JP2024036866A - 電解液及び電池 - Google Patents

電解液及び電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2024036866A
JP2024036866A JP2022141392A JP2022141392A JP2024036866A JP 2024036866 A JP2024036866 A JP 2024036866A JP 2022141392 A JP2022141392 A JP 2022141392A JP 2022141392 A JP2022141392 A JP 2022141392A JP 2024036866 A JP2024036866 A JP 2024036866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
alkali metal
electrolytic solution
group
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022141392A
Other languages
English (en)
Inventor
弘行 水野
Hiroyuki Mizuno
竣登 木下
Shunto Kinoshita
良 西畑
Makoto Nishihata
徹 小谷
Toru Kotani
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2022141392A priority Critical patent/JP2024036866A/ja
Publication of JP2024036866A publication Critical patent/JP2024036866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】LiFSI等のスルホニルイミド化合物を含み、かつ、高温時の自己放電が抑制された電解液を提供する。【解決手段】下記式(1);M1N(R1SO2)(R2SO2)(1)(式中、M1はアルカリ金属原子を表す。R1及びR2は、同一又は異なって、フッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を表す。)で表されるスルホニルイミド化合物と、下記式(2);M2SiO3(2)(式中、M2は、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を表す。)で表される化合物とを含むことを特徴とする電解液。【選択図】なし

Description

本発明は、電解液及び電池に関する。より詳しくは、リチウムイオン電池等の電池用材料として好適に用いることができる電解液、及び、これを用いて構成される電池に関する。
近年、環境問題への関心の高まりを背景に、石油や石炭等の化石燃料からのエネルギー資源の転換が進んでおり、それとともに電池の重要性が高まり、需要増大が見込まれるところである。中でも、繰り返し充放電を行うことができる二次電池は、携帯電話やノートパソコン等の電子機器だけでなく、自動車や航空機等、様々な分野においても使用が進んでおり、各種二次電池や二次電池に用いられる材料について、研究、開発が行われている。特に、容量が大きく、軽量のリチウムイオン電池については、今後の利用の拡大が最も期待される二次電池であり、最も研究、開発が活発に行われている電池である。
このような電池の研究、開発において、電池性能を向上させる技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、正極活物質量を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備え、 前記正極、前記負極、及び前記非水電解質の少なくとも1つに、含有水分量が0.001質量%以上1質量%以下である塩基性化合物を含む、非水電解質二次電池が開示されている。また、電解質に関し、特許文献2には、リチウムビスフルオロスルホニルイミド(LiFSI)等の特定の構造のスルホニルイミド化合物とフッ素を含有する別のアルカリ金属塩とを含む電解質とすることで電池のサイクル特性を向上させる技術が開示され、特許文献3には、電解質とリチウムビスフルオロスルホニルイミド(LiFSI)等の特定の構造のスルホニルイミド化合物とを所定の割合で含み、カーボネート系溶媒を含む電解液とすることで低温環境下におけるイオン伝導度を向上させる技術が開示されている。
特開2015-090859号公報 特開2013-84591号公報 特開2013-101900号公報
上記のように、電池性能を向上させるためにLiFSI等の特定の構造のイミド系アルカリ金属塩を用いる技術が開示されているが、LiFSIを含む電解液は高温で保存した際の自己放電耐久性について改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、LiFSI等のスルホニルイミド化合物を含み、かつ、高温時の自己放電を抑制することができる電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、LiFSI等のスルホニルイミド化合物を含む電解液を用いた電池の高温保存時の自己放電を抑制する方法について検討し、スルホニルイミド化合物を含む電解液に、所定の構造のケイ酸塩を添加することで、高温時の自己放電を抑制することができることを見出し、本発明に到達したものである。
本発明は、以下の電解液等を包含する。
〔1〕下記式(1);
N(RSO)(RSO)(1)
(式中、Mはアルカリ金属原子を表す。R及びRは、同一又は異なって、フッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を表す。)で表されるスルホニルイミド化合物と、下記式(2);
SiO (2)
(式中、Mは、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を表す。)で表される化合物とを含むことを特徴とする電解液。
〔2〕更にMPF、MBF、MPO及びMFSO(Mは、アルカリ金属原子を表す。)からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする上記〔1〕に記載の電解液。
〔3〕上記式(2)で表される化合物の含有割合が、電解液100質量%に対して、0.001質量%以上、5.0質量%未満であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の電解液。
〔4〕上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の電解液を備えて構成されることを特徴とする電池。
〔5〕上記電池は、下記式(3);
LiNiCoMn (3)
(式中、x、y、zは、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1を満たす数である。)で表される複合金属酸化物及び/又はLiFePOを含む正極を備えて構成されることを特徴とする上記〔4〕に記載の電池。
〔6〕上記電池は、Siを含有する負極活物質を含む負極を備えて構成されることを特徴とする上記〔4〕又は〔5〕に記載の電池。
本発明の電解液は、上述の構成よりなり、高温時の自己放電を抑制することができるため、リチウムイオン電池等の電池用材料等に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
1.電解液
本発明の電解液は、上記式(1)で表されるスルホニルイミド化合物(以下、単にスルホニルイミド化合物ともいう。)と、上記式(2)で表されるケイ酸塩(以下、単にケイ酸塩ともいう。)とを含むものである。上記スルホニルイミド化合物に上記ケイ酸塩を組み合わせることにより、電解液を高温環境下で保存した場合にも、スルホニルイミド化合物の分解が抑制され、このような電解液を用いた電池は高温環境下で保存した場合にも自己放電が抑制される。スルホニルイミド化合物の分解が進んだ場合、繰り返し充電した際の直流抵抗(DCR)の上昇、容量維持率の低下等により電池特性が悪化するおそれがあるが、このような電解液を用いた電池は、DCR上昇率及び容量維持率においても優れるものとなる。
上記電解液において、上記スルホニルイミド化合物の濃度は特に制限されないが、0.01~5.0モル/Lであることが好ましい。これにより本発明の作用効果をより充分に発揮することができる。より好ましくは0.1~3.0モル/Lであり、更に好ましくは0.2~2.5モル/Lであり、一層好ましくは0.4~2.0モル/Lであり、より一層好ましくは0.6~1.5モル/Lであり、特に好ましくは0.8~1.0モル/Lである。
上記スルホニルイミド化合物の濃度として好ましくは0.01~5.0モル/kgであり、より好ましくは0.1~3.0モル/kgであり、更に好ましくは0.2~2.5モル/kgであり、一層好ましくは0.4~2.0モル/kgであり、より一層好ましくは0.6~1.5モル/kgであり、特に好ましくは0.8~1.0モル/kgである。
上記電解液において、上記ケイ酸塩の含有割合は特に制限されないが、電解液100質量%に対して、0.001質量%以上、5.0質量%未満であることが好ましい。これにより本発明の作用効果をより充分に発揮することができる。上記ケイ酸塩の含有割合としてより好ましくは0.005~4.0質量%であり、更に好ましくは0.01~3.0質量%であり、一層好ましくは0.05~2.0質量%であり、より一層好ましくは0.1~1.5質量%であり、更に一層好ましくは0.2~1.0質量%であり、特に好ましくは0.3~0.5質量%である。
上記電解液は、電解質として上記スルホニルイミド化合物を含むものであるが、上記スルホニルイミド化合物及び上記ケイ酸塩以外のその他のアルカリ金属塩を含んでいてもよい。
上記電解液における上記その他のアルカリ金属塩の濃度は特に制限されないが、0~2.5モル/Lであることが好ましい。より好ましくは0~1.5モル/Lであり、更に好ましくは0.2~1.0モル/Lである。
上記その他のアルカリ金属塩の濃度として好ましくは0~2.5モル/kgであり、より好ましくは0~1.5モル/kgであり、更に好ましくは0.2~1.0モル/kgである。
上記電解液は、上記スルホニルイミド化合物と上記その他のアルカリ金属塩との合計のアルカリ金属塩濃度が、0.5~5.0モル/Lであることが好ましい。より好ましくは0.8~2.5モル/Lであり、更に好ましくは1.0~1.5モル/Lである。
上記スルホニルイミド化合物と上記その他のアルカリ金属塩との合計のアルカリ金属塩濃度として好ましくは0.5~5.0モル/kgであり、より好ましくは0.8~2.5モル/kgであり、更に好ましくは1.0~1.5モル/kgである。
上記スルホニルイミド化合物は、電解液中の電解質(上記スルホニルイミド化合物及び上記その他のアルカリ金属塩)100モル%に対して1~100モル%であることが好ましい。これにより本発明の作用効果をより充分に発揮することができる。より好ましくは5~90モル%であり、更に好ましくは10~80モル%であり、一層好ましくは20~80モル%であり、より一層好ましくは40~80モル%であり、特に好ましくは50~85モル%であり、特に一層好ましくは50~80モル%である。一態様においてスルホニルイミド化合物は、電解質100モル%に対して70モル%以上、80モル%以上、90モル%以上であってもよい。
上記電解液における溶媒は特に制限されないが、非水溶媒を含むものであることが好ましく、水分量が10%以下であることが好ましい。これにより本発明の作用効果をより充分に発揮することができる。水分量としてより好ましくは1%以下であり、更に好ましくは1000ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以下である。水分は実質的に含まれなくてもよい(0質量ppm程度でも良い)。
上記水分量は、カールフィッシャー水分測定装置により測定することができる。
上記電解液における非水溶媒の割合としては特に制限されないが、電解質(上記スルホニルイミド化合物及び上記その他のアルカリ金属塩)100質量部に対して100質量部~5000質量部であるのが好ましく、より好ましくは150質量部~2500質量部であり、さらに好ましくは200質量部~2000質量部である。
上記電解液は、上記スルホニルイミド化合物、上記ケイ酸塩、上記その他のアルカリ金属塩、溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分の含有量は、特に制限されないが、電解液100質量%に対して、0~5質量%であることが好ましい。より好ましくは0~3質量%であり、更に好ましくは0~2質量%である。
以下では、本発明の電解液に含まれる必須成分及び任意成分について更に説明する。
<スルホニルイミド化合物>
上記スルホニルイミド化合物は、下記式(1);
N(RSO)(RSO)(1)
(式中、Mはアルカリ金属原子を表す。R及びRは、同一又は異なって、フッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を表す。)で表される化合物である。
上記Mにおけるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウムであり、より好ましくはリチウムである。
上記Rにおける炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基(アミル基)、n-ヘキシル基等の直鎖アルキル基;i-プロピル基、sec-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、i-アミル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、t-アミル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基等の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。中でも好ましくは直鎖アルキル基である。
上記R及びRにおけるアルキル基の炭素数として好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3であり、更に好ましくは1~2である。
上記R及びRにおける炭素数1~6のフルオロアルキル基は、炭素数1~6のアルキル基の炭素原子に結合する水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されたものであればよい。上記アルキル基の具体例は上記のとおりである。
炭素数1~6のフルオロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、フルオロプロピル基、フルオロペンチル基、フルオロヘキシル基等が挙げられる。
上記R及びRにおけるフルオロアルキル基の炭素数として好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3であり、更に好ましくは1~2である。
上記R及びRとしては、フッ素原子、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましい。より好ましくはフッ素原子であり、上記R及びRの少なくとも1つがフッ素原子であることが好ましい。R及びRがともにフッ素原子である形態は本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記スルホニルイミド化合物としては、例えば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下LiFSIともいう。)、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、カリウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、カリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ナトリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、ナトリウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ナトリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等が挙げられる。
中でも好ましくは、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドであり、より好ましくはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである。
<ケイ酸塩>
上記ケイ酸塩は、下記式(2);
SiO (2)
(式中、Mは、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を表す。)で表される化合物である。
上記Mにおけるアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。アルカリ土類金属原子としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムが挙げられる。
SiOにおけるMの個数は、Mの価数に依存する。Mがアルカリ金属原子である場合、上記ケイ酸塩は、M SiOとなる。
上記Mとして好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムである。
上記ケイ酸塩として具体的には、LiSiO、NaSiO、KSiO、RbSiO、CsSiO、FrSiO、BeSiO、MgSiO、CaSiO、SrSiO、BaSiO、RaSiO等が挙げられる。中でも好ましくはLiSiO、NaSiO、KSiO、MgSiO、CaSiOである。
<その他のアルカリ金属塩>
その他のアルカリ金属塩としては、上記スルホニルイミド化合物、上記ケイ酸塩以外のアルカリ金属塩であれば特に制限されないが、例えば、LiPF、LiPO等のフルオロリン酸のアルカリ金属塩;LiFSO等のフルオロスルホン酸のアルカリ金属塩;LiCFSO等のトリフロロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチドのアルカリ金属塩;LiPF(C2m+16-a(0≦a≦6、1≦m≦2)等のフルオロリン酸塩;LiClO等の過塩素酸アルカリ金属塩;LiBF(C2n+14-b(0≦b≦4、1≦n≦2)等のフルオロホウ酸塩;LiBOB等のオキサラトボレートのアルカリ金属塩;リチウムテトラシアノボレート等のシアノホウ酸塩;LiAsF、LiI、LiSbF等のアルカリ金属塩等が挙げられる。
その他のアルカリ金属塩として好ましくは、MPF、MBF、MPO又はMFSO(Mは、アルカリ金属原子を表す。)であり、MPF、MBF、MPO及びMFSOからなる群より選択される少なくとも1種を含む形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。その他のアルカリ金属塩としてより好ましくはMPFである。
上記アルカリ金属原子の具体例及び好ましい形態は、上記スルホニルイミド化合物におけるアルカリ金属原子と同様である。
<溶媒>
本発明の電解液における溶媒は、上記電解質(スルホニルイミド化合物及びこれ以外のアルカリ金属塩)、ケイ酸塩及び後述するその他の成分を溶解させることができる限り特に制限されないが、非水系であることが好ましい。
非水系溶媒としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート等の環状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,1-ジメトキシエタン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン等のエーテル類;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン等のラクトン類;酢酸エチル、プロピオン酸メチルや酪酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル類;フルオロエチレンカーボネート、4,5-ジフルオロエチレンカーボネート、4,4-ジフルオロエチレンカーボネート、テトラフルオロエチレンカーボネート、4-フルオロ-5-メチルエチレンカーボネート等のフッ素化環状カーボネート;トリフルオロジメチルカーボネート、トリフルオロジエチルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネート等のフッ素化鎖状カーボネート類;アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、アジポニトリルの鎖状ニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。中でも好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5-ジフルオロエチレンカーボネートの環状カーボネート等の鎖状カーボネートである。
<その他の成分>
本発明の電解液におけるその他の成分は、上記スルホニルイミド化合物、上記ケイ酸塩、上記その他のアルカリ金属塩、溶媒以外の成分であり、特に制限されないが、例えば、炭酸ビニレン、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、2-ビニル炭酸エチレン、フェニルエチレンカーボネート、エリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;1,3-プロパンサルトン、1,4-ブタンサルトン、1,5-ペンタンサルトン、1,4-へキサンサルトン、4,6-ヘプタンサルトン、メタンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル;スルホラン、3-メチルスルホラン、エチルメチルスルホン、ジフェニルスルホン、ビス(4-フルオロフェニル)スルホン等のスルホン化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;1-メチル-2-ピロリジノン、1-メチル-2-ピペリドン、3-メチル-2-オキサゾリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルスクシイミド等の含窒素化合物;スルファミン酸(アミド硫酸、HNSO);スルファミン酸塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩等の他の金属塩;アンモニウム塩;グアニジン塩等);モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩などのリン酸塩;フルオロスルホン酸リチウム(LiFSO)、フルオロスルホン酸ナトリウム(NaFSO)、フルオロスルホン酸カリウム(KFSO)、フルオロスルホン酸マグネシウム(Mg(FSO)等のフルオロスルホン酸化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン、シクロへキシルベンゼン、アミルベンゼン等の炭化水素化合物;等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
2.電池
本発明の電解液は、上述の構成よりなり、高温環境下で保存した場合にも自己放電を充分に抑制することができるため、リチウムイオン電池等の電池用材料等に好適に用いることができる。
本発明は、本発明の電解液を備えて構成される電池でもある。
上記電池として好ましくは正極と負極とを備えた電池であり、より好ましくは、正極と負極との間に、本発明の電解液が含浸されたセパレータが設けられている形態であり、更に好ましくはこれらが外装ケースに収容されている形態である。
本発明に係る電池の形状は特に限定されず、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等、電池の形状として従来公知の形状はいずれも使用することができる。また、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に搭載するための高電圧電源(数10V~数100V)として使用する場合には、個々の電池を直列に接続して構成される電池モジュールとすることもできる。
上記電池としては、アルカリ金属電池であることが好ましく、本発明の電解液を備えて構成されるアルカリ金属電池もまた、本発明の1つである。上記電池としては、二次電池であることがより好ましく、上記電池が、リチウムイオン二次電池である形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記電池を構成する正極としては特に制限されないが、正極活物質、導電助剤、結着剤および分散用溶媒等を含む正極活物質組成物が正極集電体に担持されているものであり、通常、シート状に成形されている。
正極の製造方法としては、例えば、正極集電体に正極活物質組成物をドクターブレード法等で塗工したり、正極集電体を正極活物質組成物に浸漬した後に、乾燥する方法;正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に塗布または流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸または多軸方向に延伸する方法;等が挙げられる。
正極集電体の材料としては特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS(ステンレス鋼)、チタン等の導電性金属が使用できる。中でも、薄膜に加工し易く、安価であるという観点からは、アルミニウムが好ましい。
正極活物質としては、イオンを吸蔵・放出可能であれば良く、従来公知の正極活物質が用いられる。具体的には、MCoO、MNiO、MMnO、MNiCoMnやMNiCoAl(x、y、zは、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1を満たす数である。)で表される三元系酸化物等の複合金属酸化物、M NiMn(2-q)(0.9≦p≦1.1、0<q<1)で表されるニッケルマンガン酸、MAPO(A=Fe、Mn、Ni、Co)等のオリビン構造を有する化合物、遷移金属を複数取り入れた固溶材料(電気化学的に不活性な層状のM MnO3と、電気化学的に活性な層状のMM”O([M”=Co、Ni等の遷移金属]との固溶体)(Mはアルカリ金属イオンを表す))等が正極活物質として例示できる。これらの正極活物質は、1種を単独で使用してもよく、または、複数を組み合わせて使用してもよい。
正極活物質としては、下記式(3);
LiNiCoMn (3)
(式中、x、y、zは、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1を満たす数である。)で表される複合金属酸化物及び/又はLiFePOが好ましい。このような正極活物質を含む正極を備えて構成される電池は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、金属粉末材料、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維等が挙げられる。
結着剤としては、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;スチレン-ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等の合成ゴム;ポリアミドイミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ(メタ)アクリル系樹脂;ポリアクリル酸;カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂;等が挙げられる。これらの結着剤は単独で使用してもよく、複数種を混合して使用してもよい。また、これらの結着剤は、使用の際に溶媒に溶けた状態であっても、溶媒に分散した状態であっても構わない。
導電助剤および結着剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性等を考慮して適宜調整することができる。
正極を製造するに際して、正極活物質組成物に用いられる溶媒としては、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、エタノール、酢酸エチル、水等が挙げられる。これらの溶媒は組み合わせて使用してもよい。溶媒の使用量は特に限定されず、製造方法や、使用する材料に応じて適宜決定すればよい。
上記電池を構成する負極としては特に制限されないが、負極活物質、分散用溶媒、結着剤および必要に応じて導電助剤等を含む負極活物質組成物が負極集電体に担持されているものであり、通常、シート状に成形されている。
負極集電体の材料としては、銅、鉄、ニッケル、銀、ステンレス鋼(SUS)等の導電性金属を用いることができる。なお、薄膜への加工が容易である観点からは、銅が好ましい。
負極活物質としては、電池で使用される従来公知の負極活物質を用いることができ、イオンを吸蔵・放出可能なものであればよい。具体的には、アルカリ金属、アルカリ金属-アルミニウム合金等の金属合金、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料、石炭,石油ピッチから作られるメソフェーズ焼成体、難黒鉛化性炭素等の炭素材料、Si、Si合金、SiO等のSi系負極材料、Sn合金等のSn系負極材料を用いることができる。
負極の製造方法としては、正極の製造方法と同様の方法を採用することができる。また、負極の製造時に使用する導電助剤、結着剤、材料分散用の溶媒も、正極で用いられるものと同様のものが用いられる。
セパレータは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。
上記電池を構成するセパレータは、特に制限されず、通常用いられるセパレータを使用することができる。
セパレータとしては、例えば、電解液を吸収・保持し得るポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータやセルロース系セパレータなど)、不織布セパレータ、多孔質金属体等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を有するため好適である。
上記多孔性シートの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造を有する積層体等が挙げられる。
上記不織布セパレータの材質としては、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、アラミド、ガラス等が挙げられ、電解液層に要求される機械的強度等に応じて、上記例示の材質を単独で、または、混合して用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例1~10、比較例1、2
保存安定性評価
溶媒としてジメチルカーボネート(DMC)、又は、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)との混合溶媒(EC/MEC=3/7(vol/vol))に、電解質としてLiFSI((株)日本触媒製)、LiPF(ステラケミファ(株)製)、添加剤としてケイ酸塩を表1の組成となるように添加し、24時間攪拌後、不溶物をろ過して、電解液を作成した。電解液作成直後(初期)、40℃で1か月保存後、40℃で3か月保存後の電解液を、以下の条件の下、アニオンイオンクロマトグラフィーにより、F、SO 2-の量を測定し、保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
(アニオンイオンクロマトグラフィー測定)
電解液を超純水で100倍に希釈して測定溶液とし、イオンクロマトグラフィーシステム ICS-3000(日本ダイオネクス株式会社製)を用いて、以下の測定条件で電解液中に含まれるフッ素イオン(F)及び硫酸イオン(SO 2-)の濃度を測定した。
測定条件
分離モード:イオン交換
溶離液:7~18mM KOH水溶液
検出器:電気伝導度検出器
カラム:アニオン分析用カラム Ion PAC AS-17C(日本ダイオネクス株式会社製。)
Figure 2024036866000001
表1の結果より、電解液にケイ酸塩を添加することにより、40℃で1か月及び3か月保存した場合にもF、SO 2-の増加が抑制された。この効果は、ケイ酸塩によりLiFSIにおけるフルオロスルホニルイオンの安定性が向上したことによるものと考えられる。
実施例11~21、比較例3~7
(1)ラミネート電池の作製
三元系正極(LiNi1/3Co1/3Mn1/3、ユミコア社製)とアセチレンブラック(デンカ:デンカブラック)、グラファイト(日本黒鉛:SP270)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF、(株)クレハ製、品番:L7208)を100:3:3:3の質量比で秤量し、NMPに分散させスラリーを作成した。作成したスラリーをアルミ箔に片面塗工(塗工重量19.8mg/cm)し、乾燥、ロールプレスを行い、正極を作成した。
市販の人造黒鉛:カーボンファイバー(VGCF):スチレンブタジエンゴム(SBR):カルボキシメチルセルロース(CMC)=100:2:1:1の組成(質量比)の水系スラリーを作成し、銅箔に片面塗工(塗工重量9.8mg/cm)し、乾燥、ロールプレスを行い、負極を作成した。
得られた正極を有効面積12cm、負極13.44cmでカットし、極性導出リードを超音波で溶接し、25μmのポリエチレン(PE)セパレータで対向させ、ラミネート外装で三方を封止した。
未封止の一方より以下の電解液を700μL注液し、30mAhのリチウムイオン電池を作製した。
電解液は、EC/MEC=3/7(vol/vol)混合溶媒に、表2に記載の割合で、LiFSI、LiPF、ケイ酸塩を添加したものを使用した。
注液後3mAで3時間の定電流充電を行い、1片を開裂して、再真空封止することでガス抜きを行った。ガス抜き後のセルを25℃で48時間保管後、以下のコンディショニング条件で充放電させ、評価用電池を完成させた。
[コンディショニング条件]
1サイクル目 充電:3mA 4.2V 定電流定電圧充電 0.3mA終止 ⇒ 放電:6mA 放電 2.75V終止
2サイクル目 充電:15mA 4.2V 定電流定電圧充電 0.6mA終止 ⇒ 放電:6mA 放電 2.75V終止
3サイクル目 充電:15mA 4.2V 定電流定電圧充電 0.6mA終止 ⇒ 放電:30mA 放電 2.75V終止
(2)特性評価
上記(1)で得られた完成電池を用いて、以下の方法により、高温保存後のOCV測定、及び、DCR測定を行った。結果を表2に示す。
<高温保存後のOCV>
完成電池を30mA、4.2V、0.6mA終止の定電流定電圧充電を行い、満充電状態とした。満充電後、セルの開路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)を測定し、セルを60℃で28日間保存した。28日間保存した後、25℃で4時間保管後、OCVを測定し、初期と60℃で28日間保存後の△Vを自己放電として算出した。
<DCR>
完成電池を30mA、4.2V、0.6mA終止の定電流定電圧充電を行い、満充電状態とした。満充電状態から25℃でDCRを測定した。DCR測定は、満充電完了後30分待機し、6mA(0.2C)で10秒放電した。更に30分待機後に30mA(1C)で10秒放電した。更に30分待機後に90mA(3C)で10秒放電した。各放電電流での放電開始直前と、10秒後の電圧の差分と電流の関係よりI-V直線を作成し、その傾きをDCRとして算出した。
DCR測定後の電池について、45℃サイクル試験を500サイクル行い、500サイクル後の容量維持率=500サイクル後の容量/サイクル初回容量×100として算出した。
500サイクル後、初期同様に25℃でDCRを測定した。
サイクル条件は充電:4.2V 30mA(1C) 0.6mA(0.05C)終止 10分休止⇒ 放電:30mA(1C) 2.75V終止 10分休止とした。
Figure 2024036866000002
表2の結果より、電解液中のLiFSI濃度が上昇するほど△Vが大きくなり、自己放電が増加するが、ケイ酸塩を用いることにより、△Vが小さくなり、自己放電が抑制された。
また、ケイ酸塩を用いることにより、サイクル試験後の容量維持率も改善し、サイクル試験後のDCR上昇率も低下した。
支持塩組成がLiPFのみの電解液はケイ酸塩を添加しない場合にも自己放電が少なく、これにケイ酸塩を添加しても自己放電の抑制効果は小さかった。また500サイクル後の容量維持率、DCR上昇率の改善率も小さかった。
LiFSI含有電解液にケイ酸塩を含有することにより、自己放電が抑制されるメカニズムとしては、電解液中のフルオロスルホニルイオンの保存安定性が改善されるため、電池保存中に分解生成物の副反応による電子授受が抑制されることによるものと推定される。
実施例22~26、比較例8
正極活物質を市販のLiNi0.8Mn0.1Co0.1に変更した以外は上記と同様の条件で正極を作成した。
塗工重量を15.8mg/cmに変更した以外は上記と同組成で負極を作成した。
この正負極と、EC/MEC=3/7(vol/vol)混合溶媒に表3に記載の割合で、LiFSI、LiPF、ケイ酸塩を添加した電解液を用い上記と同様のラミネートセルを作成し、上記と同様の高温保存後のOCV測定、及び、DCR測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 2024036866000003
表3の結果より、正極活物質としてLiNi0.8Mn0.1Co0.1を用いた場合にも電解液中にケイ酸塩を添加することで自己放電が抑制された。
ケイ酸塩の添加濃度が0.005質量%でも自己放電抑制効果を奏することが明らかとなった。
実施例27~29、比較例9、10
(1)ラミネート電池の作製
正極活物質を市販のLiFePOに変更し、アセチレンブラック(HS-100)、PVdF(クレハ#L7208)を100:9:6の組成(質量)比で秤量し、NMPに分散させスラリーを作成した。作成したスラリーをアルミ箔に片面塗工(塗工重量20.20mg/cm)し、乾燥、ロールプレスを行い、正極を作製した。
上記と同組成の負極スラリーを塗工重量8.8mg/cmで塗工し、乾燥、ロールプレスを行い、負極板を作成した。
作成した正負極、及び、EC/MEC=3/7(vol/vol)混合溶媒に表4に記載の割合で、LiFSI、LiPF、ケイ酸塩を添加した電解液を用いて上記と同様の部材、方法で25mAhのラミネート電池を作成した。
注液後2.5mAで3時間の定電流充電を行い、1片を開裂して、再真空封止することでガス抜きを行った。ガス抜き後のセルを25℃で48時間保管後、以下のコンディショニング条件で充放電させ、評価用電池を完成させた。
[コンディショニング条件]
1サイクル目 充電:2.5mA 3.6V 定電流定電圧充電 0.25mA終止 ⇒ 放電:5mA 放電 2.0v終止
2サイクル目 充電:12.5mA 3.6V 定電流定電圧充電 0.5mA終止 ⇒ 放電:5mA 放電 2.0V終止
3サイクル目 充電:12.5mA 3.6V 定電流定電圧充電 0.5mA終止 ⇒ 放電:25mA 放電 2.0V終止
(2)特性評価
上記(1)で得られた完成電池を用いて、以下の方法により、高温保存後のOCV測定、容量残存率、及び、DCR測定を行った。結果を表4に示す。
<高温保存後のOCV及び容量残存率>
完成電池を以下の条件(25℃)で充放電し、初期容量を確認した。
充電:3.6V 25mA 定電流定電圧充電0.5mA終止 ⇒ 放電:2.5mA 2.0V終止
初期容量測定済みの電池を25mA 3.6V 0.5mA終止の定電流定電圧充電を行い、満充電状態とした。満充電後のOCVを測定し、60℃で28日間保存した。保存後25℃で4時間保管後、セルOCVを測定し、初期と60℃で28日間保存後の△Vを自己放電として算出した。
60℃で28日間保存後OCV測定した電池を2.5mA 2.0V終止の定電流放電を行い、60℃で28日間保存後の残存容量を測定した。容量残存率=残存容量/初期容量×100として算出した。
<DCR>
完成電池を25mA 3.6V 0.5mA終止の定電流定電圧充電を行い、満充電状態とした。満充電状態から25℃でDCRを測定した。DCR測定は、満充電完了後30分待機し、5mA(0.2C)で10秒放電した。更に30分待機後に25mA(1C)で10秒放電した。更に30分待機後に75mA(3C)で10秒放電した。各放電電流での放電開始直前と、10秒後の電圧の差分と電流の関係よりI-V直線を作成し、その傾きをDCRとして算出した。
DCR測定後の電池について、45℃サイクル試験を500サイクル行い、500サイクル後の容量維持率=500サイクル後の容量/サイクル初回容量×100として算出した。
500サイクル後、初期同様に25℃でDCRを測定した。
サイクル条件は充電:3.6V 25mA(1C) 0.5mA(0.05C)終止 10分休止⇒ 放電:25mA(1C)2.0V終止 10分休止とした。
Figure 2024036866000004
LiFePo正極は放電電圧が平坦であるため、ケイ酸塩添加による△Vの低減効果は三元系正極と比較して小さいが、低減効果が確認された。
ケイ酸塩を添加することにより、未添加の場合よりも60℃で28日保存後の容量残存率が大きく改善しており、60℃で保存中の自己放電が抑制されていることが確認された。
支持塩組成がLiFSIのみの場合でも混合塩と同様の自己放電抑制効果が得られた。
実施例30、31、比較例11
負極活物質として酸化ケイ素(SiO)/黒鉛複合材料(BTR製、品番:BSO-600)、導電助剤(昭和電工(株)製、品番:VGCF-H(登録商標)および(イメリス製、品番:Super-P(登録商標)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR、結着剤)及びカルボキシメチルセルロース(CMC、結着剤)を、超純水中に分散させて、負極合材スラリー(負極活物質:VGCF:Super-P:SBR:CMC=90:2:3:3:2(固形分質量比))を作製した。続いて、得られた負極合材スラリーを銅箔(負極集電体、福田金属箔粉工業(株)製、厚み15μm)に対して、乾燥後の塗工重量が6.8mg/cmとなるようにアプリケーターで片面塗工し、80℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。さらに、100℃の真空乾燥炉で12時間乾燥させた。その後、ロールプレス機により密度1.3g/cmとなるまで加圧成形することにより、シート状の負極を得た。
実施例22~26と同様の正極と上記負極とを用いて、上記と同様の手法で30mAhのリチウムイオン電池を作成した。
電解液はEC/フルオロエチレンカーボネート(FEC)/EMC=2/1/7(vol/vol)の混合溶媒にLiFSIとLiPF、ケイ酸塩を表5に記載の濃度となるように溶解した電解液を用い、実施例22と同様の高温保存後のOCV測定、及び、DCR測定を行った。結果を表5に示す。
Figure 2024036866000005
表5の結果より、Siを含有する負極活物質を用いた場合でも、電解液中にケイ酸塩を添加することで自己放電が抑制された。

Claims (6)

  1. 下記式(1);
    N(RSO)(RSO)(1)
    (式中、Mはアルカリ金属原子を表す。R及びRは、同一又は異なって、フッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を表す。)で表されるスルホニルイミド化合物と、下記式(2);
    SiO (2)
    (式中、Mは、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を表す。)で表される化合物とを含むことを特徴とする電解液。
  2. 更にMPF、MBF、MPO及びMFSO(Mは、アルカリ金属原子を表す。)からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の電解液。
  3. 前記式(2)で表される化合物の含有割合が、電解液100質量%に対して、0.001質量%以上、5.0質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の電解液。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の電解液を備えて構成されることを特徴とする電池。
  5. 前記電池は、下記式(3);
    LiNiCoMn (3)
    (式中、x、y、zは、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1を満たす数である。)で表される複合金属酸化物及び/又はLiFePOを含む正極を備えて構成されることを特徴とする請求項4に記載の電池。
  6. 前記電池は、Siを含有する負極活物質を含む負極を備えて構成されることを特徴とする請求項4に記載の電池。
JP2022141392A 2022-09-06 2022-09-06 電解液及び電池 Pending JP2024036866A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022141392A JP2024036866A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 電解液及び電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022141392A JP2024036866A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 電解液及び電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024036866A true JP2024036866A (ja) 2024-03-18

Family

ID=90273039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022141392A Pending JP2024036866A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 電解液及び電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024036866A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6398985B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6253411B2 (ja) リチウム二次電池
WO2014126256A1 (ja) 電解液及びこれを備えたリチウムイオン二次電池
WO2016098708A1 (ja) リチウムイオン二次電池
CN105745774A (zh) 非水电解质二次电池
JP7223221B2 (ja) 非水電解液用添加剤、非水電解液、及び非水電解液電池
US20120189920A1 (en) Non-Aqueous Electrolytic Solutions And Electrochemical Cells Comprising The Same
WO2014010526A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP6018820B2 (ja) リチウム二次電池用非水電解液及びこれを備えたリチウム二次電池
WO2008147751A1 (en) Non-aqueous electrolytes and electrochemical devices including the same
KR101440347B1 (ko) 다층 구조의 이차전지용 음극 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
JP7172015B2 (ja) 非水電解液用添加剤、非水電解液電池用電解液、及び非水電解液電池
JP6204647B2 (ja) ラミネート型アルカリ金属電池
CN105280880A (zh) 非水电解质二次电池用正极、非水电解质二次电池以及其系统
KR20190014711A (ko) 리튬 전지용 전해액 및 이를 포함하는 리튬 전지
US20130280599A1 (en) Electricity storage device
JP2014203748A (ja) リチウムイオン二次電池用非水電解液およびこれを備えたリチウムイオン二次電池
JP6396136B2 (ja) リチウム二次電池
JP5848587B2 (ja) リチウム二次電池
JP6208934B2 (ja) リチウムイオン二次電池
EP4012805A1 (en) Electrochemical device and electronic device
JP2023524703A (ja) 二次電池用電解液添加剤、それを含むリチウム二次電池用非水電解液およびリチウム二次電池
KR20180058633A (ko) 비수성 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP2013084592A (ja) アルカリ金属電池
JP2023019021A (ja) 非水電解液、電気化学デバイス前駆体、及び電気化学デバイスの製造方法