JP2024035330A - 3次元規則骨格構造を有する金属部材、水電解装置、燃料電池 - Google Patents

3次元規則骨格構造を有する金属部材、水電解装置、燃料電池 Download PDF

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Shigenori Mitsushima
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Abstract

Figure 2024035330000001
【課題】空隙率が高く、且つ、通過する流体の圧力損失が低く、強度に優れた3次元規則骨格構造を有する金属部材を提供する。
【解決手段】空隙率が50%以上95%以下の範囲内とされた3次元規則骨格構造を有する金属部材10であって、前記3次元規則骨格構造は、骨格12と第一方向に延在する複数の気孔11とを有し、前記第一方向に直交する断面において、気孔11および骨格12が交互に配列された気孔列15が、周期的に積層された積層構造が形成されており、積層方向に隣接する気孔列15同士において、気孔11および骨格12の位相がズレていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、3次元規則骨格構造を有する金属部材、水電解装置、燃料電池に関するものである。
従来、例えば各種電池における電極及び集電体、熱交換器用部材、消音部材、フィルター部材、衝撃吸収部材等として、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属の多孔質体が使用されている。
例えば、リチウムイオン電池の場合、正極集電体にアルミニウムの多孔質体を用いることで、正極活物質の充填密度を極限まで向上と全ての活物質からの均一な集電が可能になることによる、電池の高出力化が期待されている。この多孔質体として、住友電工製のセルメット(登録商標)が挙げられるが、ランダムな気孔構造の多孔質体のため、活性化物質を多孔質体内部まで充填することが難しい課題があった。
また、固体高分子形電解槽を用いた水電解法では、アノード電極としてチタン多孔質体電極が用いられている。アノードは、原料である液体の水を電解し、酸素ガスを生成させる役割を担う。高電解効率化のためには、気体が速やかに排出されることが重要である。チタン多孔質電極としては、例えば特許文献1,2に記載されているように、チタン繊維焼結体や発泡法による粒子焼結体が用いられている。
しかしながら、上述の金属多孔質体においては、気孔がランダム配置されていることから、気体の抜け性が悪く、電解効率が低下するおそれがあった。
これら課題を解決する手法として、近年は金属粉末を原料とする積層造形技術が着目されている。
例えば、特許文献3,4では、電子ビームをエネルギー源として、金属粉末を溶融して積層造形することにより、燃料電池向けのセパレータを開発する技術が公開されている。
特許第6485967号公報 特開2006-138005号公報 特開2021-108250号公報 特開2021-108251号公報
しかしながら、特許文献3,4に記載されたように、電子ビームやレーザーをエネルギー源として用いた場合、金属粉末原料の溶融範囲の制御が難しく、気孔を精度良く形成することができなかった。特に、100μmオーダーの比較的小径の気孔を周期的に造形することは非常に困難であった。このため、空隙率が高く、流体の圧力損失が低い金属多孔質体を製造することができなかった。
また、金属体多孔質体においては、加圧時のひずみ量が大きく、他の部材との接触抵抗が低いことが求められている。
本発明は、以上のような事情を背景としてなされたものであって、空隙率が高く、且つ、通過する流体の圧力損失が低く、さらに加圧時のひずみ量が大きく、他の部材との接触抵抗が低い3次元規則骨格構造を有する金属部材、この3次元規則骨格構造を有する金属部材からなる電極を備えた水電解装置、燃料電池を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の態様1の3次元規則骨格構造を有する金属部材は、空隙率が50%以上95%以下の範囲内とされた3次元規則骨格構造を有する金属部材であって、前記3次元規則骨格構造は、骨格と第一方向に延在する複数の気孔とを有し、前記第一方向に直交する断面において、前記気孔および前記骨格が交互に配列された気孔列が、周期的に積層された積層構造が形成されており、積層方向に隣接する前記気孔列同士において、前記気孔および前記骨格の位相がズレていることを特徴としている。
本発明の態様1の3次元規則骨格構造を有する金属部材によれば、空隙率が50%以上95%以下の範囲内とされた3次元規則骨格構造をなしているので、十分に空隙率が高く、気孔を介して流体を流通することができるとともに、内部に活物質等を導入することができる。
そして、前記3次元規則骨格構造を有する金属部材が、第一方向に延在する複数の気孔を有しており、第一方向に直交する断面において、前記気孔および骨格が交互に配列された気孔列が、周期的に積層された積層構造とされているので、第一方向における流体の圧力損失を大幅に低減することができる。また、活物質等を、3次元規則骨格構造を有する金属部材の内部へと容易に導入することができる。
また、積層方向に隣接する前記気孔列において、前記気孔および前記骨格の位相がズレているので、ヤング率が小さい。圧縮時には、周辺部材の形状に追随して変形することが可能であり、接触による電気抵抗や熱抵抗を小さくすることができる。
本発明の態様2は、態様1の3次元規則骨格構造を有する金属部材において、前記位相のズレがπ/4以上3π/4以下の範囲内とされていることを特徴としている。
本発明の態様2の3次元規則骨格構造を有する金属部材によれば、積層方向に隣接する前記気孔列において、前記気孔および前記骨格の位相のズレがπ/4以上3π/4以下の範囲内とされているので、ヤング率が小さく、圧縮時には、周辺部材の形状に追随して変形することが可能となり、接触による電気抵抗や熱抵抗を小さくすることができる。
本発明の態様3は、態様1または態様2の3次元規則骨格構造を有する金属部材において、前記第一方向に直交する断面において、前記気孔の円相当径が50μm以上1500μm以下の範囲内とされていることを特徴としている。
本発明の態様3の3次元規則骨格構造を有する金属部材によれば、前記第一方向に直交する断面において、前記気孔の円相当径が50μm以上1500μm以下の範囲内とされているとともに、空隙率が50%以上95%以下の範囲内といるので、開口径が比較的小さな気孔が多く存在することになり、第一方向における流体の圧力損失をさらに低減することができるとともに、内部に活物質等を導入することができる。
本発明の態様4は、態様1から態様3のいずれかひとつの3次元規則骨格構造を有する金属部材において、前記第一方向に直交する断面において、前記骨格の円相当径が50μm以上200μm以下の範囲内とされていることを特徴としている。
本発明の態様4の3次元規則骨格構造を有する金属部材によれば、前記第一方向に直交する断面において、前記骨格の円相当径が50μm以上200μm以下の範囲内とされているので、空隙率を比較的高くしても、強度を確保することができる。
本発明の態様5は、態様1から態様4のいずれかひとつの3次元規則骨格構造を有する金属部材において、前記第一方向に直交する断面において、前記気孔列における前記骨格のピッチが100μm以上1500μm以下の範囲内とされていることを特徴としている。
本発明の態様5の3次元規則骨格構造を有する金属部材によれば、気孔列における前記骨格のピッチが100μm以上1500μm以下の範囲内とされているので、空隙率を比較的高くしても、強度を十分に確保することができる。
本発明の態様6は、態様1から態様5のいずれかひとつの3次元規則骨格構造を有する金属部材において、前記第一方向における空気の圧力損失が30000Pa以下であることを特徴としている。
本発明の態様6の3次元規則骨格構造を有する金属部材によれば、前記第一方向における空気の圧力損失が30000Pa以下とされているので、前記第一方向における流体の圧力損失を確実に低減することができる。
本発明の態様7は、態様1から態様6のいずれかひとつの3次元規則骨格構造を有する金属部材において、4MPaで加圧したときのひずみ量が1.0%以上であることを特徴としている。
本発明の態様7の3次元規則骨格構造を有する金属部材によれば、4MPaで加圧したときのひずみ量が1.0%以上とされているので、圧縮時に周辺部材の形状に追随して変形することになり、他の部材との接触抵抗を十分に低く抑えることができる。
本発明の態様8は、態様1から態様7のいずれかひとつの3次元規則骨格構造を有する金属部材において、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金、ステンレス、チタンまたはチタン合金のいずれか一種の金属からなることを特徴としている。
本発明の態様8の3次元規則骨格構造を有する金属部材によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金、ステンレス、チタンまたはチタン合金のいずれか一種の金属で構成されているので、導電性、耐食性等の要求特性に応じた3次元規則骨格構造を有する金属部材を提供することができる。
本発明の態様9の水電解装置は、態様1から態様8のいずれかひとつの3次元規則骨格構造を有する金属部材からなる電極を備えたことを特徴とする。
本発明の態様9の水電解装置によれば、上述の3次元規則骨格構造を有する金属部材からなる電極を備えているので、気孔を介して流体を流通することができるとともに、他の部材との接触抵抗を低くすることができ、効率良く、かつ安定して水電解装置を稼働させることが可能となる。
本発明の態様10の燃料電池は、態様1から態様8のいずれかひとつの3次元規則骨格構造を有する金属部材からなる電極を備えたことを特徴とする。
本発明の態様10の燃料電池によれば、上述の3次元規則骨格構造を有する金属部材からなる電極を備えているので、気孔を介して流体を流通することができるとともに、他の部材との接触抵抗を低くすることができ、効率良く、かつ安定して燃料電池を稼働させることが可能となる。
本発明によれば、空隙率が高く、且つ、通過する流体の圧力損失が低く、さらに加圧時のひずみ量が大きく、他の部材との接触抵抗が低い3次元規則骨格構造を有する金属部材、この3次元規則骨格構造を有する金属部材からなる電極を備えた水電解装置、燃料電池を提供することが可能となる。
本発明の実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材の一例を示す説明図である。 図1に示す3次元規則骨格構造を有する金属部材のY軸方向に直交する断面の模式図である。 図1に示す3次元規則骨格構造を有する金属部材の製造方法の一例を示すフロー図である。 実施例における圧縮応力-ひずみ線曲線の一例を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材について、添付した図面を参照して説明する。
本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10は、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)のカソード電極、水電解装置のアノード電極、リチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタ向け電極材等の通電部材として使用されるものである。
本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10は、空隙率Nが50%以上95%以下の範囲内とされた3次元規則骨格構造を有しており、図1および図2に示すように、第一方向に延在する複数の気孔11を有しており、この第一方向に直交する断面において、気孔11および骨格12が交互に配列された気孔列15が、周期的に積層された積層構造とされている。
そして、積層方向に隣接する気孔列15において、気孔11および骨格12の位相にズレが生じている。
なお、3次元規則骨格構造を有する金属部材10の空隙率Nは、以下の式で算出される。
N(%)=(1-(W/(V×D)))×100
W:3次元規則骨格構造を有する金属部材10の質量(g)
V:3次元規則骨格構造を有する金属部材10の体積(cm
:3次元規則骨格構造を有する金属部材10を構成する金属の真密度(g/cm
本実施形態においては、図1に示すように、3次元規則骨格構造を有する金属部材10は、概略直方体形状をなしており、Y軸方向、Z軸方向に沿って延在する複数の気孔11を有している。
ここで、図2に、3次元規則骨格構造を有する金属部材10のY軸方向に直交する断面を示す。図2に示すように、3次元規則骨格構造を有する金属部材10は、X軸方向に向けて気孔11および骨格12が交互に配列された気孔列15を有しており、この気孔列15がZ軸方向に積層された構造とされている。
そして、積層方向(Z軸方向)に隣接する気孔列15において、X軸方向における気孔11および骨格12の位相にズレが生じている。
本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10においては、図2に示すように、第一方向(Y軸方向)に直交する断面において、積層方向(Z軸方向)に隣接する気孔列15における気孔11および骨格12の位相のズレ(X軸方向のズレ)Dがπ/4以上3π/4以下の範囲内とされていることが好ましい。
また、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10においては、図2に示すように、第一方向(Y軸方向)に直交する断面において、気孔11の円相当径が50μm以上1500μm以下の範囲内であることが好ましい。
なお、本実施形態では、図2に示すように、第一方向(Y軸方向)に直交する断面は矩形状をなしているが、この気孔11の断面積から求めた円相当径が上述の範囲内であることが好ましい。また、矩形状の気孔11の幅(X軸方向長さ)が50μm以上1500μm以下の範囲内、矩形状の気孔11の高さ(Z軸方向長さ)が50μm以上1500μm以下の範囲内であることが好ましい。
また、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10においては、図2に示すように、第一方向(Y軸方向)に直交する断面において、骨格12の円相当径が50μm以上200μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
なお、本実施形態では、図2に示すように、第一方向(Y軸方向)に直交する断面において骨格12は矩形状をなしているが、この骨格12の断面積から求めた円相当径が上述の範囲内であることが好ましい。また、矩形状の骨格12の幅(X軸方向長さ)が50μm以上200μm以下の範囲内、矩形状の骨格12の高さ(Z軸方向長さ)が50μm以上1500μm以下の範囲内であることが好ましい。
また、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10においては、図2に示すように、第一方向(Y軸方向)に直交する断面において、気孔列15における骨格12のピッチPが100μm以上1500μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
さらに、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10においては、第一方向(Y軸方向)における空気の圧力損失が30000Pa以下であることが好ましい。なお、本実施形態においては、空気を第一方向(Y軸方向)に沿って、流速1.0m/sで流通させたときの圧力損失とした。
また、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10において、4MPaで加圧したときのひずみ量が1.0%以上であることが好ましい。
さらに、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金、ステンレス、チタンまたはチタン合金のいずれか一種の金属からなることが好ましい。
以下に、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10の製造方法について、図3のフロー図を参照して説明する。
(金属粉準備工程S01)
まず、3次元規則骨格構造を有する金属部材10を構成する金属からなる金属粉を準備する。本実施形態では、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金、ステンレス、チタンまたはチタン合金のいずれか一種の金属からなる金属粉を準備する。
ここで、金属粉は、その体積基準の平均粒径が10μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましい。
(積層成形工程S02)
次に、上述の成形原料を用いて、バインダージェット方式の積層造形法により、3次元規則骨格構造を有する成形体を積層成形する。
ここで、バインダージェット方式の積層造形法においては、造形時に金属粉末の溶融を伴わないため、高精細な造形が可能となる特徴がある。このため、円相当径が50μm以上1500μm以下の比較的小さな気孔11であっても精度良く成形することが可能となる。
(脱脂工程S03)
次に、バインダージェット方式の積層造形法によって成形された成形体を脱脂処理し、バインダーを除去する。脱脂条件(加熱温度、保持時間等)は、用いたバインダーの材質によって適宜設定することが好ましい。
(焼結工程S04)
次に、脱脂処理した成形体を焼結する。焼結条件(雰囲気、焼結温度、焼結時間等)は、金属粉の材質によって適宜設定することが好ましい。
焼結工程S04によって、金属粉同士を焼結することにより、本実施形態である3次元規則骨格構造が製造されることになる。
以上のような構成とされた本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10によれば、空隙率Nが50%以上95%以下の範囲内とされた3次元規則骨格構造をなしているので、十分に空隙率Nが高く、気孔11を介して流体を流通することができるとともに、内部に活物質等を導入することができる。また、空隙率Nが95%以下とされているので、強度を確保することができる。
なお、空隙率Nは、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。一方、空隙率Nは、93%以下であることが好ましく、91%以下であることがさらに好ましい。
そして、3次元規則骨格構造を有する金属部材10が、第一方向に延在する複数の気孔11を有しており、第一方向に直交する断面において、気孔11および骨格12が交互に配列された気孔列15が周期的に積層された積層構造とされているので、第一方向における流体の圧力損失を大幅に低減することができる。また、活物質等を、3次元規則骨格構造を有する金属部材10の内部へと容易に導入することができる。
また、積層方向に隣接する気孔列15において、気孔11および骨格12の位相がズレているので、空隙率Nが高くても強度を確保することができる。
本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10において、積層方向に隣接する気孔列15における気孔11および骨格12の位相のズレDがπ/4以上3π/4以下の範囲内とされている場合には、空隙率Nが高くても十分な強度を確保することができる。
なお、積層方向に隣接する気孔列15における気孔11および骨格12の位相のズレDは、3π/10以上であることがさらに好ましく、5π/16以上であることがより好ましい。一方、積層方向に隣接する気孔列15における気孔11および骨格12の位相のズレDは、7π/10以下であることがさらに好ましく、11π/16以下であることがより好ましい。
本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10において、第一方向に直交する断面における気孔11の円相当径が50μm以上1500μm以下の範囲内とされている場合には、空隙率Nが50%以上95%以下の範囲内とされていることから、開口径が比較的小さな気孔11が多く存在することになり、第一方向における流体の圧力損失をさらに低減することができるとともに、内部に活物質等を導入することができる。
なお、気孔11の円相当径は60μm以上であることがさらに好ましく、70μm以上であることがより好ましい。一方、気孔11の円相当径は1400μm以下であることがさらに好ましく、1300μm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10において、第一方向に直交する断面における骨格12の円相当径が50μm以上200μm以下の範囲内とされている場合には、空隙率Nが50%以上95%以下の範囲内としても、3次元規則骨格構造を有する金属部材10の強度を確保することができる。
なお、骨格12の円相当径は60μm以上であることがさらに好ましく、70μm以上であることがより好ましい。一方、骨格12の円相当径は180μm以下であることがさらに好ましく、160μm以下であることがより好ましい。
さらに、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10において、第一方向に直交する断面において、気孔列15における骨格12のピッチPが100μm以上1500μm以下の範囲内とされている場合には、空隙率Nが50%以上95%以下の範囲内としても、3次元規則骨格構造を有する金属部材10の強度を十分に確保することができる。
なお、気孔列15における骨格12のピッチPは120μm以上であることがさらに好ましく、140μm以上であることがより好ましい。一方、気孔列15における骨格12のピッチPは1400μm以下であることがさらに好ましく、1300μm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10において、第一方向における空気の圧力損失が30000Pa以下である場合には、第一方向における流体の圧力損失を確実に低減することができる。
なお、第一方向における空気の圧力損失は25000Pa以下であることがさらに好ましく、20000Pa以下であることがより好ましい。
さらに、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10において、4MPaで加圧したときのひずみ量が1.0%以上である場合には、圧縮時に周辺部材の形状に追随して変形することになり、他の部材との接触抵抗を十分に低く抑えることができる。
また、本実施形態である3次元規則骨格構造を有する金属部材10において、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金、ステンレス、チタンまたはチタン合金のいずれか一種の金属で構成されている場合には、導電性、耐食性等の要求特性に応じた3次元規則骨格構造を有する金属部材10を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、Y軸方向およびZ軸方向の二つの方向に延在する気孔11を有するものとして説明したが、これに限定されることはなく、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の三つの方向に延在する気孔11を有するものであってもよいし、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれか一方向のみに延在する気孔11を有するものであってもよい。
さらに、本実施形態では、概略直方体形状をなす3次元規則骨格構造を有する金属部材として説明したが、これに限定されることはなく、他の形状の3次元規則骨格構造を有する金属部材であってもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
(本発明例1-4および比較例5)
まず、表1に示す金属からなる金属粉を平均粒径30μmとなるように篩分することで成形原料を調製した。
この成形原料を用いて、バインダージェット方式の3Dプリンタ(DigitalMetal社製DM P2500)によって、3次元規則骨格構造を積層造形し、250℃でバインダーを硬化させることで3次元規則骨格構造の成形体を得た。
得られた成形体を脱脂処理(加熱温度:400℃、保持時間:2時間)し、その後、焼結処理を実施し、3次元規則骨格構造を有する金属部材を製造した。なお、アルミニウム粉の場合は、焼結温度を650℃、保持時間を5時間とし、銅粉の場合は、焼結温度を1000℃、保持時間を5時間とし、SUS粉の場合は、焼結温度を1300℃、保持時間を5時間とし、チタン粉の場合は、焼結温度を1200℃、保持時間を2時間とした。
(比較例1-3)
まず、原料粉末として、平均粒径:15μmの水素化チタン粉末および平均粒径:10μmの純チタン粉末を用意した。さらに、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロースを用意し、有機溶剤としてネオペンタン、ヘキサンおよびブタンを用意し、可塑剤としてグリセリンおよびエチレングリコールを用意し、溶媒として水を用意し、さらに界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を用意した。
先に用意した水素化チタン粉末、水溶性樹脂結合剤としてのメチルセルロース、有機溶剤としてのネオペンタン、ヘキサンおよびヘプタン、可塑剤としてのグリセリンおよびエチレングリコール、溶媒としての水を配合し、必要に応じて界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸塩を添加して15分間混練し、チタン含有スラリーを作製した。
得られたチタン含有スラリーを用いて、ブレードギャップ:0.4mmでドクターブレード法により、ジルコニア製板の上にスラリー層を成形した。
このスラリー層をジルコニア製板の上に載せたまま高温・高湿度槽に供給し、そこで温度:40℃ 、湿度:90% 、20分間保持の条件で発泡させたのち、温度:80℃ 、15分間保持の条件の温風乾燥を行い、グリーンシート成形体を作製した。
そして、グリーンシート成形体を脱脂処理し、1170℃、10時間保持の条件で焼結を行い、チタン多孔質板材(金属部材)を得た。
(比較例4)
市販品の骨格径20μm、気孔率60%、厚み500μmの繊維焼結体(金属部材)を準備した。
(骨格および気孔)
本発明例1-4および比較例5の3次元規則骨格構造を有する金属部材においては、気孔の延在方向(第一方向)に直交する断面における骨格径、骨格のピッチ、気孔の円相当径について、X線CT測定(装置名:SMX1000、SHIMAZU株式会社製)によって測定した。
測定後のデータは解析ソフト(VG studio max 3.2)を用いて、金属部材の3次元画像データを得た。この3次元画像データを、厚み方向に50μm間隔で切り出した2次元画像(面積は3.5mm×3.5mmの範囲)に対して、2値化処理(画像解析ソフトWinROOF(三谷商事株式会社)を用いた。自動2値化→判別分析法→しきい値:54-255の条件を指定し、縮退処理の操作を2度行い、計測する。)を施して、金属部材における骨格部分と気孔部分を分離し、骨格の円相当径、骨格のピッチ、気孔の円相当径を算出した。
(空隙率)
本発明例1-4および比較例1-5の金属部材の空隙率Nを、以下のようにして算出した。
N(%)=(1-(W/(V×D)))×100
W:金属部材の質量(g)
V:金属部材の体積(cm
:金属部材を構成する金属の真密度(g/cm
(圧力損失)
本発明例1-4および比較例1-5の金属部材について、以下のようにして気孔の延在方向の圧力損失を評価した。
40mm×20mm、深さ0.2mmの溝が掘られた圧損測定用プレート(80mm角×厚み15mm)に、40mm×20mm、厚み0.2mmの金属部材(本発明例1-4および比較例1-4)を設置した。また、中央部を40mm×20mmのサイズに切り抜いたフッ素ゴム製のガスケット(80mm×80mm、厚み0.3mm)を金属部材の外枠として設置した。
上部から80mm×80mmの金属板をかぶせ、ばねを組み込んだねじを用いて、面圧0.25MPaで押さえた。
圧損測定用プレートには、深さ10mmのマニフォールドを、金属部材の左右両側に設けた。マニフォールドに内径φ4mmのフッ素樹脂(PFA)チューブを接続し、圧損測定用プレートに空気を流す。空気の流量は、マスフローメーターでコントロールした。圧損測定用プレート前後での圧力差を、デジタル微微差圧計(GC63 長野計器)で測定した。なお、空気の流速を1.0m/sとした。
(ひずみ量)
20mm×20mmに切り出したサンプルを、80mm×80mmの圧縮測定用治具に設置する。20kNの容量を持つ圧縮測定装置(ミネベア製 Techno Graph TG-20kNB)に設置し、金属部材の面に対して垂直方向に加圧する。この時の位置座標は、リニアゲージ(キーエンス社 AT-005V)3本及びコントローラ(AT-V500)を用いて行い、圧縮応力-ひずみ線曲線(図5参照)を得て、4MPa加圧時における金属部材のひずみ量を算出した。
Figure 2024035330000002
発泡金属からなる比較例1-3、および、繊維焼結体からなる比較例4においては、圧力損失が大きく成った。気孔がランダム配置されているためと推測される。
また、第一方向に延在する気孔を有し、気孔と骨格の位相が一致している比較例5においては、圧力損失は十分に低くなったが、ひずみ量が0.5%と小さくなった。
これに対して、一方向に延在する気孔を有する本発明例1-4においては、圧力損失が十分に低く、かつ、ひずみ量が十分に確保されていた。このため、他の部材との接触抵抗が低くなり、通電性および放熱性に優れていた。
以上の確認実験の結果から、本発明例によれば、空隙率が高く、且つ、通過する流体の圧力損失が低く、さらに加圧時のひずみ量が大きく、他の部材との接触抵抗が低い3次元規則骨格構造を有する金属部材を提供可能であることが確認された。
10 3次元規則骨格構造を有する金属部材
11 気孔
12 骨格
15 気孔列

Claims (10)

  1. 空隙率が50%以上95%以下の範囲内とされた3次元規則骨格構造を有する金属部材であって、
    前記3次元規則骨格構造は、骨格と第一方向に延在する複数の気孔とを有し、
    前記第一方向に直交する断面において、前記気孔および前記骨格が交互に配列された気孔列が、周期的に積層された積層構造が形成されており、
    積層方向に隣接する前記気孔列同士において、前記気孔および前記骨格の位相がズレていることを特徴とする3次元規則骨格構造を有する金属部材。
  2. 前記位相のズレがπ/4以上3π/4以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材。
  3. 前記第一方向に直交する断面において、前記気孔の円相当径が50μm以上1500μm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材。
  4. 前記第一方向に直交する断面において、前記骨格の円相当径が50μm以上200μm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材。
  5. 前記第一方向に直交する断面において、前記気孔列における前記骨格のピッチが100μm以上1500μm以下の範囲内とされていることを請求項1に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材。
  6. 前記第一方向における空気の圧力損失が30000Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材。
  7. 4MPaで加圧したときのひずみ量が1.0%以上であることを特徴とする請求項1に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材。
  8. アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金、ステンレス、チタンまたはチタン合金のいずれか一種の金属からなることを特徴とする請求項1に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材からなる電極を備えたことを特徴とする水電解装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の3次元規則骨格構造を有する金属部材からなる電極を備えたことを特徴とする燃料電池。
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