜の特性が一層向上すると考えられる。
ちなみに、市販の多官能(メタ)アクリレート化合物の中には、官能基数が異なる多官能(メタ)アクリレート化合物の混合物もある。
また、ポリイミドと多官能(メタ)アクリル化合物とを併用する場合、硬化のメカニズムとして、多官能(メタ)アクリル化合物の重合反応を採用することができる。この重合反応は、原理的に脱水を伴わないので、加熱による収縮が小さいという点でも、ポリイミドと多官能(メタ)アクリル化合物との併用は有利である。
(熱ラジカル開始剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、熱ラジカル開始剤を含んでもよい。
感光性樹脂組成物が添加剤として多官能(メタ)アクリル化合物を含有する場合、熱ラジカル開始剤を用いることにより、多官能(メタ)アクリル化合物の重合反応が促進され、硬化膜の耐熱性をより高める、かつ/または、硬化膜の耐薬品性(有機溶剤などに対する耐性)を高めることができる。
熱ラジカル開始剤は、好ましくは、有機過酸化物を含む。有機過酸化物としては、オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、シュウ酸パーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、m-トルイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、アセチルパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t-ブチルパーベンゾエート、パラクロロベンゾイルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、などを挙げることができる。
熱ラジカル開始剤を用いる場合、1のみの熱ラジカル開始剤を用いてもよいし、2以上の熱ラジカル開始剤を用いてもよい。
熱ラジカル開始剤を用いる場合、その量は、多官能(メタ)アクリル化合物100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。
(エポキシ化合物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、エポキシ化合物を含んでもよい。エポキシ化合物は、ポリイミドと反応する、エポキシ化合物同士で反応する、などの形で化学結合を形成すると考えられる。このようにして形成された結合により、硬化膜の機械物性(引張り伸びなど)を高めることが可能である。エポキシ化合物は、分子中にエポキシ基を有する化合物である限り特に限定されない。
エポキシ化合物の具体例としては、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂の具体例としては、以下を挙げることができる。もちろん、エポキシ樹脂はこれらのみに限定されない。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'-(1,4-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2~4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂;N,N,N',N'-テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N-ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン類や、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物;ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂;ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物;ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物;フェノール類のグリシジルエーテル化物など。
また、エポキシ樹脂としては、3官能以上の多官能エポキシ樹脂(つまり、1分子中にエポキシ基が3個以上あるもの)を含むことができる。多官能エポキシ樹脂としては、3官能以上20官能以下のものがより好ましい。
また、エポキシ化合物として、1分子内にエポキシ含有基および(メタ)アクリロイル基をそれぞれ1以上有する化合物を挙げることもできる。この化合物は、分子内の一方の末端にエポキシ含有基を、他方の末端に(メタ)アクリロイル基をそれぞれ1つずつ有する化合物であることが好ましい。具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレートなどを挙げることができる。
エポキシ化合物を用いる場合、1のみのエポキシ化合物を用いてもよいし、2以上のエポキシ化合物を併用してもよい。
エポキシ化合物を用いる場合、その量は、ポリイミド100質量部に対して、例えば0.5~100質量部、好ましくは1~50質量部、さらに好ましくは3~20質量部である。
(硬化触媒)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、硬化触媒を含んでもよい。
感光性樹脂組成物がエポキシ化合物を含有する場合、硬化触媒を用いることにより、エポキシ化合物の重合反応が促進され、例えば硬化膜の引張り伸び率を一層向上させることができる。
硬化触媒としては、一般的にエポキシ樹脂の硬化触媒(しばしば、硬化促進剤とも呼ばれる)として知られている化合物を挙げることができる。例えば、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7等のジアザビシクロアルケンおよびその誘導体;トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物;2-メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフチルオキシボレート、テトラフェニルホスホニウム・4,4'-スルフォニルジフェノラート等のテトラ置換ホスホニウム塩;ベンゾキノンをアダクトしたトリフェニルホスフィン等が挙げられる。なかでも、有機ホスフィン類が好ましく挙げられる。
硬化触媒を用いる場合、1のみの硬化触媒を用いてもよいし、2以上の硬化触媒を用いてもよい。
硬化触媒を用いる場合、その量は、エポキシ化合物100質量部に対して、例えば1~80質量部、好ましくは5~50質量部、より好ましくは5~30質量部である。
(溶剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは溶剤を含む。これにより、基材(特に、段差を有する基材)に対して塗布法により感光性樹脂膜を容易に形成することができる。
溶剤は、通常、有機溶剤を含む。上述の各成分を溶解または分散可能で、かつ、各構成成分と実質的に化学反応しないものである限り、有機溶剤は特に限定されない。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロプレングリコールメチル-n-プロピルエーテル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、本実施形態の感光性樹脂組成物は、通常、ワニス状である。本実施形態の感光性樹脂組成物がワニス状であることにより、塗布による均一な膜形成を行うことができる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、ワニス状であり、かつ、少なくともポリイミドが溶剤に溶解していることが好ましい。前述したように、適切な化学構造のポリイミドを選択することで、ポリイミドの溶剤溶解性を高めることができる。
感光性樹脂組成物中の不揮発成分を「全固形分」とすると、溶剤を用いる場合は、感光性樹脂組成物中の全固形分の濃度が、好ましくは10~50質量%、より好ましくは20~45質量%となるように用いられる。この範囲とすることで、各成分を十分に溶解または分散させることができる。また、良好な塗布性を担保することができ、ひいてはスピンコート時の平坦性の良化にもつながる。さらに、不揮発成分の含有量を調整することにより、感光性樹脂組成物の粘度を適切に制御できる。
(その他成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、上掲の成分以外の成分を含んでもよい。そのような成分としては、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、シリカ等の充填材、増感剤、フィルム化剤等が挙げられる。
カールフィッシャー法により測定される感光性樹脂組成物中の水分量は、例えば、0.1~10質量%、好ましくは0.2~8%、より好ましくは0.3~5%である。この範囲にあることで、ワニスの保存性と銅への密着の安定性を両立することができる。
TMAによりにより測定される感光性樹脂組成物の硬化膜におけるガラス転移温度の下限は、例えば、150℃以上、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上である。これにより、硬化膜の耐熱性を向上できる。
感光性樹脂組成物の硬化膜におけるガラス転移温度の上限は、特に限定されないが、例えば、400℃以下である。
<電子装置の製造方法および電子装置>
本実施形態の電子装置の製造方法は、
基板上に、上述の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する膜形成工程と、
感光性樹脂膜を露光する露光工程と、
露光された感光性樹脂膜を現像する現像工程と、
を含むことができる。
また、本実施形態の電子装置の製造方法は、上述の現像工程の後に、露光された感光性樹脂膜を加熱して硬化させる熱硬化工程を含むことが好ましい。これにより、耐熱性が十二分な硬化膜を得ることができる。
以上のようにして、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化膜からなる樹脂膜を備える電子装置を製造することができる。
本実施形態の電子装置の製造方法や、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物を備える電子装置の構造などについて、以下、図面を交えつつより詳細に説明する。
図1は、本実施形態の電子装置の一例を示す縦断面図である。また、図2は、図1の鎖線で囲まれた領域の部分拡大図である。
以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す電子装置1は、貫通電極基板2と、その上に実装された半導体パッケージ3と、を備えた、いわゆるパッケージオンパッケージ構造を有する。
貫通電極基板2は、絶縁層21と、絶縁層21の上面から下面を貫通する複数の貫通配線221と、絶縁層21の内部に埋め込まれた半導体チップ23と、絶縁層21の下面に設けられた下層配線層24と、絶縁層21の上面に設けられた上層配線層25と、下層配線層24の下面に設けられた半田バンプ26と、を備えている。
半導体パッケージ3は、パッケージ基板31と、パッケージ基板31上に実装された半導体チップ32と、半導体チップ32とパッケージ基板31とを電気的に接続するボンディングワイヤー33と、半導体チップ32やボンディングワイヤー33が埋め込まれた封止層34と、パッケージ基板31の下面に設けられた半田バンプ35と、を備えている。
そして、貫通電極基板2上に半導体パッケージ3が積層されている。これにより、半導体パッケージ3の半田バンプ35と、貫通電極基板2の上層配線層25と、が電気的に接続されている。
このような電子装置1では、貫通電極基板2においてコア層を含む有機基板のような厚い基板を用いる必要がないため、低背化を容易に図ることができる。このため、電子装置1を内蔵する電子機器の小型化にも貢献することができる。
また、互いに異なる半導体チップを備えた貫通電極基板2と半導体パッケージ3とを積層しているため、単位面積当たりの実装密度を高めることができる。このため、小型化と高性能化との両立を図ることができる。
以下、貫通電極基板2および半導体パッケージ3についてさらに詳述する。
図2に示す貫通電極基板2が備える下層配線層24および上層配線層25は、それぞれ絶縁層、配線層および貫通配線等を含んでいる。これにより、下層配線層24および上層配線層25は、内部や表面に配線を含むとともに、絶縁層21を貫通する貫通配線221を介して相互の電気的接続が図られる。
下層配線層24に含まれる配線層は、半導体チップ23や半田バンプ26と接続されている。このため、下層配線層24は半導体チップ23の再配線層として機能するとともに、半田バンプ26は半導体チップ23の外部端子として機能する。
図2に示す貫通配線221は、前述したように、絶縁層21を貫通するように設けられている。これにより、下層配線層24と上層配線層25との間が電気的に接続され、貫通電極基板2と半導体パッケージ3との積層が可能になるため、電子装置1の高機能化を図ることができる。
図2に示す上層配線層25に含まれる配線層253は、貫通配線221や半田バンプ35と接続されている。このため、上層配線層25は、半導体チップ23と電気的に接続されることとなり、半導体チップ23の再配線層として機能するとともに、半導体チップ23とパッケージ基板31との間に介在するインターポーザーとしても機能する。本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化膜を、再配線層の絶縁層を構成するために用いることができる。
本実施形態によれば、半導体チップ23と、半導体チップ23の表面上に設けられた再配線層(上層配線層25)と、を備え、再配線層中の絶縁層が、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物で構成される、電子装置を実現できる。
貫通配線221が絶縁層21を貫通していることにより、絶縁層21を補強する効果が得られる。このため、下層配線層24や上層配線層25の機械的強度が低い場合でも、貫通電極基板2全体の機械的強度の低下を避けることができる。その結果、下層配線層24や上層配線層25のさらなる薄型化を図ることができ、電子装置1のさらなる低背化を図ることができる。
また、図1に示す電子装置1は、貫通配線221の他に、半導体チップ23の上面に位置する絶縁層21を貫通するように設けられた貫通配線222も備えている。これにより、半導体チップ23の上面と上層配線層25との電気的接続を図ることができる。
絶縁層21は、半導体チップ23を覆うように設けられている。これにより、半導体チップ23を保護する効果が高められる。その結果、電子装置1の信頼性を高めることができる。また、本実施形態に係るパッケージオンパッケージ構造のような実装方式にも容易に適用可能な電子装置1が得られる。
貫通配線221の直径W(図2参照)は、特に限定されないが、1~100μm程度であるのが好ましく、2~80μm程度であるのがより好ましい。これにより、絶縁層21の機械的特性を損なうことなく、貫通配線221の導電性を確保することができる。
図1に示す半導体パッケージ3は、いかなる形態のパッケージであってもよい。例えば、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non-leaded Package)、SON(Small Outline Non-leaded Package)、LF-BGA(Lead Flame BGA)等の形態が挙げられる。
半導体チップ32の配置は、特に限定されないが、一例として図1では複数の半導体チップ32が積層されている。これにより、実装密度の高密度化が図られている。なお、複数の半導体チップ32は、平面方向に併設されていてもよく、厚さ方向に積層されつつ平面方向にも併設されていてもよい。
パッケージ基板31は、いかなる基板であってもよいが、例えば図示しない絶縁層、配線層および貫通配線等を含む基板とされる。このうち、貫通配線を介して半田バンプ35とボンディングワイヤー33とを電気的に接続することができる。
封止層34は、例えば公知の封止樹脂材料で構成されている。このような封止層34を設けることにより、半導体チップ32やボンディングワイヤー33を外力や外部環境から保護することができる。
貫通電極基板2が備える半導体チップ23と半導体パッケージ3が備える半導体チップ32は、互いに近接して配置されることになる。これにより、相互通信の高速化や低損失化等のメリットを享受することができる。かかる観点から、例えば、半導体チップ23と半導体チップ32のうち、一方をCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、AP(Application Processor)等の演算素子とし、他方をDRAM(Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリー等の記憶素子等にすれば、同一装置内においてこれらの素子同士を近接して配置することができる。これにより、高機能化と小型化とを両立した電子装置1を実現することができる。
次に、図1に示す電子装置1を製造する方法について説明する。
図3は、図1に示す電子装置1を製造する方法を示す工程図である。また、図4~図6は、それぞれ図1に示す電子装置1を製造する方法を説明するための図である。
電子装置1の製造方法は、基板202上に設けられた半導体チップ23および貫通配線221、222を埋め込むように絶縁層21を得るチップ配置工程S1と、絶縁層21上および半導体チップ23上に上層配線層25を形成する上層配線層形成工程S2と、基板202を剥離する基板剥離工程S3と、下層配線層24を形成する下層配線層形成工程S4と、半田バンプ26を形成し、貫通電極基板2を得る半田バンプ形成工程S5と、貫通電極基板2上に半導体パッケージ3を積層する積層工程S6と、を有する。
このうち、上層配線層形成工程S2は、絶縁層21上および半導体チップ23上に感光性樹脂ワニス5(ワニス状の感光性樹脂組成物)を配置し、感光性樹脂層2510を得る第1樹脂膜配置工程S20と、感光性樹脂層2510に露光処理を施す第1露光工程S21と、感光性樹脂層2510に現像処理を施す第1現像工程S22と、感光性樹脂層2510に硬化処理を施す第1硬化工程S23と、配線層253を形成する配線層形成工程S24と、感光性樹脂層2510および配線層253上に感光性樹脂ワニス5を配置し、感光性樹脂層2520を得る第2樹脂膜配置工程S25と、感光性樹脂層2520に露光処理を施す第2露光工程S26と、感光性樹脂層2520に現像処理を施す第2現像工程S27と、感光性樹脂層2520に硬化処理を施す第2硬化工程S28と、開口部424(貫通孔)に貫通配線254を形成する貫通配線形成工程S29と、を含む。
以下、各工程について順次説明する。以下の製造方法は一例であり、これに限定されるものではない。
[1]チップ配置工程S1
まず、図4(a)に示すように、基板202と、基板202上に設けられた半導体チップ23および貫通配線221、222と、これらを埋め込むように設けられた絶縁層21と、を備えるチップ埋込構造体27を用意する。
基板202の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、金属材料、ガラス材料、セラミック材料、半導体材料、有機材料等が挙げられる。また、基板202には、シリコンウェハのような半導体ウエハー、ガラスウエハー等を用いるようにしてもよい。
半 導体チップ23は、基板202上に接着されている。本製造方法では、一例として、複数の半導体チップ23を互いに離間させつつ同一の基板202上に併設する。複数の半導体チップ23は、互いに同じ種類のものであってもよいし、互いに異なる種類のものであってもよい。また、ダイアタッチフィルムのような接着剤層(図示せず)を介して基板202と半導体チップ23との間を固定するようにしてもよい。
必要に応じて、基板202と半導体チップ23との間にインターポーザー(図示せず)を設けるようにしてもよい。インターポーザーは、例えば半導体チップ23の再配線層として機能する。したがって、インターポーザーは、後述する半導体チップ23の電極と電気的に接続させるための図示しないパッドを備えていてもよい。これにより、半導体チップ23のパッド間隔や配列パターンを変換することができ、電子装置1の設計自由度をより高めることができる。
インターポーザーには、例えば、シリコン基板、セラミック基板、ガラス基板のような無機系基板、樹脂基板のような有機系基板等が用いられる。
絶縁層21は、例えば感光性樹脂組成物の成分として挙げたような熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を含む樹脂膜(有機絶縁層)であってもよく、半導体の技術分野で用いる通常の封止材であってもよい。
貫通配線221、222の構成材料としては、例えば銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金、金または金合金、銀または銀合金、ニッケルまたはニッケル合金等が挙げられる。
なお、上記とは異なる方法で作製したチップ埋込構造体27を用意するようにしてもよい。
[2]上層配線層形成工程S2
次に、絶縁層21上および半導体チップ23上に、上層配線層25を形成する。
[2-1]第1樹脂膜配置工程S20
まず、図4(b)に示すように、絶縁層21上および半導体チップ23上に感光性樹脂ワニス5を塗布する(配置する)。これにより、図4(c)に示すように、感光性樹脂ワニス5の液状被膜が得られる。感光性樹脂ワニス5は、本実施形態の感光性樹脂組成物である。
感光性樹脂ワニス5の塗布は、例えば、スピンコーター、バーコーター、スプレー装置、インクジェット装置等を用いて行われる。
感光性樹脂ワニス5の粘度は、特に限定されないが、10cP~6000cP、好ましくは20cP~5000cP、より好ましくは30cP~4000cPである。感光性樹脂ワニス5の粘度が前記範囲内であることにより、より薄い感光性樹脂層2510(図4(d)参照)を形成することができる。その結果、上層配線層25をより薄くすることができ、電子装置1の薄型化が容易になる。
感光性樹脂ワニス5の粘度は、例えば、コーンプレート型粘度計(TV-25、東機産業製)を用い、回転速度100rpmの条件で測定された値とされる。
次に、感光性樹脂ワニス5の液状被膜を乾燥させる。これにより、図4(d)に示す感光性樹脂層2510を得る。
感光性樹脂ワニス5の乾燥条件は、特に限定されないが、例えば80~150℃の温度で、1~60分間加熱する条件が挙げられる。
本工程では、感光性樹脂ワニス5を塗布するプロセスに代えて、感光性樹脂ワニス5をフィルム化してなる感光性樹脂フィルムを配置するプロセスを採用するようにしてもよい。感光性樹脂フィルムは、本実施形態の感光性樹脂組成物であって、感光性を有する樹脂フィルムである。
感光性樹脂フィルムは、例えば感光性樹脂ワニス5を各種塗布装置によってキャリアーフィルム等の下地上に塗布し、その後、得られた塗膜を乾燥させることによって製造される。
このようにして感光性樹脂層2510を形成した後、必要に応じて、感光性樹脂層2510に対して露光前加熱処理を施す。露光前加熱処理を施すことにより、感光性樹脂層2510に含まれる分子が安定化して、後述する第1露光工程S21における反応の安定化を図ることができる。また、その一方、後述するような加熱条件で加熱されることで、加熱による光酸発生剤への悪影響を最小限に留めることができる。
露光前加熱処理の温度は、好ましくは70~130℃、より好ましくは75~120℃、さらに好ましくは80~110℃である。露光前加熱処理の温度が前記下限値を下回ると、露光前加熱処理による分子の安定化という目的が果たされないおそれがある。一方、露光前加熱処理の温度が前記上限値を上回ると、光酸発生剤の動きが活発になりすぎ、後述する第1露光工程S21において光が照射されても酸が発生しにくくなるという影響が広範囲化してパターニングの加工精度が低下するおそれがある。
露光前加熱処理の時間は、露光前加熱処理の温度に応じて適宜設定されるが、前記温度において好ましくは1~10分間とされ、より好ましくは2~8分間とされ、さらに好ましくは3~6分間とされる。露光前加熱処理の時間が前記下限値を下回ると、加熱時間が不足するため、露光前加熱処理による分子の安定化という目的が果たされないおそれがある。一方、露光前加熱処理の時間が前記上限値を上回ると、加熱時間が長すぎるため、露光前加熱処理の温度が前記範囲内に収まっていたとしても、光酸発生剤の作用が阻害されてしまうおそれがある。
加熱処理の雰囲気は、特に限定されない。不活性ガス雰囲気や還元性ガス雰囲気等であってもよいが、作業効率等を考慮すれば大気下とされる。
雰囲気圧力は、特に限定されない。減圧下や加圧下であってもよいが、作業効率等を考慮すれば常圧とされる。なお、常圧とは、30~150kPa程度の圧力のことをいい、好ましくは大気圧である。
[2-2]第1露光工程S21
次に、感光性樹脂層2510に露光処理を施す。
まず、図4(d)に示すように、感光性樹脂層2510上の所定の領域にマスク412を配置する。そして、マスク412を介して光(活性放射線)を照射する。これにより、マスク412のパターンに応じて感光性樹脂層2510に露光処理が施される。
図4(d)では、感光性樹脂層2510がいわゆるネガ型の感光性を有している場合を図示している。この例では、感光性樹脂層2510のうち、マスク412の遮光部に対応する領域は、現像液に溶解する。
一方、マスク412の透過部に対応する領域では、光カチオン重合開始剤から活性化学種が発生する。活性化学種は、硬化反応の触媒として作用する。
露光処理における露光量は、特に限定されない。100~2000mJ/cmが好ましく、200~1000mJ/cmがより好ましい。これにより、感光性樹脂層2510における露光不足および露光過剰を抑制することができる。その結果、最終的に高いパターニング精度を実現することができる。
その後、必要に応じて、感光性樹脂層2510に露光後加熱処理を施す。
露光後加熱処理の温度は、特に限定されない。好ましくは50~150℃、より好ましくは50~130℃、さらに好ましくは55~120℃、特に好ましくは60~110℃とされる。このような温度で露光後加熱処理を施すことにより、発生した酸の触媒作用が十分に増強され、熱硬化性樹脂をより短時間でかつ十分に反応させることができる。温度を前記範囲内とすることにより、酸拡散の促進によるパターニングの加工精度の低下を抑制できる。
露光後加熱処理の温度を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂の反応率を高められ、生産性を高めることができる。一方、露光後加熱処理の温度を上記上限値以下とすることにより、酸拡散の促進によるパターニングの加工精度の低下を抑制できる。
露光後加熱処理の時間は、露光後加熱処理の温度に応じて適宜設定される。上記温度において、好ましくは1~30分間、より好ましくは2~20分間、さらに好ましくは3~15分間とされる。このような時間で露光後加熱処理を施すことにより、熱硬化性樹脂を十分に反応させることができるとともに、酸の拡散を抑えてパターニングの加工精度が低下するのを抑制することができる。
露光後加熱処理の雰囲気は、特に限定されない。不活性ガス雰囲気や還元性ガス雰囲気等であってもよいが、作業効率等を考慮すれば大気下とされる。
露光後加熱処理の雰囲気圧力は、特に限定されない。減圧下や加圧下であってもよいが、作業効率等を考慮すれば常圧とされる。これにより、比較的容易に露光前加熱処理を施すことができる。なお、常圧とは、30~150kPa程度の圧力のことをいい、好ましくは大気圧である。
[2-3]第1現像工程S22
次に、感光性樹脂層2510に現像処理を施す。これにより、マスク412の遮光部に対応した領域に、感光性樹脂層2510を貫通する開口部423が形成される(図5(e)参照)。
現像液としては、例えば、有機溶剤系現像液、水溶性現像液等が挙げられる。本実施形態においては、現像液は、有機溶剤を含有することが好ましい。より具体的には、現像液は、有機溶剤を主成分とする現像液(成分の95質量%以上が有機溶剤である現像液)であることが好ましい。有機溶剤を含有する現像液で現像することにより、アルカリ現像液(水系)で現像する場合よりも、現像液によるパターンの膨潤を抑えること等が可能になる。つまり、よりファインなパターンを得やすい。
現像液に使用可能な有機溶剤として具体的には、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)や酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、等が挙げられる。
現像液としては、有機溶剤のみからなり、不可避的に含まれる不純物以外は含まない有機溶剤現像液を使用してもよい。不可避的に含まれる不純物としては、金属元素や水分があるが、電子装置の汚染防止などの観点からは不可避的に含まれる不純物は少ないに越したことは無い。
現像液を感光性樹脂層2510に接触させる方法は特に限定されない。一般的に知られている、浸漬法、パドル法、スプレー法などを適宜適用することができる。
現像工程の時間は、通常5~300秒程度、好ましくは10~120秒程度の範囲で、樹脂膜の膜厚や形成されるパターンの形状などに基づき適宜調整される。
[2-4]第1硬化工程S23
現像処理の後、感光性樹脂層2510に対して硬化処理(現像後加熱処理)を施す。硬化処理の条件は、特に限定されないが、160~250℃程度の加熱温度で、30~240分程度の加熱時間とされる。これにより、半導体チップ23に対する熱影響を抑えつつ、感光性樹脂層2510を硬化させ、有機絶縁層251を得ることができる。
[2-5]配線層形成工程S24
次に、有機絶縁層251上に配線層253を形成する(図5(f)参照)。配線層253は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等の気相成膜法を用いて金属層を得た後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法によりパターニングされることによって形成される。
配線層253の形成に先立ち、プラズマ処理のような表面改質処理を施すようにしてもよい。
[2-6]第2樹脂膜配置工程S25
次に、図5(g)に示すように、第1樹脂膜配置工程S20と同様にして感光性樹脂層2520を得る。感光性樹脂層2520は、配線層253を覆うように配置される。
その後、必要に応じて、感光性樹脂層2520に対して露光前加熱処理を施す。処理条件は、例えば第1樹脂膜配置工程S20で記載した条件とされる。
[2-7]第2露光工程S26
次に、感光性樹脂層2520に露光処理を施す。処理条件は、例えば第1露光工程S21で記載した条件とされる。
その後、必要に応じて、感光性樹脂層2520に対して露光後加熱処理を施す。処理条件は、例えば第1露光工程S21で記載した条件とされる。
[2-8]第2現像工程S27
次に、感光性樹脂層2520に現像処理を施す。処理条件は、例えば第1現像工程S22で記載した条件とされる。これにより、感光性樹脂層2510、2520を貫通する開口部424が形成される(図5(h)参照)。
[2-9]第2硬化工程S28
現像処理の後、感光性樹脂層2520に対して硬化処理(現像後加熱処理)を施す。硬化条件は、例えば第1硬化工程S23で記載した条件とされる。これにより、感光性樹脂層2520を硬化させ、有機絶縁層252を得る(図6(i)参照)。
本実施形態では、上層配線層25が有機絶縁層251と有機絶縁層252の2層を有しているが、3層以上を有していてもよい。この場合、第2硬化工程S28の後、配線層形成工程S24から第2硬化工程S28までの一連の工程を繰り返し追加するようにすればよい。
[2-10]貫通配線形成工程S29
次に、開口部424に対し、図6(i)に示す貫通配線254を形成する。
貫通配線254の形成には、公知の方法が用いられるが、例えば以下の方法が用いられる。
まず、有機絶縁層252上に、図示しないシード層を形成する。シード層は、開口部424の内面(側面および底面)とともに、有機絶縁層252の上面に形成される。
シード層としては、例えば、銅シード層が用いられる。また、シード層は、例えばスパッタリング法により形成される。
シード層は、形成しようとする貫通配線254と同種の金属で構成されていてもよいし、異種の金属で構成されていてもよい。
次いで、図示しないシード層のうち、開口部424以外の領域上に図示しないレジスト層を形成する。そして、このレジスト層をマスクとして、開口部424内に金属を充填する。この充填には、例えば電解めっき法が用いられる。充填される金属としては、例えば銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金、金または金合金、銀または銀合金、ニッケルまたはニッケル合金等が挙げられる。このようにして開口部424内に導電性材料が埋設され、貫通配線254が形成される。
次いで、図示しないレジスト層を除去する。さらに、有機絶縁層252上の図示しないシード層を除去する。これには、例えばフラッシュエッチング法を用いることができる。
貫通配線254の形成箇所は、図示の位置に限定されない。
[3]基板剥離工程S3
次に、図6(j)に示すように、基板202を剥離する。これにより、絶縁層21の下面が露出することとなる。
[4]下層配線層形成工程S4
次に、図6(k)に示すように、絶縁層21の下面側に下層配線層24を形成する。下層配線層24は、いかなる方法で形成されてもよく、例えば上述した上層配線層形成工程S2と同様にして形成されてもよい。
このようにして形成された下層配線層24は、貫通配線221を介して上層配線層25と電気的に接続される。
[5]半田バンプ形成工程S5
次に、図6(L)に示すように、下層配線層24に半田バンプ26を形成する。また、上層配線層25や下層配線層24には、必要に応じてソルダーレジスト層のような保護膜を形成するようにしてもよい。
以上のようにして、貫通電極基板2が得られる。
図6(L)に示す貫通電極基板2は、複数の領域に分割可能になっている。したがって、例えば図6(L)に示す一点鎖線に沿って貫通電極基板2を個片化することにより、複数の貫通電極基板2を効率よく製造することができる。なお、個片化には、例えばダイヤモンドカッター等を用いることができる。
[6]積層工程S6
次に、個片化した貫通電極基板2上に半導体パッケージ3を配置する。これにより、図1に示す電子装置1が得られる。
このような電子装置1の製造方法は、大面積の基板を用いたウエハーレベルプロセスやパネルレベルプロセスに適用することが可能である。これにより、電子装置1の製造効率を高め、低コスト化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
[各原料の合成]
<ポリイミド樹脂(A-1)の合成>
撹拌機および冷却管を備えた5Lのセパラブルフラスコに、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン272.2g(0.85モル)、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物355.4g(0.80モル)、4,4'-オキシジフタル酸二無水物62.0g(0.20モル)及びGBL2299gを加えて窒素雰囲気下で室温にて16時間反応し重合反応を行った。続いてオイルバスにて反応液温度を180℃まで上げ3時間反応を行ったのち室温まで冷却してポリイミド樹脂溶液を作成した。
続いて、反応液をイソプロパノール/水=4/7の混合溶液に撹拌しながら滴下し、樹脂固体を析出させた。得られた固体を荒濾過したのち、更にイソプロパノール/水=4/7で洗浄してポリイミドの白色固体を得た。得られた白色固体を200℃にて真空乾燥することにより、イミド環構造を有するポリイミド樹脂(A-1)を得た。
樹脂(A-1)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は38,000であった。またH-NMRにより解析した樹脂のイミド化率は95%以上であった。
<ポリイミド樹脂(A-2)の合成>
撹拌機および冷却管を備えた5Lのセパラブルフラスコに、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン144.1g(0.45モル)、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジエチル-5,5'-ジメチルジフェニルメタン113.0g(0.40モル)、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物444.2g(1.00モル)及びGBL2338gを加えて窒素雰囲気下で室温にて16時間反応し重合反応を行った。続いてオイルバスにて反応液温度を180℃まで上げ3時間反応を行ったのち室温まで冷却してポリイミド樹脂溶液を作成した。
続いて、反応液をイソプロパノール/水=4/7の混合溶液に撹拌しながら滴下し、樹脂固体を析出させた。得られた固体を荒濾過したのち、更にイソプロパノール/水=4/7で洗浄してポリイミドの白色固体を得た。得られた白色固体を200℃にて真空乾燥することにより、末端に酸無水物基を有するポリイミド樹脂(A-2)を得た。
樹脂(A-2)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は40,000であった。またH-NMRにより解析した樹脂のイミド化率は95%以上であった。
<ポリイミド樹脂(A-3)の合成>
撹拌機および冷却管を備えた5Lのセパラブルフラスコに、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン304.2g(0.95モル)、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物355.4g(0.80モル)、4,4'-オキシジフタル酸二無水物62.0g(0.20モル)及びGBL2406gを加えて窒素雰囲気下で室温にて16時間反応し重合反応を行った。続いてオイルバスにて反応液温度を180℃まで上げ3時間反応を行ったのち室温まで冷却してポリイミド樹脂溶液を作成した。
続いて、反応液をイソプロパノール/水=4/7の混合溶液に撹拌しながら滴下し、樹脂固体を析出させた。得られた固体を荒濾過したのち、更にイソプロパノール/水=4/7で洗浄してポリイミドの白色固体を得た。得られた白色固体を200℃にて真空乾燥することにより、イミド環構造を有するポリイミド樹脂(A-3)を得た。
樹脂(A-3)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は83,000であった。またH-NMRにより解析した樹脂のイミド化率は95%以上であった。
<ポリイミド前駆体(A-4)の合成>
2Lのセパラブルフラスコに、γ-ブチロラクトン428g、4,4'-オキシジフタル酸二無水物155.11gおよび2-ヒドロキシエチルメタクリレート130.14gを入れ、室温でフラスコ内の成分を撹拌し完全に溶解させた。続いて室温下で攪拌しながらピリジン79.1gを加えて、更に室温で16時間撹拌した。
上記のようにして得られた溶液を氷冷下で冷却攪拌しながら、その溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド206.3gをγ-ブチロラクトン206gに溶解した溶液を30分かけて加えた。続いて4,4'-ジアミノジフェニルエーテル120.1gおよびγ-ブチロラクトン240gを加え、更に室温で2時間攪拌を継続した。
反応終了後、エタノール30gを加えて1時間攪拌した。その後、γ-ブチロラクトン400gを加え更に撹拌し、生じた沈殿物をろ過により取り除いた。これによりポリアミド酸エステルの反応液を得た。
得られた反応液を、室温下で、大量の30質量%メタノール水溶液に撹拌しながら滴下し、樹脂を沈殿させた。得られた沈殿物を濾取し、50℃で16時間真空乾燥することにより、ポリアミド酸樹脂(A-3)を得た。
樹脂(A-4)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は30,000であった。またH-NMRにより解析した樹脂のイミド化率は5%未満であった。
<シランカップリング剤(C-1)の合成>
1Lのセパラブルフラスコに3-トリメトキシシリルプロピルこはく酸無水物26.0g(0.10mol)及びガンマ-ブチロラクトン494.0gを仕込み、室温で1時間撹拌を行った。続いて蒸留水35.59g(2.00mol)を撹拌しながらゆっくり滴下した。そのまま室温で16時間撹拌を行い、シランカップリング剤(C-1)の4.7%GBL溶液を得た。反応液のIRによる酸無水物ピーク(1860cm-1)とカルボン酸ピーク(1640cm-1)の比率からシランカップリング剤(C-1)の開環率を測定した結果、開環率は>90%であった。
<シランカップリング剤(C-2)の合成>
1Lのセパラブルフラスコに3-トリエトキシシリルプロピルこはく酸無水物30.4g(0.10mol)及びガンマ-ブチロラクトン577.6gを仕込み、室温で1時間撹拌を行った。続いて蒸留水35.6g(2.00mol)を撹拌しながらゆっくり滴下した。そのまま室温で16時間撹拌を行い、シランカップリング剤(C-2)の4.7%GBL溶液を得た。反応液のIRによる酸無水物ピーク(1860cm-1)とカルボン酸ピーク(1640cm-1)の比率からシランカップリング剤(C-2)の開環率を測定した結果、開環率は>90%であった。
<シランカップリング剤(C-3)の合成>
還流管を備えた1Lのセパラブルフラスコに3-トリメトキシシリルプロピルこはく酸無水物26.0g(0.10mol)及びガンマ-ブチロラクトン494.0gを仕込み、室温で1時間撹拌を行った。続いてメタノール63.5g(2.00mol)を撹拌しながらゆっくり滴下した。その後水浴にて反応液の温度が60℃になるまで加温し、そのまま60℃にて16時間撹拌を行い、シランカップリング剤(C-3)の4.8%GBL溶液を得た。反応液のIRによる酸無水物ピーク(1860cm-1)とカルボン酸ピーク(1640cm-1)の比率からシランカップリング剤(C-3)の開環率を測定した結果、開環率は>90%であった。
<硬化触媒(G-1)の合成>
撹拌装置付きのセパラブルフラスコに、4,4'-ビスフェノールS37.5g(0.15mol)、メタノール100mLを仕込み、室温で撹拌溶解し、更に攪拌しながら予め50mLのメタノールに水酸化ナトリウム4.0g(0.1mol)を溶解した溶液を添加した。次いで予め150mLのメタノールにテトラフェニルホスホニウムブロマイド41.9g(0.1mol)を溶解した溶液を加えた。しばらく攪拌を継続し、300mLのメタノールを追加した後、フラスコ内の溶液を大量の水に撹拌しながら滴下し、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し白色結晶の硬化触媒(G-1)を得た。
[感光性樹脂組成物の調製]
後掲の表1に従い各原料を配合し、室温下で原料が完全に溶解するまで撹拌し、溶液を得た。その後、その溶液を孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルターで濾過した。このようにして、ワニス状の感光性樹脂組成物を得た。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
<樹脂(A)>
(A-1):上記で合成したポリイミド樹脂(A-1)
(A-2):上記で合成したポリイミド樹脂(A-2)
(A-3):上記で合成したポリイミド樹脂(A-3)
(A-4):上記で合成したポリイミド前駆体(A-4)
(A-5):クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN-1020(日本化薬製)
<感光剤(B)>
(B-1):Irugacure OXE01(BASF社製、オキシムエステル型光ラジカル発生剤)
(B-2):CPI-310B(サンアプロ製)
<シランカップリング剤(C)>
(C-1):上記で合成したシランカップリング剤(C-1)
(C-2):上記で合成したシランカップリング剤(C-2)
(C-3):上記で合成したシランカップリング剤(C-3)
(C-4):3-トリメトキシシリルプロピルこはく酸無水物
<多官能(メタ)アクリル化合物>
(D-1):NKエステル A-9550 (新中村化学製、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、1分子中にアクリロイル基を5~6個有する化合物)
(D-2):ビスコート#230(大阪有機工業製、1分子中にアクリロイル基を2個有する化合物)
<エポキシ化合物>
(E-1):4HBAGE(新菱製、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル)
(E-2):VG3101L(プリンテック製、3官能エポキシ化合物)
<熱ラジカル開始剤>
(F-1):パーカドックスBC(化薬ヌーリオン製、ジクミルパーオキシド)
<硬化触媒>
(G-1):上記で合成した硬化触媒(G-1)(ホスホニウム塩)
<溶剤>
(J-1):乳酸エチル(EL)
(J-2):ガンマ-ブチロラクトン(GBL)
Figure 2024038631000011
得られた感光性樹脂組成物について、表1に記載の項目に基づいて評価を行った。
なお、表1中、「-」は評価を実施していないことを意味する。
<ワニス中の水分量>
得られた感光性樹脂組成物(ワニス)中の水分量について、カールフィッシャー水分率計「型番:CA-31」(商品名、日東精工アナリテック株式会社(株)製)及び水分気化装置型番:VA-230を用い、滴定試薬としてカールフィッシャー試薬「アクアミクロン水標準液」を用いて、JIS K 0113:2005に規定された容量滴定法に準拠して測定した。
<密着性:90度ピール強度>
(90度ピール強度評価用基板の作成)
得られた感光性樹脂組成物を表面に3000Åのメッキ銅層を有した12インチシリコンウェハ上に乾燥後の膜厚が10μmとなるようにスピンコートにて塗布し、続いて120℃で3分間加熱することで感光性樹脂膜を得た。
得られた感光性樹脂膜に、i線ステッパーにて幅6.5mm、長さ50mmの範囲が露光されるようにフォトマスクを介して300mJ/cmの露光を行った。その後、露光された樹脂膜をシリコンウェハごとスプレー現像機にてシクロペンタノンおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて現像し、更にスピンドライにて風乾後、120℃で2分間、ホットプレート上で乾燥を行った。さらにその後、窒素雰囲気下、200℃で90分間熱処理し、硬化膜を得た。
続いて、得られた幅6.5mm、長さ50mmの硬化膜が残るようにシリコンウェハをカットし、硬化膜の端部(5mm)を2%フッ酸水溶液に23℃で6時間浸漬後、水洗・乾燥し、端部のフィルムが剥離した90度ピール強度評価用基板を得た。
(90度ピール強度)
上記の(90度ピール強度評価用基板の作成)に従って得られた基板を、90度ピール強度測定装置(島津製作所製、AUTOGRAPH AG-Xplus)にセットし、剥離速度20mm/分の条件で1cm剥離を行い、そのときの剥離強度の最大値を評価した。90度ピール強度の単位はN/cmである。90度ピール強度は信頼性の面から高い方が好ましい。
<パターニング性評価>
得られた感光性樹脂組成物を表面に3000Åのメッキ銅層を有した12インチシリコンウェハ上に乾燥後の膜厚が5μmとなるようにスピンコートし、ホットプレートにて120℃で3分間乾燥し、感光性樹脂膜を得た。この感光性樹脂膜に、凸版印刷社製マスク(テストチャートNo.1:幅0.5~50μmの残しパターンおよび抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー(CANON製、FPA-5500iX)を用いて、露光量を変化させながらi線を照射した。
露光後の膜をスプレー現像機にてシクロペンタノンを用いて2500回転で30秒、続いてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて2500回転で10秒現像し、更に2500回転で10秒スピンドライにて風乾後、ホットプレート上120℃で2分間の乾燥を行った。さらにその後、窒素雰囲気下、200℃で90分間熱処理し、パターン付きの樹脂膜を得た。
得られたパターンについて観察し、5μmΦ未満のビアホールが開口したものを「優」(とても良い)、5μmΦ以上10μmΦ未満のビアホールが開口したものを「良」(良い)、10μmΦ以上のビアホールが開口したものを「不可」(悪い)として評価した。
<常温粘度変化率>
配合直後の感光性樹脂組成物の粘度を、E型粘度計(TVE-25L)にて測定した。この時の粘度をAとした。その後、粘度Aの測定に用いた感光性樹脂組成物のワニスを23℃にて7日間保管を行い、再度粘度を測定した。この時の粘度をBとした。
粘度Aおよび粘度Bの値を用いて、下記式に基づいて「粘度変化率」を算出した。粘度変化率が±5%以下のものを「優」(とても良い)、±5%超え10%以下のものを「良」(良い)、±10%を超えたものを「不可」(悪い)として評価した。粘度変化率は、安定した膜厚を得るために、低いほうが好ましい。
粘度変化率[%]={(粘度A-粘度B)/粘度A}×100
<耐熱性:ガラス転移温度(Tg)の評価>
(ガラス転移温度(Tg)の測定用試験片の作成)
得られた感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウェハ上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにスピンコートし、続いて120℃で3分間加熱することで感光性樹脂膜を得た。
得られた感光性樹脂膜に、高圧水銀灯にて、300mJ/cmの露光を行った。その後、露光された樹脂膜をシリコンウェハごとシクロペンタノン中に30秒浸漬した。さらにその後、窒素雰囲気下、200℃で90分間熱処理した。以上により、感光性樹脂組成物の硬化物を得た。
得られた硬化物を幅5mmになるようにシリコンウェハごとダイシングソーにてカットし、その後、2質量%フッ酸水溶液中に浸漬することで基板より剥離した。剥離したフィルムを60℃で10時間乾燥して、試験片(30mm×5mm×10μm厚)を得た。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
熱機械分析装置(セイコーインスツルメンツ社製、TMA/SS6000)を用いて、得られた試験片を、10℃/分の昇温速度で300℃まで加熱し、得られた試験片の熱膨張率を測定した。
次いで、得られた測定結果に基づき、熱膨張率の変曲点から硬化物のガラス転移温度(Tg)を算出した。Tgの単位は、℃である。
実施例1~7の感光性樹脂組成物は、比較例1~3と比べて、90度ピール強度が高い値であることから、優れた銅密着性を発揮する結果を示した。
1 電子装置
1A 電子装置
1B 電子装置
2 貫通電極基板
3 半導体パッケージ
5 感光性樹脂ワニス
21 絶縁層
23 半導体チップ
24 下層配線層
24A 下層配線層
24B 下層配線層
25 上層配線層
26 半田バンプ
27 チップ埋込構造体
31 パッケージ基板
32 半導体チップ
33 ボンディングワイヤー
34 封止層
35 半田バンプ
202 基板
221 貫通配線
222 貫通配線
231 ランド
240 有機絶縁層
241 有機絶縁層
242 有機絶縁層
243 配線層
245 バンプ密着層
251 有機絶縁層
252 有機絶縁層
253 配線層
254 貫通配線
412 マスク
423 開口部
424 開口部
2510 感光性樹脂層
2520 感光性樹脂層
S1 チップ配置工程
S2 上層配線層形成工程
S20 第1樹脂膜配置工程
S21 第1露光工程
S22 第1現像工程
S23 第1硬化工程
S24 配線層形成工程
S25 第2樹脂膜配置工程
S26 第2露光工程
S27 第2現像工程
S28 第2硬化工程
S29 貫通配線形成工程
S3 基板剥離工程
S4 下層配線層形成工程
S5 半田バンプ形成工程
S6 積層工程
W 直径

Claims (11)

  1. ポリアミド、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、およびフェノール樹脂からなる群から選ばれる一または二以上を含む樹脂(A)と、
    感光剤(B)と、
    シランカップリング剤(C)と、を含み、
    前記シランカップリング剤(C)が、下記の一般式(1)で表されるケイ素化合物を含む、
    感光性樹脂組成物。
    Figure 2024038631000012
    (上記一般式(1)中、Rは、炭素数1~20の有機基を表し、R'は、水素原子または炭素数1~10の有機基であり、nは0~3の整数である。)
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記Rが炭素数1~10の脂肪族炭化水素基である前記一般式(1)で表されるケイ素化合物を含む、感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記R'が水素原子である前記一般式(1)で表されるケイ素化合物を含む、感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記樹脂(A)が、ポリイミド、またはポリイミド前駆体を含む、感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記樹脂(A)が、ポリイミドを含む、感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記感光剤(B)が、光ラジカル発生剤を含む、感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    カールフィッシャー法により測定される感光性樹脂組成物中の水分量が0.1質量%以上10質量%以下である、感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    当該感光性樹脂組成物の硬化膜のTMAにより測定されるガラス転移温度が、150℃以上である、感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    ネガ型感光性樹脂組成物である、感光性樹脂組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる樹脂膜。
  11. 請求項10に記載の樹脂膜を備える電子装置。
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