JP2024037425A - プラズマ発生装置、および流路監視方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のプラズマヘッドの各々によりプラズマ処理を行うことが可能なプラズマ発生装置において好適にプラズマ処理を行うことを課題とする。【解決手段】処理ガスを供給する供給装置に連結されたメイン流路と、メイン流路から分岐する複数の分岐流路と、複数の分岐流路の各々から処理ガスが供給されるプラズマヘッドと、複数の分岐流路の各々に配設され、各分岐流路を流れる処理ガスの流量を変更する変更弁と、複数の分岐流路の各々に配設され、各分岐流路を流れる処理ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、を備えるプラズマ発生装置。【選択図】図8
Description
本開示は、供給された処理ガスをプラズマ化させるプラズマ発生装置などに関するものである。
下記特許文献には、供給された処理ガスをプラズマ化させる技術が記載されている。
供給された処理ガスをプラズマ化させるプラズマ発生装置では、メイン流路から分岐した複数の分岐流路の各々にプラズマヘッドが連結されており、複数のプラズマヘッドの各々によりプラズマ処理を行うものがある。本明細書は、複数のプラズマヘッドの各々によりプラズマ処理を行うことが可能なプラズマ発生装置において好適にプラズマ処理を行うことを課題とする。
上記課題を解決するために、本明細書は、処理ガスを供給する供給装置に連結されたメイン流路と、前記メイン流路から分岐する複数の分岐流路と、前記複数の分岐流路の各々から処理ガスが供給されるプラズマヘッドと、前記複数の分岐流路の各々に配設され、各分岐流路を流れる処理ガスの流量を変更する変更弁と、前記複数の分岐流路の各々に配設され、各分岐流路を流れる処理ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、を備えるプラズマ発生装置などを開示する。
本開示によれば、複数の分岐流路の各々を流れる処理ガスの圧力を検出することで、プラズマ発生装置において好適にプラズマ処理を行うことが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に示すように、プラズマ装置10は、プラズマヘッド11、ロボット13、制御ボックス15を備えている。プラズマヘッド11は、ロボット13に取り付けられている。ロボット13は、例えば、シリアルリンク型ロボット(多関節型ロボットと呼ぶこともできる)であり、プラズマヘッド11は、ブラケット12を介してロボット13の先端に取り付けられている。そして、プラズマヘッド11は、ロボット13の先端に取り付けられた状態でプラズマガスを照射可能となっている。プラズマヘッド11は、ロボット13の駆動に応じて3次元的に移動可能となっている。
制御ボックス15は、コンピュータを主体として構成され、プラズマ装置10を統括的に制御する。制御ボックス15は、プラズマヘッド11に電力を供給する電源部15A及びプラズマヘッド11へガスを供給するガス供給部15Bを有している。電源部15Aは、電源ケーブル(図示省略)を介してプラズマヘッド11と接続されている。電源部15Aは、制御ボックス15の制御に基づいて、プラズマヘッド11の電極30(図3乃至図5参照)に印加する電圧を変更する。
また、ガス供給部15Bは、ガスチューブ19を介してプラズマヘッド11と接続されている。ガス供給部15Bは、制御ボックス15の制御に基づいて、後述する反応ガスをプラズマヘッド11へ供給する。制御ボックス15は、ガス供給部15Bを制御し、ガス供給部15Bからプラズマヘッド11へ供給するガスの量などを制御する。これにより、ロボット13は、制御ボックス15の制御に基づいて動作し、テーブル17の上に載置された被処理物Wに対してプラズマヘッド11からプラズマガスを照射する。
また、制御ボックス15は、タッチパネルや各種スイッチを有する操作部15Cを備えている。制御ボックス15は、各種の設定画面や動作状態(例えば、ガス供給状態など)等を操作部15Cのタッチパネルに表示する。また、制御ボックス15は、操作部15Cに対する操作入力により各種の情報を受け付ける。
図2及び図3に示すように、プラズマヘッド11は、筐体20、内部ケーブル22,ケーブルホルダ24,ホルダ装着具26、電極ホルダ28、電極30等を備えている。筐体20は、金属製の素材により形成されており、概して円筒形状である。ただし、筐体20は、下方に向うほど先細る形状であり、筐体20の下端部は円錐形状である。このため、筐体20の下端部はプラズマヘッド11のノズル32として機能する。
図4及び図5に示すように、内部ケーブル22は、筐体20の内部において筐体20の軸線方向に延びるように配設されており、ケーブルホルダ24により筐体20の内部に固定されている。ケーブルホルダ24は概して円筒形であり、筐体20の内部に固定的に嵌合されている。そして、内部ケーブル22が、ケーブルホルダ24の内部の上端部に固定的に嵌合されている。これにより、内部ケーブル22がケーブルホルダ24により筐体20の内部に固定されている。なお、ケーブルホルダ24の下端部では、ケーブルホルダ24の内周面と内部ケーブル22の外周面との間に隙間36が形成されている。
また、ホルダ装着具26は円環形状であり、内部ケーブル22の下方において筐体20の内部に固定的に嵌合されている。円環形状のホルダ装着具26の内周面には、ネジ溝が形成されており、ホルダ装着具26の内周面がネジ穴として機能している。また、ホルダ装着具26の外縁部には、上下方向に貫通する複数の貫通穴38が形成されている。
また、電極ホルダ28は、金属製の素材により形成されており、概して円筒形状である。ただし、電極ホルダ28は下方に向うほど先細る形状であり、電極ホルダ28の上端面の中央には、凸部40が形成されている。そして、その凸部40の外周面にネジ山が形成されている。このため、電極ホルダ28の凸部40がホルダ装着具26のネジ穴として機能する内周面に挿入されて捩じ込まれることで、電極ホルダ28がホルダ装着具26に着脱可能に装着される。
また、電極ホルダ28の内周面は段付き形状である。電極ホルダ28の内周面の上方の部分は小径の第1内周面50であり、その第1内周面50から連続する電極ホルダ28の内周面の下方の部分は第1内周面50より大径の第2内周面52である。その第1内周面50には圧着端子56の下端部が挿入されている。圧着端子56の下端部の外径は電極ホルダ28の第1内周面50の内径より僅かに小さい。このため、圧着端子56はホーローボルト58により電極ホルダ28の第1内周面50において固定されている。詳しくは、電極ホルダ28の上端部側には径方向に延びる横穴60が形成されており、その横穴60は第1内周面50に連通している。そして、その横穴60にホーローボルト58が捩じ込まれることで、圧着端子56が電極ホルダ28の第1内周面50において固定される。なお、横穴60の深さ寸法は、ホーローボルト58の長さ寸法より長い。このため、ホーローボルト58は横穴60に捩じ込まれた状態において横穴60に埋没しており、電極ホルダ28の表面から外部に露出していない。また、圧着端子56は、電極ホルダ28の第1内周面50の上端から上方に向って延び出している。そして、電極ホルダ28の第1内周面50から上方に向って延び出す圧着端子56と、内部ケーブル22とが導体62により接続されている。
また、電極30は丸棒形状であり、電極30の外径は電極ホルダ28の第2内周面52の内径より僅かに小さい。そして、電極ホルダ28の第2内周面52に電極30が挿入されており、電極30はホーローボルト66により電極ホルダ28の第2内周面52において固定されている。詳しくは、電極ホルダ28の下端部側には径方向に延びる横穴68が形成されており、その横穴68は第2内周面52に連通している。そして、その横穴68にホーローボルト66が捩じ込まれることで、電極30が電極ホルダ28の第2内周面52において固定される。なお、横穴68の深さ寸法は、ホーローボルト66の長さ寸法より長い。このため、ホーローボルト66は横穴68に捩じ込まれた状態において横穴68に埋没しており、電極ホルダ28の表面から外部に露出ていない。また、電極30は、電極ホルダ28の下端から電極30の下端、つまり先端を所定量(例えば、3~5mm)延び出させた状態で第2内周面52において固定される。
また、ケーブルホルダ24の内周面と内部ケーブル22の外周面との隙間36にガスチューブ19(図1参照)を介してガス供給部15Bが接続されており、ガス供給部15Bから供給される反応ガスがケーブルホルダ24の内周面と内部ケーブル22の外周面との隙間36に流入する。そして、反応ガスは下方に向って流れて、ホルダ装着具26の複数の貫通穴38を介して電極ホルダ28の周囲に流入する。さらに、反応ガスは下方に向って流れて、電極ホルダ28の下端から延び出す電極30の周囲にも流入して、筐体20のノズル32まで至る。つまり、反応ガスは、筐体20の内部においてケーブルホルダ24の内周面と内部ケーブル22の外周面との隙間36からホルダ装着具26の複数の貫通穴38を介して、電極ホルダ28及び電極ホルダ28の下端から延び出す電極30の周囲に流入し、筐体20のノズル32まで至る。
反応ガス(種ガス)としては、酸素(O2)を採用できる。ガス供給部15Bは、例えば、ガスチューブ19(図1参照)を介して、酸素と窒素(N2)との混合気体(例えば、乾燥空気(Air))を、ケーブルホルダ24の内周面と内部ケーブル22の外周面との隙間36に流入させる。以下、この混合気体を、便宜的に反応ガスと呼び、酸素を種ガスと呼ぶ場合がある。
また、電極ホルダ28の下端から延び出す電極30には、制御ボックス15の電源部15Aから電圧が印加される。詳しくは、制御ボックス15の電源部15Aから電源ケーブルを介してプラズマヘッド11の内部ケーブル22に電力が供給され、導体62及び圧着端子56に電力が供給される。そして、圧着端子56に供給された電力が電極ホルダ28を介して電極30に流れる。このように、電極30に電力が供給されることで、電極30に電圧が印される。この際、電極30への電圧の印加によって、図5に示すように、電極30の先端から電流を制限することにより疑似アークAが発生する。疑似アークAは、反応ガスの流れに沿って発生するため、電極30の先端から下方に向って発生し、ノズル32の先端に至る。このため、電極30の先端とノズル32の先端との間で疑似アークAが発生する。そして、電極30の先端とノズル32の先端との間で発生した疑似アークAを反応ガスが通過する際に、反応ガスは、プラズマ化される。つまり、筐体20の内部のホルダ装着具26とノズル32とにより区画される反応室70において、電極30の先端とノズル32の先端との間で疑似アークAの放電が発生し、反応ガスをプラズマ化し、プラズマガスを発生させる。
このような構造により、プラズマヘッド11では、電極30に電圧が印加されて電極30の先端とノズル32の先端との間で発生する放電によりプラズマガスが発生し、ノズル32の先端に形成された開口32Aから噴出される。そして、プラズマガスがノズル32の開口32Aから噴出されることで、被処理物Wに対してプラズマ処理が施される。また、上述したプラズマ装置10では、制御ボックス15に1台のプラズマヘッド11が連結されているが、制御ボックス15に複数台のプラズマヘッド11が連結されてもよい。このように、制御ボックス15に複数台のプラズマヘッド11が連結される場合には、複数台のプラズマヘッド11の各々に制御ボックス15から反応ガスが供給される。ただし、従来の手法では、複数台のプラズマヘッド11のうちの例えば1台のプラズマヘッド11に反応ガスを供給する流路において破損,抜け等が発生した場合に、その1台のプラズマヘッド11だけでなく、他の全てのプラズマヘッド11においてプラズマ処理を行うことができない虞がある。
具体的には、図6に示すように、複数のプラズマヘッド11の各々に反応ガスを供給する従来のガス供給部100は、供給装置102とガス流路104とレギュレータ106と圧力計108と2個の固定絞り110,112と2個の開閉弁114,116とを備えている。供給装置102は、反応ガスを供給する装置である。また、ガス流路104は、メイン流路120と2本の分岐流路122,124とにより構成されている。メイン流路120は一端において供給装置102に連結されており、他端において2本の分岐流路122,124に分岐している。そして、分岐流路122がプラズマヘッド11aに連結され、分岐流路124がプラズマヘッド11bに連結されている。なお、分岐流路122,124はガスチューブ19も含んでおり、さらに言えば、プラズマヘッド11の内部の反応ガスの流路も含む。つまり、分岐流路122,124はプラズマヘッド11の反応室70に反応ガスを供給する流路である。
また、メイン流路120にレギュレータ106が配設されており、そのレギュレータ106の下流側のメイン流路120に圧力計108が配設されている。そのメイン流路120から分岐する分岐流路122には固定絞り110が配設されており、その固定絞り110の下流側の分岐流路122に開閉弁114が配設されている。また、もう一方の分岐流路124には固定絞り112が配設されており、その固定絞り112の下流側の分岐流路124に開閉弁116が配設されている。なお、固定絞り110,112は、分岐流路122,124を流れる反応ガスの流量を固定的に所定の流量に絞るものである。
このような構造のガス供給部100では、例えば、分岐流路122において破損,抜け等が発生した場合に、分岐流路122から反応ガスが漏れ出して分岐流路122からプラズマヘッド11aに供給される反応ガスの供給量が低下するため、プラズマヘッド11aにおいてプラズマ処理を適切に行うことができない。この際、分岐流路122からの反応ガスの漏れ出しに伴って分岐流路124を流れる反応ガスの流量も低下して、その分岐流路124からプラズマヘッド11bに供給される反応ガスの供給量が低下するため、プラズマヘッド11bにおいてもプラズマ処理を適切に行うことができない。このように、破損等の発生している分岐流路122に連結されているプラズマヘッド11aだけでなく、正常な分岐流路124に連結されているプラズマヘッド11bにおいても適切にプラズマ処理を行うことができない虞がある。
また、分岐流路122から反応ガスが漏れ出すため、メイン流路120における反応ガスの圧力が低下して、メイン流路120に配設されている圧力計108の検出値が低下する。このため、作業者は圧力計108の検出値の低下によりガス流路104における異常の発生を認識することができる。ただし、メイン流路120に配設されている圧力計108の検出値の低下では、ガス流路104を構成するメイン流路120と分岐流路122と分岐流路124との何れに異常が発生しているかまで、作業者は認識することができない。このため、例えば、圧力計108の検出値が閾値以下まで低下した場合に、供給装置102による反応ガスの供給が停止され、2台のプラズマヘッド11によるプラズマ処理が停止する。このように、破損等の発生している分岐流路122に連結されているプラズマヘッド11aだけでなく、正常な分岐流路124に連結されているプラズマヘッド11bでのプラズマ処理も停止する虞がある。また、2台のプラズマヘッド11によるプラズマ処理が停止した後に、破損等が発生しているガス流路104の部位を修復する必要があるが、破損等が発生しているガス流路104の部位を特定するためには、ガス流路104の全体を確認する必要がある。このため、破損等が発生しているガス流路104の部位の特定に多くの時間がかかり、プラズマ処理を早急に再開することができない。
また、図7に示す従来のガス供給部130においても、ガス供給部100と同様に、ガス流路104において破損等が発生した場合に、全てのプラズマヘッド11においてプラズマ処理を行うことができない虞がある。ガス供給部130は、供給装置102とガス流路104とレギュレータ106と圧力計108と2個の固定絞り110,112と開閉弁132とを備えている。供給装置102とガス流路104とレギュレータ106と圧力計108と2個の固定絞り110,112とは、ガス供給部100のものと同じ構造であり、同じ配置である。また、開閉弁132は、メイン流路120において圧力計108の下流側に配設されている。
このような構造のガス供給部130においても、例えば、分岐流路122に破損等が発生した場合に、破損等の発生している分岐流路122に連結されているプラズマヘッド11aだけでなく、正常な分岐流路124に連結されているプラズマヘッド11bにおいても適切にプラズマ処理を行うことができない虞がある。また、メイン流路120に配設されている圧力計108の検出値の低下により、ガス流路104における異常の発生が認識されても、2台のプラズマヘッド11によるプラズマ処理を停止する必要がある。また、ガス供給部130においても、メイン流路120に配設されている圧力計108の検出値の低下では、破損等が発生しているガス流路104の部位の特定に多くの時間がかかり、プラズマ処理を早急に再開することができない。
このようなことに鑑みて、プラズマ装置10のガス供給部15Bは、図8に示すように、供給装置102とガス流路104と2個のレギュレータ150,152と2個の開閉弁154,156と2個の圧力計158,160と2個の固定絞り162,164とを備えている。供給装置102とガス流路104とは、ガス供給部100,130のものと同じ構造であり、同じ配置である。また、レギュレータ150は分岐流路122に配設されており、そのレギュレータ150の下流側の分岐流路122に開閉弁154が配設されている。そして、その開閉弁154の下流側の分岐流路122に圧力計158が配設されており、その圧力計158の下流側の分岐流路122に固定絞り162が配設されている。また、レギュレータ152は分岐流路124に配設されており、そのレギュレータ152の下流側の分岐流路124に開閉弁156が配設されている。そして、その開閉弁156の下流側の分岐流路124に圧力計160が配設されており、その圧力計160の下流側の分岐流路124に固定絞り164が配設されている。
このような構造のガス供給部15Bでは、例えば、分岐流路122において破損,抜け等が発生した場合に、分岐流路122から反応ガスが漏れ出して分岐流路122からプラズマヘッド11aに供給される反応ガスの供給量が低下するため、プラズマヘッド11aにおいてプラズマ処理を適切に行うことができない。この際、分岐流路122から反応ガスが漏れ出すため、その分岐流路122における反応ガスの圧力が低下して、分岐流路122に配設されている圧力計158の検出値が低下する。このため、作業者は圧力計158の検出値の低下により分岐流路122における異常の発生を認識することができる。そして、例えば、圧力計158の検出値が閾値以下まで低下した場合に、分岐流路122に配設されている開閉弁154が閉弁される。これにより、分岐流路122からプラズマヘッド11aへの反応ガスの供給が停止し、プラズマヘッド11aでのプラズマ処理は停止する。しかしながら、開閉弁154が閉弁されることで、分岐流路122から反応ガスが漏れ出しても、メイン流路120及び分岐流路124での反応ガスの流量は低下しない。このため、分岐流路124からプラズマヘッド11bに供給される反応ガスの供給量は維持されて、プラズマヘッド11bにおけるプラズマ処理は継続して実行される。このように、2本の分岐流路122,124の各々に圧力計158,160が配設されることで、破損等の発生している分岐流路122に連結されているプラズマヘッド11aではプラズマ処理を行うことはできないが、正常な分岐流路124に連結されているプラズマヘッド11bにおいてはプラズマ処理を継続して行うことができる。また、分岐流路122に配設されている圧力計158の検出値の低下により、分岐流路122における異常の発生が認識されるため、破損等が発生しているガス流路104の部位を容易に特定することが可能となり、プラズマヘッド11aでのプラズマ処理を早急に再開することが可能となる。
因みに、プラズマ装置10は、プラズマ発生装置の一例である。プラズマヘッド11a,bは、プラズマヘッドの一例である。供給装置102は、供給装置の一例である。メイン流路120は、メイン流路の一例である。分岐流路122,124は、分岐流路の一例である。レギュレータ150,152は、レギュレータの一例である。開閉弁154,156は、変更弁の一例である。圧力計158,160は、圧力検出手段の一例である。固定絞り162,164は、絞りの一例である。
以上、上記した本実施形態では、以下の効果を奏する。
プラズマ装置10は、反応ガスを供給する供給装置102に連結されたメイン流路120と、メイン流路から分岐する複数の分岐流路122,124と、複数の分岐流路の各々から反応ガスが供給されるプラズマヘッド11と、複数の分岐流路の各々を流れる反応ガスの流量を変更する開閉弁154,156とを備える。そして、複数の分岐流路の各々に、各分岐流路を流れる反応ガスの圧力を検出する圧力計158,160が配設される。これにより、例えば、分岐流路122に破損等が発生した場合に、分岐流路122に配設されている圧力計158により分岐流路122の異常を認識し、開閉弁154を閉弁することで、プラズマヘッド11aによるプラズマ処理のみを停止し、プラズマヘッド11bによるプラズマ処理を継続して実行することができる。また、分岐流路122に配設されている圧力計158により、分岐流路122における異常の発生が認識されるため、破損等が発生しているガス流路104の部位を容易に特定することが可能となり、プラズマヘッド11aでのプラズマ処理を早急に再開することが可能となる。
また、上記実施例では、圧力計158,160が分岐流路122,124において固定絞り162,164の上流側に配設されている。これにより、感度の低い圧力計であっても、分岐流路122,124での異常の発生を検知することが可能となる。つまり、固定絞り162,164は分岐流路122,124を流れる反応ガスの流量を絞るため、固定絞り162,164の下流側を流れる反応ガスの流量は、固定絞り162,164の上流側を流れる反応ガスの流量より少なくなる。このため、固定絞り162,164の下流側において流量の少ない反応ガスの圧力を検出するためには、感度の高い圧力計を固定絞り162,164の下流側に配設する必要がある。一方で、圧力計158,160が固定絞り162,164の上流側に配設される場合には、反応ガスの流量は多いため、感度の低い圧力計であっても、分岐流路122,124での異常の発生を検知することが可能となる。
また、上記実施例では、圧力計158,160が開閉弁154,156の下流側に配設されている。これにより、分岐流路122,124での異常の発生を圧力計により適切に検知することが可能となる。つまり、開閉弁154,156の上流側では開閉弁の開閉に伴ってサージ圧が発生する。このため、開閉弁154,156の上流側に圧力計が配設される場合には、サージ圧により分岐流路122,124での異常の発生を圧力計により適切に検知することができない虞がある。このようなことを考慮すると、圧力計158,160が開閉弁154,156の下流側に配設されることで、分岐流路122,124での異常の発生を圧力計により適切に検知することが可能となる。
また、上記実施例では、複数の分岐流路122,124の各々にレギュレータ150,152が配設されている。これにより、複数の分岐流路122,124の各々に流れる反応ガスの流量を個別に一定にすることが可能となる。
また、上記実施例では、複数の分岐流路122,124の各々を流れる反応ガスの圧力を圧力計158,160により検出して複数の分岐流路122,124の各々が監視されている。これにより、例えば、分岐流路122に破損等が発生した場合に、分岐流路122に配設されている圧力計158により分岐流路122の異常を認識し、開閉弁154を閉弁することで、プラズマヘッド11aによるプラズマ処理のみを停止し、プラズマヘッド11bによるプラズマ処理を継続して実行することができる。また、分岐流路122に配設されている圧力計158により、分岐流路122における異常の発生が認識されるため、破損等が発生しているガス流路104の部位を容易に特定することが可能となり、プラズマヘッド11aでのプラズマ処理を早急に再開することが可能となる。
尚、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、反応ガスの圧力が圧力計158,160により検出されているが、真空計などにより反応ガスの圧力が検出されてもよい。つまり、圧力計は大気圧以上の圧力を測定するものであり、真空計は大気圧以下の圧力を測定するものである。このため、反応ガスの圧力を検出可能なものであれば、種々の圧力検出手段を採用することが可能である。なお、圧力測定法としては、測定点の圧力を導管により測定器に導く測定法と、測定点に圧力センサを置いて電気信号で取出す方法がある。前者の測定法は時間の応答性が悪いため時間の平均値の測定に適している。一方、後者の測定法は、圧力の変動成分の測定に適している。また、圧力の測定方式としては、既知の重量と釣合せる方式,弾性変形を測定する方式,圧力によって変化する物理現象を利用する方式がある。具体的に、既知の重量と釣合せる方式の圧力検出手段として、液柱形圧力計,円環型圧力計,重鍾型圧力計がある。また、弾性変形を測定する方式の圧力検出手段として、ブルドン管圧力計,アネロイド圧力計,ダイヤフラム式検出手段,ベローズ式検出手段がある。また、圧力によって変化する物理現象を利用する方式の圧力検出手段として、密度変化を光干渉法で測定し,温度データと併せて静圧を推定する検出手段,蛍光法や赤外線吸収スペクトルで密度と温度を同時に計測する検出手段がある。
また、上記実施例では、2本の分岐流路122,124の各々に圧力計158,160が配設されているが、2本の分岐流路122,124の内部の圧力の差圧を図る差圧計が2本の分岐流路122,124の各々に配設されてもよい。つまり、分岐流路122の内部の圧力と分岐流路124の内部の圧力との差圧を検出する圧力計を分岐流路122と分岐流路124とに接続した状態で配設してもよい。分岐流路122の内部の圧力と分岐流路124の内部の圧力との差圧を検出することでも、ガス供給部15Bでの以上の発生及び、分岐流路122と分岐流路124との何れに異常が発生しているかを判定することができる。
また、上記実施例では、反応ガスの流量を固定的に所定の流量に絞る固定絞り162,164が採用されているが、反応ガスの流量を任意の量に変更可能な可変絞りが採用されてもよい。このように可変絞りが採用される場合には、分岐流路122,124に配設された可変絞りが分岐流路122,124を流れる反応ガスの流量を所定の流量に絞ればよい。
また、上記実施例では、固定絞り162,164の上流側に圧力計158,160が配設されているが、固定絞り162,164の下流側に圧力計158,160が配設されてもよい。このような場合には、例えば、圧力計の感度を高くすることで、分岐流路122,124での異常の発生を圧力計により適切に検知することが可能となる。
また、上記実施例では、圧力計158,160が開閉弁154,156の下流側に配設されているが、開閉弁154,156の上流側に配設されてもよい。このような場合には、例えば、サージ圧を考慮することで、分岐流路122,124での異常の発生を圧力計により適切に検知することが可能となる。
また、上記実施例では、複数の分岐流路122,124の各々にレギュレータ150,152が配設されているが、メイン流路120にレギュレータが配設されてもよい。そのような場合には、複数の分岐流路122,124の各々に流れる反応ガスの流量を個別にではないが、一定にすることは可能である。
また、上記実施例では、複数の分岐流路122,124の各々に開閉弁154,156が配設されているが、複数の分岐流路122,124の各々にガス流量を調整することが可能なマスフロメータが配設されてもよい。このような場合には、例えば、複数の分岐流路122,124の各々に配設されている固定絞り162,164を配設しなくてもよい。
また、上記実施例では、2本の分岐流路122,124の各々にプラズマヘッド11,開閉弁154,156,圧力計158,160等が配設されているが、3本以上の分岐流路の各々にプラズマヘッド,開閉弁,圧力計等が配設されてもよい。
また、上記実施例では、電極30の先端と筐体20の先端との間で放電を発生させて反応ガスをプラズマ化させている。つまり、1本の電極30により放電を発生させている。一方で、複数本の電極間で放電を発生させてもよい。
尚、本開示の内容は、請求項に記載の従属関係に限定されない。例えば、請求項3において「請求項1に記載のプラズマ発生装置」を「請求項1または請求項2に記載のプラズマ発生装置」に変更した技術思想についても、本明細書は開示している。
10:プラズマ装置(プラズマ発生装置) 11:プラズマヘッド 102:供給装置 120:メイン流路 122:分岐流路 124:分岐流路 150:レギュレータ 152:レギュレータ 154:開閉弁(変更弁) 156:開閉弁(変更弁) 158:圧力計(圧力検出手段) 160:圧力計 162:固定絞り(絞り) 164:固定絞り
Claims (5)
- 処理ガスを供給する供給装置に連結されたメイン流路と、
前記メイン流路から分岐する複数の分岐流路と、
前記複数の分岐流路の各々から処理ガスが供給されるプラズマヘッドと、
前記複数の分岐流路の各々に配設され、各分岐流路を流れる処理ガスの流量を変更する変更弁と、
前記複数の分岐流路の各々に配設され、各分岐流路を流れる処理ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、
を備えるプラズマ発生装置。 - 前記プラズマ発生装置が、
前記複数の分岐流路の各々に配設され、各分岐流路を流れる処理ガスの流量を所定量に絞る絞りを備え、
前記圧力検出手段が、前記絞りの上流側に配設された請求項1に記載のプラズマ発生装置。 - 前記圧力検出手段が、前記変更弁の下流側に配設された請求項1に記載のプラズマ発生装置。
- 前記プラズマ発生装置が、
前記複数の分岐流路の各々に配設されたレギュレータを備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ発生装置。 - 処理ガスを供給する供給装置に連結されたメイン流路と、前記メイン流路から分岐する複数の分岐流路と、前記複数の分岐流路の各々から処理ガスが供給されるプラズマヘッドと、前記複数の分岐流路の各々を流れる処理ガスの流量を変更する変更弁とを備えるプラズマ発生装置において、
前記複数の分岐流路の各々を流れる処理ガスの圧力を検出して前記複数の分岐流路の各々を監視する流路監視方法。
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